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2015-05-19 第189回国会 参議院 国土交通委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年五月十九日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月十四日     辞任         補欠選任      森本 真治君     前田 武志君  五月十五日     辞任         補欠選任      吉川ゆうみ君     太田 房江君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         広田  一君     理 事                 江島  潔君                 森屋  宏君                 田城  郁君                 増子 輝彦君                 河野 義博君     委 員                 青木 一彦君                 大野 泰正君                 太田 房江君                北川イッセイ君                 酒井 庸行君                 中原 八一君                 野上浩太郎君                 山下 雄平君                 脇  雅史君                 渡辺 猛之君                 金子 洋一君                 田中 直紀君                 前田 武志君                 山本 博司君                 室井 邦彦君                 辰巳孝太郎君                 山口 和之君                 和田 政宗君                 吉田 忠智君    国務大臣        国土交通大臣   太田 昭宏君    副大臣        国土交通大臣 北川イッセイ君        国土交通大臣  西村 明宏君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       青木 一彦君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        国土交通大臣官        房技術総括審議        官        森  雅人君        国土交通省総合        政策局長     瀧口 敬二君        国土交通省都市        局長       小関 正彦君        国土交通省鉄道        局長       藤田 耕三君        国土交通省自動        車局長      田端  浩君        国土交通省国際        統括官      稲葉 一雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○地域公共交通活性化及び再生に関する法律及  び独立行政法人鉄道建設運輸施設整備支援機  構法の一部を改正する法律案内閣提出、衆議  院送付)     ─────────────
  2. 広田一

    委員長広田一君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、森本真治君及び吉川ゆうみ君が委員辞任され、その補欠として前田武志君及び太田房江君が選任をされました。     ─────────────
  3. 広田一

    委員長広田一君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮り申し上げます。  地域公共交通活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省総合政策局長瀧口敬二君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 広田一

    委員長広田一君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  5. 広田一

    委員長広田一君) 地域公共交通活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取をいたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 大野泰正

    大野泰正君 おはようございます。今日は、質問のお時間をいただきまして、委員長を始め理事の皆様、誠にありがとうございます。また、大臣を始め皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、時間もあれですので早速始めさせていただきます。  ただいま議題となりました地域公共交通活性化及び再生に関する法律の一部改正ということでありますが、昨年、この地域公共交通活性化及び再生に関する法律改正されました。そして、地方公共団体主体となって公共交通ネットワークを再構築する枠組みができたわけですが、これはコンパクトプラスネットワークという国土グランドデザインに沿って、地方が、人口減少少子高齢化が進む中でも、力強く安心して暮らせる地域づくり支援する改正であったと思います。  また、今回はさらに地域公共交通ネットワークの再構築を図る事業について、中長期的な収益性が見込まれる場合には、産投出資原資として民間呼び水となる初期投資を国として行えるようにするなど、支援策多様化を図るための改正と理解しています。  しかしながら、大臣御存じだとは思いますが、地方実情は既に大変厳しいものがあります。公共交通の縮小が続き、都市部への人口流出は加速しています。各自治体においては、第三セクター鉄道維持や残された唯一のバス路線維持していくことが既に体力的に大変厳しいものになっている地域も少なくありません。しかし、唯一残された交通手段維持していかなくては、地域に住む学生さんの通学の足や、また交通弱者である高齢者、ハンディキャップのある方、妊婦さんなどが住み続けることが困難になり、言い換えれば、出ていきたいわけではありませんが、都市に出ていかざるを得ないところまで追い込まれています。  また、地方路線バスや第三セクター鉄道運行本数も限られ、利便性観点からも採算性観点からも、地方車社会の中では存続に公費負担は避けられません。また、公費負担があっても、コンパクトプラスネットワークを実現するためのネットワーク部分公共交通は、地方収入実態からすれば相対的に高額の料金である場合が多く、大変重い負担となります。  このような地方実情を含め、地方公共交通現状に対する大臣の御認識と今回の改正の意義についてお伺いしたいと思います。
  7. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 地域公共交通重要性は誰人も感じていることでありますが、今御指摘のように、高齢化し、特に障害者、そして妊婦さん、また車を運転できないという中学とかあるいは高校の人たちを始めとして、大変不便という状況の中にあろうというふうに思います。地方公共交通がしっかりしなければ、コンパクトシティーをつくってもどんどんどんどん生活というものが成り立たない、利便性を超えてもう成り立たないという状況だと思います。  そこで、御協力をいただきまして、地域公共交通、そしてコンパクトプラスネットワークということで法律の制定を、交通政策基本法を作らせていただき、そして今年に入りまして基本計画を作らせていただき、昨年の通常国会におきましても、交通政策ということでいろんな手段ができる、上下分離等ができる、いろんなことを地域まちづくり一体となる中でどう考えるかということをさせていただくという法律を出させていただきました。  その上で、今度はこの交通分野を立て直すという意味での資金ということの面で、この推進のために、計画策定地域公共交通再編に対する補助金はやらせていただいているわけでありますけれども、さらに民間資金呼び水となる出資等制度の新設を図るということにさせていただきました。  今回は、大野先生が御心配なされているように、かなり都市部での町がつくられるというところに資金という、その面は確かにあるんですが、国交省全体としては、そこのまちづくりの中での小さな拠点、あるいはデマンドバスというものをどうつくるか、そうしたことも含めて、地域公共交通重要性が大事であるということの施策を総合的に手を打とうとしている、そのうちの一つが今回のものでございます。
  8. 大野泰正

    大野泰正君 ありがとうございました。  大変周辺にも目配りをしていただいているということ、安心をしておりますが、実際にこれからより一層進めていただきたい、また、後ほど最後に御決意もお聞きしたいと思っています。  それでは、今回の改正で創設される出資制度の内容というところについてお話をさせていただきたいと思いますが、これは、地方公共交通とはいえ、多分相当な人口、最低でも多分三十万から四十万人ぐらいの規模がある中核都市における利便性向上を図るための事業対象になっているメニューであるということで、先ほど大臣からもお話がございました。  つまり、地方とはいえ、地方における都市部ネットワークの再構築再編が進み、便利になる一方で、その周辺の中山間地等においては、より便利になった都市部への人口流出が加速してしまうということをやはり私は懸念しております。このことは結果として地方創生に逆行するのではないかという心配が、私としては一番ここがポイントであります。  また、本来、今回の改正とともに、先ほど申し上げた厳しい状況にある地域に対する対策がセットで提出されるようなことがあればまだ安心できたのですが、今回はこちらが先行しているというような中で、今後どのような対策を中山間地域における交通弱者への支援としてお考えか、お聞かせいただきたいと思います。  また、地方創生もそうですが、この公共交通においても地方自治体でプランを作るようになっていますが、現実的には、過疎地の小さな市町村においては公共交通に通じた職員が必ずしもいるわけではありません。また、本省から求められている計画書などの作成も、人手不足や日々の対応の中で手が回らないのが現状であります。  このままでは地方における都市間格差が広がり、中山間地等過疎化は加速してしまう懸念がやはりあります。補助金は付けていただいていますが、こういうことだけではコンサルに丸投げになる可能性が非常に高いと思います。  本当に地域に合った公共交通であり、より有効的、効率的な支援ができ、地方創生を進めるためには、さきに創設された、地域を知り愛情を持っている本省職員さんを活用する地方創生コンシェルジュ皆さんなどにフル回転していただかなくてはならないのではないかなと思います。まだまだ人数的にも足りないような気がしてなりませんが、日々の業務で大変とは思いますが、御活躍いただき、小さな自治体都市間競争の中でもしっかりと生き残る道が開けるように、社会インフラ整備維持を始めとして、国民の命を支えている国交省として、これからの進め方についてお考えを伺います。
  9. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 先ほどお話のございましたコンパクトプラスネットワークという考え方は、地方創生の基本的な考え方でありますまち・ひと・しごと創生総合戦略というものが昨年閣議決定されておりますけれども、この中でもまちづくりの重要な考え方として位置付けられておるところでございます。  言うまでもなく、この地方創生に資するネットワークを実現するためには、都市部地方部を問わず、今後とも持続可能な形で地域公共交通ネットワークの再構築を図っていくということが極めて重要だろうと思います。  そこで、お尋ねの点でございますが、まず予算面でどのような取組をしているかということでございますが、今回の出資制度対象は、御指摘のように収益性前提といたしますので、一定の需要のある都市部などが対象になるんだろうというふうに考えております。一方、今年度予算におきまして、国の認定を受けました地域公共交通再編実施計画に基づき実施いたしますデマンド交通に用いられます車両等購入費を新たにこの補助対象とするということとしたところでございます。このような地方部、いわゆる中山間地中心といたしました地方部生活交通維持のための補助制度充実ということも併せて行ってきております。  引き続き、都市部地方部を問わず、それぞれの特性を踏まえた予算面での措置というものについては検討を進め、充実を図ってまいりたいと思っております。  一方、二点目の人材育成の問題でございます。  御指摘のように、これまで公共交通というのは、どちらかといいますと交通事業者任せといったような地方公共団体が多うございました。このために、特に規模の小さい市町村中心として、なかなかこういった面でのノウハウというのは蓄積をされていないというのは御指摘のとおりでございます。  言うまでもなく、昨年改正をしていただきました地域公共交通活性化法に基づく計画策定等々、これはあくまでも地方公共団体が先頭に立って進めていくという必要がございますが、当然のことながら、そのための人材というものは極めて重要だろうというふうに考えております。  このため、国土交通省といたしましても、地方公共団体職員などを対象とした研修、セミナー、あるいはまちづくり一体となった今回のネットワーク法制度説明会といったものを私ども国土交通大学校や全国地方運輸局などで鋭意開催をしてきております。  また、これまでも一部の市町村におきましては先進的に地域公共交通活性化再生に取り組んでいるというところがございます。こういったところの担当の方、こういった方は非常にノウハウが豊富でございます。こういった方を紹介するといったこと。それから、従来からございました地方運輸局におけます相談体制の拡充、さらには、今委員指摘がございましたが、地方運輸局職員担当を決めまして、それぞれのブロック内の市町村を巡って相談に応じるといったような、私どもも汗を流すといったような面で人材育成あるいはノウハウ蓄積というものに引き続き頑張ってまいりたいというふうに考えております。
  10. 大野泰正

    大野泰正君 どうもありがとうございます。  今のお話を聞いていて、大分しっかりとバックアップしていただけることがよく分かりましたので、是非しっかりと進めていただいて、全国津々浦々までそれが通じるようにしていただきたいなと、そんな思いであります。  それでは、今度は大臣に伺いますが、今いろんなお話がございましたが、今回の改正によって、全国どこにでも安心して住んでいただき、地方創生が強力に推進できるよう、より一層きめ細かく力強い施策スピード感を持って進めていただきたいと思います。地方創生に懸ける大臣思いと御決意を是非ここでお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
  11. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 地方創生前提といいますか、構造的な問題として、コンパクトプラスネットワークということ、これは国交省として出させていただいたんですけれども地方創生という政府全体の一つのベースにこれがなって今進んでいます。その中で、コンパクトシティーにするということのみではなくて、そこに、ではない人たち、また合併をしてというような、固まっているというようなところもあるわけですから、そうしたところ、いろいろあるんですが、小さな拠点ということを一つ大きな柱として掲げているところです。  切り捨てるという考えは私たちは全く取っておりませんで、その人たちがどういうふうに生活ができるかということに焦点を当てて、コミュニティーバスデマンド交通活用推進とか、あるいは今御指摘のありましたように、答弁もさせていただいた人材育成ということにも力を注いでいるという状況にございます。また、小さな拠点といえば、国交省的に言えば道の駅などもより大きな手だてではないかというふうに思っています。  都市部への人口流出に歯止めを掛けて、将来を担う若者たちのためにも、全国どこにでも安心して住んでいただけるよう、中山間地にもしっかりと目くばせをしながらきめ細かく様々な施策を総合的に講じていきたいというふうに考えておりまして、なかなか簡単な話ではありませんが、そこにそういう私たちの意思が地方自治体にもよく届くようにして、一緒になってこの体制をつくっていきたいと思っているところでございます。
  12. 大野泰正

    大野泰正君 どうもありがとうございます。  大臣の御決意を伺い、より一層地方自治体取組を加速していただけると思いますし、人口流出ということだけでなく、本当に流入していただけるような、今後、中山間地等もしっかりつくっていただける、その力を私どもに与えていただけること、これからもお力添えのほどよろしくお願いしたいと思います。  それでは、今回の法案の中でもう一点あるのですが、今回の改正により廃止される鉄道建設運輸施設整備支援機構における基礎的研究業務について伺わせていただきます。  この機構が今日まで実施していた基礎的研究業務は、その研究成果を広く社会普及させることにより、運輸分野における利用者利便性向上、安全の確保等に関する問題に対して民間委託での研究が続けられてきたわけです。そこでは数々の知的財産も生み出されたと伺っておりますが、民間委託によって進んできた事業ではありますが、これ自体、国費が投入されている以上、その知的財産国民のものであるとも考えられます。  今回、基礎的研究業務を廃止するということで、この点についての整理も必要かと思いますが、どのようになっているのか、お聞かせください。また、今日までも必要に応じて研究されてきたわけですが、今後この研究開発が廃止されるという中で必要な研究の継続というのはいかにされるのか、その点も併せてお聞きいたしますので、よろしくお願いいたします。
  13. 森雅人

