○
参考人(
原田幸明君)
原田です。どうも、機会を与えてくださいましてありがとうございます。
では、説明に入ります。
まず、一ページ目ですけれど、これは私の入っている研究所の紹介でございまして、せっかくだから少し宣伝してこいと言われましたもので付けておりますので。こういう材料の開発をしている研究所に勤めております。そういう視点から、今回
資源とリサイクルの面に関して話したいと思います。
二ページ目からが本題でございまして、まず皆さんに強く理解していただきたいことは、この二ページ目というのは、今、
日本が何でもうけているかという絵です。貿易の部分の輸出の部分で、金額のシェアでリーマン・ショック以降一番に出ていますのはこの赤い線、これは工業素材でございます。化学製品、金属類、そういったものです。これがなかなか表に出ないのは、統計が古い統計になっていまして、区分が、光ファイバーだとか、先ほど出ました半導体のターゲットだとか、そういったものが別分野になっているんですね。そうじゃなくて、
日本が
世界に出しているものをまとめていきますと、青が自動車です。自動車よりも
日本は工業素材でもうけている国だということを、皆さん、頭の中に是非入れてほしいと思います。
その中でも、特に先ほど
河野参考人から紹介がありましたレアメタル類、これは非常に重要な
役割を果たしておりまして、次の三ページの絵ですけれど、ごく少量のレアメタルがかなり多くの製品に影響を持っています。我々はこれを産業のビタミンと呼んでいます。要するに、米や肉とは違っていつもたくさん取ることはないんですけど、なくなったときの失調の具合が非常に大きい。だから、これを基本的にきちんと確保していくことが重要です。
しかも、四ページ目、今から
エネルギーに関しましても様々なイノベーションが求められておりますが、下に懐かしい元素記号でいっぱい書いておりますので、なかなか分かりにくいと思いますけど、これほどのレアメタルが期待されているということです。
例えば、太陽電池もシリコンだけではありません。化合物半導体もあります。燃料電池の一番上、Ptは白金です。これが必ず必須です。二次電池にはリチウム、コバルト、REと書いてありますのはレアアースです。それからモーター、先ほども出ましたけれども、モーターでDyと書いてありますのはディスプロシウムという、恐竜の名前のような金属ですけれども、こういったもの。例えば今、
日本の電力消費の四八%が製造業で、うち動力は五八%、空調一一%です。モーターが変われば
日本は変わります。民生部門においても、エアコン二六%、冷蔵庫一五%です。それほどの部分をこういうレアメタル類が担っています。更に言うと、照明のLEDに関しましては、照明も電力消費、民生の一一%です。こういった本当に産業のビタミンが非常に重要な
役割を果たしております。
次の五ページ目の絵は、これはもう先ほどの
河野参考人の
意見でも出ておりますように、レアメタルの需要、金属だけでなくレアメタルの需要も伸びておりまして、特にレアメタルは、中には四倍だとか二倍だとか、非常に高いものです。
ところが、最近メディアがどうも鎮静しておりまして、レアメタルは終わったんじゃないかということで、六番に、これ最近の
価格の
動向をいろいろな金属書いております。下の方に書いてありますのがレアアース類でして、一時期非常に高くなったもので、今はかなり安いんじゃないかというふうに思われておりますけれども、上の方はほかの金属類、やはりずっと高値の状態を維持しておりまして、次の七ページに、これまとめたものですけれども、要するに十年前と比べましてこの青色は十年前の何倍かというので、中には二十倍以上、低いのでも二倍とか三倍です。ちなみに、ガソリンが一・五倍ですね。だから、十年前と比べるとまだ高い水準ですし、変動の幅も、赤のグラフがそうでして、大体百倍変動したとか二十倍変動したとか、そういう非常に不安定な状態の中で、今の
日本の材料の産業が動いているし、その産業が
日本を大きく支えていっているということです。
この変動の仕方、注意して見ますと、次の八ページの絵、これはなかなか皆さん見ない絵なんだと思いますけど、一九〇〇年からの値段の変動を見ていきました。そうしますと、第一次大戦後、第二次大戦後、オイルショック、現代。現代はそういうフェーズにあるということなんですね。近視眼的な
資源の見方ではなくして、もっと長期的に見るならば、完全に戦略を立てていかなければいけない、そういう時代にあるということです。
