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2015-12-18 第189回国会 参議院 環境委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年十二月十八日(金曜日)    午後一時三十分開会     ─────────────    委員長異動  十月七日島尻安伊子君は委員長辞任した。     ─────────────    委員異動  十月九日     辞任         補欠選任      中西 祐介君     森屋  宏君  十月十三日     辞任         補欠選任      森屋  宏君     中西 祐介君  十月二十一日     辞任         補欠選任      清水 貴之君     川田 龍平君  十二月一日     辞任         補欠選任      島尻安伊子君     上月 良祐君  十二月三日     辞任         補欠選任      水野 賢一君    渡辺美知太郎君  十二月九日     辞任         補欠選任      浜野 喜史君     柳田  稔君  十二月十日     辞任         補欠選任      柳田  稔君     浜野 喜史君  十二月十七日     辞任         補欠選任      岩城 光英君     柘植 芳文君      中曽根弘文君     井原  巧君      中西 祐介君     中泉 松司君      小見山幸治君     石上 俊雄君      櫻井  充君     尾立 源幸君      長浜 博行君     羽田雄一郎君  十二月十八日     辞任         補欠選任      羽田雄一郎君     江田 五月君     ─────────────   出席者は左のとおり。     理 事                 上月 良祐君                 高橋 克法君                 水岡 俊一君                 市田 忠義君     委 員                 井原  巧君                 尾辻 秀久君                 鴻池 祥肇君                 佐藤 信秋君                 柘植 芳文君                 中泉 松司君                 中川 雅治君                 山谷えり子君                 吉川ゆうみ君                 石上 俊雄君                 江田 五月君                 尾立 源幸君                 羽田雄一郎君                 浜野 喜史君                 杉  久武君                 川田 龍平君                渡辺美知太郎君    国務大臣        環境大臣     丸川 珠代君    副大臣        厚生労働大臣  竹内  譲君        環境大臣    平口  洋君        環境大臣    井上 信治君    大臣政務官        環境大臣政務官  鬼木  誠君    事務局側        常任委員会専門        員        櫻井 敏雄君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       早水 輝好君        総務大臣官房審        議官       讃岐  建君        外務大臣官房参        事官       水越 英明君        農林水産大臣官        房審議官     岩瀬 忠篤君        経済産業大臣官        房審議官     福島  洋君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       藤木 俊光君        環境省総合環境        政策局長     三好 信俊君        環境省地球環境        局長       梶原 成元君        環境省水・大気        環境局長     高橋 康夫君        環境省自然環境        局長       奥主 喜美君        原子力規制委員        会委員長     田中 俊一君        原子力規制委員        会原子力規制庁        原子力規制部長  櫻田 道夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○環境及び公害問題に関する調査  (気候変動枠組条約第二十一回締約国会議及び  京都議定書第十一回締約国会合に関する件)  (日本原子力発電敦賀発電所敷地内破砕帯の評  価に関する件)  (照明機器に係るトップランナー制度見直し  に関する件)  (パリ協定を受けての国内地球温暖化対策の  進め方に関する件)  (TPP(環太平洋パートナーシップ協定の  環境章に関する件)  (二〇二〇年の温室効果ガス削減目標地球温  暖化対策計画に関する件)  (二〇二〇年以降の我が国約束草案達成に  向けた国内対策進め方に関する件)     ─────────────    〔理事高橋克法委員長席に着く〕
  2. 高橋克法

    理事高橋克法君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  委員長欠員となっておりますので、私が委員長の職務を行います。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、清水貴之君、島尻安伊子君、水野賢一君、中西祐介君、岩城光英君、中曽根弘文君、櫻井充君、小見山幸治君及び長浜博行君が委員辞任され、その補欠として川田龍平君、上月良祐君、渡辺美知太郎君、中泉松司君、柘植芳文君、井原巧君、尾立源幸君、石上俊雄君及び羽田雄一郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 高橋克法

    理事高橋克法君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 高橋克法

    理事高橋克法君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事上月良祐君を指名いたします。     ─────────────
  5. 高橋克法

    理事高橋克法君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官水輝好君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 高橋克法

    理事高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 高橋克法

    理事高橋克法君) 環境及び公害問題に関する調査を議題といたします。  まず、気候変動枠組条約第二十一回締約国会議及び京都議定書第十一回締約国会合に関する件について、政府から報告を聴取いたします。丸川環境大臣
  8. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 環境大臣及び原子力防災を担当する内閣特命担当大臣を拝命いたしました丸川珠代でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  十一月三十日から十二月十三日までの間、気候変動枠組条約第二十一回締約国会議及び京都議定書第十一回締約国会合フランスパリ郊外で開催され、安倍総理出席した首脳級会合に続き、私も閣僚級会合出席をしてまいりました。この会議の結果について御報告申し上げます。  現地時間十二日、この会議において、温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みであるパリ協定採択されました。  先進国途上国立場の違いを乗り越えて、歴史上初めて全ての国が参加する公平な合意が得られたことを高く評価します。また、このような合意我が国が積極的に貢献できたことを喜ばしく思います。  パリ協定には、長期目標として気温上昇を二度より十分低く保つこと及び一・五度以下に抑えるよう努力することへの言及があり、全ての国が削減目標を五年ごと提出更新し、実施状況報告、点検を受けること、五年ごと世界全体の状況確認すること、適応長期目標を設定し、各国適応計画立案過程及び行動の実施に取り組むこと、先進国が引き続き資金を提供するとともに途上国も自主的に資金を提供すること等の内容が定められました。また、二国間クレジット制度も含めた市場メカニズムの活用が位置付けられました。  私は、会議期間中、議長であるフランスファビウス外務大臣との意見交換を数度にわたり行ったほか、アメリカ、カナダ、オーストラリア及びニュージーランド等交渉グループ内の調整、中国、インド、南アフリカ、ブラジル等主要国閣僚との対話を通じて交渉してまいりました。  また、自治体等の非政府主体取組を促進するべく、フランス、ペルー及び国連が提唱したリマ・パリ・アクション・アジェンダにおける我が国とアジアの都市間連携取組を発信しました。また、我が国が提案する二国間クレジット制度に署名した十六か国が一堂に会する第三回JCMパートナー国会合を開催し、関係国との協力関係強化確認をしました。さらに、フランスロワイヤル・エコロジー・持続可能開発エネルギー大臣との低炭素環境に優しい社会を構築するための二国間連携に関する協力覚書への署名等我が国貢献の発信及び強化を積極的に行いました。  今後、地球温暖化対策推進法に基づく地球温暖化対策計画をできるだけ早期に策定し、我が国約束草案に盛り込まれた排出削減への取組を着実に実施するとともに、適応計画に基づく取組を進めてまいります。  気候変動問題は長期的な課題であり、より一層の抜本的な排出削減を実現していく必要があります。将来世代に美しい地球を引き渡さなければなりません。経済社会システムやライフスタイルの変革を含め、関係省庁地方公共団体産業界、NGO、NPOなど多様な主体と連携し、国民の皆様と一緒に、地球温暖化対策推進に全力で取り組んでまいります。  以上です。ありがとうございました。
  9. 高橋克法

    理事高橋克法君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 浜野喜史

    浜野喜史君 民主党・新緑風会の浜野喜史でございます。  本日は、地球温暖化対策原子力規制行政について御質問をさせていただきたいと思います。  まず、今般のCOP21、パリ協定採択に向けた大臣始め関係者の御尽力に敬意を表します。  パリ協定評価と今後の課題についてお伺いをいたします。  京都議定書反省を踏まえ、排出削減目標義務化するのではなく、国・地域が自主的な目標提出対策実施するボトムアップ方式が取られました。それを通じて、協定が百九十六の全ての締約国地域が参加する体制になったこと、さらに、技術開発重要性が初めて国際合意に位置付けられたことに大きな意義があると考えております。  その一方で、今後の取組が大切であるとも言えます。各国が作成をした計画を誠実に実行することをいかに担保していくのか、我が国効果的な支援をいかに行っていくかなどであります。  協定評価と今後の課題について御説明を願いたいと思います。
  11. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 浜野委員指摘のとおり、京都議定書のその後のてん末を反省として、全ての国が参加する公平で実効的な枠組みをつくるということを我々ずっと申し上げてまいりました。百九十六の国と地域が全て参加する形でこの合意が得られたことは、本当に歴史的に温暖化対策の上で大きな転換点になっていくだろうと思います。  そして、とりわけその実効性を担保することの重要性という御指摘がございました。この枠組みの中には、主要排出国を含む全ての国が削減目標を五年ごと提出更新をすること、また各国がこの実施状況報告して、そして専門家のレビューを受けること、あわせて、五年ごとにグローバルストックテーク、世界全体の状況確認する仕組みが入っております。  こうして、お互いに自分たちのやっていくこと、やってきたことを見える状態にして確認をし合うこの枠組みというのが非常にこの実効性を担保する上で重要であると思いますので、この詳細を議論していく上でも積極的に貢献をしてまいりたいと思っております。ありがとうございます。
  12. 浜野喜史

    浜野喜史君 その上で、国内対策について伺います。  政府は、二〇三〇年度に一三年度比二六%減という非常に厳しい排出目標を掲げていますけれども、その達成のためには再生可能エネルギー導入省エネの進展、安全が確認された原子力発電所の再稼働、火力発電所の高効率化といった総合的な取組が必要と考えますが、どのようにお考えか、お伺いをしたいと思います。  さらに、国内対策につきましても、今般のパリ協定採択に向けて政府が主導されました、自主性を引き出すこと、技術開発を促進すること、真に効果的なものとすること、こういった視点を踏まえて策定すべきであり、安易な規制義務化に走るべきではないと考えますが、どのようにお考えか、御説明願います。
  13. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 委員指摘のとおり、私たち約束草案を実行していくためにはあらゆる政策手法を総動員していかなければならないと思っております。  私たち目標は、裏付けがきちんとあって、それぞれの施策技術の積み上げた結果の実現可能な削減目標ということになっておりますが、一方で、徹底した省エネ、それから再生可能エネルギーの最大限の導入ということが必要です。あわせて、火力発電についても、この目標の前提となっているエネルギーミックス、これを達成すべく、石炭、LNG、それぞれの火力発電バランスを実現して低炭素化を進めていくということが極めて重要です。  そして、これを反映するべく地球温暖化対策計画早期に策定していくということは、我々が今最もこれから力を入れて取り組んでいく課題でございますが、イノベーションの促進ということについては、我が国が主張したこともあって、この協定の中に項目として、条項としてきちんと取り上げられました。これは大変、今後長期的に地球温暖化対策に取り組む上で非常に重要な観点であるということは世界においても共有をされていると思います。  抜本的に対策強化する中で、もちろんイノベーションに力を入れていきますし、また自主的手法も、そして規制的手法も幅広く対策検討していくことが必要だと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
  14. 浜野喜史

    浜野喜史君 大臣から御答弁がありましたように、安易な規制とか義務化に走るものではないという御答弁であったというふうに受け止めをさせていただきます。  次に、効果的な対策という観点から、環境アセス範囲見直しについてお伺いをいたします。  環境省検討委員会において、現在対象外小規模火力についてもアセス対象に組み入れるといったような議論がなされております。  しかし、アセス対象外小規模火力につきましては、そもそも環境負荷が小さく、周辺環境に与える影響はモニタリング結果を見ても軽微であります。対象となることで多大な期間、費用が掛かることとなり、結果として設備更新が進まなくなり、環境負荷効率の改善が遅れ、逆効果となるおそれもあります。  まずは、大規模火力も含め新設火力につきまして、環境対策高度化環境影響実態調査整理をし、その上で、効果的な温暖化対策観点から、環境影響の程度に応じたアセス制度全体について手続簡素化も含め検討すべきと考えておりますけれども、いかにお考えか、説明願いたいと思います。
  15. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 現在、小規模の火力発電所設置計画が急増をしております。このような状況を踏まえまして、有識者等による検討会設置をいたしまして、そこの場において、小規模な火力発電所による環境影響実態考えられる施策効果、またその課題について御議論いただきました。現在、その結果の取りまとめを行っているところでございます。今後予定されている検討会取りまとめを受けて具体的な対応を検討してまいりたいと思います。
  16. 浜野喜史

    浜野喜史君 更にその件質問させていただきたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、効果的な対策ということを考える場合に、小規模新設火力だけに限った調査整理ではなくして、大規模火力も含めた新設火力全般について実態調査整理する必要があろうかというふうに思います。そのことに絞って、どのようにお考えか、改めて御見解をお伺いしたいと思います。
  17. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) ただいま大臣が御答弁をさせていただきましたとおり、現在、小規模火力計画が急増しているところでございます。また、エネルギーミックス達成していく上で、そのバランスの良い達成に向けましては火力間のバランスも必要であるということでございます。  その中で、アセスメント制度効果的に対策を求めていくということでこれまでやってきておりますけれども、先生御指摘のとおり、小規模火力発電所だけ、石炭火力発電所だけを問題にするのではなく、火力発電全体につきまして、どのような対策が適切であるかにつきましてしっかりと実情を勘案いたしまして、今後検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  18. 浜野喜史

    浜野喜史君 そのような御答弁で、全般について調査整理をするんだという御答弁をいただきましたので、ここで資料要求をさせていただきたいと思います。  今後のアセスの在り方を考えるに当たりましては、やはり大規模火力も含めた実態把握が必須であるというふうに考えます。新設火力全般について環境対策高度化環境影響実態調査整理をしたもの、又は調査計画資料として本委員会提出をいただくように求めます。よろしくお願いいたします。
  19. 高橋克法

    理事高橋克法君) ただいまの件につきましては、理事会において協議することといたします。
  20. 浜野喜史

    浜野喜史君 この後は、原子力規制行政について御質問をさせていただきたいと思います。  案件は、今日まで何回か質疑を交わさせていただきました日本原電敦賀発電所二号機敷地内の破砕帯評価についてであります。今日まで質問をさせていただきましたけれども、今回は、不公正さが凝縮をされた象徴的内容として、評価書の結論の突然の書換え問題、これにつきまして質問をさせていただきたいと思います。  少し振り返りをさせていただきます。  評価書まとめの終盤は、昨年の十二月の十日、ピアレビュー会合というものが開かれました。評価書をおまとめになられてきた有識者方々に加えまして、九名の有識者ピアレビューアーと呼ばれる方が加わられて会合が持たれたわけであります。そして翌年、今年に入りまして、三月二十五日の規制委員会において評価書報告をされ、受理されたということになります。  昨年の十二月の十日から三月の二十五日までの間におきましては、ピアレビュー会合において出された意見も踏まえて、メールやり取り事務局有識者方々とのメールやり取りでもって評価書修正等が行われた、このような経緯でございます。  今日は資料を配付させていただいております。一枚目でございます。十二月の十日時点では、K断層連続性については、D―1破砕帯一連構造である可能性が否定できないという評価書内容でございました。それ以降、メールやり取り修正がなされて、下にありますように、D―1破砕帯一連構造というところが、D―1破砕帯等原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれかというふうに字句修正がなされたところであります。  まずお伺いします。このような表現見直しがなされたという事実経過、これは正しいということで理解させていただいてよろしいでしょうか、まずお伺いします。
  21. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 私どもは、有識者会合報告書は、最終的に委員会報告書を受け取るということでありまして、その途中の経過については委員会としては承知しておりません。今何か申し上げる立場にはありません。  さらに、敦賀発電所に関してのお尋ねですけれども……
  22. 浜野喜史

    浜野喜史君 そんなこと聞いていません。資料一が事実かどうかということを御答弁願いたいんです。
  23. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) ですから、その途中の経過において、当然……
  24. 浜野喜史

    浜野喜史君 途中の経過は聞いていません。表現修正された件。
  25. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 有識者会合のドラフトができて、ピアレビューを行って、それで必要な見直しが行われるというのは、今までもほかのケースにおいてもそういう手続を取っておりまして、それがピアレビューの意味ですので、それがその途中でこういうふうに変わったとすれば、多分事実だと思います。もしそのことについて更にお尋ねであれば、事務局よりお答えさせていただきます。
  26. 浜野喜史

