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2015-09-18 第189回国会 参議院 本会議 第43号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年九月十八日(金曜日)    午前零時十一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第四十四号   平成二十七年九月十八日    午前零時十分開議  第一 我が国及び国際社会の平和及び安全の確   保に資するための自衛隊法等の一部を改正す   る法律案内閣提出衆議院送付)  第二 国際平和共同対処事態に際して我が国が   実施する諸外国軍隊等に対する協力支援活   動等に関する法律案内閣提出衆議院送付   )     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、国務大臣中谷元問責決議案(大野元裕君   外一名発議)(委員会審査省略要求)  一、本決議案議事における趣旨説明討論そ   の他の発言時間は一人十分に制限することの   動議野上浩太郎君外一名提出)  一、議長不信任決議案足立信也君外一名発議   )(委員会審査省略要求)  一、本決議案議事における趣旨説明討論そ   の他の発言時間は一人十分に制限することの   動議野上浩太郎君外一名提出)  一、内閣総理大臣安倍晋三君問責決議案(郡司   彰君外一名発議)(委員会審査省略要求)  一、本決議案議事における趣旨説明討論そ   の他の発言時間は一人十分に制限することの   動議野上浩太郎君外一名提出)  一、日程第一及び第二  一、我が国及び国際社会平和安全法制に関す   る特別委員長鴻池祥肇問責決議案小西洋   之君外一名発議)(委員会審査省略要求)  一、本決議案議事における発言時間は趣旨説   明については二十五分、討論その他について   は一人十五分に制限することの動議野上浩   太郎君外一名提出)      ─────・─────
  2. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  大野元裕君外一名発議に係る国務大臣中谷元問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 御異議ないと認めます。  よって、本決議案議題といたします。  野上浩太郎君外一名から、賛成者を得て、  本決議案議事における趣旨説明討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。  足立信也君外五十六名より、表決記名投票をもって行われたいとの要求提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  4. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  5. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  6. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百二十八票     白色票           百四十票     青色票           八十八票    よって、本動議は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  7. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより発議者趣旨説明を求めます。大野元裕君。     ─────────────    〔議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔大野元裕登壇拍手
  8. 大野元裕

    ○大野元裕君 民主党新緑風会の大野元裕でございます。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました中谷国務大臣問責決議案について、提案理由説明を行います。  まず、決議案の案文を朗読いたします。   本院は、国務大臣中谷元君を問責する。    右決議する。  本決議案提案理由を申し上げる前に、一言申し上げます。  本日、鴻池安保特委員長不信任動議が同委員会において否決された直後、委員外与党議員が突然委員長を取り囲み、それに端を発して議事が騒然といたしました。与党委員は、その際に安保法制が可決されたなどと称しているようですが、我々野党議員表決権は奪われ、無効な採決が行われたにすぎません。野党議員委員長を取り囲む場合とは異なり、与党委員外議員委員長席を取り囲むことによって、野党議員は、委員長が何を話し、何をしようとしていたのか全く推量不可能となりました。  委員長国会法四十八条に基づき議事整理権を有していますが、委員表決権を奪う権利はありません。したがって、野党議員表決権行使できなかった今回の採決は当然無効であります。また、上述のような瑕疵のある表決が行われた疑義があることから、本案採決のためにセットされた本会議も同様に無効です。  言論を力で封殺し、民主主義を圧殺したいのならば、それは自民党内だけにとどめていただきたい。国民に対する説明責任を放棄し、マスコミに圧力を掛けて言論を封殺してきた与党は、今回、丸裸の暴力により、国民により選ばれた我々の表決権行使権利すら奪ったのです。そして、今回問責を受ける中谷国務大臣発言行動は、このような暴政、圧制の自公政権行動の延長線上にあるのではないでしょうか。  本決議案提案の第一の理由は、安全保障法制を担当する中谷国務大臣が、恣意的、便宜的に憲法を解釈し、憲法擁護義務法的安定性ないがしろにした本案を策定し、国会提出した点にあります。  安倍政権は、昨年七月一日、戦後七十年間、憲法の下で培われてきた憲法解釈を変更する閣議決定を行いました。国民への説明国会審議もおろそかにした憲法解釈閣議決定は受け入れ難く、民主党は撤回を求めました。  しかし、安倍政権はこの閣議決定に対する批判を無視し、中谷大臣閣議決定に基づく法案の策定を進めました。政府与党協議を経て安保法制国会提出したのは、通常国会の会期が十分に残されていない五月十五日のことでありました。政府案は、自衛隊法周辺事態法PKO法等の主要な法律改正十本を束ねたものと他国軍隊への後方支援に関する恒久支援、合わせて十一本を提出しました。本来なら、それぞれの法案が一国会では審議が終わらない、それほど慎重な審議を要する内容ですが、それらを一つにまとめた形式にしたことは、論点を掘り下げにくくし、国民への説明責任を当初から放棄する無責任な手法でした。  中谷大臣憲法観衆議院特別委員会において明白になりました。集団的自衛権行使を認める閣議決定について問われ、現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけばいいのかという議論を踏まえて閣議決定を行った。言語道断です。これは単なる言い違いではありません。政府を拘束するものである憲法は、国民との約束です。その憲法ないがしろにした発言であり、決して見逃すことはできません。  そして、二つ目理由は、自衛官の命を預かる大臣として、海外派遣される隊員のリスクについての認識が極めて甘く、自衛官を守る責任を放棄していることです。  中谷大臣委員会審議で、政府案により海外で活動する自衛隊リスク危険性が高まることをなかなか認めようとしませんでした。正確にリスクを求めることが彼らの安全確保につながるのではなかったんでしょうか。それどころか、後方支援を行う自衛隊員への安全配慮義務については、明文で貫徹されているとの答弁虚偽であることが明らかになりました。  大臣は、今でも自衛隊員国際支援災害現場で懸命に働き、危険と隣り合わせの任務を全うしている、危険を回避するための安全確保対策を進めると繰り返し答弁されました。しかしながら、実際に派遣される自衛隊員を待ち受けるリスクを回避する義務すら理解せず、法案には書き込まず、いかにして部隊派遣命令を出すのでしょうか。  中谷大臣、私は一人の私人として、あなたの率直で優しい人柄が大好きです。党こそ異なれ、あなたと様々な機会に御一緒できることをうれしく思ってきました。しかしながら、今回の安保法制で私が最も残念に思っていたのは、新たな法律自衛官犯罪人にしてしまう可能性があるのに、自衛隊を守るという重大な責任を放棄していることです。  月曜日に私が行わせていただいた委員会質疑では、PKO派遣される自衛官武器を使用する際、刑法三十五条に基づき違法性が阻却される、それを尋ねました。PKO法改正により治安維持業務が追加された自衛隊は、国連が掲げるミッションの不偏性に基づき武器使用を行う可能性があります。この不偏性は新たなPKO法には書かれていません。したがって、この原則にのっとり武器使用を行う自衛隊員国内法で有罪となる可能性があるんです。懸命に任務を果たす自衛官が、法律瑕疵によって罪人となる可能性を受け入れさせるということで、本当に大臣、いいんでしょうか。  自衛隊法律に基づき行動する部隊であり、きちんとした法律を制定してからその任務を果たすことが、政治家に課せられた責任です。自衛隊員違法性判断するのは、政府お得意の総合判断ではありません。最終的には司法なんです。だからこそ、法律には書いていないのに、司法違法性を阻却することをどう担保するのかを私がただしても、大臣は明確にはお答えになられませんでしたね。当然です。なぜならば、政府は、本件について内閣法制局にすら審査依頼していないんです。そうであれば、元自衛官として、大臣として、自衛官を守るために身を挺して法律を見直していただきたい、私はこのようにお願いをし、良心に訴えかけをいたしました。しかし、それは残念ながら無視をされました。  あなたには国会の外のデモの声は届かないのかもしれない、国民の八割がまだまだ時期尚早である、この声は届かないのかもしれない。しかし、あなたは、大臣としてただ一人、自衛官を守れる立場のお方です。そして、自衛官に対し、命を懸けろと命令をされる、そういう立場ではないですか。だからこそ、私が尊敬する先輩ではありますが、自衛官の命すら守らない、そして自衛官政府の不作為と怠慢で犯罪者になることから守らないのであれば、大臣でいる資格はないと言わざるを得ません。  第三の理由は、法案担当大臣であるにもかかわらず、国会審議の場において、大臣として法案に関するまともな説明を行えず、支離滅裂で、それどころか、法案すら理解していないそぶりが見えたことであります。これは、日本安全保障未来、そして国民自衛官の命に対する冒涜です。  中谷大臣は、残念ながら大臣としての資質を欠いていると言わざるを得ません。中谷大臣答弁はほぼ毎日二転三転をし、この法案が万が一成立すれば将来に大きな影響がある可能性が高いにもかかわらず、立法者の意思すら明確に表明されておりません。それどころか、質問者がいかに平易な質問を行っても、答弁に困ると直接関係のない新三要件説明を延々と朗読をし、質問時間の浪費を続けました。  この本会議では、中谷大臣の長々とした答弁議事録を是非逐一読ませていただこうと思いましたが、先ほどの言論封殺の御提案もあり、それは忍び難いところではございますが、控えさせていただきたいと思っております。  しかし、ここでは、日本未来影響を与えるこの重要な法案国民説明する、そのような能力を欠く、その責任を放棄した、そういう大臣では、我々は、その期待を裏切ったと言わざるを得ません。このようなていたらくの挙げ句、時の政権の裁量に全てを委ねてほしいと繰り返しても、国民が納得するはずはありません。  また、中谷大臣が何度も繰り返した、法理上はできても政策的な判断でやらないという発言は、大臣未来永劫大臣の職にあられるのであればともかく、条文上定めがなければ歯止めになりません。中谷大臣には未来予知能力がおありになるのか、その非すら認めようとしていません。  さらには、法案の基本的な部分に答えることすらできず、例えば、法律上はできるがやらないという策源地攻撃能力について、御本人の答弁であるにもかかわらず、法律上はできるのにやらないのか、それとも能力がないのか、それについて聞いても、答えは二転三転、迷走を繰り返し、いまだに答えは霧の中です。  このような答弁の繰り返しは、衆議院より短い審議時間、かつ野党質問時間が大きく減らされたにもかかわらず……
  9. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 大野君、大野君、時間が経過をいたしております。簡単に願います。
  10. 大野元裕

    ○大野元裕君(続) 百十一回も審議が止まるという、まさにその結果に表れています。  さて、政府の言う存立危機事態の新三要件立法事実、認定要件についての具体例は、僅かに三件しかありません。  ホルムズ海峡への機雷掃海については、数多くの衆参の批判において、どうも取り下げられたそうであります。お母さんと子供を乗せた米艦防護事例については、七月一日の閣議決定を受けた記者会見において、総理がパネルを示し、そしてしたり顔説明をされました。多くの国民は、このかわいそうな親子の存立危機事態認定が典型だと思ったのではないでしょうか。  ところが、我が国は、これまで公海や外国において……
  11. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 大野君、時間が経過しております。簡単に願います。
  12. 大野元裕

    ○大野元裕君(続) 一度も邦人危機に瀕しても自衛権主張したことはありません。つまり、一般に、民間の船舶に乗船する邦人が第三国から攻撃されても自衛権行使にはならないのです。その一方で、邦人が乗船していない米軍の艦船を防護すれば、それは集団的自衛権の一般的なフルスペックの行使です。  なぜこの二つを足せば限定的な自衛権行使になるのでしょうか。これをただした私に対し、中谷大臣は、迷走答弁を繰り返した挙げ句の果て、退避をする邦人は必ずしも必要はないと、そのように前言を撤回いたしました。集団的自衛権行使をしたいばかりに国民の情に訴えかける、このようなこそくなやり方は断じて受け入れることはできません。  イージス艦防護についても同様です。日本に向かう弾道ミサイル対処のためにレーダーを上昇に照準を当てれば、巡航ミサイルに対するまさにその防衛が緩くなると……
  13. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 大野君……(発言する者多し)お静かに願います。
  14. 大野元裕

    ○大野元裕君(続) このようなしたり顔総理答弁に対し、防衛大臣であった中谷大臣は、日本に向かう弾道ミサイル防衛能力がないイージス艦を同様に守ることが認定要件になるばかりか、空母補給艦などの横須賀の丸ごとの船舶を全て守ると答弁したんです。さらには、空中給油機空母艦載機戦闘爆撃機輸送艦など、その拡大には際限がないことが明らかになりました。これでは自衛隊米軍の下請です。  このように、答弁が不安定、不明瞭、矛盾だらけ総理や他の閣僚との整合性がなく、また衆議院における答弁虚偽である等、中谷大臣法案担当大臣としての資質に欠けるとしか言いようがありません。  また、僅かに三件しかない新三要件の全ての事例が無に帰したにもかかわらず……
  15. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 大野君、大野君、時間が経過をいたしております。簡単に願います。
  16. 大野元裕

    ○大野元裕君(続) いまだに、安全保障担当大臣として、安全保障環境は変わっているので限定的集団的自衛権行使が必要などというのは欺瞞主張にほかなりません。我々はしっかりと安全保障環境を守ってまいります。しかしながら、それは欺瞞主張やあるいは国民に対するそしりであってはならないのです。  以上が、中谷大臣不信任とする理由でございます。  国民への責任自衛官への責任ないがしろにした大臣責任を問わなければならない議員与党の中にもいるはずです。同僚の議員皆さん、あなた方の良心に訴え、この問責決議案への御賛同をお願いを申し上げ、私の趣旨説明を終わります。  御清聴どうもありがとうございました。(拍手)     ─────────────
  17. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。江島潔君。    〔江島潔登壇拍手
  18. 江島潔

    江島潔君 自由民主党江島潔です。  私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました中谷防衛大臣に対する問責決議案に対し、断固反対立場から討論を行います。  平和安全法制審議を通じて、中谷大臣は非常に誠実に答弁を続けてこられました。一方で、問責決議案提出された各会派は、中谷大臣答弁を曲解し、言葉尻をあげつらい、あら探しをすることに情熱を傾けてこられました。その情熱を、法案内容についての審議我が国を取り巻く脅威の現状、我が国安全保障の将来像などの議論に注いでいただければ、より充実した法案審議になったものと存じます。ごく少数の良識ある野党議員方々はそうした質疑をされていましたが、そうでない多くの野党方々によって、法案審議の質が著しく下がったことは大変残念であります。  民主党蓮舫代表代行は、中谷大臣答弁について、余りに横暴とおっしゃったそうです。しかし、一部の民主党議員質問態度こそ、余りに横暴ではなかったでしょうか。民主党は、人のことを言う前に、まず自らの態度を反省すべきであります。  確かに、中谷大臣答弁を修正したり撤回したこともありました。しかし、そのたびに誠実に謝罪して、修正すべきものは修正し撤回すべきものは撤回しているのですから、全く正しい行動です。  一部の野党は、これまで、平和安全法制に対し、戦争法案だ、徴兵制になる、自衛隊派遣歯止めがなくなるといった誤った事実を印象付けてきました。あなた方は、こうした国民を惑わせる情報を今まで修正したり撤回したことがありますか。していないなら今すぐ撤回し、謝罪を行うべきです。それをせずに中谷大臣問責する資格などありません。明らかに間違ったことを言い続ける一部野党より、間違ったことをしっかりと修正し撤回する中谷大臣の方がよほど誠実ではありませんか。  また、防衛省自衛隊において、平和安全法制成立前であるにもかかわらず、法案成立を見越した資料を作成したのが問題だったという批判もあります。しかし、その批判も明らかに間違っています。批判のための批判であり、聞くに値しません。  平和安全法制に限らず、どの法案の場合でも、法案成立した場合に備えて、政府部内で事前に具体的な検討課題を整理し、必要な分析や研究を行うことは当然のことです。むしろ、法案成立するまで何の準備もせず、成立して初めて準備を始めるという方があり得ないでしょう。もしそんなことがあれば、準備不足というそしりは免れません。ましてや、今回は安全保障という国の根幹に関わるテーマです。法案成立した場合、すぐに必要な対応ができるように事前準備しておくことは当然のことであります。全く問題がないどころか、むしろ必要なことです。やっていない方が問題です。  もっとも、こうした内部文書が簡単に外部に流出してしまうことは問題であります。中谷大臣におかれては、防衛省自衛隊における情報管理を改めて徹底していただきたいと思います。あわせて、どのように情報が流出したか、しっかり調査していただきたいと思います。  さて、皆様御存じのとおり、中谷大臣は元自衛隊員であり、第一次小泉内閣防衛庁長官、現内閣では防衛大臣を歴任されている防衛政策のスペシャリストであります。中谷大臣の専門的な知識、経験があったからこそ、この長時間にわたる平和安全法制審議をここまで進めてこられたのです。まさに余人をもって代え難い人材と言ってよいでしょう。  その中谷大臣に対し、これまで述べたように、一部野党が自らの非を棚に上げて、ただ平和安全法制採決を引き延ばしたいという身勝手な理由だけで提出したのがこの問責決議案です。このような決議案が万が一可決されるようなことがあれば、我が国憲政史上の大きな汚点となります。全力で否決しなければいけません。  かつての野党は、採決を引き延ばすため牛歩戦術を用いて国民から大きな批判を浴び、国会権威を辱めました。国権の最高機関である国会国民の嘲笑の対象にまでなったのです。あの牛歩戦術と同じ目的の決議案ですから、絶対に許してはなりません。  良識ある参議院皆様に対し、国会権威を守るため、このような決議案を断固として否決していただくことを求めまして、私の討論を終わります。(拍手発言する者多し)
  19. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 今理事協議中でございますので、しばらくお待ちください。──皆さん、御静粛に願います。──皆さん皆さん理事が今協議中ですから、お静かに願います。──皆さん、今理事協議中でございますから、静かに願いますよ。  藤田幸久君。    〔藤田幸久登壇拍手
  20. 藤田幸久

    藤田幸久君 民主党新緑風会藤田幸久です。  ただいま議題となりました中谷国務大臣問責決議案につきまして、会派を代表して、賛成立場から討論いたします。  中谷大臣は、自分を鍛えてみたいとの思いから防衛大学に進学し、陸上自衛官となりました。陸上自衛隊ではレンジャー部隊の教官まで務めた、まさに現場のプロと言えます。人柄も誠実で、人望もあると聞いています。  一九九六年、私は、対人地雷全面禁止条約、いわゆるオタワ条約に取り組みました。オタワ条約加入を目指した超党派の対人地雷全面禁止推進議員連盟を立ち上げ、野党各党議員は続々賛同してくれたものの、与党自民党議員政策立場から誰も参加できませんでした。そんな中、自民党から最初に参加してくれたのが自民党国防部会長であった中谷議員でした。陸上自衛隊地雷担当であった中谷議員は、PKOで訪れたカンボジアで女性や子供など市民の被害の悲惨さを見て、対人地雷残虐性に大きな刺激を受けたのです。  中谷議員に続いて多くの自民党議員も加わり、小坂憲次議員を会長とする議員連盟が三百八十八人まで広がりました。こうして一九九七年、小渕恵三外務大臣オタワ条約に調印したのです。中谷議員とはクラスター条約にも一緒に取り組みました。  私は、制服組の出身でありながら、人道主義という安全保障にとって最も重要な視点から英断を下した中谷議員を高く評価するものです。  しかし、こうした行動がすばらしくても、我が国防衛政策のトップである防衛大臣、とりわけ我が国防衛の在り方を根本から転換させる安全保障法制担当大臣として、その重責にふさわしい仕事ぶりをしてきたとは言えません。大臣就任以来の国会答弁を見ると余りにも明らかです。  衆議院特別委員会では百十六時間の審議を行いましたが、大臣答弁が曖昧で、委員長が速記を実に百十一回も止めざるを得ませんでした。参議院審議でも約百時間審議をいたしましたが、審議が止まった回数は衆議院と並んでしまいました。衆参合わせて二百回以上審議が止まったわけですが、そのうちの圧倒的多数が中谷大臣による答弁ストップです。  中谷大臣答弁書にはおびただしい数の附箋紙が貼られ、あれではどのページを見たらよいのか分からないという、気の毒になるくらいでした。答弁に窮する大臣に、後ろから役人がメモを渡したり耳打ちをしたりするのは日常茶飯事でした。この様子を見ていた国民自衛官皆さんの不安は大きく膨らんだわけであります。  中谷大臣は、六月五日の衆議院特別委員会審議において、現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけばいいのかという議論を踏まえて閣議決定を行ったと述べています。言うまでもなく憲法は、国家権力を抑制してその濫用を防ぎ、もって国民権利の侵害を防ぐという、極めて重大な役割を持つ我が国最高法規であります。その憲法安保法制に適用させて変更してもよいと考えたのならば、本末転倒も甚だしく、安倍政権の魂胆が露呈したものです。  中谷大臣は、著書の中で、憲法の解釈変更はすべきでない、憲法改正は限界に来ている、憲法の信頼性が問われると書いています。また、雑誌の対談でも、政治家として解釈のテクニックでだましたくないと語っています。しかしながら、今、ごまかしの憲法解釈変更による安保法制担当大臣としてあなたがやっていることは、解釈のテクニックでだますことであり、また憲法の信頼性をおとしめることにほかなりません。  さらに、中谷大臣は、自衛隊米軍に対して後方支援を行う際における劣化ウラン弾の運搬の有無について、八月十一日の国会審議においては、劣化ウラン弾は運ばないということで相手先と協議していると答弁しておきながら、九月二日の審議では、劣化ウラン弾について個別に協議していないと、過去の答弁を撤回しました。答弁に苦しくなると虚偽答弁をしてやり過ごす、国会審議を冒涜するこのようなやり方は断じて許すわけにはいきません。  このように、曖昧で、虚偽に満ち、整合性が取れない答弁は枚挙にいとまがありません。過去の答弁が変われば審議は振出しに戻るので、何十時間掛けても審議内容は深まりません。  また、中谷大臣は、私は、国会というのは最大のシビリアンコントロールである、原点であると思っていますと発言しています。また、文民統制の原点が憲法第九条であると発言していますが、安倍総理大臣中谷大臣も、この国会という最大のシビリアンコントロールを無視した憲法解釈の変更や強行採決を今日も含め度々行い、自らの信念を自ら否定してしまったことは断じて許すわけにはまいりません。  五月二十七日には、野党議員から、武力行使武器使用の違いは国民にとって分かりにくいものであるとの指摘を受けた際、中谷大臣は、武力の行使武器の使用、この違い、本当に分かりませんか、それが分からないと、これ、議論できませんよと発言しています。まるでそれを知らない国民の方に非があるかのような答弁を行いました。武器使用とは自衛官が個人として行う行為であり、自衛隊という組織が行う武力行使とは本質的に異なるものです。そして、憲法上も大きな違いがあることをごまかし、一方的にそれを知らない方が悪いという趣旨の発言を行うなど、まさに上から目線で政府の考えを押し付けようとしている現政権の本性が現れました。  また、中谷大臣は、安保法制により生じることになる自衛官リスクに関して、五月二十七日の特別委員会審議においては、最大限極小化すると言いながら、その翌日の委員会では、現行法と比べて安全性において相違はないと言い、さらに六月一日の審議では、任務に新しい内容が増えるのでリスクは新たに考えられると、答弁を二転三転させました。  日によって発言がころころ変わり、答弁に一貫性がありません。中谷大臣は、自衛隊の厳しい現場を身をもって経験していながら、自衛隊員犯罪者にしてしまう可能性や、必要な配慮義務の欠如について説明をしていません。かつての同僚や後輩にとって生死に関わる安保法制に伴うリスクをひた隠しにしていると断ぜざるを得ません。  今回の安保法制によって、新たにアメリカ軍等の部隊武器防護のための武器使用自衛隊法改正によって可能となりますが、これについて、八月二十一日、自衛隊員安全確保をどのように担保するのかと質問された大臣は、自衛隊法改正案には条文がなく、重要影響事態法の中に規定している旨を答弁しました。自衛隊法改正である米軍等の武器防護に係る安全確保策なのに、なぜ重要影響事態法の中で規定されるのか、中谷大臣説明は全くめちゃくちゃなのであります。  先月、自衛隊協力会の幹部が私に電話をしてきました。今まで自分は多くの高校生など若者を自衛隊に勧誘してきた、それは自衛隊の基本が専守防衛だからだ、しかし今回の安保法制はその形を変えた、しかも外国の戦争ばかりでなく動乱や紛争などにも派遣される、こうした自衛隊に若者を勧誘することは今後一切行わない、何としても安保法制を止めてほしいと、この方が訴えてきました。  また、私は先週から、記録的な豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し甚大な被害が広がっている茨城県常総市を訪れ、被災者の支援活動を行いました。孤立した多くの人々を警察、消防、自衛隊のヘリコプターが救ってくださいました。そのヘリコプターに救われた女性の一人が語りかけてきました。自宅の屋上から自衛隊のヘリコプターで助けてもらいました、自衛官の人たちは本当に優しかった、こんな優しい自衛官たちを戦争に行かせてはいけないと思った、安保法案は止めてくださいと強く訴えました。  八月二十七日の茨城県主催の戦没者追悼式で、遺族代表の豊島寛一さんは、憲法を都合よく解釈するのはこそくだ、国民の声に耳を傾け、謙虚に審議を行ってほしい、必要ならば手順を踏んで正々堂々と憲法改正すべきだと述べました。遺族をこれ以上増やさないでほしいという御遺族の方々の訴えが高まっています。ここでいう御遺族とは、自衛隊の御家族を御遺族にしないでほしいという大きな声の広がりであります。  中谷大臣、あなたは、国民全体の命はもとより、自衛官の命を守るべき自衛隊責任者でありながら……
  21. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 藤田君、時間が経過をいたしております。簡単に願います。
  22. 藤田幸久