そういう中で、このレアメタルをどうするかという
一つのオプションとして、今から話すリサイクルの話が出てまいります。
数年前から小型家電リサイクル法が動き出しまして、次の九ページは、経産省、環境省の勉強会の中でデータを集めながら作った、これだけのレアメタル類が
日本の中にある小型家電から出てくるよと、これをちゃんと使いましょうということで動き出したわけです。正直申しまして、
余りうまくいっていません。というのは、リサイクルに対する考え方が実は古かった。
次のページを見ていただきたい。リサイクルは、青で書いた考え方、今までやっていた。リサイクルに対しては、廃棄物を減らしましょうね、環境に悪いものを出してはいけません、それを無害化しましょうという方向と、それから
資源を確保しましょうという方向で、言うならば片方が環境省、片方が経産省という分担で今までは進められてきたわけです。
ところが、今度のレアメタルの危機で少し分かってきたことは、どうも
資源の確保というのは
二つあるよと。たくさん回すものを回していこうというふうな鉄とかアルミだとか紙とかガラスでやっているようなリサイクル、これと、レアメタル、レアアースがなくなった、さあモーター作れませんよ、どうしますか、そういうときに対して対応してくるそういうときのリサイクル、それをリサイクルで賄おうというリサイクル、この
二つというのはどうも違うんじゃないかと。
今こういうレアメタル類で必要なのは、そういうリスク回避、赤で書いておりますリスク回避のところのリサイクルが必要であると。これはいいことは、すごくいいことがあるんです。何かというと、天然
資源と違いまして、リサイクルの場合は欲しいところに原料があります。我々が使っておるところに原料があるわけです。だから、まさにリスク回避としては非常に優れているわけなんですけれども、
一つ問題があります。というのは、リスク回避のときじゃないと経済的に成り立たない、定常的に存在させることがなかなか難しいわけです。
小型家電リサイクル法の場合、非常に積極的なんですけれど、やはり従来のリサイクル法で考えていて、リサイクル屋さんが頑張ったら動くよ、そうするとレアメタルも貴金属もリサイクルできるでしょうという枠組みでやってしまったんですけど、実はそうじゃなかった。本当は何らかの形で外的な形のサポートをしていって、リスク回避のシステムをつくる必要が
一つにはあったと思われます。
それからもう
一つ、リスク回避という側面でいいますと、廃棄物の減量との
関係です。少しこのページ長くなって済みません。廃棄物の減量との
関係でいいますと、廃棄物をためておくということは良くないことだというふうにずっと言われ続けてきたわけです。ところが、やはりすぐに物にできないで廃棄物としてためておかなければいけないケースもあるわけですね。ところが、この辺が整理されていない。やはり、大量循環の観点でいうと、大量に循環するもので悪いものをためていくのは良くないんですけれど、リスク回避の観点でいくならば、それを積極的にストックにしていく、そんなふうなことも必要だと。そういうふうな政策のリサイクルに対する見方の転換が求められているんです。
これは、政策だけじゃなくて、実はリサイクルをやっている方々にも我々が言っているんですけれど、どうも今までのリサイクルって本当はリサイクルじゃないんじゃないかということを十一ページで言っています。
というのは、先ほどから
議論されていますように、
日本はやはりハイテク製品を作っている。そのためのハイテク素材に物すごく高い
技術力を持っている。で、原材料を買ってきている。で、リサイクルして作ったものを、またこれをインゴットとしていくと、市場で翻弄されるんですね、値段が
価格変動しますと。それでリサイクル業の方々というのはなかなか非常に厳しい立場なんです。どんどんそういう方々が今潰れていく、そういう状態になっています。そうじゃなくして、リサイクル自体も質を変えていって、ハイテク製品に伸ばして持っていけるようなリサイクルに質を変えていく、そういうふうな積極的な取組を
政府がリードして、
日本のハイテク産業に合った、そしてリサイクル産業を生かすような形を仕組んでほしいと思います。
ここでちょっと気付いてほしいんですけど、ここに、自治体の後の矢印にリサイクル業と書いていなくて
資源仕分業と書いています。これは何かというと、
