運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2015-07-09 第189回国会 参議院 厚生労働委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年七月九日(木曜日)    午前十時三分開会     ─────────────    委員異動  七月二日     辞任         補欠選任     渡辺美知太郎君    薬師寺みちよ君  七月三日     辞任         補欠選任      吉川ゆうみ君     武見 敬三君  七月六日     辞任         補欠選任      石橋 通宏君     芝  博一君  七月七日     辞任         補欠選任      芝  博一君     石橋 通宏君  七月八日     辞任         補欠選任      白  眞勲君     那谷屋正義君  七月九日     辞任         補欠選任      島村  大君     馬場 成志君      那谷屋正義君     白  眞勲君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         丸川 珠代君     理 事                 大沼みずほ君                 羽生田 俊君                 福岡 資麿君                 津田弥太郎君                 長沢 広明君     委 員                 赤石 清美君                 石井みどり君                 木村 義雄君                 島村  大君                 高階恵美子君                 滝沢  求君                 武見 敬三君                 馬場 成志君                三原じゅん子君                 石橋 通宏君                 那谷屋正義君                 西村まさみ君                 羽田雄一郎君                 白  眞勲君                 牧山ひろえ君                 山本 香苗君                 川田 龍平君                 小池  晃君                 行田 邦子君                薬師寺みちよ君                 福島みずほ君    国務大臣        厚生労働大臣   塩崎 恭久君    副大臣        厚生労働大臣  永岡 桂子君        厚生労働大臣  山本 香苗君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       橋本  岳君        厚生労働大臣政        務官       高階恵美子君    事務局側        常任委員会専門        員        小林  仁君    政府参考人        外務大臣官房参        事官       鈴木 秀生君        文部科学省スポ        ーツ・青少年局        スポーツ・青少        年総括官     白間竜一郎君        厚生労働大臣官        房年金管理審議        官        樽見 英樹君        厚生労働省医政        局長       二川 一男君        厚生労働省健康        局長       新村 和哉君        厚生労働省医薬        食品局長     神田 裕二君        厚生労働省職業        安定局次長    勝田 智明君        厚生労働省職業        安定局雇用開発        部長       広畑 義久君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    藤井 康弘君        厚生労働省老健        局長       三浦 公嗣君        厚生労働省保険        局長       唐澤  剛君        防衛大臣官房衛        生監       塚原 太郎君    参考人        日本年金機構理        事長       水島藤一郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (保健医療二〇三五提言書を踏まえた厚生労働  行政在り方に関する件)  (年金情報流出の問合せに対する誤回答に関す  る件)  (保険医療機関等に対する集団的個別指導の在  り方に関する件)  (外国人家事支援人材の受入れによる日本人労  働者の雇用への影響に関する件)  (アレルギー疾患医療提供体制整備等に関  する件)  (臨床研究に対する法的規制在り方に関する  件)     ─────────────
  2. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、渡辺美知太郎君、吉川ゆうみ君及び白眞勲君が委員辞任され、その補欠として薬師寺みちよ君、武見敬三君及び那谷屋正義君が選任されました。     ─────────────
  3. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長新村和哉君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本年金機構理事長水島藤一郎君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 社会保障及び労働問題等に関する調査議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 三原じゅん子

    三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子でございます。早速質問に入らせていただきたいと思います。  去る六月九日、保健医療二〇三五策定懇談会が本年二月から検討してきた内容が取りまとめられまして、保健医療二〇三五提言書として公表されました。この懇談会は、急激な少子高齢化医療技術の進歩など医療を取り巻く環境が大きく変化する中で、二〇三五年を見据えた保健医療政策ビジョンとその道筋を示すため、国民健康増進保健医療システム持続可能性確保保健医療分野における国際的な貢献地域づくりなどの分野における戦略的な取組に関する検討を行うことを目的としておりましたが、提言書を拝見しましたところ、ゴール、原則、二〇三五年の保健医療実現すべき展望、ビジョンについて非常によく明確にまとめられているという印象を持ちました。この点につきましては大きく評価をしたいと思います。  例えば、ビジョンの二、ライフデザイン主体的選択社会を支えるというビジョンの中では、具体的アクションとして、自ら最適な医療選択参加、協働すること、それに、自ら意識的に健康管理するための行動支援するということが挙げられています。  私は、がん検診の大切さについては繰り返し指摘をさせていただいているところでありますが、その意味におきましても、検診によって明らかになる自らの健康医療情報を把握し、個人主体的にサービス選択健康管理を進めていくことの重要性につきましては強く同意するものでございます。  また、その具体的なアクション事例として、OTC薬を活用したセルフメディケーション支援が挙げられておりましたが、そのような国民が自ら健康を育むことを国の行政として支援していくという点につきましても、今後の国の施策として強力に推進していただきたいと思っております。  そこで、厚生労働省にお尋ねします。  この保健医療二〇三五提言書は、今後の厚生労働行政においてどのような位置付けが与えられるのか。特に、具体的な点といたしましては、国民ライフデザイン支援あるいは個人主体的にサービス選択健康管理を進めていくことの支援の今後の方針について、厚労省の現時点でのお考えで結構ですので、お伺いしたいと思います。
  9. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 保健医療、我々、二〇三五と呼んでいるんですが、この提言書が先般、渋谷座長の方から公表されました。大変意欲的な提言がたくさんございまして、平均年齢四十二・七歳という若い、三十代、四十代の学者医師、あるいは官僚の中からも四人ほど参加をしてもらいましたが、極めて熱心な討議を、それも集まったときだけではなくて、ネットを通じてもう四六時中やり、また国際的にも外国学者ウエブ会議をやるとか、そういうようないろんな形での議論を通じて今回の提言をまとめていただきました。  今、具体的にいろいろございましたけれども、まず第一に申し上げなきゃいけないのは、二十年先のビジョンということで、世界の中でも日本高齢化が最先端を行っていて、この高齢社会の中でどう医療を乗り切っていくのか。生活習慣病増加とか、あるいは医療費の増大による財政問題とか、こういうようなものをどう乗り切るのかというのを世界が注目をしている。その中で二十年先のビジョン日本はこうやって乗り切るんだということを示すことによって、世界にも言ってみれば道しるべを示せるかなということでございました。  ですから、二十年先にはやっぱり考えなきゃいけないけれども、今はなかなかすぐに実行することは難しいかも分からないというものもあるかも分からない。しかし、もう聖域なき改革を考えようということで若い人たち考えていただき、もちろん、日本医師会の会長始め四名のシニアのアドバイザーの意見もしっかりと聞きながらやったものですから、これをどうやって実行していくのかということは、それぞれの一つ一つ政策によって異なってくると思います。  したがって、私どもとしては、厚生労働省の中に実行推進本部というのをつくって、一つ一つ提言について工程表も作りながら、議論を深めながら、それを実現に向けて進めていこうと。物によっては、ですから、来年からできるものもあるかも分からない。しかし、十年掛かるものもあるかも分からない。いずれにしても、これをしっかりとやっていくことが大事で、特に今回は、パラダイムシフトというか、今まで量の拡大中心にやってきたものを今度質の拡大、あるいはインプット中心にやってきたものをアウトカム医療というものをきっちり評価をするということが大事だ。  あるいは、今お話がありましたように、これからはやっぱり健康づくり予防重症化予防、それも個人選択によっていろいろできるように、そのためには徹底的にやっぱりITをフル活用して、データ分析に基づく、科学的な根拠に基づいた選択ができるようにしていくということもとても大事だということで、個人行動にも、それから医療機関行動にも、あと自治体保険者、様々なところに対する提言がなされているというふうに思いますので。また、もう一つは、国内の医療をちゃんとするということは国際的な貢献にもつながるという、全く同じことをやることだということの認識も深めていただいたというふうに思っております。  これから、今申し上げたような体制を省内にも取って、これをできる限り推進をしていこうというふうに思っておりますし、また、地方のこれからの在り方のことにもお触れをいただきましたが、これをやっぱり重要さを考えれば、地方でも意見交換の場を設けていこうと思っていますし、シンポジウムを東京でも、あるいはその他の大きなところで開催をする予定にもしておりますので、国民的に御一緒にこれから少し長いタームで考え医療政策というのを考えようということを訴えかけていきたいというふうに思っております。
  10. 三原じゅん子

    三原じゅん子君 是非強力に推進していただきたいと思います。  次に、OTC薬の活用に関連しまして、PMDAにおけるスイッチ化加速具体策についてお伺いをしたいと思います。  この点に関しまして、去る六月三十日に閣議決定されました日本再興戦略二〇一五の中短期工程表の中で、二〇一五年度から二〇一八年度にかけて、スイッチOTCを加速するための独立行政法人医薬品医療機器総合機構承認審査における審査期間短縮相談体制拡充等との記載がございます。  医薬品安全性確保は、もとより最重要の課題であるということは言うまでもありません。それと同時に、セルフメディケーション支援の一環として、我が国におけるOTC薬の質的、量的な充実を図っていくためには、審査プロセス効率化もまた重要な課題であります。だからこそ、日本再興戦略二〇一五の中でもそのように位置付けられていると理解しております。  そこでお尋ねしますが、具体的には、PMDA平成二十六事業年度業務実績概要によりますと、要指導一般用医薬品審査期間中央値は、平成二十六年度は目標七か月、実績六・三か月であったと報告されております。このような現状を今後どのように改善していこうとお考えなのか、また、これらの期間はどれくらい短縮していくことを目指すのか。要指導医薬品一般用医薬品審査期間やそれらの短縮に向けた目標数値や達成の年限、それに目標実現のための考えておられる方策等についても具体的にお示しをいただきたいと思います。
  11. 神田裕二

    政府参考人神田裕二君) 先生指摘のとおり、PMDAの第三期の中期計画におきましては、これまで八か月という審査期間目標を掲げておりましたものを、今後五年間の間に七か月に短縮していくというものを掲げているところでございます。二十六年度実績については、現状、足下六・三か月ということでございます。  短縮に向けましては、相談事業の円滑な実施ということで、新しい一般用医薬品開発初期段階における開発妥当性についての指導、助言など、新しい相談事業なども立ち上げまして、その迅速化を図ってまいりたいというふうに考えております。  それから、スイッチOTC化促進ということにつきましては、昨年の日本再興戦略の改訂二〇一四におきまして、セルフメディケーション推進に向けてスイッチOTC化を加速するために、米国など海外事例参考に、産業界消費者等のより多様な主体からの意見が反映される仕組みを構築するというふうにされていたところでございます。  これを受けまして、厚生労働科学研究におきまして海外制度等について調査研究をしてまいりましたけれども、その報告を踏まえまして、この六月に薬事・食品衛生審議会におきまして、承認審査に先立つスイッチOTC医薬品候補選定におきまして、従前は日本薬学会から推薦を受けるというような形になっておりましたけれども、一般消費者、団体、学会など多様な主体から要望を受け付けること、それから、医学、薬学の専門家中心とした一般消費者を含む会議を新たに設置いたしまして、現場医会ですとかあるいは学会等からのヒアリング、パブリックコメントなどを通じまして、スイッチOTC医薬品候補選定について透明性を持った議論を行うことなどを内容といたします新しい評価システムを構築することについて御了承いただいたところでございます。  今後は、スイッチOTC化促進に資するように新たな評価システムをできるだけ早期に立ち上げますとともに、多様な主体からの要望の集約ですとか議論透明性確保など、その適切な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
  12. 三原じゅん子

    三原じゅん子君 個人主体的にサービス選択健康管理を進めていくことへの政策的支援が具体的かつ着実に推進されることを期待しておきたいと思います。  次に、漢方について質問させていただきたいと思います。  四月の財政審で、十分定着した市販品類似薬保険給付からの完全除外加速化括弧漢方薬との記載があり、私は大変驚きました。しかしその後、経済財政諮問会議では、大臣より、厚労省としては漢方保険から外すことへの患者負担増加について検討が必要である旨のお考えが示されたと理解をしております。  この漢方薬保険外しについてですけれども、民主党政権のときに行われた事業仕分でもこれ議題に上がっておりました。そのときには、患者方々医療機関関係者方々から三週間で約百万人もの反対署名が集まるという大騒ぎになったということを記憶しておりますが、民主党政権は撤回をしたと記憶をしております。  そして、最近では、伝統医学国際標準化検討するISOの中医薬技術委員会の総会で、これまで暫定タイトルとして使われていた中医学を基にしたトラディショナル・チャイニーズ・メディシンの推奨が決議されまして、ISO技術管理評議会で正式に決定されたという報道がありました。  御存じのとおり、中国の中医学というのは、日本独自の伝統医療漢方とは全く別物です。日本漢方という名称ではなく、中国トラディショナル・チャイニーズ・メディシンがそのまま国際標準化となることは、日本漢方医学にとっても大きな影響が出るのではと懸念されます。このような状況を踏まえると、果たして厚労省は、漢方薬がどのように使われているのか実態を把握し理解しているのか、ほかの省庁にもきちんと御説明いただいているのかというふうに疑問に思わざるを得ません。  国立がん研究センターがん研有明病院慶応大学病院などでは、がん治療漢方薬が処方されています。がん患者にとって漢方薬は、西洋医学標準治療が難しい進行がん、抗がん剤副作用軽減手術後の回復を助けるためなどに使われているなど、いわゆる命綱であること、これを是非理解をいただきたいと思うんです。仮に、がん治療で使われている漢方薬保険が適用されなくなったら、がんで闘っている多くの患者の方が困ることになるということを是非理解をいただきたいと思います。  漢方とは人を治すものであって、病気を治すものではないし、がん漢方薬というのはありません。例えば、半夏瀉心湯というのは通常では胃腸薬に使われているようなものでありますけれども、がん手術後の患者さんには、抗がん剤副作用である下痢の症状を止めるために処方されております。補中益気湯は、風邪の治り際の微熱とか倦怠感改善に使われておりますけれども、がん再発予防手術後の食欲増進などの改善などにも使われているんです。私もがんで何度も開腹手術を重ねましたので、今、大建中湯という薬を飲んでおります。これは、腸閉塞になりがちなので、その予防には欠かせない薬なんですね。このように、がん漢方薬というのは存在せずに、通常使われている漢方薬がん治療でも幅広く使われているということなんです。  では、逆に、がんのときだけ保険適用すればいいのではないかという反論が出るかもしれませんけれども、しかし、がん患者の訴えにはいろいろなものがあります。それが、がんそのもの治療なのか副作用軽減なのかそれ以外なのか、こういうことは明確には分けられないのが現状だと思います。また、保険が外れた場合、がん治療などの医療現場漢方薬を使用するときには自由診療で使うことになる、そうなった場合、ほかのがん治療医療費自由診療となってしまうため、患者医療費負担というのは増大するということになります。  ここでお尋ねをします。我が国漢方薬及び漢方医療在り方についてどのようにお考えなのか、そして戦略はあるのかをお答えいただきたいと思います。
  13. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) まず、先生から御指摘をいただきましたように、我が国漢方は言わば和方という日本伝統に基づいたものでございまして、今のがん治療のケースについてお触れいただきましたけれども、我が国医療の中に深く定着をしているというふうに受け止めております。  それで、この一番の懸念でございますけれども、先ほど財政審の建議について御指摘をいただきましたけれども、最終的には、六月三十日に閣議決定されました骨太の方針二〇一五におきまして、これは漢方という名前は出てまいりませんけれども、市販類似薬に係る保険給付については、「公的保険の役割、セルフメディケーション推進患者医療現場への影響等を考慮しつつ、見直しを検討する。」というふうにされております。  我々の厚生労働省の立場といたしましては、これは大臣からも経済財政諮問会議で御意見を申し上げていただきましたけれども、一つには、今先生からも御指摘ございました、患者さんの負担が増える、保険から外してしまいますと。そういうことで、一体国民の皆さんの理解が得られるのかどうかということがございます。それから二つ目は、有効成分が例えば医療用一般の場合では同じでございましても、適応疾患でありますとか、用法や用量が異なるというような使われ方もしているものもございます。それから三番目には、例えば漢方を処方して使うということを変えてしまうということになれば、場合によってはより高額の薬剤が使われるというような可能性もあるわけでございます。  こういうような点に十分留意をして医療保険の中での位置付けというものを十分考えていく必要があると、そういうことに留意しつつ検討していく必要があると考えております。  それから、先生指摘のように漢方日本漢方ということでございますけれども、この治療というものについては、十分我が国医療現状というものに照らしてきちんとした評価考えていくべきものであるというふうに考えているところでございます。
  14. 三原じゅん子