    藤田幸久君(続) 自衛官リスク対策が十分担保されていない欠陥法案提出しているのです。あなたは、多くの自衛官の命を最も軽視した防衛大臣として歴史に名を残すことになります。これまでの輝かしい実績と人柄を差し引いても余りある今回の安保法制危険性と、国民の意思や憲法や命を無視する大臣を看過するわけにはいかず、問責決議に賛成する次第です。  最後に、今回の特別委員会における強行採決は、委員以外の与党議員が突然委員長を取り囲んで採決を行ったものです。野党議員が取り囲む場合と異なり、野党議員は、委員長が何を話し、何をしようとしたのか推量不能でありました。その結果、野党議員表決権行使ができなかったわけで、結果的に委員長委員表決権を奪い……
  23. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 藤田君、時間が経過いたしております。簡単に願います。
  24. 藤田幸久

    藤田幸久君(続) 野党議員表決権行使できなかった今回の採決は無効であります。  そのことも指摘して、中谷国務大臣問責決議案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手
  25. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 儀間光男君。    〔儀間光男君登壇拍手
  26. 儀間光男

    ○儀間光男君 皆さん、おはようございます。維新の党の儀間光男でございます。  私は、維新の党を代表いたしまして、中谷防衛大臣への問責決議案への賛成討論を行いたいと思います。  中谷防衛大臣、あなたは、既に集団的自衛権の限定容認が閣議決定された後の昨年十二月に防衛大臣に就任されたのであります。まさに、政府安全保障法制成立を担うために起用されたわけであります。国家国民の命運を大きく左右する法案ですから、中谷大臣責任もおのずと重要なものであるはずであります。そして、五月から法案審議が始まりましたが、中谷防衛大臣、あなたの安保法制に関する答弁発言は、残念ながら国民の不安と不信を増幅するものでありました。  衆議院での審議は、中谷大臣の、武力行使武器使用の区別が付かないなら議論はできないとの答弁をし、質問者に陳謝することから始まりました。それは、いみじくも、我が維新の党の前幹事長柿沢未途議員に対する答弁でありました。  参議院審議に入っても、不安定で矛盾した答弁が続きます。  米軍行動関連措置法改正案における自衛隊安全確保措置については、一旦、安全確保に必要な措置は法案に明記されていると答弁した後、質問を受けるたびに、規定はない、必要な措置を盛り込むと、答弁が二転三転し、審議が紛糾いたしました。  防衛省の内部資料に、南スーダンPKOの活動で、来年二月にも駆け付け警護を始めるという、法案内容を先取りした想定が明記されていた問題について、中谷大臣は、必要な分析、研究を行ったものだと釈明をしておりますが、分析、研究の範囲を逸脱しているのは明らかであります。大臣のおっしゃった、国会審議中に法案内容を先取りするようなことは控えなければならないとした以前の答弁とも矛盾をするものでございます。  劣化ウラン弾の輸送については、当初、自衛隊米軍に対する後方支援として劣化ウラン弾を輸送しないことを米側と協議していると説明をいたしましたが、その後、協議は実はしていない、非常に不正確な答弁だと撤回し、これでは国会の場で完全に虚偽答弁をしていると言われても仕方のない答弁であります。  そして、九月十四日の集中審議では、法案成立したら内容を把握して検討すると、法案成立ありきを公言いたしました。まさに本末転倒の答弁。これでは、一体何のための国会審議なのか、全く看過するわけにはまいりません。  理解不足のために目まぐるしく変わる答弁、矛盾した答弁虚偽答弁、そして国会審議自体を否定するかのような答弁中谷大臣答弁のために一体何十回審議が止まったのでありましょう。審査中でも答弁補助者からレクチャーを受けなければ答弁に立てないのでは、失礼を顧みず言わせていただくならば、とても大臣資格があるとは思えません。  そして、安保法案自体の理解が不十分であるだけでなく、基本的な憲法原理についても認識が不十分で、大臣として明らかに見識が不足していることも露呈をいたしました。  まず、文民統制についての認識であります。  防衛省設置法を改正し、防衛省の官房長及び局長が幕僚長より優位に立つ文官統制の根拠とされてきた規定を見直した際の会見で、中谷大臣は、これにより文民統制、つまりシビリアンコントロールの強化につながるという認識を示しました。文官統制の見直しが国会内閣による文民統制の緩和につながり、国民自衛隊に対する信頼が大きく揺らぐようなことがあってはならないと危惧されているときに、大臣がこのような認識でよいのでしょうか。軍部の台頭を追認する形で後戻りできない戦争になだれ込んだ過去の歴史を繰り返さないよう、戦後一貫して守られてきた我が国の厳格過ぎるほど厳格な文民統制、これを何としても堅持するという矜持があるのか、疑問を持たざるを得ません。  次に、法案憲法適合性に関する認識です。  今回の安保法案が、専守防衛の理念の下、戦後一貫して積み上げてきた憲法解釈に照らし、違憲性の疑いが極めて濃厚な法案であるというのは、もはや動かし難い事実になりつつあります。  六月四日の衆議院憲法審査会で、自民党推薦の長谷部恭男先生を始め、小林節先生、笹田栄司先生という日本を代表する憲法学者三人がそろって憲法違反と断じ、引き続く六月二十二日の衆院特別委員会の参考人質疑では、内閣法制局の歴代長官である阪田雅裕氏、宮崎礼壹氏も違憲性を次々に指摘されました。  実際に政府内で憲法の解釈をつかさどってきた内閣法制局長官経験者の違憲の指摘に対して、政府与党は、合憲性の最終的な判断権を有するのは最高裁だと反論してきましたが、今やその最高裁長官経験者までがついに集団的自衛権行使を認める立法憲法違反と言わざるを得ないと明言するに至っております。これに対し中谷防衛大臣は、現役を引退した一私人の発言であると切って捨てました。最高裁でも、これらの専門家と基本的に同じ憲法理論で判断する以上、これらの専門家の意見を一顧だにしない姿勢はもはや憲法軽視と言わざるを得ません。  さらに、中谷大臣の立憲主義の理解には重大な疑義があります。大臣は、六月の衆議院での安保法案審議において、現在の憲法をいかに法案に適用させればいいかという議論を踏まえて閣議決定したという実に驚くべき発言をしておられます。法律によって憲法解釈を変える、あるいは憲法を骨抜きにすることを閣議決定の前に話し合っていたと、防衛大臣自らが堂々と国会で公言したわけであります。これでは、憲法法律の優劣が逆転してしまうことは誰の目にも明らかであります。憲法九十八条が規定する憲法最高法規性、憲法九十九条の国務大臣憲法尊重擁護義務、そして、これらの背景にある立憲主義の原理への理解が全く欠落しているとしか思えません。憲政史上最悪の発言と言っても過言ではありますまい。  このように中谷大臣は、先人たちが多くの血と汗と涙を流して確立した文民統制や立憲主義など、不断の努力で積み上げられてきた憲法理論を軽んじ、違憲の法案を制定しようとしております。我々といたしましても、このまま立憲政治が汚されてよいのか、戦後、今ほど議会人として矜持が問われているときはないと思っております。  中谷大臣憲法原理への無理解や国会審議に対する不誠実な姿勢は、国民の理解度に関する世論調査にも表れております。審議入り時点の五月の産経新聞世論調査では、政府提出安全保障関連法案について、よく理解しているとある程度理解しているの合計が五三・五%。さらに、参院での審議が進む中で、直近の八月の同社の世論調査では、よく理解しているとある程度理解しているの合計が四八・三%。上がるどころか五ポイント以上も落ちてしまったのです。  安保法制国民の理解は深まっておらず、安倍政権、中でも中心となって答弁してきた中谷防衛大臣が果たすべき説明責任を果たせなかったことは明らかであります。  今回の安保法案は、日本自衛隊海外の戦地やその周辺で武力の行使武器の使用に及び、他国民を軍民問わず殺傷したり、反対に隊員自らが危害を加えられたりする、そうした可能性を持った法律であります。  このような日本の平和主義を根底から揺るがしかねない可能性を持つ法律の運用に当たるのが……
  27. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 儀間君、時間が超過をいたしております。簡単に願います。
  28. 儀間光男

    ○儀間光男君(続) このような見識も覚悟も欠けた大臣というのであれば、恐ろしくて安心してお任せできない、きっと国民はそう思ったに違いありません。  以上、誠実さと憲法原理の理解に欠ける答弁を繰り返し、違憲の法律を制定する憲政史に大きな汚点を残そうとしている中谷防衛大臣責任は極めて重く、このことをもって問責決議案への賛成理由といたします。  最後に一言申し上げます。  我が維新の党は、単に政府案反対するのではなく、憲法適合性の高い対案を出しております。建設的な議論ができるような努力をした唯一の野党であります。今後も、身を捨ててでも理念と政策を軸とした改革に意を決して取り組む、そのことをこの場を借りて国民皆様にお約束を申し上げ、中谷防衛大臣に対する問責決議案への賛成討論といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     ─────────────
  29. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 江島君の発言につきましては、理事間の協議に基づき、速記録を調査の上、議長において適切に措置いたしたいと存じます。     ─────────────
  30. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 辰巳孝太郎君。    〔辰巳孝太郎君登壇拍手
  31. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  私は、会派を代表して、中谷元国務大臣に対する問責決議案に断固賛成討論を行います。  まず最初に、先ほどの自民党議員の我が党への発言は、公党に対する攻撃であるとともに、国会質疑を封殺せんとするものであり、このような誹謗中傷は全面撤回と謝罪を求めるものであります。  今、日本を再び戦争する国にさせてはならないとして、圧倒的多数の憲法学者始め、歴代内閣法制局長官、元最高裁判事、裁判官のOBの方々が次々と批判の声を上げています。国会周辺で、全国津々浦々で、学者、子育て中のママや、学生、高齢者が思い思いの言葉を紡いで反対の声を上げています。法案の正体を見抜き、日を追うごとに反対の声が増え、今や七割以上の国民法案成立反対しているのであります。  この主権者国民の声に反して、憲法に違反し、日本海外で戦争する国につくり変える法案を進めてきた担当大臣たる中谷大臣責任は極めて重大であります。  日本憲法九条は、国際紛争解決の手段として武力の威嚇、武力の行使を禁止し、戦力不保持、交戦権の否認を明記しています。この憲法の平和主義は、日本の侵略戦争に対する反省の下でつくられたものであり、戦後の日本国際社会に復帰する上で世界とアジアに公約したものであります。  ところが、安倍内閣は、昨年七月、従来の政府憲法解釈を百八十度変更し、歴代内閣憲法違反と説明してきた集団的自衛権行使を可能とする閣議決定を行いました。一内閣の決定で、歴代内閣憲法解釈を覆し、海外で戦争する国にすることは断じて許されません。その上、首相補佐官は、法的安定性は関係ないと開き直ったのであります。立憲主義に真っ向から反する暴挙であり、国民を欺く憲法破壊と言うほかありません。  政府は、日本の平和と安全のためと言いますが、この法案は、四月の総理訪米において日米で合意した日米防衛協力のための指針、新ガイドラインを実行するためのものであります。ガイドラインは、日米間の軍事協力を地球規模に拡大するとともに、米国などに対する武力攻撃に対処するため、日本が武力を行使することを明記しています。しかし、これは日米安保条約の大改悪そのものではありませんか。米国に対する攻撃に日本が対処するなどということは、安保条約に明記された、米国は日本防衛義務を負い、日本は基地提供義務を負うという条約の根幹を変更するものではありませんか。国民的な議論国会の承認もなく条約の根幹を改定するなど到底許されません。  戦争法案は、安保条約をも超えて、アメリカの戦争に、いつでも、どこでも、どんな戦争でも、自衛隊が参戦するためのものであり、このような法案平和安全法制などと言い繕ってきた中谷防衛大臣責任は重大であります。  それだけではありません。法案内容は、従来の周辺事態法やイラク特措法さえも超える重大なものであります。従来の非戦闘地域の枠組みを廃止し、自衛隊による米軍の兵たん活動を大きく広げるものです。今回、新たにできるとした戦闘作戦行動のための発進準備中の航空機への給油や弾薬の提供は、まさに典型的な武力行使の一体化事例であり、内閣法制局憲法上慎重な検討を要するとしてきたものであります。違憲性は明瞭であります。  重大なことは、政府が挙げてきたこの法律を作る正当性、根拠を裏付ける客観的な事実、すなわち立法事実がことごとく崩れ去っていることです。  総理自らが外国領域における武力行使の唯一念頭にある事例としてきたホルムズ海峡での機雷掃海は、二百時間に及ぶ衆参審議の最後になって、現実の問題として発生することを想定しているものではないと大転換をしました。驚くべき答弁です。自ら法案の肝となる立法事実がないことを認めた以上、この法案は廃案にすべきであります。  また、米艦防護についても、米艦が単独で行動するということは想定し得ないとしたものが、中谷大臣答弁で、状況によって単独航行することはあり得ると変わり、あれほど強調していた日本人母子の乗艦は必要条件ではないと中谷大臣答弁したのであります。弾薬の輸送では、クラスター弾の輸送は法律上排除しない、劣化ウラン弾の輸送は確定的に言えないと答弁しながら、輸送することは想定していないと、当初の政府答弁を覆しました。  さらに、憲法解釈変更の理由安全保障環境の根本的な変容を挙げましたが、根本的な変容とは何かという質問に、最後までまともに説明ができなかったのであります。こうした審議経過を見れば、政府答弁が全くのでたらめであったことは今や明らかではありませんか。  重大なことは、防衛省統合幕僚監部が、国会法案審議が始まる前に、成立時期を八月とする想定を明記した資料を作成し、陸海空の主要部隊指揮官に徹底していたということであります。河野統合幕僚長が昨年十二月の総選挙直後に訪米し、米軍幹部に対して法案成立時期を来年夏までにと伝達していたことも見逃すことができない問題です。  国会国民も抜きにして、法案のための与党協議さえ始まっていないときに統幕長が米国の軍幹部に夏までの成立を伝え、法案衆議院会議審議入りしたまさにその日にテレビ会議で資料を使った説明を行っていました。これは、日米が進めてきた共同作戦体制を担保するという法案の重大な本質を明らかにしたものであります。  私がどうしても許せないのは、イラク戦争について何ら検証せず、安保法制を押し通そうとしていることであります。  安倍政権は、国際法違反のイラク戦争を支持し、自衛隊派遣して、派兵して無法な戦争と占領に加担した当時の自民党政府の対応について何らまともな検証を行っていません。イギリスやオランダでは、政府の指示の下に独立した検証委員会が設置されました。ブレア首相は、情報の誤りに関する自らの責任に言及し、オランダの報告書は、戦争支持は誤りだったと結論付けています。アメリカのブッシュ大統領でさえ情報の誤りを認めているのであります。  ところが、安倍政権は、問題の核心は大量破壊兵器が存在しないことを自ら証明しなかったイラクにあると述べ、いまだに自らの責任を認めない態度に終始しているのであります。航空自衛隊の輸送機で武装米兵を輸送し、イラク国民を巻き込んだ軍事掃討作戦、無差別殺りくに加担した責任を何ら認めていないのであります。にもかかわらず、自衛隊海外派兵の恒久法を押し通すなど、到底容認できるものではありません。  陸上自衛隊のイラク派兵を記したイラク復興支援活動行動史において、総輸送力の九九%は民間輸送力に依存したとあるように、戦争となれば、民間事業者、その従業員が危険な任務に就くことになります。自衛隊行動範囲が格段に広がり危険になりますが、それに伴って民間事業者も危険にさらされるのです。しかし、契約に基づいて自衛隊に協力する民間企業、そして労働者には政府安全確保の配慮義務は適用されないことになっています。民間協力で使用される民間航空機、空港、港湾は軍事目標となります。自衛隊だけでなく、民間企業、そして労働者を危険にさらす戦争法案は断固廃案にすべきであります。  最後に、多くの学生が今この瞬間も、主権者として、一国民として、民意を無視した政権に抗議の声を上げ続けています。  SEALDsKANSAIの学生、寺田ともかさんは、十二万人が集まった八月三十日の国会正門前の集会でこう訴えました。今この法案を許すことは、私にとって自分の責任が取れないことを許すということです。それだけは絶対にできません。私はこの国の主権者であり、この国の進む道に責任を負っている人間の一人だからです。七十年前、原爆で、空襲で、ガマの中で、あるいは遠い国で餓死し……
  32. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 辰巳君、時間が超過をいたしております。おまとめください。
  33. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君(続) 失われていったかけがえのない命を取り戻すことができないように、私は、この法案を認めることによって、これから失われるであろう命に対して責任を負えません。平和憲法に根差した新しい安全保障の在り方を示し続ける国でありたい。  数の力で憲法を壊し、強行採決によって日本の議会制民主主義ないがしろにした昨日の特別委員会の光景を国民は決して忘れないでしょう。戦争法案を許さない主権者の声を無視する政権未来はない、このことを強調し、中谷大臣問責決議案に対する賛成討論を終わります。(拍手
  34. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  35. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより本決議案採決をいたします。  足立信也君外五十七名より、表決記名投票をもって行われたいとの要求提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決記名投票をもって行います。本決議案賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  36. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  37. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  38. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百三十二票     白色票           八十九票     青色票          百四十三票    よって、本決議案は否決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  39. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これにて休憩いたします。    午前二時三分休憩      ─────・─────    午前十時一分開議
  40. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  足立信也君外一名発議に係る議長不信任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 御異議ないと認めます。  よって、本決議案議題といたします。  野上浩太郎君外一名から、賛成者を得て、  本決議案議事における趣旨説明討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。  足立信也君外五十七名より、表決記名投票をもって行われたいとの要求提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  42. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  43. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  44. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百二十三票     白色票          百四十八票     青色票           七十五票    よって、本動議は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  45. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) これより発議者趣旨説明を求めます。足立信也君。     ─────────────    〔議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔足立信也登壇拍手
  46. 足立信也

    足立信也君 おはようございます。民主党足立信也です。  冒頭、二点申し上げます。  津波が刻々と押し寄せています。全国の皆さん、是非とも警戒心を緩めないでください。津波は二度も三度も押し寄せることがあります。また、時間を置いて来ることもあります。是非警戒を怠らないでください。  もう一点は、北関東、そして東北の水害のことでございます。  常総市が特にその被害が大きかったのですが、合併前は水海道市と石下町と言います。水海道、水の海の道です。江戸から日光をつなぐ水運の要衝でした。つまり、鬼怒川と小貝川に挟まれた地域は、海抜が低く、非常に水害の危険の多かったところでもあります。  ここに挟まれた地域の医療機関、病院二つ、診療所数か所、全て機能停止しました。私は二十一年前までその病院に勤めておりました。日曜日、大分から帰った後、東京へ戻った後、月曜日の朝に妻と病院に手伝いに行ってまいりました。皆さん御案内のように、外来患者さんを考えると、CTやMRI、放射線機器、高額な機器は全て一階にあります。一階が一メーター四十センチ浸水しました。使用不能になっております。人がいて器械があっても使えない状況になっております。  しかし、私のかつての同僚、そして部下の人たちは下を向いておりません。この地域で自分たちが頑張らなければ、自分たちが核にならなければ、そして一刻も早く復旧するんだと、強い気持ちを私は感じました。私たちの力でこの水害に見舞われた地域、是非とも助けていきましょう。一緒に復旧をしていきましょう。  かつての病院のことだけ言って申し訳ございませんけれども、入院患者も一人もいない状況に今なっております。医療情報が失われます。いつでも健康情報、医療情報が分かる状況にしておくことは極めて大事だと私は思います。  私は、山崎正昭議長不信任決議案について、民主党新緑風会を代表して、提案の趣旨を説明いたします。  まず、決議の案文を朗読いたします。     議長不信任決議案   本院は、議長山崎正昭君を信任しない。    右決議する。  以下、その趣旨を説明いたします。  昨日、議長が開会のベルを押したこの本会議は、特別委員会で可決をされたとされる国際平和支援法案及び平和安全法制整備法案、いわゆる安全保障関連法案を緊急上程して採決をするためのものです。議運委員長国民の不安を一顧だにせず、野党要求を黙殺し、拙速な議論のままに同法案採決を強行しようとする暴挙に出たならば、本院を主宰する議長として、その行為を戒め、あるべき議事運営を行うよう指示すべきだったのではないでしょうか。にもかかわらず、山崎議長はこれを看過しました。  恐らく議長は院内テレビで強行採決のいきさつを御覧になったと思います。私は、テレビの視聴者・国民皆さんがどのように感じるかと思い、NHK中継を見ました。何が起きているのかさっぱり分かりません。NHKも、何をしているんでしょうかと解説しています。与党議員が起立をしているので、採決しているのではないでしょうかとも言っています。テレビを見ていた国民は訳が分からなかったと思います。委員長が何を問いかけているのか、なぜ立っている人と座っている人がいるのか。生中継をしていながら、どうやら可決されたようですと言う解説者。  議事録によりますと、佐藤暫定委員長の下、速記は中止されたままの状態です。速記は再開されておらず、議事録では、議場騒然、聴取不能としか書かれておりません。ましてや、地方公聴会の派遣報告すらしないで強行採決とは、国民の声を黙殺する行為と言わざるを得ません。きっと国民皆さんには、これぞ強行採決だと深く印象付けられたことでしょう。  さらに、委員長野党議員表決権を奪ったことも看過できません。議長はこれも是認したことになるのです。議長国民に分かるように委員長を指導するのも議長の使命ではないでしょうか。この法案の本会議採決は認められません。  一部報道に誤りがあるようですので、申し上げます。委員長の下に駆け寄ったのは与党議員ではないですか。  安倍内閣の方針に唯々諾々と従うことは、本院を官邸の下請機関におとしめる行為であり、断じて容認できません。  安全保障関連法案は、参議院で九十時間を超える審議を積み重ねるほど国民の不安は募り、各層各界から廃案や継続審議を求める声が上がっています。国民の六割以上が法案反対、八割以上が今国会での採決反対をしています。七千万人以上の反対、一億人を超える継続審議の要望があるのです。議長はこの国民の声を無視しようとしているのです。  理由を三点だけ申し上げます。  限定的であれ、集団的自衛権行使憲法違反です。私たち国会議員は、憲法を尊重し、擁護する義務憲法上負っております。議長には憲法を尊重する気持ちも擁護する気持ちもないのでしょうか。憲法の解釈は時の政権が勝手に変えていいものではありません。先人が積み上げてきた日本国民の財産です。普遍の真理です。法律もまた普遍の解釈が前提で、立法事実に基づいて改正の必要性が生じてくるのではないでしょうか。立法事実もなく、法的安定性は関係ないなどという発言は、立法府の人間としてはあってはならないことです。あえて同級生として申し上げます。情けない。  議長法的安定性は関係ないと思っているのですか。法理上はできる、でも最高責任者は私だからやらない、そんな言葉が通用しますか。勘違いも甚だしい。権力者に勝手なことをさせない、それが立憲主義です。議長も立憲主義を王政時代の古い考えだと思っているのですか。  山崎議長は、福井県議会議長を務められた後、平成四年の参議院通常選挙に初当選されました。橋本内閣で大蔵政務次官、小泉内閣では内閣官房副長官を務められました。自由民主党においては参議院幹事長を務められ、参議院では平成二十四年に副議長、そして二十五年八月から議長を務められています。  参議院には、国民から、良識の府、熟議の府であることが求められており、また我が国の将来に関わる国論を二分するような重要な問題については、再考の府として衆議院の拙速を戒める役割があります。再考とは最も高いではなく、再び考えるです。まさに衆議院で抽出された論点や国民から発せられる疑問に共通の解を求めるべく努力する。  山崎議長は就任された際、公平無私を旨とし、議院の正常かつ円満な運営を図り、参議院が二院制の下における使命と役割を確かに果たしていけるよう、全力を尽くすと発言されています。しかし、その使命と役割を果たそうとしてはいないのではないですか。政官要覧によりますと、山崎議長は、議会運営のベテランと書かれています。しかし、議長に求められるのは運営の巧みさではなく、公平無私の誠実さではないでしょうか。  山崎議長の座右の銘は、地元福井の賢人松平春嶽ではなく、吉田松陰の言葉ということです。至誠通天、至誠天に通ず、この言葉は座右の銘にしたい四字熟語の第五位です。冗談かと思いました。誠実に努力をすれば天も味方をしてくれるということでしょう。裏を返せば、誠実さに欠ければ天も見放すということです。  当然、議長も御存じでしょうが、松陰の言葉を二つ贈ります。「かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂」。こういう行動を取れば自民党や官邸から糾弾されるかもしれない、そういう危険があっても、国を、国民を愛する気持ちからそうせざるを得なかった、議長、そういう行動を取ってもいいのではないですか。  同じく吉田松陰の家族に宛てた辞世の句、「親思う心に優る親心今日のおとずれ何と聞くらん」、これは余りに有名ですが、弟子に宛てた辞世の句、「身はたとえ武蔵の野辺に朽ちぬともとどめおかまし大和魂」。議長行動によって記憶に残る議長になってください。  選挙制度協議会の一員であった立場として、一言申し上げます。  昨日、私は第二委員会室から第一理事会室の議論の様子を聞いておりました。出入口は第三委員会室でした。第三委員会室の入口の真上には故西岡武夫参議院議長の肖像画があります。西岡元議長は、平成二十二年十二月に、参議院通常選挙の投票価値の平等性を高めるため自ら独自案を提起され、さらに、議論が進むにつれ修正案を示されました。しかしながら、山崎議長は、参議院選挙制度改革に関する議論において何ら主体性を発揮できませんでした。  今年の年頭所感では、昨年十一月の最高裁判決を重く受け止め、選挙制度の抜本的な見直しに向けた取組を進める旨を挨拶しています。しかし、議長が主宰する選挙制度改革に関する検討会において、議長のリーダーシップを求める意見が出されたにもかかわらず、何ら調整、仲介の労を取らないばかりか、一方的に議論を打ち切り、各党間協議に委ねたのみでした。  選挙制度改革が司法の求める喫緊の課題であったことを認識しながら、無駄に時間を浪費させた議長責任は重大です。その結果、投票価値の較差が実質三倍以上である十増十減案が可決されました。法理として最高裁は、衆議院については人口較差が二倍未満となることを基本として定められている以上……
  47. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 足立君、簡単に願います。
  48. 足立信也

