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2015-09-10 第189回国会 参議院 外交防衛委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年九月十日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  九月九日     辞任         補欠選任      末松 信介君     酒井 庸行君      北澤 俊美君     江崎  孝君      石川 博崇君     河野 義博君  九月十日     辞任         補欠選任      小野 次郎君     清水 貴之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         片山さつき君     理 事                 北村 経夫君                 佐藤 正久君                 三木  亨君                 大野 元裕君                 荒木 清寛君     委 員                 宇都 隆史君                 小坂 憲次君                 酒井 庸行君                 豊田 俊郎君                 松山 政司君                 江崎  孝君                 小西 洋之君                 福山 哲郎君                 藤田 幸久君                 河野 義博君                 小野 次郎君                 清水 貴之君                 井上 哲士君               アントニオ猪木君                 浜田 和幸君                 糸数 慶子君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君        防衛大臣     中谷  元君    副大臣        外務大臣    城内  実君    大臣政務官        外務大臣政務官  宇都 隆史君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       山本 条太君        警察庁長官官房        審議官      斉藤  実君        外務大臣官房審        議官       山上 信吾君        外務大臣官房審        議官       梨田 和也君        外務大臣官房審        議官       豊田 欣吾君        外務大臣官房参        事官       水嶋 光一君        外務大臣官房参        事官       吉田 朋之君        外務省総合外交        政策局長     平松 賢司君        外務省中南米局        長        高瀬  寧君        外務省欧州局長  林   肇君        外務省中東アフ        リカ局長     上村  司君        国土交通大臣官        房審議官     水嶋  智君        防衛省防衛政策        局長       黒江 哲郎君        防衛省運用企画        局長       深山 延暁君        防衛省地方協力        局長       中島 明彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○投資促進及び保護に関する日本国とカザフス  タン共和国との間の協定締結について承認を  求めるの件(内閣提出衆議院送付) ○投資促進及び保護に関する日本国とウクライ  ナとの間の協定締結について承認を求めるの  件(内閣提出衆議院送付) ○投資自由化促進及び保護に関する日本国と  ウルグアイ東方共和国との間の協定締結につ  いて承認を求めるの件(内閣提出衆議院送付  ) ○所得に対する租税に関する二重課税回避及び  脱税防止のための日本国政府カタール国政  府との間の協定締結について承認を求めるの  件(内閣提出衆議院送付) ○社会保障に関する日本国ルクセンブルク大公  国との間の協定締結について承認を求めるの  件(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 片山さつき

    委員長片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、石川博崇君、北澤俊美君及び末松信介君が委員辞任され、その補欠として河野義博君、江崎孝君及び酒井庸行君が選任されました。     ─────────────
  3. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  投資促進及び保護に関する日本国カザフスタン共和国との間の協定締結について承認を求めるの件外四件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官本条太君外十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 投資促進及び保護に関する日本国カザフスタン共和国との間の協定締結について承認を求めるの件、投資促進及び保護に関する日本国とウクライナとの間の協定締結について承認を求めるの件、投資自由化促進及び保護に関する日本国ウルグアイ東方共和国との間の協定締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税防止のための日本国政府カタール国政府との間の協定締結について承認を求めるの件及び社会保障に関する日本国ルクセンブルク大公国との間の協定締結について承認を求めるの件、以上五件を一括して議題といたします。  五件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 藤田幸久

    藤田幸久君 おはようございます。民主党藤田幸久でございます。  まず、冒頭で、今日は担当大臣お二人が安保特担当大臣お二人とダブっておりますので、この今日の条約及びその安保法案と併せて、ちょっと冒頭で申し上げたいことは、私も二つの委員会にまたがっていろいろ資料請求をしてきております。いわゆる理事会で討議をいただいたものと、個々大臣あるいは省庁にお願いをしてみたもので、もう一か月近くたっているのが四つあります。  一つは、七月十日、これは前回の外防委員会でも質問いたしましたが、七月十日に衆議院穀田議員資料として引用されたイラン情勢ホルムズ海峡をめぐる動き、これ、七月十日から今日で二か月たっておりますけれども、出てきていないと。外務省の方から同一の形式、内容のものは存在がないと。それから、防衛省の方はいまだに確認中ですと。  それから、これも外防委員会あるいは安保特でもやりましたが、その六月十五日の日本イラン局長協議の記録。これは、元々、初めは八月五日の白参議院議員請求でしたけれども、私の方は度々質疑等要求をしております。  それから、八月十二日、これは防衛省に前からお願いしておりますけれども、米軍ヘリ着陸失敗事例、これ、いまだにアメリカ側の方から公表がないので答えを差し控えたいということでございます。  それから、外務省ホームページ歴史問題QアンドA、これ改訂中と言われた八月十四日から約一か月であります。  これだけのものが、情報を出さないということで、条約審査お願いしたい、あるいは重要法案お願いしたいというのは、基本的に条約とか法案を院に対して審議をしてほしいという姿勢というか資格に欠けるんじゃないかと。したがって、まずその姿勢を改めていただかないと、私はその条約審議採決あるいは法案審議採決といったところに持っていくのはそもそも前提としておかしいんじゃないかと思いますので、是非委員長の方で、その行政府の姿勢についてまず改めていただいてから審議をしていただくということを是非お願いをしたいと思います。
  7. 片山さつき

    委員長片山さつき君) ただいまの藤田議員の御指摘につきましては、先ほど理事会民主党の代表の理事からも御指摘があり、私の方からも外務省に対して真摯に御要求対応するようにということをお伝え申し上げております。  岸田外務大臣よりこの御方針についてお答えを願えればと思います。
  8. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、藤田委員からいただきました御指摘につきましては、これ我々は真摯に受け止めなければならないと思います。委員会審議に資するよう、提供できる資料につきましては最大限出させていただく、これが基本的な姿勢であると考えております。  それぞれにつきましては事情は説明させていただいております。今御指摘がありました。その中にあって、引き続き最大限努力をしていきたいと考えます。
  9. 藤田幸久

    藤田幸久君 では、今日の審議採決までに是非必要な資料を出していただくという前提質問を続けさせていただきたいと思いますので、その理解の下で、委員長の方でお計らいをいただきたいというふうに思います。
  10. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 最大限努力はいたします。しかし、それぞれにつきましては御説明をさせていただいていると存じます。  まず、最初に御指摘いただきましたイランに関する資料につきましては、様々な部内の資料を作っているということは事実ですが、御指摘のこの資料同一のものは現在確認できていないということであります。  そして、二番目のイランとの局長級協議資料ということにつきましては、これはイランとの間において非公開を前提としたやり取りを行ったわけですので、これは相手国との関係、あるいは今後の情報交換に対する影響等も考えまして、これは外交的な見地から控えなければならないということ、御理解お願いしているところかと思います。  そして、三点目の外務省ホームページ改訂につきましては、引き続きしっかり精査をし、そして、できるだけ早い時点にこうしたホームページをしっかりとアップしたいと考えております。
  11. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  12. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 速記を起こしてください。  岸田大臣よりもう一度御説明お願いいたします。
  13. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 今、現状については申し上げさせていただきましたが、その現状を踏まえて、引き続き最大限努力をいたします。
  14. 藤田幸久

    藤田幸久君 では、採決審議が終わるまでに努力をして結果を出していただきたいということを改めて要請して、そして今使った時間を、今後の答弁については簡潔にしていただきたい。よもや時間を無駄に使うことはやめていただきたいということで、あともう四十分しかありませんので続けたいと思います。  質問の順番を変えさせていただきまして、今のようなことになっちゃうと困るものですから、最近の国会周辺、この安保法案に関する国民の盛り上がりが国会の外で起きておりますので、先にそちらの関係質問をさせていただきたいと思います。  資料をお配りしております。この中で、資料の四枚目にこの国会周辺写真が出ております。これ、たまたま東京新聞で、一番分かりやすいのでこの写真を出しておりますけれども、主催者の方で十万人以上、そして警察の方で三万三千人と言われているわけですけれども、これに関しまして、次の資料の五ページ目及び六ページ目にこの主催者の方から麹町警察署に出された資料が出ております。  これを見てみますと、例えば五ページの一番下の方でございます。③というところでございますけれども、国会議事堂前駅のA1出口エスカレーター地上出口警官に封鎖されたため、参加者は上ることも下ることもできず、人が後ろから詰めかけて将棋倒しになる寸前だったと。駅ホームまでいっぱいとなり、地下鉄が到着してドアが開いてもホームは満杯で降りることができないという状況だったと。こういう状況の中でも強引に地上出口への通行を阻止した警察官。  これは、そもそも地下鉄の駅の上で警官の方がこの閉鎖をしてしまったと、したがって、地下鉄から降りた方が外まで出られなかったという状況があるわけですけれども、この地下鉄の上を閉じるということについて、どのくらいの実際に駅で人が降りられなかったのか、したがって、次の駅の方で乗客が降りざるを得なかったのか。その辺の状況について、まず国交省から伺いたいと思います。
  15. 水嶋智

    政府参考人水嶋智君) お答え申し上げます。  当日の状況でございますけれども、東京メトロの方に確認をいたしましたところ、電車ドアを開けられずに次の駅で降ろしたというふうなことはなかったと、少なくとも電車ドアはちゃんと開いておったというふうな状況であったというふうに聞いております。
  16. 藤田幸久

    藤田幸久君 私の質問は、降りられなかったので次の駅で降りざるを得なかった人がどのくらいいたかと聞いたんで、ドアのことは今申し上げませんでした。
  17. 水嶋智

    政府参考人水嶋智君) 当日の現場状況でございますけれども、地下鉄が駅に入りましてドアは開いたと、その後お客様がどのような形で降りていかれたかということでございますけれども、大きな駅での混乱はなかったというふうにメトロからは聞いております。
  18. 藤田幸久

    藤田幸久君 実際に駅で降りて、そしてホームから改札改札から駅の方に出ようとしたけれども、エスカレーターの上の上がり下りもできなかったと。それで、非常に暑い日でしたから健康状態も崩して、将棋倒しになる寸前だったと。ここに書いてありますけれども、その辺の状況については確認されていないんですか。
  19. 水嶋智

    政府参考人水嶋智君) 私どもが東京メトロの方に確認をいたしましたところ、まず国会議事堂前駅でございますけれども、これは、周辺混雑ということで、警察の方からの要請を受けまして地上への出場可能な出入口については一時的な規制を行ったということでございますけれども、電車の運行の安全について、これは特になかったというふうに伺っております。また、駅施設内の旅客の安全にも大きな影響は生じていなかったというふうに聞いております。  国会議事堂前駅以外の永田町駅、その他国会議事堂周辺の駅の状況でございますが、こちらの方も、通常よりは混雑はしていたということでございますけれども、大きな混乱はなかったというふうにメトロからは聞いておるということでございます。  なお、溜池山王駅でございますけれども、このデモと因果関係は明らかではないんでございますが、お一人急病の方が発生したということはあったようでございまして、その方については緊急搬送の手続が速やかに行われたというふうに伺っております。
  20. 藤田幸久

