○大塚耕平君
可能性としてはあるということですが、私はこの段階で反対をしておきます、
付利を、
水準を引き上げるということについては。
二月の
質疑の中でもお伺いして数字を述べていただきましたが、過剰準備に対してこれまでに既に、一四年度上期までに二千二百五十六億円の不労
所得が
金融機関に発生しているわけですね。この
付利金利を上げるということは、これ、過剰準備二十兆円ですから、今の〇・一を仮に〇・一上げて〇・二にすると、もう二千三、四百億円、
金融機関に利子収入を与えるわけであります。
これは、
金融政策の一環としてやむを得ざる過剰準備が発生しているわけで、それによって更に
金融機関に利益が発生するというのはいかがなものかと思いますので、私は、この段階で過剰準備に対する
付利を、
金利水準を引き上げるということは
日銀としては余りお考えにならない方がいいということを申し上げた上で、もう時間も
あと三分ですので締めに入らせていただきますけれども、まずは、先ほど
岩田副
総裁、アシストしていただこうとされたスタッフの皆さんにはちょっと厳しいことを申し上げて恐縮でしたが、趣旨はさっき申し上げたとおりでありますので、是非御理解をください。大事な場面では、やっぱり副
総裁によく聞いていただかなきゃいけないと思っていますので、少し厳しい言いぶりになったことはおわびを申し上げたいと思います。
しかし、その上で、私、初当選させていただいたときに、副
総裁は山口副
総裁でありました。山口さんは、
中央銀行の
金融政策というのは政治からニュートラルであるべきであるというかなり強いお立場を取っておられたと思います。私も同感であります。
そのときにも申し上げましたけれども、
金融政策というのは、どっちに動いてもメリットとデメリットがあります。それから、インフレ、デフレもメリット、デメリットがあります。インフレ、デフレは、発生すれば、これはマクロ
経済としては
所得の再分配が起きることと同義ですから、
所得の再分配というのは政治そのものであります。どういう判断でどういうふうに
所得の再分配をするのかということ。したがって、
日銀法に定める
物価の安定というのは、本来は
中央銀行の独自の判断としてはゼロ%以外にあり得ないと思っています。つまり、政治的意味を伴う
所得の再分配につながるような
物価水準を、変動を
中央銀行自らが求めるべきではないと、そのときもそう申し上げました。
したがって、そうはいいながら、日本
経済の健全な発展に資するためには、
政府のコミットメントを前提に、例えば今のように二%の
物価上昇を目指すというのは分からないではありません。しかし、それを二年以内に実現するということで、
日銀も
政府のコミットメントに言わばサポートをする形で
日銀としてのコミットメントもしたわけでありますが、今日のこの変遷表を見てもお分かりのとおり、もう一六年度ということは、一三、一四、一五、一六と、二年と言っていたのが四年ですから、しかも明示的にこれ以上の円安はやっぱり日本
経済にとってはマイナスの方が大きくなってきていますから、そろそろここは
中央銀行本来の立場に少し軸足を移されて
政府と慎重な協議をされるべきだと思いますが、最後に
総裁のコメントをお伺いして終わりにしたいと思います。