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2015-03-26 第189回国会 参議院 環境委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年三月二十六日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月二十四日     辞任         補欠選任      森本 真治君     小見山幸治君  三月二十五日     辞任         補欠選任      吉川ゆうみ君     山東 昭子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         島尻安伊子君     理 事                 高橋 克法君                 中西 祐介君                 水岡 俊一君                 市田 忠義君     委 員                 岩城 光英君                 尾辻 秀久君                 鴻池 祥肇君                 佐藤 信秋君                 山東 昭子君                 中川 雅治君                 中曽根弘文君                 小見山幸治君                 櫻井  充君                 長浜 博行君                 浜野 喜史君                 杉  久武君                 清水 貴之君                 水野 賢一君    国務大臣        環境大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣原子力        防災))     望月 義夫君    副大臣        環境大臣    北村 茂男君        環境大臣        内閣府副大臣   小里 泰弘君    大臣政務官        環境大臣政務官  高橋ひなこ君        環境大臣政務官  福山  守君    政府特別補佐人        原子力規制委員        会委員長     田中 俊一君    事務局側        常任委員会専門        員        櫻井 敏雄君    政府参考人        内閣官房原子力        規制組織等改革        推進室長     中井徳太郎君        経済産業大臣官        房審議官     土井 良治君        国土交通大臣官        房物流審議官   羽尾 一郎君        環境大臣官房長  森本 英香君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    鎌形 浩史君        環境省総合環境        政策局長     小林 正明君        環境省総合環境        政策局環境保健        部長       北島 智子君        環境省地球環境        局長       梶原 成元君        環境省水大気        環境局長     三好 信俊君        環境省自然環境        局長       塚本 瑞天君        原子力規制委員        会原子力規制庁        次長       清水 康弘君        原子力規制委員        会原子力規制庁        長官官房審議官  山田 知穂君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○環境及び公害問題に関する調査  (環境行政等基本施策に関する件)  (公害等調整委員会業務等に関する件)  (原子力規制委員会業務に関する件)     ─────────────
  2. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、森本真治君及び吉川ゆうみ君が委員辞任され、その補欠として小見山幸治君及び山東昭子君が選任されました。     ─────────────
  3. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房原子力規制組織等改革推進室長中井徳太郎君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政等基本施策に関する件、公害等調整委員会業務等に関する件及び原子力規制委員会業務に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 中西祐介

    中西祐介君 おはようございます。自民党の中西祐介でございます。  今日は通常国会初めての委員会質疑ということでございまして、大臣の所信についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。  まず、昨年の臨時国会におきまして、JESCO法の改正をしていただきました。それによりまして、中間貯蔵施設東日本大震災から四年という時間が経過する中で、福島周辺、特に地元福島県について、放射能被害についてこれから政府対応をしっかりしなきゃいけないという中で、この中間貯蔵施設本格稼働に向けて大きな一歩が示されたというふうに思っております。  今月の十三日には大熊町、そして追って双葉町でも、災害瓦れきといいますか、放射能汚染物質搬入開始がされたところでございます。本当に、まずは地元、この二町の町長さんを始めとする住民方々あるいは地権者、様々な皆さんが関わりがある中で、まずは御地元の御理解をいただけたことが本当に大きな一歩であろうと思いますし、地元方々にとっては、本当に様々な複雑な思いがある中で、国のためにあるいは地域のために御決断をいただいた、まず我々はそうしたことについても深い御理解について感謝を申し上げなければいけないなと、こんな思いがいたしております。  本当に、大臣始め副大臣政務官、本当に足しげく現地にもお運びをいただいて、そうした交渉にも当たっていただきました。これについては我々からも感謝を申し上げたいなというふうに思います。  そんなこれまでの交渉状況でございますけれども、これまで用地交渉を始めとして、この中間貯蔵施設整備等に当たっての課題、そしてそれへの対応について、これまで対応されてきた望月大臣からまず御所見をいただきたいと思います。
  7. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 今、中西先生の方からお話がございましたように、三月十三日に大熊町内中間貯蔵施設搬入が開始されましたことは、これは福島除染やあるいはまた復興の推進に向けて大きな大切な第一歩であると、このように考えております。昨日も、大熊より若干遅れましたが、双葉町でも搬入が開始されたという、私も朝から、朝七時ぐらいから準備をしていると、それからまた、お昼頃にしっかりと車が出たと、途中で事故なく最終的に搬入されたというところをずっと何回も何回も気にして、そういう連絡をいただきながら、ああ、やっと双葉町も搬入されることになったのかなと、ちょっと感慨無量のものがございましたが、先生からお話がございましたように、これはもう全く苦渋の決断をしていただいた知事や大熊双葉の両町長を始め施設への搬入を受け入れていただいた関係者皆様方に改めて心から御礼申し上げたいと思います。  この間、この参議院の委員会のそれぞれの先生方にも様々な面で御協力をいただきました。本当に有り難いなと、このように思います。  搬入開始中間貯蔵施設整備全体からすれば本当にまだスタートでございまして、一層気を引き締めて施設整備搬入にもしっかりと万全を期してやっていかなきゃならない、決して事故が起きてはいけない、それからまた全数管理とかそういうのもしっかりやっていかなくてはいけないということで、万全を期していきたいなと、このように思っております。  また、施設整備や継続的な搬入に当たっては、これはもう用地の確保が不可欠でございます。まだ全てが決まったわけではなくて、本当にまず最初の出だしということでございます。私は福島県にも何度も足を、何度も訪問させていただいておりますが、その都度、用地交渉をしている責任者全員を集めて、その都度、職員に地権者皆さんのその気持ちになっていただきたいと、寄り添って丁寧な説明をしていくように指示をさせていただいております。何かといろいろ情報を得ると、新聞、マスコミの方からも上から目線ではないかとかいろんなことを言われます。ですから、普通の説明では、普通にやっていても上から目線だというようなことになりますので、何しろ福島皆さん気持ちになってやっていくんだということを決して忘れないでもらいたいということを何回もそういうお話をさせていただいて、皆さん本当に汗をかいて、昼間だけではなかなか話ができませんので、夜討ち朝駆けといいますか、遅くも相手の都合に合わせて訪問して説明をさせていただくと、こういうような状況で、丁寧にやらさせていただいております。  また、施設への搬入については、おおむね一年程度パイロット輸送として、各市町村から一千立方メートル程度ずつの除去土壌等保管場に運び込むところでございます。それから、これより本格的な輸送に向けて、大量の土壌等、安全かつそれからまた確実に輸送を実施できることを確認していくこととしております。  引き続き、地権者皆さんに御理解いただけますようにしっかりと取り組むとともに、施設整備や継続的な搬入に向けて全力で取り組んでいきたい、このように思います。
  8. 中西祐介

    中西祐介君 ありがとうございます。  昨年の臨時国会の中で最終処分の議論がございました。地元方々にとっては、いつ県外最終処分をされるのか、この法の明記がまず一つ目中間貯蔵施設受入れの条件であったというふうに考えておりますけれども、これは事務方からで結構ですが、最終処分完了の日付について改めてこの委員会で伺っておきたいと思っております。
  9. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) 搬入開始から三十年ということでございまして、三月十三日搬入開始でございますので、二〇四五年、平成五十七年三月十二日までということになります。
  10. 中西祐介

    中西祐介君 今から三十年という長い期間ではありますが、しかし、計画的に進めないとなかなか完了を期限までに済ませることは大変困難だろうと、今からでも想定されるわけでございます。  先ほど大臣から用地交渉の話がございました。おっしゃっていただいたとおり、この福島県内だけ取っても四十三市町村、七万五千か所程度フレコンバッグに入った汚染土壌があるわけでございまして、一年間はパイロット的に輸送するということでございますが、来年、一年たった後からは一斉に四十三市町村からトラックに積んだこのフレコンバッグ中間貯蔵施設用地に入ってくるという状況でございます。  現状交渉状況を伺っておきたいと思いますが、大体この中間貯蔵施設については千六百ヘクタールある、計画地、面積があるということでございますが、現状どの程度交渉が済んでいるのか、伺います。
  11. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) 用地交渉についてのお尋ねでございます。  まず、登記記録上では地権者の方が約二千四百名おられるということでございます。これまでに環境省として連絡先を把握しております地権者全ての皆様には連絡を取らせていただいておりまして、具体的な調整をさせていただきながら個別訪問などで説明をさせていただいております。建物を所有されている地権者皆様については、御了解をいただければ物件の調査もしております。  ただ、今申し上げましたとおり、連絡先が不明の地権者の方も逆に言うと半数程度おられるということでございまして、戸籍簿等での確認が必要ということでございます。  それで、これら取組をしてまいりまして、おかげさまで本日までに契約が成立した事案はございますけれども、まだまだ僅かでございます。引き続き、最大限の努力をして用地交渉を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  12. 中西祐介

    中西祐介君 全体の中でまだ僅かということで、事前に事務方の方から伺ったのは、まだ〇・四%程度が確保できているという状況だというふうに伺っております。  何を申し上げたいかというと、やはり三十年のこの枠の中で、まずは交渉を進捗をさせないと一年後の全市町村からの搬入開始ができなくなるということであり、同時に、用地交渉をした後で、実際これを、減容化施設を造ったり、あるいは貯蔵施設を造るという建設作業が待っていると。御案内のとおりでありますが、一番放射線量が高い地域でございますので、作業自体も多分防護服を着て、あるいは除染をしながらとか様々なプロセスが考えられるという中で、まずこの用地交渉を人的にも、あるいはスピードアップ、時間ということを考えても加速をしていかなきゃいけないんだろうというふうに考えております。是非、先ほど大臣、決意でおっしゃっていただいたとおり、この辺のバックアップを省を挙げて是非お願いを申し上げたいというふうに思います。  続いて、搬入に関してなんですけれども、昨年の臨時国会でも質疑をさせていただいたとおり、いかに住民皆さんに、あるいはその地域に住んでおられなくても、この輸送状況がいかに透明化される中で進んでいるかということを示していく必要があるんだろうと、言わば情報公開をしていく必要があるんだろうというふうに考えております。  周辺対策という観点でも大変重要だと考えておりますけれども、これをどのように御認識なのか伺っておきたいと思います。
  13. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) 私ども、中間貯蔵施設推進していく上で情報公開は大変重要だというふうに考えているところでございます。  情報公開を積極的に行っていくということでございますが、特に輸送に当たりましては、輸送実施計画の中にも情報公開の考え方を整理をいたしているところでございます。  幾つかございますけれども、代表的なものを申し上げますと、情報提供がとかく一方的なものになりがちだということがございますので、双方向性を意識をした情報提供になるように努めるということで、問合せ窓口なども設置をして、しっかり住民の方の御関心に適切に応えられるような情報公開に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  14. 中西祐介

    中西祐介君 ありがとうございます。  そうした思いを持っていただくのは大変重要だと思っておりますが、少し環境省ホームページを拝見をさせていただきました。省のホームページで出されているのは、例えば、中間貯蔵施設に運び込むまでの大熊双葉両町におけるトラック輸送ルートですね、こうしたことは地図に基づいて輸送ルートを書いていただいておりました。  あるいは、放射線量についても実はホームページ上の記載があったわけなんですけれども、ちょっと私は、正直な感想を申し上げると、残念なまだ情報量しかないのかなというふうな思いがあります。  例えば、放射線量の表記についても、運び込む時点、三月十三日時点での放射線量で一マイクロシーベルトから九マイクロシーベルトという言わばざっくりとした置き方でしかないということもありましたし、同時に、環境省ホームページから今度JESCOホームページにリンクして飛ぶようになっているんですけれども、詳細はJESCOホームページだというふうな書き方をしてあるんですが、実際JESCOホームページに行ってみると、同じ添付PDFファイルJESCOホームページでも出てくるという状況であります。  伺ったところによると、例えばコールセンターとか住民方々からのいろんなお話を受け入れられる窓口をつくっていらっしゃるようなので、これからいろんな意見が出てくるかもしれませんが、やはりこれは事業を進める上での誠意として、できる限りの情報を出していくことが何より私は必要なのではなかろうかなというふうに思います。  まだパイロット輸送なので、まだその地図あれば、そこに住民方々もいらっしゃらないわけなので今は大丈夫かもしれませんが、例えば、来年一斉にトラックが毎日千三百台貯蔵施設に向かう、その輸送ルートはどうなのか、あるいは渋滞といいますか、物の動きがどうなのかということを見えるようにしていくことはこれからの努力として必要ではなかろうかなと思っております。輸送するトラックにもGPS機能が付いているということなので、多分どこかのモニターでは管理できるんだと思います。これをそのまま載せるということは一つ考えていかなきゃいけないと思いますが、どこまで開示できるかも含めて、しっかり御努力をいただければというふうに思っておりますが、今の点についてお願いします。
  15. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) 情報提供になかなか至らない点がありましたらおわびを申し上げたいというふうに思っております。  先生指摘をいただきましたとおり、今パイロット輸送段階ということでございまして、輸送自体を安全、確実に行うということを確認するとともに、GPSなどを使いまして全数管理がしっかりできるかどうかも確認をいたします。そういうプロセスの中で、どういう情報を開示していくことが住民皆様に最も適切かということも併せて検討をさせていただきまして、本格輸送段階ではしっかりとした情報開示ができるように、これから検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  16. 中西祐介

    中西祐介君 輸送状況と同時に、フレコンバッグといいますか、仮置場で各市町村どれぐらいの量があってどれぐらい運び込まれているかというふうなことも昨年議論させていただいたとおりでございますので、そうした情報も極力オープンにしながら、あらぬ風評被害が出ないように、こうしたことを是非大臣にお考えいただければなというふうに思っております。  引き続きまして、先日の報道でございましたけれども、東京電力の管内での汚染水漏れのことについて、まず事実関係を経産省の方から伺いたいというふうに思います。
  17. 土井良治

    政府参考人土井良治君) お答え申し上げます。  先生指摘の件はK排水路放射性物質濃度データの件であると思いますけれども、経済産業省の方に東京電力から報告がなされましたのは昨年二月の廃炉汚染水対策現地調整会議においてでございます。その後、東京電力は、原子力規制委員会から示されました目標達成に向け排水路清掃などを進めてまいりましたが、この間、東京電力が測定したデータに関しましては公表されず、原子力規制庁に対しても経済産業省に対しても報告はありませんでした。  経済産業省としましては、昨年十二月になりまして、東京電力より、清掃を実施してもK排水路濃度が十分に下がらないということについて報告を受けました。これを受けまして、当方より更なる調査対策を行うよう指導したところでございます。この指導を受けまして、浄化剤設置などの対策検討が進みますとともに、その結果としまして今回のたまり水の検出がなされたものと承知しております。
  18. 中西祐介

    中西祐介君 今お話をいただきましたが、原子力規制委員会にも報告がなかったというふうな話でございましたが、委員長、いかがでしょうか、現状について御認識を伺いたいと思います。
  19. 田中俊一

    政府特別補佐人田中俊一君) 当原子力規制委員会では、平成二十四年十一月に東京電力に示した一つの廃止に伴う措置に伴う講ずべき事項について、大気あるいは海等に放出される放射性物質の適切な抑制対策を実施することによって敷地周辺での線量をできる限り低減することを求めています。  その一環として、福島第一原子力発電所排水路についても部分的に告示濃度限度を超える放射性物質を含む水が確認されたことを踏まえ、これはB、C排水路でそういったことが起こりました。また、K排水路についてはその時点ではまだ明確ではありませんでした。排水路放射能濃度等、取得したデータについては、とにかくその測定して分かった時点でもよいから速やかに報告するよう東京電力に指示してまいりました。  しかし、各排水路放射能濃度について報告がありましたのは、ただいま経済産業省から報告がありましたように、本年二月二十四日に至っております。その後、二月の二十七日には、原子力規制委員会では、直接東京電力廣瀬社長に対して、社内外との情報共有在り方について改善するよう強く要請したところであります。  当委員会としては、速やかな情報提供改善に向けた東京電力取組について引き続き注視するとともに、排水路管理在り方について実施計画確認してまいりたいと思います。
  20. 中西祐介

    中西祐介君 これまでのこの環境委員会の中でも、この報告、公表が遅れたというふうな事案について取り上げたこともございました。やはり、事故収束をしているということを内外に示すためにも、あるいはこの福島事故によって様々な風評被害が起こっている、とりわけ漁業関係者皆様あるいは地域福島にお住まいの皆様にとって、後からこの情報が出てくるという事態に対して、もっと結果としてそういうことが起こらないような歯止め策をしっかり打っていく必要が何よりこれから重要なんじゃないかというふうな思いがしております。  そんな中で、規制庁からもしっかり指導するということを、前回のときもありましたし、こういうことの繰り返しがあってはいけないんじゃないかなと本当に痛感をするところであります。  先ほど、経産省の方から具体的な改善策について少し言及がございましたが、具体的にどういうことを東電に求め、どういう管理体制あるいは情報共有化体制になるのか、もう少し詳細を教えていただきたいと思います。
  21. 土井良治

    政府参考人土井良治君) 先生指摘のとおり、情報が公開されなかったことについては誠に遺憾でございます。徹底した情報公開というのが原子力行政の全ての基本であるというふうに考えております。  本件の発生を受けまして、経済産業省としましては、まず、十分な情報公開を徹底することにより漁業関係者を始めとした関係者方々信頼回復に努めること、それから排水路を通じた放射性物質の流出を抑制するための適切な追加対策をすることというようなことを指示したところでございます。  加えまして、本事案発生を受けまして、原子力災害対策本部現地本部長であり廃炉汚染水対策チーム事務局長である高木経済産業大臣より、リスクの総点検というのを指示しております。この作業は、東京電力任せにするのではなく、私ども廃炉汚染水対策チーム事務局が主体的に関与を行いまして、今現在、鋭意作業を続けているところでございますけれども、今後も引き続き国が前面に立って汚染水対策進めてまいりたいと思います。
  22. 中西祐介

    中西祐介君 去年の四月から十二月までの事案が公表されたということでございますが、当この環境委員会でも、去年の六月に第一原発の中の視察をさせていただいたところであります。現地に行って本当に感じるのは、雨も降れば台風も来れば、あるいは地下水も常に流れ込んでいるという様々な事情がある中で、全て完璧に何にも起こさないということはなかなか難しいということも現地痛感をいたしましたが、いざ起きたときにそれを対応するためにどう共有化するということを重点を置いて取り組まなければ、本当にこれから事故収束、本来の意味での収束につながっていかないんじゃないかなということを痛感をいたします。  今おっしゃっていただいたとおり、情報共有化というふうなことが大事だというふうにおっしゃられますが、多分事業主体である東京電力が一番全ての情報を持っていて、東電事業、この収束に携わる現場の人たちが全ての情報を持っている。それを共有をしろといっても、多分東電側の目線が変わらなければ共有される情報というのも変わらないと思うんですね。ですから、今おっしゃっていただいたとおり、リスクを総ざらいをして、そして社内で共有する体制をつくってもらう、これは第一歩だと思いますが。  じゃ、そのときに、エネ庁がもう一歩踏み込んでこの中身を取りにいくという体制に今後移っていかないと、これは多分、待っているだけでは、余り今までと体制も変わらないし、入ってくる情報量も変わらないんじゃないかなということを、昨日省庁の皆さんと打合せをさせていただきながら痛感をしたところでございます。  特に、規制庁の方は多分技術的な指導にとどまるというふうな認識でおるんですけれども、多分この東電と経産省と規制庁のこの三者のもう一歩それぞれが踏み込んだ関わりをするべきだというふうに思っておりますが、委員長、よろしければその辺について御言及をいただきたいと思います。
  23. 田中俊一