    藤田幸久君 この資料にも出ておりますけれども、今も、地下鉄の駅も警察要請ということだったようですけれども、そもそも国会の正門前の道路並木通りと言われているようですけれども、この一時開放と、それから鉄柵による仕切り中止要請をしたけれども、警察の方で鉄柵を設けたということでございますけれども、そもそも、警官がその駅の上を封鎖する、あるいは鉄柵による仕切りを設けるということを指示をした根拠法と、誰の権限で決めたのかについてお答えいただきたいと思います。
  21. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) お答えをいたします。  警察は、警察法二条によりまして、個人の生命、身体、財産保護と公共の安全と秩序の維持という責務を有しております。  こうした責務を果たすために、国会周辺で多数の方々による取組が行われるに際しまして、警視庁において車両、人の通行参加者等の安全を確保するため、その時々の現場状況に応じ必要な警備上の措置をとったところでございます。  御指摘パイプ柵による仕切りでありますとか地下鉄出入口の一時的な規制につきましても、こうした観点から警視庁において必要な措置をとったものと承知をいたしております。  一方、誰の判断でというお尋ねでございますが、こうした個々警備上の措置は、現場状況やその内容に応じまして、しかるべき者が適切に判断をしているところでございます。  いずれにしても、警視庁としては組織的に対応したものと承知をいたしております。
  22. 藤田幸久

    藤田幸久君 まず、先ほど写真を御覧になって、警察の方で今回は、警察発表として三万三千人と発表したそうですけれども、ふだんは発表しない。なぜ今回、この発表というか、あるいはマスコミ情報を流したんだろうと思うんですけれども、誰の判断でそういう情報を流したのか、それから三万三千人というその根拠、それからどういう方法で三万三千人と判断をしたのかについてお答えいただきたいと思います。
  23. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) お答えいたします。  警察では、多数の方々による取組が行われるに際しまして、雑踏事故等防止を図るための警察活動に必要な範囲でその場にいる方々の数の把握に努めておりますが、御指摘のように、警視庁において警察発表として参加者の数を発表した事実はございません。  いずれにいたしましても、警察としては、全体の参加者の数を発表する立場にはございませんで、あくまでも警察活動に必要な範囲で特定のエリアの一時点における人数把握に努めておりまして、それぞれの現場に応じた方法人数把握をいたしているところでございます。
  24. 藤田幸久

    藤田幸久君 つまり、流したんだろうと思うんですね。  それから、今、必要な、一時的とおっしゃったけれども、国会周辺ということを言い訳をしたようですけれども、したがって、国会周辺ですと、この写真に写っている並木通りだと三万三千人かもしれないけれども、先ほど溜池山王の話もありましたけれども、日比谷公園から、永田町から降りられずに降りた方々も含めますと、これは相当の数だろうと思うんですけれども、今、必要な地域、一時的とおっしゃったのは、いわゆる国会に直接隣接をしているところの瞬間的な数字ということでよろしいですか。
  25. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 先ほども申し上げましたとおり、あくまでも雑踏事故等防止を図るための警察活動に必要な範囲ということでございまして、具体的にどこの範囲というのは申し上げにくいのでありますが、基本的には国会周辺を中心とした数というふうに理解をいたしております。
  26. 藤田幸久

    藤田幸久君 国会周辺のということですね。ですから、それが三万三千人で一時的だというふうに、そういうふうに説明をしていただきたいというふうに、今後、思います。そういうふうな、少なくともマスコミ警察がそういうふうに言っていたと言っているわけですから、そういう限定条件があったということを、後でやっぱり市民生命財産、安全ということを考えるならば、今後のこともあるわけですから、これから来週に向けて、是非それをはっきりしていただきたいと。  それから、参加者救護等に当たっていたお医者さんや看護師さん等がたくさんいたようですけれども、いわゆる気分を害された方を診察するために、警護車両の間に、そういう患者さんを診るような車を間に入れてほしいという要請をしたけれども、警察が断ったということですけれども、これは誰の判断で断ったんでしょうか。
  27. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) お答えいたします。  一般的に、緊急時の対応あるいは安全確保等観点から、警備のために配置をしております警察車両の付近への駐車について必要な調整を行っているわけでございまして、今回も警視庁におきましては、こうした観点から、別の場所に止めていただくように必要な調整を行ったというふうに承知をいたしております。
  28. 藤田幸久

    藤田幸久君 別の場所というのはどこですか。どのくらい離れていますか。
  29. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 国会の前というふうに承知をいたしております。
  30. 藤田幸久

    藤田幸久君 国会の前というのはどこですか。
  31. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 国会側憲政記念館の前の車道上というふうに認識をいたしております。
  32. 藤田幸久

    藤田幸久君 憲政記念館というのは国会の向かい側ですよね。
  33. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 申し訳ございません。憲政記念館反対側国会側国会側車道上というふうに認識をいたしております。
  34. 藤田幸久

    藤田幸久君 それからもう一つ、大変暑い日だったわけですが、多くの警察車両アイドリングを続けていたと。それで、そのアイドリングをストップするように、これはつまりアイドリングを続けるということは、やっぱりその排気ガスの問題もあるし、周りにいるだけで相当暑いと。それを要請したけれども、断ったと。これは誰の権限アイドリングを、一部かもしれませんけれども、ストップするのを断ったんでしょうか。
  35. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 警備のために配置をしております警察車両につきましては、事故やトラブルの発生等、緊急時に迅速に対応をするためにアイドリングを続ける必要がある車両もあるものでございまして、どうかその辺は御理解を賜りたいと存じます。
  36. 藤田幸久

    藤田幸久君 ある車両として、ない車両についてなぜストップできなかったんですか。
  37. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 具体的には全ての車両がどうであったかについては確認ができておりませんが、必要があるものについてアイドリングを続けたというふうに承知をいたしております。
  38. 藤田幸久

    藤田幸久君 では、これからまた来週にかけて、それから夜もそういう可能性があるという中で、本当に先ほどおっしゃったような皆さん生命と安全を守るということであるならば、そういう方々の安全を是非守ってほしいと思いますので、必要のない車についてはアイドリングをストップをするということと、今後予定される集会で、市民安全確保のために現場責任権限を持つ担当者、これは警察庁責任で誰か決めていただいて、かつ、いわゆる主催者側現場で話ができる人を指名をして、そういう方を設けていただいていろんな事態に対して対応できるような、そういう体制を取っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  39. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 現状におきましても、現場において主催者側と意思の疎通をする責任者配置をされていると思いますが、いずれにいたしましても、警察としては、今後、車両や人の通行、あるいは参加者通行者の安全を確保すべく適切な警備措置を講じてまいりたいと考えております。
  40. 藤田幸久

    藤田幸久君 では、そういう担当者が誰であるかということを私の方にお伝えいただきたいと思います。  と申しますのは、この三十日の場合に、少なくとも国会議員十六名がたすきを掛けて現場におりました。先ほど来申しております事例現場にも国会議員自身がいたわけです。それで、皆さんたすきを掛けて、過剰警備監視国会議員団ということで十六名、政党の党首も元総理もいたわけですね。  そういう方々も含めて今の情報がございますので、今の例えばアイドリングが必要でない車両についての対応と、それから現場のどなたが対応をするのか、窓口を、これは安全管理のために非常に重要ですから、ましてや先ほど来のお話で現場の裁量が非常に大きいということですから、是非私の方にお伝えをいただきたいと思いますが、いかがですか。
  41. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) その点につきましては、現場警備を担当する警視庁調整をさせていただきたいと存じます。
  42. 藤田幸久

    藤田幸久君 もう一つ、これは別の、七月十六日のようですけれども、年配の女性が体調を崩して道路に倒れ込んだと。そうすると、警察官がその女性を無理やり引きずり回したので、病人を動かさないでほしいというふうに要請をしたと。そうしましたらば、警視庁の腕章を付けた私服警官女性を守ろうとした実行委員の腕をねじり上げて女性から引き剥がそうとしたと。この件に関しましては警備課長が後で対応の間違いを謝罪したということでございますけれども、こういったことがないような対応をしてほしいと思いますが、こういう事例があったということは御存じですか。
  43. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 通告もございませんでしたので、確認ができておりません。
  44. 藤田幸久

    藤田幸久君 いや、だけれども、当然警察庁とすれば、これ七月十六日の事例で、しかも警備課長ですかね、謝罪をしたというふうにありますので、知らないわけないんじゃないですか。
  45. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) そこまで詳しい事実関係の報告は、少なくとも私は承知をいたしてございません。
  46. 藤田幸久

    藤田幸久君 課長さんまで謝罪をしているような事例について警察庁が知らないで、これだけ何万人の人が、十万人の人が来ている中で、そういった事例すら把握していないということで本当に皆さん警備ができるんですか。
  47. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 七月の十六日の話でございますので、改めて確認をさせていただきたいと存じます。
  48. 藤田幸久

    藤田幸久君 国会で誰かが取り上げないと調べないということは、この数週間にわたりまして、七月ぐらいからです、もう二か月ぐらいたっている。それから、今週から来週にかけてもいろんな可能性がある。国民の皆さんの参加が随分増えている。ということは、今までのこういった様々な事例について調査していないんですか。
  49. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 日々様々な事象が起きておりまして、その都度報告があるものもございますし、ないものもございますが、先ほど先生御指摘の事実については直ちに確認をさせていただきたいと存じます。
  50. 藤田幸久

    藤田幸久君 今私が申し上げましたのは、七月十六日の事例は八月十日にこの主催者から麹町警察署長宛てに出ている文書であります。  ということは、それすら報告がなかったということについての警察責任と、それからそういった情報把握していなかった警察庁責任についてちょっと答弁をいただきたいと思います。これ、ちゃんと実際、文書あるんですよ、八月十日付けの。  時間止めてください。
  51. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  52. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 速記を起こしてください。
  53. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 申し訳ございません。  私がその事実が確認できていないということでございまして、警察庁として報告を受けているかどうかにつきましては至急確認をさせていただきたいと存じます。
  54. 藤田幸久

    藤田幸久君 警察庁としてそういう情報を受けているのに、国会で答弁するあなたが知らないということはどういうことなんですか。
  55. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 大変申し訳ございません。  その日以降に着任をいたしまして、今回御指摘の通告の事実につきましてはいろいろ確認をさせていただきましたが、その点、再度確認をさせていただければと存じます。(発言する者あり)
  56. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  57. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 速記を起こしてください。  警察庁斉藤審議官、再度御答弁お願いします。
  58. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 大変失礼をいたしました。  ただいまの発言につきまして、心よりおわびを申し上げます。  いずれにいたしましても、現在手元にその報告について資料ございませんので、直ちに確認をさせていただければと存じます。
  59. 藤田幸久

    藤田幸久君 この出た文書以外も含めて、この数週間にいろんなことが起きていますので、それを網羅的に調査をして報告をしていただくことと、これから、今国会会期中あるいはそれ以降かもしれませんけれども、国会周辺、広い意味での周辺で起こり得ることについてどういう対応をするつもりなのか、それについて報告をしていただきたい、それから、担当者を決めていただきたい。その三つお願いしたいと思いますが、答弁を求めます。
  60. 斉藤実

    政府参考人斉藤実君) 御指摘の点につきましては検討させていただきます。
  61. 藤田幸久

    藤田幸久君 では、今の答弁に基づいて、その三つの要請について、是非委員長の方でそうしたしっかりした報告が警察庁の方からあるように取り計らいをお願いしたいと思います。
  62. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 後刻理事会で検討させていただきます。
  63. 藤田幸久

    藤田幸久君 それでは、条約について一つ質問をさせていただきます。  本年六月にオマーンとの投資協定が署名されました。それから九月七日には、核問題での最終合意を受けて経済制裁の解除が決まったイランとの間で投資協定交渉が開始されています。  政府は、今後こうしたイランとあるいはオマーンとの交渉をどのように展開していくおつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。
  64. 上村司

