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2015-05-19 第189回国会 参議院 農林水産委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年五月十九日(火曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  四月二十三日     辞任         補欠選任      林 久美子君     柳澤 光美君  五月十一日     辞任         補欠選任      中泉 松司君     宇都 隆史君  五月十二日     辞任         補欠選任      宇都 隆史君     中泉 松司君      舞立 昇治君     宮沢 洋一君  五月十三日     辞任         補欠選任      馬場 成志君     柳本 卓治君      宮沢 洋一君     舞立 昇治君  五月十四日     辞任         補欠選任      柳本 卓治君     馬場 成志君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山田 俊男君     理 事                 野村 哲郎君                 山田 修路君                 徳永 エリ君                 紙  智子君     委 員                 金子原二郎君                 小泉 昭男君                 古賀友一郎君                 中泉 松司君                 馬場 成志君                 堀井  巌君                 舞立 昇治君                 小川 勝也君                 郡司  彰君                 柳澤 光美君                 柳田  稔君                 平木 大作君                 山口那津男君                 儀間 光男君                 山田 太郎君    国務大臣        農林水産大臣   林  芳正君    副大臣        内閣府副大臣   西村 康稔君        農林水産大臣  あべ 俊子君        農林水産大臣  小泉 昭男君    大臣政務官        外務大臣政務官  中根 一幸君        農林水産大臣政        務官       佐藤 英道君    事務局側        常任委員会専門        員        稲熊 利和君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       澁谷 和久君        外務大臣官房審        議官       伊藤 直樹君        文部科学大臣官        房審議官     徳田 正一君        農林水産大臣官        房技術総括審議        官        別所 智博君        農林水産省食料        産業局長     櫻庭 英悦君        農林水産省生産        局長       松島 浩道君        農林水産省経営        局長       奥原 正明君        農林水産省農村        振興局長     三浦  進君        林野庁長官    今井  敏君        水産庁長官    本川 一善君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (日本再興戦略における農業分野取組に関す  る件)  (環太平洋パートナーシップTPP協定交  渉に関する件)  (日本農林水産物輸入規制に関する件)  (農業構造の展望に関する件)  (森林・林業・木材産業政策に関する件)  (太平洋クロマグロ資源管理に関する件) ○農林水産省設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 山田俊男

    委員長山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る四月二十三日、林久美子君が委員辞任され、その補欠として柳澤光美君が選任されました。     ─────────────
  3. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 堀井巌

    堀井巌君 自由民主党の堀井巌でございます。  本日、このような貴重な質問の機会をいただきましたことを、同僚の議員先輩諸氏に深く感謝を申し上げます。  それでは早速質問に入らせていただきます。  まず、TPPについてお伺いをいたします。西村大臣、今日はお見えいただいておりますが、五月上旬、ワシントン米国に出張されまして、その折に、特にTPP交渉状況について、アメリカ連邦議会への開示等々の状況も踏まえながら、日本でもどのようにすればいいかというようなことについて御発言をされまして、最終的な政府としての方針をお決めになられたと、このように承知をしておりますが、ちょっとその辺の事実関係について少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。
  7. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) TPP交渉に関する情報開示についての私の発言についての御質問であります。お答え申し上げたいと思います。  五月四日、ワシントン現地時間でありますけれども、私のこの発言によって誤解と混乱が生じましたこと、まずもっておわび申し上げたいと思いますし、その上で、改めて経緯を御説明申し上げたいと思います。  TPP交渉につきましては、御案内のとおり、交渉参加国保秘秘密保持の約束をして交渉を進めているところでございまして、その情報が外部に漏れないということを厳しく定めた上で交渉を進めているところでございます。その制約の下で、各国苦慮しながら、悩みながら、情報開示についてどのようなことができるか検討を行ってきているところでありますし、我が国でもその下で、できる限りの情報開示を行ってきたところでございます。  その後、国会でも質問を受け、アメリカでどのような状況になっているのかということで私どもも精査をするということでお答えをしている中で、四月二十三日からの首席交渉官会議の際に、私どもTPP政府対策本部職員がUSTRの職員からも詳細な聞き取りを行い、また、私自身も訪米中にアメリカ議員意見交換情報交換する中で直接聞き取りも行ったところでございます。  アメリカにおいては、まず外国との通商を規制する権限、これは憲法上連邦議会に与えられているということ、それから連邦議員には守秘義務が課されている、罰則もあるということで、私ども日本とは制度が大きく異なっているところでございます。アメリカはそのような制度前提として対応しており、日本我が国制度前提として対応していくことが必要でありまして、五月四日の私の発言は、この日本制度制約の下で何か更に工夫できないのかというそんな思いが強く出まして、アメリカと同様の開示ができるような誤解を与えてしまいましたので、その発言については撤回をしたところでございます。どのような工夫ができるか引き続き検討していきたいということが私の真意でございました。伝え方も悪かったわけでございまして、誤った印象を与えてしまったことについては深く反省をしているところでございます。
  8. 堀井巌

    堀井巌君 ありがとうございました。  今、西村大臣が、日本制度制約がある中でもどのように工夫をしながら情報開示をしていけるかというような思いをお述べいただいた、このことについてはできる限り誠実に、真摯にこの国会にも対応しようという姿勢で一貫して交渉にも臨んでこられたという私はそのお気持ちは十分伝わっておりまして、その点は非常に敬意を表したいというふうに思います。  それと、あわせて、やはりこれは立法府在り方というんでしょうか、議会政府との関係について、アメリカの場合は、先ほどもお話があったように、非常に守秘義務が厳しくて、聞くところによりますと刑事罰も存在するというような中で、しかし、やはり我々、立法府の一員として、この立法府がどのような在り方であるべきか、まさに一つ問題提起をもらったなというふうに私は受け止めております。これはむしろ今後立法府の方でこういった場合の対応在り方について、日本制度についてしっかりと考えていく必要があるというふうに感じたところでございます。  そして、何よりも今回のこの本質というのは、今だと、交渉担当政府関係の一部の方々がこの情報については当然承知をしながら交渉を進めておられる、しっかりとその保秘については十分留意しておられると。この部分に例えばアメリカですと連邦議員も加わっていくという、こういうことになるんでしょうけれども、今回、日本の方で国会議員がそこに加わるかどうかということがやはり私はこれは本質ではなくて、いかにこのTPPはそういった、ある意味、俺も知っているんだよ、俺も見たよというところまでだったらそれ以降の展開というのはないわけですから、やはり一番重要なことは、衆参国会決議を踏まえていかに国益を守りながら今TPP交渉が進んでいるのか、これを確認する、これがこの立法府の一番最大の課題であろう、役割であろうと、私はこのように思っているわけでございます。  そういった観点を踏まえまして、現在のこのTPP交渉状況、今後の見通しなどについて、私は西村大臣からもう一度お聞かせをいただきたいと思います。聞くところによりますと、いわゆる貿易促進法案TPA法案でしょうか、これについても米国議会の方で現在また動きがあるというふうにも承知しておりますし、現在の、今TPP交渉状況について西村大臣から改めてお聞かせいただきたいと思います。
  9. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) お答えを申し上げます。  まず、首席交渉官会合が今開かれておりまして、首席交渉官レベルで詰められるだけ残った課題について詰めていこうということで議論が行われております。ここでどれだけ詰まってくるかということも大事なポイントであるというふうに思っております。知的財産権をめぐる議論を始めとして、まだ多くの議論が残っておりますので、首席交渉官レベルでできるだけ議論を詰めてもらうということが一つであります。  それから、御指摘のありましたアメリカでのTPA法案状況が大きなポイントになってくるわけでありまして、現地時間の十八日の夕方、日本時間の今日の朝ぐらいまで審議が、今上院審議に入っておりますので、行われているというふうに承知をしておりますけれども交渉参加国TPP合意妥結に向けてはこのTPA法案成立が不可欠だという認識を持っておりますので、我が国としても、このTPA法案早期成立期待をしているところでございます。  その動向も注視しながらでありますけれども、いずれにしましても、最終局面を迎えておりますので、私どもとしては、農林水産委員会でいただいた決議をしっかりと受け止め、この国会で、最終的には国会で御承認いただかなければいけませんので、御承認いただける、そういう内容となるよう粘り強く交渉を続けてまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
  10. 堀井巌

    堀井巌君 ありがとうございました。  今、西村大臣の方からも、交渉最終局面を迎えているというようなお話がございました。もちろん我々中身は分からないんですけれども、非常に妥結に向けた今相当な作業が進んでいるということと承知をいたしました。その中で、何よりも、特にこの農林水産委員会に所属する一人として、この衆議院及び参議院の農林水産委員会決議、しっかりと守られる形で交渉が進んでいくということが何よりの重要なことではないかというふうに思うわけでございます。  三月十九日の本委員会でも林大臣の方から、引き続き、衆参両院農林水産委員会決議が守られたとの評価をいただけるよう、政府一体となって全力交渉を行ってまいりますと、このようなお話をいただきました。今、この最終局面に来ているということでありますので、大変、今どうなっているんだろう、本当に守られるかどうかというような皆さん気持ちもあろうかと思いますので、ここでもう一度、林大臣の方からその思いをお聞かせいただきたいと思います。
  11. 林芳正

    国務大臣林芳正君) このTPP交渉でございますが、一昨年の二月の日米共同声明におきまして、全ての物品が交渉の対象とされること、それから、我が国農産品にはセンシティビティーがあり、最終的な結果は交渉の中で決まっていくこと、これが確認をされたわけでございます。こういう経緯も踏まえまして、今御指摘のあったような、衆参両院農林水産委員会において、重要五品目などの再生産が可能となるよう、それらの品目の確保を最優先することなどが決議をされたわけでございます。  TPP交渉に当たっては、この決議が守られたと評価をいただけるように、政府一体となって全力を尽くす考え、変わらずにやっていきたいと思っております。
  12. 堀井巌

    堀井巌君 TPPに関しては、委員長、これで終わりですので、西村大臣、もしよろしければ御退席を。
  13. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 西村大臣、御退席して結構でございます。
  14. 堀井巌

    堀井巌君 それでは次に、農林水産物食品輸出促進などについてお伺いをいたしたいと思います。  私、これは前回の農林水産委員会食料農業農村基本計画のときにも申し上げました。やはり国内市場人口減少とともにどうしても頭打ちになっていくことが想定される中で、この日本の農用地を、しっかりと農地を守っていく、そして農業をしっかりと発展させていくといったときに、当然、世界市場の中で非常に日本食品、農産物が受け入れられていくということが極めて重要だと、その思い、これが本当に大きな解決方策になると、そんな思いを私は常に持っているわけでございます。  これまでも、たしか第一次安倍政権のときも平成二十五年ぐらいに一兆円を目指しますというようなお話があったかと思いますけれども、今、平成三十二年、二〇二〇年に一兆円を目指すと、そしてそれを大きく超えるというような林大臣の決意も聞いているわけであります。そして、そのためにも、従前とは異なって品目別目標どもきめ細かく作りながら取り組んでおられるということで、先日伺いましたら、昨年、二〇一四年、輸出が六千百十七億円と、もう初めて六千億円を突破したと。今年に入ってからも大変好調な状況が続いているということで、大変意を強くしているところでございます。  まずは、この農林水産物食品輸出の現状と、農林水産省取組についてここでお伺いをしたいと存じます。
  15. 櫻庭英悦

    政府参考人櫻庭英悦君) お答え申します。  先生指摘のとおり、平成二十五年に閣議決定されました再興戦略に基づきまして、国別品目別輸出戦略、これを策定させていただきました。その中に一兆円目標というのがありまして、実は各団体がばらばらであったということもありまして、司令塔となる輸出戦略実行委員会を昨年の六月に創設しまして、品目別輸出拡大の策定や輸出団体の育成などを進めているところでございます。  このような様々な取組の結果、先生が今お話しされたとおり、昨年の輸出額は六千百十七億円と史上最高額となりまして、さらに本年の一月から三月、第一・四半期でございますけれども、対前年同期比二七・六%の大きな伸びということで好調な状況を示しているところでございます。  また、本年四月には、優先的に取り組むべき輸出環境課題を整理いたしました農林水産物食品輸出環境課題レポートを策定しました。このレポートは、各国規制状況とかいろいろ輸出に関わる課題をそこに出したものでございまして、今後とも、この需要フロンティア拡大のために、各国における輸入規制の緩和、撤廃等輸出環境整備を進めながら、米や牛肉などそれぞれの品目輸出を推進しまして、平成三十二年の一兆円目標をより早く、大きく超えて達成できるよう更に取り組んでまいりたいという具合に考えているところでございます。
  16. 堀井巌

    堀井巌君 ありがとうございます。  今年の一月から三月期、対前年比で二七・六%増、もう大変意を強くするすばらしい数字が出ていると。是非この勢いを持続する、あるいはもっと加速する方向で更に取り組んでいただけるよう、心から期待を申し上げる次第であります。  そこで、この輸出拡大していくということに関連して一つ伺いをしたいと思います。  それは、今、訪日外国人の方、昨年も千三百万人を超えました。そして、二〇二〇年のオリンピックイヤーには二千万人ということを目指して、今、日本全体で取り組んでいるわけでありますが、こういった方々日本に入ってこられて、そして、そこで例えば日本食を堪能されて、本物の味を覚えてこられる、そして、その方々が今度帰国された後、日本食の非常に大きな潜在需要につながっていくと。そういった方々をうまくこのインバウンドのときにしっかりと取り込んでいく、そこを発展の基礎につなげていくということが大変重要ではないかというふうに思うわけでありますが、この辺のインバウンド需要、訪日される外国人方々日本でどのようにこの食文化に楽しんでいかれるか、この辺の農林水産省取組についてお伺いできればと存じます。
  17. 小泉昭男

    ○副大臣小泉昭男君) 先生がおっしゃるように、大変重要なポイントだと思っております。  農林水産物食品輸出拡大に向けまして、御案内FBI、これは例のFBIではなくて、日本食材活用推進だとか、それからあと海外への展開、また日本食品輸出、これの頭文字を取ってFBIと言うんですが、この戦略の一環として日本の食、食文化魅力発信に取り組んでいるところでございますけれども、この取組を更に進めてまいりまして、本場本物を味わっていただく、これが関心を高め、インバウンドの増大につながると。こういうふうに考えておりまして、魅力のある日本食でございますが、これは日本各地に点在しているわけでございまして、多くの訪日外国人旅行者地方を訪ねていただくこと、そして本場郷土料理を味わうことによって、日本食材日本食への関心、信頼を高めていただいて、これの向上につなげていきたいと、こういうことを考えておりまして、さらには、農山漁村、この活性化に通じるわけでございますので、地方創生にもつながっていくと、こういうふうに考えております。  このような観点から、地理的表示産品郷土料理地域の食を生かした魅力的な取組を食と農の景勝地として集成して、分かりやすく情報発信していく。この情報発信、大事でございますから、これをしっかりと取り組んでまいりたい。また、訪日外国人旅行者満足度を高めること、これはリピーターの獲得につなげていくことでございまして、多言語対応、ムスリム、イスラム関係ですね、対応などの飲食に関わる環境整備も必要であります。  また、農山漁村魅力にあふれた観光商品を売り出すための受入れ地域のマネジメント、それとマーケティング、これは極めて重要でございますから、これを一体的に推進していくと。この体制ももちろん構築をしていかなくちゃいけませんし、これらの日本食文化発信魅力ある観光地域づくりをしっかりと進めてまいりたい、このように考えております。
  18. 堀井巌

    堀井巌君 ありがとうございます。是非とも更なる御尽力を期待したいと思います。  我々も、例えば外国のものを、ワインを例に取りましたら、フランスのどこどこの地方ワインがおいしいとか、こういった品種おいしいとか、フランス、おいしいというのももちろんありますけれども、それだけじゃなくて、それぞれの地域のことであったりブランドについて関心を持って、そこを消費をする場合の一つの基準にしたりする場合もあると思います。  また、日本の食を自分たちで食する場合も、どこどこの地域のこれがおいしいんだとかと。ちょっと手前みそですけれども、私の地元奈良でしたら、柿の葉ずしだとか、それから三輪そうめんというふうなものがありますけど、恐らく外国から来られる方もそういったところに着目をして、それがみんなおいしいんだろうなということであれば、そこに皆さん魅力を感じて来られる。これは、そういった先ほどの地理的表示制度も含めて一体的な取組が必要で、様々な方面でアドバイスがあったり何かのきっかけがあるということがこういったものの発展につながっていくというふうに思いますので、きめ細かな施策展開をよろしくお願いしたいというふうに思います。  ここで輸出に関して林大臣にお伺いしたいと思いますけれども大臣はこの五月初旬にミラノ万博あるいはロンドンに出張をされたというふうに伺っております。そして、そこで実際に、ヨーロッパという非常に日本食品あるいは農林水産物輸出市場としても大変魅力的な市場の中で、あるいはここは世界全体かもしれません、いろんな方々と触れ合って、日本食等がどのように受け入れられているか、実際にそれを見て、まさに推進してこられたというふうに存じております。どんな思いを持って御帰国されたのか、ちょっとお伺いさせていただければと存じます。
  19. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 農林水産省においては、二〇一三年におかげさまで和食がユネスコの無形文化遺産登録させていただきました。これをホップ、そしてまさに今年、今、堀井委員からもお話しいただいたミラノ万博をステップ、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会、これをジャンプということで、先ほどFBI戦略小泉大臣から触れていただきましたけれども、まさにメード・バイ・ジャパンの日本食食文化の普及、これを進めていきたいということを考えておるところでございます。  国会のお許しをいただきましたので連休の間に訪問をしてまいりましたが、ミラノ万博というのは万博史上初食料をテーマにした万博でございまして、日本館を訪れましたけれども日本食の発酵、うまみ、だしといった特徴、これはほかにないものでありますし、無形文化遺産の登録の理由になった一つの原因でもございますけれども、こういう日本固有の伝統的な奥の深い知恵が活用されていることを展示をしておられました。ただ展示してあるものを見たり読んだりするというだけではなくて、自分で触れたり体感をしたりアプリをダウンロードしたりと、いろんなハイテクを使って非常に分かりやすく、また面白く展示をされておられまして、これはよくできているなと。  蛇足になりますが、最後のところにバーチャルの食堂がありまして、そこで自分で選ぶといろんな日本の四季折々のメニューが出てきます。これ、画像だけで本物ではございませんので、見ているうちに大変おなかがすいてくるわけですが、そこを出たらすぐそこに食堂が本当にあって食事ができるようになっていると。うまいことつくったなと、こう思ったわけでございます。  ミラノ万博政府代表の方からも、ここは間違いなく目玉の一つになるだろうと、こういうお褒めをいただいたんですが、この間、聞いてみましたら、十七日まででございますけれども、既に十万人の方が日本館には訪れているということで、これはナンバーワン間違いないんじゃないかなと、こういうふうに期待をしておるところでございまして、ヨーロッパを中心に世界中の方々によく見ていただいて、日本食魅力が更に発信されるように我々もサポートしてまいりたいと思います。  また、ロンドンに翌日参りまして、欧州の輸入業者等を中心にしてセミナー、レセプションやりました。先ほど輸出のところで品目別輸出団体をつくるというお話局長からさせていただきましたが、米・米加工品、牛肉、水産物、日本茶、花卉、この五つの品目別輸出団体が初めて一堂に会して海外でセミナー、レセプションをやったというところでございまして、私も現場でそれぞれのブースに立ち寄らせていただきましたけれども、まさに政策が動き出しておるなと実感をさせていただいたところでございます。  二〇二〇年の一兆円の目標に向けて、こういうミラノ万博それからロンドンのイベント、こういうところでやはり日本食輸出関係者一丸となって来場者に日本食魅力を体験してもらう、また実際食べてもらうということで、このおいしさ、ヘルシーなところ、見た目の美しさということに加えて、やっぱり健康にも良いうまみというものを積極的にPRをしていくことを通じましてメード・イン・ジャパンの輸出拡大というものにしっかりとつなげていきたいと、こういうふうに思っているところでございます。
  20. 堀井巌

