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2015-04-21 第189回国会 参議院 厚生労働委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年四月二十一日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月十六日     辞任         補欠選任      杉  久武君     山本 香苗君  四月二十日     辞任         補欠選任      行田 邦子君     井上 義行君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         丸川 珠代君     理 事                 大沼みずほ君                 羽生田 俊君                 福岡 資麿君                 津田弥太郎君                 長沢 広明君     委 員                 赤石 清美君                 石井みどり君                 木村 義雄君                 島村  大君                 高階恵美子君                 滝沢  求君                 武見 敬三君                三原じゅん子君                 石橋 通宏君                 西村まさみ君                 羽田雄一郎君                 白  眞勲君                 牧山ひろえ君                 山本 香苗君                 川田 龍平君                 小池  晃君                 井上 義行君                薬師寺みちよ君                 福島みずほ君    国務大臣        厚生労働大臣   塩崎 恭久君    副大臣        厚生労働大臣  永岡 桂子君        厚生労働大臣  山本 香苗君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       橋本  岳君        厚生労働大臣政        務官       高階恵美子君    事務局側        常任委員会専門        員        小林  仁君    政府参考人        文部科学大臣官        房審議官     佐野  太君        厚生労働省医政        局長       二川 一男君        厚生労働省医薬        食品局長     神田 裕二君        厚生労働省労働        基準局長     岡崎 淳一君        厚生労働省職業        能力開発局長   宮川  晃君        厚生労働省雇用        均等・児童家庭        局長       安藤よし子君        厚生労働省社会        ・援護局長    鈴木 俊彦君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    藤井 康弘君        厚生労働省保険        局長       唐澤  剛君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (保険医療機関に対する個別指導の見直しに関  する件)  (歯科口腔保健推進室に係る取組に関する件)  (精神保健指定医の資格の不正取得に関する件  )  (労働者の休憩時間確保に向けた対策の在り方  に関する件)  (国保法等改正案におけるヘルスケアポイント  に関する件)  (妊婦健康診査公費助成在り方に関する件  )  (看護職員勤務環境改善策に関する件) ○独立行政法人に係る改革を推進するための厚生  労働省関係法律整備等に関する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、杉久武君及び行田邦子君が委員辞任され、その補欠として山本香苗君及び井上義行君が選任されました。     ─────────────
  3. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長二川一男君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 西村まさみ

    西村まさみ君 おはようございます。民主党・新緑風会の西村まさみでございます。  まず冒頭、委員長お願いを申し上げたいと思います。  先週、委員会で、津田筆頭質問の最中の私語、並びに再開が遅れるなど、目に余る行為が最近散見しております。是非とも、今後このようなことがないように、委員長から御注意をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  7. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 先ほど理事会でもお話がございましたので、以後、理事会、必要なときは筆頭間で協議の上、理事会でもお話をさせていただきたいと思います。
  8. 西村まさみ

    西村まさみ君 それでは、質問に入ります。  まず、今日は四十分と時間が短いようでございますので、端的に質問させていただきますので、どうか御答弁も決められたことのみで結構でございますので、よろしくお願いします。簡潔にお願いいたします。  まず、指導についてお尋ねします。  平成二十五年四月二十五日付けで、公益社団法人日本歯科医師会より当時の医療指導監査室長に対しまして、個別指導共同指導等に対する要望書が出されました。その時期からもう二年が経過しておりますので、本日はその中から二点お尋ねします。  高点数による個別指導算定除外基準である月のレセプト十件というものは余りに過小な設定であり、共同指導と同様に五十件を基準とする扱いにすることの検討要望しております。その後二年たちましたが、いかが御検討なさっているか、お聞かせください。
  9. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 今先生から御指摘いただきました歯科医師会要望書、私どもの方もいただいております。この保険医療機関対象実施をしております個別指導でございますけれども、御指摘のとおり、一か月の平均取扱件数が十件未満の非常に少ない保険医療機関は除外しているものでございますが、これを五十件未満くらいに拡大すべきだという御提案でございます。  私ども、直ちにこれを実施をするということはなかなかすぐには申せないのでございますけれども、ただ、指導監査指導そして監査につきましては、ほかにも多くの課題があることはこれは事実でございますので、そういうものと併せて幅広い観点から検討していく必要があるというふうに考えております。
  10. 西村まさみ

    西村まさみ君 レセプト取扱件数が少ないと、当然ですが月の実日数が増える傾向にありまして、超高齢社会の今の現状高齢患者さんが増えれば、当然ですが私ども歯科の場合は欠損補綴とか訪問診療が多くなり、レセプト一件当たり点数が高くなるわけです。  診療内容やいわゆる請求が適切であっても指導対象になるのは、これは保険診療の取扱い、診療報酬請求に関する事項について周知徹底をさせることを主眼とする指導大綱とは懸け離れるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  11. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 個別指導の御趣旨は、今御指摘いただいたとおりでございます。これは、どの医療機関対象にするかということは、先生も御承知のとおり中央社会保険医療協議会で決められておりまして、関係皆様合意をしていただいた指導大綱で選定しているわけでございますが、現在はこの高点数、高い点数ということで設定をしてあるわけでございます。  それで、これはどういう診療をやられているかということに関連をして点数が高くなったりしますので、意図的とかなんとかいうことではなくて、だから、そういうところがいつも当たるじゃないかという御不満をいただいておりますし、問題も御指摘いただいております。  これにつきましても、保険者医療機関等意見もお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。
  12. 西村まさみ

    西村まさみ君 それでは、この要望が出された二十五年四月二十五日から二年たった中で、厚生労働省としてはまだ意見を聞いているということでよろしいですか。
  13. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) はい。私どもも定期的に意見交換をさせていただきまして、そして、指導監査の問題でございますので、医科それから薬剤というところも全部関連をしてまいりますので、そうしたところの関係皆さんとも定期的に意見を交換させていただきまして、そして検討をしているという状況でございます。
  14. 西村まさみ

    西村まさみ君 何年たっても意見の交換しているのであれば、一向に改善されることはないと思います。  もう一点、要望についてお尋ねします。  今回は、高点数理由とした個別指導の結果、おおむね妥当とされた医療機関が、例えばまた三年後に高点数理由指導対象となるということは非常に不合理である、指導結果がおおむね妥当とされた医療機関については五年程度対象から除外するということを検討してはいかがかと、そのような要望もされていますが、そのことについてはいかがでしょうか。
  15. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) こちらも高点数指導から二年経過後にまた集団的個別指導対象になるというようなことが出てくるわけでございまして、現在のルールではこういう客観的な基準対象医療機関を決めているわけでございますが、同じところが当たりがちになるという御指摘をいただいていることも事実でございます。  それで、全体の医療機関の一定の割合を対象にして実施をするということを合意をいただいておりますので、結局その選び方をどうするかという問題でございまして、恣意的ではもちろんいけませんので、みんながはっきりと分かって合意できるようなもの検討していくということは課題であるというふうに考えております。
  16. 西村まさみ

    西村まさみ君 これほど改善お願いをしておりますので、是非とも、私どもからも提案をいたしますので、それも含めまして御検討お願いしたいと思います。  昨年十一月十八日、大臣は私の質問に対しまして、むしろ先生の方から、じゃ、どういう基準だったら御納得がいただいて、お互いの、言ってみれば保険診療の発展のためにどういうことをすればいいのか、その基準是非提案いただきながら、あるべき姿ということを考えていくべきかなと、大臣はそうおっしゃいました。  私から何点か御提案を申し上げますので是非検討をいただきたいんですが、今申し上げました請求件数の少ない医療機関請求件数の変更、十件を五十件にしてはいかがですかといったようなこと。それから、レセプト一枚当たり平均点数だけで今決めておりますが、それに加えて医療機関の総請求点数医師の数等を加味してはどうか。また、公平性を担保するために、基準となる平均点が各県単位ではなくて、各都道府県であったり厚生局であったり、例えば全国であったりというふうに幅を広げていただくということを考えていただきたいということがもう一つ。それからもう一つは、そもそも集団個別指導というのであるのであれば、高点数で選ぶということを今度はやめて、全ての医療機関対象に、指導を定期的に全医療機関を回数を同じくして行うといったこと。こういったことを御提案をさせていただきたいと思いますので、是非大臣、私も提案をさせていただきましたので、次回またお尋ねしますので、御検討をいただけたら大変有り難いと思いますが、いかがでしょうか。
  17. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 前回質問いただいたときに、私の方から、是非、むしろどういうふうにしたらいいのかということを、歯科医師会から頂戴をして二年たちますけれども、その具体的なことについてはまだ詰まり切っているわけではございませんので、そういった具体的な提案をしていただくのは大変有り難いと思っております。  やはり大事なことは、公平で客観的な基準でもって選ぶということなのかなというふうに思いますので、先生今御提案を具体的にいただきましたが、それを含めて更にまたもしあればいただいた上で、当然今のお話はもちろん検討をいたしますけれども、具体的なやり方としてどういうふうにやったらいいのか、早く一つのパターンを決めていくべきではないのかな、そうでないと、私の地元もそうですけれども皆さん非常に心配をしていますから、そういう点についてはっきりさせていきたいというふうに思います。
  18. 西村まさみ

    西村まさみ君 今申し上げたのは、私が当選してから四十七都道府県の、医科歯科、調剤とあるとしても、歯科だけに特化していて大変小さな範囲ではございますが、各県の保険担当皆様、各医療機関皆様からアンケートを取らせていただいて、やっとここまで収集することができました。その案を御提示いたしましたので、是非、それが全てとはもちろん申しません、まだまだこれからも御提案を申し上げたいと思いますので、やはりこれで今非常に苦しんでいると、地域医療をしている現場の声としてお聞きいただけたら大変有り難いと思いますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、次に、医療に係る消費税課税在り方検討についてお尋ねします。  昨年の八%増税時は、診療報酬の中で、いわゆる物を買ったり機械を買ったりとか、仕入れに関わるものというもの基本診療料に上乗せすることで対応していただきました。一〇%引上げは、前回から見送られた高額投資についての対応というものは行うのか行わないのか、今その検討がされているのかされていないのか、お聞かせください。
  19. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 医療に係る消費税課税在り方でございますけれども、御承知のとおり、消費税非課税とされている社会保険診療におきましては、医療機関医薬品等仕入れる際に支払う消費税分は、これまで診療報酬により手当てされてきたところでございます。八%の引上げ時におきましても、診療報酬引上げといった形で対応したところでございます。  今後の取扱いでございますけれども、これにつきましては、医療界から、医療機関等消費税問題の抜本的解決を図ること、こういった要望があることは承知をしているところでございます。また、昨年末に取りまとめられた与党税制改正大綱におきましても、消費税等税制在り方につきまして、医療保険制度における手当ての在り方検討と併せまして、関係者意見を踏まえ、総合的に検討し、結論を得ると、こういうふうにされているところでございますので、私ども厚生労働省におきましても、与党議論状況を踏まえつつ、現在検討しているといったところでございます。
  20. 西村まさみ

    西村まさみ君 それでは、現在の段階では、高額投資に係ることについての検討はまだされていないということでよろしいですか。
  21. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 高額投資の場合につきましての消費税の問題があるということは十分に承知をしているところでございまして、そういった部分につきまして、与党税制改正大綱におきましても、仕入れ税額相当額分を見える化することなどにより実態の正確な把握を行うとなっているところでございます。そういったことを含めまして、現在、日本医師会あるいは関係病院団体、それから財務省、私ども厚生労働省、入ったところでの検討を進めているといったところでございます。
  22. 西村まさみ

