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2015-09-08 第189回国会 参議院 農林水産委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年九月八日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  八月二十七日     辞任         補欠選任      新妻 秀規君     山口那津男君  八月三十一日     辞任         補欠選任      中泉 松司君     武見 敬三君  九月一日     辞任         補欠選任      武見 敬三君     中泉 松司君  九月三日     辞任         補欠選任      古賀友一郎君     武見 敬三君  九月四日     辞任         補欠選任      武見 敬三君     古賀友一郎君  九月七日     辞任         補欠選任      馬場 成志君     高野光二郎君      堀井  巌君     阿達 雅志君      柳田  稔君     野田 国義君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山田 俊男君     理 事                 野村 哲郎君                 山田 修路君                 徳永 エリ君                 紙  智子君     委 員                 阿達 雅志君                 金子原二郎君                 小泉 昭男君                 古賀友一郎君                 高野光二郎君                 中泉 松司君                 舞立 昇治君                 小川 勝也君                 郡司  彰君                 野田 国義君                 柳澤 光美君                 平木 大作君                 山口那津男君                 儀間 光男君                 山田 太郎君    国務大臣        農林水産大臣   林  芳正君    副大臣        農林水産大臣  あべ 俊子君        農林水産大臣  小泉 昭男君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       佐藤 英道君    事務局側        常任委員会専門        員        稲熊 利和君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       澁谷 和久君        総務大臣官房審        議官       時澤  忠君        農林水産大臣官        房総括審議官   大澤  誠君        農林水産大臣官        房統計部長    佐々木康雄君        農林水産省食料        産業局長     櫻庭 英悦君        農林水産省生産        局長       今城 健晴君        農林水産省経営        局長       奥原 正明君        農林水産省農村        振興局長     末松 広行君        水産庁長官    佐藤 一雄君        国土交通大臣官        房物流審議官   羽尾 一郎君        国土交通大臣官        房審議官     水嶋  智君        国土交通大臣官        房審議官     宮城 直樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (日本農林水産物輸入規制に関する件)  (農地中間管理事業に関する件)  (女性林業従事者支援に関する件)  (サンマの国際的な資源管理に関する件) ○独立行政法人に係る改革推進するための農林  水産省関係法律整備に関する法律案内閣提  出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 山田俊男

    委員長山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、新妻秀規君、柳田稔君、馬場成志君及び堀井巌君が委員辞任され、その補欠として山口那津男君、野田国義君、高野光二郎君及び阿達雅志君が選任されました。     ─────────────
  3. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 徳永エリ

    徳永エリ君 おはようございます。民主党・新緑風会の徳永エリでございます。  今日は、農地中間管理機構について御質問をさせていただきたいと思います。  二十六年度末の農地中間管理機構による農地集積実績について、まずは伺いたいと思います。
  7. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 農業競争力を高め、成長産業としていくためには、担い手への農地集積集約化加速化が重要でございまして、日本再興戦略においても、今後十年間担い手農地利用面積割合を現状の五割から八割に引き上げると、これを目標に掲げておるところでございます。この目標を達成するために、農地流動化を進める究極の手段として、昨年、各都道府県農地中間管理機構整備をいたしました。  初年度平成二十六年度の機構実績ということですが、まず、リースについて見ますと、借入面積が約二万九千ヘクタール、貸付面積が約二万四千ヘクタール。リース売買合計で見ますと、借入れと買入れの合計が約三万六千ヘクタール、貸付けと売渡しの合計で約三万一千ヘクタールとなっております。  このうち、担い手農地利用面積の増加につながったものは約七千ヘクタールでございますが、担い手ではない農業者認定農業者となったり、集落営農組織化することにより担い手になったもの、機構を通さずに農業委員会許可等により担い手以外の農業者から担い手土地利用が動いたもの、こういった機構を介さないものも含めますと、担い手農地利用面積は約六万三千ヘクタール増加いたしまして、集積率で見ますと、前年度末の四八・七%から五〇・三%へ一・六%ポイント増加しております。  農地中間管理機構目標達成には至らなかったわけですが、初年度としてはこういう一定の成績を残すことができたと考えております。  農地を貸し付けた出し手、また地域に対する助成措置である機構集積協力金については、平成二十六年度は約八十億円が使用をされております。また、平成二十七年度当初予算は九十億円を計上したところでございます。  各県の機構活動が本格化いたしまして軌道に乗っていくに従いまして、機構集積協力金使用額も増加すると見込まれるところでございますが、都道府県別造成をしてある基金残額があるところは、残額をまず活用していただく。基金残高では不足する都道府県必要額として、この平成二十八年度には約六十億円を要求しておるところでございます。
  8. 徳永エリ

    徳永エリ君 貸付、転貸、売買についても御説明いただきましたけれども、以前よりは少し前に進んだのかなというような印象を受けましたが、とはいえ、今もお話ございましたけれども、二十六年度末までの機構によって新たに担い手集積された耕地面積は七千三百四十九ヘクタールで、機構とそれ以外から担い手に新たに集積された耕地面積が六万二千九百三十四ヘクタールですから、機構による集積実績は全体の一一・七%になるんですね。  そもそも、農地集積率を十年間で五割から八割に増やしていくために、年間約十五万ヘクタールの集積目標政府は立てているのにもかかわらず、機構以外も含めて目標の四二%にしか達しておらず、機構だけで見ると目的の僅か四・九%にすぎません。  この実績に対する評価、今大臣お話は割と前向きな御評価をいただいているようでございますが、私は、必ずしもこの年間目標からするとそうは言えないんじゃないかなと思っておりまして、改めて、評価と、それと今後どのようにして機構による集積を更に進めていくのか、お伺いしたいと思います。
  9. 奥原正明

    政府参考人奥原正明君) 平成二十六年度の機構実績でございますが、ただいま大臣から御説明いたしましたけれども、一定成果は上げることはできたとは思っておりますけれども、十年間担い手に全農地面積の八割を集積する、これが目標でございますので、これに比べれば不十分だというふうに思っております。全ての都道府県機構を早期に軌道に乗せて実績を大幅に拡大していくことが必要であるというふうに考えております。  このため、全県での機構軌道に乗せていくためにいろんなことを工夫をしておりますが、一つは、各県の機構が積極的に動く組織になるようにそれぞれの役員体制をもう一回再構築をする、これが一つございます。  それから、もう一つ大事なのは、農地集積に向けて現場コーディネート活動を行う担当者の方、これは機構職員であったり、あるいは委託先市町村あるいは農協職員であったり、いろいろでございますけれども、現場担当者の質、量共に充実を図るということ。  それから、三つ目といたしまして、やはりこれ、平成二十四年度からやっております人・農地プラン地域農業者の方の話合い、これとの連動が非常に重要でございますので、市町村が作成いたします人・農地プランの定期的な見直しなど、地域農業者の徹底した話合い推進をすること。  それから、四つ目といたしまして、特に機構がその運営に当たりまして、県内担い手農業者の方と徹底した意見交換をやっていただいて、その結果を踏まえて機構運営を改善をしていただくこと。  それから、五点目といたしまして、農地整備事業土地改良事業でございますが、これは農地集積集約化の大きなチャンスでございますので、この農地整備事業機構事業との連携を強化するということ。  こういった方策を講じていくことが必要だというふうに考えております。こういったことを今年の七月に国から都道府県の方、それから各県の機構に対しまして要請をしているところでございます。  それから、この初年度平成二十六年度でございますが、トータルの数字、それほど大きいわけではございませんけれども、各地でやはりいろんな工夫をしていただいております。その中の優良な取組をまとめまして、優良事例集ということで本年の七月にこれを集計して各県にまたお配りをし、公表もしているところでございます。  全国で三十六事例載せてございますけれども、地域状況からのアプローチということで、地域で話し合っていただいてその地域の人・農地問題の解決につなげていただいたものが十三事例載っておりますし、それから、機構の場合には農地受け手については公募制というものを取っておりますが、この公募に応じていただいた受け手の方のニーズに徹底して対応するという形で人・農地の問題の解決を図った事例が八事例載っております。それから、担い手方々同士利用権を交換することで農地集約化を図る、こういった取組として六事例載っておりますし、それから、基盤整備事業土地改良との連携でもってやったものが六事例載っているところでございます。その他も三事例含めまして、全国で三十六事例集めてこの事例集を作っておりますので、こういった取組を更に横に広げまして機構事業軌道に乗せていきたいというふうに考えております。
  10. 徳永エリ

    徳永エリ君 平成二十七年五月、農林水産省から出されました農地中間管理機構軌道に乗せるための方策についてという資料をいただきました。これ、ページを開いてみますと、まず一ページ目、初年度実績から見た問題点、一番最初に、農地中間管理機構が、旧農地保有合理化法人時代から大きく変わっておらず、地域農業ディベロッパーとしての自覚が十分ではなく、またそれにふさわしい役職員等体制になっていないところが多いとありまして、その下をずっと見ていくと、したがって、客が来るのを待っている不動産屋ではなく、地域農業の将来をデザインしていくディベロッパーとしての意識が十分でないと書かれておりまして、私、農協法審議の中でも、推進委員に関してこのディベロッパーとか地上げ屋とかということにこだわっておりましたけれども、何となく、規制改革会議資料なら分かるんですけれども、農林水産省から出された資料にどうもこのディベロッパーとか不動産屋という、こういう言葉を使うこと自体が、人はこれ思っていないことは口にしないし書かないんですよ、やっぱり意識の中にあるんじゃないかという気がして非常に気になるんですが、これ、農地中間管理機構ディベロッパーなんでしょうか。大臣にお伺いいたします。
  11. 林芳正

    国務大臣林芳正君) これは、御案内のように例え話ということでございます。別に建設業とかディベロッパー業をやろうということではなくて、考え方として、今までは相対で、貸したい人がいればその人の代理人になって借りたい人を探すと、こういうことでやってまいりましたが、なかなか集積が進んでも集約まで至らないと、こういうことになるわけでございます。  やはり大きな一枚の田や畑にしていくと、こういうことも一緒にやっていくということは大変大事でございますし、ITが進歩しまして農地ナビというのもつくれるようになってまいりましたので、やはり地域で、民主党時代からやっていただいております人と農地プラン、こういうものも活用しながら、地域全体としてどうしていくのかと、そういうことをしっかりと戦略的に考えを持ちながらやっていくという意味で、そういう例えで言えばディベロッパーであって、不動産屋ではなくてディベロッパーと、こういう例えで使ったところでございまして、何かそういう商売でどんどんもうけていこうと、こういうことでこういう言葉を使っているわけではないわけでございます。
  12. 徳永エリ

    徳永エリ君 ただ、開発業者というのは、大規模な宅地の造成とかリゾート開発、それから再開発事業とか、それからビル建設やマンションの分譲など、事業主体になるのは団体や企業なわけですよね。農地集積とはその目的、それこそ理念が全く違うというふうに思うんですよ。大変に私はやっぱり違和感を感じるということを申し上げておきたいと思います。  それから、二十五年十二月五日の、これは附帯決議の一番目、一項目めですけれども、この農地中間管理事業推進に関する法律、「農地中間管理機構が十分に機能し、農地集積集約化成果をあげていくためには、地域における農業者の徹底した話合いを積み重ねていくことが必要不可欠である。」と。「このため、人・農地プランの作成及びその定期的見直しについては、従来以上に強力に推進すること。農地中間管理機構は人・農地プランが策定されている地域に重点を置くとともに、人・農地プランの内容を尊重して事業を行うこととする」と、そうなっているわけで、先ほど局長お話からも人・農地プランという話がありましたけれども、やっぱりディベロッパーとしての感覚というよりは、やっぱり地域話合いを軸にして、そこを尊重しながらしっかりと農業農村未来を考えていくということが非常に重要なんだと思いますが、改めてその点に関してお伺いしたいと思います。
  13. 奥原正明

