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2015-05-14 第189回国会 参議院 厚生労働委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年五月十四日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月十三日     辞任         補欠選任      小林 正夫君     石橋 通宏君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         丸川 珠代君     理 事                 大沼みずほ君                 羽生田 俊君                 福岡 資麿君                 津田弥太郎君                 長沢 広明君     委 員                 赤石 清美君                 石井みどり君                 木村 義雄君                 島村  大君                 高階恵美子君                 滝沢  求君                 武見 敬三君                三原じゅん子君                 石橋 通宏君                 西村まさみ君                 羽田雄一郎君                 白  眞勲君                 牧山ひろえ君                 山本 香苗君                 川田 龍平君                 小池  晃君                 行田 邦子君                薬師寺みちよ君                 福島みずほ君    国務大臣        厚生労働大臣   塩崎 恭久君    副大臣        厚生労働大臣  永岡 桂子君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       橋本  岳君    事務局側        常任委員会専門        員        小林  仁君    政府参考人        厚生労働省医政        局長       二川 一男君        厚生労働省医薬        食品局長     神田 裕二君        厚生労働省保険        局長       唐澤  剛君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○持続可能な医療保険制度を構築するための国民  健康保険法等の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件     ─────────────
  2. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、小林正夫君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君が選任されました。     ─────────────
  3. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長唐澤剛君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案議題といたします。  政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣
  6. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  我が国は、誰もが安心して医療を受けることができる世界に誇るべき国民保険を実現し、世界最長平均寿命や高い保健医療水準を達成してきました。しかしながら、急速な少子高齢化など大きな環境変化に直面している中、将来にわたり医療保険制度を持続可能なものとし、国民保険を堅持していくためには、たゆまぬ制度改革が必要であります。  これを踏まえ、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革推進に関する法律に基づく措置として、持続可能な医療保険制度を構築するため、国民健康保険財政支援拡充財政運営責任都道府県への移行等による医療保険制度財政基盤安定化被用者保険者に係る後期高齢者支援金全面報酬割の導入、医療費適正化推進を行うほか、患者申出療養の創設の措置を講ずることとし、この法律案を提出いたしました。  以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一に、国民保険を支える重要な基盤である国民健康保険制度の安定的な運営が可能となるよう国民健康保険への財政支援拡充を行うことにより、財政基盤を強化することとしています。また、都道府県が、市町村とともに国民健康保険運営を担い、国民健康保険財政運営責任主体として、安定的な財政運営や効率的な事業の確保などの事業運営において中心的な役割を担うことにより、国民健康保険制度安定化を図ることとしています。  第二に、後期高齢者支援金について、より負担能力に応じた負担とし、被用者保険者相互の支え合いを強化するため、被用者保険者後期高齢者支援金の額の全てを標準報酬総額に応じた負担とするとともに、高齢者医療への拠出金負担の重い保険者負担を軽減する措置拡充することとしています。  第三に、医療費適正化取組を実効的に推進するため、医療費適正化計画において、医療に要する費用についての目標を定めるとともに、毎年度進捗状況を公表し、目標と実績に差がある場合には、その要因を分析し、必要な対策を講ずることとしています。  第四に、困難な病気と闘う患者からの申出を起点として、安全性及び有効性を確認しつつ、高度な医療技術を用いた医療を迅速に保険診療と併用して行うことができるよう、新たな保険外併用療養費制度として患者申出療養を創設することとしています。  以上のほか、全国健康保険協会に対する国庫補助率安定化、入院時食事療養費見直し等を行うこととしています。  最後に、この法律案施行期日は、一部の規定を除き、平成三十年四月一日としています。  以上がこの法律案趣旨でございますが、平成二十七年四月一日から施行することとしておりました改正規定につきましては、衆議院において、公布の日から施行することとする修正がなされております。  御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
  7. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 石井みどり

    石井みどり君 おはようございます。自由民主党石井みどりでございます。  ただいま大臣から趣旨説明がございました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案の、私はまず、被保険者所得水準の高い国保組合国庫補助見直しについて御質問をしたいと存じます。  国民健康保険組合は、もう先生方御承知のように、皆保険制度実施される以前、歯科医師国保に関しましては一九五六年、昭和三十一年から漸次設立をされております。これは、業種別母体組織による連帯と相扶共済の精神に基づき運営がなされてまいりました。組合方式による保険者機能を発揮した事業を展開をしております。同種事業、業務に従事する者で組織された公法人でございまして、国保組合百六十四組合、三百二万人の方が加入をされておられます。  この国保組合に関しましての見直しは、まあ民主党方々はよく御存じでいらっしゃいますが、民主党政権下行政刷新会議における事業仕分において、そもそも補助をゼロにしろとか、所得水準の高い国保組合に関しましてはゼロにするとか、そういう意見が出たりしたわけであります。そしてその後、二〇一三年、平成二十五年八月六日に社会保障制度改革国民会議報告書においても、所得の高い国保組合に対する定率補助もかねて廃止の方針が示されており、保険料負担の公平の観点から、廃止に向けた取組を進める必要があると記載をされています。そして、同年の十二月五日に成立をしました社会保障制度改革プログラム法、この中の第四条に、政府は、持続可能な医療保険制度等を構築するために以下のことに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするという中の七のハというところに、「被保険者所得水準の高い国民健康保険組合に対する国庫補助見直し」というものがこのプログラム法の中にも記載をされているところであります。  しかしながら、この国民健康保険組合というのは、なぜ定率補助がなされたかといいますと、もう釈迦に説法でございますが、市町村国保とのバランスにおいて三二%の補助が決められたものであります。そして、特異とするところは、保険料収納率がほぼ、医師国保あるいは歯科医師国保に関しまして、一〇〇%を達成しているという特性がございます。特に、歯科医師国保に関しましては、健康保険適用除外の承認を受けた歯科医師国民健康保険加入する組合特定保険者の占める割合は既にもう二三%になっており、これらの補助率は一三%でありまして、協会けんぽ補助率一六・四%より低く、全体の補助率は三二%ではございません。そして、これは医師国保歯科医師国保同様でありますが、組合員の家族や従業員に対する自家給付分は全く請求をしていないという実態がございます。歯科医師国保組合の単年度収支は、前期高齢者納付金満額納付となった平成二十二年度以降、ほとんどの組合赤字となっています。平成二十五年度は、二十七組合中二十一組合赤字決算となりました。  こういう背景があるわけでありますが、今回、国庫補助見直しを行うということは、この国保組合存続するということを前提にお考えなんでありましょうか。定率補助廃止補助率引下げ財政影響等国保組合解散した場合の国庫補助の結果をシミュレーションをされてこういう決定をされたのかどうか、そこを大臣にお聞きしたいと思います。  また、もしこの国保組合存続させるとするならば、存続するための方策についてどのようにお考えでありましょうか。  そして、国保組合先ほどるるこれまでの歴史、経緯をお話しいたしましたが、国保組合、自主的な運営に基づいて保険者機能を強化し、そして保険者機能を発揮してまいりましたが、その評価についてお考えをお聞きしたいと存じます。
  9. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今、石井先生の方から国保組合の歩みについていろいろお話を頂戴をいたしました。  この国保組合につきましては、これまで同種同業保険集団ということで、加入者健康保持増進に尽力をしていただいてきたわけでありますし、今後とも自主的な運営に基づく保険者機能を発揮していただきたいというふうに考えているところでございます。  今回の改革では、まず、負担能力に応じた負担とする観点から、被保険者所得水準の高い国保組合に対する国庫補助見直しを行うこととしておりますけれども所得水準の低い国保組合には引き続き同じ割合国庫補助を確保するということをやるとともに、所得が最も高い水準組合に対しても一三%の定率補助を確保するということといたしまして、各国保組合に与える財政影響考慮した見直しを行うことと考えているわけでございまして、それぞれの財政影響というものを私どもの方としても考えた上でこの見直しを行ったということでございます。
  10. 石井みどり

    石井みどり君 財政影響考慮してということでありますが、先ほど伺った、きちんと、どういうふうに、この補助率定率補助あるいは様々な支援が今現在あるわけでありますが、どの数字をどうすれば何組合解散に至るとか、そういうきちんとしたシミュレーションというのをなされたんでありましょうか。
  11. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 大臣から今お話がございましたように、私ども国保組合というものを、きちんと保険者の力を発揮していただきたいということで、是非存続を続けていただきたいということを基本としているわけでございます。  それで、また御指摘があろうと思いますけれども国保組合の中でもかなり違いがございまして、いろいろな業種の方がおられますので、そういう所得水準状況でございますとか、あるいは補助率を引き下げた場合の影響でありますとかいうことは考慮をしてまいりました。細かなシミュレーションというほどにはいきませんけれども、どの程度の影響があるかということを考慮をしてまいりました。  その結果、財政当局では、所得の高いところについてはゼロにすべきだという御主張をかなり強くされておられまして、そこから順次補助率を設定すべきだという御意見がございましたけれども、そのような極端なことが起これば、これはなかなか存続が難しいということもございまして、大臣の御指示もいただきまして今回の見直しをしているという状況でございます。
  12. 石井みどり

    石井みどり君 委員先生方のお手元に資料を配付させていただいたんですが、これは別に私が作った資料ではなく、厚生労働省の方が社会保障審議会医療保険部会に提出をされた資料でございます。  上段の方は、それぞれの所得が高いと言われているところから低いと言われている国保組合平均値、特に市町村課税標準額が示されておりますし、右側には上限額を勘案した後の平均値が示されています。  そして、是非御覧いただきたいのが図の二の方でありまして、これは私が作ったんじゃないんですが、まさに、真ん中のところの三百万以上四百万未満、これが一組合あるわけですが、これが、左側所得水準の低い組合カテゴリー、そして右側所得水準の高い国保組合カテゴリーとなっております。この右側の方には、国会議員に今現在健康保険はございませんので、私、歯科医師国保組合員でありますが、私の入っている、全国の二十七組合全てがこの左側所得水準の低いカテゴリーに属するわけであります。  右側は、医師国保、羽生田先生いらっしゃいますが、医師国保とかあるいは薬剤師国保とか、まあ弁護士国保は数が少ないんですが、そういうものが一部入るんだと思うんですが、これ、私が作ったグラフじゃないんですが、見事にこのようにきれいに分かれている。  先ほど大臣がおっしゃった前提条件が、また唐澤局長もおっしゃった前提条件がそもそも崩れるんではないんでしょうか。所得水準の高い国保組合補助率を見直す、歯科医師国保は低い方に入っているんですね。このことは、この法案の自民党の審査においても、隣にいらっしゃいます木村委員がしつこく主張をされた。まさにこれで証明されているんじゃないかと思うんですけれども。  これで、このことをちょっと、是非、私としては、これを御覧になってもまだ歯科医師国保が高い水準というふうにお考えなんでしょうか、どのよう認識をお持ちなんでしょうか、お聞かせください。
  13. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 先生から御指摘いただきましたように、この下の方のグラフは私ども医療保険部会に提出した資料でございます。  これは、実は百万円刻みごと所得の分布を示したものでございますけれども右側の方には二つの職種の皆さん組合というものがございまして、六百万以上あるいは五百万というようなところ、こういうところに非常に所得の高い組合がございます。  左側の方は、歯科医師国保皆さんの大体水準というのは百万から二百万未満、それから二百万から三百万未満というところに歯科医師国保方々はいらっしゃるわけでございまして、これ単純に平均いたしますと、所得水準を、上の方の表にもございますけれども平均より低くなってしまうんですけれども、これは、ちょっと右側の方に所得の高い組合というものがありまして、それが全体の平均水準を引き上げているというよう状況がございます。  それで、これは収入ベースではございませんで、経費を引きました所得の、控除をした後の課税所得ベースでございますけれども市町村国保協会けんぽというようなところは、例えばこの国保組合に当てればどこに該当するかというと、百万未満のところに入るわけでございます。こちらの方は、建設関係国保組合なんかが該当しているわけでございます。  そういう意味で、歯科国保組合が、全体の国保組合から見れば、今回の見直しは四分の一くらいの皆様でございますので、所得が低いというふうには思っておりませんけれども、ただ、その歯科国保組合の中にも随分違いがございますので、そういう各組合のそれぞれごと所得水準に応じてきめ細かく補助率を決定することとしているところでございます。さらに、この実施につきましては、平成二十八年度から五年間掛けて段階的に実施をしていくということを考えているところでございます。
  14. 石井みどり

