運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2015-12-11 第189回国会 参議院 東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年十二月十一日(金曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十月九日     辞任         補欠選任      酒井 庸行君     岡田 直樹君      若松 謙維君     横山 信一君  十月十三日     辞任         補欠選任      岡田 直樹君     酒井 庸行君      横山 信一君     若松 謙維君  十月二十一日     辞任         補欠選任      川田 龍平君     儀間 光男君      真山 勇一君     東   徹君  十二月十日     辞任         補欠選任      岩城 光英君     豊田 俊郎君      宇都 隆史君     山下 雄平君      上野 通子君     二之湯武史君      佐藤 正久君     三木  亨君      高階恵美子君     島村  大君      大島九州男君     石上 俊雄君      徳永 エリ君     増子 輝彦君      水岡 俊一君     大久保 勉君      浜田 昌良君     荒木 清寛君      中野 正志君     和田 政宗君  十二月十一日     辞任         補欠選任      阿達 雅志君     高野光二郎君      滝波 宏文君     森屋  宏君      二之湯武史君     大沼みずほ君      石上 俊雄君     大島九州男君      増子 輝彦君     小見山幸治君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         櫻井  充君     理 事                 熊谷  大君                 中原 八一君                 堀内 恒夫君                 礒崎 哲史君                 浜野 喜史君                 新妻 秀規君                 紙  智子君     委 員                 阿達 雅志君                 愛知 治郎君                 大沼みずほ君                 岡田  広君                 片山さつき君                 上月 良祐君                 酒井 庸行君                 島村  大君                 高野光二郎君                 滝波 宏文君                 塚田 一郎君                 豊田 俊郎君                 二之湯武史君                 堀井  巌君                 三木  亨君                 宮本 周司君                 森 まさこ君                 森屋  宏君                 山下 雄平君                 石上 俊雄君                 大久保 勉君                 小見山幸治君                 田城  郁君                 田中 直紀君                 前田 武志君                 増子 輝彦君                 荒木 清寛君                 若松 謙維君                 田村 智子君                 山口 和之君                 東   徹君                 儀間 光男君                 和田 政宗君                渡辺美知太郎君                 山本 太郎君    国務大臣        経済産業大臣   林  幹雄君        国土交通大臣   石井 啓一君        国務大臣        (復興大臣)   高木  毅君    副大臣        復興大臣    長島 忠美君        復興大臣    若松 謙維君        経済産業大臣  高木 陽介君        環境大臣    井上 信治君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君        常任委員会専門        員        櫻井 敏雄君    政府参考人        復興庁統括官   吉田 光市君        復興庁統括官   内海 英一君        復興庁統括官   熊谷  敬君        厚生労働大臣官        房審議官     堀江  裕君        厚生労働大臣官        房審議官     吉田  学君        経済産業大臣官        房総括審議官   田中 繁広君        経済産業大臣官        房地域経済産業        審議官      井内 摂男君        経済産業大臣官        房審議官     若井 英二君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      多田 明弘君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        金尾 健司君        国土交通省道路        局長       森  昌文君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    鎌形 浩史君        環境省総合環境        政策局環境保健        部長       北島 智子君        原子力規制委員        会委員長     田中 俊一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○東日本大震災復興総合的対策及び原子力問題  に関する調査  (東日本大震災復興総合的対策に関する件)     ─────────────
  2. 櫻井充

    委員長櫻井充君) ただいまから東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、真山勇一君、川田龍平君、岩城光英君、宇都隆史君、上野通子さん、佐藤正久君、高階恵美子さん、中野正志君浜田昌良君、水岡俊一君、大島九州男君及び徳永エリさんが委員辞任され、その補欠として東徹君、儀間光男君、豊田俊郎君、山下雄平君、二之湯武史君、三木亨君、島村大君、和田政宗君、荒木清寛君、大久保勉君、石上俊雄君及び増子輝彦君が選任されました。     ─────────────
  3. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事新妻秀規君を指名いたします。  なお、あと一名の理事につきましては、後日これを指名いたします。     ─────────────
  5. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災復興総合的対策及び原子力問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、復興庁統括官吉田光市君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 東日本大震災復興総合的対策及び原子力問題に関する調査を議題とし、東日本大震災復興総合的対策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 増子輝彦

    増子輝彦君 おはようございます。民主党・新緑風会の増子輝彦でございます。  閉会中審査、ようやく開かれました。私どもは臨時国会是非開いてほしいと、通常国会後三か月にわたっての国会が開かれていないという異常な状況の中で、私ども、政府与党お願いをしてまいりましたが、残念ながら今日まで国会が開かれないという状況の中で、ようやくこの復興原子力問題特別委員会閉中審査ということで開かれたこと、まあ遅きに失した感はあっても、私はよかったなというふうに思っています。  そして、今日、私は福島選出ですが、大変原子力災害等を含めて厳しい環境の中にあるこの状況で私に質問の機会を与えていただいた方々、それぞれの理事さんに御礼を申し上げたいと思います。  実は、今日は月命日でございます。あの東日本大震災原子力災害からもう四年九か月目になったわけであります。いまだ福島県におきましては十万人を超える方々避難生活を強いられているという大変厳しい現状であります。仮設住宅にも三万人近くの方々がおいでになっているという現状、特に帰宅困難区域方々におかれましては、いつ戻れるか分からないという大変厳しい環境の中での生活であります。廃炉には、場合によっては百年は掛かるだろうと言われている。汚染水対策もまだ十分でもありません。生活再建、あるいは除染、子供の健康管理インフラ整備、様々な課題福島県には山積しているわけであります。  私ども、一年九か月の政権与党時代に様々な制度設計をして、一日も早く福島県の復興、あるいは東日本大震災被災を受けられた宮城県や岩手県やそれぞれの地域皆さんの一日も早い復興再生ということで努力をしてまいりました。このことについては与野党はありません。やっぱりオールジャパン体制でしっかりやっていかなければいけないと思っているわけでありますから、今日、新しくそれぞれ担当大臣となられた皆さんにも、是非このことをしっかりと踏まえて今後とも御尽力を賜りますよう、まず冒頭お願いを申し上げておきたいと思います。  そういう中で、実は先般、地元紙投書欄にこういう記事がございました。前の復興大臣期待外れであったけれども、今回の高木大臣、一体どうなってしまったんだろうと。様々な、今大臣身の回りには起きているようであります。やはり、被災地あるいは被災者との信頼構築というのは極めて大事だと思います。  昨日も第一原発に、昨日でしたか、入っていただいたということ、これは大変重要なことであります。もちろん林大臣にも既に入っていただきました。先般の国土交通委員会では、石井大臣には、一日も早く一Fの方にお入りをいただきたいという御要望もさせていただいております。  原発災害で苦しむということは、その原因である一Fの状況がどうなっているかということをしっかりと自分の目で確かめていただきたい、そのことによって、どういう問題が起きているのか、何が必要か、そういうことをしっかりと今後政府立場で対処していただきたいと、そう思っているわけであります。  高木大臣、いろいろ問題、身の回りに山積をしているわけであります。私はこの復興特別委員会で、原子力問題特別委員会であえて細かいことは申し上げません。是非高木大臣被災地皆さん、あるいは被災者皆さんにしっかりと信頼構築ができるように、どのような姿勢で今後やっていくのか、被災者に寄り添い、被災者信頼を回復して、どのような形の中で自分政治家としての、あるいは大臣としての、その心構え信頼構築をしていくのか、これは最も大事なことであります。  先ほど、冒頭に申し上げたとおり、やはり県民皆さん、特に福島県の皆さん、本当にころころ替わる復興大臣福島県の復興ができるのか、あるいは東日本大震災被災者被災地域ができるんだろうか、その復興が。大変そういう疑念や不安や不満を持っているわけであります。是非高木大臣にはこのことをしっかり頭のど真ん中に、心のど真ん中に入れてやっていただかなければならない。  信頼回復あるいは信頼構築に対して、どのような心構え姿勢で取り組んでいるのか、冒頭に御見解をお伺いしたいと思います。
  9. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 御質問にお答えする前に、改めまして、時間をいただき恐縮でございますけれども、この度、復興大臣を拝命いたしました高木でございます。櫻井委員長始め理事委員皆様方の御指導、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  また、今日は十二月十一日、ちょうど四年九か月でございます。改めて、お亡くなりになられた方、御冥福をお祈りしたいと思いますし、全ての被災者に心からお見舞いを申し上げ、この四年九か月、復興に向けて御尽力いただいております被災地皆様方に心から敬意を表したいというふうに存じます。  今、増子先生から被災地との信頼関係という話がございました。被災地と私との信頼関係、これはもう何よりも大切なことだというふうに重々承知をいたしておるところでございます。いろいろと私のことで大変お騒がせをいたしておりますけれども、しっかりとやはり説明をして御理解をいただくという努力が大切だというふうに思っておりますし、また、被災者の方と寄り添う、あるいはまた現場主義を貫く、そうしたようなことで被災地皆様方の声を聞く、そして、そのニーズがどこにあるのか。福島もそうでありますし、宮城岩手におきましても、被災地方々、いろんな状況にあるわけでございますので、そうしたことを的確に捉えて、今どのような施策が必要だということを把握をしながら、それに対応していくということが大事だというふうに思っております。  復興が進むにつれて新たな課題というのも出ているということも承知をいたしておりますが、そうしたことにつきましてもしっかりと把握をして、新たな課題には新たな方策を講じていく、そうしたようなことで信頼を勝ち得ていきたいというふうに思います。  いずれにしても、私の置かれたこの立場というものは非常に重い、これはもう増子先生おっしゃるとおりでございますので、その気持ちを十分持って対処していきたいと思いますので、是非被災地皆様、そしてまた増子先生にも御理解賜りたいと、そのように思う次第でございます。
  10. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、今後またいろんな大臣を取り巻く問題が起きてくる可能性があるかもしれません。政治家出処進退は自ら決めなければなりません。巷間、マスコミ等大臣辞任を望んでいるというような記事も出ている、いろんな思惑が出ているわけであります。もし、これ以上の様々な課題、問題が大臣周辺に起きたときに、大臣としては、政治家としての出処進退を明確にし、責任所在を明確にするという気持ちがあるかどうかをお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  11. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 政治家出処進退というものは自分で決めるものだというふうに認識をいたしております。
  12. 増子輝彦

    増子輝彦君 その気持ちをしっかりと持ち続けながら復興にも取り組んでいただきたいと思いますので、私からも重ねて、被災者に寄り添い、被災地にしっかりと足を運びながら、さすが高木大臣だったと言われるような足跡を残していただきたい、それができない状況であれば、やはり出処進退、自ら明確に責任所在も明らかにしていただきたいということを重ねて要望しておきたいと思います。  今日は、今年度のある意味ではおさらいのような実は時間軸であります。今までの経過を含めて、やはり被災者皆さんにも、来年はいい年を迎えたいと、こんなに復興が進んだという、そういう希望ある年にもしていかなければなりません。今、衆議院議長になっておられる大島理森当時復興加速本部長、自民党の復興加速本部長も、三年目の春は仮設住宅では迎えさせないと、そういうふうにお話をされました。もう五年になろうとしているわけでありますから、このこともしっかりと政府与党としてもそこを受け止めながら、これから様々な課題に取り組んでいただかなければなりません。  そこで、今日は、余り細かいことの質問というよりも、いろいろ申し上げませんが、端的に幾つかの点で、福島県民があるいは自治体が今悩んでいる点あるいは要望している点、住民皆さんがこうしてほしいという幾つかの点について質問をさせていただきたいと思います。  まず、帰宅困難区域、この復興についてであります。  九五%が帰宅困難区域となっている双葉町や大熊町がございます。大変厳しい環境なんですね。実は、ほかの地域除染が着実に進んでいることは言うまでもありませんが、この帰宅困難区域については、高線量地域ということで国が責任を持って実は除染をするということになっております。それぞれの自治体、特に双葉大熊復興ビジョンをつくりながら、一日も早く帰還をしたいという意向調査も含めながら様々なことを実はやっているんですが、今一番問題なことは、この除染についての計画が全く明確にされていない。ひょっとしたら、帰宅困難区域で、そこには中間貯蔵施設が、今、用地買収を行っていますが、できることによって、そのままなし崩し除染をしないのではないかという不安が実はこの地域住民自治体にあるんです。  この帰宅困難区域における除染の問題あるいはインフラ整備の問題、これらの問題が、もっと復興庁としてもそれぞれの関係省庁と明確にしていかないと、復興ビジョンを掲げても具体的な時間軸が示すことができない。これは、幾ら調整懇談会をやってそれぞれの住民皆さんとの意見交換をしても全く前に進まない。これは大変厳しい状況なんです。  帰宅困難区域復興について、このなし崩し除染をしない、インフラ整備を適当にしてしまう、そういう問題を含めて、しっかりと復興庁としても明確な方針を時間軸を含めて示していただかなければこれは困るわけです。このことについての復興大臣見解をお伺いいたします。
  13. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 現在、帰還困難区域でございましても、これまで道路あるいはごみ処理施設といった広域インフラ等については、除染災害復旧など復興復旧に取り組んでいるところでございます。  帰還困難区域除染インフラ整備等の今後の取扱いにつきましては、一つには放射線量の見通し、今後の住民方々帰還意向、将来の産業ビジョン復興拠点も含みますけれども、復興絵姿等を踏まえて、引き続き関係省庁あるいはまたもちろん地元皆さんと丁寧に相談を重ねながら検討していくと、そういうことではないかというふうに思います。
  14. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、検討していく段階からもっと前に進まなきゃいけないんです。地域住民皆さんは不安なんです。首長さんも住民との中でのいろんな問題で大変な実はあつれきが生じていることも事実なんです。もっと具体的に、明確に除染はしますよと、復興庁も含めて、これは明確にしていただかなければならない。それが全く示されませんから、幾ら復興ビジョンをつくっても絵に描いた餅というような心配があるわけであります。  是非、これは来年に向けて、復興庁として責任を持って、環境省とも、関係省庁とも連携を取る。復興大臣の位置付けは総理大臣直属でほかの大臣の一歩上にあるわけですから、あなたの指導力でしっかりやっていただかなければならない。これらについて、来年早々にも明確に具体的な方向性を決めるようにしていただけますか。いかがですか。
  15. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 御指摘はそのとおりだと思います。ただ、今の段階でどの時期ということは明確に申し上げることはできないというふうに思います。ただ、いつまでもどのような状況にするのかということを置いておくということは、これは良くないことだというふうに思いますので、一定の時期を見て、この帰還困難地域をどう除染していくかという方針は出すべきだというふうに思っております。
  16. 増子輝彦

