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2015-07-09 第189回国会 参議院 文教科学委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年七月九日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  七月一日     辞任         補欠選任      堀内 恒夫君     武見 敬三君      那谷屋正義君     芝  博一君  七月二日     辞任         補欠選任      武見 敬三君     堀内 恒夫君      芝  博一君     那谷屋正義君      田村 智子君     山下 芳生君  七月三日     辞任         補欠選任      山下 芳生君     田村 智子君  七月七日     辞任         補欠選任      田村 智子君     山下 芳生君  七月八日     辞任         補欠選任      那谷屋正義君     白  眞勲君      山下 芳生君     田村 智子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         水落 敏栄君     理 事                 石井 浩郎君                 二之湯武史君                 神本美恵子君                 斎藤 嘉隆君     委 員                 赤池 誠章君                 衛藤 晟一君                 橋本 聖子君                 藤井 基之君                 堀内 恒夫君                 丸山 和也君                 吉田 博美君                 榛葉賀津也君                 白  眞勲君                 森本 真治君                 秋野 公造君                 新妻 秀規君                 柴田  巧君                 田村 智子君                 松沢 成文君    国務大臣        文部科学大臣   下村 博文君    事務局側        常任委員会専門        員        美濃部寿彦君    政府参考人        内閣官房東京オ        リンピック競技        大会東京パラ        リンピック競技        大会推進本部事        務局総括調整統        括官       芦立  訓君        文部科学省スポ        ーツ・青少年局        長        久保 公人君    参考人        独立行政法人日        本スポーツ振興        センター理事   鬼澤 佳弘君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○連合審査会に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○教育文化スポーツ学術及び科学技術に関  する調査  (新国立競技場建設に関する件)     ─────────────
  2. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、那谷屋正義君が委員辞任され、その補欠として白眞勲君が選任されました。     ─────────────
  3. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。  東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会の諸施策に関する件について、内閣委員会に対し連合審査会開会を申し入れることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定します。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  6. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育文化スポーツ学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会推進本部事務局総括調整統括官芦立訓君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定します。     ─────────────
  8. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育文化スポーツ学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会参考人として独立行政法人日本スポーツ振興センター理事鬼澤佳弘君の出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定します。     ─────────────
  10. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 教育文化スポーツ学術及び科学技術に関する調査のうち、新国立競技場建設に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  11. 白眞勲

    白眞勲君 民主党白眞勲でございます。  今日は、二〇二〇年東京五輪パラリンピックメーン会場となります新国立競技場についてお聞きしたいと思います。  まず、この建物を私が最初に見たときに、今お配りしております参考資料の一番ですね、はっきり言って、へえと思いました。すごいものを計画しているんだなと思ったわけなんですね。ただ、上からしか見せていないので、実際に競技場観戦しに来た目線だと大きな壁でしかないのかなとも思いましたが。  ここで、まず大臣にお聞きいたします。大臣じゃない、JSCの方がいいですかね、JSCにお聞きします。  時期的には表一の競技場の姿でオリンピックの誘致をしたということでよろしゅうございますか。
  12. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 二〇二〇年のオリンピック招致に関しましては、この資料一のデザインによって招致ファイルに盛り込みでやってございます。
  13. 白眞勲

    白眞勲君 ところが、実際には、この表二ですよね、表二の今回の建物になるわけなんですけど、私びっくりしたのは、これ、全く形状が違うんじゃないのかなと思ったわけなんですね。ある人いわく、亀の甲羅みたいだとか、あるいは自転車のヘルメットみたいになっちゃっているということを言う人もいるわけでして、実際、平面図立面図も全く違います。  ここで大臣にお聞きしたいんですけど、この二つ、一緒だと思いますか。
  14. 下村博文

    国務大臣下村博文君) これは、平成二十四年、民主党政権のときでありますが、ザハ・ハディド氏のこのデザイン有識者会議の中で選考されたわけでございます。そのときの予算が一千三百億と計上されておりましたが、実際にこのザハ・ハディド氏のデザインを忠実に造るとすると三千億掛かるということが分かり、余りにもコストが高過ぎるということで、二五%程度削減するということの中で出てきた案が委員指摘資料二の案でございまして、ザハ・ハディド氏の案を生かしながらこの二の案になっているというふうに思います。
  15. 白眞勲

    白眞勲君 いや、大臣、私が聞いているのは、一緒だと思いますかと。大臣に率直におっしゃっていただきたいと思うんですけれども。
  16. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 今申し上げたように、ザハ・ハディド氏の案を生かしながらの案になっていると思います。
  17. 白眞勲

    白眞勲君 平面図立面図も、そしてここにいらっしゃる委員皆さんも、やっぱりこれちょっと違うよねというふうに思うのが普通だと思いますよ。  これ以上言っても、これはもう認識の問題という話になると思いますけれども、ここで、大臣は五月の二十一日の質疑で、つまり屋根の、開閉式屋根というんですかね、開閉式遮音装置というふうにJSCさん、政府は言っているわけですけれども、三、四か月は準備も入れてトータルで掛かるというふうに大臣は前に答弁されていました。  私は、その程度で進むのか、その当時からちょっと甚だ疑問だったんですけれども、実際にどの程度掛かるのか、JSC、お答えください。
  18. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 開閉式遮音装置につきましては、一昨日の有識者会議におきまして、オリンピックパラリンピック二〇二〇年、オリンピックパラリンピック後に施工、設置するということが方向性としてお認めいただいたわけでございます。  その後に設置するということを想定した場合に、おっしゃるとおり、どのくらい工期が掛かるかにつきましては、私ども、おおむね一年、一シーズンぐらいの程度期間想定しているところでございます。
  19. 白眞勲

    白眞勲君 これ、おかしいんじゃないんですか。大臣は、五月二十一日ですよ、今年の五月二十一日に三、四か月とおっしゃっているんですね。また、そのとき、一年、二年と全く使用できないということはないというふうに完全に答えていらっしゃるんですね。この違いは何なんですか。JSC、お答えください。
  20. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 開閉式遮音装置の設置につきましては、全体工期、本来四十二か月の中で施工するということを考えてございました。また、今回延長して四十四か月といたしましたけれども、その中で施工することはかなわないという形になっています。  実際は、その施工を後施工にしたことでどのくらい工期が短縮できるかということを見込みますと、私どもは二・五か月程度というふうに考えているところでございます。  しかしながら、それはいろいろな工程を並行して行う中でクリティカルに、どの工程とも重ならない期間のみが実際の工期短縮効果として上がってきますので、それが二・五か月程度ということでございます。  したがって、そのオーバーラップする工期工程をつぶさに精細に分析したところ、それを今度後施工した場合はそういった工程が事実上の工期として必要になってくるということで、私ども、実際の施工条件が今の段階では明らかでないのではっきりは申し上げられませんけれども、算定は困難ですけれども、それを分析したところ、大体工期十か月にプラスアルファ工程が必要ということで、先ほど申し上げたような期間が必要ではないかと、現在ではそんな想定をしているところでございます。
  21. 白眞勲

    白眞勲君 いや、だから、ごまかさないでくださいよ、鬼澤さん。これ、大臣が五月の二十一日にこうおっしゃっているんですよ。これを付けると竣工が二か月ぐらい遅れるということで、これについて、でも遮音装置そのものに掛かる期間は二か月程度でありますと、ここはいいんですよ。ところが、その後、ぴったし二か月後に再開できるかというと、開閉式遮音装置を付けるためのいろいろな準備等が必要ですから、聞くところによると三、四か月は掛かると言っているんですよ、ここで。だから、三、四か月と言ったんですよ。  今、あなた、一年と言ったじゃないですか。これ、おかしいじゃないですか。全然答えになっていませんよ、今のやつ。これ、ちゃんともう一回答えてください。
  22. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 少し言葉が十分でなかったかと思いますけれども、私ども、その工期については、五月段階では工程協議中でございましたので、まだ十分な分析ができておりませんでした。  一昨日の有識者会議を踏まえて想定をもう一度確認したところ、やはり原状回復工事との取り合い等々、今、先ほど申し上げたようないろんな準備工事、そういうことを含めると、本来の工期十か月にプラスアルファで一年程度になるということを申し上げたので、ちょっとその辺の分析につきまして十分できていなかったというところが正直なところで、申し訳なく思っております。
  23. 白眞勲

    白眞勲君 ごまかさないでくださいよ。  そのときに、大臣答弁する前に我が党の藤本祐司先生が、結局、一年、二年、これ掛かるんじゃないんですかと言っているんですよ。言っているにもかかわらず、三、四か月というふうに大臣答弁されているんですよ。一か月半の間にまたそうやって伸縮しましたなんて言っているんじゃ、それじゃおかしいんじゃないんですか。国民納得しませんよ。  どのような理由でこの一か月半で変わったのか、国民に分かるように明確な根拠を示してお答えください。
  24. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) ちょっと設定条件がそのときとまた動いているというのは事実でございます。  一か月半というのは、一か月半というふうに御説明があったとすれば、それは遮音装置をどういう形で後施工するかというのがまだはっきりしていない段階でございまして、二か月半になったというのは、遮音装置駆動部分、これも含めて後施工にするということで二か月半の工期短縮がその後最終的な協議の中で行われたということで、現時点では二か月半というのが工期短縮効果になっています。  それに加えて、様々な原状回復であったり、準備するための重機資材搬入、そういった保全条件をはっきりすることがまだ未確定の段階算定したということで、まだ不明確な期間、今回申し上げたような期間が最終的に今の時点では必要だというふうに考えているところでございます。
  25. 白眞勲