    政府参考人森雅人君) 鉄運機構実施してきました基礎的研究業務、この知的財産権の取扱い、それから今後の基礎的研究業務をどうするのかと、こういう御質問だったと思います。  まず、知的財産権の件でございますけれども機構実施してきました基礎的研究業務で生じた特許権等知的財産につきましては、いわゆる日本版バイドール制度に基づいて、基本的に、資金提供者である機構ではなくて、研究実施した民間企業等に帰属をさせてその普及活用を図ることとしております。  バイドール制度というのは、アメリカにおいて一九八〇年に導入された制度でありまして、政府資金による研究開発から生じた知的財産権民間企業等に帰属させることによって、民間企業等技術開発を加速をし、産業競争力向上させようというものでございます。我が国においても、アメリカ制度参考にいたしまして平成十一年に産業活力再生特別措置法制度化されまして、国土交通省のみならず他省庁等においても広く導入されているものでございます。  基礎研成果は様々な形で普及活用されております。幾つか例を挙げてみますと、例えば自動車の居眠り運転を警告する座席、これはもう既に商品化されております。それから、鉄道橋の新たな耐震設計法、これはJRとか民鉄で六十以上もう既に採用されております。また、天然ガスハイドレートをペレットで海上輸送する技術、これはIMOの方で既に基準化をされまして、将来の日本のメタンハイドレートの開発活用期待されております。  こういった形で基礎的研究業務というのは広く活用されておりまして、今回、平成二十五年の独法改革に係る閣議決定に基づいて、機構業務としては終了いたしますけれども平成二十五年度からは国土交通省において新たに交通運輸技術開発推進制度を創設いたしました。本制度により、引き続き交通運輸分野に係る課題解決に関する技術開発推進してまいる所存でございます。
  14. 大野泰正

    大野泰正君 どうもありがとうございました。これで終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  15. 田中直紀

    田中直紀君 民主党の田中直紀でございます。  本日は、地域公共交通活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設及び運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案質問をさせていただきたいと思います。  いわゆる鉄建機構が今回の法律第二十九条の二で、活性化及び再生法、これも平成十九年、二十年、そしてまた二十六年の昨年、大変充実をしてきている法律でございます。今回の改正は、御存じのとおり、認定軌道運送高度化事業等実施に必要な資金機構出資をすると、こういう法改正になっているわけでありますが、大臣に伺いたいと思いますが、軌道運送高度化事業というのは大きく分けて五つあるようでありますが、軌道関係道路関係海上関係、そしてまた再構築事業、あるいは公共交通再編、こういう大きな柱があるわけでありますが、だんだん地域の要請が、期待が膨らんできておりますから、大規模化してきているのではないかと、こういうふうに思います。どのぐらいの事業規模が大きくなってきているか。  あるいは、大臣が御説明ありましたように、助成制度が非常に充実をしてきているわけでありますので、場合によっては半分以上も助成をするというような事業も出てきているのではないかと思いますが、そういう規模が大きくなって期待も大きくなっておる、あるいは助成制度相当充実をして事業地域によってはやりやすくなってきておると、こういうことでありますが、認可という、大臣のを受けてという基準なんでありますが、私は、これだけの大きなことを許可するということであれば政令あるいは省令で定めて、そしてしっかりと国土交通省が後押しをするんだという、責任を明確化しておくということが大事だというふうに思うんですが、この法律では政令省令で決めるんだというようなことになっておらないというんですが、どうなんでしょうか、大臣、そのぐらいの決意認可をするということが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
  16. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 先生のおっしゃるとおりで、私もそういう、これお金を出してやるということですから、しっかりとこちらがどういうふうにこれを見ていくかということについて、ある意味ではしっかりした監視というのが必要だというふうに思っておりますが、いろいろ調べてみましたところ、今回の法律案におきまして、機構出資等業務を行う場合に、国土交通大臣認可を受けて機構が定める基準に従って行うと、こうなっているわけですが、このような制度としておりますのは、出資等業務を行う鉄道運輸機構独立行政法人という位置付けにございます。つまり、独法におきましては、従来の公団や特殊会社といったいわゆる特殊法人に比べまして、より自主性を尊重するという必要があると。その一方で、独立行政法人通則法に基づいて国の一般的な監督権限に服しているということを考慮したということです。  ほかの立法例におきましても、今回の出資等業務のように、国の出資原資として出資等業務を行っているものにつきましては、独法以外の法人、例えば海外交通都市開発事業支援機構、いわゆるJOINでありますが、このように主体が株式会社である場合については主務大臣が自ら基準を定めるということにしているわけでありますが、他方、今回の機構のように独法であるものにつきましては、独法自らがその業務のやり方について検討するということになっています。  先生指摘の点は重要な問題提起だと私も思いますが、ほかの法人との並びや独立行政法人制度との関係から、今回の制度においては一義的には独法において基準策定することにしています。  しかしながら、先生の御指摘、私、本当に考えたわけですが、今回の制度は国の出資原資として機構出資業務を行うというものでありますものですから、ここは国において、国会における議論や他の類似法人の事例などを参考にしながら認可を通じてその内容の妥当性を確保する、また、基準に従って業務が適切に行われるようにしっかり監督しなければならないと、このように考えているところでございます。
  17. 田中直紀

    田中直紀君 内容の妥当性と、こう言いますが、規模は上限どのぐらいを考えておるかということが一つありますし、助成制度民間も入ってくるわけでありますが、自治体が積極的になるんだと思いますが、国の助成制度というのは上限どのぐらいということを考えているんですか。
  18. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) これにつきましては、個別の事業ごとに検討してまいりたいというふうに考えております。しかしながら、あくまでも機構からの出資民間の金融機関の出資などの補完ということでございますので、国が決して主体的にはならないと、そういったような位置付けのものを考えております。
  19. 田中直紀

    田中直紀君 個別的という話がちょっとありますが、大臣認可ですから、個々のケースで申請があったらということではなくて、これは基準ですから、統一的な基準をまず考えることが大事なんです。個別というのはちょっと理解し難いんですが、いかがですか。
  20. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 絶対額で例えば何億円までとかいうことではなくて、あくまでも民間の金融機関からの出資も仰ぐと、むしろそちらの方が主体であるべきだろうというふうに考えておりまして、民業補完の原則といった考え方に基づいた業務基準とすべきであると考えております。そのために、割合、額ではなくて、どの程度の割合まで出せるかということについて一定の歯止めを掛けたいというふうに考えております。
  21. 田中直紀

    田中直紀君 いや、先ほど言いましたように、国の助成制度充実をしてきているわけですから、規模によっては半分、あるいはそれ以上になることもありますか、そういう国の関わりが大きいので、民間は提案しますけれども、そういう中にあって、基準を決めるということですから、基準は個別じゃなくて統一的な基準なので、具体的に話をちょっとしていただきたいと思うんですが。
  22. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 出資の割合ということについてこの業務基準の中に書きたいと思っておりますけれども民間補完の原則ということでございますので、例えばこれを具体化するためには三つのことを考える必要があるんだろうと思っております。  一つは、民間企業のみで資金調達できる場合には行わないといったこと、それから民間企業や市中銀行などと共同出資前提とすること、そして、出資比率でございますが、地方自治体と合わせて民間企業の出資比率を超えない、すなわちこの機構地方公共団体からの出資を合わせて二分の一未満にするといったような基準、これは一般的な考え方でございますが、そういった基準を定めたいと思っております。
  23. 田中直紀

    田中直紀君 衆議院で附帯決議がありまして、局長お話もあって、出資比率だとか投資期間だとか資金の回収方法だとかというのはこれ附帯決議が付いていますので、私これ見ておりますよ。しかし、そういう内容について、基準ですから、今のお話のようなのではなくて、ここまでは上限とするとか、回収は年限どうするかという統一的な基準を決めなきゃいけないので、せっかくの審議でありますから、この衆議院の審議を踏まえてもっと具体的に説明を今していただくと有り難いんですけれども基準ですから。
  24. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 個々の事業によって事業規模が異なってまいります。そこで、統一的な基準というものを策定するといったことを考えた場合に、幾らの、何億円までといったような額による基準というものは設定するのが困難だろうと実は思っておるわけでございます。  一方で、ただし、じゃ、幾らでも出資してもいいのかという問題がございます。そういった面では、あくまでも民業補完という考え方に基づく基準、これも統一的な基準でございますが、その出資割合という形で基準を作りたいというふうに考えているところでございます。  このために、先ほど御説明申し上げましたように、あくまでも国と地方公共団体出資割合というのは全体の二分の一未満にするといったことが一つの統一的な基準になるだろうというふうに考えております。
  25. 田中直紀

    田中直紀君 ですから、これが成立をいたしましたら、BRTあるいはLRTの各自治体が熱心にやっている計画対象になってくるんだと思いますが、その場合に、助成制度充実をしてきて、国も相当支援をするわけでありますから、上限はどのぐらいの事業規模で、そしてまた費用対効果ということがありますわね。ですから、そういう曖昧な基準というのではなくて統一的な基準をまず決めることがこの法律の趣旨なのではないでしょうか。  せっかくの審議でありますから、どのぐらいの規模までが可能か、あるいは国はどの程度まで出資をするんだ、あるいは出資をした場合の回収はどうするんだ、そしてまた赤字が累積した場合にはどこが責任を持つんだ、これ国土交通省が持つんですか、それとも機構が持つんですか、そういう具体的な話を全て今詰めていただきたいというふうなお話をしているので、衆議院の審議は附帯決議で見ましたから、それ以上のことをちょっと御説明をいただきたいと、こういうことでございます。
  26. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) まず、出資の額については、それぞれの事業ごとに必要となる出資対象が異なるということでございますので、したがってその事業規模も、収益性があるかないかということを考えてみましたときに、それぞれその出資対象となる事業者がどの程度の資金需要を必要としているかといったこともケース、ケースで異なってくるんだろうと思います。したがって、額でこの基準を作るということは、弾力的な運用ということから考えたときに好ましくないのではないか、適切ではないんじゃないかというふうに考えております。したがって、ここでは出資の割合という形で、これも一つ基準でございます、出資割合という形で一つ基準を定めていくということが必要だろうと思っております。  それから、この出資対象となる事業についてどのような将来的な収益性考えていくのかということでございますが、この出資対象となる事業につきましては、サービスを開始してから、すなわち運行を開始してからおおむね十年後ぐらいに累積赤字が解消されるということが一つのポイントだろうというふうに考えております。
  27. 田中直紀

    田中直紀君 その内容は衆議院の審議の附帯決議に載っているわけですね。ですから、機構地方自治体による出資を合わせて全出資額の二分の一未満とするよう努めるだけど、これは努めるじゃなくて基準に入れてもらうということが必要だと思うんですね。それから、回収についても、機構はその出資の全額を確実に回収できるように出資先の事業運営に必要な助言を行う、回収をしなきゃいかぬ、これも基準に入れていただかないかぬ。あるいは、サービスから十年後で累積赤字を解消する、これは五年ぐらいたたないと、黒字にならないと、十年で回収できませんわね。これも基準に入れてもらわなきゃいけないんですが、これは当然、今局長が言った話です。  その上に、全体の規模事業規模というのはどのぐらいまで上限を考えるんですかというのが私の新しい質問なんです。それから、助成というのは国がどこまでやるんだと、今非常に充実してきていますから、どこまで国が助成するんだと、そういう基準も決めないと大臣認可にはならないのではないかという質問をしているので、新しい質問をしているので、そこをしっかり答えていただきたいということです。
  28. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 事業規模という御質問でございますが、機構自体の事業規模という御趣旨でございますか。
  29. 田中直紀

    田中直紀君 いやいや、大臣質問した対象事業のですよ。
  30. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 事業規模につきましては、あくまでも個別個別に、地方公共団体主体となって策定をいたします地域公共交通網形成計画の中でどの程度のものを造っていくのかということが議論されてまいります。そこで、私どもとしては、あらかじめどの程度の事業規模のものであるかどうかについて想定することは非常に困難であるわけであります。したがって、業務基準といたしまして、ある個別の事業規模前提として額を決めるということは難しいというふうに考えております。むしろ、これにつきましては、あくまでも民業の補完という考え方に従いまして、出資の割合といったことについて基準を定めるべきであるというふうに考えております。
  31. 田中直紀

    田中直紀君 ですから、事業規模は、大変地域の方々も期待が大きいわけですから、五百億になるかもしれない、一千億になるかもしれない、もっと大きな事業規模になるかもしれませんが、助成をしていけば、五百億も国が助成をするという事態も一千億の事業規模だったら出てくるわけですね。だから、そこはやはり、回収する、あるいは出資をする、そしてまた累積赤字が出てこないようにするためには、やはりある程度の基準を決めておかなきゃ駄目なんじゃないですかということでありますが、今結論が出ないようでありますから、是非基準を決めるまでに、大臣がよく判断をしていただいて決めていただくということが大事ではないかということを御提案を申し上げておきたいと思います。  この法律は、御存じのように、財投で十億の出資予算、そして貸付けの問題がありますが、三か月を超えない範囲においてこれは政令で定めると、予算を執行したい、したいということで、ここは。私は基準政令で定めるべきだと思いますが、三か月以内に基準は決めるんでしょう。ですから、決めるとなれば、予算執行するために、基準を決めなければ予算も執行できませんわね。ですから、三か月以内に決めるということになればもっと具体的にどんどん御説明いただかないと、この法律が成立しても、いろいろ各自治体が混乱をすると思うんですよ。そしてまた、運営する民間会社も判断を迫られるわけでありますから、よく御検討いただきたいと思いますが、基準は三か月以内に決めるんでしょう。
  32. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 本法の施行期日につきましては、委員指摘のように、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとなっております。この基準につきましては、鉄道運輸機構において検討し策定した上で大臣認可が必要になりますが、この認可ということ自体がこの施行日以降に行われる、認可申請及び認可自体がこの施行日以降に行われるということになります。  そこで、できるだけ速やかに業務を行うという観点からいたしますと、この基準につきましては、本法律案が成立いたしました後、本委員会での審議などを踏まえまして検討を開始いたしまして、国交省として機構を指導しながら、できるだけ速やかに内容を固めたいと思っております。法律施行後に速やかに認可申請をさせ、私どもとしてもできるだけ早く認可をいたしたいというふうに考えております。
  33. 田中直紀