    西村まさみ君 まだしていないということだというお答えを遠回しにしてくださったんだと思うんですが、やっぱり医療技術の進展というものがありますから、病院の中では大変高額な医療機器をこれは患者さんのために購入するわけです。そのいわゆる損税と言われている部分というものは非常に大きな金額になっていますので、このことについても併せて御検討お願いしたいと思います。  また、今おっしゃいました医療団体でも、それぞれ団体によっていまだ非課税還付方式がいいですとか、課税にして軽減税率、ゼロ税率がいいとか、まだ意見が定まっていないところではありますが、二十九年の四月からは確実に一〇%になるわけですから、それまでにいろんな方々の御意見を聞きながら、しっかりとした道筋を早めに立てていただきたいということをお願いをしたいと思います。  次に、CADCAMについてお尋ねします。  昨年改定で、先進医療からCADCAM冠が小臼歯導入されました。私はこれまでも度々質問をさせていただいていますが、昨年の六月十九日の委員会で、是非ともかむ歯として重要な大臼歯への拡大をするべきではないかと、そう申し上げたときに、当時の保険局長より、大臼歯に対する適用拡大は重要な課題ではあるが、かむ力に耐えられるかどうか、データがきちっとまだ評価されていないというお答えがありました。その後一年たちましたが、データ収集等はされたのでしょうか。
  23. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 今先生指摘CADCAM冠ということで、コンピューター・エーデッド・デザイン、コンピューター・エーデッド・マニュファクチャリングということで、コンピューターを使用した支援設計製造ユニットということで、補綴物設計、製作するということでございますけれども、御指摘のように、平成二十六年度の診療報酬におきまして先進医療から保険導入されました。そして、先生の今お話しのように、これは、先進医療の中では小臼歯対象として有効性安全性評価を行っておりましたので、現在は保険導入は小臼歯に限って実施をするということになっております。  昨年以降、すぐにエビデンスのデータが集まっているというところまでまだ行っておりませんけれども、ただ、いろいろな御要望もこれはございますので、新規医療技術評価、これは次回改定に向けて実施をしてまいります。それから、既存技術の再評価、これも実施をしていくわけでございますけれども関係学会などに意見を募集をいたしまして、学会の御意見もしっかり聞きたいと考えております。  それから、中医協でも必要な議論というものを行ってまいりたいと考えているところでございます。
  24. 西村まさみ

    西村まさみ君 それでは、具体的にお尋ねします。  私も、昨年の質問のときに申し上げました。今、金属アレルギーという患者さんが非常に増加する傾向にあります。はっきりしたデータというもの厚生労働省も持ち合わせていないということではありましたが、私のところに来る患者さんでも、金属アレルギーなので、今入っている口の中にある金属を外して違うものでやってほしいと。ところが、いわゆる小臼歯、真ん中ぐらいまでの歯は保険の中でも金属を使わずに診療ができますが、かむということに非常に重要ないわゆる奥歯、大臼歯八本に関しては保険では診療ができないと。  御理解がいただける方は大丈夫だと思います。経済的に余裕があり、これはここから一旦終わって自由診療に移行するといったこともあるのかもしれません。では、それがかなわない、例えば生活保護受給者皆さんなんかがいらして金属アレルギーだといったときは、どういうふうな対応をしたらいいと思いますか。
  25. 鈴木俊彦

    政府参考人鈴木俊彦君) ただいま御指摘のありました生活保護の場合でございますけれども、この医療扶助給付範囲でございますが、これは最低限度医療を提供する、こういった観点から、これは全国民が加入し得る国民健康保険の例によるということにされているわけでございます。したがいまして、今御指摘のあったCADCAM冠によりますプラスチックの大臼歯のかぶせもの、これを作るもの国民健康保険保険適用になっておりませんので、したがいまして医療扶助対象にはならないということにいたしております。
  26. 西村まさみ

    西村まさみ君 それでは、生活保護受給者の方の大臼歯、かむ歯に一番必要という歯は診療をすることが不可能ということでよろしいですか。
  27. 鈴木俊彦

    政府参考人鈴木俊彦君) ただいま申し上げましたように、生活保護医療扶助給付対象にはなりませんけれども、例えば、これはどうしても必要だという保護対象者の方がいらっしゃって、その方々生活費やりくりをして何とか捻出をするという場合に、これが禁止をされているわけではございませんので、そういったやりくりが可能であれば、こういったCADCAM冠の大臼歯のかぶせものも必ずしも排除されるわけではないということでございます。
  28. 西村まさみ

    西村まさみ君 今の生活保護受給者皆さんで、生活費やりくりしてそこまでできるとお考えですか。
  29. 鈴木俊彦

    政府参考人鈴木俊彦君) ただいまのお尋ねでありますけれども一般論はなかなか困難でございまして、その方々生活の態様なり家計のやりくり状況、これによると思います。一概に禁止をされているというわけではないということを申し上げたまででございます。
  30. 西村まさみ

    西村まさみ君 そういうことなんです、唐澤局長。  これ、やはり早く、保険導入をした、そこからまた次というふうに行くわけですから、やはりかむということが重要だということを度々申し上げてまいりましたし、大臣もそれについていかがですかとお尋ねすれば、重要なことだということは認識していますと御答弁も頂戴しています。  どんな状況にあっても、格差ができるというようなこと、本来であれば治せるところが、やりくりをしなければならないなんというようなことがならないようにするためにも、やはり大臼歯への拡大というものは早急にお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いします。  もう一点、ちょっとお尋ねします。  先進医療についての提案を、今年度から初めて四月三日締切りでパブコメをされています。その現状が今百件ぐらいというふうには厚生労働省にお尋ねしたところであるんですが、そのパブコメで収集した意見、そして五月の八日で今度は学会からの意見も収集されると聞いています。その意見については、今後どういうような形で進めていくおつもりでパブコメをされたのか、お聞かせいただけますか。
  31. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) これにつきましては、まず学会、それからそのほかの方々からいろんな御意見出てまいりますので、これをきちんと整理をすると。ちょっと、ごちゃごちゃのままではなかなか審議できませんので、整理をさせていただきまして、これ、実は厚いファイルで何十冊にもなります、最終的には。それを中医協の中にございます、新規医療技術導入に関する有識者の会議がございますので、そこでまず技術内容について専門的な御議論、これ、もう少し年度の中、後半になってまいりますけれども、続けていただきまして、そして最終的には中医協議論をさせていただくということになると思います。  いずれにしても、今の時代に合った新しい技術導入していくということは、これはどうしても重要なことで、これ、皆保険を守ることと新しい技術導入していくことというものを必ず両立させていくということが私どもの重要な使命だと考えておりますので、そうしたスケジュールで進めてまいりたいと考えております。
  32. 西村まさみ

    西村まさみ君 これにつきましては、今まさに局長おっしゃるとおりで、診療報酬部分対応する部分と、先進医療のように、診療報酬には収載されていかないけれども保険には収載されていかないけれども、今の現実に非常に合った診療方法というものは、これは日々の医療の進歩ということでたくさんあると思うんです。ただし、やはり患者さんにとって、それが安全性有効性というものが確立されていかなければいけないものでしょうし、その辺のところは十分理解をしていますが、せっかく初めての試みで広く皆様パブコメをされたわけですから、その一つ一つ意見を、ここのところは慎重に耳を傾けていただき、整理をしていただき、できるだけ慎重に慎重を重ねた上で早い段階で新しい技術というもの導入されていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、歯科口腔保健推進室についてお尋ねします。  今まで、昨年の通常国会から数えまして七回ほど委員会質問させていただきました。取りあえず、全体会議を開いているか、開いていない、開いているか、開いていないということの繰り返しをして、今現在、昨年の六月十一日に第一回の全体会議を開いていただいたということは大変感謝をいたします。そして、その上で、私は常に兼任ではなく専任を置くべきだと。法律ができたのは二十三年の八月です。二十三年の八月に推進室が設置された、それから随分とたっていて、それの間でもう都道府県、市町村では様々なところで条例ができています。ただ、条例も各自治体独自にやっていますが、国がしっかりとした姿勢を見せないとなかなかそこから先に進めないというところもあります。  今の現状、推進室はどのようになっているのか、お聞かせください。
  33. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 現在の歯科口腔保健推進室でございますけれども、今委員指摘のとおり、平成二十三年八月に医政局長が定める室として設置をされたわけでございますけれども、専任の室員は配置をされませんで、歯科保健課の課長補佐が室長を兼務するといった形で、全ての室員が兼務の状態となっていたところでございます。  御指摘の訓令室につきましては、本年度設置をするということで、そういった方針であるわけでございますけれども、その設置に向けまして、今年の四月一日付けで専任の歯科口腔保健専門官と、それから推進係長、これを専任で歯科保健課に配置をしておりまして、今後、体制の強化に向けて訓令室の設置を考えているわけでございますけれども、体制整備を現在進めているところでございます。  また、業務の内容につきましても、今後、都道府県、市町村の歯科口腔保健に携わる方々にお集まりいただく会を五月一日に予定をしておりますところでございまして、そういった観点歯科口腔保健の推進に努力をしているところでございます。
  34. 西村まさみ

    西村まさみ君 二川局長が大変な御尽力をいただいたということに心から感謝をするんですが、私といたしましては、やはりあれほど必要だということを御認識いただいているのであれば、訓令室ではなく省令室であってほしかったなという思いがありますが、それは是非、次のステップにつなげていただきたいと思っています。  しかしながら、やはりこれからのスケジュール感というものが具体的に見えてこないんですが、今局長がおっしゃってくださったのは、五月の一日に都道府県のいわゆる歯科口腔保健関係者を集めた意見交換会ということだけということでよろしいですか。
  35. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 歯科口腔保健の推進業務につきまして、そういった都道府県、市町村の関係者を集めた会議を行うなど、推進をしているところでございます。  組織につきましては、この平成二十七年度にいわゆる訓令室ということで設置をしていくという方針でございますけれども、設置時期につきましては今準備中ということで、具体的な時期については現在の時点ではお答えすることは困難でございます。
  36. 西村まさみ

    西村まさみ君 四月一日からできたことですから、困難とお答えになるのがそれはもう局長としては当然のことかと思うんですが、ただやはり、先に先にと進んでいかなければいけないというので、第一歩を踏み出せたことに対しては本当に心から感謝をいたしますし、大きな期待をいたします。そして、これがうまく活動し、うまく動いていくことによって都道府県の条例に対しても様々な助言とかできることだと思っております。  何より、一つだけ思うのは、今回のその専任は女性の方を置いていただけたということで、これは国が進めようとしている様々な取組にも合致すると思って感謝をします。  大臣、この推進室、初めて専任の人間を置くということでまた新たなスタートをしていくわけですが、大臣の方からも是非とも、条例様々ございますので、それが画期的に推進するためには、頑張ってほしいというかエールを送っていただきたいと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
  37. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) これは、歯科口腔保健の推進に関する法律ということで、自民党、公明党、民主党そろって御努力をいただいて、今日、関係方々、この中にもたくさんおられますけれども、こうしたことで口腔の健康の保健を一層強力に推進すると、その必要性にかなうように歯科口腔保健推進室を設置するということで来ていると思います。  訓令室として設置をすることとしたわけでありますけれども、本年度。今後のことについても今お話があったとおりでありますが、設置時期については現在検討中でありますけれども、業務の進捗を見ながら適切な時期に是非実施ができるように努めていかなければならないというふうに思っておりますし、歯科口腔の重要性というのはもう私も何度も申し上げてきているところでございますので、その体制づくりに励んでまいりたいというふうに思います。
  38. 西村まさみ

