運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2015-09-03 第189回国会 参議院 国土交通委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年九月三日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  九月一日     辞任         補欠選任      辰巳孝太郎君     小池  晃君  九月二日     辞任         補欠選任      小池  晃君     辰巳孝太郎君      吉田 忠智君     又市 征治君  九月三日     辞任         補欠選任      田中 直紀君     浜野 喜史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         広田  一君     理 事                 江島  潔君                 森屋  宏君                 田城  郁君                 増子 輝彦君                 河野 義博君     委 員                 青木 一彦君                 大野 泰正君                 太田 房江君                北川イッセイ君                 酒井 庸行君                 中原 八一君                 野上浩太郎君                 山下 雄平君                 渡辺 猛之君                 金子 洋一君                 田中 直紀君                 浜野 喜史君                 前田 武志君                 山本 博司君                 室井 邦彦君                 辰巳孝太郎君                 山口 和之君                 和田 政宗君                 又市 征治君                 脇  雅史君    国務大臣        国土交通大臣   太田 昭宏君    副大臣        国土交通大臣 北川イッセイ君        国土交通大臣  西村 明宏君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官      うえの賢一郎君        国土交通大臣政        務官       青木 一彦君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       蔵持 京治君        内閣大臣官房        審議官      中川 健朗君        警察庁長官官房        審議官      斉藤  実君        総務省総合通信        基盤局電気通信        事業部長     大橋 秀行君        国土交通省鉄道        局長       藤田 耕三君        国土交通省航空        局長       田村明比古君        国土交通省航空        局安全部長    島村  淳君        国土交通省国際        統括官      奈良平博史君        防衛省防衛政策        局次長      鈴木 敦夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○航空法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 広田一

    委員長広田一君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告申し上げます。  昨日、吉田忠智君が委員辞任され、その補欠として又市征治君が選任をされました。     ─────────────
  3. 広田一

    委員長広田一君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  航空法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省航空局長田村明比古君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 広田一

    委員長広田一君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  5. 広田一

    委員長広田一君) 航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取をいたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 大野泰正

    大野泰正君 おはようございます。自由民主党の大野でございます。  今日は、ドローン法案、これから審議させていただきますが、この時間いただいたことをまず感謝申し上げますとともに、大変暑い夏でありましたが、いまだ口永良部島では全島避難など、本当にお見舞いを申し上げたいと思いますし、この夏、航空機事故鉄道のいろんなトラブルなどありました。また、非常に大気が不安定であったり、火山の活動もありますが、そういう自然の現象の中でも、このインフラの大切さ、そういうものを改めて思ったところでありますし、大臣始め、本当に国交省皆様は枕を高くして眠れる時間がなかったのかなと心配しておりますが、どうか御自愛いただきまして、より一層御活躍を賜りたいと思います。  それでは、法案の方の質問をさせていただきたいと思います。  今回の法案は、今日まで小型無人機と定義されているラジコン飛行機農薬散布用無人ヘリと、いわゆるドローンと呼ばれる自律自動飛行することが可能な小型無人航空機が一つの枠で規制されること自体に性能特性の面からやはり無理があることは否めないと思っています。しかしながら、世界的に見てもこのドローン開発スピード無人機航行に対する法規制が付いていっていないという現実があり、日本のみならず世界中で喫緊課題になっています。  ドローン有効性災害現場などで皆さんも既に御存じのとおりであり、この技術は今後様々な分野でその利用が期待されています。ドローンは、無線操縦なしで自律航行ができたり、上昇可能高度の高さ、そして何より操縦の容易さなど、今日までの無人航空機とは別物であることは明らかであります。なぜしっかりと区別せずに無人航空機として定義したのか疑問が残るとともに、このことによって、逆にその特性を生かすことを阻害してしまう可能性もあると思います。先ほど申し上げたとおり、災害現場を始めとして、無人飛行型ロボットと称されるこのドローンに対する期待は大変大きいものがあり、その有効性を十分に生かすための法案であってほしいと思っています。  今回提出された法案は、各省庁の調整等の日程が厳しく最低限の改正であることの認識は共有しており、既に更なる改正を検討しているとも伺っておりますが、その際には、先ほど申し上げましたように、今日までの無人航空機ドローンとは基本的に分けてお考えいただけるのかどうか、まず伺いたいと思います。  また、ドローン特性から、実情に合った安全策が必要だと思いますが、いつまでにどのような方向性で更なる改正が行われるのか、お考えを伺わせていただきます。
  7. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 無人航空機が急速に普及しつつある中で、一方で、現に落下事案が発生するなど安全上の懸念が生じていることから、今回の法案では緊急に運航方法に関するルール整備することとし、地上の人、物件の安全を確保するための必要最小限規制の内容としたところでございます。  対象となる無人航空機には、先生御指摘のとおり様々な形態や性能を有するものがあり、今後の発展により更に多様化が進むものと考えております。このため、今後、無人航空機の種類や性能に応じたきめ細かな安全基準や許容される飛行方法を定めることも検討課題であると考えておりまして、関係者十分調整を図った上で制度全体の設計を進めてまいります。  特に空港周辺におきましては運航ルールを厳守するよう監視指導啓発を徹底してまいりますけれども、例えば誤操作により容易に高い高度に上昇してしまうようなタイプの無人航空機というものもあるわけでございまして、そういうものについては飛行禁止空域をより厳しく設定するなどを含めて、空港周辺における一層の安全確保策について、専門家関係者の意見を聞きながら、今年度中にその方針案を策定してまいります。
  8. 大野泰正

    大野泰正君 どうもありがとうございます。  今年度中という強い決意をいただきましたので、大変有り難く思います。  今おっしゃった規制空域なんですが、規制空域というのは、一般の方、また本当にお子さんたちが正確に認識することというのは非常に難しいものがあります。私たちも、今空を見てもどこが規制空域なのか分かるわけではありません。また、先ほど航空局長言われたとおり、ドローンはその空域まで簡単に上がる性能があるということであります。  やはり、不幸なことが起きないようにするためには、第二弾の改正ができるまでの間も安全を確実に担保する対応策が必要だと考えます。海外においては空港周辺でニアミスが発生した事例も報告されています。第二弾ができるまで、空港周辺はもちろん、繁華街等命危険度の高いところの安全をいかに守るのか、再度お考えをお聞かせいただきたいと思います。
  9. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 海外におきまして、無人航空機空港付近航空機に接近する事案が報告されているということは、私どもも報道等によりまして承知をしております。  このため、今般導入する運航ルールにおきましては、航空機が運航する空港周辺制限表面より上の空域では、許可のない限り無人航空機飛行を禁止いたします。この運航ルール利用者に厳格に遵守していただくために、空港周辺では可能な限り飛行を避けて、飛行させる場合には飛行高度が表示される機体をできるだけ使うようにというような指導啓発を徹底いたしたいと思っております。  また、空港周辺では、無人航空機の無許可飛行に対しまして、関係者関係機関連携をして監視をいたしまして、違反行為を見付けた場合には適切に対処してまいりたいと考えております。
  10. 大野泰正

    大野泰正君 しっかりと安全をお守りいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  それでは次に、大臣に伺わせていただきます。  先般の新聞報道にもありましたが、来年度の概算要求羽田空港施設調査設計費が計上されました。インバウンド二千万人時代、そして二〇二〇年の東京オリンピックパラリンピックに向けて、羽田空港発着枠拡大実現のために必要な東京上空空域使用に対する予算認識しています。  東京空域への御理解をいただくための説明会もここ最近精力的に開催されていると伺っていますが、最近よく耳にするのは、羽田空港混雑による遅延が増えたことに対する利用者皆様の不満の声であります。発着枠拡大による混雑緩和は、安全にも大きく寄与するとともに、羽田特性をより生かす定時性確保に大変重要であります。海外からのお客様も今年既に二千万人に近づくと言われており、一日も早い空港施設整備を進めて、多くの方々を笑顔でお迎えしていただける羽田空港に進化させていただきたいと思いますが、大臣の御決意を伺わせていただきます。
  11. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 極めて重要なことであり喫緊課題であると、このように認識をしています。インバウンドが相当急速度に増えて、そして東京オリンピックパラリンピックがある。また、羽田に対する要望世界から非常に強いという状況にございます。  国においては、首都圏の旺盛な航空需要に応えるために、羽田成田空港機能強化に努めてきました。その結果、二十七年三月、この三月の末から首都圏空港年間発着枠が七十五万回になりました。  しかし、オリンピックパラリンピック競技大会やその先のことを考えますと、相当インバウンドが増えてくるということからいき、地方創生等々の観点からも首都圏空港の更なる強化が必要だというふうに考えています。  このため、現在行っているわけですが、羽田空港飛行経路見直し等により御理解いただくようにということで動きもしておりますし、二〇二〇年までに羽田成田で約八万回増枠することを目指して関係自治体等との協議を進めているところです。こうした中、平成二十八年度概算要求におきましては、羽田空港飛行経路見直しに必要となる航空保安施設誘導路等施設整備に係る調査設計費等を盛り込んだところでございます。  来週には、私視察に行きまして、そこで、ロボット世界最先端の、初めてなんですが、九月から使い始めて、人工頭脳荷物を持っている人のこれと結んで、それがインプットされていくわけじゃなくて、そのまま自分の頭脳と同じように荷物運びで動いてくれるとか、低床のバスとか、いろんなそうしたバリアフリーやロボット施設というのをやって、世界の人からいくと降りた瞬間にこれは世界一だなと感じていただけるような、未来を感じていただけるようなものにもしたいというふうに考えています。  今後とも、そうした中身そして容量、そうしたことに多くの自治体理解もいただいて努めていきたいと、このように考えております。
  12. 大野泰正

    大野泰正君 どうもありがとうございます。  今のロボットお話等も、本当に早く見てみたいなという気もしますし、是非おもてなしの心をソフト面ハード面、両面からしっかりと出していただけることを心からお願いしたいと思います。  それでは、次の質問に移らせていただきますが、ここ最近、放火だというところもありますけれども、新幹線のあのような破損事故やいろんなトラブル鉄道において増えていることは皆さん新聞等御存じのとおりだと思います。日本鉄道は大変安全だということが一番重要なことであり、またそれが世界にも冠たるものであったと思いますが、ここへ来て多少懸念があるのかなと、そういう思いがしますが、安全に対する懸念は、やはり余り個々の問題とせずに総点検する必要があるのではないかと思います。  今後より一層老朽化などの進む中で、経験知のストックを含め、民間だけに任せるのではなく、国が今まで以上に研究にも技術の継承にも関わりリードしていくことが大切だと私は考えます。特に来年は北海道新幹線の開業を控えています。この時期にもう一度しっかりと国主導で安全に対して関与すべきではないかと考えますが、鉄道局長、いかがお考えでしょうか。
  13. 藤田耕三

    政府参考人藤田耕三君) お答えいたします。  御指摘のように、最近、輸送障害を含め鉄道関係トラブル続いております。こうした事象につきまして、まずは個々事案につきまして原因をしっかり究明して再発の防止を図るということが重要だと考えております。そうしたことを含めまして、基本的には、まずは個々鉄道事業者が自らの責任で安全の確保を図るということが基本であると認識をしております。  他方で、御指摘のとおり、国土交通省としましても、安全面での鉄道事業者への指導監督、あるいは安全基準の策定、さらには安全に関する情報の共有、蓄積、技術開発老朽化対策、こういった幅広い重要な役割を有しているものと考えております。また、事業者への指導監督に当たりましては、個々事象にとどまらず、各企業の安全確保のための体制あるいは人材育成、そういったことを含め、幅広い観点から確認をしていく必要があるというふうに考えております。  これまでも、こうした観点から、保安監査、あるいは研究機関との連携、さらには助成など予算面の措置、いろいろな取組を進めてまいりましたけれども、今後、国としての責務をもう一度確認をして、しっかりと安全の確保のために取り組んでまいりたいと考えております。
  14. 大野泰正