    田中直紀君 ちょっとお手元に配付いたしました資料で、今回の対象になりますLRTとBRTにつきまして、そのほかにも載っておりますけれども、右の方から、BRTからいえば、大体、路線の柔軟性、町との近さ、これは川崎市で検討されたようですが、道路の影響、シンボル性、乗り心地、速度、輸送力、事業費と、こういうふうに載っておりますが、二重丸のところもあります。バスの方は非常に柔軟性があるということで路線を組み立てやすいと、こういうことでありますが、しかし、LRTの方は、町との近さなり、あるいはシンボル性ということが期待されるわけであります。乗り心地もありますから、ヨーロッパ等では非常にLRTを活用しておるという都市があるわけでありますが、費用対効果からいうと、一キロ当たり大体五億ですね、この額が、BRT。LRTは一キロ当たり二十億です、四倍ぐらい掛かると、こういうことでありますが、原則として、これ輸送力を考えますと、その時間帯が五分間隔でできるだけもう満杯になったぐらいの、輸送の混雑率と書いてありますが、そういうことが必要になるんですね。  ですから、本当に地方都市でも、走らせれば満杯になるといいますか、その時間帯はですね、大体輸送できると、こういう事態でなければなかなか事業は費用対効果で成り立っていかないんではないかという見通しもあるわけでありまして、そういうことから考えますと、LRTとBRTの、大臣、どうなんでしょうか、いろいろ事業計画があると思いますが、事業規模あるいはその辺の感覚はどんな状況でしょうかね。
  34. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 今回の法律案について検討を進めている段階で、我が国全体のこういったLRT、BRTなどの状況について、私どもも事情を把握するということを行いました。そういたしましたところ、今回の法案の出資対象となり得るようなLRTとしては、一つ可能性がある、あるいは関心を持っているといった事例としては宇都宮市におけるLRT構想がございます。  この場合であっても、LRT、これは既存のものはございませんので、新たなLRT自体を整備をするといったような構想でございますが、この場合には非常に大きなお金が掛かるわけでございます。したがって、この整備自体も行うような会社ということであれば、実はなかなか収益性というものは見込めません。そこで、まちづくりの中で、このLRTの下物、いわゆる路面であるとか信号システムであるとか停留場であるとか、こういったものを造ってまいりまして、そして、こういった下物については地方公共団体が国の支援を受けながら整備をするということ、そしてその上で、上物については新たな会社をつくって、この新たな制度出資などを受けながら運行するということも一つの選択肢ではないかというふうに宇都宮市の方では考えているというふうに承知をいたしております。  一方、BRTの方でございますが、既に委員御地元の新潟においてもBRTなどについて今年の秋から新たな運行に向けての動きがあるというふうに承知しております。  それぞれの地域に応じて既存のシステムを活用できる場合には既存のシステムを活用しながら、また場合によっては新たなシステムを整備をするということも含めて、それぞれの地域ごとにそれぞれの地域に応じた地域公共ネットワークの再構築というのが進められているというふうに承知をいたしております。
  35. 田中直紀

    田中直紀君 局長からたまたま新潟市のお話がありました。これは、新潟交通が運営主体を引き受けまして市と五年間まずは運行しようと、こういうことで、中原議員もよく御存じでありますけれども、スタートしておりますが、この出資制度活用するということではありません。民間が引き受ける。ただ、これは五年間まず引き受けてやろうと、こういうことでありますから、この事業が回収できるかどうかという問題もございますし、四十億ぐらい掛かるんでしょうか、まず二両で八キロぐらいでしょうか、九月の五日からスタートをすると。これは、BRTはそういうことからすれば、非常に地域にとって賛否両論ありますが、まずどのぐらい効果があるかと、こういうことだと思います。  今回の法律でいうと宇都宮もLRT期待しておるようでありますが、残念ながら東武鉄道というのは、バスも鉄道もやっていますから地域期待をしておるようですが、消極的ということでありますから、民間呼び水と、こういうことでありますけれども事業によってはなかなか、運営主体の会社が新しい会社をつくって採算を見通して、そして引き受けてもらおうということでありますが、事業をどんどんどんどん膨らませて、それは上限を決めてもらいたいと思いますけれども、それで半分は国やあるいは自治体が乗っかればもっと補助するということになるんでありますが、なかなか事業としては私は見通しが立たないんだと思うんですね。  ですから、この制度を使って本当に成功する事例というのはどういうものなのかということを、もう少し基準をしっかりとしていくことが私は大事でありますし、まずは民間が五年ぐらい引き受けてみようか、新しい会社にしてどの程度この回収できるかというのは非常に事業によっては大変な検討に入るんだと思いますので、その辺はまず基準をしっかりとしていただいて、確かに宇都宮も隣の町が一緒にやろうという前向きな姿勢もあるようですが、まずは運用会社、引受けの新しい会社というのはどんな形で考えておられるんですかね。
  36. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 例えば宇都宮での事例でございますが、私どもが宇都宮市から聞いておりますところでは、先ほどお話をしたように、下物についてはまちづくり一体的になった整備をし、この運行を行う会社といったものを考えるのが一つのパターンとしてあり得るのではないかということでございます。  その場合に、例えば従来のケースでは運行主体が第三セクターといったこともあり得るわけでございますが、むしろ、利用者利便を高める、あるいはより多くの方に御利用いただくといったような取組ということからしますと、これまで既に何らかの形で運輸事業に携わってきた、そういった方が中心となって、もちろん地元についても非常に詳しい、そういった方も必要だろうと思いますが、そういった方々により新たな会社をつくるといったことも一つ手段であろうと思っております。まだ宇都宮市自身、こういった方向でやることを決定しておりませんが、そういったような民間的な力を使いながら運行に専念をする会社といったものをつくるということが考えられるということでございます。  そういった場合に、あくまでも民業の補完ということでございますけれども、国と地方公共団体からも出資をするというのが今回の制度でございまして、具体的な内容については、今後、宇都宮市におけますこの構想の具体化に合わせて、私どもも十分、機構を含めまして話合いを進めたいというふうに考えております。
  37. 田中直紀

    田中直紀君 財投ですから、御存じのとおり、官民ファンドの運営に係るガイドラインというのがございます。赤字が累積しては、出資して非常に負債を抱えると、こういうことで、今この事業をやって負債が発生したら累積赤字は国土交通省が最終的に解消するのか、機構が解消するのか、これも決めておかないとなかなか大変だと思うんですね。  第三セクターでできないことを新しい会社でやってどの程度この運営が前進するかというのも、まあ民間ですばらしいところは当然あるわけですから、私はもう民間で単独で引き受けるぐらいの事業であれば基準は満たすと思うんですけれども、なかなか、第三セクターで駄目で、新しい会社にして運営しようかといっても、いま一つ私は見通しが立たないんではないかと若干心配をいたしますが、充実した基準を作って、そして新しい地域の夢を実現をするということに進めていただきたいと思いますが、大臣、その基準についての考え方について再度お伺いをしておきたいと思います。
  38. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 先ほどから局長の方から答弁がありますけれども民間企業のみで資金調達できる場合は行わない、そして民間企業や市中銀行等との共同出資前提とする、そして出資比率は地方自治体と合わせて民間企業の出資比率を超えないこととする、つまり二分の一未満ということにする、あくまで民業補完の原則を確保する、そして、出資対象となる事業はサービスを開始してからおおむね十年後に累積赤字を解消することを目安とする等々で、規模の問題については今日御指摘のことに十分お答えするという状況じゃありませんけれども、具体的にどういうところがこれにかなって、それを担う計画というものがどう作られるかと。  宇都宮の例なんかでも、宇都宮市の整備区間が約四百六億ぐらい、芳賀町整備区間が約四十六億と、こういうふうに言っておりまして、それで十年間で累積赤字が解消されやっていけるという、そういうことを住民もよく合意を形成した上でやるということについては、相当よく中身を見ていかなくてはならないことだと思いますが、先生指摘のように、やるということに多くの方が夢を持っているということをまた踏まえて対応していかなくてはいけないと、このように考えております。
  39. 田中直紀

    田中直紀君 どうもありがとうございました。  余すところ、時間をタクシー業界の件につきましてお伺いをいたしたいと思います。  新潟市のタクシー業界は、平成二十三年に公取委からカルテル認定を受けまして、課徴金を二億五千万円、各社、二十五社でしょうか、既に納付済みであります。これ延滞税がどんどん掛かるものですから、大変な負担になっております。新潟県の知事も要望書を出したり意見書を出したり、市長もしておりますし、国土交通省にもお伺いをしようと、こういうような計画もあったようでありますが。  私、この状況を見ますと、当時、新自動認可運賃に移行する時期でありました。下限割れの方々もおられたのでありますが、大変多くのタクシー業者さんがやっておられまして、このときに監査をしたようでありますが、そのときに、今で言うブラック企業のようなタクシー会社も若干、一、二あったようであります。そういうところに監督をすることで行政指導をしていただいてきたんだと思うんですが、その中で、どうも、この下限のぎりぎりの範囲内の一番下のところで価格を設定していこうということで健全化を図っていこうという業界の動きがいわゆるカルテルに認定されてしまったと、で、これだけの課徴金の負担をしているわけでありますが。  私は、新潟駅へ行きますと、小型、中型、そして大型という、ちゃんと選択の乗り場がありまして、一人だったら小型へ乗る、荷物たくさん持っていれば中型に乗る、人と一緒だったら大型に乗ると、これ選択、市場性からいうと、もうでき上がった市場があるわけですね。  若干、それはサービス合戦をしていた向きはあるかもしれませんが、そんな大変なもうかっている企業があるわけではありません。少しずつのサービス合戦はしましたけれども、やはり業界として、そこの新潟のタクシー会社はしっかりとサービスをしていこう、また、今外国人も大変多いわけでありますから、何とかタクシーでそういう方々にも観光してもらおうと、こういう大変な熱意の中でこういう認定を受けて大変困っておるという事態でありますので、行政も利用者のことを考えて、不利益を受けているわけではないということで、知事あるいは市長が国土交通省とも連携を取りたいと、こういう動きもありますので、国土交通省も解決の努力も、これは公取がやっていることだというだけでは済まないような状況でありますので、何か解決方法が大臣考えていただくことがあれば、是非そのお考えを、見解を伺いたいと思います。
  40. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 先生がおっしゃったように、経営がそんなに楽でない新潟のタクシー業界の人たちが課徴金を、二億五千万というかなり大きな額を納付するということについては、大変御苦労をしているのではないかというふうに思います。  これが、公取の課徴金納付命令、二十三年十二月でありますけれども関係事業者が取消しを求める審判請求を二十四年の二月に行って、公取はこれを棄却したという状況にございます。これを受けまして今年の三月に関係事業者が東京高裁に提訴を行って、現在訴訟において係争中となっておりまして、国交省としては、これは係争中でありますので言及は差し控えたいと、このように考えています。  先生がおっしゃったように、新潟が下限割れがあったということ、また、制度改正でそこに、下限にしたとか、そういうようなこと等については承知をしているわけでありますが、何分、今係争中でありますので、今日この場では言及することは差し控えたいと、申し訳ありませんが、そうさせていただきます。
  41. 田中直紀

    田中直紀君 係争中であることはもう承知をいたしておるわけでありますけれども、こういう疲弊した状況の中で業界も大変苦労をしているわけでありますし、適正化、健全化に向かって業界も頑張っているという状況でありますので、是非、業界の皆さん方というわけにはいきませんので、知事なりあるいは市長なりが地域においても何とか解決、支援の方策を考えていければと、こういう状況でありますので、地方自治体国交省と、係争中というのはちょっとおいておいて、この事態で大変タクシー業界も御苦労されておりますし、三社倒産していますね。この係争中の中で一社倒産しております。四百人ぐらいの失業者も出ておるということでありますから、運転手さんもおられる、あるいは従業員もおられる、そういうのの再雇用の問題もいろいろ出てきているわけでありますので、是非手を差し伸べて、国交省、お願いをしたいというふうに思います。  最後に、特定地域の指定を御努力をいただいておると思います。今、全国から、特定地域で、これ協議会で地域でまとめて、そして国交省の方に申請をし、運輸審議会で検討される手はずになっておるようでありますけれども、特定地域を指定していただきたいという地域もこの特措法の中から出てきているんだと思います。その進捗状況と見通しについて御説明いただければと思います。これ、最後の質問にさせていただきます。
  42. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 改正タクシー特措法の特定地域につきましては、今年の一月三十日に指定基準策定をさせていただきました。全国で二十九の地域が指定の候補となっております。  新潟交通圏もその一つでありまして、新潟のことを申し上げますと、指定基準で求められている地域協議会の同意について三月二十七日に得られたという報告を受けております。先月、四月でありますが、二十八日にはこの特定地域の指定について運輸審議会へ諮問したところでありまして、現在この審議会におきまして御審議をいただいているところです。  今後、審議会において指定をお認めいただければ、特定地域への指定を速やかに行うこととしておりまして、現場の状況からいきまして、できるだけ早くということを心掛けたいと思っております。
  43. 田中直紀

