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2015-09-15 第189回国会 参議院 厚生労働委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年九月十五日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  九月十四日     辞任         補欠選任      白  眞勲君     江崎  孝君  九月十五日     辞任         補欠選任      江崎  孝君     野田 国義君      川田 龍平君     寺田 典城君      行田 邦子君     山口 和之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         丸川 珠代君     理 事                 大沼みずほ君                 羽生田 俊君                 福岡 資麿君                 津田弥太郎君                 長沢 広明君     委 員                 赤石 清美君                 石井みどり君                 木村 義雄君                 島村  大君                 高階恵美子君                 滝沢  求君                 武見 敬三君                三原じゅん子君                 石橋 通宏君                 江崎  孝君                 西村まさみ君                 野田 国義君                 羽田雄一郎君                 牧山ひろえ君                 山本 香苗君                 川田 龍平君                 寺田 典城君                 小池  晃君                 山口 和之君                薬師寺みちよ君                 福島みずほ君    国務大臣        厚生労働大臣   塩崎 恭久君    副大臣        厚生労働大臣  永岡 桂子君    大臣政務官        文部科学大臣政        務官      山本ともひろ君        厚生労働大臣政        務官       橋本  岳君    事務局側        常任委員会専門        員        小林  仁君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      安田 貴彦君        金融庁総務企画        局参事官     中島 淳一君        厚生労働大臣官        房情報政策・政        策評価審議官   安藤 英作君        厚生労働省医政        局長       二川 一男君        厚生労働省社会        ・援護局長    鈴木 俊彦君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    藤井 康弘君        厚生労働省保険        局長       唐澤  剛君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○医療法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、白眞勲君が委員辞任され、その補欠として江崎孝君が選任されました。  また、本日、行田邦子君が委員辞任され、その補欠として山口和之君が選任されました。     ─────────────
  3. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  医療法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長二川一男君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 医療法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 羽生田俊

    羽生田俊君 おはようございます。  質問に入る前に、先週起きました水害のひどい被害によりまして、多くの方が被災を被ってしまったということでお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられた方にお悔やみを申しますとともに、もう一つ、まだまだ不明者がいるということでございますので、一日も早い発見を望んでいるところでございます。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず、昨年の世界経済フォーラム年次会議、いわゆるダボス会議におきまして、安倍総理は、日本にもメイヨー・クリニックのようなホールディングカンパニー型の大規模医療法人ができてしかるべきだから、制度を改めるようにと追加の指示をしましたということ、そして加えて、既得権益の岩盤を打ち破るドリルの刃になるのだと私は言ってきたという演説がございました。  非営利ホールディングカンパニー型法人制度を創設するという話になりましたけれども、非営利というふうに付いているわけでございますけれども、私どもの感覚からすると、ホールディングカンパニーという言葉は、どうも営利目的としているカンパニーというふうにしか頭に残らないわけでございまして、そういったことを考えているのではないかという心配をしているところでございます。  それを受けまして、昨年六月に日本再興戦略改訂二〇一四を閣議決定をいたしまして、複数の医療法人社会福祉法人等を統括し、一体的な経営を可能にする非営利ホールディングカンパニー型法人制度を創設するということになったわけでございますけれども、その結果、議論を重ねて、現在では地域医療連携法人というふうに名前が変わったわけでございます。  ここで塩崎大臣にお伺いをしたいのでございますけれども、アメリカのメイヨー・クリニックを想定したような超大型医療法人をつくることは、日本にとって本当に必要だというふうにお考えなのでしょうか。また、その本当の目的は何なのでしょうか。その点についてお伺いさせていただきます。
  7. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今先生から御指摘がございましたように、安倍総理ダボス会議の際のスピーチの中でメイヨー・クリニックについて触れたわけでございますが、このメイヨー・クリニック自体の使命というかミッションというのをホームページなどで見てみますと、一体化された治療法教育研究を通じて最善の医療を提供することであるというふうに書いてございます。  その原点は、やはり地域住民健康管理を目指すという点ではなかろうかというふうに思っているわけでございまして、今回御審議をいただくことになりましたこの地域医療連携推進法人制度は、高齢化が進展をして、治す医療から治し支える医療が求められる中で、法人同士連携を図って患者地域医療サービスなどを切れ目なく受けることができるようにすることを目的とするということでございまして、地域医療充実を目指すという点では、メイヨー・クリニックと相通ずるところがあるのではないかというふうに思うわけでございます。  様々な議論の結果、今回のような形になりましたけれども、大きな意思というか目指すところは、総理がおっしゃったことは、まさに地域医療充実をするという意味においてメイヨー・クリニックと共通するところが多いということではないかというふうに思います。
  8. 羽生田俊

    羽生田俊君 ありがとうございます。  趣旨としては非常に私も賛同するところでございますけれども大型過ぎるといろいろ問題になっている日本でもございますので、そういったところには是非気付けていただきたいなというふうに思っているところでございます。  二つ目質問に入らせていただきます。  この地域医療連携推進法人は、医療連携推進区域において病院を開設する法人社員というふうになるわけでございますけれども自治体病院参加する場合、その自治体病院のトップは市長知事であります。そうすると、社員になるのは、知事市長社員ということになるんでしょうか。あるいは、市長知事社員として参加したその法人を認可あるいは許可するのは市長知事ということになるので、自らそういったことをするのかということになるわけでございます。  今、一つは、岡山大学病院を切り離してこの法人をつくろうという事例が、お話が上がってきておりますけれども公立病院大学病院参加というものが実際に可能なのかどうか、私立と一緒になってやることになるのかどうか。特に、大学病院というのは、今の法律でいきますと、大学病院医学部と一体化しているということになるというふうに認識をしておりますけれども、そのことについてはまた文科省の管轄になると思いますので、それは別として、こういった法人が入ることによっていろんな問題が起きるのではないかという心配をしているところでございまして、そういった点、永岡厚労大臣に御答弁いただければというふうに思います。お願いいたします。
  9. 永岡桂子

    ○副大臣永岡桂子君) 委員ガバナンスについて、それからまた附属大学病院についてと二つの御質問をいただきました。  連携推進法人は、医療機関の間の機能分担、それから業務連携というものを進めるものでございまして、病院などを開設する非営利法人対象とするものでございます。このため、都道府県立病院参加する場合には、これは地方自治法の第二条第一項に規定がございますけれども都道府県参加法人となるわけでございます。  一方で、この連携推進法人につきましては、都道府県医療審議会、もう委員承知と思いますけれども、ございます。そこの意見を踏まえまして都道府県が認定をし、監督するということになります。これは、都道府県立病院も原則として都道府県知事が許可をするということになっておりますので、都道府県参加法人監督法人二つの立場が今既にあるということでございまして、管理部署がそれぞれ異なっておりますので、ガバナンスに問題があるとは考えておりません。  それと、もう一つ先生質問大学病院につきましては、法令上、医学部等に関します学部を設置します大学には教育研究に必要な施設として附属病院を設置することが求められておるということは承知をしております。大学病院等を開設する非営利法人として連携推進法人参加するということは可能であると考えております。  以上でございます。
  10. 羽生田俊

    羽生田俊君 ありがとうございます。  そういった点、これから先の成り行きというものを私ども大変心配をしておりますので、是非ガバナンスをしっかりとした形でつくっていっていただきたいというふうに思っております。  三つ目質問に入らせていただきますけれども、この地域連携推進法人病床過剰地域における病床融通を認めるということになっておりますけれどもグループ内での病床機能の分化、連携、これを適正化されるということを想定しているというふうに思われるわけでございます。  しかし、グループ内で採算性というものを考えたときに、過疎地病床稼働率の良い都市部へ移動するということ、これは採算性考えればそういうことも起こり得るわけでございまして、そういったことも非常に心配する。いわゆる地域医療を再構築するはずが、地域医療がとんでもない形になってしまうという心配があるということでございまして、そのときには、過疎地病床がなくなるということが起きてしまった場合には、過疎地医療はますます医療過疎というものを招くということになってしまうわけでございまして、本来の目的にあった地域医療構想に大きな影響影響というよりも悪影響を及ぼすということになるのではないかという心配をしているところでございます。  政府はこのように安易に病床が移転するようなことが起きないための何か施策を考えているのかどうかをお伺いすると同時に、また、その地域で大きな法人が小さな医療機関介護機関を抱え込んだときに、それに漏れた、あるいは参加を拒否した医療法人医療が続けられるんだろうかという心配もするところでございまして、医療機関がそのまま存続できるのかどうかという心配もするところでございまして、そういったところについてもお聞かせいただきたいというふうに思っております。  それから、この法人に限らず、医療法人理事長要件というものがさきに改正されたわけでございまして、二年間の医療法人理事をしていれば、いわゆる医師でなくても医療法人理事長になれるということになったわけでございまして、この大型法人が将来、営利目的とした株式会社等に、あるいは自分たち出資をした株式会社に乗っ取られるのではないかというような心配までしてしまう。  私の心配のし過ぎということであればいいわけでございますけれども、そういったことがどうも頭から離れないという状況でございまして、こういったことに対しての政府の明確な答弁をお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
  11. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 高齢化が進展し、治す医療から治し支える医療が求められる中で、地域医療構想あるいは地域包括ケアシステムを構築する、進めることが重要な課題と。そういった課題を解決するための一つの選択肢として、この地域医療連携推進法人制度を提案させていただいているわけでございます。  地域医療連携推進法人制度は、法人同士連携を図って地域全体で患者の皆様が切れ目なく医療を受けられる体制、これを地域全体で目指していただこうと、こういった趣旨でございまして、そういった意味で、今申し上げました地域医療構想あるいは地域包括ケアの構築に積極的な役割を果たすことということが法律上も責務として規定をしているところでございます。  そういった観点からいきますと、この法人が存在することでかえって地域医療悪影響が生じたりしないのかと、こういった御指摘なわけでございますけれども、この点につきましては、まずこの地域医療連携推進法人制度の中に、まず法人の中に、地域患者あるいは関係団体等関係者で構成される地域医療連携推進評議会、これは必ず設置しなければいけない。その評議会意見を尊重しながら運営方針を決めていっていただくと。これも法律上の要件というふうになっているわけでございます。また、もう一つ地域医療連携推進法人理事のうちの少なくとも一人は地域関係者、この人が理事に必ず入ると、こういうふうなことを要件としているわけでございます。  そういった形で、地域医療を支える関係者によるチェック機能法人内部で働くようにといったものをこの法人制度法律上の仕組みの中に既に設けているわけでございますけれども、さらに、今後、この法律が成立しました後、施行に向けまして、医療過疎地域での診療等地域医療に必要な事項を指針等に盛り込むことについて更に検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  12. 羽生田俊

    羽生田俊君 ありがとうございます。  いわゆる地域医療推進協議会ですね、その法人の中にできる、その中にそういった地域からのメンバーも入るということでございますけれども、それが本当にきちっとしたガバナンスを持って稼働していくかということを私は心配をしているわけでございまして、そういったことがきっちりと法律上にしっかり書かれているということでございますけれども、それをしっかりと守れるということを、政府としてはその点は十分監視をしていただきたいというふうに思っているところでございます。  それで、次の質問でございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたけれども参加法人に対しましての資金の貸付けあるいは調達支援、それから、そういったものが地域連携法人医療法人に認められるということになっておりますし、また株式会社への出資ということも書かれているわけでございました。  これらの問題につきましては、法人の傘下に入らないと資金調達も難しくなってしまうのではないか、そういった懸念もしておりますし、その出資を受けた株式会社がどういった類い株式会社かということも非常に問題になってくるわけでございまして、その辺は何か政省令での制限等がございますかどうか、政府の御見解をお願いいたします。
  13. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 先ほど、一つ前の御質問で、非営利性確保をどのようにするかという点につきましてちょっと答弁が漏れておりまして、大変申し訳ございません。  非営利性確保という点につきましては、この地域医療連携推進法人、そもそも参加をできるのが非営利性のある法人というふうに限定がされておりまして、まず医療機関を経営する医療法人参加する場合も非営利性のある法人だけが参加できるということでございますし、それから、介護を行う事業参加法人になれますけれども、それも非営利団体に限られるといった形で非営利性というものを確保しているといったところでございます。  それから、ただいまの御質問でございますけれども資金融通といったことにつきまして、参加法人に対して実質的支配が行われるのではないかと、こういった御指摘でございますけれども、この点につきましては、まず地域医療連携推進法人参加法人に対して医療連携推進方針に沿った連携推進を図ることを目的として資金付けを行うことができると、こういうふうにしておるわけでございます。これは、通常の医療法人におきましてはそういった貸付けというのはできないというふうにしておるわけでございますけれども、それの言わば特例的な位置付けというふうになろうかと思います。  しかしながら、この地域医療連携推進法人は、ただいま申し上げましたように、医療法人等社員である社員総会意思決定をし、資金付けを行うことによって、参加法人の関与なしに一方的に意思決定ができるというわけではありませんで、あくまで参加法人参加をする総会において意思決定をしていくということでございますので、参加法人の意向と関わりなくそういったことが行われるというものではないということでございます。  また、地域医療連携推進法人制度におきましては、法人間の連携を図っていくということでございますので、資金付け等に係る要件につきまして、そういった法人間の連携を図っていくことにふさわしいようなケース、そういったものを、そういった目的に照らして貸付け対象限定をしていくということにつきましても検討してまいりたいと考えているところでございます。  それから、関連会社への出資ということができるということで規定をしておるわけでございますけれども、この点につきましても、医療機関相互間の機能分担業務連携推進することを目的とする法人だということで、この目的の達成のために必要な事業を行う、その株式会社については一〇〇%出資ができるということでございますから、関連する事業、そういったようなものに関して株式会社を設立することができるということでございます。  これにつきましても、検討会報告書でもそのように書いてあるわけでございますけれども、あくまで一〇〇%出資会社に限るということでございまして、幾つかほかの会社一緒になって事業をするということではないということであります。そうすることによりまして一〇〇%議決権を持てるわけでございますので、意思決定地域医療連携推進法人が完全に意思決定の主体である。それからまた、利益が出た場合におきましても、地域医療連携推進法人以外に配当される者が出ない、こういった仕組みによりまして、営利性といったことにつきまして営利性が出ないようにということを確保しているというところでございます。
  14. 羽生田俊

    羽生田俊君 ありがとうございます。  いろいろな新しいことができるときには、どうしても心配をするというところから入ってしまうものですから、いろいろ申し上げましたけれども、今私が申し上げたような心配は全て払拭されたわけではないということでございますので、これからの政府のしっかりとした監視といいますか、そういったものをしっかりと望むところでございます。  今現在、地域包括ケアということで、今の法人が行うべき趣旨というのは地域包括ケアという形で地域で既に始まっているわけでございますから、それに対してわざわざ法人をつくる必要があるのかどうか、その辺もちょっと不安に思うところでございますけれども、あの組織図を見ますと、医師会がそのまま法人になって十分できる体制であるというふうに私は思っていて、以前に党の部会でもそういった発言をさせていただいたんですけれども医師会側法人自分たちでつくってやるというのが一番うまくいくんじゃないかというふうにむしろ思っているぐらいで、非常に公益性を高くつくってやっておりますので、そういったふうにも思うところでございまして、そういった意味では、もしそういった希望が出てきた場合には是非支援をしていただきたいというふうに思っているところでございますので、そういったことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  15. 島村大

    島村大君 自民党の島村大でございます。本日もよろしくお願いします。  久しぶりに私も三十分時間をいただきましたので、与党としては長いので、じっくりとやらせていただきたいと思います。  まず、今回の医療法改正に関しまして、もちろん委員先生方も御案内のとおり、今回、なぜ医療法を改正するかといいますと、二〇二五年問題、団塊の世代の方々が後期高齢者になると、そのときに今の社会保障制度、特に国民保険制度が守れるのかということで、持続可能なものにしたいということで、今回、その一つとして医療法改正が法案として上がっていることは御案内のとおりだと思います。  今回の二〇二五年問題をやはり解決するために、実際的に実行する手法としては、その一つとして今回の医療法として政策誘導する、もう一つは、今までやられていましたように、診療報酬ですね、診療報酬とか介護報酬に関しての報酬改定によって経済誘導してきたと思われております。  これは引き続きやられると思うんですけど、さて、今回、今年の六月に医療介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会による推計、第一次報告が出ました。これに関しまして、厚労省としてどのようにお考えなのかをまずお聞きしたいと思います。
  16. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 御指摘推計内閣官房専門調査会が行ったものでございますけれども、この専門調査会推計は、厚生労働省が各都道府県に示しました地域医療構想ガイドライン、このガイドラインの基準に基づきまして、それに一定の仮定を置いて全国ベース推計を行ったものというふうに承知をしてございます。  実際には、都道府県は、私どもが示しましたガイドラインに沿いまして、都道府県ごとに各地域医療機関機能分担業務連携目的をしてもっときめ細かく地域ごと推計をしていく、また、患者さんの出入りとかそういったことまで含めて、もっときめ細かく将来推計をして地域医療構想を策定していっていただく、そういったものでございますけれども、マクロな視点で日本全国どのようなことが今後想定されるのかということにつきまして、私どもガイドラインに沿った形での推計であると、こういった位置付けのものだというふうには承知をしております。
  17. 島村大

    島村大君 ありがとうございます。  今日、私が質問させていただきます、ちょっと角度を、どちらかといいますと、国民目線国民からとって今回の医療法改正がどのようにある意味ではメリットがあるのか、また、これからお話しします地域医療構想に鑑みて、いわゆる地域医療医療計画とかいろんなことがあるわけですけど、それに関して、各都道府県にそれをやっていただくことが多くなるわけですね。そういう方向から見て、少しそれをプラスしてお話ししていただければと思います。  次に、地域医療構想の実現に対して、医療提供体制の再構築や在宅医療、また介護を含めた地域包括ケアシステムの構築を同時に進めることは大変重要なことと考えますが、今回のこの法人地域医療推進法人がどのように役立つかを、大臣、御答弁いただきたいと思います。
  18. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今、今回の地域医療連携推進法人とそれから地域医療構想の関係性につきましてお尋ねがございましたけれども、今回の法人制度は、地域医療構想を達成するための一つの選択肢として、複数の医療法人などが一般社団法人でございます地域医療連携推進法人社員となって、統一的な方針の下で、医師など、人、それから医療機器等の物、そしてまた、資金融通の話がさっきもございましたけれども、人、物、金の一体的な運用によって地域において良質かつ適切な医療を効率的に提供する仕組みとして選択肢を提供するということだと思います。  具体的には、診療科の再編であるとか医師などの共同研修、それから医薬品等の共同購入、あるいは救急患者受入れルールの策定であったり、参加法人連携による在宅医療充実などが図られるとともに、参加法人間において地域医療構想の達成に必要な病床融通あるいは資金融通をし合うということが可能になるという仕組みも設けられているわけでございまして、地域医療構想を達成するためにこの法人制度を使うことが選択肢として新たに用意をされるということだというふうに理解をしております。
  19. 島村大

    島村大君 ありがとうございます。  今詳しく御説明いただきました。やはり、先ほど少しお話ししましたように、二〇二五年問題でいわゆる国民皆保険を守る、そのために今これをやっているんだということは多分国民の方々も、また各都道府県の県の職員の方々も大変よく理解されていると思うんですけど、ただやはり、今現場を回りまして、地域医療構想の実現のために、これを実現するためには、一つが後ほどお話しします基金の問題ですね、基金の話とか、いろいろないわゆる今後各都道府県がやらなくてはいけないことが多くなっているわけですよ。そうすると、今、人材育成とかということも言われていますけど、人材育成ももちろんそうなんですけど、これから育成しているのでは間に合わないという現場の声も多々あります。  ですから、やはり育成とその財源を厚労省もしっかり出していただきたいんですけど、やはりもう一歩踏み込んで、各都道府県の県が地域医療構想実現のために、実現しやすいように、私は、もう一歩踏み込んでやっていただかないと、これはなかなか絵に描いた餅になってしまうんじゃないかということを危惧しておりますので、是非ともそこは、特に私の地元の神奈川県からもひしひしと言われていますので、よろしくお願いします。  次に入らせていただきます。  今回の法人制度地域医療構想の実現の一つのツールとして位置付けられていますが、地域医療構想の実現には、先ほどお話ししましたように、地域医療介護総合確保基金の活用が非常に重要であると言われております。今年も厚労省が今年の七月に今年度の基金の一次分として九百四億円分の約三分の二、六百億円余りを内示提示したと聞いておりますが、これをどのように今回振り分けたのか、まず教えていただきたいと思います。
  20. 永岡桂子

    ○副大臣永岡桂子君) 先生、大変基金のことにつきまして御心配をいただきまして、大変申し訳ございません。  基金の配分に当たりましては、今年の六月の三十日、これ、閣議決定をされました骨太の方針におきまして、地域医療介護総合確保基金の平成二十七年度からのめり張りある配分等を通じまして、都道府県の行います病床再編、それから地域差是正の努力を支援するということになっております。  この総合確保基金の医療分につきましては、三つの事業対象としております。一つ目は病床機能分化、連携二つ目が在宅医療推進、そして三つ目医療従事者の確保、この事業対象としておりますが、これを踏まえまして、平成二十七年度の一回目の内示におきましては、地域医療構想の達成に向けまして、一番の病床機能分化、連携に重点を置きまして配分をしたところでございます。  なお、一回目の内示後、都道府県知事会の皆さん方から、二回目の内示は二番、三番、先ほど申し上げました在宅医療推進とそれから医療従事者の確保に十分に配慮をしてくれと、速やかに行うようにという御意見をいただきました。これらを踏まえまして、八月の四日に都道府県に対しまして、今後の執行につきましては、二、三に配慮するようにお示しをしております。  また、これから二回目の配分になるわけでございますが、八月に、都道府県の基金事業の現状と今後の進め方につきまして、都道府県が必要不可欠と考え事業の把握という観点を中心にヒアリングなどを行いました。自治体の意見を聞きながら速やかに配分を行いたいと考えております。  平成二十八年度以降は、各都道府県地域医療構想が策定されることによりまして中長期的に必要となります整備事業等の把握も可能となることから、各都道府県に配分額の規模を早期に提示することなど、都道府県事業が円滑に行われますように取り組んでまいります。
  21. 島村大