    大野泰正君 ありがとうございます。  本当に、ちょっとここへ来ていろんな意味で緩みがあるのかなとか、もしもこの新幹線でも、今回あれで収まったからいいようなものの、本当に大事故につながっていた可能性は十分にあると思います。やはり私は、民間任せではなく国としてしっかりやることが何より大切だと思いますので、是非各社集めてしっかりとした会議を国として主導していただきたい、そんな思いでありますので、よろしくお願いいたします。  またそして、大臣に伺いますが、このことは、今後の日本経済発展にも重要なインフラ海外輸出展開に向けて大変大きなファクターであると思っています。今日までの日本強みである鉄道安全性高速性定時性をより一層本来高めるときであると思いますが、そして、競争力強化していくことが何より大切であります。また、昨日もちょっとニュースでやっておりましたが、多少不利な話も伝わってきますが、今日にもインドネシアで高速鉄道インフラの入札がどちらになるかということで決定されるというようなニュースも伝わってきています。  本当に、アジアのみならず世界で続々と計画されている高速鉄道計画に対応し、新幹線を始めとする交通インフラ輸出を強力に推し進めていただきたいと思います。大臣のお考えをお聞かせいただければ有り難いと思います。
  15. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) インフラ海外展開というのは、海外の旺盛なインフラ需要を取り込んで我が国経済活性化を図るために、安倍内閣挙げてインフラ経協という会議を立ち上げまして、いろんな部門についての協議を閣僚集まりましてやらさせていただいています。  その中で、国交省の担う高速道路あるいは橋梁、道路まちづくり、そうしたことがかなり進んできているというのが実感でありまして、私も、この二年半の間に東南アジア諸国はほとんど全て行って、それらの打合せ会議を行ってきて、国全体として力を入れているぞということを相手国認識をしていただくようにしておりますし、副大臣政務官方々にもその都度行っていただいているという状況にございます。  官民一体となったオールジャパン体制を確立し、トップセールスをやる。そして、我が国インフラ強み技術アピールをする、ニーズの的確な把握をする。ここには、日本の優れたものをそのまま出せばということだと、技術力はよく分かるけれどもコストが高いからちょっとねということがどうしても出てきますから、その辺のトップセールスにおきましても、高い技術力ということを認識していただくと同時に、造るだけでなくて、その後の維持管理というライフサイクルコストという点では日本は最も優れているんだぞということをできるだけ説得力を持って話をしたり、あるいは、相手国人材を育成しながら、こちらが造ってぱっと行ってしまってというんじゃない、相手国人材を育成しながら工事も進めて、その後の管理ということもやっていただけるようにという人材面アピールということをさせていただいたり、予算とか財源ということにおいては、JICA、JBIC、そして昨年できましたJOIN、これスタートを、この間フィリピンに私も行ってやらさせていただいたんですが、JOINがいよいよ動き始めました。  こうしたトータルパッケージで提案を行っていきまして、こうした取組によって、今後インフラ海外展開を更に強力に進めていきたいと、このように考えております。
  16. 大野泰正

    大野泰正君 大臣、ありがとうございました。  大変力強いお言葉をいただきまして安心いたしましたが、本当に、海外インフラに対して、建設する場合に、やはり日本技術と向こうの技術と、いろんな問題がまだまだあります。是非相互理解が進むように、外国人技術者をこちらで教育できるようなことも是非考えいただけると有り難いのかなと。そうすれば、日本の味方になって海外で先頭に立って働いてくれる人たちがたくさん増えていくわけですから、是非そういうこともお考えいただけると私は有り難いなと思っています。  先ほどのドローンお話でありますけれども、実は先日、岐阜県の方で、スキー場でですが、ドローン体験会がありました。私はその場に行ってきて本当に思ったことは、本当に小さい子でも誰でも操縦も可能です。本当にあっという間に、すばらしい能力を、上空まで上がるというような能力も備えています。私のような者でも簡単に飛ばせるようなところがありますので、是非これからも、本当に大切な技術であり、今日までも、先ほど言いました災害現場はもとより、離島や中山間の生活支援などにも非常に大きな力を発揮しております。  このドローンに対する法案は、規制というよりも本当に国として技術開発利用促進に積極的に取り組んでいただけるようにしていただきたいと思いますので、最後にそれをお願いして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  17. 金子洋一

    金子洋一君 おはようございます。民主党の金子洋一でございます。  まず、航空法ドローンの部分に入ります前に、航空安全についてお尋ねをしたいと思います。  今し方、大野委員から、鉄道についてでありますけれども、安全の問題について、民間任せではなく国としてしっかりとやるべきだというお話がありました。私も全く同感であります。航空安全についても国の関与をもっと増していくべきではないかというふうに考えております。  よく国交省皆さんと航空安全の話をさせていただきますと、こういう感じのことがちょっと見えるわけですね。つまり、予算要求でたくさん要望を、概算要求財務省に対して出しても財務省がカットしてしまうと、だから余りそういう要求をしても意味がないんだというような感じが、まあ私の勝手な受け止めかもしれませんけれども、見て取れる気がいたします。  ただし、財務省がカットしてしまうからといって要求をしなかったとしても、何か国交省所管分野事故があった、安全が脅かされるような事案があったということになれば、責任を追及をされるのは国交省皆さんであります。そういった意味で、もちろんこの場におります国交委員会委員は与野党の枠を超えて国交省の応援をすると思いますので、その辺りかなり大胆にやっていただきたいと思うんですが。  まず、お尋ねをいたします。  日本におけます航空保安検査責任は、これは一義的には航空会社が負っているということでありますけれども、日本と同様に、航空会社が、民間航空会社がと言った方がいいかもしれません、国ではなくて民間航空事業者責任を有している国というのは世界にどのくらいあるんでしょうか、局長お尋ねします。
  18. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 空港保安検査責任主体、これは国によって異なっております。現実国際ルールでもそういうことが認められているわけでございますけれども、各国の事情により責任主体は異なっています。  お尋ね我が国と同様に民間航空事業者責任を有する国ということでございますけど、オーストラリアで航空事業者責任を有している事例があるというふうに聞いております。また、民間空港会社責任を有している国も多数あるというふうに聞いております。  一方で、空港保安検査につきましては、国が基準を定めて事前に審査を行うとともに、その後の実施状況監査により確認しておりまして、不足がございますれば厳しく指導監督をいたしております。また、検査に要する費用につきましては、大多数の主要国と同様に、最終的には旅客等が全額負担する形となっているところでございます。
  19. 金子洋一

    金子洋一君 ありがとうございます。  例えば米国などでは基本的に国が面倒を見ているというふうに聞いておりますし、また、こういった問題、非常にセキュリティーに関する問題ですからなかなか情報が入りにくいというようなところはあるようですけれども、やはり、何回も申し上げて恐縮ですけれども、国の関与を増やす方向でいくべきではないかというふうに私は思います。  特に、これから二〇二〇年のオリンピックパラリンピック東京開催がございます。あるいは、政府の御尽力、円安の効果などによってインバウンド外国人が思ったよりも早く年間二千万人以上を達成をするんではないかとも思われますし、その一方で、ISILのような過激派組織が何やってくるか分からないというような状況もあります。ですから、テロのリスクというのは、これから高まることはあっても低くなるという可能性はない。しかもこれは、定量的に考えるというのは難しいかもしれませんけれども、数倍になるんではないかと私は危惧をしております。  そうした意味で、航空局の関連の予算では、空港セキュリティー等の航空保安対策の向上を推進しますというふうに記載をされているんですけれども、具体的には今後予算面でどういうふうに対応をしようとお考えなんでしょうか。
  20. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 空港セキュリティーなどの航空保安対策、これの予算面での対応ということでございますけれども、例えば今年度予算でございますれば、国が管理する空港におきまして、空港管理者である国が実施する外部からの不法侵入を防止するための警備等に係る経費といたしまして二十一・六億円を計上いたしております。それから、航空会社等が実施する空港保安検査検査機器又は検査員の費用に対する補助又は負担に係る経費といたしまして七十九・七億円計上いたしておりまして、これは昨年度より三億円増額をいたしているところでございます。  また、今後のことといたしましては、国交省といたしまして、二〇二〇年までにいわゆる先進的なボディースキャナーというやつを国内の主要空港に順次導入をいたしまして、引き続き国としても責任を持って航空保安対策に万全を期してまいりたいと考えております。
  21. 金子洋一

    金子洋一君 ありがとうございます。  今、オリンピックの二〇二〇年までにというお話がありましたけれども、これ、私は明確に二〇二〇年までに何をやっていくんだということを長期計画のような形で作っていくべきだと思うんですが、長期計画というような用語が予算上使えるかどうかというのは全く別ですけれども、そういった役所の中での工程表のようなものは、局長、あるんでしょうか、ないんでしょうか。
  22. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) まだここでちょっと御披露するわけにいきませんけれども、こういう工程でいつまでにどれぐらいの空港に何台ぐらい配置するというのは今検討しております。
  23. 金子洋一

    金子洋一君 いろいろな関係もありますので、この場でということは御要望いたしませんけれども、できるだけ具体的で、そして関係者の声も反映したものを是非作っていただきたいと思います。  あと、全国九十七空港がありますけれども、二十八の拠点空港については、航空保安に係る費用の二分の一は、保安料として利用者から徴収をした特別会計通じて国が負担をしているという理解をしております。残りの拠点空港以外の空港でも、例えば国際定期便が就航しているような秋田とか富山とか岡山とか、そういった空港についてはインバウンド外国人の増加などもありますので、あるいは地方創生などもあります、そういったもので拡大するんだろうと思いますけれども、国としての関与はどういう形になるんでしょうか。
  24. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 我が国の国際線が就航している全ての空港に対しましては、国が管理する拠点空港であるか否かを問わず、国は航空保安に関する基準を策定して全国一律に適用いたしております。そして、航空会社及び空港設置管理者に対しまして、これらの基準に従って航空保安対策が適切に実施されるように監査や教育を通じて厳しく指導監督をしているところでございます。  また、国管理空港におきましては、検査機器あるいは検査員の費用というのは国が二分の一補助をしておるわけでございますけれども、国際定期便が就航する地方管理空港におきましては、自治体において同様の措置がなされているというふうに承知をしております。
  25. 金子洋一

    金子洋一君 ありがとうございます。  最初にも申し上げましたけれども、テロ対策というのは非常に重要で、空港保安検査というのも大変重要ですので国レベルでやるべきだというふうに思うんですが、従来以上の国の関与が必要だというふうに申し上げましたけれども。  現在の仕組みというのは昭和四十九年時点でつくられたというふうに聞いております。当時とは全く情勢が異なっているわけでして、基本的に各業界にいろいろ対応を委ねるというような形になっているというふうに私は理解をしておりますけれども、これをもっと大きく変えていく必要があるのではないかと思いますが、いかがお考えですか。
  26. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 先ほど御説明申し上げましたように、空港保安検査というのは従来から旅客や貨物を安全に輸送する責務を有する航空会社が一義的な責任を持って実施をしておりますけれども、国におきましても、航空保安の重要性に鑑みて、国際情勢を踏まえつつ航空保安に関する基準を策定し不断に見直すとともに、航空会社にこれら基準に従って空港保安検査を適切に実施するように指導監督をしているところでございます。そういう意味では、情勢がどんどん変化しているという先生の御指摘、そのとおりでございますし、我々もそれに応じて不断に見直しをしてまいっているということでございます。  それで、補助につきましても、これまで二分の一の補助ということをやってきておるわけでございますけれども、今後も、航空のテロ対策というのがより強く求められるという中で非常に重要な問題でありますので、航空会社を始め関係者連携を深めつつ、引き続き国として責任を持って航空保安対策に万全を期してまいりたいと考えております。
  27. 金子洋一