    足立信也君(続) 参議院議員の選挙であることを理由に人口較差が衆議院よりも大きくてよいという理由はないとしていることから、違憲状態と判断される可能性の高い法案でした。  安全保障特別委員会の設置と十増十減案の可決は、同じ日、七月二十四日でした。我々自身で憲法上の要請に応えようと決意した上に提出された法律案を否定し、元最高裁長官や判事、元内閣法制局長官が違憲だと断じる法案を可決しようとする議長の良識、誠実さに大きな疑問を抱かざるを得ません。  このままでは到底、山崎議長を信任できません。今後、与野党共に信任される議長に替わられることを期待します。  以上を申し上げて、本決議案提出する趣旨の説明といたします。(拍手)     ─────────────
  49. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。磯崎仁彦君。    〔磯崎仁彦君登壇拍手
  50. 磯崎仁彦

    ○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦です。  私は、自由民主党、公明党を代表して、山崎議長不信任決議案に対し、断固反対立場討論を行います。  そもそも、この不信任決議案は何を意味するものでありましょうか。  山崎議長は、我が国及び国際社会平和安全法制に関する特別委員会採決を受け、議事日程を取りまとめる議院運営委員長判断も確認をし、本会議の開会を決定したものであります。この間、議長の手続に何の問題もありません。  平和安全法制の目的は大きく二つあります。  一つは抑止力強化、すなわち日本の安全をより確実にするため、他国が付け入る隙を防ぎ、あらゆる事態で国民を守れるようにするものです。  二つ目は国際協調、すなわち国際協調によって世界の平和と安定に貢献する、日本の孤立を避け、国際連携によって平和をもたらす、国際社会が一致団結して取り組んでいる事態に自衛隊が安全に活動できる場所において後方支援を行うというものです。  今必要なのは、戦争ができる国になるというレッテル貼りに終始するのではなく、日本危機を今いかに減じていくのかという現実の政策論であります。法案衆議院提出されてから四か月のうちにも、中国の海洋進出など、我が国を取り巻く環境が悪化してきたことを与野党問わず私たち国会議員は直視しなければならないと思います。  今回の平和安全法制に関する特別委員会は、野党会派質問時間を十二分に取って、参議院でも百時間を超える審議を行っており、また地方公聴会も横浜で開催をし、委員会所属の各委員が真摯に平和安全法制審議に取り組まれ、その結果、委員会において採決をされたものであります。これらを受けて本会議を開催することがどうして議長不信任につながるものでしょうか。まさに、法案成立を阻止するためあらゆる手段を講じるとする理不尽極まりない決議案であります。  委員会で十分な質疑を経て可決した法律案が本会議に上程をされ成立に至るのは議会運営の基本であり、この過程に異議を唱える行為は議員自らをおとしめるものと断ぜざるを得ません。  我々参議院は、多様な人材が集まって充実した審議が行われ、院も内閣もいい意味で緊張関係を保ちながら誠実な議論の積み重ねが行える良識の府でなければなりません。良識の府としての参議院の在り方を考え、参議院の役割を果たすためにも、熟議の後に決めるべきときは参議院で決めなければならない、これが民主主義のルールであります。  また、山崎議長は、一票の較差のため、選挙制度の見直しにも取り組まれ、平成二十五年九月、議長の下に選挙制度の改革に関する検討会、選挙制度協議会を設置しました。参議院として鋭意検討を進め、各会派議論を見守り、注視し、その結果、今国会で公職選挙法の改正成立したところであります。  参議院議員の選挙制度の改革という重大かつ各人の考え方が異なる問題について、山崎議長が、強い責任感を持ち、誠心誠意かつ真摯に取り組まれたことは衆目の一致するところだと確信をいたします。改正された公職選挙法の附則にも、選挙制度の抜本的な見直しに当たっては参議院の在り方を踏まえて行うべきものとされており、今後、山崎議長の下で参議院改革の議論が進んでいくものと思っております。  山崎議長は、昭和五十年に大野市議会議員初当選以降、県議会議員にも当選をし、そして、誠実かつ温厚な性格から、県議会副議長議長、そして参議院では、議院運営委員長、さらには副議長議長という議会の要、議会の顔となる役職を次々と担ってこられました。この類いまれな経歴からも、山崎議長が常に民主的な手続を重んじ、公平無私な議会運営に努めてこられたことは誰もが容易に理解できるところであろうと思います。  山崎議長は、大野市議会議員、福井県議会議員を経て参議院議員になられてから、常に、参議院はいかにあるべきかを考え続けてこられました。議院運営委員長時代には、公式派遣で訪れたオーストラリア議会で体験をされた議会教育プログラムにも心を動かされ、参議院への導入を決断されました。民主的な手続に基づく議論の重要性を一人でも多くの子供たちに感じてほしい、そういった思いの表れでありました。山崎議長の思いは、現在の参議院特別体験プログラムとして結実をし、年間六万人を超える小中学生が実際の審議に即した立法過程を体験をしておられます。  このように、国権の最高機関たる参議院の向上のため御尽力をされてこられましたことは、ここにおられる満場の議員全てが認めておられることと確信をするものであります。党派、会派を超えて熱心に参議院の改革に取り組んでこられた山崎議長に対する不信任決議案は、平和安全法制成立阻止のための一手段にすぎないものであります。かような方便を弄する一部野党議員の猛省を求め、権威ある本院議長にこのような言いがかり、無礼千万としか言いようのない決議案は、良識の府にいる参議院議員良心に従い、即刻否決すべきものであることを訴え、反対討論といたします。  ありがとうございました。(拍手
  51. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 徳永エリ君。    〔徳永エリ君登壇拍手
  52. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 皆さん、おはようございます。民主党新緑風会の徳永エリでございます。  私からも、まず、今日は全国各地の方々がインターネットを通してこの本会議の様子を御覧になっておりますので、津波の情報にくれぐれも御留意いただきたいということを申し上げたいと思います。  それから、先日の関東、東北における豪雨被害に遭われた方々、心からお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々には心からの哀悼の意を表したいと思います。  こういうときでございますから、国民の命と暮らしと平和に関係するような法案は、私は採決を先送りするべきだったのではないかと思います。被災地の復旧・復興を最優先に考え行動するのが私たち国会議員の責務ではないでしょうか。  さて、与党議員皆さん与党議員皆さんには国民皆さんの声がちゃんと聞こえていますか。そして、時々与党だか野党だか分からなくなる政党の議員皆さん、あなた方にも国民皆さんの声は聞こえていますか。昨日も夜遅くまで国会周辺では安保法制反対の声が響き渡っていました。全国各地でも国民が怒りの集会やデモを行っています。  冒頭、全国の安全保障関連法案成立阻止に向けて共に闘っている良識と知性あふれる皆さんに心から敬意を表します。  私は、会派を代表いたしまして、ただいま提出されました山崎正昭参議院議長不信任決議案につきまして、参議院での与党の数々の暴挙に対しての議長の対応について、怒りを込めて賛成立場から討論させていただきます。  まず、昨日の特別委員会での強行採決、あれ何ですか。良識の府参議院においてあるまじき行為であります。あんな暴力的な採決は今まで見たことも聞いたこともありません。与党の暴挙に大変に怒りを感じております。  強行採決の際には、我が党の女性の足をつかんで引っ張った自民党の男性議員の方おられますよね。そして、だんご状態から引っ張られ、体当たりをされた、議員だけではありませんよ、自民党議員さんの秘書までもが我が党の議員の眼鏡を飛ばしました。我が党の仲間たちは青たんだらけ、けがをした仲間がたくさんおります。こういう状況でありますからお互いさまということもあるかもしれませんが、いいですか、そもそも、ルール無視の採決委員外の若手議員への堀井理事からの行けという合図、あれがなければこんなことにならなかったのではないですか。  そして、鴻池委員長の姿が全く見えませんでした。声も全く聞こえない中での採決議事録は、議場騒然、聴取不能となっていて、精査もできないということであります。法案に誰が賛成したのか反対したのかも分からないあんなインチキな採決で、平和と命に関わる重要な法案が可決したなどということは、我々は断じて認めることはできません。  今回の強行採決は、特別委員会委員以外が突然委員長を取り囲んで採決を行ったものであります。野党議員が取り囲む場合と違って、野党議員は、委員長が何を話しているのか、何をしようとしているのか、推量が不能でありました。その結果、野党議員表決権行使ができなかったのであります。  委員長国会法四十八条で議事整理権を有しているものの、議事整理権といえども委員表決権を奪うことはできず、野党議員が混乱の中、表決権行使できなかった今回の採決は、いいですか、皆さん、無効であります。  また、議長は、委員長から委員会でどのようなことが起きていたかを報告を受ける立場にあり、今回は、野党議員表決権行使できなかったことなどが議長に報告されていない疑いがあることから、安全保障関連法案採決のためにセットされた本会議も無効であるということを申し上げたいと思います。  そもそも、現憲法で禁じられている集団的自衛権行使を容認するこの法案は、多くの憲法学者、元内閣法制局長官、最高裁判所元長官や元判事までもが、違憲立法であり廃案にするべきだと言っています。しかも、違憲というだけではなく、参議院委員会審議を通じて、この法案立法事実がないことも明らかになりました。  さあ、ここからです。  安倍総理は、安全保障関連法案の柱である集団的自衛権行使を必要とする理由として、二つ事例を御丁寧に、フリップ、パネルを作ってまで繰り返し繰り返し説明をしてきました。  一つは、紛争国から避難する日本人のお年寄りやお母さんと赤ちゃんを輸送する米艦船を防護するという事例でありました。総理は、現実からは懸け離れた事例だという指摘に対して、米艦船を防護しなければ、この船に乗っている子供たちやお母さんなど多くの日本人を守ることはできない、この現実から目を背けていいんですかと、国民感情に訴える説明を繰り返してまいりました。  しかし、審議の過程で、中谷防衛大臣も安倍総理も、この艦船防護については、邦人が乗っているかどうかは絶対的なものではないと、乗っていなくても米艦船を防護する可能性について答弁しています。最初の話と全く違うじゃないですか。与党皆さん国民にどう説明するんでしょうか。もっとも、与党皆さんからは、集団的自衛権行使は自国防衛だ、他国からの攻撃に対する抑止力だと、同じフレーズしか聞いたことがありません。国民にうそを言ってはいけません。うそは絶対に言ってはならないんです。  もう一つの事例は、中東ホルムズ海峡機雷掃海です。海峡が封鎖されると石油や天然ガスが途絶え、日本経済に大きな影響を及ぼすことになる、私の地元北海道のような寒冷地では凍死者が出るんだと、そこまで言ったんです。  しかし、駐日イラン大使のホルムズ海峡の封鎖は根拠がないという指摘を受けて、現在の国際情勢に照らせば、現実の問題として発生することを具体的に想定しているものではないと、これまで繰り返していた答弁を、まるでそれまで言っていたことがなかったかのように総理はあっさりと翻してしまいました。つまり、政府安全保障関連法案を必要とする根拠としてきた立法事実が崩れたわけであります。皆さん国民にうそを言ってはいけません。うそつきはいけないんです。絶対うそをついてはいけません。  違憲法案を、国民の声を無視し、議論を尽くさぬまま数の力で強引に成立させてしまったら、日本憲法のみならず立憲主義を冒涜するものであり、良識の府である参議院権威を著しく失墜させるものであります。  これまで政府は、日本憲法第九条に基づき、専守防衛の個別的自衛権のみを行使できるとしてきました。それを突然、一内閣閣議決定で、事もあろうに憲法の解釈変更というあってはならない形で変えてしまったんです。  集団的自衛権とは他国防衛であり、これまで憲法で禁じられていた自衛官海外派遣を一内閣の意思で決めることができるようになるということであります。国民には本当のことを言いましょう、うそを言ってはいけません。  これまで日本自衛官自衛隊は、一人も殺さず殺されず、救命救助活動などにより世界一多くの人命を救ってきました。また、PKO現場では、日本自衛官の技術支援や地域の方々との温かい交流などが大変に高く評価されており、信頼され、感謝をされてきたんです。しかし、安全保障関連法案成立してしまったら、これからは、米国などとともに外国武器を使用して戦うことになるかもしれない。戦場、戦闘において、人を殺し殺される、相手から憎しみや恨みを買い、他国から脅威とされる日本へ、そして自衛官へと変わってしまうのではないでしょうか。  十五日には中央公聴会が行われました。そして、十六日には横浜で地方公聴会が行われました。公聴会において公述人の意見を十分に聞いて議論を深めなければならないのに、その後の審議を打ち切ってしまったということは、公聴会は採決に向けての要件整備にしかなっておりません。これでは公聴会を行う意味がなくなってしまいます。  横浜の地方公聴会でも、野党推薦の公述人から、公聴会が採決のための単なるセレモニーなら申し上げるべき意見を持ち合わせていないという抗議があったと聞いています。  また、本法案には多くの女性たちが反対をしています。全国各地で子供のいるママたちが声を上げています。お孫さんのいるおばあちゃんも、女子大学生も、国会周辺で行われる集会や全国各地で行われている集会にもたくさんの女性が参加しています。これまでの参考人質疑や公聴会で、女性の話を聞いていません。男性の参考人や公述人だけではなく、女性の声を聞き、審議に反映させるべきだったのではないでしょうか。  一昨日、超党派、有志の女性国会議員たちで、鴻池特別委員会委員長に女性の声を聞いてほしいと申入れをさせていただこうということになりました。しかし、鴻池委員長の居場所を尋ねても、自民党の事務局は知らないの一点張り。やむを得ず、私たちは特別委員会理事会室の前で委員長を待つことになりました。理事会室の前に、怒れる女性議員の会とピンクの鉢巻きを巻いて、要望書を持って詰めかけました。某メディアは、女の壁で鴻池委員長を室内に監禁し、質疑開始を妨害している状態だと報じられましたが、全くもって事実無根であります。
  53. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 徳永君、簡単に願います。
  54. 徳永エリ

    ○徳永エリ君(続) 私たちは、女性の声を聞けと鴻池委員長に申入れに行っただけなんです。  鴻池委員長は要望書をちゃんと読んでくださいました。しかし、女性の思いを受け止めてはいただけませんでした。与党の女性議員皆さん、女性の声、聞いてほしかったですよね。  そのように不十分な審議状況にあるにもかかわらず、国会日程もまだ残されているのに、特別委員会での審議が打ち切られ、あの採決が行われてしまいました。  山崎議長、あなたは今、その審議不十分で暴力的に採決された法案議題とする本会議開会のベルを押すのでしょうか。良識の府である参議院議長が、多くの国民が不安に思っている、自衛官やその家族の方々も大変に心配しておられる、また、日本未来に大きな禍根を残すことにもなりかねないこの安全保障関連法案参議院の本会議議題とすることに何の良心の呵責も感じないのでしょうか。だとしたら、あなたは参議院議長として失格です。駄目です。  日本の国権の最高機関である国会の最高責任者としての議長が、憲法違反であり、かつ審議が十分に尽くされていない法案議題にするという、議会制民主主義の根幹を揺るがす暴挙を行うことであります。  民主党は、違憲の法案に対し廃案を求めてきました。しかし、十分な議論を尽くすために、時間を掛けて審議を継続することはずっと求め続けてきたのであります。本来であれば、間接民主制の執行者であるはずの議長は、与野党の話合いを進め、深めて一致点を探り、更なる議論の成熟に向けての協議を求めるべきなのではないでしょうか。  憲法で位置付けられた国会は、真摯な話合いの場でなければなりません。特に、国論を二分するような重要な問題や法案については……
  55. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 徳永君、簡単に願います。
  56. 徳永エリ

    ○徳永エリ君(続) 再考の府として衆議院の拙速を戒める役割があり、議長はその先頭に立たなければならないのです。  安倍政権に替わって、次々と参議院のルールや先例が壊されています。昨日の朝も、特別委員会理事会が理事会室で開かれる用意ができていたのにもかかわらず、誰の指示なのか、昨日の午前三時三十分に、理事会を理事会室で午前八時五十分に再開することを各党で合意して休憩に入ったのにもかかわらず、突然、院内放送で、第一委員会室で理事会を開くと勝手に変更してしまいました。僅か五時間前に、理事会で各党の理事が約束、念を押したこと、約束を守らなかったんです。また約束を守らなかったんです。与党はまたうそをついたんです。  そして、その約束を記録した参議院委員部の職員も、なぜかそのメモを要求しても出さない。委員部は、与党のため仕事をしているのではなく、参議院の各会派に対して公平公正に仕事をするものであり、なぜ我が党が要求した五時間前の理事会で約束したことを記したメモを出さないのでしょうか。どこかから、誰かから、うそだと分かるメモは出すなという圧力が掛かったのでしょうか。
  57. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 徳永君、簡単に願います。
  58. 徳永エリ

    ○徳永エリ君(続) そして、このところ国会周辺での警備が過剰であることが大変問題になっています。一昨日も国会周辺の安保反対集会に参加した市民十三人が逮捕されました。私も集会に参加するたびに目にする警察官や機動隊による警備は、何のために誰を守っているのか分かりません。国民の安全を守るはずの警察官が、むしろ国民を危険な目に遭わせているのです。  そして、一昨日から昨日未明にかけての特別委員会理事会室の前には、おびただしい数の衛視が警備に就いていました。鴻池委員長からの依頼で、山崎議長の指示で理事会室からの鴻池委員長理事の通路を確保するように指示があったということですが、排除と言って突進してきたあのときの衛視による警備は、自民党の男性議員と一体となって、明らかに我々野党議員理事会室前から排除しようとしたものであり、警備を超えた暴力とも言えます。理事会室の扉の前にいた私たち女性議員は、力で潰され、軽傷ではありますがけがをしたり、息ができなくなり、一瞬、生命の危険を感じました。そして、ここでも我が党の女性議員に対して自民党の男性議員から意図的な暴力行為がありました。  参議院規則第二百十七条、議長は、衛視及び警察官を指揮して、議院内部の警察権を行うとしています。
  59. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 徳永君、時間が来ております。
  60. 徳永エリ