    白眞勲君 もっと短く、端的に答えていただきたいんですよね。長々話しているだけで、結局、何にも答えていないじゃないですか。時間延ばし、やめてくださいよ。  この一か月半の間にどうやって、一か月半でどう、何の理由で変わったんですかということですよ。今、駆動装置がどうのこうのというのは、当然これは施工のときに考えられていますよ、これは。当たり前じゃないですか。そういう場当たり的な発言はやめてもらいたいんですね。  もう一回、分かりやすく答えていただきたい。明確に答えていただきたい。
  26. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 前提条件がまず一つ変わったということでいうと、一月半から二月半に工期短縮効果が延びたという、これは変わっています。それは、最初の一か月半のときには、開閉式遮音幕のみを後施工にする、駆動装置施工しておくということの後施工想定しておりました。そういう意味で、駆動装置も含めて後施工にしたことによって短縮効果が確かにその後一か月間延びたという事実がございます。  その上で、後施工した場合の工期を精細に検討したということで、最終的に今の段階では一年前後掛かるのではないかと申し上げます。(発言する者あり)
  27. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  28. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 速記を起こしてください。
  29. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 私の方で報告を受けていたのは、今のまま開閉式幕も付けると、これは間に合わなくなると。つまり、二〇一九年のラグビーワールドカップに間に合わせるために春に竣工予定ということが間に合わなくなる。この開閉式の幕を後付けをすることによって、一、二か月短縮することによって、二〇一九年の当時三月ですね、竣工が間に合うということで、この開閉式幕についてはラグビーでもオリンピックパラリンピックでも必要ない、その後の文化イベントをするためのものとしての開閉式幕でありましたから、それは、じゃ、二〇二〇年以降にしようということについて判断したわけでございます。  その後、御指摘のように、三、四か月あれば開閉式幕を付けられるというふうに私も聞いておりました。それは今お話があったように、開閉式幕だけを付けるという前提の話であったけれども、可動式の、つまり開閉式幕を造るための周辺整備前提として造っておくということじゃなくて、後で付けるという設計になったということの中で、三、四か月掛かるというところが一年ぐらいは掛かるようになったということでありまして、これはごまかしてとかそういうことではないと思います。
  30. 白眞勲

    白眞勲君 いや、だから、今まさにJSCさんでお答えになったように、駆動式部分を付けるから一か月以上掛かる、ちょっと一か月ぐらい延びるんだと言ったんだけれども、だからといったって三、四か月が一年になるわけないじゃないですか。そこを私はおかしいというふうに申し上げているんですよ。ですから、それはどうしてなんですかということを聞いているんです。もう一回答えてくださいよ。
  31. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 度々申し訳ございません。  開閉式遮音装置の後施工に関しては、最終的にどういう形で後施工をするかというのが五月の時点と一昨日最終的に取りまとめた時点で変わっているということがございます。当初は一か月半、つまり駆動装置、具体的に言うと開閉式遮音装置を動かすための駆動装置ですね、それは施工しておいて幕だけを後に施工するという考え方から、装置ごと施工にするという形になると。そのことによって全体の工期を短縮できる、そのために後施工する部分をより多くしたという形でございます。そういう前提の上で、当初短縮効果が一・五か月あるものを二・五か月という形で、より効果を高めたということがございました。  その上で、実際オリンピックパラリンピック大会終了後にこの開閉式遮音装置施工した場合の工期を精細に検討いたしましたけれども、具体的にはやはり一部不明確なところがありますので、オリンピックパラリンピック組織委員会が実施する、当然その後の原状回復工事があります。さらに、その資材とか重機搬入ルートの確保の施工条件が明らかでないということで、実際の工期については不明確なところがありますけど、仮に本体工事と同じような施工をした場合は、実際……
  32. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 簡潔に答弁を願います。
  33. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 工期が十か月程度になることを踏まえて、一年あるいはシーズン程度と申し上げているところでございます。
  34. 白眞勲

    白眞勲君 全然、これごまかしていますよ、これ。全然答えになっていないじゃないですか。一か月半の駆動装置を、はっきり言えば、屋根のときに、工期の中に入れちゃえばいいんですよ、最初に言えば。それで三、四か月です。  だから、どういう私は大臣に対して説明をしているのかということがこれでもうはっきりしていると思うんですけれども、これについてはまた、委員長、是非ちょっとこれはっきりと、これ文書で提出していただくようお願いいたします。これ、文教科学委員会答弁したことに対して、一か月半でころっと三か月から一年に変わったって、大きな問題だと思いますので、お願いいたします。
  35. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 後刻理事会協議します。
  36. 白眞勲

    白眞勲君 次に、収支計画についてお聞きいたします。  一年前の平成二十六年三月十四日、JSCの、これ鬼澤さんですよね、鬼澤さんが四・四億円の黒字を見込んでいると言っているんですね。それが一年後の今年四月二十四日には、これやっぱり答弁で、今度は三億円の黒字だと言ったんですね。ところが今回は、七月七日付け、これ資料四になりますけれども、これだと三千八百万円になるわけですね。何でこんなに変わるんですか。
  37. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 当然、この収支につきましては精細に私ども検討した上で、第三者評価を受けて最終的に案として取りまとめております。  最初の四・四億円でございますか、それをその時点で見込んでおりましたけれども、その後第三者機関評価をしていただいて、昨年の八月の時点で三・三億円という形で、より保守的にといいましょうか、堅く見込んだという数字でございました。その後、今回お示しした数字は御指摘のような三千八百万という形になっていますが、これは大きな点としては、建設コストが一千六百二十五億円の当時見込んだものに対して今回二千五百二十億円という価格前提に試算しておりますので、特に修繕費あるい租税公課、こういったものについては当然増えたということで、収支差がそれだけ縮んで、三千八百万ということに黒字幅が縮小したという経過でございます。
  38. 白眞勲

    白眞勲君 一年間でこれだけ収支計画が変わるって、普通の会社だったらこれ首ですよ。  この中でプレミアム会員事業というのがあるんですね。これ四の二ですかね、皆さん資料の、プレミアム会員事業というのがあるんですけれども、要は、プロ野球でよくある、これは堀内さんも今日はいらっしゃるから分かると思うんですけれども、年間指定席というやつですよ。  まず、開閉式遮音装置を閉めてやるであろう一般コンサートアーティストコンサートのときは、このプレミアム席を買っている人は座れるんですか。座れるか座れないかをお聞きいたしたいと思います。
  39. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) プレミアム会員事業におきましては、現在で、基本的にはスポーツ観戦、これについては含めて御覧いただけるようなことを考えております。  ただ、このスタジアムの中ではスポーツイベントだけではなくて文化イベントも行うことを想定していますが、その辺につきましてはこれは主催者の判断になりますけれども、現在の考え方としては優先的にチケットを購入する権利を付与していくという形で考えておりますので、プレミアム会員権をお持ちの方が当然その文化的イベントコンサートにもその席を利用できるということにはならない可能性があると考えています。これは主催者との御相談となると思います。
  40. 白眞勲

    白眞勲君 例えばスポーツ、サッカーの国際試合年間一、二回はあると思いますけれども、この場合はチケット別途買うというふうに、昨日の、私驚いたんですよ、この席を持っていたとしても、そういう国際大会スポーツイベントだとしてもチケットをもう一回買わなきゃいけないんだというふうに言われたんですけれども、それは本当ですか。
  41. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) ちょっと説明が不正確だったと思いますけれども、スポーツイベントについては、原則としてそれはプレミアム会員権であることによって観戦が可能であるというふうに考えているところであります。  ただ、この収支の中では、そのコストにつきましては含めていないという意味で、その点についてはまだ算定に入れていないという趣旨で申し上げたところでございます。
  42. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、まだはっきりしていない。一般アーティストの場合は、当然もう一回、それはそうですよ。主催者は、ここでまた個人の名前言っちゃあれですけれども、有名な歌手が歌うときに、ただでそこに座らせるわけにいかない。当然切符買ってくださいよというのは当たり前。だから、このプレミアム席を持っていた人だとしても、これは当然チケットを買わなきゃいけないという可能性はあるということ、今おっしゃいましたよね。  それから、そうじゃないスポーツイベントだってまだこれから検討ですということになったら、この収支計画の一番大きな部分を占める、これだっていいかげんだということがお分かりいただけるというふうに私は思うわけですね。つまり、ショバ代年間五百四十万円ですよ、払うけど、要はチケット代が別途掛かるとなると、この収支計画、私は怪しいと思いますよ。  それから、今の膜について、これ施工業者、膜じゃない、屋根の方でいいですよ、屋根施工業者いますよね。その中で、この施工業者は、このアーチとか金額とかスケジュールで、はっきりできるということは言っているのか、イエスかノーかだけで答えてください。
  43. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) もちろんその工期の中でできるというふうに言っているところでございます。
  44. 白眞勲

    白眞勲君 金額も、大幅な物価変動、何かの大きな外的な要因以外ではこの内容でいいということでやっているわけですね。
  45. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 御指摘のとおり、大きなそういう外的な要因がなければ、その目標価格前提として今後契約していくという前提で考えてございます。
  46. 白眞勲

    白眞勲君 その上部に、屋根の上に、今開閉式屋根、つまり開閉式遮音装置皆さんおっしゃっている、これをC種膜からテフロン膜に変えたと、今回、いうふうに聞いているんですけれども、これも地震や風で相当変形しますよね。更に夏の暑さなどでも変形しますけれども、その構造解析はできているんでしょうか。
  47. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 開閉式遮音装置の構造解析については、要素ごとの解析は終えていまして、実施設計に既に反映させてございます。
  48. 白眞勲

    白眞勲君 耐火性能、これいわゆる何というんですかね、屋根のこの膜がありますよね。これは開閉式じゃない膜も含めて、耐火性能はどうなんですか、これは花火打ち上げられるんですか。
  49. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 答えられますか。(発言する者あり)  速記止めてください。    〔速記中止
  50. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 速記を起こしてください。
  51. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) A種膜につきましては、耐火性能は当然ございます。耐久性はあるというふうにしていますし、C種膜は、通常、これは開閉遮音装置、閉めてございますので、耐火性能とは関係ないというふうに評価をされています。
  52. 白眞勲

    白眞勲君 じゃ、今、テフロン膜じゃないんですか、C種膜なんですか。
  53. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 通告していますか。
  54. 白眞勲

    白眞勲君 通告しています。
  55. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) C種膜については、今、より耐久性のある……(発言する者あり)
  56. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  57. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 速記を起こしてください。
  58. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 先生のおっしゃっているテフロン膜につきましては、御指摘のとおり、よりこれまでの種膜より耐久性のあるものとして変更してございます。
  59. 白眞勲

    白眞勲君 いや、花火を打ち上げられるか聞いているんですよ。これは、よく今開会式、みんなパンパンパンパン花火を打ち上げているんですよ。だから、どうなんだと聞いているんです、私は。花火どうなんですか。
  60. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 花火のような程度の火では大丈夫であると、火が当たってもそこは大丈夫であるということは確認してございます。
  61. 白眞勲

