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2015-05-26 第189回国会 参議院 文教科学委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年五月二十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月十九日     辞任         補欠選任      新妻 秀規君     石川 博崇君  五月二十日     辞任         補欠選任      石川 博崇君     新妻 秀規君  五月二十一日     辞任         補欠選任      森本 真治君     石橋 通宏君  五月二十二日     辞任         補欠選任      石橋 通宏君     森本 真治君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         水落 敏栄君     理 事                 石井 浩郎君                 二之湯武史君                 神本美恵子君                 斎藤 嘉隆君     委 員                 赤池 誠章君                 衛藤 晟一君                 橋本 聖子君                 藤井 基之君                 堀内 恒夫君                 丸山 和也君                 吉田 博美君                 榛葉賀津也君                 那谷屋正義君                 森本 真治君                 秋野 公造君                 新妻 秀規君                 柴田  巧君                 田村 智子君                 松沢 成文君    国務大臣        文部科学大臣        国務大臣     下村 博文君    内閣官房長官        内閣官房長官  世耕 弘成君    副大臣        文部科学大臣  丹羽 秀樹君    事務局側        常任委員会専門        員        美濃部寿彦君    政府参考人        内閣官房202        0年オリンピッ        ク・パラリンピ        ック東京大会推        進室室長代理        兼文部科学省ス        ポーツ・青少年        局長       久保 公人君        文化庁次長    有松 育子君    参考人        独立行政法人日        本スポーツ振興        センター理事   鬼澤 佳弘君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成三十二年東京オリンピック競技大会東京  パラリンピック競技大会特別措置法案内閣提  出、衆議院送付) ○平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別  措置法案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成三十二年東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会特別措置法案及び平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房2020年オリンピックパラリンピック東京大会推進室室長代理文部科学省スポーツ青少年局長久保公人君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 異議ないと認め、さよう決定します。     ─────────────
  4. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成三十二年東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会特別措置法案及び平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法案審査のため、本日の委員会参考人として独立行政法人日本スポーツ振興センター理事鬼澤佳弘君の出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定します。     ─────────────
  6. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 平成三十二年東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会特別措置法案及び平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法案の両案を一括して議題といたします。  両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 橋本聖子

    橋本聖子君 おはようございます。自民党橋本聖子でございます。スポーツ庁設置法案に引き続いて質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  二つの措置法議題となりますけれども、まず私からは、三十二年東京オリンピック大会、そしてパラリンピック大会特別措置法についてお伺いをさせていただきたいと思います。  今回のオリパラ特措法案は、大会準備運営を総合的そして集中的に推進する本部設置すること、そして限られた期間内に大会準備に強いリーダーシップを発揮する専任大臣を置くことを定めるものでありまして、かねてから関係団体が熱望していたことでもあります。  私も、昨年の十月三日でありましたけれども、自民党の、東京大会、このパラリンピックそしてオリンピック推進本部というのがありますけれども、その推進本部長という立場で自公両党による本部及び専任大臣設置を求めることを政府お願いをしてきたという経緯がありまして、本法案成立によって担当大臣を中心とする本部が、組織委員会やあるいは東京都、そしてJOC、JPCなどの関係団体との緊密な連携の下に大会準備して、より一層強力に推進していくことを本当に期待しているところであります。  まず最初に、過去の特措法との比較についてお伺いをしたいと思いますけれども、まずは三十九年に行われた東京大会、そして冬でありますけれども、昭和四十七年の札幌大会、そして平成十年の長野大会、また十四年にはワールドカップサッカーに対しても、その時々で特別措置法案が制定されたということはもう当然承知をしていることなんですけれども、今回の特別措置法というのは、過去の特措法と比べて相違点は何か、そしてその理由、そして、まず最初に私が大臣にお伺いしたいのは、今回は今までと違って早い段階でこの専任大臣を置いていただくということになるわけなんですけれども、これについて、今回の特色といいますか、目玉といいますか、強調点は何かということをまずお聞きしたいと思います。
  8. 下村博文

    国務大臣下村博文君) おはようございます。  今、橋本委員から御指摘ございましたように、スポーツ競技に関する特別措置法、四つの制定がございました。今回の法案ではこれまでと異なりオリンピックだけでなくパラリンピック準備及び運営対象としており、法案の名称にも東京オリンピック競技大会、そして東京パラリンピック競技大会も併せて明記したところでございます。  また、規定内容について異なる点としましては、大会の円滑な準備及び運営に関する施策を総合的かつ集中的に推進するための東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会推進本部基本方針に関する規定、また、専任大臣を置くために、内閣法が定める大臣上限数を一名増員する改正規定を新たに置いたところが特徴として挙げられるというふうに思います。  すなわち、今回の特別措置法では、オリンピックパラリンピック一体性に配慮したこと、また、政府全体として大会の円滑な準備運営に取り組むための必要な措置を盛り込んでいることが特徴でありまして、この二〇二〇年のオリンピックパラリンピックをターゲットイヤーとして、あわせて、日本全体を元気にしていくと。  また、先日、スポーツ庁設置も国会において認められたわけでございます。十月につくるわけでありますが、スポーツ立国、あわせてまた文化芸術もそうですが、このオリンピックパラリンピックをきっかけに、日本全体を活力のある、そして全ての国民がスポーツによって健康が享受できるような、それをトータル的に行うために、今までにないようなしっかりとした取組をするということが今回の特措法の背景にもあるところであります。
  9. 橋本聖子

    橋本聖子君 ありがとうございます。  それだけやはり二〇二〇年のオリパラというのは国を挙げてしっかりと組織運営をし、そして世界に発信し、そしてそれ以降、この国の姿をしっかりと示していくべきだという、そういった強い思いがあって専任大臣を置いていただくということ、大臣特色等も含めてお話をしていただいて、大変心強く思っているところです。  今回、こういった早い段階専任大臣を置いていただくということは、特にスポーツ関係団体現場においては非常に心強いことなんですけれども、ただ、オリンピックをこれから期待している見る側の、準備をする側はもう大変忙しいわけなんですけれども、見る側の方たちというのはあと五年もあるんだというふうに感覚がちょっとなるかもしれません。でも、特に現場、私もJOC選手強化本部長選手育成強化をやっている人間としてはたった五年しかないと、もう本当にあと五年でどれだけの選手を育てることができるのと考えると、とにかく今、毎日毎日、時間がない中でいろいろな対応を迫られながら現場との連携を取ってやっていっているような状況なんですけれども。  今大臣がお示ししていただいた特色のある強調点をしっかりと基本方針にも盛り込んでいただけるということを期待しているところなんですけれども、その基本方針策定に際して、東京都あるいは組織委員会との連携はどのように取っていただけるのか。その点について、オリパラ大臣としてお答えいただきたいと思います。
  10. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 本法案規定されている御指摘基本方針でありますが、国として大会の円滑な準備及び運営に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図る観点から、一つは、大会の円滑な準備及び運営推進意義に関する事項、また、政府が実施すべき施策に関する基本的な方針、さらに、政府が講ずべき具体的な措置などについて記載をすることとなります。  この基本方針策定に当たっては、大会準備運営に当たる組織委員会、それから東京都と十分な連携を図る必要があると考えておりまして、この基本方針の具体的な内容については法案成立後にしっかり検討してまいりたいと思います。
  11. 橋本聖子

    橋本聖子君 残すところあと五年といっても、本当に急がなければいけないところですので、この法律が通りましたら、是非早急に、各省庁との連携も取りながらしっかりとやっていただきたいというふうに思います。  前回東京大会と比較して、競技への参加数ですとか、また、来日の外国人あるいはパラリンピアン対応等ということで、大変な業務が増えるというか想定されるということで専門大臣を置いていただくということだというふうに思うんですが、今回設置をされるこのオリパラ担当大臣のまず具体的な役割とそして権限をお聞きしたいということ、そしてもう一つ設置の時期、そして事務局体制、この三点について、局長でしょうか、お願いしたいと思います。
  12. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 本法案におきまして、オリンピックパラリンピック担当大臣は、内閣総理大臣の命を受けて、大会の円滑な準備及び運営に関する施策の総合的かつ集中的な推進に関し内閣総理大臣を助けることをその職務といたしまして、大会の円滑な準備及び運営に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るために内閣に置かれる東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会推進本部の副本部長に充てられることとされております。  一方、スポーツ庁長官につきましては、文部科学省の外局でありますスポーツ庁の長として、東京大会で好成績を上げるためのアスリート競技力向上オリンピックパラリンピックムーブメントの国内外への普及など、文部科学省が所管いたします競技水準向上スポーツ振興などの事務事業を担うこととされているところでございます。  オリンピックパラリンピック担当大臣の任命の時期につきましては、本法案成立して公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行された後、内閣総理大臣において判断されることとなってまいります。  大会推進本部事務体制人員規模につきましては、現時点では未定でございますけれども、既存の内閣官房オリンピックパラリンピック推進室大会推進本部事務を処理することとし、政府における東京大会準備業務が適切に推進できるように必要な体制を整備してまいりたいと考えております。
  13. 橋本聖子

    橋本聖子君 今御説明をいただいたんですが、ちょっともう一度お聞きしたい点なんですけれども、スポーツ庁設置をされて、そしてスポーツ庁長官の下で各省庁からのスポーツ施策横串を入れるというような、そういった役割の中にオリパラも入っているということなんですが、オリンピックまでの期間ということであると思うんですけれども、オリパラ大臣の例えば現場への強化体制ですとか、そういったものへの役割権限と、スポーツ庁長官との連携というものをもう一度お聞かせいただきたいというふうに思います。
  14. 久保公人

    政府参考人久保公人君) オリンピックパラリンピック担当大臣は、二〇二〇年のオリンピックパラリンピックが大成功を収めますように、各省庁が所管しております様々な業務、それ自体は各省庁責任を持って担当いたしますけれども、セキュリティーですとか安全対策、さらに防災、ライフライン、あるいは復興対策大会連携した地域交流、それから税関、入管、検疫、さらに首都圏機能機能強化、アクセス、バリアフリー、外国人旅行者受入れ等、様々な面につきまして、各省推進を全体を把握しながら調整をして必要な指令を出していく、各省推進状況本部会議でヒアリングしながら適切な指示を出していくというのが、そして大会成功に導くというのがオリンピックパラリンピック担当大臣役割でございます。  これに対しまして、スポーツ庁長官及びそれを統括いたします文部科学大臣は、繰り返しになりますけれども、文部科学省の所管でございますスポーツ振興アスリート競技力向上、あるいは地域スポーツ振興、これをまず第一義的に責任を持って行うというような役割分担になると考えているところでございます。
  15. 橋本聖子

    橋本聖子君 ありがとうございます。  大変なオリンピックパラリンピックの大きな舞台といいますか、その舞台をつくり上げるというのがいわゆるオリパラ専任大臣の仕事なのかなということを今理解をさせていただいたわけですけれども、過去のオリンピックとは違いまして、特にこれからのオリンピックというのは、サイバーテロの問題ですとか、本当に想定外のことまで考えて、しっかりとしたセキュリティーも含め準備をしていかなければいけないということにおいては、非常に大変な役割ではないかなというふうに思っております。  少し私自身の話で恐縮なんですけれども、私はオリンピック最後大会がアトランタの大会、夏だったんですけれども、選手村の中のごみ箱爆弾が仕掛けられておりまして、爆破したということが期間内にありました。もう忘れ去られた問題だというふうには思うんですけれども、私は少しトラウマになっておりまして、ちょうどその近くを間一髪で通り抜けたんですね。選手村というのは広いものですから、食堂に行く、あるいは部屋に行く、トレーニングルームに行く、全て選手村内の中のカートで移動するという、そういった輸送機関が中にもありまして、それで選手たちは移動するんですけれども、ちょうど仕掛けられたごみ箱爆弾が爆発しまして、もうぎりぎりの状況で助かったというような経験をしました。  そういった意味においては、オリンピック成功させるためには何といってもアスリートの安心と安全、これをしっかりと確保していかなければいけないということが開催国として認められた国の責務だというふうにも思っているわけですけれども、こういったことにおいて成功するかしないか、こういったことができるかできないか、これが国力といいますか、国として、世界に向かって信頼とまた尊敬といいますか、そういったことをいただくには大変重要なことだというふうに思っているんですけれども。  その中で、大会現場運営する重要なスタッフというとボランティアになると思います。そういったボランティア方たちの確保あるいは教育、これをしっかりと今から準備していく必要がありますけれども、その点についてどのような対策を考えているか、お聞かせいただきたいと思います。
  16. 久保公人

    政府参考人久保公人君) ボランティアに関しましては、二〇一二年のロンドン大会ではゲームズメーカーと名付けられた約七万人のボランティアを活用したと聞いております。  二〇二〇年東京大会ボランティアにつきましても、ロンドン大会と同規模が少なくとも必要であると考えております。今後、これにつきましては、組織委員会におきまして担当の部署も設置し、採用、研修等を行っていく予定であると伺っておりますけれども、当然、国のオリパラ室オリパラ本部におきましても、全体の中で政府もそれと連携しながら必要な注意を行っていく必要があると思っております。  様々な、そういう意味で、今後、需要なり必要事項がこれに関しましても出てくると思います。引き続き、組織委員会東京都等々の関連機関政府と適切に連携をしてまいりたいと考えているところでございます。
  17. 橋本聖子

    橋本聖子君 ありがとうございます。  今は参加国が大変増えてきておりまして、その様々な国々に対して、言葉の面もそうですけれども、文化違い等もあります、そういったこと全てにおいてしっかりとボランティア方たち教育して、まさにおもてなしの国だからこそできるボランティア運営といいますか、そういった大会にするためには、このボランティア教育というのはもう本当に重要なものになっていきますので、是非、各学校機関ですとかあるいは自治体、そういったところと連携をして人材育成というものをしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  大臣、かねてから、このオリンピックはまさに芸術文化を同時に発信する重要なものであるということを言っていただいておりまして、昨年の十二月ですか、二〇二〇年に向けた文化イベント等在り方検討会というものを開催をしていただいておりますけれども、文化プログラムというものは非常に重要だと思いますが、これの意義役割目標、そういったことを文科省としてどのように検討されているのか、具体的な施策を教えていただきたいと思います。
  18. 有松育子

    政府参考人有松育子君) 二〇二〇年のオリンピックパラリンピック東京大会は、まさにスポーツ文化の祭典でございます。  二〇一二年のロンドン大会では、北京大会が終了した後から四年間にわたりまして、英国文化世界発信等目標に掲げまして、全英各地文化プログラムが実施されたと聞いております。東京大会におきましても、二〇一六年のリオデジャネイロ大会後から四年間にわたりまして、地方公共団体や幅広い民間団体等連携をいたしまして、全国津々浦々で魅力ある文化プログラムを展開することによりまして、世界中の人々を日本文化で魅了したいというふうに考えております。  このことにつきましては、先週二十二日に閣議決定をされました、ちょうど二〇二〇年度までを対象といたします文化芸術振興に関する基本的な方針におきましても、文化プログラム全国展開するということを盛り込んだところでございます。さらに、文化庁では、先ほど先生からもお話にありました在り方検討会での若手アーティストなどからのいただいた御提案を踏まえながら、二〇二〇年に向けた魅力ある文化イベント全国展開するために、その実施の構想等につきまして現在検討を進めているところでございます。  今後は、組織委員会関係省庁地方公共団体と密に連携をいたしまして魅力ある文化プログラムを展開し、そして、二〇二〇年だけではなくてその先を見据えて、文化の力で地方創生を図るなど、日本社会を元気にすることで心豊かで活力ある文化芸術立国を実現することを目指してまいりたいと思っております。
  19. 橋本聖子

    橋本聖子君 ありがとうございます。  文化プログラムをやはり全国各地でやっていただきたいなというふうに思います。前回スポーツ庁設置法案のときにも、地方創生とそれを結び付けていただきたいというようなことでお願いをさせていただいた繰り返しになるんですけれども、選手選手村にいても大会が終わるとほかのところに行かなければいけないといったときに、これが地方創生と結び付けていく中で、交通費を出してあげたりですとか、地方に合宿を誘致するということによって選手たちは喜んで日本文化と触れ合う場所に行っていただけると思うんです。全ての選手がというわけではありませんけれども、そういった選手たちが来ることによって、また観光客も来る、そして地域文化力をまたアピールすることができるという、まさに子供たち本物を見せる絶好チャンスだというふうにも思いますので、その点についても是非強力に推し進めていただきたいというふうに思います。  教育について、今もう既に東京都と連携を取りながらオリンピックパラリンピックムーブメント、このオリンピック教育を各学校でしていただいているということは非常に現場人間にとっても有り難いことであるわけなんですけれども、オリンピック選手を身近に見れる、パラリンピアンと触れ合うことができるというのはどの国にできることでもありませんで、この二〇二〇年の東京大会というのはそういう意味では子供たち本物を見せる絶好チャンスだというふうに思うんですね。  強化体制の中で、ジュニアの時代から意識改革をし、そしてイメージトレーニング、コントロールできる子供たちを育てているというのも強化一つなんですけれども、少し面白い例があります。五感で感じる年齢といいますか、スポーツのこの感覚感動ですとかあるいは感激ですとか、そういった夢、希望ですね、それを、本物を見ることによってよりすばらしいその夢の力を、夢を力に変えることのできる年齢というのは一桁台の年齢と言われているんですね。  そして、オリンピックメダルを取る、あるいはオリンピックに出場した選手たちは、ほとんどがまず小学校のうちにオリンピックに出場したい、パラリンピックに出場したい、まあほとんどはオリンピックですけれども、に出場したいという夢をしっかりと掲げているんですね。そしてさらに、メダルを取ることができた選手たちは、小学校のときに、まだこれからどのように自分が選手として育っていくか分からないけれども、夢だけはどの競技で金メダルを取りたいというふうに明確に目標に掲げている子が約八割以上メダルを獲得しているんですね。  ですから、小さい頃にオリンピックパラリンピックを身近に見て、そして夢、希望感動を与えることができて、そこで将来が決まってしまうということもあると思うんです。ですので、今回の東京大会というのは、より心の意味においても、たくましい心と体を持った子供たちをつくり上げるという国家百年の計の教育にも非常に大きな役割を果たすものだというふうに思いますので、その点についても大臣には是非強力なリーダーシップの下にオリンピック教育というものも進めていただきたいというふうに思います。  あわせて、これからのプレ大会についても少しお話を聞きたいと思うんですけれども、オリンピックに向かって二〇二〇年、その前に当初から決まっていましたワールドカップラグビー、これ大成功に導かなければいけません。あるいは、一九年でいいますと、世界大会がめじろ押しですね。女子ハンドボールが九州熊本で行われるですとか、そういった世界大会がこれからどんどんどんどん日本に誘致してほしいと、そしてそのオリンピックの会場で、そのまま使うことができて、一九年や一八年にプレ大会をやってほしいというIFが相当これから出てくるというふうに思うんですけれども、そういった受入れ体制というのは非常に難しい。人材を確保する、成功させるには、またスタッフも国際人を早急に育てなければいけないという重要な問題もあるわけなんですけれども、それには、やりたくても当然開催の経費は掛かるわけです。ただ、大変であっても、プレ大会を多く受け入れて、それを成功させることによって、よりすばらしい運営東京大会本番でできるということでもあるんですね。  それはどのように大臣は考えておられるか、お聞きしたいと思います。
  20. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 今、先生おっしゃられたように、オリンピックに向けて様々な世界大会開催が予定されておりますし、開きたいという相談も受けたりすることもございます。特に、一年前からはテストイベントが実施される予定でございまして、テストイベントを兼ねてそういう大会が開かれる。その中で、限りなくオリンピックパラリンピックの本番に近い状態で競技運営、輸送、セキュリティー等のテストも行われることになると思います。  加えまして、今おっしゃられたように、二〇二〇年大会までに女子バレーの世界選手権二〇一八年、あるいは今御指摘ございましたハンドボール大会二〇一九年でございます。これらの大会に対しましては、スポーツ振興くじからの助成も出ておりますし、様々な相談を受けながら万全な体制でやっていただけるように、いろんな支援を考えていきたいとは思っております。  そしてまた、その大会運営を支えるスタッフにつきまして、オリンピックに向けて人材が育ってまいります。組織委員会大会開催基本計画の中で人材管理の機能を立ち上げたところでございまして、今後、各分野から多様な人材を確保するとともに、ボランティアの採用、育成を進めるための具体的な計画を立てて取組を進めていくものと承知しておりまして、こういう人材が育ってくればプレ大会にも十分な活用ができるんじゃないかと思っております。  政府といたしましては、さらに二〇二〇年大会後の大会開催も視野に入れまして、様々な大会の支援を検討あるいは実施していきたいと思っているところでございます。
  21. 橋本聖子