    島村大君 ありがとうございます。  今、石井委員からもちょっとお話がありましたように、今回なぜ少し現場が混乱しているかといいますと、平成二十六年度の基金に関しましては、今副大臣からお話がありましたように、病床機能の分化、一番、二番が在宅医療推進、三番、医療従事者の確保、この三つをある意味では平均的に分配していただいて、二十六年度は要望額に対して分配してくれたと。今回の平成二十七年度におきましては、今年の最初に唐突に、今回、今年の二十七年度分は、地域医療構想の達成のために向け、この一番の病床機能分化、連携を重点的に配分するということになったわけです。  これ、私も確かに必要なのは分かります。ですが、やはり先ほどからお話ししています現場の県としまして、また今回は、公民、公的な機関それから民間機関も平等にこの基金に対して手を挙げることができるわけですから、やはりこれは、どこも、短期的にもちろん、中長期的にこれを考えて、どのように今後国民のために、安全、安心確保のためにやっていくかということで考えて基金の手を皆さんメニューを出して挙げているわけです。ただ、今お話ししましたように、唐突に、今回は一に対しての病床機能分化を重点的にするんだということを言われたために、どの県も困ってしまったわけですよ。  ですから、私が何を言いたいかというのは、もちろん重要なことは分かりますから、では、重要であるのであればもう少し早めに、中長期的に必要だと、こういう考えでいるんだということをやはりお示ししていただかないと、今年はこうですと年度初めに言われて、二月か三月の初めに言われて、じゃ、五月、六月に提出してくださいと。これじゃ余りにも現場が短期的に対応していくしかありませんので、中長期的にまずはビジョンを出していただいてから今年度はどうするんだということを是非とも、これは要望ですけれども、お願いをさせていただきたいと同時に、これをやっていただかなかったら、多分、先ほどの地域医療構想のお話をしましたように、絵に描いた餅に私はなってしまうと思いますし、国民、県民のためになりませんので、ここは、今日お時間をいただいたので、私は是非ともこれを最重要の要望とさせていただきたいと思っておりますので、大臣、よろしくお願いします。  続きまして、今回の地域医療推進法人に関しましてお聞きしたいと思います。  まず、医療分野における医療圏に関してと、なぜ今回の地域医療推進法人の、二次医療圏としたのかをまず教えていただきたいと思います。
  22. 二川一男

    政府参考人二川一男君) これまでも都道府県におきましては、各県が策定する医療計画におきまして、地理的条件等の自然的条件、また日常生活の需要の充足状態、交通事情等の社会的条件を考慮して、病院病床あるいは診療所の病床の整備を図るべき地域単位として医療圏を定めると、こういうふうになっておるわけでございます。  今後、地域医療構想という形で、更にきめ細かな住民の医療ニーズに応えるような地域医療構想を策定いただくわけでございますけれども、この場合にも、従来定められておりました医療計画におきます医療圏、もっと具体的に言いますと二次医療圏ということになりますけれども、その二次医療圏をベースに策定いただくのが原則であろうということでございます。  ただ、しかしながら、二次医療圏の範囲がすごく広くなっている地域もございますので、その場合にはもう少し分割をした地域医療構想区域というものを定めていただくことも差し支えないということでガイドラインにお示しをしているところでございます。地域の実情に合うような形での地域医療構想区域というものを定めていただこうと、こういうことになってございます。  今回の地域医療連携推進法人は、この地域医療構想を実現するための選択肢と、こういう位置付けでございますので、地域医療連携推進法人の言わば連携範囲といいますか、そういったものにつきましてもこの地域医療構想区域といったものをベースにお考えいただくのが適切であろうということでそのようにしているわけでございますけれども、しかしながら、連携の範囲が必ず地域医療構想区域とぴったり一致するというわけでない場合もあろうかと思います。場合によったら都道府県を越える場合もないと言えないわけでございますので、そういった構想区域との整合性に配慮していただきつつ、地域の実情に合うような区域を医療連携推進区域としてお考えをいただきたいということで規定をしておるものでございます。
  23. 島村大

    島村大君 ありがとうございます。  今、局長答弁いただきましたように、二次医療圏に、原則ですから、これに合致しなくてもいいということを今お聞きしましたので、ある意味では少しやりやすいのかなと思いますけれども。  ただ、局長からもお話がありましたように、二次医療圏に関しましてはやはり今後考えていかなくちゃいけないのかなというふうに、局長もそれは多分お考えだと思います。今更かもしれないですけれども、この二次医療圏に関しまして、やはり行政側の区域というのがあって、二次医療圏だけ変えようとしてもなかなか難しい。市町村の、じゃ、こことここを付けるからいいかといいますと、やはり昔ながらの歴史というのも町はあるわけですから、こことここは付けていいのかどうかという問題も多分あると思います。  よく言われますのが、本来であれば、今更ですけれども、あの平成の大合併のときに二次医療圏も本当は少し考えて、そのときに大改革をするべきじゃなかったのかということもよく言われますけれども、ただ、これはもう結果的には終わってしまっている話ですから、やはり今後、ある意味では、厚労省だけが二次医療圏を考えるというんじゃなくて、省庁横並びで、じゃ、どうしたらいいかということをやはり一緒になって私は考えるべきだと思いますので、そこは是非とも、厚労省のお考えだけじゃなくて、やはり町づくりと一緒のときに、地方創生じゃないですけれども、そのときにどうするかとか私は考えるべきだと思いますので、是非ともそこは御検討いただきたいと思います。  今、医療圏のお話がありましたけれども、もう一つ、今回の推進法人に関しまして、これ、薬局が参加することが難しいんじゃないかと思うんですけれども、そこに関してちょっと御答弁いただきたいと思います。
  24. 二川一男

    政府参考人二川一男君) この地域医療連携推進法人に薬局が参加法人になれるか、こういう御質問でございますけれども医療におきましては、御承知のとおり、利潤を最大化する株式会社は必ずしも患者にとって必要な医療を提供しないおそれがあることなどといったことから、非営利性を堅持するということが原則とされておるわけでございます。したがいまして、この地域医療連携推進法人におきましても営利法人参加できないというふうにしておりまして、薬局は通常、株式会社ということになってございますので、株式会社である薬局というのは参加法人にはなれないと、こういった仕組みにしておるわけでございます。  一方で、地域医療連携推進法人におきましては、介護事業等の地域包括ケアシステムの構築に資する事業を行う非営利法人参加法人に加えることができるとなっておりまして、介護事業等を行う非営利法人参加法人になれるというわけでございます。地域包括ケアシステム全体を考えてまいりますと、かかりつけ薬局とか、そういった薬といったことも当然地域包括ケアシステムの構築に重要な役割を果たす部分でございますので、薬局を経営する主体が非営利法人ということであれば参加法人として入ることができると、こういった仕組みでございます。
  25. 島村大

    島村大君 ありがとうございます。  確かに今の株式会社としての薬局だと参加できないというのもある意味では分かるんですけど、ただ、本当にそれでいいのかなという疑問点もありますので、じゃ、どうしても薬局をつくりたければ、株式会社もその法人がつくるわけですから、その株式会社のぶら下げでできるとか言いますけど、ただ、実際的にその法人参加できるわけじゃないですから、そこはやはり薬局そのものも、いろんな形態の、私は薬局に関してはあってもいいんじゃないかと思っていますので、是非ともそこは今後の検討をしていただきたいと思います。  次に、今回の推進法人に関しまして、本当に患者さんとか国民にとって何がメリットなのかということを、是非とも副大臣、お願いします。
  26. 永岡桂子

    ○副大臣永岡桂子君) 患者さんにとってのメリット、例えばグループ病院の特徴を生かしまして、グループ内の専門病院への紹介などを可能といたしますグループとしての安心感でありますとか信頼感の向上、それから、カルテの統一化によりまして重複検査の省略なども考えられます。また、患者情報の一元的把握によりましてスムーズな退院支援ということもできると思います。また、救急のときの病床が空いているかどうかなどのことは円滑に受け入れられると思いますし、また、グループ内の急性期、回復期、それとあとは在宅医療機関などの病床機能の分化、連携ということもこれ相当効率よく考えていただけると思いますし、また、お医者さんや、それから看護師さんなどの医療従事者の共同研修によります医療の質の向上ということも考えられますし、また、参加病院であるということの、そのグループのロゴマークの掲示でございますとか広告ということもできますし、信頼感の向上が見込めると思っております。  地域医療充実、効率というものが相当期待できるのではないかと考えております。
  27. 島村大

    島村大君 ありがとうございます。  是非ともそういうところを、要所要所にやはり国民患者さんにとってどういうメリットがあるかということをインフォメーションしていただければと思います。  ちょっと時間がなくなってきましたので、次に行かせていただきたいと思います。  今までは、先ほどお話ししましたように、国民皆保険をどう守るのかということで、持続可能なものにするかということで、仕組みなりシステムなりのことをお話ししましたけど、それをしっかりと守っていくためには、やはり医療従事者の質の向上、これが絶対に必要だと思います。  今日、ちょっとお配りさせていただきました資料で、榊原記念病院ですか、ここが心臓病とか手術を受けられる前に患者さんにこういうお願いの文書を出しております。  やはり、手術を受ける方に関しましては、口腔内のいわゆる歯周病の菌とかカリエスの菌がありますと全身に行ってしまうと。これを、感染症予防とか敗血症とかいろいろと書かれていますけど、これを防ぐためには是非とも歯科受診が必要だということで、もちろん、これは今先生方も、皆さん御案内のとおりですけど、ただ、いわゆる教育ですよね、教育に関してまだまだこれが、現場は分かっていますけど、教育がまだまだ私は足りないと思っているんですけど、そこを是非とも、文部科学省としてどのようにお考えなのか、山本務官、よろしくお願いします。
  28. 山本ともひろ

    大臣政務官山本ともひろ君) 御質問ありがとうございます。  今、島村委員が御指摘されたとおりであろうかと思っております。健康長寿社会を実現するためには、特に歯科医療の中では口腔ケアが重要ではないかと。  例えば、日本歯科人間ドック学会のデータによりますと、先ほど委員も御指摘でしたが、歯周病を抱えている方は脳梗塞、糖尿病、心筋梗塞あるいは誤嚥性肺炎というものにかかる確率が高い。これは、口腔疾患が結果的には全身の疾患に関わってくるのではないかというようなデータもございますので、今現在求められているのは優れた歯科医療人を養成することではないかと我々も認識をしておりまして、文部科学省としましては、課題解決型高度医療人材養成プログラムというのを平成二十六年度から開始したところでございます。この中では、歯科医療人を養成する優れた大学の取組等に対して支援を行っているところでございます。  さらには、歯学、歯科医療等について高度かつ専門的な知見を政策に反映すべく、大学の現職の教員、歯科のドクターに文部科学省に非常勤職員として採用をしておりまして、今までは一名で一週間、ビジネスデーは五日ありますが、二日来ていただいている、勤務していただいているという状況でしたが、本年から一名増員をして二名の技術参与を、非常勤職員の方を採用して、週三日来ていただくというような充実を図っているところでございます。  以上です。
  29. 島村大

    島村大君 ありがとうございます。  今お話がありましたように、山本務官も本当に御尽力いただきまして、高等教育の医学教育課の中に、非常勤でありますが、歯科医師を一人増やしていただいたということなので、本当に感謝しております。  ただ、今お話ししましたように、今後いわゆる医療人の質の向上をするためには、私、やはり学生時代の教育をもっともっと充実させなくちゃいけないと。そのためには、文部科学省に、その現場、それから教育を理解しています歯科医師を一人常勤として是非とも採用していただき、やはり質の向上のために、また、今までお話がありましたように、地域医療構想、これをやはり充実または実現するために医療者の質の向上が必要ですので、是非とも来年度は歯科医師の常勤が文部科学省に一人採用できますように要望させていただき、少し早いですけど、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  30. 津田弥太郎

    津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。  私も、先週の台風十七号、十八号を中心として、茨城県を中心に栃木県あるいは宮城県等々、大変大きな被害が発生をいたしました。心よりお見舞いを申し上げたいというふうに思います。  医療法質疑に入る前に、この度の災害で大きな特徴として私どもが認識しておりますのは、医療機関がみんなやられてしまったと。病院も診療所も全て水につかったために、医療機器がみんな全て駄目になった。MRIだとかCTだとか、そうしたかなり高価な設備がみんな駄目になったと。  政府は激甚災害指定の方向で進めていらっしゃるということはお聞きをしているんですが、こうしたあの地域における病院あるいは診療所が全て今機能不能になっているということに対して、これは早期に厚生労働省として対策を講じる必要があるのではないかというふうに思います。  通告をしておりませんけれども塩崎大臣、このことについては、やはり少ししっかりした対策を早急に進める必要があるのではないかと思うんですが、いかがでしょう。
  31. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今先生指摘のように、今回の台風十八号を始め大変な洪水が起き、今御指摘のように、医療機関においても同じように水没をし、医療機器も大変なことになって、テレビのニュースでも私も拝見しましたが、一生懸命それを手入れをして、水を掛けてやっているというところを見ました。  私どもとしても、医療のきちっとした供給ができるようにということで、特に注意をして目を向けていかなければいけないというふうに思っておりまして、私ども厚生労働省の中で対策本部をつくりましたが、直ちに永岡大臣に現地に行ってもらいまして、そういったところを含めて見させていただいたわけでございます。  引き続いて、これらについてはきちっとした対応ができるように、一日も早く正常な医療活動ができるように、私どももしっかりと見ていきたいというふうに思います。
  32. 津田弥太郎

    津田弥太郎君 済みません、通告をしておりませんでしたが、是非とも早急な取組をお願いを申し上げたいと思います。  それでは、法案の質疑に入らせていただきます。  一週間前、審議を行ってきました労働者派遣法、私どもは徹頭徹尾反対を貫いてきたわけでございます。  一方で、本日の議題である医療法、身内の恥というわけではありませんが、我が党内の部門会議では賛否が分かれました。医師出身の議員の間で意見が分かれるという、どういうふうに評価したらいいのか、なかなか難しいわけですが、最終的に我が党は反対という結論になったわけでありますが、しかし一方で、本法案の改正案に一定の評価をしている議員も複数存在しているわけであります。そういう状況だということを前提にして質問をさせていただきたいというふうに思うわけでございます。  まず、二川局長にお尋ねをしたいと思います。  八月五日に行われました衆議院の法案審議の際に、会計基準の適用及び外部監査の義務付け対象となる医療法人の範囲、この医療法人の範囲等に関して質問を行ったのは全部で何人で、何党の誰でしたか。事実のみお答えください。
  33. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 八月五日に行われました衆議院の厚生労働委員会での法案審議の際に、御指摘の点につきまして御質問をいただきましたのは、維新の党、足立康史委員、井坂信彦委員、公明党、輿水恵一委員、自由民主党、豊田真由子委員、比嘉奈津美委員の五人の方でございます。
  34. 津田弥太郎

    津田弥太郎君 会計基準の適用や外部監査の義務付け、これは医療法人の経営の透明性の確保という点で本改正案の肝の一つになっているわけでございます。しかし、その適用の要件、範囲、これは法律事項ではなくて省令事項になっている。そのために、野党の議員のみならず、法案の立案過程に直接関与している与党、自民、公明両党の議員でさえ委員会でこんな入口の段階での質疑を行わざるを得なかったというのが衆議院の状況であったわけでございます。  しかも、結局のところ、大臣二川局長答弁において、その方向性は示されたものの、総合的に検討してまいりたいということで、本当に明確なお答えは最後までいただけなかった。結局、法律が成立後の検討課題になってしまっている。  私は、法改正の根幹部分、これは本来、法律にしっかりと明記をすべきである、あるいは、それが無理だとしても、国会審議の際には明確な答弁を行って、我々議員はその先の深掘りされた議論を行う、これは当然のことだというふうに思うんです。立法府の本来の姿というのはそういうものです。  しかし、残念ながら、本法案に限らず最近の厚労省の提出法案は内容が詰め切れていないものが少なくない。例えば、今国会における国民健康保険法等の改正案、ここでは、患者申出療養の対象となる医療の具体例、紹介状なしで大病院を受診する際の負担額、これなどが明確に示されなかったわけであります。昨年の医療介護法案でも、かなりの部分が法案の成立後の検討事項というふうになっていたわけであります。また、先週まで議論を行いました労働者派遣法も、皆さんまだ御記憶に新しいと思いますけれども、法案提出時点で政省令事項が四十一項目の多数に上っておったわけであります。  私は、こうした状況が続けば、国会審議が形骸化するとともに、行政の裁量の余地が拡大することで国民の不信感が増大をする、これは間違いないと思います。大変強い危機感を持っているわけでございます。  そこで、二川局長、事務方の立場で、今後は、法改正の根幹部分については条文に明記をするとともに、それが無理な場合でも、法案の提出時点までに明確な方針を決定していく、そのことにこれまで以上に意を用いていただきたいと思いますが、その決意を、二川局長、語ってください。
  35. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 御指摘の会計監査の基準につきましては、今回の法案の根幹の部分であるというふうに私も思っているところでございます。  この基準の議論をいただきました医療法人事業展開等に関する検討会におきましては、サービス業務の提供量や負債額等に応じた尺度とすべきと、こういった議論にとどまってしまったというのが実情でございます。  しかしながら、私どもといたしましては、更に議論が深まるような会計基準の具体的な基準を明示をし、審議会、検討会で御議論をいただき、一定、具体的な方向性をお示しをした上で、実際に定めるのは省令ということになる場合もあるかと思いますけれども、具体的な基準をできるだけ国会の皆様に提示をして御議論いただけるように、その前段階としての審議会、検討会でも議論を進めていくべきものというふうに考えているところでございます。
  36. 津田弥太郎

    津田弥太郎君 衆議院で今審議されようと予定されている労働基準法の改正、労働時間の適用をしない労働者、この収入の範囲をどうするかということで、厚生労働省は一千七十五万円という数字を明確に出しているわけです。これ、物すごく重要です。この一千七十五万円が出るか出ないかで全然審議の状況が変わっていく。  今回の問題でも五十億円という話が出ているわけですが、それは五十億円程度という話で、明確に五十億円というふうに決まっているわけではない。こういう状況なわけでありまして、そういうところは、二川局長、しっかり審議の前に明確に方針を決めておくということが私は重要だというふうに思うんです。  うそか本当か分からないけれども、マスコミ報道では、間もなく事務次官に昇格をされるという情報が流れているわけでありまして、単に医政局だけではなくて、厚生労働省の事務方の最高責任者として、私の指摘をしっかり踏まえた取組を行っていただきたい、そのように思うわけであります。  さて、本法案の最大の目玉は、地域医療連携推進法人制度の創設ということでございます。私は、済みません、医療の専門家ではありませんので、少し視点を変えてお尋ねをしたいと思います。  平成二十五年八月の社会保障制度改革国民会議報告書では、医療法人制度の見直しについて、複数の医療法人グループ化すれば、医療資源の適正な配置、効率的な活用を期待することができるというふうに指摘をされておるわけであります。その中の一つの例示として人事が挙げられておったわけであります。  この点について、衆議院の審議においても公明党の輿水議員が、医師や看護師の法人内での派遣を行うことで、医療機関の負担を軽減しながら医療行為をできるというふうに発言をされたわけであります。この部分は厚労省への直接の質問とはなっておりませんでしたが、議事録によると、続けて輿水議員は、うなずいていただいておりますのでありがとうございますというふうに発言をされておりますので、恐らく大臣局長もうなずかれたということだというふうに思います。  確かに、こうした医師やコメディカルの方々が新設される地域医療連携推進法人内で行き来することができるということは、効率的な医療という観点からはメリットがあるのかもしれません。一方で、労働法の観点でいうと、間違いなく幾つかの課題が生じるわけであります。  実際の運用としては、きちっとした在籍出向などの形を取ることなく、手が足りない、その時々で人が行き来するということが当然に予想されるわけであります。その場合に注意をしなければならないのは、地域医療連携推進法人参加する各法人は、基本的にはそれぞれが独立をしているわけで、使用者としての一体性を持つものではない、ここが問題なんです。その点、従来の巨大な医療グループとは明らかに状況が違います。  そうすると、労働者たる医師やコメディカルの方々に対して、雇用主としての責任を負わない法人が使用者性を事実上有することになるはずです。その場合、労働災害とか労働時間管理、特に勤務医の労働時間問題というのは非常に深刻なわけでございます。  これらについての対応に問題が生じないのかどうか、さらには、労働者の権利保護のための団体交渉は可能となるのかどうか、多くの課題指摘をできるわけであります。  大臣、今回の地域医療連携推進法人制度に関し、厚労省内の労働部局においてしっかりとした検討を行い、問題点の解消を図っていくということを約束していただけるでしょうか。
  37. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) まず、この地域医療連携推進法人は、参加法人医師などの雇用主ではなくて、指揮命令等を行うことは直接はできないということがまず第一点であります。  参加法人間の医師等の移動につきましては、確かにそれは可能性があるわけでございますが、一般には在籍型出向という整理がされるというふうに思います。出向元及び出向先の双方とそれぞれ労働契約関係が生じることになるわけでございますが、この場合、出向元、出向先及び対象となる労働者の三者の間で取決めがなされて、定められた権限と責任に応じて出向元又は出向先が労働基準法等における使用者としての責任を負うことになるために、使用者責任が曖昧になるということはないのではないかと考えているわけでございます。  なお、在籍型出向以外に移籍型の出向ということも考え得るわけでありますので、この場合は、出向元との雇用関係はなくなって移籍先の事業主が使用者というふうになるために、使用者責任について問題は生じることはないというふうな整理が考えられるというふうに思っております。  しかし、先生今御指摘のように、厚生労働省内の労働関係部局もしっかりとこれを見ていくようにということでございまして、やはり働く方々の権利が保護されるということはどんな場でも大事なことでありますので、労働関係部局にも見てもらいながら、適切な地域医療連携推進法人制度の運用が図られるように配慮をしてまいりたいというふうに思います。
  38. 津田弥太郎