    石井みどり君 隣の木村先生がもぞもぞとされていますが、今の御説明詭弁としか言いようがないんですね。まさに厚生労働省がお作りになったこのグラフで、左側にほとんど歯科医師国保は入るんですね。決して所得水準が高い方に属するわけではありません、カテゴリーとして。  今るるおっしゃったんでありますが、やっぱりどう考えても、素直に見ればやっぱり低い方です。前提条件として所得水準の高い国保組合補助率を見直すという、これ前提がまず崩れる。幾らこれやり取りしてもひょっとして平行線になるのかも分かりませんが、おっしゃっていること、自己矛盾ですよ、このグラフは、まさに。その前提、成り立たないですよ。そうですよね、木村先生。(発言する者あり)  じゃ、大臣に伺いましょうか。大臣、いかがですか。
  15. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) それは、この所得水準の本当に高いというか、かなり高いところと比べれば、確かに例えば六百万円以上と比べれば二百万、三百万の差があるということは事実でございますけれども、ただ、建設関係国保組合でございますとかあるいは市町村国保でございますとか協会けんぽ、こういう方たちは百万円一人当たりございませんので、そういうことを考慮すれば、比較的には高い方の部類には入るのではないかというふうに思っております。  ちょっと図の作り方が私ども良くございませんでしたので、次回からはきちんと作りたいと思います。
  16. 石井みどり

    石井みどり君 今頃、図の作り方が下手だったと言っても、もう遅いんです。これ本当に、例えばこういう組合のことをよく御存じない、国保組合のことを御存じない方がぱっと見て、一目瞭然であります。  今、市町村国保とか建設国保とかは非常に低いという数字もおっしゃいました。上に平均値が出ています。しかし、カテゴリーとしては低い方に所属する。見事にこれ右と左で分かれているんですね。幾ら詭弁を弄されても、この事実は変えようがないと思います。是非前提となる認識を改めていただきたいと思います。  木村先生であれば、かなりこのやり取りだけで何十分も費やすことになるかと思いますが、できましたらちょっとほかに行きたいと思いますが。  ただ、先ほどもちょっと申し上げたんですが、既にもう単年度収支歯科医師国保の圧倒的な組合数赤字決算になっております。現在の補助率を低くするのであれば、もうほとんどが赤字になってしまうんですね。これ、国保組合の方でシミュレーションをしております。毎年、積立金を立てているんですが、その積立金を全部食い潰したら解散せざるを得ないんですね。  そうすると、先ほど申し上げましたような、例えば納付率が一〇〇%であるとか、自家給付分は請求していないとか、それから前期高齢者納付金とか後期高齢者支援金とか、相当歳出の中で占める割合は大きい。これももう国がおっしゃるとおり納付している。非常に国保組合間の、保険者間の財政調整にも貢献しているわけでありますね。そういうことが一切、一部協会けんぽに行くかも分かりませんが、圧倒的に市町村国保従業員の方とか行くことになる。そうすると、国庫負担は更に増すんですね。僅かな補助金をけちったために国庫財政負担はより過大となるわけですね。その認識はおありでしょうか。
  17. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 御指摘ように、今回の見直し影響につきましても、先生から最初の御質問で御指摘がございましたように、元々から入っている方というのは三二%の補助でございますので、それが、ある組合特定保険者という例外的な措置を受けている方は一三%に下がっているということなんですが、三二%の方が多い組合につきましては影響が大きいというようなことがございます。  それから、拠出金お話もございましたけれども、この拠出金、今回、全面報酬割ということで後期高齢者支援金見直しをするわけでございますけれども、こちらの方は健康保険組合の中でも非常に増加する保険者に対して対策を行うということをしておりますので、やっぱり国保組合の中でもこの拠出金影響というものを評価をしていかなきゃいけないだろうというふうに考えているところでございます。  さらに、この所得調査の下に補助率を決めていくことになりますので、引き続き、国保組合所得水準の適切な把握ということが非常に大事だと思っておりますので、そういうことについての措置を講じながら激変緩和措置を講じていきたいと考えております。
  18. 石井みどり

    石井みどり君 先ほど、私、一昨年の十二月成立いたしました、二年前ですね、社会保障制度改革プログラム法の第四条を読み上げたんですが、その7のところ、政府は、持続可能な医療保険制度を構築するためとあるんですね、法律の中に、持続可能なと。ですから、今回の、今激変緩和というようなお言葉も出ましたが、国保組合解散に至っては、決して国にとってのプラスはない、誰もプラスにならない、ウイン・ウインの逆なんですね。みんなが損をするということでありますので、この定率補助の削減の影響が大変大きいところもたくさん出てまいります。  それと、先ほど申し上げましたように、既にもう一三%の補助率のところも四分の一近くなっておりますので、全てが三二%でもなく、最低のところが協会けんぽよりも更に低い補助率になっているという実態もあります。  これから五年間掛けてですか、激変緩和、必要でありますが、それをどのような形で激変緩和対策を取られるのか、お聞かせください。
  19. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 今回の補助率の三二%部分引下げにつきましては、二十八年度からまず五年間掛けて五分の一ずつ刻んで引き下げていくということをいたします。  そのほかに、先ほどお話が出ましたけれども、三二%という補助率の対象の方が多いところ、これは例えば、歯科だけに限りませんけれども個人経営のところ、法人になっていないようなところはこれ三二%の補助でございまして、外見的には同じに見えても三二%の方が多い組合は、構成が多いところは影響が大きいということがございます。  それから、先ほど後期高齢者支援金全面報酬割になりますので、年齢の若い方が多いとこれは非常に拠出金が増えるということになりますので、これは三分の一から二分の一、三分の三と全面になりますので、こういうところにつきましては、この国保組合制度の中の特別調整補助金というものを活用いたしまして、急激な増加ということが起こらないよう激変緩和対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。  それから、所得調査の問題がございまして、これ五年に一度ということで今実施をしておるんですけれども、それぞれの組合財政力というものを評価するのに五年に一度でいいのかということがございまして、その期間でございますとかあるいは実施の方法、こういうことについても改善について検討してまいりたいと考えているところでございます。
  20. 石井みどり

    石井みどり君 今局長の方から激変緩和措置についてるる御説明がございましたが、今おっしゃったよう支援策は、これ一時的なものなんでしょうか。やっぱり恒久的な措置がないと、期間を限定してしまいますとやはり安定した組合運営というのは非常に困難となりますので、この点をどのようにお考えでしょうか。
  21. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) まず、今申し上げました激変緩和措置につきましては、その性格上、経過的な措置ということになりますけれども、少なくとも二十八年度から五年間はございますから、その間はこれは講じてまいらなきゃいけない。  それから、所得調査お話先ほどさせていただきましたけれども、その後の国保組合員それぞれごとの、これは歯科国保に限らずほかのものも、一般の組合もございますので、そういうところの財政状況でありますとかあるいは拠出金状況でございますとか、そういうことも踏まえながら、施策について検討する必要があると考えております。  国保組合改革はこれで全部終わってしまったというようなことでは考えておりませんで、やはり少子高齢化に伴いまして組合運営もなかなか厳しさを増しておりますので、引き続きその状況所得状況も含めてきちんと把握をしながら対策を検討していくことが必要だというふうに考えております。
  22. 石井みどり

    石井みどり君 対策を引き続きということでありますが、各国保組合を含めた各保険者の前期財政調整等の負担については、現在の負担調整や加入率下限割合の設定など、負担軽減措置が現在も行われているところでありますが、有効に機能していないという声を圧倒的に聞きます。  納付金の算定方式の是正であるとか、あるいは高齢者医療制度の負担構造の改革など、各保険者負担が過大とならないよう負担軽減措置を改めて検討することが必要だと考えますが、このことに関してどういうお考えをお持ちか、お聞かせください。
  23. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 高齢者医療制度、特に後期と前期制度ということで二つの制度がございまして、今先生から御指摘いただきましたように、後期の制度につきましては独立した制度として運営をしております。ただ、これは四十兆の医療費のうちのおよそ四割の十六兆円くらいになっている。それから、前期の方は、これはいろいろな制度が分立をした状態で財政調整をするという制度になっておりますけれども、それぞれの拠出をしている金額というものが保険者の財政状況に大きな影響を与えているというのは事実でございます。  これは、今回の高齢者医療拠出金全面報酬割に変えるということを御提案させていただいているわけでございますけれども、この増加に対しましては、特に健康保険組合の中で非常に負担が増加するところも出てまいりますので、負担軽減のための対策を、合計として約七百億の追加財源を確保して対策を講じてまいりたいと思っているところでございます。  それから、国保組合につきましては、先ほど申しましたように、国保組合の中でもやっぱり急激に負担増になるところが全面報酬割になるとございますので、そういうところについても特別調整補助金対策を講じていきたい。  ただ、全体として高齢者の医療の仕組みをどういうふうにしていくかということはなかなか難しい問題でございますので、当面はこの負担構造を改めるということは想定をしていないわけでございますけれども、中長期的な観点につきましては、今回の改革実施状況等も見ながら、十分見極めながら検討していく必要があると考えております。
  24. 石井みどり

    石井みどり君 是非激変緩和措置を含めて、中長期の国保組合の持続を考慮した検討をお願いをしたいと存じます。  だんだん時間がなくなってまいりましたので、次に、医療費適正化計画についてお伺いをしたいと思います。  今回の医療費適正化といいますのが、これが第一期の医療費適正化計画、二〇〇八年、平成二十年から平成二十四年、二〇一二年の計画が済んで、今、第二期の途中であろうかと思いますが、このことを踏まえて、今回、医療費適正化計画見直しに取り組まれるわけでありますが、この医療費適正化なるものの理念を、これは大臣にお聞きしたいと存じます。
  25. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今、医療費適正化計画について、今回どういう理念で取り組んでいるのかと、こういうことでございますが、もう言うまでもなく、少子高齢化が進展をする中で、医療保険制度を給付と負担のバランスの取れた持続可能なものとしていくために、医療費の適正化を進めていくことは重要な課題であるということはもう言うまでもないわけでありますけれども、そのために、これまでも、まず予防、健康づくりの推進、それから医療機能の分化、連携の推進を通じて医療費の伸びの適正化を図るという考えの下に様々取り組んでまいったところでございます。  今回の改正におきましても、こうした考えの下で、まず都道府県がこれから地域医療構想を作ることになりますけれども、これも踏まえて医療費適正化計画医療目標を定めるということになります。それに加えて、国保の保険者努力支援制度、これは平成三十年からスタートしますが、これを創設をするということなど、予防、健康づくりなどに積極的に取り組む保険者支援をしていこうということでございます。  それから、ヘルスケアポイントの導入など、個人に予防、健康づくりのインセンティブを提供する取組推進するということで、これは保険者、それから都道府県にも、さらには個人にもそういった考え方にのっとった行動を取っていただけるように、医療費の適正化に向けた取組を強化をするということで、今回の医療費適正化に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  26. 石井みどり