    政府特別補佐人田中俊一君) 先生指摘のとおりで、情報は原因が分かってから公表するという、いわゆる東電が持っている体質、これを根本から変える必要があるということを先日も廣瀬社長にも申し上げました。  私どもとしても、全てのあそこの作業データを全部毎日把握するということがなかなか困難な状況でありますけれども、こういった事態が起こらないように、できるだけ最大限の努力を払っていきたいというふうに思っております。
  24. 中西祐介

    中西祐介君 福島原発の敷地内にはもう既に六十万トンの汚染水の貯蔵があるということで、現在、キャパとしては八十万トンあるということでありますが、これはもう増え続けている現状にある中で、昨年から政府とそして東電でしっかり詰めていただいて、規制庁の今年の一月にも御認可をいただいて、サブドレーン計画というのをずっと進めてこられました。せっかくそうした循環で少しでも貯蔵量を減らしていこう、そして回収から浄化をうまくしていこうという計画がある中で、こうした情報の開示の遅れが実は全ての作業にストップを掛けてしまうというこの現状に対して、やはりこれからもう少し厳しい目で関わりを強くしていく必要があるんではなかろうかなという思いを持っておりますので、それぞれ今御発言いただいた方針でしっかり対応をお願いを申し上げたいというふうに思います。  質問を次に移らさせていただきます。  昨年、一四年の十二月にペルーでCOP20がございました。望月大臣も、選挙中でありながら、地球の裏側まで、ペルーまで行かれてこのCOP20に参加されたわけでございます。二〇二〇年以降の温暖化対策の新しい枠組みをつくるのが御案内のとおりのCOP21でございますが、そこまでの日本の対応について、今現状どういう状況にあるのかということを伺いたいと思います。なぜなら、前大臣の時代から、もっとそれ前から、日本がこの環境の分野について、あるいは温暖化対策についてしっかり世界の中でリードを果たすという思い望月大臣も継続をいただいているというふうに思っておりますけれども、日本の目標値を世界の国々が今や遅しとお待ちをいただいている状況かと思います。  その交渉状況について伺います。
  25. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 気候変動の問題でございます。  これは人類が直面する重大かつ喫緊の課題でございます。象徴的な、たしかアメリカのケリー国務長官だったと思いますが、気候変動、すなわち地球温暖化は、今世紀最大の大量破壊兵器であるという言葉を言いましたが、まさに世界の様々な状況を見ると、まさに避けて通れない喫緊の課題であるなと、これは私も認識をしております。  今年のCOP21で、これはもう全ての国が参加する。京都議定書、あれも第一歩でございましたが、アメリカ、中国を始め主要な排出国が参加しなかったということ、でもあれは地球温暖化に対する本当に大切な第一歩だったと思いますが、今回は、COP21に向けて全ての国が参加する、これ重要でございまして、それからまた、公平で実効的な新たな枠組みを構築することが極めて重要だと考えております。この新たな枠組みについては、長期的な視点、あるいはまた最新の科学的知見を考慮することが必要でございます。  昨年、私が出席いたしました今の御指摘のCOP20でも、新しい枠組み合意に向けた世界各国の非常に熱意と意欲を感じました。それぞれの、潘事務総長もそうだったんですけれども、国の皆さんと、十か国近い団体、近い皆さんとバイ会談をして、日本の国は一体どうなるんだと、それから日本の国のテクノロジーは世界一なんだから、これを是非生かしてCOP21に向けて頑張ってもらいたいというような言葉もいただいているところでございます。  COP21の成功に向けて、世界の、日本の国もやはり主要排出国でございます、優れた、それからまた、先ほど申しましたようにテクノロジー、低炭素技術を有する我が国としても、二〇二〇年以降の国際枠組みは採択できるように引き続き積極的に議論に貢献をしてまいりたい、このように思います。
  26. 中西祐介

    中西祐介君 COP21に向けて準備ができた国は三月末までに大体削減目標を示しているという現状にあります。そんな中で、日本は、それこそ三・一一の事故以来、やっぱりエネルギーのベストミックスを、まだ策定を、今まさに準備をしている段階でございますので、例えば再生可能エネルギーの割合あるいは原子力発電の割合、こうしたことが大前提となって初めて日本の目標が作られるんだろうというふうに思っておりますが、もう時間が限られております。  そんな中で、先日も、EUのこの文書、メッセージの中で、日本は、二〇一〇年比二〇三〇年には三〇%の削減が必要なんじゃないか、あるいはアメリカに対しては〇五年比で四三%削減しなきゃいけない、こういうことを先んじて目標値を出したEUからは出されている状況にあります。これは、日本の目標をとにかく早く出してほしいというメッセージでもあり、同時に、先に出した国々がインセンティブを持って日本にある種プレッシャーを掛ける国際交渉の途上にあるんではなかろうかなと思っております。  その中で、北村副大臣に伺いたい。日本のこの目標値作るまでのスケジュールについて伺いたいというふうに思います。
  27. 北村茂男

    ○副大臣(北村茂男君) お答えいたします。  委員指摘のとおりでありまして、これまでにスイス及びEUが既に削減目標を提出をいたしておりまして、米国も三月末までには提出する意向を表明されているところであります。  我が国の新たな削減目標については、その検討を加速化すべく今鋭意努めているところでありますが、具体的には、昨年十月から中央環境審議会と産業構造審議会の合同専門家会合で議論を行っていただいているところであります。これまでに既に五回の会合を開催をし、省エネルギー対策や再生可能エネルギーの導入、地球温暖化防止のための国民運動などについて議論をいただいているところでございます。  今後も、COPの決定、各国の動向や将来枠組みに係る議論の状況、エネルギー政策やエネルギーミックスに係る国内の検討状況等を踏まえて、新たな削減目標をできるだけ早く取りまとめることを目指して今鋭意検討を進めているところでございます。
  28. 中西祐介

    中西祐介君 ありがとうございます。  昨年、参議院のODAの調査の派遣で、高橋委員とともに超党派で中米に行かせていただきました。ドミニカ共和国、パナマ、コスタリカ、ニカラグアに行かせていただいたときに、ちょうど資源が少ないそれぞれのその国々も、日本の環境技術やあるいは二国間クレジットについても、ドミニカのメディーナ大統領にもお話をさせていただきましたが、非常に興味を持たれております。我が国自身の削減はもとより、世界にいかに貢献できるかということも含めて、このCOP21に向けた御準備をよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。  最後に、大規模災害への備えについて質問をさせていただきたいと思います。  つい先日も、震度五強の地震が私の地元の徳島県の県南部で起きました。大変強い揺れだったわけでありますが、いつこの南海トラフが、しかも広い範囲で起こるかもしれないというふうなことを常に危惧をされているわけでありますけれども、環境分野の取組として、私は二つ、やっぱりもっと進捗を早めなきゃいけないなと思うことがあります。  一つは廃棄物処理の問題でございまして、この南海トラフの災害が仮に起こった場合、一つの試算でありますけれども、域内全体で三・五億トンの災害廃棄物が発生するかもしれないというふうなことを試算で出させていただいております。その中で、平時の一般廃棄物の処理についても既にそれぞれの自治体のみで完結することができずに広域でしているような状況の中で、いざ災害が起こったときに大量の災害瓦れき発生するかもしれない、そして、東日本大震災よりももっと平地が少ないところでそうした瓦れきが積み上がった場合、その後の、災害が起こった後の復旧復興についても大きな足手まといになる可能性がこの前の三・一一の大きな災害からの教訓だろうというふうに思っております。  まず一つは、その災害廃棄物処理施設に係るハードの整備について、今年度どのようなことを想定しながら進捗を図るのか、今、現時点での今年度のお考えを伺いたいというふうに思います。
  29. 小里泰弘

    ○副大臣(小里泰弘君) お話をいただきましたように、南海トラフ巨大地震等におきましては、東日本大震災と比べましても桁違いに大きな災害廃棄物の発生が予想されているところでございます。  そういった大規模災害に備えまして、東日本大震災等も踏まえて対応を急いでいるところでございます。特にまた、法改正におきましては、廃掃法の改正によりまして基本的な通常災害に備えることをベースとしながら、災対法の改正によりましてまた大規模災害にも備えていこうというところで準備をしているところでございます。  そういった中で、大規模災害時におきましては、この廃棄物の処理を円滑、的確に進めていくためには、やはりお話をいただきましたように関係自治体を中心として関係機関の連携協力体制の構築といったことがまず重要であります。加えて、こういったソフト面の対策に加えまして、処理施設をより強化をして災害対応能力というものを強化を図る、強靱化を図っていくということが重要であると考えております。  このため、平成二十六年度補正予算によりまして、大規模災害時の廃棄物処理システムの強靱化という新たな柱を設けまして、市町村が行う一般廃棄物処理施設整備への支援を充実させようとしているところでございます。  環境省としましては、望月大臣を先頭にしながら、新たな柱を前面に打ち出すことで、平成二十七年度予算を含め、今後より一層重点的に支援をしてまいる所存でございます。
  30. 中西祐介

    中西祐介君 この通常国会で廃棄物処理法と、そして災害対策基本法の改正を今念頭に置いているところでございますが、そうした中で、まずは広域的にどのように連携ができるかということを、今既に取組をしていただいているようですが、各部会ごとそうしたことを是非お願いを申し上げたいというふうに思うと同時に、現状のキャパが幾らで何年以内に老朽化で更新をしなきゃいけない、こうしたことを見据えた大きなプランニングを環境省主導で是非お願いを申し上げたいというふうに思います。  もう一つ、この大規模災害の備えについてでございますが、今、現状として千四百万人分の汚水処理施設の未普及の人口があるというふうに言われております。大体世帯にして五百万基という状況だということでございますが、東日本大震災が起こったときに、下水道の整備について普及しているところもあればそうでないところもありますが、下水道はやっぱり災害が起こると非常に脆弱だということもこの前の災害での一つの教訓だろうと。その中で、浄化槽については大体全体の三%ぐらいの全損だけで、復旧も結構早かったというふうな結果も出ております。こういう中で、それこそ下水道と浄化槽のベストミックスを図っていくべきだと考えておりますけれども、これからの整備計画について最後伺いたいと思います。
  31. 鎌形浩史

    政府参考人(鎌形浩史君) 浄化槽についての御指摘でございます。  先生指摘のとおり、今回の東日本大震災では浄化槽につきましては地震災害に強いということを示したところでございます。そのほか、浄化槽につきましては、水の環境保全上、下水道と同等の処理性能を有すること、そして特に人口密度の低い地域において比較的安価に整備できて、そして短期間で設置できる、こういった優れた特徴を有してございます。  私どもといたしましては、この浄化槽を普及していきたいと、こういうふうに考えてございますが、平成二十六年一月に、都道府県が汚水処理施設の計画的な整備を行うための構想を見直すためのマニュアルを国土交通省、農林水産省と連名で作成いたしました。そして、都道府県に対しましてこのマニュアルを参考とした構想の見直しを要請しているというところでございます。  こうした取組を通じて浄化槽の普及というのを図ってまいりたいと考えてございますけれども、平成二十七年度予算につきましては浄化槽整備についての予算を八十四億円計上いたしております。さらに、浄化槽の維持管理の適正化、災害時の適正処理を推進する観点から、浄化槽の台帳整備への支援策ということで更に五千万円を計上ということでございまして、こうした取組を含めまして、今後も浄化槽の普及に向け必要な支援を行っていきたい、こういうふうに考えてございます。
  32. 中西祐介

    中西祐介君 時間が参りましたので終わります。  ありがとうございました。
  33. 長浜博行

    ○長浜博行君 私は、大臣所信の中にありました地球温暖化対策、先ほど中西さんがやられたのを引き続きと、それから中間貯蔵施設福島のやつは中西さんがやられましたから、私は最終処分場、指定廃棄物の、こちらを伺って、時間があれば、大変この頃また同病相哀れむ方も多いんですが、花粉症とPM二・五について伺いたいと思いますが、これは時間なくなりましたら、あとは、今いませんが、ドクター櫻井にでも伺おうかなというふうにも思っております。  先日、たまたまつけたテレビでキリバス共和国が出ておりました。海抜二メートルぐらいのまさに太平洋に浮かぶ島嶼国です。太平洋戦争のときには、日本側が五千人ぐらい、そしてアメリカ側が千人ぐらいの戦死者を出したという大変な戦場であったわけでありますけれども、要は地球温暖化の影響で国土が水没をしていく、人口は十万人ほどというふうに伺っておりますけれども、約二千キロメートル離れたフィジーに土地を購入されて大統領が移住の準備をされて、もちろんフィジー国とお話合いをしながらという状況であったようであります。  後ほど伺いますが、IPCCの最終報告の中においても、アジアを中心にということでありますが、数億人の単位で、日本は一億二千万の人口でありますけれども、数億人の単位での移住が今世紀末には必要になってくると、何もしなければですね。こんなことも言われているという状況の中においての地球温暖化防止対策というのは、大変日本のみならず地球の運命を左右する大事な状況に差しかかっているという、大臣所信の中でも述べられているとおりですね。  COP21のパリ会議までに、二〇二〇年以降のポスト京都議定書といいますか、京都議定書は日本の名前を冠したある意味ではすばらしい議定書だったと思いますけれども、アメリカ、中国、インドが入っていないという状況の中においては実効性が担保できないわけでありますから、共通だが差異ある責任を共有しながら、全世界の各国が参加できるような状況をつくり出していかなければいけないというふうにも思っております。  先ほどのお話もありましたが、COP20に出られて、大臣は、我が国は、二〇五〇年までに世界全体で五〇%減、先進国で八〇%減という目標を改めて掲げ、貢献していくというお話をされたというふうにも伺っております。今の安倍首相が第一次政権の二〇〇七年のときに美しい星へのいざないという中においても述べられたことでもあったと思いますし、その翌年の、これは福田先生だったでしょうか、洞爺湖サミットの中においても、G8の中でも確認をされた事項だというふうに思っておりますが、これを改めて掲げられた御趣旨はどういうことなんでございましょうか。
  34. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 先生の今の御指摘で、ちょっと大変申し訳ないんですが、実はキリバス、日本の優秀な漁船員、もうほとんどいなくなってしまってキリバスに優秀な漁船員を求めているということで、大変我が国とも、それから、マグロをたしかあそこから大分捕らせていただいているということで、大変大切な我が国にとっても国だなということを今先生の御指摘の中でふと思い出したものですから、大変そういう御指摘は有り難い御指摘だなというふうに思っていますが。  昨年私が出席したCOP20では、閣僚級セッションにおいて二〇二〇年以降の新たな枠組みに関する我が国の考えを発信するとともに、議長国のペルー、COP21議長国のフランスあるいは中国など、七つの国と地域環境大臣や潘基文国連総長といった、合意に向けて鍵となる多くの方々と率直な対話を行いました。COP21に向けて各国等とより一層連携して取り組んでいくということで一致をいたしたわけでありますけれども、各国からは、日本が気候変動対策をリードすることへの強い期待が示されたところでございます。COP20全体としては、気候変動のためのリマ声明を採択してCOP21での会合に向けたステップを着実に進めることができたと考えております。  そこで、改めてという意味でございますが、二〇五〇年までの目標についてはこれまで国際的に我が国が掲げている目標と同じでございますが、これは、この目標を最初決めたときはたしか東北震災の前だったと思います。ですから、我々が会談する中で、我が国があのような災害があって、各国のそれぞれの環境大臣や潘基文総長から、日本の国は同盟国のようなものだから、その壁を乗り越えてしっかりと参加できるようにしていただきたいというようなことがございまして、現在の我が国の経済状況、また復興状況を鑑みても、必ず果たしていくものという政治的意思を示すためのステートメントにおいて改めて言及をさせていただいたところでございます。  ということで、よろしくお願いいたします。
  35. 長浜博行

    ○長浜博行君 さっきも申し上げましたように、これはもう二〇〇七年、八年の頃でありますから、震災前はもちろんのことでありますし、今大臣がおっしゃられた、まさに政治的リーダーシップの強い意思を出さないと日本の目標設定などということはできてこないわけですから、英訳がどういう形だったかよく分かりませんが、多分各国はそこを聞きたいのではなくて、本当に日本が、これも中西さんの質問の中にもありましたように、どういった時期、具体的に、早い時期にどのぐらいの数字が出てくるのか、もう既に鳩山政権直後に出した九〇年対比二〇二〇年二五%削減というのは現政権によって変えられているわけでありますから、それは今まさにおっしゃられたように、大震災の後の原発停止をしている暫定的な状況の中での数字でありますから、本来の数字を求めているということで、強いリーダーシップこそが大事だということで、ちょっと関連して御質問を申し上げますが。  地球温暖化対策推進本部というものがあります。これはCOP3の京都議定書ができたときに、平成九年の十二月だったと思いますが、閣議決定により設置された本部でございます。しかし、平成十七年に京都議定書が発効したことによって、これは法律の中で、改正法に基づく設置の担保法というような位置付けでこの本部が設定をされているというふうに認識をしておりますが、この第十二条には何が書いてあるでしょうか。
  36. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) お答え申し上げます。  今御指摘の十二条でございますけれども、ちょっと今条文手元にないんですが、地球温暖化対策基本的な施策について議論するために、総理を本部長とし、副本部長として官房長官、環境大臣、そして経産大臣が副本部長を務める会議という形で位置付けられておるところでございます。
  37. 長浜博行

    ○長浜博行君 これは昨日レクに来られた方にこの条文についてはお聞きをするということは申し上げておりましたが、十二条で、本部は、地球温暖化対策推進部長として内閣総理大臣、そして、地球温暖化対策推進副本部長と、それから本部員を定めている部分に関しては全閣僚ということで、今おっしゃられたことが非常に正しいんですが、何が正しいかというと、第十四条のところだったと思いますが、この副本部長のところを内閣官房長官とそれからその次は環境大臣及び経済産業大臣をもって充てるというのがこの十二条、十三条、十四条そして十五条の規定なんですね。  ですから、この地球温暖化対策推進部長というのは、大変総理大臣はお忙しい方でございますから、この副本部長の中において、内閣設置されておりますので内閣官房長官が入ってくるのは当然でありますが、実質は環境大臣が地球温暖化対策に関して強いリーダーシップを発揮しないと、各省庁調整が非常に強いという状況の中においての数字は出てこないということになるわけです。  電源構成ベストミックス、これがなかなか議論されないということで、あらゆる国際会議に出て、日本の目標値と言ったらいいんでしょうか、INDCが現実に発表できないという状況が続いているわけでありますので、この電源構成を決める段階においては環境大臣はどういう役割を、あるいは強いリーダーシップを発揮されておられるのでしょうか。
  38. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) 済みません、私の方から。  エネルギーミックスにつきましては、先生御案内のとおりでございますが、政府の総合資源エネルギー調査会におきまして、長期エネルギー需給見通し小委員会というものの中で御議論をされております。その中で、私ども環境省といたしましても、オブザーバー参加をしてその議論に参加をしているところでございます。  一方、エネルギーミックスと大変関係の深いことになるわけでございますが、二〇二〇年以降の約束草案につきましては、中央環境審議会と産業構造審議会の合同専門委員会でこれまで御議論をいただいておりまして、地球温暖化対策の観点から、例えば再生可能エネルギーの最大限の導入、あるいは省エネルギーの徹底ということについて御議論をいただいているところでございます。  約束草案につきましては、環境大臣のリーダーシップの下で、エネルギー政策やエネルギーミックスに係ります国内の検討状況を踏まえて、できるだけ早く取りまとめることを目指しており、今後検討を急いでいきたいというふうに、かように考えているところでございます。
  39. 長浜博行