    増子輝彦君 しっかりやってほしいと思います。  次に、復興公営住宅の問題でありますが、これも当初よりかなり計画が、実行、整備が遅れていることは大臣も御案内のとおりであります。もう既に、意向調査等を見ると、ふるさとに戻れない、戻らないという方々かなりの数で増えているわけであります。その間、戻りたいという間、復興公営住宅に入っていかなければいけないわけですが、入っていくわけですが、これ、みなし住宅から復興住宅ができたから移りなさいという強制的な問題もありますし、と同時に、復興公営住宅整備が遅れているがゆえに、せっかくできても、もう既に自分の住まいを確保してしまった、特に若い層はこのことが非常に顕著になっているんです。  このミスマッチ復興公営住宅、私は当初からこの問題は安倍総理にも予算委員会等でも強くお願いをしていたわけであります。遅れています。  仮に、大臣整備が整った段階で、半分も、五〇%も空き家が出たという場合、この空き家となった復興住宅についての対応の仕方。今のところは福島県では、民間に、いわゆる一般に払い下げないということもありますが、しかし、国費で造っていく復興公営住宅が、かなり財政措置をされているわけですから、造っても空き家野放し状態ということがあってはならない。多分そういう結果になると思います。  これらについての方向性も早く示していかないと、場合によっては途中で打ち切るということも必要かもしれません。このことについての見解をお伺いします。
  17. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 現在できた入居率は……
  18. 増子輝彦

    増子輝彦君 それは分かっています。
  19. 高木毅

    国務大臣高木毅君) はい、分かりました。  これからもし需要がなくなればということでございますが、当然それは必要があれば県とともに対応を考えてまいるということだというふうに思います。ですから、造り過ぎということのないようにしなければいけないというふうにも思います。
  20. 増子輝彦

    増子輝彦君 これ以上申し上げませんが、必ず余ります。かなりの率で余ると思います。そのときの処理というものをどうするか。今それは言えないといっても、考えられないといっても、国費を無駄に使うならば、それはどこかで、やっぱり県ともよく相談をして、建設を打ち切るということも場合によっては選択肢の一つとして出てくるかもしれません。よく実態を把握しながらこのことを検討していただきたいと思います。  次に、廃炉、このことは、先ほど申し上げたとおり、大変長い時間が掛かるわけであります。廃炉に向けて作業員の方がどんどん入り込んでいくわけであります。また、除染も今もかなりの人数があのエリアの中に入っている。高線量地域除染が本格的になれば、私の推測というか計算では、最低でも二万人はあの大熊双葉やあの周辺に常時人が入っていくということになります。  当然、福島特措法の中で、大熊町のいわゆる団地の造成も今年も実は改正をいたしましたけれども、あるいは、避難解除が、解除されることによってどんどんどんどん双葉郡内に人が戻っていくということを考えたときに、医療の充実ということ、医療機関整備ということは急務であります。  今、それぞれの避難解除に進んでいる地域は、診療所的な医療機関計画をしながら実際に造りつつあります。しかし、本格的な、もっと大規模な医療機関のこの私は設置というものが、極めて今後の重要な、あの地域における医療体制にとって必要だと思っています。特に、一Fの廃炉、高線量地域除染、非常に放射能との闘いが入ってくるわけであります。  もちろん、地域住民皆さんの長期的なそういう問題も含めて、この診療所的な小さな医療整備と同時に、病院としてあらゆる放射能の検査や治療や、あるいは総合的な医療機関というものが当然その地域に必要になってくると思います。この大きな医療機関整備を、是非今からしっかりと認識をして計画をしていかなければいけない。  これは復興庁の私は指導でやるべきだと思っていますが、これはもちろん厚労省との協議も必要になってくるでしょう、関係省庁との協議も必要になってくるでしょう、このことについて復興庁としてしっかりと認識をして、できるだけこのことも整備をしていただきたいと思っていますが、御見解をお伺いします。
  21. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 除染を行う、そういった業務を行う方の被曝線量の測定等の線量管理、あるいは放射線の障害防止対策、いろいろと必要になるわけでございますけれども、いずれにしても、この地域での診療所のみならず、そういった体制が整っている大きな医療体制というものの構築というものは大事だというふうに思っています。  また、これから帰還もしていただくわけでございますので、そうした住民の方のための医療体制というものもしっかりとやっていくということは私も必要だというふうに思っておりますので、今委員御指摘のとおり、復興庁、もちろん一義的には厚労省ということになるのかもしれませんけれども、先ほど来司令塔という言葉もございますので、復興庁としてもこういったことについてしっかりと対応していきたいというふうに考えているところでございます。
  22. 増子輝彦

    増子輝彦君 このことは早急に対策を講じた方が私はいいと思っていますので、是非進めていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。  それでは、国交大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。  御案内のとおり、先ほど申し上げたとおり、県内外に十万人を超える方々がまだ避難生活を強いられているわけであります。この方々がそれぞれ、一時帰宅とかあるいは自分の住まいの掃除に行きたいとか、様々なことを含めて今移動をされているわけであります。実は、その交通手段として何といっても高速道路の無料化というものは極めて実は重要な課題になっておりまして、このことについては、平成二十四年の四月一日から警戒区域等からの避難者の無料化の実施、あるいは母子避難者等については二十五年四月二十六日よりこの無料化が実施されておるわけであります。その都度更新されてまいりました。  今、福島の関係者の皆さんと会っていますと、増子さん、来年は大丈夫なのかな、高速道路無料化は大丈夫なのかな、我々はこういう生活を強いられているんだと、何とか無料化お願いしますねということの声が大変強い要望として上がっているわけです。  これらについては二十八年の三月三十一日まで取りあえず延長が認められておりますが、もう来年、間もなくですから、来年度に向けて是非そういう方々に、明るい、また少しでも負担の少ない、そしてふるさとにも行ったり来たり、あるいは全国ばらばらになっている方々についての交通手段としての高速道路の無料化というものも極めて大事だと思っています。  ちなみに、措置額は、警戒区域からは約八十億、母子避難者等は約一億と聞いております。軽減税率は今一兆円を超えるというような大変大きな予想外の規模になってきたわけでありますが、軽減税率も、それは公明党さん、自民党さんの立場も含めて必要なのかもしれませんが、是非この避難者に対して、それから比べればはるかに小さなこれは金額です。  と同時に、やはり高速道路会社との協議も当然必要になってまいりますが、是非もう早い段階から、来年もしっかりと、来年度以降も高速道路の無料化はやるよと。今から、ある意味では、クリスマスプレゼントではありません、お年玉でもありませんが、是非早急にこのことについて明確な方針を打ち出していただければ、被災者皆さん、避難者の皆さん、母子家庭の皆さん、大変私は喜ばれるんだろうと思います。大臣、いかがでしょうか。
  23. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 今御指摘いただきましたとおり、警戒区域等からの避難者に対する高速道路の無料措置につきましては、原発事故により政府として避難を指示又は推奨している区域等に住んでいた避難者の一時帰宅等の生活再建に向けた移動を支援する目的で、平成二十四年四月から実施をしております。また、母子避難者等に対する高速道路の無料の措置につきましては、原発事故により避難して二重生活を強いられている家族の再会を支援する目的で、母子避難者等を対象として平成二十五年四月より実施をしているところでございます。  現在の無料措置につきましては来年三月末までの予定で実施をしておりまして、その後の取扱いにつきましては、被災地復興状況を踏まえつつ、今後しっかり検討してまいりたいと存じます。
  24. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣大臣が今説明したことは当然承知の上で実は御質問をさせていただいて、私がお願いしているのは、先ほど申し上げたとおり、来年度に向けて早いそういう朗報といいますか、朗報というよりも当然のことですが、そういうことについて前倒しでそういういい御回答がいただけませんかということを言っているので、それほどの財政措置ではありませんので、ここは大臣のリーダーシップで、そういう方向で頑張るということで、是非もう一度御答弁をいただきたいと思います。
  25. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 現在の無料措置は来年三月末までの予定でございますが、その後の取扱いにつきましては、今いただいた御要望も踏まえてしっかりと検討してまいりたいと存じます。
  26. 増子輝彦

    増子輝彦君 まあこれ以上、再度お願いしても同じ回答でしょうが、先ほど大変、これはいいか悪いかは別として、軽減税率の金額からすれば、比較することもあるいはいけないのかもしれませんが、やっぱり原発災害で苦しんでいる方々のことを考えれば、早いそういう決定措置が必要だと思いますので、重ねて強く要望しておきたいと思います。  それから次に、前にも、太田大臣のときにも要望して、本当に明快にこのことについてはいいお話をいただきました、常磐道の四車線化。特に全線開通して交通量が非常に多いんです。大臣も行かれたとき、福島エリアを走ったかどうか分かりませんが、もう夜なんかすごいんですよ。私も相馬や南相馬から郡山へ戻るとき、あえてどういう状況かということを、高速道路を、高速料金高いんですが、その現状を知りたいということで度々使っています。  やはり、これから中間貯蔵施設のもし仮置場からの搬入が始まれば、更にこの利用度は高くなっていきますから、早急にこのことも、太田前大臣もやりますと言ってくれました。改めて石井大臣にも、このことについては、早くこのことに実施をしたいというような形の御見解をいただければ有り難いと思います。
  27. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 常磐自動車道につきましては、本年三月一日の全線開通後、交通量が多くなっております。また、九月八日の国土交通委員会においても、増子委員から早期実現の御意見をいただいたところでございます。  こういった中、七月に取りまとめられました国土幹線道路部会の中間答申におきましても、暫定の二車線区間については、その状態を長期間継続すべきではなく、機動的に対応すべきというふうにされております。この中間答申やあるいはパブリックコメントを踏まえまして、十一月の十三日に、暫定二車線区間を四車線化する際、第三者委員会での議論など透明性の確保を前提に、従来は国土開発幹線自動車道建設会議の議を経ておりましたが、この議を経ずに機動的に対応することが可能となるよう、手続をまず見直しをさせていただきました。  御指摘の常磐自動車道につきましては、地元からも非常に強い御要望も受けておりますし、被災地復興等の観点を重視しながら、四車線化を含めた効果的な対策をしっかりと進めてまいりたいと、このように考えております。
  28. 増子輝彦

    増子輝彦君 よろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、実は追加インターチェンジの要望が四か所ございました。これも前の太田大臣に、大熊双葉のインターチェンジについては早期に設置をする、それも料金徴収をする通常型のものにするということでの大変前向きな本当にいい回答をいただいておったわけであります。ようやく双葉町と東日本高速が協定締結へ一歩進んだということで、この二つの決定をいただいた大熊双葉インターチェンジは着実に私も進んでいて良かったなと思っています。  と同時に、もう二か所、南相馬と富岡の追加インターチェンジの要望が以前から出ていることは御案内のとおりであります。これはやはり、先ほど申し上げたとおり、中間貯蔵施設に本格的に汚染土壌や指定廃棄物が搬入されることになれば大変な実は交通量になっていくわけでありますから、そこへ入るための侵入のインターチェンジとしても、あるいは復興のためにも必要だということが当然明らかでありますから、南相馬、富岡町からの追加インターチェンジ要望について、前置きは結構ですので、私も十分承知しておりますので、限られた時間ですので、このことについて是非前向きにこのことも設置の方向でやりたいというふうなもし御見解がいただければ有り難いと思いますが、いかがでしょうか。
  29. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 常磐自動車道の追加インターチェンジにつきましては、大熊町、双葉町、南相馬市、富岡町の四か所のうち、特に強い要望のある大熊町、双葉町の二か所について、復興の加速化の観点から六月の十二日に事業着手をさせていただきました。現在、大熊町と双葉町が現地着手のための地権者説明を進めているところでございます。その後、NEXCO東日本において測量等の現地作業に着手する予定でございます。  また、南相馬市、富岡町への追加インターチェンジにつきましては、平成二十六年六月に改定をされました避難解除等区域復興再生計画におきまして、常磐自動車道への追加インターチェンジ設置に向け、県及び関係市町が主体となり検討に取り組むとされているところでございます。  被災地復興に向けた福島県及び関係市町における検討を踏まえながら、国土交通省としても必要な支援を行ってまいりたいと存じます。
  30. 増子輝彦