    三原じゅん子君 漢方で使用されている生薬は中国からの輸入に頼っております。この輸入が途絶えたらがん患者への影響というのは甚大でありますので、政府には、漢方薬が十分に確保できるためにどのようなことが必要なのか、こういったことも十分御検討いただき、しっかりと取り組んでいただいて、厚生労働大臣には是非頑張っていただきたいと心からお願いを申し上げたいと思います。  続きまして、前回、五月十二日の委員会において質問させていただきましたがん検診について、本日更に詳しく質問させていただきたいと思います。  内視鏡検査時の鎮静についてであります。  専門家の話によりますと、諸外国、特に欧米では、内視鏡検査を行う際には必ず鎮静を行うので、内視鏡検査を受けない理由として苦痛というのを挙げる人が少ないと聞いております。一方、我が国におきましては、内視鏡検査時に苦痛を訴える人が多く、それが検査忌避につながっているのではないかと考えられます。  そこでお伺いします。内視鏡検査時の苦痛を受けた場合、検査そのもの安全性への影響についてどのようにお考えなのでしょうか。前回局長は、内視鏡検査検討安全性確保が重要であり、その在り方について鎮静体制も含めた検討を行うという御答弁をいただきました。麻酔科医以外が鎮静剤を投与することで死亡事故偶発症なども報告をされておりますし、ヒューマンエラーを回避する体制づくり、これが必要ではないかと思っておりますので、それらの問題も併せた検討状況をお教えください。
  15. 新村和哉

    政府参考人新村和哉君) お答えいたします。  私ども、胃がん検診につきまして現在検討を行っているところでございます。  厚生労働省といたしましては、胃がん検診の項目につきまして、胃の内視鏡検査はこれまで推奨しておりませんでしたけれども、内視鏡検査につきましても新たに死亡率減少効果の治験が得られたということで、六月二十九日開催いたしましたがん検診のあり方に関する検討会におきまして、今後内視鏡検査も推奨するという方向で議論が進められているところでございます。  一方で、平成二十六年度の内閣府によるがん対策に関する世論調査によりますと、がん検診を受けない理由の一つとして、検査に伴う苦痛に不安があるからという意見が二〇%程度あるということでございまして、御指摘のとおり、受診者の苦痛や不安の軽減を図るということが重要であると認識しております。  このがん検診のあり方に関する検討会では、引き続き、検診の対象年齢、検診間隔、検診の実施に必要な体制等につきましても検討を進めておりまして、今後、安全確保在り方鎮静の方法など必要な体制確保についても検討を進めてまいりたいと考えております。  また、あわせて、具体的な鎮静偶発症対策などを含む胃内視鏡検査の実施に係るマニュアルの作成に向けまして、研究班におきましても対策型検診としての胃内視鏡検査等の実施に係る体制整備の研究を行っておりますので、その中で専門家の御意見も十分お伺いしながら研究を深め、また検討を進めてまいりたいと考えております。
  16. 三原じゅん子

    三原じゅん子君 国立がん研究センターのガイドラインでは、胃がんの対策型検診に新たに内視鏡検査を盛り込みました。国の方針が確定した後には、現場は必要な対策は講じる必要がありますので、遅くならないように議論をいただいて、早期に鎮静を含めたしかるべき体制をお示しいただきたいとお願いをしたいと思います。  そして、次が、前回の質問で申し上げた内容で、がんの検査には二種類あって、いわゆるがん検診と言われる一次検診と要精密検査と診断された後に行う精密検査があり、特に職域検診を受けた方において精密検査の受診率が低いことが問題であるという質問をさせていただきました。そのとき局長の御答弁が、要精密検査とされた方は一般の方よりがん可能性が高いので、更なる受診勧奨で早期発見につなげることが重要という内容であったと理解しておりますが、局長の答弁には職域検診に関する内容がございませんでしたので、大変心配をしております。  そこでお伺いをしたいと思います。  確かに、地域検診と職域検診とでは実施主体が自治体と健保組合と異なっておりますが、厚労省としては国民全体の健康維持に配慮するという必要があると私は考えております。局長が御答弁なさった、平成二十七年度予算で新たに実施される精検受診率向上に向けた事業には、職域検診は含まれているのでしょうか。
  17. 新村和哉

    政府参考人新村和哉君) 御指摘がございました二十七年度予算事業でございますが、新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業という名称で創設してございます。がんの疑いで精密検査が必要とされた方のうち、未受診者に対する再勧奨を支援する事業でございます。これは、市区町村が実施するがん検診についての支援事業でございまして、これ自体は職域検診への支援は含まれてございません。  しかし、職域におきましても、精密検査の未受診者に対する再勧奨は非常に重要と考えております。職域検診に関する取組につきましては、平成二十一年度からがん対策推進企業アクションという事業も行っておりまして、精密検査の重要性を含め、社内におけるがん検診に関する普及啓発等を行っていただいております。  今後も、こうした取組も含めまして、職域検診における精密検査の受診率の向上ということも非常に重要でございますので、是非こちらにつきましても一層取り組んでまいりたいと考えております。
  18. 三原じゅん子

    三原じゅん子君 がん検診というのは四十歳以上が対象です。職域検診がん検診を受診する方は四十代、五十代の働き盛りの方です。がん対策というのを真剣に考えるならば、胃がんでは約六〇%、大腸がんでは約七〇%が精検を受診していないというこの職域検診にしっかり注力する必要があるのではないかと。  この辺を強く希望いたしまして、少し早いですが、私の質問を終わります。
  19. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。  本日は、いわゆる漏れた年金情報問題、日本年金機構から年金加入者の氏名や基礎年金番号など百二十五万件もの個人情報が流出した事件を中心に質問をさせていただきたいと思います。  報道などで御存じかとは思いますけれども、今回の情報流出事件に関し、機構の専用電話窓口で一旦情報流出はないという答えを受けたにもかかわらず、実際は流出被害があったという回答ミス、これが二千四百四十九人にも上ることが明らかになりました。  私、今朝、厚生労働省から、皆さんに配付したこのリストを手に入れたんですけれども、私はてっきり、まあ二千四百四十九人という人数も大きいですけれども、箇所数も何と北海道から沖縄まで全国に広がっているという、本当に大きな問題だということが分かりました。  これは、電話や窓口での対応記録、相談事跡と百一万人のおわび状発送リストの照合の結果判明した数字とお聞きしていますが、この認識に間違いはないでしょうか。
  20. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) まず、私どもの説明の誤りによりましてお客様に大変御迷惑と御不安を与えました。改めて心からおわびを申し上げる次第でございます。  御質問でございますが、六月中旬でございますが、百二十五万件のおわび状送付対象の方の確定をする作業の中で、念のために相談事跡の内容も確認したものでございまして、その中で説明の誤りと疑われる事例が判明したということでございます。
  21. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 本当に、このようなことが起きて残念です。  それから、先ほどのリスト、これ今朝入手したんですけれども、これを見て、大臣、どう思われますでしょうか。
  22. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) まず第一に、おととい正式に、二千四百四十九名の方々が、該当するにもかかわらず該当していないというふうな回答を機構の方から受けていたということを知りました。  私どもとしても、大変こういった誤った説明をした方々に御迷惑を掛け、また、報道を通じて国民の皆様方にも更に年金に対する心配をされる方が多かったのではないかと思うわけでありまして、監督する立場として非常に遺憾に思うとともに、私どもの監督も更に強化しなければいけないということで、おわびを申し上げなければいけないというふうに思っております。  これ、全国にわたっているということでございますが、これは、今回の百一万人がやっぱり全国にわたっていたということと、何でこういうことが、今回誤った説明をしたのかということは、今、原因究明を一刻も早くやれということを言っていますけれども、システマチックにこういうことが起きるような間違ったことの原因があったということであろうかと思うので、一日も早く、なぜ起きたのかということも含めて真相解明をしていきたいというふうに思っているところでございます。
  23. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 機構は、この大きなミスを公表せずに、同月の二十七日から一週間掛けて誤った説明をした人たちを個別訪問して謝罪したと説明しておられます。この回答ミスの原因につきましてですが、人為的なミス、すなわちヒューマンエラーなのか、それともシステム的エラーなのかも含めて原因は不明だということを聞きました。それから、六月一日の公表前後に混乱があったと言い訳しております。本当に不明のままなのか、疑問に思います。  この件に関連し、事前に年金機構にヒアリングしましたところ、全ての該当者が二十二日からのおわび状の発送前に問合せをしています。すなわち、二十二日以降の問合せに対して回答ミスはないと言っているんですね。これが一つ。  それから、流出があったのにないと誤って回答したケースのみで、その逆、ないのにあったという事例一つもないんですね。これもすごく不思議だと思うんです。ヒューマンエラーでなくて機械処理上ではないかと思うことが、こういった裏付けがあるんですけれども。  それから、もう一つ私が気が付いたことは、薄井副理事長は、私が部会の中で、ミスが生じた一人一人原因を調べた結果どうでしたかと聞くと、一人一人調べる性質の問題ではないと答えていたんですね。もしヒューマンエラーだったら、一人一人調べていますよね。  ですから、こういった私が今申し上げた三つの理由、裏付けからだけでも、ヒューマンエラーではなくて機械的な処理のエラーではないかというふうに思うんですね。そうとしか考えられないんですけれども、いかがでしょうか、理事長
  24. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) まさに原因は現在究明をしているところでございますけれども、やはりこのような誤りが生じました原因といたしましては、六月一日の公表前後に、非常に短い準備期間の中で対応いたしておりました。このような混乱の中で生じたというふうに考えておりますが、現在その原因についてきちんと調査をしたいと、今進めているところでございます。
  25. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 私の質問に答えていなかったと思うんですけれども、ヒューマンエラーではなく機械処理システムのエラーでしか考えられないと思うんですけれどもいかがでしょうかと聞いたんです。
  26. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) いろいろな推定と申しますか、ということはできるかと思いますが、きちんと調べた上で御報告を申し上げたいというふうに思っております。
  27. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 全然答えていただけない。  私がもう三つの裏付けを申し上げましたけれども、どう考えても、ヒューマンエラーだったら二十二日以降だって調べられるわけですよね。でも、二十二日前の話だということとか、あと、一人一人調べる性質のものではないということだけでも、それだけでももうヒューマンエラーじゃないと言っているようなものなんですけれども、それに全くお答えしない。本当に残念です。  機構は、今回の該当者二千四百四十九人のうち、七月三日時点で二千百七十七名は面談、説明済みで、二百七十二名はコンタクトができていないというふうに説明されています。現在の段階でまだ御説明が済んでいない方は何人でしょうか。それとも、全て御説明を終了されているんでしょうか、理事長
  28. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 二百七十二名の方につきまして、お伺いをしてメモを置かせていただいて、その上でおわび状をお送りさせていただいておるわけでございますが、今、申し訳ございません、二百七十二名が昨日現在どうなったかということを、報告を今取っているところでございまして、今まだ数字が変わっていないという状況でございます。大変申し訳ございません。
  29. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 済みません、さっきの質問ですけれども、私の質問に全く答えていないんですけれども、答えてください。さっきの、機械処理上のシステムエラーとしか考えられないということ。
  30. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) まず、個別に調べるべきことではないということを私どもが、少なくとも私はお答えを申し上げておりませんで、どういうような事情であったかということについては、いろいろおわびを申し上げた中で個別のお話は承ってきておりますので、そういうようなことに関しましてもよく……(発言する者あり)
  31. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  32. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 速記を起こしてください。
  33. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) ヒューマンエラー、システムエラー、いずれも原因としては考えられますが、次回、火曜日に御審議を頂戴することになっております。その時点で、判明した内容について御報告申し上げるようにいたします。
  34. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 それから、先ほどの、現在の段階でまだ説明が済んでいない方は何名でしょうかという質問に対して調査中というふうにおっしゃっていましたけれども、いつまでに調査していただけますか。
  35. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 二百七十二名の方にお手紙をお送りして、まだ直接御本人には御説明を申し上げていないというのが昨日の段階でございました。したがいまして、これを今、極力お目にかかるべく努力をいたしておりますので、その内容については現在報告を取っている段階でございます。もうしばらくお待ちいただきたいと思います。
  36. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 済みません、質問に答えていないです。いつまでに調査していただけますかと聞いたので。
  37. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 次回の火曜日までには状況を御報告申し上げます。
  38. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 火曜日までにお願いします。  個別訪問先のリストを作っていないんでしょうか。質問に対して調査中という答えが本当に多過ぎると思うんですが、このような誤った回答をしてしまったケースは本当に二千四百四十九名で打ち止めでしょうか。
  39. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 現在把握している限りでは二千四百四十九名の方だということでございまして、今後、間違いが起きないよう私どもとしては努力を重ねていくということでございます。
  40. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 なぜ原因不明とおっしゃっているのにこれで打ち止めのようなことを言うんでしょうか。原因が分からないと打ち止めか否かは判断できないと思うんですけれども、本当は原因に見当が付いているんじゃないでしょうかね。  続いて、記者会見についてお伺いしたいと思います。  年金機構や厚生労働省は、この件に関しまして、おわびですとか事情説明の記者会見は予定していないとされているんですね。回答ミスの被害者に一人一人直接おわびをするからというふうに説明しているんですけれども、改めて会見は考えていないということだそうです。  しかし、これは間違った人に対する謝罪とは全く別問題だと思うんです。今回の年金情報流出の専用窓口の費用は、これ費用が発生しているんですね。これ税金なんです。税金ないし保険料です。いずれにしても国民負担になるわけです。ですから、ミスがあった人だけではないんですね。  国民負担でやったこの専用ダイヤルに意味がなかったということをはっきりと国民に謝罪すべきだと思いませんでしょうか。また、謝罪会見という意味だけではなく、二千四百四十九人以外の回答ミスはないということを公に説明して皆さんを安心させる国民向けのメッセージを発するべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。  大臣は、この問題を記者会見も開かずに済ませられるような軽い問題と御認識なんでしょうか。この点に関する大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。大臣
  41. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) これは、昨日も衆議院の方で申し上げましたけれども、今回、説明の誤りによって国民の皆様方に混乱を与えたことはもう本当に申し訳ない限りでありまして、おまけに、私の方にも正式には七日に初めて二千四百四十九人という数字が上がってきた、そういう状況でございます。  まだ二百七十二名の方にちゃんとした直接の話が、おわびが行っていないということでございますので、私どもとしては、まず全精力をこの実際に誤った説明によって混乱を与えてしまった方々に対して個別に説明と謝罪を行えということで、今機構の方で鋭意、先ほどお配りをいただいたとおり全国におられるわけでありますから、それを今徹底的にやってもらっているということでございます。  いずれにしても、今後、不備がないようにしっかりと機構が対応して、全体としても間違いが繰り返されないような体制づくりに励んでいきたいと、このように思っておるところでございます。
  42. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 私が申し上げているのは、ミスがあった人たちへの謝罪、これは訪問しているということですけれども、それとは別に、税金を使ってコールセンターを開いていて、そしてこのコールセンターにミスがあった。その謝罪は、そのミスがあった人たち以外に説明や記者会見という形で広く周知する必要はないというふうにおっしゃるんでしょうか。
  43. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 財源が何かということはおいても、大変重要なことが、今、深刻なことが起きてしまったことは間違いないわけでありますけれども、一義的にやはりすぐやらなきゃいけないことは、実際に誤った説明をしてしまって混乱を招いた方々に対して説明を尽くすということ、そして謝罪をするということがまず大事なのであって、そちらにエネルギーをまず費やすということを今申し上げているところでございます。
  44. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 エネルギーを費やすとおっしゃっていても、並行してやれるはずなんですね、記者会見。記者会見、五分でも十分でも開けるわけですから。それをやらないんですか。
  45. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 何度も申し上げますけれども、まずやるべきことは、きちっとこの二百七十二人の方々に御説明と謝罪をすることだというふうに思っております。
  46. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ミスがあったということが明らかになっているはずです。そして、謝罪するのに全ての原因判明を待たなければならないというのも非常に疑問です。それで、何で並行してできないのか。五分の記者会見が何でミスが起きた人たちへの謝りと同時にできないのか。それはやっぱり誠意がないからだと思います。  今回の件は、ミスの上にミスが重なった物すごく重大な大失態だという自覚は本当にございますでしょうか。年金機構に対する信頼感はもちろん、今回の情報流出の二次被害防止の切り札でありますコールセンター、このコールセンターへの信頼感がゼロになってしまっているんですね。当事者だけの問題ではないんです。  今回の件について、年金機構は厚労省にも報告しなかったといいます。七月六日、昼頃にテレビニュースでの報道もありましたけれども、厚労省から年金機構に確認が行われた結果、初めて事実と判明したそうです。機構は、なぜ厚労省にも報告せず、単独で処理しようとしたんでしょうか。
  47. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) まず、結果としては、大変申し訳なかったというふうに思っております。  私ども、いわゆる御説明に誤りが発生したというような状態のときに、個別に参上して御説明をして、状況について御理解を頂戴するということを常々やってきております。そのような中で、本件に関しましても同じような対応を取ってきたということでございます。
  48. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 全然お答えになっていらっしゃらないので、答えてください。なぜ厚労省にも報告せず、単独で処理しようとしたんでしょうか。
  49. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 今お答え申し上げたとおりでございますが、まず、そのような、厚生労働省に御報告を申し上げてこなかったということについては、深く反省をいたしております。  先ほど申し上げましたように、私ども、このような説明誤りが発生したときには、基本的には個別に御説明をしてきておるということでございまして、その対応の中で個別の御説明をしてきたということでございます。
  50. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 本当に答えになっていないです。  この報告状況について、大臣はどのような所感を持たれますでしょうか。
  51. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、こういう誤りがあったということが分かった時点で、私どもの方には、年金局にはすぐに報告をすべきだったというふうに思っておりますし、それをやらないというのは、今回、六月一日までの経緯をここの委員会議論でも随分しましたけれども、五月の八日からずっと私どもは二十九日まで正式には聞いていないという状況でありましたから、よもや同じようなことを繰り返されるというふうには思っておりませんでしたので、本当に残念でならないわけでありまして、ここのところは厳しく機構の方にも指摘をしているところでございます。
  52. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 何か、厳しくしていくとおっしゃるんですけれども、それは何か他人事のように聞こえるんですけれども、日本年金機構の監督責任は厚労省、とりわけ大臣にあるんですね。ですから、厳しく言うというのは、ちょっと。御自身に厳しくしてください。  厚労省は、監督官庁として機能していないように思えます。現在は年金情報流出の渦中にあり、本当に厚労省と機構が一体となってトラブルの対応に当たらなければならない状況にあるにもかかわらず、この有様です。  現在、両組織の連携を高めるためにも、この事件の処理中は厚労省の方から職員を十七名機構に常駐させているといいます。それにもかかわらず、このような重大な情報が厚労省に伝わらなかったのはなぜなんでしょうか、大臣
  53. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 私ども、この問題が六月一日に明らかになって、それ以降、審議官級の職員を含めて常駐する者を送り込んでいるわけでございます。元々、職員が常駐はしておりましたけれども、別な目的でいて、これまた全く情報が入っていなかったということであったわけでありますけれども、今回、本来、私どもが送り込んだ審議官級のチームに対して、この問題について実は私どもとほぼ同じまで通報が行っていないということも分かりました。  そういうことが非常に残念なことであって、私どもとしては、もう今後こういうことが絶対に起きないように機構の方に厳しく言っているわけでありますが、情報共有を一層強化をするということを、体制としてもどうするかということを今対応中でございます。
  54. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 たくさん人がいて、機構から厚労省に常駐しているスタッフさんも結構いるようなんですね。しかし、重要な情報が伝わらず連携が全然できていない。お互いの人員派遣、この意味が全くないわけですね。  今回、機構は、報道されるまで回答ミスについて公表していません。言わば、こっそりひそかに個別訪問で回りながら、公には隠していたという状況なんですね。これは、この不祥事をこっそりと隠し通そうとしたのではないか、この話に蓋をしようとしたのではないかと思わざるを得ません。  実際に、機構の職員の方は、面談の際にもお留守の際にも、今回のミスを示すような文書を全く渡していないんです。薄井副理事長は、公表しなかった理由についてこう言いました、お客様への対応を最優先にしたためと釈明しています。  であるならば、報道がなければいつ発表するつもりだったんでしょうか、理事長、正確にお答えください。
  55. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) まず、事務処理誤りに関しましては、毎月報告をしております。その報告の中でもちろん公表し、御報告申し上げる方針でございました。
  56. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 いや、毎月の、月々のじゃなくて、このことがあったということをいつ報告、発表するつもりだったんですかと聞いているんです。この質問に答えてください。
  57. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) その発表方法が適切であったかどうかということについては反省をすべきだと思いますが、事務処理誤りに関しまして報告、公表するというルールにいたしております。その中で公表するという方針でございました。
  58. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 済みません、答えていないんですけれども。  止めてください。
  59. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  60. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 速記を起こしてください。
  61. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 次回の定例報告は七月末でございますので、その公表に合わせて、その中で公表するようにいたします。
  62. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 そもそも、お客様への対応優先といっても、一巡目の個別訪問は七月三日頃に終わっているんですよね。七月三日には公表していないじゃないですか。それでも公表していないんですから、できれば公表しないで済ませたかったのが本音なんじゃないでしょうか。
  63. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 全くそんなことはございません。きちんと定例の報告、これは記者クラブにもきちんと公表をいたしております。その中で公表をするということでございます。
  64. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 七月末に公表するつもりだったとおっしゃっていましたけれども、もう一巡しているんですね、個別訪問も。そして、世の中に全く知らせないで、ずっと末まで取っておく。これはやっぱり、誰が決めたんですか、この公表しないということを、こんな重大なことを。
  65. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) これは、私どもの機構の中のルールでございますので、それに沿って行っていくということでございまして、誰が決めたかということを申し上げれば、最終的には私が決めたということだと申し上げることになります。
  66. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 では、今後も同じようなことが起こった場合、やはり先々まで隠し通す、又はばれちゃってから一か月後に言うはずだったというふうにおっしゃるんでしょうか。
  67. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) そんなことはございません。ルールに沿って公表を行っていくということでございます。
  68. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 では、今回のは例外だったんですか。
  69. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 今回もルールどおりでございます。
  70. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ルールを具体的に説明してください。
  71. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) ルールを正確にちょっとここで申し上げることはなかなか、頭の中に入っておりませんが、基本的にはその月に起きたテーマについて翌月に取りまとめて公表するということではなかったかと思いますが、したがいまして、そういうことだと思います。ちょっと確認をしてきちんとしたお答えをしたいというふうに思います。
  72. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 明らかに定例の報告でやる内容ではないということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
  73. 西村まさみ