    田中直紀君 終わります。
  44. 河野義博

    ○河野義博君 公明党の河野義博でございます。  地域公共交通活性化及び再生に関する法律の一部改正につきまして質問をいたします。  昭和四十年代以降の自動車保有台数の我が国の増加は、日常生活の移動手段公共交通機関から急速に乗用車依存型の社会へと変化をさせました。地域公共交通への需要を大幅に減少させてきたわけでございます。特に、高齢化と人口減少が進む地方におきましてはその影響は大変深刻でありまして、公共交通事業者による自助努力では維持ができずに、交通空白地帯も拡大しつつあります。  そのため、国交省としましても、それぞれの地域に応じて、個別の交通手段に応じて様々な補助事業を展開してきました。その一方、地域公共交通の衰退に歯止めを掛けるため、地域主体となった取組を国が総合的に支援していく、そういった枠組みが必要となってきているわけですけれども、どのように地域主体性を持たせて、そしてその地域の特色を生かした取組を国がどのように支援していくのか、その方針につきましてまずはお聞かせください。
  45. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 人口が減って超高齢化ということですから、これを何とか食い止めて新しい形での国土あるいは町の形成ということを考えて、国土グランドデザイン二〇五〇でコンパクトプラスネットワークという概念、そして対流促進型国土を築くという考え方を打ち出しました。  それは、そのまま対流を促進するためには、地域公共交通というのが、都市間であれ、あるいは都市の中の小さな拠点中心にということであれ、必要だというふうに思っておりまして、ネットワークの整備を地方公共団体が、我が町をこうする、そして我が町の中のネットワークをどうする、そして隣接する都市との間等の交通網をどうするということをさせていただいているところです。これを推進するために、今年度の予算計画策定地域公共交通ネットワーク再編に対する補助金制度充実させていただいて、今動き始めているところでございます。そして、今回、民間資金呼び水となる出資等制度の新設などによって支援多様化を図ろうということになっています。  地方公共団体が、これならやれるぞというやる気を持っていただいて制度を構成していかなくてはならないんですが、そうした意味では、LRTであれ、あるいは上下分離ということであれ、第三セクターということであれ、デマンドバスとかそういうことであれ、成功事例というのが各地にございます。そこを波及するということや、そうした物の考え方ができる人材ってなかなかこれ難しいものですから、行政もよく分かって現場も分かるという、そして社会福祉やそういうことについても理解が多いという方でなくちゃなかなかならないというふうに思いますが、そうした人材育成というものが大事だというふうに思っています。  いろんな意味で、人を育てるということや、そして一緒に町をどうつくって、道路を、このネットワークを、公共交通をどうするか、そうしたことのベストプラクティスの共有、人材育成ということに更に積極的に取り組んでいきたいと、このように思っているところでございます。
  46. 河野義博

    ○河野義博君 人材育成を通じて我が町のネットワーク地域主体性を持って実現させていくということなんですけれども、どうしても自治体自治体ごとに狭い視野に陥りがちだと思いますので、是非とも国交省さんの方で広い視野に立って全体を俯瞰しながら取組進めていただきたいと思っております。  続きまして、地域公共交通活性化及び再生に関する法律、従来の法律に基づきまして、上下分離、これまでの取組、六案件、六つの事業が既にスタートしております。その現状報告とともに、更なる課題認識、そういったことをお聞かせいただきたいと思っております。
  47. 藤田耕三

    政府参考人(藤田耕三君) 御指摘鉄道上下分離等でございますけれども地域公共交通活性化再生法に基づきます鉄道事業構築事業という形で現在まで六件実施されております。  現状でございますけれども、このうち例えば福井鉄道について申し上げますと、沿線自治体が福井鉄道から鉄道用地を有償で取得した上で同社に無償で貸与するということによりまして、同社の借入金の圧縮、資産保有に伴う費用負担の軽減を図っております。あわせて、パーク・アンド・ライド等の利用促進の取組によりまして、輸送人員が実施前と比較して約二割増加するといった効果が現れております。経営面から見ますとまだなかなか引き続き厳しい状況にございますけれども、こうした上下分離及びそれに伴う地域支援によりまして輸送の維持が図られているものと認識しております。  今後につきましては、やはり沿線自治体あるいは地域住民の方々がマイレール意識を持って利用の促進を図っていただくといったことを含めて、地域実情に応じて地域鉄道を支えていただくということが必要であると考えております。国としましても、補助制度を通じてしっかり支援してまいりたいと考えております。
  48. 河野義博

    ○河野義博君 路線の維持に加えまして乗車数も二割増えたという成功事例も披露していただきました。地域の特性に応じて地元と連携して成果を上げていただいております。自治体、また複数の事業者といった様々な機関との調整が必要となりますので、引き続き国交省のリーダーシップをお願いしたいと思っております。  加えまして、二つお願いがございます。  BRT、LRTといいますと、国内メーカーはまだまだ出遅れておる感がございまして、海外からの輸入に頼っている現状でありますので、一つは、是非とも産業を、国内産業を育てていただくということ。もう一つは、各自治体が恐らくばらばらに発注をしております、いろんなメーカーにばらばらに発注をしておりまして、その契約条件も様々になっていると思います。恐らく部品の調達や今後のメンテナンスといった点では共通項が多く含まれていると思いますので、これもまた先ほどのお願いと重複をいたしますけれども、一歩上の目線から、狭い視点にならないように国交省の御配慮、お願いしたいと思っております。  続きまして、独法機構法の一部改正につきまして質問いたします。独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備機構が今回出資等を行う件でございます。  従来行ってまいりました鉄道輸送高度化事業補助金に加えまして機構が新たに財政投融資を使って出融資を可能とすることで、事業者側としては多様な資金調達を可能とするわけでありまして、機構側としてはリスクに見合ったリターンを得ることができる、従来の補助金に代わってリターンも得ることができるということで、その趣旨には私賛成でございます。  その上で質問いたしますけれども、従来の補助事業と、すみ分けとしては、補助事業よりもより収益性のある案件には出融資をする、民間投資の呼び水効果を発揮する、これが期待されることとなろうと思いますけれども、そもそも出融資をやらなきゃいけないといった必要性はどこにあるんでしょうか。また、上下分離して採算が取れる案件であれば民間資金でそもそも賄えるんではないかと、そういった疑問も残るわけですけれども、そもそもの必要性に関しまして当局の認識を教えてください。
  49. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 今回の制度は今委員指摘のとおりのものでございまして、地域公共交通を持続可能なものとしていくためには、地域の金融機関などからの幅広い出資や融資を募るということと同時に、今回の出資はこういった民間からの資金呼び水になるといったような効果を期待しているものでございます。  そこで、なぜこういったような呼び水が必要なのかといったような御指摘でございます。  当然のことながら、これ出資でございますので、中長期的な収益性があるということが大前提となります。そういった収益性があるといったような対象につきましては、例えば上下分離を行ったLRTや鉄道事業、あるいは路線再編を行ったBRTといったものが一つ対象になるだろうというふうに考えておりますけれども、こういった事業収益性をどう見込むのかといったことにつきましては、周辺まちづくり状況の進捗状況であるとか、あるいは人口の動態であるとか、なかなか民間企業だけでは確定的に判断し難い要素というものがございます。言わば、こういったものは収益性についての一定のリスクというものがあるということになろうと思います。  こういったものについては、なかなか民間の金融機関だけでは、これは収益性があるのかないのか、なかなか難しいといったような判断がある中で、私どもも関与いたしまして、機構も十分な関係情報を集めるなどによりまして状況分析をいたしまして、中長期的な分析を行い、収益性がある、あるいはないといったような判断をするということが必要なんだろうと思います。  そこで、機構が中長期的な収益性があるということで判断いたしますと、他の民間企業も民間金融機関も、これについては、機構から出資がされるような案件であるならば大丈夫だろうということで、まさに呼び水効果というものが期待されるのではないかというふうに考えておるところでございます。  したがって、逆に申し上げますと、そういったリスクがない、完全に中長期的に収益性が確定しているといったようなものにつきましては、この機構出資というものは必要ないというふうに考えているところでございます。
  50. 河野義博

    ○河野義博君 中長期的な収益性が見込まれる案件であればリスクを取っても出資をするという理解をいたしました。  では、具体的にはどのように、既存の補助金事業と今回の新たな出資事業と、どのように対象を選別をしていくのでしょうか。
  51. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 御指摘のように、今回の出資対象というものは中長期的な収益性があるということが前提でございます。したがって、今回の対象となるかどうかということにつきましては、中長期的な収益性があるかどうかというのが一つの大きな要素になるというふうに考えております。  中長期的な収益性があるような事業、そしてまた、立ち上げの段階で、開業時において一定の大規模資金が必要となるというような事業、これは、先ほど御紹介いたしましたLRT、BRT等の新たな交通システムの導入であるとか、あるいはこれと一体となったICカードなどのICTシステムの導入といったようなことを行う事業ということが考えられるわけでございますが、こういったものについてはこの出資対象というふうに考えております。  一方、限界集落を抱える中山間地域などにおいて、生活交通につきましては基本的には収益性というものは見込めません。赤字と、基本的に赤字であるということでございますが、こういったものには全く出資というものは向きません。むしろ、現在の私ども地方公共交通の確保維持改善事業という助成制度ございますが、そういったものを活用しながら対応していくという必要があるんだろうと思っております。  今後とも、地域実情に応じて、できるだけ多様な使いやすい支援制度というものを考えてまいりたいというふうに考えております。
  52. 河野義博

    ○河野義博君 従来、収益性が見込めない案件でありましても、上下分離をすることによって収益性が見込まれるようなケースもあると思います。したがいまして、どういった選別をしていくかというのは走りながら考えていくということになろうかと思うんですけれども。  関連をいたしまして質問しますと、法案二十九条の二によりますと、出資に関する基準というのは機構が別途定めて国交相が認可をいたします。現時点で想定されます最大出資比率や投資リターン、いわゆる投資家は内部収益率、IRRに基づいて出資をしますので、その投資リターンの目線、また資金回収期間、それから劣後融資が出せるのか、優先株は出せるのか、そういった取扱方針につきまして教えてください。
  53. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) まず、最大の出資比率でございますが、これにつきましては、民業の補完ということから、機構地方自治体による出資を合わせて全出資額の二分の一未満とするというのを考えております。  それから、投資のリターンでございますが、これによりまして、機構がこの出資により高い収益性を、機構自体のリターンを求めるということは基本的には考えておりません。むしろ、出資したものが毀損をしないといった観点から出資対象事業の中長期的な収益性というものを考えてまいりますが、機構としての高いリターンというものを目的としているものではございません。  出資回収期間でございますが、対象事業におけます累積赤字が解消できた後、早期に出資した資金を回収することを基本的な考え方といたしておりますが、この累積赤字が解消できる時期でございますが、これについて、一つ考え方といたしましては、出資先の会社が運行を開始してから十年程度というのが目安になるだろうというふうに考えております。  なお、個々の事業によって当初の段階の赤字幅というのは異なってまいりますので、具体的には個々の案件に応じて判断をしてまいりたいと思っております。  また、劣後融資あるいは優先株ということについての御指摘がございました。  今回の改正におきましては、機構からは、出資のほか、いわゆる資本性の劣後融資などについても他の出資事例などを勘案いたしまして行うことができるように考えておりますが、具体的な内容につきましては、今後、鉄道運輸機構において基準策定する中で詳細については詰めてまいりたいと考えております。  なお、優先株というものにつきましては、基本的にはこれは議決権を有しないといったような株だろうと思っておりますが、これを出資した後も、機構としてはより良いサービスを提供するという観点から、それまたイコール収益性を高めるということになろうと思いますが、出資後においてもこれについてはチェックをするといったような体制考えておりますので、この議決権を有しない優先株というものについては考えておりません。
  54. 河野義博

    ○河野義博君 ほかにも財投出資でインフラに出資をできる制度というのが多数ありますので、基準に関してはそちらともよく整合性を取りながら進めていただきたいと思っております。  出融資業務を新たに行うことになるわけですけれども機構体制はどういうふうに考えておられるのでしょうか。
  55. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 現在、機構におきましては出資業務というものを行っておりません。そこで、今回この法案が成立いたしますと、機構においてこういった出資業務を行うための体制を整備しなきゃならぬということになります。具体的には、担当者といたしまして、こういった特殊な業務でございます出資等業務ノウハウを有する者を配置をするということが必要だろうと思っております。  一方、また、こういった出資という業務でございますので、できるだけ適切な判断を機構自体が行っているかということについてもチェックする体制機構の部内としても必要だろうと思っておりまして、機構に第三者委員会を設けてこの出資等業務のチェックを行わせるという体制をつくりたいというふうに思っております。  なお、新たなこの体制を整備する場合であっても、必要最小限の規模ということにいたしたいと思っておりまして、機構全体の他の業務のスリム化ということと併せまして、機構全体の人員規模が増えるということがないようにいたしたいというふうに考えております。
  56. 河野義博

    ○河野義博君 新たに出融資を行うということでございますので、かつ人も増やさないという御答弁でございました。恐らく金融機関や出資をしたことのあるところから出向者も受け入れながら進めていただくと承知をしておりますけれども、機動的に御判断をいただければと思っております。  関連しまして、株式会社海外交通都市開発事業支援機構、いわゆるJOIN、海外投資をできる官民ファンドということで、昨年成立をいたしました。平成二十六年度の予算は五百八十五億円、平成二十七年度三百七十二億円の産業投資の計画ということで予算を獲得しているわけですけれども、昨年の法人設立以来のお取組に関して教えてください。
  57. 稲葉一雄