    白眞勲君 大臣、今ずっとやり取り聞いていて、私本当に相当ひどいんじゃないかなという感じがするんですね、答弁を、本当に全部、ころころころころ変わっているんですね。収支計画は、私も言うまでもなく、もうこれはマスコミで取り上げられていますから言うまでもない話ですけれども、そのほか、もう屋根に造る開閉式遮音装置工期がたったの一か月半で変わるわけですね。構造も、これ今日はもう質問しませんでしたけれども、私リスク抱えていると思いますよ。ですから、めちゃくちゃだと思うんですよね、これ。  総理は福島の汚染水ではアンダーコントロールとおっしゃっていたわけだけれども、これだって、これは逆にアンダーコントロールされていないような感じがするんですね、私は。国民は、後世の代にまで負担を押し付けるような、これがやっぱり東京オリンピックのコンセプトなのかというふうに私は思うわけですよ。今、国民の大多数は反対しているわけですし、それでも進めるだけの私、説得力があるのかなと。  今日これだけの、たった二十五分です、私が与えられた質問時間は、与えられた質問時間二十五分でも、ますます私は不安が高まるんですね。今のあれだって熱に弱いですよ、花火、これは危ないですよ、花火禁止させなきゃ危ないと思いますよ。それを今またそんなこと言って、また後で答弁変えるなんてことになったら、あなたの責任問題になりますよ、これ。  そういったことを考えると、私、国民が望んでいるのは、本来、屋根を見たくてオリンピック見に行く人はいないんですよ。みんな競技を見たくて見に行くわけじゃありませんか。ですから、気持ちよくオリンピックの選手が我々のこの競技場で、選手が最大の実力を発揮してもらう、コンマ一秒、コンマ〇一秒の世界の頑張っているアスリートたちが気持ちよく実力を発揮してもらうような競技場でなければならないし、また、その後も、子供たちが安い金額で気軽に利用できる、そういった本当の国民のための施設というものを、私はこれが真のおもてなしの精神ではないのかなというふうに思うわけなんですね。  この辺り、大臣どうですか、もう一回検討した方がいいと思いますよ。今日は、そんな、何ですか、ここでもうやめますとかいうことを言えないと思うよ、立場上、それは分かりますよ。だけれども、しっかりと、まだまだ私は時間があると思う。だから、今のうち、もう一回でもいいから検討する、そういうおつもりはないでしょうか。
  62. 下村博文

    国務大臣下村博文君) まず、冒頭、白委員がおっしゃったように、これはアスリートファーストで、ここを利用する方々にとってより快適な、理想的な競技場にすべきだということは、そういうふうに是非考えていきたいと思います。  開閉式幕は、本来スポーツではこれは必要ありませんから、これは常にオープンになる、開いているということですね。そういうコンサートとか周辺への騒音を止めるための幕ということでありますから、ふだんはこれは開いているということであります。  この国立競技場というのは、これは二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック競技大会競技場の中でも、大会の主会場として開会式、閉会式を行う、メーンイベントを行う極めて重要な場所であります。オリンピックパラリンピックの招致活動におきまして、平成二十五年七月のIOCテクニカルブリーフィングで麻生副総理から、九月のIOC総会で安倍総理から、それぞれザハ・ハディド氏のアーチ構造のデザインを示してプレゼンテーションを行った、その結果、東京招致を勝ち取ったという経緯の中で、一つこの要素があったということは、もう事実だというふうに思います。  いろんな方々からいろんな御指摘があります。ただ、基本的に、ラグビーワールドカップにおいても、これは国際招致の中で、決勝戦それから開幕戦はこの国立競技場を使うということが決定されているということの中で、つまりラグビー大会組織委員会と東京都が国立競技場を試合会場とすることを前提として開催のための契約締結をラグビーワールドカップリミテッド、主催者側としているという経緯がある中で、その中でどんな見直しができるかということでありますが、これ、大胆な見直しをしているとラグビーワールドカップにも間に合わなくなるということの制約の中で、できるだけコストが掛からないように、それからアスリートにとって快適な、そういう創意工夫についてはしっかり考えていきたいと思います。
  63. 白眞勲

    白眞勲君 考えてもらいたいんですよ。別に屋根に私、固執しているわけじゃないけれども、逆に言うと、今だって大臣屋根に固執しているわけじゃないと思いますよ。ですから、今重要なのは、今答弁されたことが一番重要なんですよ。そういうスタンスでもう一回考えてもらいたいと思いますが、それだけ、最後に一言だけ。
  64. 下村博文

    国務大臣下村博文君) アスリートにとって、それから、できるだけコストの掛からない創意工夫についてはこれからも是非前向きにしっかり検討していきたいと思います。
  65. 白眞勲

    白眞勲君 終わります。
  66. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤嘉隆であります。  今日は、本当に多くの国民が関心とそれから疑問を持っているこの国立競技場の建設について、是非丁寧に真摯に、つまびらかに現状や見通しを明らかにしていただきたいというふうに思います。  商業紙でも八〇%を超える国民が建設計画については見直しをするべきだというふうに言っていらっしゃるわけでありまして、これ以上後出しでいろんな情報が出てくるということになると、ますます国民の信頼というのを損なうことになってしまうというふうに思います。  多くの国民に成り代わって今日は率直な疑問を数点申し上げたいと思いますので、曖昧でない、端的に答弁をお願いをしたいというふうに思います。  まず初めは、今回メーンスタジアムの改築について大変大きな話題になっていますが、なぜメーンスタジアムだけは計画の変更という選択肢を選ばなかったのか。  なぜこういうことを申し上げるかというと、実は、他の競技場は全体的に見れば、例えば元々造るはずであったものをもう造ることをやめて既存の施設に移し替えたり、あるいは会場も都内の会場であったものを都外に送ったり、いろんな工夫をしているわけです。その最も大きな理由は、商業紙なんかでいえば、費用の圧縮だというふうに聞いています。  東京都やあるいはオリンピックの組織委員会がこういう判断を様々な場でしてきたにもかかわらず、なぜ今回この国立競技場についてはJSCはこういう見直し、建設計画そのものの見直しについての判断を見送ってきたのか、その理由を、最大の理由をお聞かせをいただきたいと思います。
  67. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 端的に、しかし国民の皆さんにも分かるように丁寧にちょっと御説明を申し上げたいと……(発言する者あり)ええ、別の話で。  まず、経緯についてはきちっと申し上げたいと思います。  この国立競技場につきましては、平成二十三年二月にラグビーワールドカップ二〇一九日本大会成功議員連盟におきまして八万人規模のナショナルスタジアムへの再整備について決議がなされ、その後、同年七月に東京都が二〇二〇年オリンピックパラリンピック競技大会に立候補したという経緯から、両大会の主会場とすることを念頭に改築計画を進めてまいりました。  この改築計画に対しては、建築家の例えば槇文彦氏を始めとするグループから見直しをするような御提言をいただきました。その内容は、最終的にはラグビーワールドカップ二〇一九を別の場所で開催することにより工期を延ばし、キールアーチを設置しないというものでありました。槇グループの御提言については、JSCにおいて設計者から意見を聴取するとともに、私自身も槇氏らに直接話を伺い、また、JSC施工業者だけでなく、第三者的な立場の業者やゼネコン関係者からも広く客観的な御意見を伺うなど、真摯に検討してまいりました。  その結果、仮にデザインを全く新しいものに変えるとした場合、設計者の随意契約、施工者の技術提案交渉方式による選定を前提としたとしても、つまりこれが最短でできるやり方であります、設計開始から竣工までの所要期間は二〇二〇年六月末までの六十一か月、五年一か月、今年の七月から、今月から起算するとすると、二〇二〇年の七月末までということになってしまいまして、ラグビーワールドカップ二〇一九には間に合わない、オリンピックパラリンピックもぎりぎり間に合うかどうか分からない、こういう状況があるということが分かりました。  国立競技場の改築は今後五十年から百年を見据え、国際競技大会を継続的に招致、開催するためには東京の都心に八万人規模のスタジアムを造る必要があるという基本的な考え方に立っているということ、また、見直しを行った場合、設計やデザインに係る権利に関し紛争となり、建設計画がストップするリスクもあると考えられることから、採用することができないというふうに判断したところであります。
  68. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 いや、そのことは分かっていますけれども、であればもう少し早い段階でなぜそういう判断をしなかったのかというのが多くの国民の皆さんの疑問であるというふうに思います。通常、建設に関わっていらっしゃる方、まあ業者さんも含めて、だから、誰でも何か物をつくるときは予算があって、その予算に基づいて設計をして、そして契約をして施工をすると。当然のことでありますけれども、その当然のことがなされていないので、多くの国民が一体どうなっているんだということを疑問に思っているわけですよ。  当初、千三百億のプレゼンというかコンペをして、そしてそれがザハさんのデザインの採用が決まって三千億円に膨れ上がるということで、もう一回縮小をして千六百二十五億になったと。それが、一年前に試算をし直し千六百二十五億とした施設が、一年後には二千五百二十億ということになっています。しかも、この二千五百二十億には、以前の千六百二十五億には含まれていた先ほどの開閉式遮音装置とか電動式の可動席とか芝の養生装置とか、こういうものも一切入っていないわけです。実は千六百二十五億が二千五百二十億になったのではなくて、千三百六十五億が二千五百二十億に膨れ上がっている。八五%ですよ、見積りのアップが。  建設の特殊性に七百数十億とか建設資材の高騰に三百五十億とか、そういうことを御説明をされていらっしゃるようですが、昨年の基本設計時にそんなこと分かっていたんじゃないですか。キールアーチも含めて、これは特殊な建設だというのは誰が見ても分かると思うんですけれども、その辺りのことは全く分かっていなくて、今回の実施設計の段階になってこの特殊性、これは特殊な建設だよ、だからたくさん費用が掛かるんだよ、七百六十億も掛かるんだよと、こんなことがこの段階で本当に分かったんですか。鬼澤さん、いかがですか。
  69. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 御指摘のとおり、昨年五月に取りまとめました基本設計時におきましては、概算工事費約一千六百二十五億円と見込んでおりました。これは東京オリンピックパラリンピック決定前の二〇一三年七月時点での単価及び消費税五%で試算したものでございます。その時点において消費税の増加、あるいは新国立競技場の特殊性については認識してございました。  しかしながら、今般、技術協力者及び設計者とともにラグビーワールドカップオリンピックパラリンピック大会に間に合わせることを大前提に検討を行った結果として、オリンピックパラリンピック東京開催決定後の建設プロジェクトの民需が予想以上に拡大しまして資材、労務費が高騰する中で、元々極めて大規模でかつ難易度が高い新国立競技場の工事を受注し得る専門業者が限られていたところ、更に限定されることになったということ、また、工期を厳守することが必須である状況の中で、専門工事業者を確実に確保することが従来にも増して難しくなったということで工事費が一層上昇したというふうに分析しているところでございます。
  70. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 いや、まさにそれはもう今になっての後付け理由であって、建設の特殊性というのはもう昨年の段階、一昨年の段階から認識をされていたはずですから、それをいきなり今回そのことだけで八百億近い予算の膨張というのはやはり通常の感覚からいうと理解できないというふうに思います。  昨年の段階で分かっていたのであれば、昨年の段階でそういった数値も含めてきちんと国民の皆さんにお知らせをすべきだったと。それがこうやってころころころころ建設の計画も含めて変わるものですから、国民の皆さんはそのことについて何かおかしい、信頼できない、一体どうなっているんだと、こういう話になっているわけです。しっかり正確な数字を、現段階で分かる正確な数字を是非国民に知らせていただきたい。それがこの問題のもうある意味の成功というか、オリンピックパラリンピックの成功につながるというふうに思います。  二千五百二十億の目標工事費に加えて、オリンピックパラリンピック後に付ける、先ほどから出ている開閉式遮音装置や芝生養生システム、ガラスカーテンウオール、その他JSCの管理する敷地内にJSCとして整備しなければならない、事後も含めてですよ、事後も含めて、施設、事業の総額は今幾らと見積りをされていらっしゃるんですか。
  71. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 先ほど来御指摘の目標工事額二千五百二十億円に加えまして、仮に開閉式遮音装置、芝生育成システム、東西カーテンウオール、これを施工した場合の金額といたしまして、現在、これはオリンピック終了後の施工ということですので、その時点での予定の金額ということは試算できておりませんけれども、現時点で仮に一緒施工したとすれば、開閉式遮音装置は百六十八億円、芝生育成補助システムは六億円、それと、これも今回後施工として有識者会議でお示しさせていただきました東西面のガラスカーテンウオール、これが十四億円ということで設計JVとともに試算しているところでございます。
  72. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 いや、今の数字を合わせるだけでも二千七百億近いんですけれども、二千七百億近い。だけど、今の鬼澤さんのお話だと、金額はまだ分からない、事後なので場合によっては更に膨れ上がる可能性があるということだと思います。  これ、現在確保されている財源は幾らで、現状、二千五百二十億を対象で結構です、現状幾ら不足をしているんですか。
  73. 久保公人