    橋本聖子君 ありがとうございます。  まさに地域の活性化にもつながるということにもなるというふうに思いますけれども、困難な状況、忙しい状況の中でこういった大会を逆に受け入れることができる国というのは、人も育ちますし選手も育ちます。そして、運営という意味においては非常に勉強になるんだというふうに思うんですね。まさに運営自体が強化されるということになりますので、それによって二〇二〇年がよりすばらしい大会になるということは間違いないと思いますので、是非そういった招致活動、誘致活動にも御協力をいただきたいというふうに思います。  オリパラ大臣に最後にお伺いしたいというふうに思いますけれども、二〇二〇年の東京大会、これを円滑な準備推進するためには、是非お願いしたいのは、より現場に近かったであろうアスリートを登用していただきたいと。オリンピック担当大臣にではなく、スタッフとして登用していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  22. 下村博文

    国務大臣下村博文君) これはおっしゃるとおりでありまして、オリンピアンあるいはパラリンピアンもそうですけれども、それぞれ経験がある中でいろんなアイデアとかあるいはノウハウとかをお持ちであると思います。まずスポーツ庁が、十月につくるということについて国会で法案を通していただきましたから、このスポーツ庁におけるアスリートを含めた民間人の登用も検討しながら、これからいろんな形で、組織委員会にもアスリートの方、オリンピアン、パラリンピアンも入っておりますが、いろんな形で経験のある方々について是非入ってもらうように私の方からも進めてまいりたいと思います。
  23. 橋本聖子

    橋本聖子君 ありがとうございます。  二〇二〇年以降にそういった方たちの活躍の場が広がるといいますか、競技運営人材育成にもなると思いますので、また各競技団体はより強固なガバナンス、コンプライアンスの構築にもつながっていくというふうに思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  ありがとうございました。
  24. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 おはようございます。本日はリリーフを務めます。自民党の堀内恒夫でございます。  時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。  先般、文部科学省設置法の一部改正法が成立し、本年十月にはスポーツ庁設置されることになりました。スポーツ世界で人生の大半を過ごし、スポーツを心から愛してやまない人間の一人としては、本当にうれしい限りです。  そこで、質問です。このスポーツ庁長官文部科学大臣スポーツを所管する立場から当然オリンピックパラリンピックに関わることになると思いますが、新たに専任で置こうとされているオリンピックパラリンピック担当大臣文部科学大臣及びスポーツ庁長官役割分担についてお伺いしたいと思います。
  25. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 東京オリンピックパラリンピック担当大臣は、東京大会の円滑な準備及び運営に関する施策につきまして、関係省庁の総合調整を担うものでございます。具体的には、来日外国人の円滑な入国手続、各種インフラ整備、無線LANなどの通信環境の整備、サイバーセキュリティーの問題、感染症対策やテロ対策など、省庁横断的な課題の総合調整を行うものでございます。  一方、スポーツ庁文部科学省の外局でございまして、文部科学大臣及びスポーツ庁長官は、スポーツ基本法に基づくスポーツ振興全般を担いまして、競技水準向上などを担当いたしますとともに、スポーツを通じた健康増進、地域経済活性化、国際的地位の向上など、東京大会準備運営以外のスポーツ政策全体の司令塔機能を果たすこととなるものでございます。
  26. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございます。  役割分担は必要です。オリンピックパラリンピック成功に導くためには、オリンピックパラリンピック担当大臣と文科大臣、そしてスポーツ庁長官が綿密に連携していくことが不可欠だと思います。是非よろしくお願い申し上げます。  二〇一二年に開催されたパラリンピックロンドン大会では、観戦チケットの販売枚数がおよそ二百七十万枚だったとのことです。そこで最高だった北京大会、およそ百八十万枚でした。ロンドン大会は史上最も多くの観客がパラリンピック競技を観戦したことになります。このロンドン大会成功の背景には、開催地であるイギリスが獲得したメダル数が、金メダル三十四個を含む百二十個で、世界第二位と大活躍したこともあると思います。  二〇二〇年東京大会も、同じように我が国のパラリンピック選手の活躍が成功に欠かせない鍵だと思います。それには、選手強化を図るために各競技団体に対して今後も国の財政支援を充実していただくとともに、トレーニング施設を整備し効果的な練習ができるよう環境を整えていただきたいと思います。さらに、医科学のサポートについても、オリンピック選手選手強化と同様に、パラリンピック選手強化においても必要な支援ではあると思います。  二〇二〇年東京大会において我が国のパラリンピック選手に大いに活躍してもらうためには、これからの国の支援の下に選手強化を図っていくべきだと思いますが、二〇二〇年東京大会に向けてどのような取組を行っていかれるのか、お伺いしたいと思います。
  27. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 二〇二〇年パラリンピック東京大会における日本代表選手の活躍に向けまして、今後パラリンピック選手選手強化活動に対する支援を充実していくことが極めて重要であると考えております。  このため、文部省におきましては、各競技団体が行います選手強化活動に必要な経費を配分いたします競技力向上事業につきまして、今年度は対前年度比三億円増の十一億円を措置したところでございます。また、これに加えまして、オリンピック競技での知見やノウハウを活用したトップアスリートに対する医科学情報サポート、さらに、オリンピック競技パラリンピック競技の共同利用によりますナショナルトレーニングセンターの拡充整備などに係る経費も措置したところでございます。  今後とも、二〇二〇年東京大会におけるメダル獲得に向けた選手強化の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
  28. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございます。  二〇二〇年東京大会日本パラリンピック選手が大活躍し、日本中を元気にしてくれることを心から祈っております。  二〇二〇年の東京パラリンピック競技大会成功に導くためには、今申し上げた選手強化はもちろんのこと、障害者のスポーツ活動への参加や国民全体の障害者スポーツに対する理解促進等によって障害者のスポーツ活動の裾野を拡大することが重要であると考えています。障害者スポーツの普及や裾野の拡大に向けて文部科学省としてどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
  29. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 二〇二〇年のパラリンピック東京大会成功に導きますために、パラリンピックを始めとする障害者スポーツに対する国民全体の理解促進や障害者スポーツの裾野の拡大に向けた地域スポーツ環境の整備を行うことが重要であると考えております。  このため、文部科学省におきましては、平成二十七年度から各都道府県、政令指定都市におきまして、スポーツ関係者と障害福祉関係者が連携・協働体制を構築いたしまして相互に一体となり障害者スポーツ推進する、地域における障害者スポーツ普及促進事業を実施することといたしております。また、公益財団法人日本障害者スポーツ協会に対する補助を通じまして、全国での障害者スポーツに対する理解を促すイベントや体験会の実施や、障害者スポーツ指導員の養成研修事業の充実を行いますとともに、全国障害者スポーツ大会に対する補助も拡充したところでございます。  今後、二〇二〇年パラリンピック東京大会開催を見据えまして、地域における障害者スポーツの普及をより一層強力に推進してまいりたいと考えております。
  30. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございます。  障害者スポーツの裾野を広げることはパラリンピックの盛り上がりに直結すると思います。是非、積極的に取り組んでもらいたいと思います。  次に、ラグビーワールドカップの関連の質問をさせていただきます。  二〇一九年に開催されるラグビーワールドカップは、ニュージーランド、オーストラリアや英国などのラグビー強豪国以外の国で初めて、ここ日本開催されます。そして、何よりアジアで初めての開催ということもあり、ラグビーの世界ではワールドカップ日本大会成功がアジア地域へのラグビー普及、振興においてとても重要な位置付けとされていると聞いています。  ここからあと四年、大会成功に向けて開催自治体と連携し国内の機運を高めていくことになると思いますが、国内だけではなくアジア地域においてラグビー人口の増加を図るなど、日本が主導権を発揮する取組を積極的に展開していくべきであると考えます。現在どのような取組をされているでしょうか、お伺いしたいと思います。
  31. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 二〇一九年に開催されますラグビーワールドカップ大会はアジアで初めて開催されますことから、日本ラグビーフットボール協会ではアジアのためのワールドカップを理念として掲げまして、選手や指導者を派遣したり練習用具を供与するなど、アジアにおけるラグビーの普及強化に取り組んでいるところでございます。  日本国内におきましては、文部科学省日本ラグビーフットボール協会が協力いたしまして、ラグビーの知名度を高めるために、小学校の学習指導要領の解説に例示として記述されておりますタグラグビーを活用いたしまして、ジュニア期を始め幅広い層への普及に取り組んできております。また、協会に委託いたしまして、中学校における専門的指導者による放課後ラグビー教室の開催や女性のレフェリーや指導者の育成にも取り組んでいるところでございます。  二〇一九年のラグビーワールドカップ大会がアジアを始めとする世界から注目され、日本国内でも国民的な大会として盛り上がるように、幅広い普及と機運の醸成に今後とも努めてまいりたいと考えております。
  32. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございます。  ラグビー協会の取組は本当にすばらしいと思います。政府としても、引き続きラグビーの普及に向けて積極的な後押しをお願い申し上げたいと思います。  東日本大震災からの復興と二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック、二〇一九年ラグビーワールドカップとの関係についてお伺いします。  言うまでもありませんが、オリンピックパラリンピック世界的に注目されるビッグイベントであり、開催時に復興した姿を世界の人々に示すことができれば、こんなにすばらしいことはありません。オリンピックパラリンピックの前年に開催されるラグビーワールドカップでは、開催地の中に震災で大きな被害を受けた岩手県釜石市が含まれております。被災地での聖火リレーも実現しそうです。そして、もし野球、ソフトボールが種目復活することができれば、開催地に名のりを上げた被災自治体もあるとのことです。  この両イベントを絶好の機会と捉え、復興した被災地の活力ある姿と日本全体が元気に満ちあふれた様子を全世界にアピールしていくべきだと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  33. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 御指摘のように、二〇一九年ラグビーワールドカップは、被災地である釜石市が開催都市として選ばれております。東日本大震災からの復興のシンボルになると思います。私も現地に行きましたが、津波等で流されて何にもないところから、ゼロから、あるいはマイナスからこの開催都市として手を挙げたということは、ほかの被災地の方々全体を勇気付ける象徴の一つでもあると思います。  同様に、二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック大会も、各国代表選手団の事前合宿、それから聖火リレー、これは福島、宮城、岩手まで太平洋岸をずっと走る、そういうようなアイデアも地元の方々から寄せられております。  スポーツ文化に関するイベントも更に被災地等で実施するなどすることによって、一つは、二〇二〇年までに東日本大震災の復旧復興を遂げること、そして被災地が活力を取り戻す、そういうものとして、このオリンピックパラリンピックやラグビーワールドカップをプラスに活用するということが大変重要だというふうに思います。  両大会とも被災地そして日本全体の復興を世界にアピールする絶好の機会でありまして、被災地の地方公共団体の方々の声も十分に聞きながら、両大会組織委員会などとも連携して取り組んでまいりたいと思います。
  34. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございました。本当に、大臣、力強い御答弁、ありがとうございました。オリンピックパラリンピック、ラグビーワールドカップの成功を目指すとともに、日本が元気になるよう、スポーツの力を大いに活用し、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  少し早いかもしれませんけれども、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  35. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤でございます。よろしくお願いをいたします。  私からは、まず、五月十八日であったかというふうに思いますけれども、国立競技場の建設に関して様々な報道がございました。中身を簡単に申し上げると、費用負担について国と東京都で、また改めて大臣と知事との間でやり取りがあったということであります。報道で大変大きく報じられましたのは、屋根がない形での大会開催ということ、それから観客席を仮設で、大臣からは三万席というような御発言があったようでありますけれども、その日のうちにこれについては一万五千というふうに訂正があったということであります。  今回のこの問題について、何が今最も大きな問題であるのか。例えば、工期の問題であるのか、あるいはコストの問題であるのか、またこれはいつどういうタイミングでこのような形で問題が新たに出てきて、どういう状況の中で議論をされてきたのかとか、これ国民に実は本当のところが十分に伝わっていないんではないかなというふうにも思っているところであります。  この問題についてのこの東京都とのやり取りに至る経緯を簡単に今御説明をいただきたいと思います。
  36. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 御指摘の国立競技場の整備につきましては、独立行政法人日スポーツ振興センター、JSCにおきまして昨年八月から実施計画を行っており、その中で、設計者側から二〇一九年春に竣工させるためには整備内容の一部について工夫、見直しを行う必要があるとの意見が出されたとの報告が私の方に今年の四月にありました。  政府としては、ラグビーワールドカップ、オリンピックパラリンピック、この競技大会開催するには二〇一九年の春の竣工、これは間に合わせるということはもう必須であると考えておりまして、現在、このままですと二〇一九年の春の竣工は間に合わない、それからコストも相当掛かるということが設計者それから業者等の話合いの中でスポーツ振興センターからの話としてありましたので、それを受けて、一つは、開閉式遮断装置の二〇二〇年大会閉幕後の施工をすると。これはそもそも、閉開式遮音装置というのはラグビーでもオリンピックパラリンピックでも必要のないことでありまして、その後のコンサート等の文化イベントをするためのものとして準備を併せてしようとしたものでありますが、これだけでも二、三か月工程に時間が余分に掛かるということでありましたので、これは短縮すると。それから、可動式の常設、それ以前は電動伸縮方式で考えておりましたが、これを仮設にする、簡易型の着脱方式、これをした方がコストも大幅に削減できるということでありましたので、この変更などについて検討を行っているところでございます。  このような検討を行っている中で、五月十八日に舛添東京都知事とお会いした際、知事から工期に関する質問がありましたので、私の方から現時点での検討状況について申し上げたところでございます。  今後とも、まずは二〇一九年の春の竣工に間に合うように万全を期す、それからできるだけコストも、施工業者等からはかなり高い見積り等で今出ているということを聞いておりますが、できるだけそれもいろんな工夫を重ねることによって掛からないような、それについて今交渉中でございます。
  37. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 概要は理解をしたつもりでありますけれども、これ、先般の本会議で私は代表質問をさせていただきまして、この国立競技場の建設について、国民から準備の進捗状況などについて大変大きな懸念の声があるということで、丁寧にこれ説明すべきではないかというふうに御質問させていただきました。その際に、下村大臣からは、そこの部分について、具体的には、施設仕様の詳細を検討しつつ今精査を進めているところだということの答弁があったんです。  その後、実はその本会議の三日後に、今大臣から御説明があったようなやり取りがあったということで、私も実はかなり驚いたのであります。これ、やはりこういったことを東京都の皆さんとやり取りをするのは当然だろうというふうに思いますけれども、その前に国会においても御質問させていただいているわけで、私はこの国会においても何らかの形で先んじて状況説明があってしかるべきではなかったかというふうに思います。この点についてはいかがでしょうか。
  38. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 決して何か秘匿をするとか、そういうつもりは全くございません。ただ、今回の見直し含めた施工予定者との契約については、今、打合せしている最中といいますか、交渉している最中でございますので、逆に言えば、余りこちらの方の見積り含めた予算額についてのことを出すということが、結果的には施工業者に事前にそういう情報を与えてしまうということがコストの削減につながらない部分もあるという、交渉中のことであるということなものですから、もしも質問されればその範囲内でお答えを、今もそうですが、しているつもりでございますが、前回の斎藤委員からの本会議での質問について、本会議という場の中の限られた時間の中、それでも私の答弁は相当長いとやじもされましたが、もう限られた時間の中で最大限丁寧にお答えをしたつもりでございますが、この文教科学委員会等で引き続き、本日もそうですが、丁寧に説明させていただきたいと思います。
  39. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 本会議では御丁寧に本当に御答弁をいただきまして、本当に有り難いと思いまして、その後もちょっとお礼を申し上げたところでありますけれども。  お断りを私したいと思いますが、この国立競技場の建て替えは私はもう推進派の一人であります。与党時代から積極的にこの件に関わってきた一人でありますし、我が党のスポーツ議連の中でもこの点についてかなり調整に汗を流してきた自分は一人であるというふうに思います。であるからこそ、何としてもうまくいってほしい、うまくいってほしいという思いがございまして、今回質問をさせていただいております。  今回のオリンピックパラリンピック開催に正式に手を挙げたのは二〇一二年のたしか二月であったかというふうに思います。民主党政権下での話でありました、元々。スタジアムの当初デザイン案の決定もこの二〇一二年の十一月ということでありますから、私たちにも大変大きなこの件については責任があるというふうに思っています。現在はもう東京への誘致が決まって、また、ちょっと新しいステージでの話がもう進んでいるということでありますが、少なくとも招致に向かっての段階では私たちもこの件についてはかなり深く関わってきたということであります。  当初のデザインのままであると、予定をしていた元々の千三百億円という建設費を大きく上回ってしまう、実際は三千億円程度になるのではないかというような試算もされて、このままでは駄目だということで、規模が二割程度縮小されたと。縮小したのが二〇一四年のことであります。この時点での、昨年ですが、予定の建設費については、周辺の整備も含めて千六百二十五億円というふうに私は聞いておりますが、ここまでは理解はするところであります。  問題は、その後、これ、その年の十月には大手のゼネコン二社が施工業者として選定をされております。工期とか工費が大きな課題として今出ておりますけれども、確認でありますけれども、昨年七月の計画説明会においても、基本設計についてはこの工費の条件の中に私は収まっていたというふうに認識をしています。ただ、あのときには消費増税分はまだ加味をされていなくて、その分については更に工費の上乗せが必要だというようなことも議論の中であったかというふうに記憶をしていますが、現状、工費について、掛かる費用について、この七月の計画説明会のままでよいのか、あるいはもう状況が大きく変わっているのか、この点について御説明をいただきたいと思います。
  40. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 御指摘のように、元々国立競技場建て替えは一千三百億円を予定したわけですが、ザハ・ハディッド氏の設計どおりにすれば三千億ぐらい掛かるということが分かったということで、これは規模の縮小をして、今、斎藤委員からお話がありましたように、千六百二十五億程度の規模で造るということについて、工費については決めたわけでございます。その後、この施工業者が大手ゼネコン二社が決まって、そしてJSCがこの施工業者予定者と今話をしている最中でございます。  聞くところによると、この一千六百二十五億を大幅に超えるような、そういう額について業者側から出されているということでありますが、これはとても認められる額ではないというふうに思っておりまして、そのために今コストダウン、まあもちろん消費税問題とか、それから建築資材の問題、それから人件費の高騰、これはやむを得ないにしても、同じ建築資材であっても、ちょっと細かい話になりますが、大手業者の方の話によると、これはJSCから聞いたわけですけれども、相当そのランクを安い資材等で見積もっていたけれども今そういうものはほとんど手に入らないとか、あるいは国立競技場の規模でいうと全体をカバーするものにならないし、せっかく造るのであればもっとレベルの高いものを使うべきだと。しかし、そのとおりにすると相当な工費の上乗せになりますので、それをもっとコストダウンさせるという今交渉をしている最中でございます。  それに対して、これぐらいがいいとかいうことについては、なかなかここで今の段階で言える状況ではないということと、それから、今後の契約に向けて今交渉をしている最中でございますので、お互いの見積り合わせを言えば言うほど業者側にとってプラスの材料になってしまうこともあるかと思いますので、ちょっと詳細の金額については詳しくは、変動する状況でもありますので、申し上げられませんが、業者側からすると相当高い額について提示されているということをJSCから報告を受けているところであります。
  41. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 業者とのやり取りがそのような形で進んでいるということでありますけれども、一般的には、それは施工業者も営利企業ですから、少しでも高い値段で工事を請け負いたいという思いが当然あるでしょうし、そういうやり取りは民間どこでも日常的にきっとあるんだろうというふうに思います。  ただ、今回、一部血税も入りますし、当初の予定というのが明確に昨年の時点でも千六百二十五億円というふうに示されているわけで、当然、一部消費増税や人件費の高騰分はともかくとして、基本的には、基本的な部分はこの範囲内で収まるというのが一般的な国民の理解だと思います。  詳細を述べるのは業者とのやり取りもあってということですので、これ以上は問いはしませんけれども、一個だけ、これは最終的に工費というか、業者が幾らでこの建設を請け負うかというのが決定をする、金額が決定するのはいつぐらいになるんでしょうか。
  42. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 詳しくは、新しく整備する国立競技場の総工費、これはJSCの方で先ほど申し上げたように今交渉している最中でございます。設計業者との協議が調い次第その概算額を公表するというふうに聞いておりますが、一応見通しとしては六月の下旬までには見積り合わせをすることによって公表できるような準備をしていきたい、そして七月の初旬に工事契約の締結をしたいということについて聞いておるところでございます。
  43. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。  もう少し、今度は建設の中身についてちょっとお伺いをしたいというふうに思いますけれども、これはあくまで報道ベースですけれども、いわゆる開閉式の遮音装置の部分が、これ技術的にかなり困難だというふうにもお聞きをしました。これ、有識者会議で安藤忠雄審査委員長が実はこんなことをおっしゃっているんですね。技術的な課題が多い、ただそれを解決できるのは日本の土木建築技術でしか造り得ないと、こういう趣旨の御発言をされて、屋根の部分の建設については具体的な工法がこの時点で示されていない、そのような私自身印象を受けたんです。  つまり、この開閉式の遮音装置というのは、現段階においてひょっとして技術的に開発がまだされていないんではないか、このことがこの工期遅れの最も大きな理由ではないかという声も一部であるのはこれ事実なんですけれども、そういったことはないとこの場で御答弁していただけますでしょうか。要するに、技術的にはもう開発をされていて、あとはコストの問題だということで我々として受け止めてよろしいんでしょうか。
  44. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 技術的な新しい国立競技場の建設計画における課題については、JSCの方から報告を受けているのは、一つは屋根を支える二本のアーチ形の鉄骨、それから三次元曲面の膜の屋根、それから今御指摘の開閉式遮音装置、また伸縮型可動スタンド、この施工については技術的難易度が高いという報告を受けております。  このうち、開閉式遮音装置、それから伸縮型可動スタンドにつきましては、整備内容、時期の見直しを予定しておりますが、これは難しいということじゃなくて、二〇一九年の春の竣工を厳守するためと、それからそもそもラグビーやオリンピックパラリンピックには必要ないことであるということと、それからその後の可動式可動スタンドというのは仮設にした方がコストがもっと安く済むという理由でございます。  いずれにしても、この大会開催に影響を及ぼさない範囲内で見直しを行う、それからできるだけコストを削減するということでありまして、JSCと設計業者との協議におきましても、それらの施工がこの開閉式遮音装置だけでなく技術的に不可能ということはないというふうに聞いております。
  45. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 開閉式の遮音装置というか屋根と聞くと、例えば福岡ドームみたいなハードの固い屋根みたいなイメージもあるんですが、今回の開閉式の遮音装置というのはいわゆるC種膜ですね、ソフトな形状のものを折り畳み式で、折り畳み式で開閉をするということであります。  これ、実は、いろいろ事前に議論をされている段階でも、大雪のときに耐えられるのかとか、ゲリラ豪雨みたいなときに本当に雨水の処理がちゃんとできるのかとか、そういった心配の声も実はありましたし、それから、これはいろんな議論があるようですけれども、膜ですので、いわゆるソフトな、何年かに一回張り替えをしなきゃいけないと、こういうような実は議論もあったかというふうに思います。  こういったこと全てトータルで、現状、今のお話だと基本的には解決をされていて、ただ工期、コストの問題があって、事後に、オリンピック後に後付けで付けていくということであろうかというふうに思いますが、若干まだ、済みません、ちょっと気になるんですけれども、オリンピック後に付けるということは、オリンピック後にまた足場を組んで何らかのまた大きな工事になろうかと思います。多分、何か月か時間が掛かって、そういったことにもなるんだろうというふうに思います。  私が心配しておるのは、今コストの話をされましたが、当然、開閉式の遮音装置を付ける分のコストまで計上した上でこれ工事に掛からないと、コストカットしました、オリンピック大会パラリンピック大会終わりました、その後、じゃ屋根を付けようと思ってももう実際費用が残っていないと、こんなことにもなりかねないわけでありますので、私、心配なのは、大会が終わった後に、やはり金銭的な問題があってもう開閉式の部分は断念をしますと、こんなことにはなりかねないんではないかと、そんなようなことも危惧をしております。  こういったことはあり得ないと、要するに、その後のJSCによる例えばコンサートでの競技場の活用とか、そういったランニングコスト面も考えて私はやっぱり屋根は必要だというふうに思いますけれども、基本的には、事後に屋根を付けるというところについても、コストも含めてきちんと裏付けを示した上で工事に掛かるということで、これよろしいでしょうか。この点、一点確認させていただきたいと思います。
  46. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 御指摘のように、開閉式の遮音装置というのが正確な名前ですから、強固な屋根を造るということではありませんので、確かに、近年大雪が降ったときがありましたが、そういう大雪のときに本当に耐えられるのかどうかということについては、これは事前にもう屋根はオープン、開くというようないろんな工夫は当然やっぱり必要だというふうに思います。  しかし、なぜ開閉式遮音装置を造るのかということについては、これは、オリンピックパラリンピックが終わった後、国立競技場を有効施設としてコンサート等文化芸術で使うということが目的でございます。  これ、屋根といっても天井部分だけですから、斎藤委員はよく御承知でありますが、客席のところの屋根がないというわけじゃなくて、何か今までの国立競技場のように全部フルオープンだというふうに誤解される方も一般国民の中にはいらっしゃるので、観客席のところは屋根があると。しかし、芝生の上のところはこれは開閉式遮音装置にすることによって、全部を閉じることによって、オリンピックパラリンピックが終わった後、コンサート等ができるようにすると。  今までは騒音問題があって、年間一回か二回しか周辺の人たちの騒音環境の問題があって開催できなかったのを、これから、一年間の中で国立競技場が空いているところはできるだけそういう商業的にお貸しするということによって、この維持、相当コストが掛かりますから、これができるだけ赤字にならないように、黒字になるような、そういう意味でコンサート等が仕様としてできるようにという意味での開閉式遮音装置を造るということですから、これは当然造ります。  ただ、これを最初から造ると二〇一九年の春の竣工には間に合わないということと、なおかつラグビーやオリンピックパラリンピックでは直接必要のないものだということで二〇二〇年以降ということでありますが、当然これはトータルパッケージですから、工期はずれても、それも当然見積りの中に入れて積算をしていただくということであります。
  47. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 理解をしました。  工費はそれも含めてある程度確保するという中で、工期の問題があって事後になる可能性があると言っていいんでしょうか。ひょっとしたら大会までに間に合うということもあり得るのかなというふうに思いますけれども、そこのところを是非、ある程度、そこのやり取り、議論が、事後になるかもしれませんが、ちょっと透明化をして国民の皆さんにしっかり見えるような形にしてお示しを是非していただきたいというふうに思います。  オリンピックパラリンピック成功に向けて、このJSCの関係でいえば、例えばスポーツくじの件、スポーツ振興くじの売上げの扱いなんかについても今議論をしているところだと思います。私たちも党内でこれ近々議員連盟開いて、このことについて議論をしようと今準備を実は進めているんです。簡単に言うと、JSC法の改正によって、いわゆる売上げの今は五%が特定金額ということになっていますけれども、ここの部分を少し厚くして、例えば一〇%等にして、この国立競技場の整備なんかにも一部を充てていくということを今前向きに議論をしようということをやっておりますけれども、今の国立の整備の状況が国民の目にちょっと不透明に映ってしまうと、こういった議論もなかなか進みづらくなってしまうということを危惧しておりますので、是非この点透明にして、分かりやすい形で国民の皆さんにお示しを是非していただきたいというふうに思います。  それでは、国立の件はもうこれぐらいにさせていただいて、法案の中身について少しお伺いをしていきたいと思います。この特措法案における専任大臣推進本部の在り方について、少しお伺いをさせていただきます。  先ほど来質疑の中でもありましたけれども、私、新しい専任大臣が調整をするというふうにされています関係府省庁横断の課題、施策、こういったものがどういうものであるのかというのが、まだ今の段階で具体的にイメージが十分できていません。これ最も分かるのは、これはオリンピックパラリンピック担当大臣と文科大臣を兼任をしていらっしゃった下村大臣御本人だと思います。両方の役割を続けられて大変御苦労されてきたというふうに思いますが、こういった点で専任大臣設置が非常にプラスだということ、何か具体的に例を挙げてお示しをしていただけないでしょうか。例えば最近携わったオリンピックパラリンピック担当大臣としての役割一つ等を挙げていただいて、ちょっとその必要性について言及をしていただきたいと思います。
  48. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 御指摘のように、この二〇二〇年の東京オリンピック競技大会パラリンピック競技大会開催に当たっては、来日外国人の円滑な受入れ、それから新たに感染症対策やテロ対策等、これは一九六四年の東京大会に比べても比較にならないほどの新たな事項が多岐にわたって課題として出ております。これらの業務は各府省にまたがる項目が大変多く、単独的なことで省庁ができることではないということで、政府が一体となって連携しながら二〇二〇年大会に向けた準備を進めていく必要があり、今後は専任担当大臣の下でこの各種の調整を行う必要があると考えております。  具体的には、例えばセキュリティー対策の中のテロ対策を例に挙げますと、競技会場等におけるセキュリティーの確保は警察庁等、それからテロの未然防止のための水際対策及び情報収集また分析機能の強化、これは法務省、財務省、警察庁等、それから警戒監視、被害拡大防止対策等は防衛省、またNBC、核・生物・化学物質のテロ対策でありますが、これは厚労省それから総務省、消防庁、警察庁等がそれぞれ担うという分野でございます。  二〇二〇年大会成功を導くためには、専任大臣の下で、このような各省にまたがって存在する業務の調整を円滑に実施していくことが大変重要だというふうに考えております。
  49. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 若干これについても危惧をしておりますのは、各団体とか各府省、各地方公共団体との調整が、船頭が増えることによって複雑になって多重化するんじゃないかということであります。今までは各大臣の承認を得ればよかったようなことが、併せてオリンピックパラリンピックについてはオリパラ担当大臣の承認を必要とすると、結果として機動性に欠けると、こういう心配もされるわけであります。  これ、官房長官の先般の本会議での答弁なんかを聞いていても、また今の大臣の御答弁なんかでも、サイバーセキュリティーの問題とか来日外国人の入国の手続の問題とか感染症対策とか、あるいはテロ対策とか、こういった課題に取り組む専任大臣ということでありますけれども、それぞれ例えば総務大臣とか厚労大臣、法務大臣とか、担当大臣がいらっしゃいますが、こことの職務の割り振りというのは一体どのようになるんでしょうか。これは、事オリンピックパラリンピックに関しては専任大臣が一義的な責任を有して、他の省庁担当大臣が、言い方がふさわしいかどうかは分かりません、従える、そういうような形なんでしょうか。そこのところの役割の分担について御説明をいただきたいと思います。
  50. 久保公人

