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大門実紀史君 だから、
財務省としてもその
程度のことしか今言えないといいますかね。こんなの、今そんな一生懸命おっしゃいますけれ
ども、急に政治的に判断が変わったらどうするんですか。今言ったような答弁、何にも残らないですよ。意味がなくなりますよ。だから、何というのか、もっとどっしり、入らないなら入らないと、それはこういう
日本の戦略があるからだというようなことがあればまだ聞こうと思うんだけれ
ども、何かけちばっかり付けているんですよね。
ちょっと情けないなと思っておりますし、流れからいきますと、IMF改革というのがこの
委員会でも
議論になったことがあります。あれは亡くなられました中川
財務大臣の頃だったかなと思いますけれ
ども、そのときにはやっぱりそういう新興国が今のIMFの在り方とか、世銀もそうですけれ
ども、いろいろかなり要望が出た。ところが、アメリカがそのIMF改革を拒否するといいますか、ちゃんとやってこなかったと。そんないろんな流れがあってこう来ていると。
なおかつ、今、参加したアジアの国々は、
日本が実際に懸念しているような、中国主導になるんじゃないかとか、中国がいろんなことを勝手にやるんじゃないかとか、そういうことが思われるからこそ
日本に入ってほしいというふうにアジアの国は思っていたりするわけですよね。だから、もっと何かもうちょっと大局的に捉えた方がいいんじゃないかなと私は思いますし、この前のG20の声明にそのもの、IMFの改革そのものの要望が入っているぐらいですので、もうちょっと大きく捉えた方がいいんじゃないかなと思うんですけれ
ども、あとは麻生さんに聞きます。
このAIIB参加の賛否について
黒田総裁に聞いてもこれは答える立場じゃないということになるのは分かっておりますので、ちょっとこの
情勢を踏まえて大きな話をお聞きしたいと思うんですけれ
ども、アジアの
経済あるいは
金融の連携というのはこの
委員会でもよく
議論になってまいりまして、私もアジアの
経済金融連携は進めるべきだという立場から、さっき言ったように、もうとにかく今までアメリカの顔色ばっかり見てやるんじゃなくて、
日本がもうちょっと自分の頭で考えて、アジア全体のためにイニシアチブを発揮して、中国とも対等に渡り合う、あるいは中国とも協力すると。
ただアメリカじゃなくて自分で考えてやるべきだということは何度も
議論したことがありますし、谷垣
財務大臣の頃、あるいはさっき申し上げた中川
大臣の頃に、このアジアの連携でいいますと、かつて九七年の
通貨危機のときに
日本がアジア
通貨基金構想を出したらアメリカに潰されたわけですよね。ただ、当時の
政府はなかなかでして、その後、新宮澤構想とかチェンマイ・イニシアチブとか、これはいざというときの
通貨スワップですけれ
ども、アジア債券
市場とか、アメリカの顔色は見ていたかも分かりませんけれ
ども、
日本独自でやることはやろうというような流れがあって、私はそれを非常に評価して、更にその点頑張って、もっとアジアでの共同を
日本がイニシアチブを取ってやるべきだと言ったら、本当に谷垣さんとか中川さんとはもう意気投合したというのを覚えておりますけれ
ども、この
委員会でですね。
ところが、その後、それはその狭い範囲でやっぱりアメリカの顔色ばっかり見ているからTPPのことが出てきたりしてきて、その間に中国は
経済力も発言力も増してきて、そしてとうとうこういうふうに、自分たち主導、中国主導でこういうものを始めたというふうな流れになってくることを思うと、
日本は何していたのかと。本当にアメリカのことばっかり思っているから立ち遅れてきているなというのをつくづく思うわけであります。
私は、そういう面で、このAIIB見ると、もちろん中国の思惑はありますし、堂々と言っていますよね。自分たちの過剰生産能力の問題とかシルクロード構想とか、もう隠さないですよね、中国は、自分の思惑を。しかし、五十七か国も参加して規模がこれだけの規模になって、なおかつアジアの人たちは、いろいろ中国の思惑はあるけど、やっぱりこれは使える枠組みだということで参加すると。だから、規模のメリットとかはありますから、いろいろありますけれ
ども、やっぱり
日本も参加していい共同の投資
銀行にしていくことに力を尽くすべきだというふうに思うわけですけど、まあそういうことを思いますが、それを聞いても
黒田さんとしてはどうかということにならないと思いますので。
その中の一つなんですけれ
ども、これは
金融問題が、私、
背景にあると思っていまして、中国も、インフラだけではなくて、過剰生産能力を処理するだけではなくて、人民元の国際化というのを掲げているんですよね、これ。私は、円の国際化をもっときちっと進めるべきだという立場で質問をしてきました。その点でいくと、今回のこのAIIBの中国が始めた意図の一つは人民元の国際化と。これについて、駄目という意味じゃなくて、やっぱり円の国際化ということと対峙する上でもきちっと見ておく必要があると思うんですね。
一言言えば、イギリスがなぜ急にAIIBに入ったかというと、私は大きな理由として
金融問題があると思っております。やっぱりイギリスのロンドンを
金融センターのままで維持するためにはこれに参加しておいた方が得だというようなことがあったように思いますので、やっぱり
金融面で考える必要もあるかと思うんですけれ
ども、特に中国の人民元の国際化ということについて、
黒田総裁のお考えをちょっと聞かせてもらえればと思います。