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2015-06-17 第189回国会 参議院 地方・消費者問題に関する特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年六月十七日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  六月十六日     辞任         補欠選任      松田 公太君     山口 和之君      平野 達男君     荒井 広幸君  六月十七日     辞任         補欠選任      森屋  宏君     酒井 庸行君      大門実紀史君     紙  智子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         西田 昌司君     理 事                 太田 房江君                 岡田 直樹君                 藤川 政人君                 江崎  孝君                 森本 真治君                佐々木さやか君     委 員                 青木 一彦君                 江島  潔君                 尾辻 秀久君                 酒井 庸行君                 島田 三郎君                 滝沢  求君                 松下 新平君                 三木  亨君                 森屋  宏君                 山田 修路君                 若林 健太君                 金子 洋一君                 斎藤 嘉隆君                 西村まさみ君                 野田 国義君                 藤末 健三君                 横山 信一君                 寺田 典城君                 紙  智子君                 山口 和之君                 和田 政宗君                薬師寺みちよ君                 福島みずほ君                 荒井 広幸君    国務大臣        国務大臣     石破  茂君    副大臣        内閣府副大臣   平  将明君        総務大臣    二之湯 智君        農林水産大臣  あべ 俊子君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       岩井 茂樹君    事務局側        常任委員会専門        員        藤田 昌三君        常任委員会専門        員        小野  哲君    政府参考人        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        伊藤 明子君        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        兼内閣地方創        生推進室次長   若井 英二君        内閣地方分権        改革推進室次長  満田  誉君        内閣地方創生        推進室長     内田  要君        消費者庁審議官  岡田 憲和君        復興庁審議官   北村  信君        総務大臣官房地        域力創造審議官  原田 淳志君        総務大臣官房審        議官       時澤  忠君        文部科学大臣官        房審議官     伯井 美徳君        文部科学大臣官        房審議官     義本 博司君        厚生労働大臣官        房審議官     苧谷 秀信君        農林水産省農村        振興局農村政策        部長       佐藤 速水君        国土交通省鉄道        局次長      篠原 康弘君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○地域自主性及び自立性を高めるための改革の  推進を図るための関係法律整備に関する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○地域再生法の一部を改正する法律案内閣提出  、衆議院送付)     ─────────────
  2. 西田昌司

    委員長西田昌司君) ただいまから地方・消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、松田公太君及び平野達男君が委員辞任され、その補欠として山口和之君及び荒井広幸君が選任されました。  また、本日、大門実紀史君が委員辞任され、その補欠として紙智子君が選任されました。     ─────────────
  3. 西田昌司

    委員長西田昌司君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案及び地域再生法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣地方創生推進室長内田要君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 西田昌司

    委員長西田昌司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 西田昌司

    委員長西田昌司君) 地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案及び地域再生法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 若林健太

    若林健太君 自由民主党の若林でございます。  今日は、石破大臣地方創生についての質問をさせていただく機会をいただきまして、本当にありがとうございます。  私は五年前に初当選をさせていただきまして、あの選挙のときに、自分自身がこの選挙終盤戦で訴えていたのは、私の子供たちは今、小学生中学生、もうちょっと大きくなっちゃいましたけれども、あの当時、小学生中学生です。この子たちが大きくなって成人になったとき、この地元長野に帰ってこいと俺たちは胸を張ってそういうことが言えるだろうかと。産業空洞化など、構造的に取り組んで、生まれ育った地域で若者が生き生きと仕事をして、そして暮らせる地域をつくっていきたいと、こう申し上げてまいりました。今まさに地方創生で、政府が、あの当時自分が思っていたことを本当に真正面から捉えて取り組んでいっていただいている、本当に我が意を得たりと、そんな思いがいたしております。  何といっても、まず地方仕事の場が必要だというふうに思います。帰ってこようと思っても、県庁や市役所や銀行しかないというような状態ではどうしようもない。是非とも、そういう意味で、仕事の場をつくると。こういう意味企業地方拠点強化促進政策、今回、基幹税である法人税を手を入れて、地域ごと優遇をするという極めて抜本的な取組をしていただいているというふうに思います。  この政策がやっぱり幅広く使われていくことが必要だというふうに思いますし、そのためにも、何で日本企業本社機能東京へ集中していってしまっているのか。その実態も、なぜそうなのかという理由について明確でないところもありますから、それぞれの企業に、なぜ東京本社を設置しているのか、地方移転する計画はないのかといったようなアンケート実施をし、そして是非この制度について利用していただけるような促しをしていくということが重要だと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  7. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 御指摘、誠にありがとうございます。  一つは、今委員がお触れになった税の優遇制度というのを周知徹底しないと、そんな制度があることも知らなかったではどうにもならぬと。例えば、五億円を投資をして、地方移転をしますと。で、三十人が東京から地方に勤務を移転し、二十人新しく雇うということになった。いろいろな計算式はあるんですが、五億円の投資をすると九千万円お得というようなものなんです。  これ、我々は、商品として設計したときに、これはお得だと思っているんですが、知らなければ利用のしようがないと。あとニーズと合わないとどうしようもないので、経団連に対しまして、六月末を期限として、これは経団連がやっていただいたことですが、今委員がおっしゃるようなアンケートをやろうと思いまして、経団連お願いをいたしました。経団連も、じゃ、やろうということになりまして、四百六十社を対象として、六月末を期限として、なぜ本社機能移転をできませんかということをお尋ねをしていただいているわけでございます。  そこにおいては、移転を検討していない主な理由は何でしょうと。何でしないんでしょうか、あるいは、今検討していますか、いませんか、それから、ほかに何か施策として必要なものがありますか等々、聞かないと分かりません。これを集計をして、御要望があればここでもまたお話をいたしますが、なぜなんだろう、本社機能でもいろんなのがあるわけで、人事があり総務があり経理があり企画があり、本社丸ごと移転してくださいと言っているわけじゃないんです。じゃ、この部門だけでもというのは必ずあるはずなんで、金輪際地方移転できないとするならば一体なぜなんでしょうねというのを我々知らないと、またいろんな政策の打ちようがございませんので、委員の御指摘のとおりアンケートをやっておるところでございます。
  8. 若林健太

    若林健太君 おっしゃるように、やっぱりこのなぜなのかというところをしっかり分析をする必要がありましょうし、また周知徹底という意味でも有効なことだと思います。是非進めていただければと思います。  実は、私の地元に今度日本無線が本社を移すということで、ちょうど歩いて十分ぐらいのところに移してくるんですね。千人の雇用が新たに移転をするということで、大変な活況でございます。大変な影響力があるものだなというふうに、つくづくそういうふうに思っておりますが、この場合は、本社を、所在地をまさに変えているわけですけど、今回のこの制度については、所在地そのものを変えなくても本社機能の一部でも移すことによって優遇の適用があると、こういうふうに伺っております。そのことの確認と、そして目標とする七千五百、この根拠についてお伺いしたいと思います。
  9. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは本社丸ごと移転していただかなくて結構です。そこの機能のうちのどれかでもいい。つまり、これだけ情報が発達をし、交通が発達して、それは何も東京にいなくともいい部分って考えてみればあるよねというのが出てくるはずなんで、一部の移転でもそれは全く構わないものでございます。ですから、経団連とか同友会とか、あちこちに、こんなにお得みたいなポスターを貼ろうと思っておりまして、是非とも先生方にもお力を賜りたいと思っております。  それから、目標とする企業地方拠点強化件数が七千五百というのは一体何が根拠なのであるかというお尋ねでございますが、これは平成二十三年中のいろんなデータを基にいたしました平成二十四年の総務省及び経産省が五年に一回実施をしております経済センサス活動調査というものをベースにしてやらせていただいておるわけでございます。  こういう税制優遇になっている地域、なっていない地域、今までの実績、あるいはそういうものを全て計算をしてみましたところ、今後五年間で拠点強化移転拡充件数は七千五百、雇用者数については四万ということで出しておるところでございます。これ、今までの実績ベースにしてやっておりますので、何も荒唐無稽な数字ではございませんが、何も高い目標だけ掲げて幻想を振りまいてもいけませんので、このセンサスに基づいて出しておる数字でございます。
  10. 若林健太

    若林健太君 非常にある意味では手堅い目標だと思います。この目標に限らず、とにかく広く適用していただくようなことが地方創生にとって非常に大きな起爆剤になっていくと思いますので、その御努力を引き続きお願いを申し上げたいというふうに思います。  話題を変えまして、地方総合戦略についてお伺いしたいと思います。  今、全国の県、市町村地方版総合戦略の策定に取りかかっているところだというふうに思っています。我が長野県でも、県が主導しながら、市町村、十ブロックに分けてサポートしながらその取組が始まっております。  しかし、この市町村、中を見てまいりますと、小さな村役場等ではなかなかどこから手を付けていいのか分からないと言っているようなところもあって、この一年でつくり上げることが本当にできるのかと。期限を切ったことによって、あるいはコンサルに丸投げしたりするようなリスクがあるんじゃないのかと、この辺が危惧されるところですが、その点、いろんなサポート体制をしいていただいていると思いますけれども大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  11. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 昨日も長野阿部知事が来られまして、いろんなお話をさせていただきました。恐らく委員のところにも行かれたと思います。そこには、県会議長さん、あるいは市長会会長さん、市議会議長会会長さん、町村会会長さん、皆さんいらっしゃっていました。  やはり長野もそうですが、県がきちんと各市町村を、指導という言い方がいいかどうかは分かりませんが、見てやっていくところが随分増えてきたと思っております。そこにおいて、御指摘のような、何か分からないからコンサルに丸投げしましょうというようなところがゆめゆめないようにというお願いもいたしましたが、地方村役場とかいうところに行きますと、なかなか大変だよねというのがないわけではございません。  ですけれども、それは、今までこういう計画というのは、市役所であり、町役場であり、村役場というのだけで作っていたと思うんです。今回お願いしていますのは、村であれば、やっぱり商工会ってあるでしょうと。あるいは、地方銀行、信用金庫の支店ってありますよねと。あるいは、この間、真庭市というところへ行ってきたんですけれども、あそこは大学があるわけじゃないんですが、高校生がそれを作るのに参画するということをやっていました。これは隠岐の海士町でもそうでございます。高校生参画させよう、先生方参画させよう。あるいは、連合を始めとする労働界方々にも参画していただき、地域の新聞やテレビにも参画をしていただくことで、役場ではそれは人が足りないかもしれない、だけれども、その地域における産官学金労言と、こういう方々参画をすることによって、企画能力というのは間違いなく上がるはずだと。もちろん、コンサルの助言等々を受けることを一切駄目とは言いませんが、丸投げということでなくてもできる体制というのはあると思います。  そして、私どもとして、今まで人口五万人以下の自治体には国家公務員等々派遣してきませんでした。国家公務員を派遣する、あるいは学者さん、あるいは民間のコンサルタントみたいな方を派遣するという事業もやって、大変御好評をいただいております。  そして、今日も市議会議長会お話をしてきたのですが、地域経済分析システム、RESASというのがございます。それは、今まで行政しか情報を持っていなかったのが、議員の方にも納税者の方にも、地域経済分析システムというふうに引いていただけると、日本の地図が出る、長野をクリックする、その次に長野市をクリックする、松本でも何でもいいのですが、そうするといろんなデータが出てまいります。  国として、人材面情報面財政面で可能な限りの支援をしてまいりますので、委員が御指摘のように、一年って短いんじゃないかということを克服できるようないろんな手だては講じさせていただいておるところでございます。
  12. 若林健太

    若林健太君 先日、我が党でも、その今のビッグデータを利用したシステム、拝見させてもらいました。大変有効な情報だと思うんですね。そして、多くの人が関わることによって、本当に我が町、我が村の将来をみんなで語り合ってつくり上げていく、大変重要なことだというふうに思います。  ただ、先行して作成された地方版総合戦略の中には、正直申し上げて、本当にこれ達成できるんかいというような、ちょっと高い目標を設定し過ぎているのではないかと言われるような戦略もあるように聞いております。地方総合戦略目標を達成できない場合に、あるいはペナルティーを科すとか、それがいいかどうかはあれとして、何らかのモラルハザードを起こさないような仕組みというのが必要なんではないかと思いますけど、その辺、大臣、どういうふうに御検討されているか。
  13. 石破茂

    国務大臣石破茂君) そういうことはあるかもしれません。ですけれども、先ほど来申し上げておりますように、それを作るのは、何も市長さんや町長さんが人気取りのために、あるいは目立ちたいがために、すごく実現不可能なアンビシャスな目標を勝手に設定するわけではございません。  いろんな方々がその計画作り参画をするわけでございますし、今度の総合戦略におきましては、PDCA、つまり企画立案、実行、点検、改善と、そのチェックの機能PDCAのCの部分が必ず入っているということでございますから、そういうような目標を仮に掲げたとして、実現がどう見てもひっくり返っても困難だという場合には、このCのところで引っかかってくるわけでございます。そうすると、やはりその地域経営者を選ぶのはその地域納税者主権者の権利であり義務ですから、じゃ、替えましょうねという話にひっきょうなるはずでございます。  私どもとして、国として、こういうような目標を設定しなさいとか、あるいは、できなかったらペナルティーですとか、そういうことを申し上げるつもりはございません。それぞれの地域における地方自治民主主義というのはそういうものだと考えております。
  14. 若林健太

    若林健太君 まさに地域力が試されると、こういうことだと思います。地方創生先行型交付金では、上乗せ交付金、個別のこの事業についてのそういった取組もあるという中でありますので、今まさに大臣が御指摘いただいたような地域力がしっかり発揮され、地に足の付いた地方創生に向かった取組が進められることを望みたいというふうに思います。  ちょっと時間がなくなってまいりましたので、予定した質問を少し飛ばしますが、次に、地方分権の中の農地転用に関する許可に係る事務権限移譲についてお伺いしたいというふうに思います。  今回、権限移譲によって、手挙げ方式で指定された市町村が担うことになっておりますけれども、これによって、国として大切な食料自給の前提となる農地乱開発に遭ったり、あるいは農地面積が少なくなる、あるいは耕作適地が少なくなって条件不利地ばっかりが残ってしまうと、こんなようなリスクが心配されるわけでありますけれども、この点についてどのように手当てしているか、お伺いしたいと思います。
  15. 佐藤速水

    政府参考人佐藤速水君) お答え申し上げます。  今般の地方分権改革におけます農林水産大臣指定する市町村への農地転用許可権限移譲についてでございますけれども、これは、市町村申出を受けまして、一つには、農地転用許可制度等基準に従って適正に運用すると認められること、二つ目に、農地転用許可制度等に係る事務処理体制が整っていると認められること、三つ目に、単に農地の総量を確保するということではなく、集団的な農地などの優良農地確保に係る適切な目標を定めていることといったような要件を満たす農地確保に責任を持って取り組む市町村、これを農林水産大臣指定をするということを基本に考えております。  また、農地転用許可権限移譲に際しましては、転用許可基準緩和は行わないこととしておりますので、農地乱開発につながるものではないと考えておりますが、さらに、農林水産省といたしまして、農地転用許可基準明確化を行うとともに、自治体担当者向けの研修の充実、事例集の作成を行う、あるいは、許可権限移譲に係る運用状況を重点的に把握いたしまして、必要に応じ是正措置をとるように求めていくようなことで適切な運用が行われるように取り組んでまいりたいと思います。
  16. 若林健太

    若林健太君 その指定市町村についてなんですが、もう既に地方自治法の条例によって、事務処理特例制度を活用して農地転用許可に係る事務を行っている市町村、たくさんあると思いますけれども、そういった市町村指定市町村になれるのか。この制度によって移譲を受けた市町村が、仮に、これまで何ら支障なく事務権限を行っているにもかかわらず指定市町村になれないともしなるならば、国による新たな規制を設けるようなことになってしまいはしないか。要するに、制度が両方併存するというようなことになってしまうということですが、こういったことによって、一方、もし両方併存してしまうという中で、指定市町村になれなかった場合でも、今までやっていた市町村農地転用許可に係る事務を行うことは可能なのかどうか、この辺の制度の整理について大臣にお伺いしたいと思います。
  17. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 理屈からいえば、併存というのは起こり得ることでございます。それは起こるんですが、今回の見直しの趣旨というものを考えました場合に、やはりそういう場合におきましても、そういうところが権限移譲を御希望になる場合には、つまり市町村が都道府県と同じような権限を持ちたいなというふうな御希望がある場合には、指定市町村としての指定を受けていただくという方が望ましいと私どもとして考えております。  したがいまして、市長会とか町村会におきましても、指定市町村指定に向けて取り組むというような申合せをしていただいておるところでございます。  私どもとしては、繰り返しになりますが、なぜ指定市町村仕組みを設けたのかという趣旨につきましてよく御理解をいただくよう努力をいたしてまいりますし、今事務方からも答弁がございましたが、今回は、別に規制緩和するわけではございません。農地を守っていかねばならないというのは当然のことでございますし、そういうような仕組みがきちんとできていないところ、あるいは事務処理能力の劣るところは、そういうものに対して指定をすることはございませんが、私どもとして、それがやりやすいような事例集というものをたくさん作っていただいて、今回の新たな仕組みというものに乗っていただく。  つまり、開発をしたいというときに農林水産省まで行きますと、もう非常に時間が掛かると。その間に、そんな時間は見ていられないということで、来るはずだった企業さんが来なくなっちゃったというような例がございますので、スピーディーにということは企図いたしておりますが、規制緩和を行うものではございません。  ですから、指定市町村というものに手を挙げていただきたいというふうに考えております。
  18. 若林健太

    若林健太君 既存の制度は残るけれども新しいものへ順次移行していくと、こういうお話でありましたし、また、規制そのもの緩和されたものではないというお話でございました。是非、非常に目玉になる政策でもありますので、適正な運用お願い申し上げて、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  19. 森本真治

    森本真治君 大変お疲れさまでございます。民主党・新緑風会の森本真治でございます。  五十分の時間をいただきましたので、通告四項目させていただいております今回の法案に関連して、ちょっと質問内容多岐にわたるとは思いますけれども、今日は石破大臣質問させていただくということで大変楽しみにしておりましたので、どうぞよろしくお願いいたします。また、平副大臣もお出ましいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  それでは、まず地方分権ということで少し時間を取らせていただいて、お話を、議論をさせていただきたいと思います。  今日、ちょうど午前中に参議院の本会議が開かれまして、国の統治機構に関する調査会の中間報告ということで、私は調査会のメンバーではないんですけれども、調査会長から報告がございました。まさにこの地方分権についても、この在り方についても、調査会を中心にこの参議院においてもしっかりと議論がなされているということで、私も今後、しっかりとそれらの動きについても注視をさせていただきたいなというふうにも思わせていただいたところでございました。  御案内のとおり、平成五年ですかね、衆参で地方分権推進に関する決議というのがなされて、ほぼ二十年余りにわたってこの地方分権ということが言われ続けました。この間、民主党政権もあったりということで、地方分権であったり、民主党政権時代は地域主権というふうに言っていたと思います。そして、今は、また後ほど議論もさせていただきますけれども地方創生ということで、これは恐らく、これまでの地方分権のこういう議論も当然ながら包含をする中で、今また新たなステージに入っていかれているのかなというふうにも思っております。  ただ、この地方分権の議論でございますけれども、私も実は、二年前この参議院に来させていただく前は市会議員を十年間、平成十五年からでしたけれども、務めておりまして、この特別委員会にも地方議会また首長の出身の皆さんもたくさんいらっしゃるということで、恐らく皆さん同じ思い共有されていると思いますけれども、この間、地方の側においても、私自身も、この地方分権についてはいろいろとそれぞれで努力もしてきたところがあったと思います。さらには、特にこの地方分権とも関わってくると思いますけれども、行政改革ですね、地方のそれぞれの皆さんは、それこそ必死になって行政改革にも努めてきたというところがありました。  では、この分権改革ですけれども、果たして、じゃ、国民の立場に立ったときとかそれぞれの住民の立場に立ったときに、この改革の成果というものがどれだけ実感をしてもらっているのかなというところをやっぱり改めてもう一度我々としても考えていかなければならないのかなというふうに思います。革命みたいなのが起こって世の中ががらっと変わって、社会のシステムが大きく変われば、何か世の中変わったなというふうに感じることはあるかもしれませんけれども、この分権改革というのも、非常に大事なんだけれども、なかなか、地味というか、本当に地道にみんな頑張ってきているんだけれども、じゃ、その評価が国民なり住民の皆さんにしていただけているのかということはちょっと私も考えなければいけないなというふうにも思っておるんです。  それで、これちょっと、まず、どなたでも結構なんですけれども大臣、もし御答弁いただけたらと思いますが、この二十年間、分権改革ということでみんな頑張ってきましたが、もしこの分権改革ということをしていなかった場合、国民なり住民にとってはどのような今不具合というか、影響があったと思いますか。
  20. 石破茂