    浜野喜史君 これは公式資料規制委員会規制庁公式資料ですから、これは事実であります。多分事実であろうなどという答えはあり得ません。事実です。  更にお伺いします。こういうふうに字句修正がされました。表現修正がされましたけれども表現修正は、この評価書の根幹を成す部分の評価修正だというふうに私は受け止めます。重要な内容修正が行われたというふうに私は受け止めるんですけれども、認識をお伺いしたいと思います。
  27. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) この資料にありますように、二〇一四年十二月十日は評価書案です。翌年三月二十五日には私ども委員会に示された評価書です。ですから、最終的に私どもが受け取っておりますのは三月二十五日の評価書であります。  ここでちょっと申し上げたいことは、敦賀発電所に関してのお尋ねなんですけれども、この敦賀発電所については、十一月五日に新しい新規制基準への適合性審査事業者より提出されております。その後、事務的な整理を経まして、十一月十九日に開催した審査会合において、重要施設直下を走る敷地内破砕帯活動性敷地内を通過する浦底断層による地震動評価を先行して審査するということで事業者合意しております。現在、この方針の下で、事業者からの申請内容を聴取しながら事業者との間で適合性審査の判断に必要な議論を進めているところであります。  一般論として、ただいま御指摘有識者会合評価書については、原子力規制委員会としては審査に当たっての重要な知見の一つとして参考とすることとはしておりますが、いずれにせよ、本件敦賀発電所についてこういった審査会合に入っている段階で審査内容にコメントすることは、私としては控えさせていただきたいと思います。
  28. 浜野喜史

    浜野喜史君 委員長にお願い申し上げたいと思うんですけれども、私の質問にお答えいただいておりません、どういう意図か分かりませんけれども。  この評価書の書換えは、評価対象を変えたということになると私は考えております。D―1破砕帯K断層と言われるものの連続性評価されてきたわけです。それが突如として、D―1破砕帯等原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれかというふうに対象が変化したわけなんです。これ、重要な内容の変更であるというふうにこれは受け止めることが当然だということを申し上げておきたいと思います。  その上で、この修正がどのような形でなされたのか。これはもう委員長が御承知なければ事務方でも結構でございます。どのような形でなされたのか。メールやり取りでなされたということでありますので、全て資料を出してくださいということをお願いしました。全て出していただきました。いろいろ私見て、全て目を通させていただきましたけれども、今日お配りいたしております資料六、御覧ください。  ピアレビュー会合の中において様々出された意見を踏まえつつも、有識者会合としても、限られたデータの中でそこまで踏み込んだ検討を行ったわけではないので、D―1破砕帯一連構造という部分を、いずれかというふうに修正をしましょうという提案をなされた。この部分しか資料の中には存在しておりません。  こういう四行の規制庁のコメントによって重要な部分が修正されたということだと思いますけれども、それ以外に経過が記録されたものはあるでしょうか。これはもう事務方でも結構です。お答えください。
  29. 櫻田道夫

    政府参考人(櫻田道夫君) 事務方からの御答弁でよろしいということなのでお答えいたします。  今、委員から御質問のございましたピアレビュー会合提出された評価書案から最終的な評価書に至るまでのその文章の書換え等に関する資料は、既に今、委員からお話のございましたような形で御提出申し上げてございます。  ただ、今御質問のございましたこの表現修正に係るところ、すなわちK断層というものとD―1破砕帯が連続するものなのか、それともK断層が連続する、あるいはK断層と関連している破砕帯がD―1のほかにもあるのかということについては、これは過去、それに至るまでの、この評価書案まとめるに至るまでの評価会合で何度となく議論をされてきた問題でございます。  ちなみに申し上げますと、ピアレビュー会合にかける評価書案議論したその直前の評価会合におきましても、この評価書案の中で、元々、最終的な評価書、最終的といいますか、ピアレビュー会合にかけた評価書案にあるような、D―1破砕帯一連構造、そういうような表現になってございますけれども、こういう言い方でよろしいかということは明示的に議論をされておりまして、その中で、実は敦賀発電所二号炉の原子炉建屋の直下には、D―1破砕帯のみならず非常に多くの破砕帯が存在する、こういったことについて委員の方からも言及があり、ここで言っている一連構造というのは、そういったたくさんの破砕帯とまさに一連のものだと、こういう意味だというふうに捉えるべきなんだろうと、こういう話がございましたので、加えて、ピアレビュー会合において、K断層に連続する破砕帯というのはD―1だけなのか、それ以外のものとは関係ないのか、こういった御指摘があったことを踏まえまして、それまでのその議論も参照した形で、事務局としてこのような修正をしてはいかがかということを御提案申し上げたと、こういう経緯でございます。
  30. 浜野喜史

    浜野喜史君 後々、今の御発言の中にも私虚偽の答弁があると思います。それはまた後ほど指摘させていただきます。  改めてお伺いしますけれども、これも櫻田部長、真っ正面からお答えになっていないんです。表現修正をしたことに関わる記録が、メールやり取り等一切資料を出していただいたということなんですけれども、この部分以外にあるんですかということを私は聞いているんです。それだけお答えください。
  31. 櫻田道夫

    政府参考人(櫻田道夫君) 申し訳ございません。委員に御提出申し上げたのは全体でこれだけの文書でございます。  今この場で、お尋ねのございましたこのほかにないのかというところについて、ちょっとこの場ですぐにお答えできる状況にはございません。申し訳ございません。
  32. 浜野喜史

    浜野喜史君 申し訳ないです、それはね。あらかじめ言っておくべきだったかも分かりません。  全て目を通させていただきましたけれども、これしかないんです。この四行でもって評価書を変えたということなんです。有識者会合の四名の方々にこういうメールを送って、有識者方々からのこれに関する反応はありません。ただこの四行で評価書の重要な部分を修正してしまったということなんですけれども、そのことについて田中委員長はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
  33. 田中俊一

    政府参考人田中俊一君) 先ほどもお答えしたとおり、その間で有識者会合が最終的にどういう内容合意したかといいますと、三月二十五日の評価書でありますので、それまでのプロセスについて、いい悪いという、どういうお考えかと言われても、私の個人的見解を申し上げるべきではないと思っております。
  34. 浜野喜史

    浜野喜史君 全くもって不誠実な答弁だというふうに私は思わざるを得ません。  少し角度を変えて御質問させていただきますけれども資料四を御覧になっていただきたいと思います。  この資料四というのは、私がお願いをいたしまして要求をしまして、どのような経過修正がなされたのか、取りまとめがなされたのかということを説明してくださいというふうに求めましたところ、出していただいた資料でございます。  資料の四のところを御覧ください。分かりやすくするように白抜きで該当部分、表しております。ここで、まず、右の方ですけれども有識者会合は、事業者が行った調査により得られたデータに基づき云々と、そして四行目ですね、先ほど櫻田部長がおっしゃった、D―1破砕帯一連とは、D―1破砕帯に付随する分岐断層なども含めた意味であるとの議論があったためということであります。確かに、これ十一月の十九日、昨年の十二月の十日のピアレビュー会合の前に行われた評価会合の中で、このような議論は議事録を見る限り確かにあります。それは私も認めます。  しかしながら、そのような議論をした上に立って、結論としては、表現を変えずにD―1破砕帯一連という表現まとめたということが結論なんです、十一月十九日の会合の。  したがって、ここで説明すべきは、そういう議論はあったんだけれども、結論としてはD―1破砕帯一連という表現に結論付けた、しかしながらと、こういうことなら私は理解できるんですけれども、途中議論経過だけ載せておいて、最終的にD―1破砕帯一連というふうに結論付けたことを載せていない。ここは、説明において私は虚偽の説明をしているというふうに考えるんですけれども、これも事務方の御答弁でということであればそれで結構です。お答えください。
  35. 櫻田道夫

    政府参考人(櫻田道夫君) 今、委員の御指摘のあった資料のこの右側の欄というのは、この資料は、左側に書いてあるのがピアレビュー会合でいただいたコメントでございまして、これを受けて最終的な評価書の中にこのコメントをどのように扱ったかということを右側の欄に書いたものでございますので、このピアレビュー会合でこういったコメントがあったことを受けて、過去に右側の欄に書いてあるような議論があったということもありましたので、この指摘を踏まえて、元々の評価書にあった表現を最終的な評価書表現にしたと、こういうふうに説明したものでございますので、全く事実をそのまま書いたものでございます。
  36. 浜野喜史

    浜野喜史君 もう一回質問します。  この四行目に「D―1破砕帯に付随する分岐断層なども含めた意味であるとの議論があったため、」というふうにされています。議論はあったんです。議論はあったんだけれども、結論としてはD―1破砕帯一連というふうに結論付けたというふうに書くべきなんじゃないですかというふうに言っているんです。  その会合において結論がD―1破砕帯等というような結論にしているんであれば、私はここに誤りはないと思いますけれども、結論は、D―1破砕帯一連と。いずれかなんという結論にしていないんです。そのことを伏せて、そのような議論があったためというふうに表現しておられるのは誤りではないですかということを問うております。お答えください。
  37. 櫻田道夫

    政府参考人(櫻田道夫君) 繰り返しになりますが、よく読んでいただきたいんですけれども、今、委員の御指摘になったところは、過去の評価会合でこういった議論があったため、左の指摘を踏まえ、かくかくしかじかという評価書案の部分をかくかくしかじかという評価書の最終的な部分に変えたと、こういうふうに書いてあるわけでございまして、過去の評価会合でこういった指摘があったので評価書案をこのように書いたというふうに書いてあるわけではございませんので、そのような日本語を書いたつもりでございます。
  38. 浜野喜史

    浜野喜史君 これもう一度だけお伺いします。  左の指摘を踏まえというところはまた後ほど御質問させていただきますので、私はそこの部分を言っているわけじゃないんです。  このような議論があったためというところは、議論はあったんだけれども、結論はD―1破砕帯一連という表現で結論付けたということが事実なんです。事実です。  もう一回御答弁、機会与えますので、御説明ください。
  39. 櫻田道夫

    政府参考人(櫻田道夫君) 過去の評価会合でこういう指摘がありましたと。それで、評価書案ではD―1破砕帯一連構造というふうにしましたと。それで、ここで表現をしているのは、この資料そのものはどういう目的の資料かというと、ピアレビュー会合でいただいたコメントを受けてどう対応したかということを書いている資料でございますので、何らうそとか虚偽とかいうことを書いているとは私ども考えてございません。
  40. 浜野喜史

    浜野喜史君 私は、これは誤った御説明だというふうに、これは主張しておきたいと思います。  結論は、D―1破砕帯一連ということで、表現修正しなかったわけなんです。ただ、その前にこのような議論があったということは、これは認めます。したがって、表現するのであるならば、これは繰り返しになりますけれども議論はあったけれども、最終的にD―1破砕帯一連という表現にしたというふうに表現すべきだということを、これ強く主張申し上げておきたいと思います。  次に、その右の記述、左の指摘を踏まえというところです。櫻田部長説明あったように、二人のピアレビューアーの方々から御指摘があったわけであります。下が岡田先生、上が粟田先生ということです。  まず、岡田先生の御指摘を踏まえというふうに表現されておられますので、どう踏まえられたのか、どう踏まえれば、いずれかと一連構造ということになるのか、これを説明していただきたいと思いますけれども。  といいますのも、岡田先生は、K断層とD―1破砕帯は、全く違うものではないかというふうに御意見されたんです。ここに記述されているとおりです。このことを踏まえて表現修正をしたと。どう踏まえれば、D―1破砕帯等、いずれかと一連構造ということに結び付くのか。どう踏まえたのか、御説明いただきたいと思います。
  41. 櫻田道夫

    政府参考人(櫻田道夫君) 私どもは、ここでいただいた御指摘、お二方の先生から同じような趣旨の御指摘をいただいているわけでございますけれども、それは、K断層の延長として、K断層というのは実は原子炉建屋から少し離れたところにございます。D―1破砕帯が見付かったのは原子炉建屋の下の部分でございます。したがって、K断層から原子炉建屋の方を見たときに、D―1破砕帯以外にもいろいろたくさんあるよなということがまずあって、その中で、あるいはそれと違うところにもあるものもあります。そういう状況を踏まえた上で、K断層がどこに連続するかというと、D―1破砕帯だけということではないのではないかと。  そこにございますように、D―1破砕帯とKというのは性状も違うのではないか、こういう岡田先生の御指摘でございますし、その上に書かれたコメントにおきましても、どうしてD―1とKを結び付けて議論しなければならないのか分からない、こういう御指摘でございましたので、先ほど申し上げましたように、ほかにもたくさんある中で何でKの延長部分はD―1だけなのかという、こういうふうな御指摘というふうに捉えましたし、また、その議論は実は、先ほどから申し上げているように、評価会合で過去に有識者間の中でも議論があったということがありましたので、そのように受け止めさせていただいたということでございます。
  42. 浜野喜史

    浜野喜史君 それも私はねじ曲げた御説明だというふうに受け止めます。  もう一度質問しますけれども、岡田先生は、K断層とD―1破砕帯は、全く違うものだということをおっしゃっているんです。確かに、建屋には、明確なこのD―1破砕帯以外にも不明瞭な破砕帯は地質図上現れております。そういうもの等含めて評価をしなさいというふうに主張されたんじゃないんです。K断層とD―1破砕帯は全く違うものというふうにおっしゃっているんですね。  このことを踏まえるならば、D―1破砕帯等、それ以外のいずれかと一連構造というふうな答えになるはずもないんです。K断層とD―1破砕帯一連構造かというふうに思っていたけれども、そうじゃないというふうに判断するのであれば、この岡田先生のコメントを踏まえたことになりますけれども、なぜこの岡田先生のコメントを踏まえてこの結論に結び付くのか、改めて御説明いただきたいと思います。
  43. 櫻田道夫

    政府参考人(櫻田道夫君) 大変専門的な議論が続いていて恐縮でございますが、D―1破砕帯K断層一連構造という表現の意味するところでございますけれど、これはD―1という破砕帯K断層に一直線に続くと、こういう意味ではありません。元々、一連構造と言っておりますのは、それと一直線かどうか分からないけれども一体となって動くというような、そういうような意味合いを込めた表現でございました。  ただ、D―1とKだけを取り上げてこれは一連構造というふうに表現をすると、これは同じものであるとか、D―1とKが同じものであるとか、D―1とKが一体のものであるとか、こういうようなイメージをお持ちになる可能性もありますし、またそういった受け止め方をされたという、おそれもあるかなということも踏まえまして、一連構造というのはどういう意味かということももう少しきちんと書いた方がよろしいのではないかということで、D―1破砕帯等原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれかと一連構造というふうに、このように少し説明を加えたという、そういうことでございます。
  44. 浜野喜史

    浜野喜史君 全く虚偽説明を私はされているというふうに改めて申し上げます。  上の粟田先生の指摘も踏まえて見直したんだというふうにおっしゃっています。これについてもお伺いをいたします。  書かれていますように、D―1破砕帯K断層を結び付けて議論しなければならないのか分からないというふうにコメントされているんです。そもそもD―1破砕帯K断層を結び付けて議論しなければならない意味が分からないと。このコメントを踏まえて、同様の、D―1破砕帯等、いずれかと一連構造。なぜこの粟田先生のコメントを踏まえればこういう答えが出てくるんですか。このことについても御説明ください。
  45. 櫻田道夫

    政府参考人(櫻田道夫君) 繰り返しでございますけれどもK断層と結び付けるものがD―1破砕帯だけなのかという趣旨の議論がずっとありましたので、そのD―1破砕帯K断層だけを結び付けて議論しなければいけないのかと、こういうコメントというふうに受け止めたわけでございます。ほかにもたくさんの破砕帯が実は敦賀発電所の中にはございますので、そのことも当然念頭に置いて、しかも過去の評価会合ではそういった議論がなされたということがありましたので、こういった最終的な表現を御提案申し上げたということであります。
  46. 浜野喜史

    浜野喜史君 この粟田先生のコメントは十二月十日のピアレビュー会合でおっしゃった御意見であります。この際の私は議事録を見てみました。粟田先生がこのようにD―1破砕帯K断層を結び付けて議論しなければならないのがよく分からないという意見を出された直後に、当時の小林管理官がこういうことをおっしゃっているんです。十二月十日のピアレビュー会合です。  今、粟田さんが御指摘のところ、まさにこの一号炉の下を通るD―6、D―5破砕帯、これと浦底断層との関係、これについては、立て坑を掘って、これを今、日本原電は調べようとしてございました。ただ、この時点では、やはり二号機の真下を通る、こういった破砕帯が重要ということでと、こういう説明をこの粟田先生のコメントに対して当時の小林管理官はされているんです。  ということは、この粟田先生のコメントは、直下にある不明瞭な破砕帯も含めて評価をしなさいということをおっしゃっているんじゃなくして、この二号機ではなくして、一号機方面のものの方がむしろ重要じゃないんですかということをコメントされているんです。これ議事録見れば明らかなんです。そういうことを踏まえれば、なぜこんな結論になるのかということを私は問うているんです。御説明ください。
  47. 櫻田道夫