    西村まさみ君 ありがとうございました。是非とも積極的に取り組むのを大臣自ら行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  次に、国保組合の国庫補助についてお尋ねします。  持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険等の一部を改正する法律案、ただいま衆議院で審議中です。その中で、これも前にもお尋ねしましたが、各国保組合といってもたくさんあります。国保組合の課税標準額に上限額を設定して算定した一人当たり課税標準額を国保組合の所得水準として使用する根拠は何でしょうか。
  39. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 御承知のように、国保組合はいろいろな業態がございます。医療関係皆さんもいらっしゃいますし、例えば食品の関係とかいろんな方がいらっしゃいますので、これ、被用者保険のように給与収入を基にして比較をするということはこれはできません。  したがいまして、客観的で公平な基準として何を使うかということが市町村民税の課税標準額ということで、収入から必要経費を控除をして税法上の公平な金額にするということが必要だと思っております。  それからまた、健康保険保険料の方にも標準報酬の上限というものがございますので、例えば給付と負担という関係から、所得税のようにどこまでも負担額を大きくするということができませんので、これは一定の上限額に相当するような比較ということも必要ではないかというような考え方に基づきまして、公平な基準として所得を比較させていただくために市町村民税の課税標準額というものを御使用させていただいているところでございます。
  40. 西村まさみ

    西村まさみ君 私自身も、被保険者の所得水準の高い国保組合の国庫補助については当然、公平にするために見直しをしていかなければならないということは十分に理解をしますが、そこに至るまでの経緯にちょっと疑問があるところがありますので、もう一点お尋ねしたいんですが、今回、上限額を千二百万に設定するに当たり、ほかの制度との均衡を考慮しとあるんですが、ほかの制度とは何でしょうか。
  41. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) ほかの制度というのは、被用者保険の方でも標準報酬、例えば健康保険組合に入っておられます会社の経営者の方なんかは物すごく高額な年収というか収入というものがあるわけでございますけれども、そういう方も現在ではおよそ百二十万の月収というものを上限としてこれを設けているわけでございます。  そういうことで、それから市町村国保につきましても、これも年間の、これもいろいろな形態の方がいるから、非常に所得の多い方もいらっしゃるわけでございますが、そういう方につきましても、年間の医療と、あるいは高齢医療分、あるいは介護分というものを合わせた上限の金額というものを、それ以上にならないようなというふうな金額を設定させていただいているわけでございます。  国保組合の皆様にも、所得を評価する上で、やはり一定の市町村の国保の上限額などを参考にさせていただきまして、所得の水準というもの評価をしていく必要があるということで考えさせていただいているものでございます。
  42. 西村まさみ

    西村まさみ君 それでは、ちょっと違う観点からお尋ねします。  第八十三回の社会保障審議会医療保険部会、昨年の十月二十九日に示された試算によると、医師国保の定率補助を廃止して、自家診療の場合の保険請求の増加などを加味しておくと、八七%の医師国保は市町村国保並みに保険料を引き上げても赤字になるということが示されました。歯科医師国保も同様に四組合、薬剤師国保も二組合、赤字になるということです。  その上でお尋ねしますが、国保組合の保険料が市町村国保の保険料を上回る場合、当然ですが、解散をして市町村国保に移動しなければならないとか様々なことが挙げられると思います。この場合の公費負担の増加を招くわけですが、そのような試算はされていますでしょうか。
  43. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) そこまでの試算は私ども実はしていないんでございますけれども、例えば国保組合に今御加入の方が、例えば解散された場合には、先生の御指摘のように市町村国保に行くということが考えられます。これは、国保組合はいろいろな所得段階に応じて補助をしておりますけれども、最高でも大体四七%くらいということなんですが、定率と調整補助金を入れて四七というような水準なんですが、市町村国保では五〇%という補助でございます。  ただ、国保組合の中には、解散をすると例えば協会けんぽに入るような方も恐らくいらっしゃると思いますので、全体としてそういう水準の計算まではしておりませんけれども、私どもは、やはり国保組合の方は同種同業でこれまで頑張ってきていただいていますので、そして、きちんと国保組合を継続していただけるように考えていきたいというのが私どもの基本でございます。
  44. 西村まさみ

    西村まさみ君 そうなんです、様々な努力をしてきているんです。  例えば、今おっしゃられたように、それぞれの国保組合はそれぞれの同じ職業なりなんなりから始まって、ほぼ一〇〇%に近い収納率を持っている組合もたくさんあります。一概に所得が高いからということだけでは、やはりいろんな意味での試算ということはしていかなければいけないだろうし、大変なことだと思うんですが、そこまで踏み込んでやはり補助というものをしていかないと、本当に解散するようになると、今、唐澤局長おっしゃったようなことと反することになります。  それを踏まえて、もう一点。二十三年当時の見直し議論については、A案とかB案とか厚生労働省がお示しになられた案がございました。あのときA案の定率補助の下限というのは一六・四%、これは協会けんぽの水準ということと同じであったと記憶しています。  今回の見直しについて、百五十万円以上の組合に対して、十万円ごとの所得水準で二%ずつ補助率を設定して最低の下限を一三%にしたということはどういう根拠があってされたのであるのかということ、そして、それによって赤字になる国保組合ができるのかできないのかぐらいの試算はされたのかどうか、教えてください。
  45. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 国保組合の国庫補助は事業仕分以来いろいろな御議論がございまして、そしてまた予算編成の過程でも何度も議論になってきたわけでございますが、補助を一部のところにはなくすというような御意見もあったわけでございますけれども、ただ、そうしますと大変な影響も出てまいります。  そういうことで、どのような補助率を設定するのがよいかという御議論がありまして、B案では、確かに一六・四%というような、協会けんぽを参考にして設定をしたらどうかというような案も以前に検討したことがございます。  ただ、私どもは、今回いろいろな過程で様々な御意見をいただきまして、また、財政当局とも折衝させていただきました結果、財政当局ではなくしてしまうというような御意見も非常に強くありましたけれども、それをやっても非常に、先ほどのお話のように、きちんとあるこれまでの組合というものを守っていただいて、そして加入者の皆様の福利、医療の確保、そういうものをしていただきたいというのが私どもの基本でございますから、現在の国保組合の制度で一番低い補助率というのが一三%という補助率でございます。これはちょっと技術的でございますけれども平成九年以降に新たに加入をした人に対しては一三%という補助率がございますので、その一番低い補助率の水準に合わせさせていただいたというのが私どもの考え方でございます。
  46. 西村まさみ

    西村まさみ君 局長、分かりました。  実は、この法案審議が参議院に回ってきましたら、そのときも質問の予定をさせていただいていますから、続きはそのときにもう少し詳しくお尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いします。  それでは、最後に、レセプトの事前点検についてお尋ねします。  支払基金では、診療担当者、保険者代表及び学識経験者の三者構成で支払基金というのは成っていて、中立公正な運営を確保するための体制を取っています。保険者による事前点検では、支払基金の審査委員会のチェックがなくて支払が行われるために画一的な方向からしか捉えられないのではないかという不安や、診療担当や学識担当の考えがきちんと反映されるのかという懸念がありますが、効率を図られるのはいいんですが、果たして中立公正なレセプトチェックができるのかというところは大変疑問だと思いますが、この仕組みがきちっとした形で効果的、効率的なものとなるのかどうか、どうお考えになっていらっしゃるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  47. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 保険者レセプトの事前点検のお話、今先生からお話がございまして、特に医療関係皆様からはちゃんと公平で客観的な審査が実施されるのかというような御懸念があることは承知をしております。  それで、この仕組み自体を、なぜ議論に出ているかといいますと、これは要するに、こういう仕組みを導入してほしいという御希望を持っている保険者皆さんのお考えの点は、いっぱいレセプトがあるけれども、特別に疑義が生じないような、普通のと言ったら変ですけれども、そんなに難しい審査をしなくていいようなものというのがあれば、それは自分たちで、例えば保険者の方で審査をするというようなことにしていただければ、難しいものでなければですね、そうすれば、支払基金の審査、点検事務も効率化できるし事務手数料も下がるというようなことができるのではないかというようなことが関心としてあるわけですが。  他方では、導入した場合、じゃ、難しいレセプトの水準、難しいやつだけ残りますので、簡単なやつだけにしますと、残りは、その難しいレセプトの審査の体制とか費用の評価、そういうものをどうするのかということもございますし、それから、今は国保連合会と支払基金という二つの支払機関がございますので、その手前でどこかで受け付けなきゃいけないというような問題も出てきて、システムの問題というものもございます。そういう実務的な面も含めて議論をしていかなければなりませんので、実は今、健康保険組合連合会の中に検討グループというようなものも立ち上げられたというように聞いております。  私ども、今いろいろな申し上げましたような論点がございますので、そういうものについても丁寧に検討していくべきだというふうに考えております。
  48. 西村まさみ

    西村まさみ君 実は、私は国保連合会の審査委員の経験がありますし、与党側に座っていらっしゃる島村委員も支払基金の審査委員の経験者で、本当にいろんなレセプトを見てきた経験から、やはりいろんな観点から、患者さんというものはそれぞれ違うんですね。同じように虫歯があるとかおなかが痛いといってもそれぞれ違うわけです。そういったものをあの紙一枚の中から調べるということは非常に困難、そして神経を使う仕事をさせていただきました。  ですから、効率的で、そして何といっても効果的な仕組みとなるのであればこれは何ら問題はないと思うのですが、二十七年、今年の一月十九、二十に、いわゆる健保組合の説明会を実施すると、その百九十七組合のアンケートの結果を見ると、示された手数料単価では費用対効果ができないというのが百十三組合であったり、これに参加する意思はあるのかというと、参加する意思は毛頭ないと答えるところが百八十件近くあったりと、まだまだこれ健保組合の方にもなかなか、いわゆる浸透していないというのもありますから、これから是非とも効率化すること、適正化すること、これは重要だと思いますので、丁寧に説明をしていただきまして、双方にとっていい結果となるような方法を導き出していただきたいということをお願いいたしまして、本日の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  49. 川田龍平

    ○川田龍平君 先週、聖マリアンナ医科大学病院精神保健指定医の不正申請が発覚し、厚生労働省は、医道審議会の分科会の答申を受け、指導医九人を含む二十名の精神保健指定医の資格取消しを決めました。精神保健指定医は、基本的人権を剥奪する権限を国から与えられた資格です。同じ大学から二十人も虚偽申請があり資格認定されていたことは、国際的な非難を免れ得ない重大な人権侵害だと思います。  この指定医たちが非自発的入院、つまり強制入院や身体拘束をしたケースについて、不適切あるいはいいかげんな判断に基づく不当な人権侵害だった可能性がないか、国として徹底的に調査するべきではないでしょうか。
  50. 藤井康弘

    政府参考人(藤井康弘君) お答え申し上げます。  本件につきましては、まずは私ども、指定医の取消しという処分を行ったところでございますけれども先生指摘の精神科病院に入院している患者さんの適切な処遇の確保という観点につきましては、精神保健福祉法に基づきまして、現在、川崎市におきまして、病院管理者への報告を求め、調査に当たっていただいているところでございます。  今回の事案につきましては、まずは聖マリアンナ医科大学病院あるいは川崎市からの報告を踏まえまして、私ども国として更に対応すべき内容があるかどうか検討の上、適切に対応してまいりたいと考えております。
  51. 川田龍平

    ○川田龍平君 報道によれば、川崎市は、診断書などから患者二十八人の入院の判定が妥当だったかどうか確認するとのことですが、患者本人と入院に同意した家族などに対して、担当医師が指定医取消しになった事実を調査官が伝えた上で、強制入院時の様子を直接聞き取る調査などをすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  52. 藤井康弘

    政府参考人(藤井康弘君) 個々の事案に対する調査につきましては、川崎市におきまして、病院からの報告を踏まえまして、これ調査方法も含めて検討しているところだというふうに承知をしております。
  53. 川田龍平