    国務大臣石破茂君) この地方分権という言葉は、地方主権という言葉は私どもは使いませんが、そこはどうでもいいんですけれども。細川内閣というのがあって、そのときに、細川さんが参議院議員の頃でしたでしょうか、知事の頃でしたでしょうか、「鄙の論理」という本をお書きになって、あそこに、バス停をどこに置くかもそれぞれ国にお伺いを立てねばならないのだみたいなお話を書いておられたように記憶をするのです。そんなばかなことあるまいと、バス停をどこにするかを一々当時の運輸省までお伺いを立てねばならぬなぞとばかなことはないだろうと。  地域でできることは地域でやりましょう、住民に身近なことは住民の代表たる自治体にやってもらいましょうというのが物事の基本であって、それはずっと何本もの法律を作り、一回一覧表にしてこういうことができましたと御説明した方がいいのかもしれませんが、あっ、これって随分スピーディーになったよねということは随分と実感をしていただいているんだろうと思います。  先ほど若林議員との議論にもございましたが、農地転用にしても、それは一々霞が関までお伺いを立てているとなると物すごい時間掛かっちゃうねと。規制緩和ではないけれども、分権というのはあるんだと思っております。ただ、農地転用について申し上げれば、国の自給力というものを考えたときに、みんながみんな転用だ転用だ転用だということになっちゃいますと自給力そのものが低下をするので、調整の仕組みはきちんとつくった上でやっていくということですから、これから先もまだ分権をした方が住民の方々の利便性に資するものというのはたくさんあるだろうと思います。  ただ、随分と歴史を経てきましたので、残りましたものには残っただけの理由がございます。この農地なんというのは最たるものでございますが、じゃなぜ分権になじまないのか、じゃ分権をするためにはどうすればいいのかということを一度分かりやすく御説明する必要はあると思っております。
  21. 森本真治

    森本真治君 ありがとうございます。  スピード感というようなお話もございましたけれども、大きく暮らしが変わるというような中での評価というのもあるかもしれないけれども、おっしゃられたように、本当に、今までだったら役所なんかでも例えばたらい回しに遭うとか、国などとの調整で本当に速やかに課題解決をしてもらいたかった部分がなかなか進まない、しかし、それが要望とか何かすぐに即効性を持って対応していただくというような中で、それこれ住民の満足度は上がっていくというような観点でのやっぱり効果というのも確かにあろうかというふうに思います。  それで、今大臣言われたように、もうほぼ、これまでの分権改革の流れでいえば、ある意味ほぼ最終形に近づいてきているようなところも確かにあろうかと思いますね。これは、いわゆるシステム改革というか、行政のまさに手続の部分改革という観点においてほぼ最終形になってきたかもしれない。  ただ、これで分権改革というのが当然ながら終了ということではなくて、常にまた時代も変化をしていくわけで、新たなニーズとか課題というのが生まれたときに、じゃ、新たな今度分権改革というものをどう考えていくかということが、まさにこれからの分権改革の方になっていくのかなと。まさにこれは、改革のゴールはないし、だから私は、今日あえて例えば今までの中央集権が悪かったという言い方をするわけではなくて、その時々に合ったシステムがあった、それを的確に変化をしていくという中においては今後もこれは不断の努力が必要なのかなというふうにも思っております。  ただ、その中で、やっぱり何というか、振り返りというか、検証というのは当然していきます。今日は、失敗でしたねというようなことは当然、到底申し上げようとは思っておりませんけれども、これまでの改革が十分に適応例えばできていないような部分があるのであれば、やはりそこはしっかりとここで確認もしていかなければならないというふうに思っております。  それで、まさに今後この分権改革の新たなステージに入る中で、もうこれまでも何度も議論がなされているように、大事なのが、例えば東京一極集中の是正というようなことがずっと言われておりますけれども、そういう人口流出であったり、過疎化の問題とか、もうずっとこれ、過般もありましたね、限界集落というような問題もずっとあってきた、その辺りについてこれまでの改革がしっかりとそのような課題について対応できていたのかということはちょっと確認をしたいと思います。  それで、今日ちょっと配付資料、出していないんですけれども、今から話しすることがね。東京への転入超過、これは、東京都の資料を見ると、実はこれ、最近の話というか、平成九年からのようですね。それまでは転出超過の方が東京は多かった。それが、平成九年から転入超過がずっと来ていて、まさに今も大きな問題として上がってきております。これ、平成九年といいますと、分権改革もうスタートしているんですよね、実は。分権改革がスタートしている中での転入超過、今まさに大きな問題になっている一極集中という話になってきた。  これまでの分権改革というのは、まさにその目的というのがあって、例えば地域の自主自立であるとか、そういうような目的があったんだけれども、やはりそれらの目的が達せられなかった、地域のそういう発展に貢献できていなかったというところはあろうかと思うんですけれども、その辺りについて、これまでの分権改革の評価というか、そういう部分において実際に流出への歯止めが、止められていなかったということについてはどのように考えますでしょうか。
  22. 満田誉

    政府参考人(満田誉君) お答え申し上げます。  これまでの地方分権改革におきましては、地方公共団体として自主的、そして自立的な判断ができるような改革を進めてきたということ、国と対等協力な関係にするということ、そしてまた、権限移譲したり、あるいは国が義務付けている、何々しなければならないというふうに義務付けているというものを改めるという、こういうことに主眼を置いて一次、二次という形で進めてきたわけでございます。これはこれで一定の進展があって、自主的な町づくりにつながっている面もあろうかというふうに思っております。  ただ、御指摘のとおり、確かに東京一極集中問題あるいは働く場所が偏在しているという問題等々課題はあるわけでございまして、御指摘のような転入、転出という結果になって表れていることは事実だろうというふうに思っております。  したがいまして、今後の分権という意味では、今までの分権の仕組みではどこが対応できていないかということをよく検証し、まさに委員指摘のとおり、検証しながら、そして地方創生に関する事項を重視しつつこの後の分権を進めていかなければならないと、このように考えているところでございます。
  23. 森本真治

    森本真治君 例えば過疎地の問題とか都会への人口流出という問題というのは、これは当初の分権改革の、当初ですね、所期の目的の中にはその対応というのは含まれていたんですか。
  24. 満田誉

    政府参考人(満田誉君) 過疎は大変古くからの行政課題でございまして、過疎法だけを取りましても、昭和四十五年の法律であったかと記憶しております。これはこれで、こういう状態にあるということは前提でございますが、地方分権そのもの、特に一次の分権は、先ほど申し上げましたとおり、国と地方を対等協力な関係にして自主的、主体的な町づくりをするという、こういう見地でございましたので、各論で何かを特に焦点を当ててしたという、そういうことではなかったように記憶しております。
  25. 森本真治

    森本真治君 ありがとうございます。  それともう一つですけれども平成の大合併というのがございました。これもまさに分権改革の、この流れの中で平成の大合併というのがございましたけれども、これもちょっと確認ですけれども、これは、分権改革の一環としてこの平成の大合併というのが行われたということでよろしかったんでしょうか。この合併の目的ってどうだったのかを、ちょっとこれ、どなたでも結構なんですが。
  26. 満田誉

    政府参考人(満田誉君) 第一次の分権、第二次の分権ということで申し上げるとするならば、ちょうど時期を同じくして確かに平成の合併といったことはあったわけでございますが、分権の一環としてこれが行われたと申しますよりも、合併の方は一定の行財政基盤を強化しなければならないということ、そしてまた、専門の職員さんですとかあるいは専門の部署を新設して組織を充実して、地方公共団体の、言ってみたら、総じて言えば力を充実していく、そういう話として合併は行われてきたものというふうに承知をしております。
  27. 森本真治

    森本真治君 目的が違っていたのかなというふうに思いますね。一方では、やっぱり地域の活力というか、そういう部分での地方分権と、行政サービスの効率化というか、そういう部分での合併という話だったのかなというふうに思います。  これ、結果的な評価ですけれども、この合併を推進をしていったことが、例えば今本当に大きくなってきている人口流出問題、東京一極集中に与えた影響というのも、東京一極集中というか都心への人口集中に与えた影響というのも私はあろうかと思うんですけれども、その辺りの認識をお伺いしたいと思います。
  28. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは否定できないと思います。  合併をして、確かに、行政能力が上がったところはあるんでしょう、効率化になったところもあるんでしょう、そこの合併市としてみればそうなんでしょうけれども、合併された側の旧町村にしてみれば、今まで役場があって、村長さんがいて、村議会があってということで、そこは一つの行政としてかなり行き届いた手当てがなされていたものが、合併したことによって、役場はなくなる、村長はいなくなる、議会はない、かつまた、その役場市役所の支所になり、来る人は何か見たことも聞いたこともない人が三年ごとに替わっていくみたいなことになりますと、どうしてもそういう隅々まで、行政の手というか光というか、行き届かなくなっていることは間違いない事実だと私は思っております。  これは合併の影の部分だとするならば、それをどうするんだという手当てを早急に講じませんと、そういう地域はどんどんと、それはもう限界集落から消滅集落にこのままいけばなるに決まっているんで、どうやってそこに、この合併というのは今更元に戻すわけにはいかないものですから、戻すところもあるのかもしれませんけど、これから先、どういうような方策が講ぜられるかというのは極めて大事な視点だと思っております。  今回お願いをしております例えばコンパクトビレッジ、小さな拠点の形成というのもそうでございますし、私は、そういうところにまだ残っているいろんなインフラがございますね、JAであるとか、土地改良であるとか、あるいは郵政であるとか、そういうものを使った、そういう地域をマネジメントするような主体というものをつくっていかないと、限界集落が消滅になり、そこの人たち東京までは行かないにしても近くの市へ行っちゃうよねということが止まらないんだと思っております。そこの部分の手当ては急を要するという認識を持っております。
  29. 森本真治

    森本真治君 ありがとうございます。  例えば、政治、行政のシステムに限らず、何となくこの日本の中に、これは経済のシステムを含めて、効率化というか、そういうような部分を追い求めてきたところがあったと思います。それはそれで評価をすべきところもあろうかと思いますけれども、今いみじくも大臣が言われたように、例えば行政のシステム部分において言えば、まさにそのマイナスの部分というか、影の部分なんかも非常に大きくなってきたというところがまさに今の喫緊の課題であるわけでございます。  そういう観点に立ったときに、今後のこの分権改革というか、新たな方向性の中で、当然これは地方創生の考え方にも私は含まれるべきだというふうには思っておりますけれども、いわゆる効率とかということを優先をしていいのかどうか、特に今後の地域社会などにおいてはそういう、何というんですかね、安定というか、そういう部分においての支え合いとか公共的な力の要素というものを強めていくということも、改めてもう一度ここら辺が問われてきているのかなというふうにも思っております。  今後の地方分権の方向性の中で、今回第五次の部分もございますけれども、その次のステージに向けてのこの地方分権の考え方について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  30. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今次長から御説明いたしましたように、例えば過疎対策というものと分権というのは、一つの考え方の下に出てきたものではなくて、別個の考え方に基づいて行われてきたものでございますが、委員お話を聞きながらなるほどねと思っているのは、これから先、分権というものがいかに地方創生に資するものなのかという視点は更に強調していかねばいけないものだと思っております。もちろん、そういう意識は持っているんですけれど、地域のことは地域で決めるよと、それは時間の短縮もそうですし、やっぱりこれやってほしかったんだというのはあるんだと思います。ですから、時間の短縮とより政策的な効果の発現という点で、分権をしたので地域が良くなったということの観点はより強く持っていかねばならないと考えております。  その場合に、どうしても分権できないもの以外は基本分権をいたしますが、分権されても、先ほどの農地のようなお話で、分権されたとしてもそこの自治体にはそういうものを処理する能力がないということになればどうにもならないわけで、そうすると、いかにして能力を上げ、分権というものを早くするかということの努力は私どもしていかねばならぬことだと思っております。  どうしてもその地方地方のことというのは霞が関には分からないことがたくさんありまして、この話は前もしたかもしれませんが、私が昔、農林水産大臣をやっておったときに、この地域の人がこんなに困っているよという話があって、それが役場に上がって、県庁の地方の振興局に行って、それが県庁本庁に上がって、中四国農政局に行って、それから農林本省に来て、そこから課長さんから部長さん、部長から局長さん、局長さんから副大臣の私に来たときは、こんなに困っていますよという話が、みんなこんなに喜んでいますよという話に化けていましたから、なかなか怖いことが世の中にはあるものだと思ったのをよく覚えておりますが、それは誰も悪意があっての話じゃなくて、少しずつお話が変わってくるということがあるんだと思います。  やっぱり権限の結節点が余りにたくさんありますと実態がよく捉えられなくなることがございますので、やはり、そういう観点からも、地方分権地域の創生、地域の活性化ということは一つの命題の下にやっていかねばならないと考えております。
  31. 森本真治

    森本真治君 ありがとうございます。  それと、これは冒頭にも少し触れましたけれども、なかなか、この分権改革というのが、ある意味、地味というか、長い努力を掛けてやる取組でございますので、なかなか国民や住民の皆様にその成果というものが実感をしてもらえないところはあろうかというふうに思います。本当、私も、自分の経験からも、当時の市役所なり市議会は一生懸命この議論もしていましたね。  もちろん、努力したからということじゃなくて、ある程度結果を求めなければ評価はしてもらえないと思いますけれども、いかに、じゃ、この改革ということの重要性なり住民にとってこれだけいいことなんですよということが、行政サービス利用する人というのも、実はそんなに多くの皆さんが、まあ無意識に感じているところもありますけれども、直接、例えば福祉が必要になったとか、そういうときに感じるということはあるけれども、どうこの改革の成果なりを発信していくかというか理解してもらう、やっぱり世論の後押しがないと常にこの改革というのは進まないわけでございますから。  そういう中でいったときに、今後のやはり情報発信などの重要性というのは非常に大切だろうと思うんですけれども、その辺りを今後どう取り組んでいかれようとするのか、お伺いしたいと思います。
  32. 満田誉

    政府参考人(満田誉君) お答え申し上げます。  これまでの地方分権改革の成果について、住民の方々が実感して、そしてまた地方行政にも参画していただくことにつながるということは大変重要なことでございます。  何よりも今、既に分権によりましてできてきている様々な取組事例というもの、それを紹介することによって、改革成果を住民の方に還元していくということをまず第一に考えているところでございます。  手前どもの方では、これは最近になってからでございますが、分権改革に関する優良事例集を作成したり、あるいは、これはツイッターですとかフェイスブックを使って事例を発信するというようなことも始めたばかりでございます。  是非多くの事例を、これらを活用しながら、多くの事例を、国の規制があったんだけれども、それがなくなったことによってこんなに自由な町づくりができるようになったという個々の良い事例というものを多く集めて、そして、これは地方六団体などともよく協力して、こうした事例を多くの団体に見ていただいて、それによりまして分権改革の効果というのを多くの住民の方々に御理解いただくようにしてまいりたいと、このように考えております。
  33. 森本真治

    森本真治君 いろんな、本当、皆で知恵を出し合いながら取り組んでいかなければいけないことだろうというふうにも思っておりますけれども、やっぱりこれが翻って、政治への信頼性向上とか今本当投票率の低下ということが非常に言われている、そういうような中で、しっかりと住民、また国民の皆さんが政治に対してやはりその重要性を認識してもらうという意味でも、発信するということの重要性についても指摘をさせていただきたいというふうに思います。  それと、今回の第五次分権一括法のことについてもちょっとお伺いをしたいと思いますけれども、これ、大臣、今回、この法案、一つの特徴として、手挙げ方式ということが一つの新たな特徴だというふうに思っておりますけれども、その中で、当初これ各自治体の方、関係団体の方から提案があって、これに対する提案募集の中で各府省から、まず回答、これ第一次回答というのがあったと思います。それが、約八割もの提案がまず対応これが不可だというふうに各省庁が回答された。その後に大臣が、再度、これもう一度検討をするようにということで要請をされたら、一気にこれ対応できる数が増えたというふうに私は理解をしておるんです。  それで、今後この改革を進めるということは、当然ながらこれ既得権益とのまさに闘いということになろうかと思うんですね。まさに、今、国の方、既得権益と言っていいのかどうかはちょっと分かりませんけれども、今回でも自主的に、じゃ、そういう改革について取組をされたのかということがなかなかちょっと私は疑問に思うところもあるんです。  今回のこの一連の経緯なども含めて、今後やはりこの改革を進めていく上には国側の意識改革ということは大変重要になろうかと思います。大臣是非、今回ここまでたどり着いたこれまでの過程なども振り返りながら、やっぱり今後の取組への決意というか、そういうこともお伺いしたいと思います。
  34. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 委員指摘のように、第一次回答ではもう八割が対応不可と、こういうふうなお返事だったわけですね。ああ、そうですかと。それをよく見ると、現行制度で対応可能だと、こう来るわけです。現行制度じゃ駄目だから変えてくれと言っているんですけど、現行制度で対応可能と言われるともう途方に暮れるわけで、現行制度で対応が可能だったら、どうやったら対応が可能になるのということをきちんと説明して納得してもらってちょうだいということを言うと、どうもこれではまずいらしいという話になるわけだったと思っております。  あるいは、対応困難だとかいうことになりますと、じゃ、どうやったら対応できるんだということを向こうが納得しなければどうにもならぬ。対応困難で門前払いするんだったら誰も相談には来ないわけで、対応困難ならなぜ困難なのかということを提案した側にちゃんと説明しなさい、現行制度で対応可能ならどうしたら対応可能か説明しなさいと言うと、たくさん、いや、実はできるんですというようなことになるわけで。  これやはり政務の側が実際に地方の立場に立つ、我々は霞が関におりますけれども、そうじゃなくて、地方の立場に立ってどうなるんだと。親切に正直に丁寧に徹底してやるということはやはり政治が示すべき姿勢だし、それを仮にリーダーシップという言葉で言えばそういうことではないかと思います。
  35. 森本真治