    政府参考人奥原正明君) 御指摘のとおりでございまして、農地を動かすためにはその地域農家方々がもう徹底して話し合う、この人・農地プランの発想が一番重要だというふうに我々は思っております。  先ほどからディベロッパーの話が出ておりますけど、これは機構役員方々にそういう意識を持っていただくという意味で言っていることでございまして、建設をしろとかそういう話ではもちろんございません。従来の農地関係のいろんな組織については、本当に貸したい方あるいは借りたい方、これ来るのを待っているという、そういう姿勢が非常に強かったんですけれども、今回はこの人・農地プランとかこういうことを、むしろ機構なりあるいは委託先市町村が積極的に動いていく、まさに地域話合いをどんどん推進をして、円滑に農地機構に集まってきて担い手の方にうまく貸していけるような、こういう状況をつくろうと、こういうことで申し上げておりますので、ベースはあくまでこの人・農地プランだというふうに思っておりますし、現在も各県機構に対してはその点を徹底して指導しているところでございます。
  14. 徳永エリ

    徳永エリ君 農地中間管理機構ディベロッパーとしての自覚を持って、推進委員地上げ屋のような人が入ってきたら、これ、とても私たちが考えているものとは違うものになってしまいますので、そこはあくまでも人・農地プランを重視するという観点からしっかりと取り組んでいただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。  それからもう一つ、この軌道に乗せるための方策の中で気になることがあったんですが、農地出し手地域に対する補助金については、当該県担い手利用面積拡大分に応じて算出した金額範囲内で、各県が当該補助金単価等を自由に調整できるようにするなどの見直しを検討するとなっていますが、これ具体的にどういうことなのか、御説明ください。
  15. 奥原正明

    政府参考人奥原正明君) この点は二十八年度の予算概算要求の中に盛り込んでございますけれども、従来から、農地出し手の方、これは個別の経営者の方ですけれども、これに対する補助金と、それからまとまった面積を出していただいたその地域に対する補助金と両方ございます。両方合わせて機構集積協力金という言葉で呼んでおりますけれども、この補助金につきまして、十年間担い手が使う面積を五割から八割にちゃんと上げていくために有効に使っていただくと、この効果を上げていただくのであれば、その単価等についてはできるだけ県内で自由に調整ができるように工夫しようということを盛り込んでいるところでございます。  原則として、担い手利用面積拡大分、これに応じて算出をした金額、これは面積上限単価を掛けるということになりますが、この金額範囲内で各県がその補助金単価等を自由に調整できるようにすると、こういう形のものを現在要求をしているところでございます。
  16. 徳永エリ

    徳永エリ君 新たに担い手に貸し付けられる耕作地を増やしていくために、いわゆる機構集積協力金にインセンティブを付けていくと、こういう理解でよろしいでしょうか。
  17. 奥原正明

    政府参考人奥原正明君) この機構目的は、担い手のところに農地集積していくということと、それからもう一つは、使いやすい、まとまった面積にする集約化と両方含んでおります。ただ、十年間目標としては、担い手が使う面積集積の方で現在五割を八割にする、これが大きな目標になっておりますが、それと併せて集約化推進すると、こういう話になっております。  したがって、従来からやっております機構集積協力金については、集積の分と集約化の分と両方を視野に入れて補助金は使えるようになっておりますけれども、集約化だけにお金が使われてしまいますと、金は出ていったものの実際には集積がほとんど進まなかった、五割から八割に向かって進んでいかなかったということになりますので、これは集積のところを常に意識する形で仕事をしていただきたい、そのときの単価についても県内でやりやすい工夫をしていただく、こういう趣旨で現在要求をしているところでございます。
  18. 徳永エリ

    徳永エリ君 そこで、ちょっと申し上げておきたいんですが、九月一日の日農新聞に北海道の置戸町のことが記事になっていました。小麦やバレイショ、てん菜や豆など畑作物経営主体とする五百ヘクタールを超える超大型法人が発足することが決まったという記事であります。  実際にはまだ、これから法人登録をして、中間管理機構から貸し付けてもらうために法人公募に対して応募をしなければいけないという段階だということでありますけれども、置戸町は人口は約三千人なんですね。高齢化率が四〇%を超えているんですよ。限界集落です。したがって、担い手不足後継者がいない農家は離農せざるを得ないという状況だったんです。地域を守るためにも、これ以上離農を増やさないためにも、耕作放棄地を出さないためにも、農協、町、それから農業普及改良センターなどが検討委員会を今年の四月に発足して、地域未来を考えて畑作農家十三戸と酪農家一戸で法人を設立することを決めたそうです。  それぞれの農家中間管理機構にこれから農地を出して、法人設立後に中間管理機構公募に応募してその農地法人としてまとめて借りるということになるわけですが、今のように、当該補助金単価を自由に調整できるとか、あるいは優先順位を決めるというようなことになってしまうと、担い手から担い手農地が移動するだけなので、この場合には、五割から八割に集積する目標に対して貢献をしているということにはならないので、優先順位が下がるとか、そういうことになると大変に困るわけですね。地域話合いによって法人設立を決めたわけで、地域を守るということと、それから農業経営を安定的に継続するということで、まさに地域話合いによって決めたことでありますから、集積実績に貢献しないから優先順位を下げるということでは非常に困るんです。  この集積協力金に関しても、置戸町の場合には、みんな小さな農家ですから、そのお金を圃場の大区画化に使ったりとか、それから基盤整備に使ったり大型機械の投資などに使いたいということでありますので、それぞれのケース、地域の事情もしっかりと考えていただきながら対応していただきたいということを申し上げておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  19. 林芳正

    国務大臣林芳正君) この今お触れいただきました置戸町の事例は、中山間地域畑作地帯で、高齢化後継者不足、こういうものが懸念をされます地域内の農業者が話し合って一つ農業法人をつくって、中間管理機構を活用していただいて、その法人がまとまった農地を利用できるようにするものであると、こういうふうに聞いております。  今お話があったように、参加される農業者の皆さんも担い手ということで集積率は向上しないということでありますが、しかし、やはり農業者一つ法人を設立することによって経営体制が強化をされる、それから、担い手である一つ法人がまとまった面積を利用していただけるということで、農地利用集約化に資する大変有意義な取組であると、こういうふうに考えております。したがって、こういう形の農地中間管理機構の活用ということについても円滑に進むように支援をしたいと考えております。  各都道府県造成した基金から交付をしております機構集積協力金ですが、担い手農地利用を十年間で五割から八割に引き上げるという先ほどの目標がございますが、集積率の向上に資するものを優先的にするようにお願いはしておりますけれども、農地利用集約化に資するものにも活用できると、こういうふうにしておりますので、是非個別地域への交付につきまして都道府県とよく御相談をいただければというふうに思います。
  20. 徳永エリ

    徳永エリ君 ありがとうございます。  国から道に対して、それぞれ調整をしてくださいというような話がぽんと下りますと、道の方がきめ細やかに見てくれるかというと、なかなかこれ難しいと思いますので、是非国の方から個別にきちんときめ細やかに対応するようにということも添えて指示をしていただきたいというふうに思います。  それから、もう一つ気になることなんですけれども、公募があってそこに対して応募してくるわけですけれども、どこに農地を貸すかというのは中間管理機構が応募のあった中から決めていくということになるわけですけれども、多分置戸の場合は大丈夫だと思いますけれども、地域によっては、法人化しようということで応募するということになっても、幾つかの応募が重なるという場合も考えられると思うんですよね。地域の皆さんのプランどおりに機構から農地を貸し出してもらえないケースというのももしかしたらあるのかなと。  幾つか重なったときに、ああ、この地域の将来のことを考えたら、地域話合いとはいいながら、こっちに貸した方がいいんじゃないかというふうに機構が判断するというケースもあるのかなと思いまして、そこが大変心配なんですが、その辺りはいかがなんでしょうか。
  21. 林芳正

    国務大臣林芳正君) この貸付先の決定ルールでございますが、これは機構が作成をしまして都道府県知事の認可を受けると、こういう仕組みになっております。そして、そこで、地域農業の健全な発展を旨として、公平かつ適正に貸付先を決定するものでなければならないと、これが法律の八条でございます。  各都道府県機構事業規程には、農地の貸受けを希望している者の規模拡大又は経営耕地の分散錯圃の解消に資するものであること、それから、既に効率的、安定的な経営を行っている農業者の経営に支障を与えないこと、それから、新規参入した者が効率的、安定的な経営を目指していけるようにすること、借受け希望者のニーズを踏まえて公平、適正に調整することが基本原則として定められております。  この原則を踏まえて、地域内の担い手話合いによって担い手の利用農地集約化を図るような場合には、担い手話合いの結果を前提として貸付先を決定すると、こういうことになっておるところでございます。
  22. 徳永エリ

    徳永エリ君 ありがとうございます。しっかりと今おっしゃったようにやっていただきたいというふうに思います。  家族経営農家の方は、長いこと自分で個人でやってきて、地域話合いがあってみんなでまとまってやろうといってもなかなか、あいつとはやりたくないとか俺は一人がいいとか、あるいは所得の格差なんかもあって、非常に難しいこともたくさんあると思うんですけれども、そこを乗り越えてまとまって法人化してみんなでやっていこうということで、この置戸のケースも非常にうまくいくと、本当に限界集落とか担い手のいない地域にとってはある意味モデルケースというか希望にもつながっていくと思いますので、しっかりと対応していただきたいということを改めてお願い申し上げたいと思います。  次に行きます。  少子高齢化に伴って多くの問題が起きています。働き手、人手不足の問題は大変深刻です。農家の播種、作付けの時期や収穫の時期のパートさんや出面さんの人手が足りなくて大変に困っているということを現場からよく聞きます。農林水産省は、労働力を断続的に確保するために、厚労省等と連携をして、二十六年度から援農隊マッチング支援事業一億円の予算を付け取り組み始めました。二十七年度も同じ事業に八千万円の予算が付いています。  これ、具体的にどのような取組をしているのか、そしてその成果は上がっているのか、お伺いいたします。
  23. 今城健晴

    政府参考人(今城健晴君) 援農隊マッチング支援事業についてのお尋ねでございます。  先生御指摘のとおり、収穫期の農繁期に一時的に必要となる農作業を補助する援農者を確保、育成しまして組織化するといった取組支援しております。本事業は、全国推進事業と地区推進事業から構成されまして、事業実施主体公募で選定しております。  全国推進事業におきましては、援農隊の取組に関します全国的な情報交換のための会議の開催、あるいは援農希望者向けハンドブックやリーフレットの作成、援農求人票など共通フォーマットの作成、さらには援農隊のような取組優良事例集の作成、こういった取組支援しております。現在、株式会社パソナ農援隊が事業実施主体となっております。  また、地区推進事業におきましては、農家農業法人の必要とする労働力のまず把握をしまして、援農者への研修セミナーの開催、農業未経験者を含む幅広い人材から成る援農者を援農隊として組織化するという取組支援しております。  二十七年度の事業実施主体全国で十八ございまして、内訳としましては、府県が七、NPO法人が三、農業者組織する団体が三、市町が二、協議会が二、JAが一というふうになっております。  このように、本事業では様々な取組を行っておるところでございまして、今その実施の具体化ということでございますが、先ほども申し上げました地区推進事業で十八の援農隊というものの核が組織されておりますが、その中で幾つかのところについては実際に援農隊の活用ということがされているというふうに聞いております。
  24. 徳永エリ

