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2015-06-30 第189回国会 参議院 国土交通委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年六月三十日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  六月十八日     辞任         補欠選任      大沼みずほ君     太田 房江君  六月十九日     辞任         補欠選任      川田 龍平君     室井 邦彦君  六月二十九日     辞任         補欠選任      室井 邦彦君     藤巻 健史君  六月三十日     辞任         補欠選任      山下 雄平君     中泉 松司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         広田  一君     理 事                 江島  潔君                 森屋  宏君                 田城  郁君                 増子 輝彦君                 河野 義博君     委 員                 青木 一彦君                 大野 泰正君                 太田 房江君                北川イッセイ君                 酒井 庸行君                 中泉 松司君                 中原 八一君                 野上浩太郎君                 山下 雄平君                 脇  雅史君                 渡辺 猛之君                 金子 洋一君                 田中 直紀君                 前田 武志君                 山本 博司君                 藤巻 健史君                 辰巳孝太郎君                 山口 和之君                 和田 政宗君                 吉田 忠智君    国務大臣        国土交通大臣   太田 昭宏君    副大臣        国土交通大臣 北川イッセイ君        環境大臣    北村 茂男君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官      うえの賢一郎君        国土交通大臣政        務官       青木 一彦君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        文部科学大臣官        房審議官     森  晃憲君        林野庁林政部長  牧元 幸司君        経済産業大臣官        房審議官     谷  明人君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       木村 陽一君        国土交通大臣官        房官庁営繕部長  川元  茂君        国土交通省住宅        局長       橋本 公博君        環境省地球環境        局長       梶原 成元君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○建築物エネルギー消費性能向上に関する法  律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 広田一

    委員長広田一君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、大沼みずほ君及び川田龍平君が委員辞任され、その補欠として太田房江君及び藤巻健史君が選任されました。     ─────────────
  3. 広田一

    委員長広田一君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  建築物エネルギー消費性能向上に関する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省住宅局長橋本公博君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 広田一

    委員長広田一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 広田一

    委員長広田一君) 建築物エネルギー消費性能向上に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 森屋宏

    森屋宏君 皆様、おはようございます。自由民主党、森屋宏でございます。  それでは、早速質問に入らさせていただきます。  まず、本法案基本的な考え方について大臣にお考え方をお伺いをしたいというふうに思います。  御存じのとおりに、天然資源に乏しい我が国におきましては、石油危機以来、省エネルギー化の不断の努力を重ねてきたところでございます。さらに、東日本大震災、また、それに伴う原発停止による電力不足によって一層の省エネ推進必要性が明らかとなっています。  本法律案におきましては、エネルギー基本計画日本再興戦略に基づき、大規模特定建築物新築に対し、建築物エネルギー消費性能基準への適合を義務付けるなど、特に建築物省エネルギーを強力に推進することを目的にされているというふうに理解しております。  一方において、衣食住と表現されますように、国民生活基本であります建築物については、生活の質や木造住宅等日本独自の文化的な豊かさも追求されるべきであるというふうに私は考えます。  そうした意味におきましても、本法律案基本的な意義に関しまして大臣のお考え方をまずお伺いをしたいというふうに思います。
  7. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 我が国エネルギー需給構造というのは、東日本大震災以来特に脆弱化しておりまして、エネルギー消費量の三分の一を占める建築物につきまして、省エネ性能向上を図ってエネルギー消費量削減を行うということは不可欠だと思います。そのために、この法案におきまして、住宅以外の建築物のうちで二千平米以上の大規模なものについて基準適合義務等を措置しているところです。  しかしながら、これら規制導入に当たりましては、日本伝統文化継承が困難とならないように、そうした配慮が必要であるというふうに考えています。  例えば、地域伝統的な構法、材料を用いる伝統的木造住宅などは、地域気候風土に適して、かつ強度も備えたものであり、これらが正しく評価されるとともに、未来にわたって継承されていくことが大事だというふうに考えています。こうした伝統文化継承とか木材の利用ということを促進をし、私はこの機会に、エネルギーとの関連の中で、高温多湿を特徴とする日本伝統的な木材住宅についても、通風が良いとか、あるいは床下を高くして湿気を逃がしやすい構造としているとか、床下から天井に向けて熱を逃がしやすい構造というような、エネルギーという観点でも木造というものも大事なものだというふうに思っています。  そうした観点から、これはなかなか数値化してということができないというような状況もあるんですが、そこは引き続き研究させていただいて、まず全体的な、住宅以外の建築物で二千平米以上の大規模なものについて基準適合義務等を措置し、そして併せて住宅全体ということについて、木材も含めていい形でこれから推進できるようにということを思っているところです。
  8. 森屋宏

    森屋宏君 ありがとうございます。  改めてお話しするまでもなく、私たち、全国各地には神社仏閣を始め、あるいは歴史的にも建造物で今後未来に残していかなければならない大きな建物もたくさんあると思います。是非そうしたものに対する御配慮お願いを申し上げたいと思います。  次に、これからの制度の円滑な実施について若干お伺いをしたいというふうに思います。  この法律におきましては、特定建築物新築に係る建築確認の際に建築物エネルギー消費性能確保計画提出をしなさいということになっております。また、提出された計画建築物エネルギー消費性能基準適合判定においては、民間登録建築物エネルギー消費性能判定機関を活用するというふうなことでございます。  かつて二〇〇六年のときに建築基準法改正をされました。私、そのとき県会議員しておりましたけれども、確認に相当の渋滞が起きて、私のところにも相当苦情をいただいたという記憶がございます。今回の施行に当たっては、そうした意味で、ある意味業界に対して新しい建物渋滞が起きるというふうなそういうことがないように、是非配慮お願いを申し上げたいというふうに思います。  そういう意味では、本施行による基準適合義務化に、かつての二〇〇六年と同じような轍を踏むことのないように対策お願いしたいわけでありますけれども、どのようなお考え方をお持ちか、現状で、お願いを申し上げたいと思います。
  9. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) お答え申し上げます。  今回、基準適合義務化対象になっております大規模住宅以外の建築物は、現在でも省エネ法に基づく届出対象となっておりまして、所管行政庁、つまり都道府県又は一定規模以上で建築確認を行っておる市町村は既に省エネ性能審査を行っておるところでございます。ここは引き続き業務を行っていただく。加えまして、今委員指摘のとおり、この度新たに法律基準への適合性判定民間登録判定機関でも対応できることにいたしております。したがいまして、対応すべき機関対象が広がっております。  加えまして、今回義務付けの対象となる建築物の件数は、年間で三千六百棟ぐらい、日本全体の新築着工の棟数五十七万棟からいうと〇・六%程度でございまして、数もそれほど多くはございません。これらのことから、適合性判定導入に当たって、かつてのような混乱を招くことは少ないとは考えております。  しかしながら、法施行に伴って建築着工への悪影響が生じないように、適合義務等規制措置は公布後二年以内の施行としておりまして、その間に申請側事業者、それから審査側所管行政庁あるいは民間機関に十分な準備をしていただく時間を取っておるところでございます。施行までの間に審査の実務を伴う技術者育成等推進をすることで、併せて施行体制確保に万全を期す所存でございます。
  10. 森屋宏

    森屋宏君 ありがとうございます。  毎回ここで質問をさせていただく、同じことを言っておりますけれども、御存じのとおりに、地方の中で、特に建築確認をするのは都道府県事務が、山梨へ行きましたら出先がありましてそこがやるわけでありますけれども、非常に人員が減っています。  そういう意味で、今局長お話がございましたように、何というんですかね、新しい基準を勉強していく、能力というふうなこともあるでしょうし、ノウハウをやっぱり蓄積をしていくということも必要であるというふうに思います。都道府県に対するそうした意味での御指導技術力向上に対する御指導是非お願いを申し上げたいというふうに思います。  それでは次に、これから更なる省エネを進めていかなければいけないというふうな意味合いから、二点お伺いを申し上げたいというふうに思います。  省エネ推進は、高機能の断熱材導入など、国民民間事業者などの理解と、少なからぬそれぞれの皆さん方の経済的な協力があって初めて推進するものであるというふうに思います。その観点から、建築確認届出義務の付加といった規制強化と同時に、そうした民間皆さん方やあるいは国民皆さん方それぞれが誘導、インセンティブ付与を介して国民の自主的な取組推進をしていくということが不可欠であるというふうに思います。また、大規模建築物以外にも省エネ推進の裾野を広げていくためには、各地域中小工務店技術力向上ノウハウ蓄積が不可欠であるというふうにも思います。  これらの点について、現状取組、お伺いを申し上げたいというふうに思います。
  11. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 住宅建築物省エネルギー化推進に向けては、規制強化以外にも、例えば省エネルギー化に伴う光熱費削減効果あるいは健康増進効果などのメリット建築主住宅購入者に一層理解をしていただくこと、それから、基準適合させるための追加費用の軽減、いわゆるコストを下げること、それから、特に住宅に関しましては、中小工務店大工の設計・施工技術の一層の向上ということが課題であるというふうに認識をしております。  このため、特に住宅における適合率向上に向けまして、住宅省エネルギー化効果意義周知及び省エネルギー性能表示等推進を行います。また、より性能が高くコストの低い工法、材料等技術開発への支援を行います。さらに、中小工務店大工向け断熱施工技術講習省エネルギー性能の高いモデル的な住宅建設支援等に取り組むことによって、広く地域大工工務店さんでも省エネルギー性能の高い住宅が施工できるような状況を整えていきたいというふうに考えております。
  12. 森屋宏

    森屋宏君 ありがとうございます。  ただし、懸念されるのは、どうしても初期投資が高くなってしまう。見かけ上といいますか、やっぱりどうしても高くなってしまう。それが、例えば十年とか二十年という期間を置けば、計算をしてみれば、その二十年ぐらいの間のランニングコストを含めると総体としては経済効果もあるんだ、そうしたメリットも生まれるんだということだというふうに思いますけれども、どうしてもそうした省エネ対象のものを造っていくことにおいて初期投資が大きくなってしまうということがやっぱり懸念されると思います。  御存じのとおりに、住宅あるいは建築物というのは大きな買物になりますから、そうしたことの足踏み状態が生まれないようによく説明をされて、長く住んでいただいたときにおいては経済効果が生まれてくるんだ、メリットが生まれてくるんだというところの是非周知、あるいは皆さん方指導というものを積極的にうたっていっていただきたいというふうに思います。  それでは、最後になりますけれども、省エネルギー化につきましては、我が国エネルギー不足という、一番の目標があるというふうな今お話もございました。加えて、地球温暖化対策のための温室効果ガス削減観点からも、本法律施行以降も引き続き一層の推進が求められていくというふうに思っています。  特に、本年末には気候変動枠組条約締結国会議、いわゆるCOP21のパリ会議を控えていまして、先日G7において温室効果ガス二六%削減という高い目標国際社会に表明をしております。その達成のためにも継続的な努力が求められていくというふうに思っています。  エネルギー基本計画日本再興戦略においては、二〇二〇年までに新築住宅建築物について段階的に省エネルギー基準適合義務化するなどの目標が設定をされています。目標年達成まであと五年という時間があるわけでありますけれども、決して長い時間ではないというふうに思います。それまでの規制対象、内容について、どのようなプロセスで強化あるいは拡大をされていくお考え方があるのか、最後にお伺いをしたいと思います。
  13. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 規制導入するということは、やはりどうしても痛みを伴うものでございます。したがいまして、今後どのように規制導入していくかにつきましては、新築建築物省エネルギー基準への適合状況推移を十分に見ながら、規制による費用負担効果のバランス、規制必要性に対する国民方々理解程度、それから大工工務店建築主等申請側審査側の両方の体制整備状況などを総合的に勘案しながら検討を進める必要があるというふうに考えております。  今回、義務化対象とした大規模な非住宅建築物住宅以外の建築物につきましては、既に省エネ化が九割以上、九三%、九四%ということで、もう一定程度進んでいるということと、追加的な費用が小さいということがございます。それから、エネルギー消費量としては新築着工建築物全体の三分の一をカバーするなど、規制をすることで一定効果が期待をできるということもございまして、今回規制対象に加えたものでございます。  今後の規制在り方につきましては、委員指摘のとおり、エネルギー基本計画等におきまして、二〇二〇年までに新築住宅建築物について段階的に省エネ基準への適合義務化するという方針が閣議決定をされておりますけれども、先ほど申し上げましたように、勘案すべき観点が幾つかございます。今後、省エネルギー基準への適合状況推移を見ながら、これらの観点を踏まえて、国民皆様に御理解をいただけるように規制在り方について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  14. 森屋宏

    森屋宏君 ありがとうございました。  ある業界のデータを先日いただきました。一般の住宅においても、省エネをやることによっていわゆる気密性あるいは断熱性みたいなものを確保する。そうすることによって、そこに住んでいる方々生活向上といいますか、脳溢血になりにくくなるとか、あるいは心筋梗塞の発症率が下がるとか、そういうふうな効果がうたわれている、実質的な数字としてお示しをいただきました。私も初めて見て、ああ、なるほどなというふうに思いました。  恐らくこれから、一方においては東京オリンピックに向けて、国内においても各地域、特に首都圏を中心に新たな建物も多く建てられていくんだろうというふうに思います。そうした中において、本法律がこのタイミングで作られ、そしてこれからの新しい、オリンピックに向けて、あるいはその後に向けて造られていく建物に対してこれが役立っていくというふうに、非常に大きな意義があるというふうに思っています。是非、より多くの建物に対してこうした今回の法律効果が生まれていきますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  15. 前田武志