    堀井巌君 ありがとうございます。是非とも期待しております。  繰り返しになりますけれども、私、この輸出こそ今の日本農業を守る、発展させる本当に大きな鍵だと思っています。今、一兆円目指していますけれども、今ミラノ万博が開かれておりますイタリア、たしか数字見せていただいたら、二〇一一年、数年前でももう三兆五千億円ぐらいの輸出をやっているわけで、日本にはまだまだ私は輸出余力があるというふうに思うわけであります。  また、この輸出の、多分今大宗を成すのは加工食品だと思いますけれども、こういった加工食品を作っているのは多くの中小零細企業、これは各地に点在をしている、地方創生地域経済にも本当に大きな力になるというふうに思います。私がちょっと見たところだと、北海道とか鹿児島では、製造品出荷額の三割、それから雇用面では全製造業の従事者の半数が食品加工の関係の産業だと。この輸出がしっかり増えていくということになると本当にそれが地域経済に直結していく、発展に直結していくというふうに思うわけであります。  そういう意味では、これはもう本当に省を挙げて、今までの考えを、枠組みをもっと大きく超えて、将来にわたって大きな潮流となるような形で私は取り組んでいただきたいというふうに思うわけであります。  今年はミラノ万博というすばらしい機会があって、今大臣からも、非常に工夫をされて、戦略的に日本食発信する様々な試みが行われている、十万人も来られたということでございます。私は、大臣もこうやって御出張されて、こうやって我々にそのお話をお伝えいただいているわけですけれども、でき得れば、二〇二〇年、そして二〇三〇年もこの農政を背負う特に農林水産省の若手の職員方々、本当は、予算さえあれば、あるいは休暇が全員取れれば、全員の方に本当にそういったところを見てもらって、世界マーケットというのはどういうところなんだ、そして自分たちがこれから工夫していくのはこうなんだ、加工食品でも、輸入された農産物ばっかり使って加工して出していても日本農業にはなかなか役立たないわけでしょうけれども、そして、皆さん、そういった若い方々も含めて知恵を絞って、いかに国産の農産物から加工食品を作っていこうか、そんな取組もみんなで考える大きなきっかけにしていただきたい。本当に、若い職員の人全員行ってこいというぐらいの私は号令を掛けていただきたいというふうに思っております。  通告しておりませんが、ちょっと一言、感想がもし大臣あれば、お願いしたいと存じます。
  21. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 自民党には食料産業調査会もつくっていただきました。この分野は、今委員が御指摘いただいたように、農産物のたしか七割近くを食品加工業や外食で消費をしていただいていると。農林水産物にとっても大きな産業であると同時に、まさに御指摘のように、地方に中小零細という形でたくさんの企業があるということで、ここが活性化するということが非常に地域活性化につながると、そういう思いで我々もしっかりとやっていきたいと、こういうふうに思っております。  海外のマーケットはFBI戦略でしっかりとやっていくということでございますし、今、イタリアは大体三兆五千という数字を出していただきましたが、フランスはたしか六兆円程度ぐらいはあったかなと。我々もワインやチーズやパスタという形でかなりこれに貢献をしておるわけでございますので、我々の日本食魅力をもってすれば、そういうところを目指すというのはあながち夢物語ではなくて現実的な視野に入ってくる段階にもう来ているんではないかと、こういうふうに思っておりますので、そういう意味でも、若い職員のみならず、なるべく機会があればそういう海外のマーケットに触れる、また万博のものに触れるというのは大変大事なことだと、こういうふうに思っておりますので、限られた予算の中でなるべくそういう機会を増やしていくように私も努力をしていきたいと思っております。
  22. 堀井巌

    堀井巌君 ありがとうございました。  次に、若干この輸出に関連して、ちょっと私が懸念をしている点について一つ質問したいと思います。  台湾による日本産品の輸入規制についてお伺いをしたいと思います。  私も先日、日台の若手議連の一員として台湾を訪れました。連休中でありました。そして、馬英九総統それから立法院の方々、立法院長、政党関係者の方々にお会いをして、日本の農産物の輸入規制の強化について、できればそれを発動しないように、撤回するようにお願いをしたところでございます。  政府の方におかれてもいろいろと努力はしてこられたんじゃないかというふうには存じ上げております。ただ一方で、残念ながら十五日の日にこれが発動されたというふうなことであります。  台湾は、一方で大変な親日の方々であります。二百八十万人以上の方が日本を昨年も訪れられて、これは千三百万人の中で、外国人の方でナンバーワン、一番多い外国人の方は台湾から来られている。日本からも百六十万人を超える方々が台湾を訪問しているということでありまして、こういった友好な関係を更に発展させていくためにも、この問題は早急な解決が私は必要だというふうに思います。  併せてお伺いしたいと思いますが、今回、台湾が日本産品の輸入規制を強化しましたが、その内容について、そしてこれに対する政府対応についてお伺いをしたいと存じます。
  23. 櫻庭英悦

    政府参考人櫻庭英悦君) 私の方からは規制内容の事実関係について申し上げたいと思います。  先生指摘のとおり、平成二十三年三月の東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴いまして、福島、茨城、群馬、栃木、千葉、この五県産の全ての食品の輸入停止を行っているというところでございます。そして、これに加えて、今月十五日に輸入規制強化が実施されたと。  その内容でございますけれども、先ほど申し上げました現行五県の全食品の輸入停止に加えて、岩手県、宮城県、東京都、愛媛県の水産品、東京都、静岡県、愛知県、大阪府の茶類製品、宮城県、埼玉県、東京都の乳製品、乳幼児食品、キャンディー、ビスケット、穀類調製品につきましては、放射性物質検査証明書の添付を義務化、さらに五県以外の四十二都道府県の全ての食品について産地証明書の添付を義務化という内容になっております。  なお、産地証明書として利用可能な証明書について、台湾当局が十四日に公表している要件によれば、植物検疫証明書などの既存の証明書を活用するということが可能とされておりまして、このような場合は、これまでと同様、通関手続により輸出が可能ということになっているということでございます。
  24. 小泉昭男

    ○副大臣小泉昭男君) 政府対応でございますが、これは、お話にございましたとおり、大変一方的なものでありますので、先日、堀井先生、わざわざ議連の方で行っていただいたということでございまして、それにもかかわらず輸入規制の強化がされたということについては大変遺憾なことでございまして、このために、日本側からは、内閣官房長官、農林水産大臣、外務大臣及び復興大臣が記者会見において遺憾の意を表明をさせていただきました。  台湾側におきましては真摯に受け止めるべき旨をこちらから申し入れたところでございまして、今後も関係者と連携しつつ、台湾側に対して、科学的根拠に基づきましてしっかりと輸入規制の撤廃を、また緩和をしていただくように、継続的に強く求めていく所存でございます。
  25. 堀井巌

    堀井巌君 是非とも取組をお願いしたいというふうに思います。  我々議連の方も、今日の午前に安倍総理のところにこの一連の我々の出張報告に行ってまいりました。我々も努力いたしましたが、結果的にこのような、今輸入規制が発動されてしまった状況にありますが、その旨も報告いたしましたが、是非取組を希望いたします。  それでは、ここからはまた林業についてお伺いをしたいと存じます。時間が大分少なくなってまいりましたが、よろしくお願いしたいと存じます。  この緑の羽根の強化月間は終わったかもしれませんが、是非ともこの林業振興に懸ける思いを皆さんにお示しをしたくて今日は羽根を付けて質問をさせていただきたいと、このように存じます。  さて、四月末に、林野庁長官、今井長官におかれましては、私ども地元であります奈良県の十津川村を訪問され、いろいろと地域の林業関係者の方々、行政関係者の方々意見交換をしていただいたというふうに伺っております。大変有り難いことでございます。  また、この週末、先週末になりますけれども、この日曜日にも安倍総理が、十津川村の隣の、和歌山県側でございますが、そちらの中辺路町ですか、そちらで林業関係者の皆さんと意見交換もしていただいたと、このように伺っておりまして、政府のまさに林野行政の中核である皆さんがこういった現場で様々な意見交換をしていただく、本当に有り難いことだと思っております。  林野庁長官に、今回の御出張されて地域に出られまして、どのような御感想であったか、まずお伺いしたいと存じます。
  26. 今井敏

    政府参考人(今井敏君) 四月の十四日のこの委員会で、堀井先生の方から地元の事例なども紹介いただきながら、林業振興についての質問をいただきました。  その後、私自身、四月の三十日に十津川村の現場を見せていただきました。その際の率直な感想を述べさせていただきますと、まず第一点、十津川村は森林率九六%というふうにお聞きしましたけれども、紀伊半島の中でも非常に山深いところに立地しているなという印象と、そこで村長さんを先頭に林業にこだわった地域振興をするんだということで一生懸命取り組まれている。その際に、特に林業振興も素材生産にとどまらず、木材の加工だとか流通あるいは製品販売に至る林業の六次産業化、あるいはそういう六次産業化に伴う雇用の創出ですとか所得、そういうことを懸命に取り組んでいるということにつきまして、非常に強い印象を受けました。
  27. 堀井巌

    堀井巌君 ありがとうございます。  本当に今御感想でいただいたように、十津川村、村長を先頭に村の方々が一丸となって林業の再生、発展に向けて取り組んでおられます。  かつては、本当に最盛期には二十五万立米ぐらいを毎年生産していたんですね、素材生産ですけれども。今、一万立米であります。昔は千八百人を超える雇用があったんです。そのときはもう人口も一万人以上、一万一千人いらっしゃったんです。ところが、今は九十二名なんですね。人口三千六百人ぐらいなんです。  村としては利用可能資源がどんどんどんどん増えていきますので、是非この一万立米ぐらいをせめて例えば三万ぐらいまで、三倍にしようと。そうしたら、素材生産だけでも、一立米一万円としても二万立米増えれば一億円から三億円に、二億円増えるわけであります。このお金というのは、そういう三千六百人のこの村の中での経済効果というのは非常に大きいですし、雇用効果も大変大きいわけであります。  それぞれの地域が、特にこの中山間地域、本当に林業生産が、素材生産そして六次産業が再び拡大していくというのは、まさに地方創生に、地域の維持発展にも本当直結してくることだというふうに思っているわけであります。  他方で、なかなか、それぞれの地域ごとに今うまくいっていないところも当然あるわけですね。どうしてだろうといつも考えるんです。林野庁の方ではたくさんのいろんなメニューを用意していただいています。それから、県の方もいろんなメニューを用意して、どうぞ使ってくださいということをやっているわけであります。ただ、なかなか、それをうまく組み合わせて、この地域はこうやってやっていこう、機械を入れていこう、こんな路網整備をしていこうといったときに、ちょっとした、補助金の若干のところがどうしても要件に合わないとかというようなことがあって、一つ前に進まないことがあって、それが全体として動かないというようなことがあるというふうにも伺うところでございます。  こういったところは、是非、林野庁からも知恵を各地域に温かくきめ細かくやっていただきたいというふうに大変心から期待をしておりますけれども、こういった路網整備とか搬出方法について、地域の実情に応じてそれぞれの地域ごとに、ここだったらこのぐらいの幅の路網でやればうまくいくよ、ここだともう少し幅の広いものでも災害対応も大丈夫だし、大きな十トン規模のトラックを入れて車載型のタワーヤーダーでぐっと全部引っ張ってこれるよとか、いろいろ地域によってそれぞれ実情があるんだと思うんです。それらをうまくきめ細かく取り入れて、それぞれの地域を支援していただきたいと、このように思うんですけれども、その辺についていかがでございましょうか。
  28. 今井敏

    政府参考人(今井敏君) 先日出張した際にも、急峻な十津川村におきまして、村長さんからは、十トントラックが通行できる路網整備をし、それに対応してタワーヤーダーなどのいわゆる架線系の高性能林業機械による効率的な搬出に取り組みたいんだと、そういう点について、林野庁の方からも是非とも地域の実情に応じた支援をお願いしたいという要請も受けました。  農林水産省としましても、これまでも傾斜度に応じた林道ですとか森林作業道の整備、あるいはタワーヤーダー、ハーベスター等の高性能林業機械の導入、開発、そういった支援につきましては、全国画一的にではなく、地域の実情に応じて特別な規格で支援できるような、そうした支援の枠組みにしております。そういうことも現地でも御説明しましたし、これからも県庁等とも連携をしながら、十津川村のような取組や要請に対しても応えていけるような対応をしていきたいというふうに考えております。
  29. 堀井巌

    堀井巌君 ありがとうございます。  次に、地域取組で、その計画について伺いたいと思います。  今日は、十津川村に行っていただきましたので十津川村を例にしますと、森林経営計画、これを十か所で作っています。村が六万七千ヘクタール以上の非常に二十三区よりも広い村でありますので、大体この森林経営計画十個足しても村全体の森林面積の一割強ぐらいのところが今は経営計画になっているわけですね。だから、村としては境界画定をしっかりやって、そして森林計画を徐々に新しく策定してカバー率を上げていく、その中で素材の生産量をきちんと計画的に増やしていくという、こういう手法でやっているわけであります。  そのときにやはり重要なことは、森林経営計画レベルでいろいろアドバイスしてあげるということももちろんこれは大事だと思うんですけれども、やはり市町村全体で、どの地域はやれるよ、どの地域は少しまだ手が掛からないよ、できないよというようなことを、やっぱりそれぞれの大体地域ごとに、市町村ごとに大きく見ていくことがやはり私は重要ではないかと。これは、法定では市町村森林整備計画というのが策定されているというふうには思いますけれども、そういったところで、それは経営的な要素も取り入れて、それぞれの市町村がこの森林の市町村森林整備計画なりを作るときに、そういった将来の素材生産、こうやったら増やせるというような知恵までうまくその上で考えていけるような様々な取組支援を是非ともお願いしたいというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
  30. 今井敏

    政府参考人(今井敏君) 先生から御指摘いただきましたように、これから林業の成長産業化というのを実際に具体化していこうとする際には、市町村段階におきまして地域の森林・林業のビジョンであります市町村森林整備計画を作って、それに基づいて森林経営計画を動かしていくということが非常に重要かと思います。  その際、市町村森林整備計画におきましては、森林のゾーニングですとか、造林、間伐、伐採等の施業方法など、専門的な項目についても記載していただくことを求めておりますので、そういった点につきまして、都道府県の林業普及指導職員等で市町村に対する技術面の支援を行うフォレスターの育成ですとか、あるいは、それに基づいて森林経営計画を作る際には、森林組合等の職員で施業の集約化ですとか、そういったことの行動をしていただけるような森林施業プランナーといった人の育成にも林野庁として取り組んでおりますので、現場段階でそうした森林・林業のビジョンが具体化していけるように、そういった担い手の育成も含めて推進していきたいと考えております。
  31. 堀井巌

    堀井巌君 ありがとうございます。やはりそういった人材、大変重要ではなかろうかと思います。  一点御礼申し上げたいんですが、今、十津川村と林野庁の間では人事交流が行われまして、林野庁の職員の方が交流で十津川村に入られました。こういったところで、非常に中で様々なアイデアが膨らみつつありまして、これ非常に効果的な人事交流だというふうに皆一同喜んでいるところでございまして、そういった取組にも敬意を表したいというふうに存じます。  次に、成長産業化について一つ伺いをしたいと思います。  これから、これ奈良県の山に限らずどの地域でも、間伐のみならず主伐期を迎える山も増えてくるというふうに思います。したがって、出てくる材も、B、C材、間伐材だけじゃなくて、A材も含めて、いい材も含めて出てくるというふうに思うわけでございます。大臣が林業の成長産業化について所信や何かを述べていただくときに、いつも、CLTと呼ばれる新たな木材製品の開発普及、それから木質バイオマスの利用促進等により新たな木材需要を創出してまいりますというふうにお答えいただきまして、この二つ、本当に大事だというふうに私は思います。私の今日の希望は、加えて、これから主伐期に入りますので、様々な高付加価値化の取組も含めて、是非ともいろいろと具体的な支援もお願いしたいというふうに思うわけでございます。  例えば産直住宅を一生懸命、今、川下の工務店と連携してやっていこうと、こんな取組もございます。それから、木製の断熱材とか木製サッシでやっていこうというような取組もございます。それから、先日はベンチのことを申し上げました。こういった高付加価値化、様々な地域取組を是非とも総合的に御支援いただきたい、このように強く期待を申し上げます。また、新技術のセルロースナノファイバーについても一部の研究についても取り上げられたりしておりますので、そういったことも含めて是非とも取組をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  32. 佐藤英道