    石井みどり君 今大臣から医療費適正化についてのお考えが述べられたわけでありますが、であるならば、じゃ、第一期の計画の目標の数値とその実績、例えば特定健診や特定保健指導の実施率によって何がどう変わったのか、あるいは平均在院日数がどう変わったのか、それから今御説明あったジェネリックの使用割合、これによってどう変わったのか、こういう行動目標とか医療費の推計のデータがあって初めて見直しができるんだと思うんですけれども、そういう基礎的なデータがあるんでしょうか。そして、もしないのであるならば、これはちょっとおかしなことになるかと思います。  さらに、この医療費適正化計画見直しでは、今ちょっと大臣のお考えの中にもあったんですが、相当高級なことをお考えなんですね。今ありました、特に今後は、都道府県市町村共に保険者機能を発揮して医療費の適正化に取り組むとか、あるいは、今回、都道府県が財政の主体になるわけでありますので、県が地域医療構想を地域ごと医療機能別の医療需要と病床数の必要数を推計しと、これはこれからですよね。この地域医療構想策定が、今年度から三年間掛けて、本年三月に出したガイドラインにのっとって都道府県がビジョンを策定するというふうになっているんですが、非常に今回の計画の見直し、大変高級なことをおっしゃっているんですが、そういう基礎となるデータ、これがやはりこういう医療計画、ひいては医療政策を立案するに当たって非常に重要だと思うんですが、その辺をちょっとお聞かせください。
  27. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 御指摘いただきましたように、医療費適正化のエビデンスを集積をしていくということが非常に重要でございます。  もちろん、これはダブルブラインドのような形でのデータを得ることはなかなか難しいわけでございますけれども、私ども、現在の医療費適正化計画では、一つは特定健診、保健指導の実施率、二つ目には平均在院日数の短縮と、こういうことにつきまして都道府県ごと目標を決めていただきまして、そして、それを含めて医療費の見通しというものを定めていただいているところでございます。  先生指摘いただきましたように、この特定健診の、例えば実施目標第一期では、目標七〇%以上という受診率を目指していたわけでございますけれども、実績は平成二十四年度で四六・二%ということで、この七〇%にはなかなか達していなかったというふうな問題がございます。これは更に改善が必要でございます。特定保健指導につきましても、四五%という目標には一六・四%ということで低いわけでございまして、こういう点につきましては更に改善が必要だと思っております。  具体的に、この一期目の特定健診、保健指導につきましては、専門家の皆様の御協力をいただきまして、データを活用して、一つは血圧や血糖値などの検査値の改善効果、それから二つ目には医療費の適正化効果という作業から検証作業をしたところでございます。これにつきましては、一定の効果があったのではないかというふうに専門家の皆様で、条件付でございますけれども、そういう御指摘をいただいているところでございます。  それから、平均在院日数の短縮につきましては、これは第一期計画で短縮が進んできたわけでございまして、その適正化効果はあったというふうに考えておりますが、ただ、この平均在院日数の評価というのはなかなか、いろいろな要素が複合的に作用しておりますので、DPCですとか、そういうものを踏まえながら検討していく必要があるというふうに考えているわけでございます。  いずれにいたしましても、先生最後に御指摘をいただきました病床の機能分化との関係でどういうような見通しを立てていくのかという問題があるわけでございますけれども、こちらの方は内閣官房の方に専門調査会が、医療費適正化効果の分析のための基礎データを収集する、あるいは推計方法を確立するということで、専門家による調査会が設けられておりますので、こちらの方の分析も踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。
  28. 石井みどり

    石井みどり君 ちょっと伺っていて、この委員会先生方は専門家ですから相当御理解をいただけるんだと思うんですが、今の御答弁を専門家でない一般国民方々が聞かれたら、あれ、おかしいなと思われると思うんですね。  なぜなら、医療費適正化計画、第一期がもう済んで、今二期目の途中であります。さっきおっしゃったような、じゃ、例えば特定健診、特定保健指導で血圧と糖尿病に効果があったとか、医療費としてどれぐらい、じゃ、これが適正化されたのか、要因ごとにどれぐらいの効果があって、だから今後はどういう目標を立てるんだというのが本来の適正化計画ではないんでしょうか。  私ども医療者に対しては、例えばいろんな医療政策を提言したり、あるいは中医協においても極めて厳しいデータが求められます。インパクトファクターの高いデータを出せと必ずおっしゃる。にもかかわらず、厚生労働省が出すこういう医療費適正化計画、全く数字おっしゃらないんですね。どれぐらい、じゃ、医療費適正化したんでしょうか、一期のところで。  そして、さらに、今度は、今局長おっしゃいましたように、都道府県が策定することになる地域医療構想の中で、医療機能別の医療需要と病床数の必要数を推計して、そしてそれを適正化計画と整合性を合わせるということだと理解をしたんですが、そういう高級なものに持っていくのならば、まさに基礎データがなかったら、そんなことできないんじゃないんでしょうか。一期のところできちんとこういう目標に対してどれぐらい達成したから今後はこういうことが必要だという成果を出して、そしてさらに新たな目標を立てて、その目標に対してはきちんと数字の裏付けがあって初めて、ましてや法律に出てくるわけですから、政策として成立するんではないんでしょうか。  かねてより厚生労働省の政策は、全くデータがないところで、こうあったらいいよねという願望のような政策がかなり今までも多かった。私ども、いつも厳しいデータを求められる医療者の方々から見れば、極めて甘い、自分たちには何て甘い人たちなんだろうと言わざるを得ないんですけれども、いかがでしょうか。
  29. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 厳しい御指摘をいただきましたけれども、私ども、第一期は、これはいろいろな見方がもちろんあるわけでございますが、先ほどの、例えばメタボの該当の方とその予備軍の方、そして非該当者の方、こういう方の年間の医療費の差は大体九万円というようなデータを得ているわけでございます。  そして、積極的な特定保健指導の参加をした方と不参加者の方の外来の医療費につきまして、今申し上げたようなことなんですが、男性の方は月額で五千円くらい、それから女性の方は、金額はちょっと正確にまた後で申しますけれども、そういうようなこの特定健診、保健指導による医療費適正化効果に対するワーキンググループ、これは公衆衛生協会の多田羅先生を座長に御検討いただきまして、こうした医療費の違いというものが出てきているという、月額で男性で五千三百円くらい、女性で七千五百円くらいというような金額の差が出てきているというようなデータを検証でいただいているところでございます。  それから、医療費につきましては、これもいろいろな見方がございますけれども平均在院日数の短縮等も併せまして、当初の見通しよりは一兆円という金額の違いがありますが、ただ、これは全部これで削減ができたかどうかということにつきましては、見通し額との違いでございますのでそこまでは申し上げられませんけれども医療費の見通しについてもそうした効果が出てきたのでは、あ、これは第二期でございますね、恐縮です、第一期は〇・二兆円くらいの違いでございました。そのくらいの効果があったという考え方もできるのではないかというふうに考えているところでございます。
  30. 石井みどり

    石井みどり君 何だか歯切れが悪いですね。しかも、後ろから数字を出されないとお答えになれない、すっと答えられないような、結局データもお持ちじゃないんじゃないんですか、そういう効果も出していないんじゃないんですか。それでいて、さらに今回見直しをして、より高級なものですよね、いわゆる地域包括ケアを推進するための地域医療構想、これを策定したときに、この構想と整合性を図って医療費適正化に資すると。基礎データもなくてそんな高級なことを、ましてや都道府県にこれは策定させるんですよね。  いつもは武見先生、またいらっしゃいませんが、いつも武見先生が、都道府県にはそういう政策立案をする人材がないないとおっしゃっているんですね。そうすると、きっと、研修を必死になってやって、教えてさせるようにしますとおっしゃると思うんですが、順番が後先じゃないんですか。今から研修して都道府県が策定するというのが、これが今年度から二十九年度まで、さっき申し上げた三月に出したガイドラインにのっとって都道府県が三年間でビジョンを策定すると。三年間でビジョンを策定する、えらい悠長ですよね。本来、もう基礎データがあって、どういう計画を立てるから地域医療構想とそういうものときちんと合致した適正計画になるということではないんでしょうか。  厚生労働省からいただいた資料によりますと、今後非常に都道府県の役割が大きくなるわけでありますが、この地域医療構想の策定後、この構想と整合性が図れるよう医療費の適正計画を見直す、いや、立派なことをお考えなんですが。何度も申し上げますが、見直すためならばどういう要因によってどれぐらい数値が上がった、だから今度こういう目標を立てるんだ、そしてそれを都道府県の中で病床の機能別の分化をして、さらに適正化を図るんだということを明確におっしゃっていただかないと、何かいつもいつも絵に描いた餅とばっかり申し上げているんですが、今回が最後のチャンスだと、地域包括ケアシステムを地域につくるもう最後のチャンスぐらい私は思っているんですが、これがまた絵に描いた餅に終わるんではないんでしょうか。  もう時間がないので、簡潔にお願いします。
  31. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 先生が御指摘いただきましたように、今の医療費の現実で申しますと、一つには入院医療費が増えております、増加の要因としてですね。それから、やっぱり生活習慣病関係の外来の医療費も伸びている。そして、技術革新を反映してがんの医療費なども増えているというのが医療費の増加の主要の要因であるとも考えております。  その中で、入院医療費の違いにつきましては、やはり病床数の違いによってかなり違いがありますし、相関係数もかなり高いというようなことがございますので、やはり入院の対策をきちんとしていくということがこれからの少子高齢化時代の最も必要なことであると。そして、その手前では生活習慣病の予備軍にならないということが必要であるということで、内閣官房の方の調査会は、私どもも、厚生労働省も参加をして、研究をさせていただいておりますけれども、こちらの方では一日当たりの医療費というものを、点数というものをベースにして、そして急性期、あるいは回復期、慢性期というものをそれぞれ分けていって、必要な病床数を推計しようという作業をしているわけでございます。  そういうものをベースにして、これはレセプトデータを全部活用しながらやっていくという、DPCデータも活用しながらやるという形でやっているんですけれども、そういうものを生かして、こういう入院の分析と対策をするというのは初めてでございますので、そうしたデータを活用しながら、先生指摘いただきましたように、今こそきちんとした対策をする最後のチャンスというのはそのとおりだと思いますので、私どもも全力を傾けてこの対策に取り組みたいと考えております。  先ほど、五千円、七千円と申し上げましたのは、これは年額でございました。失礼いたしました。
  32. 石井みどり

    石井みどり君 もう時間がありませんので、この後は専門家の羽生田委員の方からまたあるかと思いますが。  しかし、伺っていて本当に情けない。私どもにはいつも厳しいデータを求められるのに、本家本元が非常に御自分たちの政策立案に対しては大変甘い認識で取り組んでおられるということがよく分かりました。  ありがとうございました。
  33. 羽生田俊

    ○羽生田俊君 自由民主党の羽生田でございます。よろしくお願いいたします。  まず初めに、今回の医療保険制度改革とは別な話でございますけれども、まず、この度起こりました群馬大学附属病院の不祥事につきまして、国民の皆様に、医療に対する信頼を損ねるというような問題を起こしてしまったことにつきまして、全く遺憾であると同時に、実は私の地元の病院でもあり、私もこの大学病院に勤務をしていたというところでもありまして、医師として、国民の皆様方に心からまずおわびを申し上げたいというふうに思う次第であります。  このような問題が起きました背景には、大学病院の医師が、あるいは病院の中での他の医局との競合など、手術の業績を上げなければならないというよう状況や、大学病院自体が研究費等を含めて自分で稼がなければならないというよう状況が起こっているわけでございまして、これが根底にあるということで、大変これ自体が問題であるというふうにも思っているところでありまして、まず、そのよう状況をつくってしまった医療政策に対して、政府にも大きな責任があるというふうに思っているところであります。  大学病院というのは、医師をつくり育て、そして医学教育という重要な学生の学びの場であって、実習の場であり、それと同時に、地元の中核病院として地元の患者さんの臨床の場であり、また研究の場でもあります。それぞれは全て関連を持って十分な連携が必要でありますけれども、今回の事件はまさに大学自体のガバナンスのなさ、この機能が全く働いていないということが原因であるというふうに考えております。  全国各地の大学病院あるいは中核病院等でいろいろな不祥事が起きているということにつきましては、医学、医療に対する国民の信頼を取り戻すためにも、政府のしっかりとした対応、対処を是非よろしくお願いしたいというふうにまずもってお願いをしておきます。  それでは質問させていただきますけれども、まずジェネリック、いわゆる後発医薬品のことでございますけれども政府は後発医薬品の使用促進を行っておりますが、ジェネリックの安定供給、品質における問題点が大変危惧されるところであります。安定供給、品質確保のための環境整備はどのようにお考えかをお聞かせいただきたいというふうに思います。  後発医薬品には、海外の原材料、海外からの輸入製品なども多く含まれておりまして、その環境整備を整えないまま使用促進をすることは、保険財政の支出抑制効果はあるかもしれませんけれども、いわゆる経済的、財政的観点のみで、国民の安全や安心というものがおざなりになった使用促進ではないかということを心配しているわけでございまして、この安定供給、品質管理を含めた環境整備には、小さい企業から大きな企業まで数千と言われるジェネリックのメーカーがあるわけでございまして、その辺の再編、規模の確保というものも必要ではないかというふうに考えているところでございます。  また、ジェネリックと同じようにバイオシミラーというものを扱っているということで、これが全くジェネリックと同じような位置付けというふうに思えるわけでございますけれども、これはいわゆるジェネリックと違って、バイオシミラーの場合には先発品と同一品とは言えないものもあるわけでございまして、こういったものにも非常に大変危惧するところでございまして、その辺も是非考えていただきたいということでございますが、この辺の安全性、安定供給について御意見をいただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
  34. 二川一男