    政府参考人(久保公人君) 国立競技場の改築に要する経費につきましては多様な財源を確保して賄うこととしておりまして、国費に加えてスポーツ振興くじの財源を活用するとともに、東京都に対しても一部費用負担を要請しているなど、様々な努力をしてきているところでございます。  国費につきましては、今年度までに総額三百九十二億円を措置されているところでございまして、今後、スポーツ振興基金のうち百二十五億円を更に取り崩して国立競技場の整備費に充てますとともに、建設工事が本格化する平成二十八年度以降に相応の額を要求していきたいと考えております。  また、スポーツ振興くじ財源につきましては、現行制度上、当分の間、くじの売上げの五%を特定金額として国立競技場の整備費に充てることができるとなってございまして、これまでに約百九億円を確保しているところでございます。さらに、現在、超党派のスポーツ議員連盟におきまして、その特定金額の割合の引上げ等に係る法律改正の検討も進めていただいていると聞いておりまして、これが実現するように期待をしているところでございます。  東京都の負担金額につきましては、今後、東京都とも連携調整しながら決定していくことになると考えております。  さらに、今後できるだけ国民負担が増えないように、競技場の命名権販売、寄附募集並びに国立競技場の整備後の運営の民間委託など、様々な工夫を図っていきたいと考えているところでございます。
  74. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 久保さん、数字だけで結構です。  じゃ、今の様々な多様な財源が確保されたとして、totoの収益の拡大も含めて、あと東京都からの五百億円ですか、が来たとして、現状幾ら不足しているんですか。
  75. 久保公人

    政府参考人(久保公人君) 直ちに、今の時点でまだその辺りを確定していない数字もありますので、この場で明確な数字として足し引き算はできないんでございますけれども、今回の有識者会議を踏まえて工事費がかなりアップしておりますので、それにつきましての増額分等につきましては今後の課題かと考えているところでございます。(発言する者あり)
  76. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 いや、これから契約、間もなく契約されるというふうに思っていますけれども、財源の見通しがなくて契約をする、そんな契約ってあるんですかね。あるんでしょうか。世の中一般に余り考えられないというふうに思います。  今のお話を総合的にいうと、仮に二千七百億掛かったとして、実際はもっと掛かるかもしれない、二千七百億掛かったとして、今のネーミングライツとか東京都の拠出とか、見込みどおり試算をしたとしても二千億弱ですから、これ八百億とか七百億とか、そういった金額が追加で必要になるんじゃないでしょうか。  これの財源を確保するのに一体どんな方策があるのか、大会後に財源ができる見込みがあるのか、あるいは新たな寄附を募るのか、これはJSCが主体の事業なだけに大変不安なんですね。現状では手がないというふうに思います。足りない分はこれは国費を投入するんですね。そういうことで考えていらっしゃるんですね。そこのところ、ちょっと明確にお願いします。
  77. 久保公人

    政府参考人(久保公人君) 繰り返しになりますけれども、その問題につきましては、支払につきましては、出来高に応じて支払時期が参ります。制度改正して、支払に当たりましてはJSCが借入金を支払って、その返済の財源を今後様々な観点でつくっていくことになると思いますけれども、今おっしゃられたような今後のことにつきましては、様々な工夫をしながら様々な努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
  78. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 ということは、まずJSCとして必要な額の支払を済まし、そして事後に多様な財源を含めて何とかお金をつくって返済をしていくと。  ただ、ただ、JSCさんの予算の中身を見ると、これ運営費交付金とかあるいは国の出資金とか、これは元々やっぱり税金なんですよ。これ言い方変えれば、よほど大きな収益がない限りは結局は税金を投入することにならざるを得ないというふうに思いますが、その考えでよろしいですか。
  79. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 今回の国立競技場の整備については、多様な財源を活用するということは閣議決定をしております。  多様な財源の中には御指摘の国費ということもありますが、それ以外、スポーツ振興くじ、これは超党派の議員連盟で決めていただくことでありますから、こちらの方はお願いベースではありますけれども、一応、国立競技場の建て替え、売上げの五%を今使えるというのを一〇%に考えていただいているということであります。  このスポーツ振興くじについての更なる上乗せのお願い、それから、先ほど局長からお話がありましたが、東京都に対しても負担のお願いをしていきたいと思いますし、また、命名権販売や寄附金の募集等の工夫、それから、平成二十八年度から始まるそれぞれの予算の中でそのときそのときに財務省については必要な相当額については予算要求をお願いしていきたいと思っております。そういう積み重ねの中できちっと確保してまいりたいと思います。
  80. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 今ちょっと資料をお配りをしてあります。  これはJSCの中期計画ということで、最新のものでありますけれども、平成二十五年の三月二十九日に認可をされたものというふうに理解をしています。これが、度々中身については変更をされているんですが、昨年の十二月八日に、そこに示したような文言が変更、追加になっています。右側が変更前、左側が変更後であります。  右側、基本設計作業、マーカー引いてありますが、を通じてやむを得ない場合を除き見積金額総額を超えないという、経費について書かれてあるこの部分が、基本設計作業というのが実施設計作業というふうに変わっています。  これは、基本設計作業というのが先ほどから出ている千六百二十五億の見積りをした、見込みをしたものであって、実施設計作業というのは先般発表された二千五百二十億の現段階での計画と、こういうことでいいですか、簡単にお答えください。
  81. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 御指摘のように、その中期計画における基本設計作業というところを実施設計作業というふうに変更いたしましたのは、設計作業の進捗により基本設計作業が終了して、昨年八月から実施設計作業に入ったことを反映したものでございます。
  82. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 その下のマーカーのところ、ここも追加になっていますけれども、ちょっと読みますね、「なお、改築その他関連する経費のうち「真にやむを得ない場合」に当たらない経費については、原則として追加は認められず、厳に必要性を精査した上で、最小限の経費のみを国費以外の財源で賄うこと」という文章が追加になっています、昨年の年末の時点で。これ、言い方を変えますと、真にやむを得ない場合云々といいますと、逆に言えば、真にやむを得ない場合の経費については追加ができ、国費で賄うことができるというようにもこれ読めるというか、そういう中身になっていますが、これも一つの根拠に。  これね、なぜこのようなことをお聞きするかというと、僕、国民の皆さんにもうお伝えをした方がいいと思います。この建設については、今後、予算も含めて経費も含めて膨れ上がっていく可能性もあると、その場合に財源が不足することも多々可能性としてあって、その場合には、例えばこういうことを根拠に、申し訳ないが皆さんの税金を投入をさせていただくと、そのことをもう明言した方がいいと思いますよ。後でこのことがまた、税金で幾ら幾ら追加、国費でこれだけ必要ですなんということになると、またこの問題が混乱をしてしまうと思います。  いかがでしょうか。この文言も含めて、これ国費でこの財源を賄うということがかなりの可能性として、高い可能性としてあるということでよろしいですか。
  83. 下村博文

    国務大臣下村博文君) これ、斎藤先生、創意工夫だと思います。確かに一千六百億程度の予算から二千五百二十億を超えるということですから、大幅な予算アップになってしまっているわけでありますが、それを全額国費で負担するということではなくて、多様な財源については確保するということでありますから。  まあ東京都については、更にプラスアルファということには、これはお願いできないと思いますが、しかし、今、議員連盟でスポーツ振興くじについてのいろんな議論をしていただいているところでありますし、ここで、議員連盟の方で五%から一〇%と、当分の間ということでありますが、工夫をしていただくことが可能であれば、また、これは民間の寄附、ファンド等、そういう工夫の中で、国費も負担はお願いせざるを得ないでしょうけど、上がった分をそのまま全部国費ということではなくて、いろんな工夫の中で、できるだけ直接的な国民の皆さんの税金が投入されないような工夫については是非してまいりたいと思います。
  84. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 totoの金額の五%、一〇%のアップについても、私どもも議員連盟の中で議論をしています。一つの方策としてあり得るというふうに認識をしていますし、多様な財源なので、大臣はもうこれまでも御答弁の中で、極力税金に頼らないということをおっしゃってきているわけですから、例えば民間に更に寄附を募るとか、企業の寄附を募るとかいろんな工夫を様々にして、その上で最終的に不足する分は私は出てこざるを得ないと思います。そのことをきちんと国民の皆さんにつまびらかに説明をして、御理解をいただく、その上でこのオリンピックを国民全体で迎えるということでないと、これ、もういつまでもこういう議論がずっと続いていくことになりますので、そのことをお願いをしたいと思います。  やっぱりオリンピック成功させたい、パラリンピック成功させたい、そういう思いは皆さんと同様でありますので、そのことをひとつ是非お願いをしたいというふうに思いますし、それからもう一個、最後にもし、これ意見だけで結構ですが、JSCが、最近の報道で、事後のいわゆる国立の運営を民間に委託するみたいな報道がありましたが、私はそれはもってのほかだというふうに思います。民間のノウハウを使うのは結構かというふうに思いますが、是非、JSCの存在に関わりますので、主体的に、こういう収支の問題も含めて、自らでこれきちんと解決をしていただきたい、このことを最後にお願いをして質問を終わりたいというふうに思います。
  85. 柴田巧