    森本真治君 まさにそのリーダーシップの重要性もあろうかと思います。それと、また繰り返しにもなるけれども、やはり世論の後押しということも非常に重要になってくるということを考えたときに、本当、これ二十年も地道にやっている部分で、注目度ももしかしたら低いような取組かもしれません。  実は、これ例えば地方創生なんかでもそうですよね。この通常国会冒頭、まさにこれ地方創生国会で、当初の予算審議などでも大臣も御活躍というか、いろいろと取組もされていると思います。これ、衆議院から参議院、ここまで来るのに時間が掛かりますから、正直、私なんかも、今この地方特別委員会のメンバーだというようなことで地元で話をしても、まだ地方創生ってあったのかみたいな、そのぐらいのこれ本当に、こういうことを言ったら怒られるかもしれませんが、まあ、どうしてもマスコミが今例えば安全保障とかばっかりやりますから、そういうような中で言ったときには、やはりこれ大臣はずっとこれ地道にリーダーシップを発揮して頑張っていただかなければなりませんけれども、いかにやっぱり発信していくかということですね。これは我々も含めて頑張っていかなければならないというふうにも思っております。  それと、ちょっとこの項の最後にもう一問だけ、今後の改革の方向性という中で、今日はちょっとこの資料の一、ちょうどこれ、私、地元、広島県なので、別に広島県の中身をどうこう言おうという話ではないんですけれども、ちょっと広島県を例に示させていただいたんですね。  やはり今後、今、権限などについて移譲ということがありますけれども、一番大きいのはやっぱり税財源ですよ、本当に、これはもうずっと言われてきておりますけれども。例えばこの広島県の予算を見ても、九〇%近くはこれはほぼもう義務的経費というか、そういうような状況の中で、じゃ、本当に住民の皆さん、県民の皆さんに例えば行政の取組を実感をしてもらえるかというときには、どうしてもこの政策経費の部分が、予算全体が硬直化しているような中では本当にこういう部分においても今後改革、もっと踏み込んでいかなければいけないのかなというふうに思います。どちらかというと、これまでの分権改革、この税財源の切り込みということが私は十分ではなかったというふうにも思っております。  是非、今後の分権改革の視点の中でも、やはりここにもしっかりと力強く踏み込んでいただきたいと思いますけれども、お考えをお伺いします。
  36. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これも、権限をよこすんだったらば、権限、人間、財源を付けろと、これよくセットフレーズみたいに言われるところでございます。  ですから、地方に財源を更に渡していくということは考えなければなりませんし、当然のことながら、地方交付税は地方固有の財源ということになっておるわけでありますが、問題は、その財源の偏在性というものをどう考えるんだと。同じ中国地方でも、広島なんていいなと我々は思うわけでありまして、鳥取、島根はなかなか悲しいなということになるわけでございまして、それを補うがために地方交付税というのがあって、財源保障機能と財源調整機能があるのだということになっているのですが、そこがやや硬直的に、むしろどちらかといえば結果平等を志向する形へつくられてはいないだろうかという問題意識が私にはございます。  どうすれば本当に努力したところがより報われるような、そういう、結果平等もそうなのだけれども努力したところによりインセンティブが付くような地方税の改革ができるかというのは、もちろん主管庁は総務省でございますが、私ども地方創生という観点からここの議論はしていかねばならぬことだと思っております。  あるいはまた、御議論をいただくことになるのだと思いますが、新型交付金というものはどういうコンセプトでつくっていくかということを考えたときに、自由に使えるお金がたくさん降ってきた方がいいと、それはそうに決まっているんですけれども、もうそれだけでは、とてもじゃないが今の財政状況でそういう話にはなるまいということを考えたときに、パターン化した補助金では駄目で、結果平等を志向する交付税では駄目で、じゃ、新型交付金なるものを使って企図するところは、地域が、まさしく行政からのお金ではなくて、仮に言葉を使うとすれば稼ぐ力ということになるのだと思いますが、行政からのお金に頼らずとも自立していける地域というものを、一足飛びにそんなことにはなりませんが、どうやったらつくっていけるのだろう。これはいいなという事例を見てみますと、とにかく公共事業はがんがん減りました、交付税はぶった切られましたと、もうこれは自分でやるしかないということで、そういうところが地方創生のモデルとなっている。  だから補助金をどんどん切れとか交付税をどんどん減らせとか、そんなことを言っているんじゃありませんが、どうやったらばその地域の稼ぐ力というものをつくることができるかということについても、新型交付金は一つの目安としなければいけないことだと考えております。
  37. 森本真治

    森本真治君 本当に、いろんな知恵をみんなで出し合って努力をしていくことは非常に重要だと思います。本当に、自治体自治体力というか地域の力というか、非常にこれは、私も地元で、広島県内を見回しても非常にそこのやはり差というのは感じるところがあるのは事実でもあります。だからといって、じゃ、それでもう弱いところは弱いで駄目だというふうに諦めるのではなく、これはみんなで、そういう部分の皆さんにとっても、やはり今後大きく力を付けていただくような努力をしっかり我々としてもしなければいけないなというふうにも思っております。  大分時間が進んでおりますので、ちょっと次のテーマでございますけれども、このまさに分権や地方創生にも私は大きく関わってくる問題だと思いますけれども地方議会のことについては、是非ちょっとここで私も、本当に国会に来させてもらったときにしっかりとこの問題は国においても議論をしなければいけないなと思っておることだったんですが、なかなかこの国会、また党内においても、実は今後の地方議会の在り方について、そこまで積極的に議論がなされていないのかなというふうにも思うところがあるんです。今日は余り詳しくはできませんけれども、少し問題提起というか、是非、この場でも皆さんにも考えていただきたいという思いで取り上げさせていただきたいと思います。  それで、まず大臣、それこそ地方創生を進める上で、地方議会が果たすやっぱり役割というか重要性というのもいろいろあろうかと思うんですけれども、今後のやはり地方議会や地方議員に求められているものということについて、何かお考えございますでしょうか。
  38. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これはかなり難しいお話でありまして、首長よりも議員の方がより身近にいろんな実態を知っているのだと思います。やはり大合併があちらこちらで行われましたので、首長さんが全部見るというのはなかなか難しいねということがございます。そうであるだけに議員さんの役割というのは非常に増しておるのだということがあります。  と同時に、市議会にも県議会にも町村議会にもお願いを今しておりますのは、RESAS、地域分析システムというものを活用して、それで議会における論戦をしていただきたいというお願いをいたしております。ここに道路付けてちょうだいとか、ここに橋架けてちょうだいとか、そういうことはもちろんございますでしょう、地域の要望として。それを実現するのも確かに地方議員さんのお仕事なのでしょう。しかしながら、その市、その町、その村がどんどんと縮小していく中にあって、そんなことを言っていてもなかなかその効果を発現するようなことは難しくて、実際にそこの自治体自体をどうやって発展させるのだということは、RESAS等々を使った数値分析がないと政策の立てようがないと思っております。  そこで、単なる個々の陳情というものがなされたり、あるいは経験と勘と思い込みで所論を述べたりということではなくて、そこの自治体が発展していくような建設的な議論をデータに基づいていたら、私どもとして、それが可能になるような可能な限りの支援を先ほど来申し上げているようなことでやってまいりたいと考えております。
  39. 森本真治

    森本真治君 今の御答弁では、地方議員さんや地方議会の役割が大きくはなっても、役割がどんどん低下していくことは私はないというふうに大臣も思われていると、当然、思いますね。  じゃ、今現状、地方議会に対する評価というか、それこそ地方議会不要論までが上がってくるようなことも聞いたりもします。先般行われた統一地方選挙においても、本当にこれ無投票、首長さんも実際無投票のところは多かったですけれども、特に県議会選挙なんかでは、これ二〇%以上が無投票になってしまうという今の状況がございます。それこそ、やはりこれはなり手の問題もありますけれども、なり手がいないということは、やはりそれなりの評価がなかなかその住民なんかの皆さんの中に、やはりそこまでの重要性というのがまだまだ十分ではないということの裏返しでもあろうかというふうに思います。  今のこの、それこそ国民なり住民の皆さんが考える地方議員に対する評価ですね、国会議員の選挙では余り無投票って聞いたことありませんけれども大臣、今のこの地方議員さんに対する評価、答弁は難しいですかね。ちょっと、どう思われるか。
  40. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 済みません、私は地方議員をやったことがないので、あるいはとんちんかんなことを言ったらお許しをいただきたいと思いますが、三十年近く国会議員をやってきて、随分と地方議員の方々ともお付き合いをし、いろんなことも教えてきていただきました。  最近無投票が多いのは、それはやはり、合併によってエリアがすごく広くなっちゃったので、当選するだけの票を集めるのがなかなか難しくなっちゃったねというのは、事実は事実としてあるんだと思います。やっぱり同級生とか親戚がいっぱいいると当選するみたいなことが、これだけエリアが広くなると、もちろんその方の能力、見識があってのことですが、非常に難しくなってきて、当選するのがなかなか難しくなってきたよねという事実は間違いなくあるだろうと思います。  それから、あとは、ここは、我が党は我が党でいろんなことを考え、いろんな党とも御相談をしていかねばなりませんが、議員さんの処遇というものが本当にこれでいいんだろうかねというお話はあるんだろうと思います。人間はパンのみにて生くるにあらずでありまして、いや、そんなこと言うなと、よそのところでは日曜日にボランティアで、あるいは仕事が終わってからやっている議会がいっぱいあるのだ、ほかの外国にはというお話も、またそれはそれで一つの見識かと思いますが、本当に議員を一生懸命やればやるほどいろんな政策的経費は掛かると。しかしながら、失業したらば、木から落ちても猿だがとかいう話になりまして、なかなかつらいところがあって、リスクがある仕事であることは間違いございません。  そうしますと、どうやって議員の、何も豪邸を建てる必要も何にもありませんが、少なくとも口にのりするぐらいのことはできねばならぬだろう、そこは一体どうなんだろうねとか、いろいろそういうことを分析をしなければいかぬのだろうと思います。  先ほどの委員の御質問にもお答えしましたように、地方議会の議員さんというのは、これから先、役割が増すことはあっても減ずることはないということでございますし、地方議会が何をやっているかというのは今やもうケーブルテレビで誰でも見られる時代になりました。そうすると、私が一票を入れたあの人は何をやってくれているんだろうなというのが常に見ていただける、あるいは見られる状況にございますから、地方議会の方々の更なる御活躍に期待するところは誠に大でございます。
  41. 森本真治

    森本真治君 ありがとうございます。期待する御答弁を私はいただいたというふうに思っております。  地方議員の皆さん自身が、例えば今の議員の待遇とか権能というか、本音では思っていても、何か今、議員バッシングみたいな、そういうような中でなかなかこれをはっきりと声高に発信することというのが、正直私は難しいような今状況があろうと思うんです。だから、そういう部分においては、私は国会議員のことをとやかく今言おうと思わなくて、やはり地方議員の皆さんの処遇とか、しっかりとしたなり手を確保するというような努力というのは、これはやはり我々国会の側も、国政の側もしっかりと後押しをしていくということは非常に重要だというふうに思います。そのような認識を私は持たれていると大臣は思いましたので、やはり今後しっかりとこれを我々も努力をしていかなければならないなというふうに思っております。  それと、もう一点ですけれども、これはちょっと確認という形になるかもしれませんけれども、今、例えば合併が進んで選挙区が大きくなってとか、そういう中で議員に出ようと思ってもなかなか出づらいような状況があるとか、あとは、どうしてもこれは人口の多い地域の、例えば県議会でいえば議員さんの方が当選をしやすいとか、そういうような部分があると思います。当然、これ、一票の格差の問題、これ国会でも出ていますけれども、ありますが、特にやはり地域地域課題を的確に県政なり地方自治の方に届けていく役割という部分においては、私は、これは地方議会においては、ここの辺りの議員の選出方法というのは柔軟に考えていくということは、これはちょっと憲法とかの兼ね合いとかよく分からないんですけれども、考えてもいいんじゃないかと思うんですよ。  例えば、政令市の県会議員さん不要論みたいなことも出ますよね、よく。だけれども、議員は政令市の議員さんの方が多いんですよ、やっぱり。そういうような問題もあって、そこら辺について、これは地方議会のことで結構なんですが、ちょっといろんな憲法との兼ね合いなんかも含めて検討できるのかどうか、御答弁いただきたいと思います。
  42. 時澤忠

    政府参考人時澤忠君) お答え申し上げます。  都道府県議会議員の各選挙区において選挙すべき議員の数につきましては、公職選挙法第十五条第八項におきまして、「人口に比例して、条例で定めなければならない。」とされているところでございますが、同項のただし書がございまして、「特別の事情があるときは、おおむね人口を基準とし、地域間の均衡を考慮して定めることができる。」というふうにされておりまして、都市部と過疎地域との人口の不均衡につきましても、その考慮要素に含まれるというふうに承知しております。  また、平成二十五年の議員立法によります公職選挙法の改正によりまして、都道府県議会議員の選挙区につきましては、一定のルールに基づきまして条例で定めることとされまして、自由度を高めまして、地域的なまとまりを踏まえて、地域の実情に応じて設定することが可能となったところでございます。  したがいまして、議員の定数配分につきましては、人口比例が最も重要かつ基本的な基準であることを踏まえながらも、これらの現行制度を活用することも一つの手法ではないかと考えております。  いずれにいたしましても、地方公共団体の議会議員の選挙区や定数の在り方、定数配分の在り方につきましては、広く地方自治の在り方に関わる問題でもございますので、各党会派で十分に御議論いただく必要があるのではないかと考えているところでございます。
  43. 森本真治

    森本真治君 どちらにしても、例えばそれぞれの地方議会の定数や選挙区の配分は、それぞれの議会がまた判断をされることにもなってこようかと思いますけれども、今の御答弁では幾らかは柔軟性があるなというふうにも思いまして、これは国会の中で議論ということになるか、私も地元に戻って地元の議員の皆さんとの議論になるか、あとはやっぱりそれぞれの有権者の皆さんの判断というのもありますけれども、ちょっとこれは私自身も追わせていただきたいなというふうに思いました。  ちょっとペースを考えなくて、あと五分しかなくなってしまいましたんで、東京一極集中の是正ということをこれ考えておったんですが、ちょっと後に回させていただいて、今日、副大臣がいらっしゃるんで、まだ答弁してもらっていないんで、せっかくなんで、ちょっとこれ通告をしていないんですけれども、いいですか、あと五分しかないんで。  コンパクトビレッジについてちょっとこの後させていただこうと思っておるんですが、昨日テレビに出られていて、ちょっと私、全部見させてもらっていないんですけれども、コンパクトシティーについてのちょっと御所見を述べられたというふうに伺っています。コンパクトシティーもコンパクトビレッジもやはり考え方としては私は共通する部分があろうかと思うんですが、コンパクトシティーについてなかなか難しいというか、苦労しているというような趣旨の発言をされたというふうに伺っていますが、今後のやっぱりこの取組にも大きく影響してくると思うんで、その真意について御説明いただけますか。
  44. 平将明

    ○副大臣(平将明君) 昨日のテレビの発言の趣旨は、今まで人口が増えていったときは、町が拡大方向に行って、ベクトルが中心街から外に向かう町づくりになっていたわけですが、これが人口減少になってくると、中心市街地に集約をしてくる、ベクトルを逆に向けるということで、これはどのぐらいですかね、私が初当選ぐらいですから七、八年前ぐらいから、かなり、甘利大臣だったと思いますが、コンパクトシティーというコンセプトが出てきました。  ただ一方で、その集約は、コンパクトシティーという概念が出てきた割には進んでいないというふうに思います。なぜならば、それは、そこに移るかどうかは各個人の判断によるわけであります。ですから、昨日も一緒に共演していた夕張市長の鈴木市長も、コンパクトビレッジ、コンパクトシティーをつくりたいんだけれども、住民が納得をしてくれなければうまくいかないと。たしか二、三百の世帯を説得したというふうに聞いていますが、全体では数千あるというふうに聞いております。  住民の理解もなければ進みませんし、また、中心市街地が魅力あるものにならなければそれは進んでいかないんだと思います。我々政府ができるのはあくまで環境整備とか法の整備でありますので、そういうふうに皆さんが思っていただけるような施策を政府としては進めていくということだと思います。
  45. 森本真治

    森本真治君 まさに、もちろん住民の意思というものが非常に重要になってくる中で、いろいろアイデアは考えるんだけれども御苦労されるという中で、じゃ、本当にどう、政策誘導というか、後押しができるかということも今後考えていかなければならないというふうにも思うんですが。  それで、このコンパクトビレッジの中でも、例えばこれ、財政的支援というのがございますけれども、例えばこれ、いろんな生活サービス施設というのは、当然ながらこれ、常にランニングコストが掛かってくる話であって、ただこれって、どうなんですかね、立ち上げのときだけの財政支援になるのか、ある程度、やはりこれってもう収益、多分認められないとも思うんですよね。  そうすると、先ほどの、今後の地方分権とか地方創生の考え方の一つとしてになるかもしれないけれども、比較的これは効率性とかというようなことを重視するというのは難しいと思うんです。そうすると、これも地道にやっぱりこういう財政支援というのを続けていくというお考えがあるのかどうか、そこについてお伺いします。
  46. 内田要

    政府参考人内田要君) 財政、コンパクトビレッジの財政支援でございますけれども、まさに御指摘のように、特に生活サービス等、コンパクトビレッジのようなところでは非常に、地域の状況等まちまちではありますけれども、採算性が非常に厳しいものがあろうかと思います。  そこで、もちろんこれはいろんな取組、例えば住民の方々が会社をつくって、みんなで出資して、小売店とかガソリンスタンドとか、あるいはお年寄りの見守りサービスとかをやっておられるというような事例もございまして、財政支援の前にそういう地域取組というもの、もちろんあると思っております。  ただ、もちろんそうとばかりとはいっておりませんので、市町村と、もちろん連携でございますけれども、立ち上がり資金を中心としまして、もちろん立ち上がり資金だけではなくても結構でございますが、地方創生先行型交付金などで御支援するものはしていきたいというように考えております。
  47. 森本真治

    森本真治君 ありがとうございました。  ちょっと時間が参りまして、尻切れとんぼになってしまいましたけれども、一過性のこれは問題ではありませんので、今後もいろいろとまた議論もさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  48. 佐々木さやか

    佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。  先日、厚生労働省が平成二十六年の人口動態統計を発表いたしました。合計特殊出生率、昨年は一・四二ということで、前の年に比べますと〇・〇一ポイント減と、近年は緩やかに上昇していましたけれども、ここに来て九年ぶりに減少に転じたということでございます。都道府県別に見ますと、やはり最も低いのは東京で一・一五と、一番高いのが沖縄の一・八六ということだそうであります。やはり東京が低いわけですけれども、これまでと少し違う傾向といたしましては、これまでは地方を中心に出生率が向上する傾向にあったんだけれども、その動きが少し鈍くなってきているということだそうです。  地方創生への長期ビジョンでは、若い世代の結婚や子育ての希望が実現すれば合計特殊出生率が一・八に向上するということが見込まれるとされております。子供を産み、また育てたい、こういう希望をかなえていくというのは、東京地方に限らず日本全体の問題でありますけれども、やはり特に人口減少ということに直面をしている地方にとっては、我が町でまた村で子供を育ててもらうということは差し迫った課題であると思います。  この地方創生という観点から、少子化対策の強化、どのように取り組んでいかれるのか、大臣に伺います。
  49. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 先般の発表されました合計特殊出生率につきましては、もう分析委員指摘のとおりでございます。  やはり、今までは引っ張っていた形の地方の伸びが鈍化した、場所によっては伸びるどころか、鈍化どころか低下したというところもございまして、何でそんなことになったのかというのをよく分析をしたいと思っております。  あわせまして、やはり晩婚化、晩産化というのは極めて強く利いておりまして、ただ、このことを改善しようと思いますと大変なことで、早く配偶者を得られた方がよいのではないでしょうかとか、早く出生なさったらよいのではないでしょうかなどということを言うと、そんなことに干渉されたくないとわあっとお叱りをいただくわけで、ここをどうしたものだろうかというのは極めて難しいと思っております。今までそういうことだったんですけれども。  ただ、フランスなんかはもうきちんとそういうことを国として言うのだということになっているんだそうで、そこをどうしたものだろうかというのは、これを言うといろんな御批判を浴びるからというので言わないでいるというのは決して正しいことだと私は思っていなくて、そこはもう闊達な御議論を委員会でも賜りたいと思います。  もう一つは、これはやはり日本全体の晩産化とか少子化とかそういうことだけ言っていてもどうにもなりませんで、例えば合計特殊出生率が二・〇を超えているというのが、それでも日本中に二十七市町村ございます。一・八を超えているというのは百二十あるわけでございまして、なぜそこでそれができているんだろうかというのはそれなりの理由があるはずでございます。あるいは、企業にしても、企業子宝率という言葉を委員当然御案内のことかと思いますが、この会社たくさんお子さん生まれるよね、同じ会社でも東京本社地方の営業所では全然出生率違うよねということがございます。  ここはやはりミクロに分析をしていかなければいかぬのではないかと思っておりまして、国はいろんなことも申しますしいろんな政策も打ちますが、地域地域あるいはそれぞれの職場、職域におきまして、いろんな御検討をいただき、何か、私どもとして支援できることは何なんだろうかということを、私は余りこの言葉は使いませんが、全力でやっていかねばならない、そういう時期に来ておると考えております。
  50. 佐々木さやか