    政府参考人(二川一男君) 後発医薬品の安定供給の件につきましてお答え申し上げます。  後発医薬品の使用促進を図るためには、その安定供給に関しまして保険医療機関、保険薬局、また患者の皆様の信頼の確保、向上させていくことは極めて重要であるというふうに考えているところでございます。  この安定供給に関しましては、そういった支障が生じたいわゆる品切れ品目、こういったものは過去に比べますと減少はしてきておりますけれども、依然として品切れとなる品目が生じているといった状況にございます。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕  平成二十五年の四月に策定いたしました後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ、このロードマップにおきましては、安定供給に支障が生じた事例があった場合には、新規の薬価収載希望書を受け付けないなどの対応方針を示しているところでございまして、こういった取組を通じまして後発医薬品の安定供給を図り、その上で使用促進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  35. 羽生田俊

    ○羽生田俊君 ありがとうございます。是非国民のための推進ということを根底に考えていただきたい。  あ、もう一つ、お願いします。
  36. 神田裕二

    政府参考人(神田裕二君) 後発医薬品の品質確保の点についてでございますけれども、まず、承認審査に当たりまして、有効成分の含量ですとか不純物等の規格、一定の品質を担保するための安全性等について確認をしているところでございます。また、先発品と後発品をヒトに投与して、時間の経過とともに有効成分が血液中にどの程度含まれているか等を比較した生物学的同等性等のデータに基づいて同等性の評価を行って承認をしているところでございます。  それから、バイオ医薬品については、分子構造が巨大であって、全く同じ立体構造のものを製造することは困難だということでございますので、今申し上げたような点に加えまして、治験を実施して、有効性等について先行バイオ医薬品との比較による評価を行った上で承認をしているところでございます。  また、製造工程の段階では、先ほども御指摘ございました海外の製造所につきましても、製造・品質管理の基準に適合していることをPMDA又は都道府県が承認審査のとき、またその後五年ごとに必要に応じて実地調査を行って確認しているところでございます。  それから、承認後の品質確保につきましては、平成二十年度から国立医薬品食品衛生研究所にジェネリック医薬品品質情報検討会を設置いたしまして、科学的な分析評価をして、その結果をホームページ等で公表しているところでございます。  さらに、市中で実際に売られている後発医薬品の品質確保につきましては、都道府県等による一斉監視指導の一環としまして、卸から医薬品の提供を受けて溶出試験等を実施して、その品質の確認を行っているところでございます。
  37. 羽生田俊

    ○羽生田俊君 是非、患者さんたちが大変困ってしまう場合もあるので、その辺を十分注意した上で使用促進をしていただきたいというふうに考えるところでございます。  続きまして、本日資料を出させていただいておりますけれども資料が三枚ございますけれども、これは、いわゆる医療機関の費用構造、あるいは輸入品等々そういった医薬品等々の問題、それから物価、賃金と診療報酬との関係のグラフでございます。  最初の一番の資料を見ていただきますと、医療機関の費用構造というものがあるわけですけれども、この一番左の二〇〇〇年から一番右の二〇一二年までを比べますと、人件費が五〇・二%から四六・九%と約三ポイント減少しているということ、それに対して、その下のグレーの部分でございますけれども、これは医薬品・医療材料費ということで、二五・七%から二八・六%にこれも約三ポイント増加をしているということでございまして、この辺をどのようにお考えいただくかということは大変重要なポイントになると思いますけれども。  医療において非常に雇用誘発効果というものが高いというものは、これは厚生労働省としても十分認めているお話だと思うんですけれども、にもかかわらず、この人件費比率が減ってきているということが非常に問題ではないかというふうに思うわけでございます。それに比して、やはり医療材料あるいは薬等々、こういったものが増えてきているということ、この辺が非常に問題であるというふうに考えているところでございました。  その結果、物価や賃金が皆上がっている中で診療報酬はこのまま横ばいの状態にあるというのが現状でございますので、これだけやはり、賃金が上昇しているのは医療機関の職員の賃金も当然入っているわけですから、それだけ賃金に占める割合が増えているはずなのに全体から見ると減っているということがあるわけでございまして、まさに地域の雇用促進あるいは人材確保、経済効果というものが医療においてはかなり重要なポイントになるということで、まさに政府が推し進めている地方創生、この一番重要な中心課題になっているのではないかというふうに考えるわけでございます。  この人件費をしっかり手当てすることこそが本来、本当の意味での地方創生あるいは医療費適正化ではないかというふうに考えるわけでございまして、大臣よりこの点につきまして是非御答弁いただきたいと思います。
  38. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今先生から人件費の問題についてお話がございましたが、それと同時に、薬剤費、医療機関の費用構造、この推移を資料を共にしてお話をいただいたわけでございます。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕  近年、医療の高度化あるいは高齢化などの進展によりまして、薬剤費それから医療材料費の伸びが相対的に大きくなっているということは事実でございまして、今日お配りをいただいている二枚目にも輸入の金額の推移というのがございますが、これも相対的に大きくなる要因の一つになっているんだろうと思います。そういう意味では、薬価とそれから材料価格については市場実勢価格に応じた見直しを行う一方で、イノベーションを適切に評価するということもまた同時に重要なことだというふうに思っているところでございます。  他方、医療従事者の人件費についてお話がございました。確かに、先生お話しのように、雇用誘発効果というのは極めてこの医療分野高いわけでございますが、医療機関の経営判断の中で決定をされてきているということを考えているわけでございますが、厚生労働省としても、診療報酬改定の在り方につきまして、全体の物価、賃金の動向、あるいは医療機関の収支状況等も勘案して予算編成過程においてしっかり検討してまいりたいというふうに思っております。
  39. 羽生田俊

    ○羽生田俊君 ありがとうございます。  輸入が増えているというのは、やはり医療機器等々も輸入製品が非常に多い、そして今、医療安全ということを考えたときにほとんどがディスポ製品になっているということで、その辺が非常に輸入超過の原因になっている。ですから、是非今おっしゃられたようなイノベーション、日本でそういった医療機器を作る、そういったことに是非研究を進めていただきたいというふうに思うところでございます。  次の質問に移らせていただきます。  セルフメディケーションという言葉が今ちまたに言われるようになりましたけれども、このセルフメディケーションの中心にあるのが薬局というところでの健康ステーション事業というものがあるわけでございますけれども、この政策は、国民が受けやすい簡易な検査結果を通じて、御自分の受診への動機付け、あるいは自身の健康管理ということに資するというためのものであるというふうに思うわけでございます。  その中に、実は検体測定事業に該当しない類似事業というのがございまして、これは自己採血をするにもかかわらず検体測定事業に該当しない事業であるということで、これにとってのガイドラインというものから外れた状態、ガイドラインから対象外というふうになっているということでございます。これは、検体測定事業というのは、薬局で採血をし、その場で検査をして結果を出すというものですが、それに類似事業というのは、採血だけして検体を衛生検査所に送って、結果を送って返してよこしたものについて受けた方に説明をするという事業なんですね。そこが大きな違いであるということなんですけれども、その辺が一般の方々、これを受ける方々にとっては全くこの違いが分かっていないというのが現状であろうというふうに思うわけでございます。  通知で、血液に起因する感染などを防止するため、ガイドラインに準じて取り扱われることが重要というふうに言っているわけですけれども、この簡易検査を受けようとする国民方々には全く区別が付かない状態で行われておりまして、これこそが、その結果に基づいて国庫負担の軽減といいながら、実は国民負担を増大させているのではないかということが危惧されるわけでございます。  特に、一番大切なのは国民の生命と健康、安心と安全でありまして、被害を被るのは国民であります。このような重大な誤解を招かないためには国民に正しく理解するように指導すべきであり、また、この安易な判定、いわゆる判断、これが健康被害を及ぼす危惧があるということ、誤った自己判断あるいは医師でない者の診断まがいの行為や指導というものが行われますと疾患の重症化へつながるということが懸念されるわけでございまして、その結果、結果的に医療費の増大につながるということは明白でありますので、その辺、十分お考えいただきたいというふうに思います。  また、この簡易検査のデータでございますけれども、これは誰がどこでどのように保管をされるのか、また管理をされるのかということが全く不明確でありまして、この医療データというのは重大な個人情報でありますから、これを含めまして今後のこういったものに対する対策などをお考えをお聞かせいただければというふうに思います。お願いいたします。
  40. 二川一男

    政府参考人(二川一男君) 検体測定室に関してのお尋ねでございますが、まず、この自己採血検査サービスにつきまして検体測定室のガイドラインを昨年の四月に出したところでございます。  このガイドラインは、検体測定室におきまして直接検体を採取し、そこで検査をすると、こういったことを想定をしたガイドラインでございますけれども、また、そういった場合に該当しないで、要するに検査はほかのところでやるといったケースも考えられるわけでございますが、そういった分につきましても、昨年の十月でございますけれども、最初出しましたガイドラインに準じた取扱いをお願いをしますといったことを通知でお示しをしているところでございます。したがいまして、どちらも同じガイドラインに沿って運営をしていただくといった方針でございます。  いずれの場合につきましても、この検査結果につきましては事業者から利用者に直接報告されるということでございます。その上で、利用者の方から診断等に関して質問があった場合でも、直接回答するということはせず、医療機関への受診勧奨をしていただくことが必要であるといったことをガイドラインに明記をしているところでございます。この点につきまして、このガイドラインを適切に運用していただくように、事業者の方には趣旨を徹底してまいりたいと考えているところでございます。  また、この検査データ、これも個人情報に該当するわけでございまして、これにつきましては、個人情報保護法、あるいは臨床検査技師が関わる場合もございますので、臨床検査技師法に基づく守秘義務の対象にもなるといったところでございますので、利用者の同意を得ないで第三者に提供されてはならないと、こういったことが当然適用されるわけでございまして、そういった個人情報の保護が必要だということでございます。  この点につきましても、ガイドラインに明記をしているところでございまして、この点、徹底されるように、事業者の方を引き続き指導していくように対応してまいりたいと考えているところでございます。
  41. 羽生田俊