    徳永エリ君 二十八年度の概算要求では、農業労働力最適活用支援総合対策事業ですか、新規で五億円要求しているわけですよね。事業名も変わって予算概算要求額が大きく増額となったわけですが、その理由についても御説明いただきたいと思います。
  25. 今城健晴

    政府参考人(今城健晴君) 委員御指摘のとおり、二十八年度の概算要求におきましては、農業労働力最適活用支援総合対策事業という名前で五億円という概算要求をしております。  これにつきましては、マッチング支援事業につきましては、農業未経験者を含む幅広い人材から成る援農者をモデル的に育成、組織化して、主に繁忙期の労働力確保のためを主眼として各産地において活用するということでございましたが、今回概算要求しておりますこの最適活用支援総合対策事業は、それも含みますけれども、更に農作業を専門的に受託する農業サービス事業体による農作業の外部化、分業化の推進、こういうことも視野に入れて、大きくくるんで労働力の最適活用を図る仕組みを構築していくと、こういうことにしているほか、さらには労働力そのものを軽減するということで、そういう機械、例えばアシストスーツ等の共同利用の支援とか、そういうものを含めまして総合化して要求させていただいているということでございます。
  26. 徳永エリ

    徳永エリ君 先ほどの御説明にもありましたけれども、援農隊マッチング支援事業全国推進体制というのを見てみますと、全国推進事業の事務局が株式会社パソナ農援隊ということでありまして、多少偏見はあるかもしれませんが、またパソナかという感じがありまして、公募というお話がありましたが、二十六年度も二十七年度も事務局はこの株式会社パソナ農援隊が担っているわけでありまして、ほかにも公募をしてきたところはあったと思いますけれども、パソナが事務局を担うようになった経緯について、詳細をお伺いしたいと思います。
  27. 今城健晴

    政府参考人(今城健晴君) この公募主体ということでございますが、公募期間は平成二十七年、今年の二月四日から二月二十日という二週間強の期間を設けまして、その公募書類について、生産局長が設置する選定審査委員会について、審査基準に基づき応募団体ごとに審査を行いまして、最も得点が高かったということで選定しております。  なお、委員御指摘のとおり、二十七年度の応募者数は三個ございましたが、引き続きここが一番得点が高かったということでございます。
  28. 徳永エリ

    徳永エリ君 得点が高いというのは、どういうところの得点なんでしょうか。
  29. 今城健晴

    政府参考人(今城健晴君) いろいろございますけれども、やはり全国的な情報収集、整備のキャパシティーですとか広角的な育成方法の検討、それから情報交換の促進ということで、最も能力が高いというふうに我々が判断したということでございます。
  30. 徳永エリ

    徳永エリ君 一つ申し上げておきたいんですけれども、現場からいろいろと御意見が聞こえてきているんですが、人材派遣のところからいわゆる派遣で農家の手伝いに来る方々の質というところが非常に問われておりまして、来てくれたはいいけれども何もできない、何もしない、やる気もない、ただただ人を送り込んできても困るんだと。やっぱりしっかりと農家の手伝いに入ったときに手伝いができるように、役に立つような人材育成をしっかりしていただかなければいけないというふうに思います。  パソナは派遣会社でありますから、そういうノウハウは持っておられると思いますので、現場からは余りいい話は聞きませんので、しっかりと人材育成という部分に力を入れていただくということをお願いしたいと思いますし、それから、これ、パソナの役割、この資料で見てみますと、お手元の資料を見ていただきたいと思うんですが、全国会議、定例会議、情報交換、事業PR、各種リーフレット作成、フォーマット作成講師の紹介、優良事例集の作成等々となっていますけれども、こういうことをパソナがしているということですよね。そして、地域推進事業の中に取り入れていくということだと思うんですけれども、やっぱり事務局がどういう講師を地域に送り込むのかとか、あるいはどのような指導の仕方をしていくのかということがすごく重要だと思いますので、もっと中身もしっかりと精査をしていただいて、ただ、その公募の中で選ぶときに点数が高かったからパソナというのではなくて、やっぱり具体的にどういうことに取り組んでいて、どういう成果を上げているのかということがすごく重要だと思うんですね。  これから二十八年度に向けてもやはり同じような体制づくりをしていくということで、これまた新たに公募をすることになるんですよね、これから。そのときに、パソナに二十六年、二十七年と事務局を担っていただいて、果たして本当に成果が上がっているのか、地域やそれから現場からの評判はどうなのかということも含めてしっかりと検討していただきたいということを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
  31. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 農業就業者や農村人口の減少、高齢化、こういうことによって労働力不足、こういうものが進行しておりまして、収穫等の作業ピーク時や規模拡大に合わせた労働力の確保、これが産地において大きな課題となっております。  今御指摘いただいた人材派遣会社の事例については個別に承知をしておりませんけれども、産地において労働力を確保するときには、やはり一般論として申し上げても、作業の内容に応じた技術、能力などを身に付けた人が適切に確保される、これはもう大変重要なことだと認識しております。  二十八年度予算概算要求しております農業労働力最適活用支援総合対策事業は、産地単位での労働力の募集、育成、産地への労働力提供などを一体的に行う取組支援するものでございまして、この事業で産地段階の取組ということで、必要としている人材について技術や能力等も含めてニーズをまず的確に把握をする、それからニーズを踏まえて人材を募集する、そして必要に応じて、各都道府県に普及指導員いらっしゃいますので、こういう方々も活用しながら農業技術を習得をするための研修も行う、そして産地のニーズとのマッチングを行って労働力を提供する等々、こういう仕組みをしっかりと構築することによって、産地が必要とされておられる労働力を的確に確保できるように検討していきたいと思っております。
  32. 徳永エリ

    徳永エリ君 よろしくお願いしたいと思います。  二十七年度は八千万円の予算が付いていて、その二割がパソナに行っているということでございます。二十八年は五億円とかなり概算要求では予算額が増えているわけでありますから、有効に活用していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  それと、この委員会でも何度も申し上げましたけれども、農業というのは非常に危険な仕事ですから、ですから、やっぱりある程度の技術、それから、研修をしっかり受けていないと死亡事故につながるようなケースも否めないと思いますし、それから、地域にとっては知らない人が入ってくるわけでありますから、そのことによる様々な問題も懸念されるところでありますので、トラブルが起きないようにしっかりと対応していただきたいということを申し上げたいと思います。  次に、やはり少子高齢化による人手不足、物流の現場でも大変深刻な問題になっています。  野村先生の御地元の九州や私の地元北海道では、収穫した農産物を関東や関西の大消費地まで輸送ができないという問題が実は起きているんです。その理由はトラックが足りないということなんですね。ドライバーが不足していて町の運送会社が廃業に追い込まれるなど、トラックが十分に確保できないということで、関東や関西の大消費地まで農産物が運べないということで、これもう二年ぐらい前からですかね、現場に行くと、もうとにかく物流の問題が深刻なんだと、鉄道貨物を何とかしてくれないかとかトラック運転手さんを増やす方法を何か考えてくれないかとか随分言われていたんですけれども、ますます深刻な状況になっているようであります。  まず、国土交通省にお伺いいたしますけれども、トラック業界が抱える課題、そしてトラックドライバーの現状と不足している理由について、そしてその課題解決への取組についても併せてお伺いしたいと思います。お願いいたします。
  33. 宮城直樹

    政府参考人(宮城直樹君) 御指摘のとおり、トラック運送業は現在深刻な人手不足に直面してございます。  一例を挙げますと、平成二十六年度の数字でございますが、有効求人倍率、これが、全産業では一・〇〇倍でございますところが、トラックドライバーについては一・五五倍。具体的に申し上げますと、三十万人の求職者に対して求人が五十数万人あると、このような状況になってございます。  これに加えまして、二十九歳以下の若年者の割合、これが一〇%を切っております。このように高齢化が進んでおりまして、長期的には人手不足の状況が一層深刻化する、このようなことが懸念されるところでございます。  国土交通省といたしましては、トラックドライバーの確保のため、まずその労働条件を改善していくこと、これが重要であると考えてございます。そのため、適正な運賃を事業者が受け取ることができるようにすること、それとドライバーの長時間労働を抑制すること、このようなことに取り組んでございます。  これに加えまして、採用の進んでおらない女性あるいは若者に対しまして、この業界というものをアピールすべく、トラガールプロジェクト、トラガールといいますのはトラックドライバーガールの略でございます、などの取組を進めてございます。  また、先ほどマッチング等ございましたですが、ITを用いまして輸送車両等のマッチングを行いまして、複数のドライバーや事業者が長い輸送行程を分担しまして、女性や若者が地元近くで短時間だけ勤務すること、こういったことを可能にするような、これを中継輸送と申しておりますが、この導入を進めるなどの取組を進めてございます。  これに加えまして、宅配あるいはコンビニの集配に多く用いられます総重量七・五トンまでの車、これを十八歳、高校卒業直後でございますが、から運転することができるようにする準中型自動車運転免許というものが、本年六月に成立しました道路交通法の一部改正により措置されました。これを人手不足解消の一つのチャンスと捉えまして、その円滑な施行に向けて業界や関係機関等と調整を進めているところでございます。  国土交通省といたしましては、今後ともこのような取組推進していくことによりまして、我が国の経済と国民生活を支える物流の担い手の確保に努めてまいりたいと、このように考えてございます。
  34. 徳永エリ

    徳永エリ君 国土交通省としても大変にトラックドライバー不足というのは深刻な問題だと受け止めておられて、今も御説明にありましたように、様々な取組を行っているということはよく分かりました。しかし、現実にはなかなかトラックドライバー不足の解消には至っていないわけでありまして、果たしてこの取組成果が上がるかどうかというところも大変に今の社会状況を見ても疑問がいっぱいあるところであります。  そこで、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、鉄道貨物輸送、ここにしっかり力を入れてもらいたいというようなお話がいろんなところで聞こえてきていますし、実際には今、鉄道貨物を利用する、鉄道貨物で輸送するというケースが非常に増えてきているということであります。  トラックに関しましては、これから東京オリンピック・パラリンピックなどもありますから、人も物もどんどん東京に集中するということがありまして、地方に行けば行くほど恐らく大変な状況になると思いますので、やはり鉄道貨物輸送ということを真剣に考えていかなければいけないと思うんですね。  少ない労働力で大量に運べるということもありますし、それから、環境省ではCO2削減の観点からもトラックから鉄道貨物へのモーダルシフトを進めようという動きもあるようであります。鉄道貨物輸送は十トントラック六十五台分を一回の運行で運べると。運転手さん一人でトラック運転手さん六十五人分を賄うことができるということを国土交通省から伺いまして、すごいなと思ったんですけれども。  そこで、鉄道貨物輸送の現状と抱える課題についてもお伺いしておきたいと思います。
  35. 水嶋智