    佐々木さやか君 ありがとうございます。  私も、大臣がおっしゃったとおり、やはり個々の事情、ミクロの分析というところが大切なのではないかと感じております。個々に見れば、やっぱり子育て支援に頑張って出生率向上した、そういうところはあるわけですので、それをいかに横展開といいますか、ほかのところでも取り組んでいただくかと、私も微力ながら全力を尽くしてまいりたいと思います。  例えば、島根県の邑南町、有名なところだと思いますけれども日本一の子育て村ということで目指しているそうであります。人口が約一万二千人ですが、年々人口が減り続けてきた、高齢化率も四〇%を超えていた、このままではいけないということで、町の外から子育て世代に来てもらおうということで、経済的な支援ですね、子供たちの医療費の無償化、また第二子以降は保育料も無料にすると。それだけではなくて、移住をしてきてくださる方たちに一対一で相談に乗って、徹底した移住者ケアということを行ってきたと。こうした結果で、十三年度には、それまで毎年数十人ほど減っていた人口の社会動態が初めてプラスに転じたということだそうです。  地域おこし協力隊の力を借りたりとか、また地元の食材のブランド力アップなど、いろんな取組をこの邑南町でも行っているそうですけれども、やっぱり日本一の子育て村という、この掲げているところが私はとても魅力的だと思いますし、この子育て支援ということが、一つ人口減少をプラスに転じた大きな力になっているんじゃないかなと思っています。  その子育て支援というのは内閣府の子ども・子育て本部などが取り組んでおりますけれども、やっぱりこの地方創生、また移住の促進という観点からも、こうした好事例を横展開していっていただきたいと思いますけれども、この点について、政府取組を伺います。
  51. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 委員が御指摘になった邑南町というのは本当にいい取組だと思っております。日本一の子育ての町ということのみならず、うちはB級グルメというのは一切やらぬ、A級グルメだけやるんだということで、島根のいろんな食材を集めて一流シェフを呼んでというんで、これまた人がわんさか来るわけでございます。これはやはり、何でそういう例が島根だけあるのか私はよく理解いたしかねておるところでございますが、島根にはそういう例がたくさんございます。  大事なのは横展開、いかにしてそれを知らしむるかということであって、やはりそこにはいろんなヒントがあるんだと思います。そういうのは、もう、おたく、カリスマ的な町長がいるからさとか、そういうようなことで片付けては駄目で、やはり多くのところへ展開していく要素があるんだと思っております。  ただ、ここはまた御議論をいただきたいのですが、そういう子育て支援とか医療の無料化とか、そういうもののナショナルミニマム化ということが随分といろんな自治体から言われておるところでございますが、それをやることによって出生率がどう変わっていくのかということは、私として考えてみたいことだと思っております。  そこの自治体においてできることがほかでもできるのか、いやできないのか、できないとすればなぜなのかという分析もきちんと加えながら、そういう邑南町の事例がどこまで横展開できるかということは、我々政府の責任として考えていかねばならないことだと考えております。
  52. 佐々木さやか

    佐々木さやか君 地方への人の流れというところで重要なのが、もう一つはやはり仕事、若い人たち地方仕事をしっかりしてもらうというところなんですけれども、先日、我が党では、地方創生のための全国会合というものを開催をいたしまして、各地から地方議員に集まってもらいました。国会議員も入りまして、現場での課題をいろいろと議論をいたしました。  そうした中で、地方で中小企業の廃業が相次いでいるという声がございました。利益が仮に上がっていたとしても、後継者がいないために廃業する企業も少なくないということでございまして、地方の隅々にまで景気の回復の効果を届けるとともに、この事業承継、後継者の確保、また事業承継の円滑化ということも重要であると思っております。この点、第三者への事業承継を円滑にする法改正、これも検討されておりますけれども地方に若い世代の雇用をつくり出すという観点から、若い世代に事業承継をしてもらう、こういう仕組みづくりも重要ではないかと考えております。  例えば、その地域、周りの地域にはちょっと後継人材として見付からないということでも、全国を探していただければいらっしゃる可能性も高まると思うんですね。ですから、地域しごと支援センターですとか、またトライアル雇用などとも組み合わせて、事業承継をしてもらうために地方に移住してもらう、こういうことも観点として取り入れて、事業承継の促進、全国的な取組といいますか、仕組みづくりを行っていくべきではないかと思っているんですけれども、この点、いかがでしょうか。
  53. 若井英二

    政府参考人(若井英二君) お答え申し上げます。  中小企業事業を円滑に承継をする、こういうことは地域雇用でありますとか企業の技術を守っていく上で非常に重要でありますので、こういったことは地方創生の観点から重要であるというのはまさに委員指摘のとおりでございます。昨年策定をいたしました総合戦略にもその旨を織り込んでおるところでございます。  その中小企業に対する事業承継ということにつきましては、やはり経営者の気持ちが非常に重要であるということでもございますので、経営者に対するセミナーを通じまして普及啓発を図っておるところでございますけれども、この後継者不足に悩む経営者と、こういった企業の資源を活用する、そういったマッチングの事業ども委員からお話がありました事業引継ぎ支援センターで行っているところでございまして、このセンターを二十七年度中には全国の都道府県に展開をしたい、このように考えておるわけであります。  それから、平成二十六年度補正予算で措置をいたしました地方創生先行型の交付金におきまして、今委員からお話のございました地域しごと支援センターを整備をいたしまして、ここで地域仕事情報や生活情報等を一元的に収集、提供をいたしまして、各地域における魅力ある仕事づくりとそれに必要な人材の呼び戻し、そして育成、定着、こういったものを進めているわけであります。  さらに、これに加えまして、都市圏で大企業などの勤務経験があるような、こういった人材、これを地域の中小企業が受け入れていただく際に、やはりお試しの期間が必要でございます。こういった場合に、この受入れ費用の一部を助成をいたしますUIJターン助成金というものにつきましてもこの交付金の支援メニューとして国から例示をさせていただいているところでございます。  こういった様々な取組を通じまして、地方への移住を希望する外部の人材の活用を図りながら円滑な事業承継に取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。
  54. 佐々木さやか

    佐々木さやか君 是非よろしくお願いいたします。  神奈川県の西部にあります山北町、丹沢の山とか湖に囲まれた自然豊かな町なんですけれども、ここは今、人口は一万一千二百六十四人で、この約二十年間で三千人も人口が減りました。こうしたことから以前から人口減少対策に取り組んできたんですけれども、昨年はPFIによる定住促進住宅を整備をいたしました。これは四十二世帯全てに子育て世帯また新婚世帯が入ってくれたということで、しかも約六割が町外からの移住ということでございます。このPFIの手法によりましていろいろとコストの削減ですとか効果的なPRができたと、こういう成果もあるそうでございます。  この住宅の近くに今度はカフェですとかコンビニ、また交流広場などを備えた小さな拠点を整備する予定でありまして、これも官民出資の第三セクターではなくて、町民、企業の融資による一〇〇%民間出資で行うと、こうした取組を必死の思いでしておりまして、応援していきたいなと思っているんですけれども、この山北町の取組について、大臣から御感想といいますか、御所見がございましたらお聞きしたいと思います。
  55. 石破茂

    国務大臣石破茂君) この山北町の事例は、委員指摘のように民間でやるんだと、カフェにしても、あるいはミニスーパー的なものもやっていらっしゃると承知をいたしておりますが、やはり民間でやるのだというような、そういう地方創生の本来のあるべき姿というものを具現化をしていただいていると思います。あるいは地域において、官民いろんなものがありますが、その連携が図られていないのをいかにして連携させるかという視点も持っていただいておりまして、地域の総合力、そしてまた民の知見を引き出すという意味地方創生一つのモデルになり得るものだと考えております。
  56. 佐々木さやか

    佐々木さやか君 この山北町の定住促進住宅、先ほども申し上げたように若い世帯が入ってくれたと。どうしてここに入ったんですかというアンケートを見ますと、一つは駅が近いということがございまして、山北駅というJR東海の御殿場線という線の駅が近くにございます。ただ、これ無人駅でして、この維持をするために、山北町として、町民ボランティアということで町の皆さんに手伝っていただいて、切符の販売ですとか案内というようなことをやってこの駅の維持にも必死に努力をしていると、こういうことなんですね。  この住民の皆さん、また町の皆さんが非常に要望として強く思っていらっしゃるんだけれどもなかなか実現できないというのが、実はIC乗車券、SuicaというようなもののIC乗車券が使えない線なんですね。これがために非常に面倒なことになっていると。  例えば、山北駅の近くに住みました。若い世帯ですからその町の中だけで買物というのもなかなか、また通勤のためにも横浜の方に行ったりとか小田原の方に行ったりとかしますね。また、この山北町に来てもらいたいということで横浜から来ると。横浜は東海道線、JRの東日本で乗ってくる。国府津駅で乗り換えてこの御殿場線に乗って降りてもらうんですけれども、Suicaで横浜駅で入っても、この御殿場線はSuicaが使えませんのでそのままでは降りれないんですね。  しかも、JR東海とJR東日本でまたがっているという事情もございまして、車内で現金で横浜からこの山北町までのお金を払わなきゃいけないと。しかも、突然、じゃ、山北駅で降りるときには払ってくださいと車内で言われると。なので、部活で試合のために来た子供たちが先生の言い付けで現金を持ってこなかったんだけれども、言い付けに反して持ってきた子供がいたためにみんなが精算できたというような逸話もあるそうでございまして、とにかく不便だと。なので、このSuicaを、ICカード乗車券を使えるようにしてほしいというのが地元の強い希望なんですね。  ところが、ここが使えない理由としては、利用者が少ない駅ですからと、利用者が少ない御殿場線なのでICカードは使えませんという回答をされてしまうと。それも、確かに自動改札というのは人が乗り降りが多い駅で便利なためにあるものだという理屈も分かるんですけれども、こうやって一生懸命人が来てほしいと努力をしている、また若い人たちにも住んでもらっている、駅が近い、こうやって今頑張っているにもかかわらず、人が少ないんだからICカードは使えなくてもいいでしょうというのはちょっと方向性が違うのかなというふうに私は感じております。  この点について、国交省に来ていただいていますので、現状とまた今後のこのICカード乗車券の利用の可能性について、手短にお願いします。
  57. 篠原康弘

    政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。  山北駅へのICカードシステムの導入についてですけれども、JR東海によりますと、先生御指摘のように、設置とか維持管理コストがかなり掛かるので利用者数あるいは旅客流動を考慮した上で考えなきゃいけませんということと、それから各社をまたがる場合には更に運賃設定の対象駅が飛躍的に増えるものですから、大変コストが掛かるのでそこが大きな課題ですというふうに聞いております。  ICカードの導入自体は鉄道事業者の一義的には判断だと思いますけれども、国交省といたしましても、交流の基盤となる鉄道でございますので、積極的な施策展開を働きかけてまいりたいと考えてございます。
  58. 佐々木さやか

    佐々木さやか君 是非よろしくお願いいたします。国交省ではICカードの普及・利便性拡大に向けた検討会ということも行っているそうですけれども、聞いたところによるとこういう問題は取り上げ対象にはなっていないということですけれども、やっぱり地方への人の流れというところで、本来ならばこういう問題も検討していただきたいと思います。  時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
  59. 寺田典城

    ○寺田典城君 維新の党の寺田典城でございます。よろしくお願いします。  先ほど、森本議員なり平副大臣なんか話しておったんですけれども、このコンパクトシティーとかコンパクトビレッジというのは、私、成功例って聞いていないんですよ。昨日も平さん、まあ正直な人だから、ちょっと難儀しているというような話聞いて、成功していないというような話ししておったんですけれども。  私は、コンセプトというのは、そういう机上のプランというのは良くないと思うんですよ。机上のプランなんですよ、あれ。それをするんだったら、技術者養成の町だとか、職人を育成する町だとか、グローバル人材の育成の町だとか、そういうコンセプトを持ってすべきだと思うんです。そうすると、その人方がレベルが上がればどこかで仕事ができるということになりますし、それから、ますますIT化になるでしょう。そうすると、技術だってレベル上がっていかなきゃならぬですよ。  あるところでこういうジョークが、これ小ばなしなんですが、GMの社長が労働組合の委員長に、何というんですか、今度は皆さんが造るようなものはロボットで造るようになる時代になるねと、こういう話をしたそうです。  そうしたら、その組合の委員長は何と言ったと思います。大臣、ちょっと思ったことを言ってみてください。
  60. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 済みません、発想力が貧困で、何か普通のお答えしか思い浮かびませんで、それだったらおまえは要らないとかなんとか、そんな話なのかもしれませんが、分かりません。御教示いただければ幸いであります。
  61. 寺田典城

    ○寺田典城君 私も笑ったんですけれども、ロボットは車買うことできますかと言ったそうなんですよ。そうなんです、そういう時代が来ると思うんです、私は、ここ十年もすれば、介護だってセンサーでこう動くとか。だから、そういう時代で、やっぱり私は、その対応した人間を選ぶこと。  それから、秋田県の話をすると、TDKが珍しいことに二百五十億も掛けて工場を造るというんですよ。それは、円安になって戻ってきたんじゃないというんです。生産技術の開発の拠点にするということなんです。ですから、ICT化することですから、雇用はほとんど考えないというんですね。今までの人方をレベル上げてあれしてしまうということなんです。  だから、いろんな面で、アップルなんか強いから、いろんなところに物を発注したりして水平モデルだと、シャープが失敗したのは垂直型モデルでやったからだとか。今、あれでしょう、製品の企画とそれから製造というんですか、それ全く分かれているような、今までみたいに垂直型でみんな一緒にやろうなんという時代でもなくなってきているんです。  だから、役所ね、やっぱりもう少し役所の機関、考え方、現場行って変えなきゃならぬですよ。  本論に入りますけれども。  それで、私この前もしゃべっちゃったんだけれども、安倍総理にも麻生さんにも、日本の国、二〇二〇年までもちますかって、オリンピック前に財政破綻してしまうんじゃないですか、この状態だったらと。地方財政が、特に言えば、臨財債が五十兆円超えているし、交付税特会は三十兆円も、というか、八十兆円以上隠れて借りているような形になっているんですね。  毎年、ああそうですよね、今はよく介護なんか十兆円だというので、二〇二五年になれば二十兆円になります。そうなると、半分は、四分の一は地方自治体が出さなきゃならないんで。それと、あと、もしあれだとすれば、後期高齢者の医療だって、国も出すんですけれども、そういう時代になってくるでしょう。全体的にみんななってくるんです。  だから、そういう十兆円も地方が今現在社会保障費出さなきゃならぬ中で、そうすると、地方創生で何を優先してやっていくか、大臣のこの腹を聞きたいんですが。
  62. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 地方創生で何を優先するかは国が決めることではございません。それぞれの地域地域において何を優先するかをお決めをいただくことに相なります。そこは、今委員がおっしゃいましたように、コンパクトシティーというものを日本全国津々浦々に広げようと思っているわけではございませんが、人口が減少する地域において、副大臣も答弁申し上げましたが、延び切ってしまった町の道路でありますとか公共下水道でありますとか、そういうものの維持管理には多額のコストが掛かりますので、それを低減するためにはどうすべきなのかという政策の選択も地域によってはあると思います。  日本国中全てコンパクトシティーにしてくださいということを申し上げているわけではありませんが、コンパクトシティーというものは一つの優先順位とするところもございましょう。委員おっしゃいますように、そういう新しいマザー工場型のものを持ってくる、そこは余り人を雇わないのが問題なのですが、そういうものを誘致するというのもございましょう。  その地域地域において優先順位は違うと思いますが、私が申し上げたいのは、その地域において稼ぐ力というものをどれだけ持っていただけるかということでございます。ここは成功事例をよく分析したいと思いますが、補助事業あるいは交付税というものが減ってもその地域を維持していける、そういうような自治体が増えることが望ましいと考えております。稼ぐというのは何も商売人になれとかそういうようなお話ではなくて、やはり補助金、あるいは交付税等々の公のお金に頼らないという地域経営というものは志向してしかるべきものだと思っておりまして、そういうものを念頭に置いて総合戦略というものはお作りいただきたいと考えております。
  63. 寺田典城

    ○寺田典城君 稼ぐ力とか、自治体は、例えば給与費なんか、昔は、平成十三年度でいえば二十四・六兆円だった。現在、二十五年になりますと十九・八兆円とかという、もう削ってくるものは削っているんですよ。それはいいんです、三百万人を二百七十万人にしたとか、やれるものはやっているんだけれども、国はやはり一番、何というか、ある面では赤字国債を発行できるからかも分からないですけれども、私は財政に対して危機感がないなと、率直にそう思います。  そして、今は日銀に国債を買取りさせているというようなところで、だから国際的な信用、信認を得ながらやっていくしかないと、総理も麻生大臣も、それではで終わりなんですよ。だから、それ以上のことを石破大臣に聞いてもこれは無理だということだと分かりますけれどもね。私は復興でもそうしゃべったんですが、優先順位付ける時代になったと思いますよと。復興だって、金がなくなったら、やれないところあるからどれを優先すべきかと。だから、地方創生だって優先順位を今事務レベルで考えるときに来ていると思うんですよ。その辺をひとつ御理解賜りたいと思います。  それでは、別に行きます。  貧乏の豊かさと文化についてというんですけれども、昔は山持ちは金持ちの代名詞みたいなものでしたけれども、今は山を持っている人方は、木は売れないんですから、お金のない人方の貧乏の代名詞みたいになっちゃっている。だけど、貧乏という言葉は悪いことじゃないんです。  四月二十二日、このような質問石破大臣にしているんですよ。それで質問は、限界集落に住んでいる方々にもっと夢を持ってもらうためにはどのような支援をしていけばよいか、そのことをお聞きしたいと思います。
  64. 石破茂

    国務大臣石破茂君) そこへ住まい続けたいという意思がある限りはそこに住まっていただけるということをきちんとすることが前提だと私は思っております。やはりそこにおいて、自分が田畑を耕し、そしてまた花鳥風月をめでのようなことがございまして、そこに住み続けたいという思いがある限りそれは絶対に傷つけてはならないということが大前提でございます。  そこにおいて、夢というのはやはり、里に下りました家族あるいは親類縁者、そういう人たちが時々というのかやってきてくれて、そういうような独りぼっちで山の奥ということではないものを実現をしたいと思っております。さればこそ、コンパクトビレッジ構想におきましては、ネットワーク型交通の確立がなければコンパクトビレッジというものは成り立たないと思っておりまして、そこにおいて暮らしていただける、そして親しい人たちあるいは親類の方々、そういう人たちが折に触れて訪ねてくれるというような、そういうようなものが幸せの一つではないかなと私は考えております。
  65. 寺田典城