    ○川田龍平君 仮に、今回、不適切な強制入院があったとの市の調査結果が出た場合に、侵害された人権の回復や補償について国には何ら責任がないのでしょうか。
  54. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今回の聖マリアンナ医科大学病院関連する精神保健指定医の一連の取消しというのは、極めて遺憾な事態だと思っております。  今回の事案というのは、一つ病院のガバナンスの問題がまずあること、それから病院を監督する厚生労働省側のチェック機能の問題もある、さらには、関係審議会があるわけですから、ここのチェック機能が問われると、こういうような課題があるというふうに考えておりまして、再発防止策を徹底することで精神保健指定医制度に対する国民の信頼を、あるいは今お話があったように、海外からの信頼も含めて回復しなければならないというふうに考えております。  御指摘内容につきましては、病院やそれから川崎市において調査が行われている段階でありまして、厚労省としてはその結果を踏まえつつ適切に対応しなければならないというふうに考えておりますので、今すぐにどうなのかということを判断するのは少し早いかなというふうに考えております。
  55. 川田龍平

    ○川田龍平君 川崎市から見れば、指定医の判断に従って判定したのに、その指定自体が間違っていたとなれば、市の責任だけが問われても困るということではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  56. 藤井康弘

    政府参考人(藤井康弘君) どのような主体がどのような責任を負うかということにつきましては、個々のケースごとにその判定の状況等の事実関係検討する必要があると考えてございますので、先ほど大臣も申し上げましたように、現段階でなかなかお答えすることは難しいというふうに考えております。
  57. 川田龍平

    ○川田龍平君 この指定医取消しだけではなく、医道審議会にかけた上で医師免許の停止あるいは剥奪といった必要性があるのではないでしょうか。医師法第四条に該当するものと考えていますが、いかがでしょうか。
  58. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 医師免許の扱いについてのお尋ねでございますけれども委員指摘のとおり、医師法第四条等におきましては、医事に関し犯罪又は不正の行為のあった者につきましては医道審議会の意見を聴いた上で処分ということで、戒告あるいは三年以内の医業停止、免許の取消し、こういった処分があるわけでございますけれども、処分をすることができるとされているところでございます。  本事案につきましては、聖マリアンナ医科大学病院による調査結果など、全体の事実関係整理した上でということになるわけでございますけれども、医道審議会に諮ることになろうかというふうに考えているところでございます。
  59. 川田龍平

    ○川田龍平君 この指定医を取り消された医師らは、今も外来に出て日本精神神経学会や日本臨床精神神経薬理学会の専門医を名のっているようです。自分たちの行った虚偽申告が重大な人権侵害であるという認識に欠け、指定医を単に専門医の資格の一つとしかみなしていないからとしか思えません。  二〇一三年には国連拷問禁止委員会からも日本の強制入院について批判を受けたところですが、大臣は今回の事件を人権問題という観点からどう考えているのでしょうか。
  60. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 精神保健福祉法の運用に当たっては、患者の人権というものを確保して、個人としての尊厳に配慮した医療を提供することが極めて大事であって、それはそのとおりだと思います。  今回の指定取消しにつきましては、精神保健指定医制度の根幹に関わる重大な事案であって、厚生労働省として厳正にこれには対応をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
  61. 川田龍平

    ○川田龍平君 この虚偽申告による人権侵害というのがいかに重大かということを、是非認識していただきたいと思います。  政府は、国連自由権規約委員会でこの指定医制度をアピールしていますし、障害者虐待防止法がなぜ病院適用していないかという理由にもなっています。今回、そのチェック自体がずさんだったということが明らかになったわけですが、これは氷山の一角ではないでしょうか。二〇一一年にも同様の不正取得の疑いが千葉大学の大学院で指摘されたこともありますが、厚労省は把握していますでしょうか。
  62. 藤井康弘

    政府参考人(藤井康弘君) 御指摘の千葉大学の件につきましては、現時点では事実関係の確認ができておりません。
  63. 川田龍平

    ○川田龍平君 是非、この学会ども、先日取り上げました群馬大学病院の腹腔鏡手術のケースですとか、千葉県がんセンターのケースについては、これは学会の認定も取り消したという発表が昨日のニュースでありました。  本当に、こういった問題について学会もしっかり取り組むべきだと思いますが、この聖マリアンナのケースについて、厚労省は悪意があったかは聴聞で確認できなかったとのことですが、専門家が法律を知らなかったから守れませんでしたでは済まされないと思います。刑事告発を検討するに当たり、違法性認識の有無は関係ないのではないでしょうか。
  64. 藤井康弘

    政府参考人(藤井康弘君) 刑事告発につきましては、犯罪があると思料するときに行われるものでございますけれども、実際に刑事告発を行うかどうかにつきましては、どういう犯罪が成立し得るかによりまして、様々な要素、どんな構成要件でどんなふうに該当するのか等々を勘案して判断されるべきと認識をしております。  いずれにいたしましても、病院あるいは川崎市の調査結果を踏まえまして、私ども適切に対応してまいりたいと考えております。
  65. 川田龍平

    ○川田龍平君 是非お願いします。  そして、指定医は精神疾患のあらゆる症例を網羅して経験している必要があります。ほかの指定医の虚偽申請を調査するに当たり、児童精神医学の症例報告についても、一万五千人近くいる指定医全員を、適切な症例報告を提出しているかどうか調査をするのでしょうか。
  66. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今回の精神保健指定医取消しの事案におきまして、こういう事態を招いたわけでありますので、これを受けて、厚生労働省において同様の不適切な事例が他にも発生していないかどうか、ケースレポートの各症例をデータベース化することによって調査を行うこととしているところでございまして、この各症例には児童思春期精神障害の症例も当然含まれておりまして、これは当然調査対象となるというふうに考えております。  厚労省としては、今後調査をしっかりと進め、更なるチェック体制の強化を図ることによって、精神保健指定医制度に対する国民の信頼回復を図っていかなければならないというふうに考えております。
  67. 川田龍平

    ○川田龍平君 現実には全ての症例を経験することは困難で、指定医制度は形骸化しているのではないかという指摘もあります。是非、厳格に審査の仕組みも含めて調査を行い、二度と不正が起きないような改善策を講じていただきたいと思います。  この聖マリアンナ医科大学精神科では十件ほどの治験を申請し実施中ですが、虚偽申請する医師の集団が所属する医局において行われている治験にデータ不正の可能性がないと言い切れるでしょうか。医薬品医療機器法上、人権侵害に基づく治験の中止というのはできないという欠陥は承知していますが、少なくともこれらの治験の継続の適否について改めて調査をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
  68. 神田裕二

    政府参考人(神田裕二君) 治験の実施当たりましては、開始前に計画をPMDAに提出していただきまして、被験薬の投与量ですとか投与期間、組入れ基準などを確認をして、被験者の安全確保を図っているところであります。  また、その治験の成績を用いて医薬品の承認申請が行われたときにはPMDAが医療機関に対して実地調査を行いまして、臨床試験の実施基準に従って正確に症例報告書が作成されていることですとか、治験審査委員会の審査が適切になされていること等を抽出調査によって確認をすることとしております。  今申し上げましたように、被験者の安全性確保ですとかデータの信頼性保証については医薬品医療機器法の中で必要な措置をとることとしておりますことから、今回の精神保健指定医の取消し事案をもって一律に治験を中止するということは考えておりません。
  69. 川田龍平

    ○川田龍平君 この治験、臨床研究の不正問題については、頻発しているということに対しても政府の対応は大変場当たり的です。ヨーロッパではナチスによる人体実験の反省に学んで、根本的な人権問題として法整備をしてきました。そして、アメリカも非倫理的な研究を徹底的に調査をして法令整備をしたのに対して、日本では戦中の七三一部隊を始めとする戦前、戦中の人体実験の歴史的な反省を十分にしていないことによる、こういった問題が繰り返されていると私は考えております。  この七三一部隊においては人体実験の被験者をマルタと呼んでいたわけですけれども、今でも大学病院では学用患者という人間としての尊厳を無視した呼び名があります。この学用患者という呼称についてどのように考えているのかを文科省、そして厚労大臣に見解を求めます。
  70. 佐野太

    政府参考人(佐野太君) お答え申し上げます。  現在、学用患者費は、国立大学が法人化する前の平成十五年度まで、患者の協力を得て、医学の教育研究の進展を図ることを目的といたしまして、国立大学附属病院における診療等に要する経費として、国費により各国立大学に措置していたものでございます。国立大学が法人化されて以降、学用患者費という名称は国立大学法人運営費交付金の予算事項上はなくなっておりますが、一部の国立大学附属病院におきましては、学内予算の名称に用いられているところがございます。  この学用患者費という名称は、人間の尊厳を無視するような意図を含むものとして用いられてきたものでは決してないもの理解してございますが、先生の御指摘を踏まえ、今後、国立大学附属病院に対して、この呼称の扱いについて検討を促してまいりたいと思ってございます。
  71. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今文科省から御説明がございましたけれども、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針におきまして、「人間の尊厳及び人権が守られなければならない。」という基本的な考え方が示されているわけであります。  御指摘の学用患者費という呼称は、今の説明のとおり、かつて文科省が、あるいは国立大学が使っていた呼称であって、まずは大学関係者で、それが法人化した後は原則ないということでありますけれども、倫理指針の基本的な考え方も踏まえた上でよく検討すべきではないかなというふうに思います。
  72. 川田龍平

    ○川田龍平君 この七三一部隊の研究データというのは、米国にこのデータと引換えに、提供することと引換えに関係者がその責任を免れて、薬害エイズ事件を引き起こしたミドリ十字の前身の日本ブラッドバンク社ですとか、また同意なき人体実験問題を起こした金沢大学の医学部、またディオバン事件を起こした京都府立医大などに民間の研究者として生き残っていったという、この事実を改めて指摘をしておきます。  国際人権自由権規約の第七条には、「何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けない。特に、何人も、その自由な同意なしに医学的又は科学的実験を受けない。」とあります。この非自発的な入院、そして人を対象とする医学実験、これらはいずれも重大な人権侵害に対する深い反省に基づく倫理観と徹底した調査検討と、この国会審議を経た法的な制度、枠組みの中でこそ行えるものだということを改めて確認して、質問を終わります。よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  73. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  牛丼チェーンすき家が、昨年、過酷な長時間労働、一店舗一人勤務のいわゆるワンオペで社会的批判を受けました。そのすき家で働く首都圏青年ユニオンに加入する若者から話を聞きました。  すき家は、昨年秋、第三者委員会調査して改善を表明して、四月八日の第二回目報告では、六十時間、八十時間という残業の問題はあるものの、百時間を超す残業はゼロになったとしています。しかし、現場で働く方に聞くと状況は全く変わっていない、実際にはマネジャーなど正社員が残業を申告しないだけで、百時間を超える残業は続いているといいます。  すき家を経営するゼンショーは、首都圏青年ユニオンに加入する労働者が三六協定示してほしいと求めても提出しない。労働基準法ではこういうことが許されるんでしょうか。
  74. 岡崎淳一

    政府参考人(岡崎淳一君) 労働基準法の規定の御質問でございます。  労働基準法におきましては、労使協定につきまして労働者に明示しなきゃいけないと。やり方としては、常時、各作業場の見えやすい場所への掲示とか備付け、あるいは書面を労働者に交付、あるいは電子媒体を記録してそれが見れるようにすると、こういういずれかのやり方によりまして労働者に明示しなければいけないと、こういうことになっております。
  75. 小池晃