    大臣政務官(佐藤英道君) 四月の委員会におきましても堀井委員から御指摘があったとおり、林業、山村地域活性化のためには、丸太生産にとどまらず、国産木材の新たな需要を創出する取組や木材、木材製品の高付加価値化を図る取組など、幅広く進めていくことが重要であると考えています。このため、農林水産省におきましては、特に四点につきまして主に取り組んでいるところであります。  一点目は、中高層建築物での利用が期待されるCLT等の新たな製品、技術の開発普及、二つ目に、木質バイオマスのエネルギー利用の促進などの取組、三番目に、地域材を使用した家具等の木材製品の開発支援、そして、今御指摘がございましたけれども、セルロースナノファイバー等のマテリアル利用に向けた研究開発の取組について行っているところでございます。  今後とも、これらの取組を通じまして、林業、山村地域活性化に向けて、木材需要拡大と林業の高付加価値化を積極的に推進してまいります。
  33. 堀井巌

    堀井巌君 もうあと二問あったんですが、ちょっと一問。  再造林の関係は是非要望ということで、再造林がなかなかできない地域がある、こういったところをきめ細かくまたいろいろと見ていただきたいということを要望申し上げまして、最後に、大臣の方にお伺いしたいと思います。  やはり林業が再び再生される、まさに中山間地域地方創生の本当に大きな柱だというふうに思います。林野庁におかれては、御尽力をいただいて本当に感謝と敬意を表しておりますが、更に農林水産省挙げて林業の再生に向けて取り組んでいただきたいというふうに考えるわけでございますが、大臣の御決意をお願いしたいと存じます。
  34. 林芳正

    国務大臣林芳正君) やはり戦後ずっと人工林を造成してまいりまして、今まさに利用期を迎えているということで、資源はあるわけでございますので、しっかりと川上から川下まで政策をつなげまして成長産業化を実現し、山村地域に雇用と所得をつくるということが大変大事だと思っておりまして、農林水産業・地域の活力創造プラン、昨年六月に改定しましたけれども、今御議論いただいたような施策を総合的に推進をしております。これは今、十津川の例がございましたが、九六%ということですから、やはり林業が成長産業化するということイコール地方創生であると、こういうことでございます。  間伐の推進等によって素材生産量を増加させるというようなことも今御紹介いただきましたけれども、さらに十津川では、加工、流通と連携した六次産業化、木材製品の高付加価値化、ブランド化、こういうことも工夫されておられるということでございますので、やはり川上から川下まで一貫してこの工夫を更にやっていくということで、しっかりと積極的にこの林業振興の取組を支援してまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
  35. 堀井巌

    堀井巌君 終わります。
  36. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 皆様、お疲れさまでございます。民主党・新緑風会の徳永エリでございます。  大型連休後初めて参議院の農林水産委員会が開かれるということで、他の委員会が開かれている中でなかなか農林水産委員会だけ開かれずに、大変ストレスがたまっておりました。やっと西村大臣にも直接、TPP情報公開に関してお話を聞く機会を得ることができました。  皆さん御存じかと思いますけれども、昨日、今日と全国からJAの青年部の方々が集まりまして、TPP断固阻止、国会決議をしっかり守ってほしいということで、座込みの活動を行っておりました。私も今朝ほど激励の挨拶をしてまいりましたけれども、北海道からは二十一名の農業青年が駆け付けておりまして、目をきらきらさせて、どんなにつらくてもどんなに苦しくても最後まで団結して頑張るんだという強い言葉を聞いてきた次第でございます。  そこで、衆参農林水産委員会TPP協定交渉参加に関する決議でありますけれども西村大臣にお伺いいたしますが、確認です、これ絶対守ってほしいという声が上がっているわけでありますけれども、この決議ですが、何項目あるのか、そしてその中身をしっかりと理解しておられるのか、確認をさせていただきたいと思います。
  37. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) お答えを申し上げます。  八項目記されておりまして、その中で五品目、重要品目の扱い、あるいは情報開示、こういったことについて内容が記されておるというふうに理解をしております。  この決議をしっかりと踏まえて、最終的に国会でこの決議を守ったというふうに御承認いただけるように、交渉を粘り強く進めてまいる決意でございます。
  38. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 しっかり守っていく、国会評価されるようにというお話を今までも何度かいただいておりますけれどもTPP交渉最終局面を迎えて、この国会決議の中でもやはり一番重要なのはこの七項目めだと思うんですね。「交渉により収集した情報については、国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置すること。」となっているわけでありますけれども情報も、私たちから言わせれば、政府は丁寧な御説明をしているとおっしゃいますけれども、不十分でありますし、特にこの国民的議論を行うようにするためには、やはりこのTPP交渉の参加した場合のメリット、デメリットということもきちんと示されなければ、なかなか国民的議論には至らないと思います。  しっかりとここの情報開示というところに取り組んでいただきたい、そう考えて、何度も何度もこの委員会の中でも、アメリカでの状況あるいはマレーシアでの状況などをお話ししながら、日本も同様な情報開示に向けての取組をするべきではないかということを申し上げてまいりました。  そういう中で、五月のあれは六日ですか、私の地元の新聞、北海道新聞の一面に、西村大臣ワシントンで、日本国会議員にもテキストにアクセスできるようにすると、そういうことを検討するんだという記事が載りまして、本当に感動に近い思いがありまして、ああ、西村大臣、訪米していただいて、ヒアリングを行っていただいて確認をしていただいたと、これは日本もやらなきゃいけないんだということで、会見で大変に前向きな御説明をいただいたんだということで、本当に喜びました。  ところが、その後、ニューヨークのぶら下がり会見で否定なさって、さらにはロサンゼルスで全面撤回会見というんですか、こういうことに至ったわけでありますけれども、なぜ全面撤回会見に至ったのか。四日の内容とは、誤解というよりは私は真逆の御発言だと思いますけれども、この点について改めて、もう何度も聞かれていて申し訳ございませんけれども、御説明いただきたいと思います。
  39. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) お答えを申し上げます。  TPP交渉情報開示につきましての私のワシントンでの、現地時間五月四日でありますけれども、私の発言によりまして誤解あるいは混乱が生じましたことをまずもっておわび申し上げたいと思いますし、改めて御説明申し上げたいと思います。  もうこの委員会でも、あるいは他の委員会でも情報開示について何度も御質疑もいただいております。そんな中で、私も何かもっと工夫はできないのかということを強く思っていたわけでございまして、その中で、アメリカ議員とも直接お話をする中で、一定のルールの下でテキストにアクセスしているというようなことも、そういう情報にも接しまして、日本も何かできないのかなということでその思いが強く出まして、あのような発言に至ったわけでございますけれども、御案内のとおり、アメリカには、そもそも通商を規制する権限が連邦議会にあるということ、それから、連邦議員守秘義務があって罰則もあるという、そのような認識の下で一定のアクセスを認めているわけでありまして、そこが日本とは違う点、大きく異なる点がございます。  私の真意は、日本日本制度制約の下で何かできないのかということを検討したいということを申し上げたかったわけでありますけれどもアメリカと同様の開示ができるかのような発言になってしまいましたので、その点を撤回させていただいたところでございますが、私自身はその四日の会見の後、夜の報道を見まして、それで私自身が驚いて、翌日セミナーがある、その後のぶら下がり会見があるという予定でありましたので、その場を利用して私の真意を改めて申し上げたところでありますけれども、たまたま記者の数も少なく、その翌日の報道も全くなされませんでしたので、改めてこれはしっかり言わなきゃいけないということで、ロスで会見をさせていただいたところでございます。  私の真意は、繰り返しになりますけれども日本制度制約の下で何か更に工夫ができないのか、開示について工夫ができないのかということを、これしっかりと引き続き検討していきたいということでございますので、この点、引き続き私自身もしっかりと検討してまいりたいというふうに思います。
  40. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 五月四日のワシントンDCでの記者会見は大使館での公式な記者会見でした。この記者会見で、日本でも、戻ってから相談をするが、来週以降、テキストへのアクセスを国会議員に認める方向で少し調整をしたい、もちろん日本の場合は守秘義務がないので、どういうルールでどういうやり方をするのか少し詰めないといけないが、検討したいというふうにおっしゃっているんですね。これ誤解のしようがないと思うんですよ。テキストへのアクセスを検討するとはっきりおっしゃっているんです。  そして、七日の会見では、情報提供の在り方については引き続き検討していきたいとトーンダウンして、テキストそのものを閲覧することは基本的に難しいと考える、政府内で交渉のテキストを国会議員へ閲覧できるようにする等の話は一切ない、工夫していくがテキストそのものの閲覧は難しい、できないとおっしゃっているんですね。全く逆のことを言っておられるわけですよね。  しかも、情報公開については、記者会見で、質問に答えた形ではなくて、冒頭、御自身で積極的に御発言なさっております。なぜ、その前向きな御発言を撤回なさったのか、その撤回に至る経緯というのがどうしても今の御説明では理解できないんですが、何かおありになったんでしょうか。
  41. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 繰り返しになりますけれどもワシントンの記者会見の前に、何日間かの間にアメリカ議員意見交換情報交換する中で、アメリカ議員がテキストにアクセスをしているという情報に接しました。それから、直前のセミナーでも、これは超党派のセミナーでありましたけれども、そのときにも情報開示の話題にもなりました。  そうしたことの中で、私自身、以前から国会でも質疑をいただいている中で、何か日本もできないかと、工夫ができないのかという、その思いでそのような発言に至ってしまいまして、本当に混乱を招いたことをおわびをしなきゃいけないと思っております。  ただ、ワシントンでも申し上げた、アメリカとの違いはありますので、そのことも申し上げたわけですけれども、その違いを前提にしながら日本で何かできないのかということを考えていきたいというふうに思ったわけであります。そこが誤解をされた。これは本当に反省をしているところでございますけれども、その後、その報道を見て私自身が驚いて、否定をしなきゃいけない、修正をしなきゃいけない、真意を言わなきゃいけないということで、ニューヨークのぶら下がり会見を利用して私の真意を御説明申し上げたところでございます。
  42. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 日本でも、戻ってから相談をするが、来週以降、テキストへのアクセスを国会議員に認める方向で少し調整したい、もちろん日本の場合は守秘義務がないので、どういうルールでどういうやり方をするのか少し詰めないといけないが、検討したいとおっしゃっているわけですね。  これ、西村大臣を私たちは本当は責めたくないんですね。西村大臣がおっしゃった、米国議会議員から話を聞いて日本は検討する方向で進めていきたいというのは、非常に正しい対応だと私は思いますよ。むしろ、この御発言を否定させるような力が働いていたんだとしたら、そちらの方がよっぽど間違っていると私は思いますよ。  それから、澁谷議官にお伺いいたします。  先日この委員会で、対外的な情報公開、情報提供をどうするかということは、各国とかなり頻繁に相談、情報交換をしているというお話でした。そういう中で、その役割を担っておられる澁谷議官に何の話もなく、澁谷議官を飛ばして西村大臣が単独の発言で記者会見でこういった情報公開に対する前向きな御発言をするというのは常識的には考えられないというふうに私は思います。  四日の記者会見については、澁谷議官はどの程度御存じだったのか、あるいは四日の記者会見の内容をどう受け止めておられたのか、お伺いをしたいと思います。
  43. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 西村大臣とは、甘利大臣ともそうですけれども、三月以降、国会でこの委員会も含めて情報開示の問題、何度も何度も御質問をいただいております。大臣、副大臣とも、我々事務方ともこの問題については随分話合いをしてきたところでございます。  西村大臣ともその件ではずっと議論してまいりましたし、西村大臣アメリカに行って、我々はなかなか直接アメリカ議員への調査というのは役所としてなかなかしにくいものがありますので、西村大臣アメリカ議員に直接その辺のヒアリングもしていただけるということで、我々はまた帰国後お伺いをして御相談をしようかという話はしていたところでございます。  副大臣のあの会見は、申し訳ありません、全く私、存じ上げておらなくて、五月五日のこどもの日の朝七時ぐらいに大勢の新聞記者から電話で問合せがありまして、それで私は初めて知ったという状況でございます。
  44. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 帰ってからその情報を収集してきた部分を聞いて、そこからまた何か対応をということだったのかもしれませんけれども、事前に米国に行って米国議会議員に会って、私たちが委員会で言っていたような、米国議会議員議会内にテキストにアクセスするシークレットルームなるところがあって、一定の規制の下にテキスト閲覧をしているということを確認していただいたと。これ、確認したからにはやっぱり何か対応をしなきゃいけないなと、帰ってそういう話をしようということで恐らく西村大臣ワシントンでそういう御発言をなさったので、これ別に何の問題もない話で、やっぱり一回帰ってきてきちんと前向きにこれから情報公開に向けてどうしようかということを政府全体で話してから、これは無理だと思えば否定すればいいわけですし、無理じゃなかったら検討すればいいわけですし、ちょっとやっぱりおかしいと思いますよね。  続いて、また澁谷議官にお伺いしたいと思いますが、TPPの国内での情報提供については、各国制度に即して保秘契約の範囲内で行うとされているということですが、そもそもこのTPP保秘契約の内容というのはどういうものなのか、TPP交渉がこれまでの協定にない保秘契約をなぜ結ばなければならなかったのか、そして十二か国でその情報が漏れないように管理しながら進めていかなければいけないその理由は一体何なのか、また情報提供は各国制度に即して保秘契約の範囲内で行うということは具体的にどういうことなのか、きちんと説明をしていただきたいと思います。
  45. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) TPP以外にも、通商関係の協定、様々な交渉日本も含めて世界中で行われているわけでございます。どの交渉においても、情報の公開ということと、それから、やはり交渉に専念をする、ある意味そこは秘匿性を確保した上で交渉に専念する、多分この両方の要請にどの交渉も各担当者が悩みながら行っている、言わばそのバランスの問題ではないかというふうに思います。趨勢としては、やはりそこはなるべく情報を出すという方向になるんでしょうけれども、しかし全てオープンにするかというと、なかなかそこが難しいと。  これは二国間の交渉でも全く同じでございまして、二国間の交渉の場合は、要は相手が一人でありますので、逐一その相手と相談をして、この文書は当面これはオープンにしないようにしよう、あるいは現時点でここはお互いにオープンにすることにしようと、こういうことをお互いに、何せ二人しかいないものですから、話合いをしながらそういうことを進めているわけでございます。  TPPのように十二か国もいる、しかもかなりその国情が違う国が十二か国もいるということで、TPPの場合は、まさにそういう通常の交渉の慣行にあるようなことを文書で確認をしないといけなかったというところがTPP保秘契約というものにつながったんじゃないかというふうに理解をしております。
  46. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 交渉していく中で、交渉に影響しますから、なかなか交渉の中身を明かせない、情報を漏らせないということはやっぱり様々な協定の中であると思うんですけれどもTPPの場合にはその交渉に参加するときに首席交渉官がサインアップしている、非常にこれは重たいと思うんですね。なぜTPPだけそこまでやらなきゃいけないのかと。今回、政府情報公開に前向きな発言を、まあ西村大臣発言をなさったことを撤回したということも含めて、よっぽどこのTPPに関しては情報が漏れると政府にとって都合が悪いのかなと、そういう印象をすごく強く受けたんですね。  昨日の参議院の本会議で安倍総理は、米国の法制度連邦議員守秘義務外国との通商に関する権限に関して我が国制度が大きく異なります、このため、我が国においては米国と同様の開示を行うことは困難でありますとおっしゃいました。  政府内で交渉のテキストを国会議員へ閲覧できるようにすること等の話は一切ないという七日の西村大臣の御発言もありましたが、これからも政府としては国会議員へのテキストへのアクセスを検討するつもりはないということでよろしいんでしょうか。
  47. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 御指摘のとおり、アメリカとは制度が違います。各国それぞれ制度があるわけで、各国この秘密保持の約束の中で情報開示をどうしていくか苦慮しながら進めているところでありまして、我が国においても、これまでも苦慮しながらできる限りの情報開示に努めてきたところでございます。この我が国制度制約の下で、引き続き、何か工夫ができないのか、情報開示、何か更にできないのかということは真剣に考えていきたいというふうに思います。
  48. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 情報開示ではなくて、テキストにアクセスできることを検討するのかしないのかということを伺っています。テキストにアクセスできるようになるように政府として何か検討する、そういうおつもりはあるんでしょうか、それともないんでしょうか。
  49. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 外部に情報が漏れないということが最も大事で、これは各国交渉参加をしているほかの国々との信頼関係交渉を行っておりますので、それが今の日本制度の下ではそこは担保がなかなかできないということでありますので、現時点ではアメリカと同様なテキストへのアクセスを認めるということは極めて難しい、できないというふうに考えております。
  50. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 アメリカ日本制度が違うということは、四日の会見の前に西村大臣は御存じでしたよね。  西村大臣は、法令整備に関して、四日の会見では、法令整備をやっている時間はないんだと、国会側と一定のルールについて整理をしなければならない、一定の要件の下で何らかの形でアクセスできるようにしたいとおっしゃっているんですね。米国同様、日本国会議員がテキストにアクセスできるようになったからといって、米国はアクセスできているわけですから、今更、米国から、TPP交渉から日本は退場せよと、そういうことは言われないと思います。各国制度に即してということですから、情報開示の問題は、政府がテキストにアクセスできるようにするための努力をするかしないかの問題だと思います。  TPP情報開示の問題は、既に日本の国内の問題だということになると思いますが、いかがでしょうか。
  51. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) アメリカ日本制度の違いがありながら、アメリカと同様の開示ができるかのような私が発言してしまいました。このことについては、本当に深く反省をしておりますし、撤回をさせていただいたところでございます。  繰り返しになりますけれども、何か工夫ができないのかという気持ちは強くその時点でも持っておりましたので、その気持ちが強く出ましてあのような発言に至ってしまったわけでございます。引き続き、この制度制約の下で何か工夫ができないのかということは真剣に考えてまいりたいというふうに思います。
  52. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 恐らく四日の時点で、西村大臣はできると思ったんですよ。だからおっしゃったんだと私は思いますよ。やはり政府は、米国議員と同じように日本国会議員もテキストにアクセスできるようにするべきだと思います。知っている情報量が違うというのは非常に不平等だと思いますし、制度が違う、守秘義務がない、罰則がないということですが、私たち民主党が維新の皆さんと一緒に提出した情報公開のための議員立法の審議を是非していただきたいと思います。  委員長や与党の皆様方も情報を得たいという思いは一緒だと思いますので、是非とも御検討いただきたいと思いますし、御協力もいただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。  それで、もしそれがなかなか難しいのであれば、更なる情報開示のために、農林水産に関する分野だけでも、かつて元気の山田委員からも御提案がありましたように、委員会国会法第五十二条第二項により秘密会にしていただくことも一つの方法ではないかと思います。  調査室に調べていただいたところ、政府からTPP交渉に関する資料の配付を行っていただき説明をしていただく、秘密会の終了時には資料の回収、また政府説明については参議院規則第五十八条によって、特に秘密を要するものと決議をする。また、秘密を漏らした者については、参議院規則第二百三十六条第二項に基づいて、委員長は議長に対し、懲罰事犯として報告し処分を求めるものとする申合せを行うことができるそうです。  国会法第百二十二条、懲罰は、一、公開議場における戒告、二、公開議場における陳謝、三、一定期間の登院停止、四、除名、十分にこれ厳しい罰則なんではないでしょうか。こうした方策によって、TPPに係る情報議員開示した場合の秘密漏えいを防ぐことができるのではないだろうかというふうに私は考えます。  更なる情報開示に向けて、是非ともこういった方策も検討すべきではないかと思いますが、西村大臣、いかがでしょうか。
  53. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 国会議員に対する守秘義務在り方という極めてデリケートな問題でもありますし、また、国会での審議在り方について私の立場からコメントすることは差し控えたいと思いますが、大事なことは、十二か国で信頼関係を維持しながら交渉を進めておるということ、そして、交渉のその内容が外部に漏れないということが大事であるというふうに認識をいたしております。
  54. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 やっぱり国会議員に対する信頼というのも大事だと思いますし、更なる情報公開を検討するとおっしゃるのであれば、ありとあらゆる方法を検討していただいて、少しでも情報を出せるようにしていただきたいということを繰り返しお願いをさせていただきたいと思います。  そして、TPA法案について伺います。米国上院は、十四日にTPA法案の本会議での審議を求める動議について投票を再度行って、賛成六十五、反対三十三で可決したということであります。  修正案の審議がどうなるかということもありますが、今週にも上院で審議に入るということが言われていますけれども、今朝の日農新聞の記事にもなっておりましたが、共和党の上院トップのマコネル院内総務は、十七日のアメリカのABCテレビのインタビューで、今週可決させると発言したということが記事になっていました。しかし、下院では、共和党議員の反対も多く、また民主党も、労働組合のAFL・CIO、こういったところの反対運動が非常に強いと、その影響を受けているという話もありまして、可決は下院では難しいのではないかという見方もあります。  西村大臣は、このTPAに関しても訪米中情報収集をしてこられたようですけれども米国議会状況と、改めて今後のTPA法案に関する日本対応、そして、二十六日から閣僚会合の開催に向けて調整を続けているということでありますが、今後のスケジュールも含めてお話伺いたいと思います。お願いいたします。
  55. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 御指摘のとおり、アメリカTPA法案の上院本会議における審議入りの動議が可決をされまして、日本時間の今日の朝ですので現地の十八日の夕方だと思いますが、にもずっと審議が行われておったというふうに聞いております。交渉参加国は、TPP交渉妥結にはこのTPA法案成立が不可欠だという認識を強く持っておりますので、我が国としてもこの早期成立期待しているところでございます。  現地でいろいろ情報交換、意見交換してまいりましたけれども、これは審議中の話でもありましてアメリカ国内での話でありますので、この場で私がコメントするのは差し控えたいと思いますけれども、いずれにしてもこの動向をしっかり注視をしていきながら、いずれにしても最終局面であるこのTPP交渉妥結に向けてしっかりと粘り強く交渉を進めてまいりたいというふうに思います。
  56. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 今もお話ありましたけれども、もう一度確認をさせていただきたいと思います。  西村大臣は、四日の記者会見で、米国議会政府関係者との面談の中で、TPP妥結にはTPA法案成立が不可欠だとおっしゃっているわけで、TPA法案成立しないとTPP交渉妥結しないということでよろしいですか。
  57. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 交渉をしている参加国は、今最後の局面でいろいろ政治的にどう決断しどういうカードを出そうかというところに来ているんだと思いますけれども、その最後の判断をしていくには、TPA法案が可決をして、一括に承認されるか否決されるかというアメリカの手続が進まないことにはなかなかカードを切れないというのが現実だと思いますので、この妥結にはTPA法案が不可欠だという認識でありますし、そのことを私はアメリカ議員あるいは政府関係者にも伝えたところでございます。
  58. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 ありがとうございました。  西村大臣澁谷議官への御質問はこれで終わらせていただきますけれども、今日は久しぶりの委員会西村大臣にお越しいただいてお姿を見たときに、随分お痩せになったなという印象を受けまして、相当御苦労なさっているんだなと思います。私たちは、責めるというよりは、西村大臣のあの四日の記者会見は本当に正しかったと思っています。頑張ってください。是非とも頑張ってください。よろしくお願いいたします。
  59. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 以上で西村大臣、結構でございます。澁谷さんも結構でございます。
  60. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 それでは続きまして、太平洋クロマグロについてお伺いしたいと思います。  北太平洋におけるクロマグロ類資源の科学的評価を目的として設立された国際科学機関、北太平洋まぐろ類国際科学委員会、ISCの管理勧告を受けて、生息数が激減している太平洋クロマグロ資源管理を強化するために、今年から三十キロ未満の小型魚の漁獲量を半減させる、五〇%削減させるということであります。太平洋マグロの資源状況と漁獲量規制の現状について、改めて御説明いただきたいと思います。
  61. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 御指摘太平洋クロマグロの資源評価を行う国際科学機関であります、ISCというふうに呼んでおりますが、北太平洋まぐろ類国際科学委員会、ここは、二〇一四年四月に、親魚の資源量が二・六万トンと歴史的に最低の水準付近まで減少しておりまして、これを回復させるには小型魚の漁獲の大幅な削減が必要であるとの評価結果を公表したところであります。  これを受けて、同年の九月、中西部太平洋まぐろ類委員会、WCPFCというふうに申し上げておりますが、ここの北委員会は、三十キロ未満の小型魚の漁獲量を二〇〇二年から二〇〇四年の平均漁獲実績の半分に減少させるとの義務的な規定と、それから三十キロ以上の大型魚の漁獲量を増加させないあらゆる措置をとるとの努力規定、これを主体とする勧告案を作成して、これがその十二月のWCPFC年次会合で採択をされたところであります。  我が国として、これを踏まえて太平洋クロマグロ資源管理に取り組もうとしておるところでございます。
  62. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 そこで、具体的にお伺いしたいと思いますが、日本としては三十キロ未満の小型魚の漁獲量五〇%削減に向けてどのようにして資源管理取組を行うのか、御説明いただきたいと思います。
  63. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 先ほど申し上げたWCPFCの規定によりまして、二〇一五年以降、我が国太平洋クロマグロの三十キロ未満小型魚につきましては、年間の漁獲量を四千七トンに制限をするということが義務となっているわけでございます。  これを受けまして、まずこの四千七トンを国内で大中型巻き網漁業に二千トン、それからその他の沿岸漁業に二千七トンを配分するという形にいたしまして、この沿岸漁業につきましては、全国六ブロックに分けて、それぞれ漁獲上限を設けて管理を行っていくということにしているところでございます。  このような資源管理の導入に当たっては、全国五十か所以上で現地説明会を行ったり、全国会議を開催したり、あるいは都道府県の担当者と意見交換を行う。現在も都道府県が開催する説明会に水産庁職員出席をして、その管理の手法の改善なりについて検討を行っているというところでございます。  具体的には、各地の操業実態に応じてクロマグロ小型魚の漁獲が多く見込まれる時期の休漁でありますとか、小型魚の再放流、あるいは釣針の大型化、定置網の仕切り網の設置、こういったことなどの漁具改良、こういったことを検討し、取り組んでいこうとしているところでございます。
  64. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 お手元にお配りした資料を見ていただきたいと思うんですけれども、二〇〇一年から二〇一〇年までの太平洋マグロの年齢別漁獲尾数割合を見てみると、漁獲尾数の大半は小型魚、体長三十センチ以下、体重も一キロに満たないゼロ歳魚と、体長六十六センチ、体重五・七キロほどの一歳魚だけで合わせて九二・六%。先日道南に行ってきたんですけれども、道南の漁師の方も網に入ってくる八割は三十キロ以下なんだよねという話もありました。  そのうちの三分の二は日本周辺、西日本の巻き網か引き縄に掛かるという状況の中で、漁獲量が半減した場合の漁業への影響はどのように考えておられますか。また、巻き網それから引き縄に掛かるのはほとんど小型魚ということですから、すぐに漁獲量の上限に達してしまうのではないかということも懸念されるのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
  65. 佐藤英道