    ○柴田巧君 維新の党の柴田巧です。  本当に、先ほどからも議論がありましたが、今回のこの新国立競技場をめぐる混乱、混迷というのは、極めて遺憾なことだと言わざるを得ないと思います。  こうなったのも、先ほどのいろいろやり取りもお聞きをして改めて感じますが、本当にJSCの見立てが余りにも甘かったと。そして、それを所管する文科省の、そういう意味では責任は極めて重いと指摘をせざるを得ないと思っています。  総工費がどんどんどんどん膨れてくる、どんどん変わってくると。それだけが問題なのではなくて、現代における公共事業というのは、やっぱり計画の段階からいろいろと情報を国民に公開をして丁寧な説明をやって合意づくりをやっていく、また、費用対効果、受益と負担を厳しく見積もって投資の是非を判断していく、そして、厳しくその後の、完成後の収支計画などを作るということが当たり前のことだと思っていますが、そういうことからすれば、今回のこの新国立競技場をめぐる問題はまさに現代の公共事業としては落第、失格と言われても、これは仕方ないと思います。  こうなったのも、いろんな理由はある、要因はあるとは思いますが、一つはJSCの体制というか、ここに一つ求められるんではないかと思うんですね。今の競技場を造るときは、前のオリンピックの東京大会のときは、建設の企画計画全体を文部省が、当時の、やりましたが、設計等技術面については、これは建設省が担当したというふうに聞いておりますが、そういう意味では、今回もそういう国土交通省との早い段階からのいろんな連携が必要だったんではないかという気がします。  このJSCの施設部は、全部じゃないとは思いますが、多くが文科省の文教施設企画部から出向がされていると思います。ここは、基本的には国立大学の建物であったり研究施設を造るという建築屋さんの側面が多いんだと思いますが、この競技場はやっぱり巨大な土木構造物であって、周りとのいろんな交渉やらゼネコンとの価格交渉等々、いわゆる国立大学を造るのとはまた違った能力が求められたと思っていますが、残念ながら、そういう意味では、言葉は行き過ぎかもしれませんが、このJSCの施設部にはちょっと、かなり荷が重過ぎたんではないか、これが今回のいろんな混迷の一つの原因になっているんではないかと思うんですが、大臣、どういうふうにお考えでしょうか、お聞きをしたいと思います。
  86. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 国立競技場の整備につきましては、JSCの新国立競技場設置本部におきまして担当するということになってやっております。その着実な整備に向けて、文部科学省及び国交省からも出向しております。  また、JSCにおきましては、民間の専門的な知識を有する技術アドバイザー、それぞれの専門家五人に委嘱するなど、体制の強化を図っているというふうに聞いております。  文科省としては、これまで必要な支援を行ってきたところでありますが、今後は、今まで以上に国交省を始め関係省庁と緊密に連携を図っていくということが必要だというふうに考えております。更に政府全体で取り組んでいく体制を整えていくようにしてまいりたいと思います。
  87. 柴田巧

    ○柴田巧君 いずれにしても、これはもうオールジャパンでしっかりやらなきゃならない問題だと思いますし、変な縄張意識があって、混迷、混乱が深まらないように是非お願いをしたいものだと思いますが、しかし、いずれにしても、野方図にどんどん膨れていったこの総工費、またこの完成後に、一昨日また新たに明らかになりましたが、千六十億余りでしたか、のしかかる巨額の改修費や、またいろんな問題が山積をしているわけで、先ほども紹介がありましたが、国民的にはもう信頼は得られていないような状況になっていると思っています。  先般の某新聞の調査でも、この建設計画は見直すべきだというのが八一%、八〇%を超えています。この巨額に膨れ上がった総工費のまま、ある意味見切り発車することに対して国民は非常に疑問を、不安を持っていると思っていますが、この点、どう大臣は受け止めていらっしゃるのか、そして、国民の理解を大変、こういう状況になって理解を求めるのはかなり難しいことだと思ってはいますが、どう国民の理解を得るべく努力をされるつもりなのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
  88. 下村博文

    国務大臣下村博文君) ある新聞社が行った世論調査において、御指摘のように、国立競技場の建設計画について建設費用が巨額になっており見直すべきだと回答した方が多かったということは報道によって承知をしております。これは真摯に受け止めたいと思います。  新国立競技場の整備は、平成二十五年九月のIOC総会におきまして二〇二〇年オリンピックパラリンピック競技大会の東京開催をオールジャパンで勝ち取る原動力の一つになった、セールスポイントの一つであったということは事実であります。また、東京都心に位置する八万人規模のスタジアムについても、今後、国際競技大会の継続的な招致、開催にも資するレガシーとして必要なものだというふうに思っております。  他方、改築に関する費用については、建設物価や労務費用の高騰などにより多額の建設費用が必要となっております。  これから国民の皆さんの理解を得るためには、一つは、予算が増えたからその分税金で賄うというような安易な、つまり国民負担を増やすということではなくて、いろんな工夫の仕方を考えると。競技場の命名権販売、寄附募集、それから、先ほど御指摘もありましたが、二〇二〇年以降は、やはり国費を、その後税金の垂れ流しにしないためには民間の運営委託なども私は必要だというふうに思います。そういう様々な工夫をすることによって、また、新たな財源確保についてもいろんな工夫をし、そしてその時々、きちっと決まれば丁寧な説明をすることによって、国民の皆さんに、これ以上税金が投入されない、そういうふうなスキームについて努力をしていく中で理解を図れるような説明責任。  それから、ラグビーワールドカップも、これは世界三大スポーツの一つでありまして、日本ではまだそれほどなじみがないかもしれませんが、世界から見たら大変な大会でありますから、やはりこれを成功させるという意味でこの新国立競技場を使うということになっているわけです。また、オリンピックパラリンピックのメーンスタジアムでありますから、是非、同時に、五十年、百年有効活用という中で、国民の皆さんの理解が得られるような、そういうことについてはしっかり今後とも説明をしながら、また創意工夫をしてまいりたいと思います。
  89. 柴田巧

    ○柴田巧君 国民負担につながらないように努力はしていってもらわなきゃならぬと思いますが、今もお話あったように、その財源、新たな資金集めの財源として市民からの寄附であるとか、あるいはいわゆるネーミングライツを民間に売却して二百億円収益を得るという考えがこの前も示されましたが、これも見通しが非常に甘いんじゃないか、実現性の吟味を欠いた継ぎはぎの案じゃないかと私は感じるわけで、簡単に命名権の売却と言いますけれども、例えば日産スタジアムが日本で一番早かったと思いますが、当初は四億七千万ほどあったと聞いていますが、今は一億五千万ほどしかないんですね。それから、味の素スタジアムは、当初、五年契約で十二億、現在は十億ですから年間にすると二億という程度のものなんですね。これ、二〇一三年ですが、我が国全体のもろもろ、地方も入れて、命名権で入ってくる、売却して入ってくるのは五十億ぐらいほどしかないわけで、なかなか正直難しいと。  また、御案内のとおり、オリンピックの開催中はIOCの権利を侵害するということで使えないわけですね。したがって、そんなところに企業の皆さん金額に見合う効果が得られると考えるかどうかというのは非常に難しいんじゃないかと思っていまして、この命名権の売却でどの程度本当に収益が得られると真剣に考えていらっしゃるのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
  90. 下村博文

    国務大臣下村博文君) これは御指摘のように、当然のことですけれども、ネーミングライツは二〇二〇年以降の話であります。そして、物事をそういうふうに見られればそういうふうな見方もありますが、一方で、以前、石井委員が、スポーツビジネスはこの十五年ぐらいの中で、アメリカは飛躍的に伸びているけれども日本は伸びていないという話がありました。  私は、スポーツとか文化というのは、我が国は相当これからビジネスとしての伸び代があるというふうに考えております。特定の競技スポーツだけでなく、あらゆる形でスポーツをビジネスとして捉えながら、同時に、それがトップアスリートのためだけのスポーツでなく、全ての国民が健康を享受できるようなスポーツの在り方ということを考えると、アメリカのようなところを見ますとまだまだスポーツによる活性化とともにチャンスがあるということを考えると、この国立競技場の有効活用というのは十分考えられると思います。  もちろん、ネーミングライツだけで二百億集めるということは、これはもう大変難しい話でありまして、御指摘の点も踏まえながら、しかし、それ以外の寄附等を合わせての二百億ということでございますので、トータル的にそういうところから、是非多くの国民の皆様方の御理解をいただいて、寄附文化、これはスポーツ全体に対してもそうですが、醸成されるような、そういうことについても施策として取り組んでまいりたいと思います。
  91. 柴田巧

    ○柴田巧君 今、大臣もおっしゃいました、ネーミングライツだけではなくて一般からの寄附ということなんですが、この前も大臣記者会見の中で、寄附した人の名前をれんがやプレートに刻んで新競技場の外壁や路面に使用するというようなことなども検討しているとおっしゃいましたが、ただ、これは世界的にはというか、恐らくメーンスタジアムで一般の寄附を募るというのは余り例のない、ほとんど例のないことなんだろうと、極めて異例なことになるんだろうと思います。  確かに、中国においてはメーンスタジアムの隣の水泳会場、百五十億円近く日本円でいうと掛かっているようですが、これは寄附は寄附ですが、外国に住む中国の人、外国に住む華人の皆さんの寄附で賄ったと聞いていますが、したがって、主会場を、一部とはいえ、そうやって寄附を集めるというのはなかなか例のない、ある意味初めての試みだと思っていますが。  そんな中で、市民の皆さんからこういう寄附を得るべく、どういうこれから広報をやっていこう、取組をやっていこうというお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
  92. 久保公人

