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2015-03-26 第189回国会 参議院 総務委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年三月二十六日(木曜日)    午前十時二分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         谷合 正明君     理 事                 島田 三郎君                 堂故  茂君                 藤川 政人君                 藤末 健三君                 横山 信一君     委 員                 井原  巧君                 石井 正弘君                 礒崎 陽輔君                 関口 昌一君                 柘植 芳文君                 二之湯 智君                 長谷川 岳君                 山本 順三君                 石上 俊雄君                 江崎  孝君                 難波 奨二君                 野田 国義君                 林 久美子君                 片山虎之助君                 寺田 典城君                 吉良よし子君                渡辺美知太郎君                 又市 征治君                 主濱  了君    国務大臣        総務大臣     高市 早苗君    副大臣        内閣府副大臣   西村 康稔君        総務大臣    二之湯 智君        農林水産大臣  あべ 俊子君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        小泉進次郎君        総務大臣政務官  あかま二郎君        財務大臣政務官  竹谷とし子君        国土交通大臣政        務官      うえの賢一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        小野  哲君    政府参考人        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        菊地 和博君        内閣府地方分権        改革推進室次長  三宅 俊光君        内閣地方創生        推進室次長    末宗 徹郎君        総務省自治行政        局公務員部長   丸山 淑夫君        総務省自治財政        局長       佐藤 文俊君        総務省自治税務        局長       平嶋 彰英君        総務省情報流通        行政局長     安藤 友裕君        総務省統計局長  井波 哲尚君        消防庁次長    高尾 和彦君        文部科学省高等        教育局長     吉田 大輔君        農林水産省農村        振興局農村政策        部長       佐藤 速水君        環境大臣官房審        議官       小川 晃範君    参考人        日本放送協会経        営委員会委員長  浜田健一郎君        日本放送協会経        営委員会委員(        監査委員)    上田 良一君        日本放送協会会        長        籾井 勝人君        日本放送協会副        会長       堂元  光君        日本放送協会専        務理事      吉国 浩二君        日本放送協会専        務理事      石田 研一君        日本放送協会理        事        福井  敬君        日本放送協会理        事        森永 公紀君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○行政制度地方行財政選挙消防情報通信  及び郵政事業等に関する調査  (平成二十七年度地方財政計画に関する件) ○地方税法等の一部を改正する法律案内閣提出  、衆議院送付) ○地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 谷合正明

    委員長谷合正明君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地方税法等の一部を改正する法律案一案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房まちひと・しごと創生本部事務局次長菊地和博君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地方税法等の一部を改正する法律案一案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会会長籾井勝人君外七名を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 行政制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のうち、平成二十七年度地方財政計画に関する件を議題といたします。  政府から説明聴取いたします。高市総務大臣
  7. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 平成二十七年度地方財政計画概要について御説明申し上げます。  本計画の策定に際しては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政現状及び現下経済情勢等を踏まえ、地方創生に対応するために必要な経費を計上するとともに、社会保障充実分等を含め、社会保障関係費増加を適切に反映した計上を行う一方、国の取組と歩調を合わせて歳出抑制を図ることとしております。  あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方一般財源総額について、前年度の地方財政計画を上回る額を確保することとしております。  また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、直轄補助事業に係る地方負担分等全額措置する震災復興特別交付税確保することとしております。  以上の方針の下に、平成二十七年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については前年度に比べ一兆九千百三億円増の八十五兆二千七百十億円、東日本大震災分については復旧復興事業が前年度に比べ四百四十三億円増の二兆六十億円などとなっております。  以上が、平成二十七年度地方財政計画概要であります。
  8. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 次に、補足説明聴取いたします。二之湯総務大臣
  9. 二之湯智

    ○副大臣二之湯智君) 平成二十七年度地方財政計画につきましては、ただいま総務大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして、補足して御説明いたします。  まず、通常収支分についてであります。  主な歳入のうち、地方税収入見込額につきましては、総額三十七兆四千九百十九億円で、前年度に対し二兆四千七百九十二億円、七・一%の増加となっております。  地方交付税につきましては、平成二十七年度の所得税法人税酒税消費税及び地方法人税のそれぞれ法定割合の額の合計額に、地方税収状況を踏まえた別枠の加算額臨時財政対策特例加算額地方公共団体金融機構公庫債権金利変動準備金活用額加算する等の措置を講ずることにより、総額十六兆七千五百四十八億円となり、前年度に対し一千三百七億円、〇・八%の減少となっております。  国庫支出金につきましては、総額十三兆七百三十三億円で、前年度に対し六千二百四十二億円、五%の増加となっております。  地方債につきましては、総額九兆五千九億円で、前年度に対し一兆五百六十一億円、一〇%の減少となっております。このうち、臨時財政対策債につきましては、四兆五千二百五十億円で、前年度に対し一兆七百二億円、一九・一%の減少となっております。  次に、主な歳出のうち、給与関係経費につきましては、地方団体における定員純減取組を勘案するとともに、人事委員会勧告を反映させること等により、総額二十兆三千三百五十一億円で、前年度に対し六十三億円、ゼロ%の減少となっております。  一般行政経費につきましては、社会保障関係費増加等により、総額三十五兆五百八十九億円で、前年度に対し一兆八千三百九十五億円、五・五%の増加となっております。このうち、地方団体自主性、主体性を最大限発揮して地方創生に取り組むために必要な経費として一般行政経費に計上するまちひと・しごと創生事業費につきましては一兆円となっております。  地域経済基盤強化雇用等対策費につきましては、総額八千四百五十億円で、前年度に対し三千五百億円、二九・三%の減少となっております。  公債費につきましては、総額十二兆九千五百十二億円で、前年度に対し一千二百三十三億円、〇・九%の減少となっております。  投資的経費につきましては、総額十一兆十億円で、前年度に対し二十五億円、ゼロ%の減少となっております。このうち、直轄事業負担金及び補助事業につきましては五兆七千二百五十二億円で、前年度に対し五百四億円、〇・九%の減少地方単独事業につきましては五兆二千七百五十八億円で、前年度に対し四百七十九億円、〇・九%の増加となっております。  また、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設集約化複合化、転用、除却を実施するために必要な経費として投資的経費に計上することとした公共施設等最適化事業費につきましては、地方単独事業内数として一千億円となっております。  公営企業繰出金につきましては、総額二兆五千三百九十七億円で、前年度に対し二百十五億円、〇・八%の減少となっております。  次に、東日本大震災分について御説明いたします。  まず、復旧復興事業については、総額二兆六十億円で、前年度に対し四百四十三億円、二・三%の増加となっており、そのうち、直轄補助事業に係る地方負担分等全額措置する震災復興特別交付税につきましては、総額五千八百九十八億円で、前年度に対し百七十五億円、三・一%の増加となっております。  また、全国防災事業については、総額四千九百五億円で、前年度に対し二千三百八十四億円、九四・六%の増加となっております。  以上をもちまして、平成二十七年度地方財政計画補足説明を終わらせていただきます。
  10. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 以上で説明聴取は終わりました。     ─────────────
  11. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 次に、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明聴取いたします。高市総務大臣
  12. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  まず、地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  現下経済情勢等を踏まえ、デフレ脱却経済再生地方創生への取組経済再生財政健全化の両立などの観点から、地方税に関し所要の施策を講ずるため、本法律案提出した次第であります。  以下、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  その一は、地方法人課税改正であります。デフレ脱却経済再生に向け、法人事業税所得割税率の引下げと外形標準課税拡大等を行うこととしております。  その二は、地方消費税率引上げ時期の変更等改正であります。経済再生財政健全化を両立するため、地方消費税税率引上げ施行日変更及び消費税に係る地方交付税の率の変更等を行うこととしております。  その三は、個人住民税改正であります。地方創生に向け、地方団体に対する寄附金に係る寄附金税額控除拡充を行うこととしております。  その四は、車体課税改正であります。環境への負荷の少ない自動車対象とした自動車取得税税率軽減等特例措置について、所要見直しを行った上、適用期限平成二十九年三月三十一日まで延長することとするほか、環境への負荷の少ない軽自動車対象とした軽自動車税税率軽減する特例措置の創設、二輪の軽自動車等に係る軽自動車税税率引上げ時期の一年延期等を行うこととしております。  その五は、固定資産税及び都市計画税改正であります。平成二十七年度の評価替えに当たり、現行の土地に係る負担調整措置等を継続することとしております。  その六は、狩猟税改正であります。有害鳥獣捕獲従事者確保を目的として、一定の狩猟者登録に係る軽減措置平成三十年度まで実施することとしております。  その他、猶予制度及び個人住民税等における還付加算金起算日見直し等納税環境の整備、税負担軽減措置等整理合理化等を行うこととしております。  以上が、この法律案提案理由及び内容概要であります。  次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  地方財政収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等に鑑み、地方交付税総額確保に資するため、所得税法人税酒税及びたばこ税に係る地方交付税の率を変更する等の措置を講ずるとともに、地方交付税総額特例措置を講ずるほか、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費財源措置するため、地方交付税単位費用等改正することに併せて、東日本大震災復旧復興のための財源として震災復興特別交付税確保する等の必要があります。  以下、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  まず、地方交付税の率の変更等につきましては、所得税収入額に対する地方交付税の率を一・一%引き上げ、三三・一%とし、法人税収入額に対する地方交付税の率を〇・九%引き下げ、三三・一%とし、酒税収入額に対する地方交付税の率を一八%引き上げ、五〇%とし、たばこ税地方交付税対象税目から除くこととしております。  平成二十七年度分の通常収支に係る地方交付税総額につきましては、地方交付税法定率分に、地方税収状況を踏まえて行う加算地方公共団体金融機構公庫債権金利変動準備金活用等による加算額法定加算額及び臨時財政対策のための特例加算額を加え、交付税特別会計借入金償還額及び同特別会計における借入金利子支払額等を控除した額十六兆七千五百四十八億円とすることとしております。  また、平成二十八年度から平成四十二年度までの間における国の一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への繰入れに関する特例改正するとともに、財政投融資特別会計投資勘定に帰属させる地方公共団体金融機構公庫債権金利変動準備金について、交付税及び譲与税配付金特別会計への繰入れの特例を設けることとしております。  さらに、地方創生に要する経費財源措置するため、地域元気創造事業費に加え、当分の間の措置として人口減少等特別対策事業費を設けるほか、平成二十七年度分の普通交付税の算定に用いる単位費用改正することとしております。  あわせて、平成二十七年度分の東日本大震災に係る震災復興特別交付税総額につきましては、平成二十七年度において新たに五千八百九十八億円を確保することとしております。  さらに、公営競技を施行する地方公共団体地方公共団体金融機構に対する納付金納付制度を五年間延長することとしております。  以上が、この法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  13. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 以上で両案の趣旨説明聴取は終わりました。  なお、地方税法等の一部を改正する法律案に対する補足説明につきましては、理事会で協議いたしました結果、説明聴取は行わず、本日の会議録の末尾に掲載することといたしました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  14. 島田三郎

    島田三郎君 自由民主党の島田三郎でございます。  まず、地方税法改正法案についてお伺いいたします。  まず、地方消費税率引上げ延期に関してお伺いいたします。  今回の地方税法改正法案においては、平成二十七年十月に予定されていた消費税率一〇%への引上げ時期を平成二十九年四月に十八か月延期することといたしております。これは、デフレから脱却し、経済を成長させるアベノミクスの成功を確かなものにするため、安倍首相が判断されたものと認識をいたしております。また、この二十九年四月の消費税率一〇%への引上げは、社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会から国の信認を確保するために確実に実施することとされ、改正法案においては、いわゆる景気判断条項を削除することとされております。  このように今回消費税率引上げが延期されたところですが、他方で、特に厳しい財政状況にある地方団体にとって、偏在性が小さく安定的な財源である地方消費税引上げはやはり重要なものであります。  まずは、地方消費税率引上げ重要性について、改めて総務大臣にお伺いいたします。
  15. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 今、島田委員指摘のとおりの理由でございますが、我が国の国、地方を通ずる財政、極めて厳しい状況にあります。二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化に向けて財政健全化に取り組んでいるところでございます。  また、高齢化に伴って増大する社会保障費につきましても、国と地方役割分担に応じて負担しており、その確保が課題となっております。  そうした中で、地方消費税は、勤労世代など特定の者への負担が集中せず、広く社会構成員負担を分かち合うことが可能であり、税収景気の動向に比較的左右されにくく安定的であるなど、国の消費税と同様の特徴を有しております。このほかに税源の偏在性が比較的小さいという特徴も有しておりますので、地方団体による社会保障制度を支える安定的な財源としてふさわしいものでございます。  今回の税制抜本改革法に基づく地方消費税率引上げは、こうした現状を踏まえて、引上げ分消費税収を国と地方社会保障役割分担に応じて配分するものであります。これは、地方における社会保障安定財源確保地方財政健全化を同時に達成することを目指す観点からも、偏在性が小さく安定的な地方税体系を確立する観点からも極めて重要なものと認識しております。  ですから、平成二十九年四月の地方消費税を含む消費税率の一〇%への引上げを確実に実施するための経済状況をつくり出すことが大変重要であると考えております。
  16. 島田三郎

    島田三郎君 次に、地方法人課税偏在是正についてお聞きいたします。  安定的な地方税財源確保する観点から、地方消費税率引上げが重要であります。その一方で、地方消費税は、偏在性が小さいとはいえ、消費活動の盛んな都市部税収が更に集中することにもなります。このような都市部の不交付団体交付税に頼らざるを得ない地方交付団体との間で財政力格差が拡大することに対して地方税制全体として対応することは、地方創生観点においても重要であると考えております。この点について、平成二十六年度税制改正において、消費税率八%段階の対応として、偏在性の大きい法人住民税法人税割の一部を地方交付税原資化するなどの措置を講じたところであります。  地方創生観点も踏まえて、地方法人課税偏在是正策平成二十九年四月の消費税率一〇%への引上げに向けてどのように講じていくのか、見解をお伺いいたします。
  17. 二之湯智

    ○副大臣二之湯智君) 島田委員指摘のとおり、地方消費税充実に伴う地域間の財政力格差の縮小を図るために、平成二十六年度税制改正におきまして、偏在性の大きい法人住民税法人税割の一部を地方法人税として国税化して、それを地方交付税原資化にしたところであります。その際、消費税率一〇%段階における地方法人課税偏在是正につきましては、一つは、法人住民税法人税割地方交付税原資化を更に進めていくということ、また、地方法人特別税譲与税を廃止するとともに、現行制度の意義や効果を踏まえて他の偏在是正措置を講ずるなど、関係する制度について幅広く検討を行うとされたところであります。  今回、消費税率一〇%への引上げ時期の変更に伴い、これらについては、平成二十八年度以後の税制改正において具体的な結論を得るところとされたところであります。今後、この方針に沿って、関係団体の御意見も踏まえながら検討していく必要があるものと考えております。
  18. 島田三郎

    島田三郎君 次に、軽自動車税についてお尋ねいたします。  他の地方でもそうだと思いますが、私の地元である島根県では軽自動車が大変多く、そこかしこに走り回っているんです。黄色いナンバープレートを付けた車が本当に非常に多いわけなんですね。まさに生活の足となっているわけであります。  昨年の地方税法改正により、軽自動車税率が引き上げられました。軽自動車と五ナンバーの車の税率格差の問題や地方団体の貴重な自主財源充実を図るという観点から大変に重要な改正であったと私は理解をいたしております。しかし、税負担が重くなることについて、地方ではやはり様々な御意見もいただいております。  今回の法案では、軽自動車においてもグリーン課税特例が導入され、税負担軽減が図られています。この改正については、環境のための制度であると同時に、生活の足という地方実情への配慮の意味も含まれていると理解しており、私も評価をいたしております。  今後、消費税率の一〇%引上げに向けて車体課税議論が行われる運びと聞いておりますが、特に軽自動車に頼っている地方実情に配慮しながら検討を進めてもらいたいと思いますが、総務省見解はいかがでございますか。
  19. 二之湯智

    ○副大臣二之湯智君) 消費税率一〇%段階車体課税見直しにつきましては、平成二十八年度以後の税制改正において具体的な結論を得るところとされたところであります。その際には、税制抜本改革法第七条を基本として、平成二十五年度から二十七年度の与党税制改正大綱を踏まえ、検討していくことになるものと考えております。  御指摘のとおり、島田議員の御地元でもそうでございますけれども、軽自動車公共交通機関の不十分な地域などで生活の足として使われているという実情があることはよく理解をしているところであります。一方で、地方においては、道路とか橋等財政需要も大きいという事情もございます。  いずれにせよ、今後の車体課税議論に際しては、地方団体関係者意見を聞きながら検討を進めてまいりたいと思っております。
  20. 島田三郎

    島田三郎君 次に、ふるさと納税についてお伺いいたします。  ふるさと納税については、今回の地方税法改正法案において、ふるさと納税枠の二倍への拡充ふるさと納税ワンストップ特例制度の導入が盛り込まれています。一方では、最近メディアなどでも度々指摘をされておりますが、各自治体返礼品送付取組が過熱しているということも言われております。私自身、各自治体に、余り過度になり過ぎないよう節度を持って取り組んでいただきたいと考えております。  ふるさと納税をきっかけに地域活性化が図られ、地方創生につながる動きが出ておりますし、このタイミングでふるさと納税の活用を後押しをする法改正を行うことについては、私も地方活性化や各地域の創意工夫を促進するという効果を生むという観点から大いに期待をしているところであります。  今回の地方税法改正法案におけるふるさと納税拡充の意義について、大臣に改めてお伺いいたします。あわせて、返礼品送付の過熱対策についてどのように取り組んでいくか、お伺いいたします。
  21. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 今回の法案におきまして、ふるさと納税拡充については、地方団体からの要望なども踏まえた、控除限度額の引上げによる寄附枠の拡大と、あと、手続の簡素化といたしまして、確定申告を行うことなく源泉徴収、年末調整で納税を終えておられる給与所得者の方々が確定申告を行わずに控除を受けられる、ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設を盛り込みました。  ふるさと納税につきましては、その積極的な活用によりまして、地域活性化や人口減少対策などに資する効果もあると地方六団体からも評価されております。様々な意義を有するものですが、政府の最重点課題となっている地方創生を推進するために今般の拡充を行うことといたしました。  そして、返礼品送付の過熱については、国会審議でも御指摘を受け、また地方団体からも節度ある運用の必要性が挙げられております。  まずは、地方団体側で良識ある判断の下で制度の趣旨に沿った運用を進めていただきたいと考えておりまして、寄附金控除の趣旨を踏まえた良識ある対応について、地方団体の自主的な取組を促すために地方団体に要請を行うこととしております。
  22. 島田三郎

    島田三郎君 続きまして、空き家対策についてお伺いいたします。  地方にとって、空き家対策も重要な課題であります。空き家は、総務省調査では、平成二十五年度の数値で全国で約八百二十万戸、空き家率は一三・五%、島根県におきましても空き家は約四万五千戸、空き家比率は一四・七%に上るなど、重大な問題となっております。今後も人口減少により更なる増加が懸念されている状況であります。  また、一口に全国で八百二十万戸の空き家といっても、その空き家の中には、適切に管理をされているものから管理が不適切で周囲に迷惑を掛けているようなものまで様々ございます。さらに、空き家が適切に管理されずに放置される原因についても、撤去費用の問題や権利関係の整理ができないことなどがあると思いますが、固定資産税の住宅用地特例が適用されているところがその要因との指摘もかねてあったところであります。  こうした空き家の状況や放置される要因が様々である中で、関係省庁が力を合わせ、対象を絞って各種の施策の周知を講ずる必要があると思っております。さきの臨時国会で議員立法で成立いたしました空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空き家法では、適切な管理が行われていない空き家などを対象にして施策を講ずることとされております。誠に私はタイムリーなものだと、こう考えております。  その空き家法で必要な財政上の措置や税制上の措置を講ずることとされておりますが、そこで、総務省として空き家法の成立を踏まえてどのような対応を行われるか、お伺いいたします。
  23. 二之湯智

    ○副大臣二之湯智君) 昨年成立いたしました空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空き家法におきましては、市町村が行う空き家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資するために必要な財政上の措置及び税制上の措置等を講ずるものとされました。  これを受けて、税制上の措置につきましては、関係省庁からの要望を踏まえて、空き家法に基づく除却等の勧告を受けた特定空き家等の敷地の固定資産税につきましては、課税標準額を評価額の三分の一又は六分の一に軽減する住宅用地特例対象から除外する措置等を講ずることといたしました。  また、財政上の措置につきましては、国土交通省において、空き家再生等推進事業により、空き家の除却、活用について支援をされております。総務省においても、来年度より、空き家の除却への支援も含め、地方公共団体の空き家の対策について特別交付税措置することといたしました。  今後とも、関係省庁と連携しながら、空き家法に基づく空き家対策が進むよう努力をしてまいります。
  24. 島田三郎

    島田三郎君 次に、軽油取引税の課税免除措置についてお伺いいたします。  軽油取引税は、国のガソリン税と同じ燃料課税であり、昭和三十一年度に道路整備費用の財源確保するために目的税として創設され、道路以外に使用する軽油については免除措置が講じられておりました。その後、平成二十一年に道路目的財源から一般財源となりましたが、この免除措置については三年間の時限措置として継続され、現在に至っているところであります。  具体的には、船舶、鉄道、農林水産業等の機械の動力源として使用されている軽油については軽油取引税が免除されて……(発言する者あり)あっ、引取税は、大変失礼しました、免除されているところであります。今年度末にその免除措置適用期限が到来しますが、適用額が些少なものについては一部を廃止し、それ以外については三年間の延長とされております。  このような特例措置は政策上必要性があるのかの検証を行うため時限的な措置として講じられたと思っておりますが、私の地元であります島根県では、農林水産業が盛んに営まれております。この免除措置が非常に重宝をされております。地方を支える農林水産業に対しては今後とも免除措置を延長していただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
  25. 平嶋彰英

    政府参考人(平嶋彰英君) お答え申し上げます。  今委員御指摘のとおり、平成二十一年度税制改正におきまして、軽油引取税につきましては、道路目的財源から一般財源化し、地球温暖化対策の観点、国、地方の厳しい財政状況等を踏まえて暫定税率は維持する、道路を使用しない用途の免税期限については三年間の時限を付けた上でそのまま延長することとされたところでありまして、その暫定税率につきましては、平成二十二年度改正において当分の間の税率とされたところでございます。  今御指摘のとおり、地方税である軽油引取税について、国が政策的理由からやむを得ず税制上の特例措置を設ける場合には、少なくとも社会経済情勢の変化等に応じて、その必要性について定期的に検証する必要があると考えております。  こうした観点から、平成二十七年度税制改正におきましては、課税免除措置については、一般財源化に伴い根拠を失っている、国税である揮発油税は課税されている、地球温暖化対策の対応の観点等も踏まえて検討を行ったところでございます。  そうした中で、御指摘農林水産業につきましては、その中でも、国税である揮発油税は課税されているところでありますが、石油石炭税については農林漁業用A重油に対して免税・還付措置が認められていると、こういった事情も踏まえて検討をしたところでございます。その上で、与党税制協議会において御論議いただいた結果、適用額が僅少という四件を廃止しましたが、これら以外の農林水産業用等については更に適用期限を三年間延長することとしたところであります。  三年後においても同様の検討を行っていくことになると考えております。
  26. 島田三郎

    島田三郎君 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案に関して、まず平成二十七年度の地方財政計画についてお伺いいたします。  地方財政計画は、地方交付税法において翌年度の歳入歳出の見込額に関する書類とされているわけでありますが、実際のところは、この地方財政計画がどうなるかで翌年度の交付税総額が左右される極めて重要なものであります。私も、三位一体改革の際に地方財政計画の規模が圧縮され、交付税が削減されたことで地方が大変苦労をしたことを今でもよく覚えております。とりわけ、財政力が弱く、交付税に依存せざるを得ない自治体にとっては、毎年、地方財政計画がどうなるか心配をしながら、その動向を注視しております。  そのような中、昨年九月に高市大臣が就任され、今回初めての地方財政計画を策定されたわけでありますが、その結果としては、地方六団体からも大変高く評価される計画となっているのではないかと思っております。  そこで、平成二十七年度の地方財政計画につきましてどのような点を工夫し、策定されたのか、高市大臣にお伺いいたします。
  27. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) どうもありがとうございます。  平成二十七年度地方財政計画の策定に当たりましては、やはり現下地方の課題などを踏まえ、歳出面では地方創生に対応する経費を計上するとともに、社会保障関係費増加を適切に反映した計上を行いました。歳入面におきましては、地方の安定的な財政運営に必要となる地方一般財源総額確保するとともに、臨時財政対策債を抑制いたしました。地方創生財政健全化の両立に力を入れて取り組みました。  具体的には、地方創生につきまして、地方団体自主性、主体性を最大限発揮して地方創生に取り組めるように、〇・五兆円の新規の財源を含めて、まちひと・しごと創生事業費を一・〇兆円確保いたしました。一般財源総額につきましては、地方創生のための財源等を上乗せして、前年度から一・二兆円増額しました。  また、地方税が増収となる中で、地方交付税減少を前年度比〇・一兆円減と最小限にとどめて、臨時財政対策債を一・一兆円減と大幅に抑制し、一般財源の質を改善しました。交付税原資の安定性の向上、充実を図るために、交付税の法定率の見直しをいたしました。  委員からおっしゃっていただいたとおり、地方六団体からは、地方一般財源総額を六十一・五兆円とし、前年度を大幅に上回る額を確保したことを評価するなどの声明をいただいたところでございます。
  28. 島田三郎

    島田三郎君 大臣から答弁をいただきましたように、今回の地方財政計画歳出まちひと・しごと創生事業費として一兆円を計上されたことは、地方公共団体がこれから地方創生に取り組むに際して非常に大きな後押しになるのではないかと考えており、地方団体も大変喜んでいるということであります。  その上で、地方団体が気にしているのは、その配分がどうなるかということであります。特に今回、地方財政計画においてまちひと・しごと創生事業費が計上されたことを受けて、普通交付税の算定において人口減少等特別対策事業費を創設し、人口減少対策に取り組むための財政需要を算定するということであります。  地方創生のきっかけとなったのは、皆様方御承知のように、増田元総務大臣のレポートであります。私ども地元の島根県を始め、青森、岩手、秋田、山形の五県では県内の市町村の八割以上が消滅可能性都市に該当するとされており、地方部では人口減少が深刻な状況であります。  そこで、人口減少等特別対策事業費については、このように人口減少が進む地方の団体に配慮する必要があると思いますが、どのような配分を考えているのか、お伺いいたします。
  29. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) 二十七年度から新しく人口減少等特別対策事業費を六千億円の規模で創設することにいたしまして、各地方団体が人口減少対策に取り組むための財政需要を算定しようとしております。その際、基本は人口で算定をいたします。その上で、各団体における地方創生取組の必要度と取組の成果を加味したいと考えております。  二十七年度の算定においては、地方団体がこれから地方創生に取り組むということでありますので、六千億円のうち五千億円については取組の必要度を反映することとしたいと考えております。現状において、人口増減率などの指標が芳しくない団体の基準財政需要額を割り増すという考えであります。こうしたことによって、人口減少が進んでいる団体の財政需要を適切に算定してまいりたいと思います。
  30. 島田三郎

    島田三郎君 是非、人口減少が進む地方の団体に目配りをしていただきたいと思っております。  もう一つ、まちひと・しごと創生事業費について、地方団体が気にしているのが平成二十八年度以降の動向であります。地方創生や人口減少克服の取組は、何らかの事業を行えばすぐ効果が生ずるようなものではありません。皆様御承知のとおりかと思いますが、外から人を呼んでくるにしても、少子化対策で子供を増やすにしても、各地方自治体がしっかりと腰を据えて継続的に取り組んで初めて効果が出るものであります。その意味で、平成二十七年度の地方財政計画に計上したまちひと・しごと創生事業費につきましても、平成二十八年度以降もしっかりと枠を確保し、各地方自治体が継続的に取組ができるようにする必要があると考えております。  そこで、平成二十八年度以降も、まちひと・しごと創生事業費地方財政計画に計上するためにどのように財源確保していくのか、お伺いいたします。
  31. 二之湯智

    ○副大臣二之湯智君) 平成二十七年度の地方財政計画におきまして、まちひと・しごと創生事業費の一兆円の財源は、既存の歳出の振替〇・五兆円及び地方の努力による新規の財源確保〇・五兆円により財源確保したところでありますけれども、また、新規の財源確保分の中には、臨時の財源である地方公共団体金融機構の準備金の活用三千億円も含まれておるわけでございます。  いずれにいたしましても、地方創生は実際に取組を始めてからその結果が生じるまでには一定の期間が必要となるところでありまして、平成二十八年度以降も地方法人課税偏在是正を更に進めること等により恒久財源確保していく必要があると考えております。  具体的には、平成二十六年度与党税制改正大綱では、消費税率一〇%段階における地方法人課税偏在是正については、一つは、法人住民税法人税割地方交付税原資化を更に進めるということ、また、地方法人特別税あるいは譲与税を廃止するとともに、現行制度の意義や効果を踏まえて他の偏在是正措置を講ずるなど、関係する制度について幅広く検討を行うとされたところであります。  今回、消費税率が一〇%への引上げ時期が変更になりまして、これらにつきましては、平成二十八年度以後の税制改正において具体的な結論を得るところとされたところであります。今後、この方針に沿って、関係団体の御意見も踏まえながら検討してまいりたいと、このように思っております。
  32. 島田三郎

    島田三郎君 以上で私の質問を終了いたします。  ありがとうございました。
  33. 野田国義

    ○野田国義君 おはようございます。民主党の野田国義でございます。  本来でしたら、この総務委員会高市大臣地方の活性化について、再生についていろいろと論議もしたいところでございます。しかしながら、非常にNHKの問題、国民の不信が高まっておるということでございまして、今日は心を鬼にしてしっかりと追及、論議をしていきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思っております。  籾井会長、本当に今、籾井会長地元であります筑豊、そして私の地元であります筑後も人口減で、先ほどから島田委員がいろいろ論議されておりましたけれども、非常に大変な状況になっておるということであります。しかしながら、このNHKのことばかり論じなくてはいけないというような状況になっている点についても、私、是非とも猛省をお願いをしたいなと、そのように思っているところであります。  昨夜、NHKの、衆議院におきまして予算が、多くの政党あるいは議員も反対をいたしまして、与党の賛成多数ということで可決をされたということでありますけれども、本来でしたら全会一致ということになるのが通常でございますけれども、このことについてどう思っておられるのか、最初に見解を聞きたいと思います。
  34. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) お答えいたします。  衆議院で全会一致の承認が得られなかったことは、誠に残念でございます。  NHKは、公共放送として、視聴者・国民の幅広い信頼の上に成り立っております。この信頼は何よりも代え難い重要なものだと思っております。  参議院では、全会一致での承認を目指して、誠心誠意、丁寧な説明に最大限努めてまいりたいと思います。
  35. 野田国義