    大臣政務官(佐藤英道君) 確かに徳永委員指摘のとおりでございまして、ある地域で漁獲が集中した場合、ほかの地域の漁業者が漁獲する前に漁獲することができなくなる可能性がありますことから、本年一月から、地域間の不公平をなくすという観点から、関係漁業者との意見交換を踏まえて全国を六ブロックに分けて管理することにしたわけでございます。さらに、ブロック内における不公平をなくすためにも各ブロックで管理方法の大枠を決定するとともに、その細則の検討を行っているところであります。  都道府県からの報告の集計速報によりますと、本年一月から三月の漁獲状況は、北海道を含む太平洋北ブロックでは約八トン、二〇一六年六月三十日までの漁獲上限三百四十六トンの約二%と今なっているところであります。また、日本海の北部ブロックでは、約二十四トンで、二〇一六年三月三十一日までの漁獲上限六百二十五トンの約四%となっているところでございます。
  66. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 という御説明は、心配はないということですか。──はい、分かりました。  資源管理取組の中で漁業者にどのようにしてこの漁獲量の上限を守らせることができるのかということなんですけれども、水産庁としてはこの漁獲量の上限を守らせるためにどのような管理をして対応していくのか、御説明いただきたいと思います。
  67. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 先ほど申し上げました四千七トンのうち二千トンは大中型巻き網漁業でございますので、これはその時々の漁獲量を報告をいただき、二千トンを超えないように管理をしていくということにいたしたいというふうに思っております。  それから、二千七トンについては沿岸漁業の方々に守っていただくようにお願いするわけでございます。これは全国六ブロックに分けて管理をするということになっておりますけれども、結果を水産庁に御報告をいただいて、各都道府県にフィードバックして、水産庁ホームページでも公表すると。そういうことによって、今の状況がどうなっているかと、先ほども務官が御答弁させていただいた何%というのもそういう形で把握をしたものでございます。  特に沿岸漁業については、その関係する事業者の方が多い、引き縄でありますとか定置網でありますとかたくさんございますので、ブロックごとに、まず漁獲が上限の七割に達した段階で注意報を発令させていただきまして、八割で警報、九割で特別警報、こういったような形で、漁獲上限に達する前の九割五分で操業自粛要請を行う、このようなことを都道府県を通じて漁業者に発信することにより管理の実効を期してまいりたいと考えているところでございます。
  68. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 更に幾つかお伺いしたいんですけれども、もし上限を超過しても操業した場合はどうなるんでしょうか。罰則等はあるんでしょうか。
  69. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 三十キロ未満の小型魚につきましては、国際合意に従いまして、我が国の漁獲上限四千七トンの枠を国全体で超過した場合には翌年の我が国の枠から超過した量が差し引かれるというルールになっております。この場合、漁獲量が上限を超過したブロックや漁業においては翌年の漁獲上限から超過分を差し引かざるを得なくなるといったようなことでございますので、私どもとしては、そのようなことにならないように、引き続き漁獲モニタリングや漁獲上限を遵守するための取組をお願いをしてまいりたいと考えているところでございます。
  70. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 それから、先ほどの御説明で全国を六ブロックに分けるということでしたけれども、そのブロック外から入って操業するいわゆる県外船の扱いというのはどうなるんでしょうか。
  71. 佐藤英道

    大臣政務官(佐藤英道君) 漁獲量につきましては、漁獲した海域にかかわらずにその漁船が所属する都道府県の漁獲量として報告され、当該都道府県が所属するブロックごとに管理をしているところでございます。したがって、北海道沖で操業する道外漁船については、所属する都道府県及びブロックで管理されることになります。一方で、北海道沖のブロックで漁獲上限に近づき警報等が発出されている場合には、北海道沖で操業する他のブロックに所属する漁船に対しても当該海域における操業の自粛を求めることといたしております。
  72. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 それから、太平洋クロマグロの小型魚の漁獲量削減に伴って資源管理に取り組んだ漁業者がそのことによって収入が減少した場合には、何か支援策というのは検討しておられるんでしょうか。
  73. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 太平洋クロマグロ資源管理に取り組む沿岸漁業者の皆さんからは、今先生から御指摘があったように、収入が減少した場合の支援策、これを講じてほしいという御意見をいただいてきたところでございます。  このため、平成二十六年度の補正予算におきまして、太平洋クロマグロについて漁業収入安定対策事業、これを拡充いたしまして、従来より厳しい資源管理に取り組む場合は補填割合を引き上げるということによって手厚い減収補填を行えるように措置をいたしました。  今後とも、関係者の御意見をお聞きしながら、管理手法を改良しつつ適切な資源管理に取り組んでまいりたいと思っております。
  74. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 私の地元の北海道はこれからクロマグロ漁が始まるということであります。今年からこの厳しい資源管理が始まりまして、三年ごとに評価していって、もしかしたら規制が緩むかもしれないし、もっと厳しくなるかもしれないという状況にありまして、現場の状況を水産庁としてはしっかり把握をしていただいて、クロマグロの資源回復はこれからの漁業を考えても大変に重要な問題であり、しっかりと取り組まなければなりませんけれども、特に沿岸漁業に関わる皆さんは経営状況が大変に厳しいという声も多く聞かれております。漁業者の皆さんの暮らし、生活を守るという点もしっかりと対応していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  その点に関して、もう一度大臣から御答弁をいただきたいと思います。
  75. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 資源管理というのは、今の人だけではなくて、将来にわたって持続的に漁業ができるようにするということでもございますので、負担が今の人だけに行かないように心を配りながらしっかりとやっていきたいと思っております。
  76. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 それでは続きまして、今度は、先週朝、宿舎でワイドショーを見ておりましたら取り上げられていた話題なんですけれども、これどういうことなんだろうなと思ってちょっと調べてみて、これはきちんとやはり対応政府にしていただかなければいけないなと思ったので今日御質問させていただこうと思うんですが、イルカ追い込み漁と世界動物園水族館協会の対応について。  イルカ追い込み漁で捕獲したイルカの展示が原因で、世界動物園水族館協会、WAZAが、日本動物園水族館協会、JAZAの会員資格を停止して、三十日以内に改善策を提示しなければ除名ということだそうです。日本の動物園、水族館の希少種の輸入や繁殖に支障が出るのではないかということを私が拝見したワイドショーでは取り上げておりまして、あの旭山動物園の元園長さんのインタビューなんかも流れておりましたけれども、先週もJAZAの会員への説明会が二日にわたって東京で行われたそうであります。  これ、なぜ会員資格停止にまで至ってしまったのか、それまでに何か対応はしていたのか。これまでの経緯とJAZAの今後の対応、また、政府はこの問題についていつ把握して、どう対応していくのか、お伺いしたいと思います。
  77. 徳田正一

    政府参考人(徳田正一君) お答えいたします。  二〇〇四年の世界動物園水族館協会、WAZAの年次会合におきまして、追い込み漁で捕獲されたイルカを水族館が取得することについて非難決議がなされました。その後、日本動物園水族館協会、JAZAは、太地町漁協等国内関係者と協議しつつ、イルカ捕獲の合法性、捕獲方法の改善等についてWAZAへ説明を継続してきたとのことでございます。しかしながら、二〇一五年四月二十一日、WAZAよりJAZAに対し、追い込み漁により捕獲したイルカを水族館が取得していることがWAZAの規範に反するとして、JAZAのWAZA会員資格の一時停止を通告いたしました。これを受けて、JAZAは、現在、一か月以内にWAZAへの残留か脱退かにつきまして回答が求められていると聞いております。  文部科学省といたしましては、本案件についてはJAZAから特に情報提供や相談はなく、今月の報道により知ったところでございます。その後、JAZA等の関係者から情報収集を行い、対応について意見交換を重ねてきているところでございます。
  78. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 JAZAがWAZAに残留することになると、その倫理規定に基づいて、今年の九月以降、和歌山県太地町のイルカ追い込み漁で捕獲したイルカを展示することができなくなります。太地町のイルカ追い込み漁は、漁獲の約二割が展示やショーなどの生体用で、そのうちの二、三割がJAZAの水族館向けということなので、経済的なマイナスなど、何らかの影響を受けるということは否めないと思います。  この問題が太地町のイルカ追い込み漁に与える影響について政府がどう受け止めておられるのか、お伺いしたいと思います。
  79. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 御指摘のように、太地町のイルカ追い込み漁でございますが、これにつきましては、まさに科学的根拠に基づいて我々国が定めた捕獲枠に基づき、県知事の許可を得て適切な管理の下で実施される持続的な漁業であるということでございまして、また太地町の漁業については、そういう捕獲枠について、アメリカでも用いられている科学的手法で個体数を推計して国が厳格に上限を決めております。  それから、追い込んだイルカの全てはもりでかつては殺しておったわけでございますけれども、最近では、子供は逃がしたり、できるだけ苦痛が少ない方法で捕獲をするというような改善が図られてきておりますし、さらに、捕獲に当たっても、イルカが岩礁に乗り上げて血だらけになるといったような事態が見られますので、そういうことがないように乗り上げを防止するようなコンクリートの壁を私どもの補助金で今整備をしようとしております。そのようないろんな配慮をしながら科学的な根拠に基づいてやってきておる漁業でございまして、決して残虐な漁業ではありませんので、これまでも機会を捉えてその必要性を説明してきておりますが、今後とも、国内外に説明をして、何とかこれが継続できるように、維持できるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  80. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 今もお話がありましたけれども、そもそもこの問題の背景には太地町のイルカ追い込み漁への批判があって、古来から行われている伝統的な漁法であるという理解が不足しているということがあります。WAZAに対して反捕鯨、反イルカ漁団体から、追い込み漁で捕獲されたイルカ飼育を放置すれば裁判で訴えるという働きかけがあったことがWAZAの四月以降の動きにつながっているのではないかという話も聞こえてきています。  昨年、ケネディ駐日米国大使が、米国政府はイルカの追い込み漁に反対します、イルカが殺される追い込み漁の非人道性について深く懸念していますとツイッターに書き込みをされました。このときに安倍総理はCNNのインタビューに対して、日本の太地町のイルカ漁は古来から続いている漁業であって、彼らは彼らの文化であり習慣として、そして生活のために捕っているということを理解してほしいと思う、それぞれの国には、それぞれの地域には、それぞれ先祖から伝わる様々な生き方、慣習、文化がある、私は当然そうしたものは尊重されるべきだと思っているが、同時に様々な批判があることも承知している、漁の仕方についても相当の工夫がされていると聞いている、漁それから漁獲方法についても、厳格に管理されているとお答えになっているんです。  今回の問題も、WAZAとJAZA、民間団体の問題だから政府は関知しないということではなくて、背景にある問題が明らかなのですから、このことに関してはしっかりと国内外に向けて、この問題に関する政府の見解、それから捕鯨やイルカの追い込み漁に理解を求める努力をしていただいて、IWCにおいても、民間団体のWAZAにおいても、日本の立場を理解してもらう。やはり国際的に多数派を形成していく努力というのが本当に必要だと、重要だというふうに思っています。  そこで、これについての、まずは水産庁の対応をお伺いしたいと思います。
  81. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 先ほども申し上げたとおり、太地町の漁業、イルカ漁業につきましては、国が捕獲の上限を厳格に設定をして、県知事の許可を得て適切な管理の下で実施される持続的な漁業でありまして、また様々な工夫、改善も行ってきております。このような点をこれまでも各方面に説明をしてきておりますが、あらゆる機会を捉えて、関係省庁と連携しながら広く国内外にきちんと説明を行ってまいりたいと考えております。
  82. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 国内でも理解がだんだん薄くなってきているという感がありますので、しっかりと対応していただきたいということを改めてお願いしたいと思います。  続いて、外交上の対応について外務省にお伺いいたします。
  83. 伊藤直樹