    政府参考人(上村司君) お答えを申し上げます。  まず、オマーンとの投資協定につきましては、鋭意交渉を進めたいと思います。  イランとの関係につきましては、今後、核交渉の履行、それから、これが、イランとEU3プラス3との間でこの合意事項がうまく進んでいくか、こういうことも横目で見ながら、内容の詰めは別途鋭意行っていきたいと考えております。
  65. 藤田幸久

    藤田幸久君 時間の関係で、ホルムズ海峡の機雷掃海の事例に関して質問いたします。  まず、今までいろいろ質問してまいりましたが、いわゆるホルムズ海峡事例の立法事実は何でしょうか、岸田大臣
  66. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) ホルムズ海峡をめぐりましては、中東における様々な情勢の中で様々な事態が想定されます。このホルムズ海峡周辺には、アメリカの第五艦隊の基地を始めアメリカの拠点、そして多くの国々、そしてオマーン、イランを始めとする領域国も存在いたします。こうした状況の中で、我が国としまして、我が国の存立あるいは国民の命、自由、そして幸福追求の権利を根底から覆す明白な危険が生じる場合等に備え、様々なこと、様々な事態を考えておかなければならない、こういったことから、この今法律の審議お願いしている次第であります。
  67. 藤田幸久

    藤田幸久君 立法事実、全く聞こえませんでしたが。  中谷大臣、今まで過去二回のホルムズ海峡における機雷敷設について、一つイラン・イラク戦争のときのイラン、それから湾岸戦争のときのイラクと、二回あったと説明されていますけれども、今回のいわゆる事例に関して、この二つの国による敷設の可能性についていろいろと精査されたんでしょうか、中谷大臣
  68. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) 今回の法制は、新三要件で我が国の対応を定めたものでありまして……
  69. 藤田幸久

    藤田幸久君 いや、イラン、イラクについて精査したんですかという質問です。
  70. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) ホルムズ海峡に関しましても、特定の国が機雷を敷設することを想定しているわけではございません。過去二回、国際的な機雷の掃海活動があったということは認識をいたしておるわけでございますけれども、これは過去の事実として認識をいたしているということでございます。
  71. 藤田幸久

    藤田幸久君 そんな中で、大分やり取りしてきましたが、資料の二ページ目御覧いただきたいと思いますが、これは、先週、安保特での質疑であります。この結論は、日本政府として、イランが機雷を敷設する想定はないと、そのイラン政府の確認をしていただきました。つまり、これはイランが機雷を敷設する意思はないということを政府が確認をしているということで、これは岸田大臣、間違いございませんですね。
  72. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) イラン政府関係者が様々な場で、イランは機雷を敷設する意図がない、こうした発言を明らかにしていること、これは十分承知をしております。
  73. 藤田幸久

    藤田幸久君 意図はないということは、敷設する想定はないというふうに日本政府は認識していないんでしょうか。
  74. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 我が国としましては、イランがそういった意図がないという発言をしている、これは確認をしております。それ以上のイランの意図について、日本政府として何か申し上げることはできないと思っています。
  75. 藤田幸久

    藤田幸久君 つまり、意図はないと発言しているけれども、それ以上に可能性もあるという想定があるということですね。
  76. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) イラン政府の発言は確認をしています。それ以上について、何かこの意図について説明する立場に我が国はないと考えています。
  77. 藤田幸久

    藤田幸久君 では、イラクが機雷を敷設する意図、あるいは想定についてはどう考えているか。これは中谷大臣にお聞きしたいんですが、今まで二回事例がある、イラン、イラクと。イランについては、少なくともそういう意図については確認をしている。イラクの可能性についてはどうお考えですか。
  78. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) 中東情勢というのは、現状においては、イラクにおいて内部で混乱をしている状況であるというふうに認識していますが、将来につきましてどのような事態が生じるかどうか、これにつきましても、特定の国が機雷を敷設することを想定しているわけではございませんが、我が国にとりまして、こういった中東からの原油また天然ガスの輸入、また安全保障環境が非常に厳しさを増す中で、この機雷の敷設によって我が国の存立を脅かすような事態も起こり得るということで、特定の国を念頭に置いたものではございませんが、機雷の敷設によって我が国の存立を脅かすような事態が起こり得るというふうに認識をいたしております。
  79. 藤田幸久

    藤田幸久君 イラクの敷設の可能性についてのみお答えください。
  80. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) 現時点におきましては特段そういった確認ができているわけではございませんが、この法律は特定の国を念頭には置いておりませんけれども、将来生じ得るような対応等につきまして、そういった場合の我が国の措置としての対応を考えているということでございます。
  81. 藤田幸久

    藤田幸久君 つまり、特段確認はしていないけれども、将来イラクというのも生じ得るということでよろしいですね、今の答弁ですと。
  82. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) 特定の国を想定したものではございませんが、過去二度にわたりましてイランにしてもイラクにしても機雷を敷設したという事実があったということは事実として受け止めたいと思います。将来に対して現時点で、特に個別の国がどうなるというような可能性を私は現時点で持っているわけではございません。
  83. 藤田幸久

    藤田幸久君 今までの話聞いていますと、特定の国を想定しない、そして存立危機、シーレーン等々ということになると、例えば関門海峡が機雷敷設をされますと、これ日本の存立危機事態に陥りますね。いかがですか。
  84. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) これは特定の事態また地域を想定したものではございませんが、関門海峡に関しましては、過去の答弁の中で、日本の周囲の海域で機雷が封鎖した場合に武力攻撃事態に陥る可能性があるというような答弁もございましたので、そういった我が国の武力攻撃に関する認識の中で述べられたことがあるというふうに認識しております。
  85. 藤田幸久

    藤田幸久君 ということは、ホルムズ海峡という地形あるいは地域を特定せずに、日本のいわゆる経済的な存立も含めたシーレーンの危機を中心としたいわゆる存立危機事態に陥るというふうに表現しておけば、ホルムズ海峡も関門海峡も含めて、この要件として、事例としてぴったり成り立つんじゃないですか、今日の答弁を聞いても。  したがって、ホルムズ海峡と特定せずに、いわゆるシーレーン確保の観点日本の存立危機に至るというふうな海峡というか、あるいは地域というふうに事例を整理をすれば、それで十分通用するんじゃないですか。
  86. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) まず、これは特定の国を念頭に置いたものではありませんし、特定の二国間の関係とか国際情勢のみを念頭に存立危機事態を設けるものでもないわけでありますが、こういったホルムズ海峡に関しても特定の国が機雷を敷設することを想定しているわけではありませんが、その上で、我が国にとりまして非常に安全保障環境が不透明さを増す中において、法案の当てはめの具体例の一つといたしまして、ホルムズ海峡を擁する中東地域におきましてこの機雷敷設が我が国の存立を脅かすような事態も起こり得るということを御説明しているものでございます。  政府は、このように安全保障環境が大きく変わっている中において、国民の安全を守るために必要な自衛の措置とは何かを考えまして、あらゆる事態を想定して切れ目のない備えを行う責任がありますので、今回このような法案を提案をさせていただいたということでございます。
  87. 藤田幸久

    藤田幸久君 要は、今日最初から最後まで、立法事実がまるでないということの証明であった答弁だろうと思いますので、要するに、ホルムズ海峡という地形を、あるいは地域を特定する必要がなくて事例として十分成り立つという答弁であったと。したがって、立法事実が存在しないということを申し上げて、あと数分しかありませんので次に行きたいと思いますけれども。  それは、外国船舶の強制検査、拿捕等というのが、この日本の領域又は周辺で行う必要最小限度の自衛行動権として言わば今まで認められてきたわけですけれども、存立危機事態の中で、地理的制限はなくて世界中の海でいわゆる敵性船舶について行われるということは、これは交戦権の行使ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  88. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) 今般の法整備に関しまして、海上輸送規制法を改正してこの停船検査の措置を行うことができるということでございますが、これは自衛権の行使の一環として行われるものでございますが、憲法上、自衛権の行使そのものではなくて、自衛権行使に伴う必要最小限度の措置と位置付けられております。また、対象が民間船舶であることなどから、従来から武力行使には当たらないものと整理をされております。  したがいまして、本法に基づきまして外国の同意を得てその国の領海で停船検査等を実施することが、武力行使の目的を持って武装した部隊を外国の領域へ派遣するいわゆる海外派兵に当たることはないということでございます。
  89. 藤田幸久

    藤田幸久君 ちょっと答弁長いんですが、要するに、ホルムズ海峡での機雷掃海を行うということは交戦権の行使に当たるんじゃないですか。
  90. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) 交戦権ではございません。  先ほどお話をいたしましたように、自衛権の行使の一環として行われるものですが、憲法上、自衛権の行使そのものではなくて、自衛権の行使に伴う必要最小限度の措置と位置付けられておる……(発言する者あり)で、武力の行使でございます。機雷掃海は武力の行使でございます。(発言する者あり)
  91. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  92. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 速記を起こしてください。  大臣、今の点、もう一度御整理の上、御答弁ください。
  93. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) 機雷掃海につきましては武力行使に当たるということでございますが、この船舶検査につきましては、対象が民間船舶であることなどから、従来から武力の行使に当たらないものと整理をされております。(発言する者あり)機雷の掃海は武力行使に当たるということです。
  94. 藤田幸久

    藤田幸久君 いや、だから、それは交戦権かと聞いているんです。
  95. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 大臣、御指摘の点について追加答弁されますか。
  96. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) 交戦権には当たらないと考えております。
  97. 藤田幸久

    藤田幸久君 臨検じゃなくて、機雷掃海は武力行使だけれども交戦権に当たらないと。なぜ当たらないんですか。
  98. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) まず、交戦権というのは、戦いを交える権利という意味ではなくて、交戦国が国際法上有する種々の権利の総称でありまして、このような意味の交戦権、これが否認をされているということでございます。  他方、これまで政府は、自衛権の行使に当たっては我が国を防衛するための必要最小限度の実力を行使することが当然認められると解しておりまして、そのための実力の行使は交戦権の行使とは別の観念のものであるといたしてきております。  したがいまして、今回は自衛のための武力の行使であるというふうに認識しております。
  99. 藤田幸久

    藤田幸久君 全然違うと思いますけど、あと三分しかないので、ちょっと沖縄の関係一つお聞きします。  いわゆる集中協議が決裂的に終わったようですけれども、政府とすれば、中谷大臣、ボーリング調査をいつ再開するのか、それから本体工事をいつ始めるのかについてお答えをいただきたいと思います。
  100. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) 一か月協議をしてまいりましたけれども、政府の立場につきまして沖縄県の御理解を得るに至らずに、今後も機会を捉えて辺野古建設に関する考え方、負担軽減の取組について御説明を尽くしてまいります。また今後、普天間代替施設建設事業につきましては、住民の生活や環境の影響に配慮しながら、関係法令に従いつつ進めてまいりたいと思っております。  具体的な再開スケジュールにつきましては、作業の件について、沖縄県の立入調査、これの状況、また気象、海象、米軍の訓練等の現地の状況を見極めつつ判断をすることといたしております。
  101. 藤田幸久

    藤田幸久君 翁長知事は十九日以降に埋立承認の取消し等を検討するという報道がありますけれども、いわゆる取消しを沖縄県側が求める前にボーリング調査を再開するんですか、それとも後になるんでしょうか。
  102. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) その時期等につきましては、先ほどお話をいたしましたとおり、今、県の立入調査の状況、そして気象、海象、米軍の訓練等の現地の状況を見極めつつ判断をしてまいりたいと考えております。
  103. 藤田幸久