    ○羽生田俊君 ガイドラインに書いてあることはよく分かるんですけれども、それが本当にきちっとそれに基づいて実行されるかというところが非常に大切なところでありまして、今までも、例えば病院の患者さんのデータも簡単に流出をしていくということが毎日のように新聞にぎわしているわけですよ。  特に、今インターネットで遺伝子情報まで簡単に手に入るということは、この遺伝子情報がどのように管理をされて、どのように日本中だけではなく海外にまで流れていくかということを考えたときには、非常に怖い。一番こういったデータを欲しがっているのは生命保険会社です。将来、この遺伝子を見たときに、あなたの遺伝子からは保険に入れませんよと、あなたの家系はがんですから入れませんよと言われることも起こり得るということですから、そのくらい大切に扱うということにしっかりと目を光らせていただきたい、これが要望でございますので、是非その点、よろしくお願いいたします。  それでは、次の質問に入らせていただきますけれども、紹介状なしで大病院を受診した場合の定額負担についてということで、今、ある程度の大きさの病院、五百床以上とかいろいろな話がありますし、負担金も五千円とか一万円とか、まだ決まっていない段階でいろいろな話が飛び交っているところでございますけれども、この一定規模以上の病院において、紹介状なしで受診した患者さんから定額負担をしていただくという制度が導入されるということでありますけれども、この仕組みの具体的な内容について、大臣はどのような方向で検討していくのか、その辺を是非お聞かせをいただきたいと思うわけでございますけれども。  限られた医療資源の効率的な活用という意味では、地域における医療連携というものが非常に大事なわけでございまして、この限られた医療資源の効率的な活用、医療従事者の就労環境の改善や、緊急、重篤な患者さんに必要な医療を適時提供するといった観点からは、外来機能分化に関する更なる対策や受皿となるかかりつけ医制度、これが非常に大切になるであろうというふうに考えているところでございますが、こういった機能分化に関して大臣のお考えをお聞かせいただければというふうに思います。お願いいたします。
  42. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) まさに先生今御指摘ように、かかりつけ医と大病院の役割分担ということが一番大事なことでございまして、今回のこの外来機能の分化、連携の推進ということにつきましては、経済的な誘因だけで解決できる問題ではなくて、様々な取組が行われなければならないというふうに思っております。  このため、既に二十六年度の診療報酬改定におきまして、複数の慢性疾患を有する患者に継続的かつ全人的な医療を行う医療機関を評価するという取組を始めているわけでございまして、いわゆるかかりつけ医の機能の推進ということであろうかと思います。  今回の措置は、このかかりつけ医と大病院に係る外来の機能分化を更に進めるというための一つの方策として、紹介状なしで大病院を受診する方に一定の負担をお願いをするということにしているわけであります。こうした目的に照らしてみれば、定額負担の支払を求める大病院の範囲としては、高度な医療機能を有する特定機能病院のほかに、例えばかかりつけ医を支援する機能を有する大規模な地域医療支援病院を含めることも選択肢として考えられるのではないかというふうに思っております。  また、今回の制度の目的に照らして、緊急の場合などについては定額負担を求めることは適当ではないと考えているわけでございまして、具体的なケースとしては、救急車等で救急搬送されるなどの救急患者、これは適切ではないと。あるいは、地域に産科などの診療科、診療所が他になくて、大病院が外来診療を実質的に担っているというような診療科を受診する場合などを想定しているわけでございまして、近くは、例えば千葉県の旭中央病院というのはもう周りに産科もない、そういうようなことで今申し上げたようなケースになっているわけでございます。  これらの例外ケースについては、関係者の御意見をしっかりとお聞きをしながら、具体的な詰めを行ってまいりたいというふうに思っているところでございます。
  43. 羽生田俊

    ○羽生田俊君 ありがとうございます。  今の日本の公的医療保険の三本柱の一つはフリーアクセスということでございますから、そのフリーアクセスを、大病院にかかるときに自己負担を取って、そこに行くことを制限しようという目的も大きくあるわけでございまして、それは機能分化のためということでございますけれども、そういったいわゆる医療保険の根本たるフリーアクセスを阻害するということには間違いないわけでございますから、そういったことも含めてきちっと考えていただきたいということ。  そしてまた、患者さんの状況によって救急車で運ぶ、あるいは産科等の問題で、近くにそういった診療所あるいは中小病院でもないというようなときには大病院でもそれを取らないと。これは口で言うのは簡単ですけれども、どのように線を引くかということでかなり違ってくるわけで、その地域地域によっても線の引き方が違ってくるだろうというふうに思うわけでございますので、その辺の線の引き方、十分考慮した上、あるいはその地域の意見を十分聞いた上でこの線をしっかりと引いていただきたい。これは患者さんにとって不利益のないように線を引くということが重要なところでありますので、そういったことを是非これを進める上で考慮していただきたいというふうに思います。  次の質問に移らせていただきます。  患者申出療養についてでございますけれども、これは、患者さんからの申出療養では、保険収載に向けた実施計画の作成を医療機関に求めることというふうにされているわけでございますけれども保険収載を目指しはするが保険適用に至らないという場合があるというふうに考えられるわけですね。  患者申出療養においては、保険収載を担保するための取組と、また保険収載に至らなかった療養について、こういった場合があるわけで、これについてどう対処するのか、まずお聞かせいただきたいというふうに思います。
  44. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 患者申出療養についての御質問でございます。  先生おっしゃいますとおり、この患者申出療養につきましては、保険収載に向けました工程表、ロードマップの作成などを医療機関に求めることとしております。また、保険収載に向けました状況などを把握するために、医療機関から国に対して少なくとも年に一回はこれ患者申出療養実施状況などを報告することとしております。  これは年に一回ではございますけれども、ロードマップどおりに進んでいない場合というのは、追加的に報告を求めるほか、必要に応じて患者申出療養から除外することも含めて対応することとしております。
  45. 羽生田俊

    ○羽生田俊君 ありがとうございます。  いわゆる判断基準というのが日本でははっきりとした定量的な判断指標というものがないというふうに思いますけれども、費用対効果あるいは有効性に対して費用が大きい場合、こういったものが判断において保険収載をしないということも起こり得るだろうというふうに思うわけでございまして、そのときの薬剤の取扱いがどうなるのかというところも一つ不明確な点であります。  また、患者申出療養として引き続き扱えるものと、メーカー等からの交渉価格によって保険収載が可能になるというような場合もあると思いますけれども、そのような場合も含めてどう考えるのか、お答えをいただきたいと思うわけでございますけれども。  また、患者さんからの申出療養だと称して、医師あるいは薬のメーカーあるいは医療機器会社から患者申出療養として申請をされてくるということも危惧される。これは申請のときに、これは患者さんからの申出ですよということで申請をされてくるけれども、実は薬メーカーあるいはその担当した医師あるいは医療機器メーカー等々がこれは患者申出療養でもっと続けてほしいなと思うときには、うまく作文をすれば患者申出療養として申請をするということも起こり得るわけでございまして、そういった点についても何か対処を考えているのかどうか、その二点についてお知らせをいただければと思います。
  46. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 患者申出療養につきましては、患者さんが治療内容などをしっかりと理解をいたしまして、納得をした上で申請を行うことが必要でございます。かかりつけ医さんなどから、患者からの相談に応じて支援を行うことが重要であると考えているわけでございます。  また、国への申請に当たりまして、患者の申出によることを明らかにする書類、例えば患者さんの署名入りの申請書ですとか、あとは患者さんと臨床研究中核病院の面談記録ですとか、あとはインフォームド・コンセントの書類などを添付することを予定しております。  今後、先生指摘ようなことを防止する方策も含めまして、患者さんがしっかりと理解、納得した上で申請を行うようにしてまいりたいと考えております。
  47. 羽生田俊

    ○羽生田俊君 ありがとうございます。  先進医療の今までの申請に対しては六か月という期間をもって調査をして、本当に効果、安全性についてしっかりとした担保の下に行っていたということでございますけれども、こういった長い期間、これは六週間以内というのが原則ということでございますので、先進医療の方に出さずにこちらでやってしまおうかというふうに考えるメーカーも出てくる危険があるということも是非考慮をいただきたいというふうに思うわけでありますし、患者さんにとりましては、医師がこの治療は効くぞと言えば、ほとんど一〇〇%の患者さんは、じゃ是非それをお願いしますよ、それにもサインしますよという形になるわけでございますから、私が立場として言うのは非常に言いづらい面でありますけれども、医者の全てが善人というわけではありませんので、こういったことも起こり得るということは是非頭に入れた状態で今後の、私が悪い医者というわけじゃないですよ、そういったことを是非考慮に入れた上で制度設計もしていただきたいし、十分監視をしていただきたいというふうにお願いするわけです。  ありがとうございました。これはもう要望でございますので、その点、よろしくお願いいたします。  最後の質問をさせていただきたいと思いますけれども、今、医療費適正化の中によく出てくる言葉に、平均在院日数の減少ということが出てくるわけでございますけれども医療費適正化ということで、在院日数を減らすことで本当に医療費が抑制できるのかどうか、この辺を十分にお考えいただいて、もしデータがあるならお示しをいただきたいというふうに思うわけでありますけれども。  中医協で、以前、いわゆる在院日数を減らした場合に再診が増えた、再入院が増えたという結果が出ているんですね。これは明らかに出ているわけでございまして、早く退院をさせたために、しっかりと治らずに再入院をしたという患者さんが随分増えたということが結果として出ているわけでございますので、そういうことを含めて、在院日数をただただ減らせということが本当に医療費の抑制効果になっているのかどうかということが非常に大変疑われるところでございます。  今、在院日数を減らすということが特定機能病院等々の条件になっているわけでございますので、病院とすると、まあこの辺で退院していただこうかということも考えるわけでございますけれども、そのときにはドレーンを付けたままとか点滴したまま、あるいは酸素吸入をしたままに退院をさせられるということが起こるわけでございまして、それが本当に適正な医療なのかどうかということを大変危惧するわけでございます。  特に、アメリカなどは非常に入院日数が短い、在院日数が短い。これは理由がはっきりしている。入院費が高いからです。その代わりに病院の目の前にホテルがずらっとできているわけですよ。入院をしないでホテルに泊まって病院に通うわけです。これはもうアメリカの実態はそうですから、そういったことによる在院日数の短縮に合わせて日本が同じことをやるべきなのかどうかということをもう一度是非考えをいただきたいというふうに思うわけでございます。本当に患者さんのためになっているのかどうかということでお考えをいただきたいというふうに思っております。  また、この在院日数というのは病気によっても随分違うはずであります。私、病院関係の方に、病気によって必要な在院日数というのがどれだけ違うのかというものを、それぞれの病気である程度出せるのではないかということで依頼をしたことがあるんですけれども、残念ながらまだ出ておりませんが、それは病気によっても違いますし、手術をしたかしないか、あるいは手術の状況、いわゆる病気の進行具合、それによって、手術の結果によって当然在院日数も違ってくるわけでございますし、手術をしなくても治療内容によって必ず在院日数というのは違ってくるわけで、同じ薬を使っても副作用が起きれば在院日数は長くなるわけですね。  それぞれ状況が違う中で、単純に平均在院日数ということで、本当にそういったものをいろいろなことへの指標として使うことが正しいのかどうかということを改めて根本的にお考えをいただきたいというふうに思うわけでございまして、そういったものを、これから先も、是非、こういった在院日数というものを続けて考えるのであれば、どれだけの要素、条件があるのかということを考えた上で、この辺を在院日数として使用するということをお考えいただきたいというふうに思うわけでございまして、その辺につきまして、厚労省の御意見をお聞かせいただければというふうに思います。
  48. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 在院日数の、先生から、様々な御指摘をいただきました。  我が国の直近の国民医療費で申しますと、平成二十四年度国民医療費、六千億円余り増えておるわけでございますが、そのうちの約六割はやはり入院医療費の増ということで、これは少子高齢化を反映しているわけでございますけれども、入院医療の適正化ということは重要な課題であると考えております。  その上で、先生からただいま御指摘がございましたけれども、我が国の場合の医療費適正化計画で設けております平均在院日数の目標、これは当初が平成十八年の、これは厚生労働省の病院報告の数字ですけれども、三十二・二日というものを、平成二十四年度の、五年目の最終年度には二十九・八日まで縮まってきたわけでございます。  ただし、この数値というのは、一般病床、いわゆる急性期の病床だけではなくて、療養病床ということで慢性期の数字が入っておりますので、それをどういうふうに考えるかということは実は大きな課題でございます。  この第一期計画を作った時点では、その辺のそれぞれの適正な入院日数というものをどう考えるか、あるいは病床数をどう考えるかというようなことについての判断の枠組みがございませんでした。そういう問題がございまして、第二期の現在の計画でもそこまで至っておりませんので、これは二十九年度目標、二十八・六日というよう目標を設定をしております。  ただし、この日本の三十二日という、療養病床ではなくて急性期の例えば病床ということで見てまいりますと、これ二〇〇九年でございますのでちょっと古くて恐縮なんですが、日本は大体十八日くらいというよう状況でございます。ドイツ、フランスは、ドイツは七・五日、急性期はですね、フランスは五・二日、アメリカではもう五・四日ということで、非常に短いよう状況がございまして、先ほど先生指摘していただいたよう状況もアメリカでは指摘をされております。  それで、私どもの方は在院日数というものをどう評価をしていくか。例えば、縮まっていけば、一日当たりの診療密度というものはこれは高くなっていきますので、単純に縮まった分だけ費用が削減されるというわけではもちろんございません。それから、患者さんの方から申しますと、先生お話ように、例えばある種の、私が言っているわけではありませんけど、御指摘の中に、未完のまま退院をしているんじゃないかと、入院が終わらないまま、そうすると再入院が増えてしまうというような御指摘もございます。これは中医協でも御議論がありました。資料の見方についての御議論がございました。  そういうことを考えますと、やはり入院のところだけではなくて、在宅やあるいはかかりつけの入院する前の先生と、そういうところがつながっていないと、結局、単に日数を短縮するだけでは駄目ではないかということで、地域包括ケアシステムというものをつくっていくということが必要だということは指摘されているわけでございます。  それから、入院の問題につきましても、単純に全部を平均をするというようなことではなくて、やっぱり急性期の病床はどのぐらい必要なのか、回復期はどうなのか、そして慢性期はどうなのか、あるいは在宅まで視野に入れてどうなのかということと、それから、それぞれの病院の経営者の皆さん考え方というものを把握をするということで病床機能報告制度ができているわけでございますが、やっぱりそういう実際の経営に携わっている、あるいは診療をされている皆さんの御意見というものを反映をして、平均在院日数というものを考えていく必要があると思っております。  現在のような総数の単純な指標だけではなかなか入院の現状というものをきちんと把握することは難しい面もございますので、先生が今御指摘いただきました様々な要素というものも踏まえながら検討させていただきたいと考えております。
  49. 羽生田俊