    津田弥太郎君 先ほども申し上げましたが、勤務医の過重労働の問題というのは大変深刻であるというのは従前からずっと指摘をされてきているわけで、今回の法改正によって更に勤務医の過重労働が増加するということになったとすれば、それは本末転倒ではないのかなというふうに思うわけであります。  特に、過労死等防止対策推進法、この制定に大きな役割を果たした当事者の奥様であります中原のり子さんという方がいらっしゃるわけですが、この方の亡くなられた御主人は東京都内の病院に勤務する小児科のお医者さんでありましたが、働き盛りの四十四歳で尊い命が失われたわけであります。やはりそういうことを考えると、間違っても今回の法案によって医師の勤務先が頻繁に変更されることで労働時間管理やあるいは健康確保がおろそかにならないよう、大臣におかれましては強くしっかり指導していただく、そのことをお願いをしておきたいというふうに思います。  その上で、関連して考えていただきたいのは、長時間労働が現実に常態化しているわけでありますけれども、そういう病院勤務医、この勤務医に接見する、例えば製薬会社のプロパー、今はMRという言い方になったようで、医療情報提供者、メディカルリプレゼン何とかというふうに言うらしいんですが、こういう方々も必然的に長時間労働になる。当然のことながら、医師が診察等々を行っているときには接見ができないわけで、どうしても医師の時間が空いたところで様々な接見をして業務を行うということになるわけで、当然のことながら、労務管理とか労働安全衛生上憂慮すべき事態が発生しているということが当事者から私のところに訴えが来ているわけでございます。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕  私は、これはやはり医師だけではなくて、医療界を取り巻く全体の働く人たちの姿がどんな状況になっているのか、そういう状況についてしっかりした調査、あるいは実態調査、当然、全数というわけにはいきませんのでサンプルになるんだと思うんですが、そういうことをちゃんと行って、それを踏まえて効果的な対策を進めていっていただきたいというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょう。
  39. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今お話が出ました製薬企業のいわゆるMRでございますけれども、平成二十六年における労働基準法の労働時間に関する規定の違反状況について、いわゆる医薬品製造業というくくりで見ますと、全業種の平均の労働時間に関する規定の違反状況を見ますと約二一・一%でありますけれども、それに対して医薬品製造業では約一三・六%ということで、やや低い状況となっているわけでありますが、しかし、今先生指摘のように、このMRに関してはかなり過酷な労働条件の方もおられるということは私も聞いているところでございまして、厚生労働省としては、今後、御指摘の製薬会社のMRの長時間労働に係る実態について、ヒアリング等を通じて、より詳細に把握をしてまいりたいというふうに思っております。
  40. 津田弥太郎

    津田弥太郎君 最後にお尋ねをしたいと思います。  衆議院の審議においても、地域医療連携推進法人参加するかどうかはあくまでも任意であるという答弁二川局長、行っているわけであります。しかし、地域唯一の大病院を中心に地域医療連携推進法人がつくられるような場合、実際には囲い込み的な状況が生ずるのではないかということが予測されるわけであります。  お尋ねをしたいわけですが、そうした大病院が、例えば木曜日の午後は地域医療連携推進法人に属する各法人からの紹介状のある患者さんだけ診療を、そういう方々だけに診療を限定するというようなことが認められるのかどうか。つまり、地域医療連携推進法人参加しない場合の不利益を明確に禁止する規定があるかどうかを含めて、二川局長からお答えをいただきたいと思います。
  41. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人におきましては、法人の運営の基本方針を定めるために、法人内の地域患者それから関係団体等関係者で構成される地域医療連携推進評議会を設置する、その評議会で設置をした方針に基づいて各医療機関が運営をしていくということでございまして、そういった地域関係者意見を踏まえての運営がなされるということを必要条件にしているということで、そういったことが法律上定められております。また、地域医療連携推進法人理事のうち少なくとも地域関係者にすることと、これも条件にしてございまして、そういった方からのチェック機能も働くのではないかということを考えての仕組みというふうにしておるわけでございます。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕  参加しない法人に対して不利益を被らせるということを具体的に禁止をするという、そういった条文は規定はございませんけれども、具体的にそういった悪影響が生じないような運営というものが必要ではないかというふうに考えてございますし、最終的には、都道府県のこの法律に基づく指導監督といったことで適切な公平な運営をお願いしたいと考えているところでございます。  また、御指摘の例のような特定の患者対象に診療を限定するというようなことは、医療機関のフリーアクセス等の観点からも認められないものだというふうに考えているところでございます。
  42. 津田弥太郎

    津田弥太郎君 ありがとうございました。  地域医療連携推進法人参加しない場合の不利益の問題、こういうものは、さらには、先ほどの労働法上の問題も含めてしっかりと詰めの議論を行うよう厚労省に要請をして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  43. 西村まさみ

    西村まさみ君 民主党の西村まさみでございます。  まず冒頭、私からも、先般の台風、豪雨の災害で大きな被害を受けられた被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げますと同時に、改めて自然の恐ろしさというものを感じた一週間でありましたし、先ほど津田理事よりお願いをいたしました医療機関の早期支援というものを、これは厚生労働省、積極的にお願いをしたいということをまず冒頭申し上げたいと思います。  今日、医療法の改正についての質疑ということでありますが、まず一番最初に、先ほど島村委員質問に対して、文科省山本務官も、歯科と全身の関わり、例えば歯科医療者、歯科医療人の養成とか大学職員の支援ということもおっしゃってくださいましたし、地域医療にとって、介護にとって、やはり歯科というものの重要性ということは多くの皆様に御理解がいただけると私はずっと思ってまいりました。  ところが、今回、第九回医療法人事業展開に関する検討会のときの資料、このポンチ絵なんですが、残念ながら、そこに歯科も歯科医師も全く言葉がありませんでした。第十回の医療法人事業展開に関する検討会、二月九日のときにはきちっと歯科二人とか歯科何人とかいうことを入れていただけています。  まさか忘れちゃったわけではないと思うんですが、二川局長、ここ、どうして、最初のときにあれほど大事と御認識いただいていたのに、抜けていたのか、是非説明をしていただきたいと思います。
  44. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療構想あるいは地域包括ケアを各地域で実現していただくためには、医療介護、かかりつけ薬局等々、医療介護の全体の連携が不可欠なわけでございます。そういった場合に、当然ながら、医科だけの連携で住民のニーズに応えられるわけではございませんので、歯科も当然入った形での地域医療構想又は地域包括ケアの実現といったことになろうかと思います。  御指摘の点は、私ども検討会での資料において、当初、歯科が明示されていなかったといったことは事実としてはあったかと思いますけれども、今後そのようなことのないよう、医療ではなくて、医療、歯科、薬、介護、全体につきまして十分配慮しながら資料等につきましても作成していかなければならないというふうに考えているところでございます。
  45. 西村まさみ

    西村まさみ君 医療連携というぐらいですから、今局長がおっしゃってくださったように、みんなが一つになってやっていかなければ、これは地域に貢献する、なかなか支援するというわけにいきませんので、忘れちゃうことのないように是非肝に銘じていただきたいということをまず最初に、そこが違うと、私の質問、根底から全然違う方向に行かなければなりませんので、改めて確認をさせていただきました。  今回の医療法改正ですが、まず、これは第一次の改正から振り返ってみると、例の富士見産婦人科事件というのがありました。資格のない理事長が健康な女性の卵巣、子宮摘出ということで、本当に大きな社会問題になった。これを受けて、二十三年制定から今七回目の改正まで様々な改正をしてきたわけです。  ちょっと流れだけを申し上げますと、昭和六十年の第一次改正では、キーワードは地域医療計画の策定と駆け込み増床、第二次改正は平成四年、医療施設機能の体系化、平成九年の第三次改正では、かかりつけ医を支援する医療機関として地域医療支援病院制度の創設、そして第四次が平成十二年、必要病床、いわゆる許可制から届出制に変わったこと、そして第五次が平成十九年、医療機能の分化、連携推進によって患者切れ目のない医療を提供し、QOLの向上を図る、そして昨年の第六次改正、病床機能報告制度地域医療構想の策定ということを組んでいったわけです。  今回、第七次となるわけですが、今回の一番のポイントといったら、局長、何でしょう。
  46. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 今回提案をしております医療法の改正案でございますけれども、大きく二つというふうに考えております。地域医療構想を実現するための選択肢としての地域医療連携推進法人制度の創設、それから医療法人の透明性、ガバナンスの向上といった観点からの医療法人についての会計基準、外部監査等の導入といったところがポイントかというふうに考えております。
  47. 西村まさみ

    西村まさみ君 先ほどの質問の中で、副大臣が、今回のメリットは何でしょうとの質問に対して、例えばグループ病院内での紹介、安心ができる、信頼ができるといったことであったり、重複検査を防ぐことができる、また、カルテのラインによって様々その患者さんがどちらの病院に行ってもグループ内ではいい医療が受けられる、また退院のときに早期の支援ができるとか、またロゴマーク、広告なんというお話をされましたが、これ、じゃ、逆に、グループを外れている医療機関の近くの方々はこれが受けられないとなると、地域格差につながるんじゃないかと思うんですが、局長、どうでしょう。
  48. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人への参加というのは、あくまで法律上任意というふうになっているわけでございます。御参加をいただき連携を進めていくという形もございますし、いろいろな医療機関考え方がございますので、義務というふうにはなっていないわけでございます。  そういった場合に、入らなかったところがどうなっていくのかということにつきましては、地域医療全体を担う医療機関には違いないわけでございますので、そういった医療機関の存在も当然考慮しながら地域医療連携推進法人の運営が必要だというふうに考えているわけでございまして、そういった点につきましては、この地域医療連携推進法人内に地域医療推進評議会というものを必ず設置をするというふうになってございまして、そのメンバーに地域患者さん、あるいは地域関係団体等の人を必ず入ってもらうというようなことにしてございますし、それから、連携推進法人の役員、理事に必ず地域関係者をお一人以上入っていただくというような形を義務化をしておるわけでございます。  そういった形で、地域医療連携推進法人の運営がその参加者だけの、一部の者だけの利益を図るような運営がなされないようなチェック機能が働くような仕組み法人内部に導入しているわけでございます。そういったような形で、入らないからといって不利益を被らないようにするような仕組みをこの法人の中に設けているといったところでございます。
  49. 西村まさみ

    西村まさみ君 今局長おっしゃったように、地域の声、患者さんの声もしっかりと聞く、評議会で聞くということでありますが、なかなかその場でしっかりと自分たち意見を言うということは、患者、市民にとっては大変ハードルが高いんだと思うんです。だからこそ、しっかりと聞けるような環境づくりというものを、これをつくらなければ、やっぱりなかなか格差というものができないとは言い切れないと思う。  ですから、必ず患者であったり地域の声というものを聞けるような環境づくりというものは少なくとも厚生労働省の方できちっとつくっていただきたいということをお願いをして、ちょっと細かいことに入っていきたいと思います。  地域医療連携推進法人は、安倍総理が二〇一四年一月のダボス会議でということは衆議院でも先ほど来のお話でもありました。いわゆる国際公約に近いような形で、非営利ホールディングカンパニー型の法人によってアメリカのメイヨー・クリニックのような大規模な医療業態をつくることを宣言されて、日本の再興戦略改訂版で閣議決定されたものですが、途中、名称が変わって現在に至るという認識でよろしいでしょうか。これは大臣にお尋ねしたいと思います。
  50. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 名称というのは、この地域医療連携推進法人という意味の名称をおっしゃって、いわゆる非営利ホールディングという名前は変わりましたがという、そこの点の御質問でございますね。  名前は変わりましたが、この地域医療連携推進法人については、ここの名前を明確にしているのは、地域において質が高く効率的な医療提供体制確保するために、地域医療機関相互間の機能分担とかあるいは業務連携というものを推進をして地域医療構想を達成するための一つの選択肢として制度化をしたということでございまして、先ほど申し上げましたように、津田先生のときだったか、メイヨー・クリニックの話が出ましたが……(発言する者あり)羽生田先生、失礼しました。あちらも、やはり同じ質で、どこでもどの病院でも同じようなレベルの高い均一な医療を提供できるという意味において、地域医療で貢献をするということにおいては何も変わらないということを申し上げたと思いますので、そういう意味で、名称は変われども地域医療をより良きものにしていくということは目的において何も変わらないと、こういうことでございます。
  51. 西村まさみ

    西村まさみ君 じゃ、名称は変わっても目的はきちっと継承されているということで理解をしました。  その際の目玉の一つとして、医療システムやサービスなどをパッケージにして東南アジアなどの新興国に輸出するという医療の国際展開だったとも記憶していますが、その目的は継承されていますか。
  52. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今私が申し上げたとおり、今回の地域医療連携推進法人は、そもそも地域医療構想に資するような、そういう法人としての選択肢を提供しているわけでありまして、そういうことであれば、医療の国際展開というようなものを主たる目的とするような法人として制度化したものではないということを御理解を賜れればというふうに思います。
  53. 西村まさみ

    西村まさみ君 分かりました。  次に、地域医療連携推進法人の実施する業務として、例えば病床数の融通医師、看護師等の共同研修、医療機器の共同利用とか様々あった中で、資金の貸付けというものがあります。人の移動とか例えばベッドの移動という地域医療連携ということは、そういったことについては理解をしますが、お金の移動、いわゆる資金の貸付け出資ができるというのは、医療の非営利性からちょっと分かりにくいのではないかと思うのですが、平成二十五年の医療機関債発行等のガイドライン改訂版によって、医療法人間の資金の貸付けが実質的に可能となりました。  この新法人では、そういう縛りもなく自由に資金の移動、貸付け出資ができると考えてよろしいでしょうか。厚生労働省にお尋ねします。
  54. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 医療連携推進法人におきます参加法人間につきましては資金付けができるということは規定をしておるわけでございますけれども、しかしながら、これも無条件に行われるわけではございませんで、あくまでこの法人が定めます医療連携推進方針に沿ったものということで、そういった連携推進を図る目的がある場合に限り可能であるということでございますし、それから、この医療連携推進方針というものは、先ほど来申し上げておりますように、地域医療構想の実現をするためのものということでございますので、そういうものと整合性を取れた形で事業展開を各医療機関がしていく。そのために必要な資金といったようなものにつきましては、資金の貸付けができるというふうなものでございます。
  55. 西村まさみ

    西村まさみ君 それでは、医療連携推進方針に沿った連携推進を図ることを目的とする名目があれば、自由に資金の移動、貸付け出資が制限なくできるようになるというわけですよね。  じゃ、この医療連携推進の具体的な範囲というものは誰がどのように判断するのでしょうか。また、運用の仕方によって無制限となるというわけではないですか。
  56. 二川一男

    政府参考人二川一男君) ただいま申し上げましたように、地域医療連携推進法人は、まず医療連携推進方針を定めるわけでございまして、その方針に沿って、ただいま申し上げました資金の貸付けあるいはほかの業務につきましても、この方針に沿った形で進めていくということでございます。  また、先ほど来申し上げておりますように、医療連携推進方針は、地域医療構想と整合性の取れたものとして定めていただくと。それが都道府県の認可の際にもチェックされるわけでございますし、その後の都道府県の指導監督の際にも、そういった基本方針に沿った運営がなされているかといったことがチェックされるといったものでございます。  地域医療連携推進法人内部におきましても、参加法人社員総会で、目的達成に必要な範囲でどういった業務をしていくかということを決定していくわけでございます。その決定に当たりましては、社員総会が最終的な権限があるわけでございますけれども、これも先ほど来申し上げておりますように、地域医療連携推進評議会というものをこの法人の内部に設けて、地域関係者等々が入った中で、外部のチェックを経ながら業務推進していくと。その地域医療連携推進評議会の決定につきましては、連携法人の方は尊重するということが法律規定をしてございますので、地域医療構想の実現と関わりのないような形でのものにつきましては業務は行われないというふうに考えているところでございます。
  57. 西村まさみ

    西村まさみ君 ということは、この具体的な範囲というものは社員総会で決めるということですか。それは間違いないですか。
  58. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 社員総会意思決定に基づきまして具体的な業務が行われるという仕組みでございます。
  59. 西村まさみ

    西村まさみ君 じゃ、新法人に参画する社員である医療法人資金の貸付けができるわけですから、実質的に利益の配当となるおそれが十分にあります。医療連携推進法人の範囲がどのようになるかという範囲も社員総会の中で定める、決めるということでよろしいですか。
  60. 二川一男

    政府参考人二川一男君) あくまでこれ、可能なのは資金の貸付けということでございまして、資金の譲渡とか贈与とか、そういったものはもちろんできないわけでございまして、あくまで貸付けということでございまして、反対債権が必ず残るという形になるわけでございまして、無制限に利益が付け替えられるわけではございません。  しかしながら、融資の条件等によりましては実質的にそういった利益配当の禁止の、脱法行為になる場合が絶対にないとは限らないわけでございまして、その点につきましては、この地域医療連携推進法人におきましても、一般の医療法人と同じように利益配当の禁止ということを法律上明記をしてございますので、その点につきまして、実質的にそういったようなことがなるようなものは禁止であるということが明記されているものでございます。
  61. 西村まさみ

    西村まさみ君 それでは金融庁にお尋ねします。  一般論として、貸金業者としての登録というのはどのような場合にしなければならないでしょうか。
  62. 中島淳一

    政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。  貸金業法におきましては、貸金業を営もうとする者は貸金業登録を受けなければならないと規定されております。  また、貸金業については、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介で業として行うものをいうとされ、ただし、国又は地方公共団体が行うものや、貸付けを業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者が行うもの等については貸金業から除くと規定されております。
  63. 西村まさみ

    西村まさみ君 それでは厚生労働省にお尋ねします。  このような、今までやり取りをしましたグループ内の貸付けというのは、貸金業者としての登録の対象になるとお考えですか。
  64. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人は、グループ全体で円滑な資金調達が可能になるように、その内部の参加法人に対して資金の貸付けを行うことができるということを今回の医療法規定させていただいているわけでございまして、そういったことで、医療法上に規定があるといったことから、貸金業者の登録が不要になるものというふうに考えられるところでございます。
  65. 西村まさみ

    西村まさみ君 法文に書いてあるから不要ということ、でも、法的に問題がないとしても、私も含めた医療従事者としては、何となく、医療の非営利性ということから考えると、お金の貸し借りというようなことが例えばあったとすると、何となく違和感がありますので、何でこのように非営利性公益性を強く打ち出した地域医療連携推進法人にいわゆる貸金業のようなことをさせるように至ったのかということが、もしあれば教えてください。
  66. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 貸金業というか、お金を貸すことで利益を得ようとか、そういったような目的ではなくて、グループの中で医療機関が経営をしていく、経営をする場合にいろんな施設設備等をする必要がある場合があって、それが地域医療構想を実現していく方向を目指す、そういったもののために必要なケースということは想定されると。  一医療機関が一医療機関の信用を元に例えば民間の金融機関からお金を借りてやっていくというのが、これが従来のやり方でございますけれどもグループの中でそういった形を取ることによって、民間から借りるよりも有利な形で実現できるといったようなケースもあるであろうといったようなことで、グループ内の貸付けにつきましては認めることにしたというものでございます。
  67. 西村まさみ

    西村まさみ君 では、同じ条文で、必要な資金調達するための支援ともありますが、これは資金を必要とする参加法人の代理として行うのか、新法人参加法人全てから一任して行うのか、どちらでしょうか。
  68. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 法律上、今回、支援といった言葉もあるわけでございますけれども、これは、貸付け以外で、例えば債務保証とかそういったようなケースも考えられるということでございます。これは検討会でもそういったことが議論がなされたところでございます。  ただいま御質問の、代理として行うのか、一任されて行うのかということにつきましては、参加法人資金を活用するというようなケースもありましょうし、外部からの資金を活用してきて、それを連携法人から参加法人へ貸し付けるといったようなケース、いろいろな場合が想定されるわけで、特定の参加法人の代理になる場合、あるいは全ての参加法人から一任されている場合、様々な場合があるというふうに考えておるところでございます。
  69. 西村まさみ

    西村まさみ君 どうもその辺のところが非常に規定が曖昧に感じるんです。この地域医療連携推進法人がどこまでガバナンスに責任を負うものなのかということがいま一つ理解しづらいということもありますから、ここはやはりしっかりとしていただかなければならないと思いますので、必ず、まあ賛成とか反対とかは別として、ここのところはしっかり強化をしていただきたいということをお願いしたいと思います。  もう一方、塩崎大臣は、様々な場において、いわゆるガバナンスの強化とか経営の透明性の強化といったことをおっしゃっている、意思の表明をされていますけれども、今医療法改正で新設されている条文についてです。  第四十六条の二には会計監査人に関する定めがありません。医療法人における透明性の確保についてという厚生労働省の資料の行政機関以外の者による財務に係る監査の比較表においても外されています。  第四十六条の四には、「評議員は、当該財団たる医療法人の役員又は職員を兼ねてはならない。」とありますが、一般財団法の百七十三条においては、評議員は、一般財団法人又はその子法人理事、監事も、また使用人を兼ねることもできないとされています。子法人までの兼職も禁止しています。新設されている機関の設置の部分では社団法の重要部分が非常に多いのですが、このような差が、違いがあるのはなぜなのか、厚生労働省にお尋ねしたいと思います。
  70. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 先生指摘のとおり、医療法人の評議員につきましては、理事会のチェック役ということでございますので、理事等役員と兼ねることは適当ではないということで兼職を制限していると、こういった規定があるわけでございます。  それから、一般社団法人あるいは一般財団法人、こういった法律につきましては、子法人の役員は親の一般財団法人意見に従うことになりますので、子法人の役員が親の一般財団法人の評議員を兼職する場合、これも本来の役割を果たすことが難しいということで制限がされていると、こういうふうに承知をしておるわけでございます。  一方、医療法人の場合には都道府県知事の認可によるわけでございまして、一般財団法人のようにそもそも子法人を持つということが想定をされていないわけでございます。したがいまして、医療法人におきましては、一般社団法人あるいは一般財団法人と異なりまして、子法人との兼職の禁止を規定する、そういったことが想定されないものですから、禁止する規定がないものというふうに考えているところでございます。
  71. 西村まさみ

    西村まさみ君 ガバナンスの強化とか経営の透明性が求められている中で、やっぱり会計監査の規定がないというのは分かりにくいのではないかなと、そう感じます。  大臣にお尋ねします。  厚生労働省の定める医療法人、今回の改正で公認会計士による外部監査の対象となって法的監査が導入されることにより、ガバナンスの向上に大いに役立つと考えます。MS法人の不透明性の改善策なども追加されて、監事の監査を受けなければならないことから内部管理体制の構築にも配慮がされつつあるんですが、事業報告書等の公示で貸借対照表及び損益計算書に限るとあり、関係業者との取引状況に関する報告というのが外されているのが大変残念だと思います。  大規模な一般社団法人では、会社法における大会社と同様の内部統制システムの構築が義務付けられていて、地域医療連携推進法人でもこの大規模な一般社団法人に該当する可能性は十分に高いわけですから、内部統制システムの構築が義務付けられる必要があると思っています。  でも、御承知のように、年金機構の情報流出問題においては、内部統制システムと個人情報管理規定が高いレベルで整備されていたのにもかかわらず、あのような流出事故が起きたわけです。  厚生労働省が監督する医療法人地域医療連携推進法人、年金機構、ある一定以上の大規模な組織においては、やはり外部監査だけではなく、内部監査、内部の管理体制が必要と考えますが、大臣はこの辺についてどうお考えでしょうか。
  72. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今回御提示をさせていただいている地域医療連携推進法人は、複数の医療法人などを社員とするものでありまして、地域医療に与える影響が極めて大きい可能性があるわけでありまして、そういう意味では、今先生お話しのとおり、法人内部ガバナンスというものも大変大事だということは御指摘のとおりだと思います。  そのために、今回、外部監査や財務諸表の公告の実施だけではなくて、何度かお話が出ておりますけれども地域医療連携推進評議会というのを法人内に、自治体あるいは学識経験者などの外部の人材を含めた地域関係者が言ってみればウオッチをする評議会を設置をすることとなっておりまして、法人運営の透明性を確保する重要な手段としてこの評議会位置付けているということでございます。  加えて、当然のことながら、都道府県が監査を的確にやらなきゃいけないということもあるわけでありますが、いずれにしても、内部のガバナンスとしては、今申し上げた評議会に責任を負っていただくということで、十分にガバナンス確保されることを期待をしているところでございます。
  73. 西村まさみ