    藤田幸久君 岸田大臣に、このホームページの削除、八月十四日以来されております。削除されてから一か月近くもたってまだそのままであるということは、よっぽどこれ深刻な問題なので削除されていると思っておりますが。  この歴史問題QアンドAというところで、我が国はかつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えましたとあるんですけれども、このことは安倍総理が、事変、侵略、戦争、いかなる武力の威嚇云々云々と、これは主語がないんですけれども、削除した外務省ホームページについてはこれははっきり主語があるんですけれども、ということは、この安倍総理のいわゆる事変、侵略、戦争云々、植民地支配から永遠に決別しというのがありますけど、これは要するに主語がないということですね。  つまり、外務省の元々の政府の見解は主語がある、安倍総理の方はこれが主語がないと。その外務省の方、元々のホームページには主語があるので、これ削除せざるを得なかったということですか。
  104. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 主語がある、ないについて御指摘をいただきましたが、総理談話につきましては、談話全体としてどういう思いを伝えているか、これが重要だと考えます。  そして、今、このウエブサイト、歴史問題QアンドA改訂を行っているわけですが、痛切な反省、そして心からのおわびの気持ちを表明した歴代内閣の立場、これは揺るぎないということ、これ談話の中でも明らかにしていますが、この基本は全く変わるものではないと考えております。  改訂を要しているのは、例えば過ちにつきましても、今回の談話においてはかなりボリュームを大きくして細かく説明をしています。そういった点も含めてしっかりとした内容をこのQアンドAの中に掲げたい、こういったことで改訂作業を進めているところであります。
  105. 藤田幸久

    藤田幸久君 また時間を随分使わされましたけれども、要は、安保法案いつ採決するつもりか分かりませんけれども、それを見ながら、このホームページあるいは沖縄のボーリング調査を検討しながら政府がやっているという、そういう姿勢に対して非常に遺憾だということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
  106. 大野元裕

    ○大野元裕君 民主党・新緑風会の大野元裕でございます。  本日の議題となっております投資協定租税協定、特にカタールについては守秘義務があるので余り細かいことは言えませんが、私がカタールに在勤していたときに始まったことで、十七年、相当時間が掛かったなという思いがあります。  時間がないので、こちらのカタールは伺いませんが、ウクライナの方を今日はお伺いしたいと思っております。  ウクライナとの投資協定につきましては、ウクライナは成長が見込める可能性が高いと、そういった市場でもあり、我が国にとってもプラスの部分が多い、こういう説明外務省からもいただいておりますが、現実の問題として、ウクライナの成長はマイナスであります。当然、その背景には様々なものがあろうと思いますが、私は、クリミアを含む東部情勢、これが現在のウクライナには大きく影響をしているのではないかと理解をしております。  そこで、外務大臣、まずお伺いしたいんですが、投資協定を行えば我が国にとってもプラスになる、それは相手の経済成長も含めて様々な形でウイン・ウインの関係ができるということだろうと私は理解をしていますけれども、これ、投資協定締結してもウクライナの情勢が良くならなければ、これはイラクもそうだったんですが、可能性だけでイラクは三十年間止まっていました、そういう状況にもなり得ると思うんですけれども、外務省としては、協定締結するだけではなく、G7をしっかりと主導して、この協定やるのであればウクライナ情勢の安定を図るべきだと思いますけれども、それについて、外務大臣、いかがお考えでしょうか。
  107. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、ウクライナの安定に向けて我が国が努力をしなければいけない、この点につきましては御指摘のとおりだと思っています。  東部二州につきましては局地的な戦闘が続いています。我が国としましては、G7の結束を重視しながら、停戦合意の実現に向けて働きかけをしなければいけないと思っていますし、また、安定化、改革努力のために、支援国の中で最大規模となる約十八・四億ドルの支援を表明し、実施をしております。  そして、そういった中ですが、この東部二州におきましては、我が国企業の中で活動している企業はありません。一方、東部二州以外のウクライナの部分においては、首都キエフを中心として多くの我が国企業が活動して、こういった地域においては情勢も比較的安定しており、我が国企業からもこうした投資協定締結に対する要望は大変強いと考えております。  こういったことから投資協定を進めたいと思っていますが、投資協定を進めることは、ウクライナの経済状況を改善する、あるいは安定化させる、あるいは支援を行う、こういった観点からも資するものではないかと認識をしております。
  108. 大野元裕

    ○大野元裕君 大臣、違うんじゃないんでしょうか。  今の現状は分かりました。お金で支援していることも分かりました。東部二州には我が国の企業がいないからという話ではなくて、私は、ウクライナ情勢を安定させればより我々にとってプラスが見込めるわけだから、この協定を出されるのであればしっかり我々としても主導権を取っていくべきではないかと、こういう趣旨の質問ですから、大臣、もう答弁は結構ですけれども、私ちょっと時間がないので、そこは外務省として取り組むべき一つの課題だと思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思っています。  その一方で、ウクライナとの議論については経済問題だけでは私はないと思っています。中国に対して、ウクライナは中古の空母でありますワリヤーグというのを引き渡していて、それが遼寧という形で今練習艦として使われていて、これ、中国の前方投射能力を大きく高める可能性があり、我々にとって中国は、協調するべきパートナーであると同時に潜在的な脅威としての両方の顔を持っているなというような説明もよくあります。  そういう中で、ウクライナとこれまで協議している中で、東アジアの安定を阻害すれば、ひいては経済面のみならずウクライナにとってもプラスにならない、そういったことはしっかりと申し伝え、抗議するべきではないかと思うんですが、その抗議は当然この協定を行うに当たりされているということを確認をさせてください。
  109. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘の空母の引渡しを始めとするウクライナからの中国への武器輸出につきましては、東アジアの安全保障環境にも影響を与えるものとして、我が国政府としまして懸念を有しております。そして、こうした思いは、これまでも度々様々な機会を通じてウクライナ側には伝えております。  私自身も、まず二〇一三年八月の段階、これは前の政権の時代ですが、ウクライナを訪問させていただいた際に、日・ウクライナ外相会談の場でしっかりと我が国の懸念や思いを伝えております。そして、今度は二〇一四年七月、新政権になってからウクライナを訪問いたしましたが、その際の外相会談でも伝えておりますし、また、ウクライナの現クリムキン外相、今年の三月我が国を訪問しておりますが、この外相会談の場におきましても明らかに我が国のこうした懸念を伝えております。  それ以外にも、首脳会談等様々な場でしっかりと我が国の懸念、思いを伝えているということは申し上げさせていただきたいと思います。
  110. 大野元裕

    ○大野元裕君 ということは、申し上げさせていただきたいということは、この経済協定に関しては伝えていない、投資協定についてはやっていないということです、様々な機会でやっているから。我々の経済をお互いにプラス・プラスの関係に導くであろう投資協定、このときにはしっかり経済も含めて我々の懸念、抗議を伝えるべきだというふうに私申し上げているんですが、そのほかの分野ではなくて、投資協定の協議を行うに当たり抗議はしているんですねというのが質問です。
  111. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御趣旨は、この協定の交渉の中でこれを伝えているかということかと思いますが、これは、政府全体として様々なレベル、分野でこの思いは伝えています。御指摘のように、この協定の交渉の現場でそのやり取りをしたかということについては、私自身、今確認するものがありませんが、先ほど申し上げましたように、首脳会談からそして事務的な協議のレベルまで、あらゆるレベル、分野において今申し上げました我が国の懸念は伝えており、ウクライナ政府には伝わっているものと考えます。
  112. 大野元裕

    ○大野元裕君 大臣、昨日、質問レクのときに私きちんと細かく通告もしておりますので、そこについて私は持ち合わせておりませんがではなくて、そこはしっかりと調べてから御答弁をいただかないと審議にならないというふうに思いますので、是非御確認をいただきたいと思っています。  時間の関係もあるので、提出した資料の方をまず御覧いただきたいんです。  この写真なんですけれども、これシリアの首都ダマスカスにあるパレスチナ人の難民キャンプです。シリアではたくさんの難民が出ていて、先般もトルコのボドルムに子供の御遺体が流れ着く等の悲惨な状況になっています。その中でも実は、シリアに避難してきている難民、これは実は最もかわいそうなというか、つらい立場に置かれていて、上村局長も多分行かれたと思いますけれども、これ実はほとんど、私もシリアに住んでいましたけれども、そういったところに住んでいた人はほとんど行ったことがあるキャンプなんです。  そのキャンプが、内戦下、政府軍とISの軍隊の両方に実は二重に包囲をされて、国連の物資等が届かず一年以上たった。初めて、一年以上たってUNRWAが入ったときに撮影したキャンプなんです。この写真、ほぼ地獄だと思っています。話聞いたところでは、実はネズミすらいない。どういう理由かというのは申し上げませんけれども、お分かりになると思います。そういう状況に、地獄絵に置かれたようなのが、まさにダマスカスの市の郊外にある、私が住んでいたところの目と鼻の先にありました。  シリア国民の半数以上が難民化している、そう言われている状況下で、我々の支援というものは砂漠の中の水の一滴にすぎないのかもしれません。しかし、その一方で、もちろん援助も大事です。ただ、こんな言い訳にすぎないような援助の実施だけではなくて、様々な大国の中の思惑の中に結局犠牲となっているシリア難民、シリア情勢の安定に向けた国際社会の取組というのは、先般政務官も行かれたようですけれども、実際には我々これまでほとんど、いわゆる人道支援以外には何もできていないと思うんですけれども、これ、外務大臣、しっかりリードしていくということを、改めてこれまでの政策見直すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  113. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) シリアの情勢につきましては、既に二十二万人以上の死者が出ており、七百六十万人以上の国内避難民が発生し、周辺国に四百万人以上が難民として流出している、これは深刻な状況だと考えます。  二〇一二年六月にジュネーブ・コミュニケが発せられました。これに基づくプロセスを進めるべく努力をし、昨年一月、私も出席いたしましたが、スイス・モントルーで開かれましたジュネーブ2会議等の努力も行われておりますが、現状停滞していると認識をしています。総額十一億ドル以上の支援を我が国として実施しているわけですが、この現状、そして、これからに対しましては、以前のブラヒミ特別代表に代わりましてデ・ミストゥーラ・シリア問題担当国連事務総長特使、これが任命されました。その特使の取組を我が国としましてはしっかり支持し、協力する、こうした方向で事態の打開につなげるべく努力をしていかなければならない、このように考えております。
  114. 大野元裕

    ○大野元裕君 そんな中、政務官が今回行かれましたけれども、基本的に成果等については報道等では何も流れていません。国会開会中、何しに行ったんでしょうか、教えてください。
  115. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 我が国の取組としましては、これは人道支援と政治対話、この貢献を車の両輪として取り組む、こういったことで努力を続けております。  そうした中で、シリアとの関係においても、各国の中で、今把握しているところによりますと第四位に位置いたしますが、総額十一億ドルの支援を行っているわけであります。こうした取組をしっかりと説明し、理解し、協力をする、こういった観点から政務官の派遣を考えた次第であります。
  116. 大野元裕