    政府参考人(櫻田道夫君) 今の小林管理官の回答は、今、委員が御指摘されたD―1破砕帯K断層を結び付けて議論しなければならないのか分からないといった御指摘のその直上のところですね。例えば、浦底断層が屈曲したところから延びている断層があるが、むしろこのような副断層の方が連動して動く可能性が強いと。これは、浦底断層と連動して動く副断層という意味でいうと、こういった屈曲したところから延びている断層、これが先ほど小林管理官が発言しているD―6とかそういった破砕帯なんですけれども、こういったことをこの場でおっしゃっているので、そこのところを小林管理官は御説明したわけであります。  繰り返しになりますが、敷地内にはD―1破砕帯以外にも多くの断層がある。その中に今御指摘のあったD―6とかいうものもありますけれども、先ほどから何度も申し上げておりますように、この評価会合議論をしている二号炉の直下の破砕帯、それがD―1破砕帯でございますけれども、そのD―1破砕帯以外にもたくさんあります。そういったものも含めて御指摘いただいているというふうに受け止めてございます。
  48. 浜野喜史

    浜野喜史君 それもねじ曲げた私は御説明だというふうに申し上げたいと思います。  これ、粟田先生それから岡田先生に、御両人の意見を踏まえてこういうふうに修正をしますよということを確認されたかどうか、御説明ください。
  49. 櫻田道夫

    政府参考人(櫻田道夫君) 確認したかどうかというのはちょっとどういう意味か分かりませんけれども、このピアレビュー会合において、最終的な締めのところでも座長からお話がございましたが、最終的に評価書というのはこの有識者の五人の方々がその責任でもって取りまとめるものなので、その修正については有識者方々の責任でおまとめいただくと、こういうふうにまとめていただいてございますし、そのようにずっと運営してございますので、評価書修正したところについて、ピアレビューでコメントをいただいた方々に、全て、このように直すけれどもよろしいですかというような、そういう確認作業は行っておりません。
  50. 浜野喜史

    浜野喜史君 これは、私も粟田先生、岡田先生に直接お伺いしたわけじゃありませんので、確たることは申し上げられないかも分かりません。しかし、私は、粟田先生、岡田先生にこのペーパーを見ていただいたら、私は率直に申し上げて、唖然とされるというふうに思います。我々はこんなことを指摘したわけじゃないというふうにまずおっしゃるだろうということを申し上げておきたいと思います。  この書換えの件は、先ほども申し上げました、たったの四行の事務局の提案によって、そして何の議論もなく評価書の根幹の部分が修正された。私は、日本の行政機関としてこんなことをやっていいのかという思いでございます。このような評価書が重要な知見の一つとして参考として扱われるなどということはあってはならないということを、主張を改めてしておきたいと思います。  その上で、もう一つお伺いいたします。  有識者会合の先生方に最終的に了承をいただいたと、そして了承しますというメールは返されてきたという説明でございました。しかしながら、全てそのメールは今後の業務に必要がないので削除をしたということでございました。私は、多くの方々に、こういうことが事実のようだということを説明をしましたところ、皆さん信じてもらえませんでした。そんなことがあるのかと、必ずメールは置いておくよという反応でございました。  そこで、私は疑問があります。メールを削除されたということでありますけれども、本当にメールは送られてきていなかったんではないかということ、更に言えば、送られてきていたんだけれどもいろんなコメントが付いていたんではないかと、こういう疑問が出てくるのは私は自然なことだというふうに思います。このような私の疑問に、疑問を払拭する御説明をしていただければと思います。
  51. 櫻田道夫

    政府参考人(櫻田道夫君) まず、お答えする前に、先ほどの委員のお話の中で、全く議論がなしにこのように修正したという御発言がございましたけれども、先ほどから何度も御答弁申し上げているように、この一連構造とかD―1だけじゃないんじゃないかとか、こういったことについては、その前に何度も評価会合の中で議論されていたということは改めて申し上げさせていただきたいと思います。  それで、今、委員から御指摘のございましたメールの削除の件でございますけれども、これは私ども、行政を進めていく上で、一つ一つのメールを全部取っておくというようなことはしてございません。今回の件でいいますと、最終的にこの評価書が固まるまでの間に何度もその評価書を訂正をして、先生方に送って御意見をいただいた、そういうプロセスを経ておりますので、その過程においていただいたコメントは全て残してございますし、そのバージョン管理もしてございます。それらについては全て浜野議員に御提出してございますので、そういった意味で、この経過をたどるために必要な記録はきちんと残しておるということでございます。
  52. 浜野喜史

    浜野喜史君 私は、私の疑問は自然だというふうに私自身思っています。削除されたメールというのは本当は来ていなかったんじゃないか、そして、繰り返しになりますけれども、何らかのコメントが付いていたんじゃないですか、その私の疑問を払拭できないわけなんです。ということは、やはり残しておくべきだったんです。だから、不適切な対応をされたというふうに私は言わざるを得ないというふうに思います。  さらに、議論を尽くしてきたというふうに櫻田部長はおっしゃいました。議論は尽くされてきたのかも分かりません。しかし、十二月の十日のピアレビュー会合から表現修正なされた結果、国民が見れるのはこの記録しかないんです。記録を見れば、今日示しました資料の六、これしかないんです。どういう経過修正がなされたのか、記録残っているのはこの規制庁の四行だけなんです。そこまで踏み込んだ検討を行ったわけではないので、一言で言えばぼやかしましたということ、こんなことが私はあっていいはずがないというふうに思うところであります。  大変申し訳ありません、三年内の見直し、そして総務省の方にもこの件についてお伺いをしようと思っておりましたけれども、そろそろ時間が来ております。大変申し訳ございません、改めての機会にさせていただきたいと思います。  いろいろ質疑を交わさせていただきましたけれども、私は全く説明に納得がいきません。全然答えていただいていないというふうに思います。この評価書は、重要な知見の一つとして参考にされるようなものではないということだと思います。このことを強く申し上げておきたいとともに、今後の審査に当たりましては、当然ながら、具体的に疑問が突き付けられている、そして具体的な問題提起がなされている、そのようなことについて真摯に向き合っていただいて、公正な審査原子力規制委員会において行っていただくことを強く求めて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  53. 杉久武

    ○杉久武君 公明党の杉久武でございます。  本日は、環境委員会の閉会中審査でございます。通告に従いまして、順次質問をいたします。  初めに、この委員会の冒頭、御報告がございましたCOP21に関連して何点かお伺いしたいと思います。  先ほど来御案内のとおり、二〇二〇年以降の地球温暖化対策に関する新たな国際的枠組みとなりますパリ協定が、現地時間の今月十二日の夜、日本時間になりますと十三日の未明に採択されたところでございますが、このパリ協定は、京都議定書に代わる十八年ぶりの新たな枠組みでございます。  丸川大臣も、人類の歴史上初めて全ての国が参加する温暖化対策国際枠組みができたとおっしゃられたとおり、地球温暖化問題という全地球的規模の課題解決に向けて、各国が複雑な利害関係を乗り越えて、地球全体の利益を優先して採択に至った画期的な合意でございまして、私自身も高く評価をしているところでございます。各国との合意形成に御尽力いただきました丸川大臣を始め、環境省を始めとする日本政府代表団の皆様、また関係者の皆様に私からも改めて敬意を表したいと思います。  そこで、まず丸川大臣にお伺いをさせていただきます。  今回の合意につきまして、本当に大変な作業、また場面もあったかと思いますが、その点につきまして、率直な御感想を伺えればと思います。
  54. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 杉委員指摘のとおり、本当に歴史的な合意を形成することができたということをまず喜びたいと思います。  とりわけ、百九十六の国と地域は、それぞれに本当に置かれている環境が違うわけであります。経済の発展の度合いも違います。産油国もあれば島嶼国もあります。真っ向から対立する論点が幾つもあった中で、本当に激しい議論を時にはいたしましたけれども、最後には、何としてもこの合意を持って帰らなければ自分たちそれぞれの国へ帰れないという思いをお互いに共有して、最後、合意をすることができました。  実は、最後の最後の会議も、木づちで打つという合意会議も最後二時間始まりませんで、やっぱり留保したいという国が出てきたり、やっぱりこの文言は受け入れられないというような議論があったりして、本当に最後まで合意できるかどうか分からないような状況の中で、合意に至ったその人類の英知を喜びたいと思います。ありがとうございます。
  55. 杉久武

    ○杉久武君 今回のこの枠組み合意でございますが、温室効果ガスの二大排出国であります、言われますアメリカと中国、この二か国が合意枠組みに入ったこと、さらには先進国途上国の双方が歩み寄ることができたことで、ようやく人類が一丸となって地球温暖化対策を行っていこうという言わばスタートラインに立ったわけであります。この点は本当に歴史的な第一歩でございますが、しかしながら、いよいよ私たちはスタートラインに立ったということでありますので、間髪入れず、これからどうしていくのかということが必要になってまいります。  この点におきまして、安倍総理が今月十三日に出された談話の中で、日本が二〇三〇年に温室効果ガスを二〇一三年比で二六%削減するという目標計画的に取り組むことを表明された上で、経済成長を犠牲にせずにこれらを達成していくと強調をされ、地球温暖化対策について内閣の最重要課題として取り組むと強い決意を示されております。  しかしながら、経済成長を犠牲にしないで取り組むことは大変でございまして、排出量削減につながりそうな規制強化には経済界の反発は当然あるわけでありまして、低炭素社会の実現と経済活動の両立には大きなハードルがあるかと思います。  中でも、国内排出量取引制度につきましては、これは環境省としては中長期的には導入に向けて取り組んでいくといった考えも一部では示されておりますが、この点について環境省は、今回のこのパリ協定実効性あるものにするという観点からどのようにお考えか、また、経済成長との両立の面からこの国内排出量取引制度の導入は実現可能なものなのか、これを環境省伺いたいと思います。
  56. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) パリ協定採択を受けまして、我が国としましては、まず地球温暖化対策推進法に基づきます地球温暖化対策計画をできるだけ早期に策定をいたしまして、国際社会に約束いたしました我が国削減目標達成に向けた取組を着実に実施をしていきたいと考えております。  御指摘国内の排出量取引制度につきましては、排出取引制度そのものについては費用対効果の高い対策を促進しつつ確実に排出削減につなげる有効な手法であるというふうに一般的に考えられているところでございます。一方で、御指摘の経済成長との関係も含めて、例えば、産業、雇用に対する影響の分析あるいは海外における動向の把握などについてもいろんな懸念が示されておりますので、そういったものについても調査をしてきたところでございます。  環境省といたしましては、海外の動向にも注視しながら、そういった調査あるいは懸念に対する考え方を更に深めてまいりたいというふうに考えてございます。
  57. 杉久武

    ○杉久武君 続いて、先日の三十日のCOP21の首脳会合の席上、安倍総理はスピーチの中で、日本の技術を生かして発展途上国の温室効果ガスを削減し日本の削減分に繰り入れる二国間クレジット、JCMの活用を明言されました。丸川大臣も、JCMは温室効果ガスの削減を実現するものということで参加国会合でアピールをされ、各国閣僚から賛同の拍手が上がったとも伺っております。  このJCMは、私ども公明党に設置しております地球温暖化対策本部といたしましても大きな位置付けを持って推進をしてまいりましたので、我が党としても、大変意義深く、また強い期待を寄せているところであります。日本の技術力で世界に一層貢献できる大変重要なチャンスである、このように考えているわけでございます。  今回の総理の発言を受けまして、JCMの活用、具体的には、本日冒頭にも御報告いただきましたが、十六か国との協力継続となるかと思いますが、今回のJCMの活用について環境省から詳しく御説明をいただければと思います。
  58. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) 先生御指摘のとおり、COP21の安倍総理からのスピーチには、日本は、JCMなどを駆使することで、途上国の負担を下げながら、画期的な低炭素技術を普及させていくという形で明言をしていただいたところでございます。  そして、パリ協定では、このような我が国の主張が反映されまして、約束草案達成にJCMを含めます市場メカニズムが活用できるといったようなことが明確に、条文上でいきますと、パリ協定の六条の二そして三に位置付けられたところでございます。  そしてまた、JCMにつきましては、現在、十六か国と協定等を結びましてパートナー国という形になってございますけれども、さらには、COP21の期間中にフィリピンと、近い将来パートナーシップになるべくフィリピンの大臣そして丸川大臣の間で覚書も結んでいただいたところでございます。  また、JCMのプロジェクトの候補としまして五十件程度のプロジェクトについて今進めているところでございまして、そのうち既に八件ほどについてはJCMプロジェクトとして両国の政府間で、関係国政府間で認められて進めているところでございます。  御支援いただきまして大変ありがとうございます。このJCMにつきましては、非常に途上国に対して技術的に貢献できる重要な手段だと考えてございます。今後とも積極的に貢献してまいりたいと思っております。
  59. 杉久武

    ○杉久武君 ありがとうございます。是非これは、JCMも非常に大切でありますので、推進をお願いをしたいと思います。  さて続いて、COP21から少し外れますが、省エネ関連、省エネ分野に関連をしてということで確認を一つさせていただきたいと思います。  先月の二十六日に、新聞やテレビ等でかなり刺激的な報道がございました。皆様も御記憶があるかと思いますが、白熱電球や蛍光ランプが二〇二〇年をめどに実質製造禁止になるのではないか、こういった報道がございまして、その当時の記事などでは、COP21に向けて日本の温室効果ガス削減への取組を具体化する狙いもある、このような報道がなされておりました。  これらの報道が契機になりまして、蛍光灯など我が家にある照明機器政府が強制的に使用禁止にするのかなど、一部では問合せが殺到していると、ちょっとした騒ぎになっておりました。  まず、これらの報道につきまして、経済産業省などからはそういうことはないと発表されておりますが、これらの報道の事実関係と経済産業省の対応について確認をいたします。
  60. 藤木俊光

    政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。  十一月二十六日に官邸で官民対話という会議が開かれまして、その場で安倍総理から御指示をいただいたわけでございますが、その内容は、来年度に省エネトップランナー制度を白熱灯へ適用すると、こういうものでございます。  これは何を意味しているかといいますと、白熱灯、蛍光灯、それからLEDなども含めた照明機器全般省エネ効率を高めていくという趣旨でございまして、報道のように、トップランナー制度によって今後、蛍光灯、白熱灯を実質製造禁止にするというものではございません。  したがいまして、外部からの問合せ等に対してはそうした旨を我々としても明確にお答えしているところでございます。
  61. 杉久武

    ○杉久武君 今御説明にもありましたけれども、蛍光灯を一律に悪者にして禁止するわけでは決してないということでございます。  その一方で、経済産業省のホームページを見ますと、確かにこれ禁止されることはないと。ただ、その文言に続きまして、今答弁いただきましたように、トップランナー制度、これについて触れられております。  このホームページに掲載をされた説明をそのまま読み上げますと、エネルギー消費効率の高い製品の普及促進を目指し、製造事業者等に機器等のエネルギー消費効率の向上努力を求めているトップランナー制度に関して、照明製品を一本化した新たなトップランナー制度導入検討がこれから開始されますとあります。最後には、なお、新たなトップランナー制度につきましては、現時点で具体的な内容は一切決まっておりませんとありました。  言うまでもなく、トップランナー制度というのは継続的な省エネ化が促進されますので、地球温暖化対策には大きな貢献が期待ができますが、しかし、ここで一つ指摘をしておきたいのは、白熱電球、蛍光灯、LEDを含んだ照明製品を一本化して省エネ基準を作るということになりますと、もし照明器具全体で同じトップランナー基準が仮に設定された場合、省エネ性能に勝るLED照明が必然的に有利になっていく、そう考えます。そういたしますと、トップランナー制度の設計次第によっては、白熱灯や蛍光灯は、製造禁止にはしないといっても、急速に製造が衰退をする可能性がある、そういった懸念も抱くわけであります。  そして、私が申し上げたいのは、結局のところ、最終消費者である国民の皆様にLED照明機器への事実上の強制買換えといった過剰な負担、しわ寄せが二〇二〇年辺りに急激に来てしまうのではないか、こういった懸念を持っているところであります。蛍光灯が省エネではないとは言えませんし、まだ使用可能な蛍光灯などの照明機器が全国的に雪崩を打って廃棄をされるということになると、それこそ本当にエコなのかということの問題意識さえ感じます。  そういった意味におきまして、経済産業省に伺いますが、照明機器に関する新たなトップランナー制度について、いつ頃までにどのような形で決めていくのか、まずその方向性を伺いたいと思います。重ねて、トップランナー制度自体は環境対策としても非常に大事な制度であることは言うまでもありませんが、国民の皆様に過剰な負担、経済的負担、しわ寄せが起こらないようバランスも取る必要があると思います。この点をしっかり考慮した上で検討されるよう強く要望したいと思いますが、経済産業省の見解を伺います。
  62. 藤木俊光