    西村まさみ君 おはようございます。民主党、西村まさみでございます。  この年金の問題は、私は非常に大きな問題だと思っています。何か集中でも、先ほどの答弁を伺っていても、本当に人ごとであって、本当に受給されている方、また保険料をお支払いになっている皆さんに対して本当に申し訳なかったという気持ちがどうしても伝わってこないんですが、少しだけ私も年金についてお尋ねしたいと思います。  まず、最初の百二十五万件の流出ということが分かって、百一万人でしたということも分かりました。その皆様方にはおわびのお手紙を出して、決して機構側から電話や訪問はしないというふうにやってきたと思います。しかしながら、なぜ今回のこの二千四百四十九件に限って個別訪問という形を取っておわびをしたのか、その理由は何でしょう。
  74. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 私どもから申し上げておりますのは、電話はしないということでございまして、訪問に関しましては、例えば銀行口座の変更をなさった方の御本人が確認できない場合、お伺いして確認をするとか、そのようなことに関しましては現在も行っております。
  75. 西村まさみ

    西村まさみ君 ありがとうございます。  何と言ったらいいのか、この年金の問題、私たちの民主党でも対策本部をつくって昨日まで二十二回やりました。どれも実は解決しているものがなくて、毎回毎回、宿題、宿題、宿題で、そのたびにまた、一週間たったり二週間たつと新しい問題が出てくるんですね。  今回のこの二千四百四十九件も六月の中旬に分かったというふうにいただいていますが、六月中旬にまず何が最初に分かったんでしょうか。お一人だけ分かったんですか、十人だったんでしょうか。それとも、複数とおっしゃいますが、五人だったのか十人だったのか。まず最初、第一報はどのような形で、どなたから、どういう報告があったか教えてください。
  76. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 六月の中旬であったと思いますが、百一万人の方を確定をする作業を進めてまいりまして、その過程で担当部門が念のために相談事跡との突き合わせ確認を行ったということでございます。その中で間違っているのではないかと思われる内容が判明をいたしまして、それについて私に報告があったということでございまして、済みません、件数についてはその時点で報告がございませんでした。
  77. 西村まさみ

    西村まさみ君 ということは、理事長は、その最終の二千四百四十九件という報告が上がってきた七月の六日まで、どのぐらいなのかとか、どのぐらい増えているのかとか、そういった確認はしなかったんですか。
  78. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 二千四百四十九という数字については、今御指摘のとおり、六日に私に報告がございました。この間、いろいろなテーマがございました。その中で、種々のテーマをフォローし決定をしてくるという過程の中にございまして、これに関しては非常に気になっておりましたが、途中で件数の確認を行うことはいたしませんでした。
  79. 西村まさみ

    西村まさみ君 様々なテーマ、いろいろなテーマがあって、それをフォローしていたから、気になってはいたけれども件数の確認をしない、そういうこと自体が、やはりこの誤回答、漏れていませんよと答えた人に実は漏れていましたと言うことは大変大きな問題なんですが、理事長の認識はその程度なんですか。  大切な問題がたくさんあることは、十分私たちも承知しています。でも、わざわざお客様から電話が掛かってきて、自分の情報はどうですか、大丈夫ですかといったときに、大丈夫ですと答えてしまった人が実は漏れていたということは非常に大きな問題だと思うんですけれども、理事長の認識をもう一度お尋ねしたいと思います。
  80. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 先ほども申し上げましたが、まず、この問題は極めて大きな問題だというふうに、私は聞いた当初から思いました。やはり個別に御説明をして、対象者の方に御説明をして、その内容について御理解といいますかおわびを申し上げ、御説明をするようにという指示を六月中旬の段階でいたしております。  その後、対象者の方を確定をしてまいります作業は、まず百一万人の方が固まってこないと対象者が固まってこないという関係にございます。この百一万人の方が固まってまいりましたのが二十二日でございました。そこから、百一万人の方が固まってきた段階で、相談事跡との突き合わせを行うということについては報告がございました。これを早急に進めるようにという指示をいたしたところでございます。
  81. 西村まさみ

    西村まさみ君 じゃ、ちょっと違った角度でお尋ねするんですが、電話をお客様が掛けて、コールセンターであなたの情報は漏れていませんと言われたのに、おわび状が届いておかしいなと思って連絡をしてきたお客様はいないですか。
  82. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) おわび状をお送り申し上げておりますのは、二十二日から順次お送りいたしております。その前に、四情報につきましては、ちょっと確認を、三日と四日だったと思いますが、一万五千人のお客様でございますが、お送りをいたしました。  これに関しましては、そのようなお問合せは私のところには届いておりません。その後、私どもには、具体的に、個別に御説明に行っているわけですが、例えばコールセンターにそういうお問合せがあったというようなことについては、少なくとも私のところには報告がございません。
  83. 西村まさみ

    西村まさみ君 何度も冒頭から申し上げているように、年金というのは非常に大切なものです。つい先日も、新幹線の焼身自殺ありました、事件が。それの巻き添えになって亡くなられた方もいます。あの自殺した方の様々な意見を聞いていると、今の年金ではなかなか暮らせないといったり、年金というものは本当に人々の生活を支えている非常に重要な問題、お金である。  そこのところで大変重要な情報が漏れたということから始まって、今回の誤回答、そして、それ以前に、七月三日までに個別に、全員とは言いませんが、おわびをされたと。その中でも、七月四日の新聞では、先ほどの牧山先生の資料の中にもあるように、パスワードの設定も全三百九十五部署で完了と言っていた虚偽報告があったりと。  機構という組織が一体どういうものなのか、国民の大切なお金をどういうつもりで扱ってきたのか。一人一人の職員に対する、いわゆる理事長から、この様々なことを受けてきちっと勧告なり注意なり一度でもされたんですか。
  84. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) なかなか六月一日公表以降、実務的な時間を取るのも極めて厳しい状況が続いております。  その中で、ちょっと日付を、今ございませんが、私どもに、機構内報として「きずな」というものがございます。その中で、A4の表裏程度の分量でございますが、今回の事案を踏まえて、やはり機構として心からおわびを申し上げなきゃならない、そして全員でおわびを申し上げていかなければならない。そのために、おわびは具体的には、やはり一人一人が一つ一つ行動を積み重ねておわびをしていくということが何よりも大切だというような内容の文章は出させていただいております。  もちろん、一点だけ申し上げますと、本件に関しましては、今御指摘のいわゆる共有フォルダの報告ルールの点もございますが、基本的には本部で起きた問題でございます。したがいまして、この中で各年金事務所は全力を尽くしてこの問題に当たってくれております。そういう意味で、現場の職員の皆さんには心から感謝をいたしておりますし、そういう意味で、特に本部にいる人たちは、この問題について本当に責任を負い反省をしていかなければならないというふうに強く思っているところでございます。
  85. 西村まさみ

    西村まさみ君 理事長にお尋ねします。文章で各皆様にお渡しするのと自分の口で言うのと、どちらが誠心誠意と取られられるとお考えですか。
  86. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) もちろん、私から直接伝えるのがより真意を酌み取っていただける方法ではないかと思います。ただ、私どもには全国を網羅する例えばテレビ会議のようなネットワークはございません。したがいまして、全国の職員に対して訴える手段というのは基本的にはございません。したがいまして、もしやるとすれば代表者を集めてということになりますが、このような事態の中で、かなり経費も掛かりますし、時間も掛かります。  したがいまして、できるだけ早く直接いろいろなことを伝えていきたいというふうに思っておりますが、残念ながら現在は直接伝える機会がないということでございまして、私自身極めて残念でございます。
  87. 西村まさみ

    西村まさみ君 そうですね。確かに経費も掛かるし、そういうシステムがないとなかなか難しいと。  何が言いたいかというと、機構の中だけではなくて、今までも、そして昨日の衆議院の委員会の中でも、やはり言葉で、口で言うということが一番相手に伝わるんです、気持ちも。だったら、国民に向かって記者会見をするべきじゃないですか。
  88. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 今ここで申し上げていることも一つの方法かとは思いますが、いずれにいたしましても、現在、残る二百七十二名の方に直接お目にかかって御説明をするということを急いでおります。かつ、原因究明も進めていかなければなりません。そのような中でどういうような形でお客様に私どもの真意をお伝えしていくか、おわびの気持ちをお伝えしていくかということについては十分考えたいと思っております。
  89. 西村まさみ

    西村まさみ君 ここで言うのは我々だけですよ、関係者だけですよ。でも、一番謝罪しなければいけない相手は、国民お一人お一人だと思うんです。確かに、二百七十二名、残りの方は全て終わってから、原因が分かってから、それもあるでしょう。ただ、やはり心配でならない、毎日の生活が心配でならないとか、自分の年金がどうなったんだろうと感じている人たちに、記者会見という形だとそれこそシステムがきちっとあって、メディアというものが全国で放送して、新聞、マスコミで様々報道されればより多くの人に伝わると思うんですけど、なぜ記者会見ができないかの理由が明確にやっぱり伝わってこないんです。  厚生労働大臣大臣にお尋ねします。大臣は記者会見の必要性を、先ほどからの答弁、昨日の委員会でも聞かせていただきましたが、今私が申し上げましたように手紙も大事です。確かに、気持ちが伝わる、伝わらないということじゃなくて、まず第一報で手紙を出すことも大事。  でも、やはり、はっきり謝罪をするというのであれば、原因が分かってから、二百七十二名の残りの方々に連絡が取れてからというよりかは、まず先に謝罪をするべき。それで、今連絡が取れていない方はこれだけいます、そして、これ以上はありませんとか、そういったことをやるべきだと私は思うんですが、大臣はどうでしょう。
  90. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) もう申し訳ない限りだということは繰り返し申し上げてまいりましたけれども、今申し上げたように、やはりこれは直接機構の人がちゃんと御本人の前でおわびをしながら御説明を申し上げるということが一義的にまず第一だということを申し上げておりまして、まずはそちらをやるということを指示をしているところでございまして、今お話しの件については、まずこれをやるということが大事だというふうに考えております。
  91. 西村まさみ