    ○野田国義君 それでは、二十四日ですか、NHKを監視、監督する経営委員会は、二十四日、秘書室の対応をずさんだったとする監査委員会の報告書を了承したと。ただこれだけですよね。ちょっと私のあれが悪かったと思いますが、経営委員長、見えていないようでございますので。  しかしながら、これ本当に軽過ぎませんか。これだけで終わってしまうんですか。会長、どうですか。会長がリーダーシップを持って是正するところを是正する、そして責任を取るところは責任を取る、このことが必要なことじゃないでしょうか。
  36. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 今回の件につきまして、途中で私の指示がきちっと届いていなかったということで事務当局にいろんな迷惑を掛けたというふうに私は思っております。私的なハイヤーの使用をめぐって公私の区別に疑いを持たれておりますが、これについては誠に申し訳なく、心からおわびを申し上げたいと思います。  ただ、私は、当初から、公私の区別を付けるために、会長車じゃなくて、料金が把握できるハイヤーを利用することにしておりました。監査委員会の御指摘にもありましたけれども、受信料で成り立つNHKの会長は高い倫理観と説明責任を常に意識すべきだと思っております。このようなことが二度と起きないよう、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
  37. 野田国義

    ○野田国義君 籾井会長、私は籾井会長がNHKのトップとして、そして人間として、期待しているんです。私、そこが一番大切なところだと思うんです。人として、リーダーとして、どう出処進退を含めて行動していくか、私は問われていると思っておりますよ。  それで、監査委員長見えておりますね。こういう結果が出たということは、最高責任者ですよ、最高責任者にこういう結果を出したということは、一般のNHKの職員がしても当然こういう結果になるんでしょうね。責任は会長の方が重いはずですよ。一般の職員がしたときは、じゃ、どうなるんですか。緩んでいかないですか。
  38. 上田良一

    参考人(上田良一君) お答えいたします。  一般職員の件に関しましては、これは執行部の方で対処していただくというふうに私の方では理解いたしております。
  39. 野田国義

    ○野田国義君 私はいつも思うんです。トップリーダー、最高責任者という者はやはり職員に、一万人ですか、今NHKにいらっしゃるのは、範を示さなくてはいけないんですよ。それが一つのリーダーシップじゃないですか。そして、そこでこういうおとがめもないというような結果に終わったということですよ。全くNHKの職員に対してどう説明するんですか。監査委員長、お願いします。
  40. 上田良一

    参考人(上田良一君) 監査委員会といたしましては、さきに、三月十九日に経営委員会に報告いたしまして、私どもの役割は、まずは事実等の調査を踏まえた正しい報告を経営委員会に御報告する、御判断は経営委員会で行ってもらうと、こういうふうに理解いたしております。
  41. 野田国義

    ○野田国義君 委員長は経営委員でもあるんでしたよね。じゃ、経営委員としてどう思われますか。
  42. 上田良一

    参考人(上田良一君) 二十四日の日に経営委員会で報告書の取扱いに関して議論が行われたわけですけれども、非常に残念ですけれども、私、国会の答弁に呼ばれていまして出席することがかないませんでした。したがいまして、どういう議論が行われたかに関しては、私は欠席ということで事後的に結果の報告を受けただけということになりました。
  43. 野田国義

    ○野田国義君 恐らく、これは職員だけではなくて、国民もですよ、国民も更に恐らくNHKに対する不信は深まっていっているんじゃなかろうかなと、そのように思います。  それで、国民からの声でありますけれども、今、NHKにどういった声が、そしてどのくらい国民の声が、心配だと、NHKは心配だということで寄せられているのか。どなたかお答えいただきたいと思います。
  44. 吉国浩二

    参考人(吉国浩二君) お答えいたします。  直近の数字でございますと、先月の二月一日から今月二十日までの間にですが、この間に会長に関わる視聴者の反響が大体八千百件となっております。ただ、この意見が多種にわたっておりまして、例えば一人の意見についても肯定的な見方と否定的な見方が入り交じったような意見もありまして、明確に分類することは難しいんですけれども、あえて分類すれば七割程度が厳しい意見と見られます。  そのような形で、多種にわたっておりますが、一部御紹介いたしますと、公平な放送ができるのか心配であるといったものや、籾井会長にはNHKを改革してほしいといったものがございました。
  45. 野田国義

    ○野田国義君 この国民の声、五十日間で八千百件ですか。もう電話鳴りっ放しじゃないですかね、そんなに、五十日間で八千百件も来るということは。恐らくそういう状況だと思いますが、このことについて、今二つだけ紹介をいただきましたけれども、我々にそれは開示していただけますでしょうか。
  46. 吉国浩二

    参考人(吉国浩二君) 開示というのは、あれですか、全ての意見をという意味でございますか。ちょっとそこまではなかなか、この件数も多いですし、残っている報告そのものが、電話などのものは受けたものでありますので全てが載っているわけではないので、必要があれば、またもう少し主なものをまとめて、どこかで御報告ができればと思いますが。
  47. 野田国義

    ○野田国義君 委員長、是非ともその報告、当然、少しこれはまとめてもらった報告を我々総務委員にもいただきたいと思いますので、資料を要求したいと思います。
  48. 谷合正明

    委員長谷合正明君) ただいまの件につきましては、理事会において協議いたします。
  49. 野田国義

    ○野田国義君 ですから、そういった国民の多くの声が寄せられておりますので、是非とも籾井会長を始めNHKの皆さんは謙虚に国民の声を聴くということ、このことが最も大切なことである、公共放送の使命であると私は思いますが、いかがですか。会長
  50. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) そういう視聴者の声に対しては真摯に耳を傾け、今後、こういうことがないように努めたいと思います。
  51. 野田国義

    ○野田国義君 本当に、一連の籾井会長の言動がこういう状況になっているということは本当にゆゆしき問題であると、不信が高まっておるということであります。  それで私、昨日、提案をさせていただきました。体質的なことも含めて、NHKはもっともっとオープンな組織になるべきではないかなと、オープンに。公私混同、これは人としてやってはいけないことなんです。そして、公人としてやってはいけないことを、誤解を招く、そういうことを今回リーダーとしておやりになった。これは本当にNHKの職員あるいは国民に対しての背信行為であると、そのように思っております。是非とももっと開かれたオープンなNHKになっていただきたいと要望をさせていただきたいと思います。  それでは、昨日、最後、NHK関連団体の調査報告書でございますけれども、NHK関連団体ガバナンス調査委員会ですか、それで、私もこの資料をいただきました。  この資料、これが成果物だそうでございますけれども、この調査報告書がどう生かされたのか。どう生かされたのかをお願いしたいと思います。
  52. 石田研一

    参考人(石田研一君) お答えします。  八月に報告書が出た後、関連団体ガバナンス向上プロジェクトというのを関係部局で部内に立ち上げました。そこが、子会社は十三社あるんですが、そこを訪ねて規程類とか運用状況について指摘も踏まえて一回目の調査を行って、そこをそれぞれの関連団体に指導をしました。  それで、年が明けてから、今二度目のそれぞれ各関連会社を回っていまして、ちょっと今月もういっぱいいっぱいなんですが、今月末までにそこのところのガバナンスについての改善とかというものに一定のめどを付けたいという具合に考えております。
  53. 野田国義

    ○野田国義君 ちょっと……(発言する者あり)いやいや、私、ちょっと少し言いたいんですよ。何で、僕は、逆にこれを配らないことがおかしいんですよね。何か衆議院でもいろいろあって、ようやく予算委員会の方で配られたと聞きました。それで、これ入手したわけでありますけれども。  大体、せっかく調査委員会までつくって、それで金額、経費は言わないわけでありますけれども、全く生かされていないじゃないですか。我々議員にも最初から進んで配るべきですよ。貴重なこれは財産ですよ、受信料ですよ。どうですか。
  54. 石田研一

    参考人(石田研一君) 調査委員会は、会長直属の委員会ということで発足しまして、会長に今後の対応についてアドバイスをするという位置付けで委員会が発足しています。そういう形で、委員長の小林委員長から会長宛てに報告が行われたということです。
  55. 野田国義

    ○野田国義君 いやいや、僕も経験あるんですよ。こういった多額の経費を掛けて生かさなかったと。本当にこれ受信料で支払されたんでしょう。しっかりと生かさなくちゃ。生かすも生かさないも、やっぱりこれはリーダーシップなんですよ。リーダー、私がリーダーだったらみんなに配れって、国会議員へ。そうでしょう。そして、これを参考にしてもらって、またガバナンスをしっかりとやっていくということは必要なことだと思いますよ。  何か私の聞くところによると、今も答弁ありましたように、本当限られた人しかこれを持っていないと。誰と誰に配ったんですか。
  56. 石田研一

    参考人(石田研一君) 部内では執行部の全ての理事、それから経営委員会、それから関係する部局の部局長を含めて配付して、それぞれ生かすように努めております。
  57. 野田国義

    ○野田国義君 じゃ、これ何冊あれしたんですか、どのくらい作ったんですか。
  58. 石田研一

    参考人(石田研一君) 先ほど配った先に加えて、関連団体にもそれぞれ配付しました。正確に何部かというのはちょっと今すぐ計算できないので、必要だったらまた改めて御連絡します。
  59. 野田国義

    ○野田国義君 いやいや、まず、この成果物がせっかくでき上がったんですから、優秀な弁護士、委員長に就任をしていただいて、そうでしょう、昨日の話聞くと。ですから、そこをしっかりと生かすことが国民放送としての使命じゃないですか。会長、いかがですか。
  60. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) まず、この調査委員会にお願いしたのは、昨年の三月に新聞にNHKの関係会社ではまだ不正があると、こういう記事が出たんです。したがって、当時まだ私は着任間もなくでしたが、これは本当にそういうことがあってはいけないというので、内部のものより外部ということで小林弁護士事務所にお願いしたわけでございます。  その結果、やはり相当のヒアリングが行われ、結果としては、要するにそれ以上の不正はないと、こういう結論だったわけでございますが、その中にはたくさん人の名前であるとか、関係会社の名前であるとか、いろんなものが出ておりました。したがいまして、ある意味では、関係者と言ったらいいでしょうか、そういう人たちには、今、石田専務理事が申しましたように、お配りしたわけでございます。したがいまして、第一義的にはこれは不正はそれ以上なかったという、こういう結論があったわけでございます。  そのほかに、いろんなアドバイスであるとか等々がありましたので、まずは関連企業のいわゆるガバナンス上の手続をきっちりとつくろうということで、それを明確にして、局内のプロジェクトチームが三月末までにきちんとしたものをつくろうということで、これは現在進行中で、三月末までにはできると思っております。  そういう意味において、全く利用していないというわけでもなくて、きっちりと当初の目的、まずは不正がなかったこと、二つ目には、どういうふうな、要するにガバナンスをもうちょっときちっとしなきゃいかぬという、こういう一般的に言えばそういうアドバイスでございますが、その中で、伝票の出し方とか、そういうものをきちっと今やっている最中でございます。
  61. 野田国義

    ○野田国義君 いやいや、それで結局、この調査報告書、わざわざ作られた意味が、これが疑惑持たれているわけですよ、今。そうでしょう。結局、関連団体における不祥事の再発防止策等の提言を受けること等を目的として外部の専門家から構成される調査委員会をつくったということなんですよ。しかし、何か、結局、つくったが、これ自体に今は疑惑を持たれているということなんですね、この調査報告書自体が。そうでしょう。そうなんですよ。  衆議院でも何回も質問を受けているでしょう、このことについて。おかしいんじゃないかということで。本来だったらそれを防止するためにつくられたんだと思いますよ、その調査委員会を、小林委員長をトップとして。しかしながら、それ自体が今疑惑を持たれているということ。おかしいですよね、これ。  それで、これ、ちょっと私も読んでみたところ、黒塗りがこんな調子でしょう、これちょっと本当に異常じゃないですかね。いや、今会長がおっしゃった、何か個人名とかが出てくるからとか、私なんかもその経験があります。いろいろオンブズマンが来る。そうすると、ここやって出しますからと、資料をね。しかし、こんなの出してやれよと。どうしても職員だと守りというかそういうのに入って、これはいかぬ、これはいかぬ、これはいかぬということで、こんな真っ黒けになってしまうんですよ。だから、これこそがまず籾井会長のリーダーシップで、こういうのはもう出していいじゃないかと、それが民間企業を経験してきた、私はそう思いますよ。  皆さん、この黒塗りはどうですか。黒塗りはどうですか。
  62. 石田研一

    参考人(石田研一君) 今会長からもお答えしましたように、プライバシーに関することとか、それから関連会社の経営に支障を来すような記述もありますので、それらの点については黒く塗らせていただきました。  提言の部分については全文を公表しております。
  63. 野田国義

    ○野田国義君 だから、その価値観がまた違う部分があるんです、どうしても。だから、先ほど言いましたように、もっと開かれたオープンなNHKになっていただきたいと、私は一国民としてもそのように思います。  ところで、この予算はどこから捻出されているんですか。
  64. 福井敬

    参考人(福井敬君) 予算は、一般勘定にあります事業支出の中の項の科目でございますが、共通管理費でございます。その中に、内部統制とか経営管理に関する項目がございます。
  65. 野田国義

    ○野田国義君 昨年の三月と本年度、使われているということですが、これは、じゃ、予算を分けて支払なされているんですか。
  66. 石田研一

    参考人(石田研一君) 請求は毎月締めで来ることになっているんですが、三月の末から始まりましたので、最初の請求が来たのは三月と四月分をまとめて五月に請求がありましたので、支出は二十六年度ということになります。
  67. 野田国義

    ○野田国義君 ちょっと聞こえなかった。最後、何ですか。
  68. 谷合正明

    委員長谷合正明君) もう一度ゆっくり答弁お願いします。
  69. 石田研一

    参考人(石田研一君) 去年の三月のもう終わりのときから調査が始まっていまして、月ごとに請求が来るんですが、三月と四月分についてはまとめて五月に請求が来ましたので、そこでお支払いしておりますので、二十六年度の予算で支払ったということになります。
  70. 野田国義

    ○野田国義君 いやいや、それで結局、月ごとに請求が来ているわけ。じゃ、月ごとに契約をしたわけですか、これ。どういう契約になっているんですか、契約は。
  71. 石田研一

    参考人(石田研一君) 契約は、前にも御説明したように、小林弁護士の事務所の基準に従って、時間幾らという形になっております。それで、請求書の附属書類としてどの弁護士が何時間というような形での附属書が付いていまして、それに基づいて支払を行いました。
  72. 野田国義

    ○野田国義君 その支払の方法が何かおかしいですよね。そうでしょう、毎月とか。普通、予算があって、このくらい予算で。あるいは、これは競争入札で当然やったんですよね。どうですか。
  73. 石田研一

    参考人(石田研一君) これは随意契約で行っております。弁護士への費用を時間で決めて払うというのは、かなり一般に行われている形だと思います。
  74. 野田国義

    ○野田国義君 いやいや、弁護士の支払は、そういうこと、私も経験ありますけれども、今回は違うじゃないですか、弁護士ということじゃなくて、ちゃんと委員会をつくって、そしてちゃんとまとめてくださいと、提言をしてくださいということでしょう。だから、当然そこには幾らという予算があって始まるんですよ。  だったら、そんなことを言うなら、毎月ずっと延ばしていけば幾らでももらえますよ。そうでしょう。ずっと延ばしていけばいいじゃないですか、一年ぐらい、そしてトータルで。そんなことが、またずさんじゃないですか、NHK。
  75. 石田研一

    参考人(石田研一君) 調査期間は三月から九月ということで最初から決めていますので、それまでには報告書をいただくということで、結果的には八月の末に報告書をいただいたということになります。
  76. 野田国義

    ○野田国義君 何といいますか、月々に払うという、やっぱりトータルでこれお支払いするのがこの調査委員会に対する支払の正常なやり方だと思いますよ。  そんな支払、聞いたことありませんけどね。それは弁護士に払うのは違いますよ。しかし、今回は弁護士というよりも、ちゃんと調査委員会を立ち上げているじゃないですか。そして、ちゃんとしたガバナンス、どうしたらいろいろな事件等が起こらないような、そういう成果物を求めていたわけでしょう。それはちょっとやり方としておかしいと思いますけどね。どうですか。
  77. 石田研一

    参考人(石田研一君) 今回の調査委員会は、いわゆる日本弁護士会が決めている第三者委員会という位置付けではなくて、会長の直属の機関として設けた委員会でございますので、契約はNHKの代表たる籾井会長と小林弁護士の間で契約書を結んでおります。
  78. 野田国義

    ○野田国義君 それまた疑惑が高まるんじゃないと。いやいや、そんなのおかしいじゃないですか。そんな個人の、個人でしたの。そしてまた、小林弁護士と籾井会長一対一の契約なんですか。それこそ疑惑がどんどんどんどん深まりますよ。そんなのおかしいよ、そんなの。そんなことができる、おかしいですよ。じゃ、過去にそんなことがあったの。
  79. 石田研一

    参考人(石田研一君) 籾井会長はNHK代表ということでございます。それで、法律事務所は通常の企業と異なり、言わば独立した弁護士の集合体の存在ですので、このため、弁護士個人と契約を結ぶということはいろいろな場合にあるという具合に承知しております。
  80. 野田国義

    ○野田国義君 ですから、昨日おとといですか、ずっと言いましたように、これは小林弁護士が委員長、トップで、あと三人ぐらい弁護士、二人ですか、いらっしゃる方々、いわゆる身内で、身内でやっていると。そして、何か補佐の方が六人ぐらいいらっしゃるというような、補助委員ですか、そんなことを聞きましたよね。だったら、何というか、個人のメンバーじゃないんじゃないでしょうかね、小林弁護士だけの。これ、ちょっとおかしいですよ。  そうすると、だから、小林弁護士にじゃ、支払ったならば、ほかの方々にはどれだけ行ったのか全く分からない。だから、お友達と言われてもね。そうじゃないですか。安倍総理の訴訟のときの弁護代理人を務められた小林さん、そしてユニシスの顧問弁護士であったと。国民が納得するわけないでしょう。どうですか。
  81. 石田研一

    参考人(石田研一君) 契約は小林弁護士とNHKの間で結んでおります。その中に、ほかの委員のメンバーの方についても、時間単位は幾らお支払いするという具合に書いております。お金はそれぞれの、小林弁護士、ほかの弁護士、さらにそれを補助する方の費用も含めて一覧表が附属書として来て、それに基づいてNHKの経理局の方から、多分これは弁護士事務所の口座になるんだと思いますけど、支払っております。それを弁護士事務所の方でどのように、例えばいろいろ事務費とか何かあるんだと思いますが、そこをどう処理したかはちょっとその弁護士事務所の方でないと分からないので、私どもとしてはそういう形でお支払をしましたということでございます。
  82. 野田国義

    ○野田国義君 ですから、その内訳は全然ないんですか。
  83. 石田研一

    参考人(石田研一君) 附属書には、どの弁護士が、時間単位ですから、何時間働いたというのがありまして、それに基づき幾らという金額が書いたもの、それから補助の者がどれだけ働いたということがあって、それの金額が幾らという内訳があって、それは月々に来たのを確認してお支払をしております。
  84. 野田国義

    ○野田国義君 小林弁護士との契約で払ったと、何かその辺りのところが非常にまた疑惑を……(発言する者あり)疑惑になるじゃないですか。本当におかしいと思いますよ。
  85. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 御静粛にお願いします。
  86. 野田国義

    ○野田国義君 それで、何でこの小林弁護士を選ばれたのか、その経緯を聞きたいと思いますけれども。
  87. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 発言者以外の方は御静粛に願います。
  88. 石田研一

    参考人(石田研一君) 選考の過程でいいますと、複数の方が候補に挙がったという具合に、当時、私、放送担当だったので引き継いでいるんですが、聞いております。その中で、選考に当たっては、企業のこうしたコンプライアンスとか危機管理とかということに詳しい人とか、それから、事案がもう発生していますので、NHKの経営とかそれから関連団体の経営についてある程度知識を持っておられる方がふさわしいということで選考した結果、小林弁護士を選んだという具合に私は引き継いで、聞いております。
  89. 野田国義

    ○野田国義君 それでは、これ、じゃ、誰が選んだんですか、籾井会長ですか。
  90. 石田研一

    参考人(石田研一君) 当時の担当理事がそういう状況を踏まえて選考して、最終的に籾井会長の了解をいただいて、それに基づいて事務的に事務局が契約手続を進めたという具合に引き継いでおります。
  91. 野田国義

    ○野田国義君 それは本当ですか。籾井さんが指名したんじゃないんですか、会長が。違いますか、会長
  92. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 私が事務局を無視して指名することはございません。今、石田専務理事説明したとおりのプロセスで決まったと理解しております。
  93. 野田国義

    ○野田国義君 最初に言いましたように、通常でしたら競争入札をやると。ただ、私も、こういう類いのものはその方の能力でやりますから、随契ということは致し方ない部分もあろうかと思います。しかしながら、随契をやるからには説明責任がしっかり果たされなければいけないということなんですよ。ただ単に、お友達だったから、知り合いだったからということだけじゃないですか。会長、どうですか。
  94. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 私、再三御説明しておりますように、この選考について私個人が関わっておりません。最終的に小林弁護士を推薦してきたので、それを承認したということでございます。  私との関係を随分とおっしゃっておりますけど、この前も御説明しましたように、弁護士は仕事を引き受けるときに、これは利害が反するかどうかということをすごくチェックしますので、その上で仕事を受けます。そういうプロセスを経ておりますので、私と小林弁護士の個人的な関係があるとおっしゃっていますけど、それほどの個人的な関係があるわけでもございませんから、多分、先方はこれで利害が相反しないという判断をされたんだと思います。
  95. 野田国義

    ○野田国義君 何か昨日おとといから向こうの弁護士側の問題の方ばかりおっしゃっているけれども、NHK側、国民放送側からどうかということを私は問うているんですよ。ですから、ちゃんとした説明責任が随契であるならば必要なんですよ。全く説明になっていない。そうでしょう。  もう一度、これ説明してください、その経緯を。どういうことで小林弁護士との契約に至ったのか。
  96. 石田研一

    参考人(石田研一君) 先ほどと同じ説明になるかと思いますが、当時の担当理事が三人ほど、複数の者を候補者として考えていたということです。その中で、企業統治や危機管理、コンプライアンスに詳しい者であること、それから、既に事案が発生していますので、NHKの経営とか関連団体の経営にある程度のやっぱり知識を持っておられる方が適切だということで選考した結果、小林弁護士が適当だという具合に当時の理事が判断いたしまして、籾井会長に最終的に報告して判断を求め、それに基づいて契約を行ったということでございます。(発言する者あり)
  97. 野田国義

    ○野田国義君 そうそう、今ちょっと声も出ておりますが、昨日も、公私混同、おとといか、いろいろと論議させていただきましたけれども、そういった関係のあるところはなるべく避けるんですよ。それが公という、国民放送の使命なんですよ。何かそこの辺りのところを、NHK側は非常に、また会長始め、ガバナンスと申しますか、その辺りの対応が欠けているんじゃないかなと、そのように思うんですね。  そして、かつ随契をやったならば余計に、幾ら支払ったかぐらいいいでしょう、言っても。放送料ですよ、受信料ですよ。
  98. 石田研一

    参考人(石田研一君) この間、火曜日のこの委員会で野田委員からもそのようにお話がありました。それから、衆議院の総務委員会でもそういうお話がありましたので、私どもとして一応対応を協議して、改めて小林弁護士にそこら辺の開示のことは御相談しましたが、先日の委員会でも御答弁したとおり、小林弁護士は開示しないということで言っておられますので、今の段階で私どもの方から一方的に開示することはちょっとできないという状況でございます。
  99. 野田国義

    ○野田国義君 いやいや、昨日おとといも言いましたけれども、相手が、じゃ拒否すればNHKとしては開示できないということで、今までもそういうこと、相手さんが、じゃ全部開示しないでくれと言われたら全然開示できないですよ。だから、そこにまた不信がどんどんどんどん深まっていくということをおとといも申し上げたと思いますけれども、また会議もしても結局はそうだったと。  会長、本当に疑惑は深まるばかりですよ。そうでしょう。どう考えてもそうですよ。金額ぐらい言えばいいじゃないですか、ちゃんと支払っているならば。時給の弁護士単価で払っているということが通常だということを何度も言っていますよね。通常であるならば開示しても全くおかしくないですよ。
  100. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 本件につきましては、できることならば我々も開示しようということで小林弁護士と再三お話をしました。しかしながら、結果としては同意が得られなかったということで、これは個別契約、個の契約ということで残念ながら出さないということでございます。  それから、弁護士選定のプロセスに私は何の瑕疵もなかったと思っております。
  101. 野田国義

    ○野田国義君 いやいや、本当に考えられないことをNHKは言っているわけです。開示すればいいじゃないですか、別に。ましてや随契ですよ。競争入札だったら、見てくださいよ、各省庁ずっと書いているじゃないですか、どこで幾らと、契約したと。各省庁もやっています、自治体もやっていますよ。当たり前の話です、そんなの。それも何千万という金額。何千円と違うんですよ、何千万と言われているんでしょう。多額の受信料ですよ、国民の、視聴者の。  是非ともこれ開示してもらいたいけれども、リーダーシップを発揮してくださいよ、会長
  102. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 今も申しましたように、小林弁護士とも再三お話ししましたが、開示しないと、こういうことでございましたので、私どもとしては勝手に開示するわけにはまいりません。
  103. 野田国義

    ○野田国義君 だから、NHKと契約した、都合が悪いから開示しないでくれとか、まさしくそこがこの調査報告書の問題じゃないですか。この調査報告書はどう書いてあるんですか。そういうのは開示しちゃ駄目だと書いてあるんでしょうかね、ちゃんと証拠は隠せと。そうでしょう、そのためのこのガバナンスの調査会でしょう。それが後戻りしているじゃないですか。隠す、隠蔽するというような状況になっていませんか。言えばもうこの話というのは終わるんですよ、あとは高かったか低かったかのそういったところで論議があるだけであって。会長もこんなことを全く疑いもされないんですよ。恐らく衆議院の方でもそんな論議が随分なされたと思いますけれども。  会長、是非ともこれは開示すべきだと思いますよ。ましてや、この請け負った意味合いが、ガバナンス調査委員会ですよ、いろいろな不正なんかをどうやったら未然に防げるか、不正にどうしたら対処するかとか、そういうことが書かれているこの成果物があるわけですよ。それなのに、その張本人が開示しちゃ駄目だと言っているからって。おかしいですよね、小林弁護士さん。それ、どう思われますか、監査委員
  104. 上田良一

    参考人(上田良一君) 調査経緯等につきましては、私ども、コメントを差し控えさせていただきます。
  105. 野田国義

    ○野田国義君 これは、是非ともそういう形で開示を、もう一度NHK内でしっかりと考えていただき、先方にも、そういうことが問題になって国民から不信が抱かれているということで、してもらいたい。何度も言いますように、このガバナンス調査委員会ができなければ、ほかのところは全くできないと言っても過言じゃないでしょう。率先してやらなくちゃいけない調査委員会じゃないですか、ある意味では、その支払について。ほかのところが、じゃ、支払を拒否した、オープン、開示を拒否したということになれば、開示できないということになれば、まさしく疑惑がどんどんどんどん深まっていくということに私はなると思いますよ。  会長、本当二日間にわたって、いろいろ質問をしてきました。それで、やらせの問題も私、質問する予定にしておりましたけれども、後の江崎議員の方が質問をするということでございますので、私はこの辺でNHKに対する質問終わらせていただきたいと思いますけれども、しかしながら、最後に一言、本当に国民に信頼されるNHKになっていただきたい、そういう思いで今回、そして昨日おとといと私は質疑をさせていただいておるということでございますので、それをしっかりと心に受け止めていただいて、しっかりとした信頼の高いNHKを是非ともつくり上げていただきたいと思います。  責任取って会長はもうそろそろ進退をはっきりするという時期にも来ていると思いますけどね、出処進退を。  NHK、結構でございます。
  106. 谷合正明

    委員長谷合正明君) NHKの参考人の皆様はここで御退席いただいて結構でございます。
  107. 野田国義

    ○野田国義君 それでは、総務省の方に少し、残すところあと十数分しかございませんけれども、質問をさせていただきたいと思います。せっかくですから、今それに似た質問通告をしておったところだと思います。  いわゆる今回の地方創生の中で、地方版の総合戦略策定のコンサルタントへの全面委託、非常に関連することなんですけれども、私もこれまで幾つも経験をしてきましたので是非とも質問をさせていただきたいと思いますけれども、今回のこの戦略を策定する、また調査する、民間にコンサルもしていいというようなことらしいんですけれども、丸投げの自治体がかなりあるんじゃなかろうかと思いますけれども、実態はどうなっておりますか。
  108. 末宗徹郎

    政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。  今回、地方版総合戦略の策定に当たりましては、地方公共団体自らが起草作業を行うようにお願いをしているところでございます。したがいまして、民間コンサルティング企業等に全てを委託するようなことは避けていただきたいと申し上げておるところでございます。  冒頭申し上げましたように、総合戦略につきましては、住民、産官学金労言、そういう各界の参画を得ながら、地域実情を十分に踏まえたものを策定していただきたいと考えているところでございます。
  109. 野田国義

    ○野田国義君 このこと、非常に私は重いと思うんです。余りにも短いということ。それと、先ほどちょっと論議になっておりましたけれども、非常にコンサルは、幾らといえば幾らなんですね、高いんですよ、数千万。そして、各省庁のひも付きもありましたね、私の頃。どこどこのコンサルに頼んでくれと言われたこともありました。だから、そういうまた癒着になる可能性も私は非常に懸念されますので、気を付けていかなくてはいけないと思うんですね。そんなことはないですよね。  それで、この計画を立てるということは、いわゆるワークショップ方式とか、いわゆる市民参加型で作っていくということが大切なんです。これを国が、作れと言われたから乗り遅れないように、交付税もらわないかぬからということでやっているところも恐らくあるんじゃないかと思うんです。  しかしながら、やっぱりそこに住んでいる住民の皆さん、もちろん職員もそうですね、そういうみんな総参加でこの計画ができているかということ、大臣、非常にここは大切なところなんです。そうでしょう、計画倒れに終わっているところ、たくさんあるじゃないですか、これまでも。どれだけ計画を国の要請で作らされました。先ほどの話じゃないけれども、結局、作ったけれども全く生かされていないということ、そしてまた新しい計画を作っていくと、同じ内容のものをですね。  大臣、その辺りのところをどう思われますか。
  110. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) もう少し具体的におっしゃっていただいた方がお答えしやすいかと思います。例えば、同じような計画を次々に作っているというのはどういう事例でございましょうか。
  111. 野田国義