    ○小池晃君 法律どおりのことを全くやられていない、当然のことさえやられていないわけで、これは厳正な対応を求めます。  朝九時から八時間の労働に加えて、その後二十三時までぶっ通しの残業で休憩が取れない。これはアルバイトも含めてどこの店舗でもざらにあるというわけです。シフト表に休憩時間記入されていても全く取れない。  ゼンショーは、昨年、午前零時から朝五時までは確かに二人体制にしましたが、ただ、朝五時以降深夜までの時間はいまだにワンオペを続けております。そういう店舗が多いということです。休憩を取れるように深夜以外も最低二人体制をと労働組合が求めたらば、ゼンショーは売上げが上がらないから認められない、昼間は一人でできるはずだと、要求を拒否したといいます。  厚労省に聞きますが、フルタイムで働く場合のこの休憩の基準というのはどうなっているのか、違反したらどういう罰則があるのか、売上げが上がらなければ休憩は取らなくてもいいということは許されるのか、この点についてお聞きします。
  76. 岡崎淳一

    政府参考人(岡崎淳一君) 休憩時間につきましては、労働基準法三十四条に定めがございます。六時間を超える場合には少なくとも四十五分、八時間を超える場合には少なくとも一時間の休憩を与えなければならないということになっております。罰則につきましては、六か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金ということでございます。これは、売上げ等との関わりではなくて、労働者に必ず取らせなければならないと、こういう規定でございます。
  77. 小池晃

    ○小池晃君 ゼンショー側は労働者は休めないことはないと言うんですけれども、二十四時間営業を掲げている店舗で一人勤務をすれば、これは店閉められませんから休憩取れないのは当たり前なわけですね。  すき家は、この朝九時から二十三時まで休憩なし、ぶっ通しの勤務というのがアルバイトでも珍しくないと。しかし、労基署に申告をしても、その店舗の管理者に休憩取らせてくださいと言われるだけだというわけです。これに対してゼンショーは、その申告者をシフトから外すという、まさに不当労働行為の報復シフトまでやっています。  監督署の指導は休憩を取るようにと繰り返すだけなんですが、それでいいんでしょうか。少なくとも物理的に休憩が取れるシフトに改善するよう指導しなければ、これは全く意味がないんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  78. 岡崎淳一

    政府参考人(岡崎淳一君) 個々の企業への指導の中身は差し控えさせていただきますが、基本的には基準法を守っていただくようにと、それで、オペレーションの仕方等につきましてまで具体的にこうしろという指導はなかなか難しいと。  しかしながら、絶対無理な形のオペレーションをやっているということであれば、それを含めて、とにかく休憩なら休憩がしっかり取れるような仕組みを会社で考えていただくというのが基本だろうというふうに考えております。
  79. 小池晃

    ○小池晃君 二十四時間店開いているのに、一人勤務の時間帯があれば休憩取れないわけですよ、これ。どう考えたって取れないわけですよ。だから、休憩取れないシフトになっているわけだから、今そういったことがあればという話あったけれども、これきちっと具体的な改善指導をすべきだというふうに思うんです。  実は、このすき家のワンオペで、昼間一人勤務だったときに店員が倒れて、それで店の中が大変な状況になったということが今ネットでも話題になったりしています。こういう事態がやっぱり起こっているということに、きちっとやっぱり厚労省としては手を打つべきだというふうに思うんですね。  すき家では、ほかにも労働関係法令違反の実態があって、私がお話聞いた若者は、一年近く勤めても雇用保険加入の説明も天引きもされていないと。もう一人の方は、有給休暇があることを知らなかったと。同僚が取っているのを見て会社に聞いたら九日あるのが分かったので、初めて使ったと。  アルバイトだけじゃなくて、そもそも働かせ方を管理しているマネジャーの多くが八店舗ぐらいを担当しているんですね。もういつ寝ているか分からないぐらい働いて、三日間店舗に泊まった人もいるというんです。体を壊して退職したり、睡眠不足で交通事故を起こした人もいるというんですね。これ、首都圏青年ユニオンでは、すき家の労働者は別の件でも労基署に申告する準備をしているというふうに聞きます。  大臣に、私これ、大規模なチェーン店を展開しながら、是正勧告も個別事業所に対してだけで終わっていて、実態としては全国各地で休憩も取れないようなシフトが放置されていて、いろんな法令違反も指摘をされているんです。すき家は全国に千九百八十一店舗を展開している。売上高三千億円を超えるという、まさにブラック大企業ですよ、これは。  こういったところにやはり、先日の委員会大臣は、過重労働撲滅特別対策班つくったというふうに胸を張られましたけれども、まさにこういったところにこの撲滅対策班を入れるべきじゃないですか。やっぱりチェーン店全体として是正指導をやらせるということをやるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
  80. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今、小池先生からお話がありましたように、厚生労働省で、私を本部長といたしまして、長時間労働推進、あっ、削減推進本部、この決定に基づいて、今年の四月から東京労働局と大阪労働局に、今お話しの過重労働撲滅特別対策班というのをつくっております。通称過特と言っていますが、この新設をしたところで、働き過ぎの防止に向けた監督指導の強化をやろうということで、私もこの間、東京労働局に参りましたし、近々、山本大臣が大阪の方の労働局に行って、しっかりやるようにということを指示をする予定でございます。  一方で、御指摘の個別企業、つまりゼンショーの問題については、この監督指導でございますので、私どもとしてはお答えは差し控えますけれども、例えば複数の支店で過重労働が認められて、多数の労働者に健康被害のおそれがある事案、これらについては過特が事案を担当し、集中的に監督指導や捜査を行っていくというのが基本方針でございますので、過特はしっかり仕事をしてもらわなきゃいけないというふうに思っております。
  81. 小池晃

    ○小池晃君 まさに多数の店舗で健康被害が生じるようなことが起こっている、社会問題にまでなっている。ワンオペ解消したと言っているけれども、実態は解消していない。これ、是非きちっと厳正な対応を求めたいというふうに思います。  こういう労働実態がはびこっている中で、労働基準法改悪で労働時間規制をなくしてしまうようなことは許されるはずがない。大臣今、まさに長時間労働推進とおっしゃいましたけれども、長時間労働推進の労基法改悪をやろうとしているわけですよ、だからああいう発言も出るんじゃないかなとちょっと思ったりしますけれども。  ちょっとお聞きしますが、政府の言う高度プロフェッショナル制度の対象となる労働者は、当面は年収千七十六万円以上ということなんですが、これは有期雇用契約労働者にも適用可能でしょうか。その場合は一千七十五万円を日割計算するんでしょうか。労働者の健康管理の仕組みはその場合どうなるんでしょうか。お答えください。
  82. 岡崎淳一

    政府参考人(岡崎淳一君) 高度プロフェッショナル制度につきましては、有期契約の方を適用除外するというような形にはなっておりません。したがいまして、有期契約であっても適用対象にはなります。  年収要件につきましては、最終的には、法案成立後、審議会で決めますが、今、千七十五万円を想定していると。これは一年当たりということでありますので、契約期間が一年に満たないという場合であれば、これは比例計算で考えていくということを考えております。  健康確保の具体的な数字につきましては、これは数字そのものを含めまして審議会で議論して決めていくということであります。一年を前提にまず決めていきますが、その際の一年未満の考え方につきましても、基本的には比例的な考え方で適用すべきものというふうに考えております。
  83. 小池晃

    ○小池晃君 ということは、労使委員会による議決で確認された業務に就く労働者で、本人が同意して月額約九十万円程度の賃金の支払が約束された労働契約が成立していれば、契約期間にかかわらずその労働者に高度プロフェッショナル制度の適用をすることは適法ということでよろしいでしょうか。
  84. 岡崎淳一

    政府参考人(岡崎淳一君) 余りにも短い場合で制度の趣旨に合うかどうかという問題はあるというふうに思いますが、ある程度の契約期間があって労使委員会でそういう対象業務だということであれば、それは適用対象になるということでございます。
  85. 小池晃

    ○小池晃君 ある程度とか余りにも長いとかありますけど、それ、別に基準はないわけでしょう。
  86. 岡崎淳一

    政府参考人(岡崎淳一君) それは制度の趣旨にのっとって労使委員会で決めていただくということでございます。
  87. 小池晃

    ○小池晃君 例えば、ある企業が三か月間のプロジェクト事業に取り組むというふうにすると。先ほど述べたような条件を満たした場合には、課長以外の職員全員を三か月間高度プロ制度の適用だとして、一定の賃金払えば残業代なしに、例えば土日休めば労働時間制約なしに働くことができるということですね。
  88. 岡崎淳一

    政府参考人(岡崎淳一君) プロジェクトに関わる方、今先生、全員とおっしゃったような気がしますが、それはそういう対象業務をやっているというのが……
  89. 小池晃

    ○小池晃君 条件、満たした場合。
  90. 岡崎淳一

    政府参考人(岡崎淳一君) ですから、そういう条件を満たした方しかプロジェクトに参加していないということであれば、そういう形になります。
  91. 小池晃

    ○小池晃君 私は、今度の制度はこういった形で使われる可能性も高いんではないかなというふうに思うんですね。  結局、有期契約でも一定の賃金を払えば残業代なしに時間制限なく働くことができるということで、大臣、やはりこれは、この間もここで話題になりましたけど、これは携帯電話並みの定額働かせ放題制度ですよ、まさに。一定のお金払ったらもう幾らでもそういう働かせ方ができる。しかも、この千七十五万円という基準も、財界はこれは高過ぎると攻撃しているわけで、竹中平蔵氏はいみじくも小さく産んで大きく育てるというふうに言っているわけで、これ、際限なく拡大していく可能性、私は大きいと思います。  大臣、一旦こんな制度を導入してしまえば、それをきっかけにしてこれは日本中に過労死が広がるということになるじゃないですか。これは撤回する、もうそれしかないと思いますが。長時間労働を撲滅するといいながら、こういう長時間労働がどんどん広がるような仕組みをつくるのは全く矛盾している。撤回すべきだと思います。
  92. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) もう繰り返し申し上げてまいりましたけれども、この制度は職務記述書というのを、まず職務の内容を明確にするために本人がしっかりと書いて、そしてそういう高度専門職の人しか相手ではないし、さっき申し上げた平均給与額の三倍を相当程度上回るという年収要件を満たす高い交渉力を持った人であること、それから、自ら同意しない場合にはこれは適用されないということでもありますので。  そして、高度プロフェッショナル制度の対象となるのは、定められた職務内容以外の仕事を押し付けられることはなく、あるいは職務の範囲内の仕事についてその分量を自らコントロールできる、それから仕事の進め方や時間配分について十分な裁量を持って働く、そういう人たちが対象になるわけであります。  このため、高度プロフェッショナル制度においては、健康確保措置の一つであり、一年当たり百四日の休日さえあれば、他の人が長時間働き続けさせるというようなことについては、仮に使用者がそのような業務量を事前の合意とか対象になる方の意に反して強いるというのであれば、そもそも制度の要件に該当しなくなるということであるわけであります。  なお、有期雇用契約の方であってもこの制度の対象となるわけでありますけれども、年収要件や健康確保措置について同等の水準を保障するものであって、働かせ放題といった今先生がおっしゃったような御批判は当たらないものだというふうに思っております。
  93. 小池晃

    ○小池晃君 いや、だって、働かせ放題じゃないですか。百四日といったら、土日だけですよ。盆だって正月だって働けという話なんですよ。健康確保に何にもなっていないわけですよ、これでは。  やっぱり、私は今の話を聞くと、交渉力はあるというけど、有期契約労働者で何で交渉力があるんですか。大体、年収が多ければ交渉力があるなんというのは本当に絵空事ですよ。年収水準が高い人ほど過労死が多いという実態があるわけですから。  私は、やっぱりこの労働基準法改悪はもう本当に撤回するしかないと、断固反対ということで野党は結束して頑張る決意ですので。そんなこと言っちゃっていいでしょうか、まあそうだと思いますので、頑張りたいというふうに思います。
  94. 井上義行