日本の産業分類にリサイクル業というのがないんです。廃棄物処理業、古物卸業ってあるんですけど、リサイクル業ってないんです。そういう意味でも、リサイクルってまだ日陰者です。日陰者が今からこういうリスクに対して対応していかなければいけないということなので、是非その辺のシステムを整えてほしいというふうに思います。
その次の絵は、これは今言ったことの繰り返しでございまして、今までのリサイクルを単に保護するだけでなく、より高度なリサイクルにしていく積極的な努力をしていかないと、リスク対応のリサイクルはできないということでございます。
引き続き、じゃ、そういったときの元の
資源はどこにあるのかということで、先ほど言いましたように、我々が使っておるところにまさにある。先ほどの
河野参考人の
意見にもありましたように、都市鉱山というものがあって、実はこの十三ページの絵は、私が二〇〇八年にうちの物材機構の方で発表して、これだけの
資源が
日本の中にも眠っているよということを指摘したものです。
ただ、ここで注意していただきたいのは、これは、ここに
世界の埋蔵量と
日本の蓄積量を比較しておりますけれど、埋蔵量というのは、今すぐ掘れるのにまだ掘っていない、
お金になるんですね。蓄積量というのは、あるだけなんです。だから、この蓄積量を埋蔵量に変えるという
プロセスがこの間にもう一個要るんです。それが言うならばリサイクル業の育成です。ただ、黙っておいて
日本の中にある
資源が使えるものじゃない、きちんとしたリサイクル業を育成しないといけない。それによって初めて、
日本の中にある
資源が確保されることによってリスクにも対応でき、
日本の産業の基盤が確保されると思います。
そういう中で、次の十四ページで、これは特にメディアなんかがよく誤解しているんですけれど、都市鉱山というのを家庭の出した電子くずだというふうな感じで扱っています。これは家庭の皆さんがリサイクルに参与するという意味では非常に積極的なんですけれど、量的に言うと非常に大きな間違いです。左側の方に書いています原料、製造、使用、この部分に多くのものがたまっております。この部分をどういうふうにうまく回していくかということがリサイクルの観点では非常に重要です。もちろん、家庭の使われたごみの中にある、リサイクルしていくことも重要ですけれど、量的なバランスを失わないような政策が必要なんです。
次の絵に描いていますのは、今言ったような
状況ですので、使用済みの製品からのリサイクルは正直申しましてまだ進んでおりません。この中にグラフがありますけれど、灰色のグラフは、
プロセスと書いていますけど、これは製造段階から出てくるくず、先ほどから言っていますインジウム、ガリウム、こういう重要なものは製造段階からかなりくずを利用してやっていくシステムができています。
ところが、全体を見て、まだまだです。黒い部分が使用済みです。鉄は幸いにも磁石にくっつくという性質があるので、使用済みのものが使われていますけれども、まだまだ使用済みのくずはリサイクルされておりません。この辺を強めていくと同時に、どちらかといいますと、この灰色の部分がまだ低い、ほかの部分も。こういう産業くずをうまく生かしていきながら、そこに市民の取組も含めていくようなバランスが重要です。
十六ページは、そういう意味ではちょっと今回のシステムとここはずれますけど、リサイクルという意味では、これからのリサイクルに関しましては、むしろリユースを中心にするリサイクルです。使えるものの使い方という形で進めていって、それでむしろ市民的なコミュニケーションの取組とか、そういうところを重視して進めていく。
資源の確保という観点に関しましては、産業くず、工場くず、そういうところをリサイクル。むしろ、それをうまく回していくリサイクル業をまさに産業として育てていくことが求められているということです。
ということが国内の
状況なんですけれど、最近また大きな変化が起きています。というのは、物の国際的な流れが変わっております。さきにお見せしましたような
資源の
動向の中で何が起きているかといいますと、今までは国内の需要があって、たくさんのものが出ていて、それを輸出していたわけなんですけど、まず物を作っているところが変わってきています。
日本ではなく、
日本の企業も生産の転移で東南アジアに変えておりますけれど、そういう部分に移っています。それから、
世界に物を作っておるところの中国、