    ○長浜博行君 そういうふうになってしまうので、ですから大臣、政治的リーダーシップを発揮しないと、この問題は国際社会が、まさに大臣が参加された会議の中で期待されている役割を果たし得ないのではないかということを危惧をしているわけです。責めているわけではありません。危惧をしているということでございます。  原発再稼働という問題について、これはまさにベストミックスの議論の中において、一時は原発比率は五割を超す方がいい、CO2を排出をしないという意味においては原発再稼働というのは必要だと。総理が度々いろんな委員会でこの問題に触れられるときに、CO2の問題を考えますと原発即ゼロはいかがなものかみたいな、正確な表現ではありませんが、必ずこの地球温暖化の問題は出てまいります。原発再稼働あるいは原発の増新設でもいいんですが、原発に関してCO2の観点からはどのように御認識をされておられますか。
  40. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) 今、委員が御指摘のように、原発につきましても稼働の段階ではCO2を出さないという電源でございます。  ただ、原発につきましては、原子力に関します規制と利用を分離をするために原子力規制委員会環境省の外局として設置されたところであります。このことを踏まえまして、原子力発電の在り方に予断を与える発言は差し控えさせていただきたいと思っておるところでございます。  いずれにいたしましても、今後の地球温暖化対策につきましては、原発の稼働状況のいかんを問わず、再生可能エネルギーの導入、あるいは徹底した省エネルギーの推進ということが大切だと思っております。そういった対策等につきましてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに、かように考えておるところでございます。
  41. 長浜博行

    ○長浜博行君 今再生可能エネルギーの発言が出ましたが、ちょうどこの委員会室入ってくる前に今日の日経を見たら、破いてきたわけでありますが、エネ庁が「固定価格買取制度の調達価格の適用ルールが変わります」という、これは広告ですね、これが今日の日経に載っておりました。この六月三十日をもって三年間の利潤配慮期間も終了するということで、いわゆる電力購入価格の中においての優遇措置が終了すると。それから、接続保留の問題等々含めて、こういうことが書かれています。  ですから、いわゆるフィードインタリフの問題を含めて、適正価格をどうしていくかという議論は大事な議論であると同時に、ただ、今おっしゃられたような再生可能エネルギーを積極的に導入していくという中においては、なりふり構わず導入していくということからすると、ある種のブレーキが掛かってくるということも事実ではないかなというふうにも思っております。  と同時に、今は大体再生可能エネルギーというのは水力を入れても一割、一〇%ぐらいだと思いますから、あとの九割は燃やしています。それが石炭であれ、重油であれ、ガスであれ、火力に頼っているという状況にもなります。経産委員会ではありませんからなんですが、発電用石炭の豪州用スポット、これはパー・トン六十ドルということで五年半ぶりの安値、発電用原油も一—三月は前年の十月—十二月に比べて三割安、それから石油全体だってバレル百ドルから今は五十ドルぐらいになっているというふうにも思っておりますが、円安の状況の中においてもこれだけ資源価格が下落をしている状況の中においての石炭火力の増設、一つの理由としては原発が動いていないからということにもなっているわけです。  出力十一万二千五百キロワット未満、小規模発電が多分半数ぐらいだというふうにも思いますが、この問題というのは環境アセスの問題にも関係しているところでありますが、環境省として、このいわゆる環境アセス、火力発電、石炭火力の問題、これをどう考えておられますか。
  42. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) どちらが。譲り合っていますけど。手を挙げてください。──梶原局長
  43. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) 今様々な御意見を賜ったところでございます。  まず、固定価格買取り制度につきましては、二十四年七月に運用を開始をされて以来、約二年半たっておりますが、再生可能の導入量そのものは七割増加をしております。ただ、御指摘のとおり、太陽光発電につきましては、予想を上回るペースで増加したということで、電力会社の接続回答問題が生じたというふうに考えております。  再生可能エネルギーの導入につきましては、これを図るためには、この固定価格買取り制度を安定的に運用するということが極めて重要だと思っているところでございます。環境省といたしましても、太陽光に加え、風力あるいはバイオマス、地熱、中小水力といったような再生可能エネルギーをバランスよく導入していくのが非常に重要なことだと考えております。  また、現在、九割が火力発電でございます。とりわけ、この九割の火力発電で現在の温室効果ガスの我が国全体の四割は実は電力部門から出ておるという実態でございます。そういう意味におきまして、この分野でのCO2の削減が大きな課題になっているところでございます。このため、実は、一昨年四月に関係大臣会合で、火力発電の対策を取るようにということで、今業界と協力をしているところでございます。
  44. 長浜博行

    ○長浜博行君 今私は火力発電のことを聞いたんですけれども、政治的リーダーシップを発揮しないとこの分野は答えが出ていかないということで何年もたってしまったということを是非認識をいただければ、お願いをしているわけでございます。  花粉症のことは諦めまして、次に指定廃棄物の方に移らせていただきます。  この指定廃棄物は放射性セシウム濃度八千ベクレル超ということで、これは国の責任で処理をするということになっております。ただ、これは八千ベクレルを超えているものそのものが指定廃棄物ではなくて、環境大臣が指定をしたものが指定廃棄物ということになるわけでございます。つまり、各自治体が申請をしなければ、放射性物質汚染対処特別措置法あるいは施行規則が定める放射線防護措置など厳しい保管基準の適用外という認識でよろしいんでしょうか。
  45. 鎌形浩史

    政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、指定廃棄物は八千ベクレル超のものであって環境大臣の指定を受けたものということでございまして、指定廃棄物に対する基準というのは環境大臣の指定を受けたものに掛かるということでございます。それ以外の廃棄物につきましては、放射性物質汚染対処特措法の中で特定産業廃棄物ないし特定一般廃棄物という位置付けで、廃棄物処理法にプラスして基準が掛かる形での処理が行われる、こういう仕組みになってございます。
  46. 長浜博行

    ○長浜博行君 いわゆるガイドラインとして、そうしますと、国の管理じゃない、言葉として非指定廃棄物と言ったらいいのかどうか分かりませんが、指定廃棄物には指定されていないものに関しましても、その保管場所の境界において、追加被曝線量ですね、これがコンマ一九マイクロシーベルト・パー・アワーを超えない、これは元々が一年間で一ミリシーベルトということからきていると思うんですが、これを各自治体が各保管場所において厳しくチェックをしながら管理をしているという認識ですか。  あるいは、指定していないんですから、指定廃棄物になっていない八千ベクレルを超える量が存在をしている、そのトータルアマウントは把握をしておられるんでしょうか。
  47. 鎌形浩史

    政府参考人(鎌形浩史君) まず、環境大臣の指定という行為がない八千ベクレル超の廃棄物について網羅的に把握しているということは、今現在ございません。必要に応じて個別に県などを通じて把握しているケースもございます。  いずれにしても、指定廃棄物として国の処理責任というところのものではないということになりますので、それぞれの保管者において適切に保管されているというふうに認識してございます。
  48. 長浜博行

    ○長浜博行君 大臣所信があった日に、水野さんもおられますけれども、千葉県においては、千葉県と環境省の取決めの中において、松戸、流山、柏の指定廃棄物を一か所の県の処理場に集めたと。これの期限が三月末になっているということで、最後のロットがおととい柏市に戻されました。流山も松戸も、この地域はひょっとしたら後ろに座っている職員の方の中にも住んでおられる方がいらっしゃるかもしれませんが、そこに戻されたわけであります。御承知のように、今日から統一地方選挙、知事選も始まっておりますけれども、こういった地域の中においても、この最終処分場がいつ決まるのであるかということは、これはもう党派関係なく大変話題になるところでもあります。  千葉県においてこの指定廃棄物の最終処分場をどうするかという会議が度々持たれてきたところでありますが、第四回と思いますけれども、最終的には千葉県指定廃棄物処理促進市町村会議が昨年の四月に開かれて、そこで政府高官から、選定作業を急ぎますけれども数か月は掛かるという発言があったというふうに聞いております。  おとといの大臣の記者会見の中でも、選定場所が多数あるという、私は五千か所というふうに聞いておりますが、あの千葉県の中で五千か所をマッピングするというのも大変な作業だというふうに思いますが、数か月は少なくとももう過ぎてくると思いますが、最終処分場をどのように認識をされておりますか。
  49. 鎌形浩史

    政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、千葉県の指定廃棄物の処理施設につきましては、昨年四月に開催されました市町村会議におきまして、千葉県の詳細調査候補地の選定手法が確定して、今その手法に従いまして作業を進めているというところでございます。  千葉県では、国有地、県有地のみならず民有地も対象としているということで、選定のプロセス検討すべき箇所が非常に多いとなってございます。例えばほかの県、栃木県や宮城県ですと国有地と県有地から選ぶと、こういうようなルールでやってございますけれども、市町村会議で民有地も対象ということで、非常に多い箇所数からの選定作業ということで、それぞれの評価あるいは結果の精査も必要でございます、間違いがあってはなりませんので。そういった精査に時間を要しているということでございます。  引き続き選定作業を進めて、速やかに公表に至るよう作業を急いでいきたいというふうに考えてございます。
  50. 長浜博行

    ○長浜博行君 今御発言ありましたように、千葉のみならず茨城それから栃木、宮城、これがある時期その選定の方法等々を含めて厳しく御指導もいただいたところが過去の経緯の中にあるわけでありますけれども、その後、この茨城、栃木、宮城、群馬、千葉ですね、この五県、既に先ほど来申し上げているとおり指定された廃棄物の最終処分場も決まっていない状況ですから、指定されていない、つまり各自治体が申し出ないで保管をされている東京、あるいは埼玉はあるんでしょうか、あるいは神奈川、こういったところで、指定されていないんですから指定廃棄物の記録には載ってきませんが、こういった問題を処理するためにも、まずはこの指定廃棄物の最終処分場を決めなければならないわけでありますが、この、一つ一つ言うと時間がなくなりますので、今おっしゃられたこの五か所の問題、どのように最終決定をされるんでしょうか。
  51. 鎌形浩史

    政府参考人(鎌形浩史君) 五か所、五県についてのお尋ねでございます。  まず宮城県でございますけれども、昨年八月から三か所において詳細調査というものを開始して、文献調査、あるいは現地での、現地に入っての調査というのを始めたところでございます。宮城県につきましては、来月には宮城県民の方々を対象としたフォーラムを開きまして、県民の皆様にも直接御説明して、御質問、御意見を賜っていきたいと、こういうふうに考えてございます。  栃木県でございますが、昨年七月に詳細調査地を、これ一か所でございますが、公表いたしました。その後、二回にわたる市町村会議の開催、町からの御質問への回答などを通じまして御地元との意思疎通を図るべくやってございます。(発言する者あり)  五県についてのお尋ねとお伺いしましたので、お答えしております。
  52. 長浜博行

    ○長浜博行君 今申し上げましたとおり、これは昨日今日始まった問題ではありませんので、大変、担当されている大臣の御苦労はよく分かります。ただ、時間がどんどんたっていく中において、先ほど来申し上げましたとおり、これは国の問題として処理をしなければいけないところであるにもかかわらず、各地方議員の皆様方は一体この問題をいつ処理してくれるんだろうという問題がついに統一地方選挙にまで掛かってくるような状況になってしまいました。  これもある種の、地球温暖化のときにも申し上げましたように、大変つらい判断もあると思いますけれども、決めなければならない状況の中においては政治的判断が必要だというふうに思っておりますので、責めているわけではなくて、これもお願いをしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  53. 櫻井充

    櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。  今日は大臣の所信に対する質疑ということなので、大臣の所信に対して質問をさせていただきたいと思いますが、今回改めて環境省設置法を読み直させていただきました。所掌事務とそれから今回の大臣所信について、適正ということではありませんが、基本的に事務というのは法律で定められたところで行ってくるわけであって、そこの整合性について今日は質問をさせていただきたいと思います。  ただし、望月大臣、誤解のないように申し上げておきますが、私は環境省の仕事というのはもっと増えていいと思っているんです。もっと増やすべきだというふうに言った方がいいのかもしれません。  というのは、今亜熱帯でしかないような病気が恐らく地球温暖化で今後日本に入ってくることになるんだろうと。そうすると、そういった免疫を持たないとなると、その感染によって亡くなってくる方々も私は随分出てくるようになってしまうかもしれないと。こういったことを防いでいく、予防していくという観点からすれば、環境を守っていくということはすごく大事なことであって、これは国内の環境だけではなくて海外全体としてどうしていくのかとか、そういうことも含めて私は環境省がもっともっと仕事を行っていくべきだと思っていて、結論から申し上げておけば、仕事が増えたら環境省設置法の中の所掌事務のところをもう少し大胆に書き換えて仕事をされていった方がいいんじゃないのかなと、私はそう思っています。  いずれにしろ、そういう立場から今日は質問させていただきますので、できれば、できれば余り今の状況でつじつま合わせのつまらない議論をしないでいただきたい、ある程度前向きに考えたところで御答弁いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  私、先日、望月大臣とちょっとだけお話しさせていただく機会がありました。本当に感謝申し上げます。その際に、大臣の教育に関する強い意思を感じました。しかし、今回のこの所信表明の中でのこの教育という文言が非常に弱いんじゃないだろうかと。特にある種のところに限定されていて、この「持続可能な開発のための教育の促進を図ってまいります。」という一文でしかございません。一方で、環境省設置法を読み直してみると、環境教育という言葉が出てまいりません。  この点から考えてくると、まず、こういうような文言をこの所信の中に組み入れてきた根拠になる法律を、条文、環境省設置法の中のどこなのかについて教えていただけますでしょうか。
  54. 森本英香

    政府参考人森本英香君) お答え申し上げます。  環境省設置法は、行政改革会議の議論を経て平成十年に制定された中央省庁改革基本法に基づいて所掌事務が環境省設置法に書かれてございます。  今先生から御指摘のありました環境教育につきましては、環境省設置法の第四条第一号の環境保全に関する基本的な政策の企画及び立案並びにその推進に関することと、ここで読んでおるというものでございます。これに基づいて具体的な予算をいただいたり、あるいは環境教育法という個別法を制定していただいて、それに基づいて仕事をしていると、そんな形でございます。
  55. 櫻井充

    櫻井充君 済みませんが、昨日の説明と違うんですよね。昨日、役所の方が来て、この所信はどの条文で読むんだと言ったときに、違う説明をされておりました。本当は今日こんなことを言うのはやめようかと思っていたんですが、余りにひど過ぎるんで。  それから、もう一つ言っていたのは、私は、設置法を変えた方がいいんじゃないかと言ったときに、法律を変えるのは大変だから、だからこういっていろいろ全部読んでいくんですと。こういうことを行政側がやることを我々国会が認めるというのは非常におかしな話だと思っていて、そういう点では、穏やかにやろうと思っていたんですが、今日はかなりきつくやらせていただきますので、そのつもりでお願いします。  その上で、じゃ、ここに基本的な政策があるから、だからあのような形で書けるということになると、何でもこの条文で全部読めることになるんじゃないんでしょうか。そこのところが私は非常におかしいと思っていて、改めて申し上げます。環境の教育なら環境の教育という文言を本来であれば環境省設置法の中に私は書くべきだと思いますが、その点についていかがですか。
  56. 森本英香

    政府参考人森本英香君) 先ほど申し上げましたように、第四条の第一号の事務で読むわけでございますけれども、少し説明させていただきますと、その第四条第一号の事務で、言わば環境省の機能としてそういったものはございますが、それを実際に環境省が進める場合、環境教育というものをする場合には、それを実施するための予算というのを国会で決めていただき、あるいは環境教育推進法という法律を作っていただいて、更にその法律の中で環境省は何をするかということを決めていただいて、それに基づいて仕事をしているという形になってございます。  したがいまして、環境省の言わば事務としてはこの環境省設置法に書いてございますが、それに加えて、個別法の中で更に所掌事務が明確化されているということでございます。
  57. 櫻井充

    櫻井充君 そう言われるんだったらそこで闘っていきますが、環境基本法というのがあるんですよね。環境基本法の二十五条で、「環境の保全に関する教育、学習等」というのはあるんです。しかし、あくまで環境の保全なんです。今回、持続可能な開発についての教育と書かれているんです。環境省設置法、所掌事務、第四条の第一号のところも、環境の保全に関する基本的な政策の企画、立案なんです。残念ながら、開発についてのという項目は環境省設置法の中にはないんですよ。  大臣、私は、ある部分のブレーキ役を果たさなければいけないところもあると思っています。開発をやっていきますと、開発をやっていく中で、これは残念ながら、我々人類にとってだけではなくて、生態系に対してかなり大きな影響があるんだとすれば、そこのブレーキ役をこれは環境省が果たしてくることになるのであって、これは非常に大きな役割だと思っていて、そうだとすると、ここの、もう一度申し上げておきますが、この環境教育というのは、「持続可能な開発のための教育の促進を図ってまいります。」という文言なんですよ。環境省設置法や環境基本法の中のものは、環境保全に関してなんです。ですから、そういう意味で、残念ながら私はこのままの条文ではこういうことは読めないのではないのかと。  それから、この間、大臣お話しされていたことも、環境の保全についての教育をきちんとしておかなきゃいけないんだということであれば、こういう文言では私はないんじゃないかと。これは大臣思いとは、若干所信の内容としては違うんじゃないかと思いますが、その点について、大臣、いかがでしょう。
  58. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 環境教育等は非常に大切なもので、私たちの環境は非常にやはり強い権限で抑制しなきゃならないところと、持続可能で長期的にわたるものがございます。先生の御指摘のとおりでございまして、やはり今後、環境行政に当たりましては、例えば個別法が制定されて所管を明確にする場合など、やはり何らかの必要が生じた場合には環境省設置法を改正して対応するということもあり得るものと考えております。  いずれにいたしましても、環境省の担う事務はいずれも非常に、今先生指摘いただきましたように重要なものでございますので、あらゆる環境行政の課題に対して引き続き全力で取り組んでいきたいと、このように思います。
  59. 櫻井充

