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小林正夫君 私は労働災害で仲間を失った経験があります。突然に旦那さんが亡くなって、その通夜あるいは告別式にお伺いしたんですけれども、もう本当に掛ける言葉がありませんでした。そういう経験をして、何しろ労働災害はなくして、人の命は大事なんだ、安全は全てに優先すると、このように自分自身が思いまして、これを自分のライフワークとして、
国会議員になってもこの問題に取り組んでおります。是非、国を挙げて労働災害撲滅のために一緒に取組をさせてもらいたい、このようにお願いをいたします。
最後になりますけれども、長時間労働について質問をいたします。今日は資料の二を用意をいたしました。
昨年十一月に過労死等防止推進法ができまして、過労死の最も大きな要因は長時間労働にある、このように言われておりますし、現にその事例が多いと、このように思います。この長時間労働をなくしていかないとワーク・ライフ・バランスの実現なんてできません。そして、
政府はその実現を目指して、
大臣を本
部長とする長時間労働削減推進本部を設置して
平成二十七年一月から取組をされているということは承知しています。
ただ、この内容を見ると、月百時間超の残業が行われている
事業場に対して監督
指導を
徹底していく、もう一つは、インターネットによる情報を
監視していく、そしてメンタルヘルス
対策の
強化、こういうことが示されておりますけれども、私から見ると、
政府の取組は、
指導だとか
監視あるいは
強化、こういったところで、具体的な
対策がないように私は受け止めています。
そこで、今日は解決策の一つであるものを提示をしたいと思います。
先ほどの資料の二を見ていただければ有り難いんですけれども、時間外労働の限度基準は
大臣告示で一か月四十五時間、そして一年間三百六十時間とされておりますけれども、特別条項があって、臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情が予想されるときは、限度時間を超えて労働時間を延長できる旨を協定することができると、このようにされております。
この今日の資料の下の方に時間外労働のイメージと書きましたけれども、ここの黒い部分、薄いところは月四十五時間の時間外労働、その上の真っ黒に塗ってあるこの部分ですね、要はここの高さに制限がないんです。したがって、ここが問題だと私思っております。
これは、二〇一三年十月の第百四回労働政策審議会労働条件分科会の資料で示された特別条項付き三六協定の締結状況を見ると、特別条項があるという
事業所が全体で四〇・五%、その中で三百一人以上の
事業所を見ると実に九六・一%に上っており、延長時間は、八十時間超えが三四・七%、そして百時間超えが一〇・六%、このような状況になっている資料が示されました。
私、日本の労働組合の大半は
企業別労働組合、このような形です。会社が受けてきた仕事は社員としてその仕事を完成させて、仕事をしっかりやった上で会社の生々発展に努力をして、そしてしっかりした成果配分をいただいていくと、これが私は
企業別労働組合の基本的な姿勢だというふうに思います。
ですから、会社から、例えば百時間あるいは百二十時間以上の時間外協定を結んでほしいと、それはこの仕事をやるために必要なんだと言われると
企業別労働組合としてはなかなかそれをしっかり断りにくいと、こういうことが私は現実にある、このように思いますし、私もそのような経験をしてまいりました。
ですから、ここの資料の黒い部分、実質無制限というふうに書きましたけれども、月四十五時間を超えて更に特別条項で時間外労働をやらす場合に国が一定の時間を示していかないと、先ほど言ったような状況から、この時間外労働というのは、まあ無制限とは言いませんが、百二十時間とか百五十時間とか、そういう時間外協定を結んでほしいということになってしまって、それが現実に労使の確認
事項として労働基準監督署に出される、こういう実態になってしまうんじゃないか。ここにも書きましたけれども、過労死認定というのは、月八十時間以上超えた場合が数か月続くと過労死認定ということになっておりますから、それを超えるやはり協定を結ばざるを得ないという今の実態が一つあるということであります。
あともう一つ深刻な問題は、ここで水色の字で書いてきましたけれども、基準告示の適用外、こういうことがあります。その業種は、工作物の建設等の
事業、いわゆる建設業だとか、自動車の運転手などの業務であります。電力産業の電工部会もこの建設業に含まれておりますので、こういう実態にあります。
これは、適用除外の業種では、特別な事情がなくても、毎月時間外の限度枠を超えて労働時間を延長できるために、時間外労働というのはもう常態化しているというのが実態なんです。そういう意味で、是非この問題について解決をしてもらいたいと思います。
したがって、私の提案は、上限時間を設けること、そして適用除外を撤廃すること、さらには、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度に関する基準、これは告示でありますので強制力に欠けております。したがって、これを法律に格上げする、是非このことを人を大事にする厚労
大臣の下で実現をしてもらいたいと、私は強く要望いたします。いかがでしょうか。