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参考人(
中山泰君) これまでの
取組を振り返ったときに、やろうとする、やる気のある自治体を
支援する
仕組みですね、こういったものは、基金始めいただきつつあるんだというふうに思うんですよね。
その上で、是非ともお願いしたいということがありまして、もちろん、こういった本格的に
対策を打っている自治体、これをますます広げていくということはもとよりなんですけれども、是非とも必要に思うのは、まだ本格的に
対策が十分できていない、これは、やろうとしても
政策間のプライオリティーが持てずに
対策実施が乏しかった自治体というのがあるわけですね。こういった自治体にも、日本中どの自治体も必要十分な最低限の
対策をすべからくお願いすることができるような制度環境の整備は是非ともお願いしたいなというふうに思います。
というのも、この間の
取組の成果で積極的に取り組んでいただく自治体も少しずつ増えているんですけれども、同時に、まだまだ本格的に手の付けられていない自治体もたくさんある。自治体間の格差が広がっているという、全国的に、という
状況だと思うんですね。その中で、是が非でもあってはならないというふうに思うのは、住民にとって、住む地域によってこの大切なセーフティーネットに差があるということがあってはならない次元の性格の問題だと思うんですね。どこに住もうとも最低限の命を支える
支援というのはしっかりと受けることができる、これは国民として保障されるべきナショナルミニマムだということだと思います。
このためにも、ナショナルミニマムと現場に根差すということを両立させていくこと、このことの
一つの工夫として、例えば、これは是非とも法改正していただいて、ほかの自治体の仲間の皆さんからお叱りを受けるかもしれませんが、
自殺対策の基本計画、これを自治体すべからくしっかり作る、そして
推進をするということをどの自治体であってもできるように、自治体の大切で不可欠な役目として、尊い任務として明確に書き込んでいただくということがお願いできないかというふうに思っております。
とりわけ、まだまだ一日に七十人もの方がお亡くなりになられているという
状況を前に、全国すべからくどの自治体も
対策をしていくことによって、お互い
情報交換するわけですね、それによってお互いの
政策を高め合うことができる。まだまだ緒に就いて十年です。まだまだ伸び代が大きい。なので、全国的にやってもらって、
情報交換をして高め合っていくということがお互いのためにもなる。そういうナショナルミニマムを、ばっとしていただくことがシビルミニマムを押し上げていただくことにもつながるんだというふうに思います。
これは、法的に乾いた言い方をすると義務付けということになるわけですけれども、ただ、これは、大切なのは、住民の立場から見ていただくこと、住民がいつでも日本中どこでも最低限の
支援は地域横断的に共有できるんだという、こういうなくてはならない規範を地域のみんなで共有をしていくということがとても大切だと思うんですね。
何より、例えば単独の自治体にしても、
自分たちの住民の皆さんが将来どこに住むかもしれない、今は我々のところの住民だけど、将来どこに住まざるを得ないかも分からないときに、そこに行っても最低限、必要十分な生きる
支援は受けられるんだよというようなことを自治体相互に共有をしていくということはすごくメリットがどの自治体にとってもあることだと思うんですよね。だから、そういう面にもそうだし、自治体にとってこの問題、地域によって差があってはいけぬ問題なんだというのを、いろんな意味で理解を広げていく上でも非常に大切であるというふうに思います。
もちろん、地方分権とか地域主権があるわけですけど、だけど、その前に地域によって差があってはならぬ問題というものもあるわけであって、計画を作っていくんだということを前提に、その計画の中に地域独自の事情や特色を踏まえた計画を作っていただいて、互いに多彩に高め合っていくということで、分権の趣旨とも両立するというふうに思います。
本格的に取り組んでいる自治体をますます広げていく上では、最後に申し上げるのが、国の組織
体制、そして予算、これも
武見先生の御
議論ありましたけれども、これは是非とも地域の立場からもお願いしたいなというふうに思います。
首長はみんな持っているんですね、もう一、二分で終わりますけれども、
平成二十四年には全国市長会、年間に五、六本しか
決議がないわけですけど、
自殺の総合
対策、
決議をしていただきました。首長も問題意識は持っているんだけど、申し上げましたように、目の前に成果が求められるような
課題というのが山積をしている中で、なかなか人的、予算的な制約がある中で本格的に手が付けられなくているという自治体も多いわけですね。
ですから、今年度からは予算も自己負担が必要やということになってくるとますます後退せざるを得ないケースも懸念されるわけで、そういったことが決してないように、どの自治体もしっかりと前進をして自治体相互に高め合っていくことができるような予算的、
体制的、そして法的バックアップを是非ともお願いしたいというふうに思います。