    西村まさみ君 大臣、期待じゃ駄目だと思うんですよね、やっぱり。あれほどきっちりとした統制が取れていたはずの年金機構だってああいうことが起こるわけです。だからこそ、やはり、今回の目的にもあるように、競争より協調を進め、地域において質の高い効率的な医療体制確保というのであるならば、内部も外部も両方のしっかりした統制を取っていただくようにお願いをして、次の質問に移りたいと思います。  毎回申し上げています指導について局長にお尋ねします。本日は、指導医療技官の臨床経験と質についてお尋ねします。  私も、審査員を経験して、指導の立場を通じて、臨床医療に精通した質の高い医療技官が適切な指導を行っている現場も当然見てまいりましたし、逆に、臨床の多様性を理解できない技官が机上の考え方に固執して、対象となる医療機関の保険医に対しての説明が理解できなかったり、また安易にそれを否定する傾向、また恫喝する状況もしばしば見て聞いてまいりました。技官の質の確保に対する更なるお願いということは、これは平成二十五年日本歯科医師会からも要望書でお示ししたとおりですが、臨床研修は定期的に行っているとの答弁を以前もいただきました。  直近五年間の研修内容、日医対象者全員が任意で行われているのかということは質問主意書で今お尋ねをしているところですが、今お答えできる範囲で、指導医療官の研修、そしてその内容についてお知らせください。
  74. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) まず、先生指摘のように、指導医療官が医療についてしっかりとした経験を持っているということは大変重要なことでございます。  そういう意味で、指導医療官の採用に当たりましては、医師又は歯科医師、国家試験に合格した者、これは当然ですけれども、原則として試験合格後五年以上の者を採用することにしております。また、社会保険及び保険診療を正しく理解し、このための知識の習得、医学上の専門知識等の向上に積極的である、こういう要件を前提にいたしまして、さらに、病院又は診療所におきまして原則として五年以上の臨床経験を有する者、こういう臨床経験も採用の要件としているところでございます。  この研修につきましては、採用後、指導医療官としての資質の向上を図るために、本省それから各地方厚生局において行っているところでございますけれども、例えば本省での研修におきましては、全国の指導医療官を集めまして具体的な事例を基にしたケーススタディーを行うなど、全国の指導、監査の情報共有や意見交換、留意事項の徹底を行っているところでございます。  また、本省の取組というようなものが直接なかなか指導医療官の方には届きませんので、この指導医療官、それから事務の指導官も含めてでございますけれども、こういう研修の際には私又は審議官出席をいたしまして、そして冒頭で講義をする、それから医療課長もできるだけ出席をしまして講義をするというようなことも実施をしているところでございます。  今後ともこうした研修の向上に努めてまいりたいと考えております。
  75. 西村まさみ

    西村まさみ君 ここは非常に大きな問題で、私も度々このことについてもお尋ねをしてきたんですが、現場では大変、医療機関、保険医側にとってみると威圧的な雰囲気なんですね、雰囲気を醸し出しているんですね。そこへ来て、患者さんはそれぞれ皆さん同じ病名が付いていたとしても、症状やまた経緯というものはばらばらです。それによって、短期間であったり、期間を完全に把握することも難しい。そういった症状によって、その方に合った治療方法を説明し診療する、それを保険で請求させていただいているという行為をしているわけですが、その一連のいろいろな、いわゆる形骸化されたものもあれば非常にまれなものもあったりといろいろある中で、それを説明しても、冒頭からちょっと違うステージに入ろうとすると、もうそこで、があっというような声を聞いたりしたこともあるんです。  ですから、やはり定期的な研修というものは、今の臨床に合った状況、これは二十年前、三十年前と当然今というものは治療方針も違うでしょうし、医療機器の発達もあるわけですから、そこのところはしっかりと研修内容に盛り込んで、毎年同じことをしたり、事例を集めて社会指導研修会、社指ありますけれども、そういったところだけではなくて、それぞれの都道府県とか様々なところで、事例に応じたものをきちっと研修していただくということを心からお願いをしたいと思います。  もう一方、先日の質問の中で中断というもののお話をさせていただきました。小池委員の要望書で、厚生労働省としてもまた厚生局としても指導是正をするという回答が二月、三月に行われたと聞いています。昨日、私はそのことについて厚生労働省にお尋ねをしました。というのは、東京都が比較的中断が多いということを私は申し上げてまいりましたし、小池委員もおっしゃってきた。  最近、先週木曜日前後ぐらいから、東京都で中断していた、二年、一年と中断していた保険医から、再開が決まりました、大変有り難いというようなお電話をいただきましたので、これは早速厚生労働省取り組んでくれたんだと思ってお礼のつもりで、どういった数を把握していますかと言ったら、相変わらず、どの程度再開したのか、問合せについて数は把握していないということなんですが、せっかく是正しようとして厚生労働省内そして厚生局に言ったのであれば、どういう内容でどう改善されたかをやっぱり知るべきだと思うんですが、本当に把握していないんでしょうか。
  76. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 中断のお話の前に、先ほどの研修でございますけれども先生指摘のように、指導医療官もこれは一生懸命働いていることは事実でございます。その上で、最新の医療の動向、こういうものを御指摘のようにきちんと研修に反映させてまいりたいと思います。  それからもう一つ、大きな政策の方向で、やはり口腔機能だとか地域包括ケアでありますとか、あるいは医科歯科連携というのも大変重要でございますので、そうした新しい政策の動向についてもきちんと研修の講義の中に盛り込みたいと考えております。  その上で、中断の状況でございますけれども、毎回お話し申しておりますけれども、中断が長期化することは大変望ましくないことでございますので、先日の御質疑を受けまして、私どもの方から、各厚生局につきまして中断の早期解消、原因も十分把握した上で、そういうことを指示したところでございます。  そして、御指摘のとおり、個別事例に関わりますので何件というふうにちょっと言いにくいところがございますけれども、確かに東京などの大都市で多い傾向があるのは事実でございます。これは医療機関の件数なども関連していると思います。その上で、中断の解消状況については、先生の御指摘にもございますので、どういうふうに個別ケースに触れないような形で表現できるかについてはちょっと検討させていただきたいと考えております。
  77. 西村まさみ

    西村まさみ君 是非とも、例えば何%、全体の数を言わなくても、全体の何%は再開をいたしましたとか、そういう数字であれば、個人情報であるとか様々なことが分かるわけではないので、そういった数字で構いませんから、是非とも、改善されているのであれば、これはせっかく厚生労働省としては様々な要望を聞いて是正をしようとした表れだと思いますから、お願いをしたいと思います。  大臣、私はここずっとこの指導について、とりわけ毎回大臣にお尋ねするのは、愛媛県は大変厳しい状況にある県のうちの一つだということを言いました。やはり何度も言いますが、二十年たっても変わらない指導大綱の在り方とか、そしてもうそろそろ変わっている、細かい内容のことも説明をさせていただきました。ここはやはり大臣の強いリーダーシップで、医療従事者が適切な適正な良質な医療の提供をするためにはやはり見直しが必要だということで、先頭を切って、よしやるぞということを言っていただきたいと思うんですが、大臣、どうでしょう。
  78. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 先生指摘の私の愛媛県の状況はいろいろ私も歯科医師先生方から聞いております。この九月の終わりの方にデンタルミーティングというのが去年に引き続いてあるようでございまして、そういった現状についての説明と、言ってみれば御意見を頂戴する機会をいただくんだろうというふうに思いますけれども。  この間も申し上げたとおり、先生から四月には四点の御提案があり、この間もまた新たな提案も頂戴をしたというふうに理解をしておりますが、いずれにしても、私どもにとって大事なことは、地域での歯科医療がやはりモラルの高い、モラールの高いというか、士気の高い先生方によって提供されるということが大事であって、その言ってみれば意欲をそぐようなことは好ましくないと思いますし、今中断の話がありましたが、かなり精神的にもプレッシャーを感じておられる方もおられるということで先生指摘をいただいたわけでありますので、そういうことがないようにしながら、しかし保険でありますから、そこは適切な保険医療が行われるようにするということは確保しながら、しかし原点は、やはり意欲のある医療人が患者をしっかりと診ていただいて、地域医療が皆さんに納得していただく、それは医療を受ける方も医療を提供する方も納得できるような形になることが大事だということで、こういった具体的な提案を受けながら、ベストな道を選び続けていきたいというふうに思っております。
  79. 西村まさみ

    西村まさみ君 物事の解釈はそれぞれ違うと思います。私は、今の大臣答弁は、是非前向きに検討をして、受ける側も与える側もそれぞれいいように進めていきたいと前向きな御答弁をいただけたと信じまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  80. 川田龍平

    川田龍平君 維新の党の川田龍平です。  まず、先週の水害被害に遭われた皆様、そして今も噴火によって口永良部島の住民の皆さんも避難が続いておりますし、そして阿蘇山の噴火、さらには、先週岩手県に行ってまいりましたけれども、いまだに岩手県では仮設住宅暮らしが続いているという状況で、本当に、災害の被災者の皆さんにまずお見舞いを申し上げます。  そして、この法案の審議に先立ちまして質問の順番を変えさせていただきますが、一番最後に用意をしておりましたマイナンバー制度について、これが十月一日から制度が始まります。他方、六月三十日に閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一五において、マイナンバー制度のインフラを活用し、医療等分野における番号制度を導入するとあります。この医療分野の個人番号制度はマイナンバーとひも付けられるのでしょうか。
  81. 安藤英作

    政府参考人(安藤英作君) お答え申し上げます。  お尋ねの医療等分野で用います番号につきましては、セキュリティーの徹底的な確保を図りつつ、マイナンバー制度のインフラを活用して安全で効率的な仕組みの検討を進めていくということにしてございます。具体的な制度設計につきましては本年末までに一定の結論を得ることといたしておりまして、今後、医療関係者や保険者等と協議しながら検討を進めていきたいと考えてございます。
  82. 川田龍平

    川田龍平君 これは、検査を受けた履歴や投薬履歴、また通院履歴などが漏れてしまえば、例えばHIV感染の有無などが、極めてプライベートな個人情報が知られてしまいます。このカードをなくしたりとか、そういったこともありますし、医療分野の個人番号割当てに当たっては国民一人一人の選択制とすべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  83. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 医療機関の間での医療情報の連携などに用いる医療等分野の番号でございますけれども、これにつきましては、セキュリティーの徹底的な確保を図りつつ、マイナンバー制度の、今お話がございましたとおり、インフラを活用した安全で効率的な仕組みを検討していくこととしているわけでございます。  昨年、医療関係者や保険者など有識者が参加をいたしました厚生労働省研究会の議論では、医療等分野の番号は、本人の同意の下で希望する患者が選択して持つ仕組みを検討する必要がある、そして他方で、同じ番号を複数の患者が持つことのないように、マイナンバー制度のインフラの活用をした安全で効率的な仕組みを検討する必要があるという意見がございました。  こうした医療関係者や保険者などの意見も参考にしながら、安全で効率的な仕組みについて関係者と協議をしながら検討を進めていかなければならないと思っておりますし、基本は、やはり医療情報はすぐれて個人情報として大事にしなければいけない最たる例ではないかというふうに思いますので、心して臨んでまいりたいというふうに思います。
  84. 川田龍平

    川田龍平君 これは符号であろうとも番号であろうとも、本人が希望しないにもかかわらず個人に一つだけのものを医療機関にあらかじめ伝えていくようなやり方であるならば、たとえ本人に知らせないといっても、強制的に割り当てるのと一緒です。どうしてもその方法を取るのであれば、少なくともマイナンバーとのひも付けは個人の選択制とすべきと考えますが、審議官、いかがでしょうか。
  85. 安藤英作

    政府参考人(安藤英作君) 繰り返しでございますけれども、具体的な制度設計につきましては本年末までに一定の結論を得るということで、医療関係者等としっかりと協議をしていきたいと存じます。先生が御懸念をお持ちの個人情報の保護や、それからセキュリティーの徹底的な確保につきましては最重要と考えてございますので、そういったことも十分念頭に置きながら検討してまいります。
  86. 川田龍平

    川田龍平君 HIV感染など、個人情報、本当に漏れないようにということをくれぐれも是非よろしくお願いいたします。  それでは、法案の質問に入らせていただきます。  地域医療連携推進法人は、元々規制改革会議に端を発する社会福祉法人改革の中で出てきたもので、二〇一三年の八月の社会保障制度改革国民会議において提唱された非営利ホールディングカンパニー法人が原型と承知しております。この非営利ホールディングカンパニー法人の構想と、今回創設される地域医療連携推進法人、どこがどう違うのかの説明を願います。
  87. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 社会保障制度改革国民会議報告書におきましては、機能の分化、連携推進に資するよう、例えばホールディングカンパニーの枠組みのようなことができる道を開くための制度改正を検討する必要があると、こういったことでございまして、医療機関機能の分化、連携推進を図ろうと、こういった目的であったというふうに承知をしてございます。  ただいま提案をしております地域医療連携推進法人におきましても、地域において質が高く効率的な医療提供体制確保するため、地域医療機関相互間の機能分担業務連携推進し、地域医療構想を達成するための一つの選択肢として創設するものということでございまして、医療機関の再編統合を直接の目的として提案しているものではございません。
  88. 川田龍平

    川田龍平君 それでは、この地域医療連携推進法人は、規制改革会議などで議論されてきた構想とは全く異なるものと理解してよろしいのでしょうか。
  89. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 社会保障国民会議報告書規定されましたことを契機といたしまして検討を開始をし、私ども検討会においても検討をしてこういった形で提案をさせていただいているものというふうに承知をしております。
  90. 川田龍平

    川田龍平君 規制改革会議議論されてきた構想とは別物かということで聞いているんですが、これ、関係がもしあるのであれば、規制改革会議議論のどこが生かされているのかを端的にお答えください。
  91. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 今回の地域医療連携推進法人制度の検討のきっかけとなりましたのは、平成二十五年八月の社会保障制度改革国民会議報告書、これをきっかけとして検討を行い始めたものでございますので、規制改革との関係におきまして検討をしたものではないというふうに承知をしております。
  92. 川田龍平

    川田龍平君 じゃ、全く別物だということでよろしいですね。  それから次に、地域医療連携推進法人は、地域包括ケアの関連した事業を行う株式会社への出資、法の七十条の八の第二項は可能であるが、参加法人である医療法人等意思決定を支配するための出資を行うことはできないと理解してよろしいでしょうか。
  93. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人は、法人業務と関連する事業を行う株式会社に対する出資を一〇〇%出資限定をして可能とするというふうにしておるわけでございまして、当該株式会社意思決定につきましては地域医療連携推進法人の方が決定できる、こういう仕組みでございます。  一方、地域医療連携推進法人参加法人の方につきましては、あくまで非営利法人限定しておりますので、地域医療連携推進法人の側が参加法人に対して御指摘のような出資、これを行うことはできないということでございます。
  94. 川田龍平

    川田龍平君 これは、大臣、この法人制度の創設が病院を投資先とする不動産投資信託、ヘルスケアREITと相まって、いわゆる医療営利化を進め、米国など民間資本流入の糸口になるのではないかとの懸念についての大臣の見解を伺います。
  95. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今回御提起申し上げている地域医療連携推進法人制度というのは、地域医療機関を開設する複数の法人医療機能分担及び業務連携推進するというものでございますので、これに参加する法人についても非営利性を堅持することが求められているということは申し上げているとおりでございますし、営利法人参加をできませんし、医療に関する業務意思決定営利法人が関与するようなことはないということであります。  このため、御指摘のように、今回の地域医療連携推進法人制度の創設をきっかけとして、例えば外国の投資家などが、言ってみれば、外国と言ってもいろいろあるとは思いますが、営利目的とするものが医療に関する業務に参画をして医療の非営利性確保されなくなるおそれはないというふうに思っております。  今お話がありましたヘルスケアREITでありますけれども、これについては、本年六月に国土交通省を中心にして、厚生労働省も関与をしながら「病院不動産を対象とするリートに係るガイドライン」というのを作りました。この中で、借料を医療機関の収入の一定割合とする、これは医療機関の収入が増えると借料が増えるといったような、一定割合とするという、オートマチックに増えていくような、そういうことを禁止をするなどを明記をしておりまして、ヘルスケアREITを活用するに当たっても医療の非営利性確保の徹底を求めておりまして、今回の地域医療連携推進法人制度の創設が営利目的とするものの参画を促進するようなものではないというふうに考えております。
  96. 川田龍平

    川田龍平君 先ほど答弁でもちょっと触れたんですけれども、仮に米国などから大量の民間資本がこの国の医療に流入してきた場合、地域医療構想地域包括ケアに大きな影響が出て、今後、医療の非営利性確保されなくなるというおそれがあるのではないかと考えますが、これについて大臣の見解を伺います。
  97. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) これは先ほども答弁申し上げたとおりでありまして、参画する法人については非営利を堅持するということが大前提でございますし、ましてや営利法人医療に関する業務意思決定に関与するということもないということでございます。  もちろん、外資が全て悪いということもなく、もちろん国内にもいろんな方がおられるわけでありますので、我々にとって大事なのは、非営利性ということが大事なのであって、今回の地域医療連携推進法人の創設をきっかけとして、営利目的とするものが医療に関する業務に参画をして医療の非営利性確保されなくなるということはあってはなりませんし、そういうおそれはないとこの制度では我々は考えております。
  98. 川田龍平

    川田龍平君 この医療法人の関係で、七月の当委員会で私が、東京都内の複数の福祉事務所において、ある医療法人から相談支援員が派遣され、自分の精神科クリニックに誘導して、生活保護費も医療法人が管理している問題を取り上げました。  問題となっている都内の医療法人は、同じ理事長がもう一つ医療法人を持っており、グループ傘下の都内四つの精神科クリニックで年間二十六億円の事業収益が上がっています。このグループには理事長本人や家族が経営に参画する営利法人が含まれており、以前にも指摘したとおり、派遣や請負という形で医療法人業務を実質的に支えているようです。  これは医政局で出している医療機関の非営利性確保するための通知に反していないでしょうか。
  99. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 医療法人におきましては、医療法第五十四条におきまして、「剰余金の配当をしてはならない。」と、こういった規定があるわけでございます。これが医療法人の非営利性を担保する規定でございます。  そういったこの五十四条の規定趣旨に鑑みますと、医療機関と利害関係のある営利法人の役職員を兼務するということは、医療法五十四条の趣旨に反するものというふうに考えておりまして、医療法人の非営利性に反するおそれがあるといったことから、各都道府県におきましては、原則として認められないといった形での指導をしていただいているところでございます。
  100. 川田龍平

    川田龍平君 一方、生活保護行政の適正化については、保護課が八月初旬に全国に通知を出し、都も立入調査、指導を行ったと聞いています。  精神障害者の生活保護費を福祉事務所が現金書留で通院先の医療法人に送っていたことについては改善が見られているのでしょうか。
  101. 鈴木俊彦

    政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま御指摘のあった事案につきまして、東京都が関係の特別区に対しまして指導、検査を実施したところでございます。その結果、通院先の医療機関気付で現金書留によって送付しているという事案が確認をされております。  これを踏まえまして、東京都からその特別区に対しまして、保護費の支給に当たっては、被保護者が金銭管理を委託している場合であっても、確実に被保護者本人に支給されることを確認するとともに、金銭管理契約の内容を挙証資料により把握する、こういった改善勧告を行っているところでございます。そしてまた、これに基づく改善報告書の提出を九月二十四日を期限として求めております。  したがいまして、私どもといたしましても、今後提出される改善報告書の内容、そして東京都の対応を踏まえまして、引き続き適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  102. 川田龍平

    川田龍平君 ありがとうございます。  次に、いまだに生保の窓口に医療法人からの相談支援員が派遣されているのはなぜでしょうか。我田引水的に自らのクリニックに誘導している実態というのは、これ改善したのでしょうか。
  103. 鈴木俊彦

    政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘ございました支援員が受診誘導をしているということに関しまして、東京都を通じまして私どもも事実確認を行いました。  そうしましたところ、支援員による受診勧奨によりましてそのクリニックを受診をしている患者さんがいらっしゃいまして、その全ケースにつきまして医療上の必要性があるのかないのかというのをチェックをいたしましたところ、医療上の必要性はあるということが認められました。ただ一方で、福祉事務所が文書指示をしておりますけれども、その中で、理由を明らかにしないままそのクリニックに受診をするようにというような指示が行われていたことも確認されたわけでございます。  そこで、こういった支援員、それから福祉事務所双方におきまして不適切な受診誘導が生じさせないということが大変重要でございますので、今先生指摘ありましたように、全国の自治体宛てに通知を発出しております。  具体的には、受診勧奨を行う際には、客観的かつ合理的な根拠に基づいて医療機関を提示すること、そして特定の医療機関への受診が保護の要件であるかのような説明は行わないこと、こういったものについて周知を行っております。  これを受けまして、東京都については、この通知を踏まえまして、支援員の委託を行っております大田区、江戸川区、港区の三区に対しまして適切な対応をするようにという指示を行ったところでございます。また、東京都自身が連絡会議を主催しておりまして、その中で支援員等に対しまして受診勧奨を行う際に留意すべき点を指示するといったようなことで、不適切な受診誘導が行われないように徹底をしているものというふうに承知をいたしております。  先ほど申しましたように、改善報告書の提出も求めておりますので、こういったものを踏まえまして、私ども、引き続き適切な対応を図ってまいりたいと思っております。
  104. 川田龍平

    川田龍平君 今答弁いただきましたけれども、報道されております都内の三つの区を含め、健康管理支援事業で精神保健福祉士を業務委託している東京都九区三市、そして北海道と富山県の一市、福岡県の二市において同様の不適切な囲い込みが起きていないか、実態を把握までしましたでしょうか。
  105. 鈴木俊彦

    政府参考人(鈴木俊彦君) 御指摘の事案を受けまして、私ども支援員が業務委託先など関連する医療機関への受診を誘導していないかどうか、これ、今御指摘ございました自治体も含めまして全自治体に対して調査を行いました。その結果、問題のある自治体は確認されなかったと、こういうことでございます。
  106. 川田龍平