    政府参考人(久保公人君) 今後、新国立競技場に関しまして個人や団体から寄附を募るに当たりましては、やはりこの新国立競技場が我が国のスポーツ振興に果たす役割について積極的に広報していくことが重要だと考えております。オリンピックパラリンピックラグビーワールドカップ大会の開催のみならず、その後におきましてもスポーツ活動や文化活動が幅広く開催され、多くの国民に親しまれるレガシー的な施設としてあり続けるということを訴えていくことも必要でございます。  具体的な広報の方策につきましては、国民の多様でかつ深い理解が得られますように、今後、文部科学省に国立競技場の運営の在り方を検討する有識者会議を設置することとしておりまして、その中で具体的な検討をいろんなアイデアを出していきながら進めていきたいと考えているところでございます。
  93. 柴田巧

    ○柴田巧君 今回、この建設をめぐっていろいろごたごたして、現時点で国民の皆さんの理解が低い中で、本当にやるとすると丁寧な説明も必要でしょうし、その必要性などなども効果的にやっぱり訴えることが大事なのではないかと思います。  そのためにも、ある意味、そういうことを本当に実現していくためにも、大臣も先ほど触れられましたが、いわゆる寄附文化、特にスポーツを通じての寄附文化をもっと、基本的にそもそもこの国は醸成をもっとする必要があるんだろうと思っています。  大体が日本の個人寄附というのは、人口や経済規模に比べると極めて世界的にも少額だというのは知られているところですが、二〇一二年でいうと個人寄附は全体で六千九百三十一億円。三年前の一・三倍にはなっているものの、例えばイギリスなどと比べると、向こうは人口は半分ですが、英国と比較すると日本の方が六割ほどしかないということなんですね。したがって、この寄附文化をどう醸成していくか、特にスポーツを通じての寄附文化というのをこれからどう我が国に根付かせていくか、非常に工夫がこれから必要だと思っています。  ただ、寄附が増えるには活動の共感が大切だと言われますが、スポーツはそういう意味では成果が見えやすく、応援したくなる分野でもあろうかと思いますので、工夫次第ではスポーツを通じた寄附文化というのは日本でも広がり得るとは私も思います。  大臣は、その点、どういうふうに考えて取組をしようとお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
  94. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 平成二十四年三月に策定されたスポーツ基本計画におきまして、「スポーツの推進に必要な財源の確保のため、財政事情等を考慮しつつ、国として責任をもって取り組む施策の実施に必要な予算措置の充実に努めるとともに、寄附税制やスポーツ振興基金・スポーツ振興投票制度等を活用し、寄附文化の醸成を通じた民間資金の導入を進め、その効果的・効率的な活用を図ることが必要である。」というふうにうたわれております。  また、昨年十月には、二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック大会推進議員連盟に設置されました一千万人スポーツドナー小委員会におきまして、二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック競技大会を契機として、多くの人々が寄附を通じて日常的にアスリートやスポーツに関する活動や取組を支える文化をつくるための提言が取りまとめられておられるところでもあります。  具体的には、国際競技大会スポーツ関連施設等において寄附を呼びかけるなど、スポーツを通じた寄附の機会を増やすこと、また、スポーツを通じて寄附を呼びかける人、団体を増やすこと、スポーツに関するオンラインの個人寄附プラットホームをつくることなどが提言されております。  今後、こうした提言を踏まえつつ寄附文化の醸成に積極的に取り組み、スポーツの振興に必要な財源の一層の確保に努めてまいりたいと考えております。
  95. 柴田巧

    ○柴田巧君 これで終わります。  ありがとうございました。
  96. 田村智子

    田村智子君 日本共産党の田村智子です。  日本スポーツ振興センター、JSCは、七日、国立競技場将来構想有識者会議を開いて新国立競技場の総工費を二千五百二十億円とする案を報告し了承されたと。  私も、昨日の朝、早速、ここで配付された資料もいただきまして詳しい説明を受けました。これを見ますと、二千五百二十億円には可動席は含まれていません。可動席については、いまだ設計途中ということで、この費用の外に置かれています。加えて、オリンピックには間に合わない部分の建設費も含まれていないと。そうすると、オリンピック後も含めたこの新国立競技場の総工費、本当の総工費というのは一体幾らになるのか、お答えください。
  97. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 国立競技場の整備計画につきましては、設計者側との協議の結果、二〇一九年ラグビーワールドカップに確実に間に合わせるため、段階的に整備するということといたしました。  具体的には、オリンピックパラリンピック大会後に整備する予定のものは、開閉式遮音装置、芝育成補助システム、そして東西面のガラスカーテンウオールでありまして、それらに掛かる工事費は、設計者の試算によれば合わせて百八十八億円であります。  また、簡易着脱式可動席につきましては、今後詳細設計を行うということで、その工事額については詳細設計を行う中で定まることとなりますが、元々の電動式可動席にした場合は予算が六十二億円というふうに計上していて、これをコストダウンをするための簡易着脱式可動席でありますので、当然それよりは低額の予算になってくる、工事額になってくるというふうに想定しております。
  98. 田村智子

    田村智子君 それを足し上げると、二千七百八億円プラスアルファ可動席分、これが全体の総工費ということになると思うんですね。これが今後、もっと工事費の高騰とか人件費の高騰で膨れ上がる危険性もあるわけです。当初の建設費は一千三百億円、この二倍以上になるというのはもう確実なんです。基本設計からも一千億円以上費用が膨れ上がると。  それでも、私が驚いたのは、有識者会議では批判的な意見は出されていないと報道されていることなんです。これまでも建築関係者始め国民から計画見直しの意見というのは繰り返し示されてきました。しかし、有識者会議は耳を傾けず、現行案の後押しをしてきました。私は、その無責任さというのは目に余るものがあると思います。この有識者会議の了承をもって国民の了承、合意が得られたなどとは全く言えない。実際、読売新聞、六日の発表の世論調査でも、八一%が建設計画を見直すべきと回答している。現行デザインのまま建設することを歓迎するという意見は、報道を見ても私は皆無に等しいというふうに思います。  文科大臣、この国民の批判、見直しを求める意見をどのように受け止め、どう対応されますか。
  99. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 新国立競技場の整備につきまして、特に建設費用が当初の予定を大幅に上回る見込みとなったことについては、国民の皆さんからも懸念や批判があるということは報道等を通じて当然承知しておりまして、真摯に受け止めたいと思います。  新国立競技場の整備は、平成二十五年九月のIOC総会におきまして二〇二〇年オリンピックパラリンピック競技大会の東京開催をオールジャパン体制で勝ち取る原動力の一つになったことは事実であります。当時、厳しい中で、これも一つのセールスポイントとして、結果的に東京都がほかの二都市よりも上回ったという要因になったということは事実であると思います。  また、東京都心に位置する八万人規模のスタジアムについても、今後、国際競技大会の継続的な招致、開催にも資するレガシー、これは例えばサッカーワールドカップを開く場合には八万人規模でなければできないということでありますが、我が国については今それがないということであります。  他方、改築に要する費用につきましては、建設物価や労務費用の高騰などにより多額の建設費用が必要となっております。しかし、先ほどもちょっと答弁をさせていただきましたが、それがそのまま国民負担として増やすということがないように、競技場の命名権販売や寄附の募集、また運営の民間委託など様々な創意工夫を行うこと、そして多様な財源の確保に更に努めることにより、そのようなことを一つ一つ丁寧に説明することによって国民の皆さんの理解が得られるように努力をしてまいりたいと思います。
  100. 田村智子

    田村智子君 説明されても理解できないと思いますね。というか、説明もできていないですよね。  先ほどの民主党の斎藤議員の質問で財源論ありました。そこで局長は、既に措置されたのが三百九十二億で、それから基金の取崩しで百二十五億、totoの収入で百九億という御答弁されましたが、これ建設費に充てられる丸々の額なんかじゃないでしょう。国立競技場の解体の費用、JSC等の移転の費用などで八十八・一億円、これはもう支払われる見込みになっていますよ、この中から。さらに、これまでに使われてきた建設の費用等々もここから出していくことになる。この今局長が答弁された額でさえも、建設費の二千五百二十億プラスアルファには丸々充てることなんかできないんですよ。そうですよね、局長。
  101. 久保公人

    政府参考人(久保公人君) 今おっしゃられた三百九十二億といいますのは、日本スポーツ振興センターの特定業務勘定の財源として確保しているわけでございまして、これにつきましては、それをどういうふうに使うかというのは、具体的な使途が何か制度で定められているわけではございませんので、三百九十二億の枠としてはこの新国立競技場の建設に充て得る枠という意味で申し上げたわけでございます。
  102. 田村智子

    田村智子君 だから、財源としてそれが丸々使えるということにならないわけですよ。これからJSC移転するわけです。日本青年館も移転で、それに対する補償をどうするか、これもまだ決まっていない。そういう額を全部丸め込まれているんですよ。  大臣にもお聞きしたいんですね。  だから、結局、幾ら、じゃ、もう確保されたお金かと言えないわけですよ、分からないんですよ。分からないです、幾らがもう財源として確保されているのか分からない。じゃ、財務省と一体どんな話合いになっているのか、この点是非お聞かせいただきたいと思います。
  103. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 財務省と具体的なことについては、先日、JSC有識者会議で二千五百二十が建て替えとして了承されたということをもって、これから説明を詳しくしてまいりたいと思っておりますので、今時点で具体的な詰めを行っているわけではございません。  ただ、先ほど申し上げましたように、多様な財源を確保してこの国立競技場の整備については賄うという基本方針がございます。国費だけでなく、スポーツ振興くじの財源、また東京都に対しても一部負担、費用をお願いをしているところでございます。  いろんな創意工夫によって進めていきたいと思いますが、財務省については、平成二十八年度の概算要求、そのときそのときの相当額についてきちっと説明をしながらお願いしてまいりたいと考えております。
  104. 田村智子

    田村智子君 これ、私も昨日から、一体幾ら財源確保されているのか、マスコミでは、この部分は確保されている、これだけ足りないという表なんかも出ているので、それを何度も問い合わせているんですけれども、今の時間になっても出てこないんですよ、幾ら財源が確保されているのか。つまり、全く分からないということですよ。それで、こんないろんな、こういうこともある、こういうこともあるということを入れて、東京都の負担だって幾らになるか分からないわけですからね。東京都の負担といえば、それは都民にとっては税金ですから、税金使わないようになんていうことは全く成り立たないわけですよ。  こんな公共事業、まさに前代未聞。これで私、契約なんていうのはあり得ない、契約しちゃいけないというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
  105. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 今はっきり二千五百二十億についてのそれぞれの積算根拠で合計こうなるということを申し上げられる状況ではありません。それは、しかし、いいかげんだとかそういうことじゃなくて……(発言する者あり)いや、そういうことではなくて、例えばスポーツ振興くじにおいても、これは超党派の議員連盟でこのことが、以前から五%から一〇%に対する負担については検討しようという協議を進めていただいている最中でありますし、また、東京都とも、昨日、遠藤オリパラ担当大臣が舛添氏に会って、協力してもらう前提で今後協議をしていこうということも進められているわけでありますから、最終的にしっかりと賄うようなスキームについてはもちろん当然作ってまいりますが、今の時点で確定していないからこれは契約できないということでは全くないと思います。
  106. 田村智子