    井上義行君 日本を元気にする会、井上義行でございます。  私の父親は、今から二十七年前、未成年の子供が、後ろから来たバイクにひかれて、そして植物状態になって一年七か月後に亡くなりました。あの一年七か月を思い出すと、今でも非常につらい思いをいたします。私のような家族というのは日本の中でも多くいると思うんですね。やはり、一たびこうした、私の父親は交通事故で脳挫傷で植物状態になりましたけれども、突如脳溢血でそういう状態になる人もいると思いますね。そうなると、やっぱり時間で家族がもめ、そしてお金でもめ、そしていろんなことが見えてくる、非常に苦しい思いがあるんですね。  ですから、私は、今の健康保険在り方は、やはり健康である人は大いに健康で維持をしてもらって、そしてその分をこうした苦しい人たちにしっかりと医療が行き渡るようにしていただきたいというふうに思っております。当時は介護制度というものはありませんでした。今こうした介護制度もありますので、やはりこうした、自分たちでできることは自分たちでやって、そして、いざこういう寝たきりになったときにはしっかり公助という形で支えてもらう、そうした社会保険の確立をしていただきたいと、そういう意味で今回質問をしたいんですが。  今回、法律で出している持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険等の一部を改正する法律案で、加入者の予防、健康づくりに向けた取組、ヘルスケアポイントの付与や保険料への支援等を行う内容が盛り込まれております。そのイメージを小学生でも分かるように簡単に教えていただけますでしょうか。
  95. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) ありがとうございます。  予防、健康づくりに取り組む加入者、これは組合員の方とか御家族も含めてですけれども、そうした方に対してヘルスケアポイントを付与して健康グッズなどと交換できるようにするなど、そういう保険者が加入者に向けた予防、健康づくりのインセンティブを提供する取組について、既に先駆的な健保組合や市町村で実施をされております。  今回、法案の中にこうした保険者の取組を位置付けているわけでございますけれども一つには、このヘルスケアポイントの取組というものを広げていくということを進めたいと考えております。それからもう一つは、今御指摘にもございましたけれども、公的保険制度の、きちんと治療をするという基本はきちんと守りつつ、予防、健康づくりに取り組んだ加入者の保険料の一部について、これは例えば保険事業の範囲内ということなどが考えられますけれども、それを保険者が負担をして実質的な保険料の軽減をするというような仕組みについても検討してまいりたいと考えております。これ具体的には、実施までの間に専門の先生などやあるいは保険者皆様からも御意見をいただいた上で国でガイドラインを策定をしたいと考えているところでございます。
  96. 井上義行

    井上義行君 簡単に言うと、このポイントがたまると、例えば先ほど言った健康グッズみたいな何か物をもらえるとか、あるいは一年間例えば医療費を使わなかったら、保険料が一部下がるということなんでしょうか。
  97. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 一つは、今先生お話のように、ヘルスケアポイントをためれば健康グッズや、あるいは例えば契約しているフィットネスクラブの費用の支払に、一部に充てるとかいうようなことが考えられると思います。  それから、保険料の方では、一年間例えば全く受診しない場合にというような条件を付けますと、これはもう受診抑制になってしまう可能性もございますので、私どもとしては、どちらかというと積極的な取組を評価するような枠組みを考えたいと考えておりますけれども、これも様々な御意見をいただきたいと考えております。
  98. 井上義行

    井上義行君 つまり、例えば健康診断をするとか、そういうものでやっていくと保険料が一部下がるという理解でよろしいんでしょうか。
  99. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) そういう取組もあり得るということでございます。  健診をきちんと受けていただくとか、それから保健師さんの保健指導をきちんと受けていただくとか、あるいは御自分で目標をつくって、一日何メートル歩くとか、そういうような設定もあり得ると思っております。
  100. 井上義行

    井上義行君 健康グッズという言い方もあるかもしれませんが、私は、予算委員会のときにも大臣に申し上げましたけど、例えば薬局クーポンとか、そういう形で自分たちでも使えるものがいいんではないかというふうに思っておりますが、その考え方はいかがでございましょうか。
  101. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今、薬局クーポンとか、そういうようなものもどうだろうかということでございましたが、さっき局長から申し上げたように、積極的に健診を受けるとか、そういうようなことで健康を自ら努力をして増進をさせるというようなことをやっていただく、あるいは抑制的に行動していただくことについての、言ってみればそれについてポイントを差し上げるということで、何らかの形でそれを生かしていただけるようにというふうに考えているところでございますので、考え方それ自体は、方向性としてはよろしいんじゃないかとは思います。
  102. 井上義行

    井上義行君 方向性はいいということで、是非実現をしていただきたいというふうに思いますが。  そこで、ポイントの管理の仕方ですけれども、このポイントというのは誰が管理をするんでしょうか。
  103. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) これを既に導入している例えば健康保険組合などでは、健康保険組合、つまり保険者がポイントをきちんと管理をするということを実施をしているところでございます。
  104. 井上義行

    井上義行君 どちらかというと、確かに管理側の方にこのポイントを管理するという考え方はあるんでしょうけれども、私は、自分自身がどのぐらいポイントがたまったかという視点の方がむしろ積極的にこういうポイントをためたというその喜びができるというふうに思っていまして、例えばスーパーとか、いろんなものにポイントが付いていますよね。そうすると、そのポイントがたまって、そのポイントが還元をすると。そのことによって、自分たちは、じゃ、ここに行こうとかいう形になるんでしょうけれども医療の世界ではなかなかそれは難しいのかもしれませんが、ただ、自分自身で健康管理をするために、こういうふうにポイントがたまったということを自分自身がちゃんとしっかり分かるような仕組みをつくった方がいいんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  105. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) それはおっしゃるとおりでございまして、既に、このヘルスケアポイントの仕組みなども、特定の創意工夫をしたところだけができるということではなくて、少しほかのところでもできるような、ソフトになっているものもございまして、支援の枠組みができてきております。その中には、御自分のポイントがどのぐらいたまったかということがやっぱり分からないと励みにはなりませんので、そうしたことは重要でございますので、私どもとしても十分考慮してまいりたいと考えております。
  106. 井上義行

    井上義行君 将来、IC型に健康保険証をして、個人の様々ないろんな情報をやはり確立した方がいいんではないかというふうに私は思っていまして、内閣委員会で私も、例えば免許証と保険証が一体化するIC制度みたいのをつくって、そうすると、交通事故に遭ったときも、その人の情報が集約されていますので、すぐに病院に駆け込んだときにその免許証あるいは保険証で個人情報が得るということでスピーディーな医療ができるというふうに思っておりますので、例えば、厚生労働大臣にお伺いしたいんですが、免許証と健康保険の一体化というか、ICの入れたものをやると非常に便利になると思うんですが、その辺の考え方はいかがでしょうか。
  107. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 運転免許証については私どもの所管ではございませんので、今健康情報と運転免許証を一体化してみたらどうだということでありますけど、なかなか所管外のことを言いづらいわけでありますが、一般論として申し上げますと、保険者あるいは医療機関が運転免許証のICチップに健康情報を登録をして本人の同意なく警察でも読み取れるよう提供するということは、個人情報保護法上の問題というのがあるんじゃないかというふうに思われます。  また、保険者医療機関が運転免許証のICチップに健康情報を登録する手間とかコストの問題をどうするのかというようなことも解決しなければいけないといった様々問題があって、恐らく一番大きいのは、やっぱり個人情報をどう保護をしていくかということになるのかなというふうに思うところでございまして、様々課題があるのかなというふうに思っております。
  108. 井上義行

    井上義行君 大臣らしくないですね。  内閣委員会でもやはり、これは警察マターではありません、こういうふうな話になるんですね。やはり一つのカードでいろんな個人情報を集めていろんな活用をする形が私はできるんだろうというふうに思っているんですね。やはり大臣は改革者ですから積極的に、山谷大臣とも親しい関係にいますので、やはりしっかり協議をして、実現しようと思えば私はできると思うんですね、大臣指導力をもってやれば。ところが、誰々の管轄じゃない、何かそういうレベルで行政をやったら一歩も進みませんので、是非大臣にはそういう先頭に立って改革をしていただきたいというふうに思っております。  そこで、やはりこうしたポイント、先ほど申し上げましたけれども、日本再興戦略の中に、平成二十六年六月二十四日に決定をしたものでございますが、これは、「個人に対する健康・予防インセンティブの付与」、この中に、「個人へのヘルスケアポイントの付与や現金給付が可能であることを新たに明確化し、普及させる。」というふうになっていたんですね、昨年は。ところが、法案ができますと、これがヘルスケアポイント付与や保険料への支援という形で、現金給付というのがなくなってしまったんですね。この現金給付のなくなった理由というのはどういう意味でなくなったんでしょうか。
  109. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 保険者が加入者に対して予防、健康づくりのインセンティブを提供する取組というのは重要であることはもう言うまでもないわけでありますし、今回の、今御審議をいただいております医療保険制度改革法案でも保険者の努力義務として位置付けをしている。そして、その際に、具体的なインセンティブ提供の方法につきましては、ヘルスケアポイントのほかに現金給付保険料への支援等も想定しているところでございまして、これらについては、今後、国が策定するガイドラインの中で保険者に対してお示しをしていくことを考えているところでございます。
  110. 井上義行

    井上義行君 ということは、この現金給付というのは将来あり得るということでよろしいでしょうか。
  111. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) これは、現金給付という方法を排除する意図ではなくて、ヘルスケアポイント付与や保険料への支援等というふうに法律案で書いてありますけれども、これは例示として書いてあるだけで、排除しているわけではないということでございます。
  112. 井上義行

    井上義行君 多分、最初は現金給付が、こういうこともやった方がいいんじゃないかという中で、多分霞が関流でいくと併せて検討するという中で、ちょっとぼやかしてしまったんじゃないかなというふうに思いましたので、先ほど言った免許証の話でもそうですし、あるいはこうしたインセンティブを与える改革を是非今後も進めていただきたいというふうに要望をいたしまして、私の質問を終わります。
  113. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  本日は、母子保健について質問をさせていただきたいと思いますけれども、ちょっと質問の数も多いですので、なるべく短くお答えいただければと思います。  まず、資料一を御覧いただきながらお聞きいただきたいと思います。  先日も取り上げましたけど、ファミリー・サポート・センターということで、全国に妊娠前から子育てまでしっかりと切れ目のない、そして一元化された窓口を準備をするということは、これもう方針として決まっております。  今回私が取り上げます妊婦健診でございますけれども、これは母子保健法の第十三条で、市町村が必要に応じて妊産婦に対して健康診査を行うことということが規定されております。ということは、市町村の自治事務ということになってしまいます。  なかなかその財源も手当てすることが難しいだろうということで、歴史を見ましても、平成十九年度までは地方交付税措置によって五回の妊婦健診が受けられるように公的な補助を行っていた。平成二十年におきましては、第二次補正予算において妊婦の費用の軽減負担のために十四回の妊婦健診を受けられるようにしっかりと手当てをしていただいた。そこまではまだよかったんですけれど、今度、平成二十五年度からこれは一般会計の中に含まれるようになってしまった。これは、一時的なものではなく恒久的に妊婦さんの健診というものを助成していただくためには大変良かった制度だと思うんですけど、実はこれによって市町村によって差が出てきたということも言われております。  妊婦健診の公費負担、実は神奈川県では六万四千円、青森県では十一万九千円。もう全くこれ、二倍近くの差が開いてしまっておりますし、この一般財源化によって増えたところもあったんですが、実際に自治体も、減ってしまった部分というものもあるというふうに言われております。  大臣、市町村によって、このように自治事務だからということでそのまま手当てしなくてもよろしいんでしょうか。何か市町村の方にも御指導いただきたいと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。
  114. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今お話がございましたように、地方交付税措置になったわけでありますが、この調査をしてみると、平成二十五年四月現在の調査結果では、全ての市区町村で安心、安全な出産のために必要とされる十四回の受診が行われているように、公費負担が行われているわけでありますが、全ての市区町村において必要とされるこの回数を超える公費負担が行われているものの、自治体の取組では確かに公費負担額に差があるということで、これ見ると、平均で九万七千四百九十四円でありますけれども、一番高いのが岐阜県で十一万八千四十二円、一番低いところで神奈川県で六万三千四百五十五円と、こういうことになっておりまして、差が生じているのは事実でございまして、国としては、やはり誰もが妊娠中の健康管理に必要な検査が適切に受けられるように、引き続いて自治体の方にやはりこれをお願いをしていかないといけないなというふうに思います。
  115. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  これ、一つの例でございます。資料二を御覧いただきたいと思います。  これは、受診券方式で標準的な検査項目をカバーしているという市町村、実は六割弱ということになっております。全ての項目を実施するような妊婦健診の均てん化というものに取り組んでいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
  116. 高階恵美子