    ○寺田典城君 私、何十年と住んで七十歳とか八十歳になっても頑張っていますね。あれ以来、四月二十二日、ずっとやっぱり限界集落とか中山間地歩いて見ているんです。感じることは、物すごいやっぱり所得少ないですよ、だけれども、山菜取れたり空気が良かったり。そしたら、十年したらこの人方は、もう十年したらどうなるの、この山、里山、これどうやって守っていくのと。みんなそれこそ雑草が生えて放棄されてしまって、原発事故のあれみたいな形で、もうすごい形になっちゃうと思いますね。  それで、私思うには、やはり地方創生大臣賞って、もっと地方で住んでいる、中山間地で住んでいる人方をある面では顕彰すべきだと思うんですよ。地方創生大臣賞だとか、世の中の価値を認めさせる、中山間地に住んでいる人方に対して。だから、そういうことを考えるべきだと思うんです。それで、そういうことがあれば、五十代の人方は五〇%が田舎に住みたいとか、六十代もいるとか、その中の一人でも二人でも三人でもその土地で山を今度は継承してみようかとか、そういうのが世の中の価値観があれば私は出てくると思うんですよ。  何とか、大臣大臣賞をつくることを約束してください。
  66. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 持ち帰って検討いたしますが、それはできないはずはないんです、できないはずはない。農林水産大臣賞なんて山ほどありますから。それは、地方創生大臣賞なるものが喜んでいただけるようであれば、ただ賞状一枚にどれだけ喜んでいただけるかどうか分かりませんが、それはやります。はい、やります。  問題は、今委員がおっしゃることを聞きながら思ったんですが、例えば年金はもらっていると、そこへ行って、別に山で何十万も得なくていいんです、五万でも十万でもいいと。私は、この間の週末、真庭市というところに行ったんですが、やはりそこにおいて、バイオマスというものを使って、今までごみと思われていたものをいかにして副産物として使うか。それですごい金は出ないんです。でも、月に三万でも五万でも得られるというのはそれによって可能でしょう。自伐型林業というのもそうでございましょう。  そういう限界集落みたいなところに住む方々に、住むことの価値、あるいはなりわいの幾ばくかでもつくっていくということは、政策がつくっていく仕事だと思っております。
  67. 寺田典城

    ○寺田典城君 限界集落に行くと、空き家もたくさんありますし、それから道の駅には、月三万円ぐらいのものを作って、自分の名前の付いたものが今度はこれだけ売れたよなんて喜んだりもしているし、それはやっぱりそういうふうになるのに五年、十年と掛かると思うので、空き家をちゃんと活用する、そういうのはやっぱり地方自治体が支援して、来ていただけるような、後継ぎをですね。  だから、東京からとか、都市から住むというのは、ある面ではそういう豊かさを求めていく人方が、私も知っています、たくさん知っています。だから、お金ばっかりじゃないということで、その顕彰を、今いろんな大臣賞がありますから、大臣賞以上の大臣賞を付けていただく。メキシコの漁師という小説を読んだことありますか。後でちょっとインターネットで引いてみてください。あれはもう面白いです、あれ。メキシコの漁師というあれなんですが。そういうことでひとつ考えていただきたい。  あと一分ですね。補助金なしで成功した町おこしの事例というのはどこかありますか、教えてください。
  68. 内田要

    政府参考人内田要君) 簡潔にお答えいたします。  通称「やねだん」と呼ばれておりますが、鹿児島県の鹿屋市柳谷地区でございます。これは、やはりリーダーがすばらしい方で、アイデアあふれるリーダーの下で、補助金をもらわずに、土着菌堆肥からサツマイモを作りましたり、オリジナルの焼酎「やねだん」を開発されまして、また、トウガラシ栽培で集落の自主財源を確保されて、高齢者にボーナスを支給する、逆に、まで至っておられ、また全国のリーダーを集めて「やねだん」塾をやっておられるというような事例がございます。
  69. 寺田典城

    ○寺田典城君 それで、今施設もたくさんありますし、それから二、三十万の都市に行くとショッピングモールなんかもありますから、そういうところを活用したりしてヤドカリ方式で、まずできるだけ物を造らないことを、レス・イズ・モアって、物ないことが豊かであるということをよく考えて計画立ててください。  以上でございます。時間になりました。
  70. 西田昌司

    委員長西田昌司君) 午後四時に再開することとし、休憩いたします。    午後二時四十五分休憩      ─────・─────    午後四時開会
  71. 西田昌司

    委員長西田昌司君) ただいまから地方・消費者問題に関する特別委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、森屋宏君が委員辞任され、その補欠として酒井庸行君が選任されました。     ─────────────
  72. 西田昌司

    委員長西田昌司君) 休憩前に引き続き、地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案及び地域再生法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  73. 紙智子

    紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  第五次地方分権一括法のうち、農地法並びに農振法についてお聞きいたします。  今回の改正は国が持つ転用許可権限を全て都道府県に移譲するものです。そこで、今まで国が農地の転用許可権限を持ち続けてきた理由、現在であれば四ヘクタール超は国ですけれども、国が農地の転用許可権限を持っていた理由についてお聞かせください。
  74. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは本年の六月三日に参議院の本会議におきまして林大臣が答弁をしておるところでございますが、第一に、四ヘクタール超の場合には農地がまとまって失われるということがございます。もう一つは、それだけの農地が失われるということになりますれば周辺農地における効率的な農業経営の展開に支障が生ずる、そのようなおそれなしとしないと、この二つの理由によりまして国が転用許可権限を行使してきたというふうに承知をいたしております。
  75. 紙智子

    紙智子君 今お答えいただいたんですけれども、大規模な農地転用には国の農業公共投資実施された優良農地が含まれる可能性が高いということや、食料安定供給の基盤であるということから、地域の実情だけではなくて、開発行為と距離を置いて、全国的な視野に立って判断する必要があるということだったと思います。  そこで、農地転用許可権限移譲についてですけれども、転用許可権限移譲は、転用規制の実効性という点で、市町村の担当部局は議員や住民の圧力を受けやすいことから、地元の利害関係者からは切断された方がより客観的に判断できるというふうに言われてきたものです。農林水産省地方六団体に示した考え方でも、現場と距離を置いた判断ができる者が行うのが適切だと言ってきました。なぜこうした今までの見解を変えて、権限移譲するのか。  地方団体からは、ショッピングセンター新設のための農振除外あるいは農地転用許可は時間が掛かり開店が大幅に遅れたなどと指摘をしています。開発を進めるために農地を転用するケースが各地で生まれているわけです。それで、報道では、ショッピングモールの敷地が四ヘクタール以上に満たないのは一二%にすぎないと指摘をしています。  今回の改正で優良農地がこうした開発を優先する運用から防げるのかどうか、これについて、大臣、お答えください。
  76. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今回は、権限移譲するものではございますが、規制緩和をするというものではいささかもございません。それは何度も申し上げておるところでございます。加えまして、食料の安定供給等に必要な農地の総量確保への影響が大きいということを勘案をいたしまして、四ヘクタール超の農地転用許可につきましては、農林水産大臣の協議、すなわち国の一定の関与というものは残しておるものでございます。  その前提に立って申し上げれば、今回のは規制緩和ではございません。確かに、権限移譲されることによってそのような利害関係者との距離が近くなるという事実はございましょう。さればこそ、事例集というものを徹底し、法令の趣旨というものを各団体、移譲を受けた団体に徹底をすることによってそのような懸念を払拭し、今回の利点でありますがところの時間の長大化というものを短縮するということの効果を発現することを主眼としたいと考えております。
  77. 紙智子

    紙智子君 緩和はしないのだということですけれども農地というのは食料生産のこれは基盤であると。生物多様性や多面的機能の観点からも重要なわけです。ですから、農地の転用というのは慎重であるべきだと。従来の見解を変える必要はないんじゃないかなと、そうするとですね、というふうに思うわけです。  農地はどんどん減少していると。二〇一一年だけで見ても、転用面積は一万一千ヘクタールにも及びます。一万一千ヘクタールというと、大体東京ドームにすると二千、三千個分ぐらいだということなんですけれども、これだけ減っているわけですね。農地は一旦失われるともうこれ元に戻すのは困難なわけですから、やっぱり入口の規制を緩めるべきではないというふうに思うわけです。  現在、二ヘクタール以下の転用というのは都道府県の自治事務ですね。農林水産省はこの実態を調査しているわけですけれども、二〇一二年度でいえば、事案数は二千百七十七件です。要改善事案数でいうと三百四十三と。つまり、一五・八%、一割を超えているわけです。自治事務なのになぜこうした調査を農水省がする必要があるのでしょうか。簡潔にお願いします。
  78. あべ俊子

    ○副大臣(あべ俊子君) 委員にお答えいたします。  平成二十一年の農地法改正におきまして、農業の生産基盤である農地確保を図るため農地転用規制を厳格化したところでございまして、この農地転用規制の厳格化の一環といたしまして、都道府県知事が行っている二ヘクタール以下の農地転用事務許可について是正の要求の制度を設けるとともに、前提として、毎年農林水産省におきまして都道府県知事が行う農地転用許可事務の処理状況を把握するため実態調査を行っているところでございます。  また、この実態調査に関しましては、地方自治法の第二百四十五条の四の規定に基づく資料の提出の要求として行っているものでございまして、自治事務に対する国の関与として地方自治法上認められているものでございます。
  79. 紙智子

    紙智子君 今回の改正で四ヘクタール以下が自治事務になるということです。要改善事案が増える可能性があると。自治事務というのであればやっぱり自治体に任せるべきで、地方自治に介入すべきではないと思うんですけれども、一方、こうした調査をせざるを得ないということであれば、地方自治体に移譲したことがそもそもよかったのかということが問われることにもなると。  ですから、大臣、これ自治事務にしてよかったんでしょうか。
  80. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 繰り返して申し上げますが、規制緩和するものではございませんが、それを自治体に下ろしていくわけでございますから、転用許可基準に従って適正に運用すると認められ、事務処理体制が整っており、何よりも優良農地確保する目標を定めるという三つの要件を課すものでございます。  そういうものを課した場合には、これを自治体が行っても、それは農地転用というものが、野方図にという言い方をしていいかどうか分かりませんが、そういうように基準というものを超えて行われるということは想像し難いものでございます。  したがいまして、これを、今回のように権限移譲するということは、それは適切なものであると私は考えております。
  81. 紙智子

    紙智子君 地方の裁量で行う自治事務に介入するのであれば、これは国が関与する仕組みに戻すべきだと思うんですね。  農地転用許可権限というのは、これは都道府県に移譲されるだけではありませんね、今回、指定市町村にも移譲されるわけです。指定市町村というのはどういう市町村をいうのか、指定基準について教えていただければと思います。
  82. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 繰り返しになりまして恐縮でございます。  指定市町村につきましては、農地を守る意欲と執行体制を備えた市町村について農林水産大臣指定するということになっております。意欲と執行体制とは何かと申し上げれば、先ほどの御質問にお答えをしたとおりでございます。
  83. 紙智子

    紙智子君 適正な運用だとか農地を守るという点で意欲を持ってということは当たり前のことだと思うんですけれども、新たな制度をつくるのに、これ政令で決めると、政令で決めることになっているわけですね。有識者会議に一任するということになっているんですけれども、これから新しいのをつくるのに、そういう形で一任するということではちょっと納得できないなと思うんです。  これ、指定基準についてはどうなっているのか示してください。
  84. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 基準につきましては、これから先、技術的な詳細の要件等につきまして、学識経験者、地方公共団体関係メンバーもメンバーに加えました検討会を農林水産省が立ち上げ、検討を行い、秋頃には結論を得るというふうに承知をいたしております。
  85. 紙智子

    紙智子君 今も言いましたけど、新しいのをつくるのに結局基準も示さないということでは納得いかないんですね。これはもう国会軽視であり、国の責任放棄じゃないのかというふうに言うしかないわけです。  次に、事務の迅速化についてもお聞きします。農地転用許可権限自治体移譲するのは事務の迅速化を図るためと言われています。現在、標準的な事務処理時間というのは三週間、三週間で六週間と言われています。この事務処理期間は短縮できるんでしょうか。
  86. あべ俊子

    ○副大臣(あべ俊子君) 現行の農地転用許可事務の標準的な事務処理期間、委員がおっしゃるように六週間、これは許可を行う者が農林水産大臣であるか都道府県知事であるかにかかわらず六週間以内となっているところでございます。今回の地方分権改革によりまして、標準的な事務処理期間を変更することは考えておりません。  一方、許可申請に先立って事前調整が行われることが多いわけでございますが、この都道府県へ移譲されることに伴いまして、事前調整を都道府県が行うことが基本となることでございますから、これらを含めた許可手続に関する期間全体の短縮が図られるものというふうに私ども考えておりまして、農林水産省といたしまして、今回の農地転用許可権限移譲後も農地転用許可の審査が適切に行われるように、また農地転用許可基準明確化を行いながら、担当者向けの研修の充実、事例集の作成を行いまして、許可権限移譲に係る運用状況、これを重点的に把握をし、必要に応じて是正措置をとるよう求めていくことにより、農地転用許可制度の適切な運用を図ってまいります。
  87. 紙智子

    紙智子君 今のお答えでいいますと、これまでやってきたような事務処理期間は変わらないということですよね。ですから、迅速化を図るためにこれ審査の質を落とすことがあってはいけないと思うんですよ。やっぱり現地に行ってちゃんと確認をしてやるということについて、短くすることでこれをもう軽く扱うことはやっぱりあってはいけないというふうに思います。  今回の改正は地方六団体の要望だということが強調されているんです。しかし、地方の要望だけなのかなというふうに思うわけですね。つまり、財務省の財政制度分科会に主計局が出している論点には、水田の供給力の過剰や将来の人口動態、地域のニーズを勘案すれば、農地転用規制を含めて農地総量確保の在り方を見直す余地があると、つまり、農地を減らしてもいいかと受け止められかねない論点も示しているわけですね。  それから、農林水産省について言えば、食料自給目標、この間、五〇%から四五%に下げるということがあるわけです。元々、農業基本法の考え方というのは、これ国内の農業生産の増大を図ることを基本とするということですよね。それなのに、農地を減らしていいとか、食料自給率の目標を下げてもいいということではないと思うんですよ。地方六団体の要望を前面に出しているんだけど、私は、これは財務省や農林水産省の消極的な姿勢にそもそも問題があるんじゃないかと、そのことが本改正案で一番実は問われていることだというふうに思うんですけれども、この点についての大臣の見解を伺います。
  88. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私は、これが財政の論理によってこういうことになってきたとは思っておりません。農地の転用ということを除きましても、耕作放棄地というのはどんどん増大をいたしておるわけでございます。それは、今回、農地の転用というものについてるる申し上げておりますように規制緩和するものでもございません。それぞれの自治体において農地をどれだけ確保するかということについて明確な目標がないものは、その対象自治体たり得ないものでございます。  そういたしますと、どんどん農地を減らして財政に寄与するとか、あるいは食料自給率の低下というものを許容すると、そういうことだと私は考えておりません。我が国において食料自給率、私は自給力という概念の方が大事で、自給率というのは消費者の動向によって幾らでも変わり得る数字でございますから、むしろそれは政策目標たり得ても、そのこと自体が自己目的だと私は全く考えておりませんが、自給力というものを維持するという考え方はいささかも変更がないというふうに考えております。  財政の論理でもなければ農政当局の論理でもございません。それはあくまでも地域におけるより有効な土地の活用というものを考えておるものであり、農地確保というものは当然のことでございます。
  89. 紙智子

    紙智子君 この問題は私は農水でもやっていきたいと思いますけれども、今回の改正は、国が持つ農地の転用許可権限を全て地方自治体に委ねるものです。しかも、農業委員会の公選制、一方では、片方の農水委員会では、この公選制を廃止をして自治体の首長の任命制に変えようということであります。  農地は食料生産の基盤だと、食料自給率を高めていくためにも、多面的機能という観点からも、やっぱり国が責任を持たなきゃいけないというふうに思うんですね。今回の改正案は、そういう点でいうと、国が果たすべき責務、役割を後退させるものではないかというふうに言わざるを得ません。そのことを申し述べて、質問を終わります。
  90. 山口和之

    山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之でございます。  今日は松田公太さんに代わってこちらで質問させていただきます。  メキシコの漁師ですが、ダウンロードしてきたんですけれども、時間があったらお話しさせていただきたいなと思います。  自助、互助、共助、公助のコミュニティー形成の視点で質問させていただきます。  地方再生法改正案の小さな拠点形成事業について伺いたいと思いますが、地方創生の施策の体系の中でこの施策はどのような意義を持たれているのか、位置付けについて伺いたいと思います。また、小さな拠点の形成に係る取組全体の効果をどのように評価しようと考えているのか、何をもって成果となすのかをPDCAサイクルの中で教えていただきたいなと思います。
  91. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 小さな拠点についてでございます。  中山間地域におきましては人口減少や高齢化が進展をしておるわけでございまして、医療、福祉、お買物、そのように生活に必要なサービスというものがそれぞれの集落において維持できなくなっているということは認めざるを得ません。そういたしますと、その地域において拠点というものを設け、そういうようなものを集積することによって、大事なのは、歩いていけるということが私は大事だと思っておりますが、そういう地域をつくる、拠点をつくる。しかし、それぞれの集落については、容易にそこへ行き来ができるように交通ネットワークをきちんとつくる、デマンドタクシー、デマンドバスのごときものでございます。これによりまして住民の方々の安心な暮らしを守るという上で極めて重要だというふうに考えておるところでございます。  地方公共団体におきまして地方版総合戦略を作っていくわけでございますが、この小さな拠点というものも極めて重要なものでございます。そこにおきましては、基本目標、KPIというものを設定をし、そしてまたPDCAサイクルによる検証が行われるということでございまして、小さな拠点をつくったことによって企図した政策目標が達成されたかどうかというものはきちんと検証していかなければならないものでございます。  こういうことをやることによりまして小さな拠点というものをつくる。しかし、それはそれぞれの集落を見捨てるということではなくて、その集落をきちんと生かしながら、全体としてその地域のこれから先の持続可能性を維持していくということだと私は考えておるところでございます。
  92. 山口和之

    山口和之君 ありがとうございます。  今回の小さな拠点は対症療法的な一時的な過疎化対策にすぎないという指摘も聞きます。そういった指摘をどのように受け止めて地方再生を進めていかれるのか、もう一度お伺いしたいと思います。
  93. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、対症療法でやってその後はどうなるのか分からぬねという御批判があることは承知をいたしております。  先ほどの委員への答弁の中で、私は持続可能性を維持するということを申し上げました。このことによって、昭和の大合併前の旧村というものを一つの単位だと考えておりますが、そこに昭和の大合併前には村役場とか町役場とかいうものがあったわけで、そこを拠点としネットワークを張ることによってその旧村単位の地域を維持するということでございます。  ですから、そこにおいて維持というものは可能でございますし、さらに加えて、例えばその小さな拠点というものを宿泊の場所にする。ここはいろんな工夫がまだ必要でございますが、宿泊の拠点とする。あるいは、交流の拠点とする。あるいは、そこにおいて地域方々がお作りになったいろんな農産物でありますとかそういうものに付加価値を付けて売る。あるいは、若い世代の方々との交流の拠点にする。そういうような形で、単にその場しのぎのといいますか、委員のお言葉をお借りをすれば対症療法的なというか、そういうようなことではないということにしてまいりたいと思います。  ですから、地域地域において設定されるKPIにおきまして、この小さな拠点を使ってそこをどうするのだという、そういう視点は総合戦略づくりの中において、そういう視点を加味していただきたいと考えております。
  94. 山口和之

    山口和之君 その小さな拠点の、そこでコミュニティーができてくるんだと思いますけれども、その活動範囲のステージによっては、もう本当に住んでいる地域の近くに小さなコミュニティー、そしてまた、ちょっと離れたところに大きなコミュニティー、そういう考えもあると思いますし、町に行きたい方がいらっしゃれば町に行かれるということも考えられると思います。そういった意味で、その人らしい人生が最後までそこで送れる、あるいは豊かな人生であるという実感があるというようなものを是非つくっていかなければいけないと思います。  関連してなんですけれども日本版CCRCの意義について伺いたいと思います。  六月十二日に発表されました、まち・ひと・しごと創生基本方針の中でも、地方への新しい人の流れをつくるための主要な施策として日本版CCRCが位置付けられておりますが、日本版CCRC構想の意義についてお伺いしたいと思います。  また、大臣は昨日、記者会見においても法改正について発言されておりますが、今後この構想をどのように具体化していくのか、お考えをお聞かせ願います。
  95. 石破茂