    前田武志君 民主党・新緑風会の前田武志でございます。  建築物エネルギー消費性能向上に関する法律案省エネ法そのものは、オイルショック等、二度のオイルショックでしょうか、私も記憶に鮮明にあるわけでございますが、それを経て、たしか昭和五十四年に法律になったんでしょうか、各分野、もちろん産業分野から始まって、運輸、そして業務、あるいは家庭、そういった各分野において省エネをどんどんやるべしというようなことで、当時の通産省、そして経産省ということでやってきたわけでございますが、エネルギー使用効率を高めていくということが目標だったと思います。今回、そのずっと長い歴史、蓄積を経て、建築建物民生関係について、特に経産省が主管していた省エネ法から切り出して、独立してこの民生部門省エネ法ということに相なったわけであります。先ほど来大臣の御答弁にもあったように、この分野エネルギー使用量というのが格段に他分野に比べて増えてきたというようなことがあるかと思いますね。  そこで、エネ庁にお聞きをしたいわけですが、この省エネ法というものが、サプライサイドも含めて、エネルギー全体について行政的に政府で責任を持っておられる経産省においてどのように位置付けをされておられるのかをお聞きをいたします。
  16. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) 本法案エネルギー政策、なかんずくエネルギー基本計画でございますとか、あるいは今般のエネルギーミックスの案における位置付けということかと思います。  まず、昨年閣議決定されましたエネルギー基本計画におきまして、民生部門において高い省エネルギー効果が期待される建築物住宅省エネルギー化対策といたしまして、二〇二〇年までに新築住宅建築物について段階的に省エネルギー基準適合義務化するということが明記をされておるということでございまして、本法案はこれを踏まえる形で提出をさせていただいたものでございます。  それから、今般のエネルギーミックスを現在策定作業中でございますけれども、それとの関係がまず重要かと思いますけれども、マクロフレームでいいますと一・七%程度経済成長というのを前提にしておりまして、それで省エネ対策を何もいたしませんと、やはりエネルギー消費というのは増加をしてくるということが見込まれるわけでございます。したがいまして、徹底した省エネ推進によりまして、二〇三〇年の断面で約五千万キロリットルの最終エネルギー消費削減ということを目指しておるわけでございます。  その中で、民生部門でございますけれども、省エネ対策なしではやはりこれも増加してしまうということで、現時点で定量化できる省エネ対策を最大限積み上げまして、二〇三〇年、二千四百万キロリットルという数字を出してございます。この民生部門省エネ対策の中でも、やはり新築住宅建築物におきます省エネ基準適合推進でございますとか、それから省エネ改修あるいはリフォームの推進、そういったことで二〇三〇年に約七百三十万キロリットルの省エネを見込んでおります。  本法案は、その対策の一部といたしまして、大規模住宅建築物エネルギー消費性能基準適合義務化ということで、省エネ改修推進する一番の根本といいますか、必要不可欠なものであるというそういう位置付けを持ってございます。
  17. 前田武志

    前田武志君 エネ庁の方からそういう今のお話を聞いて、それを受けて、省エネ法最初の間は努力義務を課すというような形でトップランナー方式というのを各方面に導入したと思うんですが、その後、住宅建築分野においても届出義務、そしてさらには、今度は省エネ基準を設けて、今回はその適合義務化ということに至ったということであります。  そこで、住宅局にお聞きしたいわけでございますが、もちろん省エネのためにはこの分野を徹底的に改善していかなければならないということではあるんですが、この省エネ基準というもの、その基準考え方ということについてまずお聞きをしたいんですね。  一番最初スタートですから、その基準というのを余りハードルを高くできないというのも先ほど来の御答弁を聞いていて分かるわけでございますが、しかし段階的に住宅分野についても基準義務化していく。さらには三〇年の目標、その先、後ほど環境省にもお聞きしたいと思うんですが、五〇年目標だとかいうことになっていくわけでありますし、住宅あるいは建物そのもの耐用年数日本の場合には、住宅なんかは特に余りにも短過ぎる。これも私は、日本住宅政策のある意味切替えができなかった失敗だと思っているんですけれど、本来、百年、二百年、木造であったって続くのが当然でございまして、私は奈良県でございますから、法隆寺は千四百年でございます。ちょっと在来の集落なんか行きますと、大和田舎建てといって、いい木を用いて、何も高い銘木というわけじゃないんですよ、非常に太い柱であったり、それぞれ近所の山からもうちゃんと見通しを付けて切り出して、何か一年ぐらい干して、そして三代掛かって建てるというんですね。ちょっと話がそれますが、大阪は食い倒れですよ、京都は着倒れ、大和は建て倒れというんですよ。三代掛けて造ると。その代わり、百年、二百年というのは当たり前の話なんですね。  ということにおいてお聞きをするわけなんですが、この省エネ基準というものは、スタートは、それは何とかクリア皆さんできるように低く抑えるというのはいいにしても、二〇年、三〇年、さらには五〇年、ずっと先のことを考えて、どのように全体を描かれて省エネ基準を設定されてきたのか、まずはそのことをお聞きします。
  18. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 省エネ基準についてのお尋ねでございます。  まず、省エネ基準は、昭和五十五年に最初基準を定めまして、都合三回大改正をしております。それぞれ、やはりエネルギー消費状況を見ながら引上げをしております。さらに、平成二十五年に改正をいたしまして、これは一九九九年、平成十一年の基準を一次エネルギー消費量換算という形で変えたものでございまして、断熱性能に関しては平成十一年基準と同じでございますけれども、設備機器の性能については十一年と平成二十五年では明らかに省エネ性能は上がっておりますので、結果として一割ぐらいやはりエネルギー消費量が減るという基準になっております。そういう意味では、これからまた将来に向けて、全体の省エネ基準適合率を見ながら引上げは検討せざるを得ないと考えています。  一方で、委員が御指摘になりました日本伝統的な木造住宅については、これは高気密、高断熱という意味では余り高く評価ができませんけれども、例えば夏場の通風がちゃんと確保されている、それから床下の湿気を抜くようになっている、あるいは床下から天井に空気が抜けて暑さを逃すとか、そういう日本気候風土に合った、特に日本の高温で多湿な気候風土に合った建て方になっていて、残念ながら、現在の省エネ基準というのは高気密、高断熱を基本にしておりますので、日本伝統的な建築物の評価が十分できておりません。  そういう日本の本来の建物の持っている性能も十分に評価できる省エネ基準にしていく必要もあると思いますし、また、北海道から沖縄まで地域がございまして、幾つかの地域に分けて省エネ基準を定めておりますけれども、当然、北海道で求められる基準と、沖縄あるいは宮古島、石垣島で設けられる基準は全く違いますので、それぞれの地域に合った省エネ基準というのを作っていくという必要があると考えております。
  19. 前田武志

    前田武志君 確かに、木造というのはなかなか断熱というのはやりにくいというお話がございます。そのとおりだと思います。  そこで、この省エネ基準考え方に一次エネルギー使用量というお話をされました。なかなか素人、一般には分かりづらいわけなんですが、一方、建物そのものの躯体といいますか、外皮、これは何か、断熱といいますか、熱貫流率というんでしょうか、そういったもの、この二つを組み合わせておられるというふうに承知をしているんですが、何かそこをもう少し分かりやすく御説明をいただけますかね。  要するに、建物そのものというのは、中の標準的なエアコンがどうかだとか、そういうこと以上に、建物の躯体そのものの熱性能といいますか、それで本来は評価されるべきだと思うんですね。そこで、断熱材だとか隙間が空かないようにしていくだとかいうことで、いろんな工法があるんでしょう。  一方で、伝統的な建物、私もそれをずっともう国会に上がってから、木の文化振興、伝統木造の振興ということをやってきているんですが、甘やかしてもいかぬのですよね。最近は、伝統的な建物であってもかなりの断熱をやれる割と簡単な工法があると聞いているんですね。現実に見たこともあります。ということで、初めから何か伝統建物はちょっとおいておいてこれは別だというようなことだと、五千万戸あるマイホームのほとんどが伝統的構法で建てているわけですから、そこの既存の住宅、段階的にそこまで省エネをしていこうとしたときには、なかなかそこが切り込めないということにもなりかねません。  そんな意味において、一つはこの断熱性能、躯体の省エネといいますか、断熱ということがどの程度今回の基準では評価に入っていて、それから行く行く一般の住宅についても躯体の断熱性能までちゃんと評価していくおつもりなのか、その辺をお聞きします。
  20. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) お答え申し上げます。  まず、省エネ基準につきましては、かつてはいわゆる仕様規定的に、断熱材の厚さは、例えばグラスウールなら東京だったら壁は百ミリ、天井は百五十ミリとかいう決め方をしておりました。それを、平成二十五年に一次エネルギー消費量換算に変えたということでございます。これは、例えばその住宅で標準的な方が標準的な住まい方をしたら、その住宅で消費するエネルギーは原油換算で何キロリットルというやり方に、計算方式に変えました。  これで何が良くなったかというと、例えば断熱材の厚さで省エネ基準を決めているときは、屋根に太陽光パネルを載せて発電をしても、その断熱材の厚さ百ミリ引く太陽光パネル五キロワットという引き算はできないわけですけれども、一次エネルギー消費量に換算をすれば、例えば標準的な生活で何キロリットル原油を使うけれども、太陽光パネルで何キロリットル分生み出すから差引きすると何キロリットルという、そういう再生可能エネルギーの使用についても評価に入れられるようになったということ。  それから、やはり仕様規定になりますと、どうしてもそのときに普及している工法、例えば日本でいうと内断熱の工法で断熱材の厚さを書くようになりますけれども、例えば海外で広まっております外断熱をうまく使うとか、あるいは議員が御指摘になりました日本伝統的構法の家でも、例えばNASAが開発した非常に薄いフィルムのような断熱材を入れれば相当断熱性能は上がるという、こういうものも評価ができるとか、いろんな創意工夫を取り入れられるように一次エネルギー消費量換算の基準に変えたところであります。  ただし、先ほどから議論がありますけれども、いわゆるヒートショック等の点は、これは家の断熱性能そのものに響きますので、今の省エネ基準は両方とも見ることになっております。一次エネルギー消費量一定以下で、かつ断熱性能、熱貫流率はどれ以下ということで両方を見ることにしておりまして、そこは、特に住宅、戸建て住宅系は両方見る基準で今後ともいかざるを得ないというふうに考えております。
  21. 前田武志

    前田武志君 そこで、資料を二枚お手元に配付させていただいておりますが、そのうちの一つ、こういう文書、提言と書いた文書なんですが、これは、一般社団法人健康・省エネ住宅推進する国民会議というのが健康・省エネ住宅推進する議員連盟宛てに出した提言なんですね。自民党の高村副総裁が会長をやっておられます。  そこで、今ヒートショックのお話住宅局長から出ましたけれど、この健康・省エネ住宅推進する国民会議というのは、どういうような団体で、どういう活動をしてこられ、今どういう提言をされているか、その辺のところを教えてください。
  22. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 国民会議の活動についてのお尋ねというふうに思います。  国民会議はそもそも、断熱性能が高い住宅を造ることでどれだけ国民が健康的に暮らせるかということを研究をして、それを全国に普及啓発をされている団体だというふうに考えております。  具体的には、私どもで補助事業をつくっておりまして、公募により選定をされた事業者、これは一般社団法人の日本サステナブル建築協会というところが公募で選ばれましたけれども、ここが、二十六年から三年間で断熱改修を予定をしている全国千八百戸の住宅対象に、改修の前と後で居住者の血圧とか生活習慣、身体活動量などの健康への影響について科学的な調査を行うことにしておりまして、この成果を健康・省エネ住宅推進する国民会議というところが全国に発信をしていただく、普及啓発をしていただくことにしておりまして、国としてもその活動を支援をするということにしておるところでございます。
  23. 前田武志