    ○野田国義君 いろいろな、もちろん、総合計画とかいろいろありますよね。その中でまた、例えば、何ですか、コンパクトシティーに関連した計画書とか、いろいろなものがあると思うんですよ。いっぱい自治体は作っているじゃないですか。大臣、知らないんですか。もっと勉強してくださいよ。(発言する者あり)だから、言っているじゃない、今、コンパクトシティーとか、いろいろと、グリーンツーリズムとか。
  112. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 議事の妨げになりますので、発言者以外は御静粛に願います。
  113. 野田国義

    ○野田国義君 そういう計画を言っているんですよ。大臣、御存じじゃないんですか、自治体のそういった。  逆に、じゃ、質問させてもらいましょう。どういう計画が作られているかというのは御存じじゃないんですか。
  114. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 総務省が所管しております計画もあれば、他の例えば国土交通省が町づくりのために行っている補助制度、こういったものに係るものもありましょう。今でしたら、総務省でしたら、いろいろな公的施設なんかの整理統合に係るようなプラン、それから町づくりですね、町づくりに関しましても、特に防災面で耐震化など、こういったテーマがありますから、それぞれの自治体でやっておられると思いますけれども。  ただ、国の方から、総務省の場合は、少なくとも国の方から、必ずこういう計画を作りなさいと強制するわけではございません。基本的に、先ほどの内閣府の町づくりのプランに関しましては、それを策定して進めていく、国全体としてみんなで地方創生を進めていくということでございますけれども、私どもに関しましては、こういう計画を作るということを政策的に助言を行う、それについて、よその役所の補助事業もありますけれども、地方負担分をできるだけ地方交付税などの措置で埋めていくと、こういう支援の仕方をいたしております。  地方自治法上、やはり地方公共団体自主性を重んじる、主体性を重んじる、そういった対応を心掛けているつもりでございます。
  115. 野田国義

    ○野田国義君 ですから、各省庁、いろいろなこれ計画が作られておると思うんですね。いろいろと、お金をある意味では引っ張り出すためにはそういう計画を作りなさいということがまず来るわけでありますから。  ですから、過去もずっとそういったコンサルだけがもうかってとか、そういう時代が過去にもあったわけですよ。恐らく、今聞くところによると、コンサルが足らないというような今状況になっている。そして、コンサルを頼むと、いやいや市長さんねと、どういうことを書き入れたらいいんですかとか、そういうことなんです。もちろん、リーダーシップで方向性を示すというのは大切ですが、私が今言っているのは、やっぱり市民がしっかりと参画したような計画に、納得したような計画に。そうすると、職員も今いろいろな計画を作らなくちゃいけないものだから疲れ切っているんですよ、またですか市長さんと、また国から言われましたと。そういうことが現場では恐らく交わされていますよ、私の想像ですが。過去にそういうことが幾度もありました、現実として。  だから、そういうことにならないようにしっかりと総務省は現場を調査する、そういうことが必要じゃないですかということを言っているんですよ、大臣
  116. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) どうしてもこの計画を作ってくださいと国の方から強制するようなことは、総務省に関してはなるたけそれはしないということでございます。ただ、強制されないものであっても、どうしても自治体計画を作って国からその計画に基づいて何らかの支援を受けたいということでしたら、それはそれぞれの自治体の御判断だと思います。  そこで、必ずやはり住民の代表でいらっしゃる地方議会の議員の方々がいらっしゃるわけです。チェック機能もあるかと思います。そしてまた、住民によって選ばれた首長さんが適切に、うちの自治体にとってはこういう計画を策定することが必要だと、またさらに国に支援を求めることが必要だと、それは主体的に判断をしていかれることだと思います。  ただ、私たちは、地方公共団体に一番近い場所にいる役所だと自負をいたしておりますので、地方自治体の方から、余りにもあちらの役所からこういうのを作れ、こちらの役所からこういうのを作れと言われて困っている、仮にそういうお声を耳にした場合にはしっかりと内閣の中で改善を求めてまいります。特に、今、安倍内閣では、できるだけいろんな役所の重複をやめていこう、窓口を一元化していこうということですから、石破大臣のところが中心になってその調整機能も担っていただいておりますので、私どもでいただいたお声はしっかりとお伝えをして、反映させてまいります。
  117. 野田国義

    ○野田国義君 大臣自治体からすれば、総務省がこういう号令を掛けますと、掛け声を掛けますと、当然それはもろうた方がよかと。当たり前の話なんですよ。だから、結局計画も作らざるを得ないという形になって、結局それが変な方向に行っちゃいけませんよということなんです。現実、そういうことが行われてきた、何回も繰り返されてきた。だから、また繰り返されることのないように、掛け声倒れにならないようにしっかりと現場を指導してもらいたいと、そのように思っているところであります。  それで、この地方創生なんですけれども、私、何というか、総花的で、ある意味ではその理念がないんじゃないかなと思いますけれども、この地方創生の理念というのは、大臣、どういう理念でこの地方創生が行われるんでしょうか。また、これからの地域地方をどうしようとされているんでしょうか、総務省として。
  118. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) それは、総務省としてということで申し上げましたら、私自身の所信でも申し上げましたとおり、全国各地に地方で安心して生活ができ、つまり安全に生活ができ、そして質の高い教育が受けられ、安心して子供が育てられ、そしてまたそこにちゃんと働く場所がある、そしてユニバーサルサービスということ、つまり一定水準の社会保障サービスなどが、ナショナルミニマムのサービスがきちっと受けられる、その環境が整っている、そういう地方が全国各地にできていくということです。そういう地方が増えれば増えるほど、やはり日本全体の国力、経済力というのは上がっていくと思っておりますし、また地方に移住したいという希望を持たれる方の希望をかなえることもできます。  そして、その取組には国の支援も必要かもしれませんが、それぞれの地方の資源を生かした、地方の人材を生かした自主的な取組も必要だと考えております。
  119. 野田国義

    ○野田国義君 それで、改めて今、地方創生、理念話されましたけれども、我々の民主党のときに、緑の分権改革ですか、それを読んでみました、昨日から。そうしますと、何かこっちの方がいいんじゃないかなと。人、物、金、エネルギーの動きそのものを変革し、地域の自給力と創富力を高めるような社会システムの構築を目指していくと。そして、自立した力強い地域を支える農林業や商工業、併せてグローバル経済への対処、海外との直接的な交流等についてもより有効に機能することが期待されると。  そんな、何か我々がやった緑の分権改革がまさしくこれから大切なことなんじゃなかろうかなと、そういうことを私自身は感じたところでございまして、これからも本当に地方の再生をどうしたらいいのか、喫緊の課題でありますので、大いにこの総務委員会の方で論議をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  終わります。
  120. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十六分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  121. 谷合正明

    委員長谷合正明君) ただいまから総務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  122. 江崎孝

    ○江崎孝君 大臣、昨日はありがとうございました、答弁いただきまして。  本当は、中身をもう少し詰めて来年の地財計画等に役立てたいと思っていたんですけれども、状況状況ですから、私の方も今日お見えになっている籾井会長を中心としたNHKの皆さんに質問をするということなので。  まず最初に、やはり総務省総務大臣にお伺いしたいんですけれども、昨日いろいろ言いましたが、正直言って今回の地方財政計画というのは評価する点もたくさんあるということは承知をしております。例えば、地方交付税総額、御存じのように地方税が相当増えていますけれども、その分、地方交付税総額が減っていないと。これは相殺して税収が増えた分は地方交付税は下げられるんですけれども、それが減っていないと。前回、十六・八兆円ですから、相当、二兆円以上地方税の大幅収入が増えたんですけれども、これが減っていないということは、これは本当に総務省内の大変な努力であったというふうにまず評価をさせていただきます。  特に、一般行政経費が一兆八千億円ほど増えています。ただ、やはり私が危惧しますのは、それで総務省は、地方地方創生に取り組みつつ、安定的に財政運営を行うことができるよう、平成二十七年度においては、地方交付税等の一般財源について、地方創生のための財源等を上乗せして前年度水準を相当程度上回る額を確保したというふうに言われているんですね。確かに形的にはそうなんだけれども、あえて野党として言わせていただくと、確かにそういう状況はあるんだけれども、中身を見ると本当はどうなんですかということを昨日の代表質問の中でさせていただいた思いでいます。  二兆四千七百九十二億円ぐらい増えた中は、これは御存じのように、消費税が増えた分が相当入っています。あわせて、一般行政経費一兆八千億円ほどこれは増えています、去年よりも比べて。これも評価しますが、この中は、消費税の増税分に伴う社会保障充実が入っているんですね。ですから、丸々、一般行政経費が一兆八千億円増えたということではない。  その中で目玉なのが、このまちひと・しごと創生事業の一兆円なんですね。これ、確かに大きな存在ということでありますけれども、この中身を見ると、去年まで一般行政経費だった地域の元気創造事業、前新藤大臣が鳴り物入りでやられた。前回は、地方の、何だったかな、同じ名前が付いていますけれども、これ私はいろいろ異論があります。給与カットの部分から始まった事業ですから異論はあるんですけれども、この三千五百億円を丸々残した、これは一つの財務省との折衝の成果だと思うんですが、残りの六千五百億円は確かにほかから持ってきているんですよ。  その中身なんですけれども、内訳を見ると、一兆円のうちの三千五百億円が地域元気創造事業費、残りの六千五百億円がほかから持ってきたんですけれども、うちの一千五百億円はこれ歳出特別枠、地域経済基盤強化・雇用対策費から移し替えた分ですね、これ一般行政経費に。これも僕は了とします。で、都合これで五千億なんですよ。ただ、じゃ、その歳出特別枠はどうかというと、去年は一兆一千九百五十億円だったんです。これが今言った、今年の歳出特別枠は八千四百五十億円ですから、今の一千五百億円を足しても九千九百五十億円になってしまうから、二千億円は減額をしたことになるんですね、内訳を見ると。ここが一つ、あえて問題を指摘すればそう。  もっと言えば、そのまちひと・しごと創生事業の一兆円のうちの、五千億円は今言いました。残りの五千億円は何でつくったかというと、三千億円が地方公共団体金融機構の準備金の活用なんですよ、これ三千億円。残りの二千億円が法人住民税の交付税財源原資化に伴う偏在性の是正、これで一千億。もう一つは過去の投資抑制、つまり、自治体が頑張って投資を抑制したことによる削減分、これが一千億円でありますから、残りの五千億円というのはほぼ自治体の努力になっているんですね。ここは非常に問題なんだけれども、あえて総務省は、残りの五千億円は地方のやりくりで新規財源と言っているんですよ、新しい財源だと。別にこれ、新しい財源でも何でもないです。交付税特会の中から持ってきただけの話でありますから、果たしてこれが新規財源と言っていいのか。  あるいは、今言った、確かに地方交付税総額は、地方税が伸びた分、減っていないんですけれども、それをもって前年度水準を相当程度上回る額を確保したとあえて大きく言えるだけの果たして努力をして、努力というか、内容なのかと、中身を細かく見ると。そのことをまず大臣にお聞きします。
  123. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 確かに、財源のやりくり、相当苦労いたしました。今先生がかなり細かく御指摘をいただきました。  しかしながら、まちひと・しごと創生事業費一兆円の財源、既存の歳出の振替〇・五兆円と地方の努力による新規の財源確保〇・五兆円によって確保したと。そのうち、新規の財源〇・五兆円については、やはりこれは財政健全化地方創生の両立の観点から、国や地方の借入金に依存せずに確保したものでございます。  様々御指摘はございましたけれども、しかしながら、今はもう国も地方も巨額の公的な債務が累積して大変厳しい状況にございますので、財政健全化のための努力を国と地方で歩調を合わせて進めていく。それから、やはり地方財政計画の策定に当たっても、既存の支出の振替というものもありますけれども、ただ、めり張りを付けて一番効果的なところに支出をしていくということで歳出構造を見直したと。歳入歳出両面において改革を行ったというものでございます。  さらに、安定的な税財源確保できるように、あと地方で自主的、主体的に使っていただける財源確保できるように、引き続き頑張ってまいります。よろしく御理解くださいませ。
  124. 江崎孝

    ○江崎孝君 大枠での理解はそのとおりですけれども、個別の中身からすると、私はそう評価できる、まあ評価できるんですけれども、それを地方自治体も含めて財源確保したんだというふうに言えるかどうかという、あえてそういう危惧を呈しました。  その中で、一兆円の中身、まちひと・しごとの一兆円の中身なんですけれども、先ほど言いましたように、五千億円というのは地方の努力です。そして、中身の三千億円の地方公共団体金融機構の準備金というのは、これ、引当準備金ですから、法律によって国と地方が、財務省と総務省が決めるんでしょうけれども、前回も使っているんですが、これ、六千億円を三年間で使うと言っているんですね、六千億円を三年間で使う。つまり、六千億しかないわけですよ。そして、六千億の三千億をもう今年使っちゃっているわけです。  そうすると、このまちひと・しごと創生というのはおおむね五年間というスパンで多分自治体は描いていると思います、計画を。そうすると、新規交付金という新しい交付金も内閣府で考えていらっしゃるようですが、総務省まちひと・しごと創生事業というのをベースに考えて地方財政計画を来年以降も恐らく組み立てるはずです。そうしないと、地方の予見可能性というか、来年も恐らくこれが付くだろうという、そういう予見可能性もこれは地方財政計画の中で重要なところですから、今年は付いて来年はという、そういう非常に予見できない財源というのは、これは極めて問題ですし、それをやるべきじゃないと私は思います。三千億円が、六千億の三千億円です。  それともう一つ。今回は歳出特別枠の一兆一千九百五十億円から千五百億円分を一般行政経費に持ってきた。しかし、二千億円削られているんですね、削られているんです。来年も果たしてこういうことができるかどうかというのは、これはまた極めて不明確なものではないのかなという思いが実はしております。  そこで、あえて言いますけれども、このまちひと・しごと創生事業、何年間続けられる、財政的にどれだけ続けるつもり、これは確保の問題で結構です。これだけ鳴り物入りで言っているわけですから、そして動いているわけですから、これを総務省として一体どれだけ、何年間、五年間なら五年間でしっかり確保するんなら確保するでいいです。そして、その財源についてはしっかりこうやってやるよということは明示しておかないと、なかなか自治体はそう簡単には踏み込めない、計画は作ったんだけど踏み込めないという状況が来る可能性がある。そのことをお聞きします。
  125. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 昨年末に閣議決定されたまちひと・しごと創生総合戦略は、平成二十七年度から平成三十一年度までの五年間の政策目標、それから施策を盛り込んでおりますので、平成二十八年度以降のまちひと・しごと創生事業費については、期間については少なくともその総合戦略の期間は継続する必要があると考えております。つまり、最低五年間ということです。  それから、規模については、やはり継続的に、少なくとも平成二十七年度に計上した一兆円程度の額を維持できるように安定的な確保に努めてまいります。相当、先ほどの御指摘のとおり、地方公共団体金融機構の準備金の活用も三千億円してしまっておりますので、なかなか困難は多いんですけれども、やはり実際に取組を始めてから成果が現れるまで一定の期間は必要になりますから、特に地方法人課税偏在是正を更に進めて恒久財源確保していくということで頑張ってまいります。
  126. 江崎孝

    ○江崎孝君 是非、昨日質問したとおり、地方が主張している消費税との税源交換というのは一つの視野にやっぱり入れておくべきだろうと思います。これは絶対財務省は嫌だと言いますし、一〇%の内訳というのはもうほぼ決まっていますから、それでどうのこうのという話じゃないのかもしれませんが、やはり一つの課題としてはこの税源交換というのは非常に重要なポイントだろうと思いますので、是非頑張っていただきたいと思います。  もう一つ評価するところを指摘をして、実はこういう算定方法がいいんではないかなというのを常々言っていますので、そのことをお伝えをして、取りあえず総務省の方の質問からNHKの方に移らせてもらいますけれども。  まず歳出の部分で決められたのが、維持補修費、これが一千二百四十四億円ぐらい増えた。それと公共施設等の最適化事業、これが一千億円ぐらい増えています。つまり、自治体公共施設が極めて老朽化してきた、それを取り壊したりどうするかというやつとか、本当に今現実に自治体が問題としている、お金が必要だというところを精査をして、そこを積算根拠に入れているんですね。これが僕は地方財政計画の最大のポイントだろうと思います。  しかし、残念ながら、リーマン・ショック以降、歳出特別枠ということで政策目的化を先にしちゃっているわけなので、これは大変、財務省との折衝の中で非常に戦術としては重要だと思いますけれども、やはり私は、こういう今必要なこと、そしてこれから将来人口減に向かって自治体がいく間に必ずこの事業はやっぱり必要なんだというのをもっと積極的に取り入れて、それをもって財務省と折衝をしていただく、具体的に。これが僕は地方財政計画の本旨だと思いますので、是非そのことをお願いをして、一旦質問を変えさせていただきます。  では、NHKの会長の方に質問をさせていただきます。  私は会長と初めて質問をさせていただきます。いろいろこの間の中身について読み込んだつもりですけれども、不十分なのかもしれませんから、重複する質問をするかもしれません。それは御容赦いただきたいと思います。  まず、もう何回もお答えになっていると思うんですけれども、あえて聞かせていただきますけれども、一月二日のハイヤー利用の前に過去数回ハイヤーの利用をされている、こういうふうにおっしゃっていますね。特にゴルフとか何回か行った。昨日も答えていらっしゃった。そして、自動車とハイヤーを使ったというふうにお答えになっていらっしゃいますけれども、過去のこの事例のときは秘書室経由でなかったんですか。御自分でハイヤーを調達されたんですか。そのことをまず聞かせてください。
  127. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) どこで私が何回かゴルフに行ったというふうにお聞きになっているか知りませんが、私はNHKに来てからハイヤーを使ってゴルフに行ったのは一月二日が初めてでございます。
  128. 江崎孝

    ○江崎孝君 ちょっと済みません、そこで食い違うとその後の質問がうまくいかない。  昨日ですけれども、共産党の田村委員にこう言われているんですよ。読みますよ。会長は昨日の私の質問に対して、これ田村委員が言われていました、一月二日のゴルフは完全プライベートなものであった。NHKの会長就任以降、小金井カントリーには二回から三回行った、その交通手段として、あっ、済みません、ハイヤーじゃございません。タクシーですね、済みません。その交通手段について自宅から電車とタクシーを利用したというふうに述べられています。済みませんでした。ハイヤーではございません、タクシーです。その手配を含めてどうですか、ということです。
  129. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) お答えします。  京王線に乗りまして、電車を降りた後、そこにおります、東府中の駅からタクシーで行っております。
  130. 江崎孝

    ○江崎孝君 では、それまではそうされていたのに、なぜ今回、秘書室経由でハイヤーを利用することを要請されたのか。お答えになっていると思いますけど、もう一度お願いします。
  131. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 一月二日はお正月休みだったわけです。いろいろ考えましたけど、タクシーもつかまえにくいんではないかというふうに思いまして、初詣に行く人たちで電車も混むだろうと、こういうことでハイヤーを利用いたしました。その際、NHKがいつも使っているハイヤー会社がセキュリティー上ふさわしいというふうに考えて手配を頼んだわけです。  公私の区別をより明確にするために、私的なハイヤー利用については、秘書室と相談の上でNHKとは別ルートで今後は頼みたいというふうに思います。
  132. 江崎孝

    ○江崎孝君 私が聞きたかったところを飛ばされたんですけれども、文書を読まれているからそうでしょうけど。  昨日の田村委員の質問には、前段はそのとおりです。一月二日はお正月で、一つは電車が混んでいるんじゃないか、二つ目は駅にタクシーがいるかどうか不安だったと。その後、こう言われているんですよ。たしかあの日は寒うございましたので、結果として、そういうことで念のために車を頼みました。  じゃ、たしかあの日は寒うございましたのでというのは、これはいつの日のことでしょうか。
  133. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 一月二日のことでございますが、あの日は寒かったので、ああ、ハイヤー呼んでよかったなと、こういう意味で申し上げたんですが、何かちょっと誤解を与えるような言い方になりましたけれども、そういうことでございます。
  134. 江崎孝

    ○江崎孝君 これ、議事録に残っていますよ。議事録に残っています。  これを読むと、一月二日と十二月二十六日のつじつまが合わなくなってくるんですね。監査報告書には十二月の二十六日に電話をしたことになっています。もう一度確認しますけれども、電話されたのは十二月の二十六日でよろしいんですね。  それと、たしかあの日は寒うございましたというふうに思われたのは一月二日のことで、たしかあの日は寒うございましたので、そういうことで念のために車を頼みましたと言われているんですね。これはどう読んでも十二月二十六日なのか一月二日なのか分からない。読んだら、一月二日に秘書室に電話したことになります。もう一度確認しますが、その辺はどうですか。
  135. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 車を手配したのは十二月二十六日で間違いございません。その時点で秘書室長と話して、これはプライベートだからハイヤーにしようと、公用車じゃなくてハイヤーにしようと。理由は、これはもうお金が、金額が明確に出るからでございます。そういうことで、一月二日に私は乗って実際にゴルフ場に参りました。  そのとき、寒うございましたというのは、さっき車がいるとかいないとか申しましたけれども、そういうことに加えて、やはり正月というのは物すごく寒いですから、そういうことも踏まえて、タクシーがいないかもしれないと、こういうことでございますので、是非、御了承お願いします。
  136. 江崎孝

    ○江崎孝君 なるほど、そう昨日言っていただくと、私もこの無駄な質問をしなくてよかったんですけど、是非その辺は脈絡をはっきり言っていただかないと、どう見たって、これ、一月二日に頼んだことを十二月二十六日というふうに書いているんじゃないかというふうに変な勘ぐりをしてしまいます。  そこで、お話なんですけれども、十二月の二十六日にハイヤーをというふうに会長の方から言われたということですけれども、そこで、その監査報告書を見せていただきますと、これはもう何回も過去指摘をされていますが、これ、秘書室長とのやり取りなのかどうかよく分かりませんが、秘書室は、ゴルフは私用目的であることから、公用目的で利用される会長車ではなく、ハイヤーの利用を会長に提案をしたんですね。ということは、会長の方からハイヤーで行くということを言われていないことになるんですね、この書き方からすれば。  もう一度言いますよ。平成二十六年十二月二十六日に会長から秘書室に対して云々、手配を頼みたい旨の要請があった。秘書室は、ゴルフは私用目的であることから、秘書室はですよ、秘書室の方から、ゴルフは私用目的であることから、公用目的で利用される会長車ではなく、ハイヤーの利用を会長に提案をして、会長もこれを了承した。これが事実になっているんです。  そうすると、今の発言は事実と違います。事実というか、監査委員会の報告とは違うことをおっしゃっていますけれども、どうですか。
  137. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 事実、車を頼んだときに、やはり秘書室長から、これはプライベートなのでハイヤーの方がいいんじゃないですかと。ああ、それはそれでいいねというふうに私は了承しました。私から言ったというのと多少違うかもしれません、結局はその場で決めたことですから。そして、その際に私が料金を払うと、こういうふうに申し上げたんですね。  ですから、秘書室長が提案して、私がそれがいいと言ったこと、いや、あなたが言ったんじゃないですねと言われれば、それはその場で車の手配のときにでき上がった話ですから、私は同じことじゃないかなというふうに思っております。
  138. 江崎孝

    ○江崎孝君 それは非常に大きな問題を私は含んでいると思います。会長はそういうつもりでおっしゃっているんだけれども、この監査報告書の文言だけ読むと、これは秘書室の方からハイヤーを使ったらどうですかというふうに提案されたことになっていますけれども、上田監査委員、これはどういうことですか。
  139. 上田良一

    参考人(上田良一君) お答えいたします。  十二月二十六日の件ですけれども、調査の過程で聴取した具体的な内容につきましては、公表することは差し控えたいと考えます。  しかしながら、監査委員会は自ら直接、関係部局や秘書室を対象にヒアリング等を行い、複数の対象者から聴取内容等を総合的に勘案して監査委員会報告書記載のとおり事実関係を確認し、本件について、私用目的の利用での手配の要請であること、会長が手配を要請した時点で自らハイヤー代金を負担することについては会長と秘書室のいずれも了承していたと判断いたしました。  なお、複数の対象者からの聴取内容は主要な点において一致しており、これを覆すような事実等が見られませんでした。  以上です。
  140. 江崎孝

    ○江崎孝君 済みません。その監査の中身を僕、聞いているんじゃないんです。だったら、ここを変えるべきでしょうと僕は言っているんです。何回も言うように、見てください、読んでください。  皆さん方持っていらっしゃらないから、僕がもう一回読みますよ。秘書室は、ゴルフは私用なんですよ、私がちょっとこの役割をするんですけれども、会長から電話があった。まあ、会長車を頼むというふうに言われたという疑惑も、ひょっとしたら皆さんたちが思われているかもしれない。これは極めて重要なところです。それに対して秘書室は、会長車というふうに会長が言ったかもしれないような含みの文章なんです、これは。  いいですか、秘書室は、それだったら、ゴルフは私用目的であることから、公用目的で利用される会長車ではなくて、いいですか、ハイヤーの利用を会長に提案し、会長もこれを了承したと言っているんですよ。こう書いているじゃないですか。違うじゃないですか、今の会長の発言の中身は。会長は、電話も含めて、ハイヤーをお願いをしたとおっしゃっているんですよ。どう責任取りますか、これ。全く違いますよ。だって、これが表に出ているんですよ。これが表に出て、会長は疑われているわけですよ。そうでしょう。会長は、いやいや、会長、そうじゃないとおっしゃっても、私たちはそう取らざるを得ない。  それはなぜかというと、今会長は、電話をした段階でハイヤーをお願いをしたと言った。これは大事なことです。ハイヤーをお願いしたんでしょう、会長車じゃないでしょう。もう一回聞きますよ。会長車じゃありませんね、ハイヤーをお願いしますと言われたんですね、前後関係別にして。そこは大事なことですよ。会長、お願いします。
  141. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 監査委員の報告書にもはっきり書いてありますが、平成二十六年十二月二十六日に、会長から秘書室に対し、一月二日にゴルフ場に行くための車の手配を頼みたいと、こう申し上げたわけです。そして、そのときに、的確に秘書室長が、これはプライベートですからハイヤーを頼みましょうねと、ああ、それはそれで結構と、そのとおりだと、こういうことですから、私が言ったとか、これは電話じゃありませんので、直接会話でございますので、そのときに即そういうふうな了解が二人の間で付いたということでございます。  公用目的で利用される会長車ではなくハイヤーの利用を会長に提案し、会長もこれを了承したと、こういうことですので、あなたが言ったんじゃないですねと言われればそうかもしれませんが、これは会話の中での出来事なので、その話を、車の手配をしたときにお互いに了解し合ったというふうに御理解いただけると、私は大変に、何といいましょうか、幸せでございます。
  142. 江崎孝

    ○江崎孝君 私も個人的な関係ではそれで、同じ福岡ですから、オーケーですよ、納得しますよ、それでいいんだけど、これが文言になってくると、この文言の行間を読まなきゃいけないんですよ、それだと。だって、どう考えても、僕だけの国語力でしょうか。秘書室は、ゴルフは私用目的であるから、公用目的で利用される会長車ではなくハイヤーの利用を会長に提案し、会長もこれを了承したと、こうなっているんですよ。  これって、監査委員、上田さんにもう一回聞きますけれども、この文言だけです。文言だけです。どんな調査をしたとかそういうものは僕は聞いておりません。今の会長のお話が正解というか真実であるとするならば、そういう書き方をしなければならないんですが、これは大事な監査報告書ですよ。どうですか。
  143. 上田良一

    参考人(上田良一君) 監査報告書は、放送法第四十四条に基づき、監査委員会が関係部局や秘書室を中心にヒアリング等を行い、複数の対象者から聴取内容等を総合的に勘案して監査委員会報告書記載の事実関係を確認いたしました。具体的な調査手法については公表を差し控えさせていただきます。
  144. 江崎孝

    ○江崎孝君 そういうことを聞いていないんです。もうそんなことを答えられると、僕は、この監査報告書そのものにも疑義が生じますよ、疑いを持ちますよ。  何回も言っている。今、そこのお二人の食い違いがあるわけ。会長はそう言った。その関係はどちらにしても、文言を見ると、普通の人は、一般の人は、会長会長車を要求したんじゃないのかなと見ちゃいますよ。そして、いや、それは公用目的じゃないから、私用だからハイヤーを手配しましょうねと言った、そしてこれは会長も了承したということは、これは会長の名誉の問題になりますよ。会長が、本人はそうおっしゃっている。それが真実であると私も思います。だとすると、そのことをここに書かないと監査報告書の正解にならないじゃないですか。どうですか。
  145. 上田良一

    参考人(上田良一君) 繰り返しになりますけれども、私どもが監査委員会として事情聴取した内容を基に、事実関係を確認して記載いたしました。
  146. 江崎孝

    ○江崎孝君 そのやり取りしていると、これ、僕、与党の皆さんにも大問題だと思いますね。公的な監査報告がこういうずさんな管理されているということですよ。  問題は、上田委員、こうですよ。私が整理した、私じゃなくて、私が不審に思っている、不安に思っているということは、恐らく受信料を払っているNHK、国民の皆さんが不安、不審に思っていることなんですね。そう思って聞いてくださいよ。  こうなんですよ。会長は、ごめんなさい、これは僕の、国民目線でのことですから、怒らないで聞いてください。会長は私用であるにもかかわらず会長車を使おうとしたのではないか、この監査報告書を見ると。秘書室はハイヤーでと言ったので業務ハイヤーを使ったが、料金はNHK持ちにしようとしたのではないかですよ、流れは。それに対して一つ一つ答えていくのが監査報告書ですよ。そうでしょう。その中で、じゃ、秘書室長もその思いでいたのではないか。会長もハイヤーでいいねと言って、今は代金払いますよというふうに言っているけれども、そのときは、ひょっとしたらハイヤー代金もNHKに負担させようと思ったんではないかと国民は思っているんです。そして、秘書室長もその会長の思いをそんたくして、その思いでいたのではないかですよ。  そして、だから秘書室長は長期間不作為のままでいた、何もせずに。これが長期間不作為のままでいた一つのあかしではないのか。そこで、内部から、想定外のことだけれども、その話がどこかから漏れて、監査委員の方に伝わった。そして、監査委員がそのことを知ったので、会長は、えっ、これは大変だということで、三月九日に代金を払った。これは、じゃないかという、そういう不安、不信の目で見られているということをまず監査委員は頭の中に入れていただかなきゃいけなかった。  そう考えると、この監査報告書はそれに何一つ答えていない。これをよく経営委員会は了解しましたね。まず、そこですね。何回も言うように、会長は今、電話で、やり取りの中で、いや、そんな会長車で云々じゃないよ、ハイヤーを頼むよ、そしてハイヤーは俺が金払うよと言ったとおっしゃっている。そのことが事実であるとすれば、そのことを書かなければなりません。なぜこういう主語、述語の関係になるんですか。  もう一回読みますよ。秘書室は、ゴルフは私用目的であることから、公用目的で利用される会長車ではなく、ハイヤーの利用を会長に提案をしたんです。ということは、その表現だけ見ると、会長会長車を使おうという意思を秘書室長は感じ取ったということになりますよ。そうじゃありませんか。ここは大変なことです。会長の名誉に関わることです。だから、僕はあえて言っています。  それで、会長も、これも了承したんです。よろしいですか。そして、会長は私用目的でのハイヤーの手配を秘書室に要請をした。だけれども、最初のこの一段落、一行、ゴルフは私用目的であるから、公用目的で利用される会長車ではなく、ハイヤーの利用を会長に秘書室長が提案をした、この一言がある限りは、その後の、会長は私用目的でのハイヤーの手配を秘書室に要請をした、これも疑義を生じてくるんです。分かりますね。  これは極めて基本的な問題です。お答えください、上田委員。
  147. 上田良一