    川田龍平君 私は、生活保護の行政と、それから精神科通院医療の問題というのはかなり根深い問題だと思います。引き続きしっかり注視していきたいと思います。  大臣、これについて一言何かございませんでしょうか。済みません、通告していませんが。
  107. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今回、都内で発覚した事案については、悪質な事案でございますし、こういうことがあってはならないわけでありますので、生活保護を言ってみれば食い物にするようなことは許されないわけで、何よりもお一人お一人の障害者の皆さん方の暮らしをしっかりと守ることが大事なので、こういうことについてはこれまで以上に注視をしていきたいというふうに思います。
  108. 川田龍平

    川田龍平君 是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  109. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時八分休憩      ─────・─────    午後一時十分開会
  110. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、江崎孝君及び川田龍平君が委員辞任され、その補欠として野田国義君及び寺田典城君が選任されました。     ─────────────
  111. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 休憩前に引き続き、医療法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  112. 長沢広明

    ○長沢広明君 公明党の長沢広明です。  通告しておりませんが、冒頭、私の方から少し要請だけさせていただきたいと思います。災害対応の問題です。  先週、豪雨災害等、大規模な災害が起きております。また、火山の噴火も引き続き起きておりまして、こうした災害に対する対応を政府を挙げてしっかり取り組んでもらいたいと思います。  栃木、茨城、宮城の特に豪雨災害につきましては、このうち私も、先週木曜日のこの委員会が終わった後すぐ、茨城の鬼怒川の堤防決壊現場に行かせていただきました。現地で永岡大臣ともお会いをいたしまして、現地の声を伺ってまいりました。避難所も行かせていただき、地元の、常総市の市長とも、短時間ですけれども、御要望をいただいてまいりました。  その上で、例えば、あのときは、避難所と避難所の間の道路が冠水していてなかなか連携がうまくいかない、市役所も周りが冠水しておりまして、市役所がいわゆる孤立状態になってしまうという、支援物資がうまく回らないという大変厳しい状況にありました。様々な、自衛隊、消防、警察を始め皆さんの応援をいただいて復旧復興を進めておりますけれども、今も行方不明者の捜索、いまだに続いております。  そういう当面の災害対応を当然そこはしっかりやっていただいて、その上で、やはり住まいが流されている方が多数いらっしゃいます。そういうことを考えますと、今の避難所にいつまでもいられるわけではないと思います。したがって、住まいの確保、それから仕事の問題、これから生活再建という具体的な問題が浮かび上がってまいります。  例えば、一時身を寄せる住まいが必要になりますので、雇用促進住宅をうまく活用していただくというようなことも含めて、これは厚生労働省で対応していただくことが多数出てくると思います。あるいは、仕事の問題、今後の生活再建、こういうことも中長期的に視野に入れて今後の災害対応を進めていただきたいと思いますし、厚生労働省としてできることはしっかりと早急に手を打って対応していただきたいということをまずもって要望をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  その上で、医療法改正質疑に入りたいと思います。  この内容は、地域医療連携推進法人制度の創設と、それから医療法人制度の見直し、この二つの柱でございますので、この二つの柱について必要な部分、少し確認をさせていただきたいと思っております。  まず地域医療連携推進法人制度の創設ですけれども日本医療提供体制は、例えば大都市部では過度に競争している地域がある、その一方で、地方では医療供給が不足する状況にもある、こういう地域医療の現状は非常に厳しい状況にあるわけです。そして現在、将来の医療需要に対して適切に対応できるように、各都道府県地域医療構想を策定しているという段階であると承知をしております。  平成二十六年六月二十四日に閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一四、この中で、複数の医療法人社会福祉法人等社員総会等を通じて統括し、一体的な経営を可能とする非営利ホールディングカンパニー型法人制度、仮称ですけれども、それを創設することとされております。  そこで、冒頭、大臣に確認をさせていただきますが、今般なぜ地域医療連携推進法人制度を創設するのか、この制度創設の趣旨について分かりやすく御説明をいただきたいと思います。
  113. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 急速に高齢化が進展をしているわけでありますけれども患者の状態に応じた適切な医療を効率的に提供して、住み慣れた地域で、それぞれの地域で継続して生活ができるようにということ、医療機関機能分担連携を進めて地域医療構想を達成することや、あるいは地域包括ケアシステムを構築することが今喫緊の課題として、それぞれの地域都道府県を中心に関係医療機関等々、今御尽力をいただいているわけであります。  こうした中で、競争よりも協調を進めて、地域において質が高く効率的な医療供給体制確保するために、医療機関機能分担そして連携に資するように、地域医療構想を達成するための一つの選択肢として今回の地域医療連携推進法人制度を設けるものでございます。
  114. 長沢広明

    ○長沢広明君 今ありましたとおり、地域医療の将来を見据えて策定される地域医療構想の実現、そして今進めている地域包括ケアシステムの構築、こういうことに資するために選択肢として増えると。選択肢が増える、これは大変重要なことだと思いますし、早急に制度整備を進めるべきものと考えます。  日本医療提供体制は、地域における医療機関の役割分担がまだまだ不明確な部分がある、医療機能や診療科の重複が多いということも含めて非効率であるというふうに指摘をされております。高齢化の進展に伴って増える医療需要に対応するために、地域においては医療機能の分化と連携を進め、医療資源を効率的に投入しなければなりません。  では、この地域医療連携推進法人制度医療法人などの連携を促す新たな仕組みということですけれども、具体的にどういう仕組みというふうに説明をされるか、どういう業務を行うのか、具体的に説明を願いたいと思います。
  115. 橋本岳

    大臣政務官(橋本岳君) 地域医療連携推進法人制度は、今大臣答弁されましたように、地域医療構想を達成するための一つの選択肢ということで今回御提案をしているわけでございますけれども、具体的には、複数の医療法人等が一般社団法人である地域医療連携推進法人社員となり、そのグループの統一的な方針の下、人、物、金、いわゆる経営資源という言い方もよくされますけれども、そうしたものを一体的に運営を行うことによって、地域において良質かつ適切な医療を効率的に提供するような仕組みでございます。  地域医療連携推進法人の主たる業務は、参加法人における統一的な医療連携推進方針をまず決めていただくということ、そして、それに基づいてそのほかの業務として、医薬品、医療機器等の共同購入、医療従事者の共同研修、グループ全体におけるキャリアパスの構築、参加法人への資金付け等を実施できることとしております。
  116. 長沢広明

    ○長沢広明君 グループの統一的な方針の決定、そしてグループの一体的運営、これによって地域の限られた医療資源の有効利用を図る制度として地域医療充実に役立つ制度を目指すと、こういうことでございます。  しかしながら、この運用次第では大規模化という問題が生じます。単なる大規模化ということを推進するのでは医療営利化につながる可能性がある、弊害もあると、こういう指摘も出されているところであります。  そこで、地域医療連携推進法人制度地域医療充実に資する制度というふうにするために、大規模にしない、広範囲にしないという意味では、事業範囲を一定範囲に限定するということも考え方の一つだと思います。地域医療連携推進法人事業範囲、これをどのように考えているか、御説明いただきたいと思います。
  117. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 先生指摘のとおり、地域医療連携推進法人地域医療構想を達成するための一つの選択肢として提案をしているものでございます。したがいまして、地域医療機関機能分担業務連携推進することを目的としておるわけでございますので、地域医療連携推進法人業務範囲、法律上でいいますと医療連携推進区域と申しますけれども、その区域は地域医療構想の構想区域を考慮して定めていただくと、こういうふうに規定をしておるわけでございます。  地域医療構想の構想区域は原則として二次医療圏ですけれども、二次医療圏では広過ぎる場所もございますので、今後、都道府県におきまして現実の実態に合うような区域が定められるものというふうに承知をしてございます。  また、反対に、地域患者の皆様が受診する医療機関が必ず構想区域とぴたっと一致するとは限りませんので、地理的状況、交通事情、医療機関の所在地等の影響で構想区域よりも広範囲に及ぶ場合も場合によってはあるでしょうし、あるいはそれの一部の区域になるというようなケースもあろうかと思います。  そういうふうに構想区域と一致しない場合におきましても、地域医療構想との整合性に十分配慮していただいた上で、この連携法人業務範囲になります連携推進区域、これを定めていただくということにしておるところでございます。
  118. 長沢広明

    ○長沢広明君 地域医療構想との整合性、これがまず第一に大事であると。それに基づいていわゆる地域医療構想区域、これを考慮して事業範囲というかその法人の範囲を決定する、こういう考え方でありますので、この区域の中においては医療提供体制をそこの中で充実していくという効果が期待されるわけでございます。  ただ、一方で、この地域医療連携推進法人を設立することによって、これに参加する医療法人にとってはどういうメリットがあるか、どういう効果があるか、この点について御説明いただきたいと思います。
  119. 橋本岳

    大臣政務官(橋本岳君) 参加法人は、切れ目のない医療を継続して提供するための統一的な方針を持っていただくということは先ほど申し上げました。その方針の下で、地域医療機関の役割分担とか連携を進めることができるようになるんだろうと、より今よりできるようになるんだろうと思います。そういう意味で、患者の紹介、逆紹介や病院と在宅医療機関との連携を今よりもよりスムーズに進めることができるようになるのではないかということを期待しているところでございます。  こうした取組を推進するため、今回の法案では、参加法人間において地域医療構想の達成に必要な病床融通資金融通を可能とする、あるいは関連事業への出資を可能とする等の仕組みも設けているところでございます。  また、参加法人間の一体的運営が確保されることを通じまして、共同購入によるスケールメリットだとか医療機器の共同利用による資産の有効活用でありますとか、人事の一元化による人員の適正配置などが図られまして、経営効率の向上が期待できると考えております。  さらに、地域医療連携推進法人参加病院である旨のロゴマークの掲示や広告などをすることによりまして、グループ全体として例えば安心できる医療をしていますとか、そういうような形になるような、地域住民に認知されるための仕組みを設け、患者や住民の信頼を得ることを目指すものでもございます。
  120. 長沢広明

    ○長沢広明君 参加する法人にとっても、例えば共同購入、共同利用、そういうような形で様々なメリットもあると。もちろん最大の目的は、医療機関相互機能分担、そして業務連携、これを推進していくということでございますけれども参加する法人にもメリットのある制度であると。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕  ただ、医療の問題ですから、医療を提供する側にとってメリットがあるということだけではなく、当然、医療を受ける患者の側のメリットが大事です。患者にとっては、地域において患者が安心できる医療をしっかり提供できる体制整備がまず第一に必要でありますので、今回の法人制度をつくることによって医療を受ける立場の患者の側にはどういうメリットがあるか、御説明いただきたいと思います。
  121. 橋本岳

    大臣政務官(橋本岳君) 地域の住民の方の具体的なメリットということでございますけれども、例えばグループ病院の特徴ということを生かしていただいて、そのグループ内の専門病院の紹介等を可能とする、グループとしての安心感とか信頼感を向上させるということ、あるいは、カルテの統一化による重複検査の省略、医療従事者の共同研修による医療の質の向上、救急時の円滑な受入れなどが今よりも円滑にできるようになるだろうというふうに考えておりまして、患者さんにとってそれぞれの状態に応じた適切な医療を受けることが今よりももっとやりやすくなる、そうしたことで地域医療充実、効率化が期待されるということであろうと思っております。
  122. 長沢広明

    ○長沢広明君 地域医療連携推進法人設立が法人にとってのメリットもあり、患者にとってのメリットもあるということです。  地域医療連携推進法人制度地域医療充実に資するために、この制度地域で信頼される制度になるということが大事だと思います。ある地域において、地域医療連携推進法人参加している医療機関であることが明示されて、それで患者が安心する、ここだったらと、こういうふうにつながった方がいいと思うんですね。  そこで、地域の住民の方々から地域医療連携推進法人の一員であると認知されるような仕組み、こんなことを考えているでしょうか。お願いします。
  123. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 先生指摘のとおり、地域医療連携推進法人は、地域医療機関相互間の機能分担連携推進し、地域において質が高く効率的な医療提供体制確保することを目的としているものでございますから、地域住民から認知されることが大変重要となるわけでございます。  この法律におきましては、具体的には地域医療連携推進法人参加病院であるという旨の、法律上は標章というふうに規定してございますけれども、いわゆるロゴマーク、そういったようなものを義務付けるというふうにしてございますし、また、参加しているということは広告規制の中でいえば広告できる方に入れるということにしておるわけでございます。  また、都道府県の方といたしましても、地域医療連携推進法人を認定した際はその旨を公示をするといったことも法律規定をしておりまして、そういったことを通じまして地域住民から認知されるようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  124. 長沢広明

    ○長沢広明君 今ありましたとおり、都道府県知事による認定や監督ということも一つ大きなポイントです。  さらに、より適切に地域医療充実に資するというふうにしていくためには、地域関係者意見地域連携推進法人に反映されると。法人だけではなくて、やはり地域医療をしっかり守っていくという意味地域関係者意見を反映させるということが必要だと思いますので、この法人制度の中に地域関係者意見を取り入れる仕組み、これをつくるべきだというふうに思っておりますが、これは法案の中にどういう形になっているでしょうか。確認します。
  125. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人は、ただいま申し上げましたように、地域において質が高く効率的な医療体制確保することを目的としているものでございますので、患者あるいは関係団体、学識経験者等の地域関係者意見を十分に取り入れることが必要であるというふうに考えるところでございます。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕  今回の法案におきましては、具体的には、こういった患者、関係団体、学識経験者等の地域関係者、こういった人を理事へ一名以上必ず任命することということが一点、それからもう一つ、こういった地域関係者で構成する地域医療連携推進評議会、この法人の内部に必ずこういう組織を設けるということが法律規定されてございます。  この評議会におきましては、法人運営に対しまして意見具申をするということができるようになっておりますし、法人のサイドはその意見を尊重するということが規定されておるわけでございます。  また、あわせまして、実際に法人運営をした後の評価の実施、それから評価の結果の公表、そういったことも法律規定しておりまして、こういった仕組みによりまして地域関係者意見法人運営に反映するといった仕組み法律規定しているものでございます。
  126. 長沢広明

    ○長沢広明君 地域意見を反映するというのは大変大事なことだと思いますし、それによって地域による目、監視ということではないですけれども、やっぱり評価につながっていくものができてくる、それは非常に大事なことで、運営についての適正性を確保する、そういうことにもつながっていくというふうに思います。  地域医療連携推進法人の主たる業務、これは先ほど御説明あったとおり、統一的な方針の決定というふうになっておりますけれども、統一的な方針の決定というのがちょっとよく分からないので、具体的にどういう内容を決定するのか、確認させてもらいたいと思います。
  127. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人業務を行うに当たりましては、まず医療連携推進方針を定めるというふうになっておりまして、その内容といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたように、この連携推進法人医療連携推進区域、区域はどういった範囲であるかということをまず定めるということになります。  それから、医療機関相互間の機能分担とか業務連携に関してどういったことを行っていくのか、またその目標はどうするのか、そういったことを具体的に定めていただくということ、この二点につきましては必須事項ということでございます。  それからさらに、あわせまして、介護事業その他の地域包括ケア推進に資する事業を併せて行うといったケースも当然考えられるわけでございまして、そういった事業を行う場合には、それについて具体的にどういったことをするかということを記載していただくことが必要でございます。あわせて、共通業務とか管理業務に関する事項も記載していただくことが考えられるというふうに思っております。  具体的にどういった連携内容をするかというのは、それぞれの法人におきましてどういった部分をやるか、また、そういった部分をできるだけ拡大をして連携をより一層進めていただくわけでございますけれども、例えば、簡単な例でいえば、医薬品、医療機器の共同購入をする、そういったところから始めていくといったこともありましょうし、それから、医療従事者の共同研修をやるんだと、それをどういった方針の下でやっていくのかということをこの方針で定めていただくとか、それから、グループ全体における医療従事者等のキャリアパスをどういうふうに構築していくか、そういった基本方針をこういったところで定めていただくこともあると思います。  それから、参加法人に対していろんな医療機関がその整備をしていくといったようなこともあるわけでございまして、そういったことにつきまして、そういったケースについての資金付け考え方はどういうふうにしていくのかとか、そういったことを方針として定めておくと。そういった基本方針に基づきまして具体的な業務を執り行っていくと、こういったものが想定されるわけでございます。
  128. 長沢広明

    ○長沢広明君 参加法人が、それぞれの意見がどう反映されていくかということも大変大事ですし、医療法人には、大規模な医療法人もあれば中小規模の医療法人もあります。この地域医療連携推進法人という中に、その法人の中にいろんな大小様々な法人参加した場合、やはりどうしても、その中でも大規模な法人意見が特に強く反映されてしまって、中小規模の法人意見がなかなか反映されないというようなことがあると、やや運営自体にひずみが出てくる危険性があるというふうに思います。  特定の法人意見のみが反映されるというような懸念は払拭する必要があるので、中小規模の参加法人意見がしっかり取り入れられていくように、あらかじめそういう仕組みをつくっておいた方がいいというふうに思いますが、その点についてどうお考えでしょうか。
  129. 橋本岳

    大臣政務官(橋本岳君) 地域医療連携推進法人は、地域医療機関相互間の機能分担業務連携推進することを目的としております。今御議論いただいているような医療連携推進方針を策定をするわけですが、当然ながら参加法人意見法人運営に反映されることが必要でございます。その際には、御指摘をいただきましたように、大規模法人だけではなくて、当然、中小規模の法人の御意見もきちんと踏まえて反映をされるということが重要であろうというふうに考えております。  それを具体的にどのようにしていくのかということでございますが、参加法人社員となって地域医療連携推進法人意思決定に関与をすること、そして社員議決権は原則として一社員議決権であること、大小にかかわらず原則として一社員議決権であるということですね。そして、原則ということになっておりますが、その社員議決権の例外は、地域医療機関連携を図るという地域医療連携推進法人目的に照らし合理的と認められる場合に限られるということ、また、仮に議決権の例外を定める場合においても、社員総会の決議等が必要であることなどによってその議決権についてきちんと中小の参加者も反映できるということをできるだけ担保したいということになっているわけでございます。  また、さらにその上で、地域医療連携推進法人の運営に当たっては、法人内に地域関係者で構成する地域医療連携推進評議会を設置をすることになっておりまして、透明性の確保がそこでも図られておりますので、大きなところの意見ばかりが反映をされるというようなことにならないような仕組みということになっておりまして、中小規模の参加法人意見もきちんと法人運営に反映するような運営になるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
  130. 長沢広明

    ○長沢広明君 先ほど参加法人のメリットを確認させてもらいましたので、こういう中小規模の法人にこそ参加法人のメリットが及ぶようにしっかり監視をしていただきたいというふうに思います。  次に、医療法人制度の見直しについて、残りの時間確認したいと思います。  今まで医療法では、経営の規模というものは余りしんしゃくされていない、小規模な医療法人にも大規模な医療法人にも基本的に同一の規制がなされておりまして、とりわけ大規模医療法人についてはその中でも経営の透明性の確保が不十分ではないか、こういう指摘がされてまいりました。  そこで、社会的に影響が大きい一定規模以上の医療法人に外部監査等を義務付けることによって、医療法人の経営の透明化、適正化を図る、地域医療の重要な担い手である医療法人について、より適切な運営がなされるようなそういう制度とすること、これは大変重要なことであるというふうに認識をしております。  改めて、医療法人制度の見直しについて、制度見直しの趣旨を確認させていただきたいと思います。
  131. 永岡桂子

    ○副大臣永岡桂子君) なぜ医療法人制度の見直しを行うかという御質問でございました。  医療法人の経営の透明化そしてガバナンス確保につきましては、実は昨年の六月に規制改革実施計画におきまして、社会的に影響が大きい一定規模以上の医療法人につきまして外部監査を義務付ける、そして理事長等につきまして、忠実義務また損害賠償責任等を課しまして、責任範囲等を明確化すること等につきまして検討を行うとされました。また、昨年成立いたしました医療介護総合確保推進法案に対します附帯決議におきまして、一定規模以上の医療法人の計算書類について公告を義務化することについて検討するということになっております。  こうした御指摘を踏まえまして、厚生労働省におきまして、医療法人事業展開等に関します検討会を開催いたしまして議論を行い、医療法人については、健全かつ適切に業務運営が行われるためには、医療法人の経営の透明性の確保ガバナンスの強化に関する制度改革を行うこととしたものでございます。
  132. 長沢広明

    ○長沢広明君 今ありましたとおり、経営の透明性を確保するということに加えて、これまで医療法人と密接な関係を有しているメディカルサービス法人、こうしたものとの関係の透明化、あるいは医療法人における理事長とか理事の責任の在り方、こうしたガバナンスの強化ということも課題であるという今お話でございました。  じゃ、どのようにして医療法人の経営の透明化、適正化を進めるのか。医療法人制度の見直しの具体的な内容と、特に一定規模以上の医療法人についてというその基準はどう考えるか、他の法人の基準はどうなっているのかも含めて説明いただきたいと思います。
  133. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 今回の医療法人の経営の透明化、適正化の内容といたしましては、大きく三つあろうかと思います。  まず一点目は、社会的に影響が大きい一定規模以上の医療法人について外部監査等を導入する、これが一点目でございます。二点目は、医療法人の役員と特殊な関係がある事業者の取引状況につきまして都道府県の方に報告をいただく、そういった制度の創設、これが二点目でございます。三つ目は、医療法人に対する医療法人理事の忠実義務、こういった規定を整備する、これが三つ目でございます。  後の方の二つにつきましては、全ての医療法人に対するものとして規定をしてございます。  それから、外部監査等の導入につきましては一定規模以上のものというふうになってございまして、具体的には今後厚生労働省令で定めるというふうになるわけでございますけれども、この点につきましては、検討会を行いました際の留意点といたしましては、債権者保護の観点から、その医療法人の有している負債額、それから医療サービスの提供量の観点から事業収益額、そういったものを基準として検討をすべきだというふうになってございまして、そういったことを踏まえて考えたいというふうに思っているわけでございます。また、具体的な負債額、事業収益額につきましては、小規模医療法人の負担といったことについても配慮する必要があるといったことは検討会でも議論されたところでございます。  関連の、他の類似の法人で申し上げますと、公益社団法人、財団法人では負債額が五十億円以上というふうになってございます。また、社会福祉法人におきましては、収益十億円以上あるいは負債額二十億円以上が適当とする議論、提言が行われているということも承知をしております。  ただ、これらの法人医療法人に比べまして公益性が特に高いということで税法上も非課税法人とされている、一方は、医療法人の方は課税法人というふうになっていると。そういった差異もあるわけでございまして、その点も十分踏まえながら今後総合的に考えることになりますけれども、仮に年間五十億円の収入、負債といったような基準でこの対象範囲を考えるといたしますと、病床数三百床程度の病院が該当し、医療法人経営の病院のうちの一割程度が該当するものというふうに考えているところでございます。  それから、医療法人の役員と特殊な関係があるといったところでございますけど、これにつきましては、まず、その医療法人の役員と取引関係のある会社の役員が親族関係にあるといった要件とか、あるいは医療法人とその株式会社の取引が、医療法人から見たときにその株式会社とばかり取引をしている、一定以上のシェアを持っているというようなケースとか、それから、シェアはそれほど多くないけれども金額自体が大きいとか、そういったようなことを基準に具体的な規制範囲を定めていくものというふうに考えているところでございます。
  134. 長沢広明