    政府参考人久保公人君) このオリンピックパラリンピック東京大会に向けましてのそれぞれの業務、課題について具体的な実行責任を負うのは各府省になります。  したがいまして、今、大臣がそれぞれ申し上げられました事柄について一義的に権限を持って解決を図っていくのは各府省でございまして、ただ、この全体の本部の中に、どういう進行状況にあってお互いにそごを来していないか、それからこちらとこちらで向きが違うんじゃないかと、そういうことを全部検証して、全体としてうまくいくように調整を図ったり、あるいは、こちらをもう少しこういうふうにしたらどうかという進めを、方向性を示したりするのがこの担当大臣役割でございまして、そういう意味で、各府省が具体的な実行部隊として、それから全体を統括して進行管理をするのがこのオリンピックパラリンピック担当大臣というふうな役割分担をすることになるということでございます。
  51. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 ということは、事業のもう推進役は各府省庁であって、それのかじ取りを調整をしながら正しい方向にというか、望ましい方向に導いていくのがこのオリンピックパラリンピック担当大臣ということかなというふうに思います。  もう一個、会議体等について、事務局体制についても、先ほど橋本先生の御質問の中にもありましたけれども、昨年の四月にオリパラについての閣僚会議設置をされています。一昨年はこのオリンピックパラリンピック推進室が置かれています。  今回の法改正で、いわゆる推進本部、閣僚による推進本部が置かれることになります。閣僚会議というのはこの推進本部に置き換えられて廃止をするということで、まず一点、よろしいでしょうかという確認と、推進本部事務局体制は、既存の推進室が置き換えられて推進本部事務局としてその職務に当たっていくということでよろしいんでしょうか。この二点、確認をしたいと思います。
  52. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 基本的にはそのとおりでありますが、詳細を申し上げますと、今回の平成三十二年東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会特別措置法に基づき設置する東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会推進本部は、既存の二〇二〇年オリンピックパラリンピック東京大会等に関する閣僚会議役割をより充実させたものとなります。  具体的には、大会推進本部は、大会推進のための基本的な方針の案の作成、基本方針の実施の推進のほか、大会の円滑な準備及び運営に資する施策で重要なものの企画及び立案並びに総合調整をつかさどるということになりまして、既存の閣僚会議は廃止されるというよりは衣替えをするというふうになるわけであります。  なお、大会推進本部事務体制規模、これは現時点ではまだ未定でありますが、既存の、御指摘がありましたが、内閣官房二〇二〇年オリンピックパラリンピック推進室大会推進本部事務を処理することとし、政府における東京大会準備業務が適切に推進できるよう、必要な体制について今後整備してまいりたいと思います。
  53. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 是非、この役割分担も明確にして、もう一点は、やっぱり行革の趣旨からその在り方、これも段階を追ってしっかり示していただきたい、この点については要望させていただきたいと思います。    〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕  次に、今回、東京での大会ではありますけれども、やはり日本国中でこのオリンピックパラリンピックについて、その成果というかをみんなが、日本国民全員がそれを享受できる、そのような大会にしていかなければならないというふうに思いますし、本会議でも申し上げましたが、子供たちにとって非常に、何というか、心に残るというか子供たちの心に深く刻まれる、そういうオリンピックパラリンピック大会であってほしいというふうに思います。  学校教育との連携の必要性というのはとみに言われておるところでありますけれども、一個例を挙げますと、例えば東京都、東京都では昨年は三百校、今年は六百校が対象だというふうに聞いておりますが、いわゆるオリンピックスクール、こういった事業を進めていて、予算は三億円だということを聞いています。来年は更に拡大をして全ての学校対象になるということであります。これ、オリンピックパラリンピック選手との直接の生での交流とか、あるいは大使館や海外のオリンピアンとのいろんなやり取り、ネットなんかも含めてだと思いますが、これはすばらしいことだというふうに思います。ただ、東京を出たら、一歩、隣の千葉でも神奈川でもほとんど行われていないということでありまして、これ、逆にそういった意味での新しい課題もあるんじゃないかなというふうに思っています。  教育再生実行会議の第七次提言を読ませていただきましたけれども、学校オリンピックパラリンピックの歴史や出場国・地域に関する調べ学習、オリンピアン、パラリンピアンとの交流、競技体験などを通じて国際理解等を深めると、こういうような提言があったというふうに理解をしていますけれども、いわゆる全国それぞれ様々なところでこういうオリンピックの事業と子供たちとの関係をもっと深くつなげていく、こういう事業についてどのようなものをお考えか、お示しをいただきたいと思います。
  54. 丹羽秀樹

    ○副大臣(丹羽秀樹君) お答えさせていただきます。  二〇二〇年のオリンピックパラリンピック東京大会開催は、オリンピックパラリンピックに関する理解、関心や、また異文化の理解や国際理解、さらには多様性の尊重、ボランティア精神の醸成やマナーの向上等につながる教育を充実させる上で非常にすばらしい機会になるというふうに考えております。  文部科学省といたしまして、二〇二〇年に向けまして、オリンピックパラリンピック教育日本全国で展開していくことが重要だというふうに考えております。このため、今年二月にオリンピックパラリンピック教育に関する有識者会議設置いたしまして、スポーツ教育、メディア等の様々な関係者に参画していただいております。また、今後全国で、学校オリンピックパラリンピック教育意義役割などの教育を促進するための映像教材等を作成するとともに、今年度から各地域で、オリンピックパラリンピック教育の効果的な推進方策に関する調査研究を行うことといたしております。  これらの取組を踏まえまして、オリンピアンやパラリンピアン子供たちとの交流活動なども含め、学校地域オリンピックパラリンピック教育を幅広く展開して、オリンピックパラリンピックムーブメント全国津々浦々まで波及させていきたいというふうに考えております。
  55. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 非常に重要なことだと思いますが、やっぱり先立つものが必要だというふうに思いまして、これは今年の予算の概算要求で文科省から、これは約二十一億円だったと思いますけれども、この調査研究事業、今まさに副大臣おっしゃられた調査研究事業についての予算要求がされました。されましたが、蓋を開けてみると、これ項目そのものがこの予算案の中では削られて、いわゆるスポーツ・フォー・トゥモローの一事業ということで、概算ですが予算も一億円程度に、随分縮小されているというふうに思います。これは財務省さんも一体こんな、オリンピック、このときしかない、こういった予算を概算要求から大きく削るというのも理解がし難いところはありますが、来年、再来年こそこうした予算が私はやっぱり必要だというふうに思います。是非、引き続いてこれは計上していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。    〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
  56. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 昨年は、オリンピックパラリンピックに向けたスタートの年ということで、競技力向上から国立競技場の改築、第二ナショナルトレーニングセンターの整備等、様々な要求を出しましたために、全体の中で整理して少し衣替えをせざるを得なかったという状況がございますけれども、この重要性は、先生の御指摘と同様、我々大変重要なものと考えておりますので、来年度以降、力強いお言葉と受け止めまして、それを背に、我々、概算に向けてまた頑張らせていただきたいと思っております。
  57. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 是非よろしくお願いをします。また改めて、この件については、時期が来ましたらお願いをしたいというふうに思います。  最後に、ラグビーのワールドカップについて少しお伺いをさせていただきたいと思います。  余り多くの国民の方が認識をしていらっしゃいませんが、このラグビーのワールドカップというのは世界三大スポーツイベントの一つでありまして、オリンピックパラリンピック、そしてサッカーのワールドカップ、そしてこのラグビーのワールドカップということであります。  元々、国立競技場の改築も、私は、スタートはこのラグビーのワールドカップに向けてということが、当然オリンピック決まっているわけじゃありませんので、それがスタートだったというふうに思っています。  二〇一九年、二十チームが参加をして、予選は四十試合行われますし、決勝トーナメントは三位決定戦も含めて八試合ということであります。これちょっと調べますと、二〇〇七年のフランス大会、実に二百二十万人の方が実際に観戦に訪れていらっしゃいますし、前回、二〇一一年のニュージーランド大会では百三十六万人の方が観戦をしているということであります。テレビなんかで視聴をした方々というのは、全世界でそれぞれ四十二億人と三十九億人という、本当に大きなイベントなんですね。  こういう大きな意味を持った大会ですが、残念ながら、私、まだオリンピックパラリンピックと比較をして国民への周知がいま一つではないかというように感じています。今後、この認知を高めるための方策としてどのようなことを考えていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。
  58. 下村博文

    国務大臣下村博文君) これはおっしゃるとおりだと思います。なかなか、世界三大スポーツ大会一つとして、余り日本では理解、認識されていない部分があるかと思います。しかし、そういう大きな、世界の方々が注目をされるラグビーワールドカップが日本開催されるということでありますから、この大会自体の広報、それからラグビー競技そのものの普及啓発をしっかりしていくことが必要であるというふうに思います。  大会の周知につきましては、今年の三月に全国十二か所の開催自治体、会場が決定したというところであり、大会組織委員会におきまして、開催自治体と連携したラグビー普及イベント、また、インターネット、フェイスブックなどのSNSを通じた大会に関する情報発信などの取組が本格化する予定というふうに聞いております。  文科省としても、日本ラグビーフットボール協会と協力をし、ラグビーの認知度を高めるため、小学校の学習指導要領の解説に例示として記述されているタグラグビーを活用して、ジュニア期を始め幅広い層への普及に取り組むようにしていきたいと思います。具体的には、タグラグビーの導入ガイドブックを二十四年度から二十七年度までの間に全ての小学校に配付をする予定であります。また、指導者研修大会を同協会に委託をして、全国九か所で開催することとしております。  さらに、協会に委託をし、中学校における専門的指導者による放課後ラグビー教室の開催や女性のレフェリー指導者の育成にも取り組んでいるところでございます。  文科省としては、二〇一九年のラグビーワールドカップ大会の認知度を高めていくため、引き続き、協会、大会組織委員会及び開催自治体と連携してしっかり取り組んでまいりたいと思います。
  59. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 一つ、これ、スーパーラグビーというリーグがございます。ニュージーランドやオーストラリア、南アフリカのチームなんかが加わって行っているということでありますけれども、来年から日本のチームもこれに参加をするということも聞き及んでいます。これ、まさにラグビーの世界一のトップリーグだと思いますが、日本開催というのを通じて例えばこのスーパーラグビーの盛り上がりを図るということも一つ手段としてあるのではないかなというふうに思いますけれども、そんなようなことは現段階では何かお考えになっているようなことはないんでしょうか。
  60. 久保公人