    増子輝彦君 ありがとうございました。  大臣、四番目の福島復興道路、これ、質問を省かさせていただきます。ありがとうございます。  じゃ、林大臣、お待たせをいたしました。  やはり福島復興については、双葉郡内の地域を含めて避難区域の地域の事業再生が極めて重要だと思います。これは官民合同チームをお作りいただきました。大変いいものを作っていただいたなということで私も大変喜んでおりますし、また、私なりにいろんな形の中で連携しながらこのことの体制をしっかりとつくっていくことに関わってきた一人として、是非これはもっとスピード感を持って進めていただきたいと思っています。  この官民合同チームの状況、これまでの訪問回数、事業再開希望の割合、訪問から見えてきた課題、様々なことも私も実はいろいろとお聞きをいたしております。このことは事務方から御返事をいただくことになっておりましたが、時間が限られておりますので、このことは私も十分承知しておりますので、このことの事務方からの、参考人からの答弁は要りませんので、大臣、今までの事業所の訪問を踏まえて、今後の事業者支援の基本的な考え方、何回も事業所を訪問して大分状況が分かってきたと思います。第二ステージといいますか、次の段階に入っていくということがこれから大事な状況になってまいります。  そうした場合、訪問をした結果を踏まえて、今後の事業者支援の基本的な考え方、簡単に申し上げますと、予算規模がどのぐらい必要かなとか、具体的にどんなスケジュール感でやっていくのかなとか、そういう具体性が来年以降は求められてくると思います。私の個人的な予算規模を取りあえず考えてみますと、三百億か、あるいは最低でも二百億ぐらいが当初必要かなと思っていますが、こういう予算規模に対するお考え方、あるいはスケジュール感等についてどういうお考えを持っているか、大臣、御見解をお伺いしたいと思います。
  31. 林幹雄

    国務大臣(林幹雄君) 増子先生がお話しされたとおりでございまして、官民合同チームでは事業者に訪問をして丁寧にその要望などを聞いてきたところでございまして、やはり事業者の生の声を聞くというのが非常に大事でありまして、これをやはりいかに施策に反映していくかということが必要だろうというふうに思っております。  具体的には、一つは、事業者の方々に寄り添った訪問、相談支援の強化をすること、そして、事業、なりわいの再開などを行う方々への思い切った支援をすると、加えて、事業を譲渡される方々、事業の再開に至らなかった方々、この方々の新たな生きがい、やりがいを創出すること、そして、事業者の帰還や事業再開を後押しする需要の喚起、こういったことを基本的な考え方として支援策の拡充を検討しているところでございます。  なお、予算規模に関しましては、事業者の自立へ向けて所要額を確保できるよう全力で取り組んでまいりたいと思っておりますし、またスケジュール云々でありますけれども、所要額の予算を確保して支援を早期に開始するということが多くの事業者の方々が事業を再開できるわけでありますから、それに全力を向けるということで取り組んでいきたいと思っています。
  32. 増子輝彦

    増子輝彦君 極めて重要な課題、予算、そして具体的なスケジュールというものがありますので、大臣指導力是非頑張っていただきたいと思います。  企業立地補助金とか非常にいい制度を私たちつくって、今も継続してやっていただいていますが、その中で一番問題は人材確保なんです。雇用が申請どおり集まらないから、実は、せっかく整備をした建物、施設ができたけれども、雇用が確保できないので返上しなければいけないというような大変危機感を持っている事業者が県内にたくさんいます。私のところにもたくさん来ます。雇用が確保できないんだと、何とかこれ、頑張りますけれども、何か制度も少し変えてもらうような企業立地補助金も検討してほしいなんという声が随分あります。  この官民合同チームの中小・小規模八千社、極めて人材確保という点では難しいことがあろうかと思いますので、そのことにもしっかりと取り組んでいただくよう、官民合同チームが頑張っていることは私は重々承知していますし、また私も励ましていますので、大臣、しっかりとこれからも指導力を発揮していただきたいと思っています。よろしくお願いします。  次に、実は商工業、農林業の営業損害賠償、このことも今非常に大きな問題の一つになっているんです。  二年分を一括して払うという営業損害賠償、これも若干、被災者皆さんの、商工業者さんの理解が今十分でないという問題が一つ出ているということもあります、これはしっかりとやっていただかなければなりませんが、もう一つ、農林水産業の営業損害賠償問題が、やはり同じ時期に実は一旦打ち切られますが、その後どうしていくかということがまだ具体的な方向性が示されていないというふうに私理解しておりますので、このことについて、農林業の営業損害賠償、どういう方向でいくということがあるのか、これについて御見解をお伺いしたいと思います。
  33. 田中繁広

    政府参考人田中繁広君) お答え申し上げます。  御指摘の農林業の営業損害賠償に関しましては、紛争審査会の中間指針等を踏まえ、避難指示区域内については平成二十八年十二月末までの六年分の逸失利益を一括でお支払をしておりまして、また避難指示区域外については、出荷制限指示やいわゆる風評被害による減収に係る損害について現在も賠償を進めているところでございます。  特に、御質問がございました避難指示区域内の農林業の営業損害賠償に係るその後の取扱いにつきましては、原子力損害賠償紛争審査会の中間指針なども踏まえつつ、農林業を取り巻く状況、さらには福島復興状況等も踏まえた上で、政府としての考え方もできるだけ早い段階でお示しできるよう、東京電力とともにしっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。
  34. 増子輝彦

    増子輝彦君 このことについて、大臣、今の答弁のとおりですので、これもまた、大臣、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  もう時間がなくなりました。環境省環境大臣はCOP21で不在ですので、井上副大臣においでいただいた。いつもありがとうございます。しょっちゅうもう新幹線で一緒になって福島に足を運んでいただいて、そのたびに御礼申し上げていますが、あえてまたここで御礼申し上げたいと思います。  三問質問をしておりましたが、時間がないので一問だけ。  実は、中間貯蔵の施設交付金、まさに中間貯蔵施設整備することによっての影響緩和交付金が交付されました。大変大きな金額です。しかし、残念ながら、これ使い勝手が悪いんですね。非常に自治体から見れば使い勝手が悪い。もう少し自由度が高まらないかなという声が多いんですね。今回、大熊町がようやく一部これを違う生活支援に使うという方向が打ち出されました。  是非、井上副大臣中間貯蔵施設建設にはかなり時間が掛かると思います。まだ二千四百人のうちの十数名しか地権者の同意得ていませんね。もっともっと時間が掛かると思います。しかし、生活支援のための対策はそれぞれ自治体がやっていかなければなりません。せっかく国から大きな交付金をいただいたんです。これをもう少し自由度の高いものに使えるような私は変更が必要かと思います。是非、このことについての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  35. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) 御指摘の中間貯蔵施設整備等影響緩和交付金でございますが、これは、増子先生御指摘のとおり、地元からもなるべく使い勝手のいい、自由度の高い交付金にしてくれといった御要望をいただいておりまして、そういう意味では、ソフト、ハードを含む生活再建地域振興に係る幅広い事業に活用をいただけるということになっております。  基金という性格上、地元の方で御検討をいただいて、その上で計画という形で御提出をいただいて環境省の方で確認をしていくということで、これからも地元の要望になるべく応えることができるように取り組んでいきたいと思っております。
  36. 増子輝彦

    増子輝彦君 ありがとうございました。  来年こそ更に復興が進むように、関係大臣皆さん指導力と御尽力をお願い申し上げまして、私の質問を終わらさせていただきます。  ありがとうございました。
  37. 新妻秀規

    新妻秀規君 公明党の新妻秀規と申します。本日も福島復興の加速にお役に立てるよう質疑をしていきたいと思います。  本日で震災より四年と九か月になりました。改めて、お亡くなりになられた方々に哀悼の意をささげさせていただくとともに、今も被災地で苦しんでいらっしゃる被災地方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  本日は、まず福島イノベーション・コースト構想についてお尋ねをしたいと思います。  甚大な被害を受けた福島県においては、今でも懸命な取組が行われています。この福島復興の原動力となるのが、国際廃炉研究開発拠点やロボット開発・実証拠点、そして国際産学連携拠点等の整備により新たな産業の集積を図る福島イノベーション・コースト構想です。これは、昨年の六月、当時の赤羽一嘉経済産業省の副大臣が提案したものと承知をしております。  この構想においては、党においても福島イノベーション・コースト構想プロジェクトチームを立ち上げまして議論をしているところです。私もその一員であり、先月末二十六日には福島県と意見交換を行わせていただきました。  本構想は、原子力災害によって失われた浜通りの産業基盤や雇用を再生をし、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックのときには、福島復興の姿を世界に発信することを狙いとしたプロジェクトです。  最も被害が激しい双葉地域における産業は、震災前に比べ、事業所の数が一六・八%、従業員の数が一四・七%、そして製造品の出荷額が一四・六%と大きく落ち込んでいる状況です。二〇二〇年に浜通り地域が世界から注目される復興再生を成し遂げるためには、一日も早くこの福島イノベーション・コースト構想の具体化を進めていく必要があると考えます。  この構想の実現については、国会においても総理を始め政府から前向きな答弁を繰り返しいただいております。  例えば、一月の二十七日、衆議院の代表質問においては、総理より、本構想は地元からの期待も強く、絵に描いた餅にならないよう、実現に向けてしっかり取り組む、このように御答弁いただきまして、また、十一月十一日の参議院の予算委員会閉中審査においても、同じく総理より、新たな産業の創出を始めとして、本格復興再生段階に向け、国が前面に立って取り組んでいくとの答弁をいただいております。  つい先日、十二月八日の衆議院東日本大震災復興特別委員会閉中審査においても、若松謙維復興大臣より以下の答弁が出ております。イノベーション・コースト構想は地元からの期待が高く、必ず実現をする、廃炉に不可欠なロボット産業を始め新産業の振興を図る、ロボットテストフィールドがロボットの国際標準化の拠点になれるかどうかが大きな使命、これが成功すれば地方創生の先導モデルとなるので、国が前面に立って取り組むことが必要、そのためにも、いろいろなプロジェクトを早期に整備また立地を進める、高木毅復興大臣高木陽介経済産業省副大臣等、他の関係省庁、県、市町村と協議、連携をして迅速に最大の努力をしていく、このような御答弁となっております。  ここで、ロボットテストフィールドとは、皆様、資料の一を御覧ください。この資料の一のイラストに示されるように、ロボットに関する規制の扱いを検討、実施する場とすることも視野に入れた災害対応ロボットの実証拠点と承知をしております。しかし、本構想の関連予算は概算要求段階ではいまだ事項要求にとどまっております。  ここで、資料二を御覧ください。この左から二列目がこのイノベーション・コースト構想の下の様々なプロジェクトが示されているんですけれども、個別のプロジェクトの工程が示されているのは、この上から四つの既に具体化が進んでいるものに限られております。  これがどういうものかというと、資料三を御覧ください。左上から、福島浜通りロボット実証区域、その右側、放射性物質分析・研究施設、そして左下、モックアップ試験施設、そしてその右、一番右下ですね、廃炉国際共同研究センター国際共同研究棟、この四つのある程度具体化が進んだものに限られていることが今年の四月二十二日の本委員会政府答弁で示されています。  ここで、資料の四を御覧ください。これは、本年六月の時点での各プロジェクトの進捗状況を示します。この最上段の、一、既に事業化が進んでいるものについては、これは先ほど資料三で見た四つのプロジェクトなんですけれども、これらについては、左から三列目が事業概要となっておりますけれども、済、済、済、済と赤の済マークが付いています。その一個右、中ほどよりちょっと右側に行きますけれども、実施・運営主体、これも済となっております。その右側、資金、これも済、済、済、済、済マークになっているわけなんです。  一方で、そのすぐ下、二、早期に事業化を目指すもの、さらにその下の固まり、事業化に向け更に検討が必要なもの、そしてその更に下、一部事業化に着手済みだが、更に検討が必要なもの、これについては、この一番下に凡例が示されているんですけれども、黄色が事業概要等が具体化したもので、この緑色の更と書いてあるのは更なる具体化を図るもの、青の未、未定のもの、こういう黄色とか緑とか青のマークが下の方の三つの事業には目立っているということが分かります。  資料の五が本年十月末時点での進捗を示しています。一番右の列が先ほど見た資料四での六月時点からの進捗なんですけれども、赤い字でこの間の四か月間の進展が示されています。  先ほど引用しました若松復興大臣の答弁では、いろいろなプロジェクトを早期に整備をする、関係省庁や県、市町村と協議、連携して迅速化に最大の努力をするとありました。この構想は、政府にあっては、復興庁、経産省、文科省など関係府省庁が緊密に連携を持って進めるものと理解をしております。  政府として、イノベーション・コースト構想の下のそれぞれのプロジェクトについてできるだけ早く工程表を示すことが必要だと考えます。具体的には、先ほどの資料四に戻りまして、個々のプロジェクトの事業の概要、また実施・運営主体、そして資金、こうしたところを、この黄色とか緑とか青のマーク、これをいつ赤に変えていくのか、この計画、すなわち工程表をできるだけ早期に策定をする必要があると考えます。これについては、先ほど申し上げました四月二十二日、本委員会での政府からの答弁で、構想化の具体化の段階においてもスピード感を持ってしっかりと取り組んでいくとの答弁もあるので、是非このとおり、個々のプロジェクトの促進をお願いをしたいと思います。  ここで質問させていただきます。  このそれぞれのプロジェクトについて、どのような仕組みで具体的な中身やスケジュールなどの検討を進めていくのでしょうか。また、運営主体について、地元自治体は国によるリードを大変に大きく期待をしております。これについてもどのように決めていくのか、答弁をお願いをいたします。
  38. 田中繁広