    西村まさみ君 記者会見の必要はない、国民に直接謝る必要はないということでよろしいですか。
  92. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) いや、申し上げているのは、まず一義的に大事なのは直接お邪魔をしておわびをしながら説明をきっちりとするということが大事だということを申し上げているところでございます。
  93. 西村まさみ

    西村まさみ君 不安に思っている方はたくさんいると思うんです。是非とももう一度、国民に対してどういうふうな形を取ったらきちっと誠意が伝わるのか、謝罪しなければいけないと思っている機構の体制が伝わるのかということを是非再考していただきたい、お願いを申し上げたいと思います。  大臣、やはりこれ、監督官庁の厚生労働省の役割というものも非常に大きかったと思うんですね。だから、もっと早い段階で指導していかなければいけなかったこともあったでしょうし、やはりその連携がうまく取れていないからこのような報告が、先ほどおっしゃっていたみたいに、もう七月の三日の段階で一応一通りの一巡が終わっていても、報告はそれから随分、土日を挟んだからとかいうお答えをしたときもあったようですが、そんなことではなく、やはりもっとしっかりと連携を取るようにというようなことは大臣からきつく機構に申し上げるべきだと思うんですが、どうでしょうか。
  94. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 全くそのとおりでありますが、もう既にきつく言っているところでございます。
  95. 西村まさみ

    西村まさみ君 でも、それが足りないから、全く通じていないからこのような結果なので、再度、何度も言うんですが、年金は大切なものです。やっぱりそこのところでやり取りがうまくいかないと、なかなかそれは次から次へといろんなことが出てきてしまう。  もう、まず最初に厚生労働省報告せよと言うべきだと思うんですが、どうでしょう。
  96. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 余り多くを申し上げませんけれども、そもそも間違った説明をしたということが分かった時点で私どもに説明をすべきだったということで、それは六月中旬でありますから、ましてや個別訪問まで始めているということも何も伝わってこないというのは、さっき申し上げたように、正直、六月一日に公表する時点でいろんな議論をしましたが、それ以降にこのようなことがあるということは全く思わないぐらい厳しく言った上の今回のことでありまして、誠に遺憾そのものであって、我々としては、さらに、おっしゃるように、何度も厳しくは言っておりますが、問題意識はそのとおりであって、二度とこのようなことがないようにということで、さっき申し上げたように私ども、審議官クラスを先頭にチームを入れているわけでありますから、そこにも伝わっていないということもあって、今後の監督の、現地も含めてですね、どうするかということは今いろいろ手を打っているところでございます。
  97. 西村まさみ

    西村まさみ君 是非大臣、よろしくお願いします。  最後に、機構にお尋ねします。  昨日、第三回の検証委員会が行われたと思いますが、報告は上がっていますか。
  98. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 検証委員会に関しましては、私どもに報告はございません。
  99. 西村まさみ

    西村まさみ君 大臣報告は上がっていますか。
  100. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 昨日、厚生労働委員会が衆議院の方でございまして、それが終わったところで秘書官から報告を受けて、今回、中間報告を出すということを委員会の方でお決めになったという報告を受けたところでございます。
  101. 西村まさみ

    西村まさみ君 聞くところによると、昨日の検証委員会、非常に盛りだくさんの内容をきっと議論したんだろうと私は推測したんですが、僅か一時間程度で終わったようなことも聞いています。内容について全て教えてくださいと言うつもりはありませんが、やはりこの検証委員会の結果、八月中旬ということでありますので、それまでにいろいろ大臣、お約束したことがあると思います。歳費の問題、この中間報告なり検証委員会でのある程度の結果が出てからといったことがあると思いますから、是非これは注視していただきまして……(発言する者あり)八月中旬だそうですから、それまでに御自身の意見をしっかりまとめていただくことをお願いを申し上げたいと思います。  済みません、時間がないので次の問題に行きます。機構の皆様、ありがとうございました。  自衛官のメンタルヘルスについてお尋ねしたいと思います。  アメリカにおける退役軍人に対する医療費、給付費を含むいわゆる社会保障費というものが増加傾向にあると聞いているんですが、外務省の認識を教えていただけますか。
  102. 鈴木秀生

    政府参考人(鈴木秀生君) お答え申し上げます。  アメリカの予算制度とかあるいはその内訳の詳細についてまでは、日本政府として有権的にお答えする立場にはないわけではございますが、例えばアメリカの退役軍人省、このホームページにおいて退役軍人に係る歳出に関するデータが公表されているところでございます。その中で一つ医療、これはメディカルケアと書いてありますが、これに関する歳出について言えば、二〇〇二年の米会計年度では約二百三十億ドルであったものが、多少いろいろ変動がございますけれども、年度ごとに増加し、二〇一四米会計年度には約五百九十億ドルとなっているということでございます。  また二番目に、補償及び恩給、コンペンセーション・アンド・ペンションという項目がございまして、これについて申し上げれば、二〇〇二米会計年度では約二百五十億ドルであったものが、これはまた多少の変動はございますけれども、年度ごとに増加し、二〇一四米会計年度には約七百五十億ドルになっていると、そのように承知しております。
  103. 西村まさみ

    西村まさみ君 じゃ、防衛省にもお尋ねします。  いわゆる帰還兵とか退役軍人に対してのメンタルヘルス対策を強化していますが、東日本大震災において被災地に派遣されたいわゆる自衛隊員のPTSDのリスクが高まるなど、メンタルヘルス面における対応の必要性というものが非常に重要となっているんですが、防衛省としてどのような取組をなされているのか、教えてください。
  104. 塚原太郎

    政府参考人(塚原太郎君) お答えします。  自衛官のメンタルヘルスでございますけれども、メンタルヘルス施策、まず強化期間というのを設けまして、人事異動に合わせまして取組をしております。啓発促進のための教育資料の配付ですとか、それからカウンセリング体制の充実というものに努めております。  具体的に申しますと、カウンセリング体制につきましては、陸上自衛隊の各駐屯地でありますとか、海上自衛隊、航空自衛隊の基地などに部内のカウンセラーあるいは部内相談員を配置をしております。また、各駐屯地ごとにメンタルヘルスに関する専門知識を有します臨床心理士を配置をしております。そのような体制を取りながらふだんのメンタルヘルスについては取り組んでおります。  一方、海外派遣に際しましてどのような対応をしているかということを御答弁申し上げますが、ストレスへの対応ですとかストレスの軽減に必要な知識、これをまず与えまして、必要な措置を講じるとともに定期的にメンタルヘルスチェック、これを行っております。  これも具体的に申し上げますと、派遣前、海外に派遣する前に講習などを行いまして、ストレスへの対応、ストレスに関する軽減の知識と、こういったようなものを教育をしておりますとともに、派遣前にはメンタルヘルスチェックを行っております。また、派遣中でございますけれども、メンタルヘルスチェックを行いますとともに、メンタルヘルス要員などが個々の隊員の不安や悩みなどの相談に対応しているということでございます。  また、帰国に際しましては、私どもクールダウンと言っておりますけれども、帰国前教育によりまして、部隊の活動が終わったらすぐに帰ってくるというのではなく、一定期間現地のホテルに滞在をして、リラックスをした形で帰ってきていただくというような取組もしております。また、帰国後につきましては、臨時の健康診断ですとかメンタルヘルスチェックというのを行っております。  さらに、平成二十五年度からは、これは全自衛隊員でございますけれども、対象といたしましたメンタルヘルスチェック、これを行っておりまして、隊員の心の健康状況の傾向を把握する、あるいは必要に応じて心のケアにつなげていくということを行いますとともに、一定期間、具体的には三年間を予定しておりますけれども、この集積を踏まえた傾向の分析評価を行いまして、今後の一貫した心の健康管理に関する施策の策定に資するというような取組も併せて行いたいと思っております。  今後とも、自衛隊員が安心してカウンセリングあるいは相談を行えるような体制を充実するとともに、隊員が適切に任務を遂行できるよう、メンタルヘルス対策の充実に努めてまいりたいと考えております。
  105. 西村まさみ

    西村まさみ君 様々な施策が取られていることに感謝をします。  自衛隊の皆さんは、大変な精神力、強い精神力の下で様々な仕事、遂行されているわけですが、やはり、それでいて、今いろいろな施策を講じられていることは十分に承知したんですけれども、実は強い精神力で自分たちはしっかりと仕事をするんだという思いがある一方で、内部のメンタルヘルスケアの制度を使うということに抵抗を感じている隊員の方もいらっしゃって、内部ではなくて民間の医療機関にいわゆる相談に行ったりするような事例もあるようです。  これ、いろんなところで臨床心理士の皆さんが、心のケアの問題、これは学校教育の現場でも様々なところで行われているんですが、なかなか相談に行くまでのステップというものが難しいと。これから、自衛隊の皆さん、様々な意味でメンタルケアをしっかりと取っていくシステムをしっかりとつくっていただかなければいけない中で、そういった事例もあるということを是非承知していただきまして更なる向上に努めていただきたいと、これはお願いでございます。  大臣、メンタルヘルスとか自殺対策については、やはり厚生労働省大臣としてもしっかりリーダーシップを取って、いわゆる広い分野での関係者が連携をするということが重要だと思うんですが、大臣は今のやり取りを聞いていてどうお感じになったか、教えてください。
  106. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) このメンタルヘルスの問題は、今日は自衛隊をお取り上げをいただきましたけれども、職場で相当今深刻な問題になっていることは御案内のとおりでございまして、自衛隊の場合には防衛省が先ほどお話があったとおり取り組んでおられると思いますけれども、我々としては、精神保健衛生に責任を負うという立場からしてみれば、やはり地域における相談とか普及啓発、あるいは早期発見、早期治療に向けた医療関係者の養成、やはり早期に発見するということがとても大事であろうかと思います。  もちろん予防というのも大事でありますけれども、職場におけるストレスチェック制度の実施を今回導入するわけでありますけれども、こういった国民全体の心の健康の保持増進に取り組んでいくことが大事でございまして、これはもちろん自衛隊のみならずいろんな職場全てにおいてそのことがしっかりと目配りをされて、そしてきちっとした手が打たれるということを私どもとしてもよく見てまいらなければならないというふうに思いますので、霞が関にあっては各役所と連携をし、そして民間の企業とも、これはもう法律もございますけれども、しっかりと見てまいりたいというふうに思っているところでございます。
  107. 西村まさみ

    西村まさみ君 ありがとうございます。是非しっかりとした取組をお願いを申し上げたいと思います。  それでは、最後のテーマで、指導についてお尋ねしたいと思います。  今日は、集団的個別指導について限定してお尋ねしたいと思うんですが、いわゆる指導大綱の見直しというのは、平成八年に四十一年ぶりに改定しました。そこでこの集団的個別指導というものが位置付けられたわけですが、私は、この二十年近い間で社会状況も、もちろん疾病の構造も、そして医療機関側の状況、平均寿命、健康寿命等、様々な取り巻く環境が変わったということで、そろそろ見直しする時期に来ていると思うんですが、厚生労働省としてはどうお考えでしょうか。
  108. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 御指摘指導大綱でございますけれども、これは保険医療機関でありますとか保険薬局に対する指導や監査を定めたものでございます。先生から御指摘いただきましたように、これは平成七年に中央社会保険医療協議会で議論を行いまして制定をされたものでございますけれども、非常に長い期間が経過をしておりまして、そして、特に先生先ほど触れていただきましたような集団的個別指導在り方とかあるいは個別指導の問題、こうした問題について医療関係団体を始めといたしまして様々な御意見をいただいているところでございます。  こういう御意見を踏まえまして、私どもも総合的に検討をしていく必要があると考えております。
  109. 西村まさみ

    西村まさみ君 大臣とのやり取りの中でも、前回四月の質問のときに、提案を是非してくださいということで、私は四つの提案をさせていただきました。それに当たって、ちょっとその前に一つ質問したいのは、この集団的個別指導というのは高点数を基準としているんですが、いわゆる一件当たりの高点数が高いということに基準とした理由は何でしょうか。
  110. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) これは、保険医療機関で、この集団的個別指導の目的というのは、取締りというような観点ではございませんで、教育的な観点から、保険診療というものについて理解をきちんと深めていただくという観点から実施をしているものでございます。これは、大学でも、あるいは医局でも余りこういう保険診療のようなことは、保険の仕組みなどは教えませんので、やっぱりそういうことについてきちんと知っていただくということが基本でございます。  ただ、先生からもこれ何度も御指摘いただきましたけれども、現行は、医療関係あるいは保険者関係の皆様で御議論をいただきまして、この高点数、請求点数が高いということを基準として選定をさせていただいているところでございます。これは、皆さんにとってはっきりした客観的な指標でということで行っているところが現在の状況でございます。
  111. 西村まさみ

    西村まさみ君 局長がおっしゃるとおりに、この指導対象となる医療機関に対して教育的観点から指導を実施しというのはそのとおりなんです。その後の文言が、レセプト一件当たり平均点数が高いことを認識させとあるんですね。高点数であることを認識させる、いわゆる高点数が何か間違った請求をしているということに取られかねないと思うんですが、そういうことではないんですか。
  112. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) これは、もちろん高点数であることが間違っているということではございません。それで、これは先生とも何度も御審議でやり取りをさせていただきましたけれども、例えば在宅医療というようなことをするとどうしても点数は高くなってしまう。これは平成七年当時とは全く事情が変わっております。あるいは、肝炎の治療を行う医療機関などは高点数になってしまうというような点がございまして、これはもちろん高点数で誤った医療を実施をしているということではございませんけれども、ただ、やはり国民保険の中で国民の皆様の保険料あるいは公費というものを有効に活用していただく、適切な保険診療をやっていただいて効率的な観点も考慮をしていただくという観点からこういう点数で現在は決めておるわけでございますけれども、ただ、それは、この点数だけでよいのか、あるいはカテゴリーの作り方が、今は医科と、これは病院と診療所とそして歯科という、主にこういう枠組みでやっているわけでございますけれども、その中の設定の仕方、カテゴリーの設定の仕方もそれでよいのかというような課題があると承知をしております。
  113. 西村まさみ

    西村まさみ君 おっしゃるように、非常にこの見直しの時期と今の二十年間では大きく変わっています。  例えば、何度も言いますが、総件数とか実日数とか医師の数とか様々な要因が掛かってくるのが配慮されていない今の段階では、やはり、何が言いたいかというと、毎回申し上げていて恐縮なんですが、今、日本国民のいわゆる平均寿命、健康寿命も上がってお元気な先生方たくさんいます、もちろん薬剤師さんも、医師も、歯科医師も。その方々がいわゆる今まで地域医療貢献してきたけれども、それは若いときほど診療できなければ患者さんの数は少なくなって、でも、当然ですが、平均点数はこの今のやり方でいけば高くなるということで、いや応なしにやはり集団個別指導というものになる。集団個別指導になれば、当然ですが、翌年にその点数より下がらないと翌々年には個別指導の対象となるという。  そうなるとどういうことが起きるかというと、もう廃院、閉院せざるを得ないという方が出てきたり、若しくはせっかく患者さんにとって、かめるようにする、例えば私は歯科医師ですから歯科のことだけに限局して言えば、かめるようなる、きれいな歯が生えるというのであったとしても、平均点数のことを考えて翌月に回すなんという萎縮診療につながるようなことも起きているわけです。  だからこそ、私は選定基準の見直しをそろそろしっかりとやるべきだと思いますし、この議論、実はもう私も五年掛けて、毎回とは言いませんが、度々言ってきています。本当に本腰を入れてやる時期にもう来ていると思うがために、前回も四つの提案をさせていただきました。請求件数の少ないのが、今の現状から十件を五十件にするべきではないかとも言いました。レセプト一枚当たりの平均点数に加えて、先ほど言ったみたいに、総点数であったり医師の数を考慮するとか、若しくは、公平性をきちっと担保するのであるならば、平均点が各都道府県単位ではなく、せめて各厚生局単位にするとか、もう一点言ったのは、そもそも集団個別指導の今の高点数で選ぶというそのものを廃止して、例えば自動車の運転免許と同じです、全員が、全医療機関が何年かに一回きちっと指導を受けるという集団指導にするかと、四つの提案をさせていただきましたが、それから数か月たちました。検討されたり、若しくは省内で議論があったかどうか、教えてください。
  114. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) これは、四月二十一日にこの委員会におきまして先生から四つの御提案をいただいたところでございます。御指摘のように、一つは、請求件数の少ないという基準を十件ではなくて五十件、一か月の基準でございますが、こんなことを考えるべきじゃないかとか、あるいは総請求点数であるとか医師数等を加味して考えていくべきではないか、そして御指摘のような厚生局単位で捉えてはどうかと、あるいは高点数での選定というものをそもそも考え直すべきじゃないかという四つの御提案をいただきまして、私どもは、これは専門的な見地からの一つの御提案として受け止めさせていただいているところでございます。  それで、先生ももう十分御承知でございますけれども、請求点数の高低だけで選ぶのは、いろいろな現在も改善すべき点を御指摘いただいております。これは、点数上げて当たったらまた次に当たってしまうというようなことをいただいているわけでございますけれども、これらについても私ども部内で検討させていただいております。  それで、いずれにしても、先生指摘のように、これ、保険診療についてきちんと知っていただいてということが主眼でございますし、それから、それぞれの保険医療機関にとって公平でないとやっぱりこれは不満が出てまいりますので、こうした点につきましても、今後、医療関係者や関係団体の皆さんの意見も十分お聞きをして、それこそ二十年以上たっておりますので、しっかりと検討していきたいと考えております。
  115. 西村まさみ