    政府参考人久保公人君) おっしゃられたように、これ画期的な機会だと思いますし、これを通じて認知度を一層普及する絶好チャンスだと思っております。協会の方では日本開催することも可能性として視野に入れているようでございますので、そういうことについての支援の要請がありますれば、政府としても一緒になって取り組んでいきたいと考えているところでございます。
  61. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 是非一度、前向きにフォローというかサポートの方をお願いをしたいというふうに思います。  北は札幌から南は今のところ大分までということで、被災地の先ほどありましたように釜石ですとか、私の地元の愛知の豊田とか、日本各地でこれは予選も含めて実施をされるということであります。最後に、この開催設備施設の整備等についてどのように国としてサポートをしていかれるのか、概要をお示しをいただきたいと思います。
  62. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 御指摘のように、二〇一九年開催されるラグビーワールドカップ大会は大規模かつ国家的に重要な大会として位置付けられておりまして、国として関係自治体へ支援を行うことは重要であるというふうに認識しております。  大会は、北は北海道から南は九州まで、全国十二か所で開催をされます。開催自治体への支援としては、先ほど斎藤委員からもお話がありましたが、日本スポーツ振興センターによる地域スポーツ施設の改修やグラウンドの芝生化等に対するスポーツ振興くじ助成の活用が考えられるところでありますが、是非これ改正等をまた検討していただきながら、より有効に関係自治体に対しても要望に応えられるようなことについて是非議連としても考えていただければ大変有り難いと思います。  文科省としても、関係自治体のニーズを十分把握し、大会組織委員会連携しながら支援について検討してまいります。
  63. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。終わります。
  64. 森本真治

    森本真治君 大変お疲れさまでございます。民主党・新緑風会の森本真治でございます。会派の二番バッターで、十二時ちょっと過ぎると思いますので、よろしくお願いをいたします。  今日は官房副長官にもお出ましいただきまして、ありがとうございます。ちょっと質問をさせていただこうと思っていた内容がもう既に出ていたりで、文科省、文科大臣などからもちょっと御答弁もあったかなというふうにも思っておりますが、せっかくお越しいただいたので御答弁をいただきたいと思っておりますが。  今回の法案のポイントとして、論点として、私は今日二点。一つは、実際にこの推進体制、実効性のあるものにきちんとなっていくのかということ、もう一つは、新たな新設の担当大臣設置されるということ、これまで行革の観点などから大臣減らしてきていますね、そことの整合性をどう説明をされるのかということ、この二点、ちょっと今日は官房副長官の方にお伺いをしたいと思っております。  それで一つ、この推進体制でございますが、今日は資料一をお配りをさせていただいたのは現在の推進体制ということで、先ほど来少し御説明がもうあったんですけれども、この閣僚会議がバージョンアップをされるというような形で推進本部ですね。さらに、今兼務となっておりますオリンピックパラリンピック担当大臣が専属の大臣、さらにここに円滑な準備に資するための行政各部の所管する事務の調整を担当ということに加えて、基本方針でありますとか、条文ではありましたけれども、施策で重要なものの企画及び立案及び総合調整というようなことで、若干ここの内容が増えてくるということだろうと思います。  ただ、官房副長官、お伺いしたいんですけれども、やはり大事なのは、ある意味ここの閣僚会議なり推進本部というのは船頭でありますから、実行する部隊と言ったらちょっと言い方は悪いかもしれませんけれども、現在は内閣オリパラ室でございます。先ほど来少しお話もありましたけれども、本当にこの推進体制の充実のキーはここの部分だというふうに思います。  これは伺うところによると、もう一か月以内ぐらいで政令で、もう時間がないですね、すぐに体制ができるということは、文科大臣の方は未定だというようなお話をされたんですけれども、やはりもう一か月ちょっとしかない中でいえば、それなりに内閣官房内閣府の方ではどのような体制をつくっていくかということはもうあると思います。是非御答弁していただければと思います。
  65. 世耕弘成

    内閣官房長官世耕弘成君) 今御指摘のように、大会推進本部はこれはもう全大臣が入った構成になる。その下の事務をどういう体制でやっていくかというのは、人員規模は現時点では申し訳ありませんがこれは未定とお答えをさせていただきたいと思います。  ただ、既存の今内閣官房オリンピックパラリンピック推進室がこの大会推進本部事務局へと移行をしていくわけであります。これが現在、この資料にもありますように専属で二十八名、併任で二十八名ということになります。五十六人体制でやっているわけでありますが、これを更に充実をさせて東京オリンピックパラリンピック準備業務が適切に推進できる必要な体制を実現していきたいというふうに思っております。
  66. 森本真治

    森本真治君 この委員会前回スポーツ庁設置法案審査したんですね。お隣の文科大臣はそのときに、スポーツ庁人員百二十一名、さらには担当課、既にこのような担当課を設置します、そこまで具体的に説明されましたよ。  要は、これから業務が肥大化するんだ、大変なんだ大変なんだといっても、ある程度具体的なものをイメージをさせていただかないとなかなか、じゃ大変なんですね、分かりましたということで法案を通していいのかどうか。こういうことを言ったらいけませんけれども、仕事に対応した行政の体制をつくるのか、先に行政の体制をつくって仕事をつくっていくのか、やはりそこが行政改革、行革の視点としても大変重要になってくるわけですよ。そうすると、それなりの仕事の業務についてもっと具体的なやはりイメージというものは、非常に我々審議する立場としては重要になってくるわけです。もうこれ以上答弁求めても具体的なものが出るかどうかは分かりませんけれども、やはりその部分についてはしっかりと指摘をさせていただかなければならないというふうにも思っております。  それともう一つが、同じように担当大臣ですね。先ほど行革の観点という話をしました。これまでも何で単独の大臣が必要なのかという抽象的なイメージは文科大臣の方からも説明がありました。ただ、どうも調整役というか各省庁に対して指揮権というか、そういうようなところまでいくのかどうかということは非常に、そこまで権限があるのかなというふうに思いましたね。推進本部のトップは総理がいらっしゃるわけで、副本部長、官房長官もいらっしゃるわけで、あえてそれでも担当大臣がそこで、何というか、必要性というものが、これまでの文科省の答弁では十分に私は説得力がないというふうには受けざるを得ないんですね。  結局、先ほど来繰り返すように、行政の肥大化との、常にここのぶつかり合いが出てきますから、それにもかかわらず、これまでの方針を覆してでも大臣の数を増やすというところはもっと説得力のある説明がいただきたいというふうに思います。  その辺りについて、内閣官房の方からも明瞭なこの必要性について御答弁をいただきたいと思います。
  67. 世耕弘成

    内閣官房長官世耕弘成君) やはりオリンピックパラリンピックを開くに当たっては、国を挙げての一大プロジェクトということで、いろんな業務が出てまいります。例えば、今ぱっと思い付くだけでも、サイバーテロへの対応とか、あと外国人がたくさんやってきますから、これをどうやって円滑に受け入れていくかとか、あと必ず不満が出てくるのが無線LANなどの通信環境が日本は不足しているから整備してほしいという話ですとか、当然、たくさんの外国人がお見えになるということになると感染症対策とかテロ対策、あるいはインフラの整備もやっていかなければいけませんし、あと、また我々も今ホストシティー、ホストタウンというのを進めていまして、このオリンピックパラリンピックを契機に、東京だけじゃなくて全国地域を活性化していこうということも考えています。また、このオリンピックに当たって、海外からのお客さんも、競技団体のトップとかかなりVIPがたくさんやってきて、その接遇なんという仕事もあります。それを全部関係府省とか地方公共団体とかあるいは国際団体と調整をしていかなければいけないということで、これは大変な業務なんです。  本来、調整業務は確かに内閣官房、官房長官がやる、あるいはその頂点には総理がいる、あるいはスポーツという面では文部科学大臣担当されてきているわけでありますけれども、とてもその従来の枠では対応できないような多量の、そして省庁横断的な課題が出てきて、それを東京オリンピックという期限を切られている中で迅速かつ的確に対応していかなければいけないということで、やはり副本部長として担当大臣を置く必要があると。物すごく忙しい大臣になるだろうというふうに思っています。  行革の御懸念は私も理解をいたしますが、この大臣の増員は東京オリンピックパラリンピック開催される平成三十二年度末までの時限措置ということでありまして、オリンピックが終わればこの大臣はポストとしてなくなるわけですから、いわゆる行政の肥大化ということには当たらないと、そういう点にも気を付けているつもりでございます。
  68. 森本真治

    森本真治君 先ほどの答弁と同じような答弁であったようにも思いますが、なかなかもうちょっとこうくるようなイメージが湧いてこないといいますか、大量の業務があるんだあるんだというところはずっと言われておるんですけれども、その割には、事務局体制などについても、本日の段階で、前回スポーツ庁ではしっかりお示しされていたにもかかわらず、今回についてはそういうお示しもされていないという部分については大変不十分と言わざるを得ないなということを思いますが、この後の採決の判断は会派の方針には従おうと思っておりますけれども、そのことは、時間もこれありませんので、しっかりとスピード感を持って早急にこの体制についてもお示しをしていただけることをお願いをさせていただいて、官房副長官はもう退席していただいて結構でございますので、委員長、お取り計らいをお願いします。
  69. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 世耕長官は御退席いただいて結構でございます。
  70. 森本真治

    森本真治君 ありがとうございます。  それでは、ちょっとテーマを変えます。  二〇二〇のオリンピック競技会場の見直しとコンパクトな開催計画の整合性についてということで通告をさせていただいております。  これ資料の二の方で、これは組織委員会の作成の資料ということでございますけれども、現時点での検討状況ということでございます。一番はもう既に確定をした競技会場だというふうに思います。引き続き調整を進めている競技会場というのがこの二番でございますけれども、これは文科省さんの方に御答弁いただくと思いますが、この調整を進めている競技会場というのは基本的に会場変更をするということが前提でよろしいんですか。
  71. 久保公人

    政府参考人久保公人君) この資料二の特に引き続き調整を進める競技会場、二番に書いてある競技場についてでございますけれども、結論的に言えば、これはそれが前提になっているわけではないということでございます。  競技会場を変更するかどうかにつきましては、やはり国際オリンピック委員会、あるいは国際競技連盟の意向が強く尊重されるところでございます。この残りの十競技については、変更するということを前提として調整しているわけではなくて、組織委員会におきまして、国内外の競技団体と調整しながら、コスト面のみならず、二〇二〇年大会の盛り上がりやその後のレガシーの創造等の観点も含めまして検討が行われているものと承知いたしているところでございます。
  72. 森本真治

    森本真治君 今の御答弁では、基本的に最終的にはIOCの了承ということだけども、だけど、この競技会場がここにふさわしいのかどうかということをそれぞれの各競技団体が調整しているということは、最終決定はIOCだけれども、基本的にそれぞれの競技団体はここじゃない方がいいというふうに思って調整をしているんですか。
  73. 久保公人

    政府参考人久保公人君) これは、それぞれによって違うわけでございますけれども、そもそもオリンピックに立候補として手を挙げたときには、各競技団体の了解を得て、それからその上部におります国際競技団体の了解も得て、競技会場をここでやりますという宣言をして招致活動を行ったわけでございます。  その後、いろんな条件が起きましたり、あるいはこの中には、会場はもう少し増やす必要があるという中で調整に入っているところもございまして、いろんな案件で入っているものがあると思います。さらに、その後条件が変わって、ここでやれるかどうかということも含め調整中のところもあると。いろんな中で今検討、調整を進めているということだと思います。
  74. 森本真治

    森本真治君 報道レベルで見るところによりますと、例えば東京都が新しく新設の会場を造ろうと思った部分が、それを計画を変更になったとか、あとはメディアセンターなどを拡充しなければいけなかったりとか、あとは飛行機の問題があって、上空の、それが後から分かって気付いて、何か余りにもこれお粗末だみたいな都知事の記者会見とかも出ましたけれども、そういうようなことだろうというふうに思うんですが。  今回、この競技会場の変更という部分について、一つ私の方でちょっと気になるのが、今回の東京オリンピックの目玉というか、立候補ファイルをまた見させてもらう中でも、東京圏の三十三競技会場のうち二十八会場は選手村から半径八キロ圏内に設置される非常にコンパクトな会場計画、高速かつ効率的な公共交通機関などなどということで、一つの目玉がコンパクトな大会、いわゆるこれからの時代に合ったいわゆるスマートなそういう大会というのが一つの売りだったと思うんですが、既にこれ、その圏内から離れていっているような会場とかもありますけれども。  実際に、これ、今も報道などで出ている中で、これはもう組織委員会の方も発表しているから申し上げてもいいと思うんですけれども、例えば自転車競技など、まあ橋本先生が会長でここにいらっしゃる中で大変恐縮でございますけれども、これは伊豆の方でやられるというようなことでございますけれども、やるというか、まだ確定はしていないけれども、これは組織委員会検討していると発表したということですから、まあ検討はしているということで出ておりましたけれども。  これ、コンパクトな大会、スマートな大会というこの大会コンセプトとの整合性についてはどうなんでしょうか。まあ文科省にお答えいただく話なのかどうか分かりませんが、今日は組織委員会の方、答弁者がいらっしゃらないんで、文科省の方で答弁してください。
  75. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 確かに御指摘のとおり、コンパクトな大会、八キロ圏内に相当多くの施設が入っているということを売りにして二〇二〇年東京大会招致を戦ったわけでございます。その後、いろんな事情もあり、あるいは更に予選会場を増やすとかもあり、ここに調整中の会場ができてきたわけで、そういうことも踏まえまして、今後どうするかということを、IOCの方では昨年十二月の総会においてオリンピック・アジェンダ二〇二〇というのを全会一致で採択して、この中で、既存施設の活用を促す、それから地理的要因や持続可能性の理由から、開催都市以外での競技の実施も構わないですよと、そういうことが認められたわけでございます。これも踏まえまして、現在、組織委員会及び東京都において競技会場の見直しを行っているところでございます。  したがいまして、コンパクトな大会という基本コンセプトは基本的にはあると思うんですけれども、それを踏まえながらの見直しもIOCが認めたという前提の中で改革を今やっていると。IOCからこの検討の方向性については評価を受けていると聞いておりまして、大会開催に当たって両方の観点を踏まえて調整しているという状況であると認識しているところでございます。
  76. 森本真治

    森本真治君 大会のコンセプトも非常に重要だと思うけれども、その一方で、これはアジェンダ二〇二〇でしたか、先ほど言われた、やっぱりコストの問題、どうこの二兎を追うのかという難しい調整の中で今準備がされているのかなというふうにも思ったりもしますけれども、その辺がやはり説明責任ですよね、今後の。本当に国民の皆さんが納得するような、常に情報公開の中でやっていかなければいけないのかなというふうにも思いますが。  それともう一点、その選手村から八キロ圏内という部分の会場がどんどん遠くなっていくのではないかという中で懸念されるのが、やはり選手の立場に立ったときの、例えばこれは伊豆ベロドローム開催で舛添知事の記者会見のコメントですけれども、選手はホテルに泊まってもらうんじゃないか、また、試合が終わった後は温泉にゆっくりつかってもらえれば疲れも癒やされるというような話はされていますけれども。  私は選手村には入ったことがないのでよく分からないんですけれども、実際、その選手のコンディションの上において、これ選手村からどんどん離れていって、それこそ遠くの方はホテルとか旅館とか、そういう新たなものをまたそこに別の選手村の分館みたいなものを造るのかどうか知りませんけれども、まあホテルでそういう試合に臨まれるということについてはどうなんでしょうか。これ選手のコンディションというか、そういう部分との調整というか、そこについてはどのような御見解をお持ちですか。
  77. 久保公人

    政府参考人久保公人君) オリンピック開催する場合には、選手村をつくって、そこに世界の各国の選手が国境を越えて接して様々な平和活動も併せて行うというのがオリンピズムの精神でございますから、基本的にはそういう形で運営されることが望ましいわけでございまして、場所が遠方になりますと、その競技種目の選手は全員そこに行かれますから条件は同じようになりますけれども、やはり適切なオリンピズムを踏まえた競技を行っていくという点はとても大事なわけでございまして、その辺につきましては国内の競技団体あるいは国際競技団体の了解を得ながら進めていく必要がございます。  その辺りのやり方につきましては、組織委員会が具体的に相談しながら検討していくことになると思うわけでございますけれども、今の先生御指摘の例はまだ具体的に調整中で何もどうなるかは分かっていないわけでございますので、一般論としてのお答えになりますけれども、組織委員会がその辺も踏まえながら調整されていくことになるんだというふうに考えているところでございます。
  78. 森本真治

    森本真治君 ありがとうございます。まだ仮定の中での今これ議論なので、今後もこの辺りについては我々としてもしっかりと注視をしていかなければならないというふうに思います。  最後にこの会場の関係でもう一点だけお伺いしたいんですけれども、昨日も大きな地震が、私は広島で余り大きな地震を経験したことなかったのが、国会議員になってこちらに来たら、まあしょっちゅう大きな地震もあって、そのたびに私どきどき今しているんですけれども、やっぱり不測の事態ということについては常に想定をしなければいけないのかなというふうに思います。首都直下でありますとか東南海というようなこともあります。そういうようなことも考えたときに、これ、それぞれの競技会場、代替会場というか、そういうような、そういう不測の事態に備えてのことというのも議論されているんですか。ちょっとそこだけ確認させてください。
  79. 久保公人

    政府参考人久保公人君) オリンピックパラリンピック大会開催におきまして、様々なリスクに備えることは極めて重要でございます。このため、組織委員会におきましては、大会運営全般のリスクマネジメントについて検討を進めているところでございまして、災害などで競技施設が使用できなくなった場合の対応方法につきましても、リスクマネジメントなどの観点も踏まえながら、組織委員会において今後検討していくことになるものと承知しているところでございます。
  80. 森本真治

    森本真治君 これも今後の検討ということでございますから、引き続きこの辺りについても追わせていただければというふうに思います。  残りの時間、あと十分余りになりましたので、先ほども斎藤委員の方からいろいろと議論のありました新国立競技場の建築計画の進捗状況について、今日は日本スポーツ振興センターの鬼澤理事さんにもお出ましいただきましてありがとうございます。取り上げさせていただきます。  まず、大臣の方に、今回の件ですけれども、まさに今最終的な実施設計というか、業者との話合いが大詰めを迎えているという極めて慎重に対応しなければいけない時期の中で、今回、会場の変更ということを公表をされました。  当然、表に出していいこと、出していけないことというか、今交渉過程ですから、それはあろうかと思うんですけれども、なぜこのタイミングで、業者との交渉がまとまる前に、大臣、このような公表をされたのか、まずその真意をお伺いさせていただきたいと思います。
  81. 下村博文

    国務大臣下村博文君) この国立競技場の整備につきましては、JSCにおきまして昨年八月から実施計画を行っており、その中で設計者側から、二〇一九年春に竣工させるためには整備内容の一部について工夫、見直しが必要であるとの意見が出されたとの報告がありました。具体的には、この春に私の方から直接JSCから聞きました。  政府としては、ラグビーワールドカップ、オリンピックパラリンピック開催するには、これはもう二〇一九年春の竣工はこれは必須であって、これを工期を遅らせてはならないという判断の下に、一つは、開閉式遮音装置の二〇二〇年大会閉幕後に竣工する、それから可動式の常設電動伸縮方式から仮設簡易型着脱方式への変更、これもコストダウンとそれから工期の短縮にもつながるということでありまして、その検討を行っているところでございます。  このような検討を行っている中、五月の十八日に舛添東京都知事とお会いした際に、知事から工期に関する質問、フルマスコミオープンの中でこれについての知事からの具体的な質問がありましたので、これは答えられる範囲内できちっと答えないと政府として無責任だということを表明するようなものでありますので、私の方から公表できる範囲内の現段階での検討状況について説明したということでございます。
  82. 森本真治