    政府参考人(稲葉一雄君) 御説明申し上げます。  海外交通都市開発事業支援機構、JOINと略称しておりますけれども、これは、海外における交通・都市開発事業に対して我が国事業者の参入の促進を図ると、こういうことを目的といたしまして昨年十月二十日に設立されました。  設立以来の取組についてお尋ねがございましたが、設立後、ガバナンス体制等の機構の運営基盤を確立するということ、それから出資案件の検討に必要な審査基準等の整備を行うということ、これと併せて具体的な事案の検討を行っております。  具体的な事案について申し上げますと、これまで四十三件の出資相談がございました。分野別に見ますと、港湾を始めとして鉄道都市開発など、各分野から満遍なく相談がございます。また、これを地域的に見ますと、ASEANを始めとして中東、アフリカ、中南米など、これも広い範囲から満遍なく相談がございます。  現在、JOINでは、このうち熟度の高い案件について、案件ごとにチームを設けて審査を慎重かつ精力的に進めております。現時点ではまだ支援決定に至った事案はございませんけれども、今年度早期の支援決定に向けて努力をしているところでございます。  以上でございます。
  58. 河野義博

    ○河野義博君 官民ファンドでございますが、今国会は総務省もファンドをつくりまして、合計十一個の官民ファンドができることになります。経産省が三つ、国交省が二つ、財務省、金融庁、文科省、農水省、内閣府、総務省と、それぞれの省庁が官民ファンドを持つことになりました。決して役所の出先機関のようなことになってはいけませんので、しっかりと横串を刺して連携をして国益に資する投資を行っていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
  59. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 維新の党の室井です。  早速質問に入りますが、この地域公共交通、これ、非常に大切な国民、市民、県民の足であります。そういう中で、国土交通省も非常にいろいろと努力をしていただき、対応策を取っておられますけれども、どうも事業者、その地域人たちの認識が足らないというか、そういうところの連携をしっかりと取っていかないと、この人口減が加速している中でなかなか解決がしていかないだろうと、このように私も心配をしております。  そういう中で、あの手この手でいろいろと工夫をしていただいておられます。平成十九年にはこの地域公共交通活性化再生法が成立をいたしまして、五年間の間にいろいろと現状を確認し、またいろいろと改正をしなくちゃいけない点もある、こういうところで平成二十六年に改正地域公共交通活性化再生法が成立をいたしまして、また、そういう中でコンパクトシティーというまちづくり中心とした新たな公共交通網を構築していこうと、こういう努力をしておられる中で、この公共交通活性化再生をこれからやっぱりかなりアクセルを踏んで進めていかなくては、現状が非常に不自由な、地域の方々が感じておると、そういう中で、早くこういう現状を対応して、前向きに解決をしていくというか取り組んでいかないと、地域人たちの心豊かな、安心して安全な生活ということをやはり我々は行政としても応えてあげなくちゃいけないと。  こういうところで、今、先ほど冒頭に申し上げましたように、こういう公共交通の足というのは、地元の方々は民間企業の努力の役割というようなことで、なかなかそれ以上、御自分たちも協力してこそこういう問題が解決していくんだという認識がないようで、そこでなかなか御苦労されているように聞いておりますし、御苦労されておるところであります。  国交省として、今、だからこそこの新たな改正法案を出されたんですけれども、各先生方の御質問に重複いたして恐縮でありますけれども大臣、是非御答弁を具体的に聞かせていただければ。お願いしたいと思います。
  60. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 室井先生おっしゃるとおり、民間にある程度任せたり、それから都バスだとか市バスというのを路線を縮小していったりということで今日まで来て、心配だな、困ったなということで終わっていたというふうに思いますが、交通政策基本法を制定していただき、地域公共交通活性化再生法というのを累次にわたって改正していただいて、何とか上下分離とかあるいは第三セクターとかいろんな形で応援をして、同時にまちづくりということももう一遍本格的に考えてという反転攻勢のときがこの二年ぐらい、二、三年でやっと始まったんだと思います。  そうした手だての中の一つとして、先ほどから話がありますが、民間でできるものには協力していただいてということなんですけど、民間だけでは駄目、しかし地方自治体だけでも駄目。もうかるものなら民間にやらせたらいいんじゃないかと言うんですが、初期の投資とか、最初から黒が出るというわけでもないということからいきますと、出資を行うという手だてを考えようとしたところに今回の法改正のお願いをしているところでございます。  そうした意味からいきまして、人の問題も非常に大事で、人材とかノウハウの不足とか、構想することの不足であるとかいうことも大きな問題だと思っておりまして、そうした成功事例を紹介をするんだとか、セミナーとか研修をするんだとか、国交省として、地方運輸局相談に直接乗るというような手だてを通じて、地方公共団体が積極的に、こうしたらいいかな、ああしたらいいかなということを具体化するという作業にしっかりと支援をしていきたいと、このように思っているところでございます。
  61. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。  今、各先生方から産業投資の在り方、これについていろいろと御質問がありました。私もその点は非常に心配しているところでありまして、この出資、損失が過去に起きまして、今日はもうそのことについてはいろいろとお聞きはしませんけれども、そういう事故がいろいろとあったようでありますので、その点は十分に脇を締めて、この出資先の事業者のひとつ調べといいますか、経営内容もしっかりと確認されて、そのような損失が発生しないように、非常になかなか難しいことでありますけれども、これは基本的なことであると思いますので、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。  じゃ、二問目の質問に参ります。  人口減少がスピードが掛かり、その中でまたモータリゼーションが著しく発展をするという、まさにこういう状況の中で、地域公共交通事業者、これはもう経営悪化していくのは当然、当然というか、そういう悪化が進行しておると。こういう中で、更にサービスが低下をしていく、特に地方都市においてはそういう現象が顕著に現れておると。こういう中で、地域の多様性と連携したいわゆる総合的な公共交通ネットワークの形成に向けた国土交通省取組というか、非常に幅広い、裾野の広いことなんですけれども、これを長期的に掛けていると意味がないと思いますが、どのように取り組んでいこうとして、また今まで取り組んでおられたのか、お聞きをしたいと思います。よろしくお願いします。
  62. 西村明宏

    ○副大臣(西村明宏君) 大臣からもお話ございましたけれども委員指摘のように、これから持続可能な地域公共交通ネットワークをしっかりと形成して、コンパクトまちづくり拠点づくりを進めていくということは、もう様々な分野との連携を進めてやっていく必要がありますし、これを国土交通省としてもしっかりと後支えしていかなければならないというふうに思っているところでございます。  昨年、地域公共交通活性化再生法、そしてまた都市再生特別措置法を一体的に改正いたしまして、公共交通を軸としたコンパクトまちづくりを進める地方公共団体予算面、そしてまた税制面できめ細かく支援してきているところでもございます。  加えまして、先ほど様々な御質問の中に大臣からも答弁ございましたように、民間資金呼び水となりますような出資などの制度をしっかりと新設いたしまして支援多様化を図ること、このことによりまして地域のニーズにより柔軟に対応してまいりたいというふうに思っております。  さらに、医療、福祉など様々な分野との連携を推進するために、関係府省とともにコンパクトシティ形成支援チームを三月十九日に設置したところでございます。  こうした取組を通じまして、今後とも政府一丸となった地方公共団体取組をしっかりと支援してまいりたいというふうに考えております。
  63. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。  衆議院の国土交通委員会におきまして大臣の御答弁の中で、私もこれはなかなかいろいろと知恵を絞ったアイデアというか政策だなと思ったのは、あいのりスクールバスですか、福岡県の朝倉市の例を大臣出されておりまして、私もこれ初めてお聞きしたんですけれども、スクールバスの機能と一般住民のためのコミュニティーバスを併せて利用するという、なかなか無駄を排する、お互いにとって有り難い方法だなと思っております。  こういう手法を更に全国に広げられる、地域によっていろいろとできるところ、できないところあるでしょうけれども、是非国土交通省としても積極的にこういうところはモデルとして援助というか手を差し伸べていただきたいなと、このように御要望しておきたいと思います。  じゃ、もう一つ質問をさせていただきます。  先ほど、私も申し上げておりますけれども地域公共交通、これを、今の現状を少しでも利便性の高いものにしていくためには、やはり地域住民の協力、これが非常に重要だと大臣もおっしゃっておられますし、私も私なりにそのように思っております。もちろんその間に事業者も入るわけでありますけれども、特に住民の協力と、こういうことに対して、具体的にいろいろとあるんでしょうけれども国交省考え方として住民の協力をどういうふうに仰いでいこうとされておるのか、お聞きしたいと思います。
  64. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 委員指摘のように、地域公共交通の問題にとって住民の意識というのは非常に重要であるというふうに考えております。  この点に関しては、特に大学などで研究の中に一つ、モビリティーマネジメントという実は考え方がございます。これは、過度な自動車利用から公共交通を適切に利用する方向を目指しまして、一人一人の移動がこういった方向に自発的に変化、シフトしていくように促していく、コミュニケーションといった言い方をしていますが、コミュニケーションなどを中心とした対策と言われる取組でございます。  具体的にどういうことをやっているかと申しますと、お住みになっている方に、あなたがここに行く場合にはこういったバスがあります、あるいはこういったような鉄道が使えますといったような、地域住民に対して、必ずしも車に乗っている方というのは公共交通の利用ができるのかできないのかということについて情報がない場合がございますので、こういった情報を提供するといったこと。それから、工場などがある場合、職場を対象といたしまして、多くの自動車通勤をしている方に対しまして、公共機関を使った通勤、あるいは複数の方に乗っていただくような自動車の利用、こういったようなことを進めていただくといったようなエコ通勤の取組、こういったようなことをやっているものでございます。  さらに、先ほど鉄道の上下分離のところで御紹介がございましたが、鉄道の場合には、マイレールということで自分たち鉄道だという意識を強く持っていただきまして御利用していただくといったような取組も必要なんだろうと思っております。  全国に幾つかこういったような取組はございまして、先ほど来御紹介いたしておりますベストプラクティスといった例でございますので、こういったものもまとめ、整理いたしまして、できるだけ多くの地方公共団体等々関係者の方に波及をするといった努力を進めてまいりたいというふうに考えております。
  65. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 終わります。
  66. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  本改正案では、鉄道運輸機構出資対象となる会社は営利目的の新しい会社に限定をされております。公共交通機関の民間委託、民営化を更に進めて、地方自治体の関与と責任を弱める点で問題だということをまず指摘しておきたいと思います。  今日は、地域公共交通一つであるタクシー、このタクシー特定地域指定について質問をいたします。  規制改革会議が、昨年六月十三日に改正タクシー特措法の特定地域に係る指定基準に関する意見を出しております。当委員会でも何度も取り上げられていますけれども、問題となっているのが、特定地域内の営業車両総数が全国の営業車両総数の半数を有意に下回る割合とすべきとしたところであります。  この半数を有意に下回れという要求の根拠となっているのが、タクシー特措法第三条に、一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化推進することが特に必要であると認めるときは、当該特定の地域を、期間を定めて特定地域として指定することができるという部分でありまして、特にというふうに書いてあるわけだから、この指定が多数になっては駄目だよということを言っているわけですね。  国交省は、昨年十月十六日に、この特に必要というのは数の問題なのかという吉田委員質問に対して、立法趣旨、法律に求めます要件というものをきちっと当てはめて、それによって指定の是非を判断していく、数的な議論は法律上規定がされているものではないと答弁しているわけですね。  確認をしますけれども、この規制改革会議が言っている半数を有意に下回る割合とするために基準を作ったわけではないということでよろしいですね、これ確認したい。
  67. 田端浩

    政府参考人(田端浩君) お答えいたします。  ただいま御指摘ございましたタクシー改正特措法三条におきまして、供給過剰と認められる場合であって、また事業用自動車の一台当たりの収入、あるいは法令違反などの不適正な事業運営、事故発生の状況に照らして、供給輸送力の削減をしなければタクシーの地域公共交通としての機能を十分に発揮することが困難のため、適正化、活性化推進することが特に必要であると認めるときには、期間を定めて特定地域の指定を行うことができることとされております。  改正タクシー特措法上、この特定地域の指定比率などについて特に数値的な定めがあるものではございません。
  68. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 私が申し上げたところはそうだということだという答弁でありました。重要な答弁だと思います。  ところが、国交省は、今年の一月三十日、この規制改革会議の意に沿う形で特定地域の指定基準を公示しております。  国交省は当初は車両数の最大の六割の地域対象になると試算をしていましたが、結局、候補となるのは大阪、札幌、福岡など全国二十九の地域。東京は外れました。東京は車両の稼働効率の指標を厳しくしたために外れたわけであります。しかし、今でも適正車両数の上限よりも一千台以上供給が上回っているというのが東京の実態でございます。  結局、二十九地域のタクシー車両は約六万五千台、全国の車両総数の約三四%ということになったわけですね。つまり、規制改革会議が言っている半数を下回る割合となったわけでございます。今日資料も用意をしておりますが、人口三十万人以上の都市を含む営業区域という、こういう要件が加わったことで五十五の地域が外されたということになりました。  確認をしますが、もしこの人口三十万人以上という要件がなければ特定地域の指定基準に合致していた割合というのは何%になるんでしょうか。
  69. 田端浩