    櫻井充君 前向きな御答弁いただきまして、ありがとうございます。  その意味で、もう一つ、この第二条のところも非常に大事な項目が、四条の二号のところですね、「環境の保全に関する関係行政機関の事務の調整に関すること」という、これも非常に大事なことなんだと思うんです。どちら側かが開発をしたいと、どちら側かが抑制をしたいといった関係があったときに、その調整を行ってくるということになるわけですが、そこでもう一つ、この大臣所信の中で、「環境省の原点である、国民の健康と良好な環境の確保などについて申し上げます。」と。これは本当に大事な観点なんです。要するに、環境を維持していかなきゃいけないというのは、我々国民の健康を守ってくるということだからであります。  しかし、残念ながら、この調整というのは、恐らく環境省と厚生労働省で調整することになっていくんだと思いますが、ここまで環境省で踏み込んで書かれるとすれば、国民の健康を守っていくことも環境省の役割なんだと、環境の変化に関してでも結構ですが、そういう一文があった方が私はいいんじゃないかと思いますが、この点について、大臣、いかがでしょう。
  60. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) これはやはり厚生労働省なりほかの他省庁との関係ございます。やはり、その辺は個別法等々ございますのでなかなか踏み込むことは大変だと思いますが、しかし、やはり時代の要請とともに我々の仕事も広くなったりあるいはまた狭くなったりするところもございます。ただ、国民の健康を守るためにこれからもどういうような形で進めていくことができるかということは今後しっかりと課題として取り上げていきたいなと、このように思っております。
  61. 櫻井充

    櫻井充君 ありがとうございます。  これは事務方で結構ですが、今回の予算の中で、熱中症対策というふうにもう踏み込んで書いているんです。熱中症って、これ病気ですからね。病気対策環境省がどういう形であれ予算を取るんであれば、健康に対してきちんとやりますということを私は明示した方がいいと思っているんですが、この点についてはいかがでしょう。
  62. 森本英香

    政府参考人森本英香君) 環境省関係でいわゆる病気に関するものとしては、公害健康、いわゆるぜんそくであるとか、あるいは水俣病があることはございます。それに加えまして、放射線による健康影響等も取り組んでございます。あるいは、今御指摘のあった熱中症などにも取り組んでございますが、それについては、環境省の機能としては今環境保全については環境省が一元的にやるという規定がございまして、そのことについて、法律の条文では二十二号のタというところで、イからヨに掲げるもののほか、その目的及び機能の一部に環境の保全が含まれる事務及び事業というふうに書いてございます。これで言わば環境省の機能としてはあるわけですけれども、それに加えて、予算を確保させていただき、あるいは必要によっては法律を作っていただいて具体的な仕事をすると、そういう絵柄で、基本的には環境省の仕事としてはできるというふうに考えてございます。
  63. 櫻井充

    櫻井充君 僕はできないと思いますよ。それは、その他でまた読み始めたら何でもできるんですよ。  いいですか。今おっしゃったのは、「公害の防止のための規制に関すること」、これは四条の九号、それから十号に、「公害に係る健康被害の補償及び予防に関すること」と、これは明示されているんですよ。いいですか。それから、石綿についても二十号のところで、「石綿による健康被害の救済に関すること」と、これは全部書かれているんですよ。いいですね。書かれていることと書かれていないことを区別してもらわないと。こうやって具体事例として挙げているんですよ。  昨日来た事務方と話をすると、限定列挙はいかがなものかと、そんなのを挙げていたら切りがないんですと言うんだけど、自分たちで挙げておくものは挙げておいて、何といったらいいか、人から言われて都合が悪いものは限定列挙しないんですと、そういうことじゃ違うんじゃないかと思っているんですよ。  これから大きな意味で、先ほど申し上げたとおり、日本には今までなかったような新たなる感染症が環境の影響によって我々国民が大きな影響を受けるような事態が想定されているわけです。そういう意味でいったら、大きな文言として、環境による例えば健康被害とか、そういうことを書かれれば、熱中症みたいにだんだんだんだん温暖化がひどくなってきて、それで病気になられる方がいらっしゃって、その人たちに対する予防につながっていくんじゃないかと思っているんですよ。これは別に所掌事務以外のことをやるなと言っているんじゃないんですよ。環境省として仕事をしやすくするためにこのぐらい大きく構えたらどうですかということを申し上げているんですよ。  まあ、ちょっと事務方に聞いてもしようがないので、改めて大臣、こういうこともあるので何とかしてくださいよ。
  64. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 環境省の仕事が大事だということで幅広く御指摘いただいたこと、大変有り難いと思います。時代の要請に沿った環境省であるということを目指してこれからも検討させていただきたいと思います。
  65. 櫻井充

    櫻井充君 ありがとうございます。  もうちょっと応援隊の意味で申し上げておきたいことがありますが、大臣所信の中で、ここも大事な一文なんですが、「私たちの暮らしは、森、里、川、海の恵みに支えられています。この自然の恵みを評価し、将来にわたって享受できるよう、これを守る取組を国民全体に広げてまいります。」というふうに書かれているんです。  ところが、環境省設置法を読んでみると若干微妙に書かれていまして、どういうことかというと、河川とか湖沼については「保全」と書かれているんです。海についてはどうかというと、「海洋汚染の防止」と書かれているんです。これ、汚染の防止とそれから保全とは全く意味が違うんですね。  そうすると、これから読み込んでくると、環境省は海の保全は行わないけれども、何らかの形で海が汚れていくものについてのみ仕事を行っていくことになるかと思いますが、こういう書き方をしているとですよ、なぜここは環境省設置法として河川や湖沼と同じような文言にはならなかったんでしょうか。
  66. 森本英香

    政府参考人森本英香君) 現在の環境省設置法というのは、先ほど申し上げました平成十年の中央省庁等改革基本法の中で、各省の分担をどうするかというぎりぎりした議論の中で決められたという形になってございます。  今御指摘の点も、個別の施策に特に着目すれば、そういった形で海洋については汚染防止ということでございますが、例えば先般決定させていただいた瀬戸内の関係では、単なる保全ではなくて、管理も取り組むという形になってございます。  したがいまして、環境省として、海洋について汚染だけではなくて幅広くやるということはそのとおりでございます。ただ、実際にやるときに、それがどういうふうに環境省事業ができるかというのは、予算あるいは法律によって決まってくると、そんな形でございます。
  67. 櫻井充

    櫻井充君 それは予算は、ちゃんと事務があって、それに従って予算要求するだけの話であって、それは違いますよ、考え方が。まずは、ちゃんと基本的に何をやるかで、今全然答弁していないでしょう。保全と汚染と違うでしょう。まず、じゃ言いましょう、保全と汚染は違いますね。一言で答えてください。
  68. 森本英香

    政府参考人森本英香君) 保全の方が広い概念だと思います。
  69. 櫻井充

    櫻井充君 そのとおりなんですよ。  そうすると、何で海は汚染だけになるんですか。海もなぜ保全にならないんですか。環境省の四条の第一号のところは、「環境の保全に関する基本的な」と、ここまで書いてあるんですよ。それから、三号に、地球環境の保全だと、そこまで書いてあるんですよ。地球環境ですよ。空気だけじゃないですよね。海の水もそうでしょう。だったとすると、なぜそれが汚染だけになるんですか。  ここに、繰り返しになりますが、環境省の中で大事なことだから頭のところにちゃんと保全、保全と何回も書かれている。これを海についてだけはこういう形になるというのは、私はおかしな話だと思うんですよね。大臣、おかしいと思いませんか。
  70. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 保全と汚染というような形で、一義的には環境省はやはりそういった汚染関係のものを取り扱っていると思いますが、我々の所信とかで広く保全というものもこれは含めていかなくてはいけないのかなというようなことを、そういう御指摘の下に、法律的にそういったところが遅れているということは感じさせていただきました。
  71. 櫻井充

    櫻井充君 悪いことじゃないと言っているんですよ。やるんだったらちゃんとやってもらわないと、とてもじゃないけど、農水省に海の保全できると思いますか。いや、そんなこと絶対答えられないのは分かっていますけどね。  農水省が海の管理やっているのは資源の確保のためだけでしょう。要するに、我々が生きていくための魚、魚介類とか、この手のものの資源確保をやっていきますということが実は農水省の基本的な考え方ですよね。ですが、農水省に任せた結果どうなったかというと、海産物の資源というのは枯渇寸前のものもいっぱい出てきているわけですね。ここのところは、漁業権も全部含めてくると、漁業権を持って、そして漁師の立場を守っていくということになれば、捕っていいですよという話になる。一方で、資源確保まで今度は農水省にやらせるというのは僕はおかしな話だと思っていて、原子力推進のところが経産省がやり、今回、ブレーキ役は環境省がやると、ブレーキ役というかチェック機能を環境省に持たせるということであれば、そういう役割分担というのは私はあっていいんじゃないのかというふうに思うんですよ。  しかも、環境省、繰り返しで恐縮ですが、設置法の中の所掌事務の四条の十六号には、「野生動植物の種の保存」と書いてあるんですよ。これ、済みませんが、野生動植物の種の保存というのは魚も入るんですよね。
  72. 塚本瑞天

    政府参考人(塚本瑞天君) お答えいたします。  野生動植物には、野生生物も含む概念でございまして、魚も入っております。
  73. 櫻井充

    櫻井充君 魚だけじゃなくて、例えば魚は我々食べる、食べるというか栄養になっていくので、こういったものについては農水省の所管だと思いますけどね。あとは、関係ないサンゴとかこの手のものについて、これも環境省の所管ですよね。
  74. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) どなたか答弁いただけますか。──塚本局長
  75. 塚本瑞天

    政府参考人(塚本瑞天君) 繰り返して恐縮ですけれども、海洋野生生物を含む概念でございまして、環境省は、海洋の生物、種の保存の観点から、あるいは生物多様性の観点からこれを所管しているということでございます。(発言する者あり)  サンゴもこの中に入っております。
  76. 櫻井充

    櫻井充君 さて、そうするとですよ、今沖縄で、僕は政府のやり方はめちゃくちゃだと思っていますが、あんな形で環境破壊が行われていると、これは沖縄の方々がおっしゃっているわけです。私も今度現場へ行って見てみようと思いますけどね。  こういった行為で環境が破壊されているんではないか、海の環境が破壊されているんではないかと、これについて環境省としてどうお考えなんでしょう。
  77. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) どなたが御答弁いただけますか。──望月大臣
  78. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 今のお話の海の保全というもの、やはり環境省としても大切に考えていきたいと思いますが、やはり環境省は国立公園を始めそういったところを所管をしておりまして、そういう中でのサンゴ礁とかそういったものはやはり生態系に大変大切なものでございますので、そういったものについてもしっかりと注視をしていきたいなと、このように思っております。
  79. 櫻井充

    櫻井充君 済みません、国立公園だけではございません。地球環境の保全と書いてあります。地球環境の保全と書いてあって、野生動物の種の保存も書いてございます。ですから、別にこれは、大臣、国立公園に限ったことではないんです。  しかも、「環境の保全に関する関係行政機関の事務の調整に関すること」とも書かれていて、防衛省側はあそこのところに基地を造っていきたいと。だけれど、ああいうやり方で本当に環境について大丈夫なのかどうかの判断は政府内で誰かがきちんとした形で検討しなければいけないわけであって、ここのところは農水省がやる仕事じゃないと思うんですよ。農水省が何で出てきて、その漁業権と、それからこういった、種の保存ではなくて、何といったらいいんでしょうか、環境の面からではなくて、魚の量をどういうふうになるのかとか、そういう観点しかないわけですよ。ところが、そのほかのものについては農水省には権限がないので、ほかのものの環境破壊が起こっていることについては恐らく口出しができないはずなんですね。  この点については、私は環境省がちゃんと、ここに所掌事務として書かれているわけであって、所掌事務に書いていないようなことを拡大解釈してここまで書いてこられるのであれば、所掌事務として書かれていることについてきちんと対応すべきだと思いますけどね。この点についていかがですか。
  80. 塚本瑞天

    政府参考人(塚本瑞天君) お答えをいたします。  環境省設置法の第四条の第二号におきましては、環境保全に関する関係行政機関の施策にそごが生じないように整合性を図るための調整事務をするという規定があります。個別具体の事業における環境保全の取組については、それぞれの関係法令に基づいて調整が行われるものと認識しております。  同法の第十六号の野生生物の種の保存、野生鳥獣の保護及び狩猟の適正化その他生物の多様性の確保については、それぞれの個別法令に規定されている範囲で適切に対応しているところでございます。
  81. 櫻井充

    櫻井充君 答えになってない。本当は止めてもいいんだけどね。  そういうふうなことばかり言うけど、じゃ、例えばさっきの環境教育はどうなのかと。「持続可能な開発」と言っているけど、関係法令では持続可能な開発についての教育なんて一言も書いてないんです。環境基本法の中の教育のところは、「環境の保全に関する教育」なんです。いいですか。ちゃんとここのところは守ってくださいよ。自分たちがやっていることは拡大解釈し、人から言われたことについてはブロックしていくと、こういうやり方だったら何の意味もないじゃないですか。  委員会でこういうことがあったら、それはそれでちゃんと検討してくださいよ。こちら側だって別に、繰り返しになるけど、何というか、環境省をたたきたくてやっているわけじゃなくて、応援隊としてやっているんですよ。だって、大臣所信でここにこう言っているんですよ。海の恵みに支えられていって、「この自然の恵みを評価し、」、いいですか、「この自然の恵みを評価し、将来にわたって享受できるよう、これを守る取組を国民全体に広げてまいります。」と書いてあるんですよ。言っているんですよ、大臣の所信で。そこまで書いているんでしょう、あなた方が。大臣ここまで言っているんですよ。海の環境が守られるのかどうか、私はちゃんと環境省がやるべき仕事であって、あれが政府全体の中で農水省がやるということについて、私はおかしいと思います。大臣、いかがですか。
  82. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 我々、森、里、川、海のそういったものを、享受できるものをしっかりと守っていかなくてはいけないということで、それぞれ、海についても我々は様々なものを享受している自然を大切にしていかなくてはいけないという、そういう精神は大変環境省としても大事なものであると、このように思っております。  ただ、やはり今個別具体的なものについては、やはりそれぞれの関係法令に基づいて今動いているというもの、調整が行われているものであって、例えば今、大浦湾、辺野古地区における生物多様性の保全は大切であるということはもう重々承知をしているところでございますが、こういった様々な工事等が動いているわけでありますけれども、環境配慮については環境影響評価の結果等も踏まえてその事業をしている事業者が適切に行われるべきものであると、こんなふうに思っております。
  83. 櫻井充

    櫻井充君 済みません、最後、事業者がというのは、それは事業者がやるかやらないかについて、やったことについて環境保全されているかされていないか、されていなかったら、されなかったら、それについてただ見ているんですか。それは各事業者に任せっきりですか。それは違うでしょう。  今回の場合には漁業権とかいろんなことがあって、農水省に対する関係なので農水大臣が今対応していますけれども、農水省が対応していますが、本来であればこういったものもこれからは環境省がきちんとやっていくべき事項ではないのかと思っているんです。  それから、先ほどの健康のところでありましたが、今度はPM二・五についての大気汚染、ここ触れていますが、非常に気になるのは、「排出抑制対策推進します。」と書いてあるんです。済みませんが、PM二・五なんというのはほとんど中国から来ているようなものじゃないですか。それを何でこんな「排出抑制対策推進します。」と、こういう書き方になるんですかね。
  84. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) お答え申し上げます。  PM二・五に関しましては大陸からの影響が大きい点もございますけれども、今私ども専門委員会で、中環審の専門委員会検討を進めておりますが、我が国におきましても地域によって大陸からの影響の度合いは様々であるということでございます。例えば、九州におきましては過半は大陸からの影響ということでございますけれども、関東におきましてはむしろ過半は国内の発生源ということでございますので、国内においてもしっかりとした対応を取る必要があるというふうに考えておりまして、その点につきまして言及をさせていただいたものでございます。
  85. 櫻井充

    櫻井充君 済みませんけれども、「排出抑制対策」と書いてあって、全てが国内じゃないんですよね、少なくとも。そして、今お話があったとおり、九州などは大半が大陸からのものだということなんでしょう。だったとすると、これはこのような書き方をしてくると、国内で何とでもなりそうな形の書き方なんですよね。違いますかね。  そうではなくて、ちゃんともう少しこういったことについてきちんと日本政府として述べるべきですよ、抑制させるようにですね。その後に、「あわせて、中国を始めとするアジア各国と、大気汚染対策に関する協力を推進します。」と書いてあるけれども、こんな生ぬるい言葉じゃないですよね。環境を保全していくためにちゃんときちんとした対策を取らせますとか、そういうもっと協議をしていくとか、そういう前向きなことを書いていくべきだと私は思いますけれどもね。  いずれにしろ、もう時間なので、大臣、私は環境政策ってすごく大事なことなんだと思っているんです。例えば今のPM二・五一つ取ったってそうですよ。黄砂でいろんなものが運ばれてきていて、多分ウイルスは付いてこないでしょう。ただし、細菌などは土があれば一緒にくっついてきますからね。そうなってくると、様々なまた病気を引き起こすことにもなるでしょうし、その上で健康被害などが国民の皆さんに大きな影響を及ぼしてくるようなことになってくるんだと思っているんです。  ですから、そういう意味で環境政策そのものがすごく大事であって、行政というのはスクラップ・アンド・ビルドです。ビルドしなければいけない部分はどんどんビルドすべきですよ。もちろん、不要なところはスクラップしていくことが大事ですがね。  そういう意味で、もう一度、環境省全体を、原点に返ってどういう仕事をしていくのかということを御確認いただいた上で、改めて環境省設置法を含めて考えていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  86. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  87. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政等基本施策に関する件、公害等調整委員会業務等に関する件及び原子力規制委員会業務に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  88. 杉久武