    田村智子君 これは余りに無責任だと思いますよ。私、契約、絶対やったら駄目だということを改めて申し述べたいというふうに思うんですね。    〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕  それで、先ほどもありましたけれども、槇文彦氏ら建築家の皆さんが代替案ということも示して、本当に今見直すべきだということもやられたと。それをいろいろ検討したということはもう御答弁いただいたので、私、時間短いから答弁いただきませんが、結局、大臣答弁を聞いていますと、先ほどもありましたオリンピックの公約としてやっぱり東京オリンピックというのを招致した、その一つのセールスポイントがザハ案のデザインだったということを繰り返し答弁される。  しかし、これ、毎日新聞七月一日付け、IOCのジョン・コーツ副会長へのインタビューが掲載されています。そこで、新国立競技場の現行案を変更できるのかと問われて、それは政府が決めることだ、変更したいと思えばすればいい、五輪を象徴する施設にしたいと言っていたが、我々が象徴的な施設を求めたわけではない、総工費が増大して負担となることは心配している、国民にとって満足できる施設になってほしいと、こうお答えになっているわけですよ。  現に、東京都は、競技会場を東京以外に広げるということをもう決めてIOCに了承を得ているわけですよ。これに対してIOCが公約違反だと言ったかと。セールスポイントはコンパクトなオリンピックだったわけですよ。それがもう東京都の外に飛び出しているわけですよ。それに対してIOCはコスト削減を歓迎しているわけです。  そうすると、新国立競技場についても、大臣が言われたような答弁とは全く違うと思いますが、いかがですか。
  107. 下村博文

    国務大臣下村博文君) この国立競技場は、二〇二〇年のオリンピックパラリンピックメーン会場だけでなく、その前の年の二〇一九年九月のラグビーワールドカップの決勝戦等、メーン会場にもなるところであります。  これまでも、基本デザインは維持しながら、規模の縮小等必要なデザインの見直しを行ってきておりますが、今年六月に、仮に槇さんたちの案のようにデザインを全く新しいものに変えるということを前提で試算したところ、設計者の随意契約、また施工者の技術提案、それから交渉方式による選定を、つまり一番コンパクトで、まあ年月掛からないでやるということで前提としたとしても、設計開始から竣工までには二〇二〇年六月まで掛かる、つまり六十一か月、五年一か月掛かるということが試算されました。これは私もいろんな方々に客観的にお聞きしましたが、オリンピックパラリンピック直前で、オリンピックパラリンピックのためのプレイベントもできなくなる、そもそも二〇一九年九月のラグビーワールドカップに間に合わないという結果でありました。ラグビーに間に合わなくてもいいのではないかというのが槇さんたちの提案の一つでありましたが、これはもう国際協約の中で二〇一九年九月のラグビーワールドカップ、間に合わせるための国立競技場の建て替えということもこれは同時に世界に対して約束をしていることであります。  そういうことと、それから先ほど答弁させていただきましたが、ザハ・ハディド氏のアーチ構造のデザインを示してプレゼンテーションを行い、そして結果的にそれも大きな要素として東京招致を勝ち取ったという経緯があるということは、これは事実であるというふうに思います。そういう意味で、このデザインの大幅な変更をするということは、これは我が国から見たらIOCとの信頼関係やあるいは我が国の国際的信用を失墜しかねないというふうに考えております。  そういう意味で、東京オリンピック競技大会の競技会場の中で、国立競技場大会の主会場としての開会式、閉会式を行う極めて重要な施設である、それからラグビーワールドカップに間に合わせる必要があるということで、国際的にも約束した基本的なデザインを維持するということを決めたわけであります。
  108. 田村智子

    田村智子君 IOCに問い合わせてもいないわけですよ、見直ししていいですかって。現にそのコンパクトなオリンピックはもうなくなっちゃっているわけですよね、東京の外にも会場を広げて。そのことについて何も公約違反なんて言われていないですよ。これは全く理由になっていない。ラグビーに間に合わないって、間に合わなくさせたのは誰なのかということを言いたいですよね、本当に。    〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕  もう一つ、この間ずっとマスコミなんかでも言われているのは、ザハ氏との訴訟が起こってしまったらこれは建築ができなくなるということもしきりに言うわけですよ。しかし、槇文彦氏は、これはザハ氏はデザイン監修者にすぎない、施主が契約を終了させても国際法上は問題があるとは思えない、このような前例は幾らでも存在すると、これ読売の取材に答えているわけです。  そもそも、一千三百億円程度という募集の要件をザハ氏の案は満たしていなかった。加えて、ザハ案のアーチ型鉄骨や複雑な曲線ばかりの屋根や壁面などは技術的にも困難で、総工費が膨大になることも明らかとなった。  問題は、契約終了の、言ったら訴訟になっちゃうことを恐れることよりも、私は、もはやこのザハ案に対して国民的な支持はないわけですから、国民の支持がどんどん離れていくこと、このことの方が重大問題だと思いますよ。国民の反感が広がったままでラグビーワールドカップオリンピックを迎える、この重大性、どうお考えになりますか。
  109. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 国民の皆さんには何が問題かということでいえば、予想以上にコストが掛かった、そのコストの掛かった部分が税金投入されるということによって国民の血税がその分掛かるのではないかと、そういう御心配だというふうに思います。ですから、それについては、多様な財源を確保することによって国民の税金が増えないような工夫については、これはきちっとしていく必要があると思います。  一方で、ラグビーワールドカップも含めて、じゃ、間に合わない、あるいは違うものに変えるからそれは違う会場でいいじゃないかということについては、国民の皆さんがそう思っているかどうか分かりませんが、これは関係者の中で約束してきたことでありますから、それはラグビーワールドカップの関係者の方々はこの国立競技場メーン会場として使うという国際協約の中で進めているわけでありまして、それを破棄することは、これはできないと。  ですから、間に合わせるということがまず前提。それから、もう一つは、創意工夫の中で、できるだけ国民の税金が掛からないような工夫をするということによって国民の皆様方の理解が得られるような、そういう積み重ねをしてまいりたいと思います。
  110. 田村智子

    田村智子君 最後に一言だけ。  国民の批判をそれは余りに過小に見ていると思います。契約絶対やったら駄目だということを重ねて申し上げて、質問を終わります。
  111. 松沢成文

    ○松沢成文君 次世代の党の松沢成文でございます。  大臣、唐突な問いかけですけれども、二兎を追う者は一兎をも得ずということわざ、御存じですよね。もちろん文科大臣にこんなことわざの意味を聞くのはやぼですけれども、簡単に言うと、二匹のウサギを一緒に追おうとして、二兎とも捕まえようとしても二兎とも逃しちゃうよということわざですね。私は、今完全にこの国立競技場の建設問題というのはこういう状況に陥っていると思うんです。  ラグビーのワールドカップと東京オリパラ、これ二匹のウサギですね。これ両方とも成功させようと無理に無理を重ねるので、もう国立競技場の工事費はどんどんどんどん上がっていく、工期が間に合わないんじゃないかと言われている。ラグビーに間に合わせるため、あるいはオリンピックに間に合わせるためにはもう屋根もなしだ、可動席も後回しにしよう、後回しというか、これ仮設席になっちゃうかな、分からないんですけれども、あるいは芝生の育成装置も後回しにしよう。でも、そんなことをやっちゃったら、オリンピックが終わった後、またその工事をやらなきゃいけない、そこにもお金が掛かる、そして、それはその後の新国立の運営費にも影響を与えちゃうんじゃないか。こうやって二兎を追おうとするから全部がおかしくなっているんですよ。  こうやって混乱したときは、大臣、選択と集中です。しっかりとラグビーのワールドカップと東京オリンピックの成功をさせるために、二つをちょっと切り分けて考えて、両方成功させる道はないのか、こういうふうに考えないと政治決断というのは私はできないと思いますね。  さあ、そこで伺いますけれども、まず、ラグビーのワールドカップまでに新国立競技場を造るというのは、何度も大臣はおっしゃっていますが、国際公約であり絶対条件であるということですが、その根拠をお示しください。
  112. 下村博文

    国務大臣下村博文君) ラグビーワールドカップオリンピックパラリンピックを両方成功させるということは、必ずしも二兎を追うということでは私はないと思います。ですから、例えとしてこれに当てはまるとは思いませんが、しかし、まず御質問についてでありますが……(発言する者あり)  まず御質問についてお答えしたいと思うんですが、この国立競技場につきましては、平成二十三年二月にラグビーワールドカップ二〇一九日本大会成功議員連盟におきまして八万人規模のナショナルスタジアムへの再整備について決議がなされ、その後、同年七月に東京都が二〇二〇年オリンピックパラリンピック競技大会の開催都市に立候補したという経緯から、両大会の主会場とすることを念頭に改築計画が進められてきたところであります。  平成二十六年十月には東京都が国立競技場を試合会場とする計画で二〇一九年ラグビーワールドカップの国内での開催都市に立候補し、今年三月にラグビーワールドカップリミテッド、これはラグビーワールドカップ大会主催者でありますが、ここの理事会におきまして、開催都市十二会場が決定された際、国立競技場での決勝戦及び開幕式の開催も決定されたという経緯がございます。その後、ラグビー大会組織委員会と東京都は国立競技場を試合会場とすることを前提に開催のための契約を締結をし、政府も、ラグビーワールドカップ二〇一九年に間に合うよう新国立競技場を完成させる必要があるというふうに考えて今準備をしているところであります。
  113. 松沢成文