    政府参考人(伊藤直樹君) お答え申し上げます。  イルカ漁を含めて捕鯨をめぐる国際的な状況は、まさに委員から御指摘をいただきましたけれども、依然厳しいものがございます。そうした中で、外務省としても、関係省庁と連携をしつつ、対外的な理解が進むよう戦略的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  特に、国際捕鯨委員会、IWCの場におきましては、持続可能な利用支持国との結束を更に強化をし、反捕鯨国に対しても我が国の立場への理解を求めていきたいと考えております。IWCの非加盟国に対しては、各国の立場を見極めつつ、我が国の立場への理解と支持を求め、状況を見ながら加盟を働きかけていく所存にしております。  さらには、我が国の持続可能な利用について、国際社会全体に対して国際的な世論形成を行うために様々な戦略的な広報を行うといった取組も重要と考えております。
  84. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 具体的に、いつ、どこで、誰に対して、どういう方法で今おっしゃられたような取組をしているのかということをきちんと確認できるような何か方法を考えていただきたい。ペーパーでも何でも結構ですので、出していただきたいというふうに思います。  林大臣は、まさにこの捕鯨それからイルカ漁に関しては御地元の問題でもございますので、今回はWAZAとJAZAの民間団体の話ではありますけれども、その背景にある問題に関しては今御説明したとおりであります。非常に政府対応が重要だと思います。大臣の御所見をお伺いいたしまして、質問を終わりたいと思います。大臣、お願いいたします。
  85. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 私も最初にこの報道に接したときは、何でわざわざこんなことをするのかなと、しゃれではありませんが、非常に奇異な感じがしたわけでございます。  私、IWCにも何度も行かせていただきましたし、党の捕鯨議連の役をずっとやってきておりまして感じますのは、やはり、我々は我々の、先ほど総理のツイッターを御紹介いただきましたように、長年続いた食文化でもあり伝統であるということでありますから、決してそういう文化を持たない国に鯨類を捕獲して食べるということを強制しているわけでも何でもない、お互いの文化を尊重しようではないかと、このことをずっと発信をしてきたわけでございますし、そういうことで、しっかりとIWCの場で科学的根拠に基づいて正々堂々と主張をし、その主張を御理解いただける仲間を増やすことによって、やはりしっかりと対応してまいらなければならないと思っております。  重要な水産資源でもございますので、海からたんぱくを取るということは我が国にとって非常に大事なことでございます。今後も、関係省庁と連携しながらしっかりと対応してまいりたいと思っております。
  86. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 終わります。ありがとうございました。
  87. 平木大作

    ○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  本日、私の方からは、日本再興戦略に基づいて行われました施策の進捗状況について、中心にお伺いをしていきたいというふうに思っております。  この時期になりますと、毎年この六月に再興戦略がどんどん改定されていくということもあって、次はどんな手が打たれるのかということに大変注目が集まるんですね。私も次何なのかということには大変興味を持っておりますし、大事なのは分かっているわけですけれども、次、間断なくどんな手を打っていくのかということと同じぐらいに、若しくはそれ以上に大事なのは、これまで打たれた施策、これがしっかりとこの再興戦略に沿ったものになっているのかどうか、そして当初想定された結果を伴っているのかどうか、これを検証していくことがやっぱり非常に大事なんじゃないかと、こういう観点からちょっと今日はお伺いしていきたいと思っております。  これ、政府の中でも同じ認識で取り組んでいただいているのかなというふうに思っております。昨年ぐらいからでしょうか、いろんな答弁で、PDCAサイクルを回していきますですとか、あるいはKPI、キー・パフォーマンス・インジケーターですね、これを適切に設定してちゃんと管理していきますよということが何度も何度も繰り返し答弁等でおっしゃられているわけであります。  例えば、農林水産施策におきましても、一つの例として、産業競争力会議、これにおいて、ちゃんとこの日本再興戦略で打ち出した施策が順調に進んでいるのかどうか、これを、昨年の十月以降これまで十九回にわたって実行実現点検会合というのが開催されております。私も中身、サマリーを読ませていただきまして、十九回行われていて、実にそのうちの五回が農業がテーマになっていると、大変重要な分野なんだということが政府としても認識されているんであるというふうに思っております。  そこで、まず今日お伺いしたいのは、この日本再興戦略、直近のものでいきますと改訂二〇一四なわけですが、ここで掲げられた施策のうち、農業分野における取組、一体どのようなKPIが設定されているのか、また現時点での進捗状況、どうなっているのかをお答えいただきたいと思います。
  88. 佐藤英道

    大臣政務官(佐藤英道君) 日本再興戦略改訂二〇一四におきまして、農業分野につきましては六つのKPIが設定されているところであります。  一点目は、二〇二〇年に農林水産物食品輸出額を一兆円とし、二〇三〇年に五兆円とすること。二点目に、今後十年間で法人経営体数を二〇一〇年比約四倍の五万法人とすること。三番目に、今後十年間で全農地面積の八割が担い手によって利用されること。四番目に、今後十年間で資材、流通面等での産業界の努力も反映して担い手の米の生産コストを現状全国比四割削減すること。五番目に、六次産業の市場規模を二〇二〇年に十兆円とすること。六番目に、酪農について、二〇二〇年までに六次産業化の取組件数を五百件に倍増させることであります。  次に、評価につきましてですけれども、これらのKPIについて、本年一月の産業競争力会議におきまして進捗状況評価が行われました。  まず、輸出関連につきましては、KPI達成に必要な数値を上回っており進捗は十分であるとして、A評価とされました。  法人経営体数につきましては、KPI達成に必要な数値を下回っておりまして、進捗は不十分であるとして、B評価とされました。  三番目に、それ以外の四つのKPIにつきましては、評価時点で最新の数値が得られなかったことなどから、評価が困難なものとして、N評価とされたところであります。
  89. 平木大作

    ○平木大作君 今御紹介いただきましたこの六つのKPIについては、委員の皆様においてはもう十分よく御存じの内容であるというふうに思っております。  この六つについて、一つはA評価一つはB評価。つまり、Aは、目標達成に向けて順調に推移していますよ、オントラックですよと。B評価は、なかなか順調じゃないですね、オフトラックになってしまっていますと。残りの四つは、データ等未集計であって、まだ現時点で評価は困難と。今御紹介いただいたとおりでございます。  まず最初にお伺いしたいのは、このA評価を取ったもの、これ農林水産物食品輸出額倍増に向けた取組ということで、まさに先ほど堀井委員の方から御質問があった点とちょうど重なるかというふうに思っております。これ、順調に推移している。  このゴールデンウイーク中も、私も直前の質問林大臣に、これはミラノ万博含めて現地で陣頭指揮を執って、ジャパン・ブランドの確立、そして輸出の倍増というところ、是非これ言ってきていただきたいというエールを送らせていただいたわけですけれども、改めてお伺いしたいと思います。  実際、現地林大臣、我々は報道を通じて知っているわけですけれども、出されたコメント、大変画期的だ、政策が本当に動き出したと実感している、こういうコメントをされていたり、あるいは、一兆円の輸出目標に向けて手の届くところに来たかなと思う、質的に輸出を増やしていくことが次の段階に向けて望まれるということで、大分これはやっぱり現地でこれまでにないぐらいのいい感触をつかまれたのかなというふうに私は受け止めたんですが、この点、現地での出張報告も含めて、林大臣から一言いただけますでしょうか。
  90. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 先ほど堀井委員お答えをいたしましたけれども、この一兆円の目標に対して二〇一四年が六千百十七億円、六千億円台乗せは初めてで過去最高でございますが、この二〇一四年に比較して、この一—三月でも二七・六%増ということでございますから、大変順調に伸びてきておると、こういうふうに喜んでおるところでございます。  ミラノ博のお話も先ほどしたように、日本食、それからその背景にある日本農林水産業というもの、そこからくる日本食の発酵ですとかうまみ、だしというものを大変分かりやすく、ハイテクを駆使して、しかも大体ゆっくり見ても一時間も掛からないで全部回れるぐらいのコンパクトな展示ができておりまして、大変人気が出るだろうなと思っておりましたら、先ほど申し上げましたように、既に十万人を超える来場者、十七日までに訪れておられるということで、大変期待をしております。  また、この政策が動き出したという部分では、やはりロンドンでセミナーとレセプションをやったわけでございますが、まさにそれぞれの地域が別々に動くのではなくて、米なら米、牛肉なら牛肉が全国で一つになって協議会をつくって、ジャパン・ブランドとしてセールスプロモーションをやっていこうと。  こういうことで、品目別輸出団体をつくろうということでやってきたわけですが、この五つの団体が初めて一堂に会して、レセプションだけではなくて、それぞれの団体がセミナーをやって、そしてレセプションと。こういう形で大変、それぞれのブースに行きましたけれども、いろんな関係の業者さんたちが非常に熱心に説明を聞いておった姿が印象的でございまして、いろいろ聞きますと、今から商売を始めようという方もいらっしゃいましたけれども、既に商売は始まっていて、それを増やしていこうという方も随分いらっしゃったということでございまして、こういう地道な積み重ねで数字を上げていきたいと、こういうふうに思ったところでございまして、こういうイベントをいろいろと活用しながら積極的に輸出拡大を図っていきたいと思っておるところでございます。
  91. 平木大作

    ○平木大作君 今御報告いただきまして本当に心強い思いがいたすわけですけれども、これは六つのうちの一つでございまして、そうじゃないものもやっぱりあったと。  B評価について、次、お伺いしたいと思うんです。  B評価を得たのは、二〇二三年までに法人経営体数を二〇一〇年比約四倍の五万法人に増やすと、この取組が今回はB評価、進捗がちょっと遅れているんじゃないかという評価になりました。  政府としては、この原因をどう分析して、また今後どのように対応していくのかについてお伺いしたいと思います。
  92. 奥原正明

    政府参考人(奥原正明君) 法人化の関係でございます。  農業発展させていくためには、的確かつ機動的な経営判断を行うことができて、投資財源の確保ですとか雇用の安定の面でもメリットのあります法人経営体を拡大をしていくということが重要だというふうに考えております。  過去十年間で法人経営体の数が二倍になってまいりましたけれども、今後十年間でこれを四倍にして五万法人にするというのをKPIとして掲げて推進をしているわけでございますが、B評価になりましたのは、この十年間で五万法人にするという、これ十年間のペース、均等に割ってやるとすればもうちょっと数字が多くなければいけない、これ二〇一四年の時点で均等に割ると一万八千百四十が望ましいわけですけれども、実際の数字が一万五千三百にとどまったということでB評価ということになったというふうに認識をしております。  法人化につきましては、従来から法人化をするときの助成措置等ございますけれども、やはりきちんと推進をするためには体制を整備しターゲットを絞って進めていくことが必要かなというふうに考えてございます。  この観点で、都道府県あるいは農業法人協会、こういったところと連携をいたしまして、法人化の相談窓口を設置するとか、こういった推進体制の整備、これを一つ進めております。それから大規模な個別経営、例えば売上げが二千万円以上の経営体の数が四万八千経営体ございます、こういったところをどう法人化するか。あるいは、集落営農組織で法人化計画を持っているところは現在四千七百ございます。こういったところを主たるターゲットにいたしまして、行政ルートで法人化のメリットですとか手続等を整理をしたパンフレットの周知徹底をする。それから、各都道府県におきまして、税理士等の経営の専門家による指導、助言体制を整備をしていく。あるいは、農業者の団体のルートにおきまして、法人経営体の従業員の方の独立、いわゆるのれん分けと言いますが、こういった形での法人化の推進を具体的に進めていきたいということで、現在この加速を図ろうとしていろいろやっているところでございます。
  93. 平木大作

    ○平木大作君 今いろいろお答えいただきました。もう既に政府から発表されている昨年の末には、ちょっと遅れているのは一体現状分析としてどういうことなのか、あるいはその打ち手としてどういうことをやるのかということはペーパーでももう発表になっております。  今お伺いしていて、またこういうものを読ませていただく中で、現状分析については、そうかもしれないなと、でも本当にそうかなという気もする。要するに、これ本当にそうなのかということがそもそも確かでないと、今度はその現状分析に基づいて打つ打ち手の方も大丈夫なのかなと、これで本当にいわゆるペースが戻ってくるのかなということも同時に感じてしまうわけであります。  例えば、現状分析の中でペーパーで触れられているのは、戸別所得補償制度、これの影響が農地の流動化を遅らせて法人化のペースが遅れているんだとか、そんなことがつらつらと書いてあるんですね。そうかもしれないけれども、これが本当にその遅れている原因なのかなということがやっぱり疑問なわけです。  一つちょっと、私、これ何なんだろうと、これで本当にうまくいくのかいかないのか、なかなか確信が持てないのはなぜなのかなといろいろ考えてみたんですけれども、やっぱり振り返ってみると、このKPI自体をそもそも効果的に設定できていないなと、これが恐らく大きな原因なんじゃないかなという気がちょっといたしております。  先ほども御答弁の中でいただきましたけれども、何でペースが遅れている、B判定という評価を受けているかというと、十年間の目標を十年で均等割して、そのペースに遅れているからだとあったと。でも、なかなか施策が、十年にわたる施策を打ったときに、十分の一ずつ達成していくということは余りないわけですね。最初は遅いんだけれどもだんだん上がっていくとか、あるいは最初の二、三年で一気に八割行くとかいろんなものが、政策がどういう形で浸透して現場に広がっていくのかというところを具体的に考えれば、ここのそもそもペースの判断軸それ自体が間違っていたんじゃないかなということも当然考えるわけであります。  そういう意味でいくと、やっぱり政策を打ってから現場で実行されてまた効果が出てくるまでの、このしっかりと政策の経路をまずはっきりさせて、そのところどころ、要所要所でやるべきことをちゃんとやっていますかということを判断するための、ゴールをKPIと呼ぶのであれば、その途中途中の関所にあるのはサブKPIみたいなものですね、こういったものでしっかりとその進捗が見れるようにしていかないと、なかなか納得感の得られる検証というものができないんじゃないかなということを今思っております。  先ほど御答弁の中でも引いていただいたんですけれども、私も、この対応方針等を細かく見ていくと、やっぱり一番のポイントというのは、ちゃんとこれ、ターゲットも示しているわけですよね。ターゲットとして働きかけようと思っているのは、経営規模が比較的大きい個別の経営体、例えば売上げが二千万円以上の家族経営体で、これは四万八千百八十二件あるんだと。ここまで数字を示して、ある程度ターゲットが見えている。であるんだったら、こういう経営体に対して、じゃ、一体年間で何回アプローチができたのか、何割をカバー今できているのか、多分こういう数字を追っかけながらやるべきことをやっていないから成果に結び付いていないのか、そういうことを個々の関所関所でやっぱり見ていかなきゃいけないんじゃないかなと感じた次第でございます。  そういう意味では、今後、二〇二三年まで、そもそも非常に長い期間の取組でありますので、しっかりと今分析に基づいて施策を打たれていると思うわけですけれども、この施策を強力に推進していただくのと同時に、やっぱりこのKPIの設定の仕方、また今申し上げたようなサブKPIみたいなものですね、途中途中のやるべきことができているのかどうかという検証ポイント、こういったものも含めて改めて是非見ていただきたい、見直していただきたいなと思います。  次の質問に移りますが、このA評価、B評価以外、四つについてはN評価となりました。これは例えば、二〇二三年までに全農地面積の八割を担い手に集約するですとか、あるいは担い手による米の生産コスト四割削減を目指す、こういったものがNとなったわけです。今例えば例示した二つのKPIについて、その中核的な取組というのがいわゆる農地中間管理機構による農地の集約なわけであります。  ちょうど本日、この委員会が始まる前に政府の方からも発表がございました。農地中間管理機構の取組の進捗状況について、おおよそこの農地中間管理機構が今借受けできている実績というのが目標の大体二割ぐらいだということで先ほど発表があったわけであります。やっぱりなかなか思わしくない。これは、これまでも何割なのかみたいな議論は盛んにあったわけですけれども、まずこれは早い段階でてこ入れが必要だと思っているんですけれども、現在、政府として何か検討していることはございますでしょうか。
  94. 奥原正明