    参考人(上田良一君) 度々同じ回答で恐縮ですけれども、私どもの報告書は、放送法第四十四条に基づき、監査委員会が関係部局や秘書室を中心にヒアリング等を行い、複数の対象者から聴取内容等を総合的に勘案して監査委員会報告書記載の事実関係を確認いたしました。監査委員会としては、必要な事実関係を確認できたものと認識しております。  また、新たな事実が発見されない限り、更なる調査も予定いたしておりません。
  148. 江崎孝

    ○江崎孝君 ちゃんと答えてくれるまで何回も聞きますよ。これは延々続きますよ、予算もあるんだから、NHKの。  もう一回聞きますよ。会長は電話で十二月の二十六日にハイヤー、ハイヤーね、ハイヤーで行きたい、行く、そしてそれは私用だから自分で金払う、そういう脈絡が秘書室長との間でできていたわけです。できていたわけです。だけど、それを聴取した監査委員会の……(発言する者あり)いや、できていたんですよね、ですよね。やじ飛ばさないでくださいよ。できていた。  それで、そこを調査した、それを調査したはずですから、監査委員は。それを調査した監査委員が字面に起こしたのがなぜこうなるんですか。なぜこうなるんですか。公用目的で利用される会長車ではなく、公用目的で利用される会長車ではなく、ハイヤーの利用を会長に提案をしたとなっているんです。なぜ両方の間で、ハイヤーで行こうか会長車で行こうか、それは別にして、これは私用目的だからハイヤーで行きましょうねということを、会長も秘書室長もそういう話をしたと当たり前のことを書きゃいいんです。  だけど、ここではそうじゃないです、間違いなく。誰が読んでも、会長会長車をお願いをした、しかしそれは……(発言する者あり)いや、会長、そう見えるんです、読めるんです。これは会長の責任じゃないんです。会長の責任じゃないということだけ僕は伝えておきますよ。会長の責任ではありません。会長会長車を呼んだのではないか、だけど、それは私用目的だからハイヤーにしてくれというふうに秘書室長が提案をしたような書き方になっているじゃないですか。  これは普通の国語力の方は分かるはずです。もう一回お答えください。
  149. 谷合正明

    委員長谷合正明君) それでは、上田監査委員、質問の趣旨を踏まえて答弁をお願いいたします。
  150. 上田良一

    参考人(上田良一君) 事情聴取に基づいてこの監査報告書は記載いたしております。
  151. 江崎孝

    ○江崎孝君 じゃ、書き直してください。書き直さないとこれが公に出て回ります。公に出て回ります。そうしないと駄目です。  じゃ、この監査委員報告書も了解をしたという経営委員会の判断も、これは誤りになります。経営委員長、どうですか。
  152. 浜田健一郎

    参考人浜田健一郎君) 経営委員会は、三月十九日に監査委員会からの報告を受け、了解をいたしました。今回の報告は、監査権限を持つ監査委員会が適切な監査に基づいて報告したものと認識をしております。  監査委員会の報告によれば、不適切な事務処理が行われ、公私の区別が曖昧であるとの懸念を抱かれたことは経営委員会としても遺憾であるというふうに考えております。  経営委員会といたしましては、監査委員会の報告書の中にあるとおり、会長以下関係者が改めてコンプライアンス意識を徹底し、協会が再発防止策を着実に遂行していくことを求めてまいりたいというふうに思っております。
  153. 江崎孝

    ○江崎孝君 両方とも答えていらっしゃらない。これを繰り返すと、僕はNHKのガバナンスがもっともっと不信感を持たれると思います。  僕はもう一度言います。会長のおっしゃっていることをなぜそのまま監査報告書に書かなかったのか。それを経営委員はなぜ了解をしたのか。これは大問題ですよ。会長の名誉に関わることです。これだけ読んでしまえば、会長会長車をお願いをしたのではないかという疑義が膨らみます。  監査委員はそのことを考えなかったんですか。もう一度お伺いします。
  154. 上田良一

    参考人(上田良一君) 私どもの報告書の冒頭、事案の概要というところに記載いたしておりますけれども、本文をお持ちでないかもしれませんので私の方から読み上げさせていただきます。
  155. 江崎孝

    ○江崎孝君 いや、持っていますよ。
  156. 上田良一

    参考人(上田良一君) そうですか。  一番最後の文章のところですが、「会長は、当初から当該ハイヤー代金を自ら負担する意向を示しており、三月十日にその金額全額を協会に償還した。」と。  先ほどから何度か御説明していますように、聴取内容等、複数の対象者から事情を聴取いたしておりますので、それを総合的に勘案いたしまして監査報告書を記載いたしております。
  157. 江崎孝

    ○江崎孝君 あのね、どんどんそんなことを言ったら墓穴を掘っちゃいますよ。これ直した方がいいと思う。  例えば、じゃ、秘書室長が一月二日にハイヤーを手配をした。そして二か月間、二月の何日でしたか、これ。二十七日ですね、二十七日に伝票を起こしただったかな。何日でしたっけ。これ伝票。済みません、聞きます。  伝票を起こしたのは、これは何日ですかね、このハイヤーの伝票、職員の方が。誰か分かりますか。
  158. 谷合正明

    委員長谷合正明君) どなたが答弁できますか。籾井会長
  159. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 一月十三日に起こしたと聞いております。
  160. 江崎孝

    ○江崎孝君 それで、一月十三日に起こして、その間、会長に対して何もおっしゃっていない。ここに書いてあるのを見ると、これは監査報告の四ページ目ですよ、読んでみてください。この支払請求票は経理局中央審査部に回送され、審査、決定を経て、本件ハイヤー乗車代金は二月二十七日に支払われているんですね。でも、このときも秘書室長は御存じなかったんですね、そういうことが行われているということを。そういうことになります、この監査報告書は。ですね、どう考えても。  一月二日から二月の二十七日まで約二か月間、なぜ秘書室長はこの不作為を、不作為ですよね、法的に言ったら。不作為をしていたのですか。どう説明を付けますか。
  161. 上田良一

    参考人(上田良一君) お答えいたします。  何度か繰り返していますが、事情聴取に基づいて、私どもの方で総合的に勘案して判明した事実関係をこの監査報告書には記載しているというふうに御理解いただきたいと思います。
  162. 江崎孝

    ○江崎孝君 申し訳ないんですけれども、これは、申し訳ないんだけれども、比喩したらいけないですけれども、学校のやり取りではないわけですから、少なくとも国会の中でこうやってお互い責任ある立場の者がちゃんと質問しているわけですから、同じことを繰り返すのではなくて自分の言葉で答えていただけませんか。全然分からない。延々と続きますよ、これは。これは会長の名誉のために僕は言っているんです、同じ郷土だし。  それで、もう一回質問します。  じゃ、もう一つ、これ大事なところなんです。これは秘書室長の名誉のためにも必要なんですが、こう言っているんです。途中で特定のハイヤー乗車票を回収することは異例手続であり、支払請求票の作成後、金額が分かった段階会長から協会に支払ってもらおうと考えていた、ですね、これはオーケーです。  じゃ、金額が分かったのはいつですか。秘書室長が金額が分かったのはいつですか。これ、誰か分かりますか。会長ですか。どうぞ。
  163. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 三月九日に金額が分かりました。というより、私が知ったのが三月九日ですと、こういうことです。
  164. 江崎孝

    ○江崎孝君 ごめんなさい、秘書室長が分かったのを。これ秘書室長でしょう。  秘書室長は、後になってですけど、秘書室職員がハイヤー乗車票を事後的に起票したことを知ったんですね。知ったんですよ、監査委員の皆さん、知ったんです。今日来ていらっしゃるでしょう。そうしたら、途中でやるとややこしくなるから、金額が分かった段階会長から協会に支払ってもらおうと考えたと言っているんです。  秘書室長が分かったのはいつですかと聞いているんです。誰か答えられますか。
  165. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 答えられる方。日本放送協会堂元会長
  166. 堂元光

    参考人堂元光君) お答えをいたします。  三月六日、つまり、監査委員から事実の確認が会長に対してあった日でございます。
  167. 江崎孝

    ○江崎孝君 なぜそんな重要なことを監査報告書に書かないんですか。調べたんですか、委員。お答えください。
  168. 上田良一

    参考人(上田良一君) 事情聴取を通じまして事実関係は基本的には確認した上で、確認した内容を判明した事実という形で監査報告書に記載いたしております。
  169. 江崎孝

    ○江崎孝君 ということは、確認しなかったということですね、この重要なことを。そういうことですね。いや、もうイエスかノーでいいです。それは、今の話からすると、これは国会ですから、国会の公的機関の委員会ですから、あやふやな回答じゃ駄目なんですよ。今は事情聴取をした事実だけ書いていると言ったじゃないですか。ということは、秘書室長が知ったのは三月の六日だと。それも監査委員からの指摘があってから知ったということですよ。その事実をなぜ書かないんですか。書かないということはやっていないということでしょう、今の答弁からすれば。  こんな報告書が我々が納得できますか、国民が納得できますか。それを経営委員会はなぜ了解するんですか、こんな大事なところを記入もしていないのに。責任問題ですよ。ずさんじゃないですか、余りにも。  もう一つ、これらの経理処理等については会長に対する報告は行われていない。なぜ行われなかったのかをなぜ調査しなかったんですか。それも事情聴取から外れているということでしょう、事実しか書いてないということは。そんなずさんな監査をやっていて、堂々と報告ができますね。それを堂々と、経営委員は粛々と了解をして、何事もなかったようにNHKの業務を遂行できますね。  これは大問題ですよ。籾井会長は悪いことは言っていないんです、会長は、事実からすれば。しかし、その事情聴取をやった人たちがこれほど会長の意に反した報告書を書くということは、NHKのガバナンスが成り立っていないということじゃないですか。監査のやり直しですよ、これは。そうしないと決して、これは与党もそうだと思う、こんなことだったらNHKの予算は参議院では可決できないですよ。これをもってして監査報告、みんな、よし分かった、了承しゃんしゃんで終わるんだったら、もっと指摘したいこといっぱいありますよ、もっと指摘したいこと。大事なことです。  もう一回聞きます。なぜ秘書室長の金額が分かった段階でここを事情聴取しなかったんですか。
  170. 上田良一

    参考人(上田良一君) お答えいたします。  監査報告書の四ページ目を御覧いただきたいんですが、一番上のところから、一月利用データとして支払請求書を作成した、この支払請求票は経理局中央審査部に回付された、審査、決定を経て、本件ハイヤー乗車票の代金は二月二十七日にハイヤー会社の他の代金とともにまとめて支払われたと。  例えば、支払った事実というのはこれは確認できますけれども、聞いて分かったかというのは、事情聴取で、口頭の事情聴取でしか確認ができないというか、ハードコピーでそれを確認するということは極めて難しいので、冒頭から何度も説明していますように、事情聴取に基づいて複数の対象者からの聴取内容等を総合的に勘案して監査委員会報告書記載の事実関係を確認しているわけで、新たな事実が発見されない限りは私どもの調査はこれにとどまると、こういう理解です。
  171. 江崎孝

    ○江崎孝君 そうしたら、もう自らこの監査報告書のずさんさを今認めたことになりますね。申し訳ないんですけど、大事なことなんですよ。金額が分かった段階会長から協会に支払ってもらおうと考えていた、この文言を記載するのであれば、秘書室長が金額が分かったのはいつなのですかということを普通は聞きますよ。聞いてから、秘書室長がどういう行動をしたんですかと聞きますよ。それを何ですか、伝票がいっぱい送られているから分からなかった、個人の面接だから云々と。要するに、聞いていないということでしょう。聞いていないということですね。そうでしょう。どうぞ。
  172. 上田良一

    参考人(上田良一君) ここに記載してありますのは、繰り返しになりますが、事情聴取で聞いたことをここに記載しております。
  173. 江崎孝

    ○江崎孝君 ということは、聞いていないということでしょう。イエスかノーで答えてください。聞いていないということですね。
  174. 上田良一

    参考人(上田良一君) 聞いた上で書いていますけれども、聞いたことを全て書き起こしてはいません。
  175. 江崎孝

    ○江崎孝君 申し訳ない、そんな大事なことを、三月六日に、副会長が三月六日に知った。秘書室長、秘書室も知ったということですよ。そんな大事なことを聞いて、聞いたけど書かなかった、あるいは聞いていないから書かなかった、訳分からない回答はやめてくださいよ。そんな大事なことを、見落としていたということだったら分かります。分からなかったというんならいいんですよ、それでいいですよ。そうしたら、ますますこれはずさんですねということになる。  もう一回聞きます。秘書室長にいつ金額が分かったのかということは聞かれましたか。
  176. 上田良一

    参考人(上田良一君) 調査の過程の話ではありますが、聞いています。
  177. 江崎孝

    ○江崎孝君 じゃ、何で書かないんですか。何で書かないんですか。どうぞ。
  178. 上田良一

    参考人(上田良一君) どの点を記載するべきかというのは、若干、いろんなことを聞いていますので判断が伴いますけれども、少なくとも大切な部分はここに記載したという理解でおります。
  179. 江崎孝

    ○江崎孝君 もう一回言いますよ。これ、大事なことと言っているじゃないですか。  秘書室長は、ここはですね、ここが三月の六日とかであったらとんでもないことなんですよ。秘書室長は、ちょっと委員、聞いてください。秘書室長は、会長との判断で、一月二日に会長は私的な利用だから自分で金払うよと言っているわけですね。それを、二月の二十七日どころか、三月の六日まで知らなかったわけですよ。そういうことですね。不作為していたということですね、約二か月以上。これ、大変な問題ですよ。  だから、そうしたら、秘書室長の責任大ですよ、これ。会長は、俺は払うからいつでも請求してくれと言っているわけですよ。それを、秘書室長は金額が分かったら会長に言おうとしていた。そんな間に、監査委員会に誰かが情報を発してとんでもない話になっちゃった。これ、とんでもない話じゃないですか。  じゃ、何で、秘書室長、あなたが金額を知ったのはいつですかということをなぜ聞かなかったのか。聞かなかった。聞いたか。聞かなかった、大事じゃないと言った、あなたは、今。大事ではないと言った。聞いたけど、大事ではないと言った。すごく大事なことですよ。二か月間もほっておいた。なぜほっておいたんですかというふうに聞くべきでしょう。そして、ほっておいた事実があるからこそ、会長に対する報告が行われていないんですよ。  とすると、会長は秘書室を統括しています。秘書室長から会長に報告がない以上、それは会長としては、これも問題ですけどね、会長も。あれ、乗ったやつはどうしたかと言うのが当たり前なんですけど、それも言わなかったというのは大問題なんですけれども、一義的に秘書室長はそのことを何の行動も起こさなかったこと、これはNHKのガバナンスの中で、経営の中で極めて大きな問題なんだけれども、それを監査委員会が事情聴取はしたけど書かなかった。これは大問題じゃないですか。
  180. 上田良一

    参考人(上田良一君) 監査報告書の五ページ目を見ていただきたいと思いますが、今申し上げました判明した事実に基づいて監査委員会としての意見をここに記載いたしております。  (2)のところに記載いたしておりますように、秘書室職員はハイヤー会社への振り込みが行われた後、速やかに支払手続を取るべきだったが失念していた、こういうことで、基本的にずさんな処理が行われていたという評価をここの意見のところで述べさせていただくと同時に、会長の件に関しましては、(3)のところに監査委員会の意見を述べさせていただいております。
  181. 江崎孝

    ○江崎孝君 いや、それは僕が言っている質問に答えていらっしゃらない。  秘書室長が言ったように、秘書室長がハイヤー代金の金額を知ったのは三月の六日とおっしゃった、六日と。そのことをなぜ書かなかったんですか、記述を。それは皆さんたちは重要だからこそ、この一文を入れたはずですよ。  四ページのなお書きの後、その括弧書きのところ、重要だから入れたはずなんです。なおの後、途中で特定のハイヤー乗車票を回収することは異例な手続であり、分かりました、異例な手続だからこれは遅れた、支払請求書の作成後、金額が分かった段階会長から協会に支払ってもらおうと考えていた、秘書室長は。だったら、なぜいつ知ったのかということを聞かなかったのでしょうか。そして、それが三月六日であることが判明したのであれば、なぜ二か月間もほっておいたのかということの理由はここには書かれていません。書かれていません。そういうところが書かれていないからこの監査報告書に対して疑義が生じているんです。疑義が生じているからますます会長は悪くなっているわけです。ますます会長は悪くなっているわけです。  だったら、それをなおかつ経営委員会委員長はそういうところも指摘せずに三月二十四日、了解をした。これ、もうぐちゃぐちゃじゃないですか、NHKのガバナンスが。(発言する者あり)
  182. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 続けてください。質問を続けてください。
  183. 江崎孝

    ○江崎孝君 はい、分かりました。  僕は、監査報告書のずさんさを今ちょっと指摘をしています。そして、経営委員会の責任もこれは大問題だと思います。  もっと言えば、もう一回整理しますね。なぜ、秘書室長が金額が分かった段階でというふうに言っているのに、秘書室長にその金額が分かったのはいつだったのかということを聞かなかったのか、なぜ記載しなかったのか。そして、その間、これはその後に、これらの経理処理等については会長に対する報告は行われていない、たった一行で済んでいますけれども。これもこれと関連してきます。極めて重要なことです。なぜ会長に報告が遅れたのか。それは、秘書室長が金額が分かったのが遅かったからです。しかし、なぜ遅かったのか。これも分からない、これでは。分からないんです。それは、監査委員の皆さんに誰かが情報を提供したことによって、調べたことによって三月六日に発覚したんです。  こんなNHKという日本の最たる公共放送の中の、受信料をこれだけ集めている中で、ガバナンスが十年前にあんな問題が起きておきながらそういう経営体質であったということを今、監査委員の報告書のずさんさからでも分かるわけですよ。これは大問題なんです。  もう一つ、もう時間がありませんから、後のこれからの流れはこれからのNHKの、予算委員会質疑の中で、これ与党の皆さんも追及してほしいと思うんですよ。こういうところがやっぱりはっきりしないと、これはNHKの予算、参議院で通すというわけにいかないですよ。衆議院ではそれは通過したかもしれないけれども、参議院でこの問題が発覚して、この監査報告がこういう状況で、大事なことも、もっと出てきますよ、時間があったらもっと僕、質問しますけど、それが一つも答えられない。そして、そういう状況の監査報告を経営委員が了と判断したということは、とてもじゃないけど、私たちは、少なくとも我が党は理解できない。  もう一つ、最後に指摘して終わります。  監査報告書では、読みます、「監査委員会は、会長が私用目的でハイヤーを利用すること、およびその代金を協会が負担することは重大な問題となり得る」。つまり、業務ハイヤーですね、多分これは業務のハイヤーだと思います、これを会長が私的に使うことについては極めて重要な問題だと言っているんです。そして、代金を負担することは重大な問題だと言っているんです。しかし、これ、どこ見ても、その代金を負担することの云々ということは出てきません。  監査報告書の最後はこういうところでまとまっているんです。(1)ですね、先ほど上田委員が言われた(2)の上側、監査委員は、会長が、私用目的であったとしても、その立場上必要な身柄の安全、情報管理及び所在確認のために、協会が手配するハイヤー、これは業務ハイヤーなのか一般のハイヤーなのか、これも分かりません。業務ハイヤーということは当然割引が入ります。これは一般のハイヤーなのかどうか。(発言する者あり)会長、そうなんですよ。これはもう大変なことなんですよ。じゃ、あえて業務ハイヤーと読ませていただきます。業務ハイヤーの利用を必要とする場合があることを否定するものではないということは、例外規定をオーケーしているんです。その例外規定をオーケーしたんですけれども、その例外規定の存在は明文化されていません。  そして、今明らかにされているのは、秘書室長が証言をした、情報管理、緊急時の連絡に備えて所在確認、この三つのために例外規定で業務ハイヤーを利用することも否めないというふうに判断されている。否めないと判断されている。だったら、冒頭の、ハイヤーを利用することは大変重要な問題だ、こういうふうにして監査に入っているわけですから、だったら、その結論をこの一言でしていたら、ますます問題を膨らますことになります。公と私の真ん中が分からなくなってくる。監査委員が例外規定をオーケーをして、業務ハイヤーを私的に利用することはいいですね、否めないよということを言った瞬間に私的に業務ハイヤーを使うというのが増える可能性がある。それは何の指摘もしていない、ここが大問題なんです。  もう時間が来ましたので、そのことはこれからの民主党の質疑に譲らせていただきながら、ここで終わらせていただきます。少々オーバーしました。済みません、大臣、長々と議論に付き合ってもらって申し訳ございません。おわびして、私の質問を終わります。
  184. 片山虎之助

    片山虎之助君 それじゃ、時間の範囲で順次質問いたします。  私は、今日は地財計画地方交付税地方税の質問をする日かと思ったら、NHKの日なんだね。これだけNHKのことでいろいろ話があるんなら、やっぱり総務委員会としては、集中審議をやるとか何か。それから、今までいろんな議論があって今のガバナンスの体制ができたんですよ、NHKの。会長、副会長、理事、執行部、それから経営委員会監査委員会、これが機能しているのかなという感じもするわね。そういうことは、総務委員会だけの責任じゃないけど、何がしかの責任があるので、参議院の総務委員会も。やっぱりよく理事会その他で協議をした方がいいのかなと思いながら私はここに座っておりました。  それでは、本来の質問をしますけれども、時間短いですからね、もう短く、簡潔で明快にやっていただきたい。もう途中は要りません。私はもう単純な人間ですから、結論さえあればいい。  そこで、今一番の問題は、国の景気は良くなりつつあるんですよ。日経株価の平均が二万円でしょう、ダウ二万円ですよ。それから、春闘を見てもトヨタなんか四千円だしね、ベアが。そういう意味では、全体としては、いろんな景気情報が言うようになだらかに景気は回復基調にあるんですよ。それから、個人消費も、良くありませんよ、ないけれども、底堅い動きだと日銀なんかみんな書いているから。  そうなっているんだけれども、それは私も分かるんだけれども、地方が本当にどうなっているのかというのが心配なので、地方がこうなっているという最新の情報があったら簡潔に教えてください。西村さんかな。
  185. 西村康稔

    ○副大臣(西村康稔君) もう先生御案内のとおり、全体としては、有効求人倍率も全ての都道府県で上がってきていますし、失業率も全都道府県で横ばいか改善の傾向にあります。一人当たりの賃金も前年比プラスになってきています。そういう意味では良くなってきていますが、相当まだばらつきがありますし、大都市圏に比べて景気の回復が遅いということであります。  足下の最新の様子ですけれども、いわゆる内閣府でヒアリングをしている、タクシーの運転手さんとかいろんな人からヒアリングしている景気ウオッチャー調査によりますと、これは現状、先行きとも全ての地域で改善してきています。それから、百貨店の売上げも、二月は、これは都市部以外の地域で、これは昨年が駆け込み需要の影響で多かったというのもありますけれども、前年同月並み、前年比〇・〇%というところまでマイナスから上がってきていますので、それぞれの地域、まだ回復は遅いですけれども、景気回復の兆しは見えてきているというふうに認識をしております。
  186. 片山虎之助

    片山虎之助君 これで余り議論やったら時間取るんだけれども、デパートは東京と大阪はプラスなんですよ、前年比。主要十大都市はマイナス一・三なんですよ、一番最新の数字では。地方はマイナス五・五なんですよ。  私もデパートに行ってみて、岡山なんですけれども、岡山だけじゃありませんよ、地方のデパートに行ってみると客層が違う、伊勢丹や銀座三越とは。やっぱり客層の厚さが違う。大分違うと思うね。それから、公共工事が全部地方は落ち込んでいるんですよ、去年から今年にかけて。  だから、西村さん、数字上は、あなた方はすぐそう言うのよ、失業率がどうだとか求人倍率がどうだとか。それは数字は良くなっていますよ。しかし、実感がないわね。だから、地方を良くしてくださいよ。アベノミクスはそこなんですよ、地方創生もね。  そこで、私は言うんだけれども、地方創生はちんどん屋みたいなことも必要なんですよ。プレミアムの商品券や旅行券も。しかし、本当は地方財政を強くすること、自前の金を十分与えることと、あとは権限を与えることなんですよ。好きなことをやらせるのにそれをサポートしてやることが国のあれなんで、一番の基盤をちょっとほっておいて、プレミアムのあれやる、これやるとか、何とかを作れとか、どうかと思うけど、いかがですか。簡潔に。それは総務大臣も答えてください。
  187. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) とにかく、もう臨時財政対策債のようなものに頼らない形の強い基盤をつくっていかなきゃいけないと思っております。財務体質の改善ですね。それから、やはり地方自治体が自由に使える、主体的に使えるこの財源をしっかりと確保すると。地方の財務基盤を強化していかなければなりません。
  188. 片山虎之助

    片山虎之助君 あのね、今、臨財債の話が出たけど、これは私も責任あるんですよ。平成十二年のときに、十三年度から折半ルールというのをつくったんですよ。地方全部のお金を足して、足りないものは国と地方が折半しようと。国は赤字国債、地方は将来の交付税だというような名前で、赤字地方債ですよ、簡単に言うと。それがずうっと続いているんです、まだ。今、五十兆ですよ。五十兆円になるんですよ、大臣。  これ、どうするんですか。地方にはこれは将来の地方交付税のあれだと言うけど、先食いでしょう、簡単に言うと。将来の地方の一般財源の。この五十兆、ほっておくんですか。
  189. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) いや、もうこれ、ほっておくとやはり地方財政健全化の視点から課題があると考えております。とにかく、国と地方で折半すべき財源不足が解消された、折半分の臨時財政対策債を発行しなかった平成十九年度及び二十年度の状況をなるべく早期に実現することを目指して取り組んでまいります。あらゆる工夫をしなければなりません。
  190. 片山虎之助

    片山虎之助君 これは、この前予算委員会で言ったんだけど、総務大臣、今度の地財計画に一兆円、地方創生で、ひとまち・しごとですか、あれを組んだことは私、いいと思いますよ。それは、二十七年度は財源の一応の手当てがあるの。  皆さんのお手元に資料一というのがありますから、見てください。これにありますように、一兆円、その地財計画地方創生財源をちゃんと組んだのはいいんですが、このうちの五千億は既存歳出の振替なんですよ。名前が変わるだけだから、一つもこれは地方団体は有り難くないわね。新規が五千億なんだけれども、ちゃんと金が取りあえず入ったのはBの地方公共団体金融機構の三千億なんです。  それからもう一つは、地方法人税というものをつくって、これを全部交付税特会にぶち込んで交付税として分けるんですよ。それが、東京なんというのは完全に不交付団体ですから超過財源で、これはみんなに渡りますから、この一千億は確かに物がある。あとは、公債費の削減なんてこれは当たり前なんですよね、公債費総額を減らしているんだから。返す借金の返済額が減っているだけで。これは来年度なんですよ。  ところが、再来年度以降も我々は付けてもらいたいんだけれども、一兆円ないしはそれ以上を、財源がないんですよ。そうすると、地方創生財源を借金でやるんですか。地方創生をやる、それに使う財源はもう借金だと、こういうことになりますよ。今の一兆円を、総務大臣、来年、二十八年度からもやるかやらないか。私は五年ぐらい、総合戦略を作らせるんだからやらせるべきだと思う。だから、それを続けるかどうかということが一つと、続ける場合の財源の見通しはいかがですか。
  191. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 先ほども答弁申し上げましたが、五年以上は、最低五年は続ける必要があると思います。それぐらいの時間が必要です。そして、規模もやはり一兆円規模を確保したいと思っております。  財源についてですが、やはり地方法人課税偏在是正を二十八年度以降更に進めていくということで、二十六年度の与党税制改正大綱の方向に従いながら、さらに、消費税率一〇%引上げ時期の変更に伴いまして二十八年度以後の税制改正において具体的な結論を得る部分もありますけれども、しっかりと税制において対応してまいりたいと思っております。
  192. 片山虎之助

    片山虎之助君 あのね、財源偏在で、東京都みたいに、富裕団体と言ったら悪いんだけど、そこを平均化するのはある程度いいけど、わざわざ地方税であったものを国税に直して、それを交付税の原資にして交付税特会で分けるというのはいかがかなと。本当に手の込んだやり方ですよ。それ、東京都なら怒りますよ。東京都が分かっているかどうか知らぬけれども、まあ分かっているんだろうがな。それは、そういうことがいいのかどうかということがあるんですよね。タコの足みたいな話、タコ足みたいな話。  私は、そうじゃなくて、もっと国、地方を通じるきちっとした税財源配分というのをやらないと、今の臨財債の五十兆も、これからどんどんどんどん借金がたまっていく、新たな赤字が増えるだけの話ですよ。それじゃ、おまえ、どうするんだと。ここが大変難しい、全体のあれで。  何か、いい知恵ありますか。
  193. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 片山元総務大臣にもこれからお知恵をいろいろお借りしなければならないんですけれども。  地方法人特別税譲与税制度については、これはもう税制の抜本的な改革によって偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの暫定措置であるということが法的に規定されております。それで、これも税制の抜本的な改革に併せて抜本的に見直しを行うということであります。それで、消費税率八%段階で、もう十分御承知のことですが、平成二十六年度の税制改正において地方法人特別税譲与税の規模を三分の一分縮小したところであります。  東京が怒るとおっしゃっているお話でございますけれども、この法人住民税の地方交付税原資化については、やはり地方消費税率引上げによって不交付団体に相当程度の増収が発生するということを踏まえて、これも税制抜本改革法に基づく恒久措置として、不交付団体の実質的な増収の範囲内で法人住民税の一部を国税当局が徴収するという国税の地方法人税としました。その税収全額地方の固有財源である交付税の原資として交付税特別会計に直入するということで、効果としては、より偏在の大きい市町村も、市町村間ですね、これも含めた偏在是正を行うということができます。これらについては、やはり消費税率一〇%段階において、法人住民税法人税割の更なる交付税原資化、それから地方法人特別税譲与税の廃止と併せた他の偏在是正措置検討を、与党税制改正大綱を踏まえて検討していくということになっております。  東京都などの不交付団体から地方法人税について廃止の要望が出されていると承知はいたしておりますけれども、やはりこれも地方消費税税率引上げによる増収の範囲内のものでありますので、何とか社会保障財源の安定的な確保地方財政健全化を図るという観点から必要な措置だということで御理解をいただきたいと思います。
  194. 片山虎之助