    前田武志君 実は、この国民会議を応援する意味で議員連盟、これは超党派でございまして、随分幅広く結集しております。私も随分前から参加をしておりますので、多少、同僚議員にPRも兼ねて紹介をしているわけなんですけれども、この上原さんという方が、これは歯医者さんなんですが、せっかく新築住宅を造ったところ、シックハウスですか、それにかかっちゃった、家族もおかしくなったということで、こんな住宅はということで熱心に取り組んで、なかなか行動力のある方で、今や、元の建築研究所の村上所長、今、東大の教授か名誉教授かやっておられますが、なんかが会長になって、随分と住環境と健康を中心に国民運動を展開されてきております。  実は、昨年の予算委員会でも私質問したんですが、系統的に政府として住環境と健康の関係について調査をしてエビデンスを出したという例はないんですよね。この活動のおかげで、今局長さんが紹介されたように、やっとで始まったと、こういうことだろうと思うんです。  資料としては配っておりませんが、私の手元にある、これは村上先生の資料なんですが、今言われた断熱改修をやる前とやった後の効果というものを、この国民会議関係で例えば慶応大学の伊香賀先生なんかがやっておられるんですね。その資料を見ておりますと、これは高知市での例なんですが、断熱改修をやる前のお宅、大体起床時の平均室温が八度、冬のことなんでしょうね、それが断熱改修をやると二十度になったと、平均して。その結果、家庭血圧の高血圧と診断されていた主婦のようでございますが、十二ミリ血圧が下がったと、こういうことのようでございます。こういうのを悉皆的に全国的に展開すると、各地域に応じてどういうような効果があるかというのが出てくるんだろうと思うんですね。  私は後期高齢者でございますから血圧なんかは相当気になる世代でございまして、そういう意味では、この健康と住宅というのは非常に大きな意味意味というか関連があるよということで、これは欧米先進国、特にヨーロッパにおいてはもう常識になっていて、したがって、かなり厳しい基準、温度設定の基準というのもされていると、このように聞いております。  そういう意味では、この法律というものは省エネが第一義の目標ではあるんですけれども、先ほど来、住宅に関わるいろんなプレーヤー、地域工務店であったり、さらには、結局はエンドユーザーである我々一般ユーザー、国民が、省エネ、断熱というのは、単に経済的にエネルギーコストが下がるよというだけではなしに、自分たちの健康に物すごく大きな効果があるんだということが浸透していけば広がっていくんだろうと思うんですね。そういう意味において、この健康という意味は非常に大きな要素なんだろうと思うものでございますから、新しい建物省エネ法において、この健康というような要素もこれから大いに加えてやっていっていただきたいと思うんですね。  もう一枚の紙を付けております。今私がこうやってこの法案について質疑をさせていただいているイメージみたいなものをちょっとこの車みたいなもので示しているわけなんでございますけれど、左の車輪が、まさしく本法律が目指す住宅建物省エネ、断熱化、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスだとかネット・ゼロ・ビルディングだとかいうようなところまで持っていこうとされているようですね。これを本当に進めていくには、流通市場というものが整備されていく必要があるというふうに思っております。  それは、今ちょっと申し上げたように、エンドユーザーが本当に省エネというものはやっていかにゃいかぬなというふうに認識し、そしてそういうインセンティブを持つようになる、それはやっぱり流通を通じてだろうと思うんですね。住宅を建て売りを買うだとか、あるいは賃貸をするだとか、貸すだとか、あるいは中古住宅を買うだとか、そういった行為は全て不動産の流通過程。そこに加わるのは、先ほどの質疑でもあったように、不動産鑑定士からもうあらゆる専門家が加わってくる。しかし、そういったシステムが日本の場合にはまだ余り合理化されていないわけであります、インスペクション等も含めてですね。  そういう流通市場の整備、そして、そういうものを踏まえた上で、もう既に低炭素まちづくり法というのはできているわけでございますから、こういう二つの車輪が一つになって、そしてエンジンのエネルギーを供給するのが地域資源の活用で、木材、人材、資金、再生エネルギー、こういうものが相まってその地域の資産価値を上げていく。個体の建物住宅の資産価値を上げ、街区のブランド力を上げ、地域の再生につながっていく。結果として、その進む方向は、省エネ、CO2の削減、そして健康、快適な住環境、医療費削減につながると思います。最終的には、全国、雇用、経済効果が出ていくんだろうと、そんなイメージでこの省エネ法に対する期待を持っているわけでございます。  そこで、ちょっと環境省の方にお聞きをしたいわけでございますが、先ほどの御質問にもありましたように、COP21が十一月の三十日から始まるんですか、そこで、EU諸国あるいはアメリカにおいてもそうなんですが、住宅建物関係省エネというのは随分進んでおりますですよね。そういう中で、日本がやっとでこの法律をもって間に合わせたのかなというふうに思うわけでございますが、世界の先進国あるいは中国なんかもそうなんですけど、舞台に出ていくと、二〇三〇年で二六%という評価がどういうものかというのもいろいろ議論はあるんだろうと思いますけれど、一応、COP21においては二〇三〇年ぐらいの目標をこうやって述べられると思いますが、その中における住宅そして建築関係、まちづくり関係の持っている意味合い、三〇年ではまだちょっと間に合わないんだけど、いや、日本はどんどん先端の技術も持っているからシステム化して、五〇年ぐらいにはもう世界の先端のCO2削減をこの分野でもやってみせるよというぐらいの見えを切ってもらえるかどうか。  その中で、先ほど来木材の話をしておりましたが、森林のCO2吸収源というのもカウントされていると思うんですけれど、この住宅建物分野木材をどんどん使うというそういう行為が出てこなければ、上流に当たる木材利用、森林の管理というのも、もうこのままだと山が腐ってしまうんですよね。したがって、意外とこのまちづくり分野住宅建物、まちづくり分野木材をどんどん使うということが重要になってくるかと思います。  この二点についてお伺いをします。
  24. 北村茂男

    ○副大臣(北村茂男君) お答えをいたします。  我が国の約束草案、政府原案における温室効果ガス削減目標では、二〇三〇年度の温室効果ガス排出量を二〇一三年度比でお話のとおり二六%、二〇〇五年度比で二五・四%削減することといたしているところでございます。  このうち、業務その他部門や家庭部門といったいわゆる民生部門では、二〇三〇年度に二〇一三年度比で約四〇%削減、二〇〇五年度比でいうなら約三一%でありますが、削減をすることといたしておりまして、今後、民生部門における更なる低炭素化が必要になってまいります。  民生部門の低炭素化については、住宅建築物断熱性気密性向上省エネ設備の導入といった対策が重要なことから、環境省といたしましても、省エネ性能の高い低炭素設備の情報発信や導入の促進、国民運動を通した低炭素なライフスタイルの国民への働きかけなどを通じて、住宅建築物の低炭素化を後押ししてまいりたいと考えております。  住宅建築物分野の低炭素化は、国土交通省を始めとして、お話の林業分野を抱える行政機関等の取組も極めて重要であるという認識の中で、引き続き、関係府省との連携を密にして、政府一丸となって、二〇三〇年の削減目標達成に向けて低炭素設備の普及や低炭素なまちづくりを推進してまいりたいと考えているところでございます。
  25. 前田武志

    前田武志君 ここで国土交通大臣に所感をお聞きするわけでございますが、今までの議論の中で、もちろん法律そのものは建物省エネ法なんですが、非常にこの建物省エネ法というものの及ぶ範囲、効果というのが大きいわけであります。  大臣は、例えば日本国中どこに行っても、高度成長期に発展した、府県でいうと県庁所在地、第二の都市、そういうものをイメージすると、必ずニュータウンがありますよね。どんどんどんどん人口も増えて、そしてニュータウンができて、それが地域の経済を引っ張ったということがあります。  それが今やオールドタウンになってきて、いよいよ、放置すると、私の感じでは、団塊の世代が大体平均してそういうところにいい家を持って、その地域において新しいまちづくりをやったという感じですが、二五年問題というんでしょうか、後期高齢者に団塊の世代がなってくる頃、あと十年も放置しておくと、これはもう全てゴーストタウンになるおそれがあります。それだけに、この建築物省エネ法というようなものもうまく使いながら、コンパクト化だとか町の再生だとか、流通を含めて世代循環だとか、そんなことも含めて対応をしていかなければならないと思うんですね。  そこで、大臣にお聞きするんですが、申し上げたように、省エネというだけではなしに、健康であったり、地球温暖化であったり、町の再生であったり、非常に大きな背景を持つ新しい法律だと、こう期待をするんですね。中身からいうと、基準は低いし、そして二千平米以上だけだし、何だということにもなるんですけれど、関連するプレーヤーがまだそこまで、みんな同じような意識レベルまで行っていないということにおいては、空回りをするわけにもいかないのでこれはこれで致し方がないかなと思うんですが、トータルでどういうふうに大臣お考えか、お聞かせください。
  26. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) いろんなことを考えながら御質問、御提言を聞かせていただきました。私のイメージでは、前田先生おっしゃる二つの三角形というものが大事ということではないかと。  今回は、私が考えた二つの三角形というのは、一つは省エネということが大事だということで、環境省始め、二〇三〇年ということで、二六%削減の中の民生部門、この部門はやはりちゃんとやらなくちゃいけないということが、今回の法律ということの中では一つ、レベルは低い段階ではありますけれども、スタートをさせていただくということなんですが。  しかし、省エネというだけでなくて、もう一つ健康という角度が三角形の一つの底辺としてなくちゃならない。ましてや、現場からいくと、ヒートショックとかいうことで、高齢社会になる中で大変穏やかに住むということが非常に大事になってくる中に、外断熱とかいろんなそういう措置がとられていかなくてはならないのではないかと。もう一つそこに地球温暖化の省CO2という、こういう三角形というものを、今回の法律では、どちらかというと省エネという三角形の一つの頂点であるけれども、そういう角度で、今回はその一歩として考えなくてはならないということは私は非常に大事な視点であろうというふうに思います。  そして、もう一つの三角形ということで、先生からここで提示されました単体としての住宅建物ということについての省エネとか断熱ということをやるけれども、しかし、その三角形のもう一つには、もっと町全体という中にこの低炭素まちづくりと、先生が二十四年、国交大臣在任中に取り組まれた低炭素まちづくり法に基づいて町自体をそういうふうに持っていくという角度がもう一つ底辺で大事で、その両面が備わったときに初めて流通というものが生まれて、ちょっと高いということになるかもしれないけれども、省エネとかそういうことをやる中で、必ずそこに資産価値が上昇して流通が生まれてくるという、三角形というものが生まれてくるであろうと。  私は、今御質問というか、提言をいただきまして、今回の法律ということは、常に健康とそして省エネということと省CO2という三角形を進めるという、そうした未来への展望に立って、第一歩というものを常にそこで、今回の法律で備えよという御指摘だろうというふうに思います。私は、全く同じ考えに立って、この法律改正していただいて、さらに視野を持って、そして将来の日本ということを考えてやっていかなくてはならないという決意をさせていただいたところです。  それで、木造ということにつきましても、躯体の話がありましたけれども、木造の場合は通風ということが非常に大事な要素でありますものですから、私、埼玉県に行きましてある工務店と話をしたときに、是非とも見てください、我が社で開発したこういうことですということで、地下の熱は涼しいわけですから、そこの通風ということの中で、実は、夏は涼しく、そして冬は暖かいという、木造ということはこういうことができるんだということを見させていただいたんですが、そこも、甘えさせてはならないということはありましたが、絶対に技術革新をしていったならば、優れた、三要素そろったそうした木造建物も私はできるんではないかということで、先生の御指摘を受けて新しくまた決意をさせていただいたところでございます。
  27. 前田武志

    前田武志君 今木造の話が出たんですが、農林省さんが来ていただいていますよね。今もずっと議論をしておりましたが、どうも木材関係というと、最上流に森林があって、それを切り出して、いい材は市場に出してということですよね、それで工務店なりが市場で買ってという。流通のサプライチェーンというのが非常に複雑ですが、最下流は、工務店に渡すまでは林野庁なんだけれども、その先は、工務店は国交省ですが、材木という面においては別に国交省も何か責任を持っているわけじゃないですよね。建材として利用されるということになってくると、これは経産省になるわけですよね。  そんなことを前提にして経産省の方にお聞きをするわけなんですが、住宅に係る建材ということにおいて、フローリングは木がいいだとか、あるいは中の造作なんかも木を使うといいよと。この頃、それこそ大和田舎建てのように木造というのが都会ではないし、マンションになってくるともう床の間なんてないわけでございますから、しかし、それでも内装に木を使うというのは非常にいいというふうに皆さん思っておられるわけです。  そんな意味で、経産省においては、建材関係木材の利用というものについてどういうふうに取り組まれておられるのか、あるいはプロモーションしようとしておられるのか、お聞きをいたします。
  28. 谷明人

    政府参考人(谷明人君) お答えさせていただきます。  先生御指摘のように、木材の用途で、一つであります木質建材は、断熱性が高く、インテリア性に優れ、環境に優しい等の特徴を有しており、住宅建築物省エネ化、健康志向の対応といった消費者の多様なニーズに応える建材の一つとしてその利用促進を図ることは非常に重要と認識しております。また、木質建材等の利用促進は、木材利用の拡大を通じ、関連産業の振興や地域再生にも資するものと認識しております。  経済産業省といたしましては、高断熱性を有する木製サッシ等に係る補助金、試験方法や製品のJIS規格の制定等により木質建材等の普及を促進しているところでございます。引き続き、関係省庁とも連携しつつ、木質建材等の利用の促進に取り組んでまいりたいと存じます。
  29. 前田武志

    前田武志君 大分時間が過ぎてしまいましたので、農林省せっかく来ていただいているので、今のを受けて、木の振興、例えば断熱ということになってくると開口部の窓というのが一番効果的だと聞いておりますが、見ておりますと、木枠サッシなんてありませんよね。この間ベルリンに行ったんですが、大きなビルのサッシが木造なんですよ。非常にいい感じのビルでありました。そんなことも含めて、林野庁としてどのように取り組んでいくおつもりですか。
  30. 牧元幸司

    政府参考人牧元幸司君) お答えさせていただきます。  私ども、木材利用の促進ということを今関係省庁とも連携をして取り組まさせていただいておりまして、今御指摘ございましたような木製サッシも含めて利用の促進を図らせていただいているところでございます。  また、先ほど来委員から御指摘ございましたように、木については二酸化炭素の削減効果もあるということでございますので、こういった効果も含めまして、木材利用の拡大に向けまして、中高層建築物での利用が期待されるようなCLT等の新たな製品技術の開発普及でありますとか、あるいは公共建築物におきましても木造化、内装木質化を進めるとか、あるいは木質バイオマスの利用促進、こういった施策につきまして総合的に進めていきたいと考えているところでございます。
  31. 前田武志

    前田武志君 時間が参ったようでございます。  特に最後に強調しておきたいのは、この面で、住宅建物というものの省エネを進めていく過程では、流通関係というのが非常に重要になると思います。それには、ラベリングだとか見える化、そして何といっても、エンドユーザーの国民が分かりやすく、省エネというものの重要性と効果というものが分かるようなそういう働きかけを是非していただきたいと思います。  最後に、なるだけ早い時期に、この省エネ法の第一条に健康で文化的なという憲法二十五条の精神を具現する文言を是非入れていただきたいということをお願いして、終わります。
  32. 山本博司