    政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。  今年の夏、私どもで策定いたしましたエネルギーミックス、あるいはその後の温暖化目標の中でも、二〇三〇年時点においてLEDなどの高効率照明をほぼ一〇〇%に近く普及していくという目標を立てております。これを実現していくということで、新しい照明のトップランナー基準ということで照明の高効率化を進めていくというふうに考えております。  具体的には、今先生御指摘ございましたように、蛍光灯、LEDという二つの基準に分かれているわけでございますが、白熱灯も加えた照明ということでの基準を作っていくという作業をこれから始めていきたいと思っております。詳細につきましては、来年度早々に総合エネルギー調査会の下にワーキンググループを設置いたしまして、専門家の方にお集まりいただきまして議論を進めて、来年度中には取りまとめて決定したいというふうに思っております。  一方で、御指摘のとおり、LEDなど、蛍光灯に比べて現状ではまだ価格が高いということはあるというふうに認識しております。ただ、御案内のとおり、電気代が安くなるとか、あるいは長期間使えるといったようなことで初期投資が十分回収できるという現状もございますし、また、大変技術革新によって相当値段が下がってきているという実態もあるわけでございまして、また、こういったトップランナー基準の中で更に高効率な製品が生み出されていくといったようなことも期待されるわけでございます。  いずれにしましても、もちろん我々としてはなるべく早く高効率なものに切り替わっていくことは期待しているわけでありますが、一方で、過大な負担あるいは混乱ということが、招かないようにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
  63. 杉久武

    ○杉久武君 よろしくお願いしたいと思います。  続いて、話題を少し変えまして、メッキ業に関する環境面の課題について何点か確認をしたいと思います。  メッキといいますと、金属素材を始め、最近ではプラスチックやセラミックなど、様々な素材の表面に皮膜を生成させる技術でございますが、我が国には極めて高い、高度な被膜技術がございます。メッキ業は、物づくりにとって欠くことのできない我が国を代表する業種と言っても過言ではありません。一方で、メッキを施す際には、金、銀、銅のみならず亜鉛やカドミウム、ニッケルといった金属を使用しますし、ホウ素やフッ素といった言わば環境負荷の高い物質を使用しなければなりません。しっかりとした管理監督が必要でございます。  そこで、最初にお伺いをしたいのは、水質汚濁防止法に基づきますメッキ業への排出基準でございます。  この排出基準でございますが、メッキ業では、一律排出基準への移行に向けた取組の中で暫定排出基準の適用が認められておりました。例えば、ホウ素やフッ素等につきましては来年の平成二十八年六月三十日まで暫定排水基準の適用が認められておりますし、亜鉛につきましても平成二十八年十二月十日までは暫定排出基準の適用が認められる、そういったところでございます。  いよいよ暫定排出適用期限が半年あるいは一年を切った今、メッキ業を営んでいる皆様は大変苦悩しておられます。といいますのも、メッキ企業の皆様は、一律排出基準への移行に向けて一生懸命取り組んでおられるわけでありますが、業界一丸となって頑張っても、基準以内に処理しようにも、思い切った設備投資ができないとか、そもそも実用的な処理技術の開発が十分になされていない、こういった現状があると伺っております。  このような状況の中で、このまま暫定排出基準の適用期限を迎えてしまいますと、多くの小規模メッキ企業は一律排出基準に対応できない。そしてこの対応できない企業は淘汰されていく状況に追い込まれていくわけでございます。このままではメッキ業界が存在し得ないような事態に直面しかねませんし、メッキ業だけでなく、我が国の物づくり産業自体に深刻な影響を与えてしまうのではないか、そういった意味でも危惧をしているところでございます。  そこで、まず経済産業省に確認をいたします。  仮に暫定排出基準の適用期限を迎え、自動的に一律排出基準に移行した場合、先ほどにも申し上げましたとおり、メッキ業を廃業せざるを得ない企業が多数出てくるのではないかと考えますが、経済産業省としてはこの点をどのように見られているのか、伺いたいと思います。
  64. 福島洋

    政府参考人(福島洋君) お答えを申し上げます。  我が国の電気メッキ業は、自動車産業、それから航空機産業などを支える基盤産業として極めて重要な位置付けにあると認識をしております。  電気メッキ業におきましては、水質汚濁防止法の一律排水基準に対しまして、ホウ素、フッ素、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素につきましては来年の六月、それから亜鉛につきましては来年の十二月の期限で暫定排水基準の適用を受けております。電気メッキ業者が加盟します全国鍍金工業組合連合会からは、平成二十七年上半期に会員企業に対しまして排水中の規制対象物質の濃度を調査した結果を聞いてございます。  ホウ素につきましては測定事業所数六百五十二事業所のうち二十四事業所、フッ素につきましては測定事業所数六百四十事業所のうち三十八事業所、それから硝酸性窒素、亜硝酸性窒素につきましては測定事業所数四百四十七事業所のうち九事業所、最後に亜鉛につきましては測定事業所数七百五事業所のうち百九事業所が一律排水基準を超過しているという報告を受けております。  したがいまして、議員御指摘のとおり、来年に暫定排水基準が失効した場合には電気メッキ業において対応に苦慮する事業者が一定割合存在するのではないかというふうに思っております。
  65. 杉久武

    ○杉久武君 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、最後に環境省に、通告では二問に分けておりますが、まとめてお伺いをしたいと思います。  今経産省から答弁がありました。一方で、環境省伺います。近年のメッキ排水には、内容の把握しにくいものも含まれるなど、排出処理自体難しくしている、そういった指摘もございます。一律排出基準への対応に向けて、低コストの優れた処理法の開発、普及がこれ課題になってまいりますが、現状はどのようになっているのか。  そして、あわせて、暫定排出基準の適用期限を迎えるに当たって、環境省としてはどのように認識をされておるのか。例えば、暫定基準は例外なく廃止するのか、また再延長を検討する可能性はあるのか、率直なところをお伺いしたいと思います。
  66. 高橋康夫

    政府参考人高橋康夫君) メッキ排水の処理の問題でございますけれども委員指摘のとおり、ホウ素やフッ素を含むメッキ廃液の処理につきましては、例えば処理の過程で大量の汚泥が発生するとか、あるいは処理装置の小型化が必要であるとかいう課題がございます。また、吸着剤につきましても、まだ現状では十分な除去性能が得られていないというふうな課題もあると認識してございます。  環境省におきましては、この見直しについてでございますけれども、排水の排出実態、あるいは今申し上げましたような排水処理技術の開発動向、こういうものにつきまして事業者団体からのヒアリング等を実施し、また有識者検討会での議論を重ねた上で、可能な範囲でこの低減が図られるように見直しをするということが基本的な考え方でございます。  こういうことで、具体的には、来年六月末で期限を迎えますホウ素、フッ素等については、今申し上げましたような事業者団体からのヒアリングを既に終えたところでございます。今後、中央環境審議会の水質部会の排水規制等専門委員会におきまして審議をし、またパブリックコメント等の実施を行った上で適切な基準を設定してまいりたいというふうに考えております。
  67. 杉久武

    ○杉久武君 現場の事業者の皆さんの御意見をしっかり聞いていただくとともに、暫定基準でありますので、当然出口は考えていかなきゃいけませんけれども、一方で、やはりこのメッキ業というのは我が国の産業を支えてきた業界でもございますので、しっかりとその辺のバランスも取っていただきながら建設的な検討を是非お願いをしたいと思います。  時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  68. 高橋克法

    理事高橋克法君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、羽田雄一郎君が委員辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。     ─────────────
  69. 市田忠義

    ○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。  今日はCOP21のパリ協定について御質問したいと思います。    〔理事高橋克法君退席、理事上月良祐君着席〕  パリ協定の全体としての評価ですが、京都議定書に続いて、世界の脱炭素化に向けて気候変動対策を更に進める重要な一歩となったと、我が党もそう評価しています。ただ、幾つかの問題点も残されていると。例えば目標達成義務化長期目標の数値化、これは見送られました。対策実施するための実効性課題となりました。  丸川環境大臣は、閣僚級セッションのステートメントで、第一に長期目標の設定、第二に各国が五年ごと排出削減目標提出、見直す共通サイクル、第三に各国取組状況に関する共通だが柔軟な報告、レビューの仕組みなどを位置付ける等々を表明されました。  実は、ここには、丸川大臣及び日本政府の交渉姿勢として、次の二つのことが示されているというふうに思います。一つは、目標達成に法的拘束力は持たせないで国際的なレビューを受ける仕組みにすること。二つは、先進国途上国の二分論を超えて共通の枠組みをつくることが大切だと。このことが示されているというふうに思います。  私は、冒頭述べましたように、今度のパリ協定の全体としての積極的な面を評価しつつ、やっぱりこういう今述べたような日本政府の交渉姿勢が先進国の責任を曖昧にして、目標達成義務化を見送るなど、パリ協定が結果としては骨抜きになってしまったのではないかと。その点についての大臣の認識を伺いたいと思います。
  70. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 御質問ありがとうございます。    〔理事上月良祐君退席、理事高橋克法君着席〕  先ほど来申し上げておりますが、百九十六の国・地域がそろって合意に至ったというのは、二〇二〇年以降の地球の温暖化の枠組みを転換させる本当に歴史的な合意であったと思います。そして、今、その達成義務化という点について御指摘ございましたけれども、現場におった感触としては、仮にこれがもし達成義務化ということを目指していたのであったならば、この合意自体が得られなかったのではないかという感触を私は持っております。  二〇二〇年以降、全く枠組みなしということは全ての国が考えられないという思いであの会議に臨んでおりましたし、途上国先進国の差なく、この合意を持ってでなければ国へは帰れないという言葉を度々聞きました。そういう点でいえば、まず第一歩として、達成義務化ではなく、それぞれが目標を掲げ、それを五年ごとのサイクルで見直していくという形で野心を高めていくという方法が取られたものだと理解をしております。
  71. 市田忠義

    ○市田忠義君 骨抜きと言っているのは私だけではないんです。  例えば、十二月十三日付けの毎日新聞の記事によりますと、アメリカの交渉団のトッド・スターン特使自身が骨抜き合意であることを事実上認めたと報じられています。全体としてのCOP21の積極面と同時に、米中の参加を優先する余り骨抜きになったことは大変残念だということは指摘しておきたいと思います。  丸川大臣が中国代表との会談の中で、先進国途上国の二分論を超えて共通の枠組みをつくることが大切だと求められました。この二分論がパリ協定合意では果たしてどうなったのかという点です。  よく見てみますと、前文には、共通だが差異ある責任と能力などを原則とすると明記されています。そして、目的には、二度を十分下回るようにし、上昇幅を一・五度に抑える努力をすると。削減では、途上国の場合、より長い期間が必要となることを認識するとして、それぞれの国情と能力に合わせて削減努力の拡大を続けるべきだなどと途上国立場に配慮したものとなっています。これに対して先進国は、排出量の削減目標に取り組むことで主導し続けるべきだと、イニシアチブを発揮するべきだと。資金でも、先進国は気候変動対策資金を集める上で主導的な役割を担い続けるべきだと、こうなっています。  このように、パリ協定そのものを素直に読めば、二分論の主張に対して、先進国の責任と役割、途上国への配慮、これが明確に規定されているんではないかと私は読んだんですが、この点について、大臣、どう認識していらっしゃるでしょうか。
  72. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) まずもって、この議論をする上で途上国の皆さんから非常に強い主張があったのは、これは気候変動枠組条約そのものを書き換えるものではないのだということで、その上に、あるいはアンダー・ザ・コンベンションという言い方がいいのかもしれませんが、その基にある合意であるという前提でございます。  その中で、一方では、変容していく世界をさらに二〇二〇年以降も永続的に続く枠組みとしてどう取り入れていくのかというのが大きな論点でございました。  ですので、例えばミティゲーション、削減目標のところであったり、あるいはファイナンスのところ、資金支援の部分については途上国先進国についての書き分けがあるわけでございますが、一方で、トランスパレンシー、透明性であったり、あるいはレビューのところについては、各国共通のやり方であったり、そういうものを取り入れていくということを書いてあるわけでありまして、これは、私たちが二〇二〇年以降の枠組みとして、これ永続的に続けていく土台として用意するために必要なことであったというふうに理解をしております。
  73. 市田忠義

    ○市田忠義君 大臣が二分論を超えてとおっしゃったけれどもパリ協定そのものを素直に読めば、先進国の責任と役割、途上国への配慮が明確に規定されているんではないかと、その認識を問うたんです。  なぜそういうことを言うかといいますと、日本代表団幹部、これは報道ですから、私直接聞いたわけではありませんけれども、十二月一日付けの朝日新聞の報道によると、日本代表団幹部は、二分論が残ってしまっては交渉している意味がないと。それから、十二月六日付けの日経新聞は、先進国途上国に大きく譲歩することになれば日本にとって不利な協定となる可能性がある、先進国途上国の削減義務に大きな差が生じれば、日本が不利になり、容認できないとの立場などと報道をされています。  これは、結局、言い換えると、日本を含む先進国の利益優先の交渉姿勢と言われても仕方がないんじゃないかということを感じたから指摘したわけです。  問題変えます。  丸川大臣は、COP21直前の新聞のインタビューで、目標に法的拘束力は持たせず、実行できたかどうかについて国際的なレビューを受ける仕組みをつくることを主張したいと、こう語っていらっしゃいますが、パリ協定ではその点がどうなったかという点であります。  確かに目標達成義務化は見送られましたが、達成を目指す取組について作成、提出、維持し、そのための国内措置を模索しなければならない、削減目標見直しの際には各国目標が適切かどうか事前に検証する制度を導入するなど、この点では法的拘束力のある規定が明記をされました。  丸川大臣は同じインタビューで、日本の最先端技術を移転することで温暖化ガスの排出削減貢献できると、こう語っていらっしゃいますが、削減目標見直しの際には、石炭火力の新設を容認するような姿勢、これに対する是正とか、あるいは削減目標の上積みを国際機関から求められることになるのではないかと。この辺の認識は大臣はどう考えていらっしゃるでしょうか。
  74. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 今御指摘いただいたとおり、自分たち削減目標を持って、これを五年ごと提出し、維持し、そして更新していくということ、非常に重要です。そして、専門家のレビューを受けるということ、これもこの仕組みを実効性を持たせる上で大変重要だと思っております。と同時に、グローバルストックテーク、つまり世界全体の進捗情報をきちんと情報として取り入れていくことというのが入っておりまして、この三つの柱でこの仕組みというのは実効性を持つんだと思っております。  今御指摘いただいたことについては、私どもは、これはそれぞれが自分たちの国の主権でもってきっちり自分たちの思いを持ってやるんだということが実は議論の中でも随分、特に途上国の皆さんから出てきた話でありまして、こうした文脈の中で、今後、詳細なルールは今後決められていくわけですけれども、決まっていくものだと思っております。
  75. 市田忠義

    ○市田忠義君 国際的な科学者などによる研究グループ、クライメート・アクション・トラッカーがCOP21の開催中に発表した石炭ギャップというレポートがあります。ここでは、まだ建設が始まっていない計画段階のプロジェクトを直ちに中止すれば三十五億トンの排出抑制になる、新規計画、これは石炭火力の話ですけど、新規計画が大変多い九か国のうちの一つに途上国と並んで日本が加わっていると。  これは通告しておりませんでしたが、この事実については、大臣、御存じでしょうか。事実関係だけ。
  76. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) そういったような発表があったことは存じ上げております。また、各国我が国以外の国でどれほどの石炭火力の建設計画があるかということはちょっと存じ上げておりませんが、我が国においても相当数の計画が今様々な形で報道をされたり発表をされているということは事実でございます。
  77. 市田忠義