    森本真治君 マスコミフルオープンの中での都知事からの質問に答えざるを得なかったというか、ここは出さなければいけないという文科大臣の政治判断というところもあったのかなというふうに思いますが。  JSCさんの方にちょっとお伺いしたいんですが、先ほど来よりもちょっとこの議論があって、先ほど文科大臣の御答弁で、相当、今の業者さんが提案をされている見積りと差がかなりあるというような、具体的な話は、金額は出ていませんけれども、というようなちょっと御答弁があったんですね。  それで、まず工期についても、これは二〇一九年春ということは当然最初から設計者も含めて分かっている話、さらには事業費についても一千三百億円程度だというようなことが条件としてあったにもかかわらず、それで基本設計を行っているわけですけれども、その条件がここに来て大きく変更というか変わってくるということは、基本設計の不備であるとか甘さということは当然これ問われてくることになろうかと思うんですけれども、まずそこについての御見解をお伺いしたいと思います。
  83. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) お答え申し上げます。  新国立競技場の基本設計につきましては、二〇一九年春の竣工を前提として昨年一月より開始し、昨年の五月に完了はしておるところでございます。  その後、今年の三月になりまして、ラグビーワールドカップの開催会場の一つとして新国立競技場が正式に会場に選定されたことから、現在、ワールドラグビー、世界組織委員会の方から競技場に対する要望を承ってくるという段階になりました。また、二〇二〇年オリンピックパラリンピック大会につきましては、昨年一月に組織委員会が発足し、その後、IOCから今年の二月まで三回にわたりプロジェクトレビューが行われ、様々な設計上の要件も承っています。両大会成功するために、現在行っている実施設計においてそうした設計内容を調整しているという段階でございます。  こうした状況もございまして、設計者の判断といたしまして、基本設計段階における工期を当初どおり進めるということについては、現時点では厳しいという判断をいただいておりますが、様々な工夫をすることで二〇一九年春の竣工は可能というふうに承っております。  当初想定された前提条件の下では、設計者側等の見通し等に必ずしも不備があったというふうには理解しておりません。
  84. 森本真治

    森本真治君 私は、ちょっと専門家ではないんで詳しいところがよく分からないんですが、今後しっかり勉強もしていかなければならないと思いますけれども。  あと、これ、本当に事業者の方への、設計者の方への責任については今御答弁ありましたけれども、JSC側については、例えば設計者なり、今の例えば交渉なんかでもいろいろ施工業者なんかからのいろんな説明があると思いますけれども、それをしっかりとチェックをするというか、そういう専門性ですよね、JSC側の専門体制、例えば建築士とか設計の専門家ということを配置をして、ある意味言いなりになるのではなくて、それについてきちんと反論できるような体制というのはできているんですか。
  85. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 私ども日本スポーツ振興センターといたしましては、この新国立競技場の設計、そして建設事業に当たりまして、センター内に新国立競技設置本部という新たな組織を設けまして、技術系の職員も文科省の支援をいただきながら配置しているところでございます。  また、発注者としての日本スポーツ振興センターを支援する業務、これにつきましては技術力を有する設計事務所に委託しまして、発注者の立場に立って設計内容等を確認いただくとともに、発注者が実施する関係者協議への対応、支援も行っていただいているところでございます。  さらに、建設工事の発注方式あるいは構造設計などに関するアドバイザーを専門家に委嘱するなど、専門的観点からの指導助言をいただきながら万全を期して進めているところでございます。
  86. 森本真治

    森本真治君 先ほど御答弁では、当初の条件設定の中での設計業者などの見積りについては不備がなかったという御見解が示されましたけれども、今、本体では言わば一千三百億強ということがずっとあって、そのときの条件というのがありますけれども、これちなみにそこの客観的な条件だと、これはオープンにできると思うんですけれども、今の資材の高騰とか消費税がこれ八%に計算したら、そこの条件を直したらどのぐらいになるんですか、今の段階で。
  87. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 私ども、基本設計を踏まえて実施設計の段階に入っております。その中では、先ほど来御指摘があったように、技術関係者の専門的な御協力をいただきながら施工予定者のノウハウなどもいただきながら試算しております。まだまだここを精査している段階でございますので、現時点でその価格を今これだということに申し上げる段階にはないというふうに申し上げざるを得ないと思っております。
  88. 森本真治

    森本真治君 ちょっと時間がないんで余り詳しくはできませんけれども、ただ、今そのコストのことでいったら、可動式の部分をなくすとか、そういうような話ということは、ある程度の現在の条件に合わせて幾ら幾らの見積りが出るんで、それで交渉をしてコストをこれだけ減らそうとかという、まさに交渉だと思うんですけれども、ちょっとその辺りももうちょっと明確にしてもらわなければならないなというのと、さらに、あと、今後の資材、人件費の高騰などの見通しなどについて予測ですね、この辺りはJSCさんとしてはどのように今考えていらっしゃるんですか。まだまだこれ上がっていったらもっと大変なことになっていくと思いますけれども。
  89. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 少し説明不足のところがございましたけれども、コストにつきましては、結局、消費税の増であるとか、あるいは市場価格の変動などに伴う増要因というのがありますが、一方で、現在、コスト圧縮のための設計上の工夫、こういった減額要因も勘案しながら精査しているというところでございます。  また、今後の見通しにつきましては、現在、資材とか人件費、こういった見通しについての具体的な指標を持ち合わせていないので正確にお答えすることは困難ですが、今後その予定価格等を作成する際には、その時点における適正な価格を反映することになろうと思っております。  また、工事価格の締結後に例えば請負代金額が不適当になった場合など、賃金水準やあるいは物価水準、こういったものの変動があった場合には、工事請負契約等に基づきまして、これは適切に対応してまいりたいと考えております。
  90. 森本真治

    森本真治君 時間が参りましたので終わらせていただきたいと思いますが、ちょっと今日質問を準備していた部分でいえば、例えば財源の負担の問題、東京都との交渉なども今後あろうかと思います。さらには、今、今日はなかなか、まさに交渉中だということで、この実施設計、まさに業者との交渉過程ということで、十分にちょっと御答弁いただけないところもたくさんあったと思います。  これ、ちょっと最後、委員長の方にお願いをさせていただきます。やはりこれ、今国民の中でも非常に不安感が高まっている今回の新国立競技場の問題でありますから、やはり、しかるべきときにこの委員会において関係者の皆さんを招いての集中審議というのも、やはりこれはやっていかなければならないというふうに思います。これは成功させるためにも非常に、この大会をですね、重要な問題だと思いますので、委員長のお取り計らいをお願いをさせていただいて、質問を終わりたいと思います。
  91. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) ただいまの件については、後刻理事会で協議をいたします。  午後一時に再開することとし、休憩をいたします。    午後零時五分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  92. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成三十二年東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会特別措置法案及び平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法案の両案を一括して議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  93. 秋野公造

    ○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てますよう質疑をしたいと思います。  まず、感染症対策について伺いたいと思います。  既に大臣より、感染症対策については取り組むともう御答弁があっているところでありますが、多くの人がお集まりになり、そして多くの人が母国に帰るということを考えますと、感染症の問題というのは極めて重要でありまして、例えば日本で起きた感染症を世界に蔓延をさせてしまうようなことが絶対にあってはならない、また逆のこともあってはならないと思います。  私自身が今思い浮かべているのは、昨年お正月、レイテ島を訪ねました。ちょうど台風三十号の後の被災をした状況でありまして、感染症の流行というものが懸念された状態でありましたが、当時の自衛隊及びJICAの医師団等が対応を行ってくださったおかげで懸念された感染症は起こらなかった代わりに、自衛隊がたどり着く前に先に被災者が避難したマニラではしかが大流行を起こし、そして、それがそのまま日本に入ってくるという事態になりました。昨年の日本のはしかの大流行はフィリピン株ばかりであります。  このように国境を越えて簡単に感染症が起こるということを考えますと、その機会が増えるオリンピックパラリンピックでの対応は重要であるということが改めて言えるかと思います。まずは、大臣の御見解と、そして御決意について伺いたいと思います。
  94. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 御指摘のとおり、二〇二〇年オリンピックパラリンピック東京大会は極めて大規模スポーツ競技会であり、多数の外国人の訪日が見込まれておりまして、感染症対策についても取組の充実を図ることが極めて重要であると認識しております。  このため、感染症対策につきましては、厚労省において予防策の徹底、それから注意喚起、また適切な医療の提供、研究開発の促進のほか、検疫体制の整備などに取り組んでいるというふうに認識しております。  今後、出入国管理の強化を始め複数の省庁連携して取り組むことが必要な課題につきまして、政府全体でしっかり取り組んでまいりたいと思います。
  95. 秋野公造

    ○秋野公造君 大臣から今、出入国管理の必要性もおっしゃいました。私も全くそのとおりだと思います。  その上で、あえて申し上げておかなくてはならないことは、昨年の発生をいたしましたデング熱の流行であります。七十年ぶりに国内でデング熱が流行、発生をいたしました。デング熱は蚊を媒介として起きる感染症でありまして、昨年は、例えばそういう蚊が多いところ、発生が起きたところについては消毒が行われるだけでなく、立入禁止等の措置もとられたところであります。こういったことがオリンピックパラリンピックのときに発生をしてしまいますと、なかなか運営にも大きな支障が生ずると私自身は思っています。  そして、あのときの対応についてもでありますが、蚊を除去するということについての対応は行われたわけでありますが、感染者から感染をするわけであります以上、感染者に対しては、例えば隔離とはいかないまでも外出の制限みたいな、何らかの措置みたいなことは検討してみてもよかったんじゃないかなと自分自身は思っているところであります。  そういった意味では、通常の対応だけではなかなか乗り越えられない課題もあるのではないかと思います。そういった意味では、より一重深掘りした対応が必要ではないかと思いますが、この点についても改めて文科省のお考え、お伺いをしたいと思います。
  96. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 二〇二〇年オリンピックパラリンピック東京大会におけます感染症対策といたしまして、出入国管理の強化はもとより、大会関連施設周辺における対策や、訪日外国人の健康を確保するための対策も重要であると認識いたしております。  大会関連施設周辺における対策につきましては、組織委員会が作成いたしました大会開催基本計画において、公衆衛生機関と連携して、安全な公衆衛生環境を確保し、感染症などの発生、拡大、蔓延の防止に取り組むこととされております。  デング熱等の海外から持ち込まれる感染症への対策や、他の先進国と比較して我が国に多く発生の見られる風疹や結核といった感染症への対策につきましては、厚生労働省において取組を進めておられるところではありますけれども、今後これらの対策の充実を図りますために、平時を越える強化策も含めた取組の充実につきまして、厚生労働省を始めとした関係府省に促してまいりたいと考えております。
  97. 秋野公造

    ○秋野公造君 平時を越える強化策について、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  大臣伺いたいと思いますが、世界中から多くの方を呼び込むためにはやはり広報というのが非常に重要であります。まだまだ先の話ではありますものの、例えば多様な言語で大会の広報資料を作成するなど、オリンピックパラリンピック開催を、世界に向けた発信を充実することということは大変に重要かと思いますが、御見解を伺いたいと思います。
  98. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 二〇二〇年東京大会開催に向けまして、開催自体の広報を行うことはもとより、世界に向けて日本の魅力を発信することも極めて重要でありまして、ひいては、訪日外国人の増加に大きく貢献するものにもなってくると思います。  このため、組織委員会は、リオ大会において東京大会の周知そのものを図るとともに、日本文化やテクノロジー、被災地が復興した姿などを発信することも予定をしております。それらの成果を踏まえ、多言語化も含めた大会の広報資料の具体的な検討を行うというふうに聞いております。  また、文科省としても、リオ大会直後の来年十月にスポーツ文化・ワールド・フォーラムを開催し、二〇二〇年東京大会に向けたスポーツ・フォー・トゥモローの取組や文化プログラムにつきまして世界に発信していきたいと考えております。  大会の広報資料を始めとした世界への発信の強化につきまして、組織委員会や外務省等の関係機関と連携しつつ、しっかり取り組んでまいります。
  99. 秋野公造

    ○秋野公造君 ありがとうございます。  この段階で、広報の必要性について一つ御提案を申し上げておきたいと思います。  それは、パラリンピックの参加者の中に視覚障害者の方が含まれているということであります。今日は理事会のお許しをいただきまして、このような機械、お持ちをいたしました。(資料提示)これは音声コードと言いまして、QRコードのような大きさのものを、この機械、この携帯電話の先にカメラが付いておりまして、そこで読み込むことによって、これは実は五年前のものでありますが、八百字程度の情報量についてはあの小さなQRコードで全て、日本語だけでなく、外国の言語も含めて読み取るようなことができるというこの機械そのものであります。  これは五年前のものでありまして、五年たった今では、もう例えばこういったような機械がなくとも、例えばこの携帯電話でありましたりスマートフォンでありましたり、そういったもので直接読み込むことができるような状況になっており、多言語についても対応が徐々に可能になってきているということを聞いております。  そういう意味では、さらにこれからまだ先の話であります。もっともっと技術というのは進歩するかと思います。そういった意味では、視覚障害者の方々に対して音声で情報を伝えるというのはよりアクセスが可能になるのではないかと思います。こういった機械なども使いながら、障害者に対する広報も充実していくということについてお考えを伺いたいと思います。
  100. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 大会運営に当たりまして、障害者に対する配慮や工夫を行うことは重要と認識しております。このため、大会組織委員会東京都、国が主催いたしますアクセシビリティ協議会におきまして、競技会場やアクセス経路等についてハード、ソフト両面でのバリアフリー化を図ることを目的といたしまして、昨年十一月から、関係自治体や障害者団体等の参画も得て、アクセシビリティ・ガイドラインの策定に向けた検討を行っているところでございます。  視覚障害者向けの情報支援の在り方につきましては、御指摘の音声コードも手段の一つとして考えられるところでございます。同協議会におきまして、障害者の方々の御意見も伺いながら検討していきたいと考えております。  なお、このアクセシビリティ・ガイドラインにつきましては、IPCの承認後、個別の競技会場等に反映させるべく周知徹底を図ることとなってまいります。障害の有無にかかわらず、全ての人々にとって参加可能な大会となりますよう、関係者とともに取り組んでまいりたいと考えております。
  101. 秋野公造

    ○秋野公造君 よろしくお願いいたします。  大会関連施設で木材の利活用も検討していると伺いました。前回委員会で柴田委員から木材、建築物、建造物に対する有用性というところについては議論があったわけでありますが、今日、私、もう一つ理事会の御許可をいただきまして、今日、これお示しをしたい。(資料提示)この板のように見えるもの、今日は小物ばかりで申し訳ございませんが、これ実は竹を圧縮してできた板であります。断面から見ますと、竹のあれがぐっと圧縮して、圧着させて作ったものということになりますが、非常に堅くて、私が素振りで使っております木刀などみたいなものにも使うことができる、非常に堅いものであります。  竹のいいところは、例えば床暖房などに用いますと、ほかの木材が反ってしまうことに対して、この竹を圧縮したこういった板にいたしますと全く反ることがないといったようなこともあり、抗菌性も高いものであります。全部とは言いませんが、今、放置竹林も大変深刻な状況になっておりまして、例えばそういった防災対策の観点からも竹を切って利用するということは非常に重要ではないかと思います。すぐに生える竹の利用でありますので、こういったものも使ってみることを御検討いただけないでしょうか。文科省の見解、伺いたいと思います。
  102. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 大会関連施設におけます木材の利活用につきましては、選手村のオリンピックビレッジプラザの設計に日本の伝統的な建築様式を取り入れ、木材を使用する予定となってございます。  御提案いただきました竹の使用につきましては、いろいろメリットもあるようでございます。今後、整備される各施設においてどういう形で、建築に関する費用あるいは整備される設備の性格や利用形態など様々な要件を考慮しつつ検討されていくことになると思いますけれども、組織委員会に今の御提案も紹介した上で、併せて連携して検討してまいるようにしてまいりたいと思います。
  103. 秋野公造

    ○秋野公造君 ありがとうございます。  最後に、大臣伺いたいと思います。  せっかく一流のアスリートがお越しになります。先ほどの橋本委員の御質疑にもありましたが、小さい頃からそういうことに触れていくということが大変重要であることを学ばせていただいたところでありますが、せっかくお越しになりますので、日本を訪れるスポーツ選手たちが、東京のみならず、地域子供たちとも触れ合うような、そんな機会をつくってはいかがかと思いますが、大臣の見解を最後に伺いたいと思います。
  104. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 御指摘のように、二〇二〇年東京大会に集うスポーツ選手たち子供たちと交流することは、子供たちに夢や希望を与え、グローバルで豊かな人間性を備えた人材を育成するという点で大変有意義なものであると考えます。  各国の関係者の理解と協力が必要でありますが、例えば、事前キャンプを誘致した自治体が、それを契機に大会参加国やチームとの交流を深め、大会後に選手子供たちとの交流をつなげていくことなどが想定されます。  事前キャンプにつきましては、大会組織委員会が今年四月に全国の自治体に対して事前キャンプ候補地の募集を開始したところであり、今後、組織委員会や自治体とも連携しながら事前キャンプを契機にした取組等について促してまいりたいと思います。
  105. 秋野公造

    ○秋野公造君 ありがとうございます。オリンピックパラリンピックが大成功するよう、私も力を尽くしてまいりたいと思います。  ありがとうございました。
  106. 新妻秀規

    新妻秀規君 それでは、私はラグビーを中心に今日は質疑をしていきたいと思います。といいますのも、私は大学に入ってからラグビーを体育会で始めましてすっかりとりこになりまして、社会人になってもずっと続けてまいりました。また、今月に入っても二試合、草ラグビーの試合に飛び入り参加をしまして、今でも体が痛いんですが、本当にラグビーの魅力に取りつかれている一人でもございます。なので、本当に二〇一九年、楽しみにしております。  そうしたところから、まずは、寄附金付の郵便はがきなどを使ったラグビーワールドカップの国内認知度向上と財政的支援について、まずは伺おうと思います。  ラグビーワールドカップとオリンピックパラリンピック大会が同じ国で相次いで開催されることは初めてでございまして、この機会を活用して、ラグビー大国では決してない我が国でのラグビーワールドカップ大会の認知度向上や財政的支援のために、このラグビーワールドカップ大会単独での寄附金付郵便はがきなどの発行のほか、この大会オリンピックパラリンピック大会の相乗効果が期待できるような寄附金付の郵便はがきなどの発行の方法を検討できないでしょうか。また、二〇〇二年のサッカーワールドカップ日韓の大会では協賛の宝くじ、また記念コインも発行されております。これらについてもどうでしょうか。御答弁をお願いいたします。
  107. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 二〇一九年に開催されますラグビーワールドカップ大会は、世界が注目する大規模な国際競技大会でございまして、その翌年に開催されますオリンピックパラリンピック競技大会準備運営は重複する部分が多うございます。一体的な準備を進めていくことが重要であると考えております。  このため、ラグビーワールドカップ組織委員会の御手洗会長は東京オリンピックパラリンピック組織委員会の名誉会長、また、ラグビーワールドカップ組織委員会の森副会長はオリパラ組織委員会の会長に、竹田会長は両大会の副会長と、それぞれ責任のある方々が両大会組織委員会の役員に就任しておられまして、文科省も、両組織委員会の理事会等に出席して連携を取らせていただいております。  政府といたしましても、二〇二〇年オリンピックパラリンピック東京大会等に関する閣僚会議において、両大会の一体的な準備に配意しつつ、重要問題に関する協議等を進めてきております。  また、両大会組織委員会は連絡会議を定期的に開催し、相互の準備状況等について情報共有を図ってきております。  両大会の寄附金付記念切手、協賛宝くじ、記念貨幣等の発行につきましては、販売枚数や販売方法などを工夫いたしまして、大会の相乗効果を高めることができるような取組を含めまして、両大会組織委員会関係省庁連携して検討してまいりたいと考えております。
  108. 新妻秀規

    新妻秀規君 先ほどの斎藤委員も触れられていらっしゃいましたけれども、やはり認知度が低いこのラグビー、これをいかにしてオリンピックパラリンピックと連動してプロモーションできるか。こうしたことを、今おっしゃったような検討を是非とも進めていただけたらと思います。  次に、ラグビーワールドカップの課税関係についてお伺いをしようと思います。  ラグビーワールドカップの大会は、開催期間が七週間にも及ぶために、租税条約を締結をしていない国や地域から参加する協会またスタッフに法人税又は所得税が課される可能性があるかもしれません。二〇〇二年のワールドカップ日韓の大会の際には、国際サッカー連盟から非課税の要求を受けまして議員立法により非課税とした、こうした経緯もございます。  今回、大会を主催するワールドラグビー、昔の国際ラグビーボードですけれども、そこのワールドラグビーから同様の要求がなされる可能性はないのでしょうか。御見解をお願いします。
  109. 久保公人

