○矢倉克夫君 慎重に進めるということは、これからまた進めるというところではありますが、やはり全体のトーンとしては、考えてもなかなか難しいというようなところで、入口のところで断念しているという部分がやはり多いかと思うんですよね。そこはしっかりまた進めていただきたいとは思います。
であれば、じゃ
責任制限のこの額を
条約上上げていくというような話になるわけですけど、御案内のとおり、この一・五一となる前にはオーストラリアから二・三倍というような提案があった、それは否定された上で一・五一という形になったというところです。結局、オーストラリアのような、
日本と同じように油の
被害に遭ったところは、より
補償の充実というところを考えて倍率を考えたわけですけど、最終的には今回のように、
物価の上昇を調整するという部分、そこのみでの調整で一・五一になったと。これは
議論も分かれると思いますけれども、
被害者救済という観点からどれだけ考慮がされていたのかというところは、やはり
議論すべき部分はあるかと思っております。
時間がもうありませんので、ちょっと
最後、
大臣にまたお伺いしたいと思うんですが、この油の問題というのはやはり特殊性があって、要は
責任制限というところで、通常やはり考えられる相手方というのは荷主と荷受人、このクローズな関係、
契約関係にあったりとかする部分、そこら辺りの関係で
責任制限というのがまず発生すると。この
原則ができてきた時代もやはりそこを中心に考えていたんだと思うんですが、時代がどんどん変遷していって、あの油漏れのような、近隣住民のような第三者、関係していない第三者に対しての
被害というのが発生してきていると。そういうような関係についてまで同じような
原則原則というところだけでいってしまっていいのかというようなところは、やはり現実的にこれは考えていかなければいけない話であるかと思います。
今回、
条約の枠組みをどうするかという難しい
議論があるので、その難しい
議論、ここを変えるというところは国際的な合意の枠組みを変えるというところでもあるし、
原則自体を変えて
条約を変えるというようなこと、なかなかこれは難しいということは分かる。その部分はあると思うので。
今日お伝えしたいのは、であれば、そこは変えるという選択肢とはまた別に、
国内の問題として、この第三者に対しての
被害救済という部分はやはりもっとしっかりと考えていくという姿勢。
原則がこうだからというところで、あとは共済の
保険、漁業共済でとか、そういう部分だけで終わってしまうような形じゃなくて、もう少し
被害者救済というのを、とりわけ第三者との間の
被害に対する救済というのをやはり考えていかなければいけないというふうに思っております。
ちょっと一言、もう少ししゃべらせていただきますけど、
法務省の管轄というのはやはりいろんな官庁と共管する部分が非常に多くて、とりわけ、今回もそうなんですけど、基本法を
所管している立場から
法務省が
所管をされて、そこにまた政策的な観点からいろんな省庁が入ってくると。ただ、いろんな省庁、ほかの省庁からの観点というのは、どうしてもやはりマクロ的な分野の視点というのが非常に多くなってくる。それはそれで大事なんですけど、
法務省の存在意義というのは、そこで拾い切れなかったミクロ的なところを個別に拾っていって政策実現をしていくというところがやはり大事かと思っています。
法律の枠組みで今回のような
被害者救済というのを変える変えないというような話は別にして、この
法律は
法律として、じゃそれ以外のところでこぼれた
被害者の救済というのをやっぱり
法務省が他省と連携をしてしっかりしていくべきでもあるし、
法務省の役割であるというふうに私は思っておりますが、その辺りを、他省との連携も含めて
法務大臣として御所見をいただければと、
最後に一言、お願いいたしたいと思います。