    政府参考人(奥原正明君) 農地の中間管理機構の関係でございますけれども、二十六年度が実質的に農地中間管理機構の初年度ということになったわけでございますが、二十六年度のこの担い手への農地の集積面積、これは前年より六万ヘクタールぐらい増えておりまして二百二十七万ヘクタールで集積率五〇・三%と、若干の上昇を見ているところでございます。それから、二十六年度の中間管理機構自身の農地集積の実績ですけれども、借入れ面積で約二万九千ヘクタール、それから貸付けの面積は約二万四千ヘクタールと、こういうことになっております。この実績につきまして、担い手への農地の集積、ここ数年横ばいでございましたけれども、これが再び六万ヘクタールの増ということで、集積の方向で進み始めているということが一点ございます。  それと、中間管理機構自身の実績も、当初の目標、これ一年間に、これも十年分の目標を一年にならしますと十四万ヘクタールぐらいということになりますが、この目標には届いておりませんけれども、前身の農地保有合理化法人の時代、これを改組をして、いろいろ強化をしながら中間管理機構にしたわけですが、このかつての時代と比べますと、全体の実績で約三倍、リースだけで見ますと十倍に増えているということがございます。  この数字で十分と思っているわけではございませんけれども、この一年目の状況をきちんと分析、点検をしまして強化を図っていかなきゃいけないというふうに考えております。いろんな角度からいろいろ御議論いただきたいと思いますけれども一つのやはり大きなポイントは、各都道府県、それから各県の機構のやっぱり役職員方々の意識改革あるいは体制整備、これが必ずしも十分ではないということが一つあるかと思います。  我々の方では、お客さんが来るのを待っている不動産屋ではなくて、地域農業の将来をどうするかということをきちんと描いて自ら積極的に動くディベロッパーになってほしいということをずっと申し上げておりますけれども、そこまでの意識なり体制整備が全ての県でできている状況ではないということが一つございます。ここをどういうふうに強化するかという問題がございます。  それから、もう一つ、やっぱり農地をまとまって機構に貸していただいて、これを担い手の方に転貸をするというのがこのスキームでございますけれども、農地をまとまって出していくためには、地域の農家の方あるいは農地の所有者の方々の話合いが極めて重要でございます。  二十四年度からやっております人・農地プランでの地域関係者の話合い、これを進めておりますけれども、必ずしも農地を流動化させるという意味での本格的なプランまで行っていないところもかなりございますので、そういったところを更に強化をして各地域で話合いが進むようにしていく、こういった点いろいろ工夫をしながら、早く全都道府県で中間管理機構が軌道に乗るように手当てをしていきたいというふうに考えております。
  95. 平木大作

    ○平木大作君 今、お答えいただきました。これ、お答えいただいた以外にも、今日リリースになった発表を見ますと、例えば、この集計を待っていたんではなくて、政府としても様々、アンケート調査されたりですとか、早速次の手を打とうとされているということを私も拝見させていただきました。  是非とも、まさにこういうことこそいわゆるちゃんとPDCAが回るように、この目標の設定の仕方がもしかしたら高過ぎるところもあったのかもしれませんけれども、是非ともこういう、いわゆる検証がしっかりできるような形で今後打ち手を打っていただきたいということをお願いしたいと思います。  済みません、もう一問用意していたんですが、時間が来てしまいましたので、最後にこれ要望だけ申し上げて終わりたいと思います。  この米の生産コスト四割削減。これは必ずしも農地の集約だけが打ち手ではございません。その中で、ちょうど先週、新潟市におきまして、これ民間の企業と組んで革新的稲作営農管理システム、これの実証実験が始まりました。これは私、大変興味を持って実は拝見をしております。是非近いうちに現場に行ってみたいなと思っているんですけれども。  これ取組が、例えばこれまでですと、農地においていわゆるいろいろなICTを活用しようとするときに、電源がなくなる、どこに電源を確保するのかみたいなことが問題になった。ここを電池でできるんじゃないかという取組。そして、経験や勘がないとなかなか今までできなかったものについては、水質管理を含めてどんどんシステムに落としていこうという取組であるというふうにお伺いしておりまして、まさに初期投資を低く抑えながら、ノウハウを持たない新規就農者にも営農への道を開く大変有意義な取組であるというふうに思っております。  是非ともこういうところ、前向きなプロジェクトをどんどんどんどん推進していただいて、これ一年間の限定の取組になっておりますけれども、是非ともこれも、二〇二三年のこの施策、ゴールに向けて活用していただきたいということをお願いして、私からの質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  96. 儀間光男

    ○儀間光男君 維新の党の儀間でございます。  御承知のとおり、また地殻変動が少し予想されておって、いつまでもこの席でバッター順位を守れるかどうか、行き先極めて不透明で、ただいま三時から両院議員総会始まったんですが、行けない。党の動乱のときに参加できていない。党員として極めて残念ですが、その分、ここで頑張れる分だけ頑張ってみようと、こういうふうに思います。  前回に引き続き、続編になるんですが、農林水産物の海外貿易、台湾貿易を中心にやりますが、少し言い残した部分があったりいたしまして、したがって少し重複するかも分かりませんが、どうぞ御理解あって御答弁をいただきたいと思います。  前回から今回、かなり台湾の日本食に対する規制がいろんな変遷を見せてまいりまして、昨日、台湾の馬総統の発言を見ますというと、いい方向で、彼も真剣にこの問題を決着をさせなきゃならぬというような雰囲気のあるコメントがありましたから、少し安心して、早めに展開できるかなと思っておりますが。  現状、あるいは今後どのような状況で進みそうなのか、まず伺いたいと思いますが、さらには、平成二十六年度までの実績などは皆さんが発行した手元の資料で承知をしておりますけれど、台湾に対しての皆さんの取組規制緩和への取組、一体どの辺までどうなっているのか。新聞報道等ではあるんですが、政府の感触を聞きたいと思います。
  97. 櫻庭英悦

    政府参考人櫻庭英悦君) 先生案内のとおりでございまして、台湾というのは日本にとって第三番目の輸出相手国で非常に貴重な存在でありますし、また友好的なところでもございます。  この三年間で見ますと、平成二十三年、五百九十一億円の輸出でございましたけれども平成二十六年には八百三十七億円と、三年間で二百四十六億円、四一・六%も増加しているというところでございます。  それを品目別で見ますと、リンゴ、ナガイモとか青果物、そういったものが比較的大きな割合を占めておりまして、リンゴにつきましては平成二十六年の輸出額がこの三年間で十二億円、二〇・六%増の六十八億円と順調な伸びを見せているところでございます。  このように台湾向けの輸出が伸びている理由としては、日本食品が台湾における高品質で健康な食品への志向にマッチしているということ、それから二点目は、北海道に見られるようなブランド化が進んでいること、三点目は、リンゴなんかに見られますけれども、贈答用のみならず家庭用にも多く利用され、裾野の広い需要が存在しているということが高く評価されているということだと思います。しかし、このような状況におきまして、今回の輸入規制措置というのは科学的根拠に基づかない措置でございまして、極めて遺憾だという具合に考えているところでございます。  しかしながら、現状から申し上げますと、規制が強化された五月十五日の前の日に、既存の例えば植物検疫の証明書の添付でいいとか、そういった形で向こうからのメッセージもあります。しかしながら、私どもとすれば、やはり産地証明のみならず、放射能の検査証明というのも根拠が全く説明がないということでございますので、強く説明を求めております。しかしながら、事務ベースでとかいろんな場面を通じましてお互いの話合いの場を今まで持ってきたところでございますし、向こうともそういった形で進めたいという具合に考えております。
  98. 儀間光男

    ○儀間光男君 今おっしゃったとおりでございますが、科学的根拠がないと私どもが、政府指摘したんですが、実は私もゴールデンウイーク、ちょっと気掛かりがあって、行って、亜東関係協会関係者の人たちと会ってまいりました。そんな話をやりまして、昨日の馬総統の発言にもあるんですが、科学的根拠はないかもしらぬけど、法的根拠ですと言うんですよね。そういう言い方をしておって、昨日の馬総統もそんな発言をしておりました。  事ほどにそうでございますけれど、僕は不思議なのは、東日本の大震災があって、福島県を始め他の四県、五県の産する食品は全部、全種類において禁輸をしたんでありますが、これが平成二十三年ですね。したがって、二十四年辺りにその実績が表れて、いわゆる取扱量が減るんではないかというような心配をしておって、いろいろ資料を見てみますと、平成二十一年から二十四年まで六百億前後で横ばいでくるんですね。不思議なことに、この二十五年、二十六年が圧倒的に日本からの輸入が増えるんですよ。  五県を制限している中で、二十五、六年は圧倒的に増えてくるんですね、御承知のとおりですよ。対二十四年度比で、二十五年度は二〇・五%の七百三十五億円にも増える。さらには、対二十五年度比で、二十六年では一三・八%増、八百三十七億と。こういうふうになるんでありますが、繰り返し言いますと、規制したにもかかわらずこうして大幅に伸びた理由は、今少しそれらしきことをおっしゃっていましたが、具体的に何でこうなるのか。二百二十七億も取引増で、実に三七・六%とおっしゃったけど、私の方は二%になっておりますが、その辺、林大臣はどういう御見識をお持ちか。
  99. 櫻庭英悦

    政府参考人櫻庭英悦君) 要因は先ほど申し上げたとおりでございますが、もう一つ、周辺の情報から申し上げますと、台湾からの観光客が非常に多いということが挙げられるかと思います。  例えば、富山県は台湾で非常にキャンペーンを張りまして、現在アルペンルートがございますけれども、立山の雪、あるいは従来から行っています北海道という形で、ある意味ではインバウンドがそのまま台湾の中に帰って、帰国後、日本食品を、あの味、この商品という形で求める声というのがもしあるとすれば、こちらの要因も非常に大きいかなという具合に考えております。
  100. 儀間光男

    ○儀間光男君 それも要因の一つかも分かりませんが、私もよく分かりませんが、こういうインバウンドで帰る人が趣味、嗜好、味の嗜好を変えて、注文して、これだけ二年で二百二十七億も増えるようなインバウンドの数があったかなというような気がしてならない。もっと別に何かがあるんではないか。私も知りませんが、あるとすると、それは探って答えを出して、これからの対策、政策の一つにすべきであると思うんですね。是非、その辺、ひとつ幅広く御検討、御研究をしていただきたいと、こういうふうに望みたいと思います。  そして、経過的には五月十五日、規制の日を迎えるんでありますが、そのときは我が国農林水産物のお茶や乳製品あるいは水産物、その三分類の八百を超える品目にいろいろ規制をされました。これ、今御答弁にあったような証明書だけでよさそうでありますけれど、それに至った理由は一体何だったかなと、こう思うんですね。  一部報道によると、禁輸地域産品が隠蔽されて、例えば東北五県のものなのに、その県産の表示が隠蔽されて台湾で流通している。これを回収して、そのしっぺ返しというか、それをきっかけに規制がされてきたというふうに聞き及んでおるのでありますが、この隠蔽したのは我が国側、つまり出す側だったのか、あるいは台湾側の流通側だったのか、この辺の事実は把握されておりませんか。
  101. 櫻庭英悦

    政府参考人櫻庭英悦君) 今御指摘がありましたけれども、背景としてございますのは、ここ数年、台湾において食の安全問題が非常に国民的関心を呼んでいると。違法な添加物の問題、昨年ございましたけれども、廃油、廃棄する油を食用油に持ってきたとか、そういった形で非常に食の安全性の問題が国民的に、あるいは立法院の中でも議論されてきたということがございます。昨年十月二十八日に規制を強化するという話も一方でこの中でありましたけれども、私ども協議をして、今年の二月頃には規制を緩和していくと、むしろ緩和していくという流れもございました。  その中で、今先生が御指摘になりましたようないわゆる表示の偽装、産地偽装という話がございまして、私は四月十七日に大臣の命によって台湾当局へ行って話をしてきました。放射性物質に関することについてはいろいろ説明を受けましたけれども、全く科学的根拠はないと。ただし、この表示の問題については、両国が協力してその真相をちゃんと明らかにしていきましょうと。表示と放射性物質の問題、この規制強化というのは全く別の問題でしょうという話をしてきたところでございます。  そして、この表示でございますけれども、私ども、向こうからデータをいただきまして、できる限りのことを経済産業省と連携して今調査しているところでございますけれども、表示のルールとかそういったものが果たして偽装とまで呼べるものかどうかというところまで来ておりまして、ここはまた台湾側としっかりとデータを突き合わせてお互い解明していきたいという具合に考えております。
  102. 儀間光男

    ○儀間光男君 よく分かったのでありますが、質問はどっち側が偽装したのかということです。日本国、輸出する側に偽装があったのか、入れた側に偽装があったのか、その辺は把握されていませんか。
  103. 櫻庭英悦

    政府参考人櫻庭英悦君) 台湾の場合は、日本の商品の上に中文のラベルシールを貼るというのが義務付けられています。そして、向こうから公表されたのは、その日本側のパッケージに印刷されているものとラベルシールが違うのではないかというのが基本的な指摘でございますけれども、私どもが向こうからいただいたデータを見ますと、ほとんどは中と外側が一致しております。したがって、どこに問題があったのかと申し上げますと、その商品が、例えば禁止されている五県のものがなぜ台北なり台湾の中に入っているのかということに尽きるかと思います。  ですから、そこら辺につきましても今調査をしているところでございますけれども、基本的には、日本側、台湾側というよりも、ここの表示のルール、そして通関時のルールはどうなっているのかというのをしっかりお互い確認しながら進めることが重要ではないかなと、それが真相解明につながるという具合に考えております。
  104. 儀間光男

    ○儀間光男君 犯人捜しをしてどうのこうのじゃないんです。それは誤解のないように。  ただいま説明によると、台湾のシールの貼り方が入れてから貼るということですから、多分、そこまでの流通を担当した第三者が、何らかのルートを通って台湾に禁輸されているのが持ち込まれたと、そこに台湾側がシールを貼ったということに今の説明からするとなるわけでありますが、決してそれだからどうのこうの言うつもりはありませんが、その辺のルートをしっかり解明をしておかぬと、次への手の打ち方がなかなか見出せないと、こういうことでありますから、是非ともどうぞそういうふうにしてください。  なぜそこまで言うかというと、一兆円の政府目標がありますが、六千百十七億まで来ておって、もう手の届くところ、大臣おっしゃるところですよ、そこまで来ておって、我が国世界に対する農林水産物の取引状況を見るとアジアがやっぱり圧倒的に多くて、七二、三%行くんですね。そのアジアとは、香港、台湾、中国、韓国ですよ。ここで六千百十七億のうちの七二、三%、五千五百億ぐらいと。しかも、台湾単独では、香港、アメリカに次いで三位なんですね、取引高が。そうですよ。香港、アメリカ、それから台湾、これが我が国の農産物、加工品も含めての取引のビッグスリーなんです。その中に八百三十七億があって、二十五年、六年の伸びを見ると、今説明があったように、二十七年も全体的に順調な伸び、二七・何%か伸びておりますから、きっと台湾も二十七年度も伸びていくであろうことは予想に難くありません。  そうしますというと、この伸び率からすると、今年、来年、ひょっとすると今年で一千億行くかも分かりませんね。一兆の一〇%、一千億を一国で、一地域でやれるというのは大変なことなんですね。したがって、政府としては、台湾との関係を一日でも早くいろんな対策をして正常に戻して、アジアの中でもどんどんどんどん台湾が進んで日本商品を入れてくれるような環境をつくっていくべきだと、こういうふうに思ってのことでございます。どうぞ、早期解決を期待するものでありますが、どんどんやっていただきたいと思います。  この台湾市場世界の貿易状況を見ますというと、アジアがやはり圧倒的に多くて、次はASEANですね、あと北米、欧州と続いていくわけですが、伸ばせるところ、特に台湾辺りは伸びていく環境が、対日感情、また我々日本人と台湾人のこれまでの信頼関係から非常に伸ばしていきやすい環境にあると思うんです。だから、それは他の地域に対する労力よりはエネルギー少なくして多くの成果が上がっていくという要素をはらんでおりますから、そういうことでアプローチをしていただきたいと、こういうふうに思っております。  さて、次に参りたいと思いますが、この貿易状況を見ていると、新興国の経済発展が著しくて、我が国との貿易もかなりのスピードで上がってきております。  中でも、多くありますが、湾岸六か国とアラブ首長国連邦、ここは二十五年、二十六年の統計しかございませんが、アラブ首長国連邦などは、四十一億も二十五年度売っております。それから、二十六年度に五十九億、四十数%のハイスピード、まだ取扱額は少ないのでありますが、伸び率が非常にあって、市場拡大の可能性がいっぱいうかがえるエリアだと思うんです。湾岸六か国もそうですね。七十二億から九十二億、二九%も伸ばしている。こういうアジア、ASEAN諸国の新興国との交易、貿易を強化する必要があると思うんですね。  そこでお尋ねしたいんですが、最近、アラブ首長国連邦、ハラール食料が最近非常に話題となって出ておりますけれど、イスラム教に向けてのハラールの食品として、我が国はどの程度どうなっているか分かりませんが、指定は、恐らく加工場の指定等もあると思うんですが、指定なのか認可なのか許可なのかよく分かりませんが、ハラール関係食品の指定工場として、何か所、どこに、どういうものが現在あるのかをちょっとお答えいただきたいと思います。
  105. 松島浩道

    政府参考人(松島浩道君) ハラール牛肉の国内の食肉処理場の指定状況でございますけれども、現在二か所ございまして、一か所は、埼玉県本庄市にアラブ首長国連邦とそれからカタール向けの認証を受けている施設がございます。もう一か所は熊本県の人吉市でございますけれども、これはインドネシア向けの施設が認証されているという状況にございます。
  106. 儀間光男

    ○儀間光男君 首長国連邦などを見ると肉の輸入はまだまだ形にも見えないぐらい、〇・三%ぐらいしかありませんが、さっき言ったように、これからたくさんというか、市場として魅力のある市場でありますから、どうぞそういうことで、またオリンピック・パラリンピックを迎えて、あのエリア、イスラムエリアから多くの人が来ると思うんですね。そういう人たちの要望にも応えられるようなそういう体制を我が国はつくっていただきたいと思っておりますが、見通し、計画などをお聞かせください。
  107. 松島浩道

    政府参考人(松島浩道君) 確かに委員おっしゃいますように、もちろん輸出市場としてそういったイスラム諸国、大変有望な市場でありますが、それに加えまして、国内におきましてもイスラム圏から来られている観光客の方々、また日本で働いていらっしゃる方々、たくさんいらっしゃいますので、そういった方々に対してハラール認証を受けた食品の供給というのは非常に大事なことだと考えてございます。  食肉について申し上げますと、そういった海外向けの食肉処理施設の整備につきまして、農水省、その建設の支援を行っておりますけれども、強い農業づくり交付金という中で、そういった輸出向けの食肉処理場につきましては一定の優遇措置を講ずることによって後押しをしているという状況でございます。
  108. 儀間光男