    ○徳永エリ君(続) 一昨日の夜から昨日の未明にかけての衛視による警備が議長の指示によるもので、野党議員を排除することが目的であったのだとしたら、議長の政治的中立性を損なうものであり、断固抗議します。  安全保障関連法案審議採決の過程において、著しく中立性に欠ける議事運営を行い、与党の暴挙に対して何ら指導力を発揮できない山崎議長参議院の使命と役割を認識しているとは思えません。議長の職にこれ以上とどまることは本院の権威を失墜させることになり、断じて容認できません。  以上、私が本不信任決議案賛成する事由を述べ、議員各位の心ある判断を願いながら、私の賛成討論とさせていただきます。  御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手
  61. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 井上哲士君。    〔井上哲士君登壇拍手
  62. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  私は、会派を代表して、山崎正昭議長不信任決議案賛成討論を行います。  まず、昨日、与党によって行われた強行採決に対し、満身の怒りを込めて糾弾をするものであります。  この採決なるものに正当性があるでしょうか。あの委員会室においても、何が採決されたのかも、誰が賛成し、反対したのかも不明であります。直後に、野党六党会派国会対策委員長議長に面会し、議事録に基づいて議院運営委員会で精査すべきこと、採決の事実が確認をされなければ本会議を開くべきではないと申入れをいたしました。  では、議事録に何と書いてあるのか。委員長着席、発言する者多く、議場騒然、聴取不能、委員長退席、これだけであります。委員長発言の一言も残っておりません。与党は五回の採決を行ったと言いますけれども、どこにそんなものが存在するんですか。この採決なるものに一かけらの正当性もありません。にもかかわらず、議院運営委員長が、採決のためとして職権で本会議をセットしました。議長がその職責を果たすためには、このような本会議を開かずに委員会に差し戻すべきであります。ところが、与党の乱暴極まる強行採決を追認し、開会した責任は極めて重大と言わざるを得ません。  昨日の強行採決は、民主主義のルールと国民の声を踏みにじる点で極めて悪質でありました。元々、一昨日、横浜で地方公聴会を開いた後に夜六時から委員会を開催し、二時間の締めくくり総括質疑で終結するという日程自体が、公聴会を単なるセレモニーにおとしめるものでありました。  本来、中央、地方の公聴会は、広く国民の意見を聞き、その内容をその後の審議に反映をさせるために行うものであります。とりわけ、今回の公聴会はこれまでにも増して重い意味を持っていました。それは、この戦争法案が、憲法の大原則、国の在り方の根本に関わる法案だからであります。  国会周辺には連日多くの市民が国民の声を聞けと駆け付け、全国で草の根の運動が大きく広がっています。今もこの国会は、暴挙を許さないと駆け付けた市民の声で包囲をされております。そのような大きな関心のある法案だからこそ、この十年間では最高の九十五人もの公募がありました。  野党は、公募した皆さんから、SEALDsの奥田愛基さんを中央公聴会で、前日本学術会議会長の広渡さんと弁護士の水上さんを地方公聴会で公述人として推薦をして、この国民の声を国会に生かす努力をしました。与党はどうでしょうか。推薦しようにも、賛成の公募人がただの一人もいなかったのであります。  地方公聴会で、水上公述人は、公聴会が採決のための単なるセレモニーにすぎないならば私はあえて申し上げる意見を持ち合わせていないと述べ、公聴会を開いたかいがあったというだけの十分かつ慎重な審議お願いしたいと述べられました。公述人の意見を受け、しっかりした審議をその後も行うことは、与野党を問わず我々国会議員の責務であります。だからこそ、野党理事理事会において、地方公聴会直後の締めくくり総括質疑ではなくて、更に十分な質疑が必要だと繰り返し求めました。  それに対して、公述人の意見については締めくくり総括で質問したらいいじゃないか、こう言ったのが自民党や公明党の理事でありました。ところが、どうでしょうか。昨日、自ら提案した質疑を全く行わずに打ち切って、我々の質問権利を奪ったのが与党ではありませんか。その結果、中央、地方公聴会を行った後に一切の国会質疑は行われませんでした。公述人の皆さんの意見陳述は何ら法案審議に生かされることはありませんでした。与党はこの責任を一体どう取るというんでしょうか。  それだけではありません。地方公聴会の派遣報告を自民党理事質疑の冒頭で読み上げるとして、その案文も理事会に提示されていました。ところが、強行採決のためにこの派遣報告は読み上げられませんでした。皆さん、地方公聴会をやりながら派遣報告を委員会で行わなかった例は過去にただの一度もないのであります。  二度の公聴会を受けた質疑派遣報告も行わなかった。参議院の長い歴史の中で、これほどまでに公聴会をないがしろにした例はありません。これほどまでに公述人を愚弄した例はありません。これほどまでに国民の声を無視した例はありません。参議院の歴史にこのような汚点を残す暴挙を行った与党議員には、今後、国民の声を聞くなどという言葉を使う資格はありません。  中央、地方公聴会には、山崎議長は重大な責任を負っております。公聴会は議院運営委員会で議決され、公述人には山崎議長の名による出席依頼の文書が届けられております。参議院議長の名で出席を依頼された公述人の皆さんは、まさか自分たちがこのようなひどい扱いがされるなどと思いも寄らなかったでしょう。  今回の暴挙は、参議院議長参議院そのものへの国民の信頼を著しく傷つけました。公聴会と国民の声をないがしろにして強行採決された法案について委員会に差し戻すのが、自らの名で公述人に対する出席依頼を出した議長がやるべきことであります。にもかかわらず、与党の横暴を追認して本会議を開いた山崎議長責任は重大であります。  戦争法案は、憲法を真っ向から否定する違憲立法そのものです。そのことは、ほとんどの憲法学者、弁護士会、歴代内閣法制局長官も明言をされています。政府は、憲法の番人は最高裁だとしてこれらの声に背を向けてきました。しかし、ついに元最高裁長官の山口氏、元最高裁判事の濱田、那須両氏らが憲法違反と表明をされ、濱田氏は中央公聴会の公述人として出席をされて改めてそのことを述べられました。  今月十五日、守屋克彦、鈴木経夫、北澤貞男氏ほか七十人の裁判官経験者が山崎議長宛てに意見書を出されました。その中で、人類がいまだ戦争という流血の惨事を乗り越えられないこの時代にあって、日本憲法が示した戦争放棄の理想は世界を導く灯台の光にも例えられるものであり、これを我が国に定着させることが国民的な願いでありました、私たちも、裁判官として憲法九十九条に課せられた憲法を尊重し擁護する義務を自覚し、憲法が予定している司法の使命を果たすべく、その職権の行使に務めてきましたと述べられています。  そして、元最高裁長官や判事の皆さんの安保法案憲法違反だとの発言について、司法界からこのような発言は、これまでこの国の歴史に希有のことであります、しかし、法律をつかさどる職に至った私たちとしては、これらの人々の意見が単なる個人的なものではなく、法律をつかさどってきた者として、自ら遵守し、かつ人にも示そうとしてきた立憲主義、法の支配の価値に忠実であろうとするために、やむにやまれぬ行動であり、発言であったと支持し、共感するものですとされています。その上で、議長に、この法案の強行採決を避け、慎重な上にも慎重な審議を要望するためにこの意見書を作成する次第ですと結んでおられます。  皆さん、三権の一つである政府与党と一体となって憲法違反の法律を強行しようとしているときに、三権の一つである司法界からの理性の声であります。  山崎議長は、一体この意見書をどう読まれたのでしょうか。山崎議長には、三権の長として、そして憲法尊重擁護義務を持つ国会議員に選ばれた議長として、これほどまでに専門家からも司法分野からも国民からも憲法違反という多数の声が上がる立法政府与党による強行を許さないために、それにふさわしいリーダーシップを果たすことこそが求められているのであります。  にもかかわらず、政府与党の数を頼んだ暴挙を追認した山崎議長責任は極めて重大であります。不信任に当たるものであります。このことを強調し、私の賛成討論とします。(拍手
  63. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  64. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) これより本決議案採決をいたします。  足立信也君外五十七名より、表決記名投票をもって行われたいとの要求提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決記名投票をもって行います。本決議案賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  65. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  66. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  67. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百二十四票     白色票           七十六票     青色票          百四十八票    よって、本決議案は否決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  68. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) これにて休憩いたします。    午前十一時二十四分休憩      ─────・─────    午後一時一分開議
  69. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  郡司彰君外一名発議に係る内閣総理大臣安倍晋三君問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 御異議ないと認めます。  よって、本決議案議題といたします。  野上浩太郎君外一名から、賛成者を得て、  本決議案議事における趣旨説明討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。  足立信也君外五十七名より、表決記名投票をもって行われたいとの要求提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  71. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  72. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  73. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百二十九票     白色票          百四十二票     青色票           八十七票    よって、本動議は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  74. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより発議者趣旨説明を求めます。郡司彰君。     ─────────────    〔議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔郡司彰君登壇拍手
  75. 郡司彰

    ○郡司彰君 民主党新緑風会の郡司彰であります。  趣旨説明に入る前に、今回の台風十八号等による大雨被害によってお亡くなりになられました方々に対して、改めて衷心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、各地で被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。  さて、私は、提案者を代表し、内閣総理大臣安倍晋三君問責決議案趣旨説明をいたします。  まず、決議案の案文を朗読いたします。   本院は、内閣総理大臣安倍晋三君を問責する。    右決議する。  安倍内閣成立させようとしている安保法制に対する国民の不信と不安は増すばかりであります。国会周辺で、全国の各地で、連日のように安保法制反対し、廃案を求める集会が開かれてきました。衆議院での委員会質疑百十六時間に加え、本院でも百時間を超える質疑が行われてきましたが、政府答弁が曖昧でころころ変わるために議論が振出しに戻り、審議は全く尽くされていない状況であります。閣僚が答弁に窮して、衆議院でも百十一回、参議院では審議が百十三回も中断をする異常な状況でした。  今回の強行採決は、委員外与党議員が突然委員長を取り囲んで採決を行ったものであります。野党議員が取り囲む場合と異なり、野党議員は、委員長が何を話し、何をしようとしていたのか推量不能でした。その結果、野党議員表決権行使ができなかったのが実情であります。  委員長国会法四十八条で議事整理権を有してはいるものの、議事整理権といえども委員表決権を奪うことはできず、野党議員行使できなかった今回の採決は無効であります。  なお、議長は、委員長から委員会でどのようなことが起きていたのか報告を受ける立場にあり、上述のような瑕疵がある表決が行われた疑義があることから、安保法案採決のためにセットをされた本本会議も無効であります。  そうした中、政府与党は、衆議院に続き、良識の府たる参議院でも採決を強行したのであります。このような暴挙を繰り返す安倍内閣には、もはや退陣をしてもらうしかありません。  以下、安倍総理大臣問責する理由を申し述べます。  我が国は、戦前の植民地支配と侵略、三百万余の命を失った無謀な戦争に対する深い反省を踏まえ、現行憲法の下、平和で豊かな民主主義国家をつくり上げ、戦後七十年間、海外で武力行使をすることはありませんでした。一方で、経済協力、人道支援、PKOなど、国際社会の平和と安定にも大きく貢献をしてまいりました。それが日本の平和ブランドであり、戦後七十年の日本の歩みは国際的にも歴史的にも誇るべきものであります。  しかるに、安倍政権は、積極的平和主義を掲げ、国民に対し明確な説明を行わず、国民の納得も同意も得られないまま、我が国の国の在り方を大幅に変更しようとしているのであります。  政府安全保障法案については、国会与党参考人として招致をされた憲法学者が法案憲法違反であると明言をしたほか、圧倒的多数の憲法学者が憲法違反だと批判をしています。本院の委員会審議でも、最高裁判所長官や法制局長官を経験をした専門家もまた、政府説明は間違っている、法案は違憲だと表明をしました。見識のある自民党の大先輩でさえ、憲法違反だと批判をしていたではありませんか。  それに対して政府与党は、そもそも集団的自衛権を視野に置いていなかった砂川事件判決を合憲性の論拠として唐突に持ち出しました。これは捏造と言ってもよいほどの無理筋であります。説得力のかけらもありません。従来の昭和四十七年政府見解と照らしても、真逆の結論を導き出している新三要件は明らかに従来見解の基本的な論理を逸脱しています。もはや専守防衛の原則は崩れていると言わざるを得ません。  にもかかわらず、政府は、安全保障環境が変わったから憲法解釈を変更できると強弁しています。しかし、それでは、時の政権判断憲法をいかようにも解釈できることになってしまうのではありませんか。  衆議院審議中谷大臣が、現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけばいいのかという議論を踏まえまして閣議決定を行ったわけでございますと答弁をし、大問題となり撤回をした経緯がございます。撤回したから許されるような問題ではなく、これが安倍政権の本性なのだと国民は見抜いています。  また、礒崎首相補佐官に至っては、法的安定性は関係ないと言い放ちました。後で撤回に追い込まれはしましたけれども、安倍総理が補佐官を解任せずにかばい続けていることは、総理も内心礒崎氏に同意をしているものと言われても仕方がないのであります。  政権の意向が憲法を頂点とする法秩序の安定性よりも優先するという姿勢は、憲法や法の支配、民主主義を否定するに等しいものであります。このような危険な政権をこれ以上存続させてはなりません。  安倍内閣安保法制は、立憲主義への挑戦でもあります。  戦後の国会における議論の積み重ねを経て、集団的自衛権行使憲法上認められないという見解が確立され、歴代自民党政権もこの見解をずっと受け継いできました。集団的自衛権行使を認めるというのであれば、本来なら、安倍総理国民の過半数の賛成を得て憲法改正提案をすべきでありました。そうではなく、一内閣の独断で、確立された憲法解釈を変更してしまった、このことは安倍内閣の犯した大きな間違いであります。  しかも、安倍政権は、有識者懇談会や与党協議閉鎖的に議論を進め、昨年七月一日に、国会での審議国民への十分な説明もないまま、いわゆる新三要件に基づき集団的自衛権行使を容認をする憲法解釈の変更を閣議決定したのであります。立憲主義に反した暴挙と言わざるを得ません。  安倍内閣は、この安保法制立法事実を提示することさえできず、なぜ今この法案が必要なのかという国民の最大の疑問に答えていません。  総理は当初、存立事態の具体例として、ホルムズ海峡機雷掃海邦人を乗せた米艦の防護二つを挙げていました。しかし、野党が、中東情勢の変化によりホルムズ海峡の封鎖の可能性が低くなっていること、ホルムズ海峡の封鎖による原油輸入減少の影響が、国民の命や自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態に陥る可能性が低いとただしたのに対し、政府から明確な説明はありませんでした。そして、九月十四日の質疑では、総理自らが、現在の国際情勢に照らせば、現実の問題として発生することを具体的に想定していないと認めたのであります。  国民皆さんは、総理が昨年七月一日の閣議決定記者会見で見せた、赤ちゃんを抱いた母親のイラストのパネルを覚えていることでしょう。総理は、あのパネルを見せながら、邦人を輸送中の米輸送艦自衛隊防護ができなくてどうするのだと力説をしていました。しかし、本院の審議政府は、日本人が乗っていてもいなくても関係ない、存立危機事態かどうかは総合的に判断すると答弁をしました。国民の情に訴えて、なし崩し的に集団的自衛権行使を……
  76. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 郡司君、時間が超過をいたしております。簡単に願います。
  77. 郡司彰

    ○郡司彰君(続) 正当化しようとする姿勢は、欺瞞に満ちていると言わざるを得ません。  存立危機事態が発生したと認定するタイミングや要件についても曖昧なままで、事態の状況によって政府が客観的、合理的に判断をするという答弁の一点張りでありました。それでは時の政権の裁量が大きく、全く歯止めになりません。とりわけ、世界の果てまでも自衛隊派遣しようとしている安倍総理に、その判断を白紙委任することは断じてできません。  また、安倍総理は、今回の法案によって自衛隊員リスクは拡大しないと強弁しました。しかし、賢明な国民は、安保法制成立によって抑止力が高まるから……
  78. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 郡司君、時間が来ております。おまとめください。
  79. 郡司彰

    ○郡司彰君(続) その分リスクは少なくなるといったごまかしの説明をうのみにするはずはありません。  政府案には、日本にとって喫緊の課題である離島への武装漁民の上陸などといった、いわゆるグレーゾーン事態に対する法整備が欠如しています。他国軍隊との武力行使一体化の懸念、戦闘に巻き込まれるリスクが高まることなど、重大な問題点がたくさんあります。  今年四月、訪米して米国議会で演説した安倍総理は、安保法制をこの夏までに成就させると期限を切って断言をしました。安倍総理がいかに国民への開かれた議論を無視し、国会を軽視しているかの証左であります。  そもそも、安倍総理には……
  80. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) おまとめください。郡司君、おまとめください。
  81. 郡司彰

    ○郡司彰君(続) 初めから本気で法案議論する考えがなかったとしか思えません。  集団的自衛権行使容認だけではなく、外国軍隊の後方支援PKOなど、性質の違う法案十一本を一度に国会提出をし、しかもそのうちの十本を一つの法案に束ねて提出をしました。それにより、安保法制の全体像や個々の問題点が分かりにくくなってしまいました。いや、意図的に分かりにくくしたと言ってもよいのではないでしょうか。  法案内容に関する質疑は緒に就いたばかりで、膨大な論点が残されたままであります。
  82. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 郡司君、時間が来ています。早くおまとめください。
  83. 郡司彰

    ○郡司彰君(続) むしろ、大臣答弁をすればするほど疑問が深まり、とても審議が尽くされたとは言い難い状況です。審議時間を掛ければよいというものではなく、問われているのはその内容なのである。  国民の八割が政府説明は不十分と言い、約六割が今国会での法案成立反対すると答えています。私は逆に、国民はこの法案の危うさを感じているからこそ、政府説明を理解できないのではないかと思えてなりません。  これだけ国民の不安、反対が多いのでありますから、政府安保法制に係るリスクや負担についても包み隠さず公開し……
  84. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 郡司君、かなり時間が超過いたしております。簡単に願います。
  85. 郡司彰

    ○郡司彰君(続) 国民と堂々と対話を重ねればよいではありませんか。国民の理解と後押しのない外交・安全保障政策は、対外的に説得力がなく、脆弱で、そのうち行き詰まるのは必至であります。  この夏は、安保法制反対安倍政権の暴走を止めるという思いに駆り立てられ、戦争を経験をした世代、高校生や大学生、母親、学者など、年齢や立場を超えた市民が連日のように国会周辺や全国各地で集会を開いています。総理は、なぜその人たちの輪に入って自分で自ら説明しようとしないのですか。あなたは、国民の切なる思いに耳を傾けず、目を背け、真摯に向き合うことから逃げています。  総理は、これまで、参考人、公述人の意見をお聞きになりましたか。私は、九月十五日に行われた中央公聴会の奥田公述人の発言を用意をしております。総理がお許しをいただければ、私は奥田公述人のお話を是非この場でお聞きをいただきたいと願っております。総理、よろしいですか。  私が安倍総理大臣問責する理由を申し述べました。総理は、私が公述人の意見をお聞きいただけますかと問いかけましたところ、知らんぷりをしているようであります。ならば、公述人の要旨をまとめた新聞の記事だけでも読んで聞かせましょうか。  大学生の奥田愛基さん、法案反対する学生のグループSEALDsの中心メンバーであります。国会前での彼らの抗議行動には幅広い世代が参加し、盛り上がりを見せる。奥田さんは繰り返し語った。自分たちは、一人一人の個人として考え、声を上げている、どこかの政治団体に属するのでもなく、誰かに動員されるのでもなく、一人の主権者として当たり前のことをしているのだという言葉が彼からは出されました。
  86. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 郡司君、かなり時間が超過をいたしております。早くまとめてください。
  87. 郡司彰

    ○郡司彰君(続) 選良の重責に敬意を表しつつ、奥田さんは議員に求めました。どうぞたった一人の個であってください、この法案を前に孤独に思考し判断してほしいと議員皆さんに呼びかけました。  最後に、皆さん子供や孫の世代に禍根を残してはなりません。この時代の国会議員として後世に恥じない投票を一人一人が本当に行うことを考えていこうではありませんか。  私の趣旨説明を終わります。(拍手)     ─────────────
  88. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。岩城光英君。    〔岩城光英君登壇拍手
  89. 岩城光英

    ○岩城光英君 自由民主党の岩城光英です。  私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました安倍晋三内閣総理大臣に対する問責決議案に対し、断固反対立場から討論を行います。  平和安全法制に関しては、これまで、衆議院では百十六時間、参議院でもおよそ百時間にわたり、時間を掛けて審議を尽くしてまいりました。国家の安全保障は極めて重要な問題であるとともに、一刻の猶予も許されない課題です。議論を重ねた上で、決めるべきときには決めなければなりません。それが国を預かる政府与党としての責任であると考えます。その責任を今まさに果たそうとしているのが安倍総理であります。その総理に対する問責など、言語道断であります。  平和安全法制については、法案国会提出前から、政府与党は、慎重に慎重に検討を重ね、法案を練り上げてまいりました。その案について、日本を元気にする会、次世代の党、新党改革と協議の上、国会の関与の強化について合意し、また、政党間協議を続けてきた維新の党の皆様の御意見も取り入れ、十七日の特別委員会で、附帯決議を付けて与党野党会派賛成で可決されたのであります。したがって、これが強行採決だという批判は全く当たりません。  先日の地方公聴会において、単なる多数決主義は民主主義ではないという意見がありました。平和安全法制審議の過程では、多数派も少数派もお互いの意見を尊重しながら熟議を重ね、より良い案に練り上げた上で、最後は多数決で決するというプロセスを慎重に進めてまいりました。これがまさに民主主義ではないでしょうか。単なる多数決主義でないことは明らかであります。  また、我々は、国会内のみならず、広く国民の理解を得るよう努力を続けてまいりました。これまでも、安倍総理中谷防衛大臣を始め、政府与党が一体となって、憲法問題のような総論から弾薬の補給といった各論まで、微に入り細に入り説明を尽くしてまいりました。安全保障は、日常生活からは想像しにくい部分もあり、国民の理解を得るのには時間が掛かる分野であります。しかし、我々は決して説明をする努力を放棄しません。今後も粘り強く、国民の理解を少しずつでも得られるように、あらゆる場面で説明を続けていきたいと考えます。そのためにも、安倍総理安全保障問題に対する深い理解と優れた発信力は不可欠です。  さて、安倍総理は、平和安全法制以外についても、就任以来、極めて優れた実績を上げてこられました。就任前には長らく低迷していた日本経済を僅かの時間で回復軌道に乗せ、賃金を上げ、失業率を減らしました。日本はこのまま沈んでいくのではないか、そんな空気を払拭し、日本はまだまだ捨てたものではない、前を向いて歩いていこうという将来への希望を与えてくれたのが安倍総理の最大の実績ではないでしょうか。  また、こうした希望が日本全国津々浦々にまで広がるように、地方創生が国の重要課題となっています。各自治体が、今までは気付かなかった地元の良さを再発見し、地域づくりに創意工夫を凝らすようになりました。このことが地域の誇りを取り戻すことにもつながっています。  さらに、日本を訪れる外国人観光客は数年前に比べて倍増する勢いです。我が国の優れた文化を世界に発信するチャンスが訪れています。これらは全て安倍総理我が国にもたらした大きなポジティブな変化であります。  安倍総理は、外交面では、史上最多となる世界五十五か国・地域を訪問し、我が国の外交的な存在感を高めてこられました。その成果があって、総理が掲げる国際協調主義に基づく積極的平和主義に対しては、多くの国々が支持を表明しています。その一環である平和安全法制に対しても、世界の国々が期待を寄せています。そうした期待に応えるためにも、安倍総理には引き続き職務を全うしていただく必要があります。  このように、安倍総理がすばらしい実績を上げていること、今後も職務を続けていただく必要があることは誰の目にも明らかです。問責理由など全く見当たりません。  安倍総理におかれても、今後とも堂々と職務を遂行していただくことをお願いいたしまして、私の討論を終わります。(拍手
  90. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 神本美恵子君。    〔神本美恵子君登壇拍手
  91. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 安倍総理、私を誰だか知っていますか。私は民主党新緑風会の神本美恵子です。  ただいま議題となりました安倍総理に対する問責決議案について、賛成立場から討論いたします。  以下、問責決議案賛成する理由を述べます。  まず、第一の理由です。  昨日、政府与党は、たくさんの国民の声を無視して、日本の将来と世界の平和に大きく影響を与える安全保障関連法案採決を強行しました。  しかも、今回の強行採決は、自民、公明の議員が突然委員長を取り囲み、まさに丸裸の暴力により行われました。野党議員が取り囲む場合と異なり、野党議員は、委員長が何を話し、何をしようとしていたのか全く推量不能状態でありました。その結果、野党議員表決権行使ができなかったのが実情であります。鴻池委員長は、国会法四十八条で議事整理権を有しているものの、委員表決権を奪うことはできず、野党議員表決権行使ができなかった今回の採決は無効であると断ぜざるを得ません。  さらに、突撃と言わんばかりの委員外議員の合図から始まり、委員長席周辺での信じられない光景、その騒動と同時並行で私は不思議な光景を見ました。質疑者席で、誰も聞いていないのに、二人の議員に見守られるようにしてひたすら原稿を読んでいる人がいたのです。何をしていたのでしょう。議事録に何も残っていないので分かりません。誰かが書いたシナリオどおりに暴力シーンを演じる与党と一部野党による茶番劇を見ているようでありました。こんな採決が無効であることは誰の目にも明らかであります。  この間、多くの人たちが安倍政治を許さないというプラカードを掲げ国会を包囲しています。国民が許さない安倍政治とは何か。それは、第一に、国民に対し真実を語らず、うそを述べていること、第二は、米国への追従、第三には、安保法制の真実を報道しようとするメディアや自らの意見を声に出そうとする人々に恫喝を掛けることです。  もう一つ、ここで加えなければなりません。討論時間を制限する言論封殺であります。安倍政治は真実を語らないので、国民はいつも政治を疑い、裏に真実が隠されているのではないかと疑心暗鬼でいるのです。それを百も承知で強行採決をする。国会での質問答えず、意味のない答弁を長々と繰り返す。特に、この安保法制成立したときに、国民自衛隊員リスクが高まるのかどうかについて何の検証もしない。リスクは高まらないと簡単に言えてしまう。  つまり、先に約束してしまったアメリカとのその約束を守るために国民には真実を隠す。自民党の若手議員のメディアを弾圧する発言や、総理と親しい作家の、沖縄の二つの新聞は潰さなければならないという発言に何ら手を打たない。安倍政治を許さないとは、国民のそういう気持ちにほかなりません。  総理、あなたも認めているように、多くの国民が納得し得るような審議が尽くされていない。そして、最初から極めて憲法違反の疑いの強い安保法案衆議院に引き続き参議院においても強行採決をする理由が何なのか、国民はよく理解しています。それは、アメリカへの追従のためであるということです。  総理、今年四月にアメリカの連邦議会上下両院合同会議で、日本総理大臣として初めて演説する機会を得て、あなたはさぞかしうれしかったのでしょう。自らをエイブラハム・リンカーン大統領に例え、アメリカの民主主義をたたえました。国内では日本憲法は占領軍の押し付け憲法だと忌み嫌う総理が、アメリカでは、あたかも日本民主主義がアメリカのおかげで成熟したかのような発言をする。あなたの二枚舌には、驚きと同時に、国民を代表する政治家として赤面するしかありません。  第二の理由を申し上げます。  私たち女性の国会議員は、現在、国民皆さんに選ばれて国会に身を置く者として、戦前は女性がいなかったこの国会に、今この平和憲法下に保障された参政権の上に、国民の負託に応えるべく仕事をしています。  安倍総理、たくさんの人たちが今も、このときも国会を取り巻いています。ベビーカーを押したママたちを国会内外で毎日見かけます。子供たちが国会の食堂や廊下で楽しげに笑っている姿をこのママたちがどんな気持ちで見守っているか、総理は考えたことがありますか。徴兵制などあり得ない、そう幾度繰り返しても、なぜそうなのかを説明できない総理が信頼されることはありません。  九月八日の参考人質疑で、伊藤真参考人は次のように述べられました。徴兵制は、憲法十八条で意に反する苦役に服させられないとありますが、しかし、これは公共の福祉で制限できると解釈されているものです、ということは、必要性、合理性が生じたならば徴兵制も可能ということを意味しますと伊藤真参考人は述べられました。  そうなんです。憲法九条があり、歴代内閣集団的自衛権行使できないとの立場を貫いてきたにもかかわらず、いとも簡単に内閣法制局長官をすげ替え、十五日の中央公聴会で、濱田邦夫公述人に今はなき内閣法制局とまで言わしめたように、憲法を踏みにじるあなたが、徴兵制はあり得ない、野党があおっているだけだと幾ら言っても、誰も信用しません。  安保関連法案には、女性の反対の割合が男性に比べて際立って大きいことを総理はよく御存じでしょう。そこには、決してだまされないぞという女性たちの声が集約されているのです。  誰の子供も殺させない。自分の子供だけではない、誰の子供も殺させない。殺したり、殺されたりするために子供たちは生まれてきたのではありません。戦場に駆り出され、銃口を向け合う人たちの間に、そうしなければならない必然性はどこにあるのでしょうか。戦争を必要としているのは、私たちではありません。戦後七十年となる、この夏。私は、ほかの誰でもない自分の声を上げます。  これがママたちの決意です。  総理、気が付かれましたか。ママたちは、誰でもない私自身として声を上げているのです。戦後七十年談話を私という主語を明確にして語らなかった総理とは違うのです。  私は、小学校の現場で長い間教師をしてきました。その中で、教え子を再び戦場に送らないという言葉に出会いました。誰の子供も戦場に送らない、そういう決意の下で活動してきました。先ほどのママたちと同じ思いであります。  さて、安倍総理は、特別委員会議論の際に再三にわたってやじを飛ばしました。審議の中で総理大臣席からやじを飛ばすこと自体が前代未聞であります。しかし、安倍総理、覚えていらっしゃいますか、あなたがやじを飛ばした相手、それは女性ばかりであります。衆議院の特別委員会では辻元清美議員参議院では蓮舫議員。その前には私自身にも、私のいないところで名指しでありもしないやじと中傷を発言されました。自分と意見が違う女性の議員とは議論ができない、あるいは女性の意見は聞くに値しない、心のどこかで思っていらっしゃるのではないでしょうか。それとも、安全保障は男性の問題だと考えているのですか。  私のクラスにもしもそのような子供がいたら、本人がいないところでありもしない悪口を言ったり、そのような態度を繰り返す子がいたとすれば、そんな品性のないことはやめなさい、気に入らないことがあるからといって状況を見失ってはいけません、そして何よりも女性蔑視はいけませんと諭したでしょう。  日本憲法第二十四条には、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚する立場を決して忘れてはならないと書かれています。安保法案審議されているさなか、高校の保健教育の啓発教材として、「健康な生活を送るために」という副教材が全ての公立、私立高校に百三十万部も配布されました。そこには、妊娠、出産をできるだけ若年のうちにするよう誘導する意図的な内容が加えられています。
  92. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 神本君、時間が超過しております。簡単に願います。
  93. 神本美恵子