    大臣政務官高階恵美子君) 妊婦健診につきましては、市町村宛て課長通知におきまして望ましい受診回数及び標準的な健診項目等を示してまいっております。全国千七百四十二市区町村の全てにおいて回数の上では十四回以上という状況になってまいってございますが、今御指摘ございましたとおり、全ての項目についてやっているかと問われますと、先生のお配りいただいた資料のとおり、②から⑤までのいずれかの項目がやられていないといったようなことで、全体として六割という実態でございます。  非常に低い水準にとどまっているというこの状況を少しずつ改善していきたいということで、現在、かかる経費については地方交付税措置になっておりますので、恒常的な仕組みとなった以上、国といたしましては、しっかり市区町村、実施なさる身近なところでこれを徹底していただけるよう情報提供などに努めてまいりたいと考えております。  具体的には、先日の調査の結果を公表するということ、そして、これと併せて、都道府県、政令市、特別区、こうしたところに対しまして、管内の市町村宛ての周知徹底お願いしたいという文書を出させていただいているところでございますし、また、この四月から子ども・子育て支援法に基づく事業となりましたことから、新たに大臣告示として妊婦に対する健診についての望ましい基準を定め、その確実な実施を図ることとしてございます。  引き続き、安全、安心な出産のために重要な妊婦健診の徹底に努めてまいりたいと思います。
  117. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  十四回という回数がこれは大切なのではなくて、やっぱり中身を充実させることということがこれからは少子化のためにも重要だと思っておりますので、是非これは実施していただきたいと思っております。  次に、母子保健におきまして、ちょっと私、いろいろ調べておりましたら、最近、大臣の口からもナショナルデータベースというお言葉が何回も出てきておりますけれども、そのナショナルデータベースの中に本当にこの母子保健という観点が入っているのかなということがちょっと不安となってまいりました。なぜならば、このナショナルデータベースというのは、レセプト情報であったり健診の情報であったりということで、実際に、妊娠、出産というのは正常ですので保険も使えませんし、なかなかそういったナショナルデータベースの中で情報をつかんでいくということは難しいと思うんですけれども、このような中で、正常妊娠、出産のデータベースもしっかりと構築していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  118. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 御指摘のように、ナショナルデータベースは、レセプト、特定健診、これは電子情報になっていますので、それを集積するという形になっておりまして、保険適用になるような帝王切開の場合などはこれ対象になりますけれども、正常出産の場合はこれは収集できないという問題がございます。  それで、これはそのままでいいのかということがございますので、私どもの方では、日本産科婦人科学会が周産期登録データベースというものを構築しておりますので、こういうものを活用しながら情報の収集を行ってまいりたいと考えておりますし、なお、出生については人口動態統計もございます。こうしたものも活用しながら母子保健の向上のための取組を進めてまいりたいと考えております。
  119. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  もちろん、学会の協力も必要だと思うんですけれども、ここで私もちょっと宣伝をしたいんですけれども、母子健康手帳ですね、これはもう日本独特の、日本発祥のもので、今だんだん世界に広がって、新生児、妊婦さんの健康を守るといったような意味でも大変有効なツールだということを言われております。まさにこのツールを使って我々日本というものを更に前進させていく必要があるのではないのかなと感じております。  実際に、この母子健康手帳というのは、妊娠が分かったなと思ったときに妊娠の届出をすれば、誰でも国籍、年齢にかかわらず市町村から交付を受けるというものでございますし、その母子健康手帳さえ持っていれば、どこの病院に行っても、何がどういうふうに今まで医療が行われてきたかというのが分かります。でも、この中に書き込まれたデータというのは今まで全く蓄積がないんですね。個々人のデータとしてはしっかりと蓄積をされていても、それが集団としてデータベース化もされていないということが大変これは大きな問題なのではないのかなと私、考えております。  この手帳というものを更に有効に活用するためにも、データベース化というものを、母子健康手帳の情報、考えていくべきときに来たのではないかと思いますけれども大臣、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
  120. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) この母子健康手帳が重要だということは今先生指摘のとおりで、我々もそのとおりだというふうに思っております。大事な記録がそこに残っているということで、それをやっぱり一般化することが大事だというお考えで、私も基本的にそうだろうと思います。  一部の自治体で、今、母子健康手帳に記録された健診結果のデータベース化というのが試みられておりまして、東日本大震災による紙記録の紛失時に有効であった岩手県のケースなども知られているところでございます。  一方で、データベース化には、行政機関とか医療機関などの間での情報共有のための電子システムの構築とか、あるいはセキュリティーの管理の問題、あるいは転居をした場合の扱いなどを考慮をした全国的な運用、維持管理の方法というのを確立しなければいけないと、こういうこともありまして、こういうことをやっぱり乗り越えていかないとデータベース化が全国的に機能するものとしてできないんではないかというふうに思いますので、そういった問題点を踏まえて検討をしてまいりたいというふうに思うところでございます。
  121. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  この母子健康手帳さえ持っていれば、お母さんの状況も分かりますし、お子さんの状況も分かります。これ、世代間を超えて貴重な情報源となってまいります。かつ、今多くの若いお母様方の中でいろいろ話をしておりますと、なぜあれがアプリのようにもっともっと便利にならないのか、いつまでたっても紙ベースで持ち歩かないといけないんだろうか、アプリだったらもっともっと情報が取れるんじゃないかという御意見もいただいておりますけれども、そういったもうちょっと工夫をして、若い世代、これからお母さんになろうという皆様方にも更により使いやすいツールとして改革をしていくという視点はお持ちでないのか、教えていただけますでしょうか。
  122. 高階恵美子

    大臣政務官高階恵美子君) 私自身は紙媒体の世代なんですが、例えば中学校に入りましたときに、保健体育の授業で先生が母子健康手帳を見てごらんなさいと言って、そして、それをおうちに帰って自分の母子健康手帳を見せてもらい、あわせて、自分のへその緒を確認した、その中を見る中で、妊娠、出産、それから育児期のいろんなことを教わったという振り返りができましたので、紙媒体のメリットというのは、時代長く使えるといったようなところに大きさがあるのかなと思います。  その一方で、今御指摘いただきましたようなアプリの活用とか、今のお産を迎える年代の方にとって身近なものにしていく、こういう工夫もこれから考えていく必要があるのかなと思いますので、工夫を検討してまいりたいと思います。
  123. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私も、全てがデジタル化することがいいとは考えておりません。だけれども、今の現代風の、今スマホに全て情報が入っているという中で生きていらっしゃるような若い世代の皆様方にとっては、データを蓄積をするためにも、お互いにウイン・ウインの関係ができるような形で、こちらも情報を提供し、情報もいただけるようなシステムを是非研究をしていただきたいと思っております。  最後に、資料三を御覧いただきたいんですけど、先ほど大臣からも御紹介いただきました、これが岩手県の「いーはとーぶ」というような周産期の医療情報ネットワークシステムでございます。私もこれを拝見いたしまして、これがなぜ全国化できないのかなということをちょっと疑問に思いましたので、皆様方にお配りさせていただきましたけれども。  岩手県というのは、産婦人科がなかなか見付からない、産婦人科にかかるにもかなり遠くまで行かなければならない、何か緊急な事態があったとしても近所のドクターと情報が共有できるようにということで開発されたサービスのようでございます。安全、安心な妊娠、出産、育児ということをインターネットを介して、これはカルテネットワークを組みながら、皆様方様々な、遠隔の妊婦健診であったり、ウエブの母子手帳と組み合わせることによって育児により役に立つ情報活用ということが狙いのようです。  ですから、このような形で、先ほど大臣からも御紹介いただきましたように、災害時にも大変有用であったというこのようなシステム、さらに、これ県だけではなく全国的に広げていく必要性というものも多分感じていらっしゃると思いますけれども、今後の展開について一言いただけますでしょうか。
  124. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今の「いーはとーぶ」がございましたけれども医療機関が共有する情報を防災上安全な地域にバックアップデータとして保存する仕組みとなっていたために、東日本大震災時に母子手帳を津波で紛失した妊産婦が出産する際に、受入れ病院において迅速な、的確な対応が可能となったということで、大変他の地域でも参考になったと思うわけであります。  厚労省としては、昨年度実施をいたしました各地の医療情報連携ネットワークの調査ども踏まえて、他の地域にとっても参考となる事例の取組の公表等を通じて医療情報連携ネットワークの更なる普及、展開を図っていかなければならないというふうに考えております。
  125. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  是非こういういいケースというものを全国的に展開していけるような努力も行っていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  126. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  今日は、看護師さんの労働条件についてお聞きをいたします。  看護師不足について厚労省はどう考えていらっしゃいますか。
  127. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 看護職員の状態でございますけれども平成二十六年の有効求人倍率を見てみますと、看護師等の有効求人倍率は二・六三倍、職業全体で見ますと〇・九七倍ということでございまして、大変有効求人倍率が高くなっているところでございまして、人手不足化の一面を表しているのではないかと認識しているところでございます。
  128. 福島みずほ

    福島みずほ君 これから看護師さん不足が広がると思いますが、長期的見通しではどう考えていらっしゃいますか。
  129. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 看護職員の需給見通しでございますけれども平成二十五年時点、約百六十万人と見込んだところでございますけれども、実際の就業者数の実績は百五十七万人となってございます。  また、将来的には、二〇二五年には約三万人から約十三万人の不足が生じるのではないかといった需給見通しがございます。
  130. 福島みずほ

    福島みずほ君 今も足りていないし、それから将来もっと足りなくなると。  それで、この間たまたま新潟の県立病院で労働組合の皆さんたちと意見交換、いろんなデータもらったり、あるいは日赤労組の皆さんと話をしたり、あるいは若くて看護師さんやっている皆さん意見交換を持つ機会があったり、様々な皆さんから自由記述や様々な形で労働条件についての話が来ています。  過酷な勤務のため、年間離職者が十万人から十二万人以上、過労死レベル二万人以上の勤務状況、こういう労働条件を厚労省はどう改善していくのか、人手不足解消に向けてどうしていくのか、厚労省の講ずる政策についてお聞かせください。
  131. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) これまでも看護職員の確保に向けては、ナースセンターによる就職のあっせんとか、あるいは病院内の保育所の運営をしっかり支援をするというような取組を進めてまいりましたけれども、昨年の六月から医療・介護総合確保推進法に基づいて、看護職員が離職をした際に連絡先などを届け出る制度を創設をするということ、それから、ナースセンターによる復職支援の強化というのを今年の十月の一日から実施をいたします。  それから、各医療機関医療従事者の勤務環境改善のための計画を作成をして、PDCAサイクルを活用した取組をしっかり進めていくというのもこの十月からスタートをさせていただきます。  地域医療介護総合確保基金というのを活用いたしまして、各都道府県の実情に応じた人材確保の取組については、昨年度から既に進めているところでございまして、今後とも復職支援あるいは定着を促進をするなどによって必要な看護職員の確保に努めつつ、看護職員が働き続けやすいような環境づくりをしてまいりたいというふうに思います。
  132. 福島みずほ