    ○杉久武君 公明党の杉久武でございます。今国会も島尻委員長始め委員皆様、また望月大臣並びに関係皆様には引き続きどうぞよろしくお願いを申し上げます。  それでは、通告に従いまして、順次質問をいたします。  さて、最初の質問に入りますが、既に午前中の他の委員からもございましたけれども、中間貯蔵施設の問題につきまして私の方からも、同趣旨の点もございますが、改めて何点か質問をしたいと思います。  今月十三日から中間貯蔵施設への廃棄物の搬入が開始されたわけでございますが、最初の搬入につきましては大熊町の仮置場から開始されまして、また、双葉町での搬入につきましても、昨日、二十五日には開始をされたと午前中の答弁でもお話をいただきました。今年一月に搬入をという当初の目標からは遅れてはおりましたけれども、ともかくも施設への搬入が開始できましたことは、福島除染と復興の推進に大きな一歩を踏み出したというふうに考えております。  当面は輸送上の課題や安全対策などを検証するためのパイロット期間、試験運送段階とのことではありますが、放射性物質を含む廃棄物を前例のない規模での搬送する作業でございますので、地元皆様の不安は当然根強いものがございます。また、地権者皆様に対しても、不安解消に向け、安全性、透明性はもとより、引き続き分かりやすい丁寧な説明と、地権者皆様の苦しみを我が苦しみとした、同苦といいますか、寄り添った形での一層の対応が求められていると思います。  また、今後の課題として、午前中も出てまいりましたが、二千四百人余りの地権者との用地交渉、これも進んでおりませんので、用地確保に至ったのは僅かにすぎないということが午前中でも判明をいたしておりますが、そこで質問をいたしますが、輸送時の安全確保に向けた環境省取組について伺いますとともに、現在までの用地確保の現状と今後の見通しにつきまして改めて伺いたいと思います。
  89. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) お答えを申し上げます。  まず、輸送段階での安全確保ということでございますけれども、先生指摘いただきましたとおり、現在パイロット輸送を始めたところでございます。このパイロット輸送を始めるに先立ちまして輸送実施計画というものを策定いたしておりまして、これにつきましても、地元関係機関にお入りをいただきました連絡調整会議で案の段階からお示しをして、安全の確保を含めまして協議を進めさせていただいているところでございます。  数点申し上げますと、例えば、事故はあってはならないということであるわけでございますけれども、仮に事故があった場合にどのように対応するかということで、どのような形で関係の機関に通報させていただくかということでありますとか、あるいは、どのような形でその事故車両に対応していくのかということを、警察や消防、道路管理者なども交えて連絡体制を構築をしたりしているところでございます。  午前中の御質疑の中で申し上げました情報公開はもとよりのことでございますけれども、そのような形で、パイロット輸送の形で様々な事項を現実に確認をいたしまして、安全、確実な輸送に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、二点目の用地の確保の問題でございます。  これにつきましては、先生指摘いただきましたとおり、地権者の方、現在、登記記録上では約二千四百名ということでございます。環境省として、連絡先が把握できております地権者の全ての皆様には連絡を取りまして、順次個別訪問等による丁寧な説明に努めているところでございます。また、建物を所有されている地権者皆様については、御了解を得て物件調査をしております。並行して、連絡先が不明な地権者方々につきましては、登記記録に記載されている地権者方々の戸籍簿などを調査することで特定の作業を進めているところでございます。  また、建設予定地の住民皆様先生指摘のとおり、先祖伝来の土地を手放さなければならないなど、様々な思いがあるというふうに承っております。地権者を始めとする皆様に親身に寄り添って丁寧な説明をしていくことが重要と考えておりまして、大臣からも再三指示を受けているところでございます。用地担当の職員も、用地を取得していくためには増員を行っていくことが必要だというふうに考えておりまして、そのような予定がございます。  地権者皆様に御理解いただけるよう、今まで以上に精力的に地権者方々への丁寧な説明を行ってまいりたいというふうに考えております。
  90. 杉久武

    ○杉久武君 是非とも環境省挙げて丁寧な対応を続けていただきたいというように思います。  次に、除染について伺いたいと思います。  今月三日、竹下復興大臣が報道各社から受けましたインタビューの中で、避難指示区域のうち最も放射線量が高い帰還困難区域の除染につきまして、全域やることはあり得ないと述べたという報道がございました。そして、これら区域の除染については、国道など必要性の特に高いインフラや拠点を優先して、それ以外は地元の意向を踏まえ検討するという考えを示されたという、こういった報道がございました。  この報道はどうも言葉尻だけが先行してしまった感はありますが、ともあれ帰還困難区域にお住まいであった皆様からは、他の避難指示区域と同様に面的な除染を行ってほしいとの切なる希望、願いを政府は真正面から真摯に受け止めていただきまして、政府一丸となって除染に取り組んでいただきたいと私からも強く要望をしておきたいと思います。  そこで、環境大臣に質問いたしますが、帰還困難区域の除染に対する政府の考え、方針につきましていま一度ここで確認をさせていただきたいと思います。あわせて、除染全般の進捗状況環境大臣の御決意を伺います。
  91. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 御質問の除染を含めた帰還困難区域全体の今後の取扱いについてでありますが、これはもう放射線量の見通し、今後の住民方々の帰還の意向、それからまた、将来の産業ビジョンや復興の絵姿等を踏まえて政府として地元検討を深めていくこととしております。さらに、各町村において復興計画が定められれば、それを踏まえて対応してまいりたいと、このように思っております。  一方、帰還困難区域内であっても、復旧復興や住民の移動のために特に必要の高い公益的なインフラでありますけれども、あるいはまた拠点については除染を実施してきております、もう既に。今後とも、地域の復旧復興のために重要な施設やインフラについては個別に除染を実施してまいりたいと、このように思っております。  除染は、やはり何といっても福島の復興のためには極めて重要だと我々認識しておりまして、国直轄で行う面的除染については十市町村のうち四市町村及び常磐自動車道でありますけれども、既に終了いたしまして、この間、テープカットもさせていただきました。三町村の住宅部分においても全部又はおおむね終了をしております。市町村が行う除染につきましても着実な進捗を見せており、適切な支援を行ってまいりたいと、このように思います。  引き続き、復興の動きと連動した除染を進める、それから更に加速化を図るべく全力を尽くしてまいりたいと、このように思います。
  92. 杉久武

    ○杉久武君 是非とも地元住民皆様の意向をしっかりと酌んでいただいて、一日も早い除染を進めていただきたいというように要望させていただきたいと思います。  次に、もう一つ確認をしておきたいことがあります。  除染や処分など、国の方針の基となっております放射性物質汚染対処特措法でございますが、平成二十四年一月に完全施行されてから既に三年が経過をしております。この特措法は、施行から三年後の見直しについて規定がなされているところでございまして、環境省では、間もなく有識者会議設置して、夏頃までに結論を出すと聞いております。  そこで、環境省確認をさせていただきます。  この有識者会議検討スケジュールについて、今後どのようになっていくのか、答弁をお願いいたします。
  93. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、放射性物質汚染対処特措法では附則の第五条におきまして、「この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるもの」とされているところでございます。  それで、先生指摘いただきましたとおり、環境省では、有識者から構成される検討会を設置をさせていただいているところでございまして、実は今月の三十一日に第一回を開催するということでございます。それで、その検討会におきましては、除染でございますとか中間貯蔵でございますとか、あるいは廃棄物の処理処分等に関します法律の施行状況全体につきましてしっかり点検をしていただきたいというふうに考えているところでございます。  事務局の立場といたしましては、夏頃に取りまとめを行っていただきたいというふうに考えているところでございますけれども、まず、第一回の検討会におきまして委員先生方の間で御議論いただきまして、その中で少し次回以降の検討スケジュールについても併せて検討を進めていきたいというふうに現在のところは考えているところでございます。
  94. 杉久武

    ○杉久武君 しっかりと進めていただきたいというふうに思います。  次に、福島第一原発事故収束作業につきまして伺いたいと思います。  まず、汚染水の処理問題でありますが、二〇一四年度内に完了するとの目標であったかと思いますが、東電は今年一月には年度内処理を断念され、本年五月末まで掛かるとの見通しが明らかにされました。さらに、今月に入りましてからは、それも難しいという報道もございました。また、同じく今月中に開始を目指しておりました凍土遮水壁の運用につきましても、遅れるとか、一部には不要であるとか、いろいろな報道が出てきていると思います。  汚染水の処理作業は極めて困難なものであることは私自身も十分に承知をしておりますけれども、やはり国民に対して、なぜ作業が遅れるのか、必要なものが不要になるのか、その理由について、政府としてやはりもっと丁寧な説明が必要なんではないかと。やはり国民の皆様の信頼を損なうことのないように、この点については私自身も非常に危惧をしているところでございます。  特に、先ほど申し上げました凍土遮水壁について、これは原子力規制委員会の監視検討会で議論が重ねられ、推進されているという議論ですが、先月の一部報道では、そもそも不要ではないかという議論がされているとございました。この報道の真偽につきまして、この報道は一体どういうことなのか、また現在の遮水壁の審査の状況について答弁をいただきたいと思います。
  95. 山田知穂

    政府参考人(山田知穂君) お尋ねのございました凍土方式によります遮水壁に関しましては、原子力規制委員会と、それから特定原子力施設監視・評価検討委員会、この場で議論を行っているところでございます。  本年二月に開催をいたしました特定原子力施設監視・評価検討会、この場で一号機から四号機までを長方形の形で取り囲みます遮水壁の海側の一辺、ここの部分について、メリット、デメリットを比べて次のステップへ進むべきではないかといった、そういったような議論はさせていただいているところでございますけれども、このことを含めまして遮水壁について様々な議論は行っておりますけれども、その全体が不要であるといったような議論を行っているところではございません。  遮水壁の審査の現状でございますけれども、山側にございます長方形のうちの三辺の遮水壁につきましてはもう既に工事の認可をしてございまして、また、凍土の土を凍らすために必要な冷凍機、これへの電源供給設備、これにつきましても認可をしているところでございます。現在は、海側にありますもう一辺の遮水壁の工事ですとか、建屋周辺の水位の変化に応じた安全対策、それから山側の遮水壁に係る追加工事、これについての審査を行っているところでございます。  規制委員会におきましては、引き続き東京電力取組をしっかりと監視してまいりたいということで進めているところでございます。
  96. 杉久武

    ○杉久武君 ありがとうございます。  今御説明いただいたとおり、やはりまだまだ私自身は、そういった情報発信の点については、正確な情報を国民に伝えていくというところについて更なる努力が必要なのではないかなというように感じているところでございます。  やはり私自身は、原子力規制委員会が主導性を発揮してこの収束作業に向け事態をどういうふうに改善をしているのか、どういった努力をされているのか、まだまだ報道ベースでは伝わってこない、むしろ逆に混乱をしているというような感じを受けますので、その点については残念な点ではないかと思います。  収束に向けた作業そのものは、未曽有のことですので、現場では大変な状況であるとは思いますが、国民の皆様に対して、やはり私は政府の責務として不安を安心に、そして不満を納得に変えていくことが必要ではないかと思っております。この点からも、作業に何らかの遅滞が生じた場合は、何が原因なのか、そして今後の見通しはどうなのか、やはり国民の目線から具体的に、また分かりやすく、そして丁寧に説明をしていくという姿勢を、規制委員会だけでなく、環境大臣を始め復興に携わっている皆様にもう一度再確認をしていただきたいと思います。  そして、質問に移りますが、原子力規制委員会が今日まで行ってきた原発事故収束に向けた作業につきまして、具体的な成果というものについてうまく発信されていないんではないかというような感想を持っております。そして、先ほど来申し上げておりますとおり、単に委員会検討会の議論の場を公開するだけではなく、国民の皆様に対する説明責任を果たしていかなければならないと思います。  ですので、例えば原子力規制委員会の専門性から見た事故収束に向けた作業の具体的な課題等につきまして一層分かりやすく発信すべきではないかと考えますが、これらについて見解を伺います。
  97. 山田知穂

    政府参考人(山田知穂君) 福島第一原子力発電所廃炉に向けました計画につきましては、実施計画という形で私ども審査をしているところでございます。これにつきましては、重要な論点を含むものにつきましては、規制委員会本体ですとか、先ほど来申し上げてございます特定原子力施設監視・評価検討会、この場で公開で議論をさせていただいているところでございます。また、この状況につきましては、リアルタイムでの動画の配信ですとか、資料、議事録を全て公開をさせていただきますとか、できる限り積極的な情報発信に努めているところでございます。  今後とも、原子力施設の安全確保、重要性につきましては国民の関心というのは高いということは重々承知をしてございますので、情報の発信を含めまして、業務運営の透明性につきまして取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
  98. 杉久武

    ○杉久武君 そういった情報公開、開示というのは非常に大事ではあるんですけれども、オープンにすれば分かりやすいかといえば、そういう面ではないと思います。会議をリアルタイムで見せればそれで国民が理解できるかというのはまた別の問題だと思いますので、やはり国民目線での情報開示という点について努力を続けていただきたいというように要望させていただきたいと思います。  次に、原子力規制委員会の組織の観点から伺います。  現在、原子力規制委員会環境省の外局として設置されておりますが、原子力規制委員会設置法には、施行後三年以内、つまり今年の九月までに原子力規制組織について見直しを行う旨の規定が置かれておりまして、現在、内閣官房に小里原子力防災担当副大臣を座長とする検討組織が設置されているとお聞きをしております。  そこで、お伺いしますが、検討組織ではこれまで二回会議が持たれていると聞いておりますが、見直しに向けた現在までの状況と今後の見通しにつきまして御答弁をいただきたいと思います。
  99. 小里泰弘

    ○副大臣(小里泰弘君) 御指摘原子力規制委員会設置法の附則におきまして、原子力利用の安全確保に関する行政組織について三年以内に検討を行い、必要な措置を講ずることとされております。このため、お話をいただきました検討チームを設置し、検討を進めてまいりました。そこでの議論、検討を踏まえまして、昨年十月には、内閣府の原子力防災担当の体制強化充実のために政策統括官の新たな設置、その下に五十名のスタッフの設置を行ったところでございます。  さらに、国と自治体が一体となって避難計画の策定支援等を行うための地域原子力防災協議会、以前のワーキングチームでありますが、これを設置しまして、大規模複合災害への対応を強化することとしたところでございまして、これは四月から始動をしてまいります。  今後、利用と規制の分離、そして原発に係る安全の確保ということを大前提にしながら、引き続き検討を行ってまいります。
  100. 杉久武

    ○杉久武君 続いて、福島の震災復興に大きな光となっております、昨年六月に当時の経済産業副大臣でありました我が党の赤羽一嘉衆議院議員が座長になって取りまとめました福島・国際研究産業都市構想、いわゆるイノベーション・コースト構想について伺いたいと思います。  御承知のとおり、福島県の浜通りの自治体では、これまで原子力関連企業が地域経済の大部分を担っておりまして、一万人とも言われる雇用を生み出しておりましたが、震災で浜通りの産業基盤は喪失をしてしまいました。  そこで、このイノベーション・コースト構想では、廃炉やロボット技術に関連する研究関連や再生可能エネルギー、そして農林水産業等のプロジェクトを苗床として、将来的な新産業や雇用の創出につなげていくものでございます。この構想に対する福島県の皆様の期待はとても強いものがございます。政府は一丸となって構想の早急な実現に向けて、具体化に向けて取り組んでいただきたいと念願をしております。  このイノベーション・コースト構想の早期の具体化に向け、これは環境省だけの取組ではございませんが、環境省としても政府一丸という立場から一層の後押しをお願いしたいと思うのですが、イノベーション・コースト構想に対する環境省のアプローチについて伺いたいと思います。
  101. 小里泰弘

    ○副大臣(小里泰弘君) お話をいただきましたように、赤羽前経済産業副大臣が主導をしてきたイノベーション・コースト構想についてのお尋ねでございます。  福島浜通り地域におきましては、震災、原子力災害によりまして産業基盤が失われまして、また現在でも多くの方々が避難をされているところでございます。今後、順次帰還される住民方々はもとよりでありますが、新しい人、新たな産業を呼び込んで、雇用、生活基盤の確保をしっかり行って、図っていかなければならないところでございます。  福島の将来的な新産業の可能性を示すイノベーション・コースト構想でございまして、これもお話しのとおり地元からも大変な大きな期待が寄せられているところでございます。  環境省としましても、地元皆様関係省庁と連携を図りながら、例えばスマート・エコパーク構想といった、直接環境省関係する構想に限らず、それぞれの構想が復興への有力なツールとなっていくことと認識をしているところでございまして、しっかり連携を図りながら必要な協力をしてまいります。
  102. 杉久武

    ○杉久武君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  時間がなくなってまいりましたので、私もCOP21については質問を用意しておりましたが、ちょっと時間がありませんので飛ばさせていただきまして、最後の質問をさせていただきたいと思います。  地球温暖化に関連しまして、地域低炭素投資促進ファンド事業、これについて伺いたいと思います。  この事業については私自身も強い期待を持っているところでもありますし、地方創生という観点からも非常に有益ではないかと思いますが、例えば意欲があっても資金繰りなどのノウハウが不足しているような、特に地方でのこの低炭素社会のプロジェクトの実現というのは非常に大切ではないかと思っております。  そこで確認をしたいのですが、この地域低炭素投資促進ファンド事業のこれまでの実績、効果、具体例につきまして、地方創生の観点から是非お願いしたいと思います。ちょっと時間がなくなっているので、簡潔にお願いいたします。
  103. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 御指摘地域低炭素投資促進ファンド事業でございます。おっしゃいますように、一定の採算性が見込まれますが資金調達には苦労されている、こういった地域の再生可能エネルギー事業などの低炭素化プロジェクト、これに民間資金を呼び込むということで、出資による支援を行うものでございます。平成二十五年度に事業を開始いたしまして、現在までに八件の出資決定、合計十五・五億円の出資上限額を設定をしております。  具体例ということでございましたが、例えば福島県の地元企業が中心になって取り組む分散型の太陽光発電事業でございましたり、あるいは大分県の温泉熱発電等に投資をする、これは地域のファンド、こういったもの、また北海道の市民ファンドも活用した風力発電事業などに対して出資を決定しているところでございます。  効果でございますが、事業の大きさによって違いますが、それぞれCO2削減効果しっかりはじいておりまして、これが上がることを期しております。そして、このファンドの出資が呼び水になりまして、おおむね私どもの計算ですと七倍以上ぐらいの民間資金がここに投入されてくると、こういう見通しを持っておりまして、これが地域の経済波及効果、雇用効果なども生むということで、御指摘ございました地域創生、地域活性化ということに対する効果も見込んでいるものでございます。  引き続き、低炭素化、それから地域活性化ということに資するプロジェクトの実現をしっかり後押しをいたしまして、再生可能エネルギーなどの自然資本を活用した地方創生の取組に貢献してまいりたいと考えているところでございます。
  104. 杉久武

    ○杉久武君 時間になりましたので質問を終わります。  ありがとうございました。
  105. 清水貴之

    清水貴之君 維新の党の清水貴之です。どうぞよろしくお願いいたします。  私も、まずは中間貯蔵についてお聞きしたいと思います。  十三日に最初の廃棄物が持ち込まれたということで、三十年以内に県外というその三十年の時計の針が動き出したわけです。必ずこの三十年以内というのはもう地元のためにも守らなければいけない重大な約束事なんですが、ただ、これまでの議論を聞いておりましても、やはり最初の土地の取得のところからなかなか思うように進んでいなかったり、三十年って長いようですけれども、やらなきゃいけないことは山ほどありますので、しっかりと計画性を持って進めていかなければいけないと思うんですけれども、環境省福島県、大熊双葉両町が結んだ安全確保協定では、環境省による最終処分までの工程表の作成を義務付けているというふうに聞いています。  まずは、その工程表の作成、今どのように行われているのか、そして最終処分までの工程はどうなっていくのか、これを教えていただけますでしょうか。
  106. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) お答えを申し上げます。  最終処分までの工程に関しましては、八つのステップというものを公表させていただいておりまして、進めていくことといたしております。  その中では、放射能の物理的な減衰を踏まえつつ、幅広く情報収集をしながら、まず研究、技術開発、減容化、再生資源化等の可能性を踏まえた最終処分の方向性の検討にしっかり取り組むこととしているところでございます。例えばでございますけれども、平成二十七年度予算案におきましても、最終処分に向けました除去土壌等の減容、再生利用に関する技術開発等を実施するための予算を計上させていただいているところでございます。  こういう取組を進める中で、現在八つのステップという形で示させていただいているところでございますけれども、可能な部分から順次具体化をいたしまして、より具体的な取組内容と実施時期を段階的にお示しすることにつなげていきたいというふうに考えているところでございます。  他方で、できるだけ早い段階から関連技術の研究開発の成果でございますとか安全性につきまして丁寧に説明情報発信を行うことによりまして、県外最終処分の実現に向けまして全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  107. 清水貴之