    ○大野元裕君 我が方は、人を出せばいいだけではなくて、リードしていくという立場からは、やはり大臣しっかりと、国会の会期中で行かれたわけですから、是非そこについては関与を、我々の立場というものを明確にされるような形での御出張をこれからは御検討いただきたいと思っています。  時間がないので最後の質問になりますけれども、先ほどのこの写真、難民の中の難民、つまりシリアの中にいるパレスチナから来た難民の状況です。このように、実はパレスチナ人という長期にわたる難民生活を強いられている方々は、シリアのような国にいれば、よりシリア国民よりも、どちらが悪いとは言いませんけれども、一般論としてはこのように悲惨な状況に置かれるということがこの写真からもお分かりになると思います。  実は、UNRWAに対する支援は昨年四千五百万ドル、UNRWAって実は元々の分担金がないんです。全て拠出金で賄われています。そういった中で四千五百万ドル、しかもこれ、ほとんどの職員がパレスチナ人なんです。こういった四千五百万ドルが去年拠出されたほとんどの理由は、ガザのあの情勢に基づいてです。今年度でいうといまだ百七十三万ドルということで、昨年に比べれば桁が違う状況にあります。  そこで、大臣お願いなんですけれども、ガザのように目立つ情勢があればお金が行く、これはよく分かるんですが、いまだにこういう状況に置かれています。是非、大臣、決意を賜りたいんです。UNRWAに対する拠出、こういった最もかわいそうな、最も貧しい、最も弱い人たちに対する拠出については、大臣是非お願いをさせていただきたいし、是非そこは補正のときだけではなくて、毎回補正で入っているんですけれども、概算でももう一度考え直していただけないでしょうか。
  117. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、我が国はUNRWAの活動を重視しております。保健分野等を中心に人道支援を実施しており、御指摘のように、昨年度は過去最高額となりますが、四千五百二十八万ドル拠出いたしました。是非、今後とも、こうしたUNRWAを通じたものを含め、パレスチナ難民等に対する支援、しっかりと検討を実施していきたいと考えます。
  118. 大野元裕

    ○大野元裕君 よろしくお願いいたします。  防衛大臣には、質問を用意しましたが、済みません、今日は質問ができませんでした。  以上、終わります。
  119. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  本日の議題である承認案件五件のうち、カザフスタン、ウクライナ、ウルグアイとの投資協定日本の多国籍企業が海外で最大限利益を上げるための条件整備であり、カタールとの租税協定については日本の大企業優遇税制を国内外で更に拡大をするものだと、いずれも承認に反対であります。ルクセンブルクとの社保協定は必要な措置と認められますから、賛成であります。  その上で、今日は、安保関連法案によって可能としようとしております任務遂行型の武器使用、それから他国の軍隊と活動を共にする場合の交戦規定、ROEの問題についてお聞きいたします。  これまで、自衛隊による武器の使用は自己保存型に限られてきました。今回のPKO法の改定では任務遂行型も可能としております。  そこで、まずお聞きいたしますが、この自己保存型と任務遂行型の武器使用について、それぞれ定義を明らかにしていただきたいと思います。
  120. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) 今回の法案における自己保存型の武器使用とは、例えば改正PKO法において、自己又は自己と共に現場に所在する我が国要員若しくはその職務を行うに際して自らの管理の下に入った者の生命又は身体を防護するということをいい、これは言わば自己保存のための自然権的権利というべきものであることから、そのために必要な最小限の武器の使用は憲法第九条の禁じる武力の行使に当たらないとされております。  一方で、今回の法案におけるいわゆる任務遂行型の武器使用というのは、例えば改正PKO法においては、いわゆる安全確保業務に従事する自衛官の武器使用権限として規定したものであり、同業務の遂行に必要な範囲で自己又は他人の生命、身体及び財産保護するため、また当該業務の実施を妨害しようとする行為を排除するための武器使用でございます。この改正PKO法の任務遂行型の武器使用は派遣先国及び紛争当事者の受入れ同意の安定的維持を要件といたしておりまして、これも憲法第九条の禁ずる武力の行使に当たることはないということでございます。
  121. 井上哲士

    ○井上哲士君 政府の資料によりますと、この任務遂行型の武器使用について、言わば自己保存のための自然権的権利というべきものの枠を超えるものというふうに書かれて説明されておりますが、この枠を超えるとは、つまり任務遂行型の武器使用というのは自衛のための武器使用ではないと、こういうことでよろしいでしょうか。
  122. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) その定義といたしまして、いわゆる安全保障、安全確保におきましては、防護を必要とする住民、被災民その他の者の生命、身体及び財産に対する危害の防止及び抑止その他の特定の区域の保安のための監視、駐留、巡回、検問、警護という部分でございます。そういう点におきまして、従来の自然権的権利とは違う部分があるということでございます。
  123. 井上哲士

    ○井上哲士君 もう一回確認しますが、そういう自然権的権利というものの枠を超えるというふうに政府は説明しているわけでありますから、いわゆる自衛のための武器使用ではないと、こういう整理でよろしいですかということです。
  124. 山本条太

    政府参考人(山本条太君) 法律に則したことでございますので、私の方から御説明を申し上げます。  自己保存型の武器使用につきましては今大臣から御答弁を申し上げたとおりでございまして、また、従来から政府が、今回の安全確保業務に係る武器使用につきましては自己保存型の武器使用を超えたものであると御説明しているのは御指摘のとおりでございます。  その意味でございますけれども、自己保存型の武器使用、先ほど大臣御答弁のとおりでございますが、自己又は自己と共に現場に所在する者等と、これを防護するための武器使用、そののりを越えているという意味におきまして自己保存型の武器使用を超えていると、このように観念をしております。
  125. 井上哲士

    ○井上哲士君 明確なお答えがないんですが、私は、結局これは自衛を超えてしまうということだと思うんですね。そうしますと、これまでの自衛隊による武器使用の説明を一変させるものでありますし、その性格も大きく変わっていくということを大変危惧をしておりますし、どういう歯止めが掛かっていくのかという問題であります。  一方、この武器使用の拡大について、二〇一〇年の外務省調査月報に当時の在ケニア大使館の公使が書かれた国際平和活動に関する論文がありますが、大変重要な議論が紹介をされております。  それによりますと、国連PKOの武器使用も、元々は自己と同僚を守ることだったけれども、程なくしてPKO要員を武装解除させようとする試みに対抗するための武器使用の必要性が認められ、その後、駐留ポストや自動車や装備を強奪や攻撃から守るため、また国連PKOのその他の部隊を支援するため、さらには国連の文民部門の要員を守るために武器を使用することにまで拡大をしたと、こうしております。  また、一九七三年のエジプト・イスラエル間の停戦監視団PKOの派遣の際に、任務遂行を実力で妨害する試みに対する抵抗を自衛概念の中に含めたとして、これは国連PKOの自衛概念の発展において大きな変革であり、それ以後全ての国連のPKOにおいて、この任務防衛のための武器使用が自衛の範囲に含まれることになったとこの論文では指摘しておりますが、今回の法改定による任務遂行型の武器使用とは、ここで述べられています国連PKOの任務防衛のための武器使用の概念とは重なるものということでよろしいでしょうか。
  126. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、外務省調査月報につきましては、これは調査研究の一端を執務参考に供する執筆者個人の見解ですので、外務省の公式見解ではありませんのでコメントする立場にありませんが、今の御質問お答えするとしたならば、国連PKOでは、御指摘のようにセルフディフェンスと任務防衛、この二つの場合に武器使用は原則として認めるとしています。国連PKOではセルフディフェンスと任務防衛という二つの種類を定めているわけですが、一方、今回のこのPKO法改定案においては、先ほど防衛大臣からも説明がありました、自己保存型と任務遂行型の武器使用を認めるということにしています。そして、そのうちの任務遂行型の武器使用については、憲法が禁ずる武力の行使に該当することがないよう、国家又は国家に準ずる組織が敵対するものとして登場しないことを前提として認めたものであり、この点におきまして、国連PKOで一般に認められる任務防衛のための武器使用権限とは異なるものであると認識をしています。
  127. 井上哲士

    ○井上哲士君 異なるものだという御答弁でありましたけれども、今回のしかし法律で拡大をしていっているということはもう明確なわけですね。私は、任務を守るためとして武器使用を拡大すれば何が起きるかということを、国連のPKOで実際に起きたことを踏まえてきちっと検証することが必要だと思います。  この論文では、シエラレオネの国連PKO派遣の際に当時の事務総長が、武装勢力に対する先制攻撃が自衛の名において許されるという立場を示したこと、それから二〇〇二年五月現在の国連ROEのマスターリストにおいて、敵対行為のみならず敵対的意図に対して致死的火力を用いることが可能であるとされていることも紹介をされておりますが、今回の法案による任務遂行型の武器使用ではこの二つについては可能になるということなんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
  128. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 先ほど申し上げたように、国連PKOにおいては、セルフディフェンスと任務防衛、二つのケースを認めているわけですが、この類型とは別途に、我が国は自己保存型と任務遂行型、この二つの武器使用を認めるということにしています。  そして、特にこの任務遂行型は、いわゆる安全確保業務に従事する自衛官の武器使用権限として規定したものであって、同業務の遂行に必要な範囲で自己又は他人の生命、身体又は財産を防護するため、また当該業務の実施を妨害しようとする行為を排除するためのものであるとしています。  このような任務遂行型の武器使用は厳格な警察比例の原則に基づいて行われ、この危害許容要件ですが、この危害許容要件は、すなわち相手を傷つけることが許されるのは正当防衛又は緊急避難の場合に限られる、このようにもされております。このように極めて限定的な形でこの任務遂行型の武器使用を認める、このようにしている次第であります。
  129. 井上哲士

    ○井上哲士君 この国連自体は、任務を守るための武器使用というものと平和強制との境界が曖昧になって、平和維持活動が平和執行活動に転化しかねない懸念があるということを論文でも書いております。現実に自衛隊が活動範囲を広げて、そして現実に出ていったときにどういうことが起きていくのか、これちゃんと見なくちゃいけないと思うんですね。  今度の法案で国連非統括型の活動にも参加できるようになって、新たな活動も含めて可能とします。そうしますと、過去の事例を踏まえますと、ISAFのように同じミッションや作戦に他国の軍も参加していると。その際には交戦規定がどう調整されるのかという問題があります。  他国軍との交戦規定との整合性はどのように捉えるのか。ISAFのように同じミッションで米軍など他国軍も参加している場合に、自衛隊の安全確保活動に用いる交戦規定は他国軍の影響を受けるんじゃないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
  130. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  今、国連非統括型の活動等において武器使用基準を他国と調整することになるのではないかとお尋ねでございますけれども、自衛隊が武器使用を行える範囲というのは法律で明定されておりますので、いずれにせよ、この範囲内でしかできないことになります。  したがいまして、我々は、武器使用基準につきまして他国に倣って法律を超えるということはできませんので、いずれにせよ、法律の範囲内で行います。したがいまして、法律を超えるということはあり得ないと考えております。
  131. 井上哲士

    ○井上哲士君 ISAFの活動では、武器使用の在り方が議論を呼びました。背景には、多国籍軍の活動によって無辜の市民が命が奪われたという中で、ISAFの司令官は武器使用に関する戦術指令を度々変更しているんですね。  例えば、二〇一一年三月のアメリカ議会の調査局の報告書を見ますと、〇九年の七月、マクリスタル米陸軍大将がISAF司令官に就任直後には、戦術指令を変えて、致命的な武器使用については慎重な制限の必要をよりはっきりと強調をしております。ところが、この派遣元の国で兵員の安全が議論になると逆の動きが広がっていくわけですね。例えば、二〇一〇年八月の司令官は、下級の司令官が武力行使に関してますます厳格な制限を課す傾向にあることに歯止めを掛けるという狙いを持って戦術指令を改定をしているということになっているわけですね。ですから、こういう形になる。  実際、ISAFに参加したドイツの軍の部隊のROEが抑制的だったということが当時ISAFの内部の摩擦をもたらしたということは再三報じられているわけですね。現実に新しい任務を持って、そして非統括型で参加したときに、こういう問題がやはり起きるんじゃないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
  132. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) まあ一般論として申し上げれば、国連のPKO、ミッションごとに国連のROE、これが示されて、そのROEの下で、参画する各国は国内法の範囲で武器使用の基準、これを整理することになるものと承知しておりますが、我が国の場合は、この国連の示したROEの範囲の中で、このPKO法に定める武器使用権限に基づいて実施する業務を遂行するために、必要な武器使用の基準を整理をすることとなります。  したがいまして、国連のPKOにおきまして、我が国が自衛隊の武器使用の基準を作成する際に、他国のROEとの関係調整を行うことは一般的に考えられませんが、国連の示されたこの基準などは参考にしつつ、法令の範囲内で実施をするということでございます。
  133. 井上哲士