    西村まさみ君 ありがとうございます。  私は、再三にわたって全国の平均点数、各都道府県の平均点数を教えてください、データをお示しくださいと言ってまいりましたが、今日現在も回答をいただいておりません。で、自分で調べました。そうすると、いわゆる保険診療というものは全国一律の同じルールで、どこへいても同じ診療ができるということはもう誰もが分かっています。ところが、この平均点数、やっぱり都道府県によって随分違うんです。二十六年度の基準として、一番高い県は千七百点ぐらいあるんですが、低いところは千百点ぐらいと。その中で六百点近い、五百点以上の差があるんですね。やはり、ここのところは標準化を考えるということも是非視野に入れていただきたいと思いますし、もう二十年たっているということで考え直さなければいけないという御答弁をいただけたと思っておりますので、しっかりと取り組んでいただきたい。  最後に、大臣にお尋ねします。  大臣の愛媛県、本当に平均点数低いんです。大変なんです。だから、大臣よく御存じだと思いますが、この集団的個別指導というものの在り方、今お話ししたみたいに二十年間変わっていないんです。でも、大分そごが出てきていますので、是非大臣の方からも省内でしっかりと検討していくべきだということをお伝えいただきたいと思うんですが、最後にそれだけお尋ねして、質問を終えたいと思います。
  116. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 先ほど局長の方からも、集団的個別指導というのは教育的な視点からやられるべきものだと。つまり、保険請求をする際の考え方というか、取扱いの仕方、つまりそれは医療行為をどうするのかということに直結する話でありますけれども、そういう頭の整理をきちっとしていただくということなんだろうというふうに思いますし、その考え方が統一をされればそれは徹底をしていくということが大事だろうと思いますが、今お話がありましたように、もう二十年たっているということでもあり、そしてこの間は四点の御提言もいただいて、こういうものをどんどん出していただいて、保険者も、それから医師の皆さんも出していただいた上で、より適切な指標の在り方について、公平で客観的な指標として考えられるもの、そして何よりもより良い医療実現するために必要な考え方というものが大事だというふうに思いますので、なお事務方の方で更に議論を深めるように私の方からも指示をしたいというふうに思います。
  117. 西村まさみ

    西村まさみ君 ありがとうございました。
  118. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  119. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、那谷屋正義君が委員辞任され、その補欠として白眞勲君が選任されました。     ─────────────
  120. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  121. 石橋通宏

    石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。  午前中の牧山委員、西村委員に引き続きまして質問させていただきます。  私も後ほど年金情報漏えい問題について取り上げさせていただきますが、今日は是非冒頭に、昨日、参議院の本会議で可決、成立をいたしました国家戦略特区法改正案、とりわけ、私もこの参議院の厚生労働委員会で五月十二日に塩崎大臣ともいわゆる外国人の家事支援人材の受入れの問題についてやり取りをさせていただきましたし、おとといの内閣委員会で担当の石破大臣とこの問題について様々議論させていただきまして、多くの問題点を指摘させていただきましたけれども、石破大臣からは一定のポイントについて共有をいただきましたし、特に重要な事項について今後の具体化に向けてしっかりと政府として責任持って取り組んでいくという確約もいただいております。  厚生労働省からは山本大臣にもおとといの内閣委員会にお出ましをいただきまして、山本大臣からも幾つか約束をいただいておりますので、この件について特に重要な事項を是非塩崎厚生労働大臣からも問題意識の共有、そして今後の取組に厚生労働省挙げてしっかりと対応いただくという観点で幾つか確認をさせていただきたいと思っております。  一点目は、これから具体的な制度設計を行う前に、是非是非、この家事代行サービス、現在既に市場が拡大をしつつあるわけですが、この家事代行サービス業の雇用の実態調査をできる限りでやっていただけないかというふうに強く思うわけです。  これまでの質疑で明らかになりました、これは塩崎大臣も既に共有をいただいていると思いますが、残念ながら、昨年の四月四日、産業競争力会議でこの問題について提起があって以降、政府として責任ある実態調査が行われていないというのは、これは政府からも答弁で確認をいただいております。過去に行われた民間の調査などなどを参考にしているわけですが、じゃ、今一体どういう市場の動向にあって、そこにどれだけの日本人の雇用、それがどう拡大をしているのか、どれだけ人材不足があって、労働条件、賃金の動向がどうなのか、この辺の実態がしっかりと把握をされておりません。  今後の具体的な取組を進めていただく上でこれは大変重要なベンチマークになりますので、まず真っ先に厚生労働省としてでき得る限りの実態調査雇用状況実態調査をやっていただきたい、塩崎大臣是非その指示をいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  122. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) まず、この家事支援代行サービス業という業自体は、所管省は経済産業省ということになっておりますが、民間シンクタンクの調査を見ますと、二〇一一年度の家事支援代行サービスの市場規模は八百十一億円と試算され、また、業界団体の調査では、従事者数は全国で約三万人というふうに聞いているわけでございまして、また、職業ごとの求人求職の状況を示す有効求人倍率、これを見ますと、家庭生活支援サービスの職業は平成二十七年五月時点で三・五三倍となっておりまして、職業計の、合計ですね、有効求人倍率〇・九六倍よりかなり高くなっているというふうに理解をしているところでございます。  今回の外国人家事支援人材受入れ制度というのは、大阪府及び神奈川県の提案も踏まえて特区における対応を図ろうとするものでございまして、政府として一定の実態把握はできているのではないかと考えておりますが、政府内での役割分担を踏まえて、家事支援代行サービス業の需要動向等については、まずは経済産業省が所管官庁でございますので、経産省にも分析をしていただくとともに、必要に応じてやはり厚労省も協力をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
  123. 石橋通宏

    石橋通宏君 これ、さらっと行こうと思ったんですが、そういう無責任な答弁されると。  これ、塩崎大臣、経産省が所管というのは、まあ業としてそうだと。しかし、これからの具体的な制度設計は、各省庁、責任省庁の連携によってちゃんと進めますと。これは石破大臣も答弁されているわけです。  つまり、この産業内の労働者の実態という観点、これは雇用労働条件がどうなっているのか、雇用形態がどうなっているのか、正規、非正規の割合、こういうことをちゃんと把握をして今後の具体的な制度設計に、議論に提供していくのは、これ厚労省の役割じゃないですか。その責任を大臣、放棄されるんですか。いや、経産省が所管だから勝手に調べればいいと、そういう態度で言われるのであれば、これは完全に厚労省としての責任放棄だと思います。  事前にレクをいただいたときは、ちゃんと頑張りますと担当の方は言われていましたが、大臣がやる気がないということですか。そうじゃないと信じたいですが、大臣、労働者の雇用の安心ですとか権利の保護ですとか、それは厚労省がやっていただかなければ困るわけです。  だから、大臣としてその決意をお伺いをしているわけですが、大臣、もう一度、厚労大臣として、それをしっかりとやっていく上では、やっぱりきちんと労働者の実態調査を把握をしていただいた上で、ちゃんと経産省との対応、今後の省庁連携協議をやっていきますと、それを事務方に指示していただかないと困るわけです。是非よろしくお願いします。もう一度。
  124. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) これは、例えば建設業なんかでも、特に先般、被災地に行ったときもそうでしたけれども、当然国交省と連携をしてやるわけで、建設業自体は国交省の所管でありますけれども、地域の雇用情勢を考えれば、我々としてはしっかり協力をするということは当然でありますから、この問題についても、新しい試みとしてやる、国家戦略特区での新しい試みについて経産省の所管の業ではあるけれども我々は協力をすると申し上げているわけでありますので、我々のスタッフもしっかり協力をしてやるというふうに私は理解をしていますし、そのように指示をしているところでございます。
  125. 石橋通宏

    石橋通宏君 残念至極です。  協力をすると言われましたね。どういう協力をするんですか、大臣大臣が協力をするのは、繰り返しますが、厚生労働行政を所管する大臣として、先ほど言いましたように、労働者の保護、労働者のことを考えてそれを代弁する、経産省は業としての成長を考える、そういう役割を果たされるんでしょう、それに労働者の観点からしっかりと歯止めを掛けていただく、それが、大臣厚生労働大臣の役割じゃないですか。今の答弁を聞いていると、全くその辺、大臣として思いがないというふうに思わざるを得ません。大変残念です。  これ、是非厚労大臣、それをやっていただかなかったら、今後、この後話しますけれども、労働者の保護はできませんよ、そんなことじゃ。これ、何か被害があったら、これ厚労大臣の責任ですよ。そのことは是非責任持って、厚生労働大臣、しっかりやってください。  その上で、なぜこの実態調査が必要なのかということを二点目で指摘をさせていただきますが、これは私も、石破大臣も一定の理解をいただいたと思いますけれども、これ今、大臣、先ほどほかの民間の調査の資料を出されましたけれども、市場としては拡大をしている、恐らく雇用としても拡大をしているわけです。つまり、日本人の新たな雇用の創出の重要な産業になりつつあるんだと思うんです。ほとんどのこれ労働者は女性の方々です。  つまり、まさに安倍政権が言っておられる女性の職業生活での活躍、それに資する意味で、もし労働力不足があるのであれば、賃金の上昇を図る、労働条件の向上を図る、働きやすい環境をつくる、それによって頑張りたいと思っておられる女性の方々によりいい雇用を創出をしていく、そのために絶好の分野じゃないですか。  それを、厚生労働省としてはまず責任を持ってやるんだということを考えていかなければいけないわけで、それをどうやって、これ石破大臣は、外国方々にも雇用の機会を提供しないとと。いや、それで日本人の雇用が奪われたり日本人の労働条件が引き下げられたりしてしまったら、安倍政権がやろうとしていることの真逆になりますよ。それをやらせない決意がどうかと、そのためには実態調査をちゃんとして、そういう引下げが効果として生じないようにベンチマークを持たなきゃいけないから言っているわけです。  大臣、この思いは共有していただけるんですか。これによって日本人の雇用が奪われたり、雇用機会が喪失をされたり、日本人の労働条件が引下げになったり、そんなことは絶対させないという思いは共有いただけているんでしょうか。
  126. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今回、特区の中で外国人の皆さん方に家事支援をしていただこうというのは、当然、今先生指摘のとおり、女性も活躍できるように、そしてまた共稼ぎの方々なども男性も女性も含めてしっかりとフル活動できるようにということでやるわけでありますし、また、そのことによって労働市場にゆがみが出てくるようなことは私どもとしては避けなきゃいけないということで、先ほど厚労省としての姿勢が不十分だということをおっしゃっておられますが、業としてのこの家事代行サービス業についての全体については経産省が見るんだということを言っているだけで、労働政策雇用政策については、これはもう横串で私ども厚労省が見ることは当然のことでありますので、あえてこのことは言うまでもなく、その点からは、私どもはしっかりと責任を果たしていくということが必要なんだろうというふうに思います。  したがって、日本人の雇用を奪うとか、あるいは賃金水準を下げるような形になってしまうということは、この間の内閣委員会でも石破大臣の方から、外国の方と日本人との均等待遇の確保のための体制について答弁をされているというふうに私も理解をしておりまして、これらのことを踏まえて、厚労省としても、この制度がしっかりと目的に沿った形で実施をされるように制度設計をこれからやっていかなければならないというふうに考えておって、当然、労働市場に与える影響は十分考慮をしながら、私どもはこの制度設計に参画をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
  127. 石橋通宏

    石橋通宏君 しっかり責任持ってやっていただくのは当然のこととおっしゃっていただきましたので、その当然のことは是非やっていただきたいと思いますが、だから一点目の質問になるわけです。分かりますよね、大臣。今の状況を分からなくてどうやって引下げ競争になるかならないか判断するんですか。引き下がったかどうか分からないじゃないですか。一体、日本人の雇用にどのように影響を与えたか、今の状況を分からずして何がそれが言えるんですか。だから、実態調査をまずやっていただかなかったら、日本人の雇用とか労働条件に対する影響分からないですよねと言っているわけです。それは大臣お分かりになりますよね。だから是非それをやっていただきたいわけです。  均等待遇の確保、これは石破大臣も絶対にそれは政府の責任としてやりますと言っていただきましたし、山本大臣にも答弁をいただいております。ただ、我々が心配するのは、労働条件が引き下げられて、日本人の労働条件も引き下げられて、そこで均等しちゃったら意味ないわけです。これ、分かりますよね。そういう均等じゃ駄目なわけです。なので、今の水準が大事でしょうと言っているわけですけれども。  おとといの内閣委員会でも私指摘をしたんですが、昨年六月の日本再興戦略二〇一四改訂版、塩崎さん、中身はよく御存じだと思いますが、この中で大変気になる記述があるんです。そこには、安価で安心な家事支援サービスの実現を目指すというふうに書かれているわけです。安い家事支援サービスの提供を目指すと書かれていて、その脈絡で外国人家事支援人材の活用というふうになっているわけです。つまり、これ、安い家事支援サービスを提供するために外国人を受け入れするのか、そういうふうに政策的な提起としてなっちゃっているわけですよ。  だから、心配して、塩崎さん、これ、そんなことに絶対させませんよねというふうにお願いをしているわけですが、これ、塩崎大臣、均等待遇の確保、これどうやってやるんですか。おととい山本大臣からも確認いただきました、日本の労働法制では、日本人と外国人労働者との均衡待遇を法令上担保する現行法令はないんです。だから、これ引下げ競争になったり、均衡待遇と口で言っていただくけれども、その法令上の担保がないので、これをじゃどう実現するのかというのは非常に重要なポイントなんです。  大臣、それをどうやって実現していかれるつもりか、是非決意をお願いします。
  128. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 再興戦略、ちょっと手元にないものですから、改めてチェックをして、また機会を見て御答弁申し上げようと思いますけれども。  家事支援サービスに従事する国内労働者に着目をして、国内労働者と外国人材との均等待遇の確保を直接的に規定した労働関係法令というのは今はないわけでありますけれども、労働基準法の第三条において、使用者は、労働者の国籍等を理由として、賃金等の労働条件について差別的取扱いをすることを禁止をしているということになっています。  一方で、現在、就労を目的として我が国に入国をする外国人については、ほぼ全ての在留資格において、日本人が従事する場合に受ける報酬と、それと同等額以上の報酬を受けることを入管法に基づいて上陸許可基準の要件としていることも私どもは理解をしているわけであります。  今回の外国人家事支援人材の受入れの要件についても、これを踏まえて内閣府を中心に関係府省が制度の設計について検討を行っていると理解をしておりまして、厚労省としては、今回の制度が適正に実施されるように、先ほど申し上げたように、各省庁と連携をして、ちゃんと積極的な関与も私どもとしてしながら、この人材を新たに家事支援として外国の方に日本で働いていただくと同時に、同じようなお仕事をされている日本人に悪い影響が出ないようにするということでございます。
  129. 石橋通宏