    片山虎之助君 あのね、地方財政にはいろいろとあります。それで、一括交付金を千七百億円、二十六年度の補正で組んでいますわね。それは二十七年度に使わせるということだろうと思うんだけれども、二十七年度の来年度予算にはないんですよね。二十八年度からどういう考えですか。内閣府か何か、担当の人おられるでしょう。簡潔に。
  195. 末宗徹郎

    政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。  委員御指摘のように、二十六補正でございますが、二十八年度には、地方版総合戦略が二十七年度中におおむね策定されるというような状況も踏まえて本格的な検討を行うということを総合戦略に書かせていただいているところです。
  196. 片山虎之助

    片山虎之助君 そこで、私は思うんだけれども、この一括交付金はソフト専門でしょう。ハードは原則使えないんですよ。ソフトと組んでソフトの効用を高める場合だけハードが使えるというんだけど、私はハード使わせたらいいと思うのよ、ハードでも。例えば今、国交省がコンパクトシティーとネットワークと言っているわね、ああいうことに入れるとか、PPPというのが今はやっているじゃない、あのパブリック・プライベート・パートナーシップというの、公共施設と商業施設を組ませる、例えば図書館と居酒屋を一緒にする、それ結構当たっているんですよ。そういうことの財源にするとか、あるいは今度総務省がやろうという老朽化と総合施設化対策、一千億組むわけでしょう。そういうことの財源に一括交付金を使ったらどうですか。それは、ソフトだけじゃ私は限界があるし、景気良くならない。  今、地方景気が悪いのは、公共事業が物すごい落ち込んでいるんですよ。あなた方が幾ら予算を組んでも、やれないんだから、人がいないんだから。資材が手に入らぬ、高いんだから。もうからないんだから。だから、そういうことをやっていて地方景気は良くなりませんよ。いかがですか。
  197. 末宗徹郎

    政府参考人(末宗徹郎君) 二十六年度補正につきましては、その前に地方公共団体からもソフト中心の自由度の高い交付金をという御要望があったことを踏まえて、そのような対応をしたところでございます。  二十八年度はこれからの検討ということでございますので、様々な角度からまた議論をしていく必要があると考えております。
  198. 片山虎之助

    片山虎之助君 それで、農林副大臣来られているから質問しますけれども、地方分権というのは、今度、農地転用の権限を地方にもう思い切って全部移譲したのは、私はこれは大変評価してもいいと思いますよ。ただし、四ヘクタール以上は国の、農水大臣との協議だわね。それから、市町村の範囲は、どこまで市町村に下ろすかは農水大臣が指定するんですよ。それ、下手なことをやったら今までと変わらないのよ、下げたということになるけれども。  私は、市町村に思い切って、余り弱小市町村まで能力あるか何かという議論があるんだけれども、思い切って権限を与えておいて、後は国がチェックしたらいいと思うんだけど、副大臣、どうですか。
  199. あべ俊子

    ○副大臣(あべ俊子君) 片山委員にお答えいたします。  今の質問に関しまして、特に具体的な指定基準につきましては、今後、学識経験者、また地方公共団体関係者から成る検討会を立ち上げるということになっておりまして、検討することになっておりますので、市町村の規模という要素などもどのように考えるかにつきましても、この検討会で検討をしてまいります。
  200. 片山虎之助

    片山虎之助君 もう最近は全部役所がそうなのよ。昔の役所は全部自分で決めたんですよ。今は全部、学識経験者や何かのそういう委員会をすぐつくるんだけれども、思い切って権限移譲をやって、悪いことをしたり妙なことをやったらチェックして直すような権限をきちっとつくったらいいんですよ。そうでなきゃ、権限移譲なんかできませんよ。  それで、権限移譲であと残っているのは、これ農地転用が行ったから、あとはハローワークですか。どなたが答弁するのか。
  201. 三宅俊光

    政府参考人(三宅俊光君) 平成二十五年十二月に国から地方への権限移譲を内容とする見直し方針を閣議決定いたしまして、これに基づきまして、地方分権第四次一括法などによりまして、国から地方への権限移譲を着実に取り組んでまいりました。  この見直しにおきましては、例えばハローワークにつきまして、公共団体との一層の連携強化に取り組むとともに、その成果と課題を検証し、その結果等を踏まえ、権限移譲について引き続き検討、調整を進めるということにされております。
  202. 片山虎之助

    片山虎之助君 それで、今後どうするんだといったら、手挙げ方式で、地方から意見を聞いて、要望を聞いて、その要望でどうするかを決めるんだってね。手挙げ方式、手を挙げる方式。  いや、それは私、悪いと思いませんよ。恐らく、そんなことやったら、各省みんな反対するわ。だから、単なる手挙げ方式じゃない方式をもう少し考えた方がいい。それで、権限移譲を徹底的にやることによって地方がまた地方のトレーニングになるんですよ、訓練に。  だから、今の手挙げ方式について簡潔に状況を教えてください。何件要望が来て、どう処理したか。──そんなところで資料見ておったら時間が掛かるわ。時間がない、もう時間がないから。  外形標準課税総務大臣始め総務省の皆さん、ありがとうございました。私が大臣のときにやってから十年掛かっているんです。十年掛かったんですよ。  それで、資料の二を見てください。資料の二で、現行は資本金一億円以上の大企業が四分の一だけが外形標準で、しかもそれが二対一で、付加価値割が二で資本割が一なんですよね。これが来年度は八分の三になって、二十八年度は二分の一まで行くんですよ。ここまでしか決まっていないんですよ。だから、これをずっと第二段階で四分の三にし、丸々にしてもらいたい。  それから、中小企業の一億円以下、一億円以下でも物すごくもうかっているところもあるし、有名な企業もいっぱいあるんですよ、資本金一億円以下も。だから、そういうところになだらかにいろんな工夫をしながら私は移行をしてもらいたいので、第二段階では例えば四分の一から始めて移行してもらいたい。それから、法人事業税というのは全部外形標準化して、法人税の実効税率をこれはマイナスにしてもらいたい。  それで、その次の資料三というのがありますから、ちょっとついでに見てください。  今、法人税関係は全部で三四・六%なんです。これを二〇%台以下にするということを決めているわけです、政府はね。それで、今回の改正案で三一・三まで下がるの。これは、法人住民税はそのとおりなんだけど、法人事業税が外形標準化でマイナス三・三になるのよ。全部やめれば五%下がるんだけれども、取りあえずは二%くらい下がるということでこうなるので。そこに書いているように、法人住民税を全部地方消費税に動かすとマイナス四・一になる。それから、法人事業税を全部外形標準課税化すると、このマイナス三・三が全部そうなりますから、そうなると、法人税の実効税率は二三・九になるんですよ。  問題は、法人事業税財源はあるんだけれども、地方消費税にした場合、国の消費税を持ってこなきゃいかぬのよね、こちらに。そうすると、国の方に穴が空くではないかと。そこで、これをどう考えるかという、これは大きい税制の議論なんですが。  これは、例えば利子、配当、キャピタルゲイン、あのピケティさんの、利子、配当、キャピタルゲインの課税強化をやるとか、あるいは相続税をやるとか。彼が言っているのは、資産家や高額所得者から取れと言っているんだよね。常に資産を持っている者の方がいろんな経済活動の普通の所得よりは高くなっているということなので。どんどんどんどん格差が開いているのはそういうことなので、我々の党は、例えば年金の財源で、お亡くなりになったときに、その財産を精算して一割だけ負担してもらうようなこと、相続ですよ。あるいは、今の利子や配当課税についてはもう少し強化すると、高額の方には。それから財源を出したらどうかということを考えているんですが、総務大臣、いかがですか。御所見を聞きたい。
  203. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 幾つかの御指摘がございました。元々、外形標準課税、片山総務大臣が導入されたものでございます。  更にこれ拡大していくということでございますけれども、もうかねがね、これは応益課税の強化ですとか税収の安定性の確保から地方団体からも御要望をいただいております。与党税制改正大綱においても、まだ第二段階として、取りあえず法人実効税率は二〇%台まで引き下げるということを目指して、大法人向けの法人事業税外形標準課税の更なる拡大に向けて、今回の改正の実施状況も踏まえつつ、引き続き検討を行うということでございますので、この方針に沿ってまいりたいと思います。  あと、資本金一億円以下の中小法人といっても、様々あると思います。私もそう思います。それから、与党税制改正大綱におきましても、中小法人の実態はまちまちであるということから、その実態を丁寧に検証しつつ、資本金一億円以下を中小法人として一律に扱うことの妥当性について検討を行うとされております。ただし、その適用対象法人の在り方については、地域経済、企業経営への影響も踏まえながら、引き続き慎重に検討を行うということでございます。  片山議員から今いろいろ新しい御提案もございましたけれども、とにかく企業がしっかり稼ぐ力を身に付けていくこと、個人も出るくいをむしろ伸ばしていきつつ、しっかり負担できる力を活用させていただくと、それをまた格差の是正に使わせていただく、そういう姿を目指してまいりたいと思います。
  204. 片山虎之助

    片山虎之助君 終わります。済みません、ちょっと時間延びました。
  205. 寺田典城

    ○寺田典城君 寺田でございます。よろしくお願いします。  片山先生が余り元気なものですから、地方もそのように元気になっていただきたいなと思うんですが。  小泉政務官にお聞きしたいんですが、先ほど総務大臣は、地方のあるべき姿というのは、子育てがしっかりできるとか、教育もしっかりしているとか、ユニバーサルデザインのサービスをしていきたいとかと、そういういろんな話がありました。日本の国というのは非常に私は先行きが不透明じゃないのかなと。人工知能というんですか、それがどういう価値観を将来に向かって変えていくのかというような、いろいろそういうところも考えられるんです。  それで、地方創生取組を進めることによって五年後の日本はどのようになると、その辺どのように思っていらっしゃるか、政務官のお話をお伺いしたいと思います。
  206. 小泉進次郎

    大臣政務官小泉進次郎君) 寺田委員には、個別の政策とかではなくて大所高所からと、そういった御指摘をいただいていますけれども、まず、昨夜遅くまでこの答弁を書き上げてくれた方もいるので、ちょっと答弁の方を少し御紹介させていただきますと、まず、この地方創生というのは、五十年後に人口一億人を確保すると、そういった長期ビジョンを立てております。そのために、まず五年間どうするかと。この五年間達成するものはということで、国の方での総合戦略、そして地方で総合戦略を作っていただくと。その総合戦略の中には四つの政策の基本目標を立てて、政策パッケージを設けて、二〇二〇年に達成すべき具体的な成果目標を設定する、その効果を検証するPDCAを回していくと。このメカニズムを回していくその循環を、改善を常に不断にやっていくということが頑張って作っていただいた答弁であります。  その上で、先生の御指摘のとおり、どういった五年後の将来かといえば、私自身としては、先生、先ほど、日本の将来は不透明だというお考えがありましたが、これからの時代、先行きが透明な国というのは私は余りないんだろうと、そういった思いがあります。だからこそ、地方の、現場に即した自発的な取組とそのアイデア、活力をどうやって国家として生かしていくか。  その中で言えば、私の地元の話で言えば、横須賀というのは、大変残念ながら、昨年総務省の統計によると、日本で一番人口流出が多かった、そういった町であります。その中で、よく半島の宿命という言葉もありますので、上には横浜、その上には川崎、その上には東京という大都市三つが上にある中で、同じような町づくりをやってはかなわないので、横浜の逆を行けと。  つまり、どう逆立ちしたって、おいしい農産品、おいしい魚介類、そういった農業、漁業の魅力というのは上の町にはかなわないんだから、そういったきらりと光る、そういったものをより高めていくべきではないかと。その思いというのは、今、地方創生のフロントランナーと言われる島根県の海士町や岩手県の紫波町、そして徳島県の神山町を始め、それぞれ今紹介されているような有名な取組をしているところと共通するもので、それが結果として束となって、彩りのある、魅力ある日本になっていくことが一つの地方創生の姿なのかなと。  ただ、取組はこれは息が長いものでありますので、何とかこの五年間で地方に、都会から地方にとか地方創生の流れが後戻りすることがないような、そんな五年間にしていきたいと、そう考えております。
  207. 寺田典城

    ○寺田典城君 是非頑張っていただきたいんですが、私はこの間、決算のときですか、党を代表して質問したんですが、安倍総理と麻生さんには、オリンピックの二〇二〇年まで財政的にもちますかと私、聞いたんです。日本の国債が日銀で買えなくなったらどうするんでしょうということ。だから、日本の信認だけはきちっと保っていきたいと、そういうようなことは想定していないということなんですが。  要するに、地方創生だって今までいろんなことをやってきたことは事実なんですね。だったらどうするのということなんですが、クリエーティブなことというよりも地道に、私はある面では、グローバルな人間を育てるとローカルが残れる、生き残れるという、私はそう思っているんですよ。ということは、食料の輸入でも輸出でも、製品の輸出と輸入でも、みんなある面では今グローバルな対応をされているんですね、地方だってしなきゃならぬのですよ。そういうことで、そうなってくると、そういう人間をどうやって育てるかと。だから、一兆円の金は、私は人材育成に使うべきだと思うんです。  ですから、今考えているアベノミクスというのは、経済が成長すれば何とかなるというような考えなんですね。それは私は幻想だと思うんですよ、もう。そういう時代じゃないと思うんです。次の世代にやっぱり投資をする、簡単に言うとそういうことが一番大事じゃないのかなと思うんです。  ですから、官僚はいろいろ文章は書きますけれども、私は、なぜこんなことをというと、五十歳まで民間の社長をやっておりました。だから、税金払うのにも非常に苦労して、借金してでも払っていかなきゃならない。これ、行政というのは非常にある面ではひどいなということで市長になって、市長も行革ばっかり、行革をやりました。だから、それが成長につながります。そして人材育成ですね。それから、知事時代もそうなんですよ。  だから、それと、あとは、秋田県なんかは高齢化率三六%。二〇二〇年になると日本の国が三〇%近くなりますね。秋田県なんか三六%になります。そうするとどうなのといったら、これは、あとはお年寄りの方は生涯現役でいらっしゃるみたいにして頑張ってもらわなきゃ駄目だと思うんです。それは生涯学習でもいいし、社会参加でもいいし、ボランティアでも何でもいいですよ。そういう点で、今の立て方、立て付けというのは、どこかクリエーティブじゃないなと、今の行政は。  それと、私、思うんですけれども、県庁も市役所もどちらかというと、市民本位と、主人公は市民なんだけれども、県民なんだけれども、やっぱり主権在民でないんですよ。役所主導なんですね。これは壊さなきゃ駄目ですよ。  私には、今度七十五歳だから、後期高齢者だからその時間がないので、小泉さん、これから、まだまだ三十代前半なんでね、役所の答弁を読んでいかなきゃならぬというのは非常に気の毒だと思います。だけれども、やっぱりこれを壊さなければ、省益壊さなければ、日本の国もちません、簡単に言うと。そのことを、意気込みを、ちょっと地方創生であなたの意気込みを聞きたいんですが。
  208. 小泉進次郎

    大臣政務官小泉進次郎君) おっしゃるように、役所との関係というのは政治家誰もがもがきながら取り組んでいるところだと思います。ただ、そういった中で、やはり政治家が一つの方向性を示して、それに向けて、どうやって一緒になって向かわせていくかという役所のマネジメントというのも政治家の問われる能力の一つであると思っています。  ですので、そういったことはしっかり踏まえながら、省益ではなくて国益をと、この当たり前の常識を注ぎ込んでいかなければこの地方創生は失敗すると、そう思っていますので、寺田先生の、先輩の御指摘を踏まえて、答弁は、作ってくれた方の顔も思い浮かべながら適宜活用しながら、これからも真摯な答弁を先生にお答えしたいと思います。  ありがとうございます。
  209. 寺田典城

    ○寺田典城君 それと、政治主導で財政をいつも水膨れさせちゃうんですね。これは自民党も弱いんです、削れないんですよ。民主党は、先ほどもそうなんですが、もう足すことだけしか言わない、足したからよかったねという、こういう感じなんです。  やはり今、今の財政から見ると一千兆円も借金あって、そして、地方だってあれですよ、先ほど片山議員がおっしゃいました臨時財政対策債、四十八兆円あるんです。そのほかに、交付税特会も三十三兆円だったかな。今はもう八十兆円近くなっちゃうんですよ。  そういう社会の中で、そのことに気が付いていかなければ、やっぱり二〇二〇年まではもたないと思いますよ、私は、簡単に言うと。歳出を削減しなければ駄目だと。それは、だから生涯現役だということで考えていただきたいなと、年寄りは社会参加していただく、そういうことをひとつ述べさせていただきたいと思います。  あとは、四十分までですから、次に移ります。  小泉総理、総理じゃなくて、あれです、どうぞ、忙しかったら。この話を聞いていっても面白いと思うんですけれども、いかがですか。
  210. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 小泉大臣政務官におかれましては、ここで退席して結構でございます。
  211. 寺田典城

    ○寺田典城君 昨日、石破大臣に聞きました。地方大学を活用した雇用創出、若者定着の中で、何というんですか、地方公共団体地元産業界が協力して学生の奨学金の返還を支援するとかというような、そういう話がありました。それはそれでプレゼント型で悪いことじゃないなと思うんです。  だから、地方公共団体が大学と協定して雇用創出と若者の定着を実施すると。もう少し具体的に、総務大臣と、短く、それから文科省の吉田さんですか、よろしく答弁してください。
  212. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 先ほど来、寺田委員のいろいろな御指摘がございました。大変勉強になりました。  グローバルな人材をつくると地方が生き残れるということで、私もそのとおりだと思いますし、あと、地方にいてもやはりちゃんと質の高い教育が受けられる環境というのを私は申し上げてまいりました。ですから、このほかにも、ICTドリームスクール、ICTを使った地方での学び直しや子供たちの学習。それから、サテライトキャンパスですね、中央の大学、地方でサテライトキャンパスを設置していただく。こういったことは政治主導で、政治家の方から発信して組み立てた政策でもございます。  具体的にというと、奨学金を活用した大学生の地方定着の取組については、これは地方公共団体地方産業界が協力して学生の奨学金返還を支援するための基金を造成した場合に、基金造成に係る地方公共団体負担に対して総務省は特別交付税措置により支援します。文科省の分は文科省から答弁していただきます。  あと、地方公共団体と大学が連携した取組については、地方公共団体と大学が具体的な数値目標を掲げた協定を締結して、連携して雇用創出や若者定着の取組を実施する場合に、地方公共団体取組に対しては総務省が特別交付税措置により支援をします。残りは文科省でございます。
  213. 吉田大輔

    政府参考人(吉田大輔君) 地方大学の活性化というのは大変重要な教育政策上の課題でもございます。  文部科学省では、平成二十五年度から、地(知)の拠点整備事業ということで、地域の課題解決や地域が必要とする人材の育成に積極的に貢献しようとする大学を支援をしてまいりました。これまでは七十七件八十二校をこの地(知)の拠点整備事業として認定をしております。  平成二十七年度の予算案ではこの事業を更に発展的に見直しをいたしまして、先ほど来少し触れられておりますけれども、雇用創出や地元就職率の向上に向けまして、複数の大学が自治体や企業等とより広い地域で協働する取組、これを事業協働機関という形で捉えておりますけれども、そういった枠組みをつくっていただきます。そういった取組に対しまして、新たにその地(知)の拠点大学による地方創生推進事業というものを始めるということとしておりますし、この関係では四十四億円の予算案を計上しているところでございます。その関係で、総務省とも連携をさせていただきまして、地方公共団体地方大学等が連携をして、具体的には協定などを結んでいただきますが、雇用創出、若者定着に当たる取組ということにつきましては、総務省の方から特別交付税による措置などが行われるものというふうに承知をしております。  なお、先ほどグローバルな人材育成がローカルのというのもありましたけれども、特に秋田では国際教養大学というのがございますけれども、これはスーパーグローバル大学支援事業の一つにもなっておりまして、そういったグローバルな視点から、またローカルの人材育成にも役立つものと思っております。  また、奨学金の関係でございますけれども、これは……
  214. 寺田典城

    ○寺田典城君 短く、時間ないよ。
  215. 吉田大輔

    政府参考人(吉田大輔君) はい。  日本学生支援機構の方で地域枠をつくって総務省と連携をした形の取組を進めております。
  216. 寺田典城

    ○寺田典城君 文科省らしい答弁なんですが、要するに、普通のやり方では創生にはならないと思うし、人材も育たないんですよ。インセンティブというか、刺激どうやって与えるかということもあるし、それから、そういう人材を連れてこなきゃ駄目なんです。  国際教養大学が出るんですが、あれは外国の人方が六割だったかな、五五%が外国籍の人なんですね。そして、簡単な言い方すると、二〇〇四年に地方独立行政法人、大学法人と一緒に出発できたから、ああいう新たなのが。ところが、タコつぼの地方大学の先生方にそれをやってみなさいといったって無理なんですよ。だから、地方大学同士で教授陣、教師の交換するとか、何年に一回転勤するとか、やっぱりそのぐらいのことをしていかなければ人材は無理なんです。  だから、外国から人材を連れてくるとか、そういうこともしていかなきゃならぬし、それから、ある面では海外経験が長くてそういうことに秀でている人だとか、もうトレーディングするんだったら何するんだったら商社の人方、それで三人、五人が、そういう人間が束になれば五人、十人の雇用できるとか何するだとか、具体的にできていくんですよ。ただ行政と自治体総務省交付税を出すから頑張れなんて言ったって、行政自体だってそんなに発想あるわけじゃないので。だから、国際教養大学というのは、文部省にない大学をつくろうよという、簡単に言うとそこから出発しているんですね。  だから、そういうことで、私は自分のことを何だかんだ言うつもりないんですよ。ただ、やはりそういう異質なものを組み入れていかなければ地方にそれは人も集まらないし、人間も成長しない、人材も成長しないと、そう思います。  それを述べて私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
  217. 吉良よし子

    吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  昨日の本会議に続き、公立病院についてまず質問をいたします。  初めに、大臣に伺います。公立病院の今果たしている役割について、大臣はどのように認識されているでしょうか。
  218. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 公立病院は、民間病院の立地が非常に困難であるへき地における医療ですとか、それから救急、周産期、災害などの不採算・特殊部門に係る医療などを提供する重要な役割を担っています。例えば、公立病院は全国のへき地医療拠点病院の約六割、地域周産期母子医療センターの約四割を占めております。    〔委員長退席、理事藤川政人君着席〕
  219. 吉良よし子

    吉良よし子君 へき地、そして救急、周産期、災害、どれも本当に重要な公立病院ならではの役割だと私も思います。  ところが、本会議でも取り上げましたが、今月中に策定されるとされている新たな公立病院改革ガイドラインにおいては、現行ガイドラインの経営の効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しに加え、地域医療構想の視点が加えられるとされています。その中身というのは、地域の医療機関が協議して、医療機関ごとに病床を高度急性期機能、急性期機能、回復期機能、慢性期機能の四つの機能ごとに役割分担をし、必要数を超えた病床の機能の転換や稼働していない病床の削減などを医療機関に求めるというものです。  公立病院が担っているへき地、救急、災害、周産期等の役割、これをより重視していくというならまだしも、他の民間病院と一律に機能ごとに分類していってその必要数を算出するとなると、更なる病院や病床の削減につながるのではないか、入院患者の追い出しが進むようなことにはなりはしないのかと、私は重大な懸念を持っております。  そこで改めて伺いますが、今、地財計画において、公立病院の運営費に係る地方交付税措置の算定基礎について許可病床数から稼働病床数に変更するとされていますが、これにより運営費が減る自治体病院も出てくるということでしょうか。総務省、お願いいたします。
  220. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) 昨年から医療法上の病床機能報告制度というものができまして、これによって都道府県に稼働病床数が報告されております。今回、普通交付税の算定について、許可病床から稼働病床にその算定の基礎を見直すということにしております。我々聞いていますと、稼働病床から除かれますのは、閉鎖している病棟ですとか、実態として患者を受け入れる体制が取られていないケースがほとんどと聞いております。  公立病院の運営費への地方交付税措置については、医師、看護婦等の体制を確保する経費などに対して行うことを想定しておりまして、本来は稼働している病床に基づいて算定することが望ましいと考えておりました。ただし、これまでは客観性が高く統一的な基準に基づいて把握できる数値としては許可病床しかなかったために、これを用いてきたところでございます。  また、従来から、許可病床を実態に合わせて削減している病院と、それから未稼働病床があっても許可病床をそのまま維持しているという団体、病院とを比べますと、これは不公平ではないかという声もあったわけでございます。今回、法改正によって報告制度ができましたので、統一的な基準で稼働病床を把握することが可能となりましたので、今回こうした変更をすることにしております。
  221. 吉良よし子

    吉良よし子君 済みません、質問に答えていただいていないんですが、その理由じゃなくて、私が伺いたかったのは、これにより運営費が減る自治体病院も出てくるということではないですかと。そこの点をお答えください、簡潔に。
  222. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) この見直しによって、おっしゃるとおり措置額が減少する病院も生じてくると思いますが、これは本来あるべき措置額に移行するものと考えております。  なお、医師不足等によって一時的に稼働病床が減少する場合には、看護師給与などの経費を急には減らせないという事情もありますから、こうした措置額が急激に減少しないような緩和措置も同時に講ずることにしております。
  223. 吉良よし子

    吉良よし子君 そういう運営費が減るところも出てくるというお話でした。  受け入れる体制が取れていないとか緩和措置も行うと、許可病床と稼働病床に差があるところに緩和措置をと言いますが、先ほど受け入れる体制が取れていないというお話がありました。そもそも、許可病床と稼働病床に差があるのは、今病床を稼働させるのに必要な職員が足りないからであって、患者さんがいないからというわけではないわけですね。職員不足を放置したままで稼働病床を前提に運営費の算定に切り替えれば職員不足もやむを得ない、病床を稼働できないならもう削減だということになるのではないか、こういう懸念を持っているというわけです。  算定基礎を変更することで、総務省はこうして自治体病院の病床削減に拍車を掛けてしまってもいいとお考えだということなのでしょうか、総務省、お願いします。
  224. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) そういうふうには考えておりません。  先ほど申し上げましたように、今回の地方交付税措置変更は、患者を受け入れるために医師、看護師などの体制を確保する必要がある、そういった経費を見ようということでありますので、これは本来、稼働病床に基づいて算定することが適当であると考えていたものであって、制度変更によってその数値を捉えることが可能になったことから今回見直しを行ったものであります。  これは、地方交付税の算定というのは財政需要を適切に算定する、把握するということでありますから、公平公正に財政措置を行うということでしているものでありまして、おっしゃるように、公立病院を削減しようとか、何かそういった意図を持ってやっているものでは当然ながらありません。
  225. 吉良よし子

    吉良よし子君 公平公正にとおっしゃったり、若しくは、言っていましたけど、稼働していないから無駄というふうに私、単純に言い切っていいのかというところがやっぱり問題だと思うわけです。  阪神・淡路大震災を経験した赤穂市民病院名誉院長の邉見公雄さん、全国自治体病院協議会会長は、震災のときに活躍したのは日頃サボっているように見える病院だとおっしゃっているんです。満タンの病院は誰も受け入れられない、ストックの、合理化のため全くなくて、薬もないし、だから病院も全く活躍できないと。だから、医療というのは、そういう車のハンドルと同じで遊びみたいなものがないと駄目なんだ、そんなにきちきちでやったら災害時にはその地域は駄目になるとおっしゃっているわけです。  稼働病床を算定の基礎にするということは、病床を削減したり病院の運営を圧迫するにとどまらない、何かあったときにその地域の住民の命と健康を守るという自治体病院の最も重要な役割を果たすことができなくなることだということを私、強くここで指摘しておきたいと思うわけです。  そして、次に、公立病院の再編・ネットワーク化について伺います。  これも本会議で伺いましたが、公立病院の整備については、これまでの元利償還金の三〇%を地方交付税措置してきましたが、今度は、再編・ネットワーク化に伴うものは病院事業債を創設し、その元利償還金の四〇%を措置する、それ以外、例えば耐震化などのような通常の整備には二五%として、再編・ネットワーク化の方に手厚い措置となっています。この再編・ネットワーク化というのは現ガイドラインの視点の一つとされており、それに基づいてこの間、再編・ネットワーク化進んだとされていますが、やはり新ガイドライン策定前に、こうしたことで何が起きたか総括する必要があると思うわけです。  総務省は、これまでのこの再編・ネットワーク化の取組についてどう総括されているでしょうか。簡潔にお願いいたします。
  226. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) 平成十九年に公立病院改革ガイドラインを策定いたしまして、その後、各地域で様々な取組が行われたわけでございます。    〔理事藤川政人君退席、委員長着席〕  新しいガイドラインを作るに当たりまして、当然ながら、我々、それの成果といいますか、そういった検証といいますか、そういったものをフォローしているわけでありますが、昨年来、病院関係者ですとか有識者のヒアリングをずっと行ってまいりました。再編は経営の安定化や良質な医療の提供につながっているというようなこと、それから医師が集まる体制を構築するためにそういったものが有効であったというようなこと、あるいは再編によって救急医療や周産期医療を拡充できたというような意見がありまして、地域医療を確保するという観点からいいますと、再編・ネットワーク化は有効な手段であるという評価をいただいているものと考えております。
  227. 吉良よし子