    国務大臣石破茂君) このCCRCに何かいい日本語はないかねと思っているのですが、なかなかいいアイデアが浮かびませんで、また委員始め皆様方にこういうアイデアはどうだということがあれば承りたいなというふうに思っています。  まあ、取りあえずCCRC。そのCの一つはケアですね。もう一つは継続のコンティニューですね。もう一つのCはコミュニティーですね。Rはリタイアメントということになるわけでございますが、このCCRCは今までの例えばサービス付き高齢者住宅とかいうものと何が違うんだいということを考えましたときに、今までは要介護状態になってそういうようなところへ入るということでしたが、私どもが考えておりますのは、要介護状態になる前から、すなわち東京におられる五十代の男性の五割、六十代の男性の三割、女性の三割が、できたら地方で暮らしたいということがニーズがあるわけで、まだ要介護になる前からそういうところへ行くことによって、学習もしましょう、運動もしましょう、いろんな活動もしましょうということで、要介護状態にできればならない、なったとしてもずっと送れるということで、要介護状態になる前から御希望があれば行っていただきたい。  第二は、サービスの受け手ではなくて、CCRCがあるところへ行きまして、いろんな地域活動の主体となっていただきたいということでございます。年金受給者の方々もおられますから、月に五万とか十万の収入でも十分に人生というものをエンジョイできるということがあろうかと思います。そういうサービスの受け手ではなくて出し手になっていただきたいということが二つ。  三つ目は、何とかの里とかいう名前で、そういうような地域がありますが、それはそれだけでクローズしております。私どもが考えているCCRCは、何も郊外の離れたところにそんなものをつくろうということを考えているわけではなくて、場合によっては町中ということもあり得るんだろうと思います。そこにおいて、これから先、地方大学の定員というものがどんどん割れてくることが予想されるわけで、そういう方々がそういうような大学に行って学ぶ、あるいは若い方々と交流する、いろんな多世代、いろんな立場の方々が交流するまさしくコミュニティーをつくろうということでございまして、以上三点におきまして、今までの構想とは異なったものを考えております。  それをやります場合に、一つ法律の支援、あるいは財政的な支援、税制の支援というものがあるだろうと思います。実際にそこに行きたいなという要望がある方がまず頭に思い浮かぶのは、そこに行ってどんな人生があるだろうかということでございます。もう一つは、多くの方々が、五十代、六十代になられる頃には手に入れたおうちというののローンが終わっている方が多いんだと思いますが、そのせっかく手に入れたおうちをどのようにして活用ができるのだろうかということを間違いなくお思いになるはずでございます。  受ける側にいたしましても、何だかそういうコミュニティーを国がつくって財政支援してくれるらしいでは困るので、その地域においてどのような学びの場がありどのような活動の場がありということは、その受けるところから、今二百二の団体がやりたいということを言っていただいておりますが、発信をしていただかねばなりません。それを、ニーズを満たすために、いかなる法律が、いかなる税制が、いかなる財政支援が必要なのかということは虚心坦懐に考えてまいりたいと思っております。
  96. 山口和之

    山口和之君 ありがとうございます。  地域包括ケアシステムにおいても、そのようなコンセプトに基づいて、地域の中で自助、互助、共助、公助のところをどのようにつくっていくか、受け身だけではなくお互いさまの社会をちゃんとどうやってつくっていくのかというのが言われているところでございますけれども、今までいろんなことをしようとしているがなかなかうまくいかない最大の理由は、司令塔のような方々がいらっしゃらない、あるいはコーディネーター、あるいはコンシェルジュでも結構ですけれども、そういう、誰かリーダーになって、少し、もちろんその地域方々がやっていくんですけれども、そこがなかなかうまくいっていないと。例えば、地域包括ケアシステムの中で地域包括支援センターというものがそういう中心になって行う予定だったんですけれども、なかなかそれが何年たってもいかないという状況の中で、これを実現されるのは非常に至難の業なことは確かだと思います。  そういった意味で、今後、元気な方が移住するんですから、雇用確保も大事でしょうし、それから、単なる高齢者マンションで今までと変わらない、ただダンスをやるとか何かをやるとか、それだけで終わって移住しているだけじゃないかというふうに考えると、司令塔のイメージというのは非常に重要になってくると思いますが、その辺についてお伺いしたいと思います。
  97. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは御指摘のとおりで、私どもの中における議論におきましてもいろんな有識者の方々にも加わっていただいております。増田寛也先生に座長をお務めいただいておりますが、まさしく委員指摘の、司令塔というものをどうするんだということが論点の大きな一つでございます。  司令塔をつくらなきゃいかぬといっても司令塔という建物を建てるわけではございませんで、誰がそういう役割を担うのだということでございます。そこにおいて行政の関与というものは当然必要になりますが、行政が全て分かっているわけじゃございませんので、そういうようないろんなニーズというものをくみ上げながら、あるいはいろんな機能というものがばらばらになるのを一つにまとめていきながらやっていく上において、今、司令塔作成補助制度なんぞというものがあるわけではございません。そういうような司令塔づくりのような、そういうものに対する財政支援があるわけではございません。  自治体の長の立場に立ってみれば、CCRCとかいうものがあるらしい、うちでもやりたいんだけどなあといっても、そういうことにたけた人を雇おうと思えばえらい金が掛かるぜというようなこともございましょう。そういうことも新型交付金というものを考える上において一つのヒントとなり得るのではないかというふうに思っておるところでございます。
  98. 山口和之

    山口和之君 ありがとうございます。  地域包括ケアシステムにおいても、ケアだけの話じゃなくて、町づくり、地域づくりというのがあります。そう考えていくと、どう連携を取っていくのかというのが非常に重要になってくると思います。  お渡しした資料を見ていただきたいんですが、日本版CCRC構想の基本コンセプトというものがあります。この日本版CCRCの基本コンセプトの方を見ていただくんですが、健康のときから移住しますという以外は、例えば下の仕事、社会活動、生涯学習、いわゆる活動と参加、あるいは仕事できる人、やりたい方はやっていきましょう、地域と一緒に歩んでいきましょう、地域に溶け込んで多世代と共働しましょう、これは移住しなくてもその地域の中でも当たり前のようにやることなので、やっていかなければいけないことなので、そう考えていくと、これを商品の目玉のように地域に移住してくださいと言われても、本来、東京、都市部でもこういうものをやっていくのが当たり前の社会、先ほど大臣もおっしゃっていたと思うんですけれども、そう考えると、そこを間違えないようにしないと、東京、いわゆる都市部でも是非こういうことをやっていただきたいと思うんですが、その点について、何となく移住しなきゃいけないというイメージがあるんですけれども
  99. 石破茂

    国務大臣石破茂君) もちろんこれは都市部でやっていただいてもちっとも構わないことでございます。ですが、問題は、一番新しい増田レポートにございますように、これから先、どうしても東京圏というものは、医療、介護というものの体制に不足を生じるであろうと。そうすれば、まだ健康なうちから地方に行きましょうというのも、もしお望みになるとするならば、それを阻害している要因を除去するということも大切なことではないだろうか。  都市部においてこういうのができるのはいいことなんです。それをちっとも私ども反対をいたしません。しかしながら、東京の状況を考えてみたときに、じゃ、全て受け切れるだろうかといえば、そこはかなり疑問符が付くだろうと思っております。  ですから、地方に、うば捨て山という言葉、私嫌いなんですけど、そういうものをつくって、もうどこか行ってもらいましょうというようなことを考えておるのでは全くございません。もし、地方に行って第二の人生を地方で暮らしてみたいなというふうにお思いの方があれば、それを阻害している要因を取り除くのは政治の仕事であろうと。そして、東京において元気で一生終わりたいなという方がおられれば、それはそのような御希望を実現するのもまた政治の役割だと考えております。
  100. 山口和之

    山口和之君 ありがとうございました。  メキシコの漁師については、また次回。ありがとうございました。
  101. 和田政宗

    ○和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。  地方創生地方再生の観点から質問をしていきます。  先週、私は、この委員会質疑政府機関の一部移転について質問をしました。これについて、石破大臣より、自治体からまず手を挙げてもらい、国がお応えする形だと答弁をいただきましたけれども、私は、こうした政府機関の移転に加えまして、研究機関や国の機関を一体的に移転する研究学園都市を新たにつくることも、地方創生の観点から一つの方法であると思います。  今後、筑波研究学園都市のように国が主導して、必ずしも東京に立地する必要のない国の試験研究・教育機関を集中的に移転する新都市の建設というのは構想としてありますでしょうか。一考の余地はあると考えますが、石破大臣はどのように考えますでしょうか。
  102. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、筑波研究学園都市、もう一つは関西学研都市というのが、この二つが法律に基づいてつくられているものでございます。  やはり、学問というのは集積することによってシナジー効果があって、いろんな新しい気付きみたいなものがあって更に大きな成果を呼ぶということでございます。今、私の立場で、じゃ、第三の研究学園都市みたいのをつくりますなんぞという無責任なことを申し上げるわけにはまいりませんが、そういうような学問の集積というものは一つ意味を持つものでございますので、いろんな学問がある、それが、例えば、仙台なら仙台でもいいのですが、ここへこんなものが集積することによってこんな効果があるぞということは、やはり地方の側からも出していただきたいと思っております。  こんなものは一朝一夕にできれば誰も苦労しないのでございますが、筑波とそれから関西学研都市以外にもそういうものがあってもいいのではないかというのは、私は初めて承る御見解でございまして、私の方としても、よく委員の御指摘を踏まえながら勉強させていただきたいと思います。
  103. 和田政宗

    ○和田政宗君 ありがとうございます。  筑波の例ですと、国土交通省の国土地理院も併せて移転をしていて、それと様々な研究機関によるシナジー効果というのもあるというふうに思いますので、今大臣から、やはり地方がよく考えて手を挙げてほしいということがございましたので、私も、地元宮城県でありますが、地元に戻って様々な自治体の首長さんとも意見交換をしたいというふうに思います。  次に、筑波大学などで開発されているがん治療の最先端技術についてお聞きしたいというふうに思います。  BNCT、ホウ素中性子捕捉療法というものが筑波大学などで開発されているんですけれども、この技術は、中性子線ビームによりましてがんをピンポイントでやっつけるもので、ステージの浅いがんであれば、三十分一回照射でがんが根治に向かうという画期的な技術で、日本が世界を大きくリードをしています。  この技術、実用化が間もなくですけれども、これが汎用化されまして日本各地の病院に導入が進めば、初期のがんに対しては短時間での治療が可能であることから、例えば海外からやってきて、検査、治療、経過観察の三日間入院して、あとは周辺を観光するといった医療ツーリズムなどの新たな地域活性化策につながっていくというふうに考えております。  こうした技術、積極的に地方への導入を図るべく国でも支援をしていくべきだというふうに考えますが、石破大臣の見解はいかがでしょうか。
  104. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今委員がおっしゃいましたBNCT、難しくてよく分かりませんが、エネルギーの低い中性子とがん細胞に集積するホウ素化合物の反応を利用してがん細胞を選択的に破壊する体への負担が少ない最先端の放射線がん治療法ということなのだそうでございますが、これは、つくば国際戦略総合特区及び関西イノベーション国際戦略総合特区において治療法と治療装置の実用化に向けた研究等が進められ、現在、大学等の研究機関による治験の実施などの着実な取組が進展しているということだそうでございます。  ということで、まさしくそれは総合特区として必要な支援を行うわけでございますが、そうして得られました成果を、当該特区や医療産業だけではなくて、ほかの関連産業あるいは当該特区地域以外の地域の活性化に広げるということがこの成果を更に生かすことになる、あるいは地方の活性化につながるというものだと思っております。特区制度というものをそのように活用するということによって地方の更なる創生を図りたいと思っております。
  105. 和田政宗

    ○和田政宗君 ありがとうございます。  もう一点、地方産業というような観点からお聞きしたいというふうに思いますが、メタンハイドレートの開発状況についてお聞きしたいというふうに思います。  メタンハイドレートは海底で採取されるわけです。どのような運搬方法になるか分かりませんけれども、近くの陸地にパイプラインで揚げるか、港まで運搬して陸揚げするという形になるというふうに思います。  こうした掘削ポイントや陸揚げポイントに近い地方部にメタンハイドレート用の火力発電所などを建設できれば地方創生の観点からも有効だというふうに考えますが、政府の見解はいかがでしょうか。
  106. 岩井茂樹

    大臣政務官(岩井茂樹君) お答えをいたします。  委員指摘のとおり、国内の資源を活用いたしまして地方の経済を活性化をして地方創生を図っていくという視点、大変重要かと思っております。それを踏まえまして、メタンハイドレートの開発の進捗状況についてまず御説明いたします。  表層型のメタンハイドレートにつきましては、一昨年度及び昨年度の調査におきまして、表層型メタンハイドレートの存在の可能性がある地質構造を合計九百七十一か所確認をしております。昨年度は、掘削調査による表層型のメタンハイドレートを含む地質のサンプルを取得したところであります。  今年度の調査の結果、十分な資源量の存在が確認されれば、表層型メタンハイドレートの生産技術の調査、開発等に着手することになりますけれども、表層型メタンハイドレートというのは海底面に露出をしておりまして、海底面に環境保全にも配慮した新たな生産手法を確立していく必要がございます。  委員が御指摘されました、メタンハイドレート掘削ポイントに近い地方部に火力発電所等を建設したらどうかというお話でございますが、今述べましたような課題をまず克服した上で、商業生産に至った場合には、メタンハイドレートから回収される天然ガスの生産量やコストなどによっては、地域のニーズも踏まえつつ、天然ガス火力発電の燃料や都市ガスの原材料などとして活用することも検討されていくのではないかと考えております。  いずれにせよ、メタンハイドレートは将来の国産資源として大変期待をされておりまして、政府としても、その視点からこれからも開発に取り組んでまいりたいと考えております。
  107. 和田政宗

    ○和田政宗君 このメタンハイドレートが実用化されましたら、これは日本が独自資源を持つことだけではなく、例えば地方においての活性化につながる可能性もあるというふうに思いますので、引き続き開発への積極的な支援をお願いできればというふうに思います。  次に、指定管理者制度についてお聞きしたいというふうに思います。  この指定管理者制度は、特に地方におきまして、民間の力を借りることで雇用の新たな創出にもつながっているというふうに捉えています。しかしながら、企業や団体が管理者になろうとしまして安く入札するために、過重な労働や人件費の抑制などが見られるとも、実際に現場の声として聞いております。健全な労働環境や待遇が確保されるために例えば労務監査のような制度が必要だというふうに考えますが、政府の見解はいかがでしょうか。
  108. 時澤忠

    政府参考人時澤忠君) お答え申し上げます。  指定管理者制度は、地方公共団体の公の施設を、民間事業者が有するノウハウを活用することによりまして住民サービスの質の向上を図ることを目的として、平成十五年九月に設けられた制度でございます。この制度導入以後、様々な取組がなされる中で留意すべき点も明らかになってきましたので、地方公共団体において制度の適切な運用に努められるように、技術的助言等を行っております。  具体的には、指定管理者制度は、公共サービスの水準の確保という要請を満たす最も適切なサービスの提供者を議会の議決を得て指定するというものでありまして、単なる価格競争による入札とは異なるものであるということ。また、指定管理者が労働法令を遵守することは当然のことでありまして、地方公共団体が指定管理者を選定するに当たって、指定管理者において労働法令の遵守や雇用労働条件への適切な配慮がなされるように留意するよう助言をしているところでございます。  また、調査をやっておりまして、平成二十四年度の調査によりますと、約六割の施設で労働法令の遵守や雇用・労働条件への配慮について、選定時あるいは協定締結時に地方公共団体において確認をしているということでございます。また、労働時間、給与計算、安全衛生などの労働条件について、社会保険労務士等の外部委員が点検を行うモニタリングを行っている例も承知をしております。今年度もこういった調査を行う予定でございまして、労働法令の遵守、雇用・労働条件への配慮についても調査をしたいと思っております。  そうした調査結果を踏まえまして、各地方公共団体において、指定管理者制度が適切に運用されるように助言等をしてまいりたいと考えているところでございます。
  109. 和田政宗

    ○和田政宗君 よろしくお願いをいたします。  最後、二問、これは地方、特に被災地などで抱えている課題についてお聞きしたいというふうに思いますが、被災地における水産加工品の販路拡大に向けた支援策についてお聞きをしたいというふうに思います。  国においては販路開拓支援チームを立ち上げまして、サプライチェーン全体で新たなアクションを生み出す仕組みづくりを促進していることは認識しておりまして、被災地の水産加工業にとっては大きな力となるというふうに期待をされております。  これについて、被災地の水産加工品を取り扱うサプライチェーン全体に対して、販売促進奨励金の交付や税制特例の適用など、具体的な支援策の構築をしてほしいと地元自治体などから声が上がっておりますが、検討状況はどのようになっていますでしょうか。
  110. 北村信

    政府参考人(北村信君) お答えいたします。  被災地におけます水産加工業の復興につきましては、これまでグループ補助金等によって施設の復旧を進めてまいりましたけれども、売上げの回復が遅れていることが課題であるというふうに認識しております。  こうした認識を踏まえまして、御指摘のございましたように、復興庁を中心としまして販路開拓支援チームを立ち上げ、支援団体等の連携を推進しますとともに、「新しい東北」先導モデル事業や復興水産販路回復アドバイザーグループにより、消費者の観点を取り入れた新商品開発などを支援しているところでございます。  また、地域復興マッチング「結の場」というものによりまして、被災地の外の民間企業が技術、情報、販路などの、自らの経営資源を幅広く提供する支援事業の形成の場を設けているところでございます。  さらに、本年度、平成二十七年度予算では、復興の実情を踏まえまして、グループ補助金において、単純な施設の復旧ではなく、新商品開発など新分野進出等を見据えた新たな取組実施を支援をし、また、復興水産加工業販路回復促進事業によりまして、水産加工業者による新商品開発に必要な加工機器の導入やマーケティング経費等を支援しているところでございます。  引き続き、関係省庁と連携をいたしまして、被災地における水産加工業の再生が図られますよう支援してまいりたいと存じます。
  111. 和田政宗

    ○和田政宗君 これは、地元の期待も大きいですので、きめ細かい対応をお願いしたいというふうに思います。  最後、空き家、空き建物対策の充実について聞きます。  地方において、適切に管理されない空き家の増加によりまして、倒壊の危険や治安の悪化、地域の活力の低下など、防犯や防災の面において多大な影響が懸念されております。五月に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されましたけれども、この問題は、私有財産の保障や税制など、様々な問題が複雑に絡んでおりまして、特別措置法だけで全て解決できない場合もございます。  空き家等に対する総合的な対策を講じまして、対策に係る必要な財政上及び税制上の措置の具現化、さらには一体的に取り組む体制の充実などを行うことが必要と考えますが、政府の見解、いかがでしょうか。
  112. 原田淳志

    政府参考人(原田淳志君) お答えいたします。  空家法におきましては、市町村が行う空き家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資するため、必要な財政上の措置及び税制上の措置等を講ずることとされているところでございます。  財政上の措置につきましては、国土交通省において、空き家再生等推進事業により空き家の除却、活用について支援をしておるところでございまして、総務省におきましても、今年度より、この事業を活用する地方公共団体の地方負担分を含め、地方公共団体の空き家対策について特別交付税措置を講じることとしておるところでございます。  また、税制上の措置につきましては、市町村による特定空き家等の所有者等に対する助言、指導の措置を実効的なものとする観点から、空家法に基づく除却等の勧告を受けた特定空き家等の敷地の固定資産税につきまして、いわゆる住宅用地特例の対象から除外する措置等を講ずることとしているところでございます。  また、法律の施行に合わせまして国土交通省とともにガイドラインを策定しまして、市町村が空き家を特定空き家等に認定する際の判断基準や特定空き家等に対する措置を講ずる際の手続等につきまして必要な助言を行っているところでございます。  今後とも、国土交通省を始めとする関係省庁と連携しながら、地方公共団体が地域の実情に応じて行う空き家対策の取組を支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  113. 和田政宗