    福島みずほ君 看護師さんたちの厳しい労働環境の改善が必要ではないか。特に夜勤が大きな問題です。  準夜勤と言われる十七時から一時までの勤務、深夜勤と言われる一時から九時の勤務を連続して行う変則二交代という十六時間にも及ぶ過酷な夜勤が、仮眠時間が取れたり取れなかったりで行われています。例えば、五時に夕方終わるとしても、その後また仕事が続く、なかなかやっぱり休めない、で、やっぱり夜勤が始まってしまう、ずっと働き続けるという、極端に言えば二十四時間勤務で働き続けることもあるという、こういう働き方をやっぱり改善する必要があるのではないか。  例えば、一日を三つの時間に分けた八時間労働の三交代勤務にしても、日勤の後八時間インターバルで深夜勤務に入ることも、勤務表を付ける上で入れざるを得ないと。しかし、製造業などと違って、人員不足の中で日勤帯の患者状況や学習会、研究会などで時間外労働が三時間にも及ぶことは頻繁にあり、通勤時間も含めたインターバルが五時間以下で次の例えば夜勤に入らなくちゃいけない、このような夜勤と労働条件の改善、これはどうしてもしなくちゃいけないと思いますが、厚生労働省、いかがでしょうか。
  133. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 看護職員の労働条件の改善に向けましては、昨年成立いたしました法律によりまして、看護職員が離職した際に連絡先を届け出る制度を創設するといった形で潜在看護師を確保していくといった方法、それから、各医療機関におきまして医療従事者の勤務環境改善のための計画を策定していただくと、こういった法律が近く施行になるわけでございまして、そういった形で、医療機関におきまして、具体的な、先進的な事例とかそういったものを参考にしていただきながら、具体的な取組の計画を定めていただくということにしているところでございます。
  134. 福島みずほ

    福島みずほ君 男性看護師もいらっしゃるけれど、圧倒的に女性の職場です。若い人も多く、みんな資格を取って働こうとしているが、やはり家事と仕事と育児の両立は難しい、あるいは介護も出てきていると。このやっぱり働き方を変えなければならない。  サービス残業の実態について、厚生労働省はどう把握をされているでしょうか。
  135. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 看護職員の離職理由といたしましては、出産、育児のためとか結婚のためと、こういった理由もある一方で、やはり超過勤務が多いとか、休暇が取れない、取りづらいと、こういったことが理由として多くなっているわけでございまして、こういったことにつきまして十分承知をした上で、先ほど申しましたような、医療機関におきまして具体的な計画といったものを定めていただくことによりまして、勤務環境改善と、こういったものを個別に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  136. 福島みずほ

    福島みずほ君 厚労省は、表面的な賃金構造基本統計調査とかそういうものではなく、サービス残業が本当に医療の現場で、看護師さんでどのように行われているか実態調査をやっていただく、それはいかがでしょうか。
  137. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 看護師の労働条件、労働実態につきましては、先ほど来申しておりますとおり、各医療機関におきまして計画を定めていただくわけでございますけれども、そういった中におきまして、実態把握も各医療機関において行っていただく、それらを私ども都道府県を通じまして実態につきましても十分把握してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  138. 福島みずほ

    福島みずほ君 でも、実態はサービス残業であり、本当に休めないんですよね。働き続けている、そんな声がたくさんいろんなアンケートから出ています。  厚生労働省、やはり厚生と労働があって、しかも女性の職場で、医療の現場で、まあ男性もいらっしゃいますが、是非実態調査をしてください。これは、サービス残業も多いし、このままだと本当に過労死も増えるし、離職率も増えると思うんですね、悪循環に入りますので。大臣、これは、女性たち、まあ男性もいますが、看護師さんたちの労働実態、とりわけサービス残業が横行している、病院側から上がってくるのは、そんな上がってこないかもしれませんが、サービス残業の実態などきちっと調査をしていただきたい。いかがでしょうか。
  139. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) これから医療の計画を作る中で、看護師の役割というのはますますもって重要になってくるわけでありまして、そんな中で、労働条件が過酷であるということは私どももよく地元でも聞いていることでもございますので、こういう計画を作る中でしっかりと現状を把握をしながら、今後の看護の在り方についても判断がちゃんとできるように、おっしゃるような、どういう状態になっているのかということは把握をしてまいりたいというふうに思います。
  140. 福島みずほ

    福島みずほ君 現状をどういう実態なのか把握しながらとおっしゃったので、是非、現場の本当に生の声や実態に切り込んで調査をよろしくお願いいたします。また、この委員会で、どういう現状把握をされていらっしゃいますか、どういう調査されましたかと是非聞きたいと思います。  妊婦の四割以上が夜勤を経験し、それから職場流産が相次いでいると。一般の人に比べても切迫流産が非常に多くて、本当に過酷な、とりわけ妊娠、出産においては。だから、マタハラがやっぱり起きやすい職場なんですが、その点についても調査を含めたものというのはどうお考えでしょうか。
  141. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 看護職員の先ほど離職の理由を申し上げましたけれども、出産、育児、結婚のためといったほかに、先ほども言いましたように、超過勤務が多いとか、そういったことがありますが、それ以外にも、人間関係が良くないからとか、そういったようなこともアンケート調査から出てきておるわけでございまして、そういったことにつきましても、先ほど来申し上げております勤務環境改善と、こういった取組の中で十分改善に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  142. 福島みずほ

    福島みずほ君 初期妊娠のときにやっぱり夜勤するのは非常に体を酷使しますし、妊娠中は本当は夜勤しなくても済むような、そういう労働条件をやっぱりつくらなければならないというふうに思っているんですね。ですから、是非、看護師不足を解消する、その一つとして、例えば妊娠、出産のときなど、夜勤は妊娠初期からこれはやっぱりやらなくても済むような、是非そういう労働条件の改善お願いいたします。  それで、診療報酬についてお聞きをいたします。  現場からの要望としても、二〇一六年度診療報酬改定においてプラス改定を実現し、病院経営を安定させ、病院職員の待遇を改善してほしいという声などもあります。例えば、診療報酬では長い間、看護報酬について正当な評価がされてこなかったんじゃないか、必要な看護を実現するために是非そういうところもやっていただきたいと。  それから、例えば看護師の業務軽減のことでいえば、現行の診療報酬制度では七対一基準には看護補助加算が付かないため、介護職などの補助員を付けると病院の持ち出しになると。ですから、看護補助加算を手厚くして看護師から介護や事務的業務を切り離さなければ離職は止まらないと。  私の質問は二つ入ってちょっと申し訳ないんですが、この診療報酬あるいは看護の報酬について、それから七対一のときの介護職との、補助員を付けると病院の持ち出しになる、この点についていかがでしょうか。
  143. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 看護師の皆さん病院の約半数を占めるという、医療の中核的な人たちでございますけれども、この皆さんの、やっぱり療養上、負担を軽減するとともに、チーム医療を推進をしていくということが重要でございますので、看護補助者につきまして、看護職員の負担を軽減するということと併せて、療養環境の向上を図るために平成二十六年度診療報酬改定において一定のこの看護補助者導入評価というものを行ったところでございます。  先生の御指摘のような、これをどこまで引き上げていくかという問題になるわけでございますけれども、これは次回の診療報酬改定に向けて中医協の中でまた御議論をいただきたいと考えております。
  144. 福島みずほ

    福島みずほ君 特定行為についてお聞きをいたします。  看護師に対して特定行為を行わせることは看護師さんへの負担を増大するという意見もあるんですが、この点についてはいかがでしょうか。
  145. 二川一男

    政府参考人二川一男君) 特定行為に係る看護師の研修制度でございますけれども、これは在宅医療等の現場におきまして看護師が医師の判断を待たずに手順書により一定の診療の補助を行うということを可能にするものでございます。また、特定行為を行うに当たりましては、看護師が適切に業務を実施できるよう研修がなされるということでございます。  したがいまして、研修を修了した看護師が医師の判断を待たずに手順書により特定行為を行うものということでございますので、看護師の負担が必ずしも増大するものではないのではないかと考えているところでございます。
  146. 福島みずほ

    福島みずほ君 負担になる場合があるという意見もあるので、是非考慮をお願いいたします。  それから、一対七というか七対一基準ですよね。これは、きちっと手厚い看護をするという点でいい面ももちろんあったわけですが、しかし、一方で、看護師さんの争奪戦が起きたり、実際七対一を守るために有給休暇が取りにくくなっていると。厚労省、国はよかれと思ってやった制度が副作用が起きているという点についての御理解改善についてはどうお考えでしょうか。
  147. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 急性期の皆さんのところに手厚く看護師さんを配置をしていくということはどうしても必要なことでありますけれども、あわせて、今御指摘いただいたような争奪戦あるいは偏在というような問題も出てきておりますので、これは入院医療全体を現在の医療の状態に合わせてどういう方向に進めていくかということが重要な点だと思います。特に、人手不足になっておりますので、こうした点も含めて、今後、中医協検討してまいりたいと考えております。
  148. 福島みずほ

    福島みずほ君 看護師さんたちの労働過重の遠因として、在院日数が短いと診療報酬点数が高くなるため、完治より早期退院に誘導されがちになるといった、医療制度そのものが背景になっているという点も見逃せないというふうに思っています。  ですから、現場の看護師さんたちの労働条件が、様々な制度のひずみにもなっているし、現場の皆さんの物すごい善意の頑張りに支えられているというところもある。診療報酬を高く、少し考慮しても、なかなか病院の利益にはなっても看護婦さんの改善に行かないという点もあります。  今回この質問するに当たっていろんなアンケートを読みましたが、やっぱり本当に過酷な労働現場で皆さん頑張っています。厚労省として実態把握をして、サービス残業も含めた、流産など多いところもありますし、そういう面の改善是非お願いし、また診療報酬などで是非このことも生かしていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  149. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  150. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律整備等に関する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣
  151. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) ただいま議題となりました独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  政府におきましては、平成二十五年十二月に独立行政法人改革等に関する基本的な方針を閣議決定し、独立行政法人について、組織や業務の見直しを進めることとしたところであります。この方針等に基づき、厚生労働省所管の独立行政法人について、法人の統合や役員数の変更等の所要の措置を講ずるため、この法律案を提出いたしました。  以下、この法律案内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一に、独立行政法人勤労者退職金共済機構が行う中小企業退職金共済業務における業務上の余裕金の運用に関する業務の適正な運営を図るため、資産運用委員会を置くこととしています。また、被共済者の利便性の向上を図るため、被共済者が転職した場合等における退職金の通算制度の内容を拡充することとしています。  第二に、独立行政法人福祉医療機構が行う福祉貸付事業及び医療貸付事業に対する厚生労働大臣の立入検査の権限の一部を内閣総理大臣に委任することにより、これらの事業について金融庁による検査を行うこととしています。また、独立行政法人福祉医療機構の承継債権管理回収勘定において回収した債権の元本の金額について、現在、毎事業年度に一度、年金特別会計に納付することとされていますが、これを定期的に納付しなければならないこととしています。  第三に、独立行政法人労働安全衛生総合研究所と独立行政法人労働者健康福祉機構を統合して、独立行政法人労働者健康安全機構とし、その業務に、化学物質の有害性の調査の業務を追加することとしています。  第四に、独立行政法人労働政策研究・研修機構の理事数を一人削減することとしています。  第五に、年金積立金管理運用独立行政法人に、年金積立金の管理及び運用の業務を担当する理事一人を置くとともに、本則上の主たる事務所の所在地を東京都とすることとしています。  最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成二十八年四月一日としています。  以上がこの法律案の趣旨でございます。  御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
  152. 丸川珠代

    委員長丸川珠代君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    正午散会