    吉良よし子君 有効な手段だと総括されたということですが、このガイドラインの病院経営の改善、若しくは黒字化のみを追求して再編・ネットワーク化を進めるというやり方には強い批判の声もあるんです。  北海道鹿追町国保病院院長の白川拓さんという方は、今のガイドラインを、不採算地域での医療提供の困難や地域包括ケアシステムの実践を全く無視しており、二次的医療圏ごとに都心部の中核病院と郡部のサテライト診療施設への再編成、つまり医療資源の中央集権化をうたっていると指摘しております。北海道では、多くの自治体病院、とりわけ百床以下の小規模な病院は、地域住民の医療を担うとともに、療養病床を抱えて地域の保健、福祉、介護部門との連携を重視して運営しているそうですけれども、平成の大合併とそしてこの公立病院ガイドラインの影響でこの八年で十四病院が消失したと、そして、診療所に縮小化した九病院は全て過疎地にある百床未満の自治体病院であると述べていらっしゃるわけです。  ガイドラインについて、郡部ではかえって医療の縮小化、医療崩壊へ既につながっていると批判をされているわけですが、私、この白川院長の指摘、もっともだと思うんですけれども、このような指摘について、総務大臣、どのように受け止められるでしょうか。
  228. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 例えば、今おっしゃったようなケースは、複数の公立病院を中核的医療を行う基幹病院と日常的な医療を行うサテライト病院などに再編することで、医師を適切に確保して地域全体で必要な医療サービスを提供できるようにすると、こういった目的の下に行われた再編・ネットワーク化だったと思います。その中で、結果的に周辺地域となったところで適切な医療が提供されないとしたら、それはやはり命に関わることですから、これは大変重要な視点だと思います。  いずれにしましても、この公立病院改革の目的というのは地域において必要な医療提供体制を確保することにございますので、地域状況に応じて公立病院の再編・ネットワーク化が必要となる場合には適切に地方財政措置を講じるというのが私どもの仕事でございます。  しっかりとこれは地域の中で御議論もいただき、実情に応じた再編・ネットワーク化というものを進めていただきたいと思っております。
  229. 吉良よし子

    吉良よし子君 実情に応じたと、地域の医療を確保するのが大事だと大臣もおっしゃっているわけですけれども、今度の地域医療構想では、都道府県は公的な病院に対して医療機能の転換、新規開設、増床の中止、稼働していない病床の削減を命令、指示できるとしているわけです。民間医療機関に対しては要請であるのに比べても、自治体病院に対しては命令、指示と拘束力が働くわけで、さらにそれに従わなければ医療機関名の公表や各種指定の取消しなどのペナルティーを科されてしまうわけで、単なる地域取組次第ですということでは済まされない、本当に拘束力があって減らされていく可能性があるということなわけです。  改めて申し上げますけれども、大臣、やはり自治体病院の役割重要だと、先ほど来おっしゃっていらっしゃいました。これは本当に民間病院にはなかなかできない医療であるわけですから、やはりその大事な役割、しっかり発揮してもらうためにも、更なる自治体病院統廃合につながるような再編・ネットワーク化に偏ったような、まあいろんな形があるとおっしゃっていたと思うんです、偏った交付税措置というのはやはり撤回するべきじゃないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。
  230. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) その地域実情というのは、私は本来、主権者から選ばれた知事であり、また議員であり、そういった方々がきめ細やかに声を集めてしっかりと意思決定、意思の形成をしていく、そこから生まれてくるものだと思います。そしてまた、総務省の方でも、今回、新たな取組に向けて有識者や医師の方々からのお声も伺ってまいりました。  交付税措置が偏っているという御指摘ですけど、これは先ほど委員がおっしゃったとおり、平成二十七年度から、通常の公立病院の施設整備に当たっては地方債の元利償還金の二五%、再編・ネットワーク化に伴う整備に当たっては四〇%、地方交付税措置するということにしております。  ただ、この理由は、やはり再編などを行う場合には、医療機能などの分担に伴って新たに施設や医療機器を整備したり既存施設を改修するなど通常の整備を上回る増加経費があるということから、手厚い地方交付税措置を講じるということにしたわけであります。ですから、通常の整備そのものを否定するものではありません。  あくまでも、地方病院改革の目的というのは地域において必要な医療提供体制を確保することにございますから、その地域実情に応じてしっかりと、再編・ネットワーク化が必要となる場合に財政措置も講じてまいりますし、それぞれやっぱり地方の、有権者によって選ばれた首長さんたちが適切な判断をしていただくということ、物すごく重要だと思っております。
  231. 吉良よし子

    吉良よし子君 お話ありました。再編・ネットワーク化に偏っているというか、それを誘導するものではないというお話だったと思うわけですけれども、でも、やはり数字を見れば、今までは三〇%一律だったのが、措置がやっぱり二五%と四〇%と差が付けられると、そういう中で、有権者に従ってとはいっても、そういった金目を見ればやっぱり再編・ネットワーク化に偏ってしまうのではないかという懸念があるわけです。  病床数や病院が減ることでどこにしわ寄せが行くかといえば、やはり先ほど来おっしゃっている不採算部門と言われる救急や周産期なわけです。自治体病院を始め公立病院、更に減ってしまったら、妊産婦などの患者の受入れをめぐるたらい回し、再び起きてしまうのではないかとか、災害起こったときの受皿できなくなってしまうのではないかと、そういった事態になりかねないわけですから、再編・ネットワーク化と自治体病院の役割の発揮というのはやっぱり相入れないものだということを私、強く指摘したいと思うわけです。  そして、自治体病院始め公立病院が役割を発揮してもらうために今やっぱり必要なのは、病院が直面している課題の解決に正面から取り組むことが政府の仕事だとも思っています。先ほど大臣もおっしゃられました、人手不足とありましたけれども、やはり急がれるのは医師や看護師の確保、労働条件の改善だと思います。  ここで紹介したいのが、私の地元でもあります東京の状況なわけです。実は、東京というのは医師の偏在が大変著しいところになっております。お配りした資料を御覧ください。  これは人口千人当たりの医師数というのを色分けしたものなんです。まず、大まかに見ると、二十三区と多摩地域では大きな差があります。ただ、二十三区内でも、人口一千人当たり三人以上の医師数、ピンク色の部分ですけれども、となるのは中心部の区のみで、ほかの区では二人とか一人程度という区さえもあるわけです。多摩地域になりますと、更に二人以上いるのは公立病院があるところか病床数の多い病院がある市であって、それ以外は一人程度となってしまっているという状況なんです。  この背景には東京で十六あった都立の病院が八つに減らされた、とりわけ多摩地域で減らされたということもありますが、この人口千人当たり一人程度の医師数というのは、この資料に書いてありますとおり、チリや東南アジアの諸国のレベルと言われており、日本の首都でありながら医療過疎というのが起きているという状況は大変深刻だと思うわけです。  この状況を反映してか、医師足りなくて患者のたらい回し起きたり、八十数名もの医師が不足している多摩の公立病院があるとも聞いています。東京大学の上昌広教授によりますと、東京では多くの医師養成しているけれども、その養成された医師の多くは東京以外の関東圏に流出してしまっている、そういう指摘もあります。  昨日の本会議大臣からは、医療・介護総合法に基づき、都道府県が地域医療介護総合確保基金をつくる際の負担分の地方交付税措置するなどの支援を通じて、政府として医師、看護師確保への支援も行っていくという旨の答弁もありましたけれども、政府として、こうしたやっぱり医師の確保偏在性も問題です。  勤務条件の改善に向けた支援策、更なる拡充というのを検討してはいかがかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  232. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) これは昨日、本会議で答弁申し上げた内容についてはもう委員がおっしゃってくださいました。このほか、総務省において、都道府県が実施する医学部生などへの奨学金貸与事業ですとか、あと公立病院のほかの病院からの医師派遣経費などに特別交付税措置を講じております。積極的に医師確保対策に取り組んでおります。  何より大事なのは、やはり公立病院を設置している各自治体や病院事業の管理者の方々が医療現場に従事しておられる方々の声をしっかりと聞いて、公立病院として期待される機能を発揮しているかどうか、これを適切に把握した上にその公立病院改革に取り組んでいただきたい、そのように思っております。
  233. 吉良よし子

    吉良よし子君 様々措置もやられているということでしたが、更なる、総務省にかかわらず、やはり省庁間の連携も取り合って医師確保できるように是非していただきたいと思うわけです。  とりわけ今、私、自治体病院で働く職員の皆さんからもお話伺っているんですが、その場では大変な実態も伺っております。とりわけ共通して出されたのは、今経営改革ともおっしゃいましたけれども、その経営改善のために、地域医療、住民の命や健康を守るという医療者としての、とりわけ公立の自治体の病院などで働く医療者としての良心や誇り、踏みにじられているというお話です。  例えば、診療報酬の点数、一点でも上げるような医療、看護をさせられることを優先させられると、入院単価のアップ、入院日数の短縮のために、救急で来た急患の患者さんに対して、入院する前に退院後の説明してそれを了承させるとか、常に収入アップ優先しろと強いられているというお話でした。賃金の改悪、成果主義の導入等も相まって、働きがい見失って職場離れる職員が後を絶たないというお話もありました。  また、それだけではありませんで、看護師や助産師などの看護職員の労働実態は大変深刻で、労働実態アンケートを紹介しますけれども、一年前よりも仕事量が増え、しかも二十時間までの超過勤務は手当を請求せず、サービス残業となっている人たちもおられます。三交代、長時間夜勤など、夜勤形態にかかわらず夜勤を行う看護職員の約七割が有給休暇の取得が十日以下、約一割の職員は有給休暇取得がなしだと答えていらっしゃるわけです。そういう中で、健康状態について、毎日若しくはたまに非常に疲れるとの回答が七割を超え、またそのうちの七割が翌日や休日にも疲れが回復せずに残っており、そういう中で、いつも、時々仕事を辞めたいと思うと回答している職員は今八割を超えていると。主な理由として、人員不足で仕事がきつい、休みが取れない、夜勤がつらい、賃金が安いなどを挙げているわけです。  大臣、こうした看護職員の勤務実態についてどのようにお感じか。大変厳しいと思うんですけれども、厳しくなっている原因は何か、どうすれば改善されるかとお思いでしょうか。
  234. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 公立病院の場合でしたら、それはやっぱり設置している自治体ですとか病院事業の管理者の責任になると思います。やはり健康を損ねてまで、通常の労働時間をはるかに超えても手当も付けずに働かせている、異常な働かせ方をさせているという事実があったとしたら、それは大変重い責任があると思います。適切に対応されるべきだと思います。  それから、やはり看護師不足につきましては、これは今看護師の養成、それから一度子育てなどで退職された方の復帰を支援するために、総務省だけではなくて政府各府省、分担して取り組んでいるところであります。
  235. 吉良よし子

    吉良よし子君 管理者の責任等のお話もありましたけれども、やはり私、看護師不足、人手不足の方が重大な問題だと思うわけです。  こうした労働条件の改善に必要なのは業務量に見合うだけの人員確保ということで、努力もされているということでしたけれども、是非とも、そういう意味でも人件費である病院の運営費を病院が必要とする分だけちゃんと確保できるように総務省としても力を尽くしていただきたいと思うわけですし、ガイドラインについても様々批判の意見も出ているわけですから、やはり経営の視点だけじゃなくて自治体の役割、その住民のニーズ、踏まえてほしいという声もあるわけですから、やはり自治体病院、不採算部門も含め様々な役割を持っているそうした自治体病院がちゃんとその役割を発揮できるように、総務省には住民のニーズを踏まえて一つ一つ丁寧に支援をしていってほしいということを強く指摘しまして、残りの時間で地方税法改正案に関わって伺います。  車体課税改正について伺います。  昨年度の地方税法改正で決定した軽自動車税の増税のうち、二輪車の増税について本法案で一年先送りするとなりました。その理由について、ちょっと時間がありますので、簡潔にお願いいたします。
  236. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 簡潔にお願いします。
  237. 平嶋彰英

    政府参考人(平嶋彰英君) 二十六年度税制改正におきまして引上げが二十七年度からと決定されたのが一年送られたわけでございますが、これは与党税制協議会で協議いたしまして、その中で、二輪車ユーザーの負担にも配慮する観点から、消費税率一〇%への引上げ時期が延期されることになったこと、あるいは軽四輪車に新たにグリーン化特例を入れることとなったこと、こういうこととのバランスも考えた上で与党税協で結論を出されたというふうに考えております。
  238. 吉良よし子

    吉良よし子君 いろいろ理由はありました。  私、昨年のこの法改正の審議において、都市部においてバイクが低所得者の若者の生活の足となっている実態、紹介し、軽二輪車と地方生活の足である軽四輪車への増税、やめるべきだと主張をいたしました。今回、先送りを受けて、国民の声は、取りあえず負担増が遠のいたことを安堵するとともに、やはり庶民の足への増税というのはやめてほしいんだという意見が多いのも事実なわけです。  例えば、与党の税制改正大綱の報道を受けて、ツイッターでは、バイク増税について、延期も何もやめてくれとか、家は二台が対象だ、先送りは歓迎、送らないでいっそのこと廃案になどの声が上がっているわけです。バイクだけじゃありません。軽四輪車についても、来年度以降買い換えたら増税、二〇一六年度からは重課も始まりますが、これについても、通勤に原付を使用し、子供たちの送り迎えに十四年経過の軽自動車を使っているという方が、ローンが終わった後に車に乗り続けて罰金を科される、ひどい話だと、質素に生活している家庭を標的にしているとしか思えないとおっしゃっています。  これが国民の率直な思いなんです。新車のみに限定したから配慮があるとか、一年先送りしたからいいだろうというごまかしではなく、やはり私、消費税の一〇%への増税共々、この軽自動車の増税というのはきっぱりと中止するべきだと思うわけですが、大臣、中止するべきではありませんか。
  239. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 軽自動車税率引上げに際しては、今委員もおっしゃいましたが、平成二十七年度以降に取得される新車を対象とするということと、平成二十七年度税制改正においてグリーン化特例を講じるということにして、二輪車につきましては実施時期を一年延期いたしました。  ユーザー負担軽減にも配慮をしたところでありますけれども、しかしながら、やはり地方においては自動車を使用することと密接に関連する道路、橋梁などの財政需要も大きいですし、軽四輪車と小型自動車について税負担の均衡を欠くといった御指摘もあったところです。地方団体からの御要望も非常に多い。そういったことから税率を引き上げることといたしました。  委員が様々な御指摘をしてくださいます。しかし、限られた財源の中で医療もしっかりと安心な状況をつくらなきゃいけない。そして、道路、橋梁なども人の命に関わる問題です。老朽化したところが大変多くございます。そんな中で、必要な税源というものは確保していかなければならないということで御理解を賜りたいと思います。
  240. 吉良よし子

    吉良よし子君 必要な税源確保のためにとかいうお話でしたけど、そういう議論もあると思いますけど、地方自治体財源というのは、日々の生活に精いっぱいの人々の足に課税して確保するべきものじゃないと私は思うわけです。  私は、担税力のある大企業にちゃんと応分の負担を求めるとか、財政調整機能を持つ地方交付税充実させる、そういうことによって市民の生活を支える、そういう地方自治体取組を支えることこそ政府のやるべき仕事だと思うわけです。このことを私、強く申し述べまして、質問を終わらせていただきます。
  241. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 渡辺美知太郎です。  先日の委員会での質問で、国勢調査についての質問をしました。オンライン回答での回答率が高かった自治体に対して国勢調査としては初の自治体向けの表彰を考えているという答弁をいただきまして、地元で結構関心を持っていただくことができました。是非とも、オンライン回答での回答率が高くなるような取組を冒頭にお願いしたいと思います。  では、今日の質問に入ります。  まず、ちょっと順番を変えまして、平成二十八年度以降の震災復興特別交付税の扱いについて質問をいたします。  今、集中復興期間後の震災復興特別交付税の扱いについていろいろと検討がなされておりますが、この震災復興特別交付税は被災三県以外の地域にも活用されています。例えば千葉や栃木の放射線の話、それから浦安市の地盤沈下といったもの、そういったものがありますが、昨年は私も、栃木県北の放射性物質除染、表土除去についていろいろと総務省の方々にも汗をかいていただきました。  そこで、まず、昨年の二月にも質問をさせていただきましたが、求償について改めて伺いたいと思います。  昨年の二月に行われました総務委員会で、震災復興特別交付税による除染費用の求償について質問をいたしました。当時は、中間貯蔵施設と汚染特措法に基づく除染以外の求償については未定であると、そういった旨の答弁をいただきましたが、現在はどのような検討がなされているのでしょうか、総務省に伺います。
  242. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) 原発事故に伴いまして、関係府省において様々な対応が取られているところでございます。御指摘のとおり、昨年の委員会において、こうした様々な対応のうち、除染特措法に基づく除染と中間貯蔵施設の費用以外のものの求償については、政府方針はまだ決まっていないと答弁を申し上げました。  現時点においても、その状況には変化はないと聞いております。今後、政府全体として検討していかなければならない課題であります。
  243. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 まだ未定であるという御答弁ですが、これは除染に限らず出てくる話かなと思っています。被災地への、今、復興事業の地元負担議論がされていますが、仮に自治体負担となりますと、そもそも東電に責任があるという観点から、地方自治体から東電に今後損害賠償請求で訴訟が多発することも考えられると思うんですが、その点の総務省の認識としてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか、伺います。
  244. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) その点がまだ言わば決まっていないということでございまして、当然、震災復興特別交付税ですとか、そのほかに通常の、通常といいますか、普通の特別交付税でも一部その原発事故関係のものを見ているものがあります。こういった取扱いについては、政府全体として原発事故に伴う費用についてどういうふうにしていくのかという検討が必要だと考えておりまして、そういった状況の中で我々としても検討していきたいと考えております。
  245. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 確かに復興事業の話がありきだと思いますが、これまで福島県内での申立てがほとんどであった東電ADRが福島県外でも行われてきている現状、これは私はいいことだと思っていますが、そういった東電ADRの話などを考えますと、自治体による損害賠償請求も増えてくると思います。是非、そういったことも考えていただいて進めていただきたいなと思っています。  話はちょっと戻りますが、先ほどから申しております被災三県については今復興事業の地元負担議論がなされていますが、これに対して、千葉や栃木といった被災三県以外でも、いまだに問題が解決していない地元について震災復興特別交付税の対応はいかがなんでしょうか。被災三県と異なりまして、今までも全額負担という形ではなくて、あくまでも自治体がこれまで負担した部分の一部負担というところもありましたが、これ以降、そういった被災三県以外での地元負担がより増えるのか、それとも、そのまま当面の間は現状維持ということになるのでしょうか。どのような議論がされているか、総務省に伺いたいと思います。
  246. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) 総務省としましては、まず、復興の動きを更に加速して、集中復興期間である平成二十七年度までの被災地の一刻も早い復興を目指すことが重要だと考えております。  三月十日に復興推進会議が開かれまして、総理から、復興庁を中心に政府を挙げて集中復興期間の総括をするとともに、集中復興期間後の復興支援の枠組みについて検討するように指示がありました。  今おっしゃいましたが、震災復興特別交付税は国庫補助事業の裏負担などについて全額これを措置するものでありまして、これは被災三県であろうとそれ以外の県であろうと同じ扱いでございます。この今申し上げました新たな復興支援の枠組みを検討する中で、被災三県以外の地方団体も含めて地方負担の在り方をどうするのか、それから、これに対する震災復興特別交付税をどういうふうに措置していくのかということについての議論を行っていくことになると思っております。  いずれにしても、総務省としては、被災地の地方団体の声を十分聞きたいと思います。それで、被災地の復興に必要な事業については支障が生じないようにするということを基本にこの検討に参加してまいりたいと考えております。
  247. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 今答弁の中で、同じ扱いと。確かに制度上はそうなんですけど、私もいろいろと被災三県以外の比較的放射線量の高い地域について御質問したところ、この管轄は環境省である、あるいはこちらであれば総務省がやるといった、結構、県境あるいはそういったエリアによって枠組みが決まっておりまして、いろいろと議論がなされておりました。是非、今議論中ということでありますが、より使い勝手がいい震災復興特別交付税、真の被災者救済の観点から継続していただきたいなと思っております。  では、大臣が戻られたので、臨時財政対策債について伺いたいなと思います。  二十七年度は地方交付税の法定率の見直しが盛り込まれておりますが、それでも折半対象財源の不足額は三兆円に上がります。その半分が臨財債を発行することにより補填されるということになりますが、そうしますと、これまで発行した分と新規に発行する分、合わせますと、平成二十七年度の臨財債の発行額、四兆五千二百五十億円に上ります。  私は、昨年、平成二十六年度改正の際に本会議で、交付税特別会計による借入れと比較して、スプレッド、国債と地方債の金利差により、臨財債の発行による場合、利子負担がどれだけ増えるのかという質問をしたところ、発行による利子負担が四千億ほど多いといった答弁をいただきました。当時は平成二十五年度末の見込額での計算でしたが、その後、当然のように借入金残高は増えております。  今現在、平成二十六年度末現在の臨財債の全てを交付税特別会計借入金により調達した場合と比べて、利子負担額、この差額は幾らになっているのでしょうか、伺いたいと思います。
  248. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) 二十六年度末の臨時財政対策債の残高は約四十八兆円でございます。これに係る利子負担額は、二十七年度地方財政計画で見込んでおりますが、六千七百億円となっております。仮に、この四十八兆円全てを交付税特別会計借入金によって調達するとした場合の利子負担は二千四百億円と推計されます。したがって、この差は四千三百億円であるということでございます。
  249. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 特別会計だと分かりづらいということで、自治体の借入れという形でこの臨財債、できたわけですが、やっぱりこの金額を聞きますと、今現在、まちひと・しごと創生事業費財源に例えば準備金を活用して何とか三千億を捻出していると。そういった現状を鑑みると、やはり無視のできない金額であると思います。  この臨財債、高市大臣もこれまでの答弁で臨財債に頼らない財務体質の確立を重視なさっていますが、そうなりますと、これ以上に税源移譲に踏み込んでくる必要も出てくるのではないのかなと思います。  そこで、臨財債に頼らない財務体質確立の観点も含めて、税源移譲の更なる取組について伺いたいと思いますが、大臣見解はいかがでしょうか。
  250. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) もう確かに平成二十七年度末で五十兆円程度の残高ということになりますので、これは地方財政健全化の視点から課題があるということを申し上げております。この臨財債のような特例債に頼らない財務体質を確立することが重要だということもこれまでも申し上げてまいりました。  そのためにどうすればいいかなんですが、まず歳入面において、アベノミクスの成果をしっかり地方にも行き渡らせて、消費税地方消費税平成二十九年四月に引き上げるという環境をしっかりつくるということ、税負担軽減措置見直しなどによって地方税収などの増を図るということが必要だと考えています。  それから、税源移譲に対する考え方でございますが、これも、国の財政も極めて厳しい状況において国、地方を通じたプライマリーバランスの改善にはつながらないといった課題もあると承知していますけれども、国と地方役割分担に応じた税財源配分の観点からは常に念頭に置くべき課題だと認識をいたしております。  税源の偏在が小さくて税収が安定的な地方税体系の構築、それから地方税充実確保に努めてまいります。
  251. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 消費増税があるということで、税収もどこまで伸びるのかなと個人的には不安ではありますね。  税源移譲、確かにいろいろと議論があるところで、いきなり税源移譲をしろしろと言っても、それは難しいことだと私も思っております。  そこで、ちょっと大枠的な話、ビジョンといった感じになるんですが、お答えできる方がいればちょっとお聞かせいただきたいんですが、税源移譲の第一歩として、例えば地方公共団体の自らの判断と責任で必要な資金調達ができるような制度、要は自治体の徴税の自由度を上げて、地方債とのベストミックスで自治体が資金調達できるような制度に改めていくと、そういったような議論はなされておりますでしょうか。
  252. 平嶋彰英

    政府参考人(平嶋彰英君) 今御指摘の件は、課税自主権の拡大ということだろうと思います。  その点につきましては、地方自治、地方分権の観点からやはり課税自主権を拡大していくべきであるという意見と、また、地域でどうしてもやりたいことがあるけれども、それは普遍的な事業ではない、国の方で財源保障をするような事業ではないというときには超過課税ですとかそれから法定外税とかを活用して財源確保していただくという議論はかねてからございます。  ただ、我が国の税制の現状を見ますと、課税ベースに関しまして、大きな税収を得られるような課税ベースについては基本的には国税あるいは地方税の法定税の中で規定されているということもございまして、課税自主権によって財政健全化を図ることができるというのはなかなか難しいものがあるというふうに理解をしております。
  253. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 ちょっと通告になかったので、お答えいただきましてありがとうございます。  確かに、課税ベースの問題等々いろいろとあると思うんですが、じゃ、先ほど法定外の話もありました。法定外目的税の例えば新設手続について、今までもこの法定外目的税、徐々に手続が簡素化されているのは知っていますが、例えばこれを更に進めていって、今の段階では大臣に協議をして同意を得る、そして初めて法定外目的税を徴収できるといったものがありますが、こういったハードルを下げる、大臣に届出をして必要があれば意見を述べるといったような、この法定外目的税のハードルを下げるといったことは、これ、より下げるということは考えられていますでしょうか。
  254. 平嶋彰英

    政府参考人(平嶋彰英君) 御指摘のその法定外普通税、目的税、どちらも同じ手続でございますけれども、これにつきましては、平成十二年の地方分権一括法におきまして、それまで総務大臣の、自治大臣ですけれども、許可制度だったものをハードルを下げて、協議、同意という形にさせていただいたところでございます。さらに、法定外目的税についての手続を簡素化できないかということで、これも平成十六年頃でございますが、手続の簡素化等も行っております。  ただ、一方で、これは正直申しますと、国の方の課税ベースとの調整の問題があるとか、それから課税される方の側の方、そちらの側からのやはり御意見等もございまして、少なくとも、この協議、同意という枠組みを変えていく、届出に変えるというのは現時点では困難であろうというふうに考えてございます。
  255. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 じゃ、ちょっと要件が緩和されてはいるが、これ以上下げるというのは今のところ考えられていないという理解でよろしいでしょうか。
  256. 平嶋彰英

    政府参考人(平嶋彰英君) 御指摘のとおりでございます。
  257. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 ありがとうございます。  では、普通税、例えば普通税の税率について、上限を設けた上で柔軟に自治体が設定できるといった議論はなされていますか。
  258. 平嶋彰英

    政府参考人(平嶋彰英君) その議論地方分権のときからずっと行われてございます。それも徐々に拡大をいたしてまいりました。  ちょっと記憶がどこまで正しいかでございますけれども、現在、標準税率というのと一定税率というのがあって、標準税率がある税目に関しても、制限税率があるものと制限税率がないものがございます。これらにつきましては、平成十年から今日までの間に、制限税率を引き上げる、あるいは制限税率を撤廃するといったことをやってきておりまして、そういった点でも、地方団体側の課税自主権が発揮できるような環境は、徐々にではございますけれども拡大してきているという現状にございます。
  259. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 ありがとうございます。  自治体の自由な徴税システムについていろいろと意見をいただきました。是非、臨時財政対策債に頼らない財務体質の確立について今後も取り組んでいただきたいなと思っています。  次に、狩猟税について伺います。  狩猟者の減少によって、ニホンジカやイノシシなんかは本当に爆発的な増加をしております。特にニホンジカは、このペースで狩猟をしていても平成三十七年頃にはもう倍の五百万ぐらいの個体数になってしまうという話も聞いておりますし、野生鳥獣による被害額、今は二百億前後と聞いております。  今回の改正案において、有害鳥獣捕獲従事者に係る狩猟税軽減措置が講じられていて、今回の軽減については歓迎をしております。ただ、しかし、この狩猟税の前身である入猟税などの趣旨を鑑みますと、これが鳥獣の保護だったり狩猟に関する行政の実施に関する費用の補填ということを考えますと、本来の目的から現状は随分外れてきているのではないのかなと思います。  環境省からも要望が出ていると思うんですが、将来的に狩猟税は、これは廃止の方向にはなるのでしょうか。
  260. 平嶋彰英

    政府参考人(平嶋彰英君) 狩猟税につきましては、現在、委員から御指摘をいただきましたとおり、農水省と環境省におきましてニホンジカあるいはイノシシに関する数的な目標を定めたということもございまして、これを後押しして、有害鳥獣を捕獲する狩猟者の方々を確保する観点から、平成三十年度までということで取りあえず軽減措置を講じさせていただきました。  これで将来どうなるかということでございますけれども、実は、狩猟税というか、狩猟者の方の七割ぐらいはイノシシですとかニホンジカを撃つのではなくて、キジとかカモといった鳥を撃っておられるわけでございます。そういった有害鳥獣の目的のために廃止をしますと、実はその反射的に、カモ、キジを撃っておられる方が助かるということで、これはちょっと違うだろうと。とにかく、狩猟に関する権利設定の対価として登録税をいただいておりますので、そういった機能は残していくんだろうと思いますし、有害鳥獣対策の面ではその間は軽減措置を講じていくということだと考えております。
  261. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 この問題については、また委員会などでも指摘していきたいと思います。  では、わがまち特例の話をしたいなと思います。  地域自主性、自立性を高める観点から、地方団体の課税自主権、先ほどお話もさせていただきました。今回の改正案に八項目のわがまち特例の追加が盛り込まれています。地方税法で定める特例措置の課税標準等の軽減の程度を地方団体が条例で決定できるようにするこのわがまち特例制度の導入促進は、私は評価していいのかなと思ってはおります。  それで、制度設立以来、わがまち特例を導入した措置の件数やその内容について総務省はどのように評価をしているのでしょうか、伺います。
  262. 平嶋彰英

    政府参考人(平嶋彰英君) 委員から、わがまち特例について御質問いただきました。ありがとうございます。  わがまち特例は、国が一律に定めていた課税標準等の特例措置内容地方団体が自主的に判断し条例で決定できるようにして、地域実情に応じた政策展開を可能とするものでございます。地方自治、地方分権を推進する観点からは国による地方税特例措置そのものをできるだけ行わないということが原則だと思っておりますが、その上でやむを得ず特例措置が必要だという場合にも、できるだけ地方団体の自主的判断を尊重する観点から、わがまち特例の導入について検討していくということとしております。  これまで、公害防止用設備やノンフロン製品に係る課税標準の特例など、地域実情に応じた政策展開に資するようなものに順次導入を進めておりまして、特例措置の合計は、平成二十七年度税制改正分を含めて、固定資産税で十二項目、都市計画税で三項目、不動産取得税で二項目の計十七項目というふうになってございます。
  263. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 このわがまち特例、一定の特例率を基準として定めて、条例で定めていると。それで、条例で上限と下限を定めている。  それで、今、国が定めた基準によらずに独自の割合を定めている件数はどのぐらいあるのか。それから、参酌基準によるとしても、それ自体が問題ではなくて、地方団体において議論を尽くした結果であるか否かが重要だと思いますので、わがまち特例制度拡充するだけではなくて地方団体における議論の促進が今期待をされていますが、この点、地方団体自主性は今十分に発揮されているか、総務省はどのように評価をしていますか。
  264. 平嶋彰英