    政府参考人久保公人君) ワールドカップサッカー大会におきましては、大会主催者であります国際サッカー連盟が同連盟の役職員、審判員等に対して旅費、日当などの報酬を支払いますとともに、出場国のサッカー連盟に対しては旅費や滞在費等を支援する趣旨で資金を分配しております。二〇〇二年の大会の際には、大会主催者から大会開催条件としてこれらの報酬について日本において非課税とすることが求められておりましたために、税制上の特別措置を行ったものでございます。  一方、ラグビーのワールドカップ大会におきましては、主催者であるワールドラグビーからは役職員、審判員等に対して報酬が支払われることはなく、また、出場国の連盟に対しても資金が分配されることはございませんので、主催者からこのような非課税の措置は求められていない状況でございます。
  110. 新妻秀規

    新妻秀規君 検討の必要がないということは分かりました。  それでは、次の質問に移ります。  これは、オリンピックパラリンピック、そしてラグビーワールドカップ共通なんですけれども、組織委員会役職員の刑法及びその他の刑罰適用の特例についてお伺いをいたします。  こうした組織委員会の役職員について、公務に従事する職員とみなして刑法等の罰則を適用する理由は何でしょうか。御答弁をお願いいたします。
  111. 久保公人

    政府参考人久保公人君) ラグビーのワールドカップ大会及び東京オリンピックパラリンピック競技大会世界で最も大規模スポーツイベントの一つであり、このような大規模大会開催することは、スポーツ人口の拡大、国際スポーツ界におけるプレゼンスの向上など、我が国のスポーツ振興に与える影響は極めて大きいものがございます。また、この機会を捉えた世界への我が国の情報発信、訪日外国人の増大による経済的効果、国際相互理解の促進など、大会開催を通じた多大な社会的効用がもたらされることとなるところでございます。  このように、両大会は極めて高い公共性、公益性を有するものでございまして、両大会組織委員会業務遂行につきましては、より一層の公正性、適正性が求められることになってまいります。このため、過去のオリンピック競技大会ワールドカップサッカー大会の例に倣いまして、刑法等の罰則規定の役員及び職員への適用に関するみなし公務員規定を置くこととしたものでございます。
  112. 新妻秀規

    新妻秀規君 明快な御答弁ございまして、ありがとうございます。  次に、ラグビーワールドカップの過去の開催地での教訓をどう生かすのかについてお伺いをしたいと思います。  二〇一一年、今から四年前のニュージーランドでの大会では、大会開催中の失敗として輸送の混乱がございました。開催の日のプレイベントに予想を超える人出がありまして、バスや電車の大幅な遅延がありました。原因としては、予想が不十分であったこと、そして多くの乗客を短時間に輸送した経験が不十分だったこと、こうしたことが指摘をされてございます。  この九月から十月にかけてはイングランドでラグビーワールドカップ二〇一五年大会が行われます。ここでも様々な教訓が得られるかと思います。  こうした過去のワールドカップの経験をどのように把握をしているのでしょうか、そして、それをどのようにして二〇一九年の我が国での大会に生かしていくのか、御答弁をお願いをいたします。
  113. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 大規模大会成功に導きますためには、過去の大会を教訓として経験を運営に生かすことは極めて重要でございます。このため、大会組織委員会では、二〇一三年、平成二十五年の九月から二〇一四年、昨年の七月まで、二〇〇三年のラグビーワールドカップ・オーストラリア大会成功に導かれたマット・キャロル氏をエグゼクティブアドバイザーとして招いて、指導を仰いできたところでございます。  また、組織委員会では、ラグビーワールドカップ大会の主催者が開設いたします過去の大会情報を提供するナレッジセンターを活用いたしまして、大会の基本的な計画の策定を進めているところでございます。  さらに、先ほど御紹介ございました本年九月に開催されます二〇一五年ラグビーワールドカップ・イングランド大会につきましては、組織委員会開催自治体、関係機関から多数スタッフを派遣いたしまして、大会会場の運営、輸送計画、ボランティアの活用、ドーピング検査の実施等について幅広く学ぶことを予定いたしております。  組織委員会では、過去の大会の教訓を踏まえた上で、訪日外国人や観客の受入れ対応、輸送体制等の計画作りの検討を進めているところでございまして、文部科学省といたしましても、関係省庁連携しつつ、組織委員会の取組を支援してまいりたいと考えております。
  114. 新妻秀規

    新妻秀規君 今おっしゃったような取組を着実に推進をしていただきたいと思います。  それでは、この二〇一九年のラグビーワールドカップの経験、これをどう二〇二〇年の東京大会に生かしていくのか、お伺いをしたいと思います。  下村大臣は、先週十九日の趣旨説明におかれましてこうおっしゃいました。昨年四月に設置をされた二〇二〇年オリンピックパラリンピック東京大会等に関する閣僚会議において、東京オリンピック競技大会及び東京パラリンピック競技大会とラグビーワールドカップ大会との一体的な準備に配意をしつつ、重要問題の協議等を行うこととしているところであります、このように述べられています。二〇一九年ラグビーワールドカップでの様々な経験は二〇二〇年東京大会への貴重な財産になると思いますが、具体的にどのようにしてこの二〇一九年ラグビーワールドカップの経験を生かしていくのか、御答弁をお願いをいたします。
  115. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 二〇一九年ラグビーワールドカップ大会は、二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック競技大会の前年に開催される大規模スポーツ大会でありますとともに、その準備運営につきましては、セキュリティー対策や観客の受入れ等オリンピックパラリンピック競技大会と共通する課題が多いところでございます。このため、両大会組織委員会は、昨年七月から連絡会議を定期的に開催いたしまして、大会運営や環境整備等について連携と情報共有を図ってきていると聞いております。  政府といたしましても、現在開催しております二〇二〇年オリンピックパラリンピック東京大会等に関する閣僚会議において、両大会の一体的な準備に配意することといたしております。両大会成功に向けて、オールジャパンでしっかりと準備してまいりたいと考えております。
  116. 新妻秀規

    新妻秀規君 今局長がおっしゃったオールジャパンの体制の構築、是非ともお願いをしたいと思います。  次に、ラグビーワールドカップのキャンプ地についてお伺いをしたいと思います。  チームのキャンプ地はどのような基準で選定をされるのでしょうか。また、キャンプ地をどのように支援していくのか、御答弁をお願いいたします。
  117. 丹羽秀樹

    ○副大臣(丹羽秀樹君) お答えさせていただきます。  チームのキャンプ地といたしましての要件は、本年九月に開催されますラグビーワールドカップ・イングランド大会状況を踏まえて大会組織委員会が作成いたし、その要件を満たした自治体が組織委員会を通しましてキャンプ候補地として各国チームに提示されます。最終的なキャンプ地においては、各国のチームの要望を踏まえて組織委員会が決定することとなっております。  もちろん、国といたしましては、従来より、地域スポーツ施設の整備に対して、文部科学省による国庫補助や日本スポーツ振興センターがスポーツ振興くじ助成を実施しているところでございます。  今後、選定されるキャンプ地に対しましてどのような支援の可能性があるか、大会組織委員会としっかりと連携し、検討していきたいと考えております。
  118. 新妻秀規

    新妻秀規君 承知いたしました。  最後に、ラグビーワールドカップにおけるホストシティー、ホストタウンのような取組が可能かどうかについてお伺いをしたいと思います。  東京オリンピックパラリンピックでは、ホストシティー、ホストタウン構想の取組が始まっております。二〇二〇年の東京大会に向けて、全国の自治体と参加国地域の相互交流を深めることを目的として、ホストシティー、ホストタウンになりたい市町村と相手国、そして地域をつないで、スポーツ文化、観光などの分野でイベントを展開をして、また、オリンピック東京大会では、地域による応援、また選手団との交流を深める活動を行うものと承知をしてございます。  また、先ほど来申し上げております二〇〇二年のサッカーワールドカップの日韓の大会では、キャンプ地と参加国の交流が進んで、大分県の旧中津江村とアフリカのカメルーンの交流は今でも続いていると承知をしております。  これに類した取組を、ラグビーワールドカップにおいても試合開催地またキャンプ地で実施できれば、自治体と参加国地域の相互交流を深める良い機会となると思いますが、文科省の御見解をお願いいたします。
  119. 下村博文

    国務大臣下村博文君) ホストシティ・タウン構想は、東京オリンピックパラリンピック競技大会を契機に、大会参加国地域と自治体との相互交流をより一層活発に行うことで我が国の地域活性化や観光振興等につながるものと認識しております。こういった観点は二〇一九年ラグビーワールドカップ大会にも共通しているというふうに考えます。  この大会は、北は北海道から南は九州まで全国十二か所の会場で実施されることが決定しており、大会を実施する自治体におきまして、参加国の受入れや大会の機運醸成に向けまして、各種イベントや相互交流など様々な取組を検討しているというふうに聞いております。また、開催期間が七週間と非常に長期にわたっております。さらには、各国代表選手団の事前合宿も行われますので、キャンプ地として参加国を受け入れる用意を進めている自治体も多数あるというふうに聞いております。  文科省としても、組織委員会連携し、ラグビーワールドカップ大会地域の活性化や観光振興にしっかりとつながるよう、開催自治体等との取組を促してまいりたいと思います。
  120. 新妻秀規

    新妻秀規君 大臣の力強い御答弁、ありがとうございました。是非ともこうした前向きな取組を更に推進していただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございます。
  121. 柴田巧

    ○柴田巧君 維新の党の柴田巧です。よろしくお願いします。  オリンピックパラリンピックは、言うまでもありません、スポーツの祭典ということですが、先ほどからもお話があるとおり、文化や科学技術を更に発展をさせていく契機にもなるものであります。  特に、科学技術、我が国は世界に誇るそういったものを持っているわけですが、これが、二〇二〇年を一つのターゲットイヤーにしながらも、その後も見据えてしっかりこれを機に進歩発展をさせていく、そして、それを世界に発信をしていく、あるいは社会実装をしていくということが大変意味があることだと思っております。  先月まとめられたオリンピックパラリンピックレガシー創出に向けた文科省の考えと取組の中においても、我が国の科学研究の蓄積と科学技術の発展、成果を国内外へ発信するとともに、最新の科学技術の社会実装、実証を加速するとしているわけですが、そういう意味でもこの東京オリンピックパラリンピックは、二〇二〇年の、アスリートだけではなくて、我が国の科学技術イノベーションの夢の舞台にもしていかなきゃならぬと思いますし、課題解決先進国として、言わば二〇二〇年のオリンピックパラリンピックを、我が国の最先端科学技術の、言わばその期間をショーケースの機会と捉えて、我が国の科学技術によるシステムソリューションを世界に発信する絶好の機会にしていくべきだと思っています。  前のオリンピックは、パラリンピック日本を変えたものだと言われましたが、今度のオリンピックパラリンピック世界をそれこそ変えるぐらいの意気込みで、その分野でも金メダルを取る意気込みで、是非科学技術イノベーションを推進をしていかなきゃならぬと思っておりますが、今申し上げたように、この二〇二〇年の東京オリンピックパラリンピック日本発の科学技術イノベーションの契機にして、課題解決先進国としての揺るぎない地位にすべきではないかと思いますが、大臣の基本的なお考えをまずお聞きをしたいと思います。
  122. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 御指摘のように、日本が課題解決先進国として世界に向けてアピールしていくに当たりまして、二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック競技大会の機会を契機に、幅広いレガシーの一つとして、科学技術イノベーションの発信や社会への実装、実証を促進していくことが極めて重要であるというふうに認識しております。  文科省では、若手・中堅職員が様々な関係者との対話を通じて検討を重ね、去る四月に、オリンピックパラリンピックレガシー創出に向けた文部科学省の考えと取組を取りまとめ、発表いたしました。  これを踏まえ、イノベーションについても組織委員会等の様々な関係者とこれまで以上に対話を重ね、緊密に連携を図り、最新技術の社会実証、実装を加速し、二〇二〇年を日本の科学技術のショーケースとするとともに、我が国独自の社会的、文化的背景の中で培われた科学技術を発信していきたいと考えます。
  123. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  今の大臣の御認識を踏まえて、幾つか具体的に、じゃ、どういう取組をしていこうと考えているのか、イノベーションを図っていこうとしているのかなど、ちょっとお聞きをしてみたいと思いますが、まずは、何よりも、競技場などに来て、競技や観戦をやっぱり快適に楽しめるものにしなきゃならぬのだと思っております。  競技場にいること自体、わくわくどきどきできるものに是非してほしいものだと思いますし、全ての人が別に競技場に残念ながら来れるわけではありませんので、遠く離れていても、あるいは地球の言わば反対側にいても、時間と空間を超えて、スポーツ感動世界と共有できるような、どこにいてもその場にいるかのような臨場感あふれる体験ができる、そういう大会を是非目指してほしいものだと思っています。  そのためにも最新の映像技術などを利用していく必要があると思いますが、そういったものは遠隔教育にもいずれは活用できるシステムだと思っていますが、いずれにしても、最新のそういう映像技術などを利用して、競技や観戦を快適に楽しんで、感動世界と共有できるようにしていくためにどのようにやっていくか、お聞きをしたいと思います。
  124. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 二〇二〇年東京大会におけます最新映像技術の利用を始めといたしますICT技術の活用につきましては、現在、内閣総理大臣の下に二〇二〇年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会が設置されておりまして、組織委員会東京都、関係省庁連携して検討が進められております。  同懇談会では、例えば4K、8K実用放送の普及促進が検討課題の一つとして挙げられておりまして、二〇二〇年までの目標として、東京オリンピックパラリンピックの数多くの中継が4K、8Kで放送されている、全国各地のパブリックビューイングにおいて4K、8Kの大型ビジョンで東京オリンピックパラリンピック感動全国で共有する、多くの視聴者が市販のテレビで4K、8K番組を楽しんでいるといった内容が掲げられております。  政府といたしましては、最新の映像技術の活用によりまして、二〇二〇年東京大会感動や盛り上がりが全国で共有されるよう、引き続き関係省庁連携して取り組んでまいりたいと考えております。
  125. 柴田巧

    ○柴田巧君 是非、日本の最先端のそういう映像技術を駆使して、遠く離れていても感動が伝わるように、また、それを見た子供たちが将来アスリートを目指したいと思うような、是非、その面においても科学技術イノベーションを進めていっていただきたいと思います。  また、やっぱり今度の大会は、いかに環境に負荷を掛けないクリーンな大会を目指すかということも求められていると思います。今、世界的なエネルギー需給の逼迫や地球温暖化問題がある中で、やっぱり安定供給、環境保全、経済効率、これらを同時に実現するエネルギーへの取組が進められていると思いますが、特に日本はこのエネルギー自給率が低い中で、海外からの化石燃料依存度を低減をしていわゆる二酸化炭素排出削減につながるような、例えば水素エネルギーを用いるなど、クリーンなエネルギー社会の構築を目指していかなきゃならぬと思いますが、こういう観点からも、この東京大会を環境負荷の低い、最新のエコ技術を活用して環境負荷を軽減するような、そういうクリーンな大会を是非是非実現すべきだと思いますが、これを目指してどういうふうに今取り組もうとされているのか、お聞きをしたいと思います。
  126. 久保公人

    政府参考人久保公人君) 済みません、先ほどのちょっとお答えで、ICT化推進に関する懇談会、総理大臣の下にと申しましたが、総務大臣の下にの間違いでございまして、訂正させていただきます。  エコに関しましてでございますけど、本年二月に組織委員会がIOC、IPCに提出いたしました大会開催基本計画におきましては、関係者と協力しながら持続可能性に関する計画について策定すること、クリーンな大会の実施と環境に優しい会場を確保すること、ISO20121の認証など持続可能性マネジメントシステムを構築することなど、環境への配慮や持続可能性に係る事項が盛り込まれております。  また、政府といたしましては、環境省を中心に二〇二〇年オリンピックパラリンピック東京大会を契機とした環境配慮の推進について取り組んできておりまして、環境技術の導入等に係る知見、情報を関係機関に提供するなど、環境に優しい大会の実現を目指すことといたしております。  引き続き、環境に配慮した大会の位置付けに向けまして、組織委員会及び関係府省庁連携しつつ、必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
  127. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  今、一つにはいかに快適であるか、そしてもう一つは今環境に負荷を掛けないか、環境に優しい大会であるかどうか、そういう観点からお聞きをしましたが、もう一つ大事なのは、安心、安全がしっかり図られるかというのが今度のオリンピックパラリンピック一つの大きなテーマだろうと思います。  東京が選ばれたのも、安心、安全の面で高く評価されたからだろうと思っていますが、オリンピックは、先ほど橋本先生もおっしゃったように、今までもいろんなテロの標的になってきたのも事実であって、東京でそういうことが起きないように、またこの平和の祭典が一転にして悲劇の現場にならないように、そして何よりも国際的な信用が失墜しないように万全の備えをしていかなきゃなりません。  この前、内閣、文科の連合審査会でもサイバーテロのことについて備えを聞きましたが、新国立競技場などの競技場あるいは関連施設などでも最先端の科学技術を用いて、例えば不審者を発見する、テロリストを入場、入国させないといった備えをやっぱりしっかりやっていくことが大事だと思っていまして、まさにこの面でも我が国の科学技術の真価が問われるのではないかと思っています。  そこで、二〇二〇年に向けて、新国立競技場を始め関連施設で、我が国の最先端の科学技術を用いてどのようにテロ対策などの強化を図るのか、お聞きをしたいと思います。
  128. 久保公人

    政府参考人久保公人君) テロ対策強化につきましては、各分野で対応してきておるところでございます。新国立競技場を所有、管理いたします日本スポーツ振興センターにおきましては、関連系企業が集まっての勉強会が開かれておりまして、その中で、生体認証システムを利用した入退場システムやアクレディテーションコントロールなど、我が国の最先端科学技術を新国立競技場で活用するアイデアが検討されていると承知しております。  また、組織委員会におきましては、警備局を設置し、競技会場等におけるセキュリティー対策について取り組んでいるところでございまして、大会開催に向け、今後具体的な検討が一層推進されるものと承知しております。  さらに、二〇二〇年東京大会に向けた政府全体の対策につきましては、内閣危機管理監を座長といたしますセキュリティ幹事会を設置し、テロ対策、サイバーセキュリティなど分野別のワーキングチームが既に対策に着手するなど、政府一丸となった取組を進めているところでございます。  今後とも、二〇二〇年に向けて、組織委員会関係省庁日本スポーツ振興センターなどの関係者と密接に連携して、対策に万全を期してまいりたいと考えております。
  129. 柴田巧

    ○柴田巧君 是非、今、何どきこの国も我々もテロに巻き込まれるか分かりません。その標的になるか分かりません。しっかり関係府省とも連携して対策を取っていただきたいと思います。  いずれにしても、科学技術のイノベーションを更に進めて、東京大会が大成功になっていくように是非頑張っていただきたいと思います。  次に、科学技術と並んで文化の問題を取り上げたいと思いますが、先般、日本遺産というのが十八件認定をされました。これは地域に点在する有形、無形の文化財をパッケージ化して地域ごとに一括認定をするものであって、これまでは点としての文化財の指定とかはありましたが、これでは地域の魅力が十分に伝わらないということなどがあって、いわゆるストーリー性を大事に重視をして今回選ばれた。十八件の中には、大臣のふるさとでもある群馬県のかかあ天下も選ばれたということですし、私の地元の富山県高岡市の前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち、人、技、心も選ばれましたが、いずれにしても、この点在する様々な遺産を面として活用、発信をして、地域のブランド化やアイデンティティーの再確認を促進することが期待をされるところですが。  まあ今回は十八件ですが、二〇二〇年のオリンピックパラリンピックまでにはおおよそ百件の認定をしたいということなんですが、この歴史的魅力にあふれた文化財群をいかに戦略的に世界に発信をしていくか、これがこれから問われていくと思いますが、どういう取組をされるのか、お聞きをしたいと思います。
  130. 有松育子