    政府参考人(田端浩君) 委員指摘の五十五地域でございますが、これは車両数でいきますと二万三百四十三両ということでありまして、車両台数ベース全体の一〇・六%となります。これを仮に加えるという場合でありますと、車両数ベースですと全体の四四・四%という計算になります。  以上でございます。
  70. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 結局、規制改革会議の求めに従って対象地域を狭く、数を限定したためにこういうことになったということははっきりしたと思うんですね。  大臣にお聞きしたいと思います。  今、やっぱり言っていることとやっていることが私は矛盾していると思うんですね。供給過剰の解消、運転者の労働条件の改善という私は法改正の趣旨をゆがめているというふうに思います。改正趣旨に沿った指定基準の見直しを行うべきではないでしょうか。
  71. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 改正タクシー特措法による特定地域制度は、供給過剰等の解消等を一層進めるというために導入されたものでありまして、この観点からは多くの地域を指定することが求められます。  しかし一方で、特定地域については、新規営業許可の禁止、あるいは独占禁止法の適用除外、営業方法の制限命令等の強い法的効果を有する措置が認められております。このために、衆参両院の附帯決議においても、特定地域の指定については、その法的効果に鑑み厳格に行うこととされております。この附帯決議に加えて規制改革会議からも意見が示されたことから、国交省としてもこれも勘案し、特定地域制度の導入については、そのスタート時においてはまずより厳格な内容の指定基準とすることとしたわけでございます。  今後、この基準に基づいて指定された特定地域について、その運用状況や効果等を見極めて、経済状況の動向等も踏まえた上で、タクシー特措法の制定の趣旨及び今回の改正の趣旨に照らしつつ、継続的に見直しの議論を行っていくこととしております。今回の指定基準に基づきまして、まずは供給過剰等の問題が特に深刻な地域から特定地域制度をスタートさせて、その成果をしっかりと出すということが肝要だというふうに考えています。
  72. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 大臣の方からも客観的な基準が必要だという話がありました。では、その人口三十万人というのが客観的なのかどうなのかということが一つあると思うんですね。これは後からただしたいと思いますけれども。  先ほど局長の方からは、規制改革会議が言っている半数を有意に下回る割合とするために基準を作ったわけではないと、これはお認めになったわけなんですが、改めてこの局長の発言をただしていきたいと思うんですね。  一月の二十二日に開かれた規制改革会議第十回地域活性化ワーキング・グループの議事録が公表をされております。局長はここに参加して、委員にこう報告しているんですよ。全国の営業車両台数の半数を有意に下回る割合とすべきであるという御指摘を承ってございますので、そういった中身を勘案しながら指定基準を作ってきた、半数を有意に下回る割合とすべきであるという点についても満足できる指標案にさせていただいておりますと。  局長、これ、今の説明とここでの発言、矛盾するんじゃないですか。どうですか。
  73. 田端浩

    政府参考人(田端浩君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、規制改革会議からも御意見は示されてまずおります。その中においては、法律の効果が非常に強いこともあり、厳格にあるいは慎重に指定基準考えていくべきだと、こういう御趣旨であると、このように私どもは理解をしております。  でございますので、ただいま規制改革会議への御説明、私の方から申し上げましたのは、法律の趣旨にのっとって、規制改革会議の御意見というものは、特定地域の判定に適切なちゃんと指標を厳格に作って、それを当てはめて、それで慎重な検討をすべきだと、こういう御意見というものを踏まえて客観的な基準作りをいたしましたと、こういう御説明をしたということでございます。
  74. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 いや、そうじゃないんですよ。厳格に、また慎重に、客観的にというのは示されているわけですけれども局長は、この規制改革会議の中で言っているのは、半数を有意に下回る割合とすべきであるという御指摘がありますので、そういった中身を勘案しながら指定基準を作ってきたと言っているんですよ。はっきり言っているんですよ。しかし、冒頭の私の質問に対して局長は、半数を有意に下回るということとするために基準を作ったわけではないと言っているんですよ。矛盾するんじゃないんですか。もう一回答弁ください。
  75. 田端浩

    政府参考人(田端浩君) 先ほど御答弁申し上げました法律の第三条におきまして、いろいろ要件を申し上げましたが、その上で特に必要があると認めるときに期間を定めて特定地域の指定を行うことができると、こういう法律でございます。でございますので、特措法上、この指定の比率について、特に法律上、数値的な定めがあるものではまずはございません。ただ、議員立法の趣旨が法的ないろいろ制約、非常に法的な効果が厳しいというところに鑑みて、厳格に行っていく必要があるという御指摘であるというふうに理解をしております。両院の附帯決議においても、法的効果に鑑み厳格に行うという、こういう御趣旨がございました。私どもとしては、附帯決議を勘案しまして指定基準を定めてまいったところであります。  そういう意味で、先ほど、規制改革会議に私が御報告申し上げましたのは、規制改革会議の御意見というものも、立法の趣旨がそういう法的効果が非常に強いので厳格に考えていくべきだと、こういう御趣旨を踏まえた上で指定基準を定めてまいりましたと、こういう御説明を申し上げたということでございます。
  76. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 結局私の聞いていることに全く答えないと。御自身が発言したことですから、これを結局矛盾と言えないということだと思います。これは結局矛盾しているんですよ。矛盾しているんですよ、数じゃないと言いながら、規制改革会議が求めていることに、結局この会議に出ていって、あなたたちが満足できる指標にしましたと、こう言っているわけですね。むちゃくちゃな話なんです。  じゃ、この三十万人という人口基準、根拠は何なのかということを改めて聞きたいと思います。何でこれ三十万人なんですか。
  77. 田端浩

    政府参考人(田端浩君) タクシー事業の営業形態でございますが、大きく二つに大別されます。一つは流し、これ繁華街でのつじ待ちなども含みますが、流しの営業。もう一つが営業所受けという、こういう形態でございます。  このうち、流し営業につきましては、利用者によるタクシーの選別が困難であることから、事業者間の競争による淘汰のメカニズムが働きにくく、運転者の賃金が歩合制であることと相まって供給過剰の進行を招きやすいとの構造的な問題を抱えております。逆に流し営業が少ない地域においては利用者による選別が可能でありまして、このような懸念が生じる余地は小さいと考えております。  本指標でございますが、このようなタクシー事業の特性に鑑みまして、特定地域の指定を流し営業が多く行われる地域に限ることといたしたところであります。これは、流し営業が市街地等における一定の需要を前提として行われるものであり、現在のタクシー事業に係ります許認可の運用において、流し営業が成り立つ区域を人口三十万人以上の都市を含む営業区域としていることを踏まえて、特定地域の指定基準においてもこれを用いることといたしたものであります。
  78. 広田一

    委員長広田一君) 辰巳君、時間が参っておりますので、まとめていただけますようにお願いします。
  79. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 流し営業と言いますけれども、三十万人というのが流し営業が多いという根拠となるデータというのは実はないんですね。青森市なんかでいいますと二十九万六千人ですよ。盛岡市は二十九万九千五百八十五人なんです。これで切れているんですよ。これ、全く根拠がないということを申し述べて、この指定基準の見直しを求めて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  80. 山口和之

    ○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会、山口和之でございます。  法案の質問に入る前に一つ質問させていただきたいんですが、資料を見ていただきたいと思います。  この資料は、被災地域地域間基幹系統確保維持事業及び特定被災地域公共交通調査事業、被災地の特例についてでございます。本事業は、被災地のバス交通、乗り合いタクシーの確保、維持支援するための事業であり、仮設住宅と病院や学校、商店街などの地域バスの運行整備などに利用されております。本事業は、本年度は予算は二十一億円、特例措置の期間は平成二十七年度末までの五年間とされております。下の資料を見ていただくと、福島県においてまだ十二万人弱の原発避難者がいらっしゃって、復興住宅に至っては四千八百九十戸予定のうち、二十七年度末には約二六%の千二百七十三戸しか完成しない予定でございます。  二十七年度末以降も仮設住宅にはまだ多くの避難者が避難されているというふうに想定されると、この被災地特例事業はどうしても延期していただきたいというふうに思うんですけれども大臣にお伺いしたいと思います。
  81. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 延長ということですね。
  82. 山口和之

    ○山口和之君 はい。
  83. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 東日本大震災の被災地におきまして、仮設住宅等にお住まいの原発避難者を始めとした地域住民の日常生活の足となる生活交通の確保は重要な課題であるというふうに思っています。このために、地域公共交通確保維持改善事業におきまして、被災地特有の事情も勘案しながら、幹線バスについて、全国的に実施している場合と比べて輸送量等の要件を緩和して特例措置をとる、そして、地域内のコミュニティーバスやデマンドタクシーについては、復興の進捗に応じた運行をきめ細かく支援するということにさせていただいております。  集中期間が終わりますと、これ一つの区切りということで、大変御心配をなさっているというふうに思います。政府としては、今日の段階で継続だとか延長だということを断言することは私はできませんけれども、今、集中復興期間以降の復興事業の在り方を全体的に検討しています。この生活交通の確保は私は極めて重要な問題だというふうに認識をしておりまして、まだ結論が出ているわけではありませんが、復興庁等の関係省庁とも調整してしっかりと対応したいと、このように思っています。
  84. 山口和之

    ○山口和之君 是非しっかりと対応していただいて、延長していただければと思います。よろしくお願いいたします。  それで、法案の質問に入りたいと思いますが、重複しているところがありますが了承願いたいと思います。  独法の新たな業務内容の意義についてお伺いしたいと思います。本独法が必要な資金出資等の新たな業務を行うとされていますけれども、その意義について再確認したいと思います。よろしくお願いします。
  85. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 今回お願い申し上げております鉄道運輸機構によります出資は、上下分離を行ったLRTや鉄道事業、あるいは路線再編を行ったBRTなどにおきまして、まちづくりとの整合性を図りながら、利用者ニーズに合致したより良いサービスを提供し、収益性の確保を目指すものを対象といたしております。  一方、こうした事業というものは、まちづくりの進捗とそれに伴う人口の動態の変化といったことなど、民間企業だけでは将来の見通しを立てることが困難な場合がございます。このような不確定な要素に伴いまして一定のリスクがある場合に、民間企業にとっては出資対象事業が必ず収益性を見込むことができるかどうか確定的に判断することができないといったことがあるだろうと思っております。また、それが中長期に及ぶといった場合には、その時間軸におけるリスクというものもあるというふうに考えております。こうしたリスクについてはなかなか民間負担することは困難であるといったことがございまして、民間だけでは十分な資金供給が行えないということがあろうと思います。  こういった状況を踏まえまして、民間資金呼び水となるということを期待いたしまして、今回の鉄道運輸機構からの出資業務をお願いを申し上げたところでございます。
  86. 山口和之

    ○山口和之君 そうしますと、その出資というのが非常に難しく、また微妙なところでバランスを取っていかなければいけないとなると、その新しい出資制度出資基準出資の妥当性の確保についてお伺いしたいんですが、本独法出資業務をこれまで、先ほども質問出ましたけれども、行っていないと。必要な人材ノウハウ等をどういうふうに確保していくのか、もう一度確認させていただきたいことと、また、事業性についての評価、採算性の審査など、出資の是非や出資額の決定のプロセス、各種審査の基準の妥当性をどういうふうに担保していくのか、とても重要なことだと思います。もう一度確認させていただきたいと思います。
  87. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 委員指摘のように、現時点において、鉄道運輸機構においては出資等業務というものは行っておりません。先ほど御説明申し上げたように、中長期的にリスクがあるといったようなことについてどう判断していくのかということについては、非常に難しいノウハウというものが必要なんだろうと思っております。  そこで、こういったノウハウというのは、現時点においては機構の組織としての体制としてはございませんが、機構職員の中にもそういった業務に関与したことがある者とか、あるいはこれまで類似の業務を行った者に対して研修を行うといったようなこと、いろいろなことが考えられますが、この業務に必要なノウハウ担当する職員に付けさせたいというふうに考えております。  この規模につきましては、これによって大幅に体制が大きくなるということは決して好ましいことではございませんので、他の業務のスリム化ということと併せまして、あくまでも必要最小限とした上で、機構全体としては決して増えないといったことが必要だろうというふうに考えております。  その上で、この業務が適切に行われるためにどのようなことをしていくのかということでございますが、法律の二十九条の二に基づきまして、鉄道運輸機構業務を行うに当たりましては、業務基準というものを策定いたしまして、これを大臣認可をするということにさせていただきます。この基準については、基本的には中長期的な収益性の確保が出資対象となる事業に求められるということ、それから、決して民業を圧迫しないということで、民業の補完性の徹底ということ、そしてまた、こういったような判断について機構自体が適切に判断を行っているかということにつきまして、機構に第三者委員会を設置いたしまして、機構自体が判断した内容が妥当であるかどうか、こういったチェックもお願いをさせようと思っております。  こういった業務は、さらに、出資をして以上終わりというわけではございませんので、出資した後も、出資をもらった事業者における経営状況業務運営状況などについても引き続き監視をするといったようなことを考えておりまして、出資をした事業が適切に運営されるということを担保いたしたいと思っております。  なお、中長期的な収益性というのはどのように判断をするかということでございますが、いろんな個別のケースに即して判断する必要がございますけれども、通院、通学、通勤といったような公共交通利用者の見通し、あるいは運営コストについてどのように合理化なりそういったような対応が行われるかということ、そしてまた、サービスを向上させるといったようなことによりましてどのように利用者の増が見込めるのかといったようなこと、こういった要素をしっかり見てまいりたいというふうに考えております。
  88. 山口和之

    ○山口和之君 採算性が、分岐点が非常に厳しいところで見ていくと思われますので、是非しっかりとやっていっていただきたいと思います。  そして、関連する質問をお伺いしたいと思いますが、地域公共交通確保維持改善事業についてお伺いしたいと思います。その中の地域公共交通バリア解消促進事業についてお伺いします。  鉄道でのバリアフリー化は割と進んでいるようにも思えますけれども、バス、とりわけタクシーのバリアフリー化は進んでいないというふうに思っております。その認識とこれからの対策について政府参考人にお伺いしたいと思います。  また、大変革の大チャンスである二〇二〇年のオリパラに向けて、どういうふうにこの交通のバリアフリーを促進するのかということについて大臣にお伺いしたいと思います。
  89. 田端浩