    ○井上哲士君 ドイツのISAFのときの例を見ましても、私はこれは避けられないと思います。こういう点は更に私はしっかり議論もし明らかにしなくちゃいけないと思いますが、まだまだその点でいいますと、この安保関連法制、たくさんの問題点が山積みでありますけれども、一部には何か採決のようなことも出ておりますが、更に議論をしっかりしていくことが必要だということを最後強調しまして、質問を終わります。(発言する者あり)臨時国会でやりましょう。  終わります。
  134. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。元気があれば模倣も見付けられるということで、連日エンブレムの話でにぎわしておりますけれども、為替も今大変な状況でありますが、円高、円安、為替乱れればエンブレムということで、どっちがいいんですかね、ぶれた方がいいですね。  ということで、先日も中国の七十周年の軍事パレードを見ていて、正直言って何か不快感というか、プーチン大統領、また朴槿恵大統領も参列され、いろんな方が行かれていたようですが、その中でちょっと気になったのが、国連事務総長が参列されているということで、ちょうど菅官房長官からもコメントが出ておりましたが、未来志向の姿勢を取るように促すべきだという、この辺が非常に国連中心主義で来た日本も、いつも思うことですが、昔は国連と言えばみんなが納得したんですが、国連自体も一つ大きな改革をしなきゃいけないんじゃないかなと思います。  その中で、今日は中国経済について質問をさせてもらいますが、最も緊迫している中国経済の問題で、先日麻生大臣が会見で、中国側からバブルがはじけたという発言があったという話が出ましたが、最近の中国の株価の動向というんでしょうかね、非常に世界中が気になるわけですが、この中国の株価の暴落により世界経済も大変影響を受けると思います。日本にとっても最大の貿易国でありますし、中国経済、状況によって大きく影響が来ると思いますが、今後、中国経済の見通しを日本はどのような形で分析されているか、お聞かせください。
  135. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 中国経済ですが、本年の四―六期、四月から六月の間ですが、その中国のGDP、実質成長率前年同期比七・〇%増となっております。これは中国政府の発表ですが、こうしたことから、鉱工業生産の伸びが鈍化しているとか、固定資産投資は弱い伸びとなっているなど、中国の景気は緩やかに減速をしている、こういう見方をしている専門家が多いということは認識をしております。  中国政府は、本年三月の全国人民代表大会等において、中国の経済が新常態、ニューノーマルに移行し、高速成長から中高速成長、規模の拡大から質の向上へ転換していく中で持続可能な発展の実現を目指していく、こうした認識を中国政府自身が明らかにしているところであります。  こうした状況ですが、我が国としましては、GDPベースで中国は世界第二位の経済大国です。我が国にとりまして緊密な経済関係を持つ隣国でもあります。是非、こうした中国の動向について引き続き注視をしていきたいと考えています。
  136. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 次に、中央アジアに。  総理が十月の中旬に中央アジアを訪問されるというニュースを見ましたが、私もかつて、先日はちょうどキルギスの方も訪問させてもらい、また、昔、ちょうどロシアが崩壊した後にトルクメニスタンへ行きましたが、いつもみんなに、笑い話ではないんですが、着きましたら朝から晩までキャビアが丼いっぱい出てきて、トーストにバターを付けたら、このぐらいの大きなスプーンに、パンよりキャビアの厚さの方が多いという。さすがに、最初はうれしがったんですが、とにかくキャビア漬けで、もう食べるの嫌だなという感じがしましたが、まあそんな思い出がありますが。  今回、中央アジア五か国を訪問されるということで、どのような成果を期待されているのか、どのようなまた日本との関係を保つのか、お聞かせください。
  137. 宇都隆史

    大臣政務官宇都隆史君) まず、事実関係からですけれども、現在、委員がおっしゃいましたように、総理が十月頃に中央アジア五か国を訪問するという事実、これは決定したような事実は現在のところございません。  しかしながら、中央アジア諸国は、アジアと欧州を結ぶユーラシアの中心部という地政学的な重要性、それから豊かな資源を持っている経済的重要性を有しているというふうに我が方としては認識をしておりまして、このような重要性を認識する中央アジアとの関係を、首脳レベルの往来に加えて、中央アジアプラス日本の対話といった枠組みも活用しながら進めていきたいと、強化していきたいと考えております。
  138. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 先ほど出たトルクメニスタンですが、ちょうどカスピ海に囲まれて、かつての要人たちのリゾート地だったと思うんですが、ここの非常に当時から汚染の問題、これ川の出口がないということで、四方八方陸地に囲まれておりますので。  そんな中で、世界的な問題でもありますが、カスピについて、この汚染問題、あるいは、もう一つは、キャビアの話も先ほどしましたが、キャビアも本当に今高価なものというか、なくなってしまうのか、そんな中で、こんなことを考えたことがあります。一回腹を割いてキャビアだけ出して、もう一回縫い合わせて元に戻すみたいなことも、日本の一部でも、何か気仙沼かどこかでやられているようですが。  そんな、せっかく今回もし行かれるとすれば、いろんな政治的な問題、経済的な問題、同時に環境問題を含めて意義のある訪問であってほしいと思いますが、その辺の今状況についてお聞かせください。
  139. 林肇

    政府参考人(林肇君) 総理の御訪問に関する報道につきましては先ほど宇都大臣政務官から御答弁申し上げたとおりでございますし、他方で、このカスピ海、今委員から御指摘がございましたけれども、世界におけます最大の閉鎖水域でございます。様々な河川が流入し、また、石油資源に恵まれているということもございまして、石油採掘等による汚染や未処理の生活・産業排水の流入等によりまして問題が存在しているというふうに承知しております。こうした環境問題の観点も含めてこの中央アジア諸国との協力を進めてまいりたいと、このように考えている次第でございます。
  140. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 連日やはりこれもニュースになっておりますが、シリア難民の問題ですが、いろんなところ私昔行きましたが、アフガン難民あるいはソマリアとかそういう中での本当に他人事ではないような、先ほども大野議員からも話がありましたが、ああいう一つの映像というんでしょうか画面によって世界が本当に感動し、またそれに動かされるということ、今回子供の死体を拾い上げている場面があれしましたが。  そんな中で、本当に域内を自由に移動できる、本当に難民が殺到している、いろんな国々の事情が違うと思いますが、かつては日本も、中国からのボートピープルでしたかね、来たことがありますが、国境を接する国では、外人排除、あるいはそういう差別も含めて軍が侵入して防止するような場合もあります。陸から越境が難しいためやむを得ず危険な海に出て命を落とすケース、映像でも報道されております。ほかにも、アフリカや中東からヨーロッパを目指し、途中で地中海で転覆や遭難する事故も相次いでいる。  ドイツが難民受入れを年に五十万人というニュースも見ましたが、一方でオーストラリアがシリア難民の受入れ拡大、ニュージーランドも数百人の規模で受け入れるというニュースも出ておりました。  日本は難民認定のハードルが高く、許可が出るまでかなりの時間が掛かるようですが、そのことが日本の治安維持など大きく貢献していることもまた事実だと思います。一度に大量の難民を受け入れるには様々な問題があると思いますが、国際社会の一員として、今回の集団的自衛権と同時に、このような世界で起こり得る大きな難民問題について、日本政府として今何ができるのか、また今後どのような難民問題に関わっていくのか、日本の方針をお聞かせください。
  141. 宇都隆史

    大臣政務官宇都隆史君) シリアの難民問題ですが、現在、中東、北アフリカ情勢の悪化によって難民が発生したことを受け、欧州が大きな課題に直面していると承知をしております。既に、UNHCRを含む一部国際関係機関等から、難民受入れセンターの設置や医療支援あるいは緊急支援物資配布等について国際社会に対する支援要請が発出されておりまして、一部難民の受入れ等に関してはオーストラリア、ニュージーランド等も受入れを表明しているところと承知をしております。  我が国としましては、関係各国及びこのような国際機関と協力をしながら、日本としても何ができるかしっかりと検討していく所存でございます。
  142. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 本当に一つのニュースによって世界が変わっていくということも、この度、難民を拒否している国もありながらああいう場面が出たことによって受け入れる国が随分手を挙げてきたということで、日本も是非何かその辺の貢献をして、検討をしていただければと思います。  時間はまだありますけど、ありがとうございます。
  143. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 次世代の党の浜田和幸です。  今日は、カザフスタン、ウクライナ、カタールとの間の投資協定租税協定に関して、質問を主として岸田外務大臣にさせていただきたいと思っています。  まず最初、カザフスタンですけれども、ナザルバエフ大統領が大変長期にわたって国内の経済発展に様々な成果を上げておられます。特に、当初は、二〇三〇年までのカザフスタン国家発展戦略、これが順調に推移した結果、今では二〇五〇年をターゲットとする戦略、これがどんどんどんどん前倒しで実行されている。特に、我が国の技術ですとか経験が生かせる分野も多々ある。  同国は七つの優先分野を掲げて、日本に対する協力の要請も度々行われています。特に、エネルギー、運輸・通信インフラ、そして健康、教育、また環境、国家公務員部隊の編成、こういう分野において、日本政府並びに日本企業に対する度重なる協力要請が行われていますが、今現在、我が国の政府、どのような取組でこのカザフスタンの発展のために力を尽くしているのか。また、今回の投資協定がこの二〇五〇年を目標とするカザフスタンの国家発展戦略の中にどういう形で組み込まれることになるのか。その辺りについて、岸田外務大臣の見通し、関与の在り方についてお考えをまずはお聞かせいただきたいと思います。
  144. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) カザフスタンにおきましては、カザフスタン二〇五〇という戦略を明らかにしており、その中で、国家経済を主導する企業活動に対する全面的な支援、そして社会保障等の新たな社会政策の原則、人材育成、また国家体制の強化、こうしたものを含む七つの方向性が示されております。  そして、我が国のこのカザフスタンとの関係ですが、これまでもその産業振興政策支援、あるいは人材育成に関して協力を行っています。これらは、今紹介させていただきましたこの戦略の中に記載されている内容に沿うものであると考えております。  そして、今回の投資協定ですが、この投資協定を通じまして日本企業の投資促進する、そのことがこのカザフスタンの戦略を後押しすることにもつながる、こうした役割を果たしていくものであると認識をいたします。
  145. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 この七つの戦略、分野なんですけれども、特に日本にとってはやっぱり環境問題、先ほど猪木議員からも指摘がありましたけれども、カスピ海の環境問題。しかし、カスピ海の環境問題の前に、旧ソ連時代のやはり核実験の度重なる影響で土壌の汚染ですとか健康被害というようなことも頻繁に話題になっています。カザフスタンからは、何というんでしょうかね、健康被害で手足を失った人たちが、例えば日本に来て、東日本大震災の直後から、そういう原発ですとか核実験の影響をどういう形で共に経験を共有しながらいい方向に目指すのか、そういうことでも交流が進んでいるようですけれども、特にその七つの優先分野の中で環境、特に日本の東日本大震災、福島の原発事故での経験ですとか、あるいはその福島の課題を乗り越えるに当たって、カザフスタンのこれまで取り組んできた放射能汚染の対策、そういったものの経験の共有、交流、技術の共有といったものは可能なんでしょうか。
  146. 林肇