    政府参考人(水嶋智君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、貨物鉄道は少ない労働力で大量の貨物を輸送することができるということでございまして、近年の物流業界における労働力不足に対応するという観点から、貨物鉄道への期待が大変高まっておるというふうに認識をしております。また、貨物鉄道は二酸化炭素の排出量が営業用トラックの約九分の一ということでございまして、地球環境にも優しい大量輸送機関として重要な役割を果たしているということでもございます。  こうしたことから、私ども国土交通省といたしましても、貨物鉄道へのモーダルシフトというのを進めていく必要があるというふうに考えておりまして、具体的な支援策といたしましても、まず、十トントラックと同じサイズの三十一フィートコンテナ、これを貨物鉄道事業者などが導入する際の経費の補助を行ったりとか、あるいは国際海上コンテナをそのまま鉄道で輸送できるようにするというのが一つモーダルシフトを進めていく上での鍵というふうに言われておるわけでございますが、そのために低床貨車、床が低い貨車でございますけれども、そういったものの試作や運行試験、そういったことなどモーダルシフトへの取組支援してまいりたいというふうに考えております。
  36. 徳永エリ

    徳永エリ君 お手元に資料を配らせていただきましたけれども、鉄道による北海道発着貨物輸送の状況という資料でありますけれども、北海道はかなりの量を鉄道貨物に依存しているというところがあるんですが、しかし、皆さん御案内のように、このところJR北海道、いろいろ事件とか事故とか様々な問題がありまして、大変に厳しい状況であります。  この鉄道貨物の問題も、今御説明がありましたこと以外にも少し御指摘をさせていただきたいと思うんですけれども、まず、運賃の実態が適正運賃から大きく懸け離れているそうなんですね。五トンで適正運賃というのは六万円から六万五千円ぐらいということなんですが、小泉構造改革によって規制改革が行われて以降、トラック輸送との間でダンピング競争に巻き込まれておりまして、これまで適正価格の五割から八割下げて仕事を受けてきたということがありまして、このところ需要に伴って少し鉄道貨物輸送の運賃が上がったというような話を現場から聞くんですが、需要が増えたから上がったというわけではなくて、今までも五割から八割適正価格から抑えて、大変に厳しい状況だったということがありまして、昨今、トラックも少しこの運賃を上げたということで、それに伴って、まだまだ適正運賃には届いていないけれども少しだけ上げられたというのが実態なんだということを御理解いただきたいと思います。  それから、鉄道貨物会社は旅客会社にレールの利用料を払っているわけですね。アボイダブルコストルールと言うんだそうですが、これが毎年増加しているということであります。特に、JR北海道はこの一連の事故などの事象を受けて保守費用が増大しているので、それがレールの利用料に乗ってきているということでありますね。  それから、来年三月の北海道新幹線の開業に伴って、青函トンネルは新幹線と貨物列車の運行ダイヤの調整が大きな問題になってきます。新幹線が十三本、貨物、通常は四十八本ということなんですが、最大で五十一本走ることになるんですね。先日、フェリーの事故がありましたので、今、更に二つぐらい運行を増やしているんですよね。そういうような状況でありまして、ダイヤが非常に過密になることが想定されるわけでありまして、新幹線優先のダイヤ調整が行われれば北海道の物流全体に大変に大きな影響を及ぼすことになるという、非常に重要な問題があります。  それから、青函トンネルの中での擦れ違いスピードの問題というのもありまして、新幹線のスピードが速いですから、コンテナにゆがみが出るということもありまして、もっともっとスピードを速くするんだという流れの中で鉄道貨物輸送を考えたときには、このスピードというのは非常に問題があるということも御理解をしておいていただきたいと思います。  それから、先ほどお話がありましたが、十トントラックと同じサイズの三十一フィートコンテナの導入、それから四十フィートの国際海上コンテナを積載してトンネルに入れるようにするためには低床貨車の導入もしなければいけないということで、これも大変に急がれるんですが、これも環境省のエネルギー対策特別会計予算で今実証実験中ということでありますから、まだまだ実際の導入には至っていないということで、これも急がなければなりません。  それから、輸送障害が発生したときの代替輸送時に使用できる、全国どこにでも入っていけるという新形式ディーゼル機関車、この導入も必要だということで、これは二桁の億掛かるわけでありますので、ここもしっかりと支援していただかなければならないというふうに思っております。  農林水産省も、二十七年度予算から初めて物流に関する予算を付けました。青果物流通システム高度化事業一億円ということであります。これ、具体的にどのような事業なのか、申請や採択された取組など御説明をいただきたいと思います。
  37. 今城健晴

    政府参考人(今城健晴君) 委員御指摘のとおり、二十七年度、この事業を実施しておりますが、御指摘のとおり、トラックドライバーの不足等により青果物の輸送をめぐる状況が年々厳しくなっているという現状を踏まえまして、トラックに代わる輸送手段でありますとか、より効率的な輸送法の確立などは喫緊の課題であるということから、この青果物流通システム高度化事業を措置したという経緯がございます。  具体的には、全国推進事業により最新の輸送技術の情報発信、全国各地における現地勉強会やセミナーの開催等を支援しますとともに、地区の推進事業におきましては、各産地の実情に応じて新たな輸送手段の確保、あるいは輸送資材の転換による流通コストの削減等に係る実証試験というものを支援しておりまして、青果物流通の効率化を推進しているというところでございます。
  38. 徳永エリ

    徳永エリ君 物流体系を抜本的に見直さなければいけないという状況の中で、この一億円という予算が多いのか少ないのかよく分かりませんけれども、二十八年度の概算要求では、物流に関する支援、新しい野菜産地づくり総合対策事業二十八億円の内数で物流に関する支援をするということですが、これ、今までより増えるという理解でよろしいでしょうか。
  39. 今城健晴

    政府参考人(今城健晴君) おっしゃるとおり、二十八年度概算要求につきましては、青果物流通の予算を全体の予算の中にくるんで増額しておるわけでございますが、具体的には、新たな輸送システムの導入等を目指した対策を講ずるという形で、まだ全体の仕組みというものも含めて詰めていかなければなりませんので、額が具体的にどうなるかというところまでちょっと申し上げにくいんですが、少なくとも、産地と消費地をつなぐ流通体制の効率化、強化という観点から、必要な額について要求していきたいというふうに考えております。
  40. 徳永エリ

    徳永エリ君 今日は問題提起という形で、これからしっかりこの委員会でも物流の問題に関しても議論していきたいと思いますけれども、トラック運転手不足やCO2削減などの環境の問題から、鉄道貨物輸送や船舶輸送などに切り替えるために解決しなければいけない問題が山積しているということは、ごく一部ですけれども、今日も御理解いただいたんじゃないかと思います。  我が国における早急な物流体系の見直し、特に鉄道貨物に対する期待が高まっている中、鉄道貨物会社の経営支援という観点ではなくて、我が国における物流体系における中心としての鉄道貨物輸送の環境整備は喫緊の課題だと思います。また、農産物の輸送コストは生産者にとっても大きな負担になります。生産者が三で実需者が一ということでありますので、生産者負担の軽減という観点からも、農林水産省も省庁を超えて取組をしっかりお願いしたいというふうに申し上げておきたいと思います。  最後に、国土交通省それから農林水産省、そして林農林水産大臣にも、この物流に関して御意見を賜って、私の質問を結びたいと思います。
  41. 羽尾一郎

    政府参考人(羽尾一郎君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、物流そして農産物の輸送を円滑に進めるということにつきましては様々な課題があるということは認識いたしております。  特に、農産物の物流につきまして、あるいは先生の御地元の北海道の食品の物流に関しまして申し上げますと、やはり輸送量に季節波動があるということ、そして、生産地から消費地に一旦輸送した後戻る貨物につきましては、いわゆる空荷、これは荷物を積載せずに運行すること、そういう状況になりやすいと、こういった課題もございます。さらに、北海道につきましては、先ほど来御指摘ありましたように、道内のトラックによる陸上輸送だけでは完結しないで、そこから鉄道、船舶あるいは航空による輸送が必要となる、こういったものとトラック輸送とをいかに効率的につなげていくか、こういう効率的な輸送というのも課題でございます。  国土交通省といたしましても、そういった課題を見据えながら、農林水産省さん、あるいは関係物流事業者さんと連携しながら、農産物を含む貨物の例えば積載率の向上、先ほど申した帰り荷の確保による空荷状況の縮小、こういった点を含めた物流の効率化に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  42. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 今、先生の御質疑を聞いておりまして、私自身も大変勉強になったところでございますが、せっかくおいしい、青果物ですから、野菜等を作っても、流通できちっと新鮮なままで消費者の下に届けられる、こういうことがありませんとせっかく作ったものがおいしく食べられないと、こういうことになりますので、いろんな課題あるということでございます。  国交省とも連携をしながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
  43. 徳永エリ

    徳永エリ君 ありがとうございます。
  44. 儀間光男

    ○儀間光男君 おはようございます。  本委員会へ来て二年余りなんですが、初めて二番バッターを務めさせていただきます。席を譲った両党に対し感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。  さて、サンマについてお尋ねするんですが、これはさきにロシア側が発表したサケ・マスの刺し網漁、これとも関係なしとはしないので、関連しながら質疑をしていきたいと思います。  まず、日本のサンマ漁、サケ・マスもそうですが、その水域は日ロの二百海里水域内を主漁場として操業しております。  ただ、今年に入ってロシア側がサケ・マスの刺し網漁を、突如その割当てを制限するということが発表があって、サケ・マス漁の漁民をびっくりさせておるんでありますが、北海道の関連する漁協等の発表によると、その制限を受けての漁獲量、金銭ベースでいうと実に二百五十億円にも上るという漁協の試算が発表されました。この事実は、我が国のサケ・マス漁の存続さえも危機に至らしめていると関係者は心配されているゆえんだと思います。  さて、サンマ、これは、北太平洋での各国の操業状況を見ますと、日本、ロシアは両国内の二百海里水域内で操業しておって、他の三国は、いわゆる公海と言われる日本の太平洋側のはるか沖、四百キロ以上沖の公海上での操業をしております。公海上での操業でありますから、これに対するルールというか、制限というのは全く課されていなくて、自由放題に捕りたい放題に、あるいはいろんな漁具を使ってやっているのが現状であります。  そういう事実は、私は度々カツオ、マグロで言いましたが、あの漁法でやっていくというと、捕り続けるというと、遅かれ早かれサンマの資源の枯渇、これがやってくるわけでありまして、これが心配されて、先頃、北太平洋漁業委員会ができた背景であると考えます。  したがって、この公海上でのサンマの漁獲とか操業法とか、あるいは、何というんでしょうか、漁網とか、あるいは船の総トン数とか、そういうものを国際社会の中で制限する中でやっていかないというと、さっき言ったように、サンマの資源の枯渇は間もなくやってくると、こういうふうに言っても言い過ぎではないと思います。  サンマといえば、林大臣もお好きだと聞きましたけど、私たち日本人の食生活には欠かすことのできない、実に庶民の食文化の一つであります。庶民の味として古くから目黒のサンマが言われておりましたし、海洋たんぱくの摂取源の一つであるわけであります。したがって、これはなくてはならない、まさに健康食品そのものであると私は理解しております。  そのサンマが、毎年漁獲が減少をしておると。その結果、つまり市場では供給が少ないわけですから、いよいよ値段が上がり、高級魚となって庶民の食卓から消えていくんではないかというような危惧さえされているわけであります。  私たち日本は、海洋国日本として、この海洋生物の資源管理は私たちにとって最も重要な政策の一つだと、こういうふうに認識しているのであります。したがって、国際社会の中にあって日本が果たせる役割も、これまた重にして大であるというような認識も同時にするわけでございます。  サンマの生態を少し資料で見ますというと、サンマは、日本の西太平洋で産卵、ふ化されて、それからずっと公海上に出て回遊しながら北上し、千島列島辺りでUターンをするんだそうですね。Uターンをしてロシアや日本の二百海里水域に入ってくるということですから、太平洋を左回りに行くんです。運動会回りですね。左回りに行ってロシアや日本に届く。したがって、公海上で操業する台湾や韓国や中国、この国のサンマ漁の人たちが、漁民がつまり先取りをしてしまう。しかも、大量に先取りするということから、日本沿岸、ロシア沿岸の沿岸漁業の漁獲が減ってくるということで、今大変問題化されているわけであります。  そういうことも含めて聞いていきたいんでございますが、いわゆるこの状況を打開するにはどういうことをやればよいのか。それは、サンマがカツオ、マグロとも等しく、サンマの生命の、命の連鎖というか、魚、海洋生物の生命の連鎖は、これは人間がコントロールしていないんですね、今のところ。全て自然のまま、自然の生態系の中で命の連鎖が行われて、私たちに食料として供給されているということから見るというと、ここは、きちっとやっぱり我々人間の力で、管理能力でもってその資源を枯渇をさせないように育み、育てて、そして食卓へというサイクルをきちっと守っていかなければこの資源はいつか枯渇をする、つまり資源は有限であるということだと考えておりまして、ここはしっかりと国は対応していかなきゃならない、こういうふうに思っておりますが、まずは、具体的な質問に入る前に、大臣に所見を賜りたいと思います。
  45. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 先ほどから、いつ先生に私がサンマが好きかということを言ったのかなと思いながら、御明察のとおりでございまして、もう聞いただけで、お昼御飯の前でございますし、何となく口の中がこう唾が出てくるわけでございますが、この大事なサンマ、日本人の味覚でございます。しっかりとこの漁獲をできる、そして皆さんに食べていただくためのことをやっていかなければいけないと、こういうふうに思っております。  先ほど御紹介いただいたように、いろんな枠組みをつくってやっていこうと、こういうことでございまして、中国等がやはり先取りをするという懸念があると、こういうようなこともございました。NPFCというところでしっかりとこの管理をしていこうと。まさに育てる漁業といいますか、海全体が育てる漁場であると、こういうふうに考えながらしっかりと資源管理をやって、持続可能な形でサンマも始め水産業をやっていくと、こういう基本的な考え方をしっかり持って対応していきたいと思っておるところでございます。
  46. 儀間光男