    政府参考人(田端浩君) 先生指摘いただきましたバリフリー化につきまして、私ども、バス、タクシーの関係のバリアフリー化を推進をするために、いろいろな諸施策を自動車局としては措置をしておるところであります。
  90. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) この二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、特にパラリンピックが行われるということ、重要だというふうに考えております。高齢社会ということもありますし、また障害を持っている方々ということからいきますと、首都圏あるいは全国のバリアフリー化ということを推進をするということが極めて大事であって、チャンスという言葉を使うのが適当かどうか分かりませんが、集中的に一つのモデルケースというようなことの意気込みの下でやっていくという必要があると、こう思っています。  二月に閣議決定した交通政策基本計画、この中には交通機関のバリアフリー化が推進すべき施策ということになっておりまして、バスに関しては車内の段差を解消したノンステップバス車両、この全車両に占める割合を、現在恐らく五〇%をちょっと超えたぐらいじゃないかと思うんですけれども、二〇二〇年度に七〇%まで持っていく、そしてタクシーに関しては、車椅子等の方が利用できる福祉タクシーの台数を二〇一三年度の約一万四千から二〇二〇年度に約倍の二万八千台とする、こうしたことをしっかり補助とかあるいは税の中で推進をしたいと、このように思っています。  それから、先生よく指摘をされる、みんながそういうこと、ユニバーサル社会目指しての心のバリアフリーということも大事だというふうに考えておりまして、その辺の推進ということと、バス、タクシーであれば接遇の在り方というようなこと自体どういうふうにやればできるのだということをきめ細かく対応していくように、関係業界とも連携を取り合っているところでございます。
  91. 山口和之

    ○山口和之君 ありがとうございます。  二〇二〇年にはもう当たり前のユニバーサルデザインの車が走っている、あるいはバスが走っている、いろんな方々が、障害のある方が障害がなくなっていく、それが当たり前の社会になっていくような方向に持っていっていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。  最後に、障害者のICカードの利用についてお伺いしたいんですが、地方公共交通バリア解消促進事業のメニューではICカードの開発があるんですけれども、現在のICカードは、子供料金の設定はあるんですが、障害者割引の設定がありません。障害者は、割引の適用を受けるために窓口で手帳提示など、手間が非常に掛かる状況があります。バリアを解消する観点から国として何らかの策はないのか、教えていただきたいと思います。
  92. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 委員指摘のように、現在、障害者に対する運賃割引につきましては各事業者の自主的な判断において実施されておりますけれども、例えば鉄道事業の場合には八十六社がこういった障害者に対する運賃割引を実施しておりますが、五十三社におきましては、入るときなどはICカードで入れますが出る場合に有人の改札口で確認をしていただく、残りの三十三社については、入るときもまず切符を買っていただくといったようなことになっております。ポイントといたしましては、いわゆる障害者御本人であるかどうかといった確認をどういったことでやるのかといった問題が実はございます。  いずれにいたしましても、ICカードというのはできるだけスムーズに御利用いただくということがポイントでございますので、できるだけICカードでのまず障害者割引の適用が拡大されるということ、そしてまた、スムーズに御利用いただくためにはどのような技術開発なり対応があり得るのか、これらについては関係者とも十分検討し、進めてまいりたいと思っております。
  93. 山口和之

    ○山口和之君 ありがとうございました。
  94. 和田政宗

    ○和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。  被災地においては、寸断されてしまった地域公共交通をどう再生していくかが喫緊の課題となっています。  まず、JR気仙沼線の鉄路復旧について聞いていきます。  この気仙沼線の復旧については復興調整会議で議論するはずですけれども、昨年二月以来開かれていないというふうに認識をしておりますが、開かれていないのはなぜでしょうか。
  95. 藤田耕三

    政府参考人(藤田耕三君) JR気仙沼線につきましては、平成二十五年八月七日の第七回復興調整会議におきまして、JR東日本からルート移設案が提示されました。その後、昨年の二月五日の第八回復興調整会議におきまして、JR東日本から復旧工事費につきまして、原状復旧費が約三百億円、それから安全やまちづくりを考慮した総事業費が約七百億円という概算額が示されたところでございます。  こうした状況を受けまして、これまで県、それから地元の市町、JR東日本等との間で意見交換を行ってきているところでございます。国土交通省としましても、関係者間の議論の促進に努めてきたというところでございます。
  96. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、関係者間で下調整というか、それをやるのは当然でありますけれども、この復興調整会議という場で議論がなされないということに対して、地元の例えば鉄路復旧を待ち望んでいる住民の方々からは、どうなっているんだというようなところがあるわけです。  これ、復興調整会議というのは当然国も関与してやっているわけでありまして、私は、これはもうしっかりと随時開いていただくというのが分かりやすい復興でもあり、住民の方がしっかりと復興の行く末を見ることができるというふうに思っております。  JR側は、これは時間の引き延ばしを図って、鉄路復旧を諦めてBRTでの復旧を狙っているのではないかという疑問も湧くわけですけれども、私は、これ早期の鉄路復旧というのが地元の意思でもあり、自治体の意思でもあります。また、地域の鉄路復旧について早く方針を決定するためにも、調整会議、小まめに開いていくべきだというふうに考えますが、国の見解はいかがでしょうか。
  97. 西村明宏

    ○副大臣(西村明宏君) 今、鉄道局長からもお話ございましたけれども、JR気仙沼線の復旧につきましては、国土交通省、また沿線の自治体、JR東日本などの関係者間で議論を重ねてきたところでございます。国土交通省としましても、関係自治体の首長の皆様方と意見交換を行って、地元の意向をしっかりと把握するよう努めているところでございます。  委員の問題意識はしっかりと受け止め、そして私自身も復興副大臣でもございますので、地元の皆様の声に更に耳を傾けて、一日も早く復興が実感できるように頑張ってまいりたいと思います。
  98. 和田政宗

    ○和田政宗君 それに関連して、もうこれは自治体から要望も上がってきていることで、国も認識しているというふうに思いますけれども、このJR気仙沼線の復興調整会議、これを首長級の会議に格上げをして、速やかな意思決定を図るとともに、作業部会を設置して実務的な作業を行うこと、これは沿線の望みでもあるというふうに私は認識しております。そうすべきだと考えますが、国の見解はいかがでしょうか。
  99. 西村明宏

    ○副大臣(西村明宏君) 委員指摘の沿線自治体の皆様の御意向というのは十分承知いたしております。議論の進め方も含めまして、地元の意見を踏まえて丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。
  100. 和田政宗

    ○和田政宗君 もう少し踏み込んでお話しいただけるかなというふうに思ったんですが、もう四年たっているわけで、これ結局、私は鉄路復旧すべきだというふうに思います。ただ、これ、鉄路復旧でなくて、もし仮に万が一BRTでやるというふうにしても、しっかりともう決めていただかないと、住民の方も、じゃ、自分がどこに家を再建するのかとか公営住宅に入るのかとか、利便性ですとか生活の再建ということを考えた場合にも私はこれは問題があるというふうに思いますので、しっかりと国の方でも努力をしていただきたいというふうに思っております。  では、次にBRTについてお聞きをしていきたいというふうに思います。  そもそもBRTの定義というのは、これ何でしょうか。お願いいたします。
  101. 田端浩

    政府参考人(田端浩君) BRT、バスラピッドトランジットについては、明確な定義はありませんが、私どもの認識といたしましては、連節バス、あるいはPTPS、これは公共車両優先システムであります、バス専用道あるいはバスレーンなどを組み合わせることで速達性、定時性の確保や輸送能力の増大が可能となるバスシステムであると、このように考えております。
  102. 和田政宗

    ○和田政宗君 これは定義はないということですけれども、今お話があったように、連結バス、連節バスなどと専用レーンを組み合わせてその迅速性を高めていくということがこのBRTの効果であろうというふうに私は思っておりますが。  新潟市で導入される予定のBRTについてお聞きしていきたいというふうに思うんですが、これ、今年の九月から連節バス、連結バスが先行して導入されることになりまして、専用レーンですとかそういった一体的な交通システム環境、道路環境が整備されないままバスのみが導入されるわけでございます。連節バス、これ極めて縦長、大型のずうたいのでかいバスでございまして、これはかえって、専用レーンを設けないまま導入することによって公共交通が危険になるのではないかなというような懸念が地元の方々からも上がっております。  私は、専用レーンなどの整備とこうした連節バスの導入を一体的に行うべきだというふうに考えますが、国の見解はいかがでしょうか。
  103. 西村明宏

    ○副大臣(西村明宏君) 新潟市の新バスシステムにつきましては、本年の九月五日に開業すると新潟市から公表されたところでございます。  今回の導入段階におきましても、道路交通の安全性に配慮しながら運行が開始されるものというふうには承知しております。連節バスのバス専用走行路、また交通システムなどの設置につきましては、今後の交通の流れの変化を見ながら段階的に整備されるというふうに聞いているところでございます。  このように段階的に整備するということは、導入後の影響について現場検証することや、地域住民の皆様の意見を丁寧に聞くことができることにつながるというふうに考えておりまして、持続可能な公共交通網の形成を着実に進めるための一つの手法であるというふうに認識しております。
  104. 和田政宗

    ○和田政宗君 連節バスということ自体もBRTの一部かもしれないですけれども、これであれば、BRTではなくて単なる連結バスの導入だというふうに思っておりますし、私も新潟に住んでいたことがある人間としまして、新潟駅からメーンの古町というところをつなぐ通りというのは交通量もありまして、そこでずうたいの大きいバスが右へ行ったり左へ行ったりというようなことでやりますと、運転している方もかなり私は大変なんではないかなと、渋滞を引き起こす可能性も私はあるのではないかなというふうに思っております。  私はBRTという仕組み自体は評価をしておりますし、これは国の思いもそれであるというふうに思っております。ただ、やはり速さですとか利便性ということを考えた場合には、私は、しっかりと専用レーンなどを確保した上でそういった連結バス、連節バスというような形をやるべきだというふうに思いますので、これは段階的に新潟市さんも進めていくとは、市長等が表明しているということは認識をしておりますけれども、私は早い段階からそういったものがしっかりと一体的にやられるということがBRTの強みではないかなというふうに思っておりますので、国としてもしっかりとアドバイスも含めて見ていただければというふうに思います。  次に、LRTについて聞いていきたいというふうに思います。  高齢化社会を迎える中で、定時性のある交通手段の確保ということや観光の面からも、地方におけるLRTの推進というのは私は重要であるというふうに考えております。自治体において導入を目指しているところも幾つもあります。  国交省として自治体のそうした動きをどのようにサポートしていくのか、国交省としてどのように取り組んでいくのかを、国交大臣、見解をお願いいたします。
  105. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) LRTというのと、今まで私たちが子供の頃から乗ってきました市電みたいな、チンチン電車といった、それとどう違うのかなと、随分いろいろ私も現場、富山を始めとして見てまいりました。  滑るように入ってくるということもありますし、下にゴムを敷いているということがあって振動が非常に少ないということもありますし、車両が何よりも低床であるということで乗りやすいということと、それからもうホーム自体がそうした配慮がなされているという仕組みであるということ。あるいは、次世代の車両ということを考えて省エネということがあること、それから観光ということを十分考えていること、そして、高齢社会ということを考えて、止まる駅というか停留場というか、それがかなり、降りると商店街とかいろんなものが、住んでいる人たちの、利用する方たちのニーズという、買物なら買物のニーズというものにまちづくりの中で対応していること、こうしたいろんな特徴がございます。  私は、コンパクトシティーということを考えるに当たっても、そこでのネットワークということを考える上でも、非常に重要な角度であると、ヨーロッパにおきましても日本においても、これから更に進めていくべきものだというふうに考えておりまして、まちづくりの中の一つのツールとしてこのLRTの導入が更に地方公共団体において検討されることは望ましいことだと思っておりまして、技術面、そして財政面、こうした形で支援をしたいと、このように思っているところです。
  106. 和田政宗