    清水貴之君 工程表なんですけれども、工程表自体はいつ頃どのような形で出てくる見込みでしょうか。
  108. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) 工程表という形でしっかり年限を切った形のようなものにするには、まだまだ技術開発でございますとか検討の期間をいただきたいというふうに考えております。  ただ、先ほども御答弁申し上げましたとおり、全体が明らかになって初めてお示しするということではなくて、お示ししております八つのステップの中で一体どういう部分が具体化をしてきているのかということ、あるいはそれがどの程度であれば時期的な目安となっていくのかということをむしろ逐次、順次お示しをしていくというような形で理解の促進につなげてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  109. 清水貴之

    清水貴之君 私もそう思っていまして、最初に出したものがこれ全てではもちろんありませんで、その後、おっしゃるとおり、技術開発などで減容化の技術などが進んだら処理する量も減ってくるわけですから、その都度その都度アレンジしていけばいい話ですので、なるべく早い段階で、やっぱり全体の工程、これを見ていくのも大事だと思います。それが絶対ではありませんので、示していく方向で検討いただければなと思います。  それを踏まえて、やはりこれは僕はもう繰り返しこのJESCO法の改正案が去年審議されたときにもお話しさせていただきました、この三十年以内、これは絶対に守らなければいけないと思っています。三十年後の世界がどうなっているか、ここにいる我々はもう誰も分からないわけで、三十年たって、やっぱり無理でしたでは、これはもうとてもとても地元方々に顔向けできないような話になりますので、大臣に改めて、ここはもう絶対守るんだという決意を、これはもう僕は繰り返しお聞きしようと思っているんですけれども、改めてお示しいただきたいと思います。
  110. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 先生今御指摘の昨年改正していただいた改正JESCO法において、中間貯蔵施設開始後三十年以内に、福島県外最終処分完了するために必要な措置を講ずると規定されているところでございます。県外処分に向けて、政府として全力で取り組んでいきたい、これはもう法律で決めましたので、我々がもう全責任を負ってこれを進めていくと、こういうことだと思います。  それからまた、今様々お話ございましたが、三十年の間に、この内容についてでありますけれども、物理的減衰、それからまた放射性セシウム濃度が約三十年後には四割程度に下がると、そういうようなことが見込まれます。現時点で想定される土壌や廃棄物の総発生の見込み量が約二千二百万立方メートル、よく言うのは、あそこの十八杯分だということでございまして、大部分を占める土壌については、これ一キログラム当たり八千ベクレル以下のものが約半分の一千万立方メートル程度を占めております。そして、これについては物理的減衰のみで、技術的にはこれは覆土を、周りに覆土を適切に行うことによって、公共工事等で一応再生利用が可能なレベルになるとこれは考えております。  そしてまた、これより濃度が濃い土壌もございます。これについては、減容化技術の活用によって、これまた高濃度のものと低濃度のものと分ける、そういうことができると考えております。そういったことで、このような減容化技術の開発と活用により、できるだけこれは再生利用可能な量を増やして、最終処分の量をうんと減らしていくと、これに取り組んでまいっております。  こういったことを十分にやはり国民に、今こういうような状況になってここまで来ましたというものを説明して、理解を得ながら、これ最終的には福島県外最終処分完了するように政府を挙げて全力で取り組んでいくと、こういうことでございます。
  111. 清水貴之

    清水貴之君 我々もそうですが、もう是非その思いをずっと持ち続けて活動していっていただきたいなというふうに思います。  という一方、やはり用地確保の問題です。これまでにも出ていますけれども、まだほとんど確保ができていないと。地権者連絡先が分かったのは半数ぐらいの方にとどまっているという状況なんですが、もちろん今必死に作業はされていることだと思うんですが、残りの半数、およそ千二百人の方というのは、これはどうなんでしょう、連絡先が判明する、連絡が付く見込みがあるんでしょうか、それとも厳しいんでしょうか。
  112. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) お答え申し上げます。  登記の記録等で連絡先を把握できないという場合でございますけれども、その不明の方々につきましても更に戸籍簿などで調査をいたしまして地権者の特定作業を進めているところでございます。相続等で土地等が引き継がれていっているということでございますので、調査を進めてしっかりと地権者の特定をして、御説明をさせていただくようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
  113. 清水貴之

    清水貴之君 そうですね、いろいろともう手だてを打ってやっていらっしゃるのも分かるんですが、これ本当に現時点で半分の方が分からないというのはかなりの数字でして、これは消えた年金記録問題とかと私ちょっと重なるんですけれども、やはり最後の一人までと最初は言っていましたけれども、頑張るのは非常にもう大事ですし、そうやっていらっしゃるのも分かるんですが、できないものはできないんだと思うんですね。どうしても判明しないものとか、どうしてもできないことってやっぱり生じてしまう可能性もあると思うんです、それをないようにもちろんされているとは思うんですけれども。その場合にどうするかということも考えて、いや最後の最後まで、一人までと言っていて、それだけで十年、二十年掛かってしまったら作業が進まないわけですから、そのリスクというのも考えながら僕は進めていかなければいけないなと思うんですが、それはいかがでしょうか。
  114. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、まだ半分近くの方が不明という状態でございますけれども、まずは個々の方々情報をしっかりと把握をして、それぞれの地権者方々にアプローチをしていくということがまずは第一だというふうに考えております。  それで、これは土地はそこにあるわけでございますので、必ず所有者の方おられるということでございますので、一部の方でも相続されている方が分かれば、それを伝っていくことによりましてしっかりと把握ができていくというふうに考えているところでございます。  ただ、いつまで時間を掛けてもいいということではないというのは御指摘のとおりでございますが、まずはその地権者の方の把握に全力を投入させていただきまして、担当の職員も増やさせていただく予定にいたしております。その中で、そういうプロセスの中で、一体どういう事例が判明しにくいのかということを整理していった上でまた次の対策を考えていきたいというふうに考えております。
  115. 清水貴之

    清水貴之君 ということは、現時点では全件判明することが可能だという認識でよろしいでしょうか。
  116. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) お答え申し上げます。  全ての土地につきまして所有者の方の情報を得るということで今努力を進めているところでございます。
  117. 清水貴之

    清水貴之君 続いてなんですけれども、福島以外のところの問題、指定廃棄物の問題もお聞かせいただきたいと思います。  宮城、栃木、茨城、千葉、群馬、一か所ずつ処分場を造る方針だということなんですが、こちらの方も、どうも報道などを見ておりましても、なかなか順調に進んでいるようには感じられません。もちろん、これも努力はすごくされているんだと思うんですけれども。その候補地になったところに環境省の職員の方が行って、でも、地元の方とぶつかって、ああいう映像が流れてしまいますと、やはり我々見ていて大丈夫かなと、本当に地元の方の同意は得られるのか、丁寧に話は進んでいくのか、といいながら、でも仮置きしているそのものはもう四年以上になってずっと置きっ放しなわけですから何とかしなければいけない、この状況はどう打開していくのかなというふうに純粋に思ってしまうんですが、どのように進んでいくのでしょうか。
  118. 鎌形浩史

    政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、福島以外の五県につきまして、それぞれの県の中で処理を進めるという方針で処理施設をそれぞれ造ろうということでお願いしているところでございます。  やはり、丁寧に御説明する、丁寧に意見交換に心掛けるというところがポイントだと考えてございまして、候補地の選定に当たりましても、調査の候補地でございます、その選定に当たりましても、各県で市町村会議、知事とそれから各首長さんたち全てお集まりいただく会議を積み重ねまして、そこで具体的な選定手法について議論をして、各県共通の部分もございますが、一部ローカルルールと申しますか、例えば千葉県であれば民有地も含めるとか、幾つかそういったそれぞれの県特有のルールも含めて丁寧に定めて、そしてその上で詳細調査の候補地を選定して、提示をして、また政務以下環境省の職員通うことによって丁寧に説明をしていると、これを今現在進行形で進めているということでございますけれども、今後とも丁寧な説明、丁寧な意見交換に努めてまいりたいと考えてございます。
  119. 清水貴之

    清水貴之君 ということは、今、その処分の方法なんですけれども、一月の茨城県の首長会議では分散保管を求める声が出たというふうに聞いています。こういった、例外といいますか、地元地元の要望に合わせた声にも対応していくということでしょうか。
  120. 鎌形浩史

    政府参考人(鎌形浩史君) 今、茨城県の事例、御指摘いただきました。  私どもといたしましては、できるだけリスクの少ない処理を進めていくという上では、一か所に集約した方法が安全だというふうに考えてございますけれども、様々な意見がございます。  御指摘の茨城県につきましては、やはり一か所に集約してほしいという御意見、あるいは分散して保管して進めていくべきだという御意見、結構拮抗した御意見ございます。アンケート調査などもやりましたし、市町村会議でも御意見賜りました。  そういうことで、特に茨城県につきましては、そういった御意見もあったので、近々、指定廃棄物を保管していらっしゃる市町村にお集まりいただきまして議論をすると、そういうステップを踏もうというふうに考えてございまして、それぞれに応じた意見交換なり丁寧な御説明のやり方を考えているということでございます。
  121. 清水貴之

    清水貴之君 最初は各県一か所で始まったことだと思いますので、いろいろと各地域に合わせたのはもちろん大事だと思うんですけれども、またここでルールの変更とか例外がとかになりますと、これまたまとまるものもまとまらなくなってきたりする可能性もあると思いますので、その辺もしっかりと詰めて進めていっていただければというふうに思います。  続いて、汚染水と廃炉対策の費用のことについてお聞きしたいと思います。  これ、朝日新聞の記事ですが、東電と国が既に五千九百億円負担しているということで、一三年度までに東京電力は四千億円を支出、政府も国費で千八百九十億円を支出しているということなんですが、これがなかなか効果が、もちろん出ていればいいんですが、そうでもないものもたくさんあるという話なんですね。汚染水をためるボルトを使った貯蔵タンクに百六十億円使ったけれども、これが汚染水漏れが発覚したと。除染装置を付けたけれども、三百二十一億円、これもすぐ廃止が決定しています。蒸発濃縮装置、百八十四億円、これも付けたんですけれども、汚染水漏れが発覚し、すぐにこれも運転を停止しているわけですね。ここまでは東京電力の負担になりますけれども、それ以降もALPSであるとか凍土壁、先ほどもありましたけれども、こういったもの、この辺は国費も入っています。  もちろん様々手当てして何とか止めなければいけないと、またその思いでいろいろいろいろ方策をされている、これも分かるんですけれども、とはいえ、やはり限られた予算でやらなければいけませんし、余りに多額の費用を使って効果が出ていないものも多過ぎるなというふうに単純に思ってしまうんですけれども、この辺りについての認識というのはいかがでしょうか。
  122. 土井良治

    政府参考人土井良治君) 三月二十三日に公表されました会計検査院報告書では、御指摘のとおり、福島第一原発事故直後から、原子炉を冷温停止状態に導くために導入された除染装置、蒸発濃縮装置を始めとして幾つかの対策につきまして御指摘がなされたものと承知しております。  福島第一原発の事故は、三つの原子炉が水素爆発を起こし、炉心燃料の溶融が起こるという未曽有の事故でありました。その汚染水対策もこれはまた世界に前例のない困難な取組でありまして、現場では試行錯誤や改良を続けながら日夜対策を講じているところでございますし、国内外の英知を結集しつつ対策を実施してきているところでございます。  引き続き、改善を図りながら、効果的な対策を重層的に講じていくということが重要だと思っておりまして、東京電力を我々廃炉・汚染水対策チーム、適切に指導していくとともに、国としても前面に立った対応をしてまいりたいと思っております。
  123. 清水貴之

    清水貴之君 私が最初挙げた三つの例は東京電力の負担額、事業費ということになっていますけれども、この辺も国が肩代わりして、本当に回収できるのかという話もありますし、この辺がうまくいっていればALPSとか凍土壁までいかなくてもよかった可能性もあるわけですね。  とすると、やはりこれは国民の負担につながってくるものでもあるんじゃないかとも思いますし、検査院の指摘でも、廃炉や汚染水対策が順調に進まなければ国の資金回収に影響が出かねないというふうな指摘も出ています。この資金回収もしっかりと、もちろん国民負担が増えるわけですからしなければいけません。これについてはいかがでしょうか。
  124. 土井良治

    政府参考人土井良治君) 汚染水対策の方に関しましては、二〇一三年九月に取りまとめました汚染水問題に対する基本方針に基づきまして、汚染源を取り除く、汚染源に水を近づけない、汚染水を漏らさないというような予防的、重層的な対策を持って取り組んでいるところでございます。  先ほど申し上げましたように、日夜試行錯誤しつつ対策を続けているところでございまして、着実に成果が上がるよう引き続き取り組んでいきたいということでございます。
  125. 清水貴之

    清水貴之君 会計検査院の指摘で、国の資金回収に影響が出かねないについては、これはもう影響がないようにしっかりとやっていくということでよろしいでしょうか。──じゃ、次の質問参ります。  温暖化対策についてもお聞きしたいと思います。  大臣、COP20の方、ペルーの方に参加されたということです。実は私も委員派遣で行かせていただく予定だったんですが、衆議院の解散などがあって残念ながら行くことができなくなってしまって、非常に本当に残念なので、行かれたその感想などもお聞かせ是非いただきたいなというふうに思っているわけですが。  特に、午前中に中西委員からもありましたとおり、十か国とバイの会談もされたということで、様々意見交換をして情報収集もされてきたことだと思うんですけれども、私がお聞きしたいのは、EUなどがかなり進んでやっていると。最初はどちらかというと後ろ向きだったアメリカとか中国も大分先進的な取組を始めている、またそういった数値を出してくるという中で、そういうのを直接感じられたことだとは思うんですけれども、そういうのを感じられた上で、日本としてどうしていかなければいけないかとか、他国の取組についてなどいろいろ感じられたことがあると思うんですけれども、その辺りをお聞かせいただけますでしょうか。
  126. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 私、ペルーへ行きましたけれども、ペルーに行って、ちょうど総選挙で、先生もいらっしゃったらその熱き思いがあれだと思うんですけど、私が帰ってきたのが最後の一日だけだったんですけれども。  この気候変動問題でありますけれども、よく言われるIPCC、政府間パネルのあれは第五次でございますか、世界の八百人程度の大変有数な科学者が、これはもう危機的な状況にあると、非常に様々な災害もこういったものに影響しているだろうというようなことを発表しておりますが、これはもう人類が直面する重大かつ喫緊の課題であると、このように我々も捉まえております。  今年のCOP21で、これは今年の暮れにパリで開かれるわけでありますけれども、これに向かって、全ての国が参加する、先ほどちょっとお話しさせていただきましたが、京都議定書も大変大切な、京都と名前の付いた我が国にとっても大変大切な議定書でありますけれども、アメリカや中国やインドが入っていなかったというような形のものでございます。これをもう全ての国が参加して、公平かつそれからまた実行すると、必ず、その数字を出したら。そういう枠組みの構築が極めて重要であると、我々はこのように思います。  私が出席したCOP20では、閣僚級セッションにおいて、二〇二〇年以降の新たな枠組みに関する我が国の考えを発信するとともに、議長国のペルー、それからCOP21議長国のフランス、それから中国、中国はドタキャンになるんではないかななんて実は思っていたんですけれども、私とバイ会談するときに自分がステートメントを発表することになっていましたけれども、代理を出させてわざわざ私に会ってくれました。そして、やはり中国も、今までは一度もそういったものに言及しないし、日本ともそういう会合、バイ会談してもらえないと思ったんですけれども、積極的にお話をさせていただきました。それからまた、潘基文国連事務総長といったそういう皆さんともお会いしましたが、まさに世界がこういった方向に向かっているなというのも感じましたし、それから、何しろ日本に対しては世界一のテクノロジーだと、まさにそういったものを使って貢献してもらいたいと、そういう熱い思いといいますか、そういったものを感じさせていただきました。  これは、実はその中でも、最終的にまとまらないんじゃないかと、COP20がですね、話がありましたけれども、ここにおいても、先進国それから途上国、それから島嶼国ですよね、もうあしたにも島が海の中に沈んでしまうかもしれない、そういう皆さん、様々、適応問題について非常に様々な問題がございましたが、何しろ何とかしなきゃいけないということでCOP20がまとまったところでございます。  そういうようなことを考えて、本当に全ての国が参加する公平で実効的な枠組みを採択できるよう、引き続き我々も一生懸命頑張っていきたいと、こんなつもりでいっぱいでございます。
  127. 清水貴之

    清水貴之君 是非、よく日本そこまで頑張っているなというような、言われるような目標、もう間もなく出てくるかと思うんですけれども、出していただいて、それに向けて皆さん御尽力いただくようよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。
  128. 市田忠義

    ○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。  今日は環境大臣の政治資金問題についてお聞きします。  当委員会で、私、去年の十一月に大臣の賀詞交歓会をめぐる問題についてお尋ねをいたしました。今日はそれは繰り返しませんが、今回、国の補助金を受けている企業から政治献金をもらっているという疑惑が明らかになりました。望月大臣は、静岡市清水区にある総合物流会社鈴与から多額の政治献金を受けておられます。この鈴与というのはどういう企業で、大臣とはどういう間柄か、簡潔にお答えください。
  129. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 鈴与という会社は手広くその仕事をしている総合商社といいますか、そういう会社、様々あると思いますが、そういう会社でございます。  私も地方の議員の時代から大変長らくお付き合いをさせていただいておりまして、この会社は本当に地域にも貢献をしていると。前にもちょっとお話ししたかもしれませんけれども、市の競技場だとか市立病院だとか、それから福祉施設を、法人をつくってそういったものに貢献するとか、そういう地域にとっても非常にお世話になるような、そういう会社でございます。我々はそういった意味では長いお付き合いをさせていただいている会社でございます。
  130. 市田忠義

    ○市田忠義君 単なる総合的な仕事というよりも、この鈴与は、一八〇一年、初代鈴木与平氏が清水港で創業した回漕問屋が起源であります。港湾物流、輸送・倉庫、建設、食品、情報地域開発など、グループ会社が約百四十に上ると。  お聞きしますが、大臣の後援会の会長はどなたですか。
  131. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 私の後援会の会長は鈴与の相談役でございます。
  132. 市田忠義

    ○市田忠義君 これはちゃんと届けられていますから、鈴与の元副社長で現相談役の村上光広氏が後援会長であります。  大臣は二〇〇九年の総選挙で残念ながら落選されました。それで、二〇一一年一月に繰上げ当選されたわけですけれども、その落選しておられた間、鈴与グループの企業の相談役とか顧問をやっておられたことはございますか。
  133. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) ありません。
  134. 市田忠義

    ○市田忠義君 もう一つ確認しておきたいんですが、大臣は二〇〇六年に国土交通副大臣、それから二〇〇八年に衆議院国土交通委員長、それから二〇一一年に自民党シャドーキャビネットの国土交通相をお務めになって、二〇一四年九月でしたかね、環境大臣に就任されたと。これは間違いありませんね。
  135. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 間違いございません。
  136. 市田忠義