    ○市田忠義君 私が申し上げたかったのは、やっぱり日本が新規計画を見直せば二度目標に大きく貢献できる、石炭依存を転換すれば削減目標の上積みもできるじゃないかと、こういう国際的な科学者の研究グループがこういうことを発表しているわけで、日本が石炭に依存し過ぎているじゃないかという指摘は重く受け止めるべきじゃないかと。  具体的にちょっとお聞きしたいと思うんですけど、東京都が十一月二十日、環境基本計画改正案をまとめて、来年三月に改正する方針ですが、それを読んでみますと、二〇三〇年までに二〇〇〇年度比で三〇%削減という目標であります。政府目標である一三年比に換算しますと、三八%削減という積極的な削減目標を東京都は示しております。  ところが、毎日新聞の調査によりますと、政府の新目標を受けて今年度中に削減目標を策定する自治体は十二都県にとどまっています。三十道府県は、国が今年度中に作成するであろう地球温暖化対策計画を踏まえて来年度以降に検討する、あるいは未定となっております。  政府が現在国連事務局提出している約束草案、これは二〇一三年度比で二六%、九〇年度比では一八%ですけれども、この約束草案について、今度のCOP21で二〇二〇年までに報告又は更新するということが決定されました。  私は、約束草案を拘束している電源構成比率、もっとストレートに言えば原発、火力依存、この電源構成比率を見直して積極的な削減目標を示すことで都道府県の実行計画をリードすべきじゃないかと。東京都自身がこういう積極的な目標を掲げている下で、国のやっぱり対策が非常に遅れているんじゃないか、リードすべき国が一体どうなっているのか、やっぱり都道府県の実行計画をリードするという立場に立つべきじゃないかと、この一点について、大臣の基本姿勢、聞きたいと思います。
  78. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 東京都が非常に野心的な目標を掲げてくださったことには感謝申し上げたいと思います。というのは、日本の国土を見たときに、どこでより多くの温室効果ガスが排出されているかということを考えたときに、それはまず都市でありますので、都市がより大幅に排出削減目標を高く掲げていただくということは日本全体にとって非常にいいインパクトがあると思っています。  改めて、私、今回のCOP期間中、リマ・パリ・アクション・アジェンダに参加をさせていただいて、都市間で連携しながら温室効果ガスの削減について議論をするという場に参加をさせていただきましたが、やはり都市の取組が全体を先導するのだという印象を強く受けました。  国土の中には様々な地域がありますので、必ずしも排出削減の余地が多くはない地域もございます。国としては、それを見ながら、より多く削減していただけるところに集中的に努力をしていただくというような工夫も必要ではないかという意識も持っておりまして、そういう意味も含めて、今後、また私たち排出削減目標、五年のサイクルで見直していくわけでございますので、INDCに関してですけれども、是非いろいろなことを考えてまいりたいと思います。
  79. 市田忠義

    ○市田忠義君 午前中の衆議院の議論をちょっと私、院内テレビで見ていたんですが、COP21の結果を踏まえて、政府としての地球温暖化対策計画、これはいつ策定されるんでしょうか。午前中の質疑では、大臣は今年度中を含めて早期にという言い方をされておりましたが、ちょっと何のことか分からないんですが、いつまでに、早期にとか今年度中も含めて早期にとおっしゃって、いつまでに策定されるのか。都道府県をリードしていく上で国が早く積極的な目標計画きちんと立てるべきじゃないかという、質問の趣旨はそういうことです。
  80. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) まだ調整の過程にあります。作業は進めておりますけれども、調整の過程にありますので、はっきりいつですということは申し上げられませんので、年度末も含めてできるだけ早期にと申し上げさせていただきます。
  81. 市田忠義

    ○市田忠義君 調整で一番困っているのは何なんですか。
  82. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) 実際の調整の作業をやらせていただいている者として御説明を申し上げたいと思います。  御存じのとおり、今回の計画の中身においては、前回の京都議定書目標達成計画とできれば同じような形で個々の施策についてもできるだけ細かな対策をきちんとピン留めをしていきたいというふうに考えてございます。  京都議定書目標達成計画の場合は、個々の数値目標を掲げた事業も百を超えるものがございます。そういったようなものについて、二〇三〇年までにどういうようなステップを積み上げていけるかといったようなことも含めて、関係省庁といろいろ調整の作業をしているところでございます。  結構力仕事と申しますか、作業が多いということで、大変恐縮でございますが、もう少し時間を賜ればと思っております。
  83. 市田忠義

    ○市田忠義君 政府削減目標というのは、やっぱり原発、石炭火力に依存して、電力コストを口実に太陽光などの再エネ低く抑えて、しかも、家庭や業務部門には四割の省エネ迫りながら産業部門は一割以下の省エネというものですから、これでは都道府県をリードできないわけで、私は積極的な削減目標を急いで策定し直すべきだという点だけ指摘しておきたいと思います。  静岡県が今年の三月にふじのくに地球温暖化対策実行計画を策定いたしました。県の実行計画は、政府の二〇三〇年における電源構成比率や約束草案がまだ示されていない下でも、二〇五〇年の排出量を八〇%削減するという長期目標達成するために、二〇二〇年、先ほど東京都は二〇三〇年の話ですけれども、二〇二〇年の排出量を二〇〇五年比で二〇%削減すると、こうしています。  浜岡原発も含めた中部電力や東京電力の原子力発電所が稼働していないということを前提に、産業部門に対して二二・五%削減、運輸部門に対しては一八・一%削減を求めると。一方で、太陽光発電は、静岡は日本一の日照環境があるそうですけれども、その日本一の日照環境を生かして十一倍の百十万キロワットなど、新エネルギー等の導入で倍増、倍増ですねこれ、のプランを示しています。  COP21では二〇二〇年までの対策強化についても議論をされましたが、政府は一三年の暫定目標、これは三・八%ですね、たしか二〇〇五年比で。これやっぱり積極的に見直して、省エネ再生可能エネルギーを大幅に拡大した削減目標を示すべきだと思うんですが、これも大臣の基本姿勢だけお聞きしておきたいと。静岡でこういう積極的なことをやっているわけで、やっぱりこういうことにも学んで積極的な削減目標を示すべきじゃないかと。いかがでしょう。
  84. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 大変すばらしい取組を静岡でやっていただいているというお話ございまして、我々、一方で二〇三〇年の二六%減というのはエネルギーの構成に裏打ちをされた数字ということになっております。御承知のとおり、電力部門が排出する温室効果ガスの割合というのが大変大きい割合を占めているわけでありまして、やはりこの部分の効率化エネルギー効率の向上ということと併せて、国民の生活の上での様々な行動の選択ということがより温室効果ガス排出抑制につながっていくものにならなければいけないという思いでございますので、その双方を引き上げていくような我々の取組があって初めて新しい野心へ立ち向かっていけるのではないかなと思っております。
  85. 市田忠義

    ○市田忠義君 私、静岡の例を出したのは、静岡県の実行計画を見ますと、浜岡原発も含めた中部電力や東京電力の原子力発電所が稼働していないということを前提にしているんですね。ですから、電力の排出係数を一二年度と同じ一時間当たり〇・五一九キログラム・キロワットですか、大変高い数値を使用しているわけです。それでも省エネと再エネの積極的な取組で高い削減目標を示しているわけですから、政府もやっぱり原発、石炭火力依存のエネルギー政策を転換して、省エネ、再エネを中心とした削減目標早期に策定するように求めておきたいと思います。  次に、安倍総理が三十日の首脳会合のスピーチで、途上国への対応促進として、地球の中心部にある地熱エネルギーを取り出してアフリカにクリーンな電気を届けると述べられました。  私、先月、阿蘇のくじゅう国立公園の第二種特別地域に立地する九州電力の八丁原地熱発電所を調査してまいりました。二基の発電施設は、十一万キロワットの出力を出すために毎時一千二百トンの蒸気と熱水をくみ上げて、蒸気でタービンを回して、毎時八百トンの熱水を地下に還元しています。  この発電所の運転開始以降、これは日本温泉協会の調査によりますと、そこから八百メートルしか離れていない筋湯温泉の水蒸気及びガスの自噴泉数、自ら湧くという自噴泉数、これが十九本から二本に減ったと。それから自噴湧出量、これが毎分一万五千三百三十六リットルが何と一千四十三リットルに減少して、小松地獄、大岳地獄、泥地獄、小地獄の噴気と泉温、温泉の温度の低下が起こったと。共同浴場のひぜん湯はもう枯れてしまって、九州電力の責任で発電所の地熱で川の水を温めて供給するようになったと。  温泉資源の保護と利用で規制する立場にある環境省として、日本共産党は地熱の利用一般に反対しているわけではありません、しかし、大規模な地熱開発で環境破壊をするというやり方は厳しく規制していくべきだというふうに考えますが、その点の基本的な認識いかがでしょうか。今のような実態が起こっているということを踏まえて、いかがでしょう。
  86. 奥主喜美

    政府参考人奥主喜美君) お答えいたします。  温泉資源の活用につきましては、温泉法に基づきまして都道府県知事が井戸の掘削許可等を行っているところでございます。そして、その掘削許可が適正に運用されますよう、環境省といたしましては、温泉資源の保護に関するガイドライン、地熱発電関係を策定いたしまして、温泉資源の保護と地熱開発の共存共栄を図れるよう取り組んでいるところでございます。  引き続き、環境省といたしましても、温泉資源の保護、あるいは地元との調整に配慮いたしましたそういう温泉の利用が進められるよう取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
  87. 市田忠義

    ○市田忠義君 何の答弁にもなっていないです。現実にこういうことが起こっていると調べてきて言っているわけですから。  こういう事実知っていますか、環境省。まず、どうですか、事実は。
  88. 奥主喜美

    政府参考人奥主喜美君) 先生御指摘のような個別の温泉の状況につきましては、今、先生の御指摘を受けまして、私、今現在ではそのような状況があるということは把握しておりません。
  89. 市田忠義

    ○市田忠義君 時間が来たので終わりますが、それぐらい調べてから答弁しなさいよ。それも調べないで、自然環境の保護と地熱の利用と共存できるようにと幾ら夢のような話をしても、現実に困っているわけで、温泉協会から要請書が出ているでしょう。それはお読みになりましたか。やっぱりそういうのを読んだら、現場に足を運んで、電話でも聞けるわけじゃないですか、そういうことを調べた上できちんとした対応を取るべきであるということを指摘して、終わります。
  90. 川田龍平

    川田龍平君 維新の党の川田龍平です。  今日は五年ぶりに環境委員会に戻ってまいりました。丸川大臣、井上副大臣、そして竹内副大臣、今日は厚生労働大臣にも来ていただいておりますが、ありがとうございます。  まず、一言苦言を申し上げたいと思います。まず、臨時国会を開かずにこうしたCOP21に大臣出席して発言をするというのは、これは民主主義国家として、代表として行くというのはふさわしくないのではないかと思います。所信表明もしていないと。また、こういった国会軽視の姿勢を是非改めていただきたいと思います。丸川大臣は、以前厚生労働委員長も務めておりました。今日も環境委員長不在のまま、そして厚生労働委員長も不在ということがやっぱり心残りではないかと思います。私はそういう意味で、やっぱり是非臨時国会を一日も早く開いていただきたいということをまず苦言を申し上げさせていただきます。  そして、私自身は二〇〇七年に国会議員になりましたけれども、元々は私自身が国が安全と認めた薬でHIVに感染をさせられた薬害被害者として、十歳のときに感染の告知を受けてから、治療の苦しみや、そしていつまで生きられるか分からないという不安の中で、人が何のために生きるのかということを常に考えながら生きてきました。そして、十七歳で国と企業を相手にした裁判を闘い、そして十九歳で実名を公表してこの薬害エイズのことを多くの人に訴えてきました。なぜこの薬害エイズが防げなかったのか。これは多くの方々の御尽力で裁判は和解に至りましたが、なぜ防げなかったのかというそういった問題、さらには誰に責任があるのかということについても曖昧なまま、今も薬害が繰り返される現実というものを前に、私は二度と同じような薬害の被害を繰り返さないためにも、この国を変えたいという思いで国会議員になりました。  こうした薬害医療の問題だけではありません。公害もまたこうした人の命、特に命に関わる問題です。人として当たり前に生きるための水や空気、さらにはふだん口にしている食、この食の安全や安心をつくるためにも大事な国の仕事であります。そうした、厚生労働省と同じく命を守る重い役割を担う環境大臣として、やっぱり一言手短に決意をいただきたいと思います。
  91. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 川田委員、御質問ありがとうございます。  まずもって、厚生労働委員会でもずっと御一緒させていただいて、川田委員の真摯な、国の政治に対して立ち向かう姿勢というものを私、常日頃尊敬しておりました。いろいろに率直に意見を交わしながら今まで共に仕事をさせていただいたことに感謝を申し上げたいと存じます。  と同時に、今回、与野党の筆頭理事の先生方始め、また委員長の御配慮によりまして、COP21の御報告をこのような形でさせていただけるということを本当に感謝を申し上げたいと思います。是非、これからも機会をいただくごとにきっちり説明をし、また私の言葉を述べてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  私、就任の会見のときに、環境を守ることは人の命を守ることだと申し上げました。公害に対する対策、対応というのがこの環境省の原点でございますので、私たちが生きるということを守るためには環境を守らねばならない、まさに命を守ることと同じだという思いで環境を守ることに取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございます。
  92. 川田龍平

    川田龍平君 丸川大臣とは二〇〇七年の初当選組ということで、そういった意味で、大臣に若い立場で就任をされて、非常に私自身も本当に希望というか、大変、是非頑張っていただきたいという気持ちを持っております。  それでは、次に、質問にさせていただきます。  TPPについて伺います。環境章環境チャプターのこの規定について、TPP政府対策本部は環境基準が緩和されなかったということで肯定的に評価しているようですが、大臣の見解というのはいかがでしょうか。
  93. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) TPPについては、この協定我が国が締結した自由貿易協定として初めて独立した環境チャプターが設けられたということ、これについては大変大きな意義があると考えております。  具体的な内容委員もよく御存じだと思うんですが、各締約国環境保護の水準が全体として引き上げられる、イコールフッティングに向かっていくというのは非常に大きな意味があると思っております。
  94. 川田龍平

    川田龍平君 今の見解というのは、大臣はこれはTPPの全文を読んだ上でのものでしょうか。
  95. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 全体として把握をしているという状況でございます。
  96. 川田龍平

    川田龍平君 政府の方からは概要の一部だけを翻訳したものが提出されていますけれども、全文、原文でお読みになったでしょうか。
  97. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 済みません。原文では全文は読んでおりません。
  98. 川田龍平

    川田龍平君 私は、このTPPの全文の定訳というか公式な訳をやはり是非政府として出していただきたいと思います。TPP協定の日本語の訳がしっかりと出されていない。途中の参加国でありながら、カナダという国は、カナダはフランス語を要求して、フランス語でもこの正文というものが出ています。これは日本が要求をしなかったことによって日本語の正文が出ていないということですけれども、是非これ出していただきたいと思います。  特に、資料一を御覧ください。これ、アメリカとオーストラリアの三つの環境保護団体の声明をまとめたものです。残念ながら、日本の環境団体からは声明が出ていません。これも日本語の正文が仮訳もないということでの弊害ではないかと思いますが、七つの環境条約のうちワシントン条約しか実効性ある規定がないこと、また気候変動対策について言及がないこと、また自主的かつ拘束力のない環境章の規定ぶりに比べ、国内法に対して企業が訴えることができるとするISDS条項が強力であること、また環境章の規定は弱く、実効性がないことなどから、三団体ともこの合意内容に反対をしています。  このことについて、環境省の見解はいかがでしょうか。
  99. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) 今、先生がおっしゃられたように、シエラクラブ等の発表では、七つほどの協定をピックアップして、そのメンションがないといったようなことも含めた御意見であると理解をしております。  TPPの環境章、先生お読みになられたと思いますけれども、実は個々の条約等々に関わる部分と一般的な規定がある部分がございます。例えば、一般的な規定の中では、締約国が、それぞれの国が自国の法令等を通じてより高い水準の環境保護を確保するように努めなければならないとか、あるいは、それぞれの国がいろんな国際約束に入っているんだけれども、それはしっかり履行をしようじゃないかとか、また、そういったような履行について締約国同士が協力をするんだといったようなことが書いてございます。そういったことを踏まえまして、むしろTPP締約国の間でお互いに高め合うということができるという規定になっているというふうに理解をしております。  また、気候変動につきましては特定の京都議定書であるとか枠組条約のメンションはないのでございますけれども、ただ、より大きな概念であります低排出型の経済への移行についてはTPP締約国間で協力しましょうといったような規定もございます。  いずれにいたしましても、こういった規定を使いまして、全体といたしましては環境保護の水準が底上げできるんではないかというふうに思ってございます。  そのほか、ちょうどこの締約国の中にはG7でありますとかあるいは地域間の環境政策対話というふうにやっている国もございます。そういったようなチャネルも通じてお互いに協力を高めていきたいというふうに考えてございます。
  100. 川田龍平