    ○山本博司君 公明党の山本博司でございます。  本日は、建築物エネルギー消費性能向上に関する法律案に関しまして国土交通大臣にお伺いをしたいと思います。  昨年の四月に、新しいエネルギー基本計画閣議決定をされまして、二〇二〇年までに新築住宅建築物について段階的に省エネルギー基準適合義務化していくこととされております。今回の法律案は、義務化の一環として大変重要な法律案であると考えます。  そこで、まず、これまでの取組についてお聞きをしたいと思います。  住宅建築物分野に関しましては、これまで運輸など他の産業に比べて建築物省エネルギー化がなかなか進んでおりませんでした。これはどのような理由であったのか、また今回の法律案によってどのぐらいエネルギー消費を押し下げる効果があるのか、まず確認をしたいと思います。
  33. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 建築物に係るエネルギー消費は、住宅において生活する際に消費するエネルギーと、オフィスビルや商業ビルなどにおいて経済活動の際に消費するエネルギーの両方がございます。  今までこのエネルギー消費が増加をしてきた原因といたしましては、まず住宅につきましては、世帯数の増加、それからエアコンなどの設備機器の世帯当たり保有台数の増加などがエネルギー消費量増加の原因と考えられます。オフィスビル等の住宅以外の建築物につきましては、まず床面積の増加、それから営業時間の延長といいましょうか、長くなったということがエネルギー消費量増加の原因と考えられております。  今後の見込みでございますが、住宅につきましては、今後世帯数が減少するということで、現状のままでも二〇三〇年にはエネルギー消費量が二〇一二年と比較して一三%程度は減少する見込みでございます。  一方で、オフィスビル等の住宅以外の建築物につきましては、本法案による適合義務化等の措置を講じなかった場合には、やはり床面積が増加する等でエネルギー消費量が二〇三〇年には現状に比べて約三%増加をするというふうに見込んでおります。しかしながら、今回のこの法案の措置を講じることができれば、二〇三〇年には現状よりもエネルギー消費量を減少に転じさせることができる、ゼロあるいはマイナスにできるというふうに見込んでおります。
  34. 山本博司

    ○山本博司君 次に、義務化対象拡大に関しましてお聞きしたいと思います。  新築住宅建築物につきましては、二〇二〇年までに省エネルギー基準適合義務化していくのであれば、段階的に戸建て住宅を含めまして小規模建築物にまで順次着実に義務化対象を拡大していくこと、これは大変重要な課題でございます。この対象を拡大していく際には、予定されている時期、また範囲、これを早期に明らかにした上で、建築物エネルギー消費性能向上必要性、また効果、これを理解をさせていくことが大変必要だと思います。  この義務化対象拡大、今後どのように進めるのか、お伺いしたいと思います。
  35. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 今後の規制在り方につきましては、省エネルギー基準への新築建築物適合状況推移を見ながら判断をする必要があると思います。その際には、規制による費用負担効果のバランス、規制必要性に対する国民皆様理解、それから大工工務店建築主等申請側審査側の両方の体制整備状況などを総合的に勘案して判断をする必要があると考えております。  今回、義務化対象とした大規模住宅以外の建築物につきましては、省エネ化が既に相当進んでおり追加的な費用負担が小さいこと、エネルギー消費量としては新築建築物全体の約三分の一をカバーするなど規制による一定効果が期待できることなどから、規制対象としたところでございます。  今後の規制在り方につきましては、エネルギー基本計画等において二〇二〇年までに新築住宅建築物について段階的に省エネ基準への適合義務化する方針が閣議決定をされておるところでございますけれども、規制はやはり痛みを伴うものでございます。残念ながら、現段階で、いつ、どのように、どこまでということを申し上げる状況にございませんが、今後、省エネ基準への適合状況等の推移を見ながら、国民皆様理解を十分に得て、必要な時期に必要な措置をとるように進めてまいりたいと考えております。
  36. 山本博司

    ○山本博司君 是非、これは二〇二〇年という目標がセットされているわけですので、具体的な形で早い段階でのそういう部分の見通しを出していただきたいと思います。  次に、戸建ての住宅トップランナー制度に関しましてお聞きしたいと思います。  今回の改正では、基準適合しない場合は必要に応じて国交大臣が勧告、公表、命令をすることができることになっております。それで、この年間百五十戸以上の建て売り住宅のトップランナーの基準、この適合状況、現在どのようになっているのか、また今後の制度の見直しに関してはどのように進めるのか、お伺いしたいと思います。
  37. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 住宅トップランナー制度は、平成二十一年度に施行されまして、五年後の平成二十五年度を目標年度として、当該年度以降、平成二十五年基準に定める一次エネルギー消費量より供給する住宅省エネ性能の平均値がおおむね一割削減された水準を満たすことを努力義務として課してきたところでございます。  住宅トップランナー基準適合することが特に求められる事業者、先ほど議員御指摘になりました、年間百五十戸以上建て売り一戸建て住宅を供給している事業者さんは平成二十五年度で六十四社ありまして、そのおおむね九割に当たる六十社が基準適合しております。制度が施行された平成二十一年度の適合率が一割程度でございましたので、このトップランナー制度は現在までに一定の成果を上げたものというふうに考えております。  なお、今後の取組につきましては、また次のステージに行くわけでございますけれども、まだ具体的な水準設定等は行っておりませんけれども、今回の法律、新法に基づく趣旨等も踏まえまして、適切な目標年次及び目標水準を定めたいというふうに考えております。
  38. 山本博司

    ○山本博司君 省エネ基準義務化は、規制を厳しくするだけではなくて、優遇策を活用するということも大変大事になります。今回の法律案では、容積率の緩和をする特例、これを設けておりまして、省エネ基準適合している建築物エネルギー消費性能、これを表示できることになっております。今後は、この制度を活用するとともに、補助制度などの優遇措置、これも検討して省エネルギー性能の高い機器の設置を推進すべきと考えますけれども、この誘導措置に関しましてどのように進めるのか、お聞きしたいと思います。  また、この改正が通常国会で成立した場合は、二〇一六年四月一日の施行を目指すことになると思いますけれども、あと一年でございます。この誘導措置、活用するには、準備に向けた相当の周知、これも必要であると考えますけれども、この二点、お伺いしたいと思います。
  39. 北川イッセイ

    ○副大臣北川イッセイ君) 本法案におきましては、更なる省エネ性能向上のために、表示制度、それから容積率の緩和制度による誘導的措置を講じておるということでございまして、今先生からお話しのとおりでございます。  まず、表示制度につきましては、建築物省エネ基準適合していることについて広告などにおいて表示する制度です。省エネルギー性能に優れた建築物が市場で高く売れる、高く貸せるような市場環境が形成されるように制度の普及を図ることとしております。  次に、容積率の緩和制度につきましては、コージェネレーション設備、省エネ設備の導入などに伴い通常の設備よりも大きな設置面積が必要となる、かなり大きなビルなんかですと非常に大きな面積が必要でございますので、そういう場合には、その設置面積について容積率の算定対象から外すということとしておるわけであります。  これらの制度の活用が図られるよう、関係事業者などへの説明会の実施、分かりやすいパンフレットの作成、配付などにより、関係事業者住宅購入者などに対して制度の周知を図ってまいりたいというふうに思っております。
  40. 山本博司

    ○山本博司君 次に、誘導措置にもつながる省エネ住宅ポイントについて伺いたいと思います。  この省エネ住宅ポイントにつきましては、公明党も積極的に推進をして二〇一四年度補正予算案に必要経費八百五億円を確保いたしました。  前回の住宅エコポイントに関しましては、合計百八十九万戸、三千四百億ポイント以上、これが発行されまして、リーマン・ショック後に大変冷え込んだ住宅市場、これが下支えをしまして大変大きな効果があったと思います。  本年三月十日から受付を開始しておりますけれども、三か月が経過をしておりますけれども、この実施状況を報告いただきたいと思います。
  41. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 省エネ住宅ポイントは、平成二十六年度補正予算と平成二十七年度当初予算におきまして合計九百五億円を措置したところでございまして、本年三月から受付を開始したのは今御指摘のとおりでございます。  五月末までに、新築で約二万戸、ポイントにして五十九億ポイント、約五十九億円分、リフォームで三・六万戸、約二十七億ポイント、二十七億円分、合計五・五万戸、八十七億ポイント、予算額に対して約一〇%のポイントを発行しておるところでございます。  今回の省エネ住宅ポイントは、着工前、契約時点で申請ができます。従前のエコポイントは工事完了後でございます。単純比較はできませんが、従来制度では同時期の割合が一・五%でございましたので、やはり相当積極的に御活用はいただいておるものだと思っております。特に、既存住宅につきまして、本年度より、リフォームの対象設備を拡充するとかあるいは中古住宅を購入してリフォームを行う場合にポイントを加算するなど、リフォームに関する制度の充実をしておりまして、この分野の活用が特に大きいのではないかと考えております。
  42. 山本博司

    ○山本博司君 是非、好調だというふうにお聞きしましたけれども、推進お願いしたいと思います。  今お話ございましたように、実施状況住宅エコポイント事業においてもリフォームの割合が相当大きいということでございます。新規住宅購入のついでに制度が利用されるのではなくて、住宅設備の新しい需要が喚起しているということを意味するのであれば、大変これは大きな意義があると思います。また、昨年末に成立しました空き家対策特別措置法、本格施行になっておりまして、この中で、市町村の空き家の活用事業に関しましても助成費用を拡充することが盛り込まれております。こうした改修の際に、断熱窓とか高効率の空調とか給湯設備などの省エネルギー性の高い機器が設置されれば、新たに活用される空き家も増えてくると思います。  また、我が国木造の家というのは、築二十年から二十五年で上物価値はほぼゼロになると言われておりますけれども、省エネルギー性能とともに耐震性とかバリアフリー性能についても、一定基準をクリアしますと社会的資産ということも価値が上がるのではないかと思います。  こうした既存建築物省エネルギー改修を促進するためにも、リフォームに対する支援の充実、更に検討すべきではないかと思いますけれども、太田大臣の見解を伺います。
  43. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 建築物に使われるエネルギー削減に当たりまして、既存の建築物省エネ改修は大きな課題になっています。  住宅につきましては住宅ローン減税や贈与税の非課税措置の上乗せ優遇をさせていただき、非住宅につきましては断熱性能の向上や設備の高効率化に対する補助あるいはLEDなどの省エネ設備導入省エネ改修を行った場合の法人税の減税、こうしたことをさせていただいております。  また、既存住宅省エネ改修を促進するには、地元の町場の工務店等に活躍をいただかなくてはならないと思いまして、その意味では、中小工務店大工施工技術向上を図るということで、講習会を行ったり断熱施工技術の習得ができるよう、様々な補助を行っているところです。  これらの支援を通じまして、既存建築物省エネ改修ということは非常に大事なので努めていきたいというふうに思っています。
  44. 山本博司

    ○山本博司君 是非とも推進をよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、スマートウエルネス住宅に関してお伺いをしたいと思います。  ICT技術と省エネを生かすことで、高齢者とか障害者とか子育て世帯の多様な世代が交流をして安心して健康に暮らすことができる住宅を目指すという点は大事な視点であると考えます。特に、住宅断熱性能の向上がヒートショックの防止や居住する人の健康維持、また生活の質の向上につながることから、実証実験など是非推進をしていただきたいと思います。今、有識者等の研究会で検討が続いているということでございますけれども、その推進状況、御報告をいただきたいと思います。
  45. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 高齢者を始めとする多様な世代が安心して健康に暮らすことができるスマートウエルネス住宅推進は、大変重要な課題でございます。特に住宅の断熱化は、住宅内の温度差に起因するヒートショック現象の防止など、スマートウエルネス住宅推進する上でも有効と考えられます。したがいまして、断熱化が居住者の健康状況に与える効果を検証する取組に対して私ども国も支援をしております。  具体的には、先ほど前田委員の御質問にもお答えをいたしましたけれども、公募により選定された事業者が平成二十六年から三年間で、断熱改修を予定をする全国で約千八百戸の住宅対象として、改修の前と後で居住者の血圧、生活習慣、身体活動量などの健康への影響を比較をする科学的な調査を行うこととしております。一年目である昨年度は、まず六百四十軒について改修前の調査を実施したところでございます。  今年度以降、調査を行った住宅の断熱改修を実際に行って、改修後の調査も行う予定でございまして、引き続きこれらの取組に対する支援を行ってまいります。
  46. 山本博司

    ○山本博司君 大変大事な部分でございますので、推進お願いしたいと思います。  その際に、住宅のICTの利活用ということも大変大事になってきます。住宅のIoT、インターネット・オブ・シングス、IoT化に向けまして取組を活発化させることで、従来インターネットに接続されていなかった住宅がインターネットに接続されることで、ビッグデータを取得、分析することで様々なサービス、新たな産業が期待をされております。  今般の成長戦略におきましても、個人情報の保護、これを十分に配慮した上で、ICTの利活用やIoTの進展、これは一層の取組強化が求められております。大量のデータを分析することで、例えば暑い浴室から出るときにどのぐらいの温度差があると体調崩す人が多いのかと、こういう傾向をつかむことができますので、こうした知見を蓄積することで健康で快適に暮らせる家の条件が浮かび上がって住宅メーカーは新たな家造りに生かすことができると、こういうことももう既に民間ではやっておりますけれども、このビッグデータとかICTの活用、大変重要でございます。民間だけに任せるのではなくて、国としても積極的に研究を推進すべきと考えますけれども、大臣の認識を伺います。
  47. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 御指摘のとおりだと思います。  家電や電気設備等をインターネットにつなげてエネルギー等をコントロールする、また、そうした出てきたところの温度とかそういうことのビッグデータを使って、そして住宅の、いわゆるスマート住宅あるいはヒートショック対策ということについて乗り出すというようなことが極めて大事だというふうに思っています。  そういう意味では、いろいろ、千葉県の柏の葉スマートシティとかあるいは藤沢市のスマートタウンということで取組が進められたりしているところもあるわけでありますけれども、国としても、そうしたことについて、民間のそうした研究ということ、そして様々な知見というものを更にバックアップできるような体制を取りたいと、このように思います。
  48. 山本博司