    金子洋一君 ありがとうございます。  ただ、その残りの二分の一については航空事業者負担ということでありますし、航空事業者の経営の具合によってはそれに左右をされてしまうということも出てきてしまうと思います。必要な財源がきちんと確保できるのかというような懸念もあります。先ほど、ボディースキャナーの導入について計画を立ててやっていかれるというお話がありました。歓迎すべきことだと思いますが、そういったものも含めてきちんと更新を進めるように国としても力を是非入れていただきたいと思います。  続きまして、ドローンの問題に入ってまいります。  今回の改正の目的というのは、平たく申しますと、ドローン航空機に近寄り過ぎたり、あるいはドローンが落下をして地上の人などに危害を及ぼさないようにすることが目的だというふうに解釈をいたしました。いろいろと昨日も国交省皆さんに来ていただいて質問レクをさせていただいた中で、テロ対策などはこの範疇外だというふうに私は受け止めたわけです。先ほど大野先生も、ドローンについては法規制が追い付いていないという御指摘をなさっていました。私も全く同感です。  ドローンの中でも高級なものというんでしょうか、あるものについては、GPSで誘導が可能であって、自律航行が可能であって、捕捉も難しいということになれば、これはスピードとか航続距離は違いますけれども、まさに巡航ミサイルと同じような存在であります。もちろん巡航ミサイルのように大きなものじゃありませんけれども、大きいとこの航空法の対象外になってしまいますけれども、それにしても、巡航ミサイルというのは領土、領空、領海の外から撃たれるものでしょうし、こちらの方は、どこかからか分かりませんけれども車の中からひょいと出してというようなことも、法律上は禁じられるわけですけれども、可能なわけです。ということになりますと、近い将来、テロなどに使われる可能性というのも非常に大きいと思います。  内閣委員会で審議をされている、何という名称なんでしょう、ドローン安全法というんでしょうか、あちらの方は、国会などの重要施設には近寄るな、周辺でも飛行させるなという内容ですけれども、国交省さんが今後どのような形で関わっていかれるかは別としても、最初の一歩としてはこういう方向なんだろうと思いますが、それで十分だとは私は受け止めておりません。  とは申しましても、一方で、使う側のユーザーと申しましょうか、生産者と申しましょうか、産業として見るならば、過剰な規制というのはこれは当然望ましくないという受け止め方が正しいんじゃないかと思います。  少し調べましたら、日本UAS産業振興協議会ですとか、ミニサーベイヤーコンソーシアムですとか、日本産業用無人航空機協会、JUAVというような団体があるということであります。それぞれガイドラインを自主的に作って広めておられるということでありますけれども。  ガイドラインの内容も私も拝見をしましたけれども、これは、今手元にあるのはその日本UAS産業振興協議会のものなんですが、八月四日に無人航空機の安全に関する指針という形で出しておられて、実は今回の法改正の内容を先取りをした形で入れてあるわけです。今回の法改正で定められていることプラスアルファで、例えば酒を飲んで動かしちゃいけないとか、十分例えばバッテリーの航続距離がちゃんと残っていることをチェックをした上でやってくださいとか、実務的なことも書いてあって非常に有意義なものだと思うんですけれども、そうした団体もあります。  愛好者、事業者あるいは研究者、このミニサーベイヤーコンソーシアムというのは多分研究者だと思うんですが、あるいは農業分野、いろんな利用者がいるわけであります。  衆議院の国交委員会の中で太田大臣の方から、過剰規制とならないよう配慮し、利用の促進を図る内容の法案であるという御答弁がありました。私も全くこの大臣のおっしゃるような視点で大賛成であります。  具体的になんですが、その承認などの申請については手続の簡素化、迅速化に努めるべきではないかと思うんですが、大臣、今後どういうふうに取り組んでいかれるのか、御決意を伺いたいと思います。
  28. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) この法案は、国際的な状況も踏まえまして、まずは、今の無人航空機をめぐる状況、非常に発達をしています。こうした状況も踏まえて、緊急的な措置として、無人航空機飛行させる空域及び飛行の方法について基本的なルール、交通ルールを定めさせていただくという緊急措置としての法律でございます。この後さらに、今先生からありましたようなもろもろの問題については更に第二弾としての法律というもので仕組みをつくっていくということを広範な視野の下で行っていかなくてはならないと、こういうふうに考えています。  そこで、今回の法案の中で、これは無人航空機飛行に当たっての許可を必要とする空域飛行の方法ということを定めて、そしてその中で、特別にできるものという中に許可と承認ということがあるわけですが、許可ということでいう場合は、禁止されている空域飛行するというのに対しては許可ということを行う、そして定められた空域、方法以外で飛ぶというのはこれは承認ということになります。  この許可と承認の際に、安全確保体制をチェックする場合には、例えば、機体が適切に整備されているかどうか、操縦者がある程度の訓練を積んでいるという技量を持っているかどうか、見張りを置くなどの運航体制ができているかどうか、どのような飛ばし方をするかといった飛行の具体的な態様、これらをそれぞれの視点からチェックをして、安全が確保されていることを確認して、そして柔軟な体制許可とかあるいは承認を行うと、こういうことにさせていただきます。  また、申請の受付は一体どこなのかということにつきましては、全国の空港事務所で受け付けることも検討しておりますし、さらには申請者の利便を考慮してインターネットや郵送による受付も検討しているところでございます。特に農業関係等は、水田に農薬をまくという場合もう三分の一ぐらいはドローンでやっているということもありまして、また一から全部それぞれの農業者別に小さいところまで煩雑な許可とか承認ということはいかがなものかということもありますから、その辺も含めて柔軟に、今の形が維持できるようにというような、いろんな形を取って対応したいというふうに思っています。  一定期間についてのさらに包括的な申請を認めるなど、より手続の簡素化、迅速化を図っていきたいと、このように考えているところです。
  29. 金子洋一

    金子洋一君 大臣、ありがとうございました。  空港に併設をされている空港事務所や、あるいはネットとか郵送とか、そういう申請の仕方もできるということでありますけれども、やはり最終的に決めるのは本省なのかなと、どこになるのか分かりませんけれども、本省なのか出先で決めるのか分かりませんけれども、なるべく簡素化をして迅速に是非やっていただきたいというふうに思いますので、その辺りもよろしくお願いいたします。  あと、今も大臣もおっしゃいましたし、衆議院の国交委員会局長もおっしゃったんですが、ある程度包括的な許可をするということなんですけれども、これは具体的にはどういう許可の形なんでしょうか、もうちょっと詳しく教えてください。
  30. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) ある程度包括的な許可ということの具体的にはどういうことなのかということでございますけど、例えば数か月から一年といった一定期間内の飛行、それから、複数の箇所、場所ですね、それから地域、こういったところにおける飛行について包括的に許可を行うなど、柔軟な対応をいろいろな活用ニーズに応じてしていきたいと、そういうことを検討しております。  それから、申請者が同じような飛行を行う団体等に所属をしているというような場合におきましては、その当該団体が所属者分の許可申請をまとめて行うというようなことも認めるなどして利用者の便宜を図ってまいりたいと考えております。
  31. 金子洋一

    金子洋一君 ありがとうございます。  特に、団体で認めるというのは、研究目的とか教育目的の場合には非常に手間が省けていいんじゃないかと思いますので、非常にいい方向だと思います。  あと、更にお尋ねをしますけれども、飛行禁止空域であります人口密集地域の設定についてなんですけれども、飛行の目的、何を目的としているのかということや、あるいは地域の実情を考慮をして柔軟に設定をしていただきたいと思うんですが、この辺りはいかがでしょう。
  32. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 今回の法案におきまして、人又は家屋の密集している地域というものを設定するに当たりましては、無人航空機の落下等によりまして地上の人、物件に危害が及ぶおそれがあるかという観点から今考えておりますのは、国勢調査の結果を基に総務省において発表しておりますいわゆるDID、人口集中地区というものをベースといたしまして設定をするということを検討しております。  一方、地域によりましては、このDIDの中でありましても無人航空機を安全に飛行させることが可能な場所というのが含まれていることもあり得るということでありまして、そういったところで、教育研究機関でございますとか、あるいは報道機関、さらには愛好者、こういったいろんな需要、ニーズというものがあり得るということでございますので、実際に地域というものを、空域というものを設定するに当たりましては、市町村の意見などもきめ細かく聞いて調整をするというようなことをやります。  地域の実情や様々な飛行ニーズがあるということを十分考慮をいたしまして、人又は家屋の密集している地域を設定してまいりたいと考えております。
  33. 金子洋一

    金子洋一君 ありがとうございます。  あと、外国の問題についてお尋ねをしたいと思うんですが、民間航空機や救難航空機などの運航に関わって、ドローンが原因となった事故とか不都合とか、そういったもので顕著なもの、あるいは我が国でもこれは参考になるなというようなものはどういうものがあるんでしょうか。
  34. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) まず、国内の方を申し上げますと、平成三年四月でございますけれども、愛知県刈谷市の河川敷上空でラジコンとセスナ機が接触をいたしまして飛行機が損傷する事故というのが発生しておりますけれども、これ以降、接触事故というものは国内では発生しておりません。一方、無人航空機による有人機の接近事案というのは、実は、これから私ども検討をしようと思っておりますけれども、現在は報告の制度がないということもあって把握できておりませんけれども、ただ、航空機操縦者はやっぱり異常があれば一応報告はしてくるんですが、そういう報告は私どもには寄せられておりません。  一方、諸外国では、例えば昨年の七月にイギリスのヒースロー空港近くで、高度約二百十メートルを飛行中の旅客機とそれから無人航空機というもののニアミスが発生した事案がございます。それから、今年になって、七月でございますけれども、アメリカのカリフォルニア州で山林火災が発生をしておりまして、これの撮影を試みる無人航空機というものが現場上空に数台出現したためにヘリコプターによる消火が一時中断されたというような事案がございます、というようなことがございます。  したがいまして、私どもこういったいろいろな事案というものも参考にいたしまして、現行制度をどう実効あるものとして実施をしていくか、それから今後の制度設計というものの参考にしてまいりたいと考えております。
  35. 金子洋一

    金子洋一君 ありがとうございます。  その辺り、特にその通報の仕組みづくりなどきちんとやっていただきたいと思います。  あと、今後の検討についてなんですが、これは、こういうふうに衆議院の議論の中でも出てきたんですが、登録制や免許制の採用についても検討をするというふうに聞いております。諸外国ではこれはどういう形になっているのかということ、そしてまた、今後、登録制、免許制というものを検討するにしても、我が国の実情、ユーザーの意向とか生産者の考え方、あるいはまた民間航空関係者の意向といったものを十分踏まえて考えていくべきじゃないかと思うんですが、どういうふうにお考えなんでしょうか。
  36. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) いわゆるドローンというものが普及し始めたのは比較的最近でございますので、各国も、規制導入しているところも比較的最近そういう導入が行われているということではございます。イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、それからアメリカというのも導入をし、またこれから導入しようとしているわけでございますけれども、運航ルールについては、基本的にはほぼ同様なものが導入されております。  それから、お尋ねの登録制の話でございますけれども、これにつきましては、一定の重量以上の機体については登録を求めている国が多いわけでございますけど、他方で例えばカナダなどは現時点では無人航空機の登録は行われていないなど、多少ばらつきはございます。  それから、操縦者の技量についての制度でございますけど、いずれの欧米諸国でも、一定以上の機体については資格あるいは講習受講の義務付けみたいなことが行われているということでございます。  我が国におきましても、こうした諸外国の例を踏まえながら、それから製造者や販売者等の多様な関係者からも十分に実情を聴取した上で、機体の把握や操縦者の技量確保に向けまして検討を行いまして、もちろん我が国の事情というものもちゃんと十分に考慮した上で必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
  37. 金子洋一