    川田龍平君 このTPPは広大な地域での貿易促進であり、また、輸送エネルギーの浪費という観点からも地球環境に掛かるであろう大きな負荷、また、農作物などの貿易拡大により、生物多様性国家戦略と矛盾する、里山の生物多様性や環境への悪影響、そして遺伝子組換え農作物の輸入増加による生態系への影響など、この三つの矛盾や問題について環境省はどうお考えでしょうか。
  101. 奥主喜美

    政府参考人奥主喜美君) まず、先生お尋ねの生物多様性、遺伝子組換え生物についてでございます。  TPP協定環境チャプターにおきましては、自国の国内法令及びその政策に従って生物多様性の保全及び持続可能な利用を促進し、奨励するという旨の規定がされておりまして、これを踏まえまして、現在日本国でやっている生物多様性国家戦略に従った政策を進めていくこととなりますので、矛盾するものではないというふうに考えております。  また、特に遺伝子組換え農産物についてでございますけれども、これを輸入し、野外で使用するに当たっては、国内法、いわゆるカルタヘナ法に基づきまして、生物多様性への影響が生じるおそれがないと認めるときのみ主務大臣がこれを承認することとされております。これは引き続きやっていくということでございます。このため、同法の適切な運用を図るということでございますので、生物多様性への影響というようなことは防止していけるというふうに考えているところでございます。
  102. 川田龍平

    川田龍平君 この遺伝子組換え作物については情報交換のための作業部会を設けることになりましたが、この作業部会を通じて、企業側は表示義務をなくすことを求めてきたり、また安全確認作業が貿易の障害になっていると訴えてくることがこのISDS条項でできることになります。  大臣は、こうした食を含めた我が国の安全をどのように守るおつもりでしょうか。先ほど、この国の環境を守る、命を守る決意表明をされましたが、それなのに、この環境に大きく影響する契約書の中身をやっぱりしっかり読んでいただきたいと思います。  それには、何よりもまず、政府が仮訳でもよいですから、一日も早く国民と国会議員にTPPの全文の公定訳をやっぱり公表すべきというふうに考えます。千五百ページ以上あるこの全文と、さらに附属書、そして日米協議というこの二国間の協議の内容も、これも是非、大臣読んでいないということですので、国会議員に公開されていないという状況、そしてこの審議もこれがなければ審議できないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  103. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 大変重要な御指摘と思います。  現在、他省も含めて法制局において和訳を審査中ということを聞きました。完了したらこれは公表されるものと承知をしておりますので、先生方とも是非共有をさせていただきたいと思います。  あわせて、これからまた更に詳細なルールについての様々な議論がTPPについてはあろうかと思いますけれども、我々の立場から守るべきものはしっかり守るべく努力をしてまいりたいと思います。
  104. 川田龍平

    川田龍平君 このTPPにはほかにも多くの問題があります。これ、まず最大のターゲットは、私が考えるには医療だと思いますが、これちょっと通告しておりませんが、この最大のターゲットである医療について、まず、厚労副大臣、全文読みましたでしょうか。
  105. 竹内譲

    ○副大臣(竹内譲君) 概要は承知をしておりますが、全文は読んでおりません。
  106. 川田龍平

    川田龍平君 是非、このTPPの医療分野について、厚労省は国民皆保険制度は堅持するので大丈夫だということを説明されていますが、これは薬価が上がることによって、皆保険制度自体が残っても有名無実化することになり、国民皆保険制度の根本が崩れてしまいます。これについて、副大臣の見解をお述べください。
  107. 竹内譲

    ○副大臣(竹内譲君) お答えいたします。  これまでのTPP交渉におきまして、厚生労働省といたしましては、国民の皆様の不安や懸念を踏まえ、国民の生命や生活の安全、安心が損なわれないように、厚生労働省の所掌分野について責任を持ってしっかりと対応してきたところでございます。結果として、今回のTPPでは、食の安全、安心や公的医療保険制度などにつきまして、我が国の現行制度の変更は求められない規定となっております。  厚生労働省といたしましては、TPPの合意内容につきまして、国民への正確かつ丁寧な説明と情報提供に努めていきたいと考えているところでございます。
  108. 川田龍平

    川田龍平君 副大臣は、日米協議合意書というのは読みましたでしょうか。これは、保健制度も含め協議の対象にすると書いてありますが、これについてはいかがお考えでしょうか。
  109. 竹内譲

    ○副大臣(竹内譲君) 概要は承知しております。  TPPにおける医薬品及び医療機器のための透明性及び手続の公正に関する附属書というのがございますが、中央政府が運営する医薬品等の保険給付における価格決定手続の透明性の確保を規定しているものだと承知しております。この規定は、我が国の中央社会保険医療協議会における薬価収載手続の変更を求める内容は含まれておりませんので、御懸念は当たらないものと考えております。
  110. 川田龍平

    川田龍平君 これ、是非厚生労働委員会でまた引き続きやりたいと思いますが、本当、TPPの全文をやっぱり是非厚労省としても日本語訳をしっかり作って、これ検討していただきたいと思います。  一方、国内では、化学及血清療法研究所という熊本のメーカー、血液製剤とワクチンの国内有数のメーカーで、薬害エイズの裁判の被告企業でもあります。四十年以上にわたって不正製造を行っていたということが明らかになりました。私のところにも、同じ血友病の患者であったり献血に協力している方々、そして子供にインフルエンザワクチンを打っている母親などから多数の抗議が届いています。  何よりも許せないのは、一九九六年、当時薬害エイズの裁判の和解について報告をした同じ会議場で、この化血研の経営陣は血液製剤の不正製造についても報告を受けていたということです。薬害エイズ訴訟の原告団が十二月二日に抗議書を出していますが、二十年前の薬害エイズ事件を思うと、何の反省もなく、怒りが込み上げてきます。  一方で、国内メーカーの寡占化が進む中で、その一社である化血研がこのようにマスコミにたたかれれば、海外のメーカーが入り込んでくる余地があります。実際、子宮頸がんワクチン、今日、今席を外されていますけれども、山谷議員もずっと指摘されておりました。既に外資系が大きなシェアを占めています。  これはまさに安倍総理が、世界一ビジネスがしやすい日本という目標に合致する事態ですけれども、血液や血液製剤、そしてワクチンなどの生物製剤については、国内自給を原則として、国内メーカーを規制しつつ、癒着や不正が起きないようにしっかりとした情報公開や監視体制を整える必要があります。しかし、海外の製造現場ということになりますと、厚労省の立入調査も不十分なものとなり、国が国民の命とやっぱり健康を守れなくなってしまうのではないかという懸念があります。いかがでしょうか。
  111. 竹内譲

    ○副大臣(竹内譲君) お答えいたします。  血液製剤、ワクチン等の生物製剤等につきましては、海外の製造所であっても、我が国の独立行政法人医薬品医療機器総合機構、いわゆるPMDAが調査実施し、その製造所における製造管理及び品質管理が適切であることを確認しているところでございます。  加えて、査察に関する国際的な連携を強めておりまして、海外当局による査察結果の活用等を含めて、今後とも、海外の製造所における血液製剤、ワクチン等の生物製剤などの品質性や安全性の確保をしっかりと図ってまいりたいと考えているところでございます。  なお、血液製剤につきましては、血液法におきまして国内自給の原則、安定供給の確保などが定められておりまして、引き続き、法の基本理念に従って国内自給を推進していくこととしております。  もう少しよろしいでしょうか。  また、ワクチンにつきましては、予防接種法に基づいて平成二十六年三月に策定された予防接種に関する基本的な計画において、危機管理の観点から、国は、パンデミックが発生し世界的に供給が不足するおそれがあるワクチンについて国内で製造できる生産体制を整備していくこととなっております。  その上で、今般の化血研における事案を契機として明らかになりましたワクチン、血液製剤の安定的な供給に関する課題に対処するために、厚労省といたしましても、事務次官を本部長とするワクチン・血液製剤産業タスクフォースを立ち上げまして、今後の対応をしっかりと検討していくことといたしております。
  112. 川田龍平

    川田龍平君 これは、本来であれば閉会中審査でしっかり厚生労働委員会で取り上げるべき課題だと思いますが、この化血研の経営陣は全員辞任とのことですが、行政指導で終わるのではなく、やっぱり刑事告訴をすべきではないでしょうか。  また、長年この不正を見抜けなかった国の責任というのも重大です。この不正発覚後のインフルエンザワクチンの出荷再開後、既に重篤な副反応が十八件も報告をされています。国としてどのような責任を取るのでしょうか。
  113. 竹内譲

    ○副大臣(竹内譲君) お答えいたします。  まず、この化血研の事案に対しましては、十二月十四日、厚生労働省より、第一に、化血研が製造する製品のうち国民の健康確保や医療に不可欠なものにつきまして、当面及び将来にわたり品質、安全性等を確保し、現場の製造事業を適切に継続実施できるよう対処することをまず前提とした上で、その上で、第二に、組織形態の変更等を含めたガバナンス体制及びコンプライアンス体制の抜本的見直しについて検討を早急に行うこと、それから、この検討に際しましては厚生労働省と十分な連絡、相談を行うことを内容とした行政指導をまず行ったところでございます。  次に、化血研が製造している血液製剤やワクチンの中には国民の健康確保や医療に不可欠なものもありますが、一方で、化血研の行為は薬事制度の根幹を揺るがす極めて悪質なものでございまして、今後の化血研のガバナンス体制及びコンプライアンス体制の抜本的見直しの過程の中で告発の要否を判断してまいりたいと考えております。  また、化血研の不正は長期にわたる周到な組織的欺罔、そしてまた隠蔽行為によるものでありまして、厚生労働省としても、今回の事案を踏まえ、製造工程への査察の実施方法についても抜本的な改善が必要と考えております。このため、必要に応じまして、今後、無通告、抜き打ちでの査察をPMDAに行わせることにいたしております。抜き打ち査察につきましては、可及的速やかにPMDAが査察を実施する施設を対象に、製造所の規模や工程の複雑さに応じて三日から五日間掛けて実施する予定でございます。しっかりと対応してまいりたいと思っております。
  114. 川田龍平

    川田龍平君 厚労省にはしっかりやっていただきたいと思います。特にこの査察に関してはやっぱりしっかりと、外国では一週間以上掛けて、三週間とか数週間に及んでもしっかり抜き打ちの調査をやっているところもあります。是非しっかりやっていただきたいと思います。  そして、環境省の方もやっぱり是非しっかり、これ厚労省の問題だからということではなく、環境省もしっかりやっていただきたいと思うんですが、私は、超党派の子ども・被災者議連の幹事長としてこれまで福島原発事故に伴う低線量被曝の問題に取り組んできました。  資料の二を御覧ください。裏面です。  福島第一原発事故時に十八歳未満だった福島県の子供たちの甲状腺検査の九月三十日現在の結果が、十一月三十日に「県民健康調査検討委員会で公表されました。一巡目と二巡目の結果を合わせると、がんと確定した人が百十五人、がんの疑いが三十七人、合計百五十二人に達しました。  この結果について、検討委員会の星座長は、いまだに放射線の影響考えにくいとの見解を変えていません。しかし、昨年、この百五十二人が百四人だった時点でさえ、国立がん研究センターは、男子で事故前の九十倍、女子で五十二倍という分析をしていました。  また、国際環境疫学会の学会誌には岡山大学の津田敏秀教授らによる論文が掲載され、事故前の数十倍であることが国際的に認知済みです。この数十倍、九十倍という倍率がどれぐらいの増加なのか、実感を持って受け止められていないと思うのですが、喫煙や飲酒によってがんのリスクがどれぐらい上昇するか、大臣は御存じでしょうか。
  115. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 国立がん研究センターの資料によりますと、喫煙者及び多量飲酒者共に、がんの相対リスク、がんの発症、非喫煙者と非飲酒者のがん発症のリスクを一としたときに、一・六倍であることが示されております。
  116. 川田龍平

    川田龍平君 この一・六倍に比べて、九十倍という倍率がどれぐらい高いとお感じになるか、率直な感想を、大臣、お聞かせください。
  117. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 一巡目、二巡目ということで調査をしてきておるわけでございまして、様々な要因が指摘をされております。私たちも十分にまだこれから状況を見ていかなければいけないと思っております。特に、四年目、五年目というのが一つ大事なポイントであるという認識を持っておりますので、引き続きしっかり取り組んでまいります。
  118. 川田龍平

    川田龍平君 この国立がん研究センターによる分析時点よりも四十八人もがん又は疑いが増えたことで、更にこの倍率は高くなります。井上副大臣、今何をすべきだとお考えでしょうか。
  119. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) まずもちまして、先般、環境大臣に就任をいたしました井上信治でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  御質問でありますけれども、先ほど大臣からも答弁をさせていただいたとおり、いずれにせよ甲状腺検査、まだ検査が進行中でありますので、環境省としては、引き続き福島県の甲状腺検査の動向を注視していくとともに、健康不安対策を進めてまいりたいと思います。
  120. 川田龍平