    ○山本博司君 是非とも、これは国を挙げてお願いをしたいと思います。  最後大臣伺います。  安倍総理は、地球温暖化対策をめぐりまして、先日のサミットで、G7で、二〇三〇年度に温室効果ガスの排出を一三年度比で二六%減らす目標を表明しました。この温室効果ガス削減に向けた省エネ住宅対策最後大臣の決意を伺いたいと思います。
  49. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 二〇一三年度比で二〇三〇年度のCO2排出削減量の目標は二六%減なんですが、そのうちこの建築部門につきましては、業務その他の部門で三九・九%減、家庭部門で三九・三%減と、このようになっているところです。  非常に大事な目標達成のための役割を担うということが住宅であろうというふうに思っておりまして、そうしたことや、今日の御質問の中にも様々御指摘のありました健康ということを含めて、これからしっかり省エネ住宅ということ、併せて健康や省CO2ということだということをよく踏まえて対応したいと、このように思っています。
  50. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  51. 藤巻健史

    藤巻健史君 維新の党の藤巻です。  まず、エネルギー消費推移ですけれども、最近、運輸そして産業が減少して建築物が上昇しているということなんですが、これはひとえに景気のせいではないかなという気がしないでもないんですが、いかがでしょうか。すなわち、この二十年間、日本の名目GDPというのは、国内総生産というのは低迷しておりまして、その低迷経済、要するに、景気に影響される運輸そして産業が消費量が減って、景気に影響のない住宅部門のエネルギー量が依然多いということで、そういう結果になっているのではないかと。  もしアベノミクスが成功して景気が良くなると、今、太田大臣が、省エネ達成目標住宅が重要だというふうにお話しされましたけれども、産業と運輸の部門がまたエネルギーを大量に使い出して、建築よりはよっぽど省エネには運輸、産業の方が大切だということにならないのかどうか、その辺ちょっとお聞きしたいと思います。
  52. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) エネルギー消費量の動向でございますけれども、人口などの社会構造でございますから、先生御指摘の景気の変動を含めた経済活動、あるいは天候等、様々な要因で変化するものでございます。  御指摘のとおり、あくまでも相対比較におきましては、やはり産業、運輸が減って建築物が増えているということはそのとおりでございますし、特に産業ですとか運輸の貨物部門につきましては、九〇年代、二〇〇〇年代の経済活動の停滞でございますとか、あるいは産業構造の変化というのもあろうかと思います。そういう傾向の下で減少してきているということが言えると思います。  他方、家庭ですとか業務は、やはり人口でございますとか業務の床面積でございますね、これはやはり相対的に景気の影響というのは受けづらいものであろうということは言えると思いますけれども、他方、その中でもエネルギー消費量、絶対量としては、やはり一九九〇年代と比べてかなり増えているということは事実でございまして、必要な対策というのは講じていかなきゃいけないんじゃないかと、そういう認識でございます。
  53. 藤巻健史

    藤巻健史君 次の問題、ちょっと法律の根本的な、思想的な問題なので、最後に、担当者の後に大臣にも一言お聞きしたいんですけれども。  先ほど来、規制は痛みを伴うという御回答が何度かありましたですけれども、私は個人的には規制って大嫌いで、可能な限り市場に任せるべきだと思っているんですね。やっぱり、私は外資系におりましたけれども、私の部下の外国人は日本は一番の社会主義国家であるというふうにいつも言っておりましたが、まさにその一つの現象としては規制が多いということなんですね。  法律規制を掛けてやるよりは、私は、例えばエネルギー価格を上げてしまえば物事は済むんじゃないかと。要するに、需給というのは経済学でいえば値段で大体決まってくるわけですから、エネルギー価格が上がればおのずと省エネ建築物を建てるということになるのではないかと。  要は、例えば、ちょっと話違っちゃいますけれども、夏の節電という話も、そういう規制でやるんじゃなくて、電気の値段を上げれば当然電気の使用量は減るんではないかと。もちろん二段階ぐらいにしないとお年寄りが熱射病で死んじゃうということがありますから、当然最低限のものは低く抑えて、それ以上の値段を高くするということによってエネルギー消費量を抑えることができるんではないかと。要するに、これだけ節電と言っていながら、東京の夜はもう世界で一番明るい、いまだ明るいということですけれども、これは値段が上がればきっと暗くなるわけで、そういうことを言えば、基本は値段で調整するべきではないかなと、こういうふうに思うわけなんですね。  ただ、そうはいっても、例えば中古建物は元々安いエネルギー価格で建っているわけですから、そこに対しては新しく高いエネルギー価格に対応すべき改造をするというのを国が助けるとか、新築よりも中古建物が高いエネルギーに耐えられるような構造に変えて、エネルギー価格は高くしてエネルギー需要を抑えるという形の方が国の在り方としてはいいんじゃないかなと。要するに、規制じゃなくてマーケット、市場、価格というものによって物事を変えていくということができるんではないかなというふうに思うんです。  逆な言い方をしますと、今原油の価格が極端に下がって、少し戻していますけれども、いずれ原油って上がってくると思うんですね。それから原子力の問題もありますし、長期的トレンドとしてはエネルギー価格というのは上がってくると思うんですね。そうするならば、先ほどの話の逆なんですけれども、わざわざこういう規制をつくらなくても自らが省エネ住宅を造るのではないかと。エネルギー価格が高くなっていくのならば、そのランニングコストが高くなりますから、別にお役人に言われなくても自分で省エネ建築にするんではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  54. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 建築物省エネにつきましては、これまで税制優遇、補助、規制緩和などによって、事業者等の自主的な努力を通じて建築物におけるエネルギー消費量を減らすということを努力をしてまいりました。その結果、特に大規模な非住宅建築物につきましては省エネ対応が浸透して一定効果が上がってきております。そういう意味では、市場である程度そういう省エネ建築物が定着をしてきたということだと思います。  しかしながら、住宅以外の大規模建築物についてこれ以上自主的な取組の促進だけで更なる省エネを進めることには限界があるということで、先ほど申し上げましたとおり、現状のままでは今後二〇三〇年までに非住宅建築物においてエネルギー消費量が三%やはり増えてしまうということで、今回この規制措置お願いをしております。その結果、エネルギー消費現状に比べて減少に転じさせることができるんではないかと考えております。  一方、中規模や小規模建築物につきましては、今後とも税制あるいは補助などのインセンティブを活用して国民事業者の自主的努力を促すとともに、特に省エネ性能が劣る中規模建築物については行政指導を行うということで質の向上を図ってまいる所存でございます。  規制は最終的な手段でございまして、省エネが定着している分野において最後の底上げを図る手段として用いるということを前提に今後とも制度の設計をしてまいりたいと考えております。
  55. 藤巻健史

    藤巻健史君 もし大臣何か一言あれば、お聞きしたいんですが。
  56. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 考え方としてはあると思いますが、先ほどから健康とか、あるいはこれはCO2の削減ということを国際的に決めていくというような枠組みというものはあって、協力しなくてはいけないということの別の要素ということも踏まえていくならば、そうした今後の二〇三〇年あるいは二〇五〇年に向けての住宅在り方ということについてのインセンティブを与えていくということは私は必要なことだと思います。過度なものではなくて、一定の方向性を示していくということは大事なことではないかというふうに思っているところです。
  57. 藤巻健史

    藤巻健史君 先ほどの御回答で、このままではエネルギー消費に限界があって、何年先にはどうのとおっしゃっていましたけれども、それはエネルギー価格が一定であるという前提ではないかと私は思うんですよね。これは個人的なマーケットの見方で、私は、今後、原油も上がってくるし、円安もかなり進むと思いますので、日本エネルギー価格は物すごく上がってしまうんだろうと思うんですが、別に政府が上げなくてもですね。ということで、おのずと余り規制がなくても省エネ住宅というのは進むんじゃないかなと個人的には思っております。  一つだけお願いしておきたいのは、そういうときに、規制を、もし省エネ住宅がどんどんどんどん進んでいくならば、今回成立するかもしれない法律、それから若しくは通達等を至急撤回させていただきたいと。御社だけに限らず、お役所というのは一回作ると法律とか通達とかなかなかなくならないんですけれども、もし省エネ住宅を自ら造るようになれば、エネルギーコストが上がることによってですね、そのときにこの法律のみが残ってしまうと建築確認の際に面倒な手続のみが残ってしまうわけですから、それは、そういう事態が変わったら早急にまた修正なり撤回をしていただきたいということはお願いしておきたいと思います。  次に、エネルギー消費性能の表示ですけれども、このエネルギー消費性能の表示というのは、これは非常にすばらしいと思うんですね。特に外資系企業がどんどん今日本に進出してきて、外資系企業というのはやっぱりランニングコストを極めて重視いたしますので、省エネ建物は喜んで借りるわけです。ですから、そういうときに彼らに資するように、単なる表示だけではなくて、この建物はどれだけより省エネであるかという、何というか、グレード表示というものを取り入れていただければなというふうに思います。  何が言いたいかというと、これもマーケットの活用なんですけれども、借り手が多く集まる建物を当然のことながら貸主は建てるわけですから、非常に借主が魅力的な省エネ建物をどんどん借りやすくする、それから借りるような情報、そして環境を整えていけば、それはもう建築主が自ら省エネ建物を建てるということになると思いますので、是非そういうグレード付けとか情報を借り手に出すということを考えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  58. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 平成二十五年に、車の燃費に相当するような建築物全体のエネルギー消費量に関する指標を導入いたしました。これは、その建物を想定される用途で使った場合に消費するエネルギーは年間何メガジュール・パー平米だという、これを表示できるようにいたしました。そうすると、今御指摘のように、複数の建物を比較をすることも可能になります。さらに、この法案におきましては、建築物省エネルギー性能を買手や借り手が簡単に比較できるように、建築物の販売又は賃貸を行う事業者に対して省エネルギー性能を表示するよう努力すべき旨を規定をしております。この規定を最大限有効に活用していただいて、不動産市場で省エネ性能の高い建築物が高く評価をされるように我々としても努力をしてまいりたいと考えております。
  59. 藤巻健史

    藤巻健史君 私もその点が一番重要じゃないかと思っておりまして、努力だけじゃなくて、もし規制をするなら、ここを努力じゃなくてもっと規制しちゃってもいいんじゃないかなというふうに思っております。  最後質問ですけれども、容積率の特例という話がありましたけれども、先ほど聞いていますと、余り魅力的な特例じゃないなと。もっと積極的に容積率を上げることによって、御褒美をあげるという形で容積率をこの場合にはもっと上げてもいいんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
  60. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 容積率の特例につきましては、現段階ではコジェネ等の省エネルギー設備の導入のために必要になる床面積を容積率対象から適用外にするということでございますので、容積率の特例の適用に当たりましては、市街地環境に与える影響というのも当然考えなければいけませんので、どうしても一定の上限は設けた上で一部容積率不算入という措置をとることになろうと思います。具体的な上限値につきましては、今後、関係業界等の意見も聞きながら検討してまいります。
  61. 藤巻健史