    ○神本美恵子君(続) 戦前の産めよ増やせよという政府の意図を思い出さざるを得ません。女性のリプロダクティブヘルス・ライツ、妊娠、出産に係る自己決定権を不当に侵害し、多様な性や多様な生き方を否定するものであります。  安倍総理、ここにもまた、うそと女性蔑視を高校生に教えようとする安倍内閣の体質が現れ、あなたの政治が許されない理由があります。  そして、これは安倍総理の富国強兵路線にほかなりません。アメリカの議会での演説の後、アメリカの別の場所で総理は、アベノミクスと私の外交・安全保障政策は表裏一体だと語りました。自立した女性は要らない、女性はお国のために子供を産み育て、家族の再生産のためにあらゆる犠牲を払い国のために尽くせと言わんばかりです。断じて認めるわけにはまいりません。  次に、第三の理由について申し上げます。  安倍内閣は働く人を軽視しています。労働者派遣法の審議では、衆参両議院で派遣業務に就く女性たちの悲痛な声が参考人質疑で上がっていたにもかかわらず、法案成立させました。そこには五十項目もの附帯決議が付けられるほどであり、不当な法案であることは明らかであります。この改悪の結果、特に女性間の格差が広がり、分断が進むと考えられます。総理は全ての女性が輝くと言っていますが、その言に反する政策の代表が派遣法改定であります。アベノミクスは実体経済の改善にはつながらず、非正規雇用の増大、拡大をもたらしています。  輝きたくても輝けない女性たちを輝けるところまで連れていく、それが政治の役割です。
  94. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 神本君、そろそろまとめてください。
  95. 神本美恵子

    ○神本美恵子君(続) 大企業の利益の滴り、おこぼれを底辺の人間は待っていろ、そして少しは国の役に立てということを総理は丁寧な言葉で語っているにすぎません。国家は言わば国民に雇われたサービス事業者です。この基本的な関係性を理解できない政治家は、今すぐに国民から解雇されるべきです。  安倍政治の暴走によって、自由と民主主義の基本が壊されようとしています。民主主義って何だ、若者たちは安倍政治に問いかけています。憲法を守れと叫んでいます。若者たちが自らの思いや考えを発信し、その若者たちと女性たち、これまでの平和運動には緩やかで広いつながりができ、全国津々浦々に広がっています。市民が育んできた平和主義は日本の戦後そのものの歴史をつなぐものであり、その人々の思いを実現するためには安倍内閣の退陣しかない。広範な国民とともに安倍内閣の退陣を求めます。安倍内閣与党の暴挙によって、平和も立憲主義もそして民主主義もまた、まさに存立危機事態であります。  いま一度、全ての議員皆さんに安倍総理問責決議案への皆様の御賛同を呼びかけ、私の討論を終わります。(拍手
  96. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 寺田典城君。    〔寺田典城君登壇拍手
  97. 寺田典城

    ○寺田典城君 維新の党の寺田典城であります。  私は、会派を代表しまして、本問責決議案に対し、賛成立場から討論するものであります。  維新の党は、安保法案の対案を参議院提出しましたが、政府与党に受け入れていただけなかったことは非常に残念であります。  一昨日、横浜の地方公聴会に行ってまいりました。会場のホテル周辺はデモ隊が取り囲み、若い人からお年寄りまで一心不乱に安倍総理安保法制に対する抗議デモを行っていた姿に感動と緊張感を覚えました。  公聴会では、安倍総理の言う安全保障環境の変化、特に中国の脅威論について言及した元自衛官の公述人の方がいらっしゃいました。また、この法律は立憲主義の危機であると言う学者の方もいらっしゃいました。さらには、この地方公聴会は何のためのものなのか、その日のうちに採決を行ってしまうのではアリバイづくりの茶番ではないのかという、公聴会の存在意義に疑義を唱える公述人もおりました。与党日本を元気にする会、次世代の党、新党改革の野党三党間の修正協議は、附帯決議や閣議決定という形でなされるわけですが、法律に書き込まなければ意味がないという指摘もありました。  この憲法九十九条違反は、国家の論理だけではなく、国民全体の個人の尊厳にも関わるもので、この法案が通ったら国民の新たな闘いが始まると思います。  今回の安保法案に対しては、ほとんどの憲法学者が違憲だと指摘しています。歴代の内閣法制局長官経験者も違憲だと言っております。政府提出する法案の違憲性をチェックしてきた方々発言は重いものではないでしょうか。安倍総理は、合憲、違憲を判断するのは最高裁判所だと答弁してきました。その最高裁判所判事経験者や長官経験者までもが安保法案は違憲であると述べ、政府の理屈を厳しく批判しております。  一昨日の地方公聴会では、安倍総理は反民主主義、反立憲主義であり、自らと異なる主張をする専門家の意見には耳を傾けない反知性主義でもあるという手厳しい意見も出ておりました。  憲法に違反する法律であっても、形式的に成立すれば、最高裁判所の判決によって効力を否定されるまでは公定力が生じます。法律成立行使される段階になれば、訴えの利益も認められ、司法判断の対象になってきます。しかし、判決が出される前に後方支援や国連平和維持活動における駆け付け警護等で犠牲者が出た場合、安倍総理や安保法案賛成した国会議員方々はどのような責任を取られるのでしょうか。憲法第五十一条を盾にして、国会議員として責任を取らないつもりでしょうか。そんなことは国民が許しません。  経済政策などであれば、多数決で危ない橋を渡ることも許されるかもしれません。しかし、憲法問題については渡る橋はありません。安倍総理の行為は、立憲主義に対するテロ行為ではないかと言う人もおります。後方支援集団的自衛権行使したいのであれば憲法改正すべきであります。  戦後の日本は、七十年間、戦争のなかった幸せな国であります。日本は独立国ですから、国際法上は、個別的自衛権及び集団的自衛権行使が認められております。しかし、国内法上は、憲法第九条があるため、外国からの武力攻撃を受けた場合に、これを実力で排除することは許されるもののそれ以上のことはできない、よって集団的自衛権行使はあり得ないという考えでした。日本は、国際社会の中で、戦争を放棄し、国際平和を希求をする国家としての地位を確立してきました。  安倍総理は、集団的自衛権によって抑止力が高まると考えているようですが、私は、憲法第九条によって戦争を放棄したことがそれ以上の抑止力として機能してきたのではないかと思います。安倍総理、戦争に参加しないで平和をつくっていくことも価値のあることだと思いませんか。  安保法案審議では、中国や北朝鮮との緊張関係が盛んに強調されています。しかし、十三億人の人口を抱え、二十六兆円の軍事費を持つと言われる中国との互恵関係として、それでよいのでしょうか。日本が、戦争を放棄した国から戦争に関わっていく国に生まれ変われば、中国との関係で抑止力が高まるどころか、かえって緊張感を高めることにならないのか、心配になります。我が国が目指すべき姿は、私は、身の丈に合った専守防衛の国だと思っております。  日米安保条約に基づき、アメリカの軍事力と日本の自衛力が一体となって我が国防衛している以上、アメリカとの協力関係を今後も維持していくことが重要であることは理解しています。これから先、少子高齢化、人口減少が進み、五兆円規模の防衛費や、約二十五万人の自衛官を確保していけるかどうかも不透明な中で、安倍総理の目指す防衛政策が妥当なものであるとは決して思いません。  今回の安保法制によって、現行法よりも広い範囲で自衛隊海外派遣できるようになります。しかし、自衛隊国民の命を守るための組織であります。総理の自己満足やアメリカとの約束を守るための組織ではありません。  アフガニスタンで後方支援に参加したドイツ軍は、二十回の銃撃戦に巻き込まれ、五十五名の犠牲者を出したとの報道があります。後方支援であっても戦争に参加するということは、武力行使もしなければならないし、犠牲者も出るということであります。安倍総理、自分がしようとしていることを恐ろしいとは思いませんか。  この安保法案は、国民憲法を擁護する考え、国家の平和に対する思いを目覚めさせました。今の政治体制の中で、一強ということがいかに危険であるのか、国民も気付いたことだと思います。  原発事故以来、デモという行動国民の間にますます根付いてきました。社会が変化するのは、安倍総理が反面教師となっているからだと思います。地方公聴会の帰りのデモ隊を見て、そのことを強く感じた次第であります。  安倍総理にも、是非デモを直接御覧いただき、国民の声や考えを体感すれば、この安保法案は廃案にするしかないと御納得いただけることです。国会は一番憲法を擁護する義務があります。是非ともこの法案は取り下げていただきたい。もしこの法案が通れば、国民にとって新たな闘いが始まります。  理解していただきたいのは、時間とともにますます反対意見が増えているという事実であります。国民の約八割はこの安保法案を理解できず、平和な日本国家、日本の将来に対する危機感を抱いています。  九月十四日の平和安全特別委員会で、法案成立し、時間がたてば国民法案に対する理解が深まっていくという予言者のような安倍総理答弁には驚きました。  国会の多数意見が国民の多数意見ではありません。国民国会の多数派に全権を委任しているわけではないのです。国民の声を無視して国会で多数決を行うことは民主主義とは言えません。内容が理解できない法案に対し、平和の大切さを踏まえて国民行動しています。  論理破綻した不誠実な答弁を重ね、国民の声に謙虚に耳を傾けることができない安倍総理は、総理大臣としての適格性を欠くということを強く申し上げまして、問責決議案に対する賛成討論とします。  ありがとうございました。(拍手
  98. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 山下芳生君。    〔山下芳生君登壇拍手
  99. 山下芳生

    ○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、安倍首相問責決議案に断固賛成する討論を行います。  問責決議案賛成する第一の理由は、安倍首相が、憲法九十九条によって課せられた憲法を尊重し擁護する義務ないがしろにし、憲法憲法でなくする暴挙にひた走っているからであります。  戦争法案の中身は、戦闘地域での米軍への兵たん、戦乱が続く地域での治安維持活動、地球のどこであっても米軍を守るための武器使用、そして、日本が攻撃されてもいないのに、アメリカ及び第三国に対する武力攻撃に対処するために武力の行使をする集団的自衛権行使など、全て憲法違反であることは明白であります。  憲法学者の大半、歴代の内閣法制局長官、そして首相が最終的な憲法判断をすると公言した最高裁の元長官までもが憲法に反すると断じました。山口繁元最高裁長官は、集団的自衛権憲法違反という解釈は、単なる解釈ではなく規範へと昇格しているのではないか、九条の骨肉と化している解釈を変えて集団的自衛権行使したいのなら、九条を改正するのが筋だと、安倍政権による憲法解釈の大転換を厳しく批判いたしました。総理はこの批判を退官した一私人の発言として切り捨てましたが、余りに傲慢不遜と言わなければなりません。  加えて、山口元最高裁長官は、腑に落ちないのは、肝腎要の日米安全保障条約についての議論がこの間ほとんどされていないことだ、条約五条では、日本の領土、領海において攻撃があった場合には日米共同の行動を取るとうたわれている、米国だけが集団的自衛権行使して日本防衛する義務を負う実質的な片務条約です、日本が米国との関係で集団的自衛権行使するためには条約改定が必要で、それをしないで日本が米国を助けに行くことはできないと明言されています。まさにこのとおりです。  憲法を踏みにじり、安保条約の枠まで踏み越えて、アメリカと一緒に海外で戦争をする国へとひた走る首相の暴走を到底認めることはできません。  第二に、しかも、こうした憲法違反の重大な法案を強行するために、国民に真実を隠す欺瞞的な答弁を繰り返してきた安倍首相の姿勢も重大です。  首相は、戦争法案の柱である集団的自衛権行使を必要とする理由として二つ事例を挙げました。  一つは、紛争地から避難する日本人の母親と乳児を輸送する米艦船の防護です。首相は、この船に乗っている子供たちを、お母さんや多くの日本人を守ることができない、この現状から目を背けていいのかと繰り返しました。しかし、この説明は偽りでした。中谷防衛大臣は、米艦船の防護には邦人が乗っているかどうかは絶対的なものではないと述べたのであります。  もう一つは、ホルムズ海峡での機雷除去です。首相は、ホルムズ海峡が機雷で封鎖されたら、人が亡くなる、大変寒い時期には家や人を暖める器具が停止する危険性もあると述べ、自衛隊による機雷除去の必要性を強調していました。ところが、今になって、現在の国際情勢に照らせば、現実の問題として機雷による封鎖が発生することを具体的に想定しているものではないと認めたではありませんか。  首相が集団的自衛権を必要とする根拠として挙げた主要な事例二つとも真実でなかったことが明らかになったのです。ならば、廃案にする以外ないではありませんか。  こうした手法は戦争法案に限ったことではありません。労働者派遣法改悪にも同様の手口が取られました。  派遣法改定の中身は、これまで派遣労働はあくまで一時的、臨時的な働き方だとしてきた原則を崩し、派遣先が期間制限を事実上受けることがなく、いつまでも派遣労働者を使い続けることができるようになる、派遣労働者に対する派遣先からの直接雇用申込義務をなくし、新たに施行される派遣先へのみなし雇用措置も形骸化させるというものでした。にもかかわらず、首相は、派遣労働者の正社員化を進める法案だと言い続けたのであります。  憲法、労働法の根本である直接雇用の大原則を欺瞞的手法で崩壊させることは断じて認められません。このようなやり方で、国民多数の願いと根本的に矛盾する、アメリカにどこまでも追随し、大企業の利益に奉仕する政治を進めることは許せません。  第三に、安倍首相が国民批判に一切耳を傾けない民主主義否定の姿勢を取り続けていることです。  肌寒く降り続く雨の中、連日、数万の人々が国会を取り囲んでいます。八月三十日には十二万人を超える空前の人波で国会周辺は埋め尽くされました。国会だけではありません。百を超える大学で戦争法案廃案のための有志の会がつくられ、全国至る所で、これまで声を上げることが少なかった芸能界の人々、作家、SEALDsなどの青年からMIDDLEs、ママの会など幅広い年齢層の人々が、一人一人、個人として声を上げ、これまで誰も見たことのなかったような無数の集会が開かれ、戦争法案の廃案、憲法守れのコールを響かせています。  今国会での成立反対の声は、どの世論調査を見ても国民の六割以上に達しています。首相は、参議院での審議入りに際して、丁寧に説明して理解を得ると言いましたが、審議を重ねれば重ねるほど法案成立反対の声が広がるばかりであります。与党は二百時間以上の審議理由採決を強行しましたが、二百時間の審議をもってしても、国民が納得するどころか一層の批判を浴びることになったのであります。  国民主権の原則、民主主義の原則に立てば、法案の撤回こそが安倍政権の取るべき選択であることは明らかであります。それを首相は、成立し、時が経ていく中において間違いなく理解は広がっていくと言い放ちました。国会審議を通じて国民を納得させられなかった者が、法案を強行、既成事実化し、いずれは分かるとうそぶく、これほど国民を愚弄する政治はありません。  民意を無視した首相の居丈高な態度は安保法案だけにとどまりません。国民多数が反対していた九州電力川内原発を反対の声を押し切って再稼働させました。辺野古新基地建設反対という幾度も選挙で示された沖縄県民の総意に、集中協議期間と称して、あたかも耳を傾けるかのようなそぶりを見せながら、期間が終わるや否や埋立工事を再開しました。まさに民意無視、問答無用の態度と言わなければなりません。国民多数の声からどんどん遠ざかる政治に未来はありません。  最後に、首相に、戦争法案反対する国民世論の大きなうねりの象徴ともなったSEALDsに参加する女子学生が国会前で行ったスピーチを紹介します。  今の私たちにとって安倍さんが一番の脅威です。あなたの横暴によってどれだけの人が悲しんでいるか、首相に言いたい。私は、殺すためではなく、より良く生きるために生まれてきたんです。奨学金で何百万円という借金をしながら、私は何を学んでいるのか、それは抑圧者の権力と闘い、争う知性です。安倍さんは喜ぶべきです。この国には、知を身に付け、権力に隷属しない、批判的な思考力を養う多くの学ぶ者がいることを。私たちは権力に対する沈黙を破ります。安倍さんにとっては存立危機事態かもしれませんが、それは良いことだと思います。  ここにこそ未来があります。同様の思いを募らせ行動するあまたの若者、国民とともに安倍首相問責決議案賛成することを表明し、討論を終わります。(拍手
  100. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  101. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより本決議案採決をいたします。  足立信也君外五十七名より、表決記名投票をもって行われたいとの要求提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決記名投票をもって行います。本決議案賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  102. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 山本君、速やかに投票お願いいたします。──まだ投票をなさらない方は速やかに御投票願います。──このままでは投票時間を制限せざるを得ないこととなります。速やかに投票願います。──ただいま行われております投票につきましては、自後二分間に制限いたします。時間が参りましたら投票箱を閉鎖いたします。速やかに御投票願います。──(発言する者多し)静粛に願います。  ただいま理事協議中でございますので、しばらくお待ちください。  投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  103. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  104. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百三十三票     白色票           八十九票     青色票          百四十四票    よって、本決議案は否決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  105. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これにて休憩いたします。    午後二時四十三分休憩      ─────・─────    午後八時三十一分開議
  106. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日程第一 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案  日程第二 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。      ─────・─────
  107. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより我が国及び国際社会平和安全法制に関する特別委員長の報告を求めるのでありますが、小西洋之君外一名から、委員会審査省略要求書を付して、我が国及び国際社会平和安全法制に関する特別委員長鴻池祥肇問責決議案提出されておりますので、まず、本決議案についてお諮りいたします。  我が国及び国際社会平和安全法制に関する特別委員長鴻池祥肇問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 御異議ないと認めます。  よって、本決議案議題といたします。  野上浩太郎君外一名から、賛成者を得て、  本決議案議事における発言時間は趣旨説明については二十五分、討論その他については一人十五分に制限することの動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。  足立信也君外五十七名より、表決記名投票をもって行われたいとの要求提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  109. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 山本君、速やかに投票願います。──山本君、重ねて申し上げます。速やかに御投票願います。──山本君、再度申し上げます。速やかに御投票願います。──山本君、再度申し上げます。どうぞ御投票ください。このままでは投票時間を制限せざるを得ないことになります。──ただいま行われております投票につきましては、自後二分間に制限いたします。時間が参りましたら投票箱を閉鎖いたします。速やかに御投票願います。──山本君、投票しましょう。もうすぐ二分ですよ。  投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  110. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  111. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百三十五票     白色票          百四十五票     青色票            九十票    よって、本動議は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  112. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより発議者趣旨説明を求めます。小西洋之君。     ─────────────    〔議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔小西洋之君登壇拍手
  113. 小西洋之