    ○和田政宗君 終わります。
  114. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  以前、所信の際にも大臣に人材育成についてお尋ねしたことがあったかと思いますけれども、今日も、権限、財源、人間の移譲という、一番難しい人間の部分、人材育成についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。  様々な委員の皆様からも人材について質問が今日も行われております。地方創生人材支援制度地方創生コンシェルジュ制度というものを設けて、国が地方自治体を人的に支援することということになっております。これは、地方が自立的に様々な施策を創生していくために必要な策だと私も考えております。  ということは、もちろん充実している地域もあるでしょうけれども、ほとんどの地方自治体、若しくは多くの、そうですね、何かコミュニティーの中でそういった施策を実行していくための立案をする人材が不足しているというふうにお考えなんでしょうか。御意見をいただけますでしょうか。
  115. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 人材が不足しているなぞという失礼なことを言うつもりはありませんが、やはり市町村というものがちっちゃくなればなるほど人自体がいないのだと。そこに優秀な人がいないとかなんとか、そんな失礼なことを言うつもりは全くないのですが、人の数自体が少ないのだということがあろうかと思っております。それは、愛知県でもそうなんだと思いますが、役場なんか行くと、人は少ないわ、一人が幾つものこともやらねばならないわというようなことで、結構大変でございます。  ですから、行政の人だけではなくて、そこにおけるいろんな立場の方々産業界の方々であり、あるいはもう高校生というものにそういうような計画作り参画していただいているところもあるのは私見てきましたが、あるいはジャーナリズムの方であるとか、いろんな方々地域計画を作る。もちろん責任を取るのは行政なのですが、そこに実は自分参画したいんだよねという方々が大勢おられたと思うんです。そういう方々をできるだけ多く集まっていただくということを私どもとして考えておりまして、地方に人材が足りないのではない、そこにいらっしゃる方々をどのように活用するのかということが大事ではないかなと思います。
  116. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  しかし、そこのコアになる、軸になるのはやはり自治体職員でなければならないと私は考えております。結局、その軸になる人材が少ないというふうに表現した方がよろしいのかもしれませんけれども、枯渇しているというわけではない、まだまだそこに人がいないがために本当に行いたいことも行えないし、立案したいことも実行できない可能性もあると。だから、国が様々な面で支援もするし、産官学金労言ですか、先ほどお言葉いただきましたように様々なステークホルダーの皆様方が集まって、そのグループでこれからの未来、地域をどうしていくのかということを創造していくということの理解で私も今現在おりますんですけれども、なぜやっぱりこういうことが起こってきたのかということも私どもは考えていかなければならないと思っております。  四次にわたる地方分権一括法で分権というものが進んではまいりました。しかし、まだまだそういったような状況で、地方の皆様方に全てお渡しをした上で地方で独自で回していきなさいよというまでには成長をしていかなかった。ということは、やはり国の方向を見てさえいれば、今まで口を開けてさえいれば何かいろんなものが入ってきて、そのとおりに行っていって、刷り込み作業のような形で地域、横の展開だけで全てが何となくうまくいっていた。そういうような現状があるんではないかと私考えておりますけれども、今後、そうではいけない、地域ならではの、地域特性を生かした施策というものを実行していかなければならない。どういう点がやっぱり反省をしなければならないのかということを大臣としてどのようにお考えなのか、御意見をいただけますでしょうか。
  117. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 人材のことについて、済みません、補足をさせていただければ、今まで人口五万人以下の自治体には国家公務員なんて行ったことがなかったんです。これは、全て手を挙げてくださったところに行けるわけじゃありませんが、なるたけこれも拡充したい。これは、あちこちで本当にいいねというふうに言われている、国がやることの中で珍しく評判のいいものでございます。  もう一つは、今晩は高知県をやるのですが、霞が関を親切なコンシェルジュにしようということで、自分は高知県出身である、高知に赴任をしていたことがある、何だか知らぬが高知が大好きだみたいな国家公務員がいっぱいいるわけで、それが高知の例えば土佐清水でもいいですし宿毛でもいいですし、そういうところから来られたらば霞が関全体で相談に乗ろうよねというようなシステムを動かしておりまして、今晩は、大おきゃく、おきゃくというのは宴会のことなんだそうですが、イン東京なぞというものをやるんだそうでございます。  そういうような形で、いろんな人材を生かしながらやっていきたいと思うのですが、問題は、じゃ分権なんかされても権限が来ると責任が伴ってきますので、それは嫌だよねというところがなかったわけじゃないと私は正直言って思っております。権限が来れば責任も来る、いやいや、権限もなく責任も問われず分権なんかできない方がいいよねというような意識が実はあったんではないだろうかと思っておりまして、例えば林道の勾配をどうしましょうかみたいなことは、それは地域で決めてちょうだいなと、そうであるからして地域が責任を負ってちょうだいな、そのことによって林道網が密になる、あるいは負担が減るというようなことはあるわけでございます。ですから、地域が良くなるためには地域権限を持ち責任も負いますよという形の意識の徹底というものを更にしていかねばならぬだろう、分権の本質とはそういうことではないかなと思っております。
  118. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私もまさに同じようなことを今回厚労省の中で分権というものを進めていくに当たって感じておりますので、しっかりと地方自治体の職員の皆様方にも意識を変えていただきたいと考えております。  そのためには、先日の本会議での大臣の御答弁にございました起草作業というものは地方自治体職員が自ら行うように促していきたいというようなことがございましたけれども、やはりそれ自体が不得意なところもございます。ということは、民間のコンサルティング会社であったりシンクタンクの方々が起草作業にも加わり、そしてそれを自治体の皆様方で検討して自らのものとしていくというようなプロセスがあってもいいんではないかと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。
  119. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ごめんなさい、先ほどの道路の勾配の例は長崎市の例でございました。そういうことがあるというお話でございます。  産官学金労言と、最近私も言えるようになったのですが、要するにコンサルタントに相談していただくのは構わないんです。それは構わないんですけど、もったいなくないですかと。町村にコンサルタントなんてまずいないので、それはやっぱり外部に出すわけですよね。それはもうそのままお金が出ていくということになりますわけで、結構もったいなくないですかというのがありますが、それが全然駄目と申し上げるつもりはありません。  こういうのはできればやめていただきたいなと思っているのは、全部コンサルタントにやってもらうというのはどうなんだろうかと思っております。コンサルタントには投げました、でも、そこの商工会はちっともお声も掛かりませんでした、そこの高校生子供たちはちっとも参画をしませんでした、そこの地元の新聞社も全くお呼びも掛からず、連合も全くお呼びも掛からず。そういうような努力を一切やめて、面倒くさいのでコンサルタントに投げましょうということは、私は絶対にやめていただきたいと思っております。できてきたものは何々コンサルタント作成って書いてあるはずはありませんが、やっぱり何となく見ると分かるものでございます。同工異曲というのか、似たようなのが出てまいりますのでね。それはやはりそういうものなのだろうというふうに考えております。  あくまで責任を取るのは行政です。しかしながら、作っていく上において、作っていくのが丸投げであったとするならば、PDCAというのが回るはずがない。作るのもみんなで作りましょう、実行もみんなでやりましょう、チェックもみんなでしましょう、アクションもみんなで起こしましょうという、そのPの段階から外へ丸投げちゃいますと、PDCAそのものが動かないと私は思っております。
  120. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私も理想はそうだというふうに感じておりますけれども、じゃ、実際にそういった人材がどのように育成されているかということを検証されているかということを調べてみました。そういたしましたら、平成九年に旧自治省が地方自治・新時代における人材育成基本方針策定指針というものをまとめておりまして、これが一定の方向を示し、そして、平成九年から二十年近くたっているんですけれども、この基本方針というものが変わっておりません。  そこで、今日は政務官いらしてくださっていますので是非お話をいただきたいと思うんですけれども……(発言する者あり)副大臣いらしてくださっていますのでお話をいただきたいと思うんですけれども、もうそろそろ、この地方自治・新時代、新時代でももうないですよね。私、この中身いろいろ拝見をさせていただきましたけれども平成九年の例を取りまして、こういう事例も参照しなさいよというような内容でしたり、私も一番関係します保健福祉の部分、新ゴールドプラン推進等と、もうかなり古いものがこの中に書き込まれていますので、見直し時期に当たっているんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
  121. 二之湯智

    ○副大臣二之湯智君) 御指摘の人材育成基本方針、いわゆる策定方針につきましては、先生御指摘のとおり平成九年に各地方公共団体に指示をしたものでございます。地方公共団体が人材育成基本方針を策定する際に留意、検討すべき事項の指針として提示したものであります。  方針、ポイントとなる点や、職員研修の充実等の例などを示しておりますけれども、しかし、この指針に基づいて、平成二十五年時点で、都道府県、指定都市では一〇〇%、市区町村では九三・七%の団体が基本方針の策定を行っておりますけれども、他方、その後、地方公共団体を取り巻く情勢も大変大きく変化しておりまして、地方創生を進めるためにも、地域の課題について自ら考え、そして解決していく政策形成能力や、高度化、多様化する住民ニーズへの的確な対応ができる能力、女性の活躍推進など、より高い能力を持った職員の育成が非常に重要になってきておるわけでございます。  また、昨年五月には、地方公務員法の改正によりまして、地方公共団体においても能力実績に基づく人事管理の徹底を図る人事評価制度を導入することとされておりまして、その結果を任用や処遇、人材育成に活用することが求められておるわけでございます。  このような時代の変化を踏まえまして、総務省としても、今後、各地方公共団体の人材育成の取組を更に効果的に促すことは非常に重要な課題と考えておりまして、御指摘の策定指針の見直しも含めて、今後、どのような対応が適切なのか、地方の実情も十分踏まえつつ検討してまいりたいと思っております。
  122. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  副大臣、大変失礼をいたしました。  私、この中で大変気になりましたのは、これも変わっていないんですけれども、この古くなったものに対しまして、皆様方には資料をお配りいたしておりますけれども平成十三年度以前にこのような基本指針を策定して以来、見直しが行われていないような自治体が二割に上るということなんです。結局、こういう指針が変わらなければ、時代にマッチした職員というものも育ってまいりません。実はこれは自治大学校の研究で明らかになったデータでございます。自治大学といえば我が国唯一の地方公務員に対する中央研修機関でもございます。  大臣に最後にお尋ねをさせていただきたいんですけれども、今後、様々な形、例えば自治大学校でしたり、若しくは様々な今大学、法政大学等々なんかでも地方の人材をいかに育成していくのかというような大学院だったり学科が設けられたり、本当に今多くの学生がこれを学びたがっている状況でもございます。どのような形で人材育成というものをお進めになられるのか、御意見をいただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
  123. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ありがとうございました。  御指摘のように、今、首都圏の大学におきましても、地域創生学部みたいなものをつくって、自治体に研修に出す、それでまた帰ってきていろんなものを学ぶというようなのができつつあります。そういうような形で、その人材は何も役人になることだけが全てではございません。民間の人材というものも地方に還流させるというのか、行っていただくことも大事だと思っております。  私どもとして、地方創生人材プランというものを年末までに作って具体的な施策を展開したいと考えておりますし、また、経営人材という意味では、経営人材のマッチングを行うプロフェッショナル人材事業というものを行いたいと思っておりまして、今後、REVICの子会社の設立を含めて、実務的に検討し実現をしたいと思っております。  地方仕事をつくるんだという、そういう意識があるべきだと思います。地方仕事がないのでじゃなくて、地方仕事をつくるんだというような意識を持って中央から地方に人々が出ていくというのはとても大事なことだと思っておりまして、そこの鍵を握るのは人材だと思っております。政府として、可能な限り施策を展開し、あるいは取組を支援してまいります。
  124. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございました。終わります。
  125. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案についてお聞きをいたします。  これまで厚労省は、保育所型認定こども園について有効期間を定めるというふうにしていました。これはなぜでしょうか。
  126. 満田誉

    政府参考人(満田誉君) 厚労省の方から承っておりますのは、仮に地域における保育需要が将来的に増加した場合に、保育に欠けない子供を受け入れている、要するに通常の保育所の対象外である言わば幼稚園対象者が入って定数を埋めていることによって、本来保育所に入るべき人が入れなくなるのではないだろうかと、そういうことで、保育義務の履行が妨げられるおそれがあるのではないかということで有効期間を定めることというふうにされたと、このように我々の方で承知しております。
  127. 福島みずほ

    福島みずほ君 今回の有効期間廃止に伴い、保育に欠ける子供の利用が制限され、市町村による保育の実施義務の履行が妨げられるおそれはないでしょうか。
  128. 満田誉

    政府参考人(満田誉君) 御指摘のその有効期間の設定問題につきましては、これは地方公共団体、特に複数の団体から提案をいただき、保護者にとって途中退所の不安というものがあるということ、あるいは認定こども園の事業者さんにとっても経営の安定を阻害するということで、これを廃止すべきとの提案をいただき検討したものでございます。  そこで、御懸念の、委員指摘の御懸念の点に関してでございますが、この四月に施行された子ども・子育て支援新制度の下では、市町村が策定いたします子ども・子育て支援事業計画、これにおきまして五年間の保育量の見込みを定める、このようになっております。したがいまして、将来の保育需要というのは見越した上で、どのような形で保育需要に対応していくかという言わば受皿の整備を行うということになったもので、したがいまして、保育所型の認定こども園だけ有効期限を定めるということをなくしたといたしましても、保育に欠ける子供の保育利用には影響を及ぼさないと、このように判断をしたものでございまして、関係府省とも調整の上、法案に盛り込んで御審議賜っているものでございます。
  129. 福島みずほ

    福島みずほ君 昨年の第四次地方分権一括法の成立により、国から地方公共団体への事務権限移譲が実現しましたが、権限移譲に伴う財政措置、人的措置は行われているのでしょうか。国から地方公共団体に対する財源面及び人員面で具体的にどのような措置を行ったでしょうか。
  130. 満田誉

    政府参考人(満田誉君) お答えいたします。  第四次地方分権一括法及び平成二十五年十二月に閣議決定されました事務権限移譲等に関する見直し方針等に基づく地方公共団体への事務権限移譲、これに伴いまして、国といたしましては、まず、マニュアルの整備、技術的助言、研修などの必要な支援を行ってきたところでございます。これは、ですから仕事をされる方々への支援ということになろうかと思いますが、こういうことを行ってまいりました。  加えて、二十七年度からでございますが、地方公共団体において生じる経費につきまして、地方財政計画において十一億円の経費を計上したというふうに承知しているところでございます。
  131. 福島みずほ

    福島みずほ君 人件費も入れて財政計画が十一億円というのはやっぱり大変少ないというふうに思います。今、どんどん地方にいろんなものを権限移譲していて、あるいは介護でも地域包括ケアシステムにいろんなものが流れ込んでいっているんですが、僅か十一億円、人件費も含んでというのでは、やっぱりこれ地方権限は来るし仕事は増えるがお金がないという状況が広がっていくというふうに思っています。  第五次地方分権一括法案も地方公共団体への権限移譲を含む内容となっていますが、各地方公共団体において移譲される事務に伴って、具体的にどのような財政措置、人員措置が行われているか検証できる仕組みが必要ではないでしょうか。しっかりその財政面も含めてやるべきである。大臣、いかがでしょうか。
  132. 石破茂

    国務大臣石破茂君) この第五次地方分権一括法案に先立ちまして閣議決定をいたしました平成二十六年の地方からの提案等に関する対応方針、これは今年の一月三十日閣議決定したものでございますが、そこにおいては、委員指摘のごとく、「地方公共団体において、移譲された事務権限を円滑に執行することができるよう、地方税、地方交付税や国庫補助負担金等により、確実な財源措置を講ずるとともに、マニュアルの整備や技術的助言、研修や職員の派遣などの必要な支援を実施する。」と、こう書いてあるわけであります。  今のところ地方分権につきましては多くの手が挙がっておるわけで、そういうような御懸念というか、大丈夫かねみたいなことはないだろうとは思っていますが、だろうでは仕方がないので、私ども内閣府といたしまして、この閣議決定に従いまして確実な財源措置が講じられるように所管する関係府省に働きかけていかねばなりません。その働きかける上においては検証というものも、それは悉皆的にできるかどうか分かりませんが、実際にそれがきちんと閣議決定どおりに行われているかということは内閣府としてもやるべきことだと考えております。
  133. 福島みずほ

    福島みずほ君 満田さんがうんうんとうなずいてくださっていますが、十一億円、人件費含むという事態にならないように、しっかりこの第五次地方分権一括法案の後、財源をきちっと確保するということを是非よろしくお願いします。  次に、機能性表示食品についてお聞きをいたします。  食品安全委員会の審査において安全性を確認できないと評価されたお茶の成分をサプリ形態にした製品が、今度は機能性表示食品として販売されようとしております。この委員会でもかつて取り上げられましたが、問題ではないですか。
  134. 岡田憲和

    政府参考人岡田憲和君) お答えいたします。  四月十七日に届出情報を公表いたしました機能性表示食品につきまして、その類似食品が特定保健用食品として申請され、その審査におきまして五月十二日の食品安全委員会で安全性を評価できない旨の評価書が決定されたことにつきましては承知しているところでございます。  機能性表示食品と特定保健用食品につきましては、安全性及び機能性の評価方法は基本的に異なるわけでございますけれども、関与成分が同じで同様の方法で安全性を審査、評価している場合には、一般論として申し上げれば、特保としての食品安全委員会の評価書が機能性表示食品としての安全性に係る科学的根拠の内容の評価に影響する可能性があるものというふうに考えております。  なお、特定保健用食品の評価書におきましては、安全性を評価できないという表現ぶりになっておりまして、今後、消費者庁におきまして食品安全委員会に答申の趣旨を確認するなどして評価書の内容を精査し、消費者委員会における機能性及び安全性に関する審査を経て、最終的に消費者庁において許可の可否に係る判断を行うことになるというふうに考えておるわけでございます。  一方で、機能性表示食品として届けられたものにつきましては、この特定保健用食品の審査の状況も踏まえつつ、消費者庁におきまして評価書の内容を精査し、必要な調査を行うこととしておりまして、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  135. 福島みずほ

    福島みずほ君 特保で駄目ってなって、しかし単なる届出でいい栄養機能食品として売り出されると。極めて問題じゃないですか。もっとてきぱきと、例えばもっとできないんですか。
  136. 岡田憲和

    政府参考人岡田憲和君) 特保の方の評価書におきましては、現在安全性が確認できないといことではなくて、安全性を評価できないという表現ぶりになってございます。  したがいまして、まず特保の方の判断をする必要があるということでございまして、消費者委員会における機能性、安全性に関する審査を経て、許可に関します可否に係る判断を行うということでございます。  その上に立ちまして、さらに、機能性表示食品の方の食品につきましては、その審査の状況を踏まえつつ、内容を精査して必要な調査を行うということにしてまいりたいというふうに考えております。
  137. 福島みずほ

    福島みずほ君 特保として安全性を評価できないものが栄養機能食品として出されるというのは問題だと思います。消費者はよく分からない。体にいいとか、例えばコレステロールが減るとかいったら、いいかなというふうに思ってしまうので、このことそのものが問題ではないか。というか、機能性食品のこのことそのものが問題ではないか。  今回の機能性表示食品制度では、企業は発売前六十日までに消費者庁に届け出、その届出情報はホームページに公開されるので、六十日の間、消費者の誰でもその内容を閲覧して、証拠の信憑性をチェックできるというものとなっております。  しかし、ホームページでの情報公開までに一か月掛かる場合もあります。ホームページ公開日と届出受理日を同じ日にするなどの措置を講ずるべきではないですか。
  138. 岡田憲和

    政府参考人岡田憲和君) お答えいたします。  機能性表示食品につきましては、食品表示基準において販売の六十日前までに消費者庁長官に必要な事項を届け出るということにされておりまして、届出資料が整った日から起算して六十日後から販売可能というふうにしておるわけでございます。このため、確認のために必要な作業がございますので、その間日数が空くということでございます。  機能性表示食品制度は本年四月から新たに施行されたこともありまして、事業者が作成する届出資料の不備等が見受けられるところでございまして、こうした不備の修正、届出内容の再考を促すために、多くの事業者との間で届出書類の修正依頼、再提出のやり取りを行っておりまして、形式的な審査ではあるものの、審査に時間を要することになっているわけでございます。  このため、消費者庁といたしましては、届出資料作成に当たっての留意事項を整理、公表するなど、事業者のミスを減らし、手戻りが少なくなるようにするとともに、消費者庁における資料の確認、公表作業につきましても更に迅速に行っているところでございまして、今後とも届出資料の確認、公表をスムーズに進めてまいりたいというふうに考えております。
  139. 福島みずほ