    政府参考人有松育子君) お答えいたします。  今委員からお話がありましたように、日本遺産は、我が国の文化、伝統を語るストーリーを認定をいたしまして、その魅力を国内外に戦略的に発信することによって地域の活性化を図るということを目的としているものでございまして、文化庁では、この日本遺産に認定された自治体に対しまして、こうした魅力、情報発信事業を行うことについて財政支援を行うということにしているわけでございます。  文化庁といたしましては、今後、二〇二〇年までに百件程度認定することができるように、まずこの日本遺産の取組を更に拡充、強化することを目指しているところでございまして、これらを戦略的に魅力を発信していくということは極めて重要であると認識をしております。  具体的なその発信の仕方でございますけれども、何分、第一弾、今年度の十八件を先月認定したというところでございまして、現時点では構想段階ではございますけれども、例えば二〇二〇年に向けまして、世界的なスポーツイベントや文化イベントなどのタイミングに合わせまして、日本の強みや魅力を発信するというような機会を捉えて、日本遺産を積極的に紹介していくということなどを検討しているところでございます。  今後とも、関係省庁や関係機関とも連携を図りながら、日本遺産の事業を通じた我が国の魅力あふれる文化財の対外発信について積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  131. 柴田巧

    ○柴田巧君 その日本遺産、恐らく百件まで認定されると、全国それこそ至る所にそういうものが認定されるんだろうと思いますが、魅力ある文化プログラム全国津々浦々で展開をするということが今唱えられているわけですが、その際において、全国に恐らく出てくるであろう日本遺産をやっぱり大いに活用をしていくということを考える価値があるんじゃないかなと思っています。  そのことによって、それぞれの地域の皆さん、この日本遺産に認定をされて、よし頑張ろうと今かなり盛り上がってきていると思っていますが、改めて自分たちの歴史や伝統文化を顧みる、また、それを核に新たな地域づくりをしていこうという機運も大きくなってくるでしょうし、また、海外からやってくる選手観光客の皆さんも、改めて日本のそれぞれの地域に根差す文化文化財の分厚さに感動するんではないかと思っております。  そういう意味でも、この日本遺産、文化プログラムにおいて大いに活用すべきものであると思っていますが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
  132. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 御指摘のように、二〇二〇年オリンピックパラリンピック東京大会スポーツ文化の祭典でありますが、東京だけでなく全国にその効果を波及させるため、地方公共団体や幅広い民間団体と連携し、全国津々浦々で魅力ある文化プログラムを展開することにより、世界中の人々を、日本文化、魅了するそのポイントにしていきたいと思います。  その中で、今年度から認定を開始した日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化、伝統を語るストーリーを認定するものでありまして、地域が主体となって魅力ある有形無形の文化財群を国内外に戦略的に発信する新たな取組であり、文化プログラムとして大いに活用できる魅力的な枠組みだと思います。  ただ、今、柴田委員の地元、高岡でも認定をされましたが、今回トータル的には八十四件で、まだまだ少ないと。必ずしも全国のそれぞれの自治体が、文化庁からの新たな日本遺産をつくるということについて、十分承知されていなかったのか。あるいは、宝の持ち腐れで、本当はすばらしいんですけれども、自分たちの町にそういうのがあって、それをストーリー性で、ただ建物が神社仏閣なり名所旧跡があるというんじゃなくて、そこに付加価値を設けるようなことに対しての、そういうコーディネート的な発想を持っている、まさにそれが地域おこしになってくるかと思うんですが、そういう視点でよく考えていなかったということがもしあるのであれば、これをきっかけに是非町おこし、地域おこしにもつなげていただきたいと思います。  そういう意味で、この日本遺産の活用というのは、これから地域おこし、町おこしにもつながってくるのではないかと思います。是非、この文化の力で地域創生を図り、日本を元気にし、心豊かで活力ある文化芸術立国を実現をしていきたいと思います。
  133. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございました。  文化庁の方も選んだだけということでとどまらずに、それぞれの地域も頑張ると思いますが、ストーリー性を重視して今度の日本遺産というのを決めたんですから、文化庁の方もシナリオとストーリーを持ってこれを戦略的に発信をしていく、また文化プログラムの中でも活用していただいて、今大臣もおっしゃったように、日本にはこんなにすばらしい文化財群があるんだということをアピールする機会に是非是非していただきたいということをお願いをして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  134. 田村智子

    ○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  新国立競技場の問題でお聞きいたします。  五月十八日、下村大臣は舛添都知事を訪ね、新国立競技場の建設費用の一部を東京都に負担してほしいと要請をされました。その際、都知事からは、整備費の正確な見積りを示すよう求められ、今月中に示すとお答えされました。今月中に総工費を示すということですか、大臣
  135. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 国立競技場の整備計画の見直しにつきましては、現在、整備主体であるJSCと設計者側との間で協議を行っているところであります。  今月中をめどに東京都に対して示す予定の整備計画の見直し内容については、途中経過について説明をさせていただきたいと思いますが、この新国立競技場の総工費については整備内容の見直しの後に設計者側と協議を行うということで、締結するのが六月下旬から七月の上旬ということになりますので、それまで一切ストップするということについては、東京都にも一部負担をしていただきたいと思っておりますので、途中経過について五月末までに取りあえず報告したいと思っています。
  136. 田村智子

    ○田村智子君 それでは、都知事も東京都も、また都民も納得できないと言うしかないんですね。  何も工区ごとに詳細に金額を示せと求めているわけじゃないんですよ。それは、契約とどうなるかということになるでしょう。全体を一社が請け負うなんということはあり得ないわけですから、全体これぐらい掛かりますよということは、これはもう示してもらわなければ私はおかしいというふうに思います。国民に対する説明責任だと思います。  午前の議論の中で、業者の見積りが一千六百二十五億円の基本設計を大幅に超えているという御答弁がありましたので、ちょっとお聞きしたいんですね。  今回、東京都への費用負担というのは五百億円だと報道されています。totoの収益からJSCの事業に充てる額を五%から一〇%に引き上げるという動きがあって、これは五年間で見ると五百五十億円ぐらいになるんですね。そうすると、基本設計一千六百二十五億円に足し上げて、二千六百七十五億円と。業者から示された開きのある金額というのはこれくらいの金額じゃないのかというふうに推測がされるんですが、大臣、いかがですか。
  137. 下村博文

    国務大臣下村博文君) いや、別にこれは隠しているわけではなくて、田村先生、これは業者、ゼネコンが二社ありまして、そこと今、実施計画にのっとった見積り、業者からは実はそれを超えるような額が提示されているというふうに聞いております。しかし、それは余りにも、当初の千六百億を超える、予算そのものも相当縮小した結果での数字でありますから、それを超えるような額についてはとてもこれはそのままのめるような額ではありませんので、今JSCにおいて創意工夫をすることによって、ただ、建築資材やあるいは労務賃金、消費税だけでなくそれ以外のいろんな価格が高騰している、あるいは、質の高いものを使いたいということでのゼネコンからの金額が出されているということでありますが、余りにも開きがありますので、それについては今、実務的な協議、打合せをする中で適正価格、それでもかなりの額を超えるというようなことがJSCから漏れ聞こえてきますけれども、しっかり調整する必要があると思っています。
  138. 田村智子

    ○田村智子君 これはコスト削減なんというのでは限界があるわけですよ。このデザインでいったらこれぐらい掛かっちゃいますよということを、これ国民に説明しなきゃ駄目だというふうに思うんですね。  これまでのお話をお聞きしていますと、何か契約してからでないと示せないかのような流れになっているんですけど、契約しちゃったらもうおしまいです。おしまいというか、それを覆すなんてできないわけですから、これ契約の前に示す、できるだけ早く国民に、このデザインだったらこれぐらい掛かっちゃいますよと示すと、これ約束してもらわなかったらとても納得できないんですが、その点、大臣、いかがですか。いつ示すんですか。
  139. 下村博文

    国務大臣下村博文君) いや、それは契約の前に示すということは、もうこの額でいいですよということをJSCを通じて国も認めたということになりますから、業者の言いなりの金額ということはこれは受け入れられないことでありまして、スポーツ振興くじからもお願いをいたしますが、これは国民の血税を使うということになりますし、また東京都からも一部負担を是非お願いしたいと思っておりますから、やはりぎりぎり、きちっと交渉をするという意味で、事前に業者に予想されるようなことでの額については、これは言うべきことではないというふうに思います。
  140. 田村智子

    ○田村智子君 これ相当な開きと言っていますので、是非私も集中審議含めてやっていかなきゃいけないというふうに思うんですが、今日、JSC、理事さんに来ていただいていますので。  これ総工費で大きな開きがあるということは、その後の大規模改修の費用もやっぱり大きな乖離が出てくるというふうに考えなきゃいけないと私は思うんです。ただ、これ聞いてもお答えにならないので、今日まず一点お聞きをしたいのは、基本設計でJSCは六百五十五億九千三百万円大規模改修で必要だと。これは年間のメンテナンスを含んでいません。三十年後ぐらいの大規模改修にこれぐらいの額が必要だって示しているんですね。これは、じゃ消費税の増税とか設計労務単価の引上げというのを反映した額なのかどうか、この点確認いたします。
  141. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 昨年八月に発表、公表いたしました今御指摘の大規模改修費の試算六百五十六億円につきましては、基本設計時に試算した概算工事費一千六百二十五億円と同様、平成二十五年、二〇一三年七月時点の単価及び消費税については五%を前提としての試算でございます。それ以降、したがいまして、昨年八月までの建設物価あるいは労務単価の高騰分、消費税の増税分、こういったものについては含まれていない数字でございます。
  142. 田村智子

    ○田村智子君 既に消費税八%のときに示した額なのに、消費税は五%で計算して六百五十六億円なんですよ、大規模改修。で、七万二千席の日産スタジアム、総工費は約六百億円です。開閉式屋根がある豊田スタジアム、総事業費四百五十一億円です。新国立競技場の大規模改修は過小に見積もってもこうした巨大スタジアムを一つ造る以上の費用が掛かってしまうと、これでいいのかということも私は問われなければならないというふうに思うわけですね。  次に、技術的にも困難なことが明らかになった開閉式遮音膜についてお聞きします。  こういう膜にはA種、B種、C種という三種類があって、この順番で耐久性も遮音性も低くなっていきます。東京ドームはA種膜、張り替えを含む詳細点検は三十年後に必要というふうなものなんですね。C種膜はそれに対して十三年で詳細点検が必要というのが業者の説明です。  新国立競技場にC種膜を使う、その理由は何ですか。
  143. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 新国立競技場の整備計画におきます開閉式遮音装置でございますけれども、これはデザイン監修者でありますザハ・ハディド氏のデザインを踏まえまして、膜材を折り畳んで収納する、そのことによって開閉が可能にする、そういう構造になってございます。  そのため、いわゆるA種膜、これはガラス繊維を含む膜材でございまして、このA種膜では折り畳むというそういうことが困難、向いていないということでございます。そのため、屈曲性に優れたC種膜を想定しているものでございます。
  144. 田村智子

    ○田村智子君 強度も遮音性もある膜はこのデザインでは使えないということなんです。ふだんは折り畳んで収納して、使用するときには広げる、だから紫外線などによる経年劣化は少ないと考えられるから張り替えは三十年でいいだろうというのが、私がこれまで受けてきた説明なんですね。  しかし、日本膜構造協会のホームページを見ますと、A、B、C種膜とも折り曲げないよう施工管理することが重要と書いてあるわけです。通常、こういう膜は巻いた状態か広げた状態で管理されていて、折り畳んで使っていいよというそういう前提の膜はテント倉庫用の膜だけなんです。  そうすると、膜の張り替えだけで幾ら掛かりますかと、これも過小見積りです、消費税増税分も入っていないです、二十二億九百万円。三十年間での張り替えを見込んで、開閉式遮音膜の減価償却と管理費は年間四億六千百万円というふうに見込まれているんですけれども、十二日間のコンサートの収益は五億円ですよ。ほとんど収支で黒字出てこないんですね。何かトラブルがあったり、膜の張り替えが前倒しになったら、黒字になんかならないって危険性も出てくるんです。  大臣、これで本当にいいのかということを問われてくると思いますけれども、いかがですか。
  145. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 基本的に国立競技場の整備によりまして、オリンピックパラリンピック閉幕後におきましても、スポーツ活動のほか文化活動等、新しい国立競技場がこれまで以上に多目的に活用され、多くの国民に親しまれる施設としてあり続けることが重要であります。  このコンサート等年間十二日間のイベントというのは、この程度開けばこれは黒字化するということでありまして、十二日間以上国立競技場が空いていれば、これは商業ベースのコンサート等に貸出しをするということによって収益を上げることももちろんできるわけでございます。  ぎりぎりの中でJSCが昨年八月に試算した新競技場の収支計画では、開閉式遮音装置の設置を前提として多種多様な利活用による集客能力を向上させ、毎年の収支を黒字化する計画というふうに聞いております。
  146. 田村智子

    ○田村智子君 これ、十二日間というのは、芝を管理するためにはそれ以上閉めたら駄目という額だから、そうそう増やすなんということはできないはずなんですよ。  まだ聞きます。C種膜で折り畳み収納、こういうやり方をしていたのは実は豊田スタジアムがあるんです。ところが、この建設から十四年が経過して、開閉式屋根のメンテナンスや改修費用がこれは造ってから十四年後に急増することが分かったんです。それまでと額が違っちゃう、桁が違っちゃうということが分かったんです。それで、今年からもう閉めるのをやめたんです、開けっ放し。しかも、屋根はもう取り外す方向だということを決められた。これがC種膜の行方ですよ。  新国立競技場は更に複雑な構造なんです。二本のキールの鉄骨が張り出して、膜の中央部分は一番低くなる、雨が降ればその中央部分に水がたまることになる。こんな構造は前例もなくて、どんなトラブルが起きるのか想定さえも難しい、非常に問題が大きいと思います。  私、こうした問題の元凶とも言えるのが、この競技場の最も高い位置に二本のアーチ型のキールを通す、これが問題なんですよ。観客席の一番高い位置から更に二十三メートルも高いところに鉄骨を通すと。こうすると、芝に入る太陽光が遮られます。夜露も風も入りにくくなります。これは芝にとっては致命的です。そのために、芝の管理費というのも膨れ上がる。  これまでの国立競技場と新国立競技場で芝の管理費、これどうなるのか、それぞれ示してください。
  147. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 芝生の管理費のお尋ねでございますけれども、旧国立競技場、この芝生管理業務委託費の平成二十一年度から二十五年度五か年間の実績額の平均で申し上げますと、約一千万円、毎年一千万円でございます。なお、旧国立競技場の芝生管理業務の主な内容としては、芝生の刈り込み、あるいは芝生の更新作業、あるいは部分補修、こういうものでございました。  新国立競技場につきましては、昨年、先ほど申し上げましたが、八月に公表した収支計画におきまして二千二百万円と試算してございます。新国立競技場におきましては、旧国立競技場の芝生管理業務に加えまして、グローイングライト、それから送風機の設置、また地中温度制御システムなどによる芝生育成管理の経費を新規に見込んでいることによるものでございます。
  148. 田村智子

    ○田村智子君 これは今、一千万がこれまでのというふうに多めの数字でお答えになって、直近の数字は八百三十四万円なんですよ、競技場を壊す前の一年間見てみると。  今の二千二百万円、新しくなるとね。これは機器のメンテナンスは入っていないんです。人工光をやり、人工の夜露をつくり、人工の風を送ると、それでも芝のベストコンディションとなるかどうかは極めて疑問なんです。初めて屋根付きのスタジアムになったのは大分銀行ドームで、ここは完成直後あるいは芝の全面張り替えをしたとき、根付きが余りにも悪くてサッカーの試合が急遽会場変更せざるを得なかった。これ、巨額の予算を掛けても最高のコンディションになるかどうかというのは非常に疑問なんです。  さらに、お聞きします。では、この巨大なキール、必要となる鉄骨の量というのはどれくらいになるんですか。
  149. 鬼澤佳弘

    参考人鬼澤佳弘君) 今、キールアーチに使用する鉄骨の量というお尋ねでございますけれども、現在、実施設計において精査中でございますので、具体的な鉄骨量をお答えすることは困難でございます。しかしながら、基本設計時点において概略のキールアーチを含む屋根の鉄骨量としては、想定した量としては約一万八千トン程度でございます。
  150. 田村智子

    ○田村智子君 これ、私もちょっと午前中にいただいたので、この一万八千トンというのがいかなる量かというのは、今後また是非皆さんと一緒に審議したいんですよ。それをあのデザインのために使っちゃうわけですよね。  私、お聞きしましたら、これは最低価格で一気に調達するのなんかとても無理な量なんだと。何社かに分けて調達していかなきゃいけない、そうすると、価格は高騰していくわけですよ、何社かに分けて、最低価格では無理。被災地考えてほしいんです。今、被災地の復興の遅れというのは、建築資材の不足というのが重大問題になっています。  それから、お聞きしましたら、この鉄骨というのは完成させて運ぶなんてことは当然できないんです。そうすると、あの競技場の真ん中でいっぱい工場みたいなのを造って、その場で加工をして、加工したものから組み立てていくと。それだけの人手も必要になる、技術も必要になる。人も資材も、この新国立競技場に、必要もないのにあの鉄骨通すために物すごく集中するということになってしまうわけですよ。  これ、私、もう率直に申し上げたいんです。こうした問題点は、もう最初にデザイン発表されたときから著名な建築家の方々からどんどん提起されていました。だけど、そういう問題解決の能力が率直に言って私はJSCに欠けていたと。  ここはもう政治の決断が必要だと思うんですよ、大臣。今のデザインでは工期も無理、費用も無理。だったら、デザインそのもののもっと抜本的な見直しに踏み込むとき、もうここがタイムリミットだと思うんですよ。是非、今私が話したことも含めて、大臣、真面目に検討していただきたいんですが、いかがですか。
  151. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 今までも真面目に検討してきたつもりでございます。  まず、新国立競技場は二〇一九年のラグビーワールドカップに間に合わせると。それから、二〇二〇年オリンピックパラリンピックはもとよりとして、大規模な国際競技大会を継続的に招致、開催するにふさわしい競技場として八万人収容規模で整備を行うということが前提でございます。  その前提で現在、新国立競技場の整備計画について、一つは、午前中からの議論もありましたが、二〇一九年の春の竣工はこれは厳守をすると、必ず守ってもらうと。それから、コストについても、相当二社のゼネコンから高い額、予想を超える額が提示されているということでございますので、これを縮減するという観点から見直しをする必要はあると思いますし、今見直しているところでもございます。  その結果、開閉式遮音装置等も二〇二〇年以降付ける等々、いろんな工夫をほかのところでもしていく必要があると思いますが、ただ、整備計画の基本、これについては、これは見直すということについては考えておりません。
  152. 田村智子

    ○田村智子君 私、そもそもの出発点から、どんな競技場を造るのかと、今お聞きしてもイベントもできるようにと。オリンピックレガシーとしてどんな施設を造りたかったのかというのは極めて曖昧だというふうに思うんですね。  これまで国立競技場の利用実態というのを私、細かく全部いただきました。どういうところが利用しているのかって全部いただいたんです。そうすると、小学校や中学校あるいは定時制、通信制の高校がスポーツ大会の会場として利用してきているんです。  私、私立の定時制、通信制高校の方々と親しくお話をしたときに、改築されてあれだけすごい競技場になったらもう使えないと。あんなところに自分たち行ったら、自分たちが逆にちっぽけな存在だということを思い知らされることになっちゃうと。もう使えないだろうということもおっしゃっておられたわけですね。  私、オリンピックレガシーで何を残すのか。このままだったら、イベント会場を残すのか、日本の技術や経済力を誇示することを残すのかと、こういうことを問われちゃうと思うんですね。私、あの被災地の復興を支援するために、予算も資材も人手も必要以上に集めるわけにはいかない、だから屋根部分全体を思い切って見直すんだということを今決断すれば、私はその経過全てがオリンピックレガシーになると思います。すばらしい決断だというふうに言えると思うんですよ。いや、真面目な話なんですよ、大臣。  やっぱり、オリンピックレガシーってそういうものだと思います。何を残すのかと、その経過も含めて。被災地から資材も人手も奪って巨大なものを造りましたと、そんなものを負のレガシーとして、負の遺産として残してしまっていいのかどうか。最後この点をお聞きして、終わりたいと思います。
  153. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 復興計画におけるそのようなものを奪ってまでもちろん国立競技場を建てるということはあってはなりませんから、それはうまくバランスを取りながらでやると思います。  しかし、メーン会場であることは間違いないわけでありまして、そのメーン会場にふさわしい、しかしこれは貴重な国民の皆様方の税金を活用するわけですから、基本的なところは押さえながら、しかし最小限のコストアップに抑えるという姿勢の中で、一方で、先ほどからも御質問がありましたが、大規模な国際競技大会開催が実現できるスタジアムであること、それから世界水準のホスピタリティーを備え、観客の誰もが安心して楽しめるスタジアムであること、またコンサート等、年間を通じてにぎわいのあるスタジアムにすること、それから最先端の環境技術を備え、バリアフリーに配慮された人と環境に優しいスタジアムであること、こういうふうな形で国民が親しめるようなスタジアムという点で次世代のレガシーとつながるものについて、できるだけ鋭意努力しながら、さらにコストアップにならないような工夫についてはしてまいりたいと思います。
  154. 田村智子