    ○松沢成文君 今大臣に経緯お話しいただきましたけれども、実は、二〇〇九年にラグビーのワールドカップを日本でやりたい、これは日本国でやりたいということですね。何も東京じゃなくていいんですよ、オリンピックは東京という都市で立候補していますが、ラグビーはあくまでも国でありますから。それで、申請したときにはまだ旧国立競技場が会場の一つだったんです、横浜スタジアムとか。ですから、立候補したときにはラグビーは新国立でやるというのは一切なかったんですね。そのときは旧国立でした。  私は実はそのとき知事を務めていまして、横浜市長と神奈川県知事、ラグビー協会に呼ばれました。それで、できれば横浜の競技場の方が旧国立より大きいからそこで準決勝、決勝もやりたいので、是非とも横浜市、神奈川県、協力してほしい、スタジアムの改修が必要ですからね、こういうことも言われているんです。ですから、ラグビーのワールドカップに立候補したときは新国立なんという構想がまずなかったんです。むしろ、やるとしたら横浜でもいい、あるいは埼玉でもいいわけだったんですね。  それから、今ラグビーワールドカップリミテッドのお話がありました。これは、ワールドラグビーという国際組織があります。その下につくっている子会社みたいなもので、ここがラグビーのワールドカップを運営するんですね。ここの理事会で会場を決めるんです。そのときに、今年の三月に理事会に出したのが新国立競技場なんですね。それで、横浜とか釜石とか、いろいろ十か所ぐらい入っていたんですね。  でも、これは理事会で決めることなので、変更は決して不可能ではありません。だって、今、オリンピックの会場、IOCの理事会でどんどん変更しているじゃないですか。こうやって変更できるんですよ。これ、国際公約変えられないというんじゃなくて、日本が変えたがらないだけなんです。  オリンピックは八万人です、条件は、スタジアムね。ラグビーは六万人以上ですから、七万二千人入る横浜でも、あるいは今回会場には入っていませんが、本当はサッカー専門の埼玉スタジアムの方がこれ見やすいんですね、ピッチと近いですから、陸上競技場がないから。ここだって六万人以上入るんですね。でも、埼玉スタジアムがまたやると言い始めると、今度、同じ埼玉で立候補している熊谷が怒っちゃうので、そこら辺ちょっと難しいところあるんですけど。  そうやって、ラグビーのワールドカップは新国立を使わなくても十分対応可能だし、国際組織も、日本から言えば絶対に、そんなの絶対困るとは言いません。契約があるから違約金とかそういう問題は出てくるかもしれませんけれども、でも、これはスポーツの祭典を成功させるために、日本の事情がこうだから是非とも横浜でとか埼玉でというのは十分可能です。その上、横浜も埼玉もFIFAサッカーワールドカップの準決勝、決勝、経験していますからね。もう地域でもそういう大きなマッチをやるときの準備もできているわけですよ。  ですから、私は、大臣が国際公約だとかラグビーワールドカップは絶対変えられないと言うのは、私はおかしいと思います。それは日本の政治の決断なんです。それを逃げているんです。  じゃ、皆さん、もしラグビーのワールドカップをほかの会場でやるとする。そうしたら、約十か月期間が延びるわけですよ。その十か月を使えば、槇さんが言うような、新しく設計からし直して新しいものを造り直す、コンパクト五輪を実現するということも可能だし、あるいはどうしても今のザハ案にこだわってキール方式でやりたいとなっても、でもその工期が約十か月延びますから、屋根も芝生の育成装置も、あるいは可動式のスタジアムもフルスペックで造り上げてオリンピックを迎えることもできるんです。  ですから、私はそれを選択と集中と言っているんですよ。なぜ、そういう決断を政治がしないのか、これについてはいかがでしょうか。
  114. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 論理立てて説得力があるようなお話のされ方ですが、これは例えば私一人で決めるとか、そういう政治決断という話ではないんですね。  経緯については、そういう経緯があったということはそのとおりだと思います。ただ、その後、先ほど私が申し上げたような、国立競技場については決議とか、それからその後の二〇二〇年の東京オリンピックパラリンピック招致が決まったという中での国立競技場の建て替えの中で、ラグビーについては、ラグビーの日本における大会組織委員会とそれから東京都がこの国立競技場を試合会場とすることを前提として開催のための契約を締結しているという、そういう経緯がありますから、何か政府が全部決められるとか、そういう話ではまずないということであります。  それから、槇さんの案が間に合うということで、私も直接お会いしてお話を聞きました。ただ、この場合は、ラグビーワールドカップはこれは間に合わないから違う場所でやって、オリンピックパラリンピックに間に合うためにという今のお話でありまして、それについてはお聞きいたしました。  先ほど申し上げましたように、これは相当のリスクがあると。つまり、普通の手続をしても二〇二〇年の六月になってしまうと。超法規的にという言い方を実際槇さんたちも言われていましたが、本来、一年、二年掛かることを、一年半掛かることを、許認可を半年に短縮するとかいう意味での超法規的ですが、そういうことをすれば間に合うという前提でありましたが、これは、利害関係に合致しないいろんな業界の方々にも私お聞きしてお話をしましたが、間に合うか間に合わないかについては、これはリスクがある、これは絶対間に合うとは言えないと。  ですから、例えばラグビーワールドカップを違う場所にして、そして新たにもう一度ゼロから造り直しをする、国際公募をしながらという形をしても、オリンピックパラリンピックについてもぎりぎり間に合うか間に合わないかというリスクがあるということの中で、これはラグビーワールドカップも、それからオリンピックパラリンピックも必ず成功するということが前提ですから、ですから、間に合わせるということと、それからコストの問題については、これから創意工夫しながら国民の皆さんに対する努力をしていくということが政治判断だというふうに私自身は考えているところであります。
  115. 松沢成文

    ○松沢成文君 大臣、この間に合う間に合わないの議論の中で、文科省にも聞いたんですけれども、オリンピックの前の年に、プレ五輪というんですか、これやりますと。だから、きちっとそれができるような状態にしないといけないので、ラグビーがいなくなったからといって、じゃ、オリンピックの前の年にプレ五輪やるんだから、それまでに間に合わせなきゃいけないので、工期が長くなるというのはないんですよというお答えもいただいたんですが。  ただ、私、昨日の説明資料をよく見ましたら、ラグビーのワールドカップは仮設席でやるんですね。ですから、常設席があって、その前に仮設席を造って、できるだけフィールドに近いところまで見れるようにしようとやるんですね。それを置くので、陸上のトラックの、簡単に言えばじゅうたんですよ、これは敷かずに、傷付いちゃうから、仮設席でやろうと。ラグビーのワールドカップは一九年の九月、十月でやるんです。それが終わって仮設席を取って、それからトラックのじゅうたんを敷き始めるんですね。この工事をやっていたら二、三か月掛かりますよ。そうすると年が終わっちゃいます。ですから、プレ五輪を前年にやることはできないんですね。ですから、事ほどさように様々なことがこんがらがっちゃって、今、問題が複雑化しちゃっているというところなんです。  さあ、もう一点聞きますけれども、昨日の有識者会議でサッカー協会の小倉会長が最後に発言されたそうなんですが、実は、この新国立競技場にはまだまだ将来いろんな可能性がある、サッカー、FIFAワールドカップをもう一度今度は日本でやりたい、そのためには八万人の常設席が条件だと。今回の有識者会議での資料では、常設席を仮設席にして経費を減らしますと言ったんですね。じゃ、そのままだと八万人行きませんから、一万五千引くと六万五千なんです、常設席は。そうすると、サッカーのワールドカップが、今度は招致将来するときに条件厳しくなっちゃう、そんなのは困ると。  この国立競技場の財源にはtotoの収益使うわけでしょう。totoというのは、サッカーやる人がみんなで賭けというかゲームをして楽しんで、その収益を使うわけです。そのサッカーファンのお金も使っておいて、税金プラスですよ、それで、結局、サッカーのワールドカップを招致しようとするときに、あれだけ自分たちがtotoでやったお金も回しているのにサッカーのワールドカップができないじゃないか、これでレガシーになるのか、これで本当に日本のナショナルスタジアムでいいのか、こういう批判も来ると思いますが、いかがですか。
  116. 下村博文

    国務大臣下村博文君) まず、プレ大会が前年度にできないのではないかという御指摘がありましたが、これは正確ではございません。新しく建設する国立競技場の陸上競技トラックの舗装工事については、JSCにおきまして、二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック競技大会の開催に向けて、ラグビーワールドカップ二〇一九の閉幕後四、五か月の工事で整備する見込みであるというふうに聞いております。  今予定されているのは、サッカーを二〇一九年の十一月から十二月ぐらい、それから陸上競技は二〇二〇年の二月から四月ぐらいでプレ大会をするということであります。この国立競技場で行うテストイベントとして、このように陸上競技、サッカー、予定されていますが、その時期や内容については、今後、大会組織委員会と関係競技団体との間で協議される予定でありますので、この工事期間との調整をしながら、前年度からプレ大会をするという今立て付けをしているところでございます。  それから、八万人規模が常設されていないとサッカーのワールドカップ招致できないということについては、有識者会議で小倉さんの方からそういう案がといいますか、提案といいますかね、賛成する前提として、それが見通しが付かないと賛成できないという話があったというふうに聞いております。それについては、JSCの河野理事長の方から、ワールドカップサッカーができること前提で、二〇二〇年以降検討したいというふうに答弁したというふうに聞いております。
  117. 松沢成文

    ○松沢成文君 私は、この現行計画のままで突っ込んじゃうと大変な事態になる可能性が私は強いと思っているんです。工事費がどんどんどんどんかさんでいく、挙げ句の果てに間に合わないと、こうなったとき、これ、誰が責任取るんでしょうか、国民のためのオリンピックと言っておきながら。  私は、大変僣越な言い方しますが、やっぱりこの両方の大会を成功させるために新国立をと言ってリーダーシップを取ってきたのは森組織委員会会長だと思います。私は、そういうスポーツ界のドンですから、それだけの政治力のある方だと思いますし、私も親しくしています。私もラグビー議連にも入っていますし、スポーツ議連にも入っています。これは、オリンピックラグビーワールドカップも何が何でも成功させたいと思っている一人ですよね。  ただ、ここまで来たら、私は政治決断が必要だと思っています。文科大臣と、新しく生まれた遠藤オリパラ担当大臣と、それと、もうこれ国家プロジェクトですから安倍総理と、是非とも話合いをして、森元総理のすごく意向が強いと思いますけれどもね、これ、ラグビーまでに間に合わせて、ラグビーオリンピックも成功させるんだと。でも、ここはしっかりと進言をして、やっぱり大上段からの大きな決断をしていただきたいと思います。私は、森元総理もきちっと話せば分からないわけではないと思います。そういう本当の政治家のぎりぎりの決断をきちっとしていかない限り、私は、このまま泥沼に入ってこの両大会が成功できないということにもなりかねないと思いますので、是非ともよろしくお願いいたします。  以上です。
  118. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午前十一時四十七分散会