    ○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。
  135. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  私の方からも、栃木、茨城、宮城での豪雨災害、心からのお見舞いを申し上げます。あわせて、政府は万全の対策を取っていただきますように、特に医療介護、衛生面での万全の配慮を求めたいと思います。  本法案で創設される地域医療連携推進法人、当初、ホールディングカンパニー法人として提起されましたが、背景にはいろんな問題意識があったと思います。  一つは、産業競争力会議医療介護分科会の中間整理で、アメリカにおけるIHNのような規模を持って、医療イノベーションや医療の国際展開を担う施設や研究機関がヘルスケア産業の育成などの担い手となると提起されたもの。それからもう一つは、社会保障国民会議報告書で、地域における医療介護サービスのネットワーク化を図ることで、そのためには当事者間の競争よりも協調が必要であるという問題意識であります。  大臣、今回、厚労省から提起されているこの地域医療連携法人、これはどちらかというと社会保障国民会議の問題意識に近いのではないかというふうに私は思うんですが、いかがですか。
  136. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今回の地域医療連携推進法人は、社会保障制度改革国民会議、今御指摘をいただきましたが、これと産業競争力会議医療介護分科会の議論を経て閣議決定をされました日本再興戦略改訂二〇一四などに基づいて、医療法人事業展開等に関する検討会、ここで検討が行われた結果として、地域における質が高く効率的な医療提供体制確保するため、地域医療構想を達成するための、先ほど来申し上げている一つの選択肢として制度化をしたものでございます。  したがって、この制度は、医療イノベーションや医療の国際展開まで視野に入れた産業競争力会議介護等分科会の議論というよりも、医療機能の分化、連携を主眼とする社会保障制度改革国民会議、今先生指摘のとおり、そちらの議論に沿ったものとなっていると思います。
  137. 小池晃

    ○小池晃君 私もそういう理解で見ております。  それで確認ですが、この地域医療連携推進法人は、あくまで二次医療圏を原則に地域医療体制の再構築を図っていく、つまり、二次医療圏や都道府県を越えて広域的な地域で展開するような法人グループを想定したものではないという理解でよろしいですね。
  138. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人は、地域医療構想を達成するための一つの選択肢として、機能分担業務連携推進する、こういうふうになっているわけでございまして、地域医療連携推進法人連携推進する区域、すなわち医療連携推進区域でございますけれども、これは地域医療構想の構想区域、原則として二次医療圏でございますが、これを考慮して定めるというふうに規定をしておるわけでございまして、全国的に広域的な地域で展開しているような法人グループを想定したものではございません。
  139. 小池晃

    ○小池晃君 そうであるなら幾つか疑念があるわけで、この理事長要件なんですけど、これ、医療法人理事長と同様に、やっぱり原則医師、歯科医師とすべきではないですか。
  140. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人は、個別の医療機関の運営を行う医療法人とは異なっておりまして、複数の医療法人等連携あるいは役割分担の調整を目的とするものということでございまして、代表理事につきましては、いわゆる医師を原則とするといった要件法律上は設けていないところでございます。  一方、地域医療連携推進法人理事長は、複数の医療法人等を統括をしていくという意味で社会的な影響があるといった業務なわけでございまして、理事長の選任につきましては、医療法人とは異なりまして、全てのケースについて都道府県知事の認可を要件としていると。それからまた、この認可に当たりましては、都道府県医療審議会意見聴取を行って地域関係者意見を反映していただくと、こういった仕組みを設けているところでございます。
  141. 小池晃

    ○小池晃君 そうおっしゃるんですが、やっぱり都道府県知事の認可があるから大丈夫とはちょっと言えないんじゃないかなと。  医療の産業化を強力に推進しているような知事もいるわけで、いろんな人いるわけですよ、あの人とかあの人とか、いろいろと思い浮かぶわけですけど、大臣、やっぱり知事認可では担保にならないと私は思うので、大臣、やっぱり原則医師、歯科医師ということをはっきりすべきじゃないかなと。そうでない場合も、営利法人などとの利害関係とか利益相反を厳密にチェックをして、非営利性を損なわないということをはっきりこれおっしゃるべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。やっぱり原則は医師、歯科医師だと。
  142. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今局長からも答弁しましたけれども地域医療連携推進法人は、個別の医療機関の運営を行う医療法人とは若干異なるわけで、複数の医療法人等連携そして役割分担の調整を目的とするということから、いわゆる医師要件は設けないということとなっているわけでございます。  ただし、地域医療連携推進法人の代表理事の選出に関わる社員総会社員理事会の理事は、営利法人等と利害関係を有する者が含まれないことを認定要件として求めておるわけでございまして、都道府県地域医療連携推進法人の非営利性を適切に確認をするという仕組みとなっているわけでございます。  さらに、代表理事の選任につきましては、医師であるかにかかわらず、全て都道府県知事の認可を要件とし、かつ、認可をするに当たっては、都道府県医療審議会意見聴取を行って慎重な手続を要するものとしているところでございまして、その運用に当たっては、医療の非営利性を損なうことがないように適切に対応をしてまいりたいというふうに思います。
  143. 小池晃

    ○小池晃君 そういう堅苦しいことじゃなくて、やっぱり医師、歯科医師が望ましいぐらい言ってくださいよ。そのくらい言えないんですか。これ、だって、仕事の性格からいって、複数の医療法人を統括するんだから、医療法人医師要件なんだから、やっぱりそれを統括するのは医師が望ましいぐらいのことは言ってほしい。
  144. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今申し上げたとおりでございまして、私の方から申し上げたとおりで、やはり医療法人そのものとは少し違うわけでございますので、このような立て付けで、しかしながら、非営利性を守るということに関しては、これはもう守らなければいけないわけでございますので、今のようなガバナンスストラクチャーというか、都道府県知事の認可を要件として、認可をするに当たっては、都道府県医療審議会の意見聴取を行って慎重な手続を要するというところにしたところでございますので、医療の非営利性を損なうことはないようにするということが基本だというふうに思います。
  145. 小池晃

    ○小池晃君 そういうつまらない答弁しないでほしいんですけれどもね。望ましいぐらいのことはやっぱり言ってほしい。政治家なんだから、そのくらい言ってほしいと私は思うんですけど、まあ附帯決議のこともあるのでちょっとあれですが。  もう一つ、関連事業を行う株式会社への出資なんですけど、例えば一〇〇%にする等一定割合以上となっているんですね。これ、何で例えばなんでしょうか。一定割合以上なんということを何で書くんでしょうか。これ、一〇〇%と明記する、何でそういうふうにしないのか。株式保有割合を一〇〇%にしなければ、ほかの営利法人に配当という形で流れていく危険があるわけですよね。これ、医業収益で得たものが流れていく、利益が流出するというのはあってはならないことだと私は思うんですが、どうなんですか、大臣。これはやっぱり一〇〇%ということをちゃんと明記すべきじゃないですか。大臣、どうですか。
  146. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 地域医療連携推進法人から関連事業を行う株式会社への出資につきましては、株式保有割合を一〇〇%とする場合に限定することとしております。  これは、地域医療連携推進法人の出資金を財源にした当該株式会社の利益について、地域医療連携推進法人以外の他の株主への流出を防止をするという必要があることが一つ。もう一つは、株式会社における株主は、株主代表訴訟の提起権あるいは取締役の行為の差止め請求権を有しておりまして、地域医療連携推進法人が当該株式会社の経営権を完全に確保するためには出資を一〇〇%とする必要があることを考慮しておるからでございます。
  147. 小池晃

    ○小池晃君 じゃ、局長、省令にはちゃんと一〇〇%と書くんですね。そこのところ、ちょっと確認したい。
  148. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 省令におきましては、医療連携推進法人出資をできるのは株式保有割合を一〇〇%とする場合に限定するということを考えております。
  149. 小池晃

    ○小池晃君 こういったことはちゃんと明確にしておかなきゃいけないと思うんですが、だったら一〇〇%と。何か一定割合以上とか、そんなこと、余計なこと書かないようにしてほしいんですよね。  それから、一社員一票ではなくて、先ほども議論がありましたが、出資額に応じて議決権を付与することを認めちゃうと、これは資金を多く出したところがコントロールすることになっちゃうわけで、これはやっぱり営利性株式会社型の経営につながっていく危険が私はあると思うんですよ。やっぱり非営利性を堅持するというのであれば、当然一人一票にすべきだと。少なくとも大が小を飲み込むようなことを防ぐ担保がどうしても必要だというふうに思うんですが、その点いかがですか。
  150. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人地域医療構想を達成するための選択肢でございますので、小規模法人も参画をして意思決定をしていただくということでございます。したがいまして、一社員議決権、これを原則としておるわけでございます。  ただ、常に一社員議決権という制限でよいかということなわけでございますけれども地域医療機関連携を円滑に進めるためには、例えば参加法人が開設する医療機関の規模に応じて異なる数の議決権を付与するということも法人の内部の定めとしてすることは考えられないわけではないということで、定款で別段の定めをすることも可能というふうに規定をしておるわけでございます。  しかし、その場合におきましても、公益法人制度もそのような規制になってございますけれども、まず、社員の間を不当に差別的な取扱いはしないという、小さいからより小さく扱うとか、そういった不当な差別はしないと。それからまた、社員が提供した金銭の大きさに応じて議決権の付与数を変える、そういった金銭の出資というものに連動するような取扱い、これも今回の連携法人ではしてはならないということを規定をしておるわけでございまして、そういったルールを守っていただく範囲で、議決権につきまして一社員議決権の例外的な定めをすることが可能であるというふうにしております。
  151. 小池晃

    ○小池晃君 私は、金銭だけではなくて、やっぱり規模、病床数とか、そういったものに応じた形で議決権を与えるというふうにはするべきでないと思います。この点は、これからの運営をこれはしっかり監視をしていかなきゃいけないんじゃないかなという点であります。  さらに、地域医療連携推進法人、これは地域医療構想を達成するための選択肢というふうに位置付けられているんですが、この地域医療構想に基づく病床削減問題を取り上げたい。  今年、厚生労働省は、地域医療構想策定のためのガイドラインを発表して、一般病床を高度急性、急性期、回復期、基準未満と、そこに人口動態、変動率などを掛けて今後の目標を設定するように都道府県に求めました。これらを忠実に実行したらどうなるかということを示したのが内閣官房社会保障制度改革推進本部の専門調査会が六月に示した第一次報告でありまして、今日は資料の二枚目に入れております。  この第一次報告による二〇二五年の必要病床数を見ますと、合計で百十五万床から百十九万床。現在の病床総数である百三十四万床から最大二十万床の削減になるわけで、これが全国の医療関係者に衝撃を与えました。昨年、全国の病院から集約した病床機能報告と比較しても、高度急性期は現状より六万床少なくなります。急性期病床は現状より十八万床少なくなるわけです。慢性期は最大で十万床減ります。およそ二十九万七千から三十三万七千人、約三十万人が在宅などというふうにされておるわけです。  大臣、この試算に基づいて病床機能の再編を進めていくというのが厚生労働省の方針なんでしょうか。明確にお答えいただきたいと思う。
  152. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) これは、今、小池先生からお話がございましたように、この推計自体は、内閣官房専門調査会が今後の医療とか介護の提供体制議論するために、厚生労働省が取りまとめた地域医療構想ガイドラインなどに基づいて一定の仮定を置いて行われたものでございまして、一方で、都道府県地域医療機関機能分担あるいは業務連携推進することを目的とする地域医療構想を自ら策定をするわけでありますけれども、その際には、地域の実情を踏まえて、より詳細な独自の必要病床数の推計を行うということになっています。  厚生労働省としては、地域の実情に応じた地域医療構想の策定と各医療機関の自主的な取組や、地域医療構想調整会議、いわゆる協議が行われる場でございますけれども、そこにおいての協議によって病床機能の再編が進められるべきものだというふうに考えております。  六月の内閣官房専門調査会で示された推計値に基づいて病床削減や病床機能の再編をそのまま進めていくようなことは考えていないわけでございます。
  153. 小池晃

    ○小池晃君 というふうにおっしゃるんだけど、実際に、この数字が出た三日後に、医政局の地域医療計画課から各県に事務連絡が出ているわけですよ。これによると、その事務連絡を見ると、今回の推計値はガイドラインの計算方法を機械的に代入した参考値であって、都道府県に稼働している病床を削減させるような権限はない、我が県は○○床削減といった誤った理解にならないようお願いする。  私、確かにそのとおりだとは思うけど、でも、この第一次報告内閣官房推計というのはガイドラインに基づいて推計したわけですよ。だとすれば、誤った理解を広げたのはガイドラインじゃないですか。やっぱりこのガイドラインの方向性自体が間違っているんじゃないかと私は思う。  局長、この答えをはじき出した途端に、この答えは誤解を生みますというふうに厚生労働省が事務連絡を出さなきゃいけないようなものは、これは見直すべきじゃないですか。このガイドラインそのものを私は見直す必要があると。今の大臣に照らしたって、大臣はこのとおりにやらないと言っているんだから。だったら、ガイドラインどおりにやったらこうなるんだから、ガイドラインを見直さなきゃ駄目でしょう。どうですか、局長
  154. 二川一男

    政府参考人二川一男君) このガイドラインは、地域医療構想、今年度から都道府県が策定をしておるわけでございますが、その策定をする前に、私どもとして策定についてのガイドラインということでお示しをしたものでございまして、それぞれの病床機能、高度急性期、急性期、回復期、慢性期という機能別ごとに、将来の医療需要の必要量の推計の仕方、病床数の必要な推計の仕方、そういったものをお示しをしたものでありまして、病床削減を目的としたものではございません。また、内閣官房における推計につきましても、私どもが取りまとめたガイドラインに基づきまして一定の仮定を置いてマクロな形での推計が行われたものでございまして、これもまた病床削減を目的としたものではないといったことでございます。  しかしながら、一部の報道におきましては、病床削減するということを過度に強調した報道がありましたので、誤った理解が広まらないよう、改めてガイドラインの内容につきまして各都道府県の方に周知をお願いをしたものでございます。
  155. 小池晃

    ○小池晃君 だから、私、局長が言ったことは否定しませんよ。そのとおりだと思うけど、だったらガイドラインを見直さなきゃ駄目なんじゃないですかと言っているんですよ。だって、ガイドラインのとおりにやったらこうなったわけだから。そう思いませんか。
  156. 二川一男

    政府参考人二川一男君) ガイドラインに沿った形でマクロな形の推計をされたものでございますけれども都道府県におきましては、更にきめ細かく地域の実情に応じた形で今後必要量を推計し、必要病床数というものを推計していく、それを前提に、地域医療構想に向かってどういった医療機能に分化、連携をしていくかというのは、地域医療構想調整会議の方で具体的に協議をし、議論をしていただくものでございます。  そういった中におきまして具体的に進めるというものでございますので、このガイドラインに沿いながら、各地域で御議論いただきたいと考えているところでございます。
  157. 小池晃

    ○小池晃君 僕は、やっぱりこういう誤解を生み出すような数字を出すんだったら、ガイドラインを見直すべきだというふうに重ねて申し上げたい。  病床数を減らして在宅に戻しても大丈夫だというふうに言うんですが、厚生労働省の補助事業で、今日お配りしている一枚目の資料、二〇一三年に地域包括ケア研究会がまとめた報告書、この中の、本人と家族の選択と心構えというところを抜粋しました。何と書いてあるか。  二〇二五年には、単身又は高齢者のみ世帯が主流になることを踏まえると、中略ですが、従来のような、常に誰かが家の中にいて急変時には救急車で病院に搬送され、病院で亡くなるといった最期ばかりではなくなる。むしろ、毎日誰かが訪問してきて様子を見ているが、翌日になったら一人で亡くなっていたという最期も珍しいことではなくなるだろう。常に家族に見守られながら自宅で亡くなるわけでないことを、それぞれの住民が理解した上で在宅生活を選択する必要がある。  大臣、これが厚労省の方針ですか。孤独死を容認するような方針、これは断じて取るべきじゃないと私は思いますが、いかがですか。
  158. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今先生から御指摘のございました地域包括ケアシステムの構築における今後の検討のための論点の中の一部引用がございましたけれども、いわゆる孤独死と言われるような、高齢者が社会から孤立をした結果、誰にもみとられることなく息を引き取り、その後、相当期間放置させるような状態は起こらないようにしなければならないということを厚労省としては当然考えているわけでございます。  一方で、御指摘地域包括ケア研究報告書は、単身で生活をする高齢者世帯が増加することを踏まえて、毎日誰かが訪問してきて様子を見ており、また、自宅で亡くなるその瞬間には必ずしも誰かがそばにいるわけではないが、翌日亡くなっていることが分かったという事例も珍しくなくなるだろうことを述べたものでございまして、いわゆる孤独死を容認をするといった趣旨ではないというふうに考えているところでございます。
  159. 小池晃

    ○小池晃君 時間ですので終わりますけど、そうじゃないですよ、この報告書は。それを心構えにしろと言っているんですよ。  やっぱりこれは私は間違っていると思うし、こんなことは厚労省としては絶対認めるべきではない。  終わります。
  160. 山口和之

    山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之でございます。御無沙汰しております。  私の方からも、今回の豪雨による災害、そして噴火による災害にお見舞いを申し上げますとともに、日本を元気にする会・無所属会及び隣にいらっしゃる薬師寺みちよさん、それから松沢成文さん、それから渡辺美知太郎さんと災害対策本部を立ち上げました。政府が万全に対応できるようにバックアップしていきたいと思いますので、是非とも全力を尽くしていただきたいと思います。  それでは質問に入らせていただきますが、今日の午前中の羽生田先生質問の中で、自分もそう思ったんですけれども、本当の目的は何ですかという質問がありました。狙いは何なんだろうという、自分もこれを見ているとそんな気には確かになってくるんですね。委員の皆さんからの質問にも、歯科が入っていませんよとか、腑に落ちないところがたくさんあって今まで質問が流れてきたんだと思いますが、ちょっと重複するところがあるので、質問の仕方を若干変えながら少し伺っていきたいと思います。  まず、地域医療連携推進法人制度の創設に関して伺いますけれども参加しない法人のデメリット、先ほど来からメリットの話、まあデメリットの話もありましたけど、特に強調してデメリットがあるのか、参加しない法人のデメリットはあるのかについてお伺いしたいと思います。
  161. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人参加いただく場合のメリットということにつきましては、この委員会でも御答弁申し上げているところでございます。  こういった連携法人参加することによりまして、より一層役割分担連携が進む、その結果、患者の紹介、逆紹介、あるいは在宅医療機関との連携を進めることができるというふうに考えておりますし、また、その際、病床融通資金融通といったことも可能になる、それから、いろいろな医薬品等の共同購入等によるスケールメリット、こういったようなメリットがあるというふうに申し上げているわけでございます。  地域医療連携推進法人参加しない法人のデメリットということで申し上げますと、こういったメリットの部分が、効果が享受できないといったようなことがあるというふうに考えておるわけでございますけれども、反対に、参加しない法人が逆に不利益を被ることがないように、これも先ほど来御答弁申し上げているところでございますけれども地域医療連携推進法人内に地域医療連携推進評議会を設置をして、地域全体の医療機関等が地域の実情に応じて地域医療連携推進法人が適切に運営されるような仕組みをしていただきたいということで、参加しない法人だからといって不利益を被らないような仕組みを入れておるわけでございます。  実際の運用におきましては、この連携法人参加するしないにかかわらず、地域の各施設間におきまして、医療介護サービスの提供について機能分化、連携推進していただきたいというふうに考えているところでございます。
  162. 山口和之

    山口和之君 参加しない法人が不利益を被らないようにということは、基本的には患者さんに不利益が被ることはまずいわけですよね。そうすると、連携法人であろうが、連携していない、そこに交ざっていない法人であろうが、連携はなされるべきですね。  まず、必要なベッドも、ベッド削減に基づいて、機能連携に基づいて融通するというんですけど、必要だったら融通できるようなシステムにすればいいだけの話と考えれば、やっぱり腑に落ちないというところがどこかに入ってくるところではございます。  もし何かあれば。
  163. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人地域医療構想を達成するための選択肢と申し上げているわけでありまして、法人制度という枠組みを使わなくても、任意の形でそういった医療機関相互が協議をしていきながら進めていくといったことも可能なわけですけれども法人制度という枠組みを使えば、永続的な仕組みとして統一的な方針、また意思決定仕組みにつきましても透明性を確保しながらやっていける、そういったメリットがあるというふうなことで、今回、こういったものを選択肢として活用していただければということで提案しているわけでございます。  できましたら、こういったものを各地域におきまして活用していただき、連携を進めていただきたいと考えておりますけれども、あくまで、これの活用、またそれから参加ということにつきましては任意という形のものとして提案をさせていただいているところでございます。
  164. 山口和之

    山口和之君 患者さんのところから見たときですけれども参加しない法人にかかっている患者さんは不利益を被るのか、デメリットがあるのか、お伺いしたいと思うんですが。
  165. 二川一男

    政府参考人二川一男君) これも地域住民の側から見たときの具体的なメリットとしては、先ほど来御答弁申し上げているところでございますけれどもグループ病院の特徴を生かしてグループ内の専門病院への紹介等を可能にしてくれるということにつきまして、安心感とか信頼感がある。それから、あらかじめカルテの統一化を図っていくということもしやすいだろうということが言えるわけでございます。また、その医療機関で働く医療従事者の共同研修によって、医療の質の向上といったこともあるだろうと。あるいは、救急時のルールをその法人の中で決めておくことによって、円滑な受入れといったことも可能になるであろうと、こういったメリットがあるわけでございます。  そういった意味で、こういったところにつきましては、一定の患者さんにつきましてもより大きなメリットがあるとは思いますけれども、しかしながら、そうでないからといって、連携をしなくてよいというわけではないのだというふうに考えているところでございます。
  166. 山口和之