    小西洋之君 民主党新緑風会小西洋之でございます。  冒頭、去る台風十八号による災害による被害者の皆様に心よりのお見舞いを申し上げますとともに、各行政機関の引き続きの救援、救護の取組をお願いを申し上げます。  それでは、私は、会派を代表して、ただいま議題となりました我が国及び国際社会平和安全法制に関する特別委員会委員長鴻池祥肇君問責決議案について、提案理由説明を行います。  まず、本決議の案文を朗読いたします。   本院は、我が国及び国際社会平和安全法制に関する特別委員長鴻池祥肇君を問責する。    右決議する。  以下に、本決議案提案する理由を申し上げますが、その前に、昨日十七日の特別委員会における平和安全法制こと安保法案その他事項の採決の重大なる瑕疵について弾劾をさせていただきます。  昨日の強行採決は、あろうことか国会法の定める委員会制度の趣旨に違反し、委員外与党議員が突然に委員長を取り囲んで採決を強行したものであります。野党議員がそうした取り囲み行為を行う場合とは異なり、昨日は、野党議員は、委員長が何を話し、何をしようとしていたのかさえも全く推量不能であり、その結果、事実として、野党議員は主権者である国民皆様から託された表決権を何ら行使することができなかったものであります。  また、当日の議場には、国会議員ではない与党の秘書の皆さんも入り込み、我ら野党議員表決権の保持を妨害する行為を行っていたことが事実の検証により明らかになってきているものと承知をいたします。まさに信じ難い暴挙でございます。  委員長国会法四十八条で議事整理権を有しているものの、議会制度の本旨そのものであり、議事整理権の目的そのものである委員表決権を奪うことはできないのであります。野党議員表決権行使できなかった今回の採決は、当然に無効であります。  なお、議長は、委員長から委員会での議事について報告を受ける立場にあり、こうした一見明白かつ重大この上ない瑕疵ある表決が強行された以上、安保法案採決のためにセットされた本本会議も当然に無効であります。  その上で、以下、本決議案提案理由を申し上げます。  鴻池委員長におかれては、違憲立法審議という日本憲法下、重大極まりない特別委員会の運営に当たり、ある一時の時期に至るまでは、私のような一期生議員においても十分に理解し、また尊敬させていただけるような公正公平な委員会運営に努めていただいておりました。  特に、解釈変更の最終案文の事前の十分なる国会審議義務付けた昨年六月十一日の参議院憲法審査会附帯決議などを完全に無視し、我々議会を全否定し、国民憲法を奪い去る解釈改憲を強行した安倍内閣の七・一閣議決定における次の言葉、「政府憲法解釈には論理的整合性法的安定性が求められる。」、実は七・一閣議決定にこの言葉が書いてあるわけでございます。まさに盗人たけだけしいと言うほかない言葉ではないでしょうか。  その国民憲法を奪った一味の方であります、まさに本領を発揮したというべき礒崎総理補佐官の、法的安定性など関係ない、こうした空前絶後の暴言に際し、鴻池委員長は御英断をもって、議会初めての総理補佐官の参考人招致を実現いただきました。まさに良識の府のあるべき姿を示していただいたものと思います。  また、そのときの鴻池委員長自らの礒崎補佐官に対する質疑、さきの大戦の反省から、貴族院が止められなかったあの軍部の戦争に至った道というものを十分反省をしながら、参議院の存在を一生懸命つくり上げた、この委員長のお言葉、さらには、参議院衆議院の下部組織ではない、ましてや官邸の下請機関などではないとの議会人としての矜持のお言葉は、今や風前のともしびにある我が良識の府参議院に集う一議員として深い感銘と決意をいただいたものでございました。  しかし、誠に残念かつ遺憾なことに、その後の鴻池委員長委員会運営は、主権者である国民憲法をじゅうりんする安倍政治の暴走の中で、地方公聴会の開催の決定など、委員長のお力、御尽力をいただいたものがあるものの、最後はその信念を体現していただくことがかなわないものとして、戦後議会の議事運営に前例のない重大な瑕疵を残す強行採決に至ったものであります。  報道によれば、鴻池委員長におかれては、十会派のうちの五つの会派賛成したのだから強行採決ではないとおっしゃっているとのことであります。しかし、主権者である国民から見れば、その代表である我々野党議員表決に加わることすらできず、何よりも主権者国民憲法が違憲立法によって奪われたという意味において、これを強行採決以外の言葉で表現することはできないのであります。  あえて表現する言葉があるとすれば、もう一つの強行採決でございます。道徳的な観点から見た悪い行い、そうした凶行採決であれば、この事柄の本質を的確に表すことができるものであると考えるところでございます。  では、この強行採決に至る経緯でございますが、九月十五日開催の中央公聴会の職権による開催及び十六日開催の地方公聴会の開催後の締めくくり的総括質疑の職権設定などがございました。特に、十六日の地方公聴会開催後の十八時、午後六時に職権で締めくくり的総括質疑委員会立てが行われました。これは、議会の歴史において前例のないことでございます。  そして、そこから、このおきて破りの違憲立法の強行採決を阻止するとともに、各公聴会で明らかになった違憲論点について十分な審議を求める我々野党側と、国民憲法を無視し、しゃにむに採決を目指す与党側の徹夜の対峙の後に、途中、委員長の配慮による人道的見地からの休戦の時間もございましたが、十七日の朝、私の理解しているところによりますと、八時五十分に理事会がセットされることとなりました。しかし、その十七日の朝の理事会は、いつもの第一理事会室ではなく、何と第一委員会室の看板が替えられて、あの広々とした第一委員会室の中で強行をされたものであります。まさにだまし討ちとしか言いようのない暴挙であります。  会期は二十七日まであります。なぜこのような手段を強行してくるのか。第一理事会室の運営も国民皆様の税金から成り立っております。理事会室として使うべき部屋を使わず、何の目的を持って広々とした第一委員会室を理事会室に充てたのでございましょうか。こうした議会のルールを裏切ることは、すなわち国民に対する裏切りであり、全く国民皆様の理解は得られないものであります。  そして、鴻池委員長不信任案が否決された後に、冒頭申し上げた国会法の趣旨に違反する外人部隊の応援による実力行使によって強行採決に至っているのであります。そして、地方公聴会の派遣報告を行うこともなく、十七日に採決を強行したのであります。私は特別委員会委員として地方公聴会の会場に派遣されておりませんでしたので、地方公聴会でどのような公述人の方からの意見陳述があり、また、公述人の方と質疑者との意見の応答があったかについて全く何ら知ることができないままに安保法案を強行採決されているのであります。  また、中央公聴会を含め、強行採決により、どちらの公聴会についても、公述人の方々からいただいた貴重な御意見を法案審議に生かす、また、法案審議に反映させていただくための委員会審議を開催することは一度もできませんでした。さらに、強行採決により、何と良識の府である我が参議院において参考人の質疑衆議院よりも一回少ない、衆議院は二回やっておりますけれども、我が参議院は一度しか行えていない。良識の府は、また別名で熟議の府と言われておりますけれども、どこが熟議の府なんでございましょうか。  そして、この切り捨てられ、軽んじられた各公聴会及び参考人質疑が本特別委員会ほど重要な意義を有するものはいまだかつてなかったと申し上げさせていただいても過言ではないのであります。なぜなら、本本会議に緊急上程されている安保法制は、元最高裁長官、元最高裁判事、元内閣法制局長官、憲法学者の方々等々、その専門的見識において、決して一私人ではなく、我が国の法の支配を支え、発展させてくださってきたかけがえのない有識者の方々の御指摘でございます、その御指摘が一致しているものは、この安保法案は違憲立法であるということでございます。  衆参の議会が安倍内閣の解釈改憲を阻止できず、昨年七月一日、国民皆様憲法を守れず、そして、あろうことか衆議院においては違憲立法の強行採決を行い、そして、我が良識の府の参議院でもこの違憲立法審議を受けている。まさに、我が参議院の公聴会などは、憲法の唯一の所有者であります主権者である国民皆様の声をいただくその役割として、これまでになく、この上のない、かけがえのない重要な役割を持っていたものでございます。  さらに、地方公聴会においては、前学術会議会長の広渡公述人において、専門的見識を平気でじゅうりんする安倍総理は、反平和主義、反民主主義、反立憲主義に加えて、反知性主義であると厳しく批判されていたということでございます。安倍内閣の解釈改憲と違憲立法の根底にあるこの安倍総理政治家としての本質、こうしたこともしっかりとこの公聴会の御意見をいただいて我々の審議に反映させなければいけなかった、そのことが切り捨てられているわけでございます。  このように、鴻池委員長の差配の下、強行されるに至った議事運営は、議会の歴史に前例のない、国民を無視し、国民の代表の野党議員を無視し、かつ良識の府の議会運営をもじゅうりんする強行採決であったのであります。以上の理由をもって、鴻池委員長は十二分に問責に値するのであります。  特に忘れてはいけないことがございます。このような異常な手続の下に採決された法案をこの本会議立法することは、その法律の下の武力行使を始めとする軍事力の行使で間違いなく戦死を余儀なくする自衛隊皆さん、そして、集団的自衛権行使による相手国からの反撃等々により間違いなく死傷することになる、またテロも受けることになるでしょう、そうした生命や身体が傷つけられてしまう国民皆さんに対して、どのようにも説明が付かないことであります。  皆様既に御存じのとおり、昨日の強行採決議事録、騒乱によって、騒動によって聴取不能ということしか書かれていないわけでございます。そのような特別委員会採決で、自衛隊員を始めとする国民皆さんを戦争のその脅威にさらす、あるいはその被害にさらす、そうしたことが許されるんでしょうか。この安保法案は廃案しかない、そのことを信念を持って申し上げをさせていただきます。  しかし、今申し上げましたこれら、はるか全てを超えて、最も鴻池委員長に対し問責が追及されなければいけない問題があるのであります。鴻池委員長のこの特別委員会委員長としての議事運営における最高にして最大の責任、それは、鴻池委員長の、憲法第九十九条、憲法尊重擁護義務違反であります。  委員長国会法により議事整理権を有しますが、それが委員長自身の憲法尊重擁護義務及び憲法九十七条の最高法規の規定によって、あくまでもその議事整理権日本憲法を尊重し擁護する範囲でしか行使できない、行使しなければならないことは明々白々であります。これを更に我々立法府全体、国会議員全体の問題として敷衍化してみたときに、立法府の役割とは、安倍内閣によって強行された違憲の解釈改憲に基づく違憲立法を阻止する、この一点にあるのであります。  鴻池委員長は、こうした憲法上の義務に基づき、今日まさにこの瞬間にこの国会の周辺で、そして全国で行われている市民の皆様の抗議の声、そして抗議のそのデモ等の取組、徹底審議をしなければならない、この安保法制は廃案にしなければならない、鴻池委員長は、まさにこの国民の声を受け止め、胸に刻み、それを自らの憲法上の義務の下、違憲立法については即刻廃案とする議事整理を行う責務を負っていたのであります。  しかも、本日のつい三日前の中央公聴会、そして僅か二日前の地方公聴会で、一見明白にして深刻、かつ多数の違憲論点が示されていたばかりでございます。こうした違憲論点を論理的に完璧に我々立法府が白黒を付けなければ、国会議員として、そして委員会として、我々は憲法尊重擁護義務を全うしたことにはならないのであります。  そして、鴻池委員長の第一のその職務というものは、この議会そして我々国会議員が有する憲法尊重擁護義務を全うさせる、そうした議事運営、議事整理権行使することにあったのであります。  しかし、こうした見解について、憲法の最終解釈権を有するのは最高裁である、だからそこに白黒を任せればいいという暴論がございます。安倍総理も再三国会でおっしゃっておりました。法案審議はいいじゃないか、最高裁に任せればいいじゃないかという趣旨というふうに私は理解をしております。  なぜこれが暴論なのでしょうか。それは、安倍総理は、憲法が定める三権分立の真の趣旨を何ら理解していないからであります。我々立法府の役割は、国民を代表する唯一の代表機関として、違憲の法律によって国民が不条理に傷つくのを阻止する、国民を守ることにあります。  我が国憲法の下で、司法権、最高裁がその役割を行使できる、それはただ一点でございます。国民の具体的な権利が違憲の法律によって侵害されたときだけでございます。つまり、最高裁に任せればいいというのは、国民が違憲の立法で先に傷ついても構わない、国民が違憲の戦争で先に戦死しても構わない、国民がテロに見舞われても構わないと言っていることと全く同じなのでございます。  こう言ってはなんですけれども、SEALDsの奥田愛基さん、彼と同い年くらいの法学部にいる学生でも容易に理解できる三権分立の本質が、残念ながら我が良識の府の参議院を含め、そして、こう言ってはなんですけれども、衆議院も含め、一度も安倍総理から見解として述べられたことがなかったことは、まさに安倍総理が立憲主義、法の支配、そして憲法の何たるかが全く分かっていないことの証明以外の何物でもございません。  安倍総理はかつて、今から三年前だったでしょうか、三月二十九日の参議院予算委員会で私の質問に対し、日本憲法で一番大切な条文、憲法の目的そのものを定めた憲法十三条について全く知らない、全く理解すらしていないということが白日の下に明らかになりました。  私の質疑に先立つ約一か月前、同僚議員でございます、先輩議員でございます藤末議員質問、鋭い切り込みでございました。二月の二十六日でございます。自民党憲法草案にある、憲法十三条の公共の福祉の言葉を公益及び公の秩序に塗り替える、取り替える、その趣旨を藤末議員は追及をされたのでございます。  実は、この公共の福祉の意味、自民党皆さんが理解しているように、国民権利を超えた社会全体の大きな価値を意味するものではございません。過去の歴代の政府憲法解釈、そして累次の最高裁判決によってまさに積み上がった、確立した解釈がございます。それは、憲法十三条に定める個々の国民のかけがえのない幸福追求権を、共に生きる社会の下に、公共の原理の下に調整をする、その原理の意味が公共の福祉という言葉の意味でございます。その公共の福祉の言葉を、誰が作ったか定義したかも分からない、社会全体の価値に置き換えた瞬間、まさに憲法的に戦前の明治憲法と全く同じ憲法になってしまうのであります。  その三月二十九日における私の国会質問、こういう質問でございました。事前質問通告はしっかりさせていただいておりました。質問通告は、まさに二月の二十六日、藤末議員が追及をされておりますので、この通常国会質問された憲法の条文について安倍総理質問するので、どうか答えてください、準備お願いしますという質問通告をさせていただいておりました。  質問その一、憲法で包括的な人権規定と呼ばれる条文は第何条でしょうか。安倍総理の当時の答弁がございますので、ちょっと読み上げをさせていただきます。小西洋之君、憲法において包括的な人権規定と言われる条文は何条ですか。安倍総理、今そういうクイズのような質問をされても、余り生産性はないんじゃないですか。  小西洋之君、憲法において個人の尊厳の尊重を包括的に定めた条文は何条ですか。内閣総理大臣安倍晋三君、それをいきなり聞かれても、今お答えできません。さっき申し上げました、通告はちゃんとしておりました。小西洋之君、幸福追求権を定めた条文は憲法第何条ですか。内閣総理大臣安倍晋三君、それ、こういうやり取りは、私、何の意味があるか分かりませんよ、これ、やるんだったら大学の憲法学の講義でやってくださいよ。  小西洋之君、芦部信喜さんという憲法学者、御存じですか。内閣総理大臣安倍晋三君、少し解説を加えさせていただきます、にやにや笑いながらこうお答えになりました、私は存じ上げておりません。  先輩、同僚の議員皆様にはもう御説明するまでもなく、憲法十三条は、日本憲法の目的そのもの、個人の尊厳の尊重を定めた究極の条文でございます。内閣総理大臣が何のために存在するのか、我々国会議員が何のために存在するのか、全てその根拠、その意味はこの憲法十三条に行き着くわけでございます。  ところが、国会議員を二十年余りお務めになっていた安倍総理は、しかも憲法改正我が国議員としての使命である、存念である、そうした趣旨を再三にわたりおっしゃっていた安倍総理が、憲法で一番大切な条文についてまるっきり何にも理解もせず、知りもしなかったわけでございます。  ちなみに、芦部信喜先生、良識の府の先輩、同僚の議員皆様は十分御承知いただいておると思いますけれども、この違憲立法の重要な違憲論点でございます立法事実論、我が国憲法学において、戦後、立法事実論を体系立てた、戦後憲法学の泰斗でございます。  安倍総理が芦部信喜先生のお名前すら知らなかったということは、日銀総裁がケインズを知らずに金融政策をやってしまうようなもの、あるいはお医者様が医学を勉強せずに手術をやってしまうようなものというような、多くの国民皆様の驚きと批判があふれておりました。  まさに憲法の何たるかが全く分かっていない安倍総理が、我々国会を切り捨て、国民皆様を切り捨てて強行したのが昨年七月一日の解釈改憲であります。そして、この違憲立法はその違憲の解釈改憲の上に成り立っているわけでございます。  しかし、実は、今申し上げましたその参議院予算委員会質疑の当時、私も、そして恐らく日本社会も、先ほどの安倍総理答弁には、もっと恐ろしい、思わず身の毛のよだつような大切なことが隠されていたことに気付いていなかったのでございます。  安倍総理と違って、憲法の何たるかを十分体得の上、日々国民のための立法に励んでいらっしゃいます先輩、同僚の議員皆様には申し上げるまでもありません。十三条はどういう条文でしょうか。
  114. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 小西君、時間が経過をいたしております。簡単に願います。
  115. 小西洋之

    小西洋之君(続) 憲法で一番大切な条文であると同時に、実は十三条は、憲法九条において個別的自衛権を合憲化して、自衛隊を合憲化して、同時に、その意味において集団的自衛権憲法違反を導く唯一の憲法の本条の条文なわけでございます。  一九九三年に初当選して以来、集団的自衛権行使日本国はしなければいけない、憲法改正をしなければいけない、できないんだったら、平成十六年に当時の秋山法制局長官に切って捨てられたように、解釈改憲ができないか、その道をひたすら追求していた安倍総理が、憲法九条において集団的自衛権憲法違反に導くたった一つの根拠条文を知らなかったんですよ。これが安倍総理の解釈改憲の本質であり、今この良識の府に緊急上程をされている安保法制の本質なわけでございます。  私は、元々、脳卒中で寝たきりでありました父親への思いから、産業政策の官僚を辞めて医療、福祉を頑張りたいという思いでこの国政に臨ませていただきました。自民党や公明党、あるいは一部野党の先生方、そして様々な議員立法等々を御指導をいただきました。しかし、皆様皆様はこんな安倍総理に付いていくんでしょうか。そのことをどうかお考えいただきたいと思います。  そして、その上で、私のこの演説の本旨でございます鴻池委員長問責に触れさせていただきたいと思います。  鴻池委員長のその使命、それは、先ほど申し上げました、この安倍総理のような憲法も何も分からない総理大臣を、国民に代わって、国民の唯一のこの代表機関をしっかりと、鴻池委員長自らが担う憲法尊重遵守義務に照らして違憲の立法をしっかりと論理的に追及し、その白黒を国民の前に明らかにすることにあります。  しかし、残念ながら鴻池委員長はそうした取組を十分に行っていただくことができませんでした。御本人はやりたかったんだと思います。しかし、できなかった。それが現実でございます。
  116. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 小西君、時間がかなり経過をいたしております。簡単に願います。
  117. 小西洋之

    小西洋之君(続) ここで、先ほど申し上げました、私のこの趣旨説明、本旨は鴻池委員長憲法違反問題をお訴えさせていただくことでございます。  この憲法違反問題の追及に入る前に、私個人として鴻池委員長への思いを申し上げさせていただきたく存じます。  保守政治の矜持を持った、尊敬すべき大先輩と存じます。公平公正な議事運営においては、大臣与党議員を時には叱責なさるお姿もございました。また、私は、違憲立法が平然と審議されるこの異常な国会の状況下において懸命の発言を重ねてまいりました。私が質疑で担当でないときの発言でございます。それについて、私に対して名指しで一度も御注意をいただいたことはございませんでした。  しかし、ただ一度、委員会の二日目、私自身、自分でもやり過ぎと思ったその発言のときに、鴻池委員長から厳しい注意のまなざしをいただきました。私もそれは素直に受け止めさせていただき、委員長に対して頭を下げさせていただきました。すると、委員長は、男らしい口を真一文字に結んで、分かったか、この表情で私に指導をしてくださったのでございます。  その後は、私において国民憲法を守るためにやむにやまれぬ発言を、私の常に座席正面にいらっしゃる鴻池委員長の表情を拝見しながら、こうした国民のための発言を今行っていいのかどうか、それを確認しながら、そして鴻池委員長のその姿勢に教えられながら、また鴻池委員長を信頼申し上げながら頑張らさせていただくことができたのであります。  また、ある機会に私が自分の拙著を献本申し上げたところ、そのお礼として結構な鴻池委員長の御地元の赤穂の切腹最中と義士ようかんをいただきました。私のような一期生の議員に対しこのような丁寧な御礼を下さる委員長のお人柄に感動し、敬服しつつ、一方で、この重大極まりない違憲立法審議を預かる委員長のお立場として、切腹最中というそのお名前、何か委員長において特別な意味を有するものがあるのではないかなと思慮してまいりましたが、有り難く私もいただいたところでございます。
  118. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 小西君、再々申し上げます。時間がかなり経過をいたしております。簡単に願います。
  119. 小西洋之

    小西洋之君(続) そして、昨日十七日、違憲立法の強行採決現場で、強硬な与党議員による委員長を囲むスクラムが形成されるまさにその前に、その最前列におりました私は、まさに形成されようとするそのスクラムの中に、議事進行表をお手に、しかしその議事進行表を決して抱え込むのでもなく、そして力強くぎゅっと握り締めるのでもなく、ひょっとすれば容易にその議事進行表を手放されてしまいそうな御様子の鴻池委員長を拝見したのでありました。その後、たちまち鴻池委員長と私の間には与党議員によるスクラムの壁ができてしまいましたが、私はあのスクラム、かまくら戦法とも呼ばれているようでございますが、その後のスクラムの中での委員長の強行採決の真意を拝見したように思った次第でございます。  ですので、今朝のある朝刊に、鴻池委員長の上着のポケットにダミーの進行表があった、しかもそれが人気漫画の歌舞伎上演のチラシであったとは私は到底思えない、信じられないのであります。恐らく委員長の懐にあったのは、まさに我が国の法の支配、立憲主義を特別委員会審議において守ることができなかった保守政治家良心であります覚悟をしたためた文書であったのではないかと思わざるを得ないのであります。  こうした鴻池委員長への思いを申し上げ、しかし、私も国民から憲法尊重擁護義務を有する国会議員の一人として、委員長が阻止していただけなかった安保法制の違憲問題とともに、それに関する委員長議事進行等の問責事項を申し上げさせていただきます。  なぜならば、安保法制がなぜ憲法違反なのか、その憲法問題を私のこの趣旨説明で申し上げない限り、先ほどの安倍総理問責決議の否決の際に……
  120. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 小西君、時間が大幅に経過をいたしております。このままですと発言を禁止せざるを得ない。簡単に願います。
  121. 小西洋之

    小西洋之君(続) 大いなる拍手をなさっていた与党議員皆様及び一部野党議員皆様におかれましては、その全ての方々憲法尊重擁護義務を果たすことにはならず、かつ、その義務の全うの上に、本問責決議について正当なる御判断をいただくことはできないからでございます。  また、憲法違反行為の委員長問責理由説明の機会をいただいた私としても、不当な言論封殺動議が可決されていることは十分議会人の一人として承知はしつつも、一方で、あくまでもこの問責決議案理由として委員長憲法違反問題を提起させていただく以上、国会審議における憲法違反の理由には大小もなく、また問題の過不足もなく、私は一国会議員として、国民皆様のために、全ての憲法違反の論点について鴻池委員長問責理由として皆様に御説明申し上げなければならないわけでございます。  この鴻池委員長問責決議案、その審議の在り方につきましても……
  122. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 小西君、時間が大幅に経過をいたしております。このままですと発言を禁止せざるを得ません。簡単に願います。
  123. 小西洋之