    政府参考人田中繁広君) お答え申し上げます。  イノベーション・コースト構想につきましては、その具体化に向けた進捗状況を共有し、構想の実現に向けた方策についてしっかりと議論を行うため、高木原子力災害現地対策本部長を座長とし、福島県知事、関係市町村の首長及び有識者を委員といたしますイノベーション・コースト構想推進会議を設置しております。本年六月の同会議におきましては、二〇二〇年を当面の目標として各プロジェクトの概要と目指すべきスケジュール実現に向けた課題を整理したところでございまして、また直近の会合におきましてもそのフォローアップを行っているという、そういう状況にございます。  こういった作業の中で、二十八年度概算要求におきましては、今御質問のございましたロボットテストフィールドやロボット技術等の共同研究施設の整備、イノベーション・コースト構想の重点分野を対象とした実用化開発などにつきまして事項要求を行っているところでございます。  今後、こういった予算につきまして確保をされるということになってまいりますと、このプロジェクトの実現に向けました個々の具体的な課題等についてしっかりとした実務的な検討を行っていくということになってまいりまして、その中でプロジェクトごとの詳細について具体化を図ってまいりたいと考えております。この検討につきましては、国と県がしっかりと協力をしながら進めていくということでございまして、この検討状況につきましては、先ほどの推進会議にも報告をし、推進会議におきまして全体の進捗をしっかりと確認していきたいと考えております。  また、運営主体についてでございますけれども、これまでも、整備を行います各拠点の特性を踏まえながらプロジェクトごとに関係者間の役割分担を決めてきているわけでございます。例えば、既に、今御指摘のございました廃炉ロボットの屋内実証拠点などにつきましては国の関係機関が運営主体になっておるわけでございますけれども、それ以外の、今後その運営主体を決めていくものについても適切に決めていくという考え方で立っておりまして、また、この運営主体がどのような形態を取ります場合においても、国として果たすべき役割というものをしっかりと様々な形で果たしていくというのは当然のことかと考えております。  引き続き、イノベーション・コースト構想全体の推進に向けまして、県あるいは地元自治体と一体となって全力で取り組んでまいりたいと、かように考えております。
  39. 新妻秀規

    新妻秀規君 予算の確定次第、具体的に細部を詰めていく、中身を詰めていくということだと理解をいたしました。早期の事業化に向けて、予算の確定のときにはもたつかずに迅速に対応できるよう準備を進めてほしいと思います。また、運営主体についても、これまでの政府の答弁、国が前面に立つという、そういう御答弁もいただいていますので、是非ともそういう姿勢が見えるようなそういう形にしていただきたいと思いますが、この二つの点についていかがでしょうか。
  40. 田中繁広

    政府参考人田中繁広君) お答え申し上げます。  先ほどの御質問と重なる部分もございますけれども、いずれにしましても、このイノベーション・コースト構想、これはもう、新たな技術や産業を創出し、イノベーションによる産業基盤の再構築を進め、地域の再生の実現を目指す極めて重要な、福島浜通りを中心とする地域復興のためのプロジェクトでございます。  そのためにも、予算確定後の具体的な検討も含めまして、構想全体の実現に向け引き続き、先ほど申し上げたような形も踏まえながら、県や地元自治体と一体となって全力で取り組んでまいりたいと、そのように考えております。
  41. 新妻秀規

    新妻秀規君 スケジュールの加速に向けて、是非ともお取組をいただきたいと思います。  次に、ロボットテストフィールド及びロボットの需要創出についてお伺いをしたいと思います。  早期に事業化を目指すプロジェクトの中には、ロボット開発のための国際産学官共同研究室、またロボットテストフィールドがございます。  若松復興大臣は、ロボットテストフィールドがロボットの国際標準化の拠点になれるかどうかが大きな使命と答弁をいたしました。廃炉ロボットや災害対応ロボットなど、地域課題の解決に役立つロボットの要素技術を開発をし、やがては国際標準化の拠点に成長していく使命を担うのがこの共同研究室、そしてロボットテストフィールドだと理解をしております。  しかし、この成果を出すためには経験を蓄積をする必要があります。そのためには、ロボット、そしてその試験場であるロボットテストフィールドの需要を掘り起こして、またつくり出さなくてはいけません。十二月八日の衆議院復興閉中審査では、赤羽一嘉議員が消防や自衛隊を例に災害対応ロボットの官需に言及をいたしました。また、民間での需要もあるでしょう。  経験を蓄積していくために、需要を掘り起こし、つくり出していく努力が求められると思いますが、この完成品である災害対応ロボット、そして試験場であるロボットテストフィールドの需要の掘り起こし、創出について、政府としてどのように取り組んでいくのか、答弁をお願いいたします。
  42. 若井英二

    政府参考人(若井英二君) お答えを申し上げます。  災害対応は、委員御指摘のとおり、国や地方公共団体が主体になって行うものでございますので、それに係るロボットにつきましても、こうした公的主体による利用を念頭に置くことが必要であるということは言うまでもございません。  このような観点から、経済産業省といたしましては、福島県と協力をし、そして関係省庁及び自治体と情報共有を図りながら、官公庁及び県を始めとした自治体レベルでの災害ロボットの利用の在り方について検討を進めてまいりたいと、このように考えてございます。  ロボットテストフィールドにつきましては、平成二十八年度の概算要求に整備費等の補助を盛り込んでいるところでございます。このロボットテストフィールドにおいては、災害対応ロボットの開発やその操縦者の訓練の場として活用することも可能であると、このように考えてございます。  今後、必要な予算の確保に努めまして、予算が確定をいたしました暁には、災害対応の観点も含めて、実務的、具体的な検討を速やかに進めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
  43. 新妻秀規

    新妻秀規君 是非とも、予算確定と同時にもうトップスピードに乗れるように準備を進めておいていただきたいと思います。  次に、スマート・エコパークについてお尋ねをします。資料六を御覧ください。  早期に事業化を目指すプロジェクトには、この資料六のスマート・エコパークもございます。これは、浜通り地域を中心に環境・リサイクル産業の集積を図り、今後の持続可能な社会づくりを先導する地域を目指す取組だと、このように理解をしてございます。リサイクル産業の例としては、この上の吹き出しにあるとおり、炭素繊維の再資源化、太陽光設備・バッテリーの再資源化、また石炭灰混合材料の製造、そして小型家電リサイクル事業、こんなものがあると理解をしてございます。  このプロジェクトも、この浜通りを中心とする地域の持続的発展のために事業性を確保しなければいけません。民間企業が主体のこのプロジェクトですが、政府としてどのように事業性確保を支援をしていくのか、またスケジュールの促進はどのように図っていくのか、御答弁をお願いします。
  44. 田中繁広

    政府参考人田中繁広君) お答え申し上げます。  スマート・エコパークが狙いとしております地域のリサイクル産業振興につきましては、地域の強みや県の産業政策等も踏まえて、県のイニシアチブの下で総合的に考えていく必要がございます。  福島県におきましては、本年八月に県が事務局となってふくしま環境・リサイクル関連産業研究会を立ち上げ、民間企業主体の持続性あるリサイクルビジネスを生み出していくべく取組を進めているところでございます。国といたしましても、研究会に参画をするとともに、事業性確保等の観点から事業化可能性調査も実施するなど、検討のスピードアップに向けた支援を積極的に行っております。  こうした中で、先端的な炭素繊維のリサイクル事業や地域の特性を生かした石炭灰のリサイクル事業で、浜通りでの立地計画を具体的に進める企業も出てきております。現在実施中の調査でも研究会の会員企業から新たな事業提案も寄せられており、今後、マッチング会等を通じて具体化を進めていく予定でおります。また、平成二十八年度概算要求では、更なる取組の推進に資する実現可能性調査、研究開発及び実用化開発や実証等の要求も盛り込んでいるところでございます。  こうした取組を通じて、提案事業の採算性確認や関係者との調整がスピード感を持って進められ、地域に根差した持続性あるリサイクル事業が早期に実現できるよう、国としても必要な支援を行ってまいる所存でございます。
  45. 新妻秀規

    新妻秀規君 是非とも、この復興に資するリサイクル事業、これが根付くようなそういう取組、そういう支援をお願いをしたいと思います。  最後に、浜通り地域での介護人材の不足についてお尋ねをします。資料七を御覧ください。  被災地では、皆さん御存じのとおり、様々な職種で人不足が生じているわけでございまして、先ほど増子先生にも触れていただきました。この資料七は介護関連職種の有効求人倍率なんですけれども、全国が二・八二、直近の十月です、福島県が三・一一。では、平はどうかというと四・二二、相双ハローワークは四・四九、こういう高い求人倍率となっております。  厚労省にお尋ねします。  私も現地から悲鳴の声を聞いております。この介護人材不足の状況をどう是正していくのか、お取組について御答弁をお願いします。
  46. 堀江裕

    政府参考人(堀江裕君) 浜通り地域におきます介護人材の確保についてお答え申し上げます。  昨年度創設いたしました被災地における福祉・介護人材確保事業によりまして、相双地域等の介護事業所への県外からの就職を促進するため、当該地域に一定期間従事した場合に返還が免除となる奨学金の貸与、住まいの確保を支援しております。また、今年度からは地域医療介護総合確保基金を活用いたしまして介護従事者の確保を推進することといたしまして、具体的には、地域住民に対して介護の仕事の理解を深めていただく、あるいは介護現場から離れている潜在介護福祉士の再就業を促進するなど、福島県が地域の実情に応じて行う多様な取組を支援しております。  議員御指摘のとおり、浜通り地域におきます介護分野の有効求人倍率がいまだ全国の値を大きく上回っているなど、介護人材の不足が顕著であることを認識しておりまして、今後とも、このような取組を着実に実施いたしまして、浜通り地域における介護人材の確保対策に全力で取り組んでまいります。
  47. 新妻秀規

    新妻秀規君 あらゆる知恵と力を尽くして、是非とも解消をお願いいたします。  ありがとうございました。     ─────────────
  48. 櫻井充

    委員長櫻井充君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、増子輝彦君及び二之湯武史君が委員辞任され、その補欠として小見山幸治君及び大沼みずほさんが選任されました。     ─────────────
  49. 田村智子

    ○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  十一月十三日、原子力規制委員会は、日本原子力研究開発機構が「もんじゅ」を安全に運転する資質を有していないとして、別の運営組織を特定するよう求める勧告を文科大臣に発出いたしました。田中委員長は、事の重大性にも鑑み、文科大臣に直接この勧告を手渡そうとされましたが、当初、文科省は事務方が受け取る対応をしようとしたということを報道で知りました。田中委員長の強い意向大臣に直接手渡されたということは、勧告の重みを文科大臣と文科省に理解していただく上で重要だったと私も思います。  この勧告では、「機構に代わってもんじゅの出力運転を安全に行う能力を有すると認められる者を具体的に特定すること。」とあります。これは、原子力規制委員会としては原子力研究開発機構には「もんじゅ」を安全に運転する技術的能力がないと評価しており、文科省にそのことを理解するよう求めているということだと思いますが、いかがでしょうか。
  50. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 原子力規制委員会は、「もんじゅ」の保守管理の不備に関わる種々のこれまでの問題を踏まえまして、原子力研究開発機構が「もんじゅ」の出力運転を安全に行う主体として必要な資質を有していないと考えるに至ったものであります。
  51. 田村智子

    ○田村智子君 それは、出力運転を行う上で技術的な能力を有していないという判断だということでよろしいですね。
  52. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 技術的能力という言葉の範囲をどこまで指すかということですけれども、必要な資質として私どもが考えておりますのは、組織風土とか、様々な専門的能力だけに限ったものではなくて非常に幅広いものでありまして、それを総合的に勘案して判断したものでございます。
  53. 田村智子