世界の工場、隣の国にそういう国際的な資本を受けた形での集中的な製造ができる国ができています。そういう形で、今まで
日本が
日本国内で作って物を回していくという時代から、
世界中に物が回っていく時代になる。
さらに、使用済みに関しましても、リユースフローと書いておりますけれど、使用済みのものもかなり海外に流れています。フィリピン、ベトナムを通じたりして回っておりまして、例えばちょっと古い二〇〇九年のデータですけれど、使用済みのパソコンの一二%は中古で海外に行っております。それから、中型の家電では六%、その中の部品で六%、これは貿易の統計に出てくる部分だけです。中には非合法なものがたくさんあって、なかなかつかめないという状態です。
次のページは、貿易の統計でいきますと、二十一世紀になりまして、要するにこの二十年間でスクラップの輸出が急増しております。これは鉄と銅のスクラップなんですけれど、赤と紫で書いているのが鉄と銅のスクラップの輸出でして、二〇〇〇年から急激に上がっているのが分かると思います。要するにこういうリサイクルの市場が、国内の
資源確保だけじゃなくて、完全に国際市場の下に支配されてしまっている。これをどうするかというのが問われているわけです。
さらに、もっとひどいことが起こっています。これはタングステン、超硬Wといっていますが、タングステンといって、工具で道路をだだだだだだっと破すっていますね。ああいうときに使ったり青函トンネルを掘ったりするときに使われる非常に重要なものですけど、これが全体の投入のうち、下の方に赤丸付けていますけれど、集めてきたタングステンの半分は海外に行く。
日本の中でタングステンを金属として取り出しても、そのうちの半分は海外に行くと。全体でいうと六〇%近くは海外に流れていく、そういう構造になっています。先ほど、一番最初に言った、
日本が材料を使って生きているよという国の姿とは思えないような構造です。
で、どこへ流れていっているか。次の絵ですけれど、これは
世界中の国々をちょっと若干一応デフォルメして、ヨーロッパがかなり膨らんでいますけれど、丸描いたJPが
日本でして、あと
アメリカとか
ドイツと書いていますけれど、黒丸が輸出国で白丸が輸入国、国の貿易の流れが線の太さです。タングステンは
ドイツに流れていっております。同じような絵で見ますと、タンタルというコンデンサーに使う、言うならばアップルがパワーが大きいのはこのタンタルコンデンサーのおかげなんですけど、これも
日本がかなり製造しているんですね。ところが、この絵で見ても、
アメリカなんかに入って
日本ナッシングに近い、こういう状態です。それから次に、リチウムイオン電池で必要なコバルト。リチウムイオン電池はまさに
日本の製造の産物です。これも
日本ナッシングです。こういうふうな状態が起きてきています。廃バッテリーに至りましては、
日本の隣の韓国が
世界中から集めている、こういう構造になっているわけです。
この構造の裏腹に、今のは
資源の話でありましたけど、これを海外に流していくと何が起きるかというと、そういういいところを取って、いいところだけ食い散らかして回りのものを環境に排出していく。エレクトリックウエーストでEウエーストというんですけど、Eウエースト、悪いのにイーウエーストとはこれいかにという感じでございまして、これをどんどん今やっていまして、私は、これはカラスのようにやるので鴉食リサイクル、カラスのリサイクルだよというふうな言い方をした方がいいんじゃないかと。やっぱりこれが起きながら、さっきのような
資源の流れが起きている。
これを、
日本のもうちょっとレスポンシビリティーの高い
資源循環をつくっていくということが重要ではないかということがこの後半の方の絵になっております。
今、先ほどの流れの中に赤い線を描いております。例えば都市鉱山の鉱脈って書いておりますのは、例えば
日本の生産がアジアに転移していく、実はそこで何が起きるかというと、アジアでの産業廃棄物の発生ということになってくるわけです。
例えば今の産業廃棄物、アジアでは三億トンです、
日本のより少ないです。ところが、二〇五〇年には三十億トンになります。もしかすると、その三十億トンの大部分が、
日本の産業が
日本で作った素材をアジアに持ち込んで加工して、そこでできる端材になってしまう可能性だってあり得る。そういうところに対してどういうふうに回していくかということを我々は考えなきゃいけない。これは、アジアの環境の面と