    政府参考人(林肇君) 御答弁申し上げます。  カザフスタンの掲げておりますカザフスタン二〇五〇の戦略につきましては、岸田外務大臣から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、こうしたカザフスタンの国づくりの過程への協力という観点から、委員指摘の環境分野での協力というのも非常に有意義な分野であるというふうに認識しているところでございます。  また、御案内のとおり、カザフスタンは核軍縮につきましても非常に積極的な姿勢を示している国でございまして、環境あるいは核に関連する分野で引き続きどのような更なる協力ができるか十分検討していきたいと、そのように考えている次第でございます。
  147. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 カザフスタン・ナザルバエフ大統領は、核のない世界ということを様々な国際的な会議の場でも常に主張されている。そういった意味では、日本と一定の方向性を共有する分野も多いと思いますので、是非今後も、この投資協定を機会にして、より一層カザフスタンと日本との協力関係が進展するようにお願いしたいと思います。  カスピ海の資源をめぐっては、カスピ海の周辺のアゼルバイジャン、ロシア、イラン、トルクメニスタン、このカザフスタン、こういった国々の間で資源をめぐる様々な対立の可能性ということもよく言われているんですけれども、その石油の埋蔵量、カザフスタンが世界の原油市場に占める地位、それと今後の開発の方向性、日本の企業もそこに食い込んでいるということも承知していますが、その資源を日本が多角化するという意味でも、このカザフスタンの原油とカスピ海の資源をめぐる周辺国との争いの中で日本がどういう対応が望ましいのか、その辺りの見通しについてお考えをお聞かせください。
  148. 林肇

    政府参考人(林肇君) お答え申し上げます。  カザフスタン、原油埋蔵量で、昨年の数字で申しますれば、世界第十二位というふうに評価されていると承知しております。  このカスピ海におきます油田、カシャガン油田というのは非常に有名でございまして、ここに日本企業も権益を有していると承知しておりますけれども、こうした様々な資源の開発に向けて、日本企業の参加を含めた様々な協力は既に行われておりますし、更なる可能性を秘めているというふうに考えている次第でございます。  今回御審議いただいております日・カザフスタン投資協定締結によりまして、カザフスタンにおきます投資環境の透明性、法的安定性、予見可能性が向上することで我が国企業が更なる投資促進し、また、これが現地で保護されるということで、資源開発あるいは環境問題での協力でも協力が進むことが期待されるところでございます。
  149. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 是非、中央アジアの中でも大変な親日国でもありますので、そういった投資協定の成果が資源開発あるいは技術の共有、人材育成という面で多角的に発展することを期待したいと思います。  次に、ウクライナとの投資協定なんですけれども、ロシアとの関係で緊張関係が高まっている状況ですけれども、これまで我が国はJICA等を通じてウクライナの下水の言ってみれば技術供与、千五百億円以上の協力を行っています。  今後も、ウクライナの社会の安定、社会基盤の言ってみれば技術協力という面で日本が支援できる部分も多々あると思うんですけれども、今、日本がウクライナに対して行っている技術協力の現状と、今回の投資協定が結ばれることによってどういうような今後展開が期待されるのか、また、それを実効あるものにするためにどんな課題が今横たわっているのか、そういうことについての分析、お考えをお聞かせください。
  150. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 現在のウクライナにおいては、課題としまして、まずは東部情勢の安定化というものがあり、そして深刻な経済財政状況を克服しなければならないということ、さらには汚職対策を含む国内改革、これが大きな課題として挙げられるのではないかと思います。  そして、こうしたウクライナに対して我が国としてどのような支援を行うかということですが、この安定化と国内改革を後押しするということから、経済状況の改善、民主主義の回復及び国内の対話と統合の促進、こうしたものが重要との観点から、支援国の中では最大規模となります約十八・四億ドルの支援を表明し、JICA等を通じて着実に実施をしているところであります。  具体的には、世界銀行との協調融資を含む経済支援、またJICA研修や選挙監視要員の派遣等を通じた民主化支援、そして、UNHCRあるいはICRC等の国際機関と共同した東部の国内避難民に対する人道支援や復興支援、こうしたものを実施をしているところであります。  こうした中で、今回の投資協定ですが、先ほども申し上げましたように、東部二州では日本企業の活動はありませんが、首都キエフを中心とする他の地域におきましては日本企業が活動をし、こうした投資協定に対する要望も高いのが現状であります。  是非こうした投資協定を結ぶことによって日本企業の投資促進し、そしてそのことがウクライナ経済全体の底上げにつながる、こうした効果を期待したいと考えます。
  151. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 そうした日本の協力が効果を持つためにも、今年の十二月にウクライナはロシアに対する債務の返済期限を迎えるわけですね。三十億ドルと言われています。これは日本からすると小さな額だと思うんですけれども、今のウクライナにとっては大変に重い負担だと思いますね。ですから、ロシアからするとかなり強い圧力をウクライナに掛けているわけですから、ウクライナがもしこの三十億ドルを返済できないとなると国家破綻という最悪のシナリオも考えられます。  ウクライナ政府は、日本を含むG7にそういった意味での資金の言ってみればつなぎをお願いしたい、あるいはIMFの方で追加の融資をお願いしたいという話も伝わってきていますが、日本政府としては、そういう意味で、ウクライナの国家破綻を防ぐために、もしこのG7を通じての更なる資金供与のお願いがあった場合にはどういう対応をする考えなのか。  また、この冬、かつてもロシアからのガスの供給をストップさせられてウクライナの人たちは大変厳しい局面になったと思いますけれども、もしロシアが再びそういう圧力を掛けてきたときに何らかの形で日本が支援する可能性があるのかどうか、その辺りについての大臣のお考えをお聞かせください。
  152. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 我が国は、現状においてもウクライナに対しまして支援国の中で最大規模の支援を行っています。  ただ、このウクライナの現状を考えますときに、我が国だけでこの状況を改善する、成果につなげる、これはなかなか難しいと考えます。あくまでも国際社会や様々な国際機関との連携の下にウクライナを支援していかなければなりません。  御指摘の点につきましても、G7各国との連携はもちろんでありますが、欧州においても様々な関連する国々があります、こういった国々、さらには、先ほど世界銀行との協調融資につきましても紹介させていただきましたが、こうした様々な国際機関と具体的な課題についてはしっかり協議をした上でどうあるべきなのか考えていきたいと考えます。当然のことながら、我が国もウクライナの国内改革や安定化にはしっかりと資する支援はしたいと思いますが、具体的な形はよく関係国や国際機関と話し合った上で決定していくべきものであると考えます。
  153. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 では最後に、カタールとの租税協定について、これはカタール側から強い要望があったという具合にこの間も説明がありました。その強い要望の中身が何なのか。  また、カタールは、人口は少ないけど大変豊かな国ですよね。中東・イスラム世界では極めて大事な日本にとっても戦略的パートナーだと思います。そういった意味で、外務省がジャパン・ハウスを欧米に造る計画をされていますが、どうも欧米中心で、中東の地位が低いように思うので、こういうときだからこそ、租税協定を含めてジャパン・ハウスをカタール、中東に造るということはとてもインパクトがあると思うんですが、大臣、お考えいかがでしょうか。
  154. 宇都隆史

    大臣政務官宇都隆史君) お答え申し上げます。  ジャパン・ハウスに関しましては、これまでも国際世論の形成に与える影響力や地域とのバランス、対日関係等を勘案してその場所の設置というのを考えてまいりました。現在、ロンドン、サンパウロ、ロサンゼルスの三都市に設置するための準備を進めているところでございます。  委員おっしゃるとおり、中東における戦略的対外発信というのは非常に重要でございますので、委員の御指摘も踏まえた上で今後検討してまいりたいと思います。
  155. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 ありがとうございました。以上で終わります。     ─────────────
  156. 片山さつき