    福島みずほ君 ホームページ公開日と届出受理日を同じ日にするなどの措置を講ずるべきだと思います。  消費者団体から寄せられる疑義情報を、本来なら食品表示法で調査義務が決められている申出として位置付けるべきではないですか。  また、疑義情報の提供を受けた後、消費者庁が行った調査結果はどのような形で消費者に対してフィードバックされるんでしょうか。
  140. 岡田憲和

    政府参考人岡田憲和君) お答えいたします。  食品表示法に基づく申出制度につきましては、現に一般消費者の利益が害されていることが要件になっておりますことから、販売前の機能性表示食品につきましては申出制度の対象とはならないところでございます。  このように、販売前の段階では申出制度の対象とはならないものの、一般的な疑義情報は常時受け付けておりまして、その内容に応じて必要な調査を行うなど適切に対応していくことになるというふうに考えております。  調査の結果、指示等の食品表示法に基づく行政上の措置を行った場合にはその旨を公表することとしておりまして、申出者に通知せずとも措置の内容を確認できることになっているわけでございます。  なお、申出者への調査結果の通知につきましては、公表されない場合の指導内容が申出者を通じて外部に伝わっていくおそれがあることから適切ではないというふうに考えているわけでございます。
  141. 福島みずほ

    福島みずほ君 でもしかし、やっぱり問題がある、そして、とりわけ届出だけで済む話なので、そのことについてはきちっとフィードバックをすべきだというふうに思います。  例えば、野菜も機能性表示ができますよね。野菜ってこんな機能性表示に適しているんでしょうか。
  142. 岡田憲和

    政府参考人岡田憲和君) 規制改革実施計画で位置付けられた際にも、生鮮食品というのは明示的に対象になるというふうにいたしております。  私ども検討会を行った際にも、関係の農林水産関係の方にも参加していただきまして、どのようにすれば表示ができるかということについても検討させていただいておりますので、当然、野菜についても対象になるというふうに考えております。
  143. 福島みずほ

    福島みずほ君 野菜は、体にいいものもあるでしょうが、食べ方にもよるし、タマネギがいいからといって何十キロも食べるわけにもいかないしということがあって、この野菜の機能性表示というのがどういう形なのかというふうには思っています。  それで、例えば市民団体、食の安全・監視市民委員会は、六月一日、この届出が受理された二十六商品のうち、少なくとも十七商品は健康への効果、機能性を示す科学的根拠が不十分だったり表示方法が不適切だったりするとして、消費者庁に疑義情報を提出をしております。例えば、機能性の根拠を示す臨床試験の論文で専門家の審査がされていなかったり、効果があったとする実験結果だけを届け出て、効果がないとする別の実験結果を無視していたりする例もありました。安全性の根拠には、食経験、これまで一般にどれだけ食べられてきたかを用いることができますが、一年未満など短期間の販売実績根拠にしている商品がありました。  それで、その団体は、都合のいい情報だけを提供している、こうした届出が認められると、安全性に問題があり効果もない健康食品が氾濫すると訴えていますが、どうお考えでしょうか。
  144. 岡田憲和

    政府参考人岡田憲和君) 市民団体の方から届出情報を契機として疑義情報をいただいていることは御指摘のとおりでございますけれども、こういった疑義情報につきましては、他の食品表示に関する疑義情報と同様に消費者庁において受け付けておりまして、その内容に応じて必要な調査を行うなどの対応を取るものというふうに考えております。  調査の結果、必要な行政措置を行った場合には、当然その旨も公表されることになるわけでございますけれども、現時点で個別の疑義情報の対応につきましては言及は差し控えたいというふうに考えております。
  145. 福島みずほ

    福島みずほ君 特保と違って届出だけで表示がオーケー、機能性食品は体にいいということで出るわけですよね。でも、安全性に懸念もありますし、ビジネスチャンスは広がるかもしれないけれども、消費者という立場から見ればかなり問題があるというふうに思っております。  今後、またこの委員会質問したいと思います。ありがとうございます。
  146. 荒井広幸

    荒井広幸君 大臣、長い間御苦労さまでございます。  私は、人口が減っていく少子化の中で、子育てに代表されるような少子化対策をしなくてはいけないし、一方で、現に人口が減っていることによって、最低の生活ができるような環境も保障しなければならない、この二つの命題にお金が掛かるものでもありますから、財源、財布は一つだと、この辺、非常に悩ましい問題だと思います。  となりますと、マンパワーの確保や財源対策という意味で、社会の領域の中で自助と共助と公助をどういうふうに、ここは自助で、ここは共助で、ここは公助でという領域を見直していく作業が不可欠だと思うんです。  そのときに、私の今日のアイデアは、介護、地域の介護を担う人材とは中学生高校生ではないか、同時に、中学生高校生にとっては人間性を育むことにもなると、こういう観点で今日は大臣にも御意見をいただきたいというふうに思っております。  まず、地域包括ケアシステムは、住まい、医療、介護などの提供を一体として行うものですが、これは中学校区、学区というんですかね、中学校区というのかな、それを念頭に置いたエリアでしょうか。
  147. 苧谷秀信

    政府参考人苧谷秀信君) まず、地域包括ケアシステムでございますけれども、この構築を進めるためにどのような地域かと申しますと、今御指摘ありましたように、中学校区単位等の日常生活圏域を想定してございます。
  148. 荒井広幸

    荒井広幸君 そうしますと、今、介護の高校というのは、福祉系高等学校では介護福祉士養成教育というのがされているわけですね。介護福祉士の資格を取っていく方向に進んでいくわけですね。もう一つは、神奈川県では、高校生介護職場体験促進事業、職場体験促進事業ということで神奈川県では取組をしているんです。これは、知る、聴く、体験する、こういうことを目標にしてやっているんだそうです。  これらについて、今日は時間がありませんので、評価などを文科省に聞きたいと思ったんですが、これらの中身はどういうことかというと、学んで体験して、そして将来の職業選択にも生かせればいいなという程度の、程度というのは悪い意味じゃなくて、という範囲の授業の一環のカリキュラムというものが一つあるのと、今度は、先ほど言いましたように、福祉系の高等学校のようにかなりの時間数を割いて、それで資格を取れるところまで行くと。こういうものの二つがあるんですが、両方合わせても六百か七百の高校なんです。  私が申し上げたいのは、ちょっと一歩踏み込むんです。これは、福島県の金山町に川口高校、会津なんですけれども、そこがはしりなんですけれども、授業の単位の中で、すぐ下に特養があるんです、そこに実習に行きながらお手伝いしていくんですね、介添えをしていくんですね。十分介添え程度は、程度というのは失礼なんですが、本当に重要なことを、体験するんじゃなくて協力するんですよ、手伝うんです。一歩そういうところに踏み込む必要があるんじゃないか、こう考えているんですが、文科省はどのように考えますでしょうか。
  149. 伯井美徳

    政府参考人伯井美徳君) 御指摘のように、少子高齢化が進む中で、子供たちが介護の意義、社会保障について理解を深め、高齢者との触れ合いや交流、介護体験を実際に経験する機会を持つ、それによって、先生今おっしゃられましたように、地域福祉の担い手として子供たちに自覚を育成していくということは非常に重要であるというふうに認識しているところでございます。  実際、学校現場におきましては、学習指導要領という国の教育課程の基準がございますので、それに基づきまして、中学校の社会科、高等学校の公民科、あるいは高等学校の家庭科も現在必修でございますけれども、そうした中で、高齢者との触れ合いとか交流の活動、あるいは高齢期の特徴とか生活、高齢社会の現状と課題、福祉について理解させて、地域及び社会の一員として共に支え合って生活することの重要性について認識させるような指導が行われているというふうに認識しているところでございまして、そうした取組をより一層進めていきたいなと考えております。
  150. 荒井広幸

    荒井広幸君 大臣、今も文科省から話がありましたように、経験するというところにとどまるんですね。そうではなくて、例えば、一学級、まあ高校生としたら三学級ぐらいありますね、中学校ならば、学区単位に包括ケアシステムですから、一学級か三学級あるとすると、通年、一年生から三年生まで、三年で受験を迎えますから、三年の前半ぐらいまで常に知識を磨き、技能も研修し、しかしそれは、ただ単に資格を取るとかヘルパー二級の、これは介護職員初任者研修というんですが、昔のホームヘルパー二級、これはお手伝いをするという意味ですね、在宅施設で指示を受けながら介護の実務を行える技能と知識を有するというのがこの介護職員初任者研修、昔のホームヘルパー二級クラスということなんですが、実際にそういうものを履修する単位が取ったから終わりではなくて、続けていくんです。授業の中で続けていくんです。例えばこれは百三十時間なんです。  そうでなくて、一組の人は二週に一回どこそこの例えば介護をしている施設、特養、在宅でやっている御家庭、そういったところに入っていくんです。そういうことを中学生高校生にも十分理解していただいて、それで、体験するんでなくて手伝っていく、社会の一員としてそういう役割を担ってもらう、併せて担ってもらう、こういうところに一歩踏み込む必要があるんではないかなというふうに思っているんですが、大臣はどのような感想、私の意見にお持ちになりますでしょう。
  151. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ありがとうございます。  体験することはとても大事で、体験もしなきゃ何にも分からぬということでございます。  介護というのは実際やってみると物すごく大変なことで、また、そのいろんな技能によって介護を受ける方々の負担も減らす、介護の側もいろんなコツを会得することによって小さな労力でいろんな実績を上げることができる。だから、体験するのはとても大事ですが、体験したらそれで終わりだということではなく、委員がおっしゃるように、それをいろんな地域のお手伝いという形で、体験から、地域に対する寄与というのかしら、役割の実現というのかしら、そういうものをやっていくということへ発展させるのは意味のあることだと思っております。  これから先、そういうような人材がますます必要になってくるわけで、それは量もそうですし質もそうだと思っております。中学、高校の頃から、本当に今介護に従事する方々が、もちろんそういうような介護報酬の引上げということも今やっておるわけでございますが、今なお離職率が高いという状況にありまして、そこを改善していくためにも、質においても量においても、中学、高校の頃から単なる体験だけではなくて地域においてそういう役割を果たすという御指摘は、私どもそのとおりだと思っております。  文科省ともよく連携しながら、地方創生一つの要素として考えさせていただきます。
  152. 荒井広幸

    荒井広幸君 大臣の御見識、大変有り難く思うんです。  せんだって沖縄を訪問いたしましたが、また六月二十三日が来るわけですけれども、本当に残念なことでありましたけれども、ひめゆりの皆さんのみならず、学徒動員で介護に携わった方いっぱいいるんですね。十六から十八歳です。これは年齢を引き下げたんですよね。本当に皆さんのためにということでした。  私は、中学生高校生に説明すれば、知識と技能をある程度身に付けて、それを、授業の中で地域自分が役立っていく、これが共助だと思うんです。その役立つのもカリキュラムに入れていって単位にしてあげないと、ある程度の単位で知識と技能を覚えたから、はい、終わりますじゃないんです。全ての中学と高校がそれを続けていく。そういうことによって社会の大きな支えになりますし、共助の分野で本当にこの中学、高校生という人たちが活躍してもらうことによって地域のいわゆる介護力を高めるというんでしょうか、結果、その人間も大変多くのことを学びつつ、そして充実感も味わいながら、結果的にですが人手不足を解消できる道ではないかというふうに思います。三十万人が二〇二五年で介護人材は不足すると言われています。海外に頼るということもあるかもしれませんが、少なくとも、こうした子供たちに意識を持ってもらうということによってこの難局を乗り切っていけるんだろうというふうに思います。  大臣の全く御見解そのとおりだと私も思うんです。言ってみれば、国民皆ヘルパー社会になるんだと思うんです。その上で、本当の今度は、いろいろ議論されていますが、認定介護福祉士というようなものになるかどうかは別としても、ある程度のことはもうみんなができるようになる。今、孫がおじいちゃん、おばあちゃんを世話する、そういうのがかなり出てきているんですね。そういうものを私は教育のカリキュラムに入れることによって、全ての中学、高校の生徒がこれらを履修し、実践し、手助けをして貢献をしていく、こういうものを早くやっていくべきだと思います。  大臣の意見を反映して、厚労省、文科省は、どうぞ積極的に、今学習指導要領変更の検討に入っているんで、取り組んでいただきたいと思うんです。その取組のきっかけとして、初等中等教育分科会等に、介護を始めとする福祉関係者はこの審議会の中にいるんでしょうか。学習指導要領や教育課程に反映させるためのそうした医療や福祉関係者というのはおりますか。
  153. 伯井美徳

    政府参考人伯井美徳君) 今御紹介いただきましたように、文部科学省におきましては、昨年十一月に中央教育審議会に諮問を行いまして、初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について検討を開始したところであります。現在、次期の学習指導要領の基本的方向性について御議論いただいております。  この検討の中での委員でございますけれども、例えば、介護と仕事の両立に関する事業に取り組んでおられる女性委員の方や、あるいは介護や福祉の問題を教育の中に取り入れることに非常に熱心な市長さんを委員にいたしまして、審議に御参加いただいて御意見をいただいているところでございます。  文部科学省といたしましては、引き続き、福祉、介護面を含めまして、幅広い分野の様々の関係者の御意見を伺いながら、指導要領改訂の在り方に関する検討を進めていきたいと考えております。
  154. 荒井広幸

    荒井広幸君 最後になりますが、大臣、改めまして、重要なところなので、まさに大臣が担っておられる非常に重要な地域創生の一つに、今のような中学、高校生の皆さんが参加していく、学びながらしかし手助けをしていく、こういう方向性というのが重要だという認識は共通ですが、もう一度、大臣の指導力でこれを具体化できるように更に検討を進めるように御指示を願いたいと思います。
  155. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ありがとうございました。  これは地方に限ったことではございませんが、国民皆ヘルパーというような形のものというのは、例えば認知症の方のサポーターみたいなものも大変大勢の方が受講し、その資格を取っておられるということを聞いております。  それから、これは、都市部であろうが地方であろうが、みんな年取るわけで、それを自助、共助、公助、全て公助に頼ることなく、かといって、自助といったってできることには限りがあるので、大切なのはこの間の共助の部分だろうというふうに思っております。ここを地方においてもあるいは都市部においてもそれを拡大をさせるということは、委員の御指摘をよく踏まえて、私どもとしても関係各省と連携しながら更に充実をさせてまいります。
  156. 荒井広幸

    荒井広幸君 終わります。
  157. 西田昌司

    委員長西田昌司君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  158. 紙智子

    紙智子君 私は、日本共産党を代表して、地域再生法改正案、第五次地方分権一括法案に対する反対討論を行います。  両法案が掲げる地域再生は、財界や大企業が主導して策定した骨太方針や日本再興戦略規制改革実施計画を実現するために、選択と集約を地方に押し付ける内容となっています。このような上からの地方構造改革では、更なる地方の衰退を招きかねません。  反対する第一の理由は、地域再生法改正案が安倍内閣の成長戦略を担う企業地方拠点強化を税制面で支援するものだからです。この制度を利用できる中小零細企業はほとんどありません。このような外からの企業呼び込みではなく、今地域で頑張っている企業を底上げする方策こそ必要です。  昨年十二月に閣議決定したまち・ひと・しごと総合戦略は、多様な正社員の実現と称して、財界の進める地域限定正社員を進める内容となっています。地域において安定雇用を増やし、都市部との賃金格差を解消してこそ、地方の消費拡大、経済の好循環をつくり出すことができます。  反対する第二の理由は、第五次地方分権改革一括法案が住民生活の安全確保や食料生産の基盤である農地に対する国の責務を後退させるものだからです。とりわけ、農地法の改正で農地転用に係る大臣許可権限がなくなり、地方自治体に移譲されます。農地は食料生産の基盤であり、食料自給率を高める上でも、地域の実情だけでなく全国的な視野に立って確保すべきです。また、生物多様性、多面的機能の観点からも重要です。国の関与が弱まれば、開発を優先した安易な農地転用が進む懸念があります。国の責務、役割を後退させるべきではありません。  最後に、地方の再生には都市と地方の経済格差を固定化し拡大させてきたこれまでのやり方の根本的な転換が必要であることを主張し、反対討論とします。
  159. 福島みずほ

    福島みずほ君 福島みずほです。  社会民主党・護憲連合を代表し、地域再生法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。  地域再生法は、昨年、いわゆるアベノミクスが当然の結果としてもたらす大都市と地方の格差拡大、大企業と中小企業の格差拡大を覆い隠すとともに、日本再興戦略改訂二〇一四において、「やる気のある地域に対して集中的に政策資源を投入する」とされたことなどを踏まえ、地方創生関連法として改正されました。  しかし、そこには、高齢化や人口減で疲弊した地域をやる気がないと切り捨て、地方拠点都市にまち・ひと・しごとを集約してしまおうという意図が透けて見えます。さらに、なぜ地方創生が必要になったのかという原因分析が一面的であり、この間の平成の大合併や三位一体の改革などにより地方が疲弊したことへの検証は見受けられません。自治体における地方版総合戦略のプラン作りにおいても過去の検証は不可欠のはずです。  本法案においては、東京一極集中是正のために企業本社等が集中する東京二十三区から本社機能移転を支援すると言いながら、一方ではまさにその東京などを国家戦略特区として指定するなど、地方創生とは名ばかりであると言わざるを得ません。  以上を踏まえ、本法案は、いわゆるアベノミクスによる地方の更なる疲弊を覆い隠す対症療法にすぎないことから、反対であると申し上げ、討論を終わります。
  160. 西田昌司

    委員長西田昌司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  161. 西田昌司

    委員長西田昌司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、地域再生法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  162. 西田昌司

    委員長西田昌司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、森本君から発言を求められておりますので、これを許します。森本真治君。
  163. 森本真治

    森本真治君 私は、ただいま可決されました地域再生法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、次世代の党、無所属クラブ及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     地域再生法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一、人口減少を克服し、地方創生を成し遂げることが急務であることに鑑み、必要な予算の確保を始め、一層の支援措置の拡大等に努めること。  二、本法施行後三年の見直しに合わせ、特に地方活力向上地域特定業務施設整備事業については、その効果についてまち・ひと・しごと創生法の目的にある「東京圏への人口の過度の集中を是正」する観点を踏まえ検証を行い、その結果に基づいて、必要に応じて地方活力向上地域の範囲も含めた規定の見直しを行うこと。  三、医療、福祉、教育等のサービス産業による地域活性化政策を中軸に据えた国の長期計画を、地域住民の視点に立って検討すること。  四、地方経済の再生、雇用の創出を強力に推進するため、各省庁において実施している施策を地方の視点から調整し、地方創生の実現に向け政府一体となって取り組むこと。  五、中山間地域等では、人口減少に伴い、住民の生活に必要なサービス機能の提供に支障が生じてきていることを踏まえ、医療、介護、教育、ガソリン、電力、金融、通信、交通、郵便などに係るユニバーサルサービスの提供に関し、その維持・確保のための手段及び責任の所在等について、各省庁の施策を一体的に捉えた上で、それらの基本的在り方を検討すること。  六、地域医療構想の策定や地域包括ケアシステムの構築に当たっては、子育て世代や働く世代など各世代の医療・介護に対するニーズを把握し、地方への人口移動を促進するような地域医療・介護提供体制が整えられるよう各省庁が連携して取り組むこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  164. 西田昌司

    委員長西田昌司君) ただいま森本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  165. 西田昌司

    委員長西田昌司君) 多数と認めます。よって、森本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、石破国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石破国務大臣
  166. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
  167. 西田昌司

    委員長西田昌司君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  168. 西田昌司

    委員長西田昌司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十三分散会