    金子洋一君 特に、局長も一番最後におっしゃいましたけれども、多様な関係者から意見を聴取してというところはきちんとやっていただきたいと思うんです。  あと、まだいろいろお尋ねをしたいんですが、航空法では危険物の輸送が禁止をされているということであります。ドローンの場合、これはどうやって検査をするのか、不可能じゃないかと思うんですが。先ほど申しましたように、自律航法が可能だ、GPSも積んでいるということになれば、悪用をしようと思ったら幾らでもできると思うんですね。この辺り、どういうふうにお考えなんでしょうか。
  38. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 世界的に航空法の体系というのは、そういう意味では、基本的に運航をする者がある意味ルールを守ろうという善良な運航者であるということを前提にしてその体系というものができているということではございます。したがって、現実に今飛んでいる普通の飛行機に爆発物を載せるという場合も、まずは荷主がちゃんと確認をして、必要な積載方法といいますか運搬方法というものを確保した上で運ぶということが前提になっているわけでございます。  したがいまして、私どもは、爆発物の積載というのはしちゃいかぬということで飛行の方法を今回定めておりますので、これをまず守っていただくということが第一義なんでありますけれども、一方で、テロ等を目的として無人航空機を悪用して爆発物を積載する事案というものにつきましては、航空法の体系というよりは、むしろテロを始めとする犯罪を取り締まる他法令の適用というものも含めて、つまり関係機関とよく連携して適切に対応していく必要があるというふうに考えております。
  39. 金子洋一

    金子洋一君 今局長がおっしゃいました一番最後の部分、航空法の枠を超えるので関係各機関と連絡をしたいということは全くおっしゃるとおりだとは思うんですが、例えば、今の時点で自動車に危険物を積んでテロを行った場合、別に自動車に対する規制が強くなるということは多分あり得ないんだと思います。  でも、一方、現時点でドローンに危険物を積んでテロのようなことが行われた場合には、直ちにドローンに対する規制というものが行われてしまうと思うんですね。そうなりますと、将来、非常に有望な産業分野であるドローンという分野が、我が国においては重たい規制を課せられて衰退をしてしまう可能性というのもあるんではないかと思いますし、そうなってはいけないと思います。  もちろん局長のおっしゃった内容というのはよく分かるんですが、それでも何とかもう少しいろいろ物を考えていって、うまく回るようにして知恵を出していただけないかなというふうに思いますので、そこの辺りは是非今後とも検討をお進めをいただきたいと思います。  あともう一点ですが、こういった、先ほどから申し上げましたけれども、愛好者というような皆さんドローンを使っておられるということですので、この飛行ルールの問題について愛好者を含めてどういうふうに周知をしていかれるのか、お尋ねをしたいと思います。
  40. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) そういう意味で、ルールを定めたものを愛好者も含めまして一般の方に十分理解をしていただくということが重要でございます。そういう意味では、具体的な周知に当たって、趣味として楽しむ方も含む無人航空機利用者というのはいわゆる従来からの航空関係者に限られないということもございますので、そういったことも考慮して、飛行ルール飛行可能場所についてホームページ等で分かりやすく情報提供できるように工夫をしてまいりたいというふうに考えております。  それから、無人航空機飛行ルールにつきましては、ホームページ等における広報のほかに、やはり関係省庁、それから業界団体、愛好者団体、それから製造者、販売者、こういった方々の協力を得つつ、広く様々なチャネルで周知をしてまいりたいというふうに考えております。
  41. 金子洋一

    金子洋一君 ありがとうございます。  最後の質問になるかと思いますが、改正案の附則第二条に、「政府は、無人航空機に関連する技術の進歩の状況無人航空機利用多様化状況その他の事情を勘案し、無人航空機飛行の安全に一層寄与し、かつ、無人航空機を使用する事業の健全な発展に資する方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」と書いてあります。全く同感であります。  今後の検討体制について、ドローンを使っている皆さん、あるいは生産をしているような皆さん、あるいは民間航空機の関連の皆さん、そういった関連の皆さんを全部入れたような形で検討を進めていくべきだと思うんですけれども、具体的に今後の法整備の検討体制というのはどういう形でおつくりになるおつもりでしょうか。
  42. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) まず、今回、ドローンの最低限の交通安全ルール整備するということでございますから、これはどちらかというと航空法の中だけで対応をしたということでございますけれども、これからいろいろこの産業を育てていくという観点も含めて制度設計をするということになりますれば、もういろんな省庁に関係してくるということもございます。  これに関しては、官邸に関係省庁の連絡会議というものが既に立ち上がっておりまして、そこでいろいろと論点も抽出をして制度設計に役立てていくということができておりますけれども、そういった中で、今先生御指摘のようにいろんな関係者がいると。既存の航空関係者ということも非常に、航空機航行の安全ということが非常に重要でありますし、それから、無人航空機利用してビジネスをやろう、あるいは愛好家として趣味として飛ばそうという方々もいらっしゃる。それから、製造者、販売者、そして、まさに今技術が進歩をしている、開発をされている途上でありますので、その研究をしている方々というのもいらっしゃいますので、有識者も含めまして様々な関係者から幅広く意見を聴取して制度設計してまいりたいと考えております。
  43. 金子洋一

    金子洋一君 ありがとうございます。  官邸周辺というようなお話がありましたけれども、こういうことを申し上げますと与党の皆さん大勢おいでで恐縮なんですが、どうも最近は、官邸周辺でいろいろ議論をすると、何となくバランスの取れていないものがわっと出てきて、何じゃこりゃということも多いと思いますので、いや、どの案件のことを申し上げているわけではございませんけれども、そういったことを考えますと、最近人気はありませんけれども、局長の私的研究会というようなものでいろいろもんでいただいた方がいいんではないかなと、私も霞が関の出身者ですので、そういうふうに受け止めさせていただきました。  以上で終わります。どうもありがとうございました。
  44. 河野義博

    ○河野義博君 公明党の河野義博でございます。  政府としましては、今年の二月に、内閣に設置されました日本経済再生本部がロボット新戦略を決定をいたしました。ロボットを効果的に活用するための規制緩和とともに、新たな法体系、利用環境の整備を行うと定められました。  無人航空機、いわゆるドローンでございます。英語で雄の蜂を意味するそうで、羽の音が由来だとされているわけでございますけれども、このドローンに関しましては、空撮や測量、農薬散布、またインフラ点検や防犯、防災への取組、そして災害現場での情報収集活動など、様々な期待が込められております。  その一方で、具体的な運用ルールが従来明確ではなかった。そのために、この実態把握を進めた上で関係法令を定めるに至ったわけでございます。そして、今般の法改正案提出に至ったわけですけれども、まずは、実態把握としまして、これまで国内で発生したこのドローンに関します事件、事故、その内容及びまた件数に関しまして、その実態を教えてください。
  45. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 我が国におきまして発生した無人航空機落下事案といたしましては、けが人が出たものといたしまして、昨年十一月、神奈川県の湘南マラソンですね、マラソン大会におきまして、撮影用の無人航空機が落下をいたしまして女性スタッフが顔にけがをしたという事案がございます。  また、けが人は出ておりませんけれども、今年の五月に長野県の善光寺境内で無人航空機が落下した事案を始めといたしまして、承知している限りで、ここ一年余りの間に数件程度の事案が発生しているところでございます。
  46. 河野義博

    ○河野義博君 今御紹介いただいた案件のほかにも、様々いろんなところでいろんな問題が起きているわけでございます。実際に物損や人的被害も起きている中で、関連をしまして保険付保の状況をお伺いをしたいんですけれども、ドローンを始めとしまして、飛行物体には保険契約が付保されているケースが多いとは承知をしております。その中で、航空法上の航空機に対する保険付保、このルールを教えていただきたい。  また、あわせまして、航空法上の航空機に該当しない飛行物体、例えばハンググライダーですとかパラグライダー、模型型航空機、気球、こういったものに対して、保険付保に関するそもそものルールはどうなっているのか、教えてください。
  47. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) まず航空機でございますけれども、航空運送事業者及び航空機使用事業者につきましては、一たび事故が発生すると甚大な損害が生じるおそれがあるということで、その許可に際しまして、締結する保険契約の概要についての説明を求めて保険付保を確認しているところでございます。事実上、許可要件になっているということでございます。  そして一方で、自家用機につきましては、保険への加入というのは現在のところ自らの判断に委ねられております。ただ、実態といたしましては、やはりこれ、航空機を買うときに、結構大きな買物であるということもありまして、保険に加入しているケースがほとんどであるというふうに承知はしております。  それから、航空機以外のハンググライダー等につきましては、航空法規制対象となっていませんことから、保険に関する特段の規制というのはございません。ただ、日本ハング・パラグライディング連盟、それから模型航空機の愛好者団体であります日本ラジコン電波安全協会、こういった団体は民間の損害保険会社と連携をいたしまして、会員に対して保険商品を提供、推奨しているということがございます。そのほか、日本気球連盟のようなところでも保険への加入を推奨しているというような状況でございます。
  48. 河野義博

    ○河野義博君 業務用に関しては義務的なものとして保険付保はなされていると、自家用に関しては、あくまで任意ですけれども、実態としては付保されているというお話でございました。  伺いますところによると、今広く普及しておりますいわゆるドローン、これに関してももう購入時に既に保険が自動的に付保されているというような話でもございましたけれども、その一方で、自家用航空機の保険付保を義務化してはどうかという声もあるわけでございます。  実際に、調布で先日落下した航空機、これは自家用であったということで、その付保がされているのかされていないのかというのはまだ調査中ということでございました。近隣住民の不安を軽減する、また、ドローンの飛んでいいところに、近くに住んでいらっしゃる方、生活しておられる方もいらっしゃるわけで、その中で保険付保を義務化してはどうかという声もありますけれども、国交省としての見解をお聞かせください。
  49. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 本年七月二十六日に発生をいたしました調布飛行場での事故を受けまして、航空局といたしましても、自家用航空機に係る保険の加入実態の把握に努めまして、何ができるかというのを検討してきたところでございます。  それで、先ほど申し上げましたように、これまで行った調査では、有効な耐空証明を有する自家用航空機につきましては、実態としてはほとんどが保険に加入している状況ではございますけれども、引き続き、私ども自家用機に係る保険の加入実態の把握に努めるとともに、調布飛行場のように、住宅密集地にあって、かつ小型機の受入れが多いようなそういう飛行場、そういったところを使用する自家用航空機について、例えば一定額以上の保険への加入を求めるというようなことも含めて、今後、飛行場を管理する東京都等の関係者とも連携をして、具体的な方策を検討してまいりたいと考えております。
  50. 河野義博

    ○河野義博君 是非ともお願いします。  一律に法律で縛る必要もないと思います。実態として入っているということが確認ができているということが大切なんだろうと思います。実態把握をしっかりできるような体制をつくっていただきたいと思っております。  また、保険に加えまして、自動車ナンバーのように、機体をどうやって識別をしていくか、そういった課題指摘をされていますので、是非とも包括的なルール作りも加速していかなければいけないと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。  続きまして、このドローン、無人小型航空機の産業育成と法規制とのバランスという観点から伺いたいと思っております。  本法における無人航空機の有効活用事例、また、今後見込まれる新たなビジネスチャンス、こういったところを国交省としてはどのように評価、分析をしておられますでしょうか。
  51. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) これまで民間事業者でございますとか関係団体等へのヒアリングを通じまして、無人航空機の活用事例や、今後活用が見込まれる分野について把握をしてきているところでございますけれども、現在、無人航空機飛行姿勢の制御技術の向上というものがあって、それによって、さっきも御質問にありましたけれども、比較的容易に操作が可能になったということがございまして、やはり撮影や農薬散布、インフラ点検、災害調査等の様々な分野で現に利用されているところでございます。  また、これからの話として、無人航空機を用いて離島に物資を輸送する実証実験というのが行われたりしております。物流分野でも活用されることが期待をされております。さらには、無人航空機を用いて侵入者の監視を行うなど、警備の分野でも今後活用が見込まれております。あるいは、工場の在庫をドローンでもって把握をするというようなこともございますし、それから、非常に高い高度に飛ばして気象観測や海洋観測をするというようなことも考えられているというようなこともございます。  非常に多様な分野無人航空機がこれから活用されていくというふうに考えております。
  52. 河野義博