    政府参考人(平嶋彰英君) まず、第一点目の御質問でございます。  わがまち特例について、地方税法に定められた参酌基準によらずに独自の特例割合を定めている件数は、平成二十六年十一月時点で八特例で、延べ百八十三件となってございます。  それで、わがまち特例議論ということでございますが、わがまち特例についてはその特例割合を参酌基準によるか否かにかかわらず各地方団体の条例で定める必要がありまして、そのために、多くの団体において地方税条例の改正の際、わがまち特例に伴うものであることを明らかにして条例の改正を行っているようでございます。そういった点から、わがまち特例地方の議会における認知度は高いというふうに理解をしております。  その一方、わがまち特例対象となっている施設、先ほど幾つか御紹介いたしましたが、そういった施設が必ずしも市町村に普遍的にあるわけでもないということもございまして、独自の特例割合の件数は前述のとおりとなっております。施設がないところはもう参酌基準でやるというようなこともございます。  それで、議論状況でございますが、私どもが承知している限りにおいてそういった状況でだんだん広がってきているということでございまして、関連して、例えばわがまち特例を活用した町づくりはどう考えているのですかとか、わがまち特例ということがあるんだけれども条例の制定というのはどう考えているんだとか、そういった税に関する議論が行われている事例もそれなりに増えてきているというように理解をしております。  私どもとしては、わがまち特例拡充に伴って地方での自主的な税制の在り方についての議論が活発化していくということを期待しているところでございます。
  265. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 ありがとうございます。  では、最後に、外形標準課税の拡大について伺いたいと思います。  私は、かつて所属していたみんなの党の時代は、経済を成長軌道に乗せることによって税収増をするべきだと言ってはおりました。今回の企業の外形標準の拡大についてですが、今回の私は改正案について、税収中立との方針の下、せっかくの減税がほぼ帳消しのような形になってしまっているのではないのかなと思っています。  経済成長の観点を重視するのであれば、もう少し税源の幅を大きくしてもよかったのではないのかなと思うのですが、今後の外形標準課税見直し経済成長に与える影響、これをどう評価しているか、大臣見解を伺いたいと思います。
  266. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 今般の法人税改革に際しましては、我が国の国、地方を通じる厳しい財政状況を踏まえまして、二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化目標との整合性を確保するように恒久財源確保するということを基本としました。それで、地方団体からも、地方歳入に影響を与えるようなことがないように恒久財源確保すること、法人課税の枠組みの中で所要地方税財源確保することを求められておりました。このため、地方税において、外形標準課税の拡大によって財源確保した上で法人事業税所得割税率を引き下げるということにいたしました。  この対応によりまして、やはり成長志向型の構造改革を目指すものでありますから、広く負担を分かち合って稼ぐ力のある企業などの税負担軽減することによって、企業が収益力改善に向けた投資を積極的に行い、それが賃上げや下請企業の価格転嫁といった取組につながっていく、そういうものだと考えております。
  267. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 是非、経済成長を阻害しないようにしていただきたいなと思います。  最後に、今回の改正案で、外形標準課税の拡大によって負担増となる法人のうち、事業規模が一定以下の法人、これに二年間の軽減措置が講じられています。これから検証すると思うんですが、今後この措置が延長や拡充をする可能性があるかどうか尋ねて、私の質問は終わります。
  268. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 今回は、改革の取組に一定の期間を要するということを踏まえて、負担増について軽減する措置を時限的に講ずることにいたしました。  まずは、今回の税制改正を含めて、アベノミクスの効果を浸透させて、企業の業績が更に向上するということを期待しながら、当面はその効果を見守ってまいりたいと考えております。
  269. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 終わります。
  270. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  私まで回ってきますと大体ダブってくるんですね、いろんな質問が。そういう点では、再確認の意味を含めてお答えをいただきたいと思います。  まず、地方税法等の一部改正案について伺ってまいりますが、この本法案は、法人関係税の減税であるとか、あるいは景気判断条項を削除した二〇一七年四月からの消費税一〇%への引上げを決め打ちするなど、問題がいろいろとあると思います。  とりわけ、目前の問題としては、抜本的な地方財源拡充策が措置されずに、他方で、地方消費税増加分が不交付団体にも配分されることから、自治体間での財政力格差が拡大するという理由で、昨年から法人住民税の法人税割の税率を削減して、国税の地方法人税を新設をして、その税収全額交付税及び譲与税配付金特別会計に直接繰り入れて地方交付税化をする、こういう措置がとられている。  つまり、地方財源であるべきものを国が召し上げて本来国が負うべき財政格差の是正に使うという手法が取られているということだと思うんですが、この地方財源地方に再配分するので問題はないという理屈なんでしょうけれども、政府の責務である地方財政格差の解消を不交付団体負担で行う、こういうことはやはり何といっても問題だと、こう言わざるを得ません。そういう意味で、言ってみれば、受益と負担という税負担の原則にも反するし、地方分権の改革の流れにも逆行するのではないか、こういう声が上がっていることはもう言うまでもありません。  また、もう一方では、毎年我々も大都市からのいろんな陳情を受けるわけですが、大都市特有の財政需要への対応問題、ここらのところがそういう意味でいえば更に不十分になるのではないか、当該自治体との協議などもどうなっているのか。  この二点についてお伺いしたいと思います。
  271. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 特に地方法人税につきまして、東京都などの不交付団体から廃止の要望が出されているということも承知いたしております。しかし、不交付団体には相当程度の地方消費税の増収が生じるということを踏まえて、社会保障財源の安定的な確保地方財政健全化を図る観点から必要な措置であるということを御理解いただきたいと考えております。  税制を決定するに当たりましても、地方各団体から御意見を伺い、十分な議論を重ねてきたつもりでございます。そしてまた、いつも又市先生も心を砕いてくださっておりますやはり格差の是正、地方財源偏在性、これをどう解決していくか、こういった大事な視点にも立ったものでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
  272. 又市征治

    ○又市征治君 二年目になりますから、去年も申し上げたんですが、取れるところから取ろうとしているなどと言うつもりはありませんが、国にも財政的な余裕がないから水平的に調整しようということであると、先ほども申し上げたように、都市部の皆さんはやっぱりなかなか納得しない。そういう意味での、本当に政令指定都市などの議員の皆さん方、当局からの陳情を毎年受けている中身を聞いていると、ああ、もっともだなと思う、そういう大都市特有の財政需要というのがある。  そういう点で、ここのところを、財政局長、そこらのところはどういう格好で対応されているのか。少し、あなたの専門でしょうからお答えいただきたいと思う。
  273. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) 地方交付税の算定上、大都市に特有の財政需要につきましては、そういったものがあるということを前提に算定の方法を講じているところでありますので、そういった配慮が、配慮といいますか、そういった算定がなされていないということではないというふうに思います。もちろん、大都市の方々が言うには、それが十分かどうかということについてはそれは議論がありますので、我々も算定方法の改善についての意見は毎年聞いておりますので、一つ一つ検討した上で判断をしているという状況にあります。  ただ、総じて言いますと、大都市のように財政力が豊かなところと地方財政力が小さいところにおいては、やはり行政の水準といったものに歴然とした差があるのは事実でありますから、そういったことも同時に考えなければならないと思っております。
  274. 又市征治

    ○又市征治君 財政力だけの問題じゃなくて、やっぱり大都市特有の財政需要、これがあるということを重々御承知の上でだろうと思うけれども、是非そこらの声をしっかりと聞いていただいて対応方をお願いしたいと思います。  次に、来年度の地方財政計画の問題ですが、地方創生に必要な経費として一兆円が計上された。先ほどから何人かも指摘されていますけれども、この一兆円が地方財政の規模や一般財源総額の水準の拡大に寄与していることは事実でありますけれども、地方活性化というのは長期的な課題であるわけでありますから、どうもこれが一時的な措置になってしまうのではないかという懸念が地方からも出されているということでもあります。  すなわち、この一兆円は、一般財源総額を真水で増やすものではなくて、五千億円は従来の地域元気創造事業の三千五百億円と歳出特別枠の一部を振り替えた、また、残りの五千億円が拡充されたものということになるんですが、これも国庫からではなくて、地方公共団体金融機構公庫債権金利変動準備金の活用など地方財源のやりくり、こういう格好での捻出でしかない。  つまり、このように捻出される中身が恒久財源ではないということですね。これについて、総務省の文書では、今後、偏在是正を更に進めること等により恒久財源確保する方針と、こう述べられているわけですが、結局は、先ほどから申し上げるように、自治体の水平調整が一層進むだけであり、国の責任が放棄されているのではないか、国として創生事業の恒久財源化についてしっかり責任を果たすことが重要なのではないか、こういう指摘であります。  この点について、大臣の御決意のほどをお聞きしたいと思います。
  275. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 二十七年度につきましては、今委員から御指摘があったとおりの方法で確保いたしております。これは、地方創生というのは、国の重要政策であるとともに、やはり地方にとっても喫緊の課題であるということ、それから、国の負担によって新規の歳出財源確保しようと思いますと赤字国債を増発する必要があるんですけれども、政府として財政健全化の赤字半減目標を達成する必要があるといったことから、地方創生財政健全化の両立に取り組んだという結果でございます。  今後のことでございますが、やはり国、地方共に厳しい財政状況の中にあって地方創生財政健全化の両立を図るという観点から、平成二十八年度以降も、地方法人課税偏在是正を更に進めるということによって恒久財源確保するということにしております。  今後、関係団体の御意見も踏まえながら、しっかりと検討してまいります。
  276. 又市征治

    ○又市征治君 地方創生は国が提起しているものであって、期間を五年としている以上、国の責任で財源確保するというのは当たり前であって、地方財源をやりくりするとか地方で予算の取り合いを行わせるというのは不適切だというのはこれはもう重々御承知の上だろうけれども。  だから、金がないからとおっしゃるが、本当にそういう意味で、昨日、おとついも出ていますけれども、法人税の減税などというのは本当に必要なのかという問題が問われるし、来年度、少し所得税の幾らか変えるということがありますけれども、ずっとここを見てみると、九七年以降でも法人税なんかでも四回、今度の場合で五回、どんどん税率を下げてくる、そんな格好で財源がなくなってきている。所得税も最高税率がどんどん下げられてきているという、こういう問題もあるわけで、そこらを併せてやはり議論していかないと、今の丼の中だけでやったり取ったり、そして地方同士争わせるというのはこれはもう愚の骨頂だということも含めて申し上げておかなきゃならぬ、こんなふうに思うんです。  そこで、次に、交付税算定の成果指標の導入の問題について伺いますが、地方創生枠は、交付税算定において、地方元気創造事業費四千億円と人口減少等特別対策六千億円、こういうふうに算定されておりますが、そして、創造事業費のうち三千億円は行革努力分、指標に基づいて配分されるというようなことであります。具体的には、職員数の削減率、ラスパイレス指数、人件費削減率等々、これが用いられる、こういう話ですが、本来、地方財源である地方交付税の配分に当たって国が地方の行革努力といった恣意的な指標を用いるということは、国が自治体の施策に自分の物差しで評価をして、そのさじ加減で、ある自治体には多く、ある自治体には少ない交付税しか交付しない、こういうことになるわけであって、交付税の性格上大変問題、こう言わざるを得ません。自治体をまさに国の代官扱い、どこに一体、そこに対等なんてあるのか、こう言わざるを得ない。  そもそも、地方創生を支える人員を削減すればするほど、あるいはまた、労働意欲をそぐ賃金を削減すればするほど交付税を多くやりますよなどという、これはもう政策としても全く矛盾しているわけでありますし、誤りだと、こう言わざるを得ません。  頑張る自治体を応援をすると言えば聞こえはいいわけですが、客観性のないこういう選別主義、政策誘導的そして恣意的な交付税算定というのは自治体自主性を損なうものではないか、こう言わざるを得ません。この点についての見解をまずは伺います。  また、この創造事業費の地域経済活性化分一千億円のうち百億円程度が特交により、ローカル一万プロジェクト等の各団体の取り組む状況に応じて配分するとなっておりまして、これも国の裁量が大変大きくなっている。これもやはり自治体自主性、自立性を損なうことになるのではないか。この二点について見解をお聞きいたします。
  277. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) 二十七年度の地方財政計画歳出に、まちひと・しごと創生事業費一兆円を計上したことを踏まえまして、普通交付税の算定に当たっては、昨年度創設した地域元気創造事業費を継続することといたしました。  この算定は、人口を基本として算定いたします。その上で、各団体の行革努力などを加味しようというものでございます。これは、昨年度この費目を創設しました際に地方団体からの声として、これまで行革に一生懸命取り組んできた努力も評価してほしいという声があったということを背景にしたものでございます。また、算定に当たっては、単に職員数をどれだけ削ったかということだけではなくて、給与水準ですとか、それから人件費を除く他の経常的経費の削減の状況ですとか、それから地方債残高の状況、こういったものを指標として用いることによって行革努力を多面的に反映するという工夫もしているところでございまして、御理解を賜りたいと存じます。  それから二点目の御質問ですが、地方創生を推進するためには、地域に新たなビジネスや雇用を創出して地域経済を活性化させることが重要であると考えておりまして、総務省においてはローカル一万プロジェクトなどを力を入れて取り組んでまいりました。これについては財政措置を講じることにしております。  地方財政計画に計上しました地方創生関係の一兆円をどういう形で個々の団体の財政措置に落としていくかということについては、いろいろな考え方があり得ると思います。ローカル一万プロジェクトなどにつきましては、財政需要が生ずる団体が限られているということやプロジェクトごとの金額が大きいという事情があります。こうしたものについては普通交付税の画一的な算定方法では適切に財政需要を把握できないという理由がありますので、地方団体財政需要調査した上で特別交付税により措置することにしたところでございます。具体的な算定方法は特別交付税の省令に明記しておりまして、地域密着型企業の創業に係る支援に要する経費について七割を措置するということにしたところでございます。
  278. 又市征治

    ○又市征治君 何か苦しい答弁ですね。  各自治体の行政というのは、この中にも首長経験者の皆さん、地方議員経験者の皆さん方おいでになるんだけれども、各自治体の行政内容というのは自治体が自主的に決定をするものでしょう。それに総務省に、何か賃金をどれだけ削ったかとか人員何ぼ削ったかとかなんとかということだから交付税を余計やりますよと。こんなばかな話というのは誰が納得できるんですかね、これ。そういうやり方が問題だ、こう申し上げているわけで、少なくとも大ベテランの佐藤さんの答弁とは思えない、大変苦しい、訳の分からぬ答弁だなと。毎年、いわゆるこの総務委員会の声をちゃんとやっぱり聞いてもらいたい、このことを申し上げておきたいと思います。  大きな三つ目、法定率の見直しの問題について伺っておきます。  今回、交付税原資の安定性の向上、充実を図るため地方交付税の法定率を見直した点は、これはもう我が党も含めて地方六団体がずっと長年言い続けてきたし、またこの総務委員会でもずっと言われ続けてきたし、総務省の悲願でもあったということ、これが一歩前へ出たということは率直にこれは私は評価をしたいと思います。しかし、その内容を精査をすれば、若干やっぱり問題点も指摘をしておかなきゃならぬと思うんです。  一面では、今回、従来のような減収補填ではなくて安定性を目的として法定率が引き上げられたことは結構なんですが、先ほど来触れてまいりましたように、二〇一四年度に新たに交付税原資として創設された地方法人税は、法定率分地方消費税化と地方法人課税交付税原資化による税源交換を前提としたものであって、交付税の原資としての法人税拡大を意図するものと言わざるを得ないわけです。その点では、今回の安定化を目指す法定率引上げとは矛盾しているんではないかと思うんです。二つの方向性で異なる政策が持ち出されているわけですが、その点どのような考えなのか、まずこれは一点お聞きをしておかないかぬと思います。  また、今回、安定性の向上という観点から法定率の引上げが行われたということですけれども、交付税の原資という視点からは、増大する行政需要に応える意味で伸長性も重視されるべきだと、こう思います。所得税の大きな伸びがなかなか期待できない現状では、安定性のみを求めていくと、中長期的に考えると交付税の原資絶対額の減少が生じるということが予想されます。交付税原資の在り方については慎重に検討すべきとの意見も述べられてきているところですけれども、これについてはどうお考えか。  そして三点目に、法定率の引上げによる純増分は約九百億円ということであります。大変小さい。これでは税収見通しの僅かな変化で吹き飛んでしまいそうな金額ということになります。二〇一五年度も、先ほど来出ていますが、七兆八千二百億円もの巨額の財源不足に変化がないわけでありまして、抜本的な交付税率の見直しが求められておりますけれども、この点についても、今後の対処方について伺っておきたいと思います。
  279. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) まず、第一点のお尋ねでございます。  二十六年度の税制改正において導入いたしました法人住民税法人税割の一部を国税にして交付税原資とするという改正でございますが、これは、あくまで税源の偏在性を是正する方策として講じたものでございます。かつ、これは与党ではありますが、税制改正大綱によれば、消費税一〇%段階においては更に一段進めるということになっております。  この結果、そうしたことを進めていきますと、交付税原資の中で景気変動に左右されやすい法人関係税のシェアが拡大するだろうということになりますので、そのことを踏まえて、もう少し交付税原資を安定させる必要があるというふうに考えたわけでございまして、今回、所得税の法定率の引上げに合わせて法人税の法定率を引き下げたのはそういう理由に基づくものでございまして、これは法人住民税の交付税原資化を前提として行ったというものでありますから、両者が矛盾したものではないと我々考えているところでございます。  それから二点目ですが、地方交付税の原資については、理想的には複数の税目を組み合わせて収入の伸長性と安定性を確保するということが大事だということはおっしゃるとおりでございます。  今回、法定率を見直しましたのは、繰り返しになりますけれども、伸長性には富むけれども景気変動に左右されやすい法人関係税のシェアが大きくなってきているということから、これを引き下げて、所得税については伸長性と安定性を兼ね備えていると言われておりますので、このシェアを引き上げることによって交付税原資全体の伸長性と安定性のバランスを取ろうとしたものでございます。  それから、酒税たばこ税については、現状たばこ税地方税財源がより大きく依存しておりますので、この酒とたばこにバランスよく配分して安定性を高めたいと考えたところでございます。  現在、地方財政において大きな財源不足が継続して生じております。この交付税原資の充実を図ることで交付税原資の安定性の向上と充実が同時に図られるものと考えておりますので、今後とも、継続的にこのバランスに配慮しながら交付税原資の在り方については検討してまいりたいと考えております。  それから、三点目の御質問ですが……(発言する者あり)以上です。
  280. 二之湯智

    ○副大臣二之湯智君) 地方財政の健全な運営のためには、又市先生の持論のように、本来的には、臨時財政対策債のような特例債による対応ではなくて、法定率の引上げにより地方交付税を安定的に確保するということが望ましいと考えております。  しかし、御指摘のように、平成二十七年度の地方財政においては、今回の法定率の見直しを実施してもなお巨額の財源不足が生じており、国、地方の折半で補填しているのが現在の状況であります。  国、地方とも巨額の債務残高や財源不足を抱えていることから、その実現は容易なものではないと考えておりますけれども、今後とも、法定率の見直し等による交付税総額の安定的確保について政府部内で十分に議論してまいりたいと考えております。
  281. 又市征治

    ○又市征治君 是非頑張っていただきたいと思います。二之湯さんはみんなで挙げて応援をするようですから、是非頑張ってください。  次に、合併算定替え終了対策と平成の大合併の総括の問題について伺っておきたいと思うんです。  政府自治体の行財政基盤の確立、効率化のためにと推進をした平成の大合併、この総括、大事だと思うんです。合併を推進するために、行財政の効率化、こういうことを唱える一方で、合併前の旧市町村ごとに算定した普通交付税の合算額を下回らない特例、合併算定替えを設けました。これは合併したからといって直ちにその財政の効率化が実現しないという当然の判断からだろうと思うんですけれども、しかし同時に、これは合併すれば財政的に余裕が、ゆとりが生まれるというような幻想を振りまいたということもありました。  しかし、実際には、特例のある合併年度とその後の十年、さらにはその後の五年経過しても合併しても減額できない経費の存在、さらには、合併に伴う新たな経費等が市町村の財政圧迫要因となって、合併自治体から特例期間の延長であるとか合併算定替え終了後の財政支援措置がどんどん求められてきて、この委員会でも随分と議論をいたしました。この要求は当然のことだろうと思います。  これを受けて総務省は、合併時点では想定できなかった新たな財政需要が生じているとして、それらを二〇一四年度以降、五年程度で地方交付税の算定に反映させることにしたわけですね。これが実現されるならば、将来的に九千五百億円の減収になるところを六千七百億円程度の底上げを行うことになると、こういうふうに言われてきました。新たな需要は当然充足されるべきでありますし、交付税減少が予想される市町村では一筋の光明、こういうふうに言えるんだろうと大変喜ばれたことでもありました。  しかし、合併に対応した新たな交付税の算定の必要性は、市町村合併の一つのメリットとして盛んに宣伝されていた行財政の効率化が一つの虚構だったこともまた一面では証明をしたということではないかと、こう思うんです。  総務省は、この間のところを大まかに言ってどういうふうに総括されているのか、この点も伺っておきたいと思います。
  282. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 二之湯大臣に対すると同じように私にも優しくしていただけると大変うれしく存じます。  平成の合併については、市町村の平均人口や面積が約一・九倍となり、議員数が約五一%の減、職員数が約一九%の減となるというようなことで、一定の行財政基盤の強化は図られたと思います。  他方で、やはり面積が大きくなることによって生じる新たな財政需要もございます。第三十次地方制度調査会答申では、市町村合併による行政区域の広域化を踏まえた財政措置を講じる必要があるとされたので、今回の交付税措置は、平成の合併により面積が拡大するなど市町村の姿が大きく変化したことを踏まえて、合併後の市町村の財政需要を的確に把握し、今もう委員がおっしゃったとおりですが、二十六年以降、五年程度の期間を掛けて普通交付税の算定に反映することといたしました。  特に、二十七年度、消防費それから清掃費、また離島などへの対応、こういったところにしっかりと影響額を見て措置をしてまいります。
  283. 又市征治

    ○又市征治君 私も平成の合併全体そのものを否定するつもりはないんですが、しかし、多くのところで実際上は、合併をしました、その市の中心部は確かにちょっとにぎやかになった、だけれども、合併したその周辺部は随分と落ち込んだ。大変な状況にあって、みんな首長さん方苦悩なさっている、こういう状況があります。  そうしたものをやはりしっかりと総括をして今後の施策に生かしていただく、その努力というものを是非、大臣にもお願いしますし、そこは応援をしてまいりますから、是非よろしくお願いしておきたいと思います。  最後に、二〇一五年度は地方創生もあり、過去最高の一般財源確保されたわけですが、しかし二〇一四年度地方財政計画の水準を下回らないように実質的に同水準を確保する、こういう中期財政計画は二〇一五年度までということになっていますね。国、地方財政健全化計画を夏までに作成するという方針ということのようですけれども、二〇一六年度以降の地方財源確保に向けた大臣の決意のほどを、そしてまた、その見通しのほどを伺っておきたいと思います。
  284. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 今委員が御指摘になりました夏までの具体的な計画ですが、まだ、どのような項目をどのように盛り込むかというのは今後の検討課題というところであります。  ただ、地方財政はもう今巨額の財源不足を抱えておりますし、借入金の残高が二百兆円程度で高止まりしているということですから、もう地方財政健全化に向けて歳入歳出両面における最大限の努力をしていくということに尽きます。  歳入面においては、やはり地方税収が増えるようにしっかりとアベノミクスの成果を上げていくということ。それから、歳出面については、国の取組と歩調を合わせて、めり張りを付けて重点化、効率化を図っていくということ。そして、大切なのは、やはり地方団体自主性、主体性を最大限発揮して地方創生に取り組めるように安定的に財政運営を行える、地方が自由に使える一般財源総額確保していくと。そのために精いっぱい知恵も絞り、行動もしてまいります。
  285. 又市征治

    ○又市征治君 いずれにいたしましても、大臣におかれては、押し付けの地方創生ではなくて、自治体自主性、自立性を維持して市民生活のとりでとなるような自治体づくり、そういう意味での地方財源確保、簡単に言えば、本当の意味で地方創生というのは、私は、地方分権がもう一歩進んでいく、権限もそしてまた財源もしっかりと確保されるということが長い目で見ると地方創生なんだろう、こういうことだと思うので、そういう立場で御努力いただくことをお願いして、私の今日の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  286. 主濱了

    ○主濱了君 早速質問に入りたいと思います。  まず、地方財源充実というところから質問をさせていただきます。この中でも、第一番に現在の地方経済をどう見ているか、こういう問題であります。  私もそうですが、委員の皆さんもそうだと思いますが、非常に地方を歩く機会が多い、地方の中の中小零細企業あるいは商工団体の方々と話をすることも非常に多いわけであります。その中で、時代が変わった、商売はもう自分の代で終わりだ、子供には後を継がせられないとひっそりと店を閉じている例もあります。これは倒産とか破産ではなくて、余裕のあるうちに自ら店を畳むと、こういったようなものをこの十年間結構見てまいりました。  一方、本年一月から三月期の法人企業景気予測調査では、大企業はプラス一・九、しかし中小企業は逆に一四・八のマイナスと、こういう状況になっております。また、この三月二十三日にまとめられた月例経済報告、企業部門に改善がみられるなど緩やかな回復基調が続いていると、こういうふうなことで発表をされております。  三月十九日、これはデパートの売上げですけれども、デパートの売上げは消費税率引上げ後初めて増加をした、対前年で一・一%であった。これ、片山委員、西村副大臣のやり取りにもあったとおりであります。さらには、三月二十五日、昨日ですね、外食チェーンの売上げ、三か月ぶりにプラスになった、こういうふうに非常にいい面もあるわけですが、一方、スーパー、このスーパーについては三月二十三日、コンビニ、三月二十日、これらの業種では十一か月連続マイナスであると、こういうことであります。  景気回復が続いているということなようですけれども、私は景気回復にはまだまだ不安が残ると、こういうふうに思っているところでございます。  このような中で、平成二十七年度の地財計画では、地方税が三十七兆円余り、七・一%増と計画をしているわけであります。参考までに申し上げますと、地財計画全体では二・三%しか増加していない。それから、地方税を含む一般財源としても二%しか増加していない。この地方税増加が突出しているわけであります。  ここのところで、総務省として、現在の地方経済をどう見ているのか。この七・一%、もし分かれば、七・一%の地方税増加の主な理由、原因というのは何なんでしょうか、この点についてまず伺いたいと思います。
  287. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 委員おっしゃるとおり、私の体感でも、それは地方によっては相当厳しい、それから企業の規模や業種によっては相当厳しい状況が続いていると考えております。    〔委員長退席、理事藤川政人君着席〕  ただ、内閣府の月例経済報告、二十七年三月二十三日公表のもので全国を見ますと、二年間のアベノミクスにより景気は緩やかな回復基調が続いていると。それから、地域経済につきましても、これは内閣府の地域経済動向、平成二十七年二月二十七日公表ですが、一部に弱さが見られるものの大半の地域で緩やかな回復基調が続いているものと、そういう認識になっております。  地方の中小企業の中にも、相当力強い取組をし、収益を上げている、こういうところもあるわけでございます。海外への進出などでも相当積極的な取組をして成功しておられるところもございます。さらには、地方消費税収が消費税率八%への引上げの影響が平年度化するということなどを踏まえて、今回、平成二十七年度の地方税収入見込額は、地方税全体として前年度地方財政計画額を二・五兆円上回る三十七・六兆円と見込んだところであります。  今後、更にアベノミクスが浸透することによって、ここで計上した地方税収をしっかり確保できると期待をしております。
  288. 主濱了

    ○主濱了君 消費税率引上げ、これが平年度化するというのが主な要因と、こう言って差し支えないかなと思うんですけれども、それだけでは、経済全体がやはり良くならないと私はいけないというふうに思っております。  地方財源充実ということで二つ目なんですが、地方交付税法定税率変更は画期的である、そして地方交付税財源の安定的確保のための改正であるというふうに思っております。又市委員が質問したとおりであります。  確認の意味でお尋ねしますけれども、所得税のところが三二%から三三・一%にアップしております。それから、法人税のところが三四%から三三・一%に今度はダウンしております。これ、どうしてここのところがこういうふうに見直されたのか、改めて御説明をいただきたいと思います。
  289. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 法人住民税法人税割の一部を交付税原資化したことによって交付税原資の中で景気変動に左右されやすい法人関係税のシェアが拡大しているということを踏まえて、交付税原資の安定性を向上するという観点から、法人関係税のシェアを引き下げて所得税のシェアを引き上げる。それから、交付税原資の充実につながるように法定率を設定するということを踏まえて、両税の法定率を三三・一%といたしました。この見直しによりまして、交付税原資の安定性の向上と充実が図られると考えております。  先ほどちょっと消費税の平年度化ということを申し上げましたけれども、それだけではなくて、やはり私ども、地方法人二税が企業収益の増によって増えていく、個人住民税が給与所得の増によって増えていく、前年度の計画額、それぞれ上回ると見込んでの設定でございます。
  290. 主濱了

    ○主濱了君 地方税財源充実の三つ目であります。国と地方の税財源配分についてであります。  国、地方財政、最終支出ベースの国、地方の比率とそれから租税収段階の国、地方の比率が逆転をしていると、これ昔から言われているんですよね。四二対五八、五八対四二と、これすっかり逆転しているわけであります。この点につきましては、国と地方役割分担見直しと併せてかなり前から指摘をされて見直しが提言をされていると、こういうことでございます。  端的にお伺いしますけれども、国と地方の抜本的な税財源配分に関する検討が進んでいるのかどうかと、こういうことであります。地方の再生であるとか地方の自立であるとか、こういったような観点から地方分権改革は不可欠であろうというふうに思っております。これを実現するための両輪、一つは国と地方役割分担の明確化、これは後で質問をさせていただきます。もう一つが国、地方の税財源配分の見直しと、こういうふうに思っておりまして、この観点からどうなっているのか伺いたいと思います。
  291. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 国と地方の事務配分が四対六であるのに対しまして、税源配分が平成二十七年度予算ベースで六対四ということであります。この国と地方の税源配分については、もうかねてから国と地方役割分担に応じた税源配分が望ましいとされてまいりました。国と地方の税源配分を五対五とすることを一つの目標として、これに基づいて平成十九年度には所得税から個人住民税への三兆円の税源移譲を行いました。  一方で、国と地方の税源配分については、国と地方財政健全化目標、それから地方団体間の財政力格差などにも配慮する必要がある、こういった議論もございます。それで、個人住民税への税源移譲後におきましては、社会保障財源に応じて消費税引上げ分を国、地方に配分、税源の偏在性を是正するための法人住民税法人税割税率引下げを財源にして交付税原資として地方法人税を創設する、こういった税の内容に応じた措置も講じてまいりました。  まずは、やっぱりアベノミクスを確かなものとして、平成二十九年四月の消費税地方消費税引上げを行うということが必要だと思います。その上で、今後とも税源の偏在性が小さくて税収が安定的な地方税体系の構築に留意しながら、各地方団体の仕事量にできる限り見合った税源配分となるように、地方税充実確保に努めてまいりたいと思っております。
  292. 主濱了