    ○儀間光男君 ありがとうございます。  さて、質問させていただきますが、北太平洋漁業委員会、何かNPFCと言うみたいですね、これが条約が締結されて発効されて、去った九月三日に日本で初会合を行っておりますが、その条約の経過、条約国、それを簡単に、三日までも含めてお聞かせいただきたいと思います。
  47. 佐藤一雄

    政府参考人佐藤一雄君) お答えいたします。  まず、今、儀間先生の方からお話ございましたNPFC、北太平洋漁業委員会でございますが、これは、遡りますと、二〇〇六年、平成十八年でございますが、国連における公海トロール漁業禁止をめぐる議論を受けまして、当時はクサカリツボダイあるいはキンメダイといった底魚漁業を対象とした新たな地域漁業管理機関を設立すべく条約策定交渉が開始されたと、こういった経緯がございまして、その後、二〇〇七年に、アメリカが対象資源を底魚だけじゃなくて他の条約でカバーされていない全ての公海漁業資源に拡大することを提案いたしまして、二〇一〇年にサンマ等を対象魚種に含めることに合意したと、こういうような経緯があるものでございます。
  48. 儀間光男

    ○儀間光男君 条約の締結国を聞いたので、言わなかったんですが、日本、ロシア、台湾、韓国、中国、カナダ、アメリカ、この七か国を確認させていただきますが、間違いありませんか。
  49. 佐藤一雄

    政府参考人佐藤一雄君) 参加国・地域につきましては、日本、カナダ、ロシア、中国、韓国、台湾ということになっておりますが、アメリカは条約作成交渉に参加しており、今はオブザーバー的な位置付けになっておるところでございます。
  50. 儀間光男

    ○儀間光男君 カナダ、アメリカは、これは調べてみるとサンマの漁獲高はゼロなんですね。にもかかわらず、環太平洋ですから資源をみんなで心配することはよく分かるんですが、そういうことから、確認しておきたいのは、カナダやアメリカ、ここではサンマは食していないと、したがってゼロなんだということの考えでいいんですか。あるいは、食はするけど、捕らないで、どこかから輸入して食に供しているということもあるのかどうか、確認したいと思います。
  51. 佐藤一雄

    政府参考人佐藤一雄君) 今先生から御指摘ありましたサンマの漁業実績でございますが、一番分かっているもので、二〇一三年で公海で捕っておるものでございますが、中国が二万三千百九十一トン、我が国が公海で捕っておるものが八千八十五トン、韓国、これは公海のみということでございますが一万七千六百六十六トン、ロシアが五百トン、台湾が公海でございますが十八万二千六百十九トンというような報告がなされているところでございます。
  52. 儀間光男

    ○儀間光男君 答えていないけど、もういいや。時間がありませんので次に進みたいと思います。後でしっかりと確認させてください。  水産庁にお伺いしたいんですが、このサンマの危機的状態、これは水産庁としていつ頃からその危機を感じておられるかを聞きたいんですが。  資料というか、札幌放送局の浅川記者さんの報告を見ているというと、こういうことが書かれていますね。つまり、さっき言ったんですが、生態系の中でサンマは太平洋全域に生息をし、季節ごとに移動していると。夏から秋にかけて太平洋の沖合からロシア、日本にやってくると。ここ数年、近海にやってくるサンマが減っていて、年間の漁獲量も減っていると。その原因の一つと見られるのが、さっきも指摘したんですが、公海上のサンマ漁にあるということの報告があります。そこには中国や韓国、台湾の漁船がひしめき合って漁獲を上げているということでございますが。  水産庁、国の機関として水産総合研究所が八年前からその調査に入ったという報告もあるんですが、その実態について簡単にお答えいただけますか。
  53. 佐藤一雄

    政府参考人佐藤一雄君) 今、儀間先生の方から御指摘ありました、サンマ資源についていつ頃から水産庁の方で危機意識といいますか問題意識を持ったかということでございますが、先ほど申し上げましたように、二〇一〇年にNPFCの条約策定の交渉の中でサンマを対象魚種に含めることに合意しまして、その後、二〇一二年から中国の漁獲量がNPFCに報告されるようになりました。それで、二〇〇八年から二〇一〇年、これ年平均でいきますと二千三百五十六トンの報告があって、二〇一二年には二千十四トン、二〇一三年には二万三千百九十一トン、二〇一四年では七万六千百二十九トンといったような報告がなされましたものですから、これを踏まえまして、やはり我が国といたしましては、このサンマ資源の枯渇問題について積極的に貢献していく必要があろうということで、二〇一四年にサンマの国際シンポジウム、あるいは次の年にはサンマの小科学作業部会と、こういったものを開催いたしまして、今先生御指摘のようなサンマ資源の確保、保護といったものについて主導的な役割を果たしてきたと、こういう経緯がございます。
  54. 儀間光男

    ○儀間光男君 実は、あなたを褒めようと思って言ったんです。これ、時系列的に見るというと、実に着目した年代とぴたりですね。非常に時系列的にリーダーシップを発揮しているということで敬意を表したいと、こう言おうと思ったんです。これからも頑張ってほしいと、こう思います。(発言する者あり)いいことはいいことで言っておかぬとね。  さて、次へ参りますが、先ほどから繰り返し言っているように、資源の枯渇につながりかねない、したがって、これを制限しなければならないわけですけれど、水産庁のこれも情報によると、中国政府が最近サンマを食することに目覚めたというか、新しい食品として開発を行って、実に活発に動いているんですよ。日本の船は大体五十トン前後だと聞いておりますが、平均で、中国は、サンマ漁船を一千二百トンぐらいで七十五メーターぐらいの長さで、しかも百隻建造するというんですね。その船は、大体一隻で三千トンの漁獲をするんだそうです。そうすると、百隻となると三十万トンですよ。世界でこれまで揚げた最高はたしか八十万トンぐらい、そのうち日本で六十万トンぐらい実績があった時代もあるんですが、中国は実に三十万トンをこれからやろうということですから、この量の多さはもう推して知るべしなんですね。そういう危機感があるんです。  台湾が最近のもので二十三万トンですね。今、中国はそんなにないんですが、今あった二千五百何トンですが、中国は台湾から既に四万トン以上も輸入をしているんです。台湾は二十三万トン揚げていて、国内消費だけじゃなしに中国に四万トン以上を輸出をしているという実態があるわけですね。  したがって、ここはやはりしっかりとこの管理をしていかなければならないと思いますし、また、こういう実態にどう対応していかなければならないか。このNPFCに期待される課題は大きいのでありますが、最近では、今言ったように台湾が二十三万トンやって輸出をやっているんですが、一体皆さん、これからこういう実態にどのように対応して、政策化して、日本のサンマ漁を確保して、大臣がさっき言ったような持続的にサンマが食卓に庶民の味として供給をされるような対策を取ろうとしているのか、そのスケジュール等も含めてお聞かせいただきたいと思います。
  55. 佐藤一雄

    政府参考人佐藤一雄君) お答えします。  まさに今先生のおっしゃられた対策ということで、先週、東京において開催されましたNPFCの第一回の委員会におきまして、我が国の提案によりまして、サンマにつきまして幾つかの点が合意されております。  まず第一点は、二〇一七年に行われます資源評価に基づきまして新たな保存管理措置がとられるまでの間、先生今お話ございましたが、漁船の許可隻数の急激な増加を抑制するといったことがまず一点合意されております。これを担保するという意味合いもございますが、全ての条約対象魚種について公海で操業する許可漁船を毎年事務局に何隻といったようなことで登録することが合意されております。  そしてまた、公海で操業する漁船につきましては、衛星による漁船位置監視装置、いわゆるVMSの設置を義務付けることが合意されておりまして、こうしたことによりまして管理というものをしっかりやっていくということでございまして、今後できるだけ早く資源調査等を行いまして、獲得可能量規制等の保存管理措置が採択されるよう、引き続き議論を主導してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
  56. 儀間光男

    ○儀間光男君 さっきも言ったんですが、船の総トン量、これやら、あるいは操業の時間やら、操業の仕方やら、漁具やら、こういうものを全て巻き込んできちっと国際社会の中で決めていって実行しないというと、後先いずれ枯渇をするという心配がありますから、しっかりとひとつ期待に応えて頑張っていただきますようお願いして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  57. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  今日、初めに、林業・森林問題についてお聞きします。  現在、我が国の森林は、戦後造林された人工林を中心に本格的な利用期を迎えて、この国内の豊富な森林資源を循環利用することが重要な課題になっていますけれども、今日は、この林業・森林の分野で活躍する女性に焦点を当てたいと思います。  近年、様々な職業の女性たちや学生が林業に関わる活動や情報発信を行っています。いわゆる林業女子会と言われる活動なんですけれども、林大臣は御存じでしょうか。
  58. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 現在、全国で十七の林業女子会が活動を行っておられると、こういうふうに聞いております。  京都府内の女子大生や森林・林業に関心のある女性社会人、平成二十二年に林業女子会@京都、これを結成したのが始まりだと聞いておりますが、こういう活動全国に広がっておりますことを心強く思っております。活動内容としては、森林整備ボランティアから情報誌の発行、木工イベントの開催等々多岐にわたっておりまして、町に暮らす方と森林をつなぐ重要な役割を果たしていただいていると、こういうふうに認識しております。  私も、実は昨年の八月に、林業女子会のメンバーを含みます女性の林業従事者等とも意見交換を行わせていただきまして、こういった取組、直接お聞きすることができたわけですが、女性ならではの視点で、楽しみながら森林・林業を盛り上げて、林業や山村の活性化に寄与されておられるし、また、今後も寄与されていかれることを期待をしておるところでございます。
  59. 紙智子