    ○田村智子君 この勧告の文書には機構の評価についても書かれていまして、原子炉を起動していない段階ですら保安上の措置を適正かつ確実に行う能力を有していない者が、出力運転の段階においてこれを適正かつ確実に行うことができるとは考えられないという厳しい指摘がされているところです。  この勧告の文書、その評価の部分で、「もんじゅ」は、高速増殖炉であることに伴う固有のリスクを有するとともに、そのリスクも軽視することはできない。すなわち、「もんじゅ」は、電力事業者が設置し運転している軽水炉に比べ安全確保上の難度が勝るとも劣らないのであり、機構がこれにふさわしい安全確保能力を持つとは考えられないと、こういう評価もされています。  私も文科委員会で取り上げてまいりましたが、運転していない状態でも保安規定に基づく機器の保守点検ができていないわけですね。点検と点検の間の期間ですね、これを勝手に延ばしたりとか、ナトリウム漏れを監視するカメラが壊れていても交換しないとか、もう規制委員会が検査を行うたびに保守管理の不備が見付かって保安措置命令が出されるという事態なんです。このような機構が出力運転の能力を持たないと評価されるのは当然ですけれども、運転していない今でも安全上のリスクがあるのではないかということを私は危惧をしております。  勧告では半年間という猶予期間を文科省に与えていますが、安全上のリスクを考えますと、この半年という期間も長いのではないかと思いますが、委員長、いかがでしょうか。
  54. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 安全確保の観点からはスピード感を持って対応することが必要でありますが、文科大臣にしっかりと検討していただきたいと考えることから、総合的に勘案して、勧告に対する報告の期限としてはおおむね半年をめどとしたものでございます。  なお、現時点では「もんじゅ」は冷温停止中でありますので、直ちに周辺公衆に重大な影響を及ぼすような状況にあるというふうには認識しておりません。
  55. 田村智子

    ○田村智子君 差し迫った危機があるわけではないということもあって半年ということなんだということだと思いますけれども、これ、おおむね半年だからということで、十一月に出された勧告への対応がずるずると引き延ばされていく、何か夏なんということが聞こえてきたりもするんですね。でも、十一月で半年後というのは五月の半ばぐらいということなんですよ。そうすると、ずるずると引き延ばされていくようなことは許されないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  56. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 勧告は二つの点から成っておりまして、機構に代わって「もんじゅ」の出力運転を安全に行う能力を有すると認められる者を具体的に特定することということ、それから、そういった者を特定することが困難であれば、「もんじゅ」が有する安全上のリスクを明確に減少させるよう、「もんじゅ」という発電用原子炉施設の在り方を抜本的に見直していただきたいと、この二つから成っておりますので、そういう意味では先生の御指摘とはちょっと、きちっと踏まえていると思います。
  57. 田村智子

    ○田村智子君 引き延ばされることはないということだという御答弁だったと思います。  原子炉等規制法では、設置許可の要件として、「発電用原子炉の運転を適確に遂行するに足りる技術的能力があること。」ということを定めています。また、同法では、原子力規制委員会は、保安規定に基づく保安措置がなされていない又は保安措置命令を履行していない状況の場合、設置許可を取り消すことができるともあります。  実は、この機構に対しては、保安措置命令が何度も出されました。そして機構の側からは、この保安措置命令に対する措置は完了したという報告が上がる。ところが、その報告に基づく検査を規制委員会が行うと、実際にはやったという点検が行われていないということもまた発覚するということが繰り返されてきているわけです。保安措置命令を守ることができていない、実質的に違反している状態がこれ続いてきているということなんですね。とすれば、これはもう機構に対して設置許可の取消しということもあり得た。  今回の判断では、設置許可の取消しということにはならなかったのはなぜかも御答弁いただきたいと思います。
  58. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 原子炉等規制法に基づいて、原子力規制委員会は、事業者に対して一定の要件に該当するときは設置許可の取消し等ができるとされていますが、現時点においては、原子力規制委員会として、原子炉等規制法に基づく設置許可の取消しを行う必要があるとは考えておりません。
  59. 田村智子

    ○田村智子君 その理由をお示しいただければと。あるいは、その認可の取消しということを全く否定しているわけではないけれど、今の段階ではそこまでの判断ではなかったというようなことを記者会見の中では田中委員長は述べられていますけれども、今回は設置許可の取消しという判断をしなかった、その理由を端的にお示しいただけたらというふうに思います。
  60. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 先ほどの繰り返しになるところもありますけれども、現在「もんじゅ」は冷温停止中でありますので、差し迫った、そういった冷温停止中の原子力施設を保守管理していく、安全を保っていくという点において、幾つかの不備はありますけれども、すぐに設置許可を取り消すような状況ではないという私どもの判断でございます。
  61. 田村智子

    ○田村智子君 これは、設置許可を取り消すと、じゃ、「もんじゅ」をどこが見るんだということにもなってしまうという事情もあってのことだとはというふうに思います。  あえてこういう質問をしたのは、それぐらい「もんじゅ」と機構というのは、非常にもう法令違反と言えるような状態にあって、設置許可の取消しが行われてもおかしくないような、それほどの不備をこれまでも繰り返してきたということを指摘するためにあえてちょっとお聞きをいたしました。  それで、私はそういう危機感を果たして文科省が持っているのかということを非常に危惧していまして、これまで文科省は機構の組織改革というのを何度も行ってきていると。原子炉の運転を経験している人を民間企業から入れたり、トップを民間から迎えたり、この前の通常国会では法律まで通して機構の組織改革というのを行っているわけです。今回の改革を受けても、核燃料サイクルは国のエネルギー政策だからというような発言が文科大臣から繰り返されていて、何か核燃料サイクルの研究主体である機構の形を変えるような対応をするんじゃなかろうかという危惧さえ感じるわけです。  例えば、解体的出直しという言葉で対応したにしろ、看板を書き換えるだけの機構の組織改革という対応では、勧告が言う、機構に代わって「もんじゅ」の出力運転を安全に行う能力を有する者と、こういうことにはならないというふうに私は受け止めています。機構にルーツを持たない全く別の運営組織を求めているということでよろしいですか。
  62. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 組織改編ということですけれども、原子力規制委員会としては、機構に代わって「もんじゅ」の出力運転を安全に行う能力を有すると認められる者を求めております。それを特定していただくことを求めておりまして、そういう意味で、先生がおっしゃるように、ルーツがあるかないかというところまでは私どもは、そのことを明確に何か申し上げているわけではございません。
  63. 田村智子

    ○田村智子君 じゃ、もう一度聞き方を変えましょう。機構とは、機構の改革ではなくて、全く別の組織ということで求めているということでよろしいですね。
  64. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 機構の改革ということで、従来のような改革でいいというふうには判断しておりませんけれども、それは文科大臣からの回答を待って私どもとして検討していきたいと思います。
  65. 田村智子

    ○田村智子君 文科大臣が改革という提案を出したときに、それを認めるかどうかというのは規制委員会の今後の判断ということだと思いますが、勧告の中ではもう機構は駄目ということを繰り返し述べられているというふうに理解をいたします。  「もんじゅ」と同様のナトリウム冷却による原子炉の運転、これを研究している組織というのは、民間を視野に入れてもこれ機構以外には現実問題としてないわけです。そうすると、半年後に文部科学省が機構に代わる者を特定するというのは客観的に言って極めて困難と言わざるを得ません。  ナトリウム冷却というその装置、それから高速増殖炉という安全上のリスク、こういうことを考えると、出力運転する能力を有する者がない場合、「もんじゅ」は廃炉という選択肢があり得るのではないかと考えます。  衆議院の審議では「もんじゅ」の廃炉まで求めているわけではないという答弁があったのですけれども、今後の選択肢として「もんじゅ」の廃炉ということが排除されるものではないというふうに考えますが、いかがでしょうか。
  66. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 勧告の第二項におけるリスク低減の方法の選択肢についてはいろいろあり得ると思います。  ただし、勧告では具体的な方法は限定しておりません。施設を廃止するか否かも含めて、勧告への対応については文部科学省の責任において検討されるべきものと考えております。
  67. 田村智子

    ○田村智子君 更問いで申し訳ありませんが、様々なことがあり得るでしょうと。その中で、廃炉ということが排除されるものではないということでよろしいですね。廃炉が排除される、廃炉ということはあり得ないということではないと、選択肢の中にあり得るということでよろしいですね。
  68. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 選択肢はいろいろあり得るということは、廃炉も含まれるかと思います。
  69. 田村智子

    ○田村智子君 規制委員会はそういうことを判断する立場にないので大変慎重な御答弁でしたけれども、排除されるものではないという御答弁だというふうに理解をいたします。  そうすると、もう一つお聞きをしたいのは、これ仮に、私はまずあり得ないと思うんですけど、仮に「もんじゅ」を機構に代わる者が稼働を目指すんだというふうになった場合、一旦これは機構が廃炉の届出を行って、そして新たな者が改めて設置申請を行う、あるいは、新たな者が「もんじゅ」の譲受けの申請を行って、また新規の設置申請に対する審査が行われる、いずれにしても新規の設置申請としての審査が行われるということしか道はないと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
  70. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) まず、「もんじゅ」の扱いにつきましては、まずは勧告に対する文部科学省における検討を踏まえて、今後の対応を検討すべきものと考えております。  なお、原子炉規制法では、原子炉を譲り受けようとする者は原子力規制委員会の許可を受けなければならず、その許可の基準は、原子炉の設置を許可する場合の基準を準用することとされております。
  71. 田村智子

    ○田村智子君 新たな設置申請になって、またそれに対する評価を行うということになるんですね。そうすると、これ、「もんじゅ」にしがみつこうとすると、いずれにしても大変な時間と労力、こんなの何年掛かるか分からないですよ、これが繰り返されることになります。  客観的に見れば、もはや「もんじゅ」を運転できるような組織というのはこれあり得ない、私はもうこれは廃炉しかあり得ない、機構には、その廃炉までの間、今までのやり方を改めて安全に管理するという努力を、もう徹すると、それ以外に道はないんだということを、また今後も文科委員会などで質問していきたいと思います。  質問を終わります。     ─────────────
  72. 櫻井充

    委員長櫻井充君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、阿達雅志君が委員辞任され、その補欠として高野光二郎君が選任されました。     ─────────────
  73. 山口和之

    ○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之でございます。  本日は、私、福島に住んでおりますので、福島県のことについてお伺いしたいなと思います。  新大臣になられまして、大臣が替わるたびに思うんですけれども、次はどういうふうに変わっていくのか、あるいは加速するのか、スピードは停滞するのか、また新たな展開が起こるのか、期待するところと不安なところとたくさんございます。  そこで、今回、新大臣にお伺いしたいんですけれども、福島県の復興のステージについてはどういうふうに認識されているのか、また、新大臣として大きな目標はどのようなものを持っていらっしゃるのか。私が大臣になってこう変わるんだというふうな、何か大きな目標的なものをお伺いしたいなと思います。また、何を優先的に取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
  74. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 着任以降、何度も福島を訪問させていただきました。市町村によって、置かれた状況、それに応じた多様な課題がありまして、残念ながら十年以内の復興完了は難しい状況だというふうに考えております。他方、九月には楢葉町で避難指示が解除されるなど、復興に向けた動きは着実に進展しているとも認識をさせていただいております。  特に、福島ではまだ多くの方が避難されておりまして、被災者の心と体の健康への支援、あるいはまた住宅再建にも積極的に取り組んでまいりたいというふうに思いますし、また、福島復興を進めるに当たって、観光、新産業の振興、あるいはイノベーション・コーストも含めてでありますけれども、廃炉技術というのを、世界への発信、これはもう是非福島にその知見というものを集積していって、これからの日本の、あるいはまた海外の廃炉をしっかりとやっていくその拠点になるべく、福島をそうした地域にしたいというふうに思っております。  また、先ほど来話もございましたけれども、こうしたことを通じて地方創生の先導モデルというものを目指していくべきだと、そのように考えているところでございます。
  75. 山口和之

    ○山口和之君 また、副大臣にこの度、若松先生がなられて、ついこの前までこちらで一緒に質問していた仲間だと思っております。その方が副大臣として任命されたということで、是非大臣にも、何を重点的に取り組むのか、お伺いしたいと思います。
  76. 若松謙維

    ○副大臣若松謙維君) この度、復興大臣を拝命いたしました若松謙維でございます。  櫻井委員長を始め理事委員各位の格段の御指導をよろしくお願い申し上げます。また、山口委員におかれましては、福島駅、また郡山駅でちょくちょくお会いいたします。日頃から福島復興のために御尽力、本当に心から感謝申し上げる次第でございます。  震災以降、福島県民はそれぞれ異なる状況にございまして、大変苦労されているという、恐らく共通の認識だと思います。私といたしましては、分断されている福島県民の思いを結集すること、これが必要であると認識しております。そのためには、被災者皆様が今後の生活に希望を持ち、明るい将来像に向けて団結をして復興を目指すと、そのような環境をつくっていく、これを重点的に取り組んでいきたいと考えております。  また、帰還環境整備を進めるとともに、引き続き個々人の不安に対応すると、そういう意味では、正確で分かりやすい情報に基づき、放射線に対するリスクコミュニケーション、これをしっかりと進めていくことが重要と考えております。  さらに、私自身が現場に入って、直接復興に取り組む皆様の声を直接伺うことも重要と認識しておりまして、今、二か月たちましたけれども、六割ぐらい今福島で様々な形で関係をさせていただいております。例えば、八日でございますが、常磐線の試験除染の現場にお伺いさせていただきまして、着任してからも積極的に復興の取組の現場を訪問するように心掛けているところでございます。  引き続き、地元皆様の声をしっかりと聞きながら、現場課題解決型の取組も進めて、復興を加速化してまいる決意でございます。今後ともよろしくお願いいたします。
  77. 山口和之