    ○儀間光男君 もう終わりますけれど、台湾から卒業して、アラブ首長国連邦へと次から行きたいと思いますから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  どうもありがとうございました。
  109. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  まず、日米首脳会談についてお聞きします。  安倍首相とオバマ大統領は、四月二十八日にワシントンで日米首脳会談を行いました。その共同声明は、TPPについて、日米両国は、二国間の交渉において大きな進展があったことを歓迎するとして、概要においては、日米が交渉をリードし、早期妥結に導くことで一致したと述べています。  我が党は早期の妥結は許さないという立場でありますけれども、今日はこの公表されている内容についてお聞きをいたします。  TPPについて両首脳は、TPP地域の経済的繁栄のみならず、安全保障にも資するなど戦略的意義を持つことを改めて確認したとあります。昨年四月二十四日に公表した概要では、TPPは成長センターであるアジア太平洋地域一つの経済圏をつくり、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値観を共有する国々と新たなルールを作り上げるものであり、戦略的に重要であるとの認識で完全に一致したというふうにあります。つまり、昨年は、安全保障に資するという言い方はしていなかったわけです。  なぜ安全保障という文言を入れたのか、安全保障の意味も含めて説明をいただきたいと思います。
  110. 中根一幸

    大臣政務官(中根一幸君) 政府としては、TPPによって、普遍的価値を共有する国々とともに、アジア太平洋地域における新たなルールを作り上げ、さらに共通の経済秩序の下、こうした国々と経済的相互依存関係を深めていくことは、我が国の安全保障にとっても、またアジア太平洋地域の安定にも大きく寄与することと考えてきたところであり、このことは、平成二十五年三月のTPP交渉参加に関する安倍総理の記者会見においても述べられておることでございます。
  111. 紙智子

    ○紙智子君 記者会見の中でという話をされたんですけれども、日米首脳会談でこの安全保障という言い方をするのは初めてだと思うんですね。  安倍総理はアメリカ議会の演説で、TPPについて、日本米国がリードをし、生い立ちの異なるアジア太平洋諸国に、いかなる国の恣意的な思惑にも左右されないフェアでダイナミックで持続可能な市場をつくり上げなければならないと述べた上で、TPPには単なる経済的利益を超えた長期的な安全保障上の大きな意義があると述べました。TPPは経済連携協定ですけれども、経済的利益を超えた意義があるとまで言っているわけです。ちょっとこれ、余りにも飛躍があり過ぎるんじゃないでしょうか。いかがですか。
  112. 中根一幸

    大臣政務官(中根一幸君) 我が国の同盟国である米国、また自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々とともに新たなルールを作り上げ、こうした国々と経済的な相互依存関係を深めていくことは、我が国の安全保障にも、またこの地域の安定にも資する戦略的意義を有していると思っております。  日米首脳会談や、先ほどのお話にありました総理の米国議会における演説では、TPPには成長著しいアジア太平洋地域市場を取り込むといった経済的利益のみならず、このような戦略的意義があることを述べたものだと考えております。
  113. 紙智子

    ○紙智子君 今の説明では余りよく分かりません。  安倍総理はこうも言っているわけですよ、私たちが奉じる共通の価値を世界に広め根付かせていくと。甘利大臣は、TPPについて、アジア太平洋に新しい価値観の下に新しい枠組みをつくるものだと言っているわけです。TPPは新しい価値観でつくられた経済的利益を超えた安全保障の枠組みになるということですよね。  一方、オバマ大統領は、TPP交渉での合意は、アメリカ経済の活性化につながる、一方、中国がアジアにおける支配力を一層強化することを防ぐことになるというふうに言っているわけです。  TPPという新しい枠組みに異を唱えるようなアジア太平洋諸国に対して、安全保障という枠組みで牽制することになるんじゃないのかと思いますけれども、今日は安倍総理、甘利大臣はいらっしゃらないので、TPP関係閣僚である林大臣にお聞きします。いかが御認識されていますか。
  114. 林芳正

    国務大臣林芳正君) ただいま外務省からも答弁がありましたが、このTPPには単なる経済的利益を超えた長期的な安全保障上の大きな意義があると、総理が米国議会でも述べられたとおりでございます。  今、外務省の方からもありましたように、三月十五日にもTPP交渉参加を表明された際にも御発言があったと承知しておりまして、私も内閣の一員としてそのような認識をしているところでございます。  自由、民主主義、法の支配、こういう共通の価値観を持った国々が一つのフェアでダイナミックな持続可能な市場をつくり上げるということにそういう意味を見出されておられるものと、こういうふうに考えておるところでございます。
  115. 紙智子

    ○紙智子君 何度聞いても、なぜそれで安全保障を入れたのかなというのはよく分かりません。  TPP交渉において、これまででいえば、重要品目を守るといった農林水産委員会決議や自民党が選挙で掲げた公約というのがあったわけで、もうそれが抜けてしまっているというか、どこにあるのかというふうに思うわけです。  それで、私は、やっぱり経済交渉在り方として、特定の経済システムの押し付けではなくて、各国の社会体制の違いや経済発展の違いや、あるいは経済社会の実情の違いというのがあるわけで、相互に尊重して各国の経済主権を尊重した国際経済秩序というのが大事だというふうに思っています。ちょっとこのやり取りはここまでにしておきます。  次の質問に移ります。情報公開をめぐってですけれども西村大臣にお聞きします。訪米された際の記者会見についてです。  西村大臣は、これ先ほども質問あったわけですけれども、五月四日にワシントンで記者会見を行って、TPP情報公開について、USTRは対外的に情報を出さないという条件で議員にテキストへのアクセスを認めていることを確認したと。日本でも、戻ってから相談するが、来週以降、テキストへのアクセスを国会議員に認める方向で少し調整したいと。もちろん日本の場合は守秘義務がないので、どういうルールでどういうやり方をするかは少し詰めないといけないが、検討したいと言われたと。その後、七日の日に、既に調整が行われている、方針を固めたということではないと言って撤回をされた。また、政府の中で何かを検討、調整した事実はないというふうにも言われているわけです。  一方、農林水産委員会で私、情報公開を求めたのに対して、内閣府の澁谷議官が、十二か国で情報交換をしている、我が国としては透明性の向上に努力したいというふうに言われたわけです。西村大臣政府内で検討している事実はないと言いました。澁谷議官政府内で透明性の向上に努力しているというふうに言われていると。  先ほど、徳永議員質問の中で、今後テキストの開示をするために何か検討しているのかという質問に対しては、これはちょっと西村大臣に確認したいんですけれども米国とのルールの違いがあるということを理由に、これはできないというふうに答えられたと思うんですけれども、そういうことで受け取ってよろしいですか。長くは答弁要らないんですけれども、それでよろしいかということです。
  116. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) お答えを申し上げます。  最後に委員が言われた点につきましては、アメリカ日本制度の違いがありますので、アメリカがやっているような情報開示、テキストへのアクセスは難しいというふうに考えております。
  117. 紙智子

    ○紙智子君 確認をしました。  じゃ、澁谷議官にお聞きしますけれども、透明性の向上を図るために何をされたんでしょうか。
  118. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 各国取組をいろいろとウオッチしているところでありますが、例えばチリとかマレーシア、ホームページにTPP交渉の概要というものを載せております。そうしたものを参考にしながら、我が国では、実は記者に対するブリーフィングでかなり詳しめの内容をお話ししてきて、それをホームページにアップしていたわけですけれども、なかなかそれが一個一個クリックしないと分からないという、そういう御指摘もありましたので、TPPの現在の概要という形でこれは五月一日に公表させていただいたところでございます。  テキスト本体ではもちろんないわけですけれども、従来はこういう議論がされているというそういう説明の仕方だったのに対して、テキストのこのチャプターではこういう規定があるという、そういう書きぶりにいたしまして、なるべく現行のテキストでどんなことが書いてあるかということを、概要ではありますけれども、記して、それをホームページにアップしたところでございます。  また、マレーシア政府が四月の上旬に一般国民に対する説明会をやったと。これは四枚紙ぐらいの紙だったようでありますけれども、そうしたことも踏まえまして、先週金曜日でありますけれども、先日公表したテキストの概要を基に初めて一般国民の方を対象に、当方主催で初めてでございますけれども、東京で説明会を一時間半開催をさせていただいたところでございます。各種の動画でも生中継をされたようであります。
  119. 紙智子

    ○紙智子君 もう一度、西村大臣にお聞きします。  USTRは対外的に情報を出さないという条件で議員にテキストへのアクセスを認めていることを確認したと述べられました。この行為というのは、これ秘密保持契約に違反しているんじゃないでしょうか。いかがですか。
  120. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 秘密保持契約は、外部に情報を漏らさないということの約束でございますので、各国それぞれの制度の下で苦慮しながら情報開示を行ってきているんですけれどもアメリカアメリカ制度の下で、外部に漏らさないというところは守られているというふうに考えております。
  121. 紙智子

    ○紙智子君 つまり、守られていると。でも、秘密保持契約そのものがどういうものかということを我々も知らないし、全然知らされていない中で、守られているかいないかということはこれ分からないわけですよ。  だから、本当にこれ、政府は、アメリカ連邦議員が外に漏らせば刑事罰の対象になるというふうに、あたかもきつい縛りがあるかのように言っているわけだけれども、しかし、アメリカの通商代表部、USTRのホームページには、連邦議員だけに閲覧を認めているわけじゃないわけですよね。アクセス権限を持つ議員スタッフとともに閲覧することを含めと、全交渉テキストへのアクセスを提供するとしているわけです。  日本政府はUSTRに対して詳細な調査を行ったと言っているんですけれども、この議員スタッフがなぜ閲覧できるんでしょうか。
  122. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) いわゆるセキュリティークリアランスと呼んでおりますけれども、これは身元調査等行っているんだろうと思いますが、そのセキュリティークリアランスの詳細は詳しくは承知をしておりませんけれども、それを行ったスタッフについて、議員と同行して、そしてその場でアクセスできると。もちろん、メモを取らないとか、カメラ、電子機器を持ち込まないとか、そういったルールはありますけれども、そういったやり方をしているというふうに承知をしております。
  123. 紙智子

    ○紙智子君 スタッフの場合は、守秘義務というか漏らした場合、例えば刑事罰とかということはあるんですか、澁谷議官
  124. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) アメリカにおきましては、大統領令によって機密文書の取扱いが明示されております。その中で、政府以外の者に対して機密文書にアクセスさせるのは、次の三つの条件全て満たす場合ということでございます。一つが、セキュリティークリアランスを受けているなど適正な資格があること、二つ目に、保秘契約にサインをすること、三つ目に、ニード・ツー・ノウと言っておりますが、真に知る必要があること、この三つの条件を満たす場合ということでございます。  アメリカ議員以外に見せているというのは、スタッフの中でも特にセキュリティークリアランスを経て、かつ、真に必要があるということのテストにパスしたスタッフというふうに聞いております。また、この保秘契約、ノンディスクロージャーアグリーメントの中では、保秘を守りますというだけではなくて、これを破ったら刑罰、刑法の規定の適用があることを正しく認識しますということに本人がサインするという仕掛けになっております。
  125. 紙智子

    ○紙智子君 いずれにしても、TPA法案の中でも、今アメリカのこの中でも、もっと情報公開を広げようというふうに言っているわけですよ。日本対応はそれから見ても余りにも閉鎖的だというふうに思うんですね。TPP交渉は、農林水産分野だけでなくて、日本在り方を大きく変える中身ですから、これはもっとやっぱり公開するということでやるべきだというふうに申し上げたいと思います。  最後に、TPA法案についてお聞きします。  TPA法案について西村大臣は記者会見で、TPA法案が先にあった方が日米協議は最後に加速する、現実的にはTPAがないと日米の合意は難しい、米国の事情で再交渉に応じることはないということを言われました。  TPA法案は、アメリカが通商交渉をする際に一定の条件の下で議会が大統領に貿易交渉を一任するものだと。今回の法案は、上院と下院のどちらかが交渉内容がTPAの要件を満たさないということで判断した場合、このTPAの円滑な手続を取らないと、議会TPPを修正できるという仕組みが入ったわけですね、これは新しく入ったということです。  西村大臣にお聞きしますけれども議会が修正できるのに再交渉に応じないなんてことを断言できるんでしょうか。
  126. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 私ども、ここまで日米でも議論を積み上げてきておりますし、それから十二か国で議論を積み重ねて、終盤に交渉が来ているという中で、各国とも、最後、政治判断をするにはアメリカのこのTPA法案が必要だという認識でおります。  これは、今委員お話があったように、一括して承認か承認でないかという手続をやってもらわないと途中でまた修正が入ってしまうというようなことを恐れて、みんななかなかカードを切れない、政治的な判断ができないということだと思いますので、そういう意味で、TPA法案交渉妥結には必要だ、日米交渉を進めていく上でも必要だと、早期成立期待するということを申し上げたわけでございますけれども、手続については、そのTPA法案の中で幾つか定められております。  これは審議中でありますので、その手続一つ一つについて今コメントする立場にないわけですけれども、しかし、どのような手続が行われようとも、私どもここまで積み上げてきておりますので、これを議会の何らかの判断で再交渉せよということになっても私どもとしては応じられない、ここまで積み上げたものをしっかりと最後妥結に向けて引き続き交渉していくという、そういう決意を私述べたところでございます。
  127. 紙智子

    ○紙智子君 決意でという話をされたんですけれども、根拠が分からないですよね。米国議会では、今までは、例えば大統領権限になったらそれをひっくり返すことはできないということがあったので、恐らく政府としては、そういうふうに動かなくしてからやらないといけないということだったと思うけれども、今度修正加わって、また議会が言ってみればそれを修正する可能性が出てくるという中で、今度また議会が、日本アメリカとで決まったとしても、それを再交渉、協議をするということが出てくるわけですよ。  それで、TPA法案の内容については、日本の国の中ではほとんどこれ出されていないわけですよね、どんな中身が入っているかということは。内容が非常に問題だというふうに思っているわけです。  それで、農産物の貿易については次のような要件を定めているわけですよ。一定の期日までに合衆国の輸出のための市場機会を減じている関税その他の諸負担を削減ないし撤廃するために、主要な生産諸国において相当高い関税、あるいは補助金体制の下に置かれている農産物の市場開放に優先順位を置く、高いところから優先順位を置くと。相当高い関税ですから、日本の米なんかはその対象になっていくということにもなると思うんですね。また、交渉相手の国の関税を合衆国の当該産品と同じかそれより低い水準まで削減する、これは牛肉とか豚肉なんかがこれの対象になっていくと思うんですけれども。  日本政府は、これ、農林水産委員会決議が守られたという評価をいただけるように全力を尽くすと、林大臣も何度もこれまでも言われていますけれどもTPA法案というのは、米国政府交渉するに当たって、何を獲得するか、目標をはっきりと定めて交渉するように求めている、しかも再交渉まで求めているんですよ。  TPA法案が可決されるとこれは日本にとってどうなのか、大きな脅威になると思うんですね。それなのに、西村大臣は、TPA法案が先にあった方が日米協議は最後に加速するというふうに言われているわけで、TPA法案成立するということを期待する発言をしているわけで、いや、これで本当に、この間、決議守ると、農産五品目は守ると言ってきたけれども、できるのかということになってくるわけです。  結局、アメリカの圧力でこの協議、交渉が加速していけば、アメリカの基準に合わせていかなきゃならなくなる、そういうことになるんじゃないのかということなんですけれども、これ、いかがでしょうか。西村大臣と、その後に林大臣にもお聞きします。
  128. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) TPA法案の基本は、議会は修正を付さずに協定に賛成か反対かの採決を行うというのが基本のルールであります。このことを我々重視をしているわけでありまして、これで各国は様々な最後政治判断をして、妥結に向けて交渉が加速をするということでありますけれども。  もちろん、TPA法案の中に否認の手続も盛り込まれておりますけれども、これについては、今委員お話があったように、米国政府が、あるいは議会がそれについてどう判断するかということでありますので、その目標、書かれている内容等についての判断はアメリカ側にありますので、私がそれについてどうこうコメントする立場にはありませんけれども、いずれにしても、私どもアメリカ議会がどういう判断を最終的にしようとも、再交渉には応じないという立場で交渉に臨んでおりますので、私どもとしては、一括の最後、採決がされることを期待しての、そういう意味を込めてのTPA法案成立期待をしているというところでございます。
  129. 紙智子

    ○紙智子君 林大臣にも聞こうと思ったんですけど、時間なくなったので、もし一言あればお聞きしますけれども。  やっぱり、アメリカ議会が、このアメリカ政府に求めている交渉上の目標を、答える立場にありませんというんじゃなくて、ちゃんと目標をしっかり分析をして、国会にも日本の国民の皆さんにも知らせるべきだと思うんですよ。  いつも私、繰り返してきましたけれども、やっぱりこういう本当に日本在り方を根本的に変えるような交渉からは直ちに撤退するべきだということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
  130. 山田太郎

    山田太郎君 日本を元気にする会の山田太郎でございます。  今日は、TPP、それから毎度になりますが、一人十ヘクタールの問題というところを続けていきたいと思っておりますが。  今日、大事な局面でありまして、まさにTPPの問題、西村大臣には御苦労さまです、ずっと委員会お付き合いいただきまして。各委員が全部質問しちゃって、私は退席していただこうと思ったんですが、重要なことも残していると思いますので、まず、このTPP情報開示の問題、西村大臣から質疑させていただきたいと思っております。  まずお聞きしたいんですが、先ほどから各議員方々がもう話をしていると思うんですが、日本アメリカも、今回TPPが決まった場合には再交渉をしない、こういうことでよろしいんですよね。そういうことで、例えば、日本議会議員が見てこれはという声が出たときに、もう再交渉はできない、あるいはアメリカ側も、日本が再交渉する場合にはそれはのめない、こういうことでお互いよろしいのか、もう一度確認させてください。
  131. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 十二か国で、それぞれの国内の手続については各国は責任を持つという信頼関係の下で交渉を進めております。  したがって、私どもとしては、国会決議も踏まえながら、皆さんが国会で承認をしていただけるということを頭に常に置きながら交渉を進めているわけでございますし、それから、アメリカアメリカで、このTPA法案との関係、それを通して、そして議会との関係もしっかりと手続、整理しながら、政府が責任持ってこれはやるという、ほかの国も、各国、国内手続は責任持ってやるという、そういう信頼関係の下で交渉を進めておりますし、その下でここまで交渉が積み上がってきておりますので、私どもとしては、これまで積み上げてきたものをまた元に戻す、再交渉するということには応じない姿勢で臨んでいるところでございます。
  132. 山田太郎