    ○田村智子君 終わります。
  155. 松沢成文

    ○松沢成文君 次世代の党の松沢でございます。  今日は同僚議員から厳しい質問がたくさん飛んで、大臣もさぞお疲れかと思いますが、私、最後でありますので、よろしくお願いいたします。  これ、多分今日の日経新聞だと思うんですが、最近、新聞各紙が社説で、新国立競技場建設問題、こんな迷走して大丈夫かと、メディアの方も心配する社説を書いています。今日の日経新聞も「目にあまる新競技場の迷走」というテーマで、最初のくだりがいいですね、「こんな体たらくで世界中から訪れる選手や観客を「おもてなし」できるのか。」と、大変厳しい文言でスタートをしています。  今日は、同僚議員の皆さんから、この国立競技場を主にハード、この準備の面で様々問題あるという御指摘がありましたが、私は、もうほぼ恒例となってきましたが、ソフト面からまだまだ準備ができていないということを御指摘させていただきたいなというふうに思うんです。  もうこの委員会でも私も一年半近くにわたって大臣に要請し続けていますが、スモークフリーオリンピックの実現ですね。これ、もう大臣よく御承知だと思うんです、私何度も言っていますから。オリンピック成功させるには、やっぱりWHO、IOCが協定まで結んで、オリンピックスポーツの祭典なんだから健康的な都市環境でやらなきゃ困るよということで、スモークフリーオリンピック化を提唱しているというか、ある意味で要請をしているんですね。その必要性も大臣は認めていただいております、答弁の中で。  問題は、やっぱりこれも東京都との調整なんですよ。この前、国立競技場の建設がいろいろ難しいところがある、遅れる、都も少し負担してくれ等々相談に行きましたよね、都知事に。やはり、ソフトの面で非常に大きな課題であるこのスモークフリーオリンピック化に向けて、東京が条例でやるのか、あるいは東京が逃げるのであれば国が法律でやるのか、私は両方でやった方がいいと思いますけれども、この方針を決めないと動けないわけです。  この前、舛添知事と会われたときに、私何度も舛添さんと相談してほしいと言ってきたんですけど、大臣は舛添知事と、この受動喫煙防止条例を東京でやるのか、あるいは国が法律でやるのか、この件については御相談いただいたんでしょうか、まずお聞かせいただきたいと思います。
  156. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 私の美学からいって、筋論からいって、国が何もしないのに東京都だけやってくれということを頼むことは潔しとしないという立場であります。ですから、立法措置については、まず国がきちんと考えるべきだと思うんですね。  これは再三、松沢委員から質問といいますか意見を出されておりますので、前回出されたときも、そのときもちょっとそういうふうに答弁したと思いますが、厚労大臣にその後すぐ会う機会があったものですから、第一義的には、この法律を所管されているのは厚労大臣が判断される事柄ですので、厚労大臣に対してそれを申し上げました。それは私の方でもフォローするということで、この問題に対する国民各位の様々な意見とか議論の趨勢、それから東京都の検討状況もありますが、これは国がやはり積極的に検討していくべきことであるというふうに思います。  いずれにせよ、東京大会成功に向けて、組織委員会東京都、IOC、その他の関係団体関係省庁とも連携しつつ、協力しつつ、しかし第一義的には厚生労働省が所管ということでありますので、立法措置、厚労大臣が決断できるような、そういう受動喫煙防止対策についたフォローアップを担当大臣としては是非進めていきたいと考えております。
  157. 松沢成文

    ○松沢成文君 いや、大臣、今の答弁は一歩踏み込んでいただきました。ありがとうございます。    〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕  といいますのは、これ、やっぱりオリンピックというのは都市が誘致しますから、都市で条例なりを作ってやるべきだという考えもあって、これまでのオリンピック開催都市も、都市の条例でやっているところと、いや都市だけじゃない、その国、いろいろ観光にも行くでしょうから、国全体でやろうといって国が法律でやっているところ、両方あるんですよね。  実は、舛添都知事も、一度は東京都で条例作ると言ったんです、昨年の八月に。でも、都議会とか利益団体とかたばこロビーから徹底してやられちゃいまして、根性ないから、十二月にはやっぱりできませんと逃げちゃったんですね。  実は、つい三日前、専門の学者さんたちも本当に心配なんでしょう、日本学術会議から緊急提言が東京都に出されて、東京都の検討委員会に対して何やっているんだと、もうこれは、オリンピックやる以上、WHOもIOCもきちっとやれと言っているんだからやらなきゃ駄目だという厳しい緊急提言が出た。  それを受けて、先週の金曜日に舛添知事は記者会見があって、もうIOCやWHOどころか、日本学術会議からもきちっと東京都でやりなさいという提言出ていますが、東京都知事としてどうするんですかと聞かれた。それに何と答えたかというと、やっぱり東京都でやるのは難しいと、これは、東京都に来たお客さんは大阪にも京都にも行くかもしれないし、やっぱり国全体でやった方がいいんで、国に法律でやっていただきたいということを申し入れると、こう答えたんですね。ですから、もう今の舛添知事の考えからすると、東京は諦めたんです。ですから、もう残ったのは国が法律でやるしかないんですね。ないんです。  学術会議も言っているように、今回のオリンピック東京あるいは日本がこのたばこ対策を逃げてしまうのであれば、オリンピック運動に大きな傷を付けるとも言っているんです。というのは、これはオリンピックのヘルスレガシーなんですよ。オリンピックスポーツの祭典なんだから健康的な都市環境で、その第一はたばこ対策をきちっとやって、オリンピックをやった都市からたばこ対策世界に広げていこう、このヘルスレガシーを目的にしているからIOCとWHOは協定を結んでいるんですね。  ですから、大臣、もうこれは逃げられません。もしこの問題で日本が、いや、うちは反対勢力が多いからやらないよといって逃げたら、もう日本はこのオリンピックのヘルスレガシーに傷を付けることになるわけですから。  これは反対者はたくさんいるんです、どこの国にも。まず、たばこ産業はみんな反対です。それから、JTを半国策会社で抱えている財務省も反対です、本音は。こうやって反対勢力いるんですよ。    〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕  ただ、そういう問題じゃないんです。もうオリンピックというのを誘致した都市は、国は、こういう運動にしっかり参加するということが前提で招致も勝ち取っているわけですから、是非とも担当大臣として関係閣僚会議で厚生労働大臣や財務大臣にもよく相談して、一刻も早く受動喫煙防止法をオリンピックに間に合わせるように、もっと言えば、オリンピックの二年ぐらい前にできていないと、そこからしっかり国として準備が必要ですから、この法律もできたら。スタートをしていただきたいと思いますが、国が法律でやるべきだとおっしゃっていただきました。それを実行する御決意を伺いたいと思います。
  158. 下村博文

    国務大臣下村博文君) いや、決意って、私一人でやるんだったらもうやります。
  159. 松沢成文

    ○松沢成文君 でも、担当大臣です。
  160. 下村博文

    国務大臣下村博文君) ただ、担当と言っても、実際法律作るのは、先ほど申し上げましたように担当大臣は厚労大臣でありますから、あくまでもフォローする立場でありますが、しかしオリンピックパラリンピック担当大臣としては是非作ってほしいと、そういう立場でありまして、これは関係閣僚ともよく話し合いながら対処してまいりたいと思います。
  161. 松沢成文

    ○松沢成文君 塩崎厚労大臣もこの件についてはかなり積極的で覚悟を持っているようですので、是非とも連携して取り組んで、一刻も早く法案作成に取りかかっていただきたいというふうに思います。  次に、今委員会でも、この国立競技場の問題について様々意見が出ました。私は国立競技場を造り直すという意味で、少しソフトの面から質問したいと思うんですが。  実は今日、皆さんに資料を配らせていただきました。これ、ちょっと見ていただきたいんですけれども、旧国立競技場にあった壁画なんです。全部で十三枚あって、当時の国立競技場を造るときのモダンアートの専門の画家たちがデザインをして、これをタイルやガラスで壁画にしたすばらしいものなんですね。今回、国立競技場解体に伴ってこの壁画をどうするのか。国立競技場の座席なんかは何か地方自治体にもいろいろと送ったりしたようですけれども、私はこの壁画の価値というのはかなり高いものだと思っていまして、当時の日本を代表する画家が原画を手掛けたそうで、これ、専門家に言わせると五輪精神を表現する貴重な作品群。  これ、全部名前が付いていまして、例えば「より早く」とか「より高く」とか「躍進」とか「友愛」とか「勝利」とか、みんなスポーツをイメージさせる作品なんですね。このナンバー1の「野見宿禰」像とナンバー2の「ギリシャの女神」像というのは、旧国立競技場へ行ったことある方は気付いていると思いますけれども、メーンスタンドの両側にでっかいのがどおんどおんと立っています。ほかのものはバックスタンドの廊下とか、あるいは正面玄関に掛かっていたんですね。  私は、新しい国立競技場を造り直すわけですから、もう解体されちゃっていますから、これ今保存していますので、私はこの壁画を、やはり前の国立競技場から文化の遺産として新しい国立競技場にもきちっと継承する。どこかに、あれだけばかでかいのを造る──造るか分かりませんね、まだ。田村先生、反対だと言う人もいますから。あれだけ大きなのを造る可能性があるわけですから、その中に、例えば廊下もあるでしょうし、いろんな場所があるでしょう。この壁画を是非とも、十三点ありますけれども、付けていただいて、前の国立競技場からの一つのメモリアルモニュメントとして継承ができないかと考えておりますけれども、その辺りはいかがお考えなんでしょうか。
  162. 下村博文

    国務大臣下村博文君) 国立競技場に設置されていた壁画、この十三作品でありますが、JSCにおきまして新しい国立競技場の建物内及び外壁での保存の可能性が七か所程度あるということが今年三月末までに判明をし、残る保存場所につきましても、新競技場の敷地内での検討を引き続き行っているとの報告を受けております。  文科省としては、全ての作品が国立競技場敷地内に保存されることが望ましいと考えておりまして、JSCによる積極的な検討を促してまいりたいと思います。
  163. 松沢成文

    ○松沢成文君 是非ともこれ十三点、新国立競技場の敷地内にいい形で、観客として来る方が見られるような場所に残していただきたいなと、改めてお願いをしたいと思います。  次に、この新国立競技場、かなり大きなものが建つ予定でありますけれども、この新国立競技場があるところは神宮外苑ですよね。東京都の公園であり、風致地区にもなっています。そして、やっぱり神宮の森と言うだけあってたくさんの樹木があって、それがすばらしい自然を醸し出しているわけです。あれだけ大きな国立競技場を造ると、これかなりの、あそこにある木も伐採をしてしまいますし、またコンクリート地盤を造っていかないとあれだけの競技場乗りませんから、そういう意味では、あれだけ大きなものですから、かなり自然を破壊する可能性があるんだと思います。  これもまた日本学術会議で恐縮ですが、先月二十四日にこの学術会議の環境委員会が、現行計画の新国立競技場は周辺自然への配慮が足りないとして見直しを求める提言を公表しました。具体的には、まず第一番目に、人工地盤を見直して、神宮の森の生態系の特質を踏まえた水循環を可能とする森をつくり出すこと。二つ目に、あそこは暗渠になっていますが、渋谷川というのが流れているんです、国立競技場の脇を。千駄ケ谷の方から青山の方に流れているんですね。この渋谷川の清流を復活させ、熱環境、景観の改善を図り、健全な水循環を回復し、生態系の回廊を形成することなどを求めているんですね。  もうちょっと詳しく言いますと、あそこの国立競技場の予定地で千五百四十五本の木が伐採されるそうです。そのうち二百十九本が移植される予定でありますけれども、その移植計画はまだまだ明確になっていないんですね。それで、樹木というのは、下にコンクリート地盤を造っちゃって、その上に土を盛って造っても、これ土や自然とつながっていませんから、木は一定以上大きくなりません。ですから、本当の意味の自然の樹木じゃないんですね。ですから、やはり土から根が生えて、それが樹木になっていく、これが本当の意味での自然の樹木の体系で、どんどん大きくなっていきます。  また、前のオリンピックであそこに競技場を造るときに、渋谷川というのを下に、暗渠に入れてしまって、今は見えません。それをもう一度、水を復元することによって水辺の再生、あるいはその周りに樹木を植えて、あれだけのコンクリートの塊を造るけれども、その脇にはすばらしい神宮の森、自然、水、こういうものが復元できる、私はそういう配慮も必要だと思うんです。それこそ、国立競技場に来た方々がすばらしいイベントやスポーツを見ると同時に、やっぱり神宮の森、たくさんの樹木があって、水も流れていて、ああ、すばらしい環境をつくったなということになると思うんですね。  私は、この日本学術会議の提言というのは非常に重要だと思っているんですが、大臣はいかが捉えていますでしょうか。また、そういう方向でしっかりと再整備する方針があるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
  164. 下村博文

    国務大臣下村博文君) JSCの国立競技場整備計画では、基本設計におきまして、周辺環境との調和を図るため、高木、植栽等の緑化計画を盛り込んでおります。現在行っている実施計画におきましても、緑化計画の更なる充実を図っているというふうに聞いております。  今回のこの日本学術会議の環境学委員会、また都市と自然と環境分科会、この提言におきましても、神宮外苑地区の都市計画を決定する東京都と、それから国立競技場の整備主体であるJSCにおきまして参考にされることが望ましいと思います。
  165. 松沢成文

    ○松沢成文君 この提言の三つ目にもありますように、水と緑の神宮外苑再生と将来ヴィジョン策定委員会というのを立ち上げるべきだと書いてあります。これには、国、東京都、スポーツ振興センター、あるいは新宿区、渋谷区、港区とか関係する多様な団体、市民、学識経験者などの意見を聞いて、神宮の森の再開発、特にこの後、秩父宮ラグビー場や、あと神宮球場も一体となってこれオリンピックを契機に再開発をしていくわけですよね、造り直していくわけですよね。そういう中で、本当の神宮の森の中にあるすばらしいスポーツ施設、憩いの場になるように、是非とも関係の皆さんともしっかりと連携をした上で今後取り組んでいただきたいと思います。  あとの質問はちょっとまた違うテーマになりますので、来週やらせていただきます。どうもありがとうございました。
  166. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  167. 田村智子

    ○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、東京オリンピック競技大会パラリンピック競技大会特別措置法案に反対の討論を行います。  二〇二〇年の東京オリンピックパラリンピックは、スポーツを通じて国際平和と友好を促進するというオリンピック精神にふさわしいものとして開催されることを我が党は求めています。しかし、現在の開催計画や新国立競技場の建設の経緯を見ると、国民、都民の生活や環境と調和の取れた簡素で無理のない取組とはとても言えないのが実態です。  本法案は、東京大会推進のため、内閣に全大臣が構成員となる推進本部を設け、基本方針を定めるとともに、二〇二〇年度末までの間、国務大臣を増員し、専任担当大臣とすることとしています。オリンピックを名目として、都市型再開発、大型公共事業の推進、投資など、アベノミクスに資する事業を強力に進めるための体制づくりと言わなければなりません。  法案審議では、オリンピックのアクセス道路でもない東京外郭環状自動車道路、選手村の巨大マンション建設など、東京一極集中への危惧を指摘しましたが、政府はいずれも建設促進を東京都とともに進める姿勢を示しました。  また、国立競技場は、当初計画の一千三百億円は完全にほごにされ、その倍以上の費用が掛かることが危惧されているにもかかわらず、いまだに総工費も明らかにされません。建設費の不足を補うために、東京都への五百億円の負担要請や、サッカーくじをプロ野球に拡大するとの動きまであることは言語道断です。国立競技場は、デザインを含め、今からでも抜本的に見直すべきです。  こうしたやり方はIOCが昨年十二月に発表したオリンピックアジェンダ二〇二〇の精神にも逆行するものと言わざるを得ず、これらを推進する本法案に賛同することはできません。  なお、ラグビーワールドカップ大会特別措置法案については、大会準備開催への必要な支援であり、賛成するものです。  以上で討論を終わります。
  168. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより両案の採決に入ります。  まず、平成三十二年東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会特別措置法案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  169. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、斎藤君から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤嘉隆君。
  170. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 私は、ただいま可決されました平成三十二年東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会特別措置法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党及び次世代の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     平成三十二年東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会特別措置法案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、本法の施行に当たり、オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会が、国際的な相互理解、国際平和、共生社会の実現等に重要な意義を有していることに鑑み、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、東京オリンピック競技大会及び東京パラリンピック競技大会準備及び運営に当たっては、成熟した国家における大会のあるべき姿を追求しつつ、オリンピックパラリンピックレガシーの次世代への継承に特に留意するとともに、テロ対策、サイバーセキュリティー対策外国人旅行者の円滑な受入れ等の諸課題に万全の措置を講ずること。    また、本大会開催が、新しい日本の創造と更なる発展の契機となるよう、スポーツを通じた国際貢献、国民の健康増進、環境の保全に特に留意するとともに、広く全ての国民の一層のスポーツ振興を図り、あわせて、東日本大震災からの復興等を着実に推進すること。  二、東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会担当大臣については、文部科学大臣等との職務分担が適切なものとなるよう特に留意しつつ、本大会に関する重要施策の企画、立案、総合調整等において主導的な役割を果たせるよう万全を期すこと。なお、専任担当大臣を発令する必要がなくなった場合には、発令を早期に終了すること。  三、東京オリンピック競技大会及び東京パラリンピック競技大会推進本部については、ラグビーワールドカップ大会との一体的な準備に配意しつつ、本大会準備及び運営を着実に推進できる十分な体制とするとともに、行政改革を推進する観点から、簡素で効率的な体制とすること。なお、同本部の活動の必要性がなくなった場合には、平成三十三年三月三十一日の期限を待たず、早期に活動を停止すること。  四、新国立競技場の建設に当たっては、ラグビーワールドカップ大会開催に支障が生じないよう、万全の措置を講ずること。あわせて、建設費の経費の内容及びその財源、本大会後の利活用方策等を含む競技場建設の全体像を明らかにするとともに、東京都、大会組織委員会等との緊密な意思疎通の確保に留意し、国民に対して丁寧な説明を行い幅広く理解を得ること。  五、競技施設、会場、選手村等の整備に当たっては、本大会後に有効利用し、都市の発展に結び付けられるよう、長期的な観点から計画的に行うとともに、幅広い国民の理解を得ること。また、競技施設等の選定に当たっては、本大会の招致の際、「コンパクトな大会」がコンセプトに掲げられたことを踏まえ、競技関係者の十分な理解を得つつ、関係地方公共団体と十分な調整を経た上で決定するとともに、競技者が最大限力を発揮できる競技施設等の整備を行うこと。  六、障害に対する国民の理解を促進し、真の共生社会を実現する観点から、スポーツ施策の一元的な推進や障害者スポーツの普及に取り組むこと。また、スポーツを通じた障害者の社会参加、地域における障害者スポーツの裾野の拡大、障害者スポーツ競技団体の組織基盤の強化、障害者の競技力向上競技環境の整備、公共施設等のバリアフリー化等を促進すること。  七、学校等においてオリンピックパラリンピック教育推進するに当たっては、学校等の主体的な取組を基本とし、教育を通じた無形のレガシーの創出の観点を踏まえ、オリンピックパラリンピックに関する知識・理解の向上、異文化理解の促進、ボランティア精神の醸成等を図ること。  八、本大会開催が、全国地域活性化、観光振興等に資するよう、政府全体として、全国地方公共団体参加国地域との人的・経済的・文化的な相互交流の促進に取り組むこと。特に、予選会場やキャンプ地の誘致については、東日本大震災からの復興の後押しとなるよう、特段の配慮を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いをいたします。
  171. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) ただいま斎藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  172. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 多数と認めます。よって、斎藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、下村文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。下村文部科学大臣
  173. 下村博文

    国務大臣下村博文君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
  174. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 次に、平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  175. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  176. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会します。    午後二時三十八分散会