    山口和之君 でも、連携していた方がよくて、連携しない方が若干不利だと。患者さんからしてみれば、より連携されているところがいいに決まっていますし、よりネットワークが組まれている方がいいわけですから、そうしたら、その交ざらない法人にかかる患者さんというのは、もしかしたら不利益といえば不利益じゃないかなと思います。だから、どこの法人にかかろうが、医療にかかれば全ての人がちゃんとしっかり連携されてしっかり治療されるという体制を取らなければいけないわけで、ここで差が付いちゃまずいぞというふうに思います。  そこで、また別な質問をさせていただきますが、地域医療構想の中で、同法人の役割と期待される効果について、今日、午前中からさんざん出てきましたけれども、まずそれを伺いたい。そしてまた、同法人制度により、地域包括ケアシステムにはどのような効果が期待されているのか。そしてまた、地域包括ケアシステムの中で同法人位置付けについて伺いたいと思いますが、これ午前中から出ていますので、簡潔にお願いしたいと思います。
  167. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療構想あるいは地域包括ケアシステムをこれから構築していくといった中で、この地域医療連携推進法人の役割と期待される効果ということでございますけれども、これも先ほど来申し上げておりますとおり、医療機関機能分担連携を進めていくというために、この中でこの法人制度を活用していただきたいという、そういう選択肢として提案をしておるものでございまして、具体的には、これも先ほど来申し上げておりますけれども、診療科の再編とか医師等の共同研修、医薬品等の共同購入、救急患者の受入れルールの策定、あるいは参加法人連携による在宅医療充実等が図られるといったような効果を期待をしておるものでございます。
  168. 山口和之

    山口和之君 病床削減、究極は何かという、質問通告をしておりませんので、病床削減の究極はDRGの導入だと自分は思っているんです。なぜなら、一つの疾患について幾らですよと、あとは入院期間でベストを尽くしてください、これは一医療機関のやり方ですけれども、先ほど羽生田先生が腑に落ちないことも、この話を持ってくると腑に落ちるんですね、自分がですけれども。  病床削減には、入院日数削減、減っていくことが大事で、受皿づくりが大事ということで、地域包括ケアというのも、地域先生方にお渡しして、機能分化して効率よく地域に行くということで、地域包括ケアもできなければ、病床削減も在院日数の短縮も成らないと、これはもう分かっております。ただ、それを加速させるには、もしかしたらDRGが入ってくると。DRGというのは、先ほども言いましたように、一つの疾患について幾らですよという話です。  今、どうも行われているのは拡大DRGということで、拡大DRGというのはどういうことかというと、一入院ではなく一疾患に対して全ての機能で幾らというやり方だそうなんですけれども、そうすると全部腑に落ちるんですね。急性期病院から回復期、あるいは慢性期、あるいは外来診療まで行くと、全部がここの連携法人と拡大DRGを組み合わせた将来の医療構想がそこにつながってくるとすれば、これは質問通告いたしておりませんけれども、つながってくるとすれば、全てが合うんですね。介護の中の非営利法人は交ざらないよ、あるいは歯科が、ここの中には疾患が違いますからちょっと入ってこないよとかですね。入院期間も短くなる、いろんなことが可能になってくるというふうに考えると、これを狙っているんじゃないかなと、目的はこれじゃないかと勝手に思っているんですが、ちょっとお伺いしたいと思います。
  169. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 拡大DRGという御指摘でございましたけれども、これは診療報酬上の制度、今、我が国におきましてはDPCという形で定額払いの診療報酬体系が進んでございますけれども、それはあくまで診療報酬体系のものだということでございます。  今回の、まず地域医療構想は、これまで、従来であれば治す医療、しかしながら、これだけ高齢化が進展してくるということでいきますと、治す医療というよりは治し支える医療、こういうふうな形に持っていくことが必要で、そうだとしますと、医療機関の中で完結する医療ではなくて、地域全体として医療機関が役割分担をしてやっていくということが必要になってくると。そういった場合には、より連携を促進する、また、いろいろな協議、相談をする場がより密接に強くある方が望ましいといったようなことかと思っているわけでございます。  そのために、各都道府県におきまして地域医療構想を今後策定していくと。各機能ごとに、この地域ではどういった機能がどのくらい必要か、ところが、今はこういう機能はこのぐらいある、これは多過ぎるからこちらをむしろ増やした方がいいとか、そういうようなことを今後議論していただきたいというふうに考えているわけでございまして、それが地域医療構想だと。その地域医療構想を実現するための一つの選択肢として医療機関同士が相談をしていく仕組み制度化をする、それがこの地域医療連携推進法人制度というふうに理解しているところでございます。
  170. 山口和之

    山口和之君 メイヨー・クリニックの話が出てきて、またつながってくるんですけれども、そういった体制が本当によいのか。多分、今検討されていないとおっしゃっていますけれども、行き着く先は、先に見えるものが、それが見えてくるような気がするので、しっかりと検討して、議論して、地域連携、そして、交ざった人、交ざらない人、交ざった法人、交ざらない法人患者さんに差が付かないように是非していただきたいなと思います。  そういった意味でなんですけれども、今医療圏ごとにこの推進法人のことがうたわれているんですけれども医療圏がベースになるんだとは思いますが、今の現状では、はっきり言って医療圏を越えた状態で来て、性悪説でいけばそれは確かに集中するかもしれませんけど、性善説でいけば郡部の方に必要な医療が提供できたりということの可能性もあるわけですよね。そう考えたときに、医療圏単位だけでいいのか、場合によっては県単位でもいいんじゃないかなというふうに思うんですが、どうでしょうか。
  171. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 医療計画が制度化されましてかなり年数がたっているわけでございます。  当初、医療計画におきましては一般病床という区分しかございませんでしたけれども、平成十八年の改正以降、五疾病五事業という形で、各疾病ごとにどういった体制を組むかというようなことを医療計画の中に盛り込むといったことになってございまして、疾病によりましては県全体で、全体をどういった医療機関を配置していくかといったことを医療計画に盛り込むといったようなことになってございまして、疾病ごとにきめ細かく医療計画を立てていくといったことでございます。  今度の地域医療構想におきましても、そういった各疾病につきまして、それぞれ脳卒中がどのくらいだとか、そういったようなことを推計しながら計画を立てていただくといったことを考えているところでございます。
  172. 山口和之

    山口和之君 どこに住んでいても、どの病院にかかろうが、質の高い医療連携して受けられる、法人があるなしにかかわらず、そういう地域社会を是非つくっていただきたいと思います。差が付かないように是非お願いしたいと思います。  ちょっと関連してなんですけれども、福島県の介護人材についてお伺いしたいと思いますが、福島県、特に相双地域介護人材不足に対応するために、被災地における福祉・介護人材確保事業、行われていましたけれども、この現状と成果についてどうなっているのか、また今後どういうふうにバージョンアップしていくのか、お伺いしたいと思います。
  173. 鈴木俊彦

    政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘ございました福島県の相双地域等でございますけれども、これは震災で甚大な被害を受けて、特に介護人材の確保が困難になっております。  今御指摘ございました福祉・介護人材確保事業、昨年度から創設をいたしまして、県外からこの地域介護施設に就労を希望する方に対して、奨学金の貸与、住まいの確保、こういうものを支援してきております。この結果、二十六年度におきましては二十八名の方が実際にこの事業を活用して就職をしていただいたところでございます。  しかしながら、相双地域、非常に有効求人倍率、介護分野について、全国の値を大きく上回っております。九月五日には楢葉町で避難指示が解除をされましたけれども、今後、避難指示の解除が見込まれる地域におきまして介護施設が再開されるということで、更に人材需要が予想されるところでございます。  したがいまして、この事業の有効性を高めるということが非常に重要だと思っておりまして、昨年度この事業を利用していただいた方にアンケート調査などをして、更に改善をどういうところを図っていったらいいかということも考えております。  いずれにしましても、この事業効果が高まっていきますように、二十八年度の予算編成過程なども通じてしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  174. 山口和之

    山口和之君 資料の一を見ていただくと、いい方向に少しずつ向かっているようにも見えます。しかも、この事業自体が集まってくるとは到底思えなかったんですが、パーソナルの対応でしょうか、そういうことが功を奏してなのか、かなりの方が全国から支援していただいておりますので、今後ともまだまだ足りないところが、これから避難区域解除等々が来ますので、是非パーソナルで対応していただきたいなと思います。よろしくお願いします。  もう一つなんですけれども、これも人材に関係することなんですが、福島県における震災関連自殺についてお伺いしたいと思います。  資料を見ていただきたいと思うんですが、資料の二なんですが、被災三県、岩手県、宮城県、福島県ということで、この囲っている数字、ちょっと間違っているんですが、平成二十七年の一月から七月までで、これ、九名ではなく十一名なんです。福島県だけ落ちないんですね、なかなか。少し減ってきてはいるようにも見えるんですけれども、対策が十分かと言われると、ちょっとどうかなと思うところもあります。  震災関連自殺の問題はまだ収束していないと見ていいんじゃないでしょうか。現状についての認識と今後の取組について伺いたいと思います。
  175. 安田貴彦

    政府参考人(安田貴彦君) お答え申し上げます。  議員御指摘のとおり、平成二十七年一月から七月までの福島県における東日本大震災に関連する自殺者数は十一名でございます。対前年同月比で見ますと一名増ということでございます。また、これも御指摘のとおり、他の被災二県に比べると自殺者数が多く、依然として注視すべき状況にあると考えております。  内閣府におきましては、震災関連の自殺に係る取組といたしまして、地域自殺対策緊急強化基金を通じまして被災地の取組を支援をしておるところでございます。具体的には、被災者の見守り、訪問等を通じて把握されたフォローが必要と判断される方への専門的な支援や孤立予防のための居場所づくり、傾聴サロンの開催などの取組が各地で実施をされております。  また、特に福島県につきましては、昨年六月と本年五月に内閣府の職員も赴きまして、被災三県等の行政、民間の自殺対策関係者対象とした自殺対策官民連携協働ブロック会議を福島市において開催をして、被災三県における現状や課題について情報共有、意見交換を行ったところでございます。本会議で得られた知見を生かした事業が福島県下において実施されているものと承知をしております。引き続き、被災地における状況を注視し、福島県における震災関連自殺対策に対する支援を行ってまいりたいと考えております。  なお、自殺対策の推進に関する業務については……
  176. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 恐縮ですが、時間が過ぎておりますので、簡潔に答弁願います。
  177. 安田貴彦

    政府参考人(安田貴彦君) 済みません。  来年四月に厚生労働省に移管をされることになっておりますが、震災関連自殺対策に関する取組につきましても、移管先である厚生労働省と緊密に連携の上、しっかり引き継いでまいりたいと考えております。
  178. 山口和之

    山口和之君 済みません、久しぶりなので、大臣に最後に一言だけいただきたいなと思います。
  179. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 質問はお控えいただけますか。済みません。
  180. 山口和之

    山口和之君 ありがとうございました。
  181. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 薬師寺みちよでございます。  私からも、被災をなさった皆様方にお見舞いを申し上げたいと思います。  私を含め多くの委員が災害医療について様々この場で議論をしてまいりましたが、今こそ実行に移すときだということをくれぐれもお願いをしておきたいと思います。  では、質問に移らせていただきます。  私は、今回、医療提供体制介護提供体制と今回の新法人の関係性について議論をさせていただきたいと思います。  地域医療連携推進法人制度というものは、先ほどから何回も御答弁いただいていますように、地域医療構想を達成するための一つのツールだということでございます。では、大変高等な理念は分かったんですけど、具体的にはどうしていくのかということがなかなか先ほどから御答弁いただいておりませんので、大臣、どのように具体的に結び付けていくのか、教えていただけますでしょうか。
  182. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 何度も繰り返して申し上げてきておりますけれども高齢化社会が進む中で、どのようにして地域での医療の提供を変えていくかという中で、地域医療構想をちょうどこれからつくる、それの達成をすること、あるいは、同時に、地域包括ケアシステムを達成しようじゃないかということでいろいろ、医療介護併せての体制をどうするかということをずっとやってきているわけでありまして、その中で、そのツールの一つとしてこういうものがあったらどうかということで今回こういう法案を御提起申し上げているわけで、競争よりも協調を進めて、地域において質が高く効率的な医療提供体制確保するために、医療機関機能分担連携に資するように、地域医療構想を達成するための選択肢として今回の新たな法人制度を設けるということで、具体的には医療連携推進方針に書き込まれるわけで、問題はそこに何を書くかということであって、それは当然のことながらこの法人をつくろうという方々が集まってお決めになることで、この中で機能分担あるいは業務連携に関する目標を定めるわけで、それを法人の認定時に都道府県知事が確認をするということによって地域医療構想の達成に結び付くものと考えているわけでありますが、あくまでもこれはこの道を選ぶ方が何をやりたいのかということで、私も正直言って、この法律をどう作るかというときの議論でいろんな考え方の方にお話を聞きました。聞いた末にこういう形で、今回御提起を申し上げているような格好になっているわけでありますけれども。  いずれにしても、様々なことを考えていらっしゃる方がおられるわけでありますから、その中で、やはり今、地域医療構想を作る、その実現を自分はこうするんだという形でこの形態を選ばれる方がおられれば、やっぱりこれを選んでいただいてということで、しかし、そうじゃない道を歩む人たちもたくさんいるはずでありますから、形態も、大きいところが結び付くもの、あるいは大きいところと小さいところの結び付きとかいろんなものがあろうかと思いますので、形をこうやって選択肢として御提起を申し上げて、あとは民間の方々がそれぞれのお知恵を出していただくということだろうと思います。
  183. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  先ほどからも議論になっておりますように、本当に、こういう法人という形態を取らなくても、もう既にいろんなところで連携できているじゃないかというような御意見もございました。  そこで、局長、お伺いしたいんですけど、本当にニーズがあるんでしょうか。
  184. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 各医療機関におきましては、今後、地域連携を進めていく際に、こういった医療連携推進法人制度を活用していただきたいと考えているわけでございますけれども、この法案を提出いたしました以降、この地域医療連携推進法人制度に関心を持つ医療関係者等の方は多数ございまして、私どもの方にも仕組みにつきましての照会と相談を実際に多数受けているところでございます。
  185. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  じゃ、ニーズはあるということになれば、先ほど大臣からも答弁をいただきましたように、この方針を決めるに当たりましても、評議会の構成メンバーというものも大切になってくるかと思います。どのような構成になるのか、局長、教えていただけますでしょうか。
  186. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人の運営に当たりましては、役員のほかに、地域関係者で構成する地域医療連携推進評議会を必ず設けるということになっておりまして、この評議会意見を役員に対して言っていく、その意見を役員の方は尊重する、こういった仕組みになっておるわけでございまして、この評議会、大変重要なものでございます。  この評議会のメンバーといたしまして想定しておりますのは、その地域におきまして医療介護を受ける立場にある方、すなわち住民の方々、それから医師会等診療に関する関係の団体の方、あるいは一般的な学識経験を有する人、そういったような方々を構成員にするといったことが想定されるというように思っております。
  187. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ですから、その方たちがしっかりと地域医療構想も理解していないと、自分たちがどのような方針というものを打ち出さなきゃいけないかということを、なかなかこれは物が言えないと思います。  地域医療構想調整会議というものが行われております。しっかりそこの意見を反映させるために、どのような仕組みというものを今回この評議会の中で反映をさせていくことができるのか、どういう連携をしていかれるのか、そのおつもりなのかということを、局長、教えていただけますか。
  188. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療構想の実現ということで、都道府県が策定します地域医療構想の実現に関しましては、地域医療構想調整会議というものを構想区域ごとにつくっていただいて、そこで医療機関ごとに、医療者等が集まって医療機能の今後の在り方を議論をし、具体的な方向付けというものを議論いただくといったことを想定をしておるわけでございます。この点につきましては、地域医療構想ガイドラインにそういったことを記載をさせていただいておるわけでございます。  それと、地域医療連携推進法人におきます地域医療連携推進評議会、かなり似たような形のものになってくるかというふうに考えてございまして、それからメンバーにつきましても類似のものになってくるものというふうに考えておりますので、それぞれにおきまして情報共有をしながら地域医療連携が進むような形で、同じような場として活用いただきたいというふうに考えておるわけでございます。
  189. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  では、政務官にお尋ねをさせていただきます。  新法人参加法人の経営を優先させるという懸念はないんでしょうか。意見具申を尊重するというふうに書いてございますけれども、どのように担保されていくのか、教えてください。
  190. 橋本岳

    大臣政務官(橋本岳君) 御指摘をいただきましたように、やっぱり地域医療連携推進評議会というものが意見を言う、そしてそれを尊重してもらうということが大事なんだろうと思っておりますし、法律上、地域医療連携推進評議会意見を尊重するということが規定をされております。  さらに、法律で書いてあるだけでどうなのかということもあろうかと思いますので、ちょっとだけ補足をしますと、その評議会というものの仕事として、評価をするということになっております。  当該一般社団法人業務の実施の状況について評価を行い、必要があると認めるときには、社員総会及び理事会において意見を述べることができるということが評議会の仕事としてあります。推進法人は、その評価をされた評価の結果を公表しなければならないということが規定をされております。そして、それに基づいて評議会意見を言う、それを尊重しなければならないということになっておりますので、ある意味で、根拠に基づいて評議会の方は意見を言うということになるわけですから、オープンになった形で意見を言うということになったわけで、法人の方もそれをきちんと尊重していただけるようになるということにつながるのではないかと期待をしているところでございますし、もちろん法律上しなければならないと書いているわけであります。
  191. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  では、その評議会意見というものは、地域住民に寄り添うものでなければこれは意味がありません。どのように意見調整というものを市民と行っていくのか、その仕組みについて教えてください。
  192. 橋本岳

    大臣政務官(橋本岳君) これは、先ほど局長答弁を申し上げましたが、医療連携推進評議会の構成メンバーがきちんとその地域の皆様方の意見も踏まえるものにならないといけないということであろうということでございまして、医療を受ける側の方にも入っていただくとか、地域関係者の方も入っていただくというようなことになっていたのは先ほど答弁のとおりでございます。  また、その法人理事につきましても、法文上は、理事のうち少なくとも一人は、診療に関する学識経験者の団体の代表者その他の医療連携推進業務の効果的な実施のために必要な者として厚生労働省令で定める者であることということになっておりまして、そして、これは二月に取りまとめが出ておるわけですけれども、その中では、非営利新型法人においては地域関係者理事に任命するということになっております。ですから、その取りまとめに応じた形で厚生労働省令で定めさせていただくということになるということでございますので、地域の方も理事にも入っていただくということにしたいというふうに考えておるところでございます。
  193. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ですから、それだけでは私は不備があるのではないかと考えているんです。地域住民の声を吸い上げるための仕組みもしっかりそこでつくり込んでいただかないと、誰かが入ったから、市民が入ったから、その方の意見が全ての皆様方の意見を反映されているとは限りません。ですから、しっかり、これからますます、まだ枠組みしかないんです、だから、中身を充実させていただかなければ私は絵に描いた餅に終わると思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  今のことに関係をいたしまして、ちょっと質問を飛ばさせていただきます。  次は副大臣に伺わせていただきたいと思うんですけれども、やはり、こうやって地域のためにいかに公益性を担保していくかということにおいて、疾病予防というものはこれは欠かせない問題だと思っております。住民の疾病予防に本当にこの新法人というのが寄与できるのかなというような思いは、私、大変強うございます。  この中で、どんなに文章を見ても、保健所との連携も入っていないんですね。だから、保健所としっかりと連携を取っていかないと、地域住民の声、そして今の現状というものも反映をされてまいりませんし、実際、今一番問題なのは、病院にたどり着いていない高リスク群の皆様方です。そういう声を反映させようということで、実は、看護協会も町の保健所ということであったり、すぐ近くにあります戸山団地は暮らしの保健所というもので、地域で既にそういった保健室等の活動というものを行っていらっしゃいます。  ですから、そういう皆様方の現状を把握し、そして声を反映させるためにも、このようなもっと広い活動、いわゆる保健活動というものも義務付けていくような方針で私はいただきたいと思っておりますが、副大臣の御意見いただけますでしょうか。
  194. 永岡桂子

    ○副大臣永岡桂子君) 先生おっしゃいますように、常日頃から疾病・介護予防などの住民教育とか啓発活動を行いまして、健康管理から診療につなげるサービスを提供するということは大変意義深いし、有意義であるというふうに考えております。  今回の地域医療連携推進法人におきましては、医療事業を行う非営利法人だけではなくて、介護事業を行う非営利法人参加することができることとなっております。様々な相談への対応、それから健康診断も行えることから、議員の御指摘のような健康管理から診療につなげることができる仕組みになっております。  こうした仕組みが円滑に機能するためには、地域医療連携推進法人参加法人が日頃から地域の保健所との連携を図ることが重要であると考えております。例えば地域医療連携推進評議会、この構成員になることも想定されるというふうに考えております。
  195. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  皆様方に資料をお配りしておりますが、資料二を御覧いただきたいと思います。  地域包括ケアシステムのこれは図なんですけれども、今、地域包括ケアシステムというようなものは、どうも医療介護連携というふうに読み替えられているようです。これは私、厚生労働省のミスリーディングではないかと思っております。町づくりなんですね。住まい、生活支援介護予防というところが完全に抜け落ちております。  しっかりこれを補っていくためにも、私、今回、評議会のほかにも、予防活動や保健活動を行っているNPOの、民間団体のプラットホームとなるような会議体というものも別途設けて、しっかりと意見を反映させていただくようなことを義務付けるべきではないかと思いますが、副大臣、御意見いただけますでしょうか。
  196. 永岡桂子