    ○河野義博君 多様な分野無人航空機の活躍は期待をされる。一方で、我が国のこの分野でのいわゆる日の丸ドローン取組というのは一歩出遅れた感がございまして、一九八〇年代、九〇年代は農薬散布などで日本のメーカーが市場に先駆けて出てまいりまして、遠隔操作型の飛行機ということでは我が国は先進国であったわけでありますけれども、昨今のこのGPSを使った自動操縦型の小型飛行機という点では大きく出遅れてしまっておりまして、中国メーカーが世界のシェアの大体七割以上を占めるというような状況で、残念ながら産業の分野でいきますと後進国になってしまっているというような状況もあるわけで、産業の育成と規制のバランスというのが本当に大事なんだろうというふうに考えております。  自動車産業でも、黎明期には、車があっても走る道がないと皮肉られたり、そういった自動車が日本を代表する産業に発展したのは、性能の向上だけではなくて、道路交通法を始めとする法律や環境規制への対応、保守点検や保険など様々な制度が整えられてきた、この両輪として発展をさせてきたからこそ我が国の自動車産業というのが発展してきたんだろうというふうに考えております。  このドローン、製造自体は出遅れておりますけれども、様々な連携取組によって是非巻き返しを図って活用を進めていっていただきたいというふうに考えております。  続いて、太田大臣質問をさせていただきます。  安全確保が最重要という点は論をまたないわけでございますけれども、技術開発や新たなビジネスチャンスの発掘に妨げになるのではないか、今回の法案がという不安の声もあるわけでございます。無人航空機を活用した先ほど御紹介をいただきましたようなビジネスを大いに推進をしていくこと、そして一方で、一定のルールを設けて適切な発展に資すること、この重要なかじ取りが求められるわけでございますけれども、大臣決意をお聞かせください。
  53. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) そこのバランスということ、そしてこれが世界共通になってくるということの中の国際的な判断、様々な観点で幅広い検討をして、次の段階での法改正といいますか、そうしたことが行われるということになるというふうに思います。  関係者の方にも何人かお話を聞きましたが、まさしく空の産業革命という時代になっているんだという話を盛んにします。中国が先行しているというんですが、韓国等でもここにかなりの金をつぎ込んでやってきている。アメリカ等でもアマゾンを始めとして具体的にドローンで運んでということの実証実験に入ってきているということからいきますと、通販といっても空をどういうふうに飛んでくるかというような面があったりします。  農薬散布では日本の場合は水田の三分の一で活用されて、今お話しのように世界で最先端であったということは実証をされているわけで、この農薬散布用の無人ヘリの国際的なリーディングカンパニーはこれは日本であるというのが今の実情であろうというふうに思います。  測量やマスコミを始めとする空撮、そしてインフラ点検、この間の箱根でもドローンを飛ばして、箱根やまた小笠原近くの西之島、ここでも先般ドローンを飛ばして調査をさせていただいています。  今後そうした、まずは物を運ぶといっても、離島等への貨物輸送ということはまず考えられることかというふうに思っておりますし、警備といった分野での展開も見込まれますし、農薬散布は無人ヘリの国際的な先ほど申し上げたようにリーディングカンパニーは日本でもありますし、製造産業も含めて我が国の成長戦略に寄与することが期待をされていると。  しかし、落下事故とか、今回この法案は官邸にというところから始まっていったわけでありますが、これら過剰規制にならないように、そして今後の世界の動きというもので後れを取らないように、そしてさらに、通販というようなことがある。物を実際に運ぶということで、陸上輸送というようなことで、トラック業界始めとしてそういうことなんですが、どこまでこれが安全でできるかというようなことも含めて、自動車のように、免許とか登録とか大型車とか、それぞれ違いますよね。そうしたことも含めてどういう、定期点検等々が入るかというような物すごくたくさんの課題があって、まずは今回、交通ルールというものを定めようと。そして、この交通ルールを定める今回の法案研究する中に、非常に広がっているという今の状況も更に認識をしたところでございます。  そういう意味からいきまして、これから事業の健全な発展に資するように、まずは機体について安全性確保するための基準、次に操縦者の技量を確認するための仕組み、そして安全な運航を担保するための運航体制、これらのルールの具体化を進めて、安全で信頼性の高い、事業者が事業を展開しやすい環境を整備したいと、このように考えています。
  54. 河野義博

    ○河野義博君 空の産業革命を我が国の成長戦略に取り込んでいくという御発言もございました。  今回の航空法改正は、あくまで緊急的な措置として基本的なルールを定めたものでございます。今後、詳細な制度設計がなされるわけでございますが、しっかりと関係者の意見を聞いていただいて適切なルールを作っていただくことをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。     ─────────────
  55. 広田一