    ○紙智子君 ありがとうございます。今おっしゃられたように、二〇一〇年に京都で結成されて、現在十七都府県まで広がったと。  それで、先日、実はこの森林組合に勤めながら三年前から林業女子会@東京で活動している二十代の方にお話を私も伺ったんですね。  主な活動二つあって、情報交換とそれから近況報告、いわゆる女子会をやっているんですけれども、それと同時に、例えば千葉県の森林を地元ボランティアの支援を受けながら定期的に整備をすると。チェーンソーで伐倒した木を使ってベンチとテーブルを作ったこともありますということで、非常に生き生きと語ってくれて、今後は、国産材を使った製品を買えるお店のマップ化ですとか、それから独自のグッズなどを作ってみたいと期待を膨らませています。  林業女子会は、林業の大切な応援団ということで、国産材の魅力をより多くの人に知ってもらいたいと、女性の視点で林業の裾野を広げていきたいという思いで活動して、一定実績を積み重ねています。この活動を通じて、職業として転身した人も中にいるということですね。  農林水産省としても、女子会の活動一つである森林整備などに必要なヘルメットとかあるいは手袋の貸出しとか、各地の女子会同士の交流会の支援など、使い勝手の良い支援策があってもいいんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  60. 小泉昭男

    ○副大臣小泉昭男君) 先生御指摘の部分でございますけれども、昨年、予算額は、二十七年度、二十五億、森林・山村多面的機能発揮対策交付金、これによりまして、地域住民、森林所有者、NPO等が行う森林づくり活動に対して支援をしてまいったところでございます。  この交付金でございますけれども、地域住民等が行う里山林の景観保全や広葉樹等の森林資源を活用するための伐採、搬出活動、森林を利用した環境教育等を支援するものでございまして、先ほどお話もございましたけれども、活動の実施に必要なヘルメットやのこぎり、チェーンソーの購入等にも活用が可能となっているところでございます。いわゆる林業女子会が行う森林づくりのボランティア活動支援対象になるわけでございますので、御要請があればそうしたことを積極的に周知してまいりたい、このように考えております。
  61. 紙智子

    ○紙智子君 今いろいろお答えいただいたんですけど、一般的なボランティアということでなくて、やっぱり専門家集団ではないんですけれども、一定実績を積み重ねてきたこの林業女子会への支援を是非検討していただきたいと思います。  それで、今、林業女子会を紹介したんですけれども、他方、林業女子、これは就職先に森を選んで、林業を職業に選んだ女性たちのことです。  女性の職業の選択肢になっている要因に、高性能の林業機械が開発をされて、力仕事だった現場が変化してきているということなども挙げられます。それでもやっぱり危険を伴うと。女性が山の中で働くというのは様々な悩みもあるというふうに聞きます。女性が職業として安心して働き続けられるような環境を整えることも大切だと思います。農水省として考えている支援策、これについてあれば紹介をしていただきたいと思います。
  62. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 今先生からお話しいただきましたように、林業には最近、若者、女性の就業者が増え始めてきておりまして、大変有り難いことだと思っておりますが、やはりこの一層の増大を図るためにも、キャリアアップに応じて所得の向上、それから労働災害の防止等、労働者の処遇改善、これを図ることが重要であると考えております。林業分野で女性の力を生かしていくために、我々としても、林業に就業していらっしゃる女性のネットワーク化等に対する支援を実施をしております。  平成二十八年度の概算要求でも、引き続きこれらの支援を行うとともに、さらに、女性の定着、活躍の一層の推進のために、新たに、女性林業従事者の抱える問題の実態把握、それから解決等のための支援のための予算、これを要求をさせていただいたところでございます。こういった施策を通じまして、林業における女性の活躍が加速化されるように取り組んでいきたいと思っております。
  63. 紙智子

    ○紙智子君 先ほど林大臣も紹介されましたけれども、去年、林野庁において意見交換が行われて、いろんな意見が出されたと思うんですけれども、やっぱり女性が働きやすい職場、魅力ある職場をつくるということは、男性にとってもそういう働きやすい魅力ある職場になっていくということだと思いますので、是非そういった意見を大事に踏まえて支援策をお願いしたいと思います。  次に、農地への課税の在り方についてお聞きします。  まず、総務省に今日来ていただいていますけれども、お聞きします。税は、公平、中立、簡素が原則だと言われています。なぜ中立かといえば、これ家計や企業の経済活動を税制によってゆがめるべきじゃないからだと。なぜ簡素かといえば、これ税制が複雑になると納税者は自己負担の税負担の計算が大変になってくるということですよね。じゃ、なぜ公平でなければいけないんでしょうか。
  64. 時澤忠

    政府参考人時澤忠君) お答えいたします。  租税は、国や社会を成り立たせるために欠かすことのできない公的サービスの財源を調達することをその基本的な機能としておりまして、公的サービスによる便益が社会の構成員により広く享受されるものであることを踏まえますと、皆で広く負担を分かち合い公平性を確保することは欠くことのできない最も重要な原則であると認識をしております。  平成十二年の政府税制調査会の答申におきましても、公平の原則は、税制の基本原則の中で最も大切なものであり、様々な状況にある人々がそれぞれの負担能力に応じて分かち合うという意味であるというふうにされているところでございます。
  65. 紙智子

    ○紙智子君 税負担に公平感のない税制だったら、これは国民の支持得られないというふうに思うんですね。  そこでなんですけれども、農林水産省は、今年も耕作放棄地に対する固定資産税の課税を強化する要望を出しました。  引き続き総務省にお聞きしますけれども、今の国の制度において、例えば太陽光の発電等の普及を図るためのインセンティブとして固定資産税を軽減したことはあると思うんですけれども、逆にディスインセンティブとして固定資産税の税率を引き上げたということはあるんでしょうか。
  66. 時澤忠

    政府参考人時澤忠君) お答えいたします。  現在、地方税法におけます固定資産税の特例措置として課税強化をした例というのは存在していないと認識しておるところでございます。
  67. 紙智子

    ○紙智子君 ないということですよね。  それで、固定資産税の徴収の流れについてもお聞きするんですけれども、税が納められないで滞納した場合に、法に基づいて農地の差押えとか換価が行われると。この換価というのは何か、説明をしてください。
  68. 時澤忠

    政府参考人時澤忠君) 固定資産税に係る滞納が発生した場合でございますが、納期限後二十日以内に市町村は督促状を発する、その督促状を発した日から起算いたしまして十日を経過した日までにその督促に係る固定資産税に係る徴収金を完納しないときにつきまして、市町村の徴税吏員は滞納処分といたしまして滞納者の財産を差し押さえなければならないこととされているところでございます。  税金は金銭をもって徴収するということを要しますところから、差押財産は公売手続等によりこれを処分して金銭に換えることになりますが、一般的にこの差押財産を処分して金銭に換えることを換価と称しているところでございます。
  69. 紙智子

    ○紙智子君 つまり、差し押さえるということになるわけですよね。  それで、農水大臣にお聞きするんですけれども、政府は、十年間で全農地の八割を担い手集積集約させるとしています。今回、耕作放棄地の流動化を図るために固定資産税の税率を上げるというふうに言っています。固定資産税が納められなければ農地が競売に掛けられることが起こり得ると。農家の財産権や、私有財産権を侵害するような国策というのは、これ許されるんでしょうか。
  70. 林芳正

    国務大臣林芳正君) この財産権につきましては、憲法二十九条一項によりまして、「財産権は、これを侵してはならない。」と、こういうふうにされておりますが、同条二項で、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」と、こういうふうにされておりまして、公共の福祉に適合する範囲内で法律により財産権に制限を掛けるということは可能であるということでございます。  さらに、租税については同八十四条で、「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」と、いわゆる租税法定主義が定められているところでございます。  一方、農地につきましては、農地法上、農地の所有者は、当該農地農業上の適切かつ効率的な利用を確保する、こういう責務を負っております。農地の所有者が耕作をしていない場合には、最終的に、都道府県知事の裁定によりまして、農地中間管理機構が当該農地を利用する権利を強制的に取得できることになっております。こういうことを踏まえますと、農地を有効活用するという目的範囲内で遊休農地の課税を強化することは可能だと、こういうふうに考えております。  このため、農地の保有に係る課税の強化、軽減等の措置につきまして、一昨年、また昨年の与党の税制大綱で、農地保有に係る課税の強化、軽減等の方策について総合的に検討すると、こういうふうにされたほか、本年六月三十日に閣議決定されました日本再興戦略改訂二〇一五等において、農地の保有に係る課税の強化、軽減等によるインセンティブ、ディスインセンティブの仕組みについて、本年度に政府全体で検討し可能な限り早期に結論を得ると、こういうふうにされております。  こうしたことを踏まえまして、農地中間管理機構への貸付けなど、農地の利用の効率化及び高度化の促進を図るための農地の保有に係る課税の強化、軽減等の措置を要望したところでございます。
  71. 紙智子

    ○紙智子君 何か非常に冷たい北風政策だという声もありますけれども、固定資産税の課税強化策というのは、税の公平性に反して、税を徴収する地方自治体にも混乱を招くと、地方分権にも反することになりかねないと思うんです。それなのに農水省は、自ら規制改革会議に提案をして、規制改革会議を味方に付けてまで強行しようとしていると。  農家からはどういう声が上がっているかというと、罰金を取るような制度では良くない、荒れている農地を開墾して作付けする人を助成する制度が必要じゃないか、米価下落で食べていけず、だから後継者も生まれない、この悪循環が耕作放棄地につながっているんだという声が上がっているわけですね。  本来、農水省が行うべきことというのは、耕作放棄地になる理由というのは様々あるわけで、課税を強化して財産権を侵害するような手法ではなくて、やっぱり助成等の政策的な支援を充実させるべきじゃないかというふうに思いますので、このことについては強く要望をしておきたいと思います。  最後ですけれども、TPPについて質問いたします。  甘利TPP担当大臣が米五万トンの譲歩案を出していることが明らかになってから各地でいろいろと質問を受けます。甘利大臣の、日本側から米の五万トン輸入枠を言って、米国からは十七・五万トンだと。この発言というのは、既に農水省と調整済みなんじゃないのか、農水大臣である林大臣も知っていたんじゃないのか、知っているんじゃないのかという質問が寄せられるんですけれども、そうなんでしょうか。
  72. 林芳正

    国務大臣林芳正君) TPPは現在交渉中でございまして、日米間の交渉内容についてコメントをすることは差し控えたいと思っております。  TPP交渉では米について米国側から非常に厳しい要求がなされているということは事実でございますが、米は国民の主食でございまして、また最も重要な基幹的農作物であると、こういう認識の下で慎重に交渉を進めておるところでございます。
  73. 紙智子

    ○紙智子君 本来だったら、やっぱり米の需給調整が大変で昨年は米価暴落だったと、そういう下で五万トン輸入するなんというような話は一番敏感に反応して抗議しなきゃいけないのが農水大臣だと思うんですけれども、抗議されたんでしょうか、意見述べられたんですかね。
  74. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 申し上げましたように、今現在交渉中でございますので、交渉内容、それに関連することについてコメントすることは差し控えたいと思います。
  75. 紙智子