    ○市田忠義君 私たちの党の調査によりますと、大臣が二〇〇六年に国土交通副大臣に就任された年から鈴与及び鈴与グループから毎年政治献金を受けられて、二〇一三年までにその金額は鈴与からは一千四百八十万円、グループ全体では四千百六十万円に上っていますが、これは間違いありませんか。
  137. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 先ほどお話ししましたように、私、地方の議員時代から各々の会社とお付き合いさせていただいてもう何十年にもなりますけれども、そういったことで、今、グループという話がございましたが、グループからの献金ということは考えておりません。  政治資金収支報告書の保存期間は三年でございますので、ちょうど先ほどお話がありましたように、私、保存期限、義務は三年でございまして、落選中、それ以前の報告書はちょうど人もほとんどいなくなってしまって処分していることから、御指摘の全体の数字は分かりませんけれども、二〇一一年から二〇一三年までの間の鈴与からの献金は六百七十万円だったと思います。
  138. 市田忠義

    ○市田忠義君 私が今言ったのは、突然聞くと突然のことだから分からないとおっしゃるだろうと思って、昨日わざわざ環境省事務方の方に、大臣にこれを聞くから、これはホームページでも公表されているし、ここに私持ってきていますけど、静岡県公報にも明記されているんですよ。あなた、鈴与グループからもらっていないと大うそついたら駄目ですよ。鈴与グループ、百四十社ある鈴与グループの企業からいっぱい献金もらっている。全部ここに載っていますよ。  もう一回答えてください。本社の鈴与からだけしか献金をもらっていないのか。鈴与関連の企業からは一円ももらっていないんですか。そう言えますか。
  139. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) その見方によると思います。それは、グループといって見方をするのか、我々は、それぞれの長いもう何十年ものお付き合いの中でそういった会社それぞれとお付き合いをさせていただいておりますので、そういったことで献金をいただいているということでございます。
  140. 市田忠義

    ○市田忠義君 ここにちゃんと書いてあるんですよ。「みなさまと共に明日を創る鈴与グループ」と書いて、鈴与のホームページに、あなたがもらった鈴与グループ関連企業の会社名も全部書いてあるんですよ。これ公表されているんだから、そんなところで大臣がうそをついたら私駄目だと思うんですね。  じゃ、別の角度で聞きましょう。  大臣は、衆議院静岡第四選挙区支部の支部長をやっていらっしゃいます。この静岡自民党の衆議院第四選挙区支部ですね、これは二〇〇六年から二〇一三年までに受け取った企業・団体献金は八千百二十三万円なんです、これも公表されています。そのうち、何と五一・二%が鈴与と鈴与関連企業なんですよ、半分が。まさに、大臣は、この鈴与グループに、後援会の会長も鈴与の幹部だと。人的にも資金的にも支えられていると言っても私は過言ではない状況だと思うんです。  しかも、大臣は、自民党港湾議員連盟の会長なんですよね。その大臣と港湾物流などを手広く手掛けている鈴与がこれほど緊密な間柄にある。これは異常で不適切だとは全く思われませんか。
  141. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 港湾議員連盟の会長というのは、二百人近くの実は議員がおりまして、北海道から九州、沖縄まで様々な議員の皆さんが、日本は海洋国家でありますから、日本の国の発展のためには港湾の発展は欠かせないと、外国とも非常な戦いをしなきゃいけないということで、我々はそういった意味で港湾全体の底上げをしなくてはいけないということで議連を立ち上げさせていただいておりまして、たまたま私に会長をやるようにという仰せ付けでございますので、そういった意味で皆さんと日本の港を発展させるために仕事をさせていただいております。
  142. 市田忠義

    ○市田忠義君 たまたま港湾議員連盟の名前を挙げただけで、自民党のシャドーキャビネット時代の国土交通大臣もやっておられるし、国土交通副大臣もやっておられたわけで、港湾関係とは非常に深い関わりがあると。そういうところの企業から、自分の支部の全体の献金の五割を超えていると。これは誰が見ても、ちょっと言葉は失礼ですけど、やっぱり環境大臣が鈴与のお抱え議員と世間から見られても仕方がない実態が私はあるのではないかと。  環境省にお聞きします。  環境省が所管しているESCO推進協議会及び低炭素社会創出促進協会、こういう一般社団法人があります。この社団法人はどこからの補助金収入でどのような事業を行っているか、ちょっと悪いけど、時間の関係で簡潔にお答えください。
  143. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) まず、御指摘ありました一般社団法人ESCO推進協議会についてお答えを申し上げます。  特に環境省の所管ということではございませんが、省エネルギーの促進事業、特にいわゆる世間でESCO事業と言われているものの普及啓発、情報収集を行っている団体でございます。  ここは平成二十三年度から、これは私どもの局で所管している事業でありますが、家庭・事業者向けエコリース促進事業費補助金を執行する団体となっておりまして、平成二十六年度の事業費で申しますと十八億円というものを交付しているものでございます。団体からは、それ以外は国からの補助金の交付は受けていないというように聞いているところでございます。
  144. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) お答え申し上げます。  一般社団法人低炭素社会創出促進協会でございますけれども、低炭素社会の創出に資する事業支援等の事業を行っているわけでございますが、環境省からは、低炭素価値向上に向けた社会システム構築支援基金造成のための補助金等といたしまして、平成二十五年には八十八・八億、平成二十六年度については百三十六億円の事業を交付しているところでございます。
  145. 市田忠義

    ○市田忠義君 要するに、社団法人だというけれども、環境省の予算それから補助金が出ているんです。そういう社団法人なんです。これは後で質問することと関係あるんですよ。国から直接でないから問題ないと予算委員会大臣がおっしゃったから、これ社団法人というけれども、全部環境省からお金が出ているんです。そういうところからの補助金で鈴与というのはいろんな仕事をやっているわけですから、そこは重大だということを指摘しておきたいんです。  鈴与は、この社団法人から二〇一一年九月と二〇一一年十二月、環境省の家庭・事業者向けエコリース促進事業補助金を交付されています。これ、金額は幾らですか。
  146. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 鈴与株式会社は、いわゆる指定リース事業者と、こうなっておりまして、このESCO推進協議会から、平成二十三年九月それから十二月、これはそれぞれこれリースいたしますので、鈴与から別の事業者にまた行くわけでございますが、高効率ボイラーをリースするに当たりまして、九月の分で三十四万九千五百二十四円、十二月の分で三十三万四千八百円というものを、これはESCO推進協議会が交付決定を行っているということでございます。
  147. 市田忠義

    ○市田忠義君 国交省にお伺いしますが、鈴与は二〇一三年三月に国土交通省の広域物資拠点施設整備費補助金を交付されています。この交付金額は幾らですか。
  148. 羽尾一郎

    政府参考人(羽尾一郎君) お答え申し上げます。  今御指摘の補助金につきましては、合計四千二百万円を交付決定しております。
  149. 市田忠義

    ○市田忠義君 すごい金額ですよね。さっきのリース料の方は少しあれでしたけれども、これは四千二百万円ですね。  さらに、鈴与は、二〇一三年十二月、環境省のCO2排出抑制対策事業補助金、これを交付されていますが、その交付金額、それから業務概要及び採択理由、簡潔にお答えください。
  150. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) お答え申し上げます。  二〇一三年十一月の補助金だと思いますが、事業内容は、社会インフラのなかなか進まない低炭素化を進める事業ということで、物流倉庫の照明設備等のLED化という形で、平成二十五年十一月十五日付けで、交付決定の額は一億三千三百五十万八千円でございます。
  151. 市田忠義

    ○市田忠義君 一億を超えるお金が出ているんですよね。CO2排出抑制とはいえ、まさに鈴与の港湾施設整備そのものなんですよ。そこへの補助がこれだけ出ているというのが実態であります。  これは大臣にお聞きしますけれども、政治資金規正法は補助金決定から一年以内の政党、政治家への献金を禁じていると。これは税金の還流になるからですね。補助金を受けた企業が政治家にお金を献金するというのは、これはまさに国民の税金の還流だと。  二〇一一年から二〇一三年の間、鈴与は補助金の交付を受けています。六百七十万円の、第四選挙区支部にその鈴与から献金が行っているんです。すなわち、補助金の交付を受けていた鈴与からあなたが支部長をしている第四選挙区支部に二〇一一年から一三年の間に六百七十万円の献金が行われておると。これは違法性があるとお認めになりますね。
  152. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 私自身、鈴与への交付決定を知らなかったわけでありますけれども、このエコリースあるいはまた低炭素でございますか、これにつきましては、例えばエコリース促進事業補助金は一般社団法人ESCO推進協議会が交付を行っておりまして、これは政治資金規正法第二十二条の三で規定する国の交付決定を受けた補助金には当たらないという……
  153. 市田忠義

    ○市田忠義君 そう言うだろうと思っていたんですよ。  まず、補助金の交付を受けている企業だとは知らなかったと。あれほど密接な関係にある、あなたの企業からもらっている献金の五一%を鈴与と鈴与グループが占めて、じっこんの間柄なんでしょう。県議の時代からお世話になっていると。  知らなかったで済むんだったらお巡りさん要りませんよ。スピード違反犯したときに、知らなかったと、交通法規、そう言っているのと一緒なんですよ。知らなかったら調べるのが当たり前なの。そういうあなたと関係の深い企業があなたに献金をしてくれたと。しかも、これ十万円、二十万円じゃない、何百万円という献金をしてくれているわけでしょう。そういう献金をしてくれている企業だったら、国からの補助金を受けていないかなということをあなたは調べる責任があると思うんですよ。  たとえそれが社団法人であっても、お金は環境省から出ているんだから、そういうところから献金もらう場合、その企業がどういうところかあなた調べないんですか、知らなかったで押し通せると思うのかと、そこはどうなんですか。道義的責任も感じないのか、法に違反していなかったら別に構わないというのがあなたの立場なのかどうか。いかがですか。
  154. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) どちらにいたしましても、この指摘は二月二十六日にマスコミから指摘を受けて初めて我々は知りました。そういったことで、補助金を受けていることについて我々の方からそもそも知っているかどうかということを聞くというようなこと法律的には書かれておりませんので、少なくともそれは我々は知る由もなかったということでございます。  ですから、国の補助金の交付決定を知らずに寄附を受けているので、寄附を受けた行為というものはこれはもう法に抵触するものではないと、このように思っております。
  155. 市田忠義

    ○市田忠義君 何という情けない大臣かと、私、率直に思いますよ。  知らなかったで済むと思ったら、それは間違い。知らないはずがない、常識なんですよ。しかも、全く知らない企業じゃなくて、あれだけ仲の良い企業じゃないですか。同じ静岡にあって、港湾関係の物流関係全部仕切っていて、あなたの県議時代から献金も受けて、後援会の会長まで鈴与の関係者がなっていて、それが補助金を受けているかどうか知らなかったと。  もう一つ、あなたこうおっしゃったんですよ。環境省分は国から直接ではないと、社団法人から出ているから違法ではないと。先ほどもおっしゃったし、予算委員会でもおっしゃった。そういうことを言うだろうと思ったから私、事前にいろいろ聞いたんですよ。  先ほどの環境省所管の協議会や協会は、環境省の補助金だけで事業を行っている社団法人なんです。実質、国の補助金を鈴与に交付しているのに等しいと、そういうふうにあなた思われませんか。社団法人というのは実質上のトンネルですよ。実際には環境省そのものなんだと。いかがですか。
  156. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 法的には、環境省が直接出しているものではなくて、やはりそういった、独法とかいろんなところに委託をしてそこでやっておりますので、法律的には抵触をしないと、このように思っております。
  157. 市田忠義

    ○市田忠義君 法律的に抵触しなかったら何をやってもいいとおっしゃっているのと一緒ですね。  補助事業者を誰にするか、これは誰が決めるか。環境省の職員が委員となった評価委員会で審査して、外部委員って二人だけですよ、あとは環境省の職員です。交付の決定は誰が行うか、環境大臣が行うんです。さらに、実施要領を読んでみると、間接補助金交付先の採択を行うための委員会設置及び運営並びに間接補助金交付先の採択、環境大臣と協議の上行うものとする、間接補助事業者の情報を適時適切に大臣報告する、そう規定されています。これ、大臣の職務権限、明確だと思うんですが、当然こういう規則があるのは御存じですね。
  158. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 例えば二〇一一年の場合には我々は野党でございましたし、その後の時間帯も私が多分大臣ではなかったと思いますけれども、少なくとも、政治資金規正法上は、今お話しのように、寄附者が国の補助金を一年以内に交付されているかどうかを寄附を受ける側があらかじめチェックするような仕組みにはなっていないということにこれは法律的に決まっておりますので、御承知のことと思います。
  159. 市田忠義

    ○市田忠義君 恐らくそういうふうに言われるだろうと思って、反論を準備してきたんです。  望月大臣大臣に就任されたのは二〇一四年九月なんですよね。それ以前のことは、環境大臣でなかったんだから職務権限と言われても関係がないというお話だと思うんですけれども、大臣になられてから、これは環境大臣報告するということになっているんですよ、この規則は、補助金を受けている関係のいろんな事業の実施状況については。だから、環境大臣は当然、引継ぎのときに、前は石原環境大臣ですかね、引継ぎを受けられるときにその書類に目を通すのは当たり前だと思うんですよ。だから、その鈴与の情報について適時適切に報告大臣は受けることになっているんです。それを知らなかったというのは余りにも無責任だと。それで違法ではないというのは、本当に言い訳も甚だしいと。  質問を変えましょう。  家庭・事業者向けエコリース促進事業補助金というのがあります。この場合も、その指定リース事業者の採択は誰がやるか。環境省の総合環境政策局環境経済課長が参加をした環境省事業者審査委員会が行っています。事務局も環境省内にあります。この指定リース事業者に採択されなければ補助金は受けられないと。ちなみに、補助事業者たる、先ほど私が紹介したESCO推進協議会、これは社団法人ですね。これもこの審査委員会で採択されているんです。  まさに国が直接鈴与に補助金を決定しているのと同じじゃないかと。これでも違法でないというふうに大臣は言い張るおつもりですか。
  160. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 大臣になったとき、そういう先ほどの申し送りがしてあって、そういうのを見ただろうということでございますけれども、私、そういったものを目にしたことが実はございません。  それで、多分相当、環境省から補助金が出ている全てのものを私が大臣になったときに目を通すということはちょっと不可能に近いのではないかなと、こんなふうに思います。
  161. 市田忠義

    ○市田忠義君 一般にあなたとは関係のない企業だったら別ですよ。深い深い関係のある企業が補助金を受けているのかどうかというのは、大臣になったときに、まず前の大臣から引き継いだときに、ほかは読まなくてもですよ、膨大な引継ぎ資料があるのは分かります。だけど、それぐらいは読むというのが最低限の義務だということを申し上げておきたいと思うんですよ。  それで、それだけじゃないんです。さらに、大臣が、昨年十二月の総選挙で静岡県の選挙管理委員会に提出されている選挙運動費用収支報告書というのを見ました。収入は、大臣自らが支部長を務めておられる自民党静岡県第四選挙区支部からの八百万円だけなんです、八百万円だけ。二〇一四年分の政治資金収支報告書はまだ公表されていないので、この八百万円の原資が何かは私には分かりません。  しかし、あなたの支部の二〇一三年分の収支報告書、これは公表されていますから見ました。それによりますと、二千六百二十万円の収入のうち、政党助成金である自民党本部からの寄附が千二百万円、鈴与グループからの献金が四百五十万円で、政党助成金すなわち税金と鈴与マネーが六割強を占めているんです。  一方、昨年末の選挙運動費用の支出、これは分かりますから見ました。事務所借り上げ料として鈴与に六万九千八百六十円、複合機借り上げ料として鈴与マテリアルに三十三万二千七百三十七円と、そう記されています。第四選挙区支部は、二〇一三年には鈴与から百四十万円、鈴与マテリアルから十万円の献金を受けているから、献金が言わば企業側に還流した格好になっています。  言いたかったことは、選挙活動においても大臣と補助金受給企業の鈴与の親密な関係が浮き彫りになっていると。これでは誰が見ても鈴与丸抱えの環境大臣と言われても仕方がないと。そういう自覚は全くないんですか。
  162. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) 時間となりましたので、簡潔にお願いします。
  163. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) 二〇一四年における選挙運動費用収支報告書でございますけれども、第四選挙区支部から八百万円の寄附を収入計上しておりますが、これは国からの政党助成金でございます。それからまた、今先生のおっしゃったその分は二〇一三年でございまして、二〇一三年の政党助成金がその半分ぐらいで、それから今、鈴与の百四十万円というとその三%か四%ぐらいだったと思いますが、そういう形でございます。  要するに、政党助成金と鈴与とを合わせて相当な金額だということなんですけど、これはもう皆さん、全ての国会議員の皆さんが、(発言する者あり)あっ、共産党は申し訳ございません。そういうような形になっていると思います。  それから、実は、コピー機や借り上げのことでございますけれども、これはどこも選挙運動をしているときに事務所でコピー機を借りたり事務所を借りたり様々なことがございます。ですから、これは鈴与に限らず、幾つかの地元企業に借りたものについてはお支払いをしていると、そういうことでございます。
  164. 市田忠義

    ○市田忠義君 私も時間が来ていますから終わりますが、補助金をもらっている企業であろうとなかろうと、元々見返りを期待しないで企業が政治家にお金を出すことはない。元々賄賂性を帯びているわけですから、やっぱり企業・団体献金をきっぱり禁止をして、政党助成金も、大体税金で自分の政党の運営やるなんというのは政党の堕落への道だと、両方とも禁止することが大事だということを指摘して、終わります。
  165. 水野賢一

    ○水野賢一君 無所属の水野賢一でございます。  通告にはありませんけど、今の質疑聞いていて、ちょっと一点だけお伺い、大臣にしたいんですが、あれですか、今の大臣の御答弁は、私もこの問題は全然、鈴与なんという会社は私も知らないんで、経緯を全然知らない中でお伺いしますけれども、今の市田委員の質問に対する答弁で、要するに法的な問題はないんだということは繰り返し大臣おっしゃっています。それはそれでそうなのかもしれませんけど、道義的にはどうなんだという質問にはお答えはなかったかと思いますけど、道義的とか政治家としての政治的責任というか、その辺は大臣としていかがお考えですか。
  166. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) まず、我が国は法治国家でございますので、法律を守るということが第一義だと思います。そういった意味で、我々も様々、例えば間接補助金についてはこれは法的に問題がないと、そういうような形でございますし、法律にのっとっていろいろ精査したところ、我々にとっては全て正式なものであるということで、道義的というような問題を云々するような状況にないと、このように思っております。
  167. 水野賢一

    ○水野賢一君 これはおいおいまた、私自身はその鈴与問題について何か知見を持っているわけじゃないんで、通告に従って質疑を行いたいというふうに思いますけれども。  地球温暖化についてお伺いをしたいと思いますが、先ほど来、温暖化関係についての目標とかについて、エネルギーミックスが決まらないとなかなか決まらないんだという話がありましたよね。そのことにも多少関係してくるんですが、二年前に温暖化対策推進法が改正をされて、今まで京都議定書目標達成計画というのを作ることになっていたんだけれども、それに代わって地球温暖化対策計画というのを策定するということになったんですよね、法律上。この地球温暖化対策計画の策定状況はどうなっていますか。
  168. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) どなたが御答弁。
  169. 水野賢一