    ○山口和之君 福島県民が本気で活動できるようにバックアップを是非お願いしたいと思いますが、大臣の発言の中で観光の話がありました。復興推進委員会の中でも東北の観光振興に力を入れるとの発言をおっしゃっていたということを聞いておりますけれども、福島県の観光振興について具体的にどのように考えているのか。また、オリパラ推進本部の会合で、オリパラ大会の開催が復興の後押しになるような取組を推進したいという旨の発言があったとお聞きしておりますが、具体的にそういうことが可能なのか、できるのか、どういうふうにしたいのか、教えていただきたいと思います。
  78. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 今も山口委員から御指摘いただきましたけれども、復興推進委員会、これは十一月十一日に開催されました。その場で私から、是非東北の観光について力を入れたいという話をさせていただきました。まさにインバウンド二千万人時代でございます。また、人口が減る中で交流人口を取り込むというのはどの自治体も躍起になっているわけでありますけれども、残念ながらまだ東北にはその波が来ていないというようなことでございまして、私は若干時期尚早かとも思いましたが、知事さんを始め多くの委員の方から今から観光について力を入れていくことは時宜を得ているという言葉をいただきまして、是非観光に力を入れていきたいというふうに思っております。  これから具体的な方策等については相談をさせていただく予定になっておりますけれども、まず大事なことは、今、風評被害というものがこれございます。私、一昨日も一Fへ入ってきましたけれども、汚染水対策などもしっかりやっているというふうに実は実感いたしました。しっかりとそういった風評被害がまずなくすということが大事だと思いますし、また、先般、知事会議もございまして、そこで、各県あるいはまた市町村が持っているいろんなツール、何々便りといったものもあろうかと思いますが、そうしたものに正確な情報を載せていただいて、そういう風評被害をなくしていただきたいということ、あるいはまた教育旅行などもまだ全く戻っていないと言っていい状況かというふうに思いますので、こうしたこともお願いをさせていただいたところでございます。  具体的な取組についてはこれからでありますけれども、東北の観光というものに力を入れていきたいと思っております。  また、オリパラの話もいただきました。  そのオリパラがまさに福島復興の後押しになるようにということだというふうに思います。被災地での聖火リレー、あるいはまた一部競技の福島での、あるいはまた被災地での開催、そしてまた事前キャンプ等におきましても是非被災地でそうしたことを行っていただいて、まさに復興の後押しになるようなオリパラにしていきたいと、そのようなこと、今オリパラ担当大臣ともそんなような話もさせていただいているところでございます。
  79. 山口和之

    ○山口和之君 福島県は同じことをしていても、それは先に進むということは非常に難しい環境にあります。是非これを進めていただきたいなと思います。  大臣が事務局長を務める自民党議連の提言には原発の再稼働が国家的急務とありますけれども、その認識は今も変わらないのか、教えていただきたいと思います。
  80. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 二十六年四月十一日に閣議決定されましたエネルギー基本計画、これには、いかなる事情よりも安全性を最優先し、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し、原子力発電所の再稼働を進めるということにしております。政府としてはこの方針に従って対応しているものと承知をいたしております。  いずれにしても、地元方々の声を尊重しつつ対応していくことが重要だと、そのように考えているところでございます。
  81. 山口和之

    ○山口和之君 福島県の復興ビジョンの中に、基本理念ですけれども、「今回の原子力災害で最も深刻な被害を受けたふくしまの地においては、「脱原発」という考え方の下、原子力に依存しない社会を目指す。そして、再生可能エネルギーの飛躍的な推進を図るとともに、省資源、省エネルギーやリサイクルなどを強力に推進し、環境との共生が図られた社会づくりを進める。」とあります。また一方で、再生可能エネルギーの先駆けの地アクションプランとしまして、再生可能エネルギーを二〇四〇年までに一〇〇%にしていくということを福島県はうたっております。脱原発の道を選んで再生エネルギーの先駆けの地という志を持って福島県の復興の原点としております。日本が脱原発に進むために福島が先駆けの地になろうということだと私は認識しております。  再稼働が国家的急務と考えるとなると、ベクトルがちょっと違くなってしまうので、寄り添うことも難しいのではないかと思います。是非、この辺のこともしっかりと検討していただきたいと思います。  一言だけいただけますでしょうか。
  82. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 時間が来ております。
  83. 高木毅

    国務大臣高木毅君) いずれにしても、地元方々の声を尊重していくことが重要だというふうに考えております。
  84. 山口和之

    ○山口和之君 どうもありがとうございました。     ─────────────
  85. 櫻井充

    委員長櫻井充君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、滝波宏文君が委員辞任され、その補欠として森屋宏君が選任されました。     ─────────────
  86. 東徹

    東徹君 維新の党の東徹でございます。  今月の二日、十二月二日でありますが、別の委員会であったんですけれども、福島の第一原発の方へ視察に行ってまいりました。本当に事故のひどさを改めて見まして、一日も早く廃炉を進めていくということ、そしてまた除染活動を行っていくということの必要性を改めて実感をいたしました。  その中で、福島第一原発汚染水対策についてまずお伺いをいたします。  今年九月に、サブドレーンによる地下水のくみ上げで今後の汚染水の発生を抑制する対策が取られるなどしておりますけれども、一方で、既に生じた汚染水については、現在でも敷地内に約千基のタンクが貯蔵されております。ALPSで浄化しようとしているものの、トリチウムだけは残るということであります。このトリチウムが残ったALPSの処理水について、今後どのように対処していくのか、まずはお伺いしたいと思います。
  87. 高木陽介

    ○副大臣高木陽介君) ただいま御指摘のありましたトリチウムの問題でございますが、福島第一原発におきましては、ALPSを始めとする多核種除去設備ですね、これによって浄化後も残るトリチウムの取扱いが課題となっておりますが、このトリチウム水の処理方法については、国の汚染水処理対策委員会の下にトリチウム水タスクフォースを設置しておりまして、様々な選択肢について検討を進めている段階でございます。このタスクフォースについては、平成二十五年十二月から十三回にわたって検討を進めておりまして、また、このトリチウムの分離技術についても、国の補助事業により検証を行っているところでございます。  今後は、様々な選択肢について、技術的成立性、処理期間、また施設規模等を整理することとしておりまして、こうした取組を通じて今後の社会的合意形成の基盤を整えてまいりたい、このように考えております。
  88. 東徹

    東徹君 タスクフォースを設置して十三回検討されているということでありますが、全くこれ先が見えない、今の答弁だと先が見えないというふうにも思えます。是非いついつまでに方針を決めようという、そういうことはないんでしょうか。
  89. 高木陽介

    ○副大臣高木陽介君) 今年の六月に中長期のロードマップを改訂いたしまして、そこにおきまして、汚染源を取り除くと、こういった項目の中で、この処理した水について、トリチウム分離技術の検証など、国内外の英知を結集し、二〇一六年度上半期までにその長期的取扱いの決定に向けた準備を開始すると、こういう方向で行っております。  ただ、委員も視察をされましたけれども、これまで、この汚染水の問題、例えば先ほど御指摘のありましたサブドレーン、また昨年は地下水バイパス、これらがいわゆる海洋放出をさせていただきました。それによって、山側からの地下水が、当時四百トンであったのが、今百五十トン前後にまでこの地下水流入がブレーキを掛けているという状況でございます。  しかしながら、この海洋放出にも、漁協の関係者の方々、風評被害を大変気にしておられますので、様々な形で情報開示をしながら丁寧にやってまいりました。そういった意味では、これIAEAの報告書でも指摘をいただいておりますけれども、そのステークホルダー、いわゆる当事者としっかりと議論をしてもらいたいという、こういう指摘もございます。  このトリチウム水につきましては、先ほど申し上げたタスクフォースで検討をしておりますけれども、方針を決めたからといってすぐにできるというものではございませんし、またこれは、方法は、海洋に放出するだけではなくて、いわゆる蒸発をさせて空気中に放出をするという方法もございますし、又は地中に埋めるという方法もございます。  そういったことを今検討している段階でございますので、まずは先ほど申し上げた中長期ロードマップに沿って、一六年度の上半期までにその長期的取扱いの決定に向けた準備を開始したいと、このように考えております。
  90. 東徹

    東徹君 続きまして、福島第一原発と子供の甲状腺がんとの関係についてお伺いいたします。  今年十月に岡山大学大学院の津田教授が、福島の子供の甲状腺がんの発症率は二十倍から五十倍であるという論文を発表しました。この点、昨年、平成二十六年十二月の専門家会議の中間取りまとめですが、ここでは、先行検査で発見された甲状腺がんについて、原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められないというふうに述べられております。  津田教授の発表を踏まえても、この中間取りまとめの見解を採用されるのか、そして、これは一種の風評被害と言えなくもありませんが、原発事故と子供の甲状腺がんの発生増加に因果関係があるとする見解に対してどのように対処するのか、お伺いしたいと思います。
  91. 北島智子

    政府参考人(北島智子君) お答えいたします。  津田教授が国際学術誌に御指摘の論文を発表したことは承知をしております。環境省が開催いたしました議員御指摘の専門家会議では、先行検査で発見された甲状腺がんについて、原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められないとの見解が示されているところでございます。  なお、この専門家会議第八回目を平成二十六年七月十六日に開催しておりますが、この専門家会議では、津田教授始め数人の参考人からの御意見を伺っておりまして、その上で昨年十二月に中間取りまとめが行われたところでございます。  環境省といたしましては、こういった専門家の御意見を踏まえ、また、引き続き甲状腺検査の動向を注視してまいりたいと考えております。
  92. 東徹

    東徹君 ちょっと非常に、そういう答弁で本当にこれ、福島大丈夫なのかなというふうに心配するんですね。そういうことに対して、きちっと風評被害が起こらないようにやっぱり理解を求めていくとか、何かそういうことの対応というのは考えられないんでしょうか。
  93. 北島智子

    政府参考人(北島智子君) 風評被害対策も含めまして、福島県民皆様には健康に関する不安があるということは十分承知をしております。  そういったことで、不安対策といたしまして、リスコミ事業などにも力を入れているところでございます。何分にも、正しい情報を発信し、また住民の不安対策にも注力をしていくということで、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  94. 東徹

    東徹君 福島復興ということで、この問題も非常に大事だというふうに考えますので、ただ単に不安をあおることのないように是非しっかりと対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  続きまして、被災者住宅再建支援対策給付基金についてお伺いをいたします。  現在、この基金を使いまして、消費税が増税されたことによって、東日本大震災被災された方が住宅を再取得する際の取得の増加を緩和するため、一人当たり九十万円を上限で給付する事業を行っております。  この基金は、平成二十五年度に二百五十億円を使って設置されておるわけですけれども、平成二十六年度では十億七千二百万円の給付にとどまっております。今年度、平成二十七年におきましても百二十五億円の給付が見込んでおりますけれども、十一月末時点では三十四億五千万円程度というのが現状であります。住宅を再取得するに当たっての大事な施策であるというふうには思いますけれども、非常に今進んでいないというのが現状としてあります。  その一方で、平成二十六年度の本事業の支出でありますけれども、給付に充てる事業費で十億七千二百万円というところですけれども、管理費が非常にこれ高くなっておりまして、管理費が七億円掛かっておるんですね。十億七千二百万円の事業費に対して、給付することに対して、管理費が七億円も掛けて事業をやっているということであります。  この事業の給付事務はこれは電通が行っておるわけでありますけれども、その内訳、これ資料を付けさせていただいておりますが、資料の方を見ていただいて、六ページ目ですかね、裏表になっておりますけれども、五ページ、五ページの方には内訳も書いておりますが、仙台にある審査ルームの人件費を含む郵送受付、郵送受付に二億一千九百万円、そして、東京の事務局だけの人件費で一億五千二百万円、システム関係費が八千三百万円、審査ルームや東京事務局以外の事務の委託に関する経費として事業管理費で五千四百万円、コールセンター費用として五千三百万円、東京の事務局の維持費など事務所維持費四千四百万円となっておりまして、非常に高額な経費になっておるわけですけれども。  二十六年度の給付対象者が一年間で千七百四十六名しかいないわけですね。説明会も十二回しか行っていないわけでして、管理費が七億円というのはこれは一体どういうことなのかなと思うんですが、このまず理由についてお伺いしたいと思います。
  95. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 御指摘のとおり、住まいの復興給付金の管理費につきましては、平成二十六年度で七億円程度となっているところでございます。  この管理費につきましては、申請書類を審査するための事務所、機器、人員確保等の体制の構築をするということ、あるいはまた、申請情報の管理のためのシステムの保守、被災者からの電話相談に応じるためのコールセンターの運営などのために必要な経費だというふうに考えておりますけれども、給付件数千七百四十六件に対して過大ではないかというお話もございました。制度開始当初においては申請件数が少なくて、一件当たりでは管理費は大きなものとなっておりますけれども、申請件数にかかわらず、事務所の借り上げ費、あるいは機器のリース代、システムの保守費など、一定の固定費を要するという事情があることは御理解いただきたいというふうに思います。  今後、高台の宅地造成が順次完成していくことに伴い、二十七年度は申請件数が急速に増加もいたしておりまして、今後、一件当たりの管理費は低下していくものと考えております。  いずれにいたしましても、制度発足当初から、被災者方々に丁寧に対応するためには当初から十分な体制を確保する必要があり、必要な経費であったと考えておりますが、御指摘を踏まえて、管理費につきましては引き続きしっかりチェックしていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
  96. 東徹