    小西洋之君(続) 先ほどから再三御注意をいただいてございます山崎正昭議長始め、ここにいらっしゃる全参議院議員がひとしく負うところの憲法遵守擁護義務をその適正な理解の下に果たしていただきたい、そうして初めてその上で正当な審議を行っていただきたいと理解するところでございます。  では、鴻池委員長のその憲法問題について申し上げをさせていただきます。  冒頭、この度の安保法制について特別の思いをお持ちである、ある国民の方の魂の叫びを皆様に御紹介をさせていただきます。  昨年、二〇一四年八月九日、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典、被爆者代表城台美弥子さんの平和の誓いの一節でございます。  今、進められている集団的自衛権行使容認は、日本憲法を踏みにじる暴挙です。日本が戦争できるようになり、武力で守ろうと言うのですか。日本未来を担う若者や子供たちを脅かさないでください。被爆者の苦しみを忘れ、なかったことにしないでください。
  124. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 小西君、再々申し上げます。時間が大幅に経過をいたしております。このままですと発言を禁止せざるを得ません。再度、簡単に願います。
  125. 小西洋之

    小西洋之君(続) こうした被爆者の方の魂の叫び、しかもこれは、皆さん、安倍総理の面前で被爆者の方が上げた魂の叫びではないですか。我が良識の府は、この被爆者の方の叫びに、求めに真摯に応えているんでしょうか。私は応えていないと思います。  今からその理由皆様にお伝えをさせていただきます。ラジオ等を通じて、この議場でお聞きになっている国民皆様にも是非お伝えをさせていただきたいと思います。  先ほど申し上げました、安倍総理がどのように国民皆様憲法をじゅうりんしたか、なぜ集団的自衛権行使憲法九条において憲法違反であるのか、新しく有権者となられた十八歳の日本国民皆さんでも容易に理解していただけるその解釈改憲のからくりを、鴻池委員長問責決議の提案理由の中にしっかりと刻ませていただきます。  去る九月十五日の中央公聴会で元最高裁判事の濱田邦夫弁護士がおっしゃいました。集団的自衛権行使の解釈変更は憲法違反であるとおっしゃいました。すなわち、濱田先生は、昭和四十七年政府見解という憲法九条の解釈文書の中に限定的な集団的自衛権が可能であると書き込まれているという安倍内閣の合憲主張について、それは昭和四十七年政府見解をそう読みたい人が読んでいるだけの話で、裁判所に行って通らない主張である、このように明言をされました。元最高裁の判事が、仮に違憲立法が訴訟になっても、それは最高裁で、裁判所で通用しない、安倍内閣の合憲主張は通用しない論法であると明言をなさったのでございます。  そして、それを更に完膚なきまでにたたきのめしていらっしゃるところでございます。法匪という言葉がございますが、法文そのものの意図するところとは懸け離れたことを主張するあしき例である、安倍内閣の解釈改憲は法匪の手によるあしき例である、このように元最高裁判事が鴻池委員長の下の特別委員会の中央公聴会で断言をなさったのであります。  そして、このようにもおっしゃっておりました。安倍内閣の解釈改憲のその論法でございますけれども、とても法律専門家の検証に堪えられない、およそまともな法律家としての訓練、素養を積んだ方であれば、こんなばかばかしい不正な解釈改憲はあっという間に憲法違反である、真っ黒の憲法違反である、このような趣旨を断言なさったわけでございます。  実は、今の真っ黒くろすけの言葉は、もう一人の法律の専門家が、この二院制の両翼を有する衆議院の参考人審議においておっしゃっております。最高裁の長官、判事は憲法の番人と呼ばれておりました。我が国の法の支配を担当するもう一人の番人がございます。法の番人と言われる内閣法制局長官でございます。その第十六代法の番人、宮崎礼壹元内閣法制局長官は、黒を白と言いくるめる類いと言うしかありませんなどと喝破なさっています。つまり、安倍政権安保法制は、憲法の番人と呼ばれる元最高裁判事から、そして法の番人と呼ばれる元内閣法制局長官から、それぞれ具体的な根拠をもって完全に憲法違反であると断ぜられているのであります。  しかし、皆さん、大事なことを忘れていないでしょうか。我々は、元最高裁判事が憲法違反だとおっしゃっているから憲法違反と理解するんでしょうか。あるいは、元内閣法制局長官が憲法違反とおっしゃるから我々は憲法違反と理解するんでしょうか。そういう行為、考え方は、まさに憲法違反そのものでございます。  我々国会議員は、国民憲法の下、憲法を尊重し、擁護する義務を負っているわけでございます。憲法を尊重し、擁護する義務を負っている以上、我々自身が、我々国会議員一人一人が、そして我々立法府の意思として、安倍内閣の解釈改憲と安保法制憲法違反であるかどうか、国民皆さん説明できなければいけないのであります。  与党議員皆さんは、もはや法の番人とは言われていない、今はなき内閣法制局、その長官である横畠裕介長官の三百代言の答弁に頼っていてはいけないんです。皆様お一人お一人が安倍内閣の解釈改憲の本質を理解し、これが論理的整合性法的安定性を満たすものであるかどうか、国民責任を持って説明ができなければいけないわけでございます。  では、なぜ安保法制憲法九条に違反するのか。濱田元最高裁判事は中央公聴会において、日本語を普通に理解する人であればとおっしゃっているように、実は解釈改憲の本質は、真相を知っていただければ十八歳の国民皆さんでも容易に御理解していただけるものでございます。  実は、我々立法府、我々野党議員は、既に国会でこの真っ黒くろすけの違憲を立証してございます。しかし、それが残念ながら国民皆様に十分届いていないのでございます。集団的自衛権行使は、安倍内閣主張する自国防衛のための限定的な集団的自衛権なるものを含めて、全て憲法の条文を変えない限りできないと言われてまいりました。この立法府で確立していた解釈でございます。憲法の条文を変えない限りできないものが、なぜできるようになったんでしょうか。それは論理的な整合性では到底説明の付かない不正、広辞苑の説明によればインチキがあるわけでございます。  そのインチキでございます。昭和四十七年政府見解の中にあるこの言葉でございます。
  126. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 小西君、小西君、時間が大幅に経過をいたしております。このままですと発言を禁止せざるを得ません。早くまとめてください。
  127. 小西洋之

    小西洋之君(続) 外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される、この冒頭の外国の武力攻撃という文言でございますが、誰に対する外国の武力攻撃か、この昭和四十七年政府見解だけは書かれていないのでございます。実は、ほかの全ての政府見解には誰に対するものか明記をされているわけでございます。昭和四十七年見解だけが、我が国に対する武力攻撃であることが余りにも当たり前なので書いていないだけなんですけれども、その唯一誰に対するかが書いていない政府見解を使って、安倍内閣は解釈改憲を強行したわけでございます。  つまり、誰に対すると書いていないんだから、我が国に対する外国の武力攻撃ではなくて、同盟国、アメリカに対する外国の武力攻撃という意味にも読めるではないか、安倍内閣は、四十七年見解を作ってから四十二年後にいきなりそんなことを言い始めたわけでございます。  えっ、そんな読替えができるのと、じゃ、読替えをしたらどうなるのかということでございますけれども、ゆっくりお話ししますので皆様聞いていただきたいと思います。  外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される、これは、当然我が国に対する外国の武力攻撃というふうに読みますから、我が国に対する外国の武力攻撃によってかけがえのない日本国民皆様の生命などが根底から覆される、個別的自衛権の局面でございます。このときだけは、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認……(発言する者あり)  先ほどから私に大きな声をいただいている方は、残念ながら、安保の特別委員会で、自衛隊員の命の宣誓でございます、もうこれ以上は申し上げませんけれども、服務の宣誓を正しく申し上げていただけなかった方でございます。  その個別的自衛権しかできないはずのこの文章が、安倍内閣の言うように同盟国に対する外国の武力攻撃と読み替えるとどうなるかでございます。安倍内閣が大好きな当てはめを行ってみます。  同盟国アメリカ、外国イラン、同盟国アメリカに対する外国イラン、アメリカに対するイランの武力攻撃によって、日本国民の生命、自由及び幸福追求の権利が、石油が足りなくなったりするので根底から覆される。何とホルムズ海峡集団的自衛権ができてしまうんです。(発言する者あり)皆様、大きなやじを飛ばしていただいておりますけれども、よろしいでしょうか。  昨年の七月一日の解釈改憲以来、私は、思いのあった厚生労働委員会を離れ、尊敬する北澤俊美先生の指示に従い、外交防衛委員会に移らせていただいて、この解釈改憲を追及させていただきました。私は、追及すること九か月、九か月目にして今申し上げたインチキを初めて知ったのでございます。  ただ、これは笑い事ではございません。去る三月二十四日の外交防衛委員会で私がこの解釈改憲の読替えを取り上げるまでは、この我が国立法府、参議院及び衆議院において、この解釈改憲の根底のからくりは一度も国会質問されたことがなかったのでございます。私は、三月二十四日の前日の三月の二十三日、安倍総理の顧問弁護士こと横畠長官からこの解釈改憲のからくりを白状させ、早速、翌日にこの証拠を取ったわけでございます。  安倍総理と横畠長官は、既にこのように答弁をしております。先ほどの読替えができることによって、昭和四十七年政府見解を作った当時から、実は昭和四十七年政府見解の中には集団的自衛権の論理があったのだと安倍総理主張しているわけでございます。  これを四十七年政府見解としましょう。今から四十三年前、昨年七月一日だと四十二年前です。四十二年前に作った憲法九条の政府見解の中に、誰も気付くことがなく、歴代内閣が誰一人気付くことなく、ひっそりと集団的自衛権の論理が入っていたというふうに言っているわけでございます。  なるほど。四十二年前から実は我が国集団的自衛権ができる国だったので、安倍総理が言っているように、七月一日の解釈改憲は、憲法九条には違反しない、平和主義にも反しない、専守防衛も変わらない。なぜならば、ずっと昔からあった清く正しい憲法九条の解釈だからというふうに安倍総理は言っているわけでございます。  しかし、この安倍総理のインチキは、先ほど申し上げました、十八歳の新しい有権者の方でも……(発言する者あり)あと五分お願いさせていただけますでしょうか。五分で本質的な説明ができるから。(発言する者多し)  では、まとめさせていただきます。  まとめは、鴻池委員長が自らの憲法尊重擁護義務、そしてその下で行うべき委員会議事整理権、それを憲法に適合するようにして行わなかった鴻池委員長憲法違反問題であり、そしてその元凶である安倍内閣、そして安保法制憲法違反の根幹のからくりの御説明でございます。  先ほど申し上げました昭和四十七年政府見解の中に、安倍総理は、元々集団的自衛権があったのだと言っております。しかし、この昭和四十七年政府見解、まさに作るきっかけとなりました参議院質疑があるわけでございます。昭和四十七年見解が作られた昭和四十七年十月の七日の僅か三週間前の我が参議院の決算委員会において、当時の吉國内閣法制局長官、十月七日に昭和四十七年政府見解を作った責任者でございます。こうした答弁を行っております。昭和四十七年政府見解を作った吉國長官は、作るきっかけになった国会質疑でこのように答えております。  我が国憲法九条の戦争放棄の規定によって、他国の防衛集団的自衛権です、集団的自衛権までをやるということは、どうしても憲法九条をいかに読んでも読み切れない。憲法九条は戦争放棄の規定ではございますけれども、その規定から言って、先ほど来何回も同じような答弁を繰り返して恐縮でございますけれども、我が国が侵略をされて、我が国外国による武力攻撃を受けて、我が国民の生命、自由及び幸福追求の権利が侵される、つまり、日本国民の生命などが根底から覆されるというときに、この日本、自国を防衛するために必要な措置をとるということが憲法九条で辛うじて認められる自衛のための行動、このようにおっしゃっているわけでございます。  つまり、昭和四十七年政府見解を作った吉國内閣法制局長官が、作るきっかけになった国会答弁で、同盟国に対する外国の武力攻撃では日本国民の生命などは根底から覆らない、そうした状況下では、憲法九条の下で日本が行える自衛の措置、すなわち集団的自衛権はないというふうに言っているわけでございます。  以上、解釈改憲の根幹のからくりを申し上げさせていただきました。  また、鴻池委員長の問題でございますけれども、参議院審議において初めて提出された今の解釈改憲のインチキを立証する重要な証拠がございます。濱田元最高裁判事も中央公聴会でおっしゃっておりました。同時に、同じように作られた防衛庁の政府見解において、我が国自衛権の発動は我が国自身が武力攻撃を受けたそのときのみであるということがしっかりと明記されているのでございます。  吉國長官の答弁、そして防衛政府見解は吉國長官が決裁したものでございます。この二つの証拠をもって、安保法制は真っ黒な憲法違反であり、国民皆さん憲法九条は今なお何ら変わらない法規範として存在する、そしてそのことを、憲法を、我々国会民主党を始めとする野党国民の代表として憲法を守り抜く、そのことを皆様に力強くお誓いを申し上げ、そして特別委員会の鴻池委員長問責皆様に心からお願いを申し上げまして、私の趣旨説明とさせていただきます。  皆様、御清聴ありがとうございました。(拍手)     ─────────────
  128. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。上野通子君。    〔上野通子君登壇拍手
  129. 上野通子

    ○上野通子君 自由民主党の上野通子です。  冒頭に、この度の台風十八号により被害に遭われました皆様方に心からお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになりました皆様方に哀悼の誠をささげます。  また、私たちは国民の代表である国会議員です。しっかりとルールを守らなければいけないと思います。  私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました我が国及び国際社会平和安全法制に関する特別委員会委員長鴻池祥肇君問責決議案について、断固反対立場から討論を行います。  まず、鴻池委員長に対する問責決議を提出するという野党皆様の暴挙に対し、強く抗議するものです。  委員長の職責とは、公正中立の立場から委員会の円満かつ正常な運営を図り、立法府としての機能を十分に発揮して、国民の負託に応えていくことにほかなりません。鴻池委員長は、委員会運営においては名行司役として、可能な限り審議が尽くされるよう、与野党の別なく、常に毅然とした対応を取られました。その際、野党皆様の意見にも最大限耳を傾け、数々の調整を行うなど、まさに公正公平な委員会運営に努められてきたことは、野党皆様も御承知のはずです。  総理補佐官に対する異例の参考人招致を始め、衆議院を上回る総理入りの八回もの質疑、少人数会派への配慮等、事例を挙げるまでもないはずです。にもかかわらず、この度、野党皆様は、問責決議案を鴻池委員長に対し、委員会に続けて提出してきたのであります。これまで公正公平な委員会運営に努めてこられた委員長問責決議を突き付けるなど、理解できません。  野党皆様は、この度の採決を強行採決であると主張しています。しかしながら、鴻池委員長は、本院における百時間を超える審議の中で、審議はほぼ尽くされたと判断し、採決を決断されたのです。また、この法案には、与党会派だけでなく、日本を元気にする会、次世代の党、新党改革の野党三党も賛成しており、私は、野党皆様主張する強行採決との指摘は当たらないものだと考えます。  鴻池委員長は、参議院の在り方について、御自身の公式サイトにおいて、「参議院の役割は重要です。ひとつには衆院の「補完・抑制」がある。いわゆる世論を二分し、日本の将来にかかわる大問題については「再考の府」としての参院の存在は重要である。だから参院は官邸の下請となってはならないし、当然、衆院の下部組織になってもならない。」と主張しておられます。八月三日の特別委員会においても、同様の発言を礒崎首相補佐官に対し発言されました。  鴻池委員長は、平和安保特別委員長という重責を担われ、まさに官邸の下請にならず、参議院の存在感を大いに発揮し、良識の府としてのプライドを持ち、十分役割を果たされたのであります。このような鴻池委員長問責決議を行うことは時間稼ぎ以外の何物でもないということは、野党皆様が最もよく分かっていると思います。  鴻池委員長の座右の銘は、政治家は一本のろうそくたれというものだそうです。たとえ批判があろうとも、この言葉どおり、国民の負託を受けた我々国会議員には、世の隅々まで照らし出し、より良き社会をつくり出す使命があります。  平和安全法制には反対の声も上がってはおりますが、我が国を取り巻く情勢を冷静に見れば、抑止力を高める必要があることは明らかです。国民の生命、安全、財産を守ることが我々に課せられた大きな仕事でもあります。  私どもは、我が国の安全を守るには平和安全法制が必要であると確信するものです。法案に賛同できない方はおられるでしょうが、審議を尽くした上での法案採決には道義上も手続上も落ち度はないものと考えます。  以上、理不尽な本決議案に断固反対することの意思を表明し、私の反対討論を終わります。(拍手
  130. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 白眞勲君。    〔白眞勲君登壇拍手
  131. 白眞勲

    ○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。  私は、民主党新緑風会を代表して、参議院我が国及び国際社会平和安全法制に関する特別委員会委員長鴻池祥肇君の問責決議案賛成立場から討論をさせていただきます。  その前に、ちょっと一言言いたくなっちゃいました、私は今の自民党の上野議員に対して。ルールを守れという言葉を今おっしゃいました。ちょっと待ってください。そのままその言葉を自民党皆さんにお返ししなければならないんですよ。  上野さん、あなたはこの委員会委員だったんですか。私は見たことがない。鴻池委員長がどういう差配をされていたか分かっていないままやらないでいただきたかったな、私はそういうふうに思っております。  さて、七月十六日に衆議院より受領した平和安全法制法案が本委員会に付託された七月二十七日以降、鴻池委員長野党にも極めて公平な委員会運営を心掛けておられるように見受けられました。まさに良識の府参議院のかがみとなるようなお方であると私自身感じておりました。このようなお方、鴻池委員長に対し問責決議案賛成立場から討論をしなければならないこと、幾らお役とはいえども、済まない気持ちでいっぱいであります。本当に申し訳ございません。  ただ、鴻池委員長、あなたは分からなかったかもしれません。そして、このインターネット中継あるいはテレビ中継等で御覧になっている多くの国民皆様にも、もう一度、昨日、九月十七日の午後四時半頃、鴻池委員長不信任動議の否決から後の状況についてここで御報告しましょう。  当日、この動議の否決までは、議場皆様も御存じのように、極めて穏やかな通常の委員会の様子でした。しかしながら、委員会の外で待機していた委員長が、右、左、そして正面とおじぎをして委員長席に腰を下ろし、当然そのとき委員は与野党を問わず静かに着席をしておりました。また、第一委員会室後方には与野党の多くの議員がおとなしく見守っておりました。そして、我が党の福山理事が、これからの議題は何ですかと話しかけながら委員長席に歩み寄った瞬間、大変なことが起きたのであります。要するに、この特別委員会委員でもない連中が委員会の場に乱入したのであります。その後は怒号と混乱の状況です。  ここで委員長に申し上げますが、神聖な委員会の場で与野党国会議員国民の負託を受けて理路整然と審議をしているような場所に、事もあろうに、この委員会に選ばれてもいない関係のない連中が乱入して混乱をさせる、こんなことが許されていいのでありましょうか。私も国会議員としていろいろな形態の採決というものを経験してまいりました。しかし、これほどひどい議事妨害はありません。まさに暴力そのものであります。  そして、更に残念なことがあるんですよ。委員会の場に乱入した連中を本来必死に止めてなだめなければならないある与党議員が、立ち上がってけしかける姿が目撃され、テレビでも放映されているんですよ。分かりますね、誰だか。あなたですよ。あなたの行ったことはこの憲政史上最大の歴史の汚点であります。そして、それが記録される。それを忘れないでいただきたい。武士の情けで、あなたの名前は、日本国が存在する以上保存されるであろうこの議事録には残さないようにしましょう。しかし、心からの猛省を促したいと思う次第であります。  さてさて、この後の委員会は怒号と混乱の状況で、採決したと言うけれども、どのような採決が行われたというのでしょうか。そもそも、委員会審議の再開の宣言はなされておりません。議事録に記録されていないんですよ。もちろん、国会法第四十八条には、委員長委員会議事を整理し、秩序を保持する機能は認められています。しかし、この権能はあくまで議事の運営に関する権限であり、つまり委員会審議が再開された以降の条文であることは明白であるんですよ。つまり、いつも皆さんが、議事の始まるあのせりふ、分かっていますよね。ただいまから何とか委員会を開会いたしますとか再開いたします、あるいは速記を起こしてくださいという文言が議事録にない以上、この条文の適用以前の問題になるんではないでしょうか。  分かりますか。つまり、この委員会は、その場にいる委員全員が開会の宣言をされたことを知らない以上、開会はされていないんですよ。議長も聞いていただきたい。くどいようですが、この委員会は開会あるいは再開されてはいないんですよ。その中で、この議場委員ではない連中が乱入し、乱暴ろうぜきの数々の悪事を働いたということじゃありませんか。こんなこと許されていいんですか。とんでもないことじゃありませんか。  さらには、今までのいわゆる強行採決のような、野党委員長を取り囲んだという場合とは全く異なる状況なんですね。何と委員長与党委員でもない連中が取り囲み、野党議員は何ら、全く委員長発言を聞くことができなかった。それに関しては、野党議員には全く原因もないのであり、本件の表決と称されるものは委員会の議決とは全く認められるものではないのであります。  山崎議長、今までの話を聞かれてどうでしょうか。当然のごとく、委員会採決を前提とした本会議の開催も全く正当性がありません。  次に、採決と言っているものについて申し上げます。  新聞によりますと、この採決は、質疑終局と直ちに採決する動議一つ、安保関連法案の二法案法案賛成した野党三党と与党の合意で盛り込まれた附帯決議などの合わせて五個だそうですが、委員長の声が全く聞こえない中で、議員によっては六回起立したり、七回起立したり、ばらばらじゃないですか。でたらめじゃありませんか。立っている議員も何だか分からないで、採決なんて言えるんでしょうか。要は、開会されていない議場で、いいですか、開会されていない議場で、起立、着席、起立、着席していただけじゃありませんか。  鴻池委員長、あなたは、これらの事実については、与党の関係ない連中に囲まれ、さっぱり分からなかったことは理解できますが、であるならば、一体、昨日のあの議場でどんなことが起こっていたか、その事実関係をきちんと把握し、適切に処理する必要があったのではないでしょうか。  鴻池委員長、あなたのホームページに東日本大震災に関連してこう書いてあります。日本人の誇り、それは個、個人の個よりも公の公、金よりも徳、競走よりも和、見失われたと思っていた日本国民の精神性、世界に誇れる美しいものが日本には残っていた、それを大切にしていかなければならないという思いが伝わってきます。  しかしながら、昨日の出来事、まさに鴻池委員長日本人そして議員として長年大切にしてきた全てのものが、あなたが全責任を持っている議場で、あの連中の傍若無人の振る舞いで音を立てて崩されているのです。  私は、昨日の出来事全てを把握してくれなどと申し上げるつもりはございません。しかし、少なくとも、ぶち壊された委員会をもう一度やり直すことは、今なら間に合うんですよ。昨日の委員会を再開しましょう。良識の府参議院としての先頭を是非委員長に立っていただきたいと思うんですよ。みんな、与野党委員長の後を付いてまいりますことをここでお誓い申し上げます。  そもそも、このすばらしい委員長に恥をかかせた原因は何かといえば、この法案のいいかげんさ、政府与党委員会運営のでたらめさ、委員会における政府答弁のちぐはぐさに由来する問題が元凶にあり、委員長はその尻拭いをさせられたということが実態ではなかったのでしょうか。  この法案は、衆議院審議段階から憲法違反とほとんどの憲法学者が主張しておりましたが、六月四日の官房長官の記者会見で、官房長官はこう言っているんですよ。全く違憲じゃないと言う著名な憲法学者もいっぱいいると御発言されましたので、その折、同僚の我が党の衆議院議員辻元議員から、いっぱいいるならいっぱい挙げてくださいという趣旨の質問をしたことに対し、たった三人の憲法学者しか挙げられなかったのであります。たった三人ですよ、たった三人。官房長官はいっぱいいると言うんだから、同僚議員からはいっぱい挙げてくださいと繰り返し聞いたのに、たった三人。つまり、現政権は、三人はいっぱいということですか。一足す二はいっぱいと答えるんですか。  また、政府は、この法案憲法解釈変更の根拠の一つとして四十七年政府見解を挙げましたが、九月の十五日の中央公聴会において、元最高裁判所の判事であった濱田公述人は、この四十七年見解なるものの作成経過及びその後の当時の国会での答弁等を考えますと、政府として、明らかに外国による武力行使というものの対象は我が国であると、これは日本語の読み方として、普通の知的レベルの人ならば問題なくそれは最後の方を読めばと、したがってと書いてあります。つまり、この意味するところは、今の現政権は普通の知的レベルではないと言っているにほかならないじゃありませんか。  さらに、その後、それを強引に外国の武力行使というのが日本に対するものに限られないんだというふうに読替えをするというならば、法匪という言葉がございます。ここで、この法匪という言葉、分かりますか。私もよく自信がないので辞書調べましたら、法律の文理解釈に固執し、民衆を顧みない者とのこと。この言葉を使って濱田公述人は今の政府解釈を痛烈に批判しております。  さらに、十六日の地方公聴会においては、広渡清吾公述人は、反知性主義だと断言しております。  もう一度、確認するために申し上げます。今の政権与党は、三人いるというのはいっぱいと同じであり、さらには普通の知的レベルにも満たない、そして法匪であり、反知性主義の政権与党だという評価が日本を代表する有識者から出ている、とんでもやばい政権与党なのであります。  であるからして、良識ある鴻池委員長にとっては、とてもじゃないけど、こんな与党の一員として、良心の呵責を感じ、居心地の悪い思いをしているのではないか、そう思い、極めて我々は同情しているのであります。  さて、この法案の問題点は、同僚議員から様々な指摘がありますが、多くは申し上げません。例えば、私が質問した、今回の法案で核兵器の輸送はできるかという質問に対して、政府は、法文上排除していないと、非核三原則堅持のことを言っています。しかし、そもそも非核三原則というのは、核を保有しない、製造もしない、持ち込まないの三原則で、主語は書いていなくたって、当然日本はということですよ。  今回のように、海外でA地点からB地点に輸送する際には何の関係もありません。要するに、家でたばこを吸わないからといって、家の外では吸いませんとは言いませんよ。分かりますか、この論理のすり替え。今回のお得意の手口なんですよ、これが。  またもう一回、国民を欺く言葉を指摘しておきましょう。それは後方支援という言葉ですよ。後方だから安全か、ごまかしを言わないでもらいたい。皆さん、今の戦争は弓矢でやっているわけじゃないんですよ。後方で現に戦闘が行われていない現場だから安全だ、冗談はやめてください。自衛隊員の命が懸かっているんですよ。そういう中で、狙われる可能性は高いんじゃないんですか。安全なわけないじゃありませんか。  いろいろありますよ。でもね、もう一つ言いましょう。朝鮮半島有事の件について、八月二十五日に総理はこう言っていますよ。朴槿恵大統領の迷彩服姿の写真を出して、例えば多くの数十隻という潜水艦をと、潜水艦の話をしました。非常に今危険な状況であることは間違いないと。  しかし、私も分かりますよ。私も韓国とは縁がないわけじゃありません。恐らく、この議場におられる議員の中でハングルを話せる議員はほとんどいないんではないんですか。北朝鮮の女性アナウンサーのまねだって私ぐらいしかできませんよ。ですから、そういう中で、北朝鮮のことも人並み以上に知っているんですよ。  ですから、私は言えます。過去に国会で行われている質問でも、そもそも潜水艦があるなら、これは個別的自衛権の話であって、集団的自衛権じゃないじゃありませんか。それに、北朝鮮の潜水艦については韓国政府も公式に認めていないんですよ。そういう話を持ち出す意味が分かりません。  それにもまして、日本国会でこの北朝鮮の脅威の話を議論していた際、同じ日の八月二十五日の韓国の新聞、朝鮮日報の第一面の見出しにはこう書いてあります。聞いておいて。北朝鮮、謝るから、対北朝鮮へのスピーカー、永久に中断してと書いてあるんですよ。こういう態度です。
  132. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 白君、時間が経過をいたしております。簡単に願います。
  133. 白眞勲