    藤巻健史君 終わります。
  62. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  今法案は、現行のエネルギーの使用の合理化等に関する法律から建築部門を抜き出して、建築物省エネ基準への適合義務化へ踏み出すものでございます。  今回の法改正が、二千平米以上の非住宅建築物新築や改修する際の省エネ基準への適合を現行の届出義務から適合義務に強化をする、建築基準法に基づく建築確認の手続に連動させて実効性を担保するという規制措置を盛り込んだことは、第一歩として評価できると思っております。  今日は、住宅建築物省エネ対策のその手法の問題について問うていきたいと思います。  今回の法案の内容の一つにもありますこの誘導措置ですね、容積率の特例というのは、省エネ性能向上のための設備について通常の床面積を超える部分を不算入とするものでありまして、これ自体を否定するものではありません。ただ、日本住宅建築物省エネ対策というのは、設備の中でも個別機器の誘導に偏っているのではないかという問題意識を持っておりまして、私は、その断熱性能を高めて建物全体の省エネ効果を高める政策というのがなかなか進んでいないんじゃないかというふうに思っております。  まず、エネ庁に聞きたいと思うんですけれども、住宅建築部門のエネルギー消費を抑えるためには何が必要なんでしょうか。
  63. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) お尋ねの住宅建築物エネルギー消費を抑える手法でございますけれども、一つは、やはり住宅建築物断熱性向上による熱損失の防止に加えまして、もう一つが、住宅建築物導入するエネルギー消費機器の効率改善、その二点が併せて必要であろうというふうに考えてございます。  当省でも、断熱性向上による熱損失の防止につきましては、サッシやガラスあるいは断熱材といった建築材料につきましてトップランナー制度を施行してございます。また、高断熱住宅としては、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの導入支援というのも行っているところでございます。併せまして、エネルギー消費機器の効率改善、これも重要でございますけれども、空調設備でございますとか冷蔵庫といったそういうエネルギー消費機器について、これもそのトップランナー制度を活用しながら機器の高効率化の促進を図る。双方がそれぞれ重要かなということでございます。
  64. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 熱損失、これを防ぐために断熱効果、進めていく必要があるということだと思うんですね。  経産省の審議会である総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー委員会の第十四回会合が六月の十五日にも開かれておりまして、ここでも、我が国では個別機器の省エネルギー性能向上している一方で、建物外皮の省エネ対策は諸外国と比べて劣っていると、住宅建築物対策は直ちに実施するべきだという意見が出されているんですね。  外国と比べて劣っているという指摘もあるとおり、今は機器は十分進んでいると、しかしその断熱性確保の重要性が大事だと、重要だということだと思うんですね。エネルギー効率のいい省エネ機器、また、今政府が進めている、先ほどありましたネット・ゼロ・エネルギー住宅とかネット・ゼロ・エネルギー・ビルなどは、エネルギー消費に見合うエネルギーを消費すればこれはゼロになるからいいという話なんですけれども、そもそも、エネルギーを消費しない、つまり、脱エネルギーという発想、この省エネ発想というのが大事ではないかというふうに思います。  この断熱の仕方なんですけれども、内断熱と外断熱というのがあると、日本では内断熱がより普及しているということだと思うんですが、国交省に確認したいと思うんですが、この外断熱と内断熱、どちらが断熱効果は高いというふうに認識をされているんでしょうか。  それと、長寿命化の話も。
  65. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 外断熱工法につきましては、躯体の屋外側に断熱材を措置するために室内温度が躯体の影響を直接受けやすいことから、躯体の熱容量が大きいRC造の場合、いわゆるコンクリート造の場合は、暖冷房時の開始時に短時間に効果が現れにくい反面、暖冷房を切った後も効果が継続しやすいという特徴があります。内断熱は逆でございます。  しかしながら、外断熱工法につきましては、躯体の屋外側に断熱材を措置することから、一般的に熱橋、いわゆるヒートブリッジが生じにくいという点を考えますと、外断熱の方が断熱性能を確保しやすい工法と言えると思います。  それから、長寿命化の話で申し上げますと、外断熱工法については、躯体の外側に断熱材がありますので、躯体が外気に触れないということから考えると、劣化も遅くなるということで、外断熱工法の方が長寿命化にも資するものと考えております。
  66. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 政府もその有効性というのは認めている、長寿命化にも資するということだと思うんですね。  国交省にちょっと確認しますけれども、今官庁施設でこの外断熱工法を用いている官庁施設、建設された例というのは何件ぐらいあるんですか。
  67. 川元茂

    政府参考人(川元茂君) お答え申し上げます。  官庁施設で外断熱工法を採用した件数は、過去十年間に完成した新築事務庁舎において十八施設でございます。  以上でございます。
  68. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 政府自身、そういう官庁施設の一部に外断熱工法を用いているということだと思うんですね。  ここで大臣にお聞きをしたいと思うんですけれども、今機器重視というところから断熱も大事だよという話をさせていただいたんですけれども、やはり今この外断熱を含めた建物全体の省エネ対策を進めるためにも、やはりこれを進める施策を積極的に進める必要があると思うんですけれども、どうでしょうか。
  69. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 御指摘のとおり、外断熱工法は躯体の外側に断熱材を措置するようしますものですから、躯体を通じて熱が外に逃げにくい構造となっておりまして、断熱性能を確保しやすい工法です。  現実に、これずっと進めて、私も関わってきたんですが、なかなか、ちょっと値段が高いということもあったりして、うまく進められてこなかった点があるんですが、私、その建物行ったりしますと、非常に穏やかで健康に良くて、ヒートショック等もなくて、そして長寿命化という話ありましたが、結露がもう全く出ないということ、これ大きな要素だと思います。  二十五年に建築物全体の一次エネルギー消費量を評価する基準導入しまして、様々な新しい技術や我が国で普及していない工法などについても適切に評価をできるようになりました。これを踏まえまして、外断熱工法などの採用による断熱性能の向上も含めて、今後様々な省エネ対策が進むことが期待をされていると思いますが、これまでも、先導的な技術開発や普及に対する補助、あるいは断熱改修等による省エネ性能向上が図れる事業に対する補助、これらを行って外断熱改修の新工法なども進めてきているところです。  今後とも、外断熱工法などを採用した省エネルギー性能の優れた建築物の普及というものは、ますます私有効だと思っておりまして、進めていきたいと思っています。
  70. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 積極的に是非進めていただきたいと思います。  それで、私、もう一つ問題意識持っているのは、この設備に対する支援と、断熱性を高めていくということで、本当にそれだけでいいのかということなんですね。根本的な建築物省エネが実現できるのか。  今回の法改正を見てみますと、その対象となる建築物は既に九〇%以上がもう基準達成しております。ですから、これ省エネできる量というのは僅かということだと思うんですね。抜本的にエネルギー消費量を減らすためには、建築部門だけエネルギー消費量が増えている原因にメスを入れていく必要があると思うんですね。  国交省に再度確認したいと思うんですが、なぜ運輸部門などと比べてこの建築部門のエネルギー消費量だけが増加してきたんでしょうか。その原因は何でしょうか。
  71. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 建築物部門におけるエネルギー消費量は、一九七三年比で約二・五倍となっております。これは、まず住宅以外につきましては、床面積が増加をしていること、それから、例えば二十四時間営業等の営業時間が長くなっていることなどがエネルギー消費量増加の原因と考えられます。住宅につきましては、世帯数が増加をしていること、それからエアコンなどの設備機器の世帯当たりの保有台数が増加をしていることがエネルギー消費量増加の原因と考えられます。  なお、非住宅住宅以外の床面積が増加した要因についてでございますが、これは二〇一二年度におけるオフィスビルあるいは商業施設などの住宅以外の床面積の総量が一九七三年度比で約二・七倍に増加をしております。これに対して、GDP、国内総生産は同じ期間に二・四倍になっておりまして、ここは高い相関関係があることから、いわゆる国全体の経済活動の規模が拡大するに伴って住宅以外の建築物の床面積が増大をしてきたというふうに考えております。
  72. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 経済規模が大きくなったということももちろんあると思うんですね。ただ、私が指摘したいのは、その非住宅、つまりオフィスの大型化、床面積が広がったという理由の一つは、やはり容積率の規制緩和というのでどんどんビルも高層化できるようになってきたということ、これが一つ拍車掛けている面もあるんじゃないかということなんですね。そのほか、いろいろREITで不動産証券化とか、PFIなどで民間資金活用等のやり方で大手不動産都市開発会社、ディベロッパーが進めるいわゆる大規模開発事業というのを誘導してきていると、支援してきたと。私はここにメス入れる必要があるんじゃないかというふうにも思うんですね。  これからオリンピックを見据えた東京の再開発ということが言われております。また、リニアを見越して、東京、品川、名古屋、大阪などでは駅前開発ということも中間駅も含めて言われております。世界で一番ビジネスのしやすい国際都市づくりということを言って、いわゆる国際競争拠点都市へと、超高層マンションまた複合ビルなどが乱立をするようになる東京大改造ということも言われているわけであります。そういうことをやっていきますと、どんどんオフィスの面積が広がっていくということにもなりますし、都市化ということでいえば、ヒートアイランド現象ということも付随してきて、更にエネルギー消費量が増えるということにもなると思うんですね。さらに、スーパーメガリージョンということで三大都市圏ということになってきますと、更に東京一極集中を進めてしまう可能性もあるということを指摘したいと思っております。  ですから、建築物エネルギー消費量の増加の原因にやっぱりメスを入れて、省エネを進めるためにも、いわゆる国際競争力の強化を口実とした東京圏などへの公共投資の集中、大型開発プロジェクト推進規制緩和を改めるべきだということを言って、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  73. 山口和之

    ○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口でございます。  早速、省エネ基準義務化についてお伺いしたいと思います。  新法では、今九三%が適合している二千平米以上の非住宅省エネ基準義務化するとしておるんですけれども、九三%が適合しているということなんですけれども、適合しない残りの七%、未達成群の理由は何なのかということをやはり気になるところでございますのでお伺いしたいと思います。
  74. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 今回適合義務対象とする二千平米以上の大規模住宅以外の建築物基準適合していないものは約七%程度というのは、御指摘のとおりでございます。  その理由でございますけれども、これは、一つはやはり建築主として少しでもコスト削減したいという御要望がある、それから現行省エネ法適合義務になっていないという二点が大きな点ではないかと思っております。  基準適合の例としては、例えばガラス張りの建築物で適切な断熱措置もしないとか、あるいは効率が低くてより安い設備を採用する等の例がございます。  ただし、実は従来でも、省エネ法に基づいて届出をしていただいて、省エネ措置が著しく不十分な場合は行政庁が指示をできることになっておりましたけれども、平成二十二年から二十五年の三年間、指示の実績はございません。したがって、著しく不十分ではないけれども基準を少し下回る程度のケースというのがこの七%の大半ではないかというふうに推測をしております。
  75. 山口和之

    ○山口和之君 先ほど藤巻委員からも出てきましたけれども、インセンティブがやはり不十分なところがあるんではないかなというふうにも思うところもあります。そういった意味で、二〇二〇年までに三百平米以上の全ての非住宅住宅省エネ基準義務化目標としているということなんですけれども、この目標達成に向けたインセンティブ等の促進策についてお伺いしたいなと思います。
  76. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 三百平米以上の建築物につきましては、これから、まずは建築主の自主努力適合率を引き上げていく必要がございます。  そのためには、まず本法案で措置をお願いをしております届出制度の的確な運用を図ることが第一でございます。それから、建て主となる国民方々あるいは事業者方々省エネルギー化効果意義をよく御理解をいただくこと。それから、省エネルギー性能表示等を行うことで、不動産の市場で省エネルギー性能の高い住宅建築物が高く評価をできるような環境をつくること。さらに、より性能が高くコストの低い工法、材料等技術開発など、追加費用負担軽減に向けた国としての支援などが必要であると考えております。
  77. 山口和之

    ○山口和之君 要は、インセンティブがしっかり働けば、先ほど来の話にも出てきておりますけれども、適合化が進んでいくんではないかなというふうに思います。また、今のインセンティブの話の中では、補助が出たりする可能性もあるとすると、そうすると、その間なかなか、出そうだぞということでそこに踏み込まないということもありますので、そこら辺をなるべく早い時期にインセンティブを促進策として出していかないと、ちょっと待っていようかなというふうになってしまう可能性もあるので、是非それを進めていただきたいなと思います。  今、三百平米以上の話でしたが、じゃ、三百平米未満の新築規模建築物省エネ基準適合化に向けた課題についてお伺いしたいと思います。  先ほど来出ておるんですけれども、戸建て注文住宅の約四割が中小工務店で行われているという話です。省エネ技術が十分に浸透していないとされていて、その理由は、大工さんが約四十万人いらっしゃるとされていて、国土交通省は二十四年からその中小工務店技術者に対して省エネ講習や技術指導を行っているということですが、この受講者はこの三年間で六万人となかなか進まないと。これは、建築価格にもよるのかもしれませんけれども、なかなか乗ってこないということです。  そこで、三百平米未満の新築規模建築物省エネ基準適合化への目標達成のための促進策、先ほど来言っていますインセンティブですね、課題とされる中小工務店理解と技術の向上への取組についてお伺いしたいと思います。
  78. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 三百平米未満の小規模建築物は、一般国民建築主の大宗でございますし、中小工務店大工さんが供給の大宗を担うという、こういう戸建て住宅が相当部分を占めております。したがいまして、省エネルギー基準適合する建築物の促進に向けては、需要側、供給側両方の対策が重要と考えております。  まず、需要側である国民皆様には、省エネルギー化による光熱費削減効果だけではなくて、先ほどから議論になっておりますが、健康増進の効果など、省エネルギー化に伴う副次的な効果も大きいことをよく御理解をいただくということが大事でございますし、それに加えて、融資、税制、補助などの支援省エネルギー性能の高い住宅を選びやすい環境をまずつくりたいと考えております。  さらに、供給側については、御指摘のとおり、中小工務店大工さんが省エネルギー化の重要性を理解をされて積極的に技術力向上するような支援が重要と考えております。既に断熱施工技術の講習をやっております。先ほど御指摘をいただきまして、六万人はもう講習は受けていただきました。それから、地域中小工務店大工さんが協力をして、共同して省エネルギー性能の高い住宅を建設する場合に、そういうモデル的な取組にも補助を行う等を行っております。  今後は、やはり中小工務店大工さんが積極的に技術力向上に取り組めるようにバックアップすることと、省エネルギー性能の高い住宅の供給が新たなビジネス分野として積極的に取り組んでいただけるように、環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
  79. 山口和之

    ○山口和之君 建てようとする方が積極的にいくことによってその四十万人の方々もそこに参加するようになってくるんだと思います。  ちょっと余計な話かもしれませんけれども、東北にはこたつ文化というのがあって、このこたつ文化は、こたつに入ったら出たくないと。こたつの横にテレビのリモコンがあって、ミカンがあって、それからお茶のポットがあって、急須があって、動かない。介護予防が非常に大事な時代に、家の中どころか、こたつから動かないという文化があるんですけれども、暖かい環境のいい家になれば、北海道はどうもこたつの文化がないらしいんですけれども、非常に動き回る、また外に出る気にもなると。こたつを知っている方はこたつに入ったら動かなくなりますので、是非こういうことを広げていただくことによって介護予防にもつながってくるのではないかなというふうに思います。  さて、平成二十六年の新エネルギー基本計画新築住宅の平均でZEH、つまりネット・ゼロ・エネルギー・ハウスということでZEHというんだそうですが、この実現について伺いたいと思います。  二〇二〇年までに標準的な新築住宅でZEHを実現し、二〇三〇年までに新築住宅の平均でZEHを実現することとなっているんですけれども、新築住宅の全体の中で現在のZEHの普及状況及び今後の促進策についてお伺いします。
  80. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの普及状況でございますけれども、なかなかこれ詳しく把握するのが難しい面がございますけれども、経済産業省で平成二十四年度から住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業というのをやっていまして、これでその導入費用を補助しております。その後の実績といたしましては、毎年約千件の導入補助をしてきているということでございます。  詳しくその普及状況を把握いたしますためには、住宅の個別のエネルギー消費量を計算してそれを把握する必要があるということでございまして、現在、義務付けがございませんので、詳細なところはちょっと把握が難しい面がございますけれども、大手のハウスメーカーの中には、新築の戸建て住宅の六〇%弱が既にネット・ゼロ・エネルギー・ハウスになっているという会社もあるというふうに承知をしてございます。  ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス自身は技術的にはもう現在可能になっているということで、低価格化がいずれにしても重要な課題であるということでございまして、普及を促しまして量産を図るという観点からも、更なる低価格化を促すべく、平成二十六年度の補正予算におきましてもその住宅導入補助を実施しているということでございます。  こうした取組国土交通省さんとも連携しながら着実に推進してまいりたいと考えてございます。
  81. 山口和之