    石橋通宏君 余り大臣としての強い決意を感じられないので大変心配ですが。  これ、是非今後、具体的な政令事項がほとんどで、具体的な制度設計は本当にこれからですので、これ今後の政令事項の中身、我々しっかりと見させていただきたいと思っています。変なことになるようでしたら、我々重ねてこれ追及していきますので、厚生労働大臣是非大臣として、労働者の本当に雇用や労働条件や権利や、それを最大限守っていくんだという決意で是非事務方の皆さんに指導、指示をしていただきたい、そのことは重ねてお願いをしておきたいと思います。  それでは、残りの時間で年金機構、年金個人情報の漏えい問題について幾つか確認をしておきたいと思います。今日、理事長おいでをいただいておりまして、ありがとうございます。  まず、情報系システムと業務系システムとのファイル共有サーバーを介しての連結問題についてちょっと確認をさせていただきたいと思います。  これ、当初は業務系と、そして……(発言する者あり)
  130. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  131. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 速記を起こしてください。  暫時休憩といたします。    午後一時二十二分休憩      ─────・─────    午後一時五十四分開会
  132. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  この際、委員長から一言申し上げます。  先ほど自民党所属委員の携帯電話が鳴ったことについては、委員長として大変遺憾に思います。  委員におかれましては、委員会室内における携帯電話の使用を厳に慎むよう、委員長から注意申し上げます。     ─────────────
  133. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  134. 石橋通宏

    石橋通宏君 質問の途中でございましたけれども、妨害されてしまったのでもう一回戻らなければいけませんので、時計奪われた思いで大変遺憾でございますけれども、改めて、日本年金機構による年金個人情報漏えい問題についての質問に入っていきたいと思います。  先ほどちょっと質問しかけていたんですけれども、理事長にお伺いします。  これまで、業務系システムと情報系システムというのは論理的に別物だという説明を我々ずっと受けてきたと記憶をしております。ここに来て、そうではなかったということが判明をいたしました。  まず、理事長、確認をいたしますが、業務系システムにつながっている端末というのは全国に二万八千台、情報系端末は七千八百台、これでよろしいですね。
  135. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 結構でございます。
  136. 石橋通宏

    石橋通宏君 つまり、日常で業務で使われているのはこの業務系端末ということになると思いますが、これは当然、正規の職員の方々だけではなくて、非正規で雇用されている職員の方々も日常的にこの業務系端末で作業されているという理解でよろしいですね。
  137. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) そのとおりでございます。
  138. 石橋通宏

    石橋通宏君 それでは確認しますが、全ての非正規雇用の労働者の方々にも、当然ながら、個人情報に関する研修、それから情報セキュリティーに関する研修、それぞれきちんと全ての非正規の職員の方々にも、正規の職員の方々と同等、同様にしっかりと厳密に行われ、それを本部の方でもチェック、確認を随時されているという理解でよろしいですか。
  139. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 日本年金機構におきましては、個人情報の取扱いにつきまして、正規、非正規といった職員の職種に関係なく、関係法律及び内部規定によりましてその適切な取扱いが義務付けられているところでございます。全職員が情報セキュリティー研修を採用時及び年一回以上実施することといたしております。
  140. 石橋通宏

    石橋通宏君 確認ですが、全ての非正規の方も含めて、個人情報保護研修、情報セキュリティー研修、必ず受けているということは本部で確認、チェックをされているということでいいですね。漏れはないという理解でよろしいですね。
  141. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) ちょっと、全員かどうかというところについて、今年、直近でどうかというところは今確認しておりませんが、原則として全員が受講しております。
  142. 石橋通宏

    石橋通宏君 ちょっと、原則としてというのは、今回、多々問題になっておりますのは、これは厚労大臣もしっかり確認をいただきたいと思いますが、機構内で様々ルールはあるわけです。しかし、ルールが守られていなかったことが今回の大きな要因の一端になっているわけですね。そのことは理事長も御確認をされていると思います。ルールとしては全員が受けることになっていると。ただ、その確認、チェックがちゃんと行われているのか、本部で。全ての職員が本当にこの情報セキュリティー研修も含めて必ず決められたとおりに漏れなく受けておられるのか、所与の目的を果たして必要なスキルを身に付けておられるのか、そのことは大変重要なことなわけです。  ルールがどうなっているかだけではなくて、きちんとそれが確認をされているのかということをお伺いしているわけですが、理事長、それは把握をされていないんですね。
  143. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 全員受けているかどうかについては通告になかったのではないかと思っておりますが、そのために、今例えばたまたま休職中の人間でございますとか、そういう者もおりますので、そういう者が全員きちっと受けているかどうかということについてはもう一度確認しなきゃいけませんが、基本的には全員が受けているということでございます。
  144. 石橋通宏

    石橋通宏君 それでは、是非、来週火曜日の集中までにそのことを改めて御報告をいただきたく思いますので、よろしくお願いをします。  その上で、なぜこれ大事かといいますと、先ほど言いましたように、理事長、業務系と情報系、論理的に別々で行き来できないという説明だったと思いますが、実は皆さんが日常お使いになっている業務系の端末、これは基幹システム、社会保険オンラインシステムにつながっている業務系の端末ですが、ここから何と情報系のファイル共有サーバーに直接行くことができるということを改めてこれ説明をされたわけですが、理事長、これは確認をもう一回していただけますね。
  145. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) まず、情報系の端末でございますLANのPCからはいわゆる基幹システムに行くことはできません。これは完全に遮断されております。それから、ウインドウマシンからでございますが、基幹系の端末でございますウインドウマシンでございますが、ウインドウマシンからは一部の業務について情報系のサーバーにアクセスすることができます。情報系のサーバーにアクセスができるということと、それからイントラのメールサーバーでございますね、そこにアクセスすることができるという意味で、まあ一方通行だと、情報系端末からは基幹には絶対行かないという意味で一方通行になっているということでございます。
  146. 石橋通宏

    石橋通宏君 理事長、業務系の端末から、これ、ふだん皆さんが社会保険オンラインシステムで業務をやられているわけですね。そこから情報系のファイル共有サーバーに行って、これは私、事前の説明では、普通のファイル操作何でもできる、ファイルを作ったりファイルを削除したりファイルを改変したり、何でもできますという説明を受けています。  これ、理事長、データのやり取りというのは双方向でやられるので、一方通行ということはあり得ないわけです。業務系の端末から情報系のファイル共有サーバーに行って、いろんなファイル操作ができるということは、そこでデータのやり取りがあるわけです。つまり、業務系の端末を介して情報系と基幹系がつながっていることになるじゃないですか。論理的に別々という説明は、これはうそだったということになりますが、理事長、それでよろしいですね。
  147. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) まず、基幹には情報系の端末からは全く行かないわけでございますので、そういう意味では……
  148. 石橋通宏

    石橋通宏君 ファイル共有サーバーのことですよ。
  149. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) LAN端末からですね、LAN端末から基幹には行かないわけです。  もちろん、ファイルサーバーへのアクセスが可能ではございますけれども、そういう意味では基幹系は完全に守られておりますから、基幹システムは。そういう意味で、まあ論理的にといいますか、一方通行だという意味で申し上げたわけでございます。
  150. 石橋通宏

    石橋通宏君 理事長、お分かりになってお答えをいただいているのかどうか分かりませんが、私が言っているのは、情報系につながっている端末ではなくて、情報系のファイル共有サーバーのことを伺っているわけですね。そこに業務系の端末から普通にアクセスをして、ファイルサーバーにあるファイルをやり取りすることができるわけです。  つまり、理事長、どういうことかお分かりになりますね。もし、今回の事例のように、情報系の端末がウイルスを踏んでしまったと、それによって情報系のファイル共有サーバーが取られちゃうことがあるわけです。ファイル共有サーバーにウイルスが感染してしまった、そこにまんまと業務系のPCから情報系のファイル共有サーバーにアクセスをするわけです。それで埋め込まれちゃうんですよ、業務系の端末も。やられちゃうんです。  つまり、そこから業務系の端末を取られちゃったら、それで業務系のいろいろのシステム、どこまで行けるかはいろいろそれはあるでしょう、それは分かります。業務系のシステムは情報系のシステムよりもより強固なファイアウオールなりシステム構成を組んでおられる、それは分かります。でも、業務系の端末まで取られてしまったら、ウイルスに、危険性ははるかに増すわけです。そのことは、理事長、分かっていらっしゃるんですね。
  151. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 私どもの認識といいますか考え方を申し上げますと、ウインドウマシンは統合ネットワークを通じたインターネット接続は一切行っておりません。したがいまして、外部から直接不正アクセスすること、あるいは外部へ直接不正アクセスすることはできないです。それから、このため、万々一、共有ファイルサーバーのファイルを介してウインドウマシンにウイルスが届いたことがあるとしても、ウインドウマシンから外部に向けて通信することはできません。また、攻撃者がそのウインドウマシンをコントロールしたとしても、基幹系、社会保険オンラインシステムの情報を流出させることもできないということでございます。  さらに、社会保険オンラインシステムのアクセスにつきましては、ユーザーIDでありますとかパスワード認証、それ以外に生体認証などのセキュリティー対策を幾重にも施しております。したがいまして、当該システムに対して不正なアクセスが行われることはないというふうに考えているということでございます。  また、さらに、基幹系システム等の間ではOSや通信規格が異なっておりますので、万が一にもその基本システムにウイルスが入り込むことはあり得ないということでございます。
  152. 石橋通宏

    石橋通宏君 残念ながら、もう時間が来てしまいましたので。  今の理事長の答弁を聞いて、今回、この漏えい問題が起こった原因が分かったような気がしました。それだけ甘いリスクの御認識でやられているということで今回の問題が起こってしまったんだろうなというふうに思います。火曜日もう一回機会をいただいておりますので、もっと突っ込んだ質問させていただきますので、是非用意をしておいていただければと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  153. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、島村大君委員辞任され、その補欠として馬場成志君が選任されました。     ─────────────
  154. 長沢広明

    ○長沢広明君 今日、私の方からは、まず難病対策について伺いたいと思います。  難病新法に基づいて、新たな医療費助成制度が順次始まっております。これまでに三百六の疾病が指定難病として指定をされまして、この七月から第二次指定分の医療費助成が開始されているということでございますが、難病新法では、同時に、厚生労働大臣が難病に係る医療などの総合的な施策の推進のための基本方針を定めるということになっております。これを受けて、先般、六月十六日に開かれた厚生労働省の難病対策委員会で基本方針の骨子案が提示されたというふうに承知をしております。  私は、三月のこの委員会のときに、塩崎大臣に難病患者方々への支援を円滑に進めていただくよう努力をお願いしたいと、こういうふうにお願いしました。大臣からは、極めて大事な基本方針であり、一人でも多くの難病患者方々に地域において安心して生活していただけるような着実な施策の進展を図ってまいりたいという決意をお示しいただいたところでございます。  まず、この難病対策の基本方針の骨子案、一体どういった概要のものになっているのか、そして、この基本方針の骨子案を提示されたことを受けて今後の検討の進め方はどうなっているのか、大臣より簡潔に御報告いただきたいと思います。
  155. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 前回、難病についてお尋ねをいただきましたけれども、これはもう患者方々の多様なニーズに応えるものでなくてはならず、そのためにも医療費助成の対象疾病の拡大と同時に、医療、福祉、就労などの総合的な対策の基本方針の策定が重要であるということで、私どもも認識を深くしているところでございます。  この基本方針につきましては、現在、厚生科学審議会難病対策委員会、ここで議論いただいておりますけれども、これまでのところ、早期に正しい診断ができる医療提供体制確保、難病の治療方法や医薬品等の開発につなげるためのデータベースの構築、それから難病相談支援センターなどの難病の患者を地域で支えるネットワークの構築、それから難病の患者が安心して就労できる環境の整備などを柱として議論が行われているところでございまして、明日十日にも難病対策委員会が開催をされまして基本方針案についての議論が行われる予定ということでございまして、今後、関係団体などの御意見もしっかりと踏まえながら、本年九月をめどに基本方針を策定をしていきたいというふうに考えております。
  156. 長沢広明

    ○長沢広明君 難病患者方々は、その病状が珍しいということで、もう最初の段階から実は大変な困難に直面するわけです。それはどういうことかというと、自らが難病であるという診断を受けるまでの時間が掛かる、確定診断を受けるまでに大変時間が掛かる、その間のいわゆる負担というのが生じるわけですね。難病として自ら確定診断が下りるまでの間に、その間に病状が進行しちゃう場合があるという。したがって、この基本方針の骨子の中にもありますが、いわゆる早期に正しい診断ができる医療提供体制確保というのは大変大事だと思っています。  ちょっと、次もし機会があればこの後またお伺いしたいとは思っているテーマがありまして、少し話だけさせてもらいますが、例えば脳脊髄液減少症、この委員会でも何回か私取り上げさせていただきました。診断方法、これがほぼ確立をされていまして、それに対してブラッドパッチという、脳脊髄液が漏れているところに自らの血液を注入して、それで髄液が漏れるのを止めるというブラッドパッチという療法が劇的に効果があるということが厚生労働省の研究班の中でほぼ証明されて、報告書に出つつあるんですね。  それを保険適用するということがあるんですけれども、実はこの症例を積み重ねて報告されている症例が、皆さん大人なんですよ。十八歳以下の症例についての研究が実は積み重ねられていない。したがって、確定診断は、十八歳以上、二十歳以上のそういう大人の診断を基本としてつくり上げられるわけです。子供はまた病状が違うんですよ、現れ方が。実は子供の方が、例えば鉄棒から落ちたとか、運動のとき、野球とかサッカーとかそういうスポーツの中で頭を打ったとか首を打ったとか、そこから実はすごく立ち上がると目まいがしてもうなかなか立ち上がれなくなるとか、これは単に起立調節性障害とかと言われて、そのうちほっときゃ治るよと言われてずっと何年もたっているという人はたくさんいらっしゃる、お子さんの中に。  したがって、早期に診断を確立するということは、ちゃんと早期に診断できるような体制をきちんとつくるということは、これは難病の患者方々にとって人生における非常に大事な問題なんです。だから、こういうことをしっかりと進めてもらいたいと思います。  ちょっと余計なことを話しましたけれども、指定難病であることが認定をされて医療費助成が始まるまでの間、難病患者方々負担が生じると。そういうことを考えて、迅速な確定診断のため医療提供体制をしっかり確立してもらいたいと思いますし、その間の負担への配慮についても考えてもらいたいと思いますが、厚生労働省としてどういうお考えがあるか、伺いたいと思います。
  157. 新村和哉

    政府参考人新村和哉君) お答えいたします。  難病は、発症してから確定診断に至るまで時間を要する場合が多いということから、御指摘ありましたとおり、できる限り早期に正しい診断ができる体制の構築が求められております。  このため、現在行っております難病対策委員会における基本方針議論におきましても、そのような体制づくりに関しまして検討いただいております。これまで、難病につきまして適切な診断や治療が早期に行われるよう診療ガイドラインの作成を推進するための研究を進めることや、難病の特性に応じまして医療機関同士あるいは院内の診療科同士の連携の在り方等について検討を行うこと、こういったことについて御意見をいただいております。  厚生労働省といたしましては、こういった議論を踏まえまして、本年九月をめどに基本方針を策定することとしております。確定診断のために必要以上に多くの医療機関にかからなければならないなど患者負担が増えることのないよう、今後とも難病の患者に対する医療等の充実を図ってまいりたいと考えております。
  158. 長沢広明

    ○長沢広明君 是非全力でお願いしたいというふうに思います。  一方、この基本方針の骨子案には、難病患者に対する就労支援ということも項目として立てられています。国は、難病の患者雇用に関する事業主の理解促進すると、こういうことが柱になっているわけで、ハローワークを中心に難病患者の安定的な就職に向けた支援を実施する、あるいは難病患者の職場の定着支援に取り組むということも大事な取組の課題として置かれています。  今年五月、この委員会で私も、難病患者就職サポーターの配置状況、今後の増員の見通しということを確認をさせてもらいました。そのときに、平成二十五年度から全国十五か所のハローワークに各一名ずつ配置しているけれども、今年度から増員して、最終的には各都道府県に一名ずつ、計四十七名の難病患者就職サポーターを配置するという計画であるということを確認をしました。早期に配置を進めることをお願いしたいと思います。  ただ、事業主側の理解を広げるということを考えますと、事業主の側は、この人は難病患者だと聞いたら、重症でとても働けないんじゃないかとか突然倒れちゃうんじゃないかとかといって、やっぱり雇用することにやや消極的になってしまう。ある意味では、難病と闘いながらも、社会の中で、社会にあるいは貢献することも含めて働いている方はたくさんいらっしゃるわけです。私の友人の中にも、難病と闘いながらも自分で経営者として頑張っている人もいる。そういう人たちがいるということをきちんと大事にしなきゃいけませんし、そういう方の経験を生かすということも大事だというふうに思います。  例えば、佐賀県では、御自身が難病を患っている方が難病患者就職サポーターに就いてくださっていると。この方はクローン病なんですけれども、自ら難病を持ちながら難病患者の就職支援をやってくれていると。こういう例もありますので、難病患者の就労支援に当たって、この就労支援というのは、難病患者の場合はどういう特有の課題があるのかということを厚生労働省としてどういう認識を持っているかということと、それを乗り越えるために難病患者就職サポーターが行っている工夫とかあれば、紹介をしていただきたいと思います。
  159. 広畑義久