    委員長広田一君) この際、委員異動について御報告をいたします。  本日、田中直紀君が委員辞任され、その補欠として浜野喜史君が選任されました。     ─────────────
  56. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 維新の党の室井邦彦です。  時間がございませんので、はしょっての質問になると思いますので、御理解をいただきたいと思います。その前に、各先生方の御質問の中で重複するところがございますが、お許しをいただきたいと思います。  六月三日に那覇空港で自衛隊のヘリが民間航空機の前を横切るという、このようなことがございまして、六月十一日に国土交通委員会におきまして、重大インシデントの事故の原因究明がどうなっているのかということも御質問をさせていただきました。局長より、運輸安全委員会の調査中のため、今後、調査の進展を見守っていくと、このような答弁がございました。  それからその後、航空機に関係する以下のような事故があったわけでありますが、もう一々申し上げませんけれども、ある報道がございまして、航空機事故、二〇一五年四月から八月までのこの五か月間で十八件に達し、過去五年間で最悪のペースになっていると、このようなことが報道機関で報道がございました。  また、鉄道に関係するこれも幾つか事故がございましたけれども、四月十二日、山手線の電柱が倒れた。また、電柱が傾いているのを一日半前に把握していたが、目視だけで、すぐ倒れないだろう、このような判断の下で補修工事は後回しにした、それから倒れたと。六月三十日には東海道新幹線で、これも、質問にはお答えいただく必要はありませんが、新幹線で初めての列車の中での焼身自殺があった。これは列車事故として発表されておると。  私は常に自慢をしておるんですが、日本の国の安全基準は最高であるということが売り物だと、それが今日の経済発展の一角を成したと、私はそのように自分で思い込んでおるんですが、こういうことになると、私も特に今、この時間でインドネシアの新幹線日本高速鉄道を取り入れるか、それか中国に軍配が上がるのか。技術面では日本だと、経済効果面では中国だというようなことで、大臣も一生懸命頑張っていただいておるんですけれども、もう結果が出ているのかどうか、私も今のところ不安、不安というか気になるところでありますけれども。  こういうことで、じゃ、これから新幹線を売り込むときに、日本新幹線は無事故という、今まで事故がなかったということを強調すればいいのか、もうそれは、ここに事故ということで発表していることは、無事故であるということを売り物にもうできないのか、こういう不安も抱えております。  今日のこの質問には私も御回答はいただきませんけれども、こういう状況の中で私が一番危惧するというか心配するのは、今、安全保障法制度の審議が行われております。日本は抑止力を高める、そのためには法改正も必要だ、そして日米同盟の強化も必要だ、私も否定はいたしません。そうだなというふうに理解をしているところもございます。  そういう中で、世界最大のアメリカというのは総合的な国力を持って、その米国へテロを仕掛けるよりも、弱点を突くように標的を日本に変える方が、これも金子先生が触れられましたけれども、逆に、そういうところにテロ集団、テロ組織が日本をターゲットにするんじゃないかという私もちょっと不安を持っておりまして、すぐさま狙われるのが空と海と鉄軌道ということになると思います。  その点、国土交通省におかれる責任は重大なものがあると思います。しっかりと国民が安心して安全に暮らせる国づくり、さらに、そういう環境の中で経済成長もさせていかないけないという大きな重大な責任を負われております。是非、これからも皆様方に対しましては、しっかりと御精励いただいて国のために頑張っていただきたい、このことを一言申し上げたいということで、早速質問に入ります。  健全な業界発展に資するための安全対策とはということで、私も心配なことが幾つかございます。  姉歯事件、これは構造計算書の偽装ということで、真面目に一生懸命頑張っている一級建築士が同じような目で締め付けられた、それによって成長する経済がブレーキを掛けられてしまったと、このようなことがありました。  そしてまた、関越自動車道における高速ツアーバスの事故によって、ワンマンでいいところがツーマンとか、真面目に頑張っている大手、またいろんな観光バス協会にまた同じような目で見られて締め付けをというようなことがあって、非常に真面目に頑張っている者がばかを見るというような、このようなことにならないように、是非このことについても、一兆円産業とか十兆円産業とか言われておりますので、是非この点を、私が非常に気になるところでありますので、国土交通省として、健全な業界の発展に資するための安全対策、どのように対応されておられるのか、考えておられるのか、お聞かせをいただきたい。
  57. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 今回の法案で、まずは緊急に交通安全ルールというものを整備をした上で、これから健全な業界発展に資する制度設計をしていこうということでございますけれども、具体的には、やはり無人航空機の大きさや性能に応じまして機体の安全性確保、それから操縦者の技量確保、こういった安全対策について関係者の意見を聞きながら制度を検討していきたいと考えております。  この際に、国による規制ということとそれから民間の自主的な取組ということと、これはバランスよく組み合わせるということで、製造、販売、運用といった様々な立場の事業者等の知見を活用することで、安全、安心の確保ということとそれから事業の健全な発展、この両立が図られるように取り組んでまいりたいと考えております。
  58. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 よろしく対応をお願いをしたいと思います。  引き続きまして、今後のルール作りの加速化といいますかスピード化。  今は、ドローンに一歩先、二歩先、どんどん技術が進んでいき、ルールが後で追っかけているというような形になっておるという、これも各先生方の重複した質問になりますけれども、今後、こういう現象の中で、先ほども申し上げましたけれども、十兆円産業と言われておるこのことに対してブレーキを掛けないように、また、ひとつルール作りをスピード化で進めていただきたいのですが、こういう環境の中でのルール作りということについてどのように考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。何か大臣が答えていただけるようでありますので。
  59. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 先ほども申し上げましたように、かなり空の産業革命という言葉が言われるようになったようでありまして、日進月歩の技術革新や利用分野多様化を通じまして、今後のビジネス展開が大いに期待をされているというふうに思います。国交省は、単に規制をしていくということ以上に、これらの状況変化に後れを取らないように対応していくという必要があります。  そこで、今後、今回はいわゆる交通ルールということを決めさせていただくわけですが、今後は、無人航空機の利活用の推進、安全確保の両立、こうしたことが迅速に進められていくということが大事だというふうに考えます。機体については安全性確保するための基準を決める、操縦者の技量を確認するための仕組みをつくる、また、安全な運航を担保する運航体制をつくる。こうした検討に当たっては、技術開発途上であるなどの課題も踏まえまして、研究者やメーカー、利用事業者など関係者の意見を十分聞きながら取り組んで、今後の更なる技術の進歩や多様なビジネス展開にも柔軟に対応できる制度設計をしたいと、このように考えておるところでございます。
  60. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 それでは、最後の質問をいたします。  ワンストップ化による取組の推進について、国土交通省はどのように対応しようとしておられるのか。総務省、国土交通省、農林水産省、あらゆるところが絡んでおる法案でありますので、是非お答えをいただきたいと思います。
  61. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 今回、ルールを定めて、空域あるいは飛行方法許可や承認の手続というのが出てくるわけでございますけれども、これに関しても簡素化、迅速化をしていきたいということは先ほど御説明申し上げたところでございますけれども、例えば一定期間内の包括的な許可とか、それから、受け付けるところも、空港事務所であったりインターネットであったり郵送であったり、そういったことで受け付けて申請者の便宜を図っていくと、こういうことをやるわけでございますけれども。  また、今後、次の段階の制度で他省庁にまたがる課題が多いということになります。そういう意味では、いろんなところに、何というか、別々の申請をたくさんしなきゃいかぬというような状況を避けるために、ワンストップサービス等も含めまして、手続の簡素化、迅速化というものに十分配慮しながら利用者の利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。
  62. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 終わります。
  63. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  本法案には賛成をいたします。  今日は、御巣鷹山の事故から三十年、航空行政にとって最も重要な安全運航の問題について取り上げたいと思います。  まず、大臣にお伺いしますが、航空行政における安全輸送に対する認識をお伺いいたします。
  64. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 航空輸送の安全確保は、公共輸送を担う航空会社にとって何よりも重要であり、国交省におきましても最も重要な課題であると認識をしています。  三十年前の日本航空一二三便墜落事故を受けまして、何よりも安全が大事であるという観点から、国交省は、航空会社の機体整備に対する航空局の審査体制強化する、また、航空会社航空機安全確保のために実施すべき対策についての指針の策定、そして、航空機安全基準である耐空性基準強化等の対策を行ってきました。  また、それ以降も、航空会社に安全統括管理者を設置するなど、安全管理体制の導入を義務化し、そして、航空会社に対する監査専従組織を航空局に設置するなど、航空輸送の安全確保取組を進めているところです。  日本航空一二三便の事故以降、我が国の大手航空会社における乗客の死亡事故は発生しておりませんが、二度とこのような事故を繰り返さないよう、引き続き国交省としては全力を挙げて公共交通の安全対策に取り組んでいきたいと考えております。
  65. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 国交省にお伺いします。  パイロット不足、国内のですね、どのように認識されていますでしょうか。
  66. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 近年、LCCの参入ということもあります。そして、景気の回復、それから、国際的にも、途上国において中間層が成長して航空需要が伸びている、こういうことがありますので、アジア太平洋地域中心に世界的に今パイロット不足というものが生じてきているということでございます。  我が国においても、特に中小あるいはLCCの航空会社においてパイロットの不足というのが現実課題になっているというふうに認識をしております。
  67. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 国交省の資料によりますと、二〇一四年、昨年一月一日時点で、パイロットの数というのは五千九百十七人ですね。十年前を見ますと、五千八百四十四人、七十三人は増えているんです。一方で、国内線、国際線運航本数は、主要航空だけで見てみますと、昨年は七十六万七千六百五十五本。十年前比べますと、六十五万六千七百一本ということになっておりまして、この十年で十一万本増えているんですね。つまり、運航本数そのものは十年前と比べて一七%増えているんですけれども、パイロットの数というのは一%しか増えていないわけですね。当然、私はパイロットの負担というのは増えていると思うわけです。  大臣にお伺いしたいと思うんですが、このパイロット不足というのが業界全体のパイロットの多忙化、労働強化につながっているという認識はございますでしょうか。
  68. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 航空輸送の安全確保は何よりも重要であって、パイロットがこれまでも極めて重要な役割を果たしていると思います。  パイロット不足ということは現実に言われておりまして、そうした認識を私は持っています。パイロットの方々にはそうした中でも緊張感のある重要な役割を担っていただかなくてはならないと、また、いただきたいと、このように思っています。  これが、多忙ということを言うんですが、あなたは忙しいですかと、こう聞かれれば、みんな大体忙しいと、こういうふうに答えるのが全ての人だと思いますが、忙という字で、私は昔から、心が失われる、なくなる、滅ぶという字が忙という字であると、心の中までもうやる気がなくなってしまう、萎えてしまうという状況に働く場合でも労働環境というものは持っていってはならないと、こう思っています。  国交省では、適切な休息時間を取ることを含めまして、一日ごと、一か月ごと、三か月ごと、一年ごとのパイロットの乗務時間の上限について基準を定めておりまして、各航空会社もこの基準に準拠して乗務時間の制限を運航規程に定めているところです。安全審査等を通じまして、パイロットの乗務時間がこの基準を超えることがないよう確認しておりますが、今後とも安全性に支障が出ないよう継続して指導監督してまいりたいと、このように考えます。
  69. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 私は、やはりパイロット不足から見える多忙化、労働強化というのを国交省はしっかり捉えるべきだと思うんですね。  ある航空会社のパイロットは、乗務時間の規制が、今は一か月百時間、年間で千時間というものがありますけれども、それが迫ったということで、デッドヘッドといいまして、普通は自社の便で運航して、それをまた帰るときに運航して帰るということなんですが、それができずに、いわゆる乗客としてパイロットが乗って帰ってくるということをせざるを得なくなっていると。やはり長時間労働というのが強いられているというのがこの実態にあると思うんですよ。  今日のお配りした資料の中でも、航空輸送の安全に係る情報ということを国交省は毎年まとめておられます。その中でヒューマンエラーというのがあるんですが、これ前年と比べますと二倍に急増しているわけですね。国交省は、このヒューマンエラーの防止対策の推進として、依然として根本的な解決に至らずに再発を続ける事例が見受けられるということも言っているわけでございます。根本的な解決ということをやっぱり考えますと、ここには多忙化や長時間労働、労働強化というのがあるということそのものを私は国交省というのは正面から見る必要があると思うんですね。  国交省は、さらに、乗員政策等検討合同小委員会の取りまとめでLCCの問題というのを取り上げております。この間、LCCが想定外の病欠によって次々と減便になったということを取り上げて、健康管理の重要性が高まっていると、こう言っているわけですね。これは国交省の見解でございます。  もちろん健康管理というのは私は大事だと、重要だと思うんですが、しかし、そもそもこの健康管理で減便になったことが、LCCにおける多忙化、人手不足、労働強化、ここが要因の一つにあるんじゃないかということを認識する必要が私はあると思うんですよ。それだけではなくて、経営面での効率化、ここに安全軽視があるんじゃないか、ここをちゃんと見る必要があると思うんですね。  二〇〇七年、インドネシアのLCCであるアダム航空の事故では百人を超える乗員乗客が犠牲になりました。これは、パイロットが判断を誤って操縦桿を引き続けたために墜落したと。インドネシア政府は、緊急事態に対応するパイロットの訓練を怠っていたなどとする調査報告書をここでも発表をしているわけであります。  政府はこの間、LCC推進のために規制緩和というのを行ってまいりました。例えば、乗客がまだ機内に残っている段階でも、これまでは禁止をされていた給油、これは危険だということで禁止をされていたわけでありますけれども、時間短縮のために給油を可能にするということを、規制緩和をやったわけでございます。効率化のために私は安全が犠牲になっては絶対にならないというふうに考えておりますし、この安易な規制緩和で安全を犠牲にすることは絶対に許されないと思っております。  最後に、大臣にお聞きしたいと思うんです。  パイロット不足というのは認識をされていると、同時に、国交省としてはこれに対応するためにパイロットを増やそうということをおっしゃっております。便数もどんどん増えてくるんだと、需要も増えてくるんだと、それに対応するために柔軟な乗務管理を導入しようじゃないかということを同時に言っているんですね。私は、この柔軟な乗務管理ということを口実にパイロットの負担を増やすような規制緩和はすべきじゃないと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
  70. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 基本的な考え方は、国交省においては、航空の安全を確保するために、パイロットの資格制度や乗務時間の制限、必要な訓練、航空身体検査等、パイロットについて必要な規制を設けています。この規制は、これまでも航空の安全を取り巻く状況や国際民間航空機関による国際標準等を踏まえながら、またパイロットを含む関係者の負担等を総合的に勘案して、合理的と考えられる規制を導入してまいりました。  今後とも、こうした観点から、不断に見直しを行うことにより国民の安全と安心の確保を図ってまいりたいと、こう考えているところです。
  71. 広田一

    委員長広田一君) 辰巳孝太郎君、時間が参っていますので、よろしくお願いします。
  72. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 はい。  パイロットだけじゃなくて、整備士であるとか製造技術者の不足の対応も必要だと思います。  この安全が軽視された結果が、JR西日本の脱線事故でもありましたし、一連のJR北海道、高速ツアーバスの事故でもありました。また、二〇一〇年、JALで不当解雇に遭ったパイロットたちもいます。人手不足の解消のために彼らを戻すことも政府として考えるべきだと思いますし、このJALの問題は次の機会に取り上げて質問したいと思います。  質問を終わります。
  73. 山口和之

    ○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之でございます。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  なるべく質問が重ならないように考えてくるんですけれども、どうしてもここまでたどり着く間に大分重なってしまいました。了承を願いたいと思います。  まず、本法案は、無人航空機飛行に当たり、国土交通大臣許可を受ければ、空港周辺や人や家屋の密集しているところも飛行できるということとなっています。そうすると、安全面についてしっかりと確認させていただきたいと思います。  まず、これまでの過去の落下事故等の状況について、把握はどのように行われているのか、また主な落下原因は何かということを先に質問させていただきたいと思います。
  74. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 無人航空機の墜落事故等につきましては、これまで、報道、それから事業者関係機関からの報告によりまして把握をしておりまして、原因としては、操縦ミスや気象状況が原因で発生しているものが多いというふうに承知をいたしております。  そういう意味では、今後この法案の施行に関して、その許可の申請等で操縦者の技量の確認を行うとともに、飛行前の気象状況確認、それから事故時の報告ということを条件とするというようなことも検討しているところでございます。
  75. 山口和之

    ○山口和之君 分析がまずしっかりしていないと再発防止につながらないところでございますので、例えば、報道等で得られる情報等、また実際にどういうふうにということを分析していく上ではしっかりとした原因究明等が必要だと思います。そして、その得られた情報を基に機器の性能を上げていく、あるいは操縦者の技術を上げていくということが大事なことになると思うんですけれども、今少しお答えになられておりましたけれども、この機器の性能及び操縦技術者の向上について、通達や許可だけでは、やはりもしかしたら大きなものを飛ばしている場合は危険だと思われますので、是非その辺をしっかりやっていただきたいと思います。  次に、この法を遵守するための取締りとかあるいは監視体制について伺いたいと思いますが、どのようになっていますでしょうか。
  76. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 今回、一応ルールを定めるわけでございますけれども、この遵守の徹底ということについては、まず全ての無人航空機利用者に対しまして、ルールの周知それから指導というものを行ってまいりたいというふうに考えております。関係機関民間団体とも連携をいたしまして、そういう情報の提供、それからルールの遵守も含めた講習会みたいなものの実施というようなこともやってまいりたいと思います。  それから、監視ということでいいますと、これも関係機関民間団体とも連携をいたしまして、例えば空港周辺でございますれば、必要に応じて、今はバードストライクの監視なども体制を取っておりますけれども、それと似たような体制というものを取って無人航空機監視体制整備するというようなことも検討してまいります。  また、航空法違反が明らかな悪質な飛行確認された場合には、関係機関連携して厳格に取り締まってまいりたいと考えております。
  77. 山口和之

    ○山口和之君 許可を得て飛んでいるのか飛んでいないのか、把握することが非常に難しいような気がするんですけれども、そこら辺はどのように判断されるんでしょうか。
  78. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) これは結局のところ、この航空法の体系というのは基本的に、ルールを定め、それを守っていただくということを前提にできているわけでございますけれども、先ほどの、例えば空港周辺なりあるいは飛行禁止空域でそういった無人航空機飛行確認されるというような場合には、やはり書類等の提示を求めるなどして監視をするということだろうと思います。
  79. 山口和之