    ○羽生田俊君 ありがとうございます。  是非、その点を十分考慮した上で在院日数というものを考えていただきたいというふうに思うわけでございます。また、特に慢性期と急性期と一緒にして平均在院日数という、これはもうまさに言語道断と言ってもいいぐらいな悪い考え方であろうというふうに思うわけでございまして、その辺を是非考えた上でこれを利用するのであれば利用するということで、十分考慮していただきたい。  また、日本の文化というのは、退院をしたら翌日から仕事をする、これが日本の文化ですよ。それが、退院しても一週間なりほかの何かでまた別な施設へ入院したり、在宅でもずっと治療し続けなきゃいけない。これは、今までの日本であれば入院をしていたという期間に入るわけですね。そういったものを十分考えた上で、これからもこの在院日数というものを考慮していただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  50. 長沢広明

    ○長沢広明君 公明党の長沢です。  国民健康保険について、我が国が世界に誇る国民保険基盤でありまして、高度経済成長をある意味医療保障の面から支えてきた大事な役割を担ってきたわけであります。元々、自営業とか農林水産業の方々が中心だった姿から、雇用形態が変化をして、今は高齢者の方そして非正規雇用の方々というものが多くを占める形になって、財政基盤が非常に弱くなってきていると。  これについて、今回の改革では、都道府県市町村とともに国保を行うということで、都道府県が国保の財政運営の主体に加わるというのが大きな今回の改革の柱でございます。都道府県が国保の保険者となり、財政運営において中心的な役割を果たすことで国保制度の安定化につながるということがこの改革の柱の一つであるので、昨日の本会議でも様々答弁をされていらっしゃいましたけれども、改めて大臣から、今回の改革において都道府県市町村とともに国保を行うことの意義についてお述べいただきたいと思います。
  51. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) この国民健康保険は、我々国会議員政府にいるとき以外は大体これだろうというふうに思いますが、大変重要な保険者として今日まで機能してくださっております。  今回の改革によりまして、都道府県が国保の財政運営責任主体となることで、高額な医療費の発生などの多様なリスクが都道府県全体に分散されるということとともに、都道府県運営面でも中心的な役割を担って、域内の統一的な国保の運営方針を定め、そして市町村が担う事務の効率化とかあるいは標準化などを図るということとしておるわけであります。  また、市町村は、地域住民と身近な関係の中で、保険料の賦課徴収あるいは保健事業などの地域におけるきめ細かい事業に取り組んでいただいているわけでありまして、これを更に取り組んでいただくということだと思います。  このように、都道府県市町村が連携をしつつ、それぞれが果たすべき役割を担って、保険者機能をより発揮していただく仕組みとすることによって国保制度の安定化を図ってまいりたいと思っておりますし、折しもちょうどこの四月から、地域医療構想を三年間の間につくってもらうのが都道府県ということになりますので、都道府県中心にやっていただきますから、そういうことも相まって、この都道府県の役割、そしてまた都道府県市町村とともに国保を運営するという形になるということで、地域での健康を守るということが更に推進されればなというふうに思っているところでございます。
  52. 長沢広明

    ○長沢広明君 今日、質問の順番ちょっと変えますので、昨日一回変えましたけれども、今日ちょっとまたもう一回質問の順番変えますので、よろしくお願いしたいと思います。  取りあえず、国保の財政運営都道府県移行について引き続きお伺いしたいと思いますが、いわゆる保険料収納率の向上ということも非常に大事な観点であります。  市町村が大変努力をして、平成二十六年度、六年ぶりに収納率が九〇%台を回復をしたところでありますが、この改革した後、都道府県が、国保の医療費給付等の見通しから各市町村の国保事業納付金の額をまず都道府県が決定する。市町村は、保険料収入でその国保事業納付金を納付するという形になるわけで、保険料の賦課徴収の業務は地域住民と密接な関係にある市町村が引き続きその業務は担うということですけれども、この市町村による保険料収納率の向上のための取組をしっかり推進していく必要があると思います。  今回の改革で、市町村が徴収した保険料が一旦都道府県に集められ、都道府県の特別会計を経由するということで、市町村による保険料収納率に、これ向上に寄与することになるのかどうか、その辺はどういうふうに考えているか、説明いただきたいと思います。
  53. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 御指摘いただきましたように、今度は都道府県の特別会計を経由することになります。具体的には、今回の国保改革都道府県財政運営責任を持つことになりますけれども都道府県が最終的にはそれぞれの市町村に必要な医療費を支給する、そのために必要な納付金というものを各市町村から納めていただくという形になります。  この納付金につきましては、それぞれの市町村ごと医療費の水準、それから所得水準医療費の水準は年齢構成を補正した後で公平にしたものでございますけれども、そういうものに応じて納付金を納めていただきますけれども都道府県で今度は全体共通の形で示されることになりますので、各市町村も県内のほかの市町村はどういう状況になっているのかということを、この医療費の水準所得水準というのが分かることになります。  それから、この納付金を基にいたしまして、都道府県では市町村の規模別に標準的な収納率というものを設定をしまして、市町村ごとに標準保険料というものを示すことになります。したがって、中規模の市であれば、大体平均、県内で見れば何%の収納率であるから、あなたのところの標準的な保険料率は、例えば国保の三方式と言っております均等割、世帯割、それから所得割ということで示せばこのような形になりますよということを示すことになりますが、これも各県内の全ての市町村ということに示されることになりますから、市町村ごとでは、例えば先生から御指摘がありましたように、収納率を上げれば、じゃ、この納付金を賄うのに必要な保険料率下がることになります。  したがって、収納対策に努力をしていただければ国保の負担というのは、保険料を上げる幅は小さくて済むようになりますし、また、医療費の適正化に努力をしていただければ納付金の金額を減らすことができますので、これもまた保険料水準を、伸びを抑制するということにつながってくるということで、今回も引き続き市町村収納率の向上についてインセンティブを持つような制度にしていきたいと考えております。
  54. 長沢広明

    ○長沢広明君 市町村収納率向上へのインセンティブという仕組みだというふうにおっしゃいますけれども市町村、今担当者が一生懸命頑張って収納率を向上してきているわけですね。  ただ、それは全国平均で九〇%台かもしれませんが、どれだけ頑張っても収納率が、いろんな事情、地域の事情もあるかもしれません、結果的に目標に到達しないという市町村も出てくると思います。その場合、都道府県から示された国保事業納付金は納めなければならない、そうなると何らかの形でやっぱりまた穴埋めをする必要が出てくるのではないかと。そこで、保険料収納率が伸び悩んで国保事業納付金を納める金額が不足してしまった場合、市町村はどういう対応ができるのか、それをちゃんと準備をしているのかということなんですね。  都道府県に新たに設けられる財政安定化基金というのがありますが、この財政安定化基金から借り入れるとか、あるいは交付を受けるとかいうことがあるのかということ、その場合、何か要件が必要なのかということ、ずっと議論になっている一般会計への繰入れがいいのか悪いのか、その可否、できるのかできないのかということも含めて、もし収納率が伸び悩んで納付金に足りなかった場合に、市町村ができる対応は何があるのか、それをちょっと説明してもらいたいと思います。
  55. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 必要な金額が集まらなかったということでございますけれども、これまではこういうことに対する制度的な対応というものはなかったわけでございますけれども、今回の国保改革におきましては、こういう保険料の収納不足等によりまして財源不足になった場合に備えまして、各都道府県に財政安定化基金というものを設置することにしております。  具体的には、一つには、予想を上回って医療費が増えてしまったような場合というのがございます。この場合は、基金の方からそれぞれの市町村の方に貸付けをするということを考えております。  それから、今先生から御指摘ございました予期せぬ保険料収納不足が生じてしまった場合、これは歳入が足りなくなってしまうわけでございますけれども、この場合につきましても財政安定化基金からの貸付けを受けることができることとしております。さらに、例えば予期せぬ事情という場合にはどんなことがあるかということで、いろいろな事情が考えられますが、例えば災害が発生いたしまして保険料が不足してしまった、こういう場合には、貸付けではなくて交付をする、補助をする形になりますけれども、交付を受けるということも可能な仕組みとすることにしているわけでございます。  ただ、市町村の収納力不足によって不足する場合に、どのくらいまでじゃ交付というか補助を出していくのか。これは、きちんとした要件を設定いたしませんとどんどんお金が出ていってしまいますので、やっぱりその辺はモラルハザードが起きないようなものを考えていく必要があると考えておりますけれども、そういうような枠組みを考えているところでございます。  先ほど、ちょっと私、医療費が予想より増えた場合というのは、市町村と申しましたけれども都道府県に貸し付けることができるという枠組みでございます。  それから、一般会計繰入れについてどうかという御質問がございました。  こちらにつきましては、現在、全国で三千五百億円の一般会計繰入れというものを行われているわけでございますけれども、私どもは、その繰入額に対応して支援をするわけではございませんが、総額で申しますと三千四百億円というほぼ同水準の新しい公費の支援をしていきたいと考えておりますので、かなりの繰入れの解消というものができるのではないか、貢献できるのではないかというふうに考えているところでございます。  ただ、一般会計への繰入れ自体は、これは市町村が自治体で御判断をいただくことでございますので、制度によってこれを禁止するというようなことはできませんので、これは各自治体で御判断をいただきたいと思いますけれども、私どもはできるだけ、これまでお願いしてまいりましたように、国民健康保険財政の健全な確保ということをお願いしてまいりたいと考えているところでございます。
  56. 長沢広明