    政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。  ハローワークにおける難病患者の就職件数は、発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金の活用などによりまして年々増加をしております。御指摘いただきました難病患者の就労支援に当たりましては、まず難病の種類が多いことから、ほかの障害に比べまして、個々の疾患による症状や就業上の課題に関する個別性が高いこと、治療との両立や症状の悪化防止のために通院のための時間の確保など就業条件等に配慮が必要な場合があること、それから、難病の症状の特性や雇用管理に関する知識、ノウハウが不足している事業主にとりましては雇入れや職場定着についての負担や不安が大きいことなどの特有の課題が存在していると考えております。  こうした課題を踏まえまして、御指摘いただきました難病患者就職サポーターは、難病相談・支援センター等の関係機関と連携いたしまして、まずは難病患者の方一人一人の症状の違いに応じたきめ細やかな職業相談、それから、事業主の雇用に関する理解促進するため、症状の特性や雇用管理に関するノウハウ、先ほどの助成金やジョブコーチによる支援制度に関する情報提供、さらに、採用に当たりましては、本人と事業主に対しまして、難病の症状の特性や職場での配慮事項に関する相談、助言等の実施等を行ってございます。  このように、難病患者就職サポーターは、個々の難病患者の特性に配慮して丁寧に対応しております。今年度からは全都道府県におきまして難病患者就職サポーターが配置されることから、特別な工夫など好事例を収集してこうした取組を支援してまいります。
  160. 長沢広明

    ○長沢広明君 これは、非常に大変大事な、難病患者方々が働きながら自らの人生をきちんと構築していく道を周りでつくっていくためにも大変大事なテーマだと思いますので、全力で取り組んでもらいたいというふうに思います。  感染症対策、伺いたいと思います。  去年の夏、代々木公園を中心にデング熱が発生をしました。約七十年ぶりの国内感染ということで大変注目が集まりまして、初動体制とか随分話題になりました。感染者数は百数十人規模まで拡大をしてしまいました。  これを受けて厚生労働省は、昨年、蚊媒介性感染症に関する小委員会を設置をして議論してきたというふうに聞いております。その結果、この四月には、蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針というのを策定したと。デング熱のウイルス検査キットも六月から保険適用されているということでもあり、この予防指針と併せて感染の抑制に効果が現れることを期待しておりますが、デング熱の発生が懸念される梅雨から夏を迎えました。去年の反省を踏まえてどういう対策を講じているのか、まとめて報告をしてもらいたいと思います。
  161. 新村和哉

    政府参考人新村和哉君) 近年、地方公共団体あるいは国民の間で、蚊が媒介する感染症に対する知識や危機感が希薄となっていると考えております。このため、デング熱などの蚊媒介感染症への対策を強化していくことが必要と認識しております。  このため、厚生労働省では、昨年のデング熱の国内発生を踏まえまして、本年四月二十八日に、デング熱等の発生予防や蔓延防止のため、関係者が連携して取り組むべき対策をまとめました蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針を策定するとともに、地方公共団体向けの対策の手引の改訂も行っております。その具体的な改訂内容といたしましては、平常時からの蚊の駆除などの予防対策を追加したほか、発生時の対策といたしまして、昨年度の発生を踏まえて、疫学調査の方法や駆除などの対策について改訂すると、そういった内容になっております。  また、御紹介ありましたように、デング熱の検査につきましても、六月から検査キットが保険適用されております。  さらに、研究面につきましては、日本医療研究開発機構におきまして、デング熱に対するワクチン、診断法、治療法の研究開発も行っております。  厚生労働省といたしましては、これらの取組を総合的に進めることで、関係者の意識を高めながら、デング熱を始めとする感染症対策の底上げを図っていきたいと考えております。
  162. 長沢広明

    ○長沢広明君 デング熱を媒介する蚊のほかにも、危険な虫の生息範囲が広がっているという話題があります。中でも、より怖いのがマダニだと言われるんですね。  マダニがもたらす重症熱性血小板減少症候群、略してSFTSと言うらしいんですけれども、一昨年に初めて国内での感染が確認されました。発症すると、発熱、嘔吐、下痢という症状が現れます。有効な薬やワクチンは今のところありません。致死率は約三割と言われています。現時点で患者の発生は西日本に多いと言われておりますが、厚生労働省研究班の調査によれば、このSFTSウイルスを保有するマダニは、これまで患者報告がない東日本や北海道などを含めて広い地域で生息しているということで、今後の感染拡大が懸念されているものの一つであります。  このマダニによるSFTSの現在の発生状況について報告をいただきたいということと、SFTSが疑われる場合、全国の保健所や医療機関が適切に対応できるよう厚生労働省として備えておかなければいけないというふうに思いますが、その点、どのような対策を講じているか、伺いたいと思います。
  163. 新村和哉

    政府参考人新村和哉君) 今お話がございましたように、マダニが媒介するSFTS、重症熱性血小板減少症候群ですが、西日本中心とした十八の府県におきまして、平成十七年から二十六年までの十年間に百十三名の患者が確認され、三十六名の方が亡くなっております。今年に入りましてからも、六月二十八日までに二十八名の患者が確認され、六名の方が亡くなっております。  厚生労働省では、都道府県におけるSFTSの対応が適切なものとなりますよう、これまで全国の地方衛生研究所に対して検査用試薬を配付し、SFTSの診断・検査体制を全国的に整備しております。また、厚生労働科学研究におきまして、全国のマダニや動物におけるSFTSウイルス保有調査を行っておりますほか、診療の手引を作成しております。  引き続き、新たな知見が得られた際には、速やかに各地域に情報提供を行うとともに、それを踏まえた対応を遅滞なく行い、SFTSの対策に努めてまいりたいと考えております。
  164. 長沢広明

    ○長沢広明君 しっかり備えてもらいたいと思います。  最後に、アレルギー対策、特にアレルギー教育について、今日は文部科学省、来ていただいております。  アレルギー対策基本法には、国や地方公共団体、医療関係者の責務のほか、学校等の設置者又は管理者の責務というのが定められています。その内容は、児童等に対して適切な医療的、福祉的又は教育的配慮をするよう努めなければならないというものでございます。これに加え、基本法は、国に対して、アレルギー疾患重症化予防、症状の軽減方法に関する教育を推進するよう求めております。  国民の約半数が何らかのアレルギー疾患に罹患しているという現状で、アレルギーに関する教育は非常に重要だと思います。特に、学校給食における食物アレルギーの事故、大変注目された残念な事故が幾つかありました。こういうことを防ぐためには、疾患を持っている本人はもちろん、その家族、そして学校の中での体制、教員の教育、教員などの関係者の情報と対策、これが非常に大事だというふうに思います。  文科省は、今年三月、学校給食における食物アレルギー対応指針を公表しておりますが、まず文科省に伺います。学校教育における食物アレルギー対策など、文部科学省においてのアレルギー教育ということの状況をどういうふうに考えているのか、報告してもらいたいと思います。
  165. 白間竜一郎

    政府参考人白間竜一郎君) お答えいたします。  議員御指摘がございましたように、学校におきますアレルギー対応におきましては、本人に対する個別の指導はもとより、保護者、教員など関係者が適切な情報と対応策を共有しておくということが何より大切であると認識しているところでございます。  御指摘ございました、本年三月に文科省では、学校給食で食物アレルギー対応を行うに当たって基本になる考え方や留意点、こういったものをまとめた学校給食における食物アレルギー対応指針、こういったものをまとめました。そうしたものをまとめた資料を各教育委員会、学校等に配付をしたところでございます。  この指針では、学校がどういう対応を取るべきかということにつきまして、安全な給食環境を実現するために保護者と学校間での連携が必要不可欠であるということを大前提としまして、食物アレルギーを有する児童生徒、保護者の不安に応じまして定期的に保護者と面談を行うことですとか、あるいは教職員の間で児童生徒の実態、また個別の取組プラン、こういったものの情報を共有するといったことを行っていただいて、情報共有、連絡強化を図り、学校全体として取り組むということを求めているところでございます。  こういった指針の趣旨につきまして、これから開かれる各種の会議等の場も活用しまして更に周知の徹底を行ってまいりたいと考えているところでございます。
  166. 長沢広明

    ○長沢広明君 アナフィラキシーショックを起こしたときにエピペンを迷いなく使うということが学校現場で本当にできるのかというのは、非常に大事な観点の一つです。エピペンの使用について、教育現場の教職員への徹底、これどういうふうに進めておりますか。
  167. 白間竜一郎

    政府参考人白間竜一郎君) 御指摘のエピペンの使用につきましてでございますけれども、学校現場におきまして教職員が緊急時に適切に使用できるようにということで、本年三月にエピペンの使用方法等に関する内容につきます取組のガイドラインの要約版、また研修用のDVD、こういったものを作成いたしまして、エピペンの練習用トレーナーと一緒に各学校、全国の学校に配付をしたところでございます。  また、配付するだけではなくて、こういったことについて実際に活用がきちんとできるようにということで、平成二十年度から普及啓発の講習会を全国で開いておりまして、本年度は特にこの配付した研修用のDVDを活用して、教職員が実際に緊急時にエピペンを適切に使用できるような普及啓発を行っていく予定にしているところでございます。  こういった機会を捉えまして、エピペンの使用方法を含めました対応の充実、周知徹底に努めてまいりたいと考えております。
  168. 長沢広明

    ○長沢広明君 最後に、これに関して厚生労働省に伺います。  アレルギー対策基本法では、国はアレルギー疾患に関する学会とか専門家と協力をして、それに対応できる医師、看護師等も含め医療従事者の専門家を育成するための必要な施策を講ずるということと、専門的なアレルギー疾患医療の提供を行う医療機関の整備を図るために必要な施策を講ずること、こういうふうに基本法に決められております。アレルギー疾患の専門的知識を有する医療従事者の育成、そしてそういう医療機関の整備のためにどういう施策を推進する考えか、伺いたいと思います。
  169. 新村和哉

    政府参考人新村和哉君) アレルギー疾患対策基本法につきましては、法律におきまして公布の日から起算して一年六か月以内に施行するとなっておりまして、本年十二月までに施行するとされているところでございます。今御指摘がございましたアレルギーに関する専門的知識を有する医療従事者の育成と医療機関の整備は、その中でも重要な課題と認識しております。  現在行っている事業といたしましては、都道府県等の医療従事者を対象といたしましてリウマチ・アレルギー相談員養成研修会を実施しておりまして、この研修会につきましては、二十八年度以降も引き続き実施を予定しております。  法施行後に策定する予定のアレルギー疾患対策基本指針におきましても、医療従事者の育成と医療機関の整備は重要な課題として検討する予定にしておりまして、その中で、現在行っている対策も踏まえつつ、更なる施策の具体化について具体的に検討してまいりたいと考えております。
  170. 長沢広明

    ○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。
  171. 川田龍平

    ○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。  まず、子宮頸がんワクチンについて伺います。  五月二十日の日本神経学会厚労省研究班が発表した内容によれば、子宮頸がんワクチンの副反応被害について、体内の免疫システムに関わる特定の遺伝子が症状の出やすさに関連している可能性があるとのことです。HLA—DPB1と呼ばれる遺伝子が0501という型だった患者が十二人中十一人、九二%に上り、免疫異常による脳炎などを起こしているということは、0501は日本人の四割から五割とされることと併せて考えると、国民の約半数が副反応の発症リスクを負うということになるのではないでしょうか。
  172. 新村和哉

    政府参考人新村和哉君) ただいま御指摘がありましたデータにつきましては、厚生労働科学研究の中の池田班に所属する鹿児島大学のグループが行った研究と承知しておりまして、HPVワクチン接種後に神経学的な症状を呈した患者につきまして、白血球が持つ抗原の種類を表すHLA型を調べました。その結果、十二人中十一人がHLA—DPB1、0501という型で、一般的な日本人における頻度である四割から五割より高いという結果であったと承知しております。  しかしながら、本研究は十二人のみを対象にしておりましてデータに制約がございますので、現時点で発症リスク等について評価できる段階にはないと考えております。
  173. 川田龍平

    ○川田龍平君 引き続き、人数を増やした、九十人を対象にした、夏にも臨床研究を行うということで記事にもなっておりますが、この研究成果によって、心身の反応の可能性が最も高いという厚労省の判断の根拠が崩れたことになるのではないでしょうか。
  174. 新村和哉

    政府参考人新村和哉君) ただいまお話がございました心身の反応でございますけれども、審議会において専門家に御議論いただきまして、平成二十六年一月に一定の意見の一致が見られたと。その結果といたしまして、HPVワクチン接種後の疼痛又は多様な症状のメカニズムとして、心身の反応によるものが考えられるとされたところでございます。  繰り返しになりますけれども、御指摘の研究は人数が少ないということでデータに制約がございますので、現時点では病態等につきましても評価できる段階にはないと考えております。
  175. 川田龍平

    ○川田龍平君 是非今後の研究をしっかり見守りたいと思いますが、この子宮頸がんワクチンの接種には、まず遺伝子検査を受けることが必要になるのではないでしょうか。
  176. 新村和哉

    政府参考人新村和哉君) まず、HLA型は白血球が持つ抗原の種類でございまして、血液検査により調べることができ、詳細な遺伝子検査を要するものではございません。  いずれにいたしましても、これも繰り返しになって恐縮ですが、本研究ではまだデータに制約がございますので、現時点では接種が不適当であるものについて評価をするといったような段階にはないと考えております。
  177. 川田龍平

    ○川田龍平君 この副反応被害とHPVワクチンとの因果関係を否定し、接種を推進する実態不明の任意団体、HPVJAPANの声明について伺います。  このウエブサイトで見る限り、厚労省が選定した協力医療機関のうち、院長や窓口の責任者を務める医師が声明に賛同している医療機関は幾つありますでしょうか。
  178. 新村和哉

    政府参考人新村和哉君) お答えいたします。  都道府県から報告がありました協力医療機関に関する資料で確認できる範囲でございますが、厚生労働省において、御指摘の任意団体のウエブサイトに掲載された平成二十七年六月一日現在の賛同者を確認いたしました。その結果、七十の協力医療機関のうち、院長又は窓口となる診療科の担当医師が署名に加わっているものは十六の医療機関でございます。
  179. 川田龍平

    ○川田龍平君 十六の医療機関ということですが、大臣は衆議院の厚労委員会で、個人の見解で、所属する機関とか施設を代表するものではないと答弁をされていますが、所属する機関や施設を明記をしているということがあります。だから、重篤な副反応被害者の方々は、そのような医療機関では、たとえ厚労省が選定したからといっても信頼して受診することができないとしているのですが、大臣、任意団体だから関係ないとか、個人の見解だからなどということで片付けられる問題ではないと思いますが、大臣の見解をお願いいたします。
  180. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) この協力医療機関でございますけれども、一つは整形外科、神経内科、小児科などの複数の診療科があって、診療科相互に協力を得られるなど医療機関内で様々な領域の診療を提供するための体制が整っていることがまず第一でございます。それから、窓口となっております診療科にかかわらず、診療科間で情報共有をして患者に対して適切な診療を実施することなどを要件として都道府県が指定をされているわけでございます。  また、この協力医療機関において診療に従事をする医師などに対しましては、厚生労働科学研究班が中心となって専門家による研修等を実施をしておりまして、患者方々との信頼関係づくりや診療の質の向上というものを図っているわけでございます。  このため、御指摘の団体の趣旨に賛同した医師が協力医療機関で診療していたとしても、その質に必ずしも問題があることにはならないというふうに考えておりまして、今後とも、医師患者の方の訴えに真摯に耳を傾けて丁寧に話をお聞きをし、そして分かりやすい説明を行うなど、診療の質の向上を促してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  181. 川田龍平