    川田龍平君 まとめますが、超党派議連でも申入れしてきましたように、水俣病、例えばアスベスト、薬害など、歴史的な教訓を踏まえて、被爆者援護法のような総合的な保健・医療・福祉制度を確立すべきと考えます。またこれは次の機会にしっかり議論をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  121. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。  まずは、COP21に関する質問をいたします。丸川大臣並びに交渉に参加されました皆様、大変お疲れさまでした。  COP21では二〇三〇年までの枠組みについて話し合われたと思いますが、私は、まずそれ以前の二〇二〇年までの目標についてお聞きいたします。今日は時間が限られておりますので、申し訳ないのですが、三つほどの質問を一括してお聞きします。これは通告しております。  一つ目に、二〇二〇年までの目標は、元々二〇〇九年に発表した一九九〇年比で二五%削減というものでした。これを震災後の二〇一三年に目標見直しまして、二〇〇五年比で三・八%削減するというものです。この見直し目標は、エネルギーミックス検討の進展次第で見直すという、あくまでも当時は暫定的な目標だったと思っていますが、今現在も暫定目標という位置付けでよろしいでしょうか。  二つ目は、エネルギーミックスは既に今年の七月に二〇三〇年時点のものが発表されています。発表後五か月経過していますが、いまだに二〇二〇年までの削減目標が確定しておりません。確定目標はいつ頃立てるのでしょうか。  三つ目になります。手前にまず今現在二〇二〇年までの確定目標というのがありません。それに対してCOP21では二〇三〇年の目標を先に立ててしまったということでありますが、まずその前に、二〇二〇年までに三・八%削減するという暫定目標達成取組に対しての大臣のお考えと、また確定目標、二〇二〇年までの確定目標を立てるお考えがあるのか、丸川大臣に意気込みをお聞きしたいと思っております。できれば簡潔にお願いします。
  122. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 御質問ありがとうございます。  私たちの二〇三〇年の目標というのと、もう一つ、二〇二〇年の目標、これ、二〇二〇年の温室効果ガス排出量を二〇〇五年度比で三・八%削減するというものですが、これは二〇一三年の十一月に国連の気候変動枠組条約事務局に登録をしております。御指摘のとおり、この目標は原子力発電による温室効果ガスの削減効果を含めずに設定した目標でありまして、この位置付けについては変更がございません。  この扱いをどうするかについてでございますが、まずもって、我々が今二〇三〇年の目標を別途出しているということについて、これが整合しないかどうかということについては、これは何ら問題ないと感じております。というのは、我々、長期、中長期、様々な目標を持っておるわけでありまして、しかもこの二〇三〇年の目標達成を妨げるものではないという認識でございますが、一方、この目標、二〇二〇年の目標をどう扱うかということについては、現在、政府部内で検討をしているところでございます。  二〇二〇年までの対策計画ということについてでございますけれども、今のところ、その二〇二〇年目標に向けた政府達成目標という二〇二〇年目標に限定したものは持っておりませんで、一方、二〇三〇年に向かってということになりますと、これから地球温暖化対策計画を先ほど来よりお話ししておりますように早期に策定をしたいと思っております。この中にできる限り我々は実行可能な細かい積み重ね、積み上げをやっていきたいと思っておりますので、地球温暖化対策計画というのは、二〇二〇年度を含む毎年度に実施する対策施策を盛り込んだ計画になるというふうに考えております。  以上です。
  123. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 三つ重ねてしまったのですが、御答弁いただき、ありがとうございます。  ちょっとお聞きしたいのが、今、二〇二〇年までの暫定目標三・八%削減ということで、今後、原発が再稼働された場合は当然に数値が変わってくるのかなと思っておりますが、この三・八%という数字をどのように扱うのか、考えられることは二つあると思っています。  一つ目は、三・八%という数字は再生可能エネルギーを用いて三・八%を達成させると。その上で、原発を再稼働させた場合、原発分の削減については別途考えるというのが一つ。もう一つは、三・八という数字を見直す、恐らく三・八よりも高い数字になるとは思うんですが、その場合、再生可能エネルギーあるいは原発、どのような手段を使ってでも新しく設定をされた確定目標達成する。この二つかと思うんですが、環境省としてはどのように考えておられるんでしょうか。
  124. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) 二〇二〇年の三・八%減という目標につきましては、先ほど大臣から答弁いたしましたとおり、原子力発電による削減効果を見込んでいない数字でございます。  そして、これを発表するときに、併せて各分野ごと、いろんな分野がありますが、各分野ごと排出目標数値も内訳も出させていただいているところでございます。具体的には、省エネとかあるいは再生可能エネルギー導入拡大、フロン対策等々で進めていくつもりでございます。  そして、原発再稼働に伴う今後温室効果ガスの削減効果があった場合の措置でございますけれども、当然のことながら、それは含まない形で計算をしている数字でございますので、三・八%減の達成のための手段としてカウントするつもりはございません。
  125. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 三・八%、原発に頼らないで削減をするという御答弁をいただきました。  私が申し上げたいのは、このCOP21の結果を受けて、早くも原発を早く再稼働すべきだと、原発推進方々、非常に声が大きくなっているような気がいたします。私はもちろん脱原発の立場であります。私は、ふだんは環境省の皆様に放射性指定廃棄物最終処分場の問題や子供の健康調査、そして放射性物質除染の話を度々させてはいただいております。一方で、私は、全省庁の中で原発事故の悲惨さを一番よく身をもって理解されているのが環境省だと思っております。ですので、環境省の皆様は是非安易な原発再稼働には慎重な立場を取っていただきたいと思っております。  では、続きまして、次の質問に入りたいと思います。  災害備蓄用の缶詰の缶の品質保証と中身の賞味期限について伺います。  今、製缶メーカーにおいて、スチール缶、普通の缶詰なんですけど、缶詰の品質保証は一般的にこれ三年と設定されています。保存状態にもよりますが、スチール缶、当然これさびますので、劣化なども考えて、安全に保管できるのは三年までというのが一般的だそうです。  一方で、ちょっと不思議なことがありまして、スチール缶に入っている防災備蓄用のパンなどの賞味期限や消費期限を見ると、製造日から五年というものがあるんですね。つまり、入れ物の缶、容器そのものの寿命というか品質保証が三年のものがほとんどであるのに対して、パンを入れるとなぜか五年になるという、ちょっと不思議というか、あべこべな現状がございます。  まず、配付をいたしましたプリントの一番、新聞記事になります。これは、無料配布をされた災害備蓄用のパンの一部でカビのような黒っぽい茶色に変色をしている製品が見付かったというものです。このパンの賞味期限は五年でした。関係者によると、五年の賞味期限の缶詰が、缶の方、容器の方が五年に耐えられなくなって途中で劣化をしてしまってパンに異変が起きてしまったのではないかと言われています。  この容器の寿命が三年なのに対してパンを入れるとなぜか五年になるというこのあべこべな現状の原因の一つとしては、二〇〇〇年五月に制定されましたグリーン購入法で、二〇〇八年に基本方針の中に災害備蓄用品について缶詰が追加をされました。そこの判断の基準が賞味期限が五年以上であることとされたのが私は原因の一つではないかなと思っております。  これに対しまして、次はプリントの二番を御覧ください。  これは、二〇一二年、農水省が缶詰協会などにヒアリングを行いました。二〇一二年に、グリーン購入法基本指針の見直しという文書を農水省が提示します。その中では、缶詰の判断の基準を五年から三年以上にする、つまり期間を短くすることが適当であるとしております。  そこで、まず農水省に伺います。この見解は現在も変わりはないでしょうか、農水省に伺います。
  126. 岩瀬忠篤

    政府参考人(岩瀬忠篤君) お答え申し上げます。  平成二十四年の環境省の特定調達品目検討会において、農林水産省より、日本缶詰協会からの聞き取りを踏まえ、賞味期限五年以上の缶詰が普及するには製造コストの観点から限界があることから、缶詰の調達の判断基準に関し、賞味期限五年以上を三年以上とすることが適当である旨の意見提出しました。  現在の災害備蓄用品としての缶詰の調達の判断基準は、このような状況も踏まえまして、原則賞味期限が五年以上であることとしつつ、基準を満たす製品が市場に十分供給されるまでの期間は、賞味期限三年以上であることをもって特定調達物品等とみなすということとなっております。  農林水産省としては、現時点で平成二十四年に提出した意見に変わりはなく、缶詰の製造に関する技術及び需給の動向等を踏まえると、基準を満たす製品が市場に十分供給されている実態にあるとは言えないことから、賞味期限三年以上の缶詰が特定調達物品として取り扱われることが適当であると考えております。
  127. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 ありがとうございます。  これを受けまして、環境省はどのように考えられているか、手短に御答弁いただければと思います。環境省伺います。
  128. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) お答えをいたします。  グリーン購入法の缶詰の位置付けにつきましては、先生御紹介のとおりでございます。それで、この基準が妥当かどうかにつきましては、平成二十四年度に、缶詰に係ります基本方針の見直しのために特に特定調達品目検討会災害備蓄用品専門委員会を開催いたしまして、その際、この五年という設定は、数は少ないということでございますけれども、企業にそういう賞味期限を五年に設定するという取組を促すことになるといった意見をいただきまして、引き続きこの基準は五年とさせていただいたところでございまして、さらに、今農林水産省の御答弁でございましたただし書といいますか経過措置のようなものを継続する形で閣議決定をさせていただいたものでございます。
  129. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 今環境省の方から有識者会議等のお話がありました。  ただ、経過措置を見ると、やはり農水省もおっしゃっていましたが、市場動向を勘案するということでして、市場動向を見ますと、やや古いんですが、直近のデータで二〇一一年の缶詰協会会員企業が生産している缶詰の商品、これ九五%以上、九五%ですよ、九五%以上の缶詰の商品の賞味期限は三年以下なんですね。さらに、缶詰メーカーでは、当然、食中毒の被害が出たような場合に製造物責任の賠償のための保険を掛けています。しかし、缶メーカーの品質保証が三年なので、三年の品質保証の缶を使って五年の缶詰を作った場合に、これ保証の対象にならないんですね。被害者の救済もできないということになります。  じゃ、品質五年もつ缶詰を作ればいいじゃないかと、有識者会議ではそういうふうになっていますが、今現在では五年の缶詰を作ると非常にコストが高くなっちゃう。まず、イージーオープン、缶切を使わないでぱかっと開けるようなイージーオープンではなくて、例えば缶切を使ったものにしなければならないとか、あるいは物すごく厳重に作らなければならない、コストが高いというわけで、これは環境省も認識をされています。ほとんど流通はされていないということでして、是非この市場動向を勘案して、災害備蓄用品の判断の基準を賞味期限五年を三年に変更すべきだと思うのですが、環境省はいかがお考えですか。
  130. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) 先生御指摘のとおり、私どもは最新のデータはまだ持ち合わせておらないところでございますけれども、賞味期限が五年以上の缶詰については、技術的な面等がございまして市場への供給に制約があるということにつきましては関係団体のヒアリングもさせていただいておりまして、そのように承知いたしております。  ちょっと繰り返しになりますけれども、そのために専門家の先生方にも御意見を承ったわけですけれども、このただし書の供給されるまでの間は三年のものでも特定調達品目とみなすということもありまして、そういうただし書とともに運用していくことによりまして五年のものが出てくるように市場に対してインセンティブを与える効果はあるのではないかということで、現在、先ほど申し上げました二十四年の再検討のときには現在の考え方を維持させていただいているところでございます。  いましばらく市場の動向を見守りたいというふうに考えているところでございます。
  131. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 市場の動向を見たいということなんですが、この基準ができてからもう大分年月がたっているんですね。それなのにもかかわらず、いまだに市場の動向は缶詰の品質五年以上というのはめったにないというのが現状であります。  さらに、私、これ申し上げたいのが、この缶詰の判断基準の指針ができたのは震災前の話なんですね。つまり、恐らく、大きな震災はしばらく来ないであろうから、その間にちょっと高いハードルを設けて技術革新を促していこうと多分思われたかもしれませんが、実際これ三・一一が起きているんですよ。文科省などでも、首都直下や南海トラフなども三十年以内に高い確率で来ると。つまり、技術革新が進むより前に、この、もしかしたら品質が劣化をしている食品を食べる可能性があるかもしれないんですね。  環境省としては、とはいっても経過措置を設けているとおっしゃいます。私は実際に自治体にちょっと問合せをしました。そうすると、やはりグリーン購入法で本則で五年以上となっているので、賞味期限三年のものを購入するのは議会などで指摘をされる可能性があって難しいと。じゃ、パンとかそういった食べやすいものが駄目なら乾パンでよいではないかと思われるかもしれませんが、乾パンは硬くて子供やお年寄りは食べられないんですね。さらに、自治体も、それでいて五年のものを買うのも、こういった新聞のような記事、ニュースがあって、なかなか五年のものも思い切って買えなくて困っているという現状があります。本則を五年としているのでやっぱり重みがあると思うんですね。  そこで、例えば本則を五年から三年にして、経過措置を五年にして、缶詰業界の技術革新をちょっと期待するのはいかがでしょうか、環境省伺いたいと思います。
  132. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) 私どもの方でも調達率は確認をさせていただいておりまして、後ほどまた先生の把握なされたものも私ども承知いたしたいと思いますけれども、現在のところは、このただし書の効果がございまして、缶詰の調達率の中で特定調達品目は九割を、ほぼ一〇〇%に近い状態になっているところでございます。  そういう意味で、災害担当部局が調達に苦慮しておられるということは、私どもはそのようには承知をいたしておりませんでしたけれども、もしそういうことがあるのであれば、これは緊急時に対応すべきことでございますので、私どもとしても改めて考えていきたいというふうに考えております。  ただ、先生、基準の考え方というのは一つの考え方であろうかというふうに思っておりますけれども、ちょっと繰り返しになって恐縮ですけれども、一度専門家で御議論をいただきましたのは平成二十四年でございますので、大体五年に一度ぐらいの感じで見直してきておりますので、そういう意味で、もう少しお時間をいただいて市場の動向を見極めさせていただければというふうに考えているところでございます。
  133. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 いや、もう少しといいますか、もう五年以上たっているわけでありまして、そこはしっかり見直していただきたいと思っております。  そこで、これらの議論を踏まえまして、大臣伺いたいと思います。  このような保険の対象にならないとか、あるいは、いまだに市場に出回っている缶詰が三年のものがほとんどであると、さらに行政側も、本則があるのでやはり五年のもの、しかし五年のものを買うのも事故があるので怖いという困っている現状を踏まえまして、大臣はどのようにお考えなのか、ちょっと伺いたいと思います。
  134. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) どうして五年というのを原則にしているかという話を聞いたところ、五年で入れ替えるのと三年で入れ替えるのとでは廃棄物の量が違うと、環境省としての視点からするとそういうことになるということでありました。  一方で、市場の供給状況を勘案すると三年の経過措置が必要だというのは、今先生御指摘のような状況があるからだというふうに理解をしておりまして、複数の観点から考えるべきことであろうというふうに考えておりますので、御指摘も受け止めて、また考えさせていただきたいと思います。
  135. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 その廃棄の問題おっしゃいますが、実は災害用の行政が購入したものというのは捨てないんですよ。大体、防災訓練の日とかに無料配布するんですね。  ちょっとお聞きしたいんですけど、こういった防災備蓄用のパンを、三年のものと五年のものを食べ比べたことございますか。局長大臣伺いたいんですけど。
  136. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) 申し訳ありません。食べ比べたことはありません。
  137. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) 私、環境省で備蓄しているものを食べたことがございますが、それが五年だったか三年だったかはちょっと記憶しておりません。
  138. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 是非三年のものと五年のものを食べ比べていただきたいと思うんですが。  三年のものはかなりおいしいんですね。だから、配っても大体捨てないんですよ、缶は別にリサイクルするだけでいいですから。ただ、五年のものはまだまだ、かなりちょっと味がまだ改善の余地があるなというのが私の食べた感想なんですね。五年のものを配布しても多分捨てちゃうんですよ。  だから、そういった廃棄の部分を考えても、是非、年末、お忙しいと思いますけど、食べ比べていただいて、こんなに差があるんだということをちょっと体験をしていただいて、よろしくお願いしたいと思っております。  ちょっと時間、多少余っておりますが、切りがいいので、これで終わりたいと思っております。  どうもありがとうございました。
  139. 吉川ゆうみ

    吉川ゆうみ君 自由民主党、吉川ゆうみでございます。  本日は、先般行われましたCOP21について、丸川環境大臣始め外務省そして政府の皆様にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。  まずは、パリのCOP21合意に至り、パリ合意採択されましたこと、本当にすばらしいことだというふうに思います。今回、日本政府代表団の団長として各国閣僚との交渉を精力的にこなし、そして、日本がこれまで求めてきた全ての国が参加する公平でそして実効力のある国際的枠組みの構築に道筋を付けていただきました丸川環境大臣を始め、本日はお越しいただいておりませんけれども木原外務副大臣、また関連の会合に御出席をいただきました平口副大臣始め鬼木政務官、全ての皆様に心より敬意を表したいというふうに思います。  京都議定書、やはり附属書Ⅰ国そして非附属書Ⅰ国という形で、全員が同じような形で参加することができませんでしたので、今回のことは本当に大きな意義があるスタートになるというふうに私自身強く思っているところでございます。  先進国途上国立場の違いを含め、本当に多くの論点があったと思います。最後の最後まで予断を許さない状況の中で、緊迫した中で、様々なコミュニケーション、そしてネゴシエーションを行ってくださった皆様、私も、他国の国会議員さんあるいは政府方々から、丸川大臣がどのような形で本当に我が国の思いを今回の合意に入れるために積極的なコミュニケーションを取ってこられたか、あるいは、この国からはこんな話は聞き出せないだろうと思われるようなことについて、丸川大臣のコミュニケーションの中でいい答弁を聞き出してもらったということを他国の方からも聞くことができまして、本当に日本の環境大臣として丸川大臣が積極的に取り組んでくださった、そして皆様の頑張りに心から敬意を表したいと思いますし、うれしく思うところでございました。  その中で、まずは丸川環境大臣に、多くの方々からも聞かれたかとは思うのですが、改めてこのCOP21の成果、そして所感、今後への思いということをお伺いできればというふうに思います。
  140. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) ありがとうございます。  吉川委員におかれましては、民間に身を置いておられる間から環境問題に非常に熱心にお取組になって、その思いを議員になられた今も引き続き熱く持って取り組まれていることを大変尊敬を申し上げております。  今回のCOPの合意は本当に歴史的な合意であったと思います。木づちが打たれた後の各国のステートメントでも、まさに今日はヒストリカルデーだとかヒストリカルモーメントだというような発言が多く聞かれました。そして、何よりも、この合意が法的拘束力を持って全ての国が参加する合意になり得たということは、私はそれだけ人類の英知がその高みに達していたんだという思いを強く持っております。  二〇二〇年に向かって決まったわけですので、実は二〇二〇年からがまた新たな始まりであります。そこに向かってこれからも詳細のルールの決定、様々な議論があろうかと思います。こうした議論の中でも、私どもは積極的に参加をし、また貢献をし、地球の未来を決めていく百九十六の国と地域の中の一つとしての責任を果たしてまいりたいと思います。ありがとうございます。
  141. 吉川ゆうみ

    吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  本当に、私、京都議定書のときに、どうしてこの国がアネックスⅠに入らないんだでありますとか、様々な思いがございました。これから、いろいろな譲歩もあったかと思いますけれども、まずは全員参加ということで本当に有り難く思いますし、この次も我が国が是非ともイニシアチブを取っていけるような形で丸川環境大臣にも進めていただければというふうに思っております。  私自身、COP21に合わせてパリで開催されました環境に携わる世界中の国会議員の会であるGLOBEとそしてフランスの国民議会とで共催をしましたGLOBE・COP21サミットに参加をしてまいりました。約七十か国、そして二百人以上の国会議員が世界から集まりまして、日本からも、私を含め小池百合子元環境大臣をリーダーに、民主党の元環境大臣長浜先生でありますとか、日本の国会議員団をつくりまして参加をしてまいりました。  この会議を通じて、立場の違いはあれ、気候変動の深刻さということを皆で認識し、そして何とか新たな枠組み合意をしてもらわなければという機運を肌で感じたところでございますので、パリ合意、本当にうれしく思っております。  加えて、共通認識となりましたのは合意後の継続的な努力であります。最後に採択された声明文、ここでは、定期的なチェック・アンド・レビューの透明性のある手順の枠組みにおいてパリ合意目標レベルが段階的に引き上げられる、そしてINDC、各国が自主的に決定する約束草案が時間とともにより野心的になることを要求するといったことも盛り込まれました。  パリ合意において、丸川大臣の御尽力により、我が国からの強い要求でありますレビューでありますとか野心の向上、こういったことについて大枠は盛り込まれましたが、そういった論点も含めて、まだ今後に残されている、あるいはルール作りに送られた部分というものも相当あるというふうにも思っております。交渉は今後もずっと続いていくわけでございますけれども我が国としてしっかりとこの低炭素社会というものに貢献していくことが必要だというふうに思っております。  そこで、これから詳細なルール作り、この構築に向けて我が国がどのような形でイニシアチブを取り、貢献をしていくことができるのか。ここは外務省さんにお伺いをさせていただきたいと思います。
  142. 水越英明

    政府参考人(水越英明君) お答えいたします。  今回のパリ合意で大枠が決定されましたけれども、今後詳細なルールを定めていく必要があるということにつきましては、今の御指摘のとおりでございます。  具体的には、COP21で採択されたパリ協定では、排出量や吸収量の算定ルール、市場メカニズムに関するルール、各国による実施状況報告やレビューに関するガイドライン等について、来年五月以降の作業部会において検討を進めることとされております。  パリ協定は、我が国の目指してきた全ての国が参加する公平で実効性のある枠組みとなったものと認識しておりますが、本協定を下支えする詳細ルールによりこの枠組みをより実効的なものにしていくということが大切であるというふうに考えております。パリ協定の成果を基礎に、日本としては、これまでの排出量の算定、報告、検証等、様々な経験や我が国の有する専門的知見を生かして、世界全体で更なる排出削減実効性が担保されるようなルールの構築を目指してまいりたいと思います。
  143. 吉川ゆうみ

    吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  本当に、我が国京都議定書を作った国でもございますし、しっかりと目標達成もしてまいりました。さらに、環境技術においても世界の先頭を行く国でございますので、様々な今までの知見を生かして、是非ともイニシアチブを取って進めていただければというふうにお願いをさせていただきたいというふうに思います。  その中で、採択されたパリ合意を受けまして、これからは我が国において約束しました二六%の削減目標をいかにして国内達成していくのかということが、これまでもいろいろな委員の方から質問がありましたけれども、そのステージに移っていくのだというふうに思います。  来年は約束草案提出後の初年度ということもございますし、我が国の温室化対策にとって新たなスタートを切る重要な年であるというふうに言えます。我が国は、京都議定書目標、先ほど申し上げましたように達成しましたけれども、その後、政府としての計画ということが具体的にない状態が続いており、非常に残念であり問題ではないかなというふうに思っております。  そこで、先ほど来御質問ございましたけれども、この約束草案達成に向けて今後の国内対策をどのように進めていくのか、これは平口副大臣にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
  144. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) この度、環境大臣を拝命しました平口でございます。  御質問の点についてでございますが、二〇三〇年度に二〇一三年度比二六%削減するという日本の約束草案達成のためには、徹底した省エネと再エネの最大級の導入に取り組むことなどが必要となります。とりわけ、業務部門や家庭部門からの排出量については約四〇%削減する必要があり、国民一人一人の意識改革やライフスタイルの変革を含めた取組が不可欠でございます。  約束草案達成に向けて、できるだけ早期地球温暖化対策計画を策定し、事業者、国民などの各主体が取り組むべき対策や国の施策を明らかにし、それを着実に実行してまいります。  以上です。
  145. 吉川ゆうみ

    吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  今回のCOP21、経団連なども、あるいは商工会議所、非常に期待しているところがございますし、あるいは、どのような形で自分たちが取り組んでいけばいいのかということを心配しているというところもございますので、是非とも早期に様々な形で具体的な施策を進めていっていただけると有り難いなというふうに思っておりますし、民間の部門でありますとか様々な手を着けるところはたくさんあると思いますので、国を挙げて進めていく必要があると思いますので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。  さて、来年、私どもの地元三重県で開催されますG7、こちらでは、我が国取組として是非とも私たちのCO2の削減目標をどのような形で達成していくのかというところをPRをしていってほしいというふうに思っております。  私は、かつて環境のコンサルあるいは審査という業務に関わり、その後、銀行時代には金融の立場から、環境に携わる企業あるいは地方公共団体あるいは経済団体の取組の後押しをするという仕事をしてまいりました。議員になってからは、これまでの経験を基に、環境と経済成長の両立というものをいかに実現していくことができるのかということをテーマに今まで取組をしてまいっております。  環境に取り組むことで成長につながる、企業価値が向上する、経済もそして良くなっていくんだということをもっと浸透させていかなければならないというふうに思っておりますし、政府といたしましても、そういった点を積極的に取り入れていただける施策を取っていただければというふうに思っております。  十一月三十日のCOP21首脳級会合では、アメリカのオバマ大統領が、これからは環境と経済はもはやお互いに衝突するものではないと演説をされております。かつて京都議定書のときに、経済成長を阻害するんだと、CO2の対策は阻害するとして締結をしなかったアメリカの大統領の演説として、まさに隔世の思いでこのオバマ大統領の演説を大変うれしく思った次第でございます。  まさに環境への取組に活路を見出す企業、こういった企業が長期的に発展をし、そして市場で生き残っていく、そんな時代がやっと来たのではないかというふうに思っております。  私が参加させていただきましたGLOBE、ここでも、低炭素社会の実現には経済でありますとかあるいは金融といったものがしっかりと役立っていくんだと、そういったツールを使っていかなければいけないんだという発言が非常に多く出て、世界中で、これは先進国途上国関係なく思いが共有されたというところでございます。  その中で、環境ビジネスあるいは環境産業という言葉は非常に古くから使われておりますし、OECDでは一九九九年に各カテゴリー分けをして進めてきているということでございますけれども、今その時代とはまた環境ビジネスあるいは環境産業の裾野も非常に変わってきているのではないかというふうに思います。  現在の、これからの我が国目標達成、あるいは他国の支援ということも含めて、環境ビジネスの現状と更なる振興のための施策についてお伺いをできればというふうに思います。
  146. 三好信俊

    政府参考人三好信俊君) お答えをいたします。  先生御指摘のとおり、環境産業は経済、社会のグリーン化とともに我が国の経済成長を支える重要な主体であるというふうに認識をいたしております。  まず、現状でございますけれども環境省、定期的に調べておりますけれども、直近の調査によりますと、その市場規模は二〇一三年に約九十三兆円と過去最大になりました。これは二〇〇〇年に比べまして約一・六倍に増加しているということでございまして、今御指摘ございました温暖化対策分野を始めといたしまして、今後も増加することが期待されているところでございます。  このため、その振興策といたしまして、環境省といたしましては、再生エネルギーの最大限の導入に向けた技術実証や補助制度の拡充、地域における低炭素プロジェクトに民間資金を呼び込むための、これらのプロジェクトを出資により支援する地域炭素投資促進ファンド事業、頭金なしのリースを活用し促進する低炭素機器の普及を図るエコリース促進事業などの取組を進めているところでございます。  今後とも、これらの取組を通じまして環境産業の振興を図るとともに、環境と経済の統合的向上を目指し、経済、社会の一層のグリーン化に努めてまいります。
  147. 吉川ゆうみ

    吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  総理も、我が国の革新的な技術でもってこのCO2削減、低炭素社会に、あるいは途上国対策に大きく寄与していくということも言っていただいておりますし、まさに環境ビジネス、我が国の経済成長の柱となるものであると思っておりますので、是非とも積極的に他省庁さんとの連携も含めて進めていただければというふうに思います。    〔理事高橋克法君退席、理事上月良祐君着席〕  この環境ビジネスの振興には、環境問題に積極的に取り組むことが企業価値の向上につながり、そしてそういった企業に投資がなされる社会というものに移行していくことが大切であり、まさに社会システムの変革が重要だというふうに思っております。  既に世界ではそうした動きが活発に進んでおりまして、例えば環境など非財務面におきましても投資判断に反映させるESG投資、エンバイロンメント、ソーシャル、ガバナンスに積極的に取り組む企業に投資を付けていくんだというESG投資が世界的な潮流となっており、機関投資家による投資におきましても、世界で約三割、欧州では約六割がこのESG投資であるというふうに言われてもおります。  日本でも九月に、世界一の運用実績、百四十兆とも百五十兆とも言われているGPIF、年金積立金管理運用独立行政法人が、ESG投資の取組を約束する国連の責任投資原則、UNPRIに署名をし、その後、安倍総理も国連サミットの演説の中でこの我が国のGPIFのPRIへの署名について言及し、ESG投資について世界に対して発信をしていると、様々な動きが出ているというのが現状でございます。  先ほど、GLOBEでもこういった金融ということが非常に活発に議論されたということもございますし、こうした金融界の動き、ESGに取り組む企業を後押ししていくんだという動きを、低炭素社会の実現に向けた施策にどのように取り組んでいくのか、こちらを是非とも丸川環境大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
  148. 丸川珠代

    国務大臣丸川珠代君) ありがとうございます。  ESG投資については、吉川委員自ら非常に熱心にお取り組みで、よく声を上げておられるのは私も耳にしているところでございます。    〔理事上月良祐君退席、理事高橋克法君着席〕  環境に配慮した企業の行動が企業価値の向上につながる、また市場で評価されるというサイクルを生み出すということは、経済成長と持続可能な社会をつくる上で非常に重要な観点だと思っておりまして、私たちもこのESG投資というのを是非とも後押しをしていきたいと思っております。  環境省としては、今、委員から御指摘いただいたような内外の情勢も踏まえまして、環境に配慮した金融の拡大、まさに企業の投資行動を金融の面から後押しをしてくれるという動きを一層促すべく、企業と投資家とが対話をすることができるような環境情報開示システムの運用などを通じたESG投資の取組の支援、また国内百九十四の金融機関が参加するプラットホームである二十一世紀金融行動原則を通じた環境金融に関する相互の情報共有や対外的な情報発信等に取り組んでまいりたいと思います。
  149. 吉川ゆうみ

    吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  環境省におかれましても、様々な金融機関への勉強も含めて取組を行っていただいているというふうに承知をしております。是非とも、他省庁さんとも連携をして、積極的なESG投資の拡大を環境省さんがコアとなって進めていただけると本当にうれしいなというふうに思っておりますし、今まで頑張ってきた企業が報われる、企業価値に反映されるというような仕組みを是非とも早急につくっていただければなというふうに思っております。  この環境を成長に生かすというところにおきましては、世界に冠たる日本の技術を抜きにしては考えることができません。  本年の十月、TPPが大筋合意をされ、世界のGDPの約四割、三千百兆円というかつてない規模の経済圏をカバーした経済連携がこれからスタートするということになりました。TPPによって、技術力はあるけれどもこれまで海外展開を踏み切ることができなかったというような我が国の地方の中堅・中小企業にとっても海外展開のチャンスが生まれるということもあり、その効果は計り知れず、まさに成長戦略の切り札であるというふうに言えるかと思います。  他方で、環境の面におきましては、このTPPの中でも、自国の環境法令を効果的に執行しなさいということでありましたり、貿易や投資を奨励する目的で環境法令を弱めてはいけないということがしっかりと盛り込まれました。既に高いレベルでの環境施策に対応している我が国の企業にとっても相対的に競争条件が有利になり、我が国環境技術へのニーズというものも世界的に高まっていくのではないかなということで、まさにこのTPPは環境技術にとっては我が国にチャンス到来であると言えるのではないかというふうに思っております。政府のTPP関連政策大綱においても我が国の優れた環境技術の海外展開が盛り込まれたところでもございますし、環境省さんにおかれましても、是非ともこれを後押ししていただきたいというふうに思っております。  その関連で、先ほど杉委員も御質問をされておられましたが、二国間クレジット、JCMは、本当にこの部分に我が国環境技術を対外的にPRしていく、出していくという意味においても、CO2削減のみならず、我が国の経済にとっても有効な手段であるというふうに思っております。現在、十六か国のパートナーができておりますし、今回のCOPの場におきましても、フィリピンとの、環境大臣との連携ということもなされたというふうに承知しておりまして、これからますます期待ができる分野だと思っております。  一方で、私、環境審査時代にCDM、クリーン・ディベロップ・メカニズムのバリデーションあるいはベリフィケーションに関わっていた、あるいは銀行時代にはこのJCMにも関わっていたという経験から、このJCMが本当に我が国の経済をしっかりと守る、あるいは、我が国の産業あるいは我が国技術をしっかりと守るためのツールにならなければいけない、CO2削減とともに、というふうに思っておりまして、CDMの二の舞にはなってはいけないということを思っております。  ここにおきまして環境省さんにお伺いしたいと思うんですけれども、このJCMのツールが我が国のCO2の削減あるいは途上国の削減支援につながるとともに、我が国の産業政策の振興にどのような形につなげていこうと思っておられるのか、簡単にで結構でございますので、お教えいただければというふうに思います。
  150. 鬼木誠

    大臣政務官(鬼木誠君) この度、環境大臣政務官を拝命いたしました鬼木誠でございます。よろしくお願い申し上げます。  議員の御指摘のとおり、JCMは我が国として地球規模の排出削減貢献できる重要な制度だと考えております。現在、十六か国がパートナー国となっており、これまで八事業がJCMプロジェクトとして登録されております。加えて、四十五件の排出削減事業に資金支援を実施しており、今後、JCMプロジェクトとして登録される予定です。  今後も、より効率的な実施方法について検討を進めつつ、パートナー国の拡大や都市間連携を通じた我が国の経験やノウハウの普及、また、より広い分野における排出削減事業の案件発掘による更なるプロジェクトの実施促進など、こういったことに取り組みまして、地球規模での温室効果ガスの排出削減に積極的に貢献してまいりたいと存じます。
  151. 吉川ゆうみ

    吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  是非とも、我が国技術がこの地球上のCO2削減に寄与するとともに、途上国の更なる削減、そして同時に我が国産業の振興につながるような施策を積極的に取っていただければというふうに強くお願いをしたいと思います。  この気候変動のリスクというのは、あるいは影響、本当に大きなところで様々な形で出ているかと思います。気候の問題のみならず、様々な災害、そしてアダプテーションのような、適応のような、経済とまさにぶつかってしまうような問題、あるいは食料の問題、南北問題、そしてテロもこの環境問題が起因している部分が非常に多くあるというふうにも言われております。  環境省さんあるいは外務省さんにおかれましても、丸川大臣を筆頭に、世界の温暖化を始めとする各種の環境問題に積極的にイニシアチブを取っていただき、我が国の産業あるいは経済発展に貢献できる施策を取っていただければなというふうにお願いをしたいと思います。  冒頭申し上げましたけれども、今回のCOP21で、本当に各国方々から、丸川大臣始め日本の政府の人たちの積極的な交渉について評価をいただいたことを本当にうれしく思っておりますし、頼もしく思っているところでございます。これからも、私も微力ですけれども一生懸命応援をさせていただきたいと思っておりますので、是非とも我が国のイニシアチブ、お願いしたいと思います。ありがとうございました。  私の質問はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
  152. 高橋克法

    理事高橋克法君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二十四分散会