    ○山口和之君 人や家屋が密集していないところであっても、空港でもない、例えば一般的なヘリポート、ドクターヘリの場所であったり、そういうところについては今回はこの規制がないんですけれども、そこはどのように対応されるんでしょうか。
  80. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 一言に一般ヘリポートと申しましても、公共ヘリポート、これはいわゆる空港に当たりますので、そういう意味で今回の航空法規制の対象になっております。そういう意味では、今お尋ねのメーンの部分というのは、恐らくいわゆる航空法上の場外離着陸場というものだろうというふうに思いますけれども、無人航空機飛行させる者は、周囲の状況を目視によりまして常時監視することにより飛行させることが求められております。そういう意味では、場外離着陸場の上空飛行する場合でも、ヘリコプター等との衝突が生じないよう配慮することが無人航空機の方の操縦者に求められるわけでございます。  また、例えばドクターヘリの場合、着陸する場外離着陸場へ、これは実態は、救急車が先に到着をして周囲に人が立ち入らないように見張りをして、そこでドクターヘリが着陸をするというような態勢を取ります。そういう意味で、無人航空機飛行というものをそういうところで監視をするといいますか阻止をすると、そういうふうなことも行われるということで、そういう中で安全が確保されていくことになろうかと思いますけれども、更なる、何といいますか、きめ細かい運航ルールの導入については今後検討してまいりたいと考えております。
  81. 山口和之

    ○山口和之君 製品の能力によっては本人の意思とは別に飛んでいってしまうこともあるでしょうし、あるいは技術が未熟な方の場合はまた危険を伴う場合もあると思うんですけれど、農薬散布のようにライセンス等があったり、機体の認定を受けているとか、そういうものがあればリスクは低下すると思われますので、今後、その大きさやそういうものについても是非検討していっていただきたいなと思います。安全面確保する、これ一番大事なことだと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  もう一つ、プライバシーの問題があるんですけれども、海外でもこのプライバシーの問題は取り上げられているところでございますが、想定できるリスクと今後の取組についてお伺いしたいなと思うんですが。
  82. 大橋秀行

    政府参考人(大橋秀行君) お答え申し上げたいと思います。  私ども総務省の方では、今、ガイドラインの策定ということに取り組んでおります。これは、ドローンで撮影をした映像等をインターネット上で閲覧可能とすることについての考え方、これを整理をして、その行為を行う者が注意すべき事項を有識者の研究会等で議論を踏まえて取りまとめていこうとしているものであります。  具体的に申し上げますと、例えばドローンによって撮影した映像等をインターネット上で公開する者に対して、プライバシーの保護等の観点から、例えば住宅地近辺をドローンにより撮影する場合に住宅地にカメラを向けないなど撮影方法への配慮や、あるいは、人の顔であるとかあるいはナンバープレートなどが映像に映り込んでしまった場合に削除あるいはぼかしを入れるといったことに配慮をいただくとか、このようなことが盛り込まれているところであります。  インターネット上で配信される場合についてのプライバシーの保護ということで取りまとめておりますが、社会的影響を考えますときに、インターネット上で配信されるものをまずしっかりと、私どもとしては、ドローンを実際に使われる方々に対して、あるいはそれをネット上で配信をされる方々に対して、是非注意をいただきたいことを取りまとめてありますので、これを近日、なるべく早い時期に公表をさせていただきたいというふうに考えているところであります。  以上です。
  83. 山口和之

    ○山口和之君 注意を喚起するだけでは防止がなかなか難しいということと、のぞき見と余り変わらないと、たまたまドローンを使っているだけの話であって、これは何らかの法律で整備していくべきだと思われますので、その辺の検討もよろしくお願いしたいと思います。  最後に、活用面について大臣にお伺いしたいんですが、国土交通省の重点政策の二〇一五において、新産業創出や国民の生活向上にも資する無人航空機に関するルール作りを推進するとありますが、新産業創出というものはどのようなものを想定されているのか、お伺いしたいと思います。
  84. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 無人航空機は、空の産業革命と、こう言われる新しい可能性を秘めていますし、農業散布では全国の水田の三分の一、先ほどから申し上げましたが、箱根や西之島の火山観測等にも利用されています。無人航空機を用いて離島に物資を輸送する実証実験が行われるなど、物流分野でも活用されることが期待をされています。さらに、無人航空機を用いて侵入者の監視を行うなど、警備の分野でも活用が見込まれているほか、無人航空機を使った工場での在庫管理やインターネット通信の中継局としての活用も検証されています。そのほかにも、高高度からの気象観測や海洋観測として、また害鳥を駆除するというそのツールとしての活用など、一層多様な分野に広がっていくと認識をしています。  そうしたことを進めると同時に、そこに伴う先ほどのいろんなプライバシーの問題を含めてそうしたこと、あるいは日本の社会で物をどんどんどんどんそれで空中を運んでいっていいものやら、いろんなことがあったりします。それらもよく各省連携取って次の段階に進みたいと、このように考えているところです。
  85. 山口和之

    ○山口和之君 ありがとうございました。
  86. 和田政宗

    ○和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。  今日、各委員より空の安全について質問が出ておりますので、関連して、ちょっと通告ありませんが、もしお答えが可能であればということでお聞きしたいというふうに思うんですけれども、航空局長になられるかと思うんですが、辰巳委員の資料でも示されております安全上のトラブルの内容別分類件数のところで、これ、回避操作のTCAS・RAが百九十三件ということでございますけれども、これは、TCAS・RAというのは、二十秒から三十秒で衝突が起きるというような形のときに自動的にTCAS・RAという形になりまして、これ必ずこの回避操作に従わなくてはならないというような形でございますが、これ、例えば大阪ですと、八尾空港から出る小型機と伊丹空港に下りるような飛行機というような関連で発動するというような場合もあるとは思うんですけれども、この数についての認識というのは、航空局長、いかがでしょうか。
  87. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 数に対する認識という御質問は、多いと考えるのか少ないと考えるのかという御質問でございましょうか。  ちょっとこれ、一概になかなか申し上げられないことでございますし、むしろそのTCAS・RAが発動されるということは事故を未然に防ぐ操作が行われるということでありますので、そういう意味では安全を確保するシステムがきっちりと機能しているという面もございます。  という意味では、この個々事象について、どういう状況で発動したのかというのを今後また引き続きよく分析をして、再発防止に必要な措置というものも検討してまいりたいと考えております。
  88. 和田政宗

    ○和田政宗君 ありがとうございます。次回以降、そうしましたら、もう少し詳しく聞ければというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。  この航空法に関連した質問をしていきたいというふうに思いますけれども、今回のように、国民の安全を守るために飛行に対する制限というのが行われるということは、これは必要なことというふうに思っていますけれども、ドローン技術発展を阻害してはならない、これは各委員の共通の認識であろうというふうに思っております。  これも次回以降ちょっとお示しをしようと思いますけれども、私が再三取り上げております巨大防潮堤、これもドローンで飛ばして見ますと、どれだけ巨大な構造物かということが分かります。そして、これは生命、財産を守るということで再三答弁をいただいておりますけれども、実は、空から撮りますと、守っているものが道路一本であるということも如実に分かるような写真もございますので、映像もございますので、これはちょっと次回以降お示しをしたいというふうに思っております。  このドローンについては、やはり技術開発の面、これは中国が先行している、これは河野委員からもお話がありましたけれども、日本においては、これは国交省ですとか経産省も取り組んで開発、活用等が行われていると認識をしております。  その中で、今後の活用に向けた様々な技術開発支援については特に内閣府が取り組んでいるというふうに認識をしております。現状、今後、国のドローン技術開発、どのように取り組んでいるのか、お示しください。
  89. 中川健朗

    政府参考人(中川健朗君) 先生御指摘のとおり、国としてもドローン技術開発について種々の支援を行っているところでございますが、内閣総合科学技術・イノベーション会議、これが司令塔機能を発揮して、府省の枠を超えて技術開発を戦略的にやるという戦略的イノベーションプログラム、SIPというのがございます。この中で、インフラ維持管理・更新・マネジメント技術、こういうテーマがございまして、この中でドローン技術開発も扱ってございます。  具体的には、橋梁あるいはトンネルの点検、診断用の飛行ロボットとして、ドローン小型無人機による点検を可能とする技術開発、これを推進してございます。例えば現在は、一定の風の下でも構造的に安定的に接近できる飛行制御の開発、こういったものを推進しておりますし、今後は、接近後に近接目視を支援するためのカメラ、あるいはコンクリートの浮き、剥離等を検出する打音検査装置、こういうものを搭載した小型無人機利用技術、こういったものを開発していくわけでございます。  いずれにいたしましても、このような取組を始めといたしまして、今後ともドローン技術開発においてしっかりと必要な支援を行ってまいるという所存でございます。
  90. 和田政宗

    ○和田政宗君 この分野につきましては、日本は極めて、やはり本来であれば得意分野であるというふうに思いますので、これをしっかりと技術開発をしていくことがまた日本技術発展にもつながっていくんだろうというふうに思っております。  そして、じゃ、どういうふうに現在活用されていて、どういうふうに今後活用していくのかということを各省庁にお聞きできればというふうに思います。  まず国交省ですけれども、これは火山災害現場ですとか土砂崩落現場などの上空確認ということも含めておやりになられているというふうに思うんですけれども、現状での活用の状況ですとか配備の状況、今後の方針などはいかがでしょうか。
  91. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 国交省におきましては、今御指摘のように、無人航空機、土砂災害や火山災害などにおきまして、立入りに危険を伴う場所の被災状況調査を行う有効な手段として活用しております。具体的には、昨年の広島での土砂災害現場、あるいは御嶽山、箱根山などの火山において現地の状況の把握等を行いまして、災害対応に必要な情報を得ているところでございます。これは全国に、各地方整備局等に三十機余り配備をされている状況でございます。  災害現場における無人航空機の活用というのは有効であるというふうに考えております。今後も、安全を確保しつつ、現場状況に応じて活用してまいります。  また、熱映像等による火山観測とか社会インフラ施設の維持管理のための点検等においても有効な手段となり得るものと考えておりまして、今後とも、新たな技術開発動向や現場での実証等を踏まえながら、無人航空機の活用について検討してまいりたいと考えております。
  92. 和田政宗

    ○和田政宗君 災害現場ということになりますれば、災害時における人の救助のための捜索にもこのドローンというのが活用できるというふうに思いますし、実際に活用されているというふうに認識をしておりますけれども、これについては警察庁、現在の活用の状況ですとか今後の活用の方針はいかがでしょうか。
  93. 斉藤実

    政府参考人(斉藤実君) 先生御指摘のとおりでございまして、先般実施いたしました御嶽山の噴火災害による行方不明者の再捜索におきまして、長野県警察が山頂付近で小型無人機、いわゆるドローンを使用して上空からの捜索を実施をいたしておりますし、他県警察におきましても、災害現場における小型無人機の活用を想定をして訓練も実施をいたしております。  小型無人機、人が立ち入れない場所を近距離で撮影をできるという有効性が認められますことから、警察といたしましても、今後、災害現場における被害状況の把握ですとか被災者の捜索等、必要に応じて積極的に活用を図ってまいりたいと考えております。
  94. 和田政宗

    ○和田政宗君 各省庁の整備におきましては、これは数が多ければいいというわけではないとは思いますけれども、やはりそれぞれ活用の仕方というか、うまく活用できていると思いますし、今後もできるというふうに思いますので、その辺りの予算措置については、是非私は逆に積極的にやっていただければというふうに思っております。  防衛省に聞きます。防衛省では、現状の運用状況ですとか今後の活用はいかがでしょうか。
  95. 鈴木敦夫

    政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。  防衛省では、従来より、情報収集の能力の向上ですとか人的被害の局限等の観点から、陸上自衛隊を中心に様々な小型無人機開発整備を進めてきております。  現時点において保有する無人機の具体例といたしましては、特科部隊の射撃観測でありますとか部隊指揮官の状況判断などに資するための回転翼の無人機、それから普通科部隊の敵情偵察のための固定翼の無人機などが挙げられます。  また、東日本大震災への対応の教訓を踏まえまして、大規模災害対処の場面におきまして、現場の隊員などの二次被害、これを局限しつつ、被災者の捜索や被害状況確認を行うため、固定翼無人機を取得して幅広い観点からの活用を検証を進めているというところでございます。  さらには、予算におきましては、二十八年度の概算要求においても、最新の無人機の有用性を検証し、現場部隊にその運用ノウハウ、これを習熟させるため、費用対効果に優れた無人機を新たに取得するなどの経費を計上しておりますということで、こうしたように、防衛省といたしましては、こうした取組も含めまして、引き続き無人機の活用について検討してまいっているというところでございます。
  96. 和田政宗