    ○紙智子君 何か既定どおりの答弁だなと思いますけれども、やっぱり抗議もしないし否定もしないということは、事実上そういうことを容認しているというふうに言われても仕方がないと思うんですね。  それで、澁谷参考人、今日来ていただいているのでお聞きしますけれども、政府は守秘義務があるからということで、これまでアメリカなどよりも情報開示を拒んできたというのがあります。甘利大臣がこの五万トン発言したというのは、これは加盟国から守秘義務に反するということで何か抗議でも受けたんでしょうか。
  76. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) お答えいたします。  御指摘の守秘義務でございますが、TPPの交渉内容については保秘契約に各国が合意をしているところでございまして、ただ、こうした制約の中で議会や国民への透明性をいかに確保するか、各国とも悩みながら対応しているところでございます。  私ども十二か国で日常的にそこは相談をしながら、これまでも交渉の状況に関する一定の説明を行うように努力をして保秘との両立を図るよう工夫をしてきたところでございまして、甘利大臣の御発言につきましても、こうした観点から米の市場アクセスに関する日米交渉の厳しさについてお話をされたというふうに承知しているところでございまして、各国からこれについて特段意見を頂戴しているわけではございません。
  77. 紙智子

    ○紙智子君 ということは、特に抗議されているわけじゃないということですから、それぞれやっても、そういうことを国内の状況を踏まえながらやっていいということは、ほかのことについても、譲歩案についても出せるということじゃないんですかね。明らかにすべきではありませんか。
  78. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 守秘義務等の関係でいいますと、多分私の方がよっぽど際どい対応をずっとしているんじゃないかというふうに自分でも認識をしているところでございますが、ほかの委員会でも同趣旨の御意見を頂戴したところもございまして、例えば、五月十五日に、私が一般向けに、一時間半にわたって説明会を初めて一般の方向けに開催をしたところでございます。資料はホームページに載っけておりましたが、その際の議事メモはまだホームページに載っけておりませんでした。もう動画が勝手にネットに載っているものですからいいかなと思っていたんですが、きちんと私ども内閣官房のホームページに、かなり、二十ページぐらいにわたりますけれども、議事録をアップさせていただいたところでございます。  また、先日のハワイの会合で私が説明会をやったその内容についても同時にアップしたところでございまして、こういう形で少しずつではございますけれども、引き続き努力をさせていただきたいと思っております。
  79. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと今私が質問した趣旨というのは、米の問題で特に問題になって抗議されていないのであれば、ほかの譲歩案を含めて明らかにしても別にいいんじゃないですか。それ、いかがですか。
  80. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) どの国も、ルールの面について、交渉の状況についてホームページなどで解説をしたりというところはございますけれども、市場アクセスの交渉については、その数字も含めて開示をしている国はないわけでございます。甘利大臣の御発言については、紙先生御自身が予算委員会大臣と直接質疑されておりますので、私の方からどうこうではございませんが、大臣も、特に幾らならいいよとかそういう話を言ったわけではないということを予算委員会では答弁をしているところでございます。  いずれにしても、市場アクセスの交渉について、じゃどこまで雰囲気を出せるのかということについては、引き続き検討をしていきたいというふうに思っております。
  81. 紙智子

    ○紙智子君 国内において納得できるまともな説明もない中で、やっぱり幾ら決議を守られたと評価されるようにと言われても、これは納得いかないですよね。  合流に至らなかったと、合流というか大筋合意に至らなかったと、そういう状況の中で、漂流するかどうかという、こういう中でも、甘利大臣は更に前のめりになって、カナダの選挙の時期まで取り上げて、その前に決着付けなきゃいけないような話をされているということも全く言語道断だというふうに思います。そのことを最後に申し上げまして、質問を終わります。
  82. 山田太郎

    山田太郎君 日本を元気にする会、山田太郎でございます。  昨日、一昨日と、雨の中、実は千葉県の方に稲刈りに行っておりまして、その画像をフェイスブックに上げたところ、へっぴり腰だとか鎌の持ち方が違うとか、さんざん厳しいことを書かれまして、三年間やっておるんでございますけれども、なかなか農業現場というのは厳しいなと。余り厳しいと新規就農者、私も将来議員でなくなった場合にはやってみようかなとは思ったんですけど、結構厳しいなという思いを持って、ちょっとそういう思いもはせて今日は少し御質問をさせていただきたいと思います。  ちょうど実は、前回質問をさせていただいた、まさに原子力関係の放射性物質の関係による実質の輸出停止というんですかね、輸入停止が中国、韓国で行われているといったことについて、ちょうどこの九月十二日、十三日、土日ですか、日中韓の農業大臣会合というのが行われるということでありまして、これ三年ぶりだということなのでありますが、私はこれ非常にタイムリーで重要な局面になるのではないかというふうに思っております。  FTAに関して、それから食料安全保障に関していろいろ幅広に議論をされるということでありますが、ちょうどTPPも一方でやっている中で、日中韓FTAの協議についても農業交渉ということが議題に上がっております。これ、方向性としてはどういう内容になるのか、日中韓の中でそれぞれどんどん農業分野に関して自由化を進めようとしているのかどうか、このFTAの方向感、日中韓の方向感、この辺り、大臣、簡単で結構ですので、教えていただけないでしょうか。
  83. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 日中韓のFTAでございますが、二〇一二年の十一月に交渉が立ち上げられまして、二〇一三年三月の第一回交渉以来、二年以上にわたって交渉が継続をしております。物品市場のアクセス分野のモダリティーについてまだ議論しておりまして、具体的な品目に係る交渉にまだ入れていないと、こういう状況でございます。  日中韓の三か国は、GDP約十五兆ドル、人口も約十六億人という巨大な経済圏でございまして、我が国農林水産業のセンシティビティーに配慮しながら日中韓FTAを推進していく、これは大変重要なことだと認識しております。  今お話しいただいたように、今月の十二日と十三日に第二回の日中韓農業大臣会合、これが久方ぶりに開催をされることになりましたので、各国の抱える様々な懸念、関心を考慮しながら、三か国がウイン・ウイン・ウインになっていくような関係になっていきますように、日中韓FTA交渉を促進をさせていくということについて議論を行いたいと考えております。
  84. 山田太郎

    山田太郎君 ウイン・ウイン・ウインになればいいんですが、これ前回も指摘させていただいたんですけれども、中国からの農産物の日本に対する輸入は一・五兆円、日本から中国に対してはたったの六百二十二億円なんですよね。もちろん、日本から輸出するものがないのかというと、多分そんなことはないわけでありまして、安倍内閣も農産物一兆円構想というのを掲げているわけでありますから、この機を捉えていただきたいというふうに思うんですが。  そんな中で、もう一つ、食料安全保障の確立ということも議題に上げているようでありますが、この場合の日中韓の食料安全保障というのは一体何を意味するのかなと、どういうことをすると三か国間における食料安全保障ということが維持できるのか、食料安全保障の定義というか、意味と、それから、それが実現する方法というんですかね、その辺りを教えていただけないでしょうか。
  85. 小泉昭男

    ○副大臣小泉昭男君) 大変重要な問題でございまして、日中韓三か国、共に食料の純輸入国であるとともに、農業従事者数の減少、高齢化、こういった共通の課題を抱えていることも現実の問題でありまして、このため三か国間では、農業政策に関する情報交換、技術協力を強化し、食料安全保障の確保につなげていくことが共通の利益になると、こう認識を一致しているところでございまして、第二回日中韓農業大臣会合におきましても、そのような共通認識の下で、食料安全保障をテーマの一つとして、協力の在り方等について議論が行われる予定でございます。  また、同会合においては、三か国が食料の純輸入国、小規模な家族農業経営等の共通した条件を有しているわけでありまして、国際的、地域的な多国間の枠組みにおいても、政策や立場に関する意見交換調整活動を更に強化することについて議論する予定でございます。  このような協調活動も食料安全保障の強化につながると、こういうふうに考えているところでございます。
  86. 山田太郎

    山田太郎君 まあ三年ぶりということで、今回開かれてまた三年後というのでは意味がないので、定期的にやっていただきたいということと、私も、実は中国で華僑なんかともいろいろ、あるいは世界で華僑なんかとも仕事をしてきているので、ずばっと結論からどんどん話を詰めた方が彼らとは話が前に進むと思いますので、余り虚勢を張ろうというよりも実質的な会議を求めたいというふうに思っています。  その中で最も実質的な議題として、前回もこれ取り上げましたけれども、放射性物質検査証明書が基本的に様式が合意されていないということで、十都道府県以外からも日本の野菜、果実、乳、茶葉等が中国に対して日本は輸出できない、こういうような状態になっているということであります。  これ、何とかするべきだというふうに思っておりますが、実は韓国においても同じ状況でありまして、韓国も食品等の輸入規制は八県での水産物の輸入停止と、こういうことなわけですね。  韓国、中国とそれぞれ分けて聞いていきたいと思いますが、まず、韓国に対して、二国間において、これ二国間の大臣等の交渉もされるというふうにもお伺いしているんですが、今後どうしていくのかと。レクの中ではWTOのSPSで訴えを起こすことも踏まえて強く当たっていくというようなことも聞いてはおるんですけれども、まず韓国に対して、この辺りどういうふうに対応されていくのか、お答えいただけないですか。
  87. 佐藤英道

    大臣政務官佐藤英道君) 御指摘のように、韓国による日本産の水産物などの輸入規制につきましては、これまで我が国より二国間の働きかけや韓国の専門家委員会による訪日調査への協力を行うなど、韓国に対して緩和、撤廃に向けた働きかけを行ってきたところでございます。  本年五月二十一日には、我が国は、WTO協定に基づきまして二国間協議要請を行い、六月に二国間協議を行いましたが、その後も韓国側から規制撤廃に向けた見通しが示されなかったことから、八月二十日にパネル、いわゆる紛争解決委員会の設置を要請をしたところであります。  今後につきましては、WTOのルールにのっとって手続を進めていくこととともに、規制の早期撤廃の実現に向けまして、今回の日中韓農業大臣会合に際しまして、韓国の要人に対して林大臣から働きかけを行うなど、引き続きあらゆる手段を通じて韓国側に働きかけを行ってまいります。
  88. 山田太郎

    山田太郎君 それでは、中国に対してどうしていくのかということもあると思っております。  去年、西川大臣の方が直接農業部長と会って議論をした。それ以外も、WTO・SPSにおいて、何度も懸念というような、割と私はちょっと弱い表現だと思うんですが、でも数回やっているわけでありまして、ここでいいかげん前に進めないと、この後、多分、もう日本の農作物はこの原子力の問題で、しかも、その関係都府県ならばともかく、全国で全く輸出ができないということが、永遠固定化してしまう懸念もあるのではないかと、大変重要なタイミングだというふうにも思っております。  もうこれ、大臣日本で議長を務めて、二国間で先方の農業副部長と直接やるわけですから、この辺の決意と、戦略は話せないのかもしれませんけれども、方向性、是非この辺り、教えていただけないでしょうか。
  89. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 中国向けの農林水産物・食品の輸出は、東日本大震災前の平成二十二年、五百五十五億だったんですが、大震災が起きて平成二十三年に三百五十八億まで落ち込みました。これが昨年六百二十二億円と、過去最高まで戻ってきております。そして、今年は一—六で四百二十四億円で四四%増と、非常に大きな勢いでございます。  そうした中ですが、まだ、今お話があったように、この輸入規制措置導入が東日本大震災に伴ってされまして、現在も福島県等十都県産の全ての食品、飼料について輸入停止、それから十都県以外の野菜、乳製品、茶葉、果実等については証明書の添付ということで輸入が認められたということなんですが、この様式が合意されていないということでまだ輸入ができないと、こういうふうになっております。  今御紹介いただいたように、これまでも農林水産省それから在中国日本国大使館、ここから先方の規制当局である質検総局等に対しまして、累次緩和の働きかけを行ってまいりまして、また、WTO・SPS委員会のマルチの場においても中国側に働きかけてきたところでありますが、証明書の様式協議の場を設けることがまだ困難であるという状況でございます。やはり科学的根拠に基づいて協議に応じていただくように、あらゆる機会を捉えて粘り強く、これは働きかけを行っていくということであります。  三年ぶりにこの会議が開かれるということで、全般的な日中関係というものを、この好転の兆しが見えてきていることの表れではないかと、こういう受け止めもあるわけでございまして、大変大事な機会だと、こういうふうに思っておりますので、特にこの三大臣会合に伴ってバイ会談をしたいと、こういうふうに思っておりますので、そのバイ会談の場等々を積極的に活用しまして私から直接働きかけを行っていきたいと、こういうふうに思っております。
  90. 山田太郎