    ○白眞勲君(続) ですから、そういう中で、もう一つ言いましょう。潜水艦が帰ってきたのかどうか、説明したんですか。韓国の新聞には、潜水艦は洞穴の中に入っていたという報道まであるぐらいです。  要するに、私が申し上げたいのは、北朝鮮がやばい国であることは分かっていますが、かといって、危機感を国民にいたずらに強調するのではなく、正しい情報国民にお知らせして、この法案の必要性を説く方が重要なんじゃないんでしょうか。  もう一つ言いましょう。よくここで話題になるのが抑止力という言葉です。  三月の朝日新聞に、ある大学教授が抑止力について、日本が対中融和に傾くアメリカから見捨てられないためにも、えっ、見捨てられないためにも。何と、見捨てないでと言わなきゃいけないんですか。私は思ったんですよ。皆さん、御存じですか、「さざんかの宿」という歌、それを思い出しました。愛しても愛しても、ああ人の妻、尽くしても尽くしても、ああ人の妻……
  134. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 白君、時間がかなり超過をいたしております。簡単に願います。
  135. 白眞勲

    ○白眞勲君(続) これが現在の日本の有様ですか。全く情けない。もっと日本として誇りを持とうじゃありませんか。  鴻池委員長、もう一度申し上げます。  まず、与党の一方的な言い分にしか耳を傾けず、八日の、職権で十五日の中央公聴会の開会を決定したこと、そして、翌日開会した地方公聴会直後に締めくくり総括質疑を開こうとしたこと、これは二つの大きな信義違反です。  細かいことは今同僚の小西議員がしゃべった。だから、私はこれ以上言わない、これについては。しかし、私は思うんですよ。やっぱりそういったことについてしっかりと我々は、こういうすばらしい議場で、そして皆さんと一緒になってすばらしい国をつくろうと一生懸命考えているんじゃないんですか。  日本憲法の前文にこのような文があります。聞いていて分かると思います。「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」、まさに仏教でいう一乗の精神そのものじゃありませんか。すばらしい言葉ですよ。  いいですか、全世界の国民がです、全世界。全世界というのはほかの国の憲法には書いてないんですよ。いいですか、日本憲法だけが全世界、ほかの国の憲法我が国民はとか我が民族はと言っているだけ。ところが、日本憲法だけは全世界の国民がと書いてあるんですよ。全世界の国民の平和な暮らしを祈っている、すばらしいことじゃありませんか。  そして、命のたすきという言葉があります。私たちは、すべからく、ひとしくお母さん、お父さんいます。そのまたお母さん、お父さんもいるんです。その命のたすきを次の世代に引き継ぐ義務もあるんです。
  136. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 白君、時間がかなり経過をいたしております。簡単に願います。
  137. 白眞勲

    ○白眞勲君(続) その延々脈々と代々引き継がれているたすきを他人の力で引き止める権利は誰にもありません。まして、子供のいない若い兵士が死ぬことは……
  138. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 白君、時間がかなり経過をいたしております。簡単に願います。
  139. 白眞勲

    ○白眞勲君(続) ここでたすきが切れるということです。  どこの国の兵士も、死ぬときに必ず言う言葉はお母さんです。そして、子供を失ったお母さんはどんな思いで事実を受け止めなければならないのでしょうか。二十一世紀はそんなことをさせない世紀に皆さんと一緒にしようじゃありませんか。日本がその先頭に立とうではありませんか、皆さんとともに。  最後に、昨年六月の国民投票法の討論の際、私は、この場において披露させていただきました言葉を、とっても評判が良かったので改めて披露させていただきます。  今、まさに憲法の空洞化、議会制民主主義危機に瀕しています。参議院皆さん、良識の府として参議院の矜持を持とうじゃありませんか。戦争をするのであれば議員など要らないんですよ。私たちは、周辺の状況がどうであれ、平和を維持すること、そのために知恵を出すことが我々政治家の務めではありませんか。まさに憲法九条がノーベル平和賞の申込みをノーベル委員会から受理されているわけでございます。こんな喜ばしいことはない。  私が大事にしている言葉に、危険を冒してまで武装するよりも、むしろ平和のために危険を冒すべきであるというのがあります。平和はつとに人類生存の問題であり、安全とは他者とともに生きるという自覚の上に成り立つものであります。  場内の参議院議員皆さん、これから、現行憲法の基本理念を具現化し、真の立憲主義を確立すべく、国民とともに、現行憲法、そして憲法対話を進めていこうじゃありませんか。そして、戦後、いいですか、皆さん、一人の他国の兵士も殺していないこの日本が、世界の平和に貢献できることを無数に持っている、そのことを自覚を持って、この知恵とともに行こうじゃありませんか。  残念ながら、鴻池委員長は、良識の府である参議院権威を損ね、本院委員長として不適格と断じざるを得ません。とっても私は残念であります。  よって、私は、鴻池委員長に対する問責決議案賛成するものであります。  以上、御清聴ありがとうございました。(拍手
  140. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 真山勇一君。    〔真山勇一君登壇拍手
  141. 真山勇一

    ○真山勇一君 維新の党、真山勇一です。  私は、会派を代表して、鴻池祥肇平和安全特別委員会委員長問責決議案賛成立場から討論を行います。  私は、鴻池委員長のことを悪く言う人を知りません。そのお人柄と見識はすばらしく、特別委員会での礒崎総理補佐官に対する叱責の言葉は、私の心にしみるものであり、今もはっきりと覚えています。また、委員会の運営に当たっては、時に総理にまで直言され、苦言を呈されることも度々見られ、まさに保守の矜持と申し上げるにふさわしい振る舞いと感じました。  それだけに、良識の府である参議院から良識を奪い、議会制民主主義を根底から覆すような昨日の委員会における鴻池委員長の采配が、私にはとても残念でなりません。良識の府の末端の一員である者として、国民皆さんに対し恥ずかしく、また大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。昨日は、あんな形で議論を終えるべきではありませんでした。  私たち維新の党も、かねてより、我が国の平和と安全を守るための法整備の必要性を訴えて、独自案を作成、与野党皆様とのしっかりした議論お願いしてきました。国家の将来を左右する大事な法律ですから、何よりも合憲性の確保が大切です。しかも、それは国民の広範な納得の上に成立する必要があります。実際、過去のPKO協力法や有事法制などは、何年も掛けて複数国会での議論を継続して、与野党共に忌憚のない意見をぶつけ合い、その結果、一定の合憲性が担保され、多くの国民の支持を得る法律として制定されました。  私たちは、今回もそうしたプロセスが踏まれるものと期待していました。今月十四日には政府案が前提としてきたホルムズ海峡機雷掃海などの立法事実が何もないことが判明し、では、一体何のための法律を作るのかという議論に入ったばかりでした。そして、政府が恣意的に運用できる範囲がどこまでなのか、政府案に基づく個別具体的な検証と確認の作業はこれからだったのです。  また、我が党案への議論はようやく始まったところでしたし、民主党と共同提出した領域警備法案に至ってはまだ議論が始まっていません。しかし、昨日朝のあのだまし討ち理事会に始まる一連の大混乱と、一体何が行われたのか国民の誰も確認できない異常な採決によって、大切な議論は突然終わってしまいました。  特別委員会では、五回の採決が行われたといいます。私は、何となく、与党の人々が七回か八回くらい立ったり座ったりしたような気がしていましたけれども、まさか採決が行われているとは思いも寄りませんでした。そのとき、鴻池委員長の姿は、委員長席に駆け寄った委員でもない自民党議員たちに完全に覆い隠されており、どのタイミングで、何の採決に対して与党の人々が賛成の意を表明されたのか、さっぱり分かりませんでした。混乱を極める委員会の様子はテレビで中継され、全国津々浦々に流れました。映像を見ていた全国の皆さんも、同様に訳が分からなかったのではないかと思います。  また、附帯決議も付いたと聞いております。野党三党との修正協議によって、自衛隊海外派遣に当たって例外なき国会承認が行われることになったと言われているんですが、やはり国民の誰もその事実を知らないのではないでしょうか。  採決は行われたのか。どんな附帯決議が付いたのか。それからもう一つ、与党皆さんが真摯に受け止めると言っていた私たち維新の党の独自案は一体どこへ行ってしまったのでしょうか。  記録を確認しようにも、国会議事録を見てもそんなことはどこにも書いてないのです。書いてあるのはこの文字だけです。議場騒然、聴取不能。平和安全特別委員会採決記録に残っているのは、このたった八文字です。議場騒然、聴取不能。もし、このままの状態で政府与党がこの本会議において採決を強行するのであれば、未来永劫、この八文字だけが会議録に残ることになります。そして、この八文字によって、自衛隊海外派遣され、場合によっては戦地で殺されたり、また、他国の人を殺すことになるかもしれないのです。  この変えられない結果をもたらしたのは、鴻池委員長、あなたです。こんな形で委員会を通過した法律によって、災害復旧や救助の活躍などで国民全員からたたえられ、尊敬さえ集めている自衛官方々を戦地に送るのでしょうか。そして、日本国民の全てが、海の向こうの顔も知らない人々から、またも何十年、何百年と憎しみを浴び続けるようなことになってもいいのでしょうか。  安倍政権の人々は、常に法の支配という言葉を使います。法と正義や民主主義といった基本的価値観を共有する国々と連帯し、協力して、国際社会の安全と繁栄に努めると胸を張っておっしゃいます。そして、一部の人々が統制主義的な手法をもって専制的に統治する国々を危険視し、国民危機感をあおるような言辞を繰り返しています。ですが、昨日御自身たちのなさったことを振り返って、恥ずかしいとは思われないのでしょうか。  法の支配といいながら、その法というのは、議場騒然、聴取不能、このたった八文字をもって一部の人々が成立したと言い張っている代物にすぎません。民主主義とは、単なる多数決では断じてなく、ルールにのっとった対話と議論のプロセスによってより良い国家の在り方をつくり上げていく手続とマナーのことをいうはずです。それを根底から破壊したのは政府与党です。これでどうやって、他の民主的先進諸国と肩を並べる一方、専制主義的国家をやゆすることができるのでしょうか。  私たち維新の党は、これまでの審議においても、徹底的に、議会制民主主義の手続をしっかりと守り、外形上でも、内容的にも立憲主義を堅持すべく、大事なことは全て法文上に直接書き込むようにとお願いし続けてきたのです。  しかし、それは、鴻池委員長がまさかこんな行動を取られるとは信じられない暴挙によって全てが崩れ去ってしまいました。私は、誰もが敬愛し、尊敬する鴻池委員長のような方こそ、保守の重鎮としてこれからますます活躍されるべく、次のステージへと飛び立っていただくことが、保守、リベラルを含めた全ての国民にとって望ましいことだと思っております。しかし、残念ながら鴻池委員長は、飛び立つ前に、立つ鳥跡を濁さずどころか、憲政史上に残る永遠の汚点を残してしまったと思っています。  そして、これは考えたくもないことなんですけれども、昨日の採決のやり方があしき前例となって残っていくのであれば、後世の日本国民全員にとって悔やんでも悔やみ切れない結果を招くことになりかねません。今後、どのような政権が権力を握ったとしても、あのような形で法律を作るようなことは二度とあってはならないと考えています。だからこそ、今開かれているこの参議院会議が、最後の良識を振り絞って鴻池委員長の責を問わなければならないと私たちは考えているのです。  恐らくこの後問責決議案反対を投じる与党議員方々こそ、この意味をよく考えていただきたいと申し上げて、私の討論を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。(拍手
  142. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 大門実紀史君。    〔大門実紀史君登壇拍手
  143. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。  鴻池委員長問責決議案賛成討論を行います。  問責決議案賛成する理由は、昨日、戦争法案審議する特別委員会において、与党と結託して法案の強行採決を行ったからであります。しかも、委員長不信任動議採決された直後の出来事でありました。本来ならば、否決されたといっても、動議提出された重みを謙虚に受け止め、質疑終局を撤回し、公聴会で出された意見も踏まえて徹底審議に努めるべきでありました。  当初、与党提案委員長が職権で決めたタイムテーブルでは、我が党には十二分の質問時間の割当てがありました。我が党だけではありません、各党の質問権並びに表決権を暴力的な強行採決で奪ってしまった鴻池委員長与党責任は厳しく問われなければなりません。  十六日の地方公聴会にお呼びした公述人の一人、水上弁護士は、公述の冒頭で、公聴会が採決のための単なるセレモニーにすぎず、茶番であるならば私はあえて申し上げるべき意見を持ち合わせていませんと、厳しくくぎを刺されました。  しかし、その後の推移はどうでしょう。水上弁護士さんが危惧したとおり、委員会派遣報告は読み上げられず、議事録にもこのままでは残りません。委員会としてお呼びしておきながら、余りにもひどい、失礼極まりない話ではありませんか。鴻池さんは当日の責任者としてきちんと謝罪すべきであります。そして、これからでも委員会を開いて派遣報告を聴取すべきであります。  さらに、委員長は、この時間にもどんどん国会周辺に詰めかけてこられている戦争法案反対する、廃案を求める国民の人々に対しても大変失礼なことを言われております。強行採決後の記者の質問答えて、国会の前で反対デモに出ている人についてどう思うかと聞かれて、鴻池委員長、次のように述べられました。  あの、やはりじっくりとこの日本の国、日本未来というものを考えたり語ったりして、そして行動に出ていただきたい。誰に言われたのか、どなたに踊らされているのか分かりませんが、本当ね、ちゃんとした立派な人がデモに参加している姿を見て、本当に気の毒という気がいたしました。こんなことを強行採決をした後の記者のぶら下がりでおっしゃったわけであります。  十五日の中央公聴会には、その反対デモのリーダーの一人、SEALDsの奥田愛基さんが公述の中でこのように述べておられます。  強調しておきたいことがあります。それは、私たちを含め、これまで政治的無関心と言われてきた若い世代が動き始めているということです。これは、誰に言われたからとか、どこかの政治団体に所属しているからとか、いわゆる動員的な発想ではありません。私たちは、この国の民主主義の在り方について、この国の未来について、主体的に一人一人、個人として考え、立ち上がってきているのです。  私たちは、一人一人、個人として声を上げています。不断の努力なくして、この国の憲法民主主義、それが機能しないことを自覚しているからです。政治のことは選挙で選ばれた政治家に任せておけばいい、この国にはどこかそのような空気感があったように思います。それに対し、私たちこそがこの国の当事者、つまり主権者であること、私たちが政治について考え、声を上げることは当たり前なのだということ、そう考えています。その当たり前のことを当たり前にするために、これまでも声を上げてきました。  これは、委員長の目の前で行われた公述であります。この公述を委員長は聞いておられたんでしょうか。それとも、気の毒と思っていただけなのでしょうか。自分が呼んだ公述人の話もまともに聞かない、嘲笑するような、これだけでも十分問責に値すると言わなければなりません。  また、採決自体、本当に有効だったのか検証されるべきであります。  強行採決のときの議事録は、発言する者多く、議場騒然、聴取不能としかありません。とにかく、委員会が再開するや否や、委員長与党議員によってつくられたドーム型のアーチにガードされました。そもそも、即座にあんなきれいなアーチがつくれるものなんでしょうか。どこかで強行採決の予行演習をしていたとしか思えません。  しかし、アーチの中で委員長は外が見えませんでした。委員長のそばの議員が手ぶり与党席に合図して、与党議員たちが、ただ言われるまま、立ったり座ったりしただけでありました。今何を採決しているのか、本人たちはさっぱり分からなかったのではないでしょうか。なぜあんなことが採決と言えるのか。余りにもずさんではありませんか。この採決そのものが、地方公聴会で広渡公述人が指摘された反知性主義の最たるものではありませんか。  加えて、議院運営委員会議論で、与党委員部は、実際に何がどうなったかではなく、委員長採決したと認定すれば採決したことになると、むちゃくちゃな見解を示しました。だったら、何ですか、委員長が頭の中で採決したと描いたら、それで採決したということになるということですか。そんな想像上の採決が許されるものではありません。日本がアメリカの戦争に参加する、日本の命運が懸かった重大法案をこんな乱暴な採決成立したことにして本当にいいんでしょうか。  憲法違反が明々白々で、国民の多数がこの法案反対し、少なくとも今国会での採決はやるべきではないと意思表示をしているにもかかわらず、こんな形で採決したと強弁する与党と鴻池委員長責任は極めて重大と言わなければなりません。  鴻池さんとは長い付き合いであります。我が党の中で私が一番鴻池さんと親しいということで、問責賛成討論を行うことになりました。  鴻池さんは、決算委員長、予算委員長のときは、公平な運営に努められ、野党からも人気の高い委員長でした。昨日の不信任動議討論でも、賛成する各党の議員から、敬愛する政治家と持ち上げられました。私は特に敬愛したことはありませんが、温かい人柄は決して嫌いではありませんでした。だからこそ、今回の強行採決は大変残念に思っております。  鴻池委員長は、参議院衆議院の下部組織でもなければ官邸の下請でもないと言ってこられました。しかし、結局、今回の強行採決は、参議院衆議院の下部組織、下請にしてしまったのではないですか。  鴻池委員長は、強行採決後、記者団に対してこう言われました。やはり、六十日ルールというものがあり、参議院審議がもたついていると衆議院判断してできるものですから。やはり私自身は、参議院の在り方というものを、何度も言っているように、衆議院の下部組織であってはならない、参議院の結論というものを出していく必要がある、それも含めて今日の採決に至ったと言われました。  つまり、六十日ルールがある、参議院でもたついていると衆議院でそれを使われるかもしれないから強行採決をしたんだと言われたわけであります。これは、衆議院の六十日ルールに脅されて参議院で慌てて採決したということになりませんか。これこそ衆議院の下部組織ではありませんか。衆議院の下部組織でないというなら、まだ会期は十分あったのですから、衆議院の脅し、六十日ルールなどにびくびくせず、堂々と参議院らしく最後まで審議を続けるべきだったのではないでしょうか。大体、参議院審議がもたついたのは、審議が百十三回もストップしたように、政府答弁が支離滅裂だったからではありませんか。  慶応大学名誉教授の小林節さんは、九月十五日の中央公聴会で、今回の法案戦争法案と呼ぶ以外の何物でもないと明言した上で、安倍首相が憲法改正手続を定めた九十六条を先行改正し、改憲のハードルを下げようとしたことを裏口入学と批判しました。さらに、戦争法案を、正門の突破、入ってはいけない閉じられた門を蹴破って入ってきているようなもの、国民主権国家に対する無礼な話と断罪をされました。  小林節さんは、元々、自民党皆さんと同じ改憲論者であります。だから、どうしても集団的自衛権自衛隊海外派遣、アメリカとの軍事共同作戦を実行したいなら、こそこそごまかしたり、へ理屈を並べたり、憲法を勝手に踏みにじるのではなく、正々堂々と憲法改正提案すべきだと言われてきました。憲法に対する立場は私たちとは違いますが、筋が通っているというふうに思います。  安倍首相の筋の通らないこそくな手法による今回の憲法違反の戦争法案、多数の国民反対しているこの法案を鴻池委員長委員会で強行採決をした責任の重さを改めて指摘し、本会議での法案採決は絶対すべきではない、この際、多くの国民の声に応えてきっぱり廃案にすることを強く強く求めて、私の賛成討論を終わります。(拍手
  144. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  145. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより本決議案採決をいたします。  足立信也君外五十七名より、表決記名投票をもって行われたいとの要求提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決記名投票をもって行います。本決議案賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  146. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 投票漏れはございませんか。──速やかに投票してください。──山本君、再三申し上げてきました、速やかに投票してください。──速やかに投票してください。──このままでは投票時間を制限せざるを得ないことになります。速やかに投票してください。──ただいま行われております投票につきましては、自後一分間に制限いたします。(発言する者あり)一分間。時間が参りましたら投票箱を閉鎖いたします。速やかに御投票願います。──閉鎖しますよ、早く。  投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  147. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  148. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百三十七票     白色票           八十九票     青色票          百四十八票    よって、本決議案は否決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  149. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 本日はこれにて延会することとし、次会は明十九日午前零時十分より開会いたします。  これにて延会いたします。    午後十一時三分延会