    山田太郎君 今の西村大臣発言を聞いていると、じゃ、日本議会で批准に失敗してしまった場合どうなるのかなと。どうして国会や国民の意見を聞いていないのに、しっかりいわゆる国民の声が頭に入っているのか、私にはちょっと正直さっぱり分からないんですね。  もう一つ日本で批准に失敗する、承認されないというリスクを全然感じていないのか。自公さん、もしかしたら党議拘束があるから、最後はそれのむんじゃないかと。でも、本当に正義ある議員の方がこれはさすがにというふうに思ったときに、そういう批准ができないというリスクを感じていないのか。又は、我が国TPA法案でやあやあやあやあ言っていますが、アメリカ側からも、言わば、日本議会はちゃんと批准できるのかと、そういう担保はないわけなんですよね。  まず、政府が専管事項として条約を議論されるのはそれは構わない。憲法にも保障されている仕組みではありますが、やっぱり議会の批准ということが必要でありまして、その場合に、どうして全く議会とのコミュニケーション又は国民とのコミュニケーションを取らない中で批准できるという自信を持っていらっしゃるのか、お答えいただけますか。
  133. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 私ども、これまでも、この秘密保持契約がある下で苦慮しながら、できる限り情報開示に努めてきているところでございます。  先ほど審議官の方から説明を申し上げましたけれども、五月一日にも、テキストの内容そのものではありませんが、これまで以上に詳しい内容を公開をしたところでありますし、こうした国会での質疑の場などを通じて、できる限り丁寧に説明をしてきているところでありますが、この点更にしっかりと丁寧に御説明をしながら、さらに、国会で御承認をいただく段階になった場合には、もちろんこれは当然テキストもしっかりと開示をするわけでありますけれども、丁寧に御説明をして、国会先生方にしっかりと御理解をいただいて、承認いただけるように全力を挙げて努力をしてまいりたいというふうに思います。
  134. 山田太郎

    山田太郎君 もう一度聞きますが、アメリカ側からの疑念として、交渉の中で、日本で批准されない可能性はあるのかないのか、そういったことが議論に上ったことは一切ないんでしょうか。
  135. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 先ほども申し上げましたけれども各国十二か国がそれぞれ国内の手続は責任を持つという信頼関係の下でこれまで交渉を進めてきているところでございます。
  136. 山田太郎

    山田太郎君 非常に政府と与党の関係が良好であればなんですが、この問題、やっぱり農水委員会の中でもまたいろんな意見が議員の中にあることは私もこの委員会審議をずっと参加させていただいて感じているところであります。  これはやっぱり、ここに参加している農水委員の皆さんも、この交渉が裏切ったことにならないように、先ほど実はちょっと徳永議員の方からも触れていただいたんですが、今日、私は農林水産委員会国会法の五十二条の二項、この農林水産委員会を秘密会にしていただいて、是非、この問題を、この参議院の農林水産委員会の中でテキストを見せていただくということを進めていただきたいというふうに思っています。  外部に情報を漏らさないということが前提であれば、この国会の秘密法というのは外部に情報を漏らさないという前提で作られているわけですから、まさかこれ自身がアメリカ合衆国に否定されるような法律又は仕組みではない。これまで国会でもこの国会法の五十二条の二項は発令されているケースもあります。  是非、これは農林水産委員長にお願いして、この秘密会を前提として決めていただいて、そして職権でもって、政府に対してこの農林水産部分のテキストを見せてくれということをお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
  137. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 先ほど徳永委員からも発言のあったことでもあり、理事会で協議いたします。
  138. 山田太郎

    山田太郎君 委員長、大変積極的な御発言というか、御裁可ありがとうございます。  これからが我々国会としても勝負、これ政府だけに任せておくわけには私はいかないというふうに思っておりますので、TPP賛成派であれ反対派であれしっかり、我が国国会議員が、あるいは国民の代表として批准できる内容なのかどうか、再交渉がないという前提であればその前に見ておくということが私は筋だと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思っております。  まずTPPに関してはこれが重要なことでありましたので、西村大臣、ここで委員長の許可があれば退席していただいて結構だと思っております。
  139. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 西村大臣、御退席されて結構でございます。
  140. 山田太郎

    山田太郎君 ちょっと毎度のことになってしまっているんですが、どうしても腑に落ちないので、例の一人十ヘクタール、農村計画ですね、この辺り少し触れていきたい、是非質疑してすっきりしたいなと、こういうふうに思っておるわけでありますけれども。  まず、農林水産省さんにも本件に関してはもう随分何度も何度もコミュニケーションをさせていただきました。いろんな資料を出していただいたということに関しては大変感謝しております。ただ、その中で、やはり私自身、一人当たり十ヘクタール、十町歩です、やることが本当にできるのかということについてはまだ疑問が残っていますし、なぜこのことにこだわりを持つかといえば、このことが今後どれだけの農業の就農者が必要なのか、あるいはどれぐらいの、いわゆる土地利用型なので、田んぼが、まあ事実上田んぼだと思うんですけど、耕していけるのか。本当に大事な基礎の考え方になるから、ここをちょっと通過してその他の議論ができないなと思ってこだわらさせていただいております。  そんな中で、今回、農林水産省さんからいただいた資料を見ながら質疑させていただきたいんですが、お手元にお配りさせていただいていると思いますが、二枚目を見ていただけますでしょうか。  前回、農林水産省さんの方からお話しいただいた前提は、ちょっと見にくいというか数字がいろんなところに細かく書いてあるんですが、ピンク色にちょっと塗ってあるところですね。十ヘクタール、この面積でいうところの法人経営の、これは常雇いがいる耕作経営に関して全体をまとめたものということでありますけれども、それが法人経営しているところでは大体十ヘクタール、八割できているじゃないかと、面積当たりを見ていらっしゃって、これを根拠にいわゆるできるんだと。できるのとやるのとはちょっとまた違ったりするんですけれども、そういう根拠を示していらっしゃいました。ただ、経営体数を見ていただくと四百八十七経営体数。サンプルというか、常雇いがいる法人経営千百四十五の中でも、やっぱり四百八十七経営体数しかできていないんですよね。  もう一つ、人数の方も見ていただきたいんですが、例えば法人経営でその八割できていると言われている十ヘクタールも、実際人数では千二百八十五名ということでありまして、全体の左側、ウというところとカというところを比べていただきたいんですが、五千三百十九人に対して千二百八十五名ということで、全体の上位二四%しか十ヘクタール以上というのはできていないわけであります。  もう一つ、もっと大事なのは主業農家ということでありまして、この主業農家も含めて全体で平均一人十ヘクタールできないと計画というのが前に進みませんから、ちょっとその辺りも確認させていただきますと、まさに十ヘクタールを示しているのがオというところになりますが、これは四百四十一名。六千八百二十五名のアに比べても、十ヘクタール以上はたった六%ということでありまして、資料をもらったんですが、逆にこれをいただいて見てみるとやっぱりできないんじゃないかなと。  しかも、この資料は常雇いがいるというケースを捉えているわけでありまして、基幹的農業従事者というのが百六十八万人いるんですが、これは僅か一万二千百四十四人の資料。常雇いがいるということで、どちらかというと生産性は高い、規模を割と拡大してやれる部類の人たちのサンプルというか、データをかき集めたということですが、大宗、つまり多くの、百六十八万人に対してはもっとこれ以下の状況、傾向になっているのではないか、こういうふうに思うわけであります。  そういった意味で、せっかく資料は作っていただいたんですが、資料を見れば、ますます一人十ヘクタールは難しいんではないか、こういうふうに思うんですが、改めて農林水産省さん、この辺りいかがでしょうか。
  141. 奥原正明

    政府参考人(奥原正明君) 四月から御議論いただいているテーマでございますが、今回の農業構造の展望におきましては、十年後の農業労働力の見通し、こういうものを提示をしておりまして、その付録として現在と同程度の農業生産を維持するのに必要な農業就業者の数、これを試算しております。  このときの農業就業者、その資料にも書いてございますけれども、基幹的農業従事者とそれから常雇い、これでどのくらいの人が必要なのかと、こういう試算でございます。要するに、片手間でやっている、アルバイトでやっている人たちが何人いるかということではなくて、農業に基本的に専念していただいているような方々がどのくらいの数いれば日本農業が継続的に回っているのかと、こういう試算をしてみたものでございます。  この試算に当たりまして、土地利用型の作物につきましては今後更に構造改革は当然進んでいくことを前提にしておりまして、いろいろ見ていただいているこの資料、これを一つの根拠にしながら、農業就業者一人当たり十ヘクタール程度を耕作するという仮定で計算をしているわけでございます。  この仮定を作るに当たりまして、今もお示しいただきましたデータですけれども、これは平成二十二年の農林業センサス、これを組み替えて集計をしたものでございますけれども、常雇いがいる稲作経営の状況、これを分析をして、これを参考にしたわけでございます。  何でこの常雇いがいるところを取ったかということでございますけれども、稲作の場合には兼業農家の数が非常に多いわけですけれども、兼業農家では一人当たりの耕作可能面積がどのくらいか非常に判定し難いという問題がございます。それから、中には非常勤を雇っておられる経営体も当然あるかと思いますけれども、非常勤の場合にはその就業者の方はフル稼働しているわけではございませんので、この場合も一人当たりの耕作可能面積がどのくらいか非常に判定し難いと、こういうことがございます。このために組替えをいたしまして、一人当たりの耕作可能面積を判定するためのデータとして常雇いがいる稲作経営を用いたということでございます。  確かに、御指摘いただきましたように、この表の中で十ヘクタールを超えているところ、こういう経営体の数とかこういうのがどのくらい大きくシェアを占めているかというのは、これは議論があるかと思います。これは現状のデータでございますので、今後、構造改革をきちんと進めていきながら、それから法人化も進めながら、その中で一人の農作業をやる方がどのくらいできるのかと、こういうことで試算をした、こういう代物でございます。
  142. 山田太郎

    山田太郎君 できるかできないかというような辺りをお伺いしたんですが、ちょっと別の角度から林大臣にもお伺いしたいと思っているんですけれども、実は、十ヘクタールという大きさがどれぐらいなのかということを、ちょっと実感でもってやらないと何となく議論も進まないかなと思って、クイズみたいで申し訳ないんですが、東京ドームのグラウンド部分を一個取ったときに、十ヘクタールって何個分に当たるというふうに思われていますでしょうか。済みません、こんなクイズで申し訳ないんですが、林大臣、お願いします。
  143. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 多分ホームランを打つのに百何メートルぐらいだと思いますから、一つ一ヘクタールとかその程度だと思いますので、計算するとあれが八つとか九つとか、大体そんな感じでしょうか。
  144. 山田太郎

    山田太郎君 大変すばらしいですね。七・七個分でありまして、まさに多分許容範囲のピンポンということでありますが。逆もありきでちょっと想像していただきたいんですが、あれ、七・七個分を一人でやるという、二人でやっていたら倍なんですよね。余りテクニカルというかトリッキーなことをしたくないんで、通常東京ドームというと四・七ヘクタールという全体を使うんですが、全体じゃ訳が分からないのでちょっとグラウンドというふうに目に見えるところを使わせていただいたんですが。  私は今回この話を言っているのは、農林水産省さんがいいとか悪いとか責めたいとか言っているわけじゃないんです。現実的なやっぱり政策を取らないと付いていけない、農民の方も現場も付いていけないんじゃないかということを是非言いたいんですね。  それから、もう一つ資料を見ていただきたいんですが、次のページなんですけれども農業労働力の見通しということで、真ん中の上の平成二十二年、現状ということで、二百十九万人の内訳がどうかということで、確かに六十歳以上が非常に偏っていると。これがこのままいくとどうなっちゃうかということで趨勢というのを作っていただいているんですが、確かにこれだと九十万人を割っちゃうと。なので、下のように持っていきましょうということなわけでありまして、大変、いわゆる六十代から九十代ですね、このボリュームにたくさんの人たちがいて、まさにこの人たちがどんどん離農、やめていく、引退されていくと本当に誰も耕す人がいなくなるという、この資料はよく農林水産省さん今回作っていただいたというふうに思っています。  まず大変なのは、この状況を我々農林水産委員国会議員も把握しながら今後の農政をどうするべきかということの議論になるわけなんですが、逆に、こう考えた場合に、じゃ、一人当たりがどうでどれぐらいできるのか。私は、余り反対というか文句ばかり言っていても仕方がないので、五ヘクタールやるのが精いっぱいだと思っているんですよ。五ヘクタール一人もかなり私は大胆だと思っています。五ヘクタールの根拠は、単純に考えたんですが、認定農業者がいるという、前回これも農林水産省さんからいただいた、一経営体当たり今認定農家では平均七・一ヘクタールだと言っているので、まあこれ頑張って考えたときに、二人以上はいるということでしょうから、まあ五ヘクタールぐらいやるのも相当大変だろうなと。  そう考えていくと何が起こるかというと、割り算の世界に例えばなっていくわけなんですよね。つまり、今ある三百万ヘクタールというのをどうするのか。八割をいわゆる集積するということなわけですけれども、それが大体三百万ヘクタール以下ということなんですが、一人五ヘクタールになると百五十万ヘクタールしかできないということになるわけであります。  私は、ここはもうまさに政治家の判断だと思っておりまして、正直、ぶっちゃけ、この委員会で私はもう考えていることを言いますと、多分百五十万ヘクタールしかできないんだと思うんですよ。このままほっといてあっちゃこっちゃ耕しましょうというふうに幾ら言っても、残念ながら耕作放棄地が担い手がいないために増えていってしまうと。輸出政策も、確かに農協の改革も大事だというふうに思っておりますが、それ以上に担い手がいないんだということですよね。  そして、一人十ヘクタールやった場合には九十万は維持できるけれども、毎年二万人ということでありますが、これが仮に五ヘクタールしかできないということになりますと、逆に三百万ヘクタールを維持しようと思ったら毎年四万人の新規就農者が単純にいなければいけない。その新規就農者で、考えてください、東京ドーム七・七個分のあのグラウンドをこれからあなたたちは一緒に耕していただくのよということはどう考えても無理なんじゃないかなと。つまり、何かを考え直さなければ私は日本農業、田んぼや土地利用型の農地というのはもうもたないというふうに思っているんですね。  よく官僚の無謬性ということがありますが、一生懸命この計画を作っていただきました。ただ、十ヘクタールと書いちゃったものを多分もしかしたら直せないということなのかもしれませんが、私は、勇気を持って、これは五ヘクタールとか、五ヘクタールだってすごいことだと思いますし、もう一つ言うとすると、じゃ、それだけ今の平均の何倍ものヘクタールを一人が耕さなきゃいけない、その政策がどこにあるのか、それをしっかり本来書くべきですが、大規模化に関しては中間管理機構の話しかありませんし、中間管理機構自身も十ヘクタールに一人当たりまとめていくという政策はないんですよね。  ということで、私はもうここは政治決断だと思いますが、何度もやっておりますので、林大臣の方に、この辺りの議論、本当に一人十ヘクタールでいいのか、見直すのであれば、いつやるの、今でしょということだと思うんですが、この辺りいかがでしょうか。
  145. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 今でしょと言っていたのも林先生だったわけでございますが。  十ヘクタールというのは例えば七・七個分だということですけれども、やっぱり目標として、ICTを活用するだとかいろんなことを今から考えていって、目標としてどういうことができるのかということも、当然今の前提で全部詰め詰めでやれば確かに平均値で十というのは今の現状からいうと難しい数字かという御指摘もあるわけでございますけれども、一方、この数字は構造改革が進んで最低限どれだけ人数が要るかというのを導き出すために出している数字ですから、これで絶対やっていくんだという目標というよりは、最低限でもこれぐらい要りますという数字を逆に出しているわけです。  逆に言うと、これを減らしていけば二万人が増えていくから青年就農給付金もっと出せという予算の要求の材料にはなるかもしれませんけれども、そういうことではなくて、一方で五ヘクタールを前提としますと一人当たり二百万円程度の所得になるわけで、そこに若い人にどんどん入ってこいと言うのも逆にこれはなかなか難しい問題ではないかなと、こういうふうにありますので、やはりいろんな仮定の数字でありますけれども、今申し上げたように、農地集積を図っていく、それから大区画化をやっていく、これ今でもやっておりますけれども、さらに直播とかICTを活用したことをやっていくということで、今でも法人経営の中では二四%の人がやって現にいらっしゃるわけでございます。私も見に行ったことありますけれども、かなりの工夫によってやっていらっしゃる方も実際いらっしゃいますので、やはりこれを目標に置いて、しっかりとそこに向けて何ができるのかをやっていくというのが今我々が持つべき姿勢ではないかというふうに思っております。
  146. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 山田君、もう時間でございます。
  147. 山田太郎

    山田太郎君 はい、時間が来ました。  また、ちょっと引き続きこれについてはしっかりやっていきたいと思っております。  本日はどうもありがとうございました。
  148. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  149. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 次に、農林水産省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。林農林水産大臣
  150. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 農林水産省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  我が国農林水産業は、農業生産額の減少と高齢化の進展、耕作放棄地の増加等の問題に直面しており、農林水産業の活性化を図ることが待ったなしの課題となっております。このため、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村の実現に向け、農林水産物等の輸出促進を始めとする施策をそれぞれの地域の実情に即して着実に推進していくことが必要となっております。また、地方創生をより進めていくためには、現場の要望をくみ上げ、現場の課題を共に解決することが必要となっております。これらを踏まえ、地域の実情に応じて、農政を機動的に展開できる体制を整備するため、農林水産省地方支分部局の組織再編を行うこととし、この法律案を提出することとした次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、農林水産物等の輸出拡大を図るため、地方農政局及び北海道農政事務所の所掌事務について、農林水産省の所掌事務に係る物資についての輸出に関する事務を追加することとしております。  第二に、地方農政局及び北海道農政事務所の分掌機関として設置している地域センターを見直し、その業務及び人員を地方農政局及び北海道農政事務所に集約するとともに、現場と農政を結ぶための相談業務を担う部門を整備し、その所掌事務として、農林水産省の所掌事務に関する相談の事務を地方農政局及び北海道農政事務所の所掌事務に追加することとしております。  以上がこの法律案の提案の理由及びその主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  151. 山田俊男

    委員長山田俊男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十分散会