日本の国益の面と全く一致した取組になるわけです。
それから、さらに今、リユースフローという形でいろいろな様々な使用済みのものが流れています。これがまさにいわゆる鴉食リサイクルで、また環境破壊も生んでいる。そこに対して、品位の高いリユースもコントロールしていくような流れが必要だ、そういうふうな政策を幾つか打っていく必要があるということで、一応四つ重要なのではないかということをまとめてまいりました。
一つが、リユースを徹底してやりましょうというブランド・リユースということで、要するに、中古製品がどんどんアジアに何も手を付けずに安いから流れていくという状態ではなくして、
日本の製造業が責任を持って、中古としてはちゃんと使えるんだということのブランドを持ったような形のリユースシステムを組む。その中で、中古崩れ、そこから出てくる廃棄物、それをちゃんと
日本に循環していくようなシステムをつくっていく、これが
一つです。
次に、フォローリサイクルというのは、
日本の製造業で、実は素材業は
日本に残っています、素材は
日本出して、製造加工業をタイ、ベトナム、今からミャンマー、そういうところで展開しようとしています。その部分で工場端材がたくさん出てくるわけです。この部分がその場の産業廃棄物になってしまったのでは環境にも悪い。それをきちんと
日本に持ってくるようなシステムというものをやっていく必要がある。
それから、さらに、その現地の方々がやっぱりそれと併せた形での産業廃棄物処理
技術、もちろんそれから一般廃棄物処理
技術、そういったところに
日本は高いリサイクルポテンシャルを持っています。そのリサイクルの
技術をきちんと与えてあげる、教えてあげる、そういうふうなことを取り組んでいく。
実は、こういう取組というのは数年前も試みられたんですけれど、どちらかというと
日本の
技術を持ち込むという形でやったんですね。そうじゃなくて、リサイクルは基本的には現地の方々がやる。
日本の工場は現地に行っても、現地でのリサイクルは現地の方々がやる、そこのところに
日本の
技術と
日本のアドバイスと
日本のコンサルタントが入り込む、そういうふうな新しい形での現地との協力体制、そういったものを組んでいくということをやっていく必要があります。
それをやって、最後は
日本の国益になるわけなんですけれども、ファインケミカルリサイクル、要するに、その中で一番付加価値の高いのはどうする、どこに売る、それは
日本に持ってくるとハイテク製品に使われるんでもっと高く売れるよ、そういったものは
日本に持っていこう、そういったふうな流れをつくる。
今まで、こういった国際的な
資源の流れに関しましてはバーゼル条約というのがありまして、これはむしろ廃棄物をどうやって発展途上国に押し付けないかという流れでした。でも、今や発展途上国も生産しています。自らの意思でいろいろなものを生産して、産業廃棄物を出しています。それをどういうふうな形でより高度に利用していこうかということを考えなきゃいけないなということになっている。
だから、バーゼル条約は非常に重要です。でも、それよりも、それに併せて
資源の効率的な循環というものをやっていく。要するに、環境効率の高い
資源循環のシステムということを
我が国がリードしていくということは、これは
日本の国益だけではなくてアジアの、ひいてはアジアだけじゃなくアフリカ、南
アメリカ、そういった国々も同じような問題に面しております。そういう国々に対して、
日本が持続可能な経済をつくっていく上で貢献していく、そういう役に立つのではないかと思っております。
二十七ページの、そこら辺の幾つかの表を今ちょうどディスカッションしている最中でして、こういう考え方がありますよということで、皆様の政策づくりの
参考にしていただきたいと思います。
最後、二十八ページはこれはおまけでございまして、昔懐かしい、中学校に見たことのあると思います元素の周期表でございます。申し訳ありませんが、読み方は付けておりませんけれど、幾つかパラメーターですね、これは耐用年数どのくらいなんだろう、それから掘るときにどのぐらい土を掘っているんだろうか、どの国がどのくらい占有しているのか、十年間でどれくらい伸びたかという数字と、あとどこに使われているかということを書いておりますので、是非皆様の政策づくりの
参考にしていただければと思っております。
どうも御清聴ありがとうございました。