    東徹君 大臣、チェックしていく必要があるというふうに今お答えになられましたけれども、しっかりこれ精査されるおつもりありますでしょうか。もう一度ちょっと御答弁をお願いします。
  97. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 無駄のないようにしっかりとチェックをしてまいりたいと存じます。
  98. 東徹

    東徹君 七億円の管理費というのはちょっと考えられないなと思うんですね。これ、一般財団法人住宅金融普及協会の方と電通とで支払関係をやっておるわけですけれども、電通に任せている割には非常に高いなというふうに思いますので、しっかりとそこは精査をしていただきたいと思います。  その中で、執行状況が読めないという理由で二百五十億円もの多額の税金を使って基金をつくっておるけれども、なかなか低調ということで、これから高台に移転も進めばまた更に進んでいくということでありますけれども、やはりこれ見直していって、余剰金については一旦国庫に返納するということも考える必要があるというふうに思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
  99. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 基金の額二百五十億円、三万五千件程度の申請を想定した額でございまして、適正な規模であるというふうには考えておりますけれども、今後、執行状況を見ながら基金の積み増しや国庫への返還を検討してまいりたいと、そのように考えております。
  100. 東徹

    東徹君 時間がなくなってきましたので、最後の質問になるかと思いますけれども、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助事業基金というのがあります。この基金に基づいて津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助事業が行われておりますけれども、これ資料二によりますと、この基金設置法人、一般社団法人地域デザインオフィス、事務局がみずほ情報総研株式会社となっております。  このみずほ情報総研、別の事業で事務局として、テクノ・ラボ社による補助金の不正取得事案が関わっておりまして、この不正取得でされた五億円について既に返還されたのかどうか、返還されていない場合はみずほ情報総研はどのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。
  101. 多田明弘

    政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。  御指摘の件でございますけれども、残念ながら、昨日時点におきましても、この補助金の返還は確認されておりません。  五月に補助金の返還を求めることをやっておりまして、テクノ・ラボ社からは五月の二十五日付けで当該返還に応じる旨の意向が文書でなされております。したがって、その後、六月以降、事務局でございますみずほ情報総研の方から毎月にわたりまして代表者本人の自宅及び会社宛てに文書で督促しておりますが、残念ながら今申し上げましたように返還は確認されておりません。
  102. 東徹

    東徹君 別の事業でありますけれども、不正取得を見抜けなかったこのみずほ情報総研、そういうところがこの事務局をやっているというのもいかがなものかと思いますので、是非その点も今後御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で終わらせていただきます。     ─────────────
  103. 櫻井充

    委員長櫻井充君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、石上俊雄君が委員辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。     ─────────────
  104. 和田政宗

    和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。  震災から今日で四年九か月となっております。被災地を回りましてお話を聞いておりますと、希望の声を聞く一方で、今後の不安の声も多く聞くわけでございますけれども、その中から今日はまず一つ質問したいというふうに思います。  それは、脳梗塞などにより要介護認定者、要支援認定者となっている方々の維持期の脳血管疾患等リハビリテーション、運動器リハビリテーションについてですけれども、これは医療保険で主に病院で受けているわけですが、この制度についてはひとまず平成二十八年三月三十一日までとなっています。  まず、これは決定事項なのかということを確認したいということと、もしこの制度が打ち切られた場合に、介護保険でリハビリを受けるわけですけれども、特に被災地においては通所リハビリ施設が十分に確保できるか分からないところがありまして、不安の声が上がっております。制度の延長をすることができないのか、この点についてお聞きします。
  105. 吉田学

    政府参考人吉田学君) お答えいたします。  リハビリテーションにつきましては、医療と介護の役割分担を勘案して、主として急性期、回復期を医療保険、維持期を主に介護保険の対象とするよう、これまでの見直しを図ってまいりました。  被災地におけるリハビリを確保することは我々も大事だというふうに認識してございますけれども、状態の安定した要介護被保険者の維持期のリハビリにつきましては介護保険へ移行するということで、御指摘のように、全国ルールとして現在では二十七年度までの経過措置ということでございます。  この円滑な移行が図れるような体制整備に取り組むとともに、医学的に見て状態の改善が期待できるような場合には医療保険のリハビリテーションを継続できるようにきめ細かな配慮を行っておりますけれども、二十八年度以降、この具体的な取扱いについては、こうした観点を含め、現在、中央社会保険医療協議会、中医協において検討を行っているところでございまして、今後とも様々な御意見を伺いながら丁寧に検討を進めさせていただきたいというふうに思っております。
  106. 和田政宗

    和田政宗君 これは、医療保険から介護保険に移行していくということは、趣旨としては、お考えとしては一定程度理解は示せるんですけれども、場所自体が、これは理学療法士の方も含めてだというふうに思いますけれども、それが確保できないような状況であれば、これは今まで病院で医療保険としてそういったリハビリを受けていた方々が不自由することにつながるというふうに思いますので、引き続きしっかりとした検討をお願いしたいというふうに思います。  次に、被災地の防潮堤のことについてお聞きをしていきたいというふうに思います。  被災地の防潮堤は、数十年から百数十年に一度の津波をレベル1としまして、この津波を防ぐ高さで造られているわけですけれども、防潮堤の高さが余りに過大だとする意見が、これは住民からではなく、最近は中間派の研究者の方からも出てくるようになりました。研究者の方々の中にも、初めから見直し派の方、初めから賛成派の方もいますけれども、中間派の方が声を上げるようになってきています。  国交省などが防潮堤復旧の考え方を立案する基になりました中央防災会議の津波の専門調査会の河田惠昭座長も最近は、これは過大であると、こうしたものができることを専門調査会は想定をしていなかったと指摘をしていますし、レベル1の防潮堤の高さは主に明治三陸津波や昭和三陸津波、チリ地震津波の高さから算定されたもので、それにより、防潮堤の高さが数十年から百数十年に対応するものではなく数百年に一度の防潮堤の高さになってしまっているというふうに研究者の論文でも指摘をされています。  一部抜粋して、表をお手元に資料としてお配りをしておりますけれども、この論文、土木学会で発表されたものでございまして、この方も、中間的な方が総合的に分析をして、このような論文を発表されたという形でございます。この研究者の方は、過去の津波の高さと発生頻度を総合的に分析する手法を用いれば、現在の防潮堤の高さ、これは科学的にも過大となる地域があり、すなわち高さを下げられるのではないかというような提起になっております。  この指摘について、国はどのように考えますでしょうか。
  107. 金尾健司

    政府参考人(金尾健司君) お答え申し上げます。  防潮堤の計画は一般的に、数十年から百数十年に一度程度で到達すると想定される津波の高さに、防潮堤によるせり上がり、それから地震による地盤沈下量などを加え、防潮堤の高さを決定することといたしております。  御指摘の論文でございますが、この論文におきましては、本来、発生頻度の評価の対象とすべき津波の高さではなく、これにせり上がりなどを加えた高さである、より高い高さになるわけでございますが、防潮堤の高さ、これを対象に発生頻度の評価を行って、結果として数百年に一度となったものと認識をしておるところでございます。  その上で申し上げれば、防潮堤につきましては、中央防災会議の専門調査会の報告を踏まえ見直されました防災基本計画に基づき、比較的発生頻度の高い一定程度の津波、いわゆるL1津波でございますが、これを基に整備することとされております。具体的な防潮堤の計画につきましては、町の安全、ハード、ソフトの組合せ、環境保全、周辺景観との調和や市町村による町づくりの議論などを踏まえ、海岸管理者である県などが適切に定めることとなっております。  以上でございます。
  108. 和田政宗

    和田政宗君 今、専門調査会というフレーズが局長からも出ましたけれども、その専門調査会の座長がこのような過大な計画になるということを想定していなかったということをもう公に学会等でも言い始めていますので、これはちょっと改めて御質問をしていきたいというふうに思います。  そもそも、数十年から百数十年に一度の津波が、沿岸でどのような動きをするのか、どのような高さになるかなどの細かいシミュレーションをこれほとんど行わないまま、主に明治三陸津波や昭和三陸津波、チリ地震津波における最大の津波痕跡高から一律に防潮堤の高さを決めていきましたので、これはやはり過大になるわけですよね。  なぜ、そういったシミュレーションを細かく行わないんでしょうか。防潮堤の高さを下げられるところが出てくるはずですけれども、国はどのように考えますでしょうか。
  109. 金尾健司

    政府参考人(金尾健司君) お答え申し上げます。  防潮堤の高さの前提となる設計津波の水位、これは地域海岸ごとに、過去に発生した津波の実績津波高さやシミュレーションにより求めた津波高さ、これを収集をいたしました上で対象津波群を選定し、隣接する海岸管理者間で十分調整を行った上で設定することといたしております。具体的に設計津波の水位をどのように定めるかにつきましては、海岸管理者である県などが適切に判断すべきものと考えております。  国土交通省といたしましては、引き続き、海岸管理者である県などに丁寧に対応していただきまして、合意が得られた地域について速やかに復旧が進むよう最大限の支援を行ってまいりたいと考えております。
  110. 和田政宗

    和田政宗君 データのシミュレーション、いわゆる画面上でグラフィックデータというか、そういったようなものでシミュレーションをするというのは、これは東北大学などがソフトを持っていまして、そこに入れればいいわけなんですけれども、国土交通省を通して宮城県に問い合わせましたところ、例えば松島湾においてはそういったことをやっていないということです。  復興大臣にちょっとお聞きをしたいというふうに思うんですけれども、私はその防潮堤自体は否定しているものではありません。ただ、一律にコンクリートで造る、さらには過大になっているものがある、細かいシミュレーションを掛け合わせていけば下げられるところがある。実際に、住民が一致結束して反対したところで、宮城県が代替案を示して実際に下がった地域もありますけれども、ほとんどはそうなってはいないというところでございます。現在も、約十か所ほどになると思いますけれども、過大な高さであるので下げてほしいというふうに言って県と交渉している地域というのがまだございます。  この防潮堤の在り方、住民合意の在り方を含めて、復興大臣、どのように考えるか、お答えいただければと思います。
  111. 高木毅

    国務大臣高木毅君) 約二か月たちましたけれども、就任後、十六回被災地を訪問させていただきまして、防潮堤の現場も見させていただきました。  そこで、知事や市町村長さん始め関係者から様々な話もお伺いしておりますが、防潮堤の位置とか高さとかにつきましては、海岸管理者が地元の合意形成を図りながら適切に定めるべきものだというふうに認識をいたしておりまして、復興庁といたしましては、海岸管理者に丁寧に御対応いただいて、合意が得られた地域について速やかに復旧が進むよう支援してまいりたいと、そのような考えでございます。
  112. 和田政宗