    ○和田政宗君 これは、将来のまちづくり、今、少子化の中で、もう一度日本をしっかりと、子供を安心して産み育てて、人口がしっかりと維持でき、私は増えていけば更にいいというふうに思っておりますけれども、そのときには、鉄路というものがこれまでは切り捨てられてきた、赤字路線、利用者が少ないということで切り捨てられてきたわけですけれども、私は、その鉄路がもう一度敷設されることによって、そこに町のにぎわいですとか、さらには利便性が生じることによって、そこに人が集う、にぎわいが戻っていくということで、私はこのLRTというのは地方活性の大きな手段であるというふうに思っております。  全国自治体、やはり調べますと、宮城県内にもこのLRTの導入を公約に掲げて当選した首長さんがいらっしゃいますけれども、やはりこういったことが私は増えてくるというふうに思いますので、財政面、技術面の国交省のしっかりとサポートがあるよということが分かれば導入は増えていくというふうに思いますので、引き続き御指導をお願いしたいというふうに思います。  私の質問は以上でございます。終わります。
  107. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  本法案は、地域公共交通につきまして、中長期的な収益性が見込まれる場合に、鉄道運輸機構出資等を行うことにより支援充実を図るものであり、趣旨に賛同いたします。  地域公共交通地域住民の生活の基盤であり、特に子供や高齢者、障害をお持ちの方から見れば文字どおりセーフティーネットであります。収益性ばかり強調すれば不採算路線の切捨てにつながる懸念も否定できません。  そこでお聞きしますけれども、本法案のスキームに基づき新たに設立される株式会社も、生活交通サバイバル戦略事業あるいは社会資本整備総合交付金などの補助金による支援対象となるのでしょうか。
  108. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 委員指摘の例えば地域公共交通確保維持改善事業でございますが、この助成制度対象としては大きく三つに分けられると思っております。一つは赤字の路線バスの運行費の支援といったような、こういったような分野、それからバリアフリー化やICカードの導入など輸送サービスの改善のための支援ということ、そしてまた地域公共交通網形成計画等の策定支援と、こういったような分野がございます。  鉄道運輸機構による出資というものは、中長期的な収益性の確保というものが前提となるわけでございます。出資を受けた事業者が、例えばBRTの運行などを行いまして事業開始直後に赤字を出したといたしましても、運行費の支援などその補填のための補助金を出すということは想定はいたしておりません。  また、この機構出資資金は、補助金と比較いたしまして、運行開始に当たりまして集中的に必要となる資金を確保しやすいといった面があるわけでございます。したがいまして、そこで機構出資による支援を受ける場合には、事業の立ち上げの段階での諸経費というのは基本的には出資によって賄ってもらうということが原則だろうというふうに思っております。この段階での例えばサービス改善のための助成金といったようなことは考えておりません。  さらに、社会資本整備総合交付金でございますが、これは地域の道路を始めとしたインフラ整備をするために地方公共団体に交付されるものでありまして、例えばLRTやBRTの走行空間の整備等に対してはこの補助金活用した支援が行われるということになります。  このため、例えばLRTを上下分離方式によって新設をしようといったような場合、いわゆる下物でございますが、社会資本整備総合交付金を活用いたしまして、走行路面であるとか停車場であるとか、こういったものに対する整備が行われることになります。一方、上物につきましては、運行事業者の立ち上げに必要なコストを賄うために今回お願い申し上げております機構出資を受けるといったことが考えられるということになろうかと思います。  こういった形で、社会資本整備総合交付金と機構出資とが役割分担をしながらLRTの上下分離による整備といったことに対して効果があるのではないかというふうに考えております。
  109. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 ありがとうございました。  地域住民の大切な移動手段を確保するという視点で是非、適切な役割分担という今局長の答弁もありましたけれども、そうした観点から支援充実にも努めていただきたいと思っています。  自治体地域公共交通網形成計画地域公共交通再編実施計画などを策定する際、あるいは事業者が軌道運送高度化実施計画等を策定する際には、中長期的な収益性が見込めるか、機構出資対象となり得るか否かなど、経営や資金調達等について機構との相談、連携が非常に重要になるわけでございます。この点につきまして、国交省としてどのようにお考えか、伺います。
  110. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 今回出資対象となりますものは、昨年改正をしていただきました地域公共交通活性化再生法に基づくスキームに従ったものでございます。このスキーム、二段階になっておりまして、地方公共団体自身が地域公共交通網形成計画というものを作るといったこと、その上で、これを実施するために、事業の内容によりますが、地方公共団体事業者が実施計画策定をすると、こういったような構造になっております。  この資金の調達方法というのはこの実施計画の方における記載事項ということになっておるわけでございますが、一方で、実態から申し上げますと、第一段階目の地方公共団体が作成をいたします地域公共交通網形成計画策定の段階から、地方運輸局も参加している例えば地方の協議会といったものがございますが、こういったところで関係者間で議論が進められるんだろうというふうに考えております。この段階から国土交通省といたしましても資金需要に関しまして情報収集いたしまして、国としてどのような対応が可能なのか、他の優良事例なども参考としながらアドバイスを行うといったような取組を進めてまいりたいと思っております。  当然のことながら、出資による支援を受けたいというような地方の意向がある場合には鉄道運輸機構にその旨を伝えまして、積極的に具体的な実務者同士で連携をしていくといったように連絡を密にすると、こういったような対応を進めてまいりたいというふうに考えております。
  111. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 自治体では、ただでさえ交通関係の人的、物的資源が不足しております。機構との相談、連携のみならず、是非国として自治体地域への積極的な支援をお願いしたいと思っています。  地域公共交通支援するスキームである以上、本法案による機構からの出資が住民の意向に反するような計画を後押しするものになってはならないと考えるわけでございます。国交省としてこの点についてどのようにお考えでしょうか。本法案ではどのような制度的な保障がなされるのか、伺います。
  112. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 御指摘のように、地域公共交通ネットワークの再構築に当たりましては、住民、利用者のニーズを十分に踏まえるということ、そしてまた、住民の協力を含む関係者の連携が非常に重要であるというふうに考えておるところでございます。  先ほど御紹介いたしましたように、今回の出資対象というものは昨年改正をしていただきました地域公共交通活性化再生法のスキームというものを活用するわけでございますが、この地域公共交通活性化再生法においては、主務大臣地域公共交通活性化再生の促進に関する基本方針を定めるということになっております。この基本方針においては、住民、利用者等の地域関係者が知恵を出し合い、合意の下で、地域公共交通活性化及び再生を図ることが重要であるということがうたわれております。また、市町村の役割といたしまして、自らが中心となって住民その他の地域関係者と検討、合意形成を図り、取組実施に向けて地域関係者と連携しながら主体的に取り組むということがうたわれておるところでございます。  本法案の出資対象となる事業は、先ほど御紹介申し上げたように、地域公共交通網形成計画に位置付ける必要があるわけでございますが、地方公共団体がこの計画策定するに当たりましては、あらかじめ住民、利用者などの意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないということが法律上の規定としてうたわれているところでございます。  国といたしましても、住民のニーズを踏まえ、利便性の高い地域公共交通ネットワークの再構築が促進されるよう、引き続き支援をしてまいります。
  113. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 宇都宮のLRTなどの事例もあるわけであります。詳しく言うつもりはありませんけれども、いずれにしても、本法案が住民合意のない計画の後押しをするということはないと考えますけれども国交省としても是非丁寧な住民合意、住民の意思を尊重した地域公共交通維持に努めていただきたいと思います。  我が党は、基本的には交通分野の過度な民営化には慎重な立場であります。しかし、日本においては、国鉄と民鉄、公営と民営の交通が相互に補完し合って国民の移動の安全、安心を保障してきたという歴史的な経過もございます。営利追求が優先されて、運賃の高騰や職員雇用の不安定化、安全投資の削減による利用者利便の低下等の悪影響がもたらされない限り、民間事業者による運営も否定すべきではないと考えます。  本法案により過度な民営化が進むのではないかとの懸念もあるようでありますけれども、本法案のスキームで、例えば既存の公営鉄道の上下分離方式により鉄道の運行を新規に設立された株式会社が引き継ぐ場合に、従前の従業員の雇用が不安定になったり安全性が軽視されるなど、地域に不安が生じるおそれはないのでしょうか。その点について伺います。
  114. 瀧口敬二

    政府参考人瀧口敬二君) 今回の機構による出資は、中長期的には収益性の確保が見込まれる事業ということでございますので、例えば赤字の鉄道事業については、上下分離することにより上を運営する事業者について収益性を確保する、こういったような取組が行われるということが考えられます。  例えば、このような鉄道事業については、言うまでもなく、現場における運転や保線などにつきましては高度の専門性が求められるわけでございます。また同時に、現場に熟知した経験のある者でなければ実際に鉄道の運行を継続するということは難しいといったのが実態だろうと思っております。したがって、このような鉄道事業の特性に鑑みまして、上下分離した場合であっても、従前の会社で現場業務に従事していた社員が新たな会社の下でも鉄道事業に従事をするといったことが多くの例だろうというふうに考えております。  なお、今委員、安全性の問題ということについて御指摘がございましたが、鉄道運輸機構においても第三者委員会というものを設置いたしまして、出資先の業務が健全に運営されているかどうかということをチェックすることになっております。出資先をモニタリングいたしまして、出資後もこういったような安全性にも配慮した健全な経営の下で収益性の確保がなされているかどうかといったことについても確認をすることといたしております。  なお、この鉄道事業、上下分離を実施したという最近の事例といたしまして、北近畿タンゴ鉄道、あるいは近鉄内部・八王子線の例などがございます。これらの事例でも、従来の事業者の専門的な知識、技能を生かした職員が新たな事業者による運行に従事いたしておりまして、鉄道の安全な運行に必要な体制ノウハウも着実に引き継がれているといった状況にございます。  こうした鉄道事業の上下分離の例も参考に、関係者の合意の下で健全な鉄道事業が継続されるよう関係者に促してまいりたいというふうに考えております。
  115. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 今、具体的な北近畿タンゴ鉄道などの事例も局長から紹介をいただきました。百八十人余の従業員はそのまま新会社に移行するということも聞いております。また、具体的に進んでいるところもしっかり見守っていただきたいと思いますし、今後またそういう安全性等の、あるいは雇用に対する不安が生じないように、しっかりした対応をしていただきたいと思っています。  地域公共交通は本質的には公共サービスであります。収益を否定すべきではありませんけれども、過度な収益性採算性の追求が、公共サービスであるという本質をゆがめてはなりません。この間発生した重大事故は改めて警鐘を鳴らすものであると、そのように考えています。  人口減少、高齢化、経済も定常化が定着する中で、地域公共交通ネットワーク維持していくという国土交通行政の役割はますます大きくなっていると、そのように考えております。最後に、地域公共交通ネットワーク維持に向けた国土交通大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
  116. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 地域公共交通重要性、そして、単なるそれは民間が安全性というものを除いてやるというようなことであってはならないという主張は誠にもっとも、そのとおりだと思います。  非常に人口減少、高齢化という中で、ますます地域公共交通、そして人が案外住んでいらっしゃらないところの生活手段としての交通の役割というものは非常に大事で、今年の交通政策基本法に基づいた基本計画におきまして、三つの基本方針の一つ目に、まずこのような生活交通の問題に政府を挙げて取り組むということを出させていただいております。  資金面、あるいはまた様々な支援、あるいは住民の意見の反映、安全性の確保、こうした観点を踏まえながら、地域公共交通ネットワーク維持に向けまして今後もしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
  117. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 質問を終わります。  ありがとうございました。
  118. 広田一

    委員長広田一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにした上でお述べ願います。
  119. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、地域公共交通活性化再生法及び鉄道運輸機構法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。  反対する理由は次の二点です。  第一の理由は、本改正案で鉄道運輸機構出資対象となる会社は営利目的の新しい会社に限定されており、公営で運営すべき地域公共交通民間委託、民営化を更に進め、地方自治体の関与と責任を弱めることが明らかであるからです。  地方都市過疎地域などで鉄道、バス事業者等の交通事業者が不採算路線から撤退し、さらには経営破綻によって突然の路線廃止となる事態も生まれています。同時に、営利追求のために安全確保が脅かされている実態が、この間起きたあらゆる事故の背景に見て取れます。この根本原因は、地域公共交通民間事業者任せにしてきたことにあります。住民の足を守り、安全を確保する上で、地方自治体鉄道等の整備にとどまらず、管理運営にも責任を持つべきです。  第二の理由は、住民合意のない事業推進するおそれがあるからです。  地域公共交通活性化再生法の基本方針には、地方公共団体が先頭に立って、公共交通事業者、住民、利用者も含めて知恵を出し合い、合意の下で実現を図るとしているように、本来、住民合意が大前提であります。国交省出資を想定している宇都宮市のLRT導入計画では、地域住民から、費用対効果が認められないなど大きな反対の声が上がっています。今後、他の地域でも同じようなやり方が広げられるおそれもあり、合意なく事業推進することは基本方針に照らしても絶対に認められないからです。  以上、反対の理由を申し述べ、討論といたします。
  120. 広田一

    委員長広田一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  地域公共交通活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  121. 広田一

    委員長広田一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  この際、田城君から発言を求められておりますので、これを許します。田城郁君。
  122. 田城郁

    田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。  私は、ただいま可決されました地域公共交通活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、日本を元気にする会・無所属会、次世代の党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     地域公共交通活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。  一 独立行政法人鉄道建設運輸施設整備支援機構による出資等対象となる事業が定められる地域公共交通網形成計画の作成に際しては、住民、利用者公共交通事業者その他の関係者の意見が適切に反映され、合意形成が図られるよう、地方公共団体に対し必要な助言・支援を行うこと。  二 機構地域公共交通網の再編等の事業を行う新たな会社に出資するに当たっては、民業を補完し、民間資金呼び水機能を果たす観点から、機構地方公共団体による出資を合わせて全出資額の二分の一未満とするよう努めること。  三 機構における適正な出資等業務の運営を確保するため、機構出資等対象となる事業者を客観的・中立的に選定しているかを含め、公正・中立的な立場から審査及び評価を行う第三者委員会を設置するよう機構を指導すること。  四 機構は、サービスの提供開始から十年程度で累積赤字を解消できるような採算性が確保できる会社を出資対象とするよう努めること。また、出資金等の全額を確実に回収できるよう、出資先の事業運営に必要な助言を行うこと。  五 機構出資しようとする事業については、まちづくり、観光振興等に係る地域戦略との調和が図られ、交通渋滞などの周辺の環境悪化をもたらすことがないようなものとなるよう十分配慮すること。  六 学生や児童、高齢者障害者等の地域住民の移動手段を確保する観点から、中長期的な収益性が見込まれない地域公共交通ネットワークの再構築を図る事業支援についても、予算措置等を含め別途対応すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いをいたします。
  123. 広田一

    委員長広田一君) ただいま田城君から提出をされました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  124. 広田一

    委員長広田一君) 多数と認めます。よって、田城君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  ただいまの決議に対し、太田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。太田国土交通大臣
  125. 太田昭宏

    国務大臣太田昭宏君) 地域公共交通活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  誠にありがとうございました。
  126. 広田一

    委員長広田一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  127. 広田一

    委員長広田一君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。  本日はこれにて散会をいたします。    午後零時四十二分散会