    ○山口和之君 ありがとうございます。  先ほど、こたつから動かないというのを生活不活発病ということで、だんだん機能が衰えていくんですけれども、そういった意味で被災三県の実情についてお伺いしたいんですけれども。  低炭素社会に向けた先進的なモデル地域としての期待から、特段被災三県向けの促進策は講じているのかということを一つ伺いたいと思います。  二つ目は、福島県は原発に頼らないエネルギー政策を掲げていて、現在の福島県における新築の非住宅住宅省エネ基準適合率はどの程度になっているのかということと、福島県におけるZEHの普及状況はどうなのかと。  要は、被災地において先進的なものをしていくということなんですけれども、どうも余り目立たないような気がするんですが、その件についてお伺いしたいと思います。
  82. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) ちょっと順番が前後するかもしれません。  まず、省エネ基準適合率、福島県内のものでございますが、平成二十五年度、二千平米以上の大規模なものでは、非住宅が九割以上、全国も九割以上でございますけれども、全国よりは高くなっております。それから、二千平米以上の住宅適合率八割でございます。全国平均は五割でございます。それから、三百平米から二千平米の中規模なものでは、非住宅が福島県は八割、全国が六割、住宅が福島県は六割、全国は三、四割ということで、いずれも省エネ基準適合率が非常に高くなっております。  それから、ゼロエネルギー住宅の普及策でございますけれども、福島県において地域中小工務店によるネット・ゼロ・エネルギー住宅取組につきましては、平成二十四年から二十六年度の三か年で五十戸について補助金の補助採択をしておりまして、支援を行っております。  また、被災地における低炭素社会に向けた取組として、都市の低炭素化の促進に関する法律、いわゆる低炭素まちづくり法に基づく低炭素建築物につきまして、これまで岩手、宮城、福島の三県で九十四戸の住宅を認定をしておりますし、省CO2に寄与する先導的なプロジェクトにつきましても、三県で二十三件のプロジェクトを採択し、支援を行っておるところでございます。
  83. 山口和之

    ○山口和之君 是非とも被災三県が全国のモデルになるようにインセンティブを働かせていただいて、二〇三〇年とは言わず、二〇二〇年とは言わず、早い段階にエネルギーの低炭素化した住宅ができ上がるようによろしくお願いしたいと思います。  以上です。ありがとうございました。
  84. 和田政宗

    ○和田政宗君 次世代の党の和田政宗でございます。  私は、日本省エネ技術は世界に誇るべき技術であると考えております。建築物を始めとする分野で更に積極的に取り組み、そういった技術を伸ばしていくべきとの観点から質問をしていきたいと思います。  まず初めに、ビルや住宅など建築物における省エネにつきましては、それぞれの機器の技術開発も重要であると考えますが、各機器を一体的につなぎ省エネ効率を高めるシステムの開発も重要であるというふうに考えます。例えば、国立仙台高専においては、産学官連携で、これはお手元の資料にございますけれども、天気予報を組み入れた効率的な空調制御や街区全体のエネルギーを制御する斬新な技術開発が行われております。  こうした産学官連携による省エネ技術の開発を積極的に進めていくべきだというふうに考えますが、国の支援考え方はどのようになっているでしょうか。
  85. 森晃憲

    政府参考人(森晃憲君) お答え申し上げます。  温室効果ガス削減エネルギーの安定確保に資する省エネルギー技術の研究開発は大変重要でございまして、文部科学省といたしましても、エネルギー基本計画や科学技術イノベーション総合戦略を踏まえ、革新的な省エネルギー技術の創出に向けた研究開発を推進しております。  その際、迅速な実用化の観点などから産学官連携が重要と認識しておりまして、このため文部科学省では、省エネルギー技術の研究開発を産学官連携を活用しながら進める取組支援をしておりまして、例えば従来製品よりコスト四分の一で断熱効果が二倍となる断熱材料等の革新的技術シーズの研究開発などを支援しているところでございます。  今後とも、関係府省と連携しながら、産学官連携も活用した省エネルギー技術の研究開発を進めてまいりたいと考えております。
  86. 和田政宗

    ○和田政宗君 この仙台高専の例にも見られるように、斬新な発想が生まれたときにそれをしっかりと発見をしていただかないと、これはいろいろな提案を、そういった開発の技術を見付けた、開発をした方から提案というのはあるというふうに思うんですけれども、それをしっかりとサポートをしていただければというふうに思います。  関連して、この省エネ技術につきましては企業間連携で開発されているものもあるというふうに考えておりますが、省エネ技術の開発における企業間連携に対する支援というのはどのようになっているんでしょうか、お答え願います。
  87. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) 更なる省エネルギーを実現いたしますためには、やはり御指摘のとおり、個別のエネルギー消費機器の効率改善のみならず、様々なシステムでございますとか他の機器との組合せ、あるいはそれの制御といったことで、例えばビル、住宅につきましても、そのエネルギー管理を行う技術を開発し、それを普及させていくというようなことが必要になろうかと思っております。これには企業間の連携が非常に有効であろうということでございます。  経済産業省では、事業者が実用化まで見据えて行う省エネルギー技術の開発というのを支援しておりますけれども、この中で、ほかの企業でございますとか、場合によっては大学等と組んで連携するものも積極的に採択をしてきております。例えば、照明の制御システムの最適化のための知的照明システムというのがございますけど、こういうものでは、不動産に属する業種の事業者様、それから計測機器のメーカーでございますとかあるいは光学情報機器メーカーなどが連携をいたしまして、共同で研究開発を行い、また、その実証研究を経て製品化まで至っていると、そういう例もございます。  また、それぞれの企業が持ちます最先端の省エネ技術をシステムとして組み合わせるということも大事でございまして、例えば、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルでございますとかあるいはハウス、そういったものというのはその典型でもあるわけでございまして、そういう技術の普及という観点も含めまして、その導入について支援を行っていきたいということでございます。
  88. 和田政宗

    ○和田政宗君 各省庁でいろんな支援メニューがあるということは事前のヒアリングですとかレクチャーの中でも私は認識をしておりまして、各省庁それぞれでそういった支援をやっていただくということは大変有り難いというふうに思うんですけれども、聞けば聞くほど各省庁それぞれ独自にやっているような観が見えてまいりまして、それらを一体的、包括的に束ねて国として私は戦略的に方針を打ち出していくべきだというふうに考えます。やはり、この省エネというのは日本が世界に先駆けて開発している技術も多いと思いますので、そういった国としての戦略的な方針というのを打ち出して積極的に推進していくべきだというふうに考えますが、太田国交大臣はどのような感想をお持ちでしょうか。
  89. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 国全体としてというのはなかなか、それは各省庁にわたることだと思いますし、また、こういうのを統合するという調整機能は内閣府ということになってなかなか難しいので、そこはエネルギー庁全体ということになると思います。  ただ、住宅建築物省エネルギー化ということの中で、そこの部門については文科省やエネ庁を始めとするそういうところの技術や、あるいは民間でのそうしたことについて国交省が主導してやっていくということが私は大事なことだというふうに思っています。  木造の話があったりいたしましたけれども、地中熱の活用というようなことは、木造という、日本は、住宅は気候によるわけでありますから、木造ということとこの省エネということは関連をするわけで、地中熱を活用して省エネ化を徹底した空調設備とか、あるいは複数建物間での電力や熱の交換というようなことについては極めて優れているというふうに思います。そうしたことを、主導的役割を国交省は果たさなくちゃならないと、このように思います。
  90. 和田政宗

    ○和田政宗君 例えば安倍政権では、日本再興戦略でありますとか、こういったものに基づいて強力に様々な改革を推進されているというふうに思うんですが、例えば国家省エネ戦略ですとか、私はそういったものがあっていいというふうに思いますので、これはまたほかの委員会でも提案をしていきたいというふうに思います。  その観点からもちょっとお聞きをしたいというふうに思うんですが、日本企業のこうした様々な省エネ技術につきまして、海外展開における支援策というのはどうなっているんでしょうか。どのような分野で積極的な支援を考えているのか、また海外ではどのようなニーズが高まると認識しているか、国の考えをお願いいたします。
  91. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) 御指摘のとおり、日本の優れた省エネ技術、海外展開を支援することは、これは海外の市場を獲得するという観点のみならず、エネルギー安保でございますとかあるいは地球温暖化対策にも資するものであるということで、積極的に推進していきたいと考えてございます。  特に、近年、先進国のみならず新興国におきましても、拡大するエネルギー消費を抑制をしなければならないということで、ビルあるいは住宅において建物全体でエネルギーを効率よく活用し省エネにつなげていくような、そういうエネルギーマネジメントの手法あるいはシステムに対する関心が高まっているというふうに承知をしてございます。  経済産業省では、海外における実証事業のようなものをNEDOを通じて行っておりますけれども、企業の海外展開をこれによって支援をいたしております。例えばタイでは、ホテルにおいて、高効率の冷凍機でございますとかヒートポンプを、BEMSというエネルギーマネジメントシステム、これによりまして統合制御する実証事業を実施をしておりまして、約一五%の省エネを実現し、また、それがタイの国内のほかの案件にも普及をしたというような実例もございます。  あるいは、人材の育成でございますとかあるいは官民のミッションの派遣といったようなことも通じて、海外展開、強力に支援をしてまいりたいというふうに考えてございます。
  92. 和田政宗

    ○和田政宗君 私、前職のときからこういった分野、実は結構取材をしておりまして、なかなか、ほとんど動力を使わずに空気を攪拌する機器ですとか、地方の中小企業でもそういった面白いといいますか、新たな発想の機器というものがありますので、これが是非海外に展開して、日本の技術はすごいなというようなことが更に広まって、これがまた日本の経済活性化にもつながるような御支援お願いしたいというふうに思っております。  さて、各省庁の建物など、国の建物における省エネについて聞いていきたいというふうに思います。これは機器や建材やシステムの導入などを含めて現状がどうなっているか、また今後の計画がどうなっているか、お聞かせください。
  93. 川元茂

    政府参考人(川元茂君) お答えいたします。  国土交通省におきましては、官庁施設の省エネルギー化については、省エネルギー法の制定以降、その時代時代に即した省エネ技術の導入などに率先的に取り組んでまいりました。現在、全ての新築庁舎について、現行の省エネルギー法により適合努力が求められている省エネ基準を満たすよう整備しております。そのため、具体的には、高効率な熱源や照明器具、照明制御システム、自然光、自然通風の活用などの機器、システムを導入しているところでございます。  今後とも、官庁施設の整備に当たりましては、積極的な省エネ技術の導入によりまして更に一層の省エネ対策に取り組んでまいります。
  94. 和田政宗

    ○和田政宗君 国が率先してやりましたら、これは民間にも普及するというふうに思います。これは官庁営繕の力の発揮のしどころだというふうに思いますので、是非お願いをしたいというふうに思います。  最後に、建築物エネルギー消費性能適合性判定の人材についてお聞きをしたいというふうに思います。  第十二条で、建築主は、特定建築行為、すなわち大規模な非住宅建築物新築などをしようとするときには、その工事に着手する前に建築物エネルギー消費性能確保計画提出して、所管行政庁建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けなければならないというふうにされております。この建築物エネルギー消費性能適合性判定に従事する専門的な人材をどのように確保していくのか、お答えを願います。
  95. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 建築物エネルギー消費性能適合性判定は、まず、所管行政庁あるいは大臣登録を受けた民間審査機関において受けることができることとなっております。所管行政庁におきましては現在でも省エネ法に基づく届出を受けておりまして、既に審査体制は整っておるものと考えております。  民間審査機関はこれから登録をいただくわけでございますが、その中で、適合性判定に従事する判定員は、一級建築士あるいは建築設備士といった資格を有する者のうちで一定の講習を修了した方を想定をしておりまして、十分な人員が確保できると見込んでおります。  既に住宅省エネ性能の評価を行っている性能評価機関が百二十以上存在をしておりまして、半数以上がこの民間審査機関として登録をするという意向を表明されておりますので、十分な体制は取れると思っておりますが、さらに、規制的措置の施行、二年間ございますが、この間に講習の実施等により適合性判定に従事する人材の育成に努め、審査体制の整備に万全を期す所存でございます。
  96. 和田政宗

