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山田太郎君
日本を元気にする会の
山田太郎でございます。
私自身、今日は採決も関係するので立場を述べながら、
総理に食の安全保障と
農協の関係ということについて少し
質疑させていただければと
思います。
これまで会社を創業、上場させまして、どちらかというと
経営の合理化ということを強く求めてきた人間でありますので、まさに
農協改革、実はこの
委員会でも最も厳しく、
法案が出る前から
農協には問題ありということを追及してきた身ではあります。もちろん、
農協は職能組合としては非常に問題が多いのかなと。だからこそ
改革しなければいけない、これは、
安倍総理の決意は非常に分かります。
改革には抵抗も伴うと
思います。
ただ、残念ながら、この
委員会と、私も
現場を回ってきて感じましたことは、
地域協同組合としての、先ほど儀間議員の方からもありましたが、中山間地で四割の
農業、それから
家族経営が九割だという、この
地域を支えている
地域の
協同組合としての側面の検討が極めて甘いというふうに今回言わざるを得ないのかなと。
それから、
担い手を増やすということが、私は今後の
農業にとっては最も重要だと思っております。三百万ヘクタールをいわゆる土地
利用型で維持しようと思えば、毎年二万人の新規就農者が入らなければならないという実態の中で、全く半分ぐらいしか達成していないということではもうもたないと、こういうふうに思っておりまして、
地域を支える
農協の
在り方をもっと詰めないでこのまま採決してしまっていいのだろうかという疑問を持ちながら、今なお悩みながら今日の採決には臨みたいと、こんな
思いでいるわけであります。
さて、先ほど申し上げました食の安全保障と
農協ということを少し触れたいんですが、
安倍政権、
農業は成長産業であるという位置付けで大変輸出を振興していこうということについては評価します。
しかし、その農作物の輸出内容を見てみますと加工品が半分を占めておりまして、下手にただ輸出をするということを振興すると、加工品の原材料は、実際自給率が四〇%以下ということであれば、輸入に頼っていくということになりかねません。そうなると、結局輸入を増やすということにもなってしまうと。
その場合、米がどうかということが、輸出ができるかということがもう
一つ大事なことだと思っておりますが、商業用の米の輸出量を例えば見てみますと、二〇一二年が二千二百二トン、二〇一四年が四千五百十六トンと。これは農水省に資料を出していただきました。ただ、売り先をまた細かく見てみますと、一位が香港で三八・六%、千七百四十四トンと、シンガポールは千二百九十五トンということで二八・七%、何と香港とシンガポールで六割を占めているということでありまして、とてもではないけれども、これで大きな輸出が米に対してはできているとは思えない。
一方、中国の方の輸入量を見てみますと、直近二〇一一年二百七十万トンを中国は米を輸入しているということでありますが、統計によりますと、二〇二四年、十年後ですね、米は四百二十万トン輸入の予定ということでありまして、
日本国内では毎年八万トンずつ需要が減っている。少子化の影響もあるんでしょう、食の変化もあるでしょう。それを補うのは、やはり中国に対して輸出ができるかどうかというのが非常に大きいんじゃないかなと実は思っているわけであります。
ただ、
日本と中国の
農産物のバランスは非常にアンバランスでありまして、
日本からの中国に対する
農産物の輸出は六百二十二億円、輸入は何と一兆五千億円ということでありまして、桁違いに輸入超過という実態が進んでいると。これは何でなのかなということで解いていきますと、御案内のとおり、放射能の問題で十都県に関しては輸入の規制が入っていると。ただ、十都県以外についても、野菜、果実、乳製品、茶葉等についても放射性物質の検査証明の添付による輸入というのが必要なんですが、実際この様式が決まっていないということで、実質輸出停止というような状態が続いてしまっていると。大変、これは放射能の関係ないところに関しても輸出できないということで、私は非常に遺憾な
思いをしております。もちろんWTO違反ではないかという疑義もあって、
政府は何回もSPS
委員会に対して懸念の表明をしているということでありますが、やっぱり懸念の表明でとどまっていると。
大臣も、去年西川
大臣のときに行かれて、中国の
農業部長、
農業大臣ですね、交渉したということですが、これは林
大臣にも頑張っていただきたいと
思いますが、結局なかなか解決しないと。もうこれは
総理レベルで、是非習近平国家主席と会って、トップ同士でこういう不本意な
状況、やはり中国側から我々は農作物を一・五兆円買っているんであれば、一兆円ぐらい中国へ伸ばすこともできる、
日本のおいしい米も買ってもらえるんじゃないか、そのときに
農協の
役割も非常に大きいと。
なぜならば、これを商社経由でやってしまえば非常にコストとして安く買って支配されてしまうかもしれない。直接
農家が輸出の恩恵を被るには、
農協の
役割もそういった意味では非常に大きいんじゃないかなと、そこが
所得の倍増につながるという
一つの
安倍政権の新たな方向性にもなるんではないかと思っています。
そういう意味で、これ、今度日中の間の首脳会談が行われた場合には徹底的に
議論していただきたいというふうに思うんですが、
総理、いかがでしょうか。