    山田太郎君 質疑というのは、一回目を聞くと答弁書を読まれるので、二回しつこく聞いて大臣のもう一回直接の言葉をお伺いしたいんですが、特にこの様式の合意問題というのは、ある意味で、簡単と言うと怒られますけれども、非常に合理性がない規制だという、規制というよりも対応してくれないというだけの話ですから、これについては特に重要なポイントとして大臣も話されて、前に進めていくという御決意でよろしいですね。
  91. 林芳正

    国務大臣林芳正君) おっしゃるとおりでございまして、この様式問題も含めてしっかりと働きかけをしてまいりたいと思っております。
  92. 山田太郎

    山田太郎君 やっと、何回かこの委員会でもずっと取り上げてきたんですけど、このいいタイミングが来たと。逆に言うと、このタイミングを逃すと、結局それでも解決しないのねということになりかねませんので、頑張って大臣の方にはやっていただきたいと思っております。  さて、残りの時間は、今ちょうど農水省も概算要求の季節になってきまして、いろんなものが届いてきます。特にこの日本型直接支払八百二十九億円、大変大きな金額でもありますし、この辺りが今後の日本の農政においても重要なポイントになるだろうということでお伺いをしたいと思って、いろいろ分析してきたんですが、ちょっとその手前で、いろいろデータがないんじゃないかというような話をまず問題意識として持っておりまして、その辺り少し聞きたいと思っています。  まず、私の方は、いつも、前回も、十年後、要は、土地利用型で三百万ヘクタール三十万人で、本当に一人十ヘクタールできるのという話を問題意識として持っていたんですが、そもそも現在どうなのかなといった辺りを、遡って実はデータの要求を農水省さんにさせていただきました。  平成二十二年という古い情報しかないと。本来は、今はもう二十七年なわけでありますから、五年前のものを使うというのもちょっとナンセンスな感じもするんでありますけれども、土地の、平地、都市的地域が、耕作地でもって二百七十五万ヘクタール、中山間地が百八十五万ヘクタールで、合計四百九十五万ヘクタールだということまではお伺いしたんですが、そのうち土地利用型というのがそれぞれどうなのか。私も冒頭に申し上げましたが、昨日、おとといまで行っていた千葉、中山間地、どちらかというともう山の中の段々畑だったんでありますが、そこの方々も、一人一ヘクタールやるのが精いっぱいだと、ここを集約するといったってとてもじゃないけど難しいと、こういうような話もしてきました。  そういう意味で、中山間地とそれぞれの平地、都市的地域における土地利用型の実際の面積というんですかね、それが非常に重要なことになると思うんですが、まず、平成二十二年のデータで構わないんですが、その辺りの具体的な面積はどうなっているのか、教えていただけないでしょうか。
  93. 佐々木康雄

    政府参考人佐々木康雄君) ちょっと今、手元でデータを整理いたしますので、後ほど答弁させていただきます。
  94. 山田太郎

    山田太郎君 実は、もう作ったデータはこちらでもらっていて、答えは、実は土地利用型については特別に調べていないので分からないということだったと思うんですけれども、いかがなんですか。
  95. 佐々木康雄

    政府参考人佐々木康雄君) 二十二年は農林業センサスという調査を実施している年でございまして、悉皆で全体の構造を調べている年なわけでございますけれども、その際には、経営体とそれから地域のそのありようについての実態を調べているというのが主眼でございます。  例えば一経営体当たりの平均の規模がどういうふうに分布しているかとか、そういった構造面の実態を把握するということに主眼を置いておりまして、農地全体のうち、土地利用型等々に、上に何が植わっているか、どういう経営に属しているかといったことについては、その調査をストレートには分析できる形には残念ながらなっていないというのが実態でございます。
  96. 山田太郎

    山田太郎君 それじゃ、お伺いしたいんですけれども、これまで土地利用型それから施設型という形で分けてきちっと調査されたことというのは、これまで農水省さんはないということなんでしょうか。
  97. 佐々木康雄

    政府参考人佐々木康雄君) 農地の全体の存在状況耕地面積統計という調査で把握をしておりまして、それと、そのセンサスから、どういう経営を営んでいる者がいるかということを組み合わせまして、経営類型ごとにどういうふうな規模の経営体がどれぐらい存在しているかということを、毎年農業構造の動態を明らかにする形で調べております。  そういった中で、サンプル調査ではありますけれども、こういう類型の経営体がどれぐらい存在し、どれぐらいの規模を有しているかといったことは把握しているところでございます。
  98. 山田太郎

    山田太郎君 であれば、教えていただきたいんですが、その平地それから中山間地において、それぞれの土地利用型における面積、まあ比率でもいいと思うんですけれども、それは分かるというはずなんですけれども、教えていただけないですか。
  99. 佐々木康雄

    政府参考人佐々木康雄君) サンプル調査を行います場合には、どのような層を区分をしてサンプルを抽出するかというやり方があるわけでございますけれども、現在、私どもが実施しております調査におきましては、どういう経営類型か、あるいはどういうふうな規模層に属しているかといったことに着目してサンプリングを行っております。  したがいまして、地帯区分別に実態を明らかにするためには、例えば平地地域に属しているサンプルがちゃんと確保できているか、中山間地域に属しているサンプリングがちゃんと確保できているかという、サンプリングそのものをもう少し付加をした形でやりませんと地域区分別に有意なデータが出てまいりませんので、そういう設計のし直し等々が必要になるものと考えております。
  100. 山田太郎

    山田太郎君 そうしたら、食料・農業農村基本計画の中にある、いわゆる土地利用型三百万ヘクタールという予定というか政策があるわけですけれども、これは、平地又は中山間地それぞれどういう分布、面積の割合になっているのか、これは教えていただけないですか。
  101. 末松広行

    政府参考人(末松広行君) 今お話にありました農地面積三百万ヘクタールは、農業構造の展望の付録、農業就業者数の必要数において、全農地の八割を占める土地利用型作物について、その八割を担い手が生産すると仮定して試算しております。  また、農業就業者三十万人については、土地利用型作物について平成三十七年までに構造改革が進むことを前提に、担い手において農業就業者が一人当たり十ヘクタール耕作すると仮定して、これは先生いつもお話しのとおり仮定して必要数を試算したものでございまして、平地、都市地域、中山間地域の別による試算はしてございません。
  102. 山田太郎

    山田太郎君 つまり、三百万ヘクタールで土地集約するといっても、中山間地でどれぐらい、平地で特にどれぐらいというのは全然分からないと、こういうことになっちゃっていると思うんですよね。  あともう一つは、少し途中でも言いましたけれども、元々のいわゆる統計の資料、五年前なんですよね。人口というか基幹農業者の数字だけはちゃんと出ていまして、いわゆる五年前、平成二十二年二百五万人から、今、去年ですね、百六十八万ということで、この五年間で基幹農業者は三十七万人も減っているんですよ。毎年一万人も増えていない中で、五年間で三十七万人も基幹農業者が減っちゃっているという状態の中で、五年前のデータを使って今を占って十年後の話をするというのはちょっと大丈夫なのかなと正直思っています。  この十二月にしっかりしたセンサスがまとめられるというふうにも聞いておりますので、もう一度、このいわゆる食料・農業農村基本計画を、私はそのデータに基づいてしっかり作り直すべきなんじゃないかなと。中山間地における政策とそれから平地における政策は全く違うと思っていますし、よく農林水産大臣がおっしゃるいわゆる産業政策と地域政策、もちろん中山間地域が全て地域政策だとは言いませんけれども、やっぱり関連性は非常に大きいわけでありまして、科学的というか当たり前というか、そういったデータを基にどうしていくのか、こういったことをやっぱり政策として示していただきたいと思います。  政治の判断だと思いますから、大臣、是非その辺り御答弁いただけないでしょうか。
  103. 林芳正

    国務大臣林芳正君) いろんなデータを基に、なるべく新しいものを用いながらやっていくということは先生がおっしゃるとおりだと、こういうふうに思っておりますが、一方で、センサスは百七十万経営体に上る調査対象数ということで、大変膨大でございます。コストも掛かるものですから五年周期で実施していると、こういうことでございます。  ただ、経営耕地面積農業従事者、こういう基本的な事項は毎年把握をするということも重要でございますので、サンプル調査である農業構造動態調査を実施して、その結果を毎年公表しているところでございますので、できる限りアップデートされた情報に基づいて、このデータに基づいて政策を推進してまいりたいと思っております。
  104. 山田太郎

    山田太郎君 時間になりました。これで終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  105. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  106. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 次に、独立行政法人に係る改革推進するための農林水産省関係法律整備に関する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。林農林水産大臣
  107. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 独立行政法人に係る改革推進するための農林水産省関係法律整備に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  政府においては、これまで時代に即した合理的かつ効率的な行政の実現を図る観点から行政改革を積極的に推進してきたところであり、この行政改革の一環として、平成二十五年十二月に閣議決定された独立行政法人改革等に関する基本的な方針において、独立行政法人について国の政策実施機関としての機能強化等を図るため、独立行政法人に係る制度及び組織見直しを行うこととしたところであります。  この法律案は、この政府の方針に基づき、農業・食品産業技術総合研究機構等四法人の統合、水産総合研究センター等二法人の統合、農業者年金基金及び農林漁業信用基金の内部ガバナンスの高度化等を行うものであります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構法の一部改正であります。  農業・食品産業技術総合研究機構農業生物資源研究所、農業環境技術研究所及び種苗管理センターを統合し、基礎から応用まで一貫した効率的な研究を推進し、研究成果を最大化するとともに、研究成果を活用した種苗管理業務の高度化、効率化を図ることとしております。  第二に、国立研究開発法人水産総合研究センター法の一部改正であります。  水産総合研究センター及び水産大学校を統合し、それぞれが持つ研究開発機能と人材育成機能の一層の向上を一体的に推進することとしております。  第三に、独立行政法人農業者年金基金法及び独立行政法人農林漁業信用基金法の一部改正であります。  農業者年金基金及び農林漁業信用基金の行う金融業務の高い公共性に鑑み、その適正な業務運営を確保する観点から、それぞれの役職員に対し秘密保持義務を課すこととしております。  また、農林漁業信用基金については、出資者及び学識経験者のうちから主務大臣が任命する運営委員をもって組織される運営委員会を設置し、業務運営に関する重要事項の審議を行わせることとするほか、近年、金融業務に係る高度化、複雑化するリスクを適切に管理するための態勢を整備する観点から、金融庁検査を導入することとしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  108. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十七分散会