    和田政宗君 国土交通省、国土交通大臣、副大臣も含めて防潮堤、御覧になっているというようなことでありますけれども、高木大臣是非、今日写真も付けましたけれども、様々な形の防潮堤見ていただいて、本当にこれでいいのかというところを是非お考えいただければというふうに思います。  ありがとうございます。
  113. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。  十二月七日に、放射性指定廃棄物最終処分場の詳細調査候補地となっている塩谷町が環境省に行きました。内容は、豪雨によって詳細調査候補地に選ばれている地域が広範囲にわたって冠水をしたので返上したいという内容だったんですが、そこで、私とあと民主党の福田昭夫衆議院議員と参りましたところ、ちょっと国会議員は御遠慮願いたいということを言われまして、ただ、一時間ぐらい押し問答しておりましたら、今度は国会議員の同行も認めるという対応で、ちょっと現場が混乱したものですから、まずはそのことから伺いたいと思っております。  井上副大臣、まず、なぜ国会議員の同席が認められなかったのでしょうか、伺います。
  114. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) 当日十二月七日は、環境省と塩谷町の行政同士の対話という趣旨で、私と塩谷町長などの面会が予定をされておりました。塩谷町にはこの面会の趣旨もお伝えをした上で、双方の出席者の調整を事前に事務方で行っておりました。その中で、国会議員の方の同席は明確にお断りをしていたところであります。  しかしながら、当日、事前の調整に反しまして二名の国会議員の方が塩谷町長などに同行して環境省にお越しになったため、また、行政機関同士の対話という今回の面会の趣旨にはそぐわないことから、国会議員の方にはお引取りをいただき、塩谷町長と面会したい旨を環境省よりお伝えをしたところであります。
  115. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 あと、ちょっと確認をしたいんですが、当日、最初、現場の担当者の方がかなり強硬に、いや、もう絶対入れることはできませんとおっしゃっていまして、これは井上副大臣の御指示なんでしょうか。
  116. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) この件につきましては、最終的には私が判断をし、指示をしたということになります。
  117. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 ちょっとかなり不思議に思うのは、以前は全然同行しても何の問題もなくて、前回と前々回辺りから急にちょっと同行は御容赦くださいということを言われるようになりまして、これは何か変化があったのか、政治的な御判断があったのか、どういった変化によってこのような指示を出されたのか、ちょっと伺いたいんですけど、いかがでしょうか。
  118. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) 繰り返しになりますけれども、事前の調整をした上で、その調整にのっとった対応をさせていただいたということ、それから、内容的にも、国と町ということで、行政同士の対話ということで国会議員の方の同席は御遠慮させていただいたという理由になります。
  119. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 ただ、その後、一時間ぐらい同行するしないでもめまして、もめたというかやり取りをさせていただいて、そのときは、分かりましたと、塩谷町側も副大臣には会わないで帰りますと言って、メディアにぶら下がりをしていたところで、今度は環境省側からやはりお会いしますと、同行してもいいですよというお話をいただいて、これちょっと一貫していないのかなと思っているんですが、なぜそんな急に変わったのかなと。どういうことなんでしょうか。
  120. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) 今お話があったように、塩谷町長からは、応対していた環境省の事務方に対して国会議員の同席が認められないのであれば面会しないといった発言があったと聞いております。  私といたしましては、この塩谷町長との直接の対話の機会、これは非常に重要だと思っておりまして、この機会を持ちたいということは終始一貫しておりまして、そういう意味では、最終的には国会議員の方の同席があったとしても塩谷町長との面会の方を優先をさせていただいたということです。
  121. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 私は、井上副大臣とはもう二年近く何度も何度もやり取りをさせていただいておりますし、私は個人的には井上先生のことは大変尊敬していますけど、いろいろとあっての御判断だと思うんですけど、もう少し、やっぱり現場も大変混乱をしたので、寛容にしていただきたいなと思っております。  それで、私の話はもういいんですけど、ちょっと気になったのは、環境省の塩谷町への対応が少し気になったので、ちょっとこれについても質問させてください。  最初の、初回の、塩谷町の町長が、候補地を返上する文書を副大臣に会わないのでお渡しくださいといって現場の担当者の方にお渡ししたんですね。その後メディアのぶら下がりを受けておりましたら、いや、環境省の方から、塩谷町が勝手に帰りましたよと、そう言われたんですけど、これは事実でしょうかという話をいただいて、勝手に帰ったというのはちょっと私はどうかなと思うんですが、これは、副大臣、御存じですか。
  122. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) 私も今の経緯については事後に報告を受けました。  当日、環境省の一階入口付近において、塩谷町長などに対して国会議員の同行は御遠慮願いたい旨を事務方から申し上げていたところ、塩谷町長から国会議員の同席が認められないのであれば面会しないという旨の発言があって、その場を立ち去られたというふうに聞いております。そして、この報告を受けた別の事務方が、別の階で待機をしていた報道関係者に対して塩谷町長などはお帰りになったといった旨をお伝えしたと聞いております。
  123. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 勝手に帰ったかどうかというのはちょっとまだ分からないということだと思うんですけど。  あと、もう一つ不思議、不思議というかちょっと驚いたのは、塩谷町の方が一応返上、環境省としてはちょっと返上という話ではないよという御理解だと思うんですが、町が用意した公式の文書をお渡ししたときに、現場の方、私もよく存じておりますけど、現場の方が受け取ってしまったんですね。重要なやはり公的、公式な文書ですから、普通であれば、まずしかるべき方に取次ぎをするなりしてやり取りすべきところを、分かりましたといって受け取ってしまったんですが、これは井上副大臣が、もう同行は一切認められない、もうその場で追い返してくれと、そういった御指示をされたんですか。
  124. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) 私は塩谷町長に対しては、先ほど申し上げたとおり、対話の機会というものを是非持ちたいと従来からずっとお願いをしておりまして、そういう意味では、当日も私から塩谷の町長に対してお帰りになっていただきたいと言ったことはありません。  ただ、国会議員の方に関しては、御遠慮いただきたいということを申し上げました。
  125. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 御答弁を聞いていると、ちょっとそごがあるのかなという気もします。副大臣もいろいろとお立場があるとは思うんですが、できれば寛容にしていただいた方がいいのかなと思っております。  では、残りの時間はちょっとおさらいに入りたいと思います。  この指定廃棄物の問題、何度もやり取りをさせていただいております。指定廃棄物、もう皆様は御存じでしょうけど、一キログラム当たり八千ベクレルを超えるというものでありまして、じゃ、そもそも環境省にとってその八千ベクレルというのはどのぐらいの認識なのかと。つまり、もう一刻も早く隔離をしなきゃいけないレベルなのか、それとも一定期間であれば仮置きをしても問題がないのか、そういったちょっと御認識を改めて伺いたいと思います。
  126. 鎌形浩史

    政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。  環境大臣が指定廃棄物として指定を行います一キログラム当たり八千ベクレル、この基準につきましては、この放射能濃度以下であれば通常の廃棄物処理方法でも周辺住民作業員にとって安全に処理を行う、できるものとして策定した基準でございます。  この一キログラム当たり八千ベクレルを超える指定廃棄物については、放射性物質汚染対処特措法により、例えば埋立処分に当たっては、廃棄物の下に土壌層を設けるなどの遮水や遮蔽のための追加的な措置が必要としてございます。このような追加的な措置が必要な廃棄物というふうに受け止めてございます。
  127. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 時間が来たので、ちょっと私の質問は今日は終わりにしたいと思います。  ありがとうございます。
  128. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。  十分しかございません。是非、端的にお答えいただけると助かります。  十一月三十日開催されました福島県民健康調査の第二十一回検討委員会で公表された資料によりますと、当時十八歳以下だった子供を対象に行っている甲状腺検査の結果、二〇一一年から今年九月三十日までの間に、百五十三人の子供が甲状腺がんの悪性又は悪性疑いと診断されました。これって、多いんですかね、少ないんですかね。皆さんはどう思われますか。  現在も官邸に対する助言を行う原子力災害専門家グループの一員であり、県民健康調査検討委員会の初代座長でもあったミスター百ミリシーベルト、山下俊一さん、二〇〇九年、日本臨床内科医会会誌で、日本では思春期を越えた子供の甲状腺がんをまれに見るくらいです、その頻度は年間百万人に一人と言われています、これは欧米、日本、ほぼ変わりありませんとおっしゃっておりました。東電原発事故後の二〇一一年十月、日本原子力学会誌においても、百万人に一人というまれな小児甲状腺がんとおっしゃっているわけですね。  あの山下俊一さんでさえそうおっしゃるくらいに超レアケースだった小児甲状腺がん。今回、福島県民健康調査では、三十八万人中百五十三人に甲状腺がん又は疑いとのこと。三十八万人のうち百五十三人。現在、福島県民健康調査で分かった甲状腺がん又は疑いとされた子供の数、これ明らかに多発ですよね。  今年七月の六日行政監視委員会で、小児甲状腺がんの私の問いに対しまして、環境省環境保健部長の北島さんは多発とは言えないという趣旨のお答えをされました。現在の状況も、先日の答弁のとおり、多発とは言えないんでしょうか。改めて北島さんにお聞きしたいんですよ。多発である、多発でない、二択でお答えください。
  129. 北島智子

    政府参考人(北島智子君) 二択でお答えするのは大変難しい問題でございます。  福島県の県民健康調査検討委員会甲状腺検査評価部会の中間取りまとめにおきましては、甲状腺検査の結果、甲状腺がんの悪性ないし悪性疑いと評価されたものが、議員御指摘のとおり、通常の有病率に比べて数十倍のオーダーで多いことは指摘されております。ただ、この評価につきましては、被曝による過剰発生か過剰診断のいずれかが考えられるとした上で、過剰発生を完全に否定するものではないが、過剰診断の可能性が高いとの意見があった旨が記載されているところでございます。
  130. 山本太郎

    ○山本太郎君 ごめんなさい。これ、多発であるか多発でないかを答えにくいという話じゃないんですよ。多発であるということはもう認められているんです。  十一月三十日、福島県の県民健康調査検討委員会の後に行われた記者会見におきまして、日本甲状腺外科学会前理事長であり県民健康調査の甲状腺検査評価部会部会長、清水一雄先生も、いずれにせよ予想を超えるような多発が起こっていることは事実とおっしゃっています。同日の記者会見では、県民健康調査の星北斗座長も清水先生との意見にそごはないと認め、県民健康調査検討委員会の座長も甲状腺検査評価部会の部会長も多発を認めています。  認めにくいとか、認めにくいの話じゃないんですよ、最前線の人たちが多発だということを実際にもう記者会見で言ってしまっているんですから。福島へ行かれているんですよね、北島さん、毎回、この集まりがあるときに。  福島の小児甲状腺がんは多発です。しかし、多発と認めない方々も存在している。その中の主な理由は二つとされる。  まず、スクリーニング効果。数年後に臨床症状をもたらすがんを前倒しで見付けているんだから多発に見えるんだよという論調。これ、フリップお願いしていいですか、スクリーニングの方です。(資料提示)しかし、甲状腺検査評価部会に属し、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター長の津金昌一郎さんは、多発との関係、スクリーニング効果だけで解釈することは困難であるとおっしゃっている。つまり、確かにスクリーニング効果で、大規模な検査をしたから以前よりたくさんは見付かるけれども、それだけでは説明が付かないということをおっしゃっているということですよね。  そして、もう一つ、多発を認めないと言われるもう一つの理由は過剰診断。将来的に症状が現れたり命を脅かしたりすることのないがんをわざわざ見付けたんだから多発になったんじゃないの、このような論調。しかしこれ、現場の医師に対して大変失礼な発言なんですよね。多発の原因が過剰診断だと言うんだったら、じゃ、今まで百人以上行われた手術というのは何なんだよ、不適切だったのかと。  福島医科大学主任教授で前県民健康管理センター甲状腺検査部門部門長、つまり福島県の小児甲状腺検査のトップである鈴木眞一さん、過剰診断ではないという現場の事実、これは甲状腺検査評価部会の第三回、第四回で説明しておられる。これ、フリップ変えていただいていいですか。そのときに使われた資料がございます。  これは、日本内分泌外科学会、日本甲状腺外科学会編集の甲状腺腫瘍診療ガイドラインの一部なんですけれども、現場の医師の判断はこれに沿ったものだったと、基本に忠実なものだったということが示されていると思うんですね。腫瘍の大きさやリンパ節転移などからハイリスク群に当てはまっている、つまり危険性が高いという診断で、通常の診療でも治療を勧める範囲、決して過剰にならないと説明をされています。  福島県の小児甲状腺がんの多発、これを今でも否定しようとする人々は二つの理由を主に挙げる、スクリーニング効果と過剰診断。これらは、それぞれ検討委員会や甲状腺検査評価部会に参加する最前線の専門家からも否定されている。多発の原因が何かは分からない、でも多発であることは間違いない。百万人に一人と言われていたものが三十八万人中百五十三人にも増えてきている。明らかに多発であり、異常事態じゃないですか。このまま、根拠のない大丈夫だとか様子見るとか、放置していいわけがないですよね。  現在福島県で多発している小児甲状腺がんが、もし元々潜在的に我が国の子供たちが持っているものだったとするならば、これ全国の子供たちに福島県の子供たちと同様の検査、調査、必要じゃないですか。健康調査必要だと思いますよ。言うまでもないですよね。決してこれ福島県内だけで終わっていい話じゃないんです。  これ、多発であるという専門家たちの最新の知見をもって、福島県以外の地域にも子供たちの健康調査を広げる、フォローアップする必要性というのをもちろん考えなきゃいけないと思うんですけれども、井上副大臣、いかがお考えですか。
  131. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 北島部長
  132. 山本太郎

    ○山本太郎君 おかしいでしょう。聞いていないですよ。呼んでいないです。  副大臣としての見解をお聞きしたい。
  133. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) 福島県外で甲状腺検査を行うことについて、環境省見解ということでありますが、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射線に係る住民健康管理については、医学等の専門家の御意見を十分に尊重した上で、コンセンサスが得られた科学的知見に基づいて進めることが何よりも重要であると認識をしております。  詳細については事務方の方から答弁をさせます。
  134. 山本太郎

    ○山本太郎君 事務方からの答弁は結構です。  要は、これ二〇一四年の十二月のあり方会議、ここから内容を引いてきているんですよ、環境省は、見解として。でも、それ古いんですよ、もう。見直してくださいよ。最新の結果を反映させてください。  このあり方会議に参加されてきた方々見解が変わってきているんですよ。どう変わってきている、これは多発だなって。原因は何かははっきりしないけれども、多発であることは間違いがないというような見解になってきている。だとするならば、最新の知見をもって、この検討会であったりとか、そして、これからフォローアップどう広げていくかということをつなげていかなきゃいけないと思うんです。  もう一度井上副大臣にお聞きしたいんです。  この二〇一四年十二月の考え方から引いてくるんじゃなくて、最新の知見をもってこのフォローアップにしろ検討会の話の内容というのを考えていかなきゃいけないと思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
  135. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) 先ほど申し上げたとおり、この問題につきましてはやはり科学的知見ということが非常に重要だと思っておりますので、引き続きそれに基づいた対応をしていきたいと思っております。
  136. 山本太郎

    ○山本太郎君 科学的知見を用いるというならば、最新の内容、そして最前線の医師たちの考えていること、知見というものを考えなきゃいけない。逃げないでいただきたい、環境省。去年の十二月の考え方を引きずらないでいただきたい。現場の最新の知見を利用してこれに対処しないと大変なことになります。よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  137. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時十九分散会