    ○水野賢一君 大臣にという通告になっていますので。
  170. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) この地球温暖化の対策計画でありますけれども、我が国の削減目標を確定した後で策定するということになっております。実は、そういう意味ではまだエネルギーミックス等削減目標が決まっていない状況でございますので、計画がまだできていないということでございます。  現在、中央環境審議会とそれから産業構造審議会の合同専門家会合で新しい目標やその裏付けとなる施策が幅広く議論されております。こうした議論の成果は今後地球温暖化対策計画を策定する前にも重要な材料になってくると、このように考えております。
  171. 水野賢一

    ○水野賢一君 法律上はこの地球温暖化対策計画というのは何年から何年までの計画とかということが明示的に書いているわけじゃないけれども、今のところあれですか、やっぱり二〇二〇年をターゲットにした計画なんだということで、考えるんだということでよろしいんでしょうか。
  172. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) これは、国連気候変動枠組条約の加盟国は、COP16でカンクン合意に基づいて、これは二〇二〇年の削減目標を国連に登録し、その実現に向けた取組状況を定期報告をさせていただくということになっております。我が国はこの合意を履行するべく、平成二十五年に地球温暖化対策推進法を改正して地球温暖化対策計画を策定することとしたわけでありますが、まずは二〇二〇年が計画の一つの筋目になっていると、このようには考えております。  一方で、現在二〇二〇年以降の削減目標が議論されている状況を踏まえて、地球温暖化対策計画の対象については今後政府内で検討してまいりたいと、このように思っております。
  173. 水野賢一

    ○水野賢一君 これは参考人で結構なんですけれども、日本の場合、まだこの二〇二〇年とかに対しての目標は決まっていないわけですよね。決まっていないんでしょうけれども、各国は大体二〇二〇年前後を目標にしてどれだけ削減するんだとかという目標とか計画というのを立てている国もあるというふうに思いますけれども、この辺の状況はどうなっていますか。
  174. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) お答え申し上げます。  二〇一〇年のCOP16のカンクン合意に基づきまして、先進国では二〇二〇年までの削減目標、途上国にいたしましても二〇二〇年までの削減行動を国連に登録をしております。  現在、先進国及び中国、インド、ブラジル等の途上国を含めますと、約百をちょっと超えるぐらいの国が削減目標や削減行動を登録していると。そのうち、今幾つかの国は計画というものを作っておりますけれども、例えば米国でありますと気候変動行動計画というものをオバマ大統領が発表をし、EUにおきますと気候変動・エネルギーパッケージといったような政策パッケージを策定し、公表しているところでございます。
  175. 水野賢一

    ○水野賢一君 諸外国も動いているわけですから、しっかりと日本としても、もちろんいろいろとそれまでに議論しなきゃいけないことがあるというのは分からなくはないですけれども、ちゃんと早急に取り組んでもらいたいと思いますが。  こういう計画作るに当たって、前の計画というのを検証しておくことというのも大切ではあるわけですね。前の計画というのは何かというと、京都議定書目標達成計画だったわけですよね。京都議定書は二〇一〇年前後の五年間が目標年だったわけだから、それに対する達成計画、これもいろんな数値目標を掲げていたわけですよね。  これももちろん計画だから達成できたものもあればできなかったものもあると。全体の六%削減が達成したのは知っていますよ。だけど、この計画の中で掲げていたいろいろな数値目標、これはできたものとできなかったものでは代表的なものとしてどういうものを考えていらっしゃいますか。
  176. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) 今委員指摘のように、京都議定書目標達成計画につきましては、昨年七月に地球温暖化対策本部におきまして網羅的な進捗状況の点検をしております。別添という形で実は百八十八の対策を列挙しておりますけれども、その中で、目標達成あるいはトレンドがその見込みを上回ったものについては百八件、実績のトレンドがおおむね、大体そのレベルだというのは十一件、そして見込みに比べて若干低かったというのが五十一件、そして定量的なデータが得られないものなどが十八件あります。  今、典型的なものというふうに御指摘があったんですけれども、例えば見込みを上回ったものとしては、例えば自動車の単体対策でありますとかトップランナー基準に基づきます機器の性能向上、あるいは廃棄物の焼却処理量の削減といったものが代表的なものだと思っておりますし、また、下回ったものの例といたしましては、再生可能エネルギーの普及拡大あるいはトラック輸送の効率化、これは積載効率という観点でございますが、そういったようなもの、それとエコキュートなどの高効率エネルギーの機器の普及が挙げられると思っております。
  177. 水野賢一

    ○水野賢一君 そういうような、目標を達成したものもあれば目標を下回ったものもあるわけでしょうから、そうしたことをしっかりと、良かった点は生かしながら、駄目だった点は反省しながら次につなげてもらえばと思いますが。  さて、伺いたいのは、同じ温暖化対策推進法という法律の中で、個別の企業とか事業所というのがどれだけ二酸化炭素若しくは温室効果ガスを出しているかというのをちゃんと発表しなさいという、いわゆる算定・報告・公表制度というのがありますよね。例えば、じゃ、新日鉄だったら何千万トン出しているとか、CO2をとかという、そういうようなことを発表することになっているんですが、現時点で最新の数字というのは何年度の数字が発表されていますか。
  178. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) 現時点におきましては、昨年五月に公表いたしました平成二十三年度の排出量実績が最新の数値となってございます。
  179. 水野賢一

    ○水野賢一君 二十三年度が最新というのは極めて発表が遅いと思うんですよね。だって今、平成二十七年ですからね。まあ年度でいったらあと数日間は二十六年度が続くわけだから、二十六年度のは終わっていない以上まだ出てこないかもしれないけれども、最新のデータは二十三年度だというのは、これ二十七年になった時点でそれが最新というのは極めて遅いと思うし、ちょっと私も発表のあれを調べてみたんだけれども、その年度が終わってから、この公表制度が始まってから、最初はそれでも年度が閉まってから十二、三か月ぐらいで発表されていたんですよね。つまり、その年度が終わって翌年の四月とか三月とかその辺にはデータが発表されていたんだけれども、今、去年の例を見ても二十六か月たってやっと発表されたとか、今度も非常に遅いんだけれども、これは何でこんな、もっと急いだ方がいいんじゃないですか。
  180. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) 本件につきましては、法律上、まず年度が閉まった後に、閉まった七月末までに事業者の方々は所管の大臣に届け出ると。それで、所管の大臣のところでこれを取りまとめて環境省に提出していただくということでなっておるわけでございますけれども、残念ながらこれまでは紙媒体による報告をされておりまして、その紙媒体の報告を所管大臣の方で取りまとめていただいているということでこれまで遅れてきたということでございます。  本年の四月、二十七年度からは、これを電子申請による報告が可能となるよう現在準備を進めておるところでございまして、この電子化を通じまして、委員指摘の遅れがないように公表の迅速化に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
  181. 水野賢一

    ○水野賢一君 それはしっかりやってもらえばと思いますが。  これは前にも質疑したことあるんですけど、今発表されている会社ごととかの温室効果ガスの排出データを見ると、要はこれ、基本的にはみんな公表しなきゃいけないんだけど、これは企業秘密だというふうに言う会社があったときには、自分たちが言い張ったらそうなるわけじゃなくて、所管省庁が認めればという前提は付くんだけれども、非公表もオーケーとなっているんですが、実は、何千何万という会社の中で二社だけ、我が社の数値だけは非公表だというふうに言ったところがあるんですよね。  前にこれ質疑したときに、そういうものはやっぱり情報公開の時代の中で、そんなことはなるべくなくすようにというような基本的に答弁はいただいてはいるんだけれども、今後の発表ではそういうものはないと理解してよろしいですか。
  182. 高橋ひなこ

    大臣政務官高橋ひなこ君) 議員御指摘の二事業者は、所管省庁である総務省に対し、平成二十二年度から平成二十四年度までの三か年度分について温暖化対策法の規定に基づきエネルギー起源二酸化炭素の算定排出量を公表しないよう権利利益の保護に係る請求を行っており、総務省はこれらの請求を認める決定を行っていました。  今般、総務省において当該二事業者との調整が進められた結果、当該三か年度分の排出実績に係る権利利益の保護に係る請求が取り下げられ、平成二十六年九月、総務省は当該二事業者に対する権利利益の保護に係る請求を認める決定を撤回いたしました。  平成二十五年度分の排出実績については、権利利益の保護に係る請求を行っている事業者はないものと認識しております。
  183. 水野賢一

    ○水野賢一君 それは当然であって、だって一万一千ぐらいの会社が我が社のCO2の排出量はこれだけだといっているのに、二事業者、もう名前言っちゃいますけれども、ヤフーとアット東京という会社ですよね。この二社だけは、我が社のは絶対企業秘密なんて言う方がおかしいんであって、それは、そういうようなものはちゃんと公表してもらうようになっていくのであればいいんですが。  さて、大気汚染の問題について伺いますが、これもちょっと通告なくて申し訳ないんだけれども、これ参考人で結構ですが、午前中の質疑の中で、大臣所信に関して、PM二・五による大気汚染は排出抑制対策推進しますというふうに書いてあるのに対して、これは抑制じゃなくて、中国から来ているのが多いんだから抑制とかという表現はおかしいだろうというような、そういうような質疑ありましたよね。  ただ一方で、大陸から来ているのもあるけれども、国内で発生しているのも事実だから、それは確かに排出は抑制しなきゃいけない。だけれども、これ排出抑制対策ってどの辺を念頭に置いているんですか。要するに、排出発生源って、PM二・五だと、それはたき火みたいなものもあれば自動車排ガスもあれば工場の排ガスもあれば、若しくは二次的な生成もありますからね。何を念頭に、排出抑制対策というのはどこを特に念頭に置いているんですか。
  184. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) お答え申し上げます。  国内の排出抑制対策についてのお尋ねでございますが、現在、中央環境審議会の専門委員会におきまして検討を進めておりまして、今パブリックコメントを出させていただいておりまして、近々取りまとめる予定でございます。  そういう意味で最終的な結論ではございませんけれども、パブリックコメントで提示をしております考え方のポイントを申し上げますと、先生おっしゃるとおり、発生機構等未解明な部分もまだまだあるわけでございますけれども、そのため、短期的な課題と中長期的な課題とに分けて対策を進めていくということで、例えば短期的課題といたしましては、ばいじんや窒素酸化物の排出規制の強化をPM二・五対策の観点を加味して更に推進するでありますとか、あるいは自動車排ガス対策も計画的に着実に実施をしていくというようなことを挙げさせていただいております。  他方で、中長期的な課題といたしましては、総合的な対策を取り組む上で基礎となる現象解明でございますとか情報整備等に取り組んで、その進捗状況に応じて追加的な対策検討するということとしておりまして、例えばPM二・五の生成能の高い揮発性有機化合物、VOCと呼んでおりますけれども、その解明と対策検討などを挙げているところでございます。
  185. 水野賢一

    ○水野賢一君 PM二・五は、環境基準は五、六年前に設定されましたよね。ただ一方で、普通だと、環境基準があると同時に、光化学オキシダントなんかが典型なんだけれども、一定の基準を超えると注意報とか警報とか重大警報とか出せますよね。PM二・五に関してはそういう指針値は正式には決まっていないですよね。  要するに、今あるのは、暫定指針値というのが七十マイクログラムだから、これに基づいて、じゃ、大気汚染防止法に基づくところの注意報とか警報は出せないと思うんだけれども、これ暫定指針というのを言ってもう二年ぐらいたつんだけど、これは何ですか、いつまでもやっぱり暫定指針でいくんですか。何かこれを、更に一定の、大気汚染防止法に、法律にちゃんと基づくような数値にしていくという考えはあるんですか。
  186. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) 先生指摘の暫定指針値でございますけれども、これは平成二十五年二月に環境省の専門家会合におきまして、それまでの疫学的知見を考慮して、健康影響が生じる可能性が高くなると予測される濃度水準を、これも先生指摘のような、法令に基づかない注意喚起のための暫定指針として定めたものでございます。  この暫定指針につきましても不断の見直しを行っておりまして、二十六年十一月には、注意喚起がどのような状況になれば解除できるかというような目安の明確化を図って自治体に通知をさせていただいたところでございます。  それで、法令に基づく注意報や警報の基準を設定できるかどうかという点でございますけれども、PM二・五は先ほど生成機構につきましても未解明な点が多いというふうに申し上げましたが、健康影響の方に関しましても、肺機能発達に係る疫学調査等、各種調査研究の実施により知見の集積に努めてきてはおりますけれども、現段階では法令に基づく基準を直ちに設定する状況にはないというのが専門家の方々の知見でございます。  したがいまして、今後とも国内外のPM二・五の健康影響に関する科学的知見の集積にまずは努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  187. 水野賢一

    ○水野賢一君 そこは知見を深めるべくしっかりといろんなデータを集めてもらえばと思いますけれども。  さて、自動車排ガスによる健康被害に対する救済制度として、東京大気汚染訴訟というのに基づいて東京都が、あれは第一次安倍内閣の頃ですけれども、救済制度を独自につくりましたよね。国もそこに六十億円出していますけれども、国というか、正しく言うと独立行政法人の環境再生保全機構がですけれども。これ結局、五年たって制度延長しなかったんですが、しなかったんで今この救済制度はなくなっていくわけだけれども、これ前にやったときには国は六十億円、金出したんだけれども、やめるときに当たって何か国の方もちゃんと資金援助するかどうかとかという、そういういろんな問合せや相談は東京都とあったんでしょうか。
  188. 北島智子

    政府参考人(北島智子君) お答えいたします。  東京都の大気汚染医療費助成制度は、東京大気汚染訴訟の和解に基づきまして平成二十年から開始されまして、制度開始五年後の見直しが行われたところでございます。この見直しによりまして、十八歳未満の患者の方々につきましては、引き続き医療費助成を継続すると伺っておりまして、十八歳以上の患者の方々につきましては平成二十七年度から三年間は自己負担分の全額補助を継続し、平成三十年度からは月六千円までの自己負担を求めるといった内容となって継続されるものの、新規認定は終了すると伺っております。  東京都からの相談でございますけれども、今回の見直しに先立ちまして、都から環境省に対し、都制度の原資に対する協力の可否について照会がございました。平成十九年の東京大気汚染訴訟の和解条項上、都はぜんそく患者への医療費助成制度を創設し、国はぜんそく等の予防事業に充てるため都に六十億を拠出することとされたことから、国は和解条項に基づき、都の行う予防事業に対して六十億円を拠出いたしました。  このような経緯から、先般の都からの照会につきましては、国が都の医療費助成制度の原資への協力をする根拠は和解当初よりないものと認識している旨、回答させていただいたところでございます。
  189. 水野賢一

    ○水野賢一君 こういうような救済制度に対しては、今まで五年間やってきたものというのは、都の制度に国も資金を、それは医療費助成に直接出したわけじゃないという建前はそれは分からなくはないんだけれども、一応国も金を出した形になっているんだけれども、国として救済制度をつくるとかという考えは、大臣、どうですか。
  190. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) この救済制度でございますけれども、ディーゼル排ガス規制の強化などによる、当時様々、相当大気汚染激しいときだったと私も思っていますし、たしかこの頃、先生は法務副大臣か何かでこれよく御存じのあれだと思うんですけれども、このディーゼル排ガス規制の、非常にあのとき強化をして、訴訟当時と比べて大気環境がもう今は相当改善されていることや、大気汚染の近年の水準と健康被害の関連性を明確に示す知見は得られていない状況を踏まえると、あのときよりも改善しているからこれでいいというわけではありませんけれども、新たに国の制度を創設すべきとは言えないのではないかなというふうに思っております。
  191. 水野賢一

    ○水野賢一君 多分、今までにいろんな経緯があるから、ここで大臣が突然、国としてそういう制度をつくるんですとは言えないとは思いますから、答弁は答弁として分かりましたけれども、一応、今でも大気汚染に対しての国の救済というか、被害者を補償する制度としては公害健康被害補償法という法律が今でもあるんですよね。そのときに、大気汚染というときに、当然、工場から出てくる排ガスも大気汚染の原因であれば車から出てくる排ガスも、工場の煙突も原因であれば車の排ガスも原因ですよね。  これ、当然、工場も工場で責任あると思いますけど、大臣、率直な意見として、自動車会社もやっぱり一定の責任というか、一定の負担を負ったりすべきだというふうに思いませんか。
  192. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) そういうことで多分、五年前に企業側がある程度のお金を出してこういう形にしたのではないかなというふうに思います。  ただ、それから本当に自動車があの当時に比べると排ガスはもうほとんど出ないというか、相当税制でも三つ星、五つ星で税制で優遇したりして、そういうものがどんどん増えてきているというような状況で、今後、今話題になっております水素自動車になったら、これは排気ガスではなくて水がぽとぽと後ろから落ちてくるというような状況でございますので、こういったことで自動車会社等は今後そういう方向に向かっていくのではないかなと思いますが、そういった知見は様々、やはりそういったものも環境省としては注目をしていきたいなと、こんなふうに思っております。
  193. 水野賢一

    ○水野賢一君 時間の関係でもう最後の方にしますけれども、今ある公害健康被害補償法という法律は、これは四万人弱ぐらいがそれで補償を受けているわけですよ。受けていて、それは何百億円、今だとどうですかね、四、五百億円ぐらいのお金というのをいろんな企業から集めて、それを補償の原資にしているんですよね、医療費とかそういうような。  これは、工場の排煙の部分というのは、大工場を持っているところからみんなお金取っているんですよ。例えば新日鉄とか東京電力とか、まあ二、三十億円は年間払っていますよ。トヨタとか日産とか一銭も払っていないんですから。厳密に言うと、細かいことを言うと、トヨタとかそういうのも一応煙突はあるから、そういうところの分というのでちょっとは払っているけれども、それは自動車排ガスという意味で払っているわけじゃないから。それで、その分は税金で払っているんですから。  税金で払っている、私は昔からこの制度はおかしいんじゃないかと。少なくとも自動車会社というのだって自動車排ガスという責任がある以上負担をすべきじゃないかというふうに私は思っていますけれども、それは制度として、四十年前ぐらいにできた法律だからそれは今日明日変えろといってもそう簡単にはいかないとは思いますが、大臣に感想だけ伺って、私の質問を終了いたします。
  194. 望月義夫

    国務大臣望月義夫君) やはりこれは五年前に和解がされたわけでございまして、それに沿って企業側も、ちょっと今細かい数字は分かりませんけど、負担を出している、それから自動車重量税辺りからもたしかそういったお金が出ているということでございまして、我々も、ただ状況はこういう状況改善はされておりますが、今後とも水野先生のその御指摘を踏まえて注視をしていきたいなと、こんなふうに思っております。
  195. 水野賢一

    ○水野賢一君 終わります。
  196. 島尻安伊子

    委員長島尻安伊子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時四十四分散会