    ○和田政宗君 建築物エネルギー消費量がどんどん伸びているという観点からのこの法律であるというふうに認識をしております。この法律が更に強力に、そして政府全体で一体的に推進されることによりまして建築物におけるエネルギー消費量がぐっと下がっていくと、そういったことに私もしっかりと手助けをできればというふうに思っておりますので、引き続き強力に推進をしていただくことをお願いをして、私の質疑を終わります。
  97. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智です。  本法案は、昨年四月の第四次エネルギー基本計画に基づき、建築物におけるエネルギー消費量の低減に向けた措置を講ずるものであります。  まず質問しますが、現行の省エネ規制ではどのような点が不足をしており、本法案提出に至ったのか、法案提出の背景、経緯を伺います。
  98. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 住宅建築物部門の省エネルギー化につきましては、これまでも、省エネ法に基づいて中規模以上の建築物届出制度等の措置を講じてきたところでございます。しかしながら、住宅建築物部門のエネルギー消費量は他部門に比べて増加をしており、エネルギー消費量全体の三分の一以上を占めるなど、抜本的な対策強化が求められております。  エネルギー消費量が減らない理由は、やはり建築主事業者の御協力がこれ以上自主的な協力はなかなか難しいという状況になったということで、今後一定程度規制的な措置も必要であるというふうに考えておったところでございます。このため、平成二十六年四月のエネルギー基本計画におきまして、二〇二〇年までに新築住宅建築物について段階的に省エネ基準への適合義務化する方針が閣議決定をされたところです。  以上のことから、今回、大規模建築物省エネルギー基準への適合義務等規制的措置に加えて、省エネルギー性能の優れた建築物に関する容積率緩和、省エネルギー性能の表示制度などの誘導的措置を一体的に講ずることを盛り込んだ法案提出させていただいたところでございます。
  99. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 法案においては、今回、二千平米以上の大規模住宅建築物省エネ基準への適合義務化するわけでありますが、第四次エネルギー基本計画においては、二〇二〇年までに新築住宅建築物について段階的に省エネルギー基準適合義務化すると明記しています。  二千平米以上の住宅、三百以上二千平米未満の非住宅住宅、さらには三百平米未満の非住宅、戸建ても含む住宅対象となるわけですが、三百以上二千平米未満の非住宅新築で六四%、二千平米以上の住宅は四九%、三百以上二千平米未満の住宅は三四%しか省エネ基準適合していないとする調査結果も伺っております。  二〇二〇年までの新築住宅建築物への省エネ基準適合義務化に向けて、国交省としてどのように取り組んでいかれるのか、改めて伺います。
  100. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 基準適合する住宅建築物の整備を推進していく上で課題となっておりますのは、一つは、省エネルギー化に伴う光熱費の削減あるいは健康面におけるメリットなどが建築主やあるいは住宅購入者建物の所有者に十分認識をされていないこと、二点目といたしまして、基準適合させるための追加的費用の負担感が大きいこと、三点目といたしまして、中小工務店大工さんに基準の内容及び基準に対応するための設計・施工技術が十分に浸透していないことなどの課題があるというふうに認識をしております。  このため、二〇二〇年までの省エネ基準適合義務化に向けましては、まず、住宅あるいは建築物省エネルギー化効果意義国民あるいは建築主事業者方々に御理解をいただく。加えて、省エネルギー性能表示等推進することで、不動産市場等で省エネルギー性能の高い建築物が高く評価をされる環境をつくること。より性能が高く、コストの低い工法、材料等技術開発など、追加費用負担を軽減するために国としても支援を行うこと。さらに、中小工務店大工さんの設計・施工技術向上のための支援を行う等の環境整備に取り組んで、まずは自主的に省エネ基準適合していただく率を引き上げた上で、最後の底上げとして必要に応じて規制措置も考えたいというふうに考えております。
  101. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 今住宅局長から答弁をいただきました取組、今後の課題について、何点か取り上げて質問させていただきます。  既に建築物省エネ適合基準義務化している欧米諸国でも、遵守率の低迷が問題になっていますが、一因として、建築申請書類や現場の確認を行う地方政府建築管理当局の専門性の欠如などが指摘をされております。我が国の場合、今後の対象拡大により新たに義務化対象となる建築物の年間棟数は、本法案対象となる大規模住宅約三千六百棟から、中規模以上の建築物で約三万九千棟、戸建て住宅を含む小規模建築物は約五十二万棟と、飛躍的に増加していくことが見込まれます。所管行政庁における審査体制の強化は不可欠であります。  本法案、また今後の対象拡大も見据えて、国交省として所管行政庁をどのように支援していかれるのか、伺います。
  102. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 所管行政庁につきましては、現在でも省エネ法に基づく届出を受けておりまして、省エネ性能審査体制は整っておるものと考えております。  しかしながら、法施行に伴う建築着工への悪影響等が生じないよう、また、申請の複雑化によって手続が遅れないように、適合義務等規制的措置は公布後二年以内の施行とし、申請側事業者審査側所管行政庁のための十分な準備期間を確保することといたしております。特に、本法案におきましては、適合性判定民間登録判定機関においても実施できることとしていること、また現行省エネ法では、定期報告制度あるいは修繕、模様替え等の届出制度がございますが、これを廃止することで所管行政庁の負担は一定程度軽減をされるものと考えております。さらに、施行までの間に審査の実務を担う技術者育成等推進し、執行体制の確保に万全を期し、所管行政庁の負担軽減に努めてまいる所存でございます。
  103. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 ありがとうございます。  定員増が容易でないのは十分承知をしているわけでありますが、増員なしに文字どおり膨大な審査を行うことは不可能ではないかと考えます。是非、国交省としても定員の面でも自治体を支援していただき、適合審査の実効性を確保するよう検討お願いをしたいと思います。  答弁にもございましたが、最終消費者に省エネ建物を選んでいただく、最終消費者が建物省エネ性能とそのメリット理解していただくことがキーになります。早期に省エネ建物に対する国民への周知広報とともに、個別の建物省エネ性能について、賃貸、購入や設計、施工など、最終消費者が契約を交わす際に判断材料となる分かりやすい表示、説明など、見える化が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  104. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 本法案におきましては、建築物省エネルギー性能を買手や借り手が簡単に比較できるよう、建築物の販売又は賃貸を行う事業者に対し、省エネルギー性能を表示するよう努力すべき旨を規定をしております。まず、これが適切に運用されるよう周知をしていきたいと考えます。また、建築物の所有者の申請により省エネルギー基準適合していることの認定を受けて、その旨を広告等で表示する制度も創設することとしております。  これらの制度を活用することにより、信頼性の高い表示制度が普及し、最終消費者が省エネルギー性能を判断材料建築物を賃貸又は購入できる市場環境の形成を図ってまいります。
  105. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 建築物エネルギー消費量を抑制するためには、全体の三分の一以上を占める住宅省エネ性能を高める必要がございます。住宅新築される件数が多いことから、施工業者が省エネ建築に関する適切な知識、経験を蓄積していくことが極めて重要になっています。  先ほど住宅局長からも答弁がありましたけれども、国交省による平成二十六年、中小工務店大工業界の取り組み状況に関する調査によれば、省エネ基準適合住宅の施工実績は、規模の小さい工務店ほど少なくて、雇用社員数二名以下の業者では四〇%以下にとどまるなど、中小工務店省エネ施工技術向上は急務であります。  国交省として、省エネ技術に不足している中小工務店等への支援を拡充する必要があると考えますが、この点についての取組について質問します。
  106. 橋本公博

    政府参考人橋本公博君) 中小工務店あるいは大工さん向けには、従来から、省エネルギー化意義効果周知、それから断熱施工技術講習の実施、省エネルギー性能の高いモデル的な住宅建設への支援などにより、省エネルギー性能の高い住宅意義あるいは施工技術を学んだ上で実地で建設する経験を積む機会を提供してきたところでございます。さらに、平成二十七年度におきましては、設備・建材メーカー等による中小工務店の設計支援、建設費用支援している対象住宅の種類の追加などによる取組強化をしております。  特に、中小工務店でも経営規模の小さい、あるいは一人親方のような方は、直接講習会に来てくださいと言ってもなかなかおいでいただけない場合もございます。しかしながら、そういう方々はほとんどの場合、設備とか建材メーカー、あるいは卸の、そういう建材卸の方々の傘下にありますので、そういうルートで声を掛けて、ある意味グループ化をしていただくことで様々な技術を習得していただくという機会が増えるということが、これは我々も様々な取組をして実感をいたしましたので、そういう様々なルートを通じながら、中小大工工務店さんの技術力向上等に努めてまいりたいと考えております。
  107. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 中小工務店、一人親方は、その技術、そのこともさることながら、人材の確保も、この委員会でもるる議論されておりますように、重要な課題にもなっているところでございます。  大臣は、省エネルギー対策あるいは地球温暖化、また気候変動対策にこれまでも大変熱心に取り組んでこられたと承知をしております。最後に、建築物におけるエネルギー消費量の低減に向けた今後の取組に対する大臣の御決意を伺います。
  108. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 増大する民生部門エネルギー消費削減する、また今日の御質問にもありましたが、併せて健康という観点、そしてCO2削減という観点、こうしたことから省エネ対策を進めることが重要ですが、これには、建物からいきますと、一つ目は外壁や窓の断熱性能の向上、そして使用するエネルギーが多い冷暖房や給湯や照明等の設備機器をより省エネ型にする、そして創エネといいますか、太陽光等の、これを活用する、こうしたことだと思います。この省エネルギー化、さらにはゼロエネルギー住宅、ビルの普及に向けまして、これらの対策推進し、更にそこにインセンティブを与えて支援をするという形にしたいと、このように思っています。  二〇三〇年度、二〇一三年度比二六%削減の中でのまた大事な役割を果たさなくてはいけないと、このように思っておるところでございます。
  109. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 極めて重要な法律でありますし、今日議論されました一つ一つの課題がまさに実効が上がりますようにフォローアップをしっかりしていただいて、自治体そして民間企業の皆さんと協力して、国交省としてもしっかり取り組んでいただくことを要請をしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  110. 広田一

    委員長広田一君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了しました。  委員皆様方におかれましては、充実かつ省エネの審議をしていただきました。     ─────────────
  111. 広田一

    委員長広田一君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、山下雄平君が委員辞任され、その補欠として中泉松司君が選任されました。     ─────────────
  112. 広田一

    委員長広田一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  建築物エネルギー消費性能向上に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  113. 広田一

    委員長広田一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  この際、田城君から発言を求められておりますので、これを許します。田城郁君。
  114. 田城郁

    田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。  私は、ただいま可決されました建築物エネルギー消費性能向上に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、日本共産党、日本を元気にする会・無所属会、次世代の党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     建築物エネルギー消費性能向上に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。  一 国民に対して建築物エネルギー消費性能向上必要性効果を分かりやすく説明し、本法施行への協力を求めるとともに、今後予定される建築物省エネ基準適合義務の対象拡大について理解の促進を図ること。  二 建築物エネルギー消費性能適合性判定が円滑に実施されるよう、判定方法をより合理的なものとすること。また、関係省令、告示等の制定から施行までに十分な期間を置いて、所管行政庁その他の関係機関関係事業者等に対する制度の周知を徹底すること。  三 今後の適合義務の対象拡大に当たっては、予定される時期、範囲等を早期に明らかにした上で、審査等の執行体制の充実強化及び設計、施工、評価等を担う技術者の育成を促進すること。また、所管行政庁において届出制度が的確に運用されるよう、実情を把握した上で必要な支援を行い、適合率向上を図ること。  四 戸建住宅を含めた小規模建築物義務化に向けて、手続の一層の簡素化等、建築側と審査側双方の負担軽減策を講じるとともに、中小工務店大工等の技術力向上に向けた支援の拡充を行うなど、制度の円滑な実施のための環境整備に万全を期すこと。あわせて、地域気候風土に対応した伝統的構法の建築物などの承継を可能とする仕組みを検討すること。  五 建築物省エネ基準等は、新築におけるエネルギー消費性能の実態等を踏まえ、その向上に資する水準が維持されるよう定期的な見直しを行うこと。また、新技術の開発や低コスト化を促進するため、基準強化の時期、内容等をあらかじめ明らかにすること。  六 建築物エネルギー消費性能について、統一的かつ分かりやすい表示の方法を早期に確立するとともに、建築物の広告等における性能の掲載や、売買、賃貸等の契約における性能説明などの促進により、性能に優れた建築物が市場において適切に評価される環境を整備すること。あわせて、建築物の設計者に対し、建築主へのエネルギー消費性能の適切な説明を促すこと。  七 住宅断熱性能の向上が、ヒートショックの防止など居住者の健康の維持・増進や生活の質の向上に資することについて、実態調査を行いその結果を公表するとともに、国民理解を深めるよう努めること。また、住宅等の断熱性能の向上を図る上では、開口部における木製又は樹脂製のサッシの使用が有効であるため、その普及の促進に向けて、諸外国の例も参考にしつつ、同サッシの防耐火性能に係る技術開発基準の合理化を検討すること。  八 既存建築物省エネルギー改修を促進するため、支援制度の充実を図ること。特に、エネルギーコストの低減のメリットが所有者ではなく入居者に帰属することとなる賃貸住宅について、所有者に対するインセンティブの強化検討すること。  九 国、地方公共団体等の公共建築物新築、改修等に当たっては、建築物エネルギー消費性能向上を先導するものとなるよう、積極的な新技術の導入、再生可能エネルギーの活用等に努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いをいたします。
  115. 広田一

    委員長広田一君) ただいま田城君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  116. 広田一

    委員長広田一君) 全会一致と認めます。よって、田城提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  ただいまの決議に対し、太田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。太田国土交通大臣
  117. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 建築物エネルギー消費性能向上に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  誠にありがとうございました。
  118. 広田一

    委員長広田一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 広田一

    委員長広田一君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。  本日はこれにて散会をいたします。    午後零時三十七分散会