    ○和田政宗君 ありがとうございます。  このように、各省庁とも活用の方向性ということについて積極的な考えというものも示されておりまして、私はそれは極めていいことであろうというふうに思っておりますけれども、国交省としまして、本法案と、ドローン開発や活用に支障が出ないように、どのように整合性を保っていくのか、その点をお聞かせいただければと思います。
  97. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) この法案におきましては、一定の空域での飛行や特別な方法での飛行には国の許可、承認を求めておりますが、無人航空機開発や活用を推進する観点からは、一定期間についての包括的な申請を認めるなど柔軟に対応してまいります。それで、現在も、農薬散布しているとか、そういうところ等については基本的にそうした団体とかそうしたことでやらさせていただきたいというふうに、先ほど局長からも答弁したとおりです。  今後も、無人航空機利用安全確保の両立に向けまして、技術の進歩や利用多様化状況等を踏まえながら、幅広い関係者と十分に調整した上で引き続き制度の検討、いよいよこれから更に本格的に検討しなくちゃいけないと、こう思っているところです。
  98. 和田政宗

    ○和田政宗君 時間が参りましたので、終わります。
  99. 又市征治

    又市征治君 社民党の又市です。  この法案には賛成の立場から幾つか質問をいたしますが、私で八人目でございますから、かなり、ダブらないつもりでおりましたが、幾つかダブってまいりますが、再確認意味を含めて現状と課題についてお尋ねをしておきたいと思います。  まず、ドローンについては既に多数流通をしているようでありますけれども、今後、この法の内容を理解した上で新たに購入、利用する、そういう人ばかりではなくて、法施行以前から利用している方についても改正法の内容を周知する必要があると思うんですね。  そこで、まず確認したいのが、国交省として、機体の数、内訳、用途など、既に国内で利用されているこの無人航空機の全体像、現状をどのように把握をされているか、伺います。
  100. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 無人航空機と一言で申し上げましても、飛行機タイプのものもございますし、ヘリコプターみたいなタイプもございます。また、複数の回転翼を有するマルチコプタータイプと呼ばれるものもありまして、重さにつきましても、もう手のひらの上に乗る数十グラムのものから数十キログラムを超えるものまでございます。そして、その用途も先ほどからいろいろ出ているように非常に多様であるということでございます。  機体の数でございますけれど、例えば農薬散布等に用いられております無人ヘリのタイプにつきましては全国で三千台弱ということでございます。それから、空撮に用いられているクラスのマルチコプターにつきましては、これは数万台流通していると、こういうふうに承知をしております。
  101. 又市征治

    又市征治君 今後、包括的な法整備を進める中で、機体、あるいは利用者操縦者のトレーサビリティーの確保が重要になるんでしょうから、そういう意味では、治安管理的にはすべきではないというふうに私どもは思いますけれども、早期の調査をまた求めておきたいと、こう思います。  そこで、今後、法成立後に地域や高度あるいは方法など飛行の細かなルールを省令で定めることになる一方で、国交大臣許可、承認を受けずに飛行させれば、これは五十万円以下の罰金も科されるということになっていますね。  法の趣旨、規制の具体的な内容について、既存の利用者あるいは新たに購入する人など周知が求められるわけですが、どのように進めていくのか、伺います。
  102. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 既に無人航空機利用している方々に対しましては、本法案により新たに設けることとなる規制につきましてホームページ等におきまして広報を行うほか、関係省庁、それから業界団体、愛好者団体等の協力を得ながら広く周知していきたいと考えております。  それから、これから新たに無人航空機を購入する方々に対しましては、無人航空機の使用に関する規制につきまして、もちろん先ほど申し上げましたようにホームページ等における広報もございますけれども、購入時に規制説明や研修を奨励するというようなことを、これ関係省庁、それから製造者、販売者等の協力を得ながら分かりやすい周知を図りたいと考えております。
  103. 又市征治

    又市征治君 衆議院の委員会でも、自動車をめぐる法体系と同様に、無人航空機にも包括的な法整備が必要であるというような議論がなされました。自動車の車検、運転免許、あるいは自賠責保険のように、無人航空機についても、機体の機能の確認操縦者等の技量の確保、万が一の事故の際の保険制度など、他府省にまたがる法整備が必要になってくるんだろうと思うんですね。  今後の法整備について、どのような体制で、どのようなスケジュール感で取り組まれる予定か、お聞きをしておきます。
  104. 蔵持京治

    政府参考人(蔵持京治君) いわゆるこの無人航空機の問題につきましては、杉田内閣官房副長官を議長といたします関係府省庁の連絡会議において、政府一丸となって検討を進めているところでございます。  八月の七日に開催された同会議におきまして、今後、委員指摘のとおり、機体の技術基準の策定と適合性の確認とか、それから操縦者の技量の確認であるとか、あと機体の把握のための仕組みであるとか、あと保険加入の促進方策等につきまして、引き続き関係各省間で検討を進めていくということが確認されたところでございます。  今後も、法整備を視野に入れた制度設計の案の取りまとめに向けまして関係府省庁で検討を行いまして、九月の下旬から十月にも第五回の会議を開催したいというふうに考えております。
  105. 又市征治

    又市征治君 そこで、現在、衆議院提出の議員立法、重要施設上空ドローン禁止法案が審議されているわけですが、日本民間放送連盟は、五月の二十八日と七月の十日、二度にわたって航空法改正との整合性を求めております。衆法と本案との整合性については、国交省はどういうふうに考えておるのか、お伺いします。
  106. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 今御質問の審議中のその議員立法につきましては、国政の中枢機能等を警備するという観点から、小型無人機等の上空飛行を禁止しまして、警察官等によりましていざというときに強制措置がとれる、即時強制等の措置ができるという、そういう規定を設けまして、テロや犯罪行為を抑止することを目的としていると承知をしております。  一方で、今御審議をいただいております航空法改正法案は、無人航空機の墜落等から地上の人、物件、それから既存の航空機の安全を守るという観点から飛行ルールを定めるものでありまして、両者は目的や対象が異なるものでございます。  これらの法案は、立法の趣旨や内容において重複するものではなくて、相互に補完する関係のものと考えております。
  107. 又市征治

    又市征治君 今もありましたように、衆法では、国の施設、政党の事務所、外国公館、原子力発電所など、多くの対象施設やその敷地の周辺での飛行が禁止をされ、施設の管理者又はその同意を得た者が公安委員会に通報して初めて例外的な飛行が可能になる、こういうことになっていますが、同意が管理者の恣意に任されているという問題、あるいはまた違法行為があった場合に、行政指導や行政命令を出して自主的な改善を促すといった過程を経ることなく、即時に一年以下の懲役、五十万円以下の罰金を適用することを定めた直罰規定が設けられて、警察権の拡大が行われる可能性がある、あるいは疑わしきは罰せずという近代市民法の基本的な精神からやっぱり逸脱するおそれということもあることなどから、我が党的にはこれ反対でありますけれども。  日本民間放送連盟は、衆法について、災害や重大事件の発生時における取材、報道活動に配慮した規定がない、非常時の国民の情報アクセスの妨げになることが懸念される、こういうふうに表明をしているわけでありますけれども、本法案における大臣許可や承認においても取材あるいは報道活動に配慮すべきことがあるだろうと思うんですね。特に、非常時における取材、報道活動の場合は、許可、承認の適用除外も含めて、迅速かつ柔軟な運用というものに配慮すべきではないかと、このように思いますが、この点についてはどういうお考えですか。
  108. 田村明比古

    政府参考人田村明比古君) 今回の規制の導入に当たりましては、取材、報道活動を含めまして、様々な事業者に対しまして、機体だとか操縦者、それからその運航体制、また飛行の具体的な態様というようなことについて安全が確保されているかということを確認をするわけでございますけれど、そういうものが確認されれば柔軟に許可又は承認を行うこととしております。そういう意味では、非常時における取材の要請にも対応できるように、さっきも申し上げましたけれども、数か月から一年といった一定期間内の飛行、それから複数の箇所、地域における飛行について包括的に許可を行うというふうなことも検討しております。  また、既にほかの場所で許可を得てその事業を行っている事業者、これは報道関係者も当然対象になりますけど、緊急に飛行地域の拡大等が必要になったような場合、これは簡易な申請で迅速に許可を行うというようなことで、取材、報道活動に支障が生じないような運用ができるように検討をしております。そういう意味では、検討に当たって、報道関係者を含む様々な関係者の御意見や御要望を伺いながら調整を図っているところでございます。
  109. 又市征治

    又市征治君 それじゃ最後に大臣にお伺いをしたいと思いますが、改正航空法に基づく省令あるいは今後の包括的な法整備においても、国民の知る権利に資する取材あるいは報道活動への配慮は欠かせないということを申し上げてまいりましたし、またそのことをお考えのようでございますが、大臣のこの件に対する基本的な見解を伺っておきたいと思います。
  110. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) この法案では、無人航空機の言わば交通ルールを緊急的に整備して地上の人や物件の安全の確保を図ることとしたところです。許可や承認に際しまして、取材、報道活動を含めた様々な事業者については、安全の確保を前提として、無人航空機を円滑に活用できるよう柔軟な運用を行ってまいります。  また、今後は、無人航空機の更なる利活用の推進のために具体的制度について検討を進めていく必要があると考えておりますが、この検討に当たっては、取材、報道活動など様々な活用ニーズに応えるため、技術の進歩や国際的な動向も考慮して関係者十分調整を行ってまいりたいと、このように考えています。  いずれにしても、国民の知る権利に資する取材、報道活動ということについては十分配慮していかなくてはいけないと思います。
  111. 又市征治

    又市征治君 終わります。ありがとうございました。
  112. 広田一

    委員長広田一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  航空法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  113. 広田一

    委員長広田一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  この際、田城君から発言を求められておりますので、これを許します。田城郁君。
  114. 田城郁

    田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。  私は、ただいま可決されました航空法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、日本共産党、日本を元気にする会・無所属会、次世代の党及び社会民主党・護憲連合の各派並びに各派に属しない議員脇雅史君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     航空法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。  一 無人航空機による事故トラブル等を防止するため、飛行ルールを遵守させることができるよう関係機関との連携を図るとともに、事故等を未然に防止する方策を検討し、航空機の安全運航と国民の安全・安心に資するべく努めること。また、事故情報の分析等を行うことが事故等の再発防止に資すると考えられることから、事故等の情報の適切な把握に努めること。  二 無人航空機は、インフラ点検や農薬散布等に広く利用されており、今後も災害対応や人口減少時代における新たな産業・サービスの創出など更なる普及が見込まれることから、無人航空機飛行に当たっての承認等においては、安全な飛行確保することを前提として柔軟に対応すること。  三 事業者を始めとする無人航空機に対する多様な需要に適切に対応するため、無人航空機飛行に係る承認等の申請・審査については、その手続の簡素化、迅速化に努めること。  四 無人航空機飛行の禁止空域として定める、人又は家屋の密集する地域の設定に当たっては、無人航空機に関し産業への活用のみならず、愛好者や教育・研究機関、報道機関による需要もあることから、地域の実情や様々な飛行のニーズがあることを十分考慮すること。  五 無人航空機飛行ルールの遵守は、国民の理解を得ることが重要であり、児童等による使用も見込まれることから、解りやすく丁寧な説明を行うなど十分な周知に努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いをいたします。
  115. 広田一

    委員長広田一君) ただいま田城君から提出をされました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  116. 広田一

    委員長広田一君) 全会一致と認めます。よって、田城君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  ただいまの決議に対し、太田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。太田国土交通大臣
  117. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 航空法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  誠にありがとうございました。
  118. 広田一

    委員長広田一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 広田一

    委員長広田一君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。  本日はこれにて散会をいたします。    午後零時二十二分散会