    ○川田龍平君 これが個人の見解であるならば所属機関を書くべきではないと思いますし、また、このHPVJAPAN声明の呼びかけ人は子宮頸がん征圧をめざす専門家会議の議長である野田起一郎医師や実行委員長である今野良医師であり、HPVJAPANとこの専門家会議の電話番号は同じです。そして、この専門家会議はHPVワクチン製造販売企業から多額の寄附を受けていますが、やはり任意団体のため、その資金が誰に幾ら渡って何に使われているのか、情報公開の法的な義務がありません。  医師に対するいわゆる迂回献金ではないかとの批判もありますので、六月九日の当委員会で質問したように、薬事分科会における審議参加規程の再度の見直しが必要と考えますが、その際、医師の利益相反開示の仕組みにおいては、このような任意団体を迂回して受け取った報酬や謝金等についても情報公開を義務付けるべきではないでしょうか。
  182. 神田裕二

    政府参考人神田裕二君) 薬事・食品衛生審議会薬事分科会の審議参加規程につきましては、審議の中立性、公平性及び透明性確保する観点から、申請企業や競合企業からの寄附金等の額を把握して、各委員の審議や議決への参加の可否を明らかにするために設けられているところでございます。  寄附金等につきましては、金銭の授受という性格から、審議参加規程の目的に照らしまして、申請企業等から直接受領したとして委員が認識できるものを対象として、委員から自己申告をしていただいているところでございます。製薬企業とは別の団体から受け取った寄附金等について、その資金がどこから出ているかということを各委員が遡って調査の上、申告をしていただくことは現実的には困難であるというふうに考えております。  ただし、今の仕組みにおきましても、申請企業等が委員とあらかじめ寄附を約束した上で非営利団体を介して寄附をした場合には、委員が直接認識することができるというふうに考えられますので、こうした場合には申告の対象に含めることとしているところでございます。  なお、製薬関係団体による企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドラインにおいても、企業による医療関係者への寄附金等の自主的な開示が進められておりますけれども、審議参加ルールと同様に、外注業者や第三者を経由した場合に特定の医師等への提供があることが明らかであれば、寄附金等として開示の対象となっているものというふうに承知しております。
  183. 川田龍平

    ○川田龍平君 是非これもしっかりと開示をしていただいて、しっかりとした措置をとっていただきたいと思います。  次に、B型肝炎対策について伺います。  いわゆるユニバーサルワクチンは二十年間の効果があると言われますが、実際は人によってばらつきがありますし、今問題になっているジェノタイプAeに関しては成人後の水平感染が多く、効果が切れた後であれば感染の可能性があり得るなど、限界があります。  二〇一一年の訴訟団との基本合意以降、一万人を超える和解が成立しましたが、四十三万人以上と推計される被害者の二%でしかありません。基本合意の際に原告は、総理、厚生労働大臣にB型肝炎の根治薬の開発を強く要請したところですが、人口減少、高齢化の中、根治治療ができれば労働力人口に貢献もできますし、世界的にも大きな貢献ができます。  現状、どのくらいの予算を掛け、どのくらい研究開発が進んでいるんでしょうか。
  184. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今お触れになられましたB型肝炎の治療薬の研究でございますが、平成二十三年の六月の基本合意のときに、原告との面会の中で治療薬の研究開発に対する強い要望を頂戴をして、これを受けたというふうに承知をしておりまして、これを踏まえて、B型肝炎の画期的な新規の治療薬の開発を目的として、平成二十四年度から十年計画でB型肝炎創薬実用化等研究事業というのを開始をいたしました。  平成二十七年度までに百八億円を投ずるということになっておりまして、研究事業開始に当たりましては、そもそも創薬に必要な培養細胞などの基盤が確立されていないこと、それからB型肝炎ウイルスが細胞内でどのように増殖をするかなどが解明をされていないことなど、創薬研究を推進する上で多くの課題があることが確認をされたわけであります。  この事業を通じて、創薬のための基盤研究や短期間で創薬につながる化合物の探索等を開始をした結果、創薬に必要となる細胞等の基盤の確立、それから既存のエイズ治療薬の応用、さらにはウイルスのゲノムに直接働きかける新規の技術というものを利用した治療方法の開発などに関しまして成果が得られつつあるというふうに承知をしております。  今後とも、このB型肝炎の新規治療薬の開発を目指して、創薬に結び付く成果が見込める研究事業については、より重点的に推進をしてまいりたいというふうに思っております。
  185. 川田龍平

    ○川田龍平君 このB型肝炎感染者、患者の特に悲願でもありますので、この根治治療薬の開発を是非引き続き進めていただきたいと思います。  次に、群大病院の腹腔鏡手術の事案を踏まえ、どのように高難度の医療技術を導入していくべきか整理をしていくということで局長答弁をいただいていますが、現在どのような体制検討を行っているんでしょうか。検討会のメンバー、検討状況、今後のスケジュールを教えてください。
  186. 二川一男

    政府参考人(二川一男君) 群大病院での事案を踏まえまして、特定機能病院の承認要件等の見直しを検討いたしますとともに、難度の高い医療技術の導入プロセスにつきましても検討を行うといったことで、厚生労働省に大学附属病院等の医療安全確保に関するタスクフォース、これを設置したところでございます。  タスクフォースは、厚生労働大臣を本部長といたしまして、そのほか外部の有識者といたしまして、中央大学法科大学院教授の野村修也氏、それから独立行政法人国立病院機構大阪医療センター院長の楠岡英雄氏、それからNPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏が顧問となって参加をいただいておりまして、厚生労働省と文部科学省の関係部局の局長、課長がメンバーとして検討しております。  タスクフォースは、一回目、五月十四日に行いまして、二回目、六月十日に開催をいたしました。高難度医療技術の導入プロセスを含めまして、特定機能病院に対する集中検査の項目を定めたところでございまして、現在精力的に集中検査を行っているところでございます。おおむね三か月程度の予定で集中検査を行って、その後必要な見直しに着手してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  187. 川田龍平

    ○川田龍平君 私は、このテーマに絞った検討会を立ち上げるものばかりと思っていましたが、ほとんどこれは厚労省内の職員会議、僅かに有識者が三名、しかも厚労省のこの手の検討会の常連のメンバーではないですか。野村弁護士に至っては、GPIFの組織改革も、それから年金機構の検証委員会も担当していて、これは忙し過ぎるのではないかと思います。  過去三回の会合では、特定機能病院への集中検査が議題とされ、ほかにも多くの議題があると聞いています。大臣是非、高難度の新規医療技術導入のプロセスの見直しは大変重いテーマです。  先進医療会議など、現場専門家を十分にそろえた会議で、薬害や医療事故の被害者などの代表者も数をそろえ、この重いテーマについてのしっかりとした議論ができる会議体を立ち上げるべきではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  188. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) この群馬大学で起きましたことについて、かなりいわゆる高難度の新規医療技術を実施する際のプロセスというものが大事だということを改めて認識をしましたし、ふだんの病院のガバナンスそのものの問題ということもあって、今回、この大学附属病院等の医療安全確保に関するタスクフォースというのを立ち上げて、今、全てのこの対象となる病院に実際に行ってチェックをしているわけでございます。  患者の方が安心して医療を受けることができるように高難度の医療技術導入のプロセスを見直していくことは、今先生がおっしゃったとおり極めて重要だというふうに思っていまして、このタスクフォースの顧問の方について今お話がございました。当然のことながら、この方だけではなくて、多くの御意見も頂戴をしながら特定機能病院に対する集中検査を今行っておりますし、その結果を踏まえて、高難度の医療技術導入のプロセスについて更に検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  確かに、様々な、言ってみれば医療技術にも幅がありますから、そこの分野に得意な人、得意じゃない人、いろんな人がおられるので、それぞれ重要な新規の技術導入に関わるようなものについてのプロセスを見直すに当たっては、そういう御意見を広く聞いていきたいというふうに思います。
  189. 川田龍平

    ○川田龍平君 先進医療会議なども是非やってはどうかと思いますし、是非やっていただきたいと思います。  改めて臨床研究と高難度医療の境目についてこれまでの局長答弁をまとめると、どんなに危険で安全性が承認されていない外科手技を実験的に何人もの患者に対して行っても、臨床研究計画を組まず、倫理審査委員会にも申請しなければ、それは人を対象とする医学系の研究に関する倫理指針に基づく臨床研究ではないから指針違反ではないという理解でよろしいでしょうか。
  190. 二川一男

    政府参考人(二川一男君) 倫理指針の対象となります臨床研究は、研究を目的として実施されたものが該当するということでございまして、研究を目的として実施されていなければ確かに倫理指針の対象にはなっていないと、こういうふうに理解をしておるわけでございます。  これまで高難度の新規医療技術の導入に当たりまして、臨床研究として実施すべきかどうか、こういった点につきましてはルールが定められていなかったといったところが問題なんであろうというふうに考えているところでございまして、そういった問題意識を持ちまして、どのような高難度の医療技術を導入すべきかということにつきまして、先ほど来申し上げておりますタスクフォースでの立入検査の状況等も踏まえて検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
  191. 川田龍平

    ○川田龍平君 別にやった方がと思いますが、純粋に患者を助ける目的であるならば、限られた人数の患者であれば許容されるかもしれませんが、今回の群大病院の事例においては多数の患者に実験的な治療法を続けて行い、しかも群馬大学の大学情報データベース上、研究業績としてその症例をまとめたものを登録しています。  これは、ヘルシンキ宣言第三十七条に明白に違反するものではないでしょうか。
  192. 二川一男

    政府参考人(二川一男君) 御指摘のヘルシンキ宣言第三十七条でございますけれども、これにつきましては、臨床における未実証の治療について、その治療で生命を救う、健康を回復する又は苦痛を緩和する望みがあるのであれば、証明されていない治療を実施することができるとした上で、この治療は、引き続き安全性と有効性を評価するために計画された研究の対象とされるべきであるというふうにされておるわけでございます。このヘルシンキ宣言、医師が自らを律するために世界医師会において採択された倫理的原則でございます。  群大病院におきましても、事後検証の結果、こういったヘルシンキ宣言の考え方も踏まえた上で、後からではありますけれども、本来であれば臨床研究として実施すべきであったものと、こういうふうに判断されているものというふうに承知をしております。
  193. 川田龍平

    ○川田龍平君 であれば、是非これは臨床研究としてやったということにするべきだと思います。  そして、米国では、医薬品の承認申請目的のもの、広告に使うものは食品・医薬品法の適用範囲であり、さらには、公的資金による研究は国家研究法と被験者保護規則が適用されていることを踏まえれば、臨床研究在り方検討会がまとめた法律の対象は、世界の標準的な考え方では新たな法の対象とするようなものではなく、薬機法の対象とすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  194. 二川一男

    政府参考人(二川一男君) 委員指摘のとおり、米国におきましては確かに治験と臨床研究の区別というものはございませんで、食品・医薬品・化粧品法で規制をしているというふうに承知をしております。  一方、我が国におきましては、治験は医薬品等を製造、販売しようとする企業がその有効性と安全性を証明するデータを集めるために行うものということで、医薬品医療機器法において規制されていると。一方で、臨床研究の方は、医学課題を解決するために人を対象に行う医学系の研究で、その内容も様々なものであり、学問の自由への配慮も求められるところから倫理指針による対応と、こういった形で対応してきているところでございます。  法規制の在り方、法制度につきましては各国で異なるといったところでございまして、それぞれの国におきまして適切に判断する必要があると考えておりまして、現在、我が国におきます臨床研究の法制化につきましても、規制の枠組み全体につきまして検討を進めているところでございます。
  195. 川田龍平

    ○川田龍平君 日本では、治験とそれ以外の臨床研究を分別するという一般的ではない規制が行われており、今回の新法もその状態を固定することになるのでしょうか。そうだとすると、薬事関連法制下での医薬品の有効性や安全性に関する情報が蓄積されず、国際的なデータベースとの連携もできずに、医薬品情報という観点から有効性、安全性の当局による評価という意味では国際的に大きく立ち遅れることになるのではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
  196. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 日本では、治験とそれ以外の臨床研究で扱いが違うということを今御指摘をいただいているわけでありますが。  この区別なく規制をしているということについて、我が国では、治験は医薬品医療機器法、そして臨床研究は倫理指針ということでございますけれども、一方で、治験や臨床研究に関する情報のデータベースへの登録については、いずれも日本医薬情報センター等の公開されたデータベースへの入力を求められているということになっています。  いずれにしても、この臨床研究の法制化につきましては、御指摘のデータベースへの登録の在り方も含めて、今後、与党とも相談をしながら、極めて大事な問題だと私も思っておりますので、更に検討を重ねて結論に向けて進んでいきたいというふうに思っております。
  197. 川田龍平

    ○川田龍平君 臨床研究の適正化法、推進法ですけれども、この法律についても出しておりますので、是非それも与野党併せて検討していただきたいと思いますが。  私、諸外国からはGCP、グッド・クリニカル・プラクティスとみなされない臨床試験を日本国内でだけこのGCP水準だと認めるということとなると、今後、国際共同臨床試験などを進めていく上で大きな理解のギャップ、摩擦を生じさせてしまうのではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  198. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今先生が御指摘のように、医薬品医療機器開発の国際化というのが進展していて、そういったことを踏まえると、我が国においても国際的な共同研究、これを推進することは間違いなく重要だというふうに思うわけで、いろんな意味でハーモナイゼーションというのが今起こりつつあるわけでありますから、我が国としても御指摘の問題をどうするかということがあると思います。  昨年十二月に取りまとめられました臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会の報告書においても、臨床研究の法制化に当たっては、臨床研究の実施基準について、その質の確保、それと被験者保護の観点から、国際的な実施基準であるICH—GCPなどを踏まえて定めるべきであるというふうにされているわけでありまして、こういった点を踏まえながら、国際的な臨床研究の実施基準との整合性も考慮をしつつ、今御指摘のように、国際的な共同臨床試験、研究などから立ち遅れることが日本はならないようにしていかなければならないというふうに思っております。
  199. 川田龍平

    ○川田龍平君 最後に、現在、省の内部で検討されている日本版コンパッショネートユース制度は、有効性、安全性を確認するという目的の対象外の患者を集めて行う試験であり、比較試験は行えないので、有効性、安全性を確認することはできないのではないでしょうか。  したがって、この人道的治験は、法が予定している治験とは言えないのではないでしょうか。このような形での未承認薬の使用を治験の枠組みで行うことができるという法的根拠を御説明ください。
  200. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 時間でございますので、簡潔にお願いいたします。
  201. 神田裕二

    政府参考人神田裕二君) はい。  先生指摘の人道的見地からの治験というものは、治験の組入れ基準に該当しなかった、あるいは組み入れられなかった患者を対象に、安全性を確認した上で、別途治験として臨床試験を実施するものとして検討しているところでございます。  したがって、この枠組みの中で実施される臨床試験においても、有効性、安全性に関する情報を収集して、承認申請に際して先行する治験の成績を補完するものとして評価に資するものと考えられることから、治験に該当するものというふうに考えております。  比較対照群が設定されずに実薬だけが投与される臨床試験も治験として実施され、申請資料として提出され、有効性、安全性評価に用いられている実例は、希少疾病医薬品等数多く存在しているところでございます。
  202. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  年金問題ですが、今回の説明誤りの経過について何で公表しなかったのかという午前中の質疑がございまして、理事長は、次回の定例報告は七月末なのでそのときにと、ルールどおりにやっておりますという答弁をされました。    〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕  しかし、日本年金機構の二十七年度計画を見ると、「事務処理誤り等の公表」として、毎月の公表とは別に、なお、お客様に相当の影響を与えるおそれのある事務処理遅延等については、迅速性を確保するため、本部による公表に加えて影響のある地域においてもブロック別により公表するとされております。  ルール違反じゃないですか。月次報告以外にちゃんと迅速に報告すると出ているじゃないですか。影響を与える事態じゃないですか。ルール違反じゃないですか。
  203. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 確かに、対象件数が多い場合には個別開示をすべきというルールがございます。  それで……
  204. 小池晃

    ○小池晃君 違う。
  205. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) いや、そういう意味で、当初こういう件数になるというふうに認識をいたしておりませんで、そういう意味では速やかな開示も検討すべきだというふうに考えております。
  206. 小池晃

    ○小池晃君 駄目ですよ、これじゃ。さっきの答弁間違っているんだから。
  207. 羽生田俊

    ○理事(羽生田俊君) 速記を止めてください。    〔午後二時五十八分速記中止〕    〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕    〔午後三時十七分速記開始〕
  208. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 速記を起こしてください。  暫時休憩いたします。    午後三時十七分休憩      ─────・─────    午後四時十分開会
  209. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十分散会