    ○長沢広明君 今、モラルハザードを防ぐためのルール作りの話、これはちょっとまた後ほど確認したいと思っているんですが、ちょっと今、予期せぬ事情というのを要件として挙げられましたよね。これ、予期せぬ事情がなければいわゆる貸付けは受けられないというような、要件の一つになるというふうに受け取っていいですか。
  57. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) これは、予期せぬというのは、災害のように本当に全く思い掛けないということもございますけれども、予期せぬといった意味は、当初計画したのとは違って不足をしてしまったという場合でございまして、貸付けの方は、結果的に不足をしたら貸付けを受けられるようにするという方向で考えているところでございます。
  58. 長沢広明

    ○長沢広明君 もし、反対に市町村保険料収納率が向上して、都道府県から示された国保事業納付金を逆に上回る場合もあるかもしれません。  衆議院の方の議論の中で、その場合は剰余金として処理されるのではないかという答弁がありました。積立金を今度は市町村が持つ形になって、翌年度以降の保険料の上昇額を抑えることもできると、いわゆるそういう話ですね。保険料収納率向上のインセンティブの話ですけれども収納率が予想より上回った場合の市町村の対応と保険料への影響について、こういうインセンティブが継続的に今後も効くようにするよう考えているのかどうか、ちょっとその点、説明をお願いします。
  59. 橋本岳

    大臣政務官(橋本岳君) 今度は、保険料収納率が当初予定よりも上回った場合という御質問でございますけれども、そうすると、都道府県納付金を納付した後も剰余金が出るようなことになるんだろうと、このように思います。  そのような場合には、市町村は当該剰余金を翌年度以降に繰り越し、将来の財源として活用いただくことは可能でございまして、保険料への影響ということであれば、例えば翌年度以降の保険料の伸びを抑えることができるということにつながるだろうと思っております。  同時に、ただ、それで保険料収納率向上のインセンティブ、下がってしまってはいけません、抑えることができたということで。そのための仕組みといたしまして、今回の改革におきまして、保険者としての努力を行う自治体へ財政支援をするため保険者努力支援を創設することとしております。その自治体の取組評価する指標は今後地方の意見も伺いながら検討するわけでございますけれども、そこで例えば収納率向上の状況などを指標とすることも検討しておりまして、例えばそうしたことを通じて市町村収納率向上のインセンティブが継続的に働くようにする、そのようなことになるものと考えております。
  60. 長沢広明

    ○長沢広明君 この議論、市町村にとってはすごく大事な話で、どういう答弁になるか、どういう話になるのかというのは注目されている面があるというふうに思います。  今は、市町村からのいわゆる法定外の一般会計繰入れ、全国で三千五百億円と先ほど話がありました。こういう一般会計からの繰入れというのも地域によって事情が様々にあります。いわゆる財政力が豊かだから繰入れができるというところと、保険料負担が重くなっちゃうのでもう仕方なく繰入れしていると、いろいろ状況は様々です。  今回の改革で、財政運営責任主体になる都道府県市町村ごとの標準保険料率を設定すると、標準的な住民負担の見える化が図られるということになります。これによって、一般会計繰入れによって保険料負担を過度に低くしている市町村があれば、この指標によって逆に見えやすくなるわけですね。こういう標準保険料率を示すことで、市町村からのいわゆる一般会計からの繰入れは今後どういう影響を受けることになると想定をしているか、説明していただきたいと思います。
  61. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 先生の御指摘ように、一般会計の繰入れ三千五百億円ございますが、これは地域によってかなり事情が違っております。やっぱり大都市で財政力のあるところからかなり入っている面もございますし、他方では、地方の方ではなかなか厳しい状況にあるようなところもございます。  そういうような事柄に対しましては、まず一つには、三千四百億円の追加的な財政投資ということで、これはそのうちの半分は、千七百億円は低所得者の多い市町村に対する支援ということでございますし、残りの千七百につきましては、子供さんの多い自治体でございますとかあるいは市町村でございますとか、あるいは医療費適正化や予防に取り組んでいただいたところを支援をしていくということで、合計三千四百億円というものが入ってまいりますので、かなり一般会計の繰り入れていただいている、本当に苦しくて困っているという自治体の皆様には大きな支援になるのではないかと考えているところでございます。  それから、御指摘ございましたように、標準保険料率を示しますので、標準保険料率に比べて実際はかなり繰入れをして低い保険料率になっているということであれば、それは県内の状況というものが見える化されることになりますので、それはどういうふうな評価をするかということを議会やあるいは住民の皆さんにもお考えいただく機会になるのではないか、そういうことで国民健康保険の在り方につきまして御議論をいただく契機になるのではないかというふうに考えております。
  62. 長沢広明

    ○長沢広明君 どのよう説明し、納得を得るかということが必要になりますが、いわゆる保険料率の平準化ということに一歩進んでいくことになるわけですね。  例えば、今、同じ都道府県市町村内で保険料格差が最も大きいのが東京都だと。保険料が高い千代田区と一番安い三宅村との間が約三倍あると。今回の改革で、保険料水準を平準化するということが一つの流れになるわけですね。市町村ごと保険料水準を設定することを基本にしながらも、例えば二次医療ごととか都道府県ごと保険料率を一本化することも今後可能な仕組みになるわけです。  同一の都道府県内において将来的な保険料率の平準化ということへ向けてどういう方向に向かっていこうとしているのか、その考え方の基本、政府としてはこういうことが望ましいと考えているとかという、その基本線をちょっと出してもらえますか。
  63. 橋本岳

    大臣政務官(橋本岳君) 御議論いただいておりますように、今回の改革におきまして、各市町村都道府県へ納付する納付金につきましては、まず市町村ごと保険者機能が積極的に発揮されるよう市町村ごと医療水準を反映するとともに、市町村ごとの被保険者負担能力の差を是正する観点から、市町村ごと所得水準を反映することとしております。  同時に、今回の改革では、標準的な保険料負担の見える化を図るとともに、将来的な保険料負担の平準化を進める観点から、都道府県は各市町村納付金を納付するために必要となる市町村ごとの標準保険料率を示すこととしており、市町村都道府県の示す標準保険料率を参考にそれぞれの保険料率を定めることとしております。  こうした形で、納付金の金額の算定、それから標準保険料率というものを都道府県の方から示すということによりまして、今、要するに様々な事情によりまして同じ都道府県の中における市町村保険料の格差というのは御指摘をいただいたようにあるわけでございますけれども、そうしたこと、標準的な例えば保険料率を示すことによりまして標準的な住民負担の見える化が図られる、そして、それがそれぞれの自治体における在り方を議論していただく契機となる、このよう保険局長先ほど答弁をいたしましたけれども、そのようなことを通じまして、一定の時間を掛けながら保険料水準の平準化が進んでいくというようなことになるものと考えております。
  64. 長沢広明

    ○長沢広明君 その平準化へ向けていわゆる見える化するということですけれども、これは都道府県とか市町村でかなりの議論がいろいろ本当に起きてくることになっていくというふうに思います。  国保に対する財政支援について伺いたいと思います。  今回、この国保改革について、大臣は地方の声にも真摯に耳を傾けて議論に臨んでこられたというふうに思っておりますが、特に地方団体からの要望が大きくて、厚生労働大臣にも御尽力いただいた内容として、財政支援拡充による国保の財政基盤の強化ということがあると思います。  今回、消費税増収分を活用して、低所得者が多い市町村への財政支援として、二十七年度以降、毎年一千七百億円の公費が投じられると。これに加え、後期高齢者支援金の総報酬割の拡大に伴って生じる国費、これを活用して、国保に対する新たな財政支援も行っていく。この額が、後期高齢者支援金全面報酬割となる平成二十九年度以降、毎年千七百億円となる見込みだと。両者を合わせると、国保の保険料総額の一割を超える三千四百億円規模の公費が投入されていく。これが今回の改革のまた柱の一つですが、確保した多額の公費であっても、ある意味きちんと意味を持たせて重点化して投入するということがなければ、その効果は限定的になってしまうと思います。  このため、国保への新たな財政支援は、各市町村のリスクの大きさ、医療費適正化への取組などに応じて幾つかのメニューに絞って行われるということですが、平成二十七年度から二十九年度にかけて財政安定化基金への積み増しが行われて、二十九年度の千七百億はこの財政安定化基金になる、平成三十年度以降は国の財政調整機能の強化と、自治体の責めによらない要因により医療費が高くなっていることなどに対しての財政支援の強化が行われる、いわゆるめり張り付けているわけですね。  政府として、どういう効果を期待してこうした財政支援策を設けることにしたのか、今回の財政支援を継続的に行うことで国保のどの課題を解決しようとしているのか、御説明をいただきたいと思います。
  65. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 長沢委員おっしゃいますとおり、国保には低所得の方が多いなど様々な構造的な問題を抱えておりまして、厳しい財政状況にあることから、今回の改革におきまして、毎年約三千四百億円の追加的な財政支援を行うことによりまして国保の財政基盤の強化を図ることとしております。  財政支援拡充するに当たりましては、赤字を抱えます自治体に対してはそのまま赤字額に応じた財政支援を行うのではなくて、自治体の事情を踏まえまして、効果的そして効率的な財政支援を行うこととしております。  具体的に申し上げますと、低所得者が多く加入する自治体への財政支援拡充ですとか、あとはお子さんの多い自治体などに対して支援を行うことによりまして、構造的な問題を抱えて財政的に厳しい自治体を継続的に支援をするほか、また、保険者の努力支援制度というものをつくりまして、予防そして健康づくりを始めといたします医療費の適正化などに積極的に取り組んでくださっている自治体を支援するということによって保険者機能の更なる発揮を期待しているところです。  また、さらに、財政安定化基金を創設いたしまして、予期せぬ給付増などに対応することによりまして、一般会計繰入れに頼らない、そういうものに頼らない財政運営が可能となるものと考えております。  こうした支援を通じまして、国民保険を支える国保の運営安定化を図っていきたいと考えております。
  66. 長沢広明

    ○長沢広明君 今出てきた財政安定化基金ですけれども、これは予期しない給付増あるいは保険料の収納不足といったリスクの分散、軽減のために都道府県に基金を設置すると。全国で二千億円規模と。先ほどもいわゆるモラルハザードが起きないようなルール作りという話が出ましたが、そのとおりで、基金があるからといって市町村に安易な交付が行われて国保財政の規律が緩んでしまうというようなことのないようにしなければいけません。  一定のルールを設定するということで、これは大臣にお伺いしたいんですが、まだその一定のルールについてはこれから検討ということで現時点ではっきりしないんですけれども、財政安定化基金の運営の仕組み、この財政規律を維持するためのルールとしてどういうことを想定をされているのか、これは大臣からちょっと説明をいただきたいと思います。
  67. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今回の改革で、国保財政の安定化を図るために財政安定化基金というのを各都道府県に設置をするわけでありますけれども、これは予期せぬ給付増が、先ほどお話が出ているように、発生した場合には、都道府県が財政安定化基金を活用して給付に要する費用を確保すると。それから、予期せぬ保険料収納不足、こういうのが生じた場合にも、市町村に貸付け、交付を行うことができるということとしているわけでございまして、財政安定化基金につきましては、今先生からも御指摘がございましたが、モラルハザードを防ぐための一定のルールというのはやはりなければいけないということでございます。  今後、引き続き地方と協議をしていくことになっておりますけれども、単に収納不足が生じたケースを全て交付の対象にするというようなことでは、これはモラルハザードの一因にもなるということでありますので適切ではないと、こう考えておりまして、例えば予期せぬ保険料収納不足に対して財政安定化基金から交付を行うのは、先ほど局長からも答弁申し上げましたように、災害等の特別な事情、予期せぬ、本当に予期しなかった事情がある場合ということに限定をするということが必要ではないかというふうに考えておるわけでございまして、安易なこの基金の利用というのは避けていかなければならないというふうに思っております。
  68. 長沢広明