    ○主濱了君 では、第二問目に移りたいと思うんですが、法人事業税外形標準課税についてお伺いをいたします。    〔理事藤川政人君退席、委員長着席〕  外形標準課税に関する改正の趣旨ということで伺いたいんですが、資本金が一億円超の普通法人の法人事業税の四分の一に導入されている外形標準課税、これを二年間で二分の一に拡大をしようと、最終的には二十八年四月以降、付加価値割が〇・九六、それから資本割が〇・四、それから所得割が四・八と、こういうふうなことで今回提案されているわけですが、その理由は何でしょうか。
  293. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) やはり、今回の法人税改革というのは法人課税を成長志向型の構造に変えていくというものでありますから、地方税においては、税収の安定性の確保や応益課税の強化などの観点から、かねてより地方団体より御要望いただいておりました外形標準課税の拡大によって財源確保した上で法人事業税所得割税率を引き下げるということにいたしました。  この改革に当たりましては、経済団体などから個々の法人の負担の変動も考慮して段階的な拡大を求めるというお声があったことなども踏まえまして、外形標準課税の拡大と所得割税率の引下げを二年間で段階的に行うということにいたしました。
  294. 主濱了

    ○主濱了君 昨年十二月、外形標準課税について検討されている中で、結局、平成二十七年度は中小企業へ適用しないと、こういうことで対象企業を一億円超のままとすることになったわけですけれども、その経緯、理由、これはどんなものだったんでしょうか。
  295. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 今回の法人税改革は、地域経済を支える中小法人への影響に配慮するということ、そして国際競争を行う大法人を中心に改革を行うということになりました。  でも、これは国会審議を通じても本当に多くの議員の先生方から中小法人への配慮というお声はいただきましたし、様々な団体からもそのようなお声をいただきました。ですから、法人事業税外形標準課税が既に導入されている資本金一億円を超える大法人についてその拡大を行うということに決めたところであります。
  296. 主濱了

    ○主濱了君 大臣、今、今回はと、こういうふうなことで限定をして答弁いただいたというふうに思っております。  中小零細企業への標準課税適用については慎重にと、こういう観点から質問をしたいと思います。  中小企業、特に地方を支えている中小零細の企業は、先ほど申し上げましたように厳しい環境に置かれております。法人事業税対象法人のうち資本金一億円以下の欠損法人、これは七〇%、全体の七〇%を占めていると、こういう統計を私、いただきました。あと、それから商工会連合会など商工団体からも、中小企業の約七割が赤字であると、こういったようなこと、それから賃金の引上げ地域雇用に悪影響が出ると、こういったような理由から中小企業に広げないでほしいと、こういったような要請がなされているところであります。  参考までにですけれども、課税対象企業、一億円超の課税対象企業二万四千社のうち一万一千社、大企業であっても一万一千社は欠損企業であります。さらに、この外形標準課税の拡大によりまして課税対象企業の九〇%が増税になる、このことによって増税になってしまうと、こういうことなわけであります。  いろいろ今申し上げましたけれども、様々な理由から、将来においても中小零細企業への外形標準課税の適用については慎重の上にも慎重に検討すべき、こういうふうに思うわけですが、いかがでしょうか。大臣、お願いします。
  297. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 中小法人に係る外形標準課税については様々な御意見があると承知をいたしております。資本金にかかわらず相当もうけているところもあるし、かなり厳しい、大きな企業だと思っていても相当厳しいところもあると考えます。  今回、国際競争を行う大法人を中心に改革を行うということにいたしておりますけれども、中小法人課税については、与党税制改正大綱において、中小法人の実態を丁寧に検証しつつ、資本金一億円以下を中小法人として一律に扱うことの妥当性について検討を行うとされたところであります。  その上で、外形標準課税の適用対象法人の在り方については、地域経済、企業経営への影響も踏まえながら引き続き慎重に検討を行うとされたところでありますので、今の段階で、じゃ、次はどうなるんだということを私がここで断言することはできませんが、今申し上げましたような方向に沿って検討していくことになると思います。
  298. 主濱了

    ○主濱了君 利益が出ない中での課税、地方の中小企業はもう耐えられなくなってしまいます。このようなことのないように、地方の企業にも目配りをした地方税制をお願いをいたしたいというふうに思います。  次は、消費税率の再引上げ景気条項の撤廃、こういう問題について伺いたいと思います。  まず、最近の日本の経済をどう見ているか、先ほどもちょっと触れましたけれども。私は、主な指標を拾ってみたんですが、GDP、これマイナス、名目なんですけれども、GDPの名目、これは、消費税率が五%に引き上げられたのが平成九年なんですよね、この平成九年をピークにして、このGDPの名目は減少しております。平成二十六年は持ち直しているけれども、平成九年時点で五百二十三兆円、それが今は四百八十八兆円と、三十五兆円も下回っている、こういう状況です。  可処分所得、この可処分所得も平成九年をピークにしてずっと低迷をしております。平成九年は四十九万七千円、平成二十六年は四十二万三千円と七万三千円も下回っていると、こういうこと。  実質賃金指数、平成二十二年を一〇〇とした実質賃金指数、これも平成九年、消費税が五%に上げられた年をピークにして下降しておりまして、平成二十六年、これは九六・四と一三・一ポイントも下回っている。消費支出も同様であります。これは消費支出は詳しくはあれしませんが、三万八千円余り下回っている状況にあると、こういうことです。  主要指数を見る限り、私は日本経済はまだまだ良いとは言えない、少なくても景気回復と言うにはまだまだ不安が残る、こういうふうに思っておりますが、最近の日本経済をどう見ているのか、特に地方経済をどう見ているのか、これは財務省の方に伺いたいと思います。
  299. 竹谷とし子

    大臣政務官竹谷とし子君) お答え申し上げます。  まずは、最近の日本経済についてという御質問でございますが、三本の矢の一体的な取組もあり、有効求人倍率は、二十七年一月、一・一四倍と二十二年ぶりの高水準になっております。また、企業の経常利益、昨年十月から十二月期でございますけれども、約十八兆円と過去最高水準となっております。また、賃金につきましても、本年の春闘、連合の一次集計の結果でございますが、大企業は二・四三%と、過去最大となった昨年を更に上回る水準となっています。日本経済については、緩やかな回復基調が続いているという認識を持っております。  また、委員お尋ねの、特に地方経済をどう見ているかというお尋ねでございますけれども、現政権の発足以降、有効求人倍率が全ての地域で上昇し、一人当たりの賃金が都市部以外の地域でも前年比プラスとなってきております。雇用、所得面で改善が見られているという認識を持っております。また、足下では、街角の景況感、内閣府の景気ウオッチャー調査からの景況感でございますけれども、これも全ての地域で改善をしてきているところでございます。  他方で、消費税率引上げ後の消費の回復が大都市圏で先行するなど、地域間においてばらつきが見られているということは事実であると思います。そこで、個人消費のてこ入れ、地方経済の底上げを図るために、昨年十二月に策定をいたしました地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を、さきに成立させていただきました補正予算を使いまして、迅速かつ着実に実行していくところでございます。
  300. 主濱了

    ○主濱了君 この点については様々な見解があると思います。主要指数を見る限りは、少なくてもまだまだ景気回復には程遠いと私は見ざるを得ないと思っております。  このような中で、景気条項を撤廃し、平成二十九年四月の消費税の再引上げを今判断するのは時期尚早ではないか、こういうふうに思っております。消費税率を再引上げするか否かについては、その時点での景気状況を見て、附則を適用するかどうか、これを適用するのか不適用にするのか、それを決めればよろしいわけですから、削除をする必要性は全くないと私は考えるわけであります。期限を定めて景気条項を削除しますと、これは無条件で消費税の再引上げが行われることを意味するのではないかと非常に危惧をしております。  経済は流動的であります。一〇%への引上げを今判断するのは時期尚早、こういうふうに思うわけですが、これを強行する理由、これを改めて問いたいと思います。
  301. 竹谷とし子

    大臣政務官竹谷とし子君) お答え申し上げます。  平成二十九年四月の消費税率一〇%への引上げにつきましては、我が国の世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するために、景気判断条項を付すことなく確実に実施することとしております。  一〇%への引上げを確実に実施することのできる経済環境をつくり出すという決意を持って、三本の矢の政策を更に前に進め、経済再生財政健全化の両立を目指してまいりたいと思っております。
  302. 主濱了

    ○主濱了君 ここは本当に見解の相違があります。  私は、こう思うんですよ。まず名目GDPを平成九年の時点まで戻してよ、そして可処分所得、これは平成九年がピークなんですから、そこも可処分所得も平成九年の時点まで戻してよ、さらには実質賃金指数、これも平成九年まで戻してよ。こういうふうな、まあ消費支出も同じですね、平成九年まで戻す、そこがスタートではないだろうか。それを戻さない限りは、私はやはりいかなる御答弁であろうともまだ納得できない。やはり平成九年のベースまで戻した上でその先を議論するべきではないだろうかと、このように思っております。ここは見解の相違ということで、次の質問に移らせていただきます。  次は、地方分権改革の推進と、こういうことで、先ほど、国と地方財源配分についての両輪のうちのもう片方であります。  地方分権改革につきましては、これまで、地方に対する規制緩和や都道府県から基礎自治体への事務権限の移譲に関しまして、第一次から第四次まで一括法で進められてきております。今国会でも、地方の提案を踏まえまして、国から地方へのそれぞれ事務とか権限の移譲などを進める第五次一括法案提出されると、こういうことでございます。  地方分権改革を実現するためには、根本的に国と地方の役割、これを明確にする必要があるというふうに思います。この一次から五次まで様々なことではなくて、まずは国はここをやるんだ、そして地方はこういうことをやるんだ、これをまず基本法にしたためまして、基本法を作って、それに従って整理をしていく必要があると私は思っております。この件についてはかなり前から、そして、しかも長年にわたって言われてきていることなんですよね。  この根本的な国と地方役割分担検討、これが現在議論されているのかどうか、そこの点をまず伺いたいと思います。
  303. 小泉進次郎

    大臣政務官小泉進次郎君) 国と地方役割分担について御質問をいただきましたが、平成十一年の地方分権一括法において地方自治法の改正が行われて、国と地方の役割については明確化が図られたところです。  具体的には、国がやるべきこととして、外交や防衛など国際社会における国家としての存立に関わる事務、生活保護基準や司法秩序など全国的に統一して定めることが望ましい国民の活動に関する事務、そして公的年金やエネルギー政策など全国的な規模、全国的な視点に立って行わなければならない事務、こういったことを、国家の本来的任務を重点的に行うべきだと。そして、地方は、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体が担うことだとされております。  今委員が言及をされた、今回の国会でも提出をさせていただいている地方分権改革第五次一括法でありますけれども、提案募集方式ということで、地方の方から具体的に提案に基づいてそれを実現に向けて動いていくと。まさに、地方公共団体が住民に身近なところをやっていくという、そういったことに資すると思っておりますので、これは、平成二十七年もこの分権改革においては提案募集を実施すると、そういったことで考えております。  これからも、国と地方役割分担をしっかりと踏まえて地方分権改革を推進していきたいと考えております。
  304. 主濱了

    ○主濱了君 地方自治法の改正によってある程度整理をされていると、こういうふうな御発言でありましたけれども、であれば、もうちょっと、実際に地方がやっていること、国がやっていること、これ同じことをやはり国と地方はやっているんですよ。きちっとそこのところを分けた上で、地方に任せるべきは任せる、先ほどお願いした財源についてもしっかり地方には渡すと、こういうことが私は地方分権改革にとって非常に大事なことだというふうに思っております。この点につきましては、更に議論をさせていただきたいと思います。  以上で終わります。
  305. 横山信一

    ○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  順番を入れ替えていただきまして、ありがとうございます。  質問の順番をちょっと入れ替えまして、車体課税見直しから入らせていただきたいというふうに思いますが、今回の税制改正におきまして、低燃費車の税負担軽減する、自動車取得税におけるエコカー減税の延長及び拡充が行われます。現行平成二十七年度燃費基準を基準とした車の一部を引き続き減税対象とすることになりました。  そこで、平成三十二年度燃費基準のみを基準とした場合と比較して、これは何台程度の車に減税の効果が及ぶというふうに見込んでいるのか、まずお伺いいたします。
  306. 二之湯智

    ○副大臣二之湯智君) 自動車取得税のエコカー減税の見直しにつきましては、燃費基準の移行を円滑に進めるとともに、足下の自動車の消費を喚起することにも配慮いたしまして、一つは、対象車の基準を原則として平成三十二年度燃費基準へ置き換えるとともに、もう一つは、当該燃費基準未達成の現行エコカー減税対象車の一部を引き続き減税対象とすることといたしたわけでございます。これは二年間延長するものであります。これらは、新たに設ける軽自動車税のグリーン化特例とも併せて、地方経済における足下の自動車消費の喚起にも配意をしたものであります。  このエコカー減税の見直しにより、平成二十七年においては乗用車に係る新車販売台数の約九割がエコカー減税の対象となると見込んでいるところであります。  なお、今回のエコカー減税の見直しは、より環境性能の優れた自動車の普及促進を図る税制上の仕組みとして必要であるとともに、我が国の産業政策としてより環境性能の優れた自動車を各国へ普及していくための技術開発を促進していくという理由からも必要なものと考えております。
  307. 横山信一

    ○横山信一君 ありがとうございます。  平成二十六年度の税制改正におきまして、軽自動車税税率引上げにつきましては、軽四輪車等の税率引上げ対象は新車だけなのに、原動機付自転車あるいは軽二輪車は既存車も引上げ対象とされました。それで不公平感があったわけでありますが、原動機付自転車そして軽二輪車の新車と既存車を区別することは技術的では不可能ではないというふうに聞いておりますが、実際には区別をするにはコストが大変に掛かるということで採用されなかったというふうにも聞いております。この点について説明をお願いしたいというふうに思います。
  308. 平嶋彰英

    政府参考人(平嶋彰英君) 今委員から御指摘がありましたとおり、二輪車につきましては、既存車両を含め一斉に税率を改定するということになっております。これは、その大宗を占める原動機付自転車を中心にいたしまして、かねてから徴税コストとの関係で税率を引き上げてくれという御要望を地方団体からいただいていたということもございまして、そういうふうにしているということでございまして、そういった意味で、新車からにしなかった理由は、課税技術上の制約というのが理由というよりは、むしろ徴税コスト等の対応という面があるということはまず申し上げさせていただいた上で、その上で、先ほど御指摘がありました新車と既存車を区別して税率を設定するという技術的な検討でございますが、課税実務上軽自動車税の申告において、ある時点以降の新車かどうかについて正確性を担保するということが必要になります。  これについては、御案内のとおり、自動車におきましては国の登録制度というのがございましてできておりますが、その申し上げました原付等については、それはございません。もちろん、国において統一的な登録検査制度を導入するか、あるいは市町村が連携して全国統一で車体管理を行うシステムを導入するということが時間的コストから見て可能であればできますけれども、与党税制協議会に御報告したとおり、それはなかなか厳しいということでございます。  こうした点から、二輪車について新車からの新税率適用ということを行うのは困難だということで実務的に現実的でないという判断をしておりまして、この点については業界団体も御理解されているというふうに考えております。こうした状況から、全体といたしまして新車からということは行わないことになったということでございます。
  309. 横山信一

    ○横山信一君 はい、分かりました。  もう少し詳しく聞いていきたいんですが、自動車の保有課税の軽課、重課、これは平成二十六年度、そして平成二十七年度の税制改正軽自動車税にも導入をされていきます。  先ほどちらっと話も出ておりましたが、軽自動車税のグリーン化特例として軽課を行うには排出ガス性能それから燃費性能を確認する必要があります。また、経年車への重課を行うには個別の車の最初の検査年月日というのを把握しなくてはいけないという、そういう必要性が生じてまいります。これが市町村でということになってくるわけでありますが、市町村が適正な課税を行うには、やはりそうした情報を保有している機関との連携も必要になりますし、また事務負担も増えていくという現状になるというふうに思いますが、こうしたことを進めるのにどういう形のものを想定しているのかと。また、あわせて、その市町村の負担軽減を考えているのか、伺います。
  310. 平嶋彰英

    政府参考人(平嶋彰英君) お答えを申し上げます。  軽自動車税のグリーン化特例、それから重課ということにつきましては自動車税では導入されておりまして、それに関しましては国土交通省が持っておりますMOTASというシステムのデータを各都道府県に伝達するという仕組みをつくってやっているわけでございます。  それで、昨年、軽自動車税の重課が入り、また今年、グリーン化特例を入れる検討に際しましても、そういった仕組みをどうするかというところも重要な課題の一つとして検討を進めてまいりました。軽自動車税のグリーン化特例は、二十七年四月から二十八年三月までに取得される新車について、その車両の燃費性能に応じて一定の割合で税率軽減される仕組みでございますし、先ほども御指摘ありましたとおり、経年車重課は車齢十三年超でやるということになってございます。  この仕組みの導入につきましては、市町村の課税事務と、それから軽四輪については登録ではなくて検査ということになっていまして、検査ファイルというのがございます。その検査ファイルの情報提供というのは、全国軽自動車協会連合会というところが行っております。そことの協議が重要な課題だったわけでございますが、昨年年末の税制協議の中でその協議が調いまして、軽自動車税についても登録車について自動車で実施されている都道府県への車検情報データの提供システムと同様の仕組みを導入するということにいたしまして、現在そのシステムの準備を進めているところでございます。  このシステムによりまして、二十八年度からは軽四輪全体の課税実務の効率性、正確性も向上するということを期待しておりまして、経年車重課、グリーン化特例の課税の事務についても車検情報に含まれる燃費等の情報によって正確かつ簡単に確認して効率的に課税することができるようになると思っております。  なお、こういったシステムの構成費あるいはシステムの運営費につきましては、いずれにしても地方の徴税費として地方交付税の基準財政需要額で適切に措置することとなると考えております。  それから、なお、軽自動車連合会の方からは、こういう公的な目的に使うということで、自動車税のシステムにおける料金と同様、低廉な価格でデータを提供いただけるということになってございます。
  311. 横山信一

    ○横山信一君 何事もそうでありますけれども、システムの最初の運用というのは様々な予期せぬトラブルが生じてまいりますし、そしてまた、徴税事務の中で賄っていくということであれば、そうした部分の不都合が生じないように丁寧に進めていっていただきたいというふうに思います。  次に、簡水について質問してまいります。  総務省は、今年の一月に、公営企業会計の適用の推進についてと題する通知を発出をいたしました。現在、地方公営企業法の財務規定等を適用していない公営企業は平成三十一年度までに公営企業会計に移行するように要請する、そういう通知でございます。その中でも特にということで、下水道事業と簡易水道事業、これを重点対象事業として位置付けているということであります。  この事業として位置付けられました簡易水道事業、これは一般的に経営基盤が脆弱と、そのために地域住民に対するサービス水準の向上等を図る観点から事業の統合化、広域化を推進をしているという現状にあります。その上で、こうした公営企業会計に移行をすることによって財務・技術基盤を強化する、そうした基本ができ上がるというふうにもなりますので、こうした公営企業会計に移行するということは大事だというふうに思っております。  一方、厚生労働省もこの簡易水道事業を平成二十八年度末までに上水道事業へ統合することを求めているということで、方向としては広域化、統合化、総務省はそれを公営企業会計と。行き着く先は同じ方向なのかなというふうにも思っておりますけれども、仮に厚労省の求めている上水道事業に統合するということになりますと、この上水道事業は地方公営企業法の全部適用事業なので、いずれにしても公営企業会計になっていくというふうになろうかと思います。  そこで、これらによって簡易水道事業の公営企業会計への移行がどの程度進んでいくというふうに見込んでいるのか、伺います。
  312. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) 御指摘の本年一月の総務大臣からの要請においては、簡易水道事業については、人口三万人以上の市町村などが行う事業については公営企業会計に移行してください、これは二十七年度からの五年間の間に移行してくださいと言っております。それから、人口三万人未満の市町村の場合にはできる限り移行してくださいと、このように要請を行っております。  そこで、現在、簡易水道事業を行っている団体は九百十三団体あります。このうち、既に公営企業会計に移行している団体は百八十団体あります。仮に、我々の要請どおり、五年間の間に、三万人以上の人口を有する団体、これは二百二十六団体ありますが、これが新たに移行することになりますと、全体で四百六団体以上が公営企業会計を適用するという結果になります。この場合、人口カバー率で見ますと九五・五%以上ということになります。
  313. 横山信一

    ○横山信一君 是非、これを着実に進めていただきたいと思います。  水道事業というのは、予算委員会でも私、取り上げさせていただきましたが、ちょうど今、管路が更新時期になっておりまして、その分、老朽化が非常に進んでいるということで水道事故が頻発をしているという状況にあります。体に入るものですので、そういう意味では、この管路更新のためにも、その財政基盤が明らかになるようなこうした公営企業会計への移行を是非積極的に進めていただきたいと思います。  今お話の中にありました人口三万人以上の団体と人口三万人未満の団体ということで、今は人口三万人以上ということで二百二十六団体の話があったわけでありますが、人口三万人未満の場合はできる限り移行という、そういう表現になっております。  しかし、小規模の団体、自治体にとりましても、公営企業会計を適用するということで管路の資産を正確に把握するというのは条件としては何も変わらないわけでありまして、三万人以上も三万人未満もですね。そういうことでは、できる限りとはいいながらも公営企業会計に移行するということが必要だというふうに考えているんですが、この三万人未満の団体に対して今後どうしていくのかを伺います。
  314. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 人口三万人未満の市町村につきましては、まず対応できる職員が極めて少数であるということと、事業規模が小さいことなどを配慮して、できる限り移行することを要請といった形になっております。  しかしながら、総務省におきましては、小規模な市町村であっても円滑に取組を進めることが可能となりますように、地方公営企業法の適用に関するマニュアルの作成と周知、それから小規模な市町村の移行事例を含む先行事例の取りまとめと公表を行っております。  そして、これに加えまして、平成二十七年度以降でございますが、公営企業会計への移行に要する経費に対する地方財政措置充実、移行事務を支援する経営アドバイザーの派遣、都道府県や関係団体などと連携した研修の実施、こういった支援措置を講じることにいたしております。  総務省としましては、このような支援措置も十分に活用していただいて、公営企業会計への移行に適切に取り組むことが可能となりますように必要な支援を継続的に行ってまいります。
  315. 横山信一

    ○横山信一君 人不足ということで、やはり手厚い支援が必要だというふうには思います。  先ほども申し上げましたけれども、やはり管路が老朽化しているという現状の下でこうした人口三万人未満の団体だけが取り残されていくということだけは避けていただきたいと、そのためにできるだけ知恵を絞って、今答弁にありましたようなことを進めていただきたいというふうに思います。  では、空き家対策の話になります。  近年、人口減少に伴いまして、空き家等が増加をしております。適切な管理が行われていない空き家が、防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしている。このため、空き家等の所有者に適切な管理や除却を行わせるための仕組みづくりが課題になっております。  総務省は住宅・土地調査を実施をしておりますが、この調査によって明らかになった空き家の現状をお知らせください。
  316. 井波哲尚

    政府参考人(井波哲尚君) 空き家についてのお尋ねでございます。  平成二十五年に住宅・土地統計調査を実施いたしまして、それによりますと、全国の総住宅数は約六千六十三万戸、そのうち空き家の数が約八百二十万戸ということでございます。総住宅数に占める空き家の割合は、空き家率一三・五%ということになってございます。平成二十年に前回調査をいたしておりますけれども、これと比較しますと、空き家数は六十三万戸の増加、空き家率は〇・四ポイントの上昇ということで、いずれも過去最高の数字になっております。  空き家の、今八百二十万戸というふうに申しましたけれども、そのうち賃貸用の住宅ですとか別荘などの二次的住宅、こういったもの等を除きますと約三百十八万戸でございますが、そのうち一戸建ての空き家が約二百三十一万戸と七割以上を占めておりまして、五年前との比較におきましても一戸建ての空き家の増加数が多いという結果になってございます。
  317. 横山信一

    ○横山信一君 自治体も様々な空き家対策に取り組んで、それぞれ条例などを作ってこの空き家対策に積極的に取り組んでいるところも多い。そういう状況の中でも、平成二十年から比べれば既に六十三万戸も増えているという非常に厳しい現実があるわけであります。  この度の税制改正におきまして、地方税の住宅用地に対する固定資産税そして都市計画税に従来軽減措置があったんですが、ここの部分を今回は、空家等対策の推進に関する特措法、これ昨年成立した議員立法でありますが、これを支えるような形で、この法律の勧告の対象となった特定空き家については今申し上げたこの固定資産税都市計画税軽減措置を除外するということになります。  この度のこの空き家対策に係る軽減措置に至った背景、もう少し詳しく御説明いただきたいと思います。
  318. 二之湯智

    ○副大臣二之湯智君) 今回の地方税法等改正案におきまして、空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空き家法に基づきまして、除却等の勧告を受けた特定空き家等に係る敷地の固定資産税そして都市計画税について、住宅用地特例対象から除外する措置を講ずることとしています。  これについては、昨年の空き家法の成立を受けて関係省庁から、同法に基づく勧告に至る前の助言、指導の段階で所有者等の改善の意思を促す効果が期待できるなどから、勧告を受けた特定空き家等の敷地を住宅用地特例対象から除外してほしい旨の要請がございました。  これを受けて検討した結果、除却等の勧告を受けた特定空き家等は、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態であるとして除却、修繕等を求めるような家屋等であり、この敷地を住宅用地に対する税の優遇措置対象とすることはふさわしくないことから、この措置を講ずることとしたものであります。
  319. 横山信一

    ○横山信一君 この措置が効果を発揮するようにしっかり注視をしていただきたいというふうに思います。  狩猟税についてお聞きをいたします。  近年の鹿、イノシシの急速な生息数の増加、それから分布の拡大によりまして、農林水産業や生活環境に多大な被害が出ております。そのため、鳥獣保護の対象動物の管理が必要になってきているということであります。  今般の税制改正におきまして狩猟税軽減措置を講ずることになっておりますが、この改正の意義をお聞きをいたします。
  320. 二之湯智

    ○副大臣二之湯智君) 狩猟税は、狩猟者が猟期ごとに行う狩猟者登録の際、猟法に応じて負担をいただくものであります。  この度、環境省及び農林水産省によりまして抜本的な鳥獣捕獲強化対策が策定されまして、平成三十五年度までにニホンジカ、イノシシの個体数を半減する目標が設定されたことを踏まえまして、そうした鳥獣の捕獲対策を強化する観点から、その従事者の確保に資するよう、時限的に平成三十年度までの狩猟税負担軽減措置を講ずることとしたところであります。  具体的には、捕獲等を専門に行う市町村職員である対象鳥獣捕獲員、もう一つは、鳥獣保護法の改正により新たに創設される認定鳥獣捕獲等事業者の従事者については課税免除をしたところであります。また、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に基づく許可捕獲者は二分の一の減免といたしました。
  321. 横山信一

    ○横山信一君 自治体と、それから認定、何というんですかね、狩猟される人たちということで減免をされるということであります。この効果を期待したいのでありますが、実は狩猟税というのは目的税でございまして、都道府県が狩猟の知事登録を受けた者に対して課すということで、そこで徴収した税は鳥獣の保護や狩猟に関する行政の実施に要する費用に充てられるということになっております。  今回、軽減をすると、当然、税収は減るわけであります。また一方で、狩猟者の登録件数というのも実は減っておりまして、具体的に申し上げますと、平成十六年には税収が二十六億円あったんですが、平成二十四年には十七億円まで減少しているということでありまして、税収そのものが減収しているところへまた更に軽減措置をするともっと減るということで、目的税の目的が本来果たせることになるのかと、支障を来すことはないのかという心配をするわけでありますけれども、この点について環境省にお聞きをいたします。
  322. 小川晃範

    政府参考人(小川晃範君) お答えいたします。  今回の狩猟税措置によりまして、都道府県の鳥獣行政の財源となっておりますこの狩猟税税収が一部減収するということになるわけでございますけれども、この狩猟税の減免措置につきましては、捕獲の担い手であります狩猟者の減少高齢化が進んでいると、こういうことから、鳥獣による生態系や農林水産業等への被害を防止するために狩猟者を増加させるということを狙いとしておるところでございます。このような狩猟者を増加させるという取組につきましては、都道府県の鳥獣行政にとってもこれは求められているという取組であると考えておるところでございます。  また、環境省といたしましては、今年の五月に施行される改正の鳥獣法で新たに都道府県による鹿やイノシシの捕獲事業というものが創設されたわけでございますけれども、この事業を支援するために、環境省といたしましては、今年度の補正予算で十三億円、平成二十七年度の当初予算案で五億円の交付金を計上しておるところでございます。  環境省といたしましては、この新たな交付金も活用いたしまして、また都道府県に対して様々な技術的な情報などを提供することによりまして、関係省庁とも連携して、都道府県における鳥獣の保護管理行政が総合的には推進されるようにということで一層支援してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  323. 横山信一

    ○横山信一君 総体的に見て狩猟行政は進むのではないかというふうにも思いますので、よろしくお願いいたします。  大臣にお聞きをしたいのでありますが、全体的な話でありますけれども、平成二十七年度税制改正大綱はデフレ脱却、そしてまた経済再生というのを優先をするということであります。その一例として、外形標準課税の拡大とか法人事業税所得割税率の引下げというのがあったわけでありますけれども、これらは企業の稼ぐ力を高めていくという方向に働くわけであります。  しかし、しかしというか、一方、税制には、所得の再配分でありますとか、あるいはまた地域間の財源力の格差の是正とかという、そういう役割も一方であるわけであります。そのバランスが大事だというふうに思うのでありますが、この両者の均衡についての大臣のお考えをお聞きしたいというふうに思います。
  324. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 税制というのは社会の在り方に密接に関連するものでございますので、御指摘のとおり、格差の固定化につながらないように、所得の再分配、それから地域間の財政力格差の是正というのはとても大切な課題だと思っております。  個人所得課税につきましては、平成二十七年度与党税制改正大綱で、働き方の選択に対して中立的な税制を構築する観点を含め、社会経済の構造変化に対応するための各種控除や税率構造の一体的な見直しを丁寧に検討することとしています。  個人住民税につきましても、その一環として、あわせて、応益性強化の観点から比例税率化した経緯、累進税率構造である所得税との役割分担等も踏まえて検討してまいる所存であります。  また、地域間の財政力格差の是正につきましては、税制抜本改革法与党税制改正大綱などに基づく地方法人課税偏在是正等を通じて、税源の偏在性の小さい地方税体系を構築してまいりたいと考えております。
  325. 横山信一

    ○横山信一君 ありがとうございました。  まだ質問時間は残っておりますけれども、私、最後でありますので、ここでお許しをいただいて早めに終わらせていただきたいというふうに思います。  以上で終わります。
  326. 谷合正明

    委員長谷合正明君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時六分散会