    ○副大臣永岡桂子君) 地域医療連携推進法人は、地域関係者で構成いたします地域医療連携推進評議会によりまして、法人の運営の評価の実施、結果の公表、そして評議会意見の尊重という仕組みになっております。地域関係者意見法人運営にしっかりと反映することとなっているわけでございます。  地域医療地域包括ケアの状況はそれぞれ様々でございまして、それぞれの地域の状況に応じまして取り組まれるべきものであることから、予防活動ですとか保健活動を行っているNPOですとか民間団体などの参画を一律に義務付けることというのはちょっと考えていないわけでございまして、これらの方々の参画も、考えていないけれども可能であるということでございます。
  197. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 是非前向きに御検討いただきまして、地域のために何が必要なのか、医療介護連携ではなく、やっぱり生活、そして様々な皆様方のお困り事の中から、実は疾患、そして予防、様々な方針もこれから見えてくると思いますので、しっかりと地域包括ケアとマッチングさせていくような仕組みづくりに私は期待をいたしておりますので、お願いしたいと思っております。  では、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。  この新法人の努力によりまして、疾病予防、必要ベッド数の減少というものが起こってきたと仮定をいたします、これは将来の、未来の話なんですけれども。そうしましたら、医療費を削減というメリットはあるんですけど、新法人は逆に収益も削減ということに、減少してしまうというふうなことも起こってしまうかと思います。  いつも私も申し上げておりますけれども、結局、削減をしたものに対して何もメリットがないぞと。インセンティブも与えられなければ、実際に、本当に医療費削減であったり、医療の適正化と、削減ではないですね、適正化ですね、適正化という方向性になかなか歯車が動いてくれないのではないのかなというふうに思っておりますけれども、どのようなメリットというものを、もしそういう成果が上がったときに与えていただけるのかということをお考えでいらっしゃいますでしょうか。御意見くださいませ。
  198. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) さっきも申し上げたとおり、この地域医療連携推進法人というのは選択肢の一つでありますから、何をやりたいのかということによって随分変わってくると思うんですね。  今お話しのように、法人形態を取ることによって、結果として医療費の削減がかなったというときにメリットをどう与えるんだというお話かと思いますが、医療費の削減につながることも、十分それはニーズに合ったということは、先ほど先生が御指摘になったように、疾病予防を進めることによって医療費が結果として削減をされるということが、適正化をされるということがあり得るわけでありますけれども、今回の制度自体は、機能分担業務連携推進目的でありますので、医療費の削減を直接の目的として適正化するための制度だということでは決してないわけでございますので、御指摘のような観点によって、それ自体でメリットを与えるというようなことは考えておりませんで、もちろんそれはいかなる形態を取ろうとも医療機関は同じことになるので、きちっとした疾病予防を推進することが結果として必要なベッド数の減少につながるというようなことも十分ありますけれども、それで一つ一つメリットをあてがっていくということが果たしてどう考えるべきなのか、そこはまだ今後いろいろ考えなきゃいけないことじゃないかなというふうに思います。
  199. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  では、そうやって私ども実際に今日議論をしておりましても、一体どういうものをイメージしたらこの新法人というものがしっかりと地域連携をしていただけるのかというものが浮かんでこないんですね。本当の目的は何なんですかと先ほども何回か質問がありましたけれども、というように、何となく裏があるんじゃないかなというふうにも考えざるを得ないような形態なんですね。  ということは、もっと具体的に、よりイメージしやすいようなモデルというものを幾つか示していただいて、それで施策を進めていただく必要が私これからあるのではないかと思います。医療過疎地域、そして医療の過剰の地域、これ全く違うモデルができ上がるんじゃないかと。こういうことに注意して、こういうふうに市民を巻き込んでというやっぱりモデルを私は是非これからつくっていただいたり、若しくはそういうものを示していただいて、具体的に国民の皆様方にも分かりやすいようにこれから広報していただきたいんですけど、大臣、最後に御意見をいただけますでしょうか。
  200. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) これは何度も申し上げるように、それぞれ自ら構想して、この道を選んで構想したことを実現していただくわけでありまして、今まで私もいろいろな方に聞いた中で、一つは割合大きな病院同士の連携、もう一つは、やっぱり大きいところが一つは中核にあって、あと診療所が連携をしていくというような形もありました。ですから、モデルという意味では二つのモデルを容易に考え得るわけですけれども、でも、これだけじゃないと思うんです。  それぞれの地域に合った形での運営ということですから、いろんな組合せがあるし、それは医療機関といっても、医科もあれば歯科もあれば、いろんな形のつながりというのがあり得ると思いますので、それは、それぞれのニーズに合ったそれぞれの法人の運営というのがあって、それぞれの結果を出すということに邁進をしていただくということではないか、そのツールを提供しているということではないかというふうに思います。
  201. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  未来に期待して、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
  202. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  まず、本題に入る前に一問、一問というか、これ質問通告していないんですが、午前中、川田委員質問の中で出てきたテーマで確認をしたいので、質問いたします。  マイナンバーと医療情報についてです。  あたかも何かリンクするような、あるいはプライバシーに考慮してリンクするような形で進んだら大変だと思いまして、これは九月十日、私がこの委員会質問し、マイナンバーそのものをやはり根本的にセンシティブ情報とリンクすることは、医療情報とリンクすることそのものは極めて問題があると思っているんですが、このデータの不完全さを踏まえて、大臣としてこれからの意気込み、どうしていくのかお聞かせくださいと質問したところ、塩崎大臣は、先ほど来議論になっているこのナショナルデータベースはマイナンバー制度対象とはなっておりませんので、マイナンバー制度の導入に影響はないと思いますが、医療情報全般につきまして先生から御懸念を今頂戴したのかなというふうに思いますけれども、これについては、医療情報そのものをマイナンバーにひも付けるということを申し上げているわけではないわけでありますので、その点は御心配をいただかなくてよろしいのではないかというふうに思うところでございます、このとおりでよろしいんですよね。
  203. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 結構だと思います。  昨年、厚生労働省研究会の議論では、医療などの分野の番号は、本人の同意の下で希望する患者が選択して持つ仕組みを検討する必要があると。他方で、同じ番号を複数の患者が持つことのないように、マイナンバー制度のインフラの活用をした安全で効率的な仕組みを検討する必要があるといった御意見があったわけでありまして、いずれにしても、医療関係者や保険者などの意見も参考にしながら、安全で効率的な仕組みについて、先生の今御指摘になっているような御懸念を含めて関係者とよく議論し、協議をしながら検討を進めていくというのが、先ほど川田先生に対しての答えでもあり、また政府としての考え方でもございます。
  204. 福島みずほ

    福島みずほ君 いや、私は今懸念を持ってしまったんですが、というのは、マイナンバー改正法案が成立をした後、今の話だと、同意があればリンクするんですか。という話ではないんですよね。  じゃ、端的にお聞きをします。  マイナンバーと医療情報はひも付けされない、これでよろしいんですね。
  205. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) マイナンバーを直接医療情報にひも付けするということはありません。
  206. 福島みずほ

    福島みずほ君 では、インフラを利用するとか、そういうのはどういうことなんでしょうか。
  207. 橋本岳

    大臣政務官(橋本岳君) 大臣から答弁を申し上げましたとおり、インフラを活用した安全で効率的な仕組みを検討する必要があるという意見が出たというところでございます。要は、今大臣答弁をしたように、マイナンバーそのものを医療情報とリンクをするということは考えないということであります。  ただ、そうではない、やはり一人一人をマイナンバーではないIDなり、それが番号なのか符号なのか、いろんな議論はありますが、そうしたものを振ることによって医療の情報をきちんと連携させるようなことは、それはそれで議論を、今検討会をしていたところでございまして、中間のまとめが出たというところでございます。  その中で、要するに、国民の皆様方お一人お一人に何らかの番号ないし符号を振るという作業をするということに当たっては、マイナンバーのインフラ、要するにいろんなシステムがあるわけでございまして、それを使って別の符号なり番号なりをまず振るということは考えられるのではないかという意味で、その議論があったのだというふうに承知をしております。
  208. 福島みずほ

    福島みずほ君 マイナンバーと医療情報の符号、番号が違う、違うシステムでやるということは理解しているんです。  ただ、結局、医療情報も、そういう形でマイナンバーのようにといいますか国民総背番号制的に付番でやれば、患者さんだけになるかもしれませんが、そしてその後、マイナンバーと医療情報のある種の関係性ということも出るんじゃないか。それは完璧に独立しているものなんでしょうか。  私は、一つは、完璧に独立しているのかどうか、それから二つ目は、みんなの医療情報を総背番号制化することに伴う情報漏れなどの危険というこの二点について確認させてください。
  209. 橋本岳

    大臣政務官(橋本岳君) 情報漏れの点につきましては、当然そんなことはあってはならないということでございますが、何というんですか、要は、IDをどのように振ってどのように運用するかということそのものがまだ検討中という状況でございますので、その中において、いかにそれを守っていくかということも併せて考えなければならない課題だというふうに承知をしております。  それと、まさに研究会が昨年十二月に中間まとめというのを行ったというのが現状でございまして、もちろんまだまだ、今後、医療IDをどのようにしていくのかということについては、その中間まとめを踏まえながら、まだ先に、具体的にどのようなユースケースを想定して、どのような形でやるのか等々の議論をしていかなければならない途上の状況でございます。  ですので、先ほど福島委員が御指摘というか御懸念をされているようなことも、やはり引き続き検討されるものの中だというふうに思っておりまして、委員の御懸念も踏まえて御議論いただきたいと思っているところでございます。
  210. 福島みずほ

    福島みずほ君 医療IDというのが医療実はマイナンバーになっていくのではないか。あるいは、マイナンバーと特定健診と予防接種はある意味リンクするわけですよね。ですから、医療情報のごく一部のみといっても、服薬歴とか病歴はある意味そっちの方ではリンクしているわけで、その関係などについて今後もしっかり、大臣は何度も御懸念は要りませんとおっしゃっているので、その中身についても今後もまた質問していきたいと思っております。  では、本問に入ります。  午前中もダボス会議の話がありましたが、二〇一四年ダボス会議で安倍首相は、日本にもメイヨー・クリニック、七十医療機関のアライアンス、事業規模約九千億円、職員約六万人のようなホールディングカンパニー型の大規模医療法人ができてしかるべきと発言をしております。また、まち・ひと・しごとの二〇一五年資料にメイヨー・クリニックを掲載しております。今後、国家戦略特区で地域医療構想区域の枠を超えた広義のメガ医療事業体を特例的に認可する可能性は否定できないのではないでしょうか。いかがでしょうか。
  211. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 地域医療連携推進法人対象となる区域は、地域医療構想区域を考慮して設定をすることとしておるわけでございまして、地理的状況、交通事情、医療機関の所在地等の影響によってより広範囲に及ぶ場合も考え得るわけでございます。  しかしながら、地域医療連携推進法人は、地域法人間の連携を通じて、患者地域医療介護サービスを切れ目なく受けられることを目指すものでございます。したがって、単に事業の大規模化を目的とするものではないわけでございまして、医療機関機能分担業務連携に資することなく、単に事業の大規模化、この大規模化を目的とするような事業形態であることが明らかな場合には、地域医療連携推進法人としての認可を受けられないこととなると考えられるわけでございます。
  212. 福島みずほ

    福島みずほ君 病院等地域医療介護総合確保基金を受ける条件として、新法人に参画することが提示される可能性はありますか。
  213. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) この地域医療介護総合確保基金は、地域医療構想の達成のために、病床機能の分化、連携などに活用いただくものとして予算を組んでいるものでございます。この基金を活用して行う事業は、各都道府県で交付の要件も含めて決められるものでございますが、厚生労働省としては、地域医療連携推進法人への参画を条件にするといったことは想定はしておりません。
  214. 福島みずほ

    福島みずほ君 新法人への参画が要件になるか否かは都道府県ごとの判断によるというふうに聞いております。しかし、都道府県知事がこの基金を受け入れる条件として、新法人に参画することという要件をすることを否定はできないということでよろしいでしょうか。
  215. 二川一男

    政府参考人二川一男君) この地域医療連携推進法人は、連携を進めるといったことで地域医療構想を達成するための選択肢ということでございます。一方、地域医療介護総合確保基金の方は、国の方も財源を出しているわけでございますけれども、各都道府県におきまして地域医療構想そのものを進めるものということで、この基金を使って地域医療構想を進めていくというものでございます。  これらを都道府県におきまして連動させて、都道府県の判断におきまして連動させるようなことを決めていくということにつきまして、特に今回の法律がそれを禁止しているということはないということでございます。
  216. 福島みずほ

    福島みずほ君 ということは、この法人に入るメリット、デメリットとあったんですが、この法人の中に入らなかったらその基金をもらえないとすると、やっぱりそれは問題ではないですか。
  217. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 都道府県におきまして地域医療構想を実現していくということの一番の責任の主体は都道府県ということでございます。都道府県におきましてどういった基金につきまして配分をしていくかということにつきましては、都道府県の権限ということでございまして、地域関係者と協議をしていただいた上で、どういったような事業につきましてこの基金の対象としていくかにつきましては都道府県に裁量の幅があるものというふうに考えておるところでございます。
  218. 福島みずほ

    福島みずほ君 結局、行政の意に沿う地域医療に利用されてしまうのではないか。認可、監督は都道府県知事ですし、それから地域医療連携推進協議会のメンバーは市長医師会長など様々ですが、結局、都道府県知事が認可、監督権限を持っていると、上から階層的な医療機能を押し付けられる危険性があるのではないですか。
  219. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今の押し付けの危険性ということについてのお尋ねかと思いますけれども、何度も申し上げますけれども、この法人制度地域医療構想を達成するための一つの選択肢としてお選びをいただくものでございますが、医療機関機能分担及び業務連携につきましては医療連携推進方針に基づいて実施をすることとなるものであって、その決定の際に、地域医療連携推進法人社員総会理事会等で十分に議論、調整することとなるために、監督権者でございます都道府県知事などが一方的に当該方針を決定する仕組みにはなっていないわけでございます。  実態としても御懸念のような事態が生じることのないように、厚生労働省としてもしっかりと注視をしてまいりたいというふうに思います。
  220. 福島みずほ

    福島みずほ君 不参加法人に対する不利益の懸念があるのではないかという質問考えていたんですが、これはレクの中では、不参加法人への不利益取扱いなどが生じないよう施策を講じていきたいという答弁なんですね。  しかし、さっきの質問の中で、基金のお金をもらえるかどうかは、それは参加していることが要件となるかどうかは各都道府県に任せるということであれば、やっぱり誰だってお金は欲しいし、資金は欲しいわけですから、参加しなければならないという強いインセンティブになると思います。そうすれば、都道府県によっては不参加となることが極めて不利益になるという事態が明確に発生するのではないですか。
  221. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療連携推進法人参加しない法人につきまして、そういった法人につきましての取扱いにつきましては先ほど来御答弁申し上げているとおりでございまして、当該連携推進法人の活動地域について参加をしない法人はもちろんあるわけでございまして、あくまで任意ということでございます。  しかしながら、そういった悪影響が及ばないようにするために、地域医療連携推進法人におきましては、参加法人だけではなくて、いろいろな関係者が入る地域医療連携推進評議会、これを設置をして、そこでの意思決定を、そこでの意見を尊重しながら進めていくということになりますので、必ずしもここに参加をしないからといって不利益にならないような取扱いが期待されるわけでございますし、またそういった運用が望まれるところでございます。
  222. 福島みずほ

    福島みずほ君 いや、そうおっしゃっても、基金を受ける条件として新法人に参画することが提示される可能性が都道府県によってはあるわけですから、明確に不利益ではないですか。  厚生労働省としては、ここのところはやっぱり各都道府県に対して、それを要件とし、入らなければやらないぞというようなことは余り望ましくないぐらいのことは指導してくださいませんか。
  223. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 地域医療構想は、地域全体で地域医療機関連携、分化を進めていくものでございますので、それからまた、先ほど来申しておりますように、この連携法人というのはあくまで一つの選択肢でございますので、この選択肢を強要するといったことは法律考えていないわけでございますので、そういった趣旨につきましては十分都道府県の方に周知してまいりたいというふうに考えます。
  224. 福島みずほ

    福島みずほ君 六月の推計医療介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会を踏まえると、地域医療構想地域包括ケアシステムは、病床削減、医療費抑制を目的としており、地域医療連携推進法人制度はそれを促進させるものになってしまうのではないでしょうか。つまり、この制度は、トップダウン、空から降ってきたようなところがあって、猛威を振るえば迷惑だし、逆に力がなければ役に立たない、絵に描いた餅、結局、税金の無駄遣いと、こうなるわけで、一体これがどういうふうに機能していくのか。  でも、少なくとも、国が進める、都道府県が進める医療基本計画、そして病床削減、医療費抑制の方に加担していくのではないか。いかがでしょうか。
  225. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今回のこの法人制度は、患者が、あるいは住民が病気であれば、状態に応じた適切な医療を受けながら住み慣れた地域で生活ができるように、医療機関機能分担連携を図って、地域医療構想の達成、そしてまた地域包括ケアシステムをその地域地域の特性に合った形で進めると。そのために役立つのであれば選択肢として使ってくださいということで提起をしているわけでございますので、医療費削減やあるいは病床の削減を目的としているような制度ではないわけでございます。  六月の推計は、内閣官房の、先ほども小池先生のときに出てまいりましたけれども専門調査会厚生労働省が取りまとめたガイドラインなどに基づいて一定の仮定を置いて行った、そういうものでございます。したがって、今後、これ、都道府県地域医療構想を策定する中で、改めて独自の考え方で病床数を推計をしていくのが都道府県のこれからの大事な責務であるわけで、それは地域の特性を酌み取った形で将来を見通して推計をするということだと思いますので、単に一定の、何というか、医療費削減とかあるいは病床削減をあらかじめ想定しているようなことで、それを目的にこの法人制度を導入するというような考えではないということでございます。
  226. 福島みずほ

    福島みずほ君 それを目的としてはいなくても、そういうふうに機能し、利用されるのではないかという懸念はあると思います。  新法人は、先ほどもありましたが、医療法人ではなく、理事長医師であるとする原則が外され、議決権についても、一社員一票以外の定めを定款ですることができることになっております。医療法人の場合、理事長医師又は歯科医師限定しており、医療倫理と経営の論理、利益の最大化が対立した場合、前者を優先させる抑止効果を持っております。新法人ではそれがないのではないでしょうか。
  227. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 今回の地域医療連携推進法人におきましては、直接医療機関を経営するということが必ずあるわけではございませんので、代表理事ということにつきましては、医師、歯科医師を原則とするということはしておらないわけでございますけれども、しかしながら、地域全体の医療機関連携といった形の重要な業務を担うわけでございますので、常に都道府県の認可を受ける、また、都道府県が認可をする際におきましては都道府県医療審議会意見を聞いた上で認可を行う、こういったことを法律上の要件としているわけでございます。
  228. 福島みずほ

    福島みずほ君 時間ですので、終わります。
  229. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  230. 小池晃

    ○小池晃君 私は、医療法の一部改正案に反対の立場で討論を行います。  以下、反対理由を申し述べます。  本法案は、昨年成立した医療介護総合確保推進法を受け、地域医療構想の実現や地域包括ケアシステムの構築に向けたその一環としての法整備であります。  本法案によって新設される地域医療連携推進法人の下で、地域医療構想実現のために、病床数や診療科の再編、縮小、医師、看護師等の人材移動を進めていくことによって、地域医療、とりわけ医療過疎地域医療崩壊状態を一層加速させる危険性があります。また、地域包括ケアシステム推進のためとして社会福祉法人参加を予定していますが、意思決定の独立性や非営利性の担保についても疑念があります。  なお、地域医療連携推進法人は、参加法人の運営に大きな影響を持つにもかかわらず、法律上は理事長医師、歯科医師でなくてよいとされていること、関連事業であれば株式会社への出資が可能であること、議決権について定款で定めれば差を付けることも可能であり、一部大規模法人による実効支配が排除されないことなどは、医療営利産業化への今後の火種となるものと言わねばなりません。  本日の審議を経ても、残念ながら、なお懸念を払拭するに至りませんでしたので、本法案には反対いたします。  以上です。
  231. 福島みずほ

    福島みずほ君 福島みずほです。  私は、社会民主党・護憲連合を代表して、医療法の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論いたします。  本法案は、医療法人介護事業等を行う非営利法人などを傘下に置く地域医療連携推進法人認定制度の創設を柱としております。  同認定制度目的は、医療機関相互機能分担及び業務連携推進するためとされていますが、複数の法人地域医療連携推進法人の下に統合し、都道府県が定めた地域医療構想の実現のために、病床数や診療科の再編、縮小、医師、看護師等の移動をしやすくしたいという意図が見え隠れしております。また、入院から在宅までを一体的に担わせ、医療費抑制と医療介護の産業化を促進するという懸念を拭うことができません。  社会保障制度改革推進本部に設置された医療介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会は、今年六月、機能分化の推進等によって一割以上の病床を削減し、二〇二五年に百十五—百十九万床程度にすることを目指す内容となっています。地域医療構想がこれを踏まえて策定され、強引な病床削減が現実になれば、患者の更なるたらい回し、追い出しにつながりかねません。  さらに、診療科や医療機関の統廃合、再編を効率的に行うために地域医療連携推進法人が利用されれば、二次医療圏が広範にわたる地域で、病院が消える、必要な診療科がない、医師がいないなど、医療供給体制を大きく揺るがしかねない事態となります。  また、地域医療連携推進法人病院経営を可能としていますが、代表理事医師、歯科医師でなくてもよいとされていること、介護事業や健康サービス等を営む株式会社への出資を可能としていること、社員議決権に差を付けることも可能であることなど、非常に重大な問題があります。これでは、将来的に一部大規模法人の実効支配を許すこととなったり、医療の産業化に道を開きかねません。  そもそも、一体何のために、誰のために地域医療連携推進法人が必要なのでしょうか。法案の根本が明らかにされないまま、短時間の審議で採決することは許されません。  最後に、地域で必要な医療介護を保障する体制の確立を強く求め、私の反対討論といたします。
  232. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  医療法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  233. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、羽生田君から発言を求められておりますので、これを許します。羽生田俊君。
  234. 羽生田俊

    羽生田俊君 私は、ただいま可決されました医療法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、日本共産党、日本を元気にする会・無所属会及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     医療法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。  一、病床の過剰な削減を防ぎ、医療機能の必要量の適切な推計に基づく地域医療構想の実現及び地域包括ケアシステムの構築に資するよう、地域医療連携推進法人の認可及び監督を実施する都道府県に対し、適切な指針の提示、医療政策人材の育成等の必要な支援を行うこと。  二、地域医療連携推進法人地域医療に及ぼす影響に鑑み、地域における医療機関相互間の機能分担及び業務連携推進に当たっては、規模や資本の大小にかかわらず参加法人意思が十分に尊重されるとともに、地域住民に必要な医療確保されるよう留意すること。  三、地域医療連携推進法人の代表理事については、医師又は歯科医師を選任することを原則とすること。また、医師又は歯科医師以外の者を代表理事とする場合でも、営利法人等との利害関係、利益相反を厳重にチェックし、医療の非営利性を損なわないようにすること。  四、貸借対照表及び損益計算書を作成し、公認会計士等の監査を受けなければならない医療法人の基準を厚生労働省令で定めるに当たっては、医療法人の事務負担及び費用負担に配慮しつつ、経営の透明性及び健全性が十分確保されるものとすること。また、必要に応じて基準の見直しを図ること。  五、社会医療法人においては公募による社会医療法人債の発行、地域医療連携推進法人においては資金の貸付け出資が可能であることに鑑み、外部監査の対象となる医療法人においては、内部統制の構築や内部監査体制の構築ができるよう必要な措置を講ずること。  六、本法の施行後五年を経過した場合に、本法による改正後の医療法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるときは、地域医療連携推進法人制度地域医療構想の達成のために有効に機能しているか、地域医療提供体制に過不足が生じていないか等について十分検討し、必要な措置を講ずること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いを申し上げます。
  235. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) ただいま羽生田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  236. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 全会一致と認めます。よって、羽生田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣
  237. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
  238. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  239. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十二分散会