    ○長沢広明君 これからもうちょっとはっきり多分させていくんだというふうに思いますけれども、財政規律を維持するためのルール作りも大事ですし、やっぱり頑張っている市町村に対してはそれなりの努力を評価するということも必要になっていくというふうに思います。  今回、財政支援の中にそういう制度が創設されて、医療費の適正化へ向けて効果を上げた自治体とか、そういう努力しているところを評価して支援金を交付するという保険者努力支援制度、頑張っているところを応援するという、こういう形ですね。じゃ、何を頑張っていると評価する指標とするのかと。例えばという例示の中で、後発医薬品の使用割合とか、前期高齢者の一人当たり医療費とか、それから先ほど来出ている保険料収納率とか、こういうことが挙げられています。  例えば、一人当たり医療費を指標に使うことについて、保険者自身がコントロールできない疾病に対する医療費、こういうものをどう判断するかというような問題もあると思いますが、この保険者努力支援制度における判断、指標の問題、どういうことを定めるのか、それが実際、保険者の努力にちゃんとつながっていく、よし頑張ろうという努力にちゃんとつながっていくものかどうか、その点について伺いたいと思います。
  69. 橋本岳

    大臣政務官(橋本岳君) 保険者努力支援制度につきまして、その保険者の努力を評価するための指標についてのお尋ねでございます。  これにつきましては、ほかの医療保険制度において後期高齢者支援金の加算、減算で用いられる予定の指標も踏まえ、今後、地方と協議した上で決定することとしております。  今想定しているのは、例えば、御指摘をいただきましたけれども、被保険者の健康の保持増進に対する努力として特定健診、特定保健指導の実施状況でありますとか、医療の効率的な提供の推進に対する努力として後発医薬品の使用割合でありますとか、国保が抱える課題に対する努力として収納率向上の状況などを指標として用いることを検討しているわけでございます。  この保険者の努力を適切に評価をして、かつ、さらに一層の取組を促すことは大変重要であると考えております。自治体の取組の結果として、例えばその実績に着目をするのか、それとも、今現状が状況ばらばらでございますから、それからどう改善をしていったのかというところに、要するに差に着目をするのか。そうした、指標によっても論点があろうと思います。そうしたことも含めまして、地方の皆様の御意見も十分伺いながら、保険者機能を引き出し、国保の基盤強化に結び付くものとなるよう考えてまいりたいと、このよう考えております。
  70. 長沢広明

    ○長沢広明君 今自治体との関係をちょっと幾つか伺って、この後本当は、都道府県の役割と医療提供をすることと医療保険財政を都道府県が担うということをどう捉えるかということも伺いたかったんですが、ちょっとそこを今日飛ばします。  今議論したとおり、この国保改革は現場で国保を担ってきた人たち、あるいはそういう協議会でいろいろ検討してきた人たち、大変注目をしているというふうに思います。改革に当たって、被保険者としての住民はもちろんのこと、いわゆる一つ一つの行政の担当する人たち、保険者である自治体に混乱を来すことのないように、今こうした議論した話というのはきちんと説明をしながら進めていかないといけないと思うんですね。  そこで、施行は平成三十年度ということになっておりますから、それまで時間ありますが、その間、自治体とはどういうステップ踏んで協議をするのか、事務的な準備の期間が自治体の方にも必要になると思いますし、こういう大きな改革に対してどう対応するかということについて自治体側もいろんな努力が必要になると思いますので、今後のその平成三十年度の施行に向けてのスケジュール、どんなふうに考えているのか、お示しいただきたいと思います。
  71. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 国保改革後のスケジュールということでございます。  政府といたしましては、今回の国保改革後の新しい制度の円滑な実施運営に向けまして、制度やまた運営の詳細については地方の御意見をよく伺いながら検討いたしまして、順次具体化を図っていきたいと考えております。  今回の改革によりまして、各都道府県、これは平成三十年度に向けまして、市町村意見を聞きながら、都道府県に設置をすることにしております国保運営協議会の議論を経まして、国保の運営方針ですとか納付金の算定方法などを決定することとしておりますが、それに先立ちまして、都道府県市町村があらかじめ十分な議論を行うことができますように、速やかに制度や運営の詳細に関する議論を進めてまいりたいと考えております。
  72. 長沢広明

    ○長沢広明君 今ずっとお話を伺ってきたインセンティブの部分と、あるいは本当にうまくいかなかった場合の財政安定化基金の活用の仕方とか、その要件とか、これはもう本当に自治体にとって非常に大事な問題ですので、よく説明をし意見を聞きながら進めていただきたいというふうに思います。  次に、協会けんぽ国庫補助率の問題で伺います。  協会けんぽ加入者の多くは中小企業とか小規模事業者の労働者、そしてその御家族ということで、保険者としての財政基盤は脆弱であるというふうに言えます。また、協会けんぽ平均保険料率が一〇%、健保組合の九%よりも高い水準にある。財政基盤が弱い協会けんぽの方が健保組合よりも負担が重いという逆進的な負担状態があるということです。  こうしたことを勘案して、今回の法案では、協会けんぽ国庫補助率を当面の間一六・四%とし、協会けんぽ財政運営安定化が図られるという、そういう措置をとられています。これについては協会けんぽの方も評価してくれていると思います。  一方で、協会けんぽの方は、平成二十一年度から、医療サービスを多く受けている都道府県ではその分を適切に御負担いただくのが基本であるという考え方に基づいて、都道府県支部ごと保険料率を設定して、各支部における医療費の適正化努力を促す仕組みが導入をされております。  元々医療費の水準が高い都道府県においては、都道府県保険料率の導入によって保険料率が急激に上昇する見込みであったことから、加入者の生活に与える影響考慮して、一定期間、各支部の保険料率の差を圧縮する激変緩和措置をとってきました。  現在、この激変緩和措置の期限が平成三十二年三月三十一日までとされておりますが、今回この法案では、平成三十六年三月三十一日までの間において政令で定める日までと、ちょっとどうなのかよく分からないんですね。  平成三十六年三月三十一日までの間において政令で定める日までと、これは具体的な期限を政令で定めるということになるわけですが、この政令で定める激変緩和措置の期限というのはいつになるのか、現在、今の段階では見通しどうなのか、ちょっと言える範囲というか、言ってもらいたいと思いますが。
  73. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) ただいま御指摘いただきましたように、協会けんぽにつきましては、発足以来、それぞれの都道府県ごと医療費の地域差を反映をして保険料率を設定をするという考えを基本にしております。  ただし、先生指摘いただきましたように、直ちにこれをそのまま一〇〇%実施いたしますと、相当保険料率が上がってしまうところがございますので、やっぱりそれは徐々に実施をしていかなければならないということで、これまで順次縮めてまいりました。なかなか簡単にたくさん縮めるのは難しいのが実情でございまして、大きな変化にならないようにやってまいりましたが、こちらの期限は三十二年三月三十一日というのがもう期限ではっきりと決まっておりますので、実情として、点のように決まっていることで対応できるのかというのが一点の問題としてございます。  もう一つは、今回、協会けんぽにおきましても、予防、健康づくりに関する新たなインセンティブの措置というものを導入するということを予定をしております。したがって、そういう予防、健康づくりの各都道府県支部の評価をしていくということが必要でございますので、そういうものも併せまして、三十六年三月三十一日までの間の政令で定める日ということで今回変えさせていただきたいということでございますが、当面は現在の期限である三十二年三月三十一日ということを政令で定めたいと考えております。  ただし、これは実施状況をまたよく見てまいらなければなりませんので、法律全体の枠組みは三十六年という大きな枠に変わらせていただきたいと考えておりますので、この予防、健康づくりの状況ですとか地域間の状況等を見ながらきちんと検討してまいりたいと思いますが、当面は現行と同じ三十二年三月三十一日ということを設けたいというふうに考えているところでございます。
  74. 長沢広明

    ○長沢広明君 現行の三十二年は生かすと。でも、法律上は三十六年までというのを視野に入れているので、それは場合によってはそれ延ばすこともあり得るというふうに受け止めていいですか、三十六年と法律はなっているわけですから。
  75. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 今の時点で先に延ばすということを予定しているわけではございませんが、枠組みとしてはそういうことができる枠組みでございます。
  76. 長沢広明

    ○長沢広明君 分かりました。  次に、ちょっと時間がなくなりまして、今日は午後視察も予定をされているということですので、ちょっと早めに終わりたいというふうに思っていますが、あと二問だけ。  国保組合に対する定率補助見直しが今回行われています。特に、所得水準の高い国保組合国庫補助について、負担能力に応じた負担とする観点から見直すということですが、これ組合によってはこの国庫補助が削減することで被保険者が大きな影響を受けることもあり得るわけです。  そこで、見直しを行うに当たっては、国保組合について定率補助が見直されることによって保険料水準が急激に上昇するというようなことが想定されるところもあると思うんですね。そういうところの急激な上昇ということがないような、激変緩和のためのいわゆる慎重かつ段階的に実施する考え方が必要なんじゃないかと思うんですが、そこで、この激変緩和措置をある程度考えてもらいたいというふうに思うんですが、それを検討しているかどうか伺いたい、検討しているとすればどういうことを考えているか伺いたいと思います。
  77. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 国保組合につきましては、三二%の定率補助所得水準に応じて段階的にするということを考えているわけでございますが、具体的に激変緩和対策は大きく分けて三つございます。  まず、法律にございますように、二十八年度から五年間掛けて段階的に刻んでいくと、引下げ率は五分の一ずつ、五回刻んでいくということでございます。  それから、先生の御指摘ございましたように、急激に増えるというところが出てくるおそれがございます。これは、特に国保組合制度として、元々個人事業でやっているような方、あるいは平成九年より前から入っている方というのは三二%の補助をもらっておるんですが、ちょっと複雑なので簡単に申しますと、平成九年以降で法人で入っているような方については一三%という補助が適用されているんです。しかし、組合によって、やっぱり三二%の方が多いところと、それから一三%の方が多いところがございまして、一三%の方が多ければ余り変動しないんですね、今がもう低くなっているから。だけれども、三二%の方が多いところは大きく変動しますので、やっぱりこういうところには配慮をしていく必要があるだろう。  それから、後期高齢者医療支援金全面報酬割いたしますので、若い方の多いような中のところで非常に拠出金が増えて保険料率が上がってしまうというような可能性のあるところがございますので、こういうようなところにつきまして、それぞれ特別調整補助金国保組合補助金を活用して激変緩和措置を行うことを検討してまいりたいと考えております。
  78. 長沢広明

    ○長沢広明君 激変緩和措置はしっかり行っていただきたいと思います。単純に財政事情とか、それだけで判断してはできない面も多分あると思いますので、その辺もよく酌み取ってもらいたいというふうに思います。  所得水準の高い国保組合国庫補助見直し、この見直し基盤というか、見直しに対するものに対しては、これ所得調査を行っているわけですね。この所得調査結果に基づいて国庫補助を見直すということですが、この所得調査が五年に一度の実施で来ています。より正確に組合実態に即した国庫補助水準を判断するためには、この五年に一度という在り方でいいのかどうかというふうに思いますので、所得調査の在り方も見直すべきではないかと考えますが、この点についてどうお考えになっているでしょうか。
  79. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 今回、補助率所得段階に応じたものになりますので、所得を適切にきちんと把握をするということが非常に大事なことになってまいります。  ただいま先生から御指摘いただきましたように、現在の所得調査は五年に一回やっているんですけれども、五年に一回というのはちょっと長過ぎるのではないか、もう少し頻度高くやることを検討すべきではないかという御指摘もいただいております。  それから、この国保組合加入の方は企業に勤めるサラリーマンの方と違いますので、それぞれの方の所得をどうやって把握をするかという問題があるんですけれども、そういう所得の把握や調査の方法についても、できるだけ負担が少なくて頻度を高くしていくということになりますと、負担が少なくて適切に把握をするという方法を考えなければいけませんけれども、そうした点についても検討していく必要があると考えております。
  80. 長沢広明

    ○長沢広明君 あと、ほかにもいろいろ、全面報酬割のこととか医療費適正化計画との絡みとか伺いたかったのですが、ちょっと時間が半端になりますので、これで終わりたいと思います。
  81. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  82. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案審査のため、参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十五分散会