    委員長片山さつき君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、小野次郎君が委員辞任され、その補欠として清水貴之君が選任されました。     ─────────────
  157. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。  まず、通告をしておりましたが、租税協定それから投資協定についてはこれまでの質疑の中で明らかになりましたので、御答弁用意されたと思いますが、今回割愛させていただきまして、次の質問に入りたいと思います。  まず、辺野古集中協議と基地問題についてお伺いをしたいと思います。  米軍普天間飛行場の辺野古への新基地建設問題についてでありますが、県と安倍政権の集中協議は完全な平行線をたどって決裂をいたしました。沖縄県民の辺野古新基地建設反対の民意というのはこれまでの選挙で既に明らかになっていると考えます。  安倍政権は、沖縄に寄り添うという方針を述べ、協議を開始いたしましたが、協議期間中、辺野古が唯一という方針を変えずに、菅官房長官は、工事を再開することをその協議の期間中に明言をするなど、県民を愚弄するような発言をされたということを強く指摘したいと思います。  沖縄の世論は、既に前知事が辺野古埋立承認をいたしましたけれども、それは取り消すべきだというふうな方向に向いておりますが、そこで、中谷大臣にお伺いをしたいと思います。  まず、この辺野古の新基地建設について話し合う集中協議、それは決裂したわけでございますけど、この集中協議の成果、どのように受け止めていらっしゃいますか。
  158. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) この一か月の協議におきまして、政府と沖縄県との間で、普天間飛行場の危険性の除去、また閉鎖の必要性につきまして認識を共有することはできました。  私も名護市に参りまして、市長さんともお話合いをさせていただきましたが、その方法論につきましては隔たりが大きくて、残念ながら、政府の立場について沖縄県の御理解をいただくには至らなかったわけでございます。  他方で、集中協議では辺野古移設問題の原点について議論が交わされまして、戦後七十年、米軍基地負担について沖縄県の思い、これを拝聴する機会がありました。また、政府側からも御意見を丁寧に説明をさせていただきましたけれども、戦後七十年たって今なお沖縄に大きな基地負担をお掛けしている現状を踏まえまして、北部訓練場の過半返還、また嘉手納以南の土地の返還を始め目に見える負担軽減、これをしっかり進めていきたいという政府の考え方も伝えてきたところでございます。  集中期間を通じて沖縄県との間で意見交換を行う関係を築くことができたということは、非常に私にとりましても、私なりの人間と人間との関係におきましても得た成果でございますが、今後とも、辺野古移設に関する考え方、負担軽減の取組方について説明を尽くしまして、理解を得る努力を継続してまいりたいと思っております。
  159. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 沖縄の県民に理解を得るというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、結果的には五回の集中協議は決裂をしたわけであります。  今、政府の方では、そういうものを終わりとせずに、一致点を見出すために継続して話し合う必要はあるということで、沖縄の米軍基地負担軽減策あるいはその振興策を話し合う政府・沖縄県協議会、これ仮称でありますが、その設置を菅官房長官が県の方に提案しておりますけれども、しかし、基地問題と振興策を同じ協議機関で話し合うということを、私は違和感を禁じることはできません。沖縄は基地と引換えに政府から金をもらっているということを、実は国民の中の誤解というのがいまだに根強いわけです。  なぜ私がこのようなことを申し上げるかといいますと、今回のこの話合いの中で、沖縄振興予算は、実は安倍晋三首相がこの集中協議の期間中に新基地建設とは関係のない発言をされておりまして、例えば沖縄振興予算三千億円、それを継続してやっていくというふうにおっしゃっておりますけれども、このことは、多くのマスコミが、やはり政府があたかも沖縄を厚遇しているというふうな印象を読者あるいはまたマスコミの視聴者に与えたということも事実ありまして、今回のこの協議と振興予算、全く関係のないところで話し合われるべきものだというふうに私は思います。  なぜならば、沖縄振興予算は、これは内閣府沖縄担当部局が各省庁で関わる予算を一括計上し、これを財務省に要求し、各省庁と直接予算の折衝をする、これは他府県とは仕組みが異なるわけです。沖縄振興のその文言ゆえに、沖縄だけが別枠の予算をもらっているとの誤解が生じやすいわけです。  それを払拭するために、翁長知事は、今回の第二回集中協議のときに報道陣に対してあえて資料を配付して、地方交付税は沖縄は全国で十六位、そして国庫支出金を合わせても六位であることを説明いたしました。これは、沖縄振興予算について報じるマスコミが少ない、そして、この間の安倍首相の今回の予算に関してそのような発言をしていただきますと、やはり誤解を生じるわけです。こういうことをこの協議の場で発表するということは、結局は、結果として政府の思惑どおりになった報道が目立ったのではないかという県民の大変な危惧をしている部分もあります。  そのことを政府は、新たな協議会を通して、振興策と絡めて沖縄が基地を受け入れることがさも当然という印象を再び今回国民に植え付けようとした、そういう意図があるのではないかと思えるほどの今回の菅官房長官の政府・沖縄県協議会の設置に対する提案を私ども沖縄県民は大変危惧しているところであります。  先ほど大臣は、目に見える形で沖縄の負担の軽減をするというふうにおっしゃいましたけれども、今回のこの協議の中で、翁長知事は、辺野古に新しい基地は造らせないと、そのことを集中協議の中でおっしゃって、ある意味政府の思惑にはのみ込まれませんよということをはっきりおっしゃったわけです。新たな協議会を設置するということに、私は、そのことそのものは否定するわけではありませんけれども、まず基地と振興策がリンクするようなそういう誤解を国民に与える場にしてはならないというふうに思います。協議はあくまでも合意を目指して行うものであるわけですし、七十年という長い間、沖縄の基地の危険性を放置しておいて、その放置の責任を取らずに、改めてまた新しい基地を沖縄に押し付けるということは本当に許せるものではありません。  そこで、改めてまたお伺いいたしますけれども、安倍政権が沖縄に寄り添うということをおっしゃいますけれども、その言葉の意味は何でしょうか。
  160. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) これは、沖縄がさきの大戦において悲惨な地上戦を経験をし、またサンフランシスコ平和条約の発効以降も一定期間我が国の施政権の外に置かれたという苦難の歴史、これを忘れてはならないということ、また七十年を経て今なお沖縄に大きな基地負担を与えている現状、これを肝に銘じて負担の軽減を図るということが政治の責任であるということでございます。  そのようなことから、安倍政権は発足後二年半の間に、普天間飛行場の空中給油機十五機全機、岩国飛行場への移駐を行いました。また、西普天間住宅地区の全面的な返還、基地負担軽減を進めております。また、オスプレイにおきましても県外訓練等を実施をいたしまして、日本全国民で負担を分かち合っていくように政府としてもその受入れ等に努力をいたしているわけでございます。そして、普天間飛行場の緊急時の航空機の受入れ機能、これも九州に移してまいります。  その上で、普天間飛行場の辺野古の移設について、やっぱり一刻も早く、市街地に位置をしました非常に危険な固定化、これは絶対にあってはならないということで、今後とも、沖縄県側と協議をいたしながら、こういった負担軽減の取組について説明をさせていただいて、御理解を得る努力を継続してまいりたいと思っております。
  161. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 残念でございます。  私、先ほど質問申し上げましたように、本当に沖縄の県民に寄り添う、あるいは負担の軽減というふうに、そういうことをおっしゃるのであれば、沖縄県が埋立承認を取り消して、そして辺野古の新基地を造らせない、そのことこそが沖縄県民の負担を軽減することにつながるわけですが、そういうことをせずに、県の潜水調査後に海上作業を再開するというふうにおっしゃっていらっしゃいます。このことも県民の理解を得られるはずはないと思うわけですが、どうしてもこの作業を再開するというおつもりなんでしょうか。
  162. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) この一か月の協議におきまして、政府の立場からこの必要性について御説明をさせていただきましたけれども、沖縄県の御理解が得るに至らず、本日に至っておりますが、今後とも新たな協議会もつくりまして協議は続けてまいるわけでございますけれども、機会を捉えまして、辺野古移設に関する考え方、負担軽減の取組について説明を尽くしてまいりたいと思います。  普天間の代替施設の建設事業につきましては、住民の生活、また環境への影響に配慮しながら、関係法令に従いつつ進めてまいりたいと思っておりまして、作業の具体的な再開時期につきましては、沖縄県の立入調査の状況、気象、海象、米軍の訓練等の現地の状況を見極めつつ判断をすることといたしております。  私の思いといたしましては、やはり普天間基地の抱えている危険性、これの除去のために一日も早く移設が進むことがやはりあの地域の皆様方の心配、懸念、これをなくし、また基地の縮小を目に見える形で進めてまいりたいという気持ちでございます。
  163. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 本当に残念でございます。  近々、沖縄県知事が、前県知事がこの埋立てを承認したわけですが、その取消しを表明をしていただけると思います。  質問を続けます。  次に、在外被爆者問題について伺います。  一昨日、最高裁判所で、在外被爆者が日本国外で医療を受けた場合でも被爆者援護法が適用されると初めての判断を示しました。広島、長崎で被爆した方の十人に一人が朝鮮半島出身者と言われておりますが、被爆後帰国された、いわゆる広島、長崎を持ち帰った人々が原爆症に苦しみ、差別や偏見と闘い、裁判でも闘わなければならなかった長い年月を私たちは重く受け止めなければならないと思います。  戦後七十年たってようやく在外被爆者が救済されるわけですが、報道されている中で、二〇一五年の三月末時点で在外被爆者四千二百八十人に含まれない被爆者もいらっしゃるわけです。どこに住んでいても被爆者は被爆者で、救済されなければなりません。政府も調査をされ、朝鮮被爆者の存在も把握されていると思いますが、一日も早い救済が必要だと考えます。被爆地広島出身の岸田大臣の御見解をお伺いいたします。
  164. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、広島、長崎への原爆の投下は、おびただしい数の尊い命を奪い、そして健康につきましても、病気、障害、こうした言葉に尽くせない苦難を強いた、人道上極めて遺憾な事態をもたらしたものであると認識をしています。  その中で、今委員から御指摘がありましたこの判決が出ました。八日、最高裁において、在外被爆者に対しても被爆者援護法を適用し、大阪府に対して医療費の支給を認める内容の判決が出たわけですが、今後、厚生労働省と大阪府において、判決の趣旨に沿って速やかに対応がなされるものだと承知をしております。  そして、それ以外の方々についてですが、既に厚生労働省が発出した文書を見ますと、訴訟外の在外被爆者の方々に対しても検討を進めてまいりますと、こういった対応、方針が明らかにされています。  厚生労働省のこうした方針が示されておりますが、外務大臣の立場からは、二度とこうした核兵器が使用されないよう、核兵器のない世界を実現するべく、国際社会をリードしていかなければならないと考えています。
  165. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 ありがとうございました。  時間になりましたので、別に通告もしておりましたが、次回に回したいと思います。ありがとうございました。
  166. 片山さつき

    委員長片山さつき君) それでは、暫時休憩といたします。    午後零時七分休憩      ─────・─────    午後零時十四分開会
  167. 片山さつき

    委員長片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、投資促進及び保護に関する日本国カザフスタン共和国との間の協定締結について承認を求めるの件、投資促進及び保護に関する日本国とウクライナとの間の協定締結について承認を求めるの件、投資自由化促進及び保護に関する日本国ウルグアイ東方共和国との間の協定締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税防止のための日本国政府カタール国政府との間の協定締結について承認を求めるの件及び社会保障に関する日本国ルクセンブルク大公国との間の協定締結について承認を求めるの件、以上五件を一括して議題といたします。  この際、岸田外務大臣及び中谷防衛大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。岸田外務大臣
  168. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 本日の委員会冒頭藤田委員から四つの資料要求について御指摘があり、私から最大限努力する旨お答えしたところです。  本件に関し、外務省に関連するものについて、以下のとおり現状を報告いたします。  まず、七月十日の衆議院平安特委において穀田議員が言及したイラン情勢ホルムズ海峡をめぐる動きについてですが、二〇一二年当時を含め、外務省において機雷掃海訓練について様々な分析等を行い、部内の資料を作成していたことは事実です。  他方、外務省で鋭意調査をしてきましたが、九月二日の参議院平安特委で藤田委員から配付された資料と形式及び内容の面から同一資料の存在は確認できなかったところです。引き続き、部内の検討のための資料を含め、提出可能なものがあるか、速やかに確認いたします。  そして、六月十五日の日・イラン局長協議については、非公開を前提に行われたものであり、その記録を開示することは、我が国の信頼を損ね、今後、各国との率直な意見交換の実施に著しく支障を来し得ることから、記録を明らかにすることはできないことを御理解いただきたいと思います。  そして、外務省ホームページ上の歴史認識QアンドAについては、更新した上で、来週中に外務省ホームページに掲載するよう努力いたします。  以上です。
  169. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 中谷防衛大臣
  170. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) 委員会冒頭藤田委員から御指摘のあった事項につきまして、以下のとおり申し上げます。  藤田委員から提示のあった資料イラン情勢ホルムズ海峡をめぐる動きについては、昨日、藤田委員から資料要求があったことを受け、防衛省において確認作業を行いましたが、類似のものを含め、御指摘資料の存在は確認できませんでした。二〇一二年当時、国際掃海訓練に参加したことは事実でございますので、これに関する提出可能な資料がないかどうかを速やかに確認をさせていただきたいと存じます。  また、八月十二日の米陸軍ヘリ着艦失敗事案につきましては、米側に対して私から在日米軍司令官に対して改めて八月二十三日に原因究明等を申し入れたほか、日米合同委員会を通じて事故調査報告書の提供を日本側から要請をいたしました。昨日も米側に対して原因究明等を申し入れたところであり、米側においては、日本側の申入れを受け止めて、鋭意調査を行っていると承知をしております。  委員におかれましては、このような状況を是非御理解をいただきたいと思います。  以上です。
  171. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  中谷防衛大臣は御退席いただいて結構です。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  172. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、日本とカザフスタン、ウクライナ、ウルグアイとの三つの投資協定及び日本とカタールとの租税協定に対する反対討論を行います。  三つの投資協定は、安倍政権が経済政策の柱とするいわゆる成長戦略に基づき、日本の多国籍企業が海外で最大限の利益を上げるための投資促進するための協定であります。日本の経済界は、国内にあっては法人税の減税や労働法制の改悪を要望し、国外においては日本の多国籍企業が多額の収益を上げられる条件整備を政府に対して求めております。三つの投資協定は、こうした経済界からの強い要望を受けたものにほかなりません。  租税協定は、日本の大企業とその海外子会社がカタール国内の外資優遇税制のメリットを十二分に受けつつ、投資に対する源泉地国課税の軽減によって税制優遇措置を二重三重に享受することを可能とするものです。このように、本租税協定は、国際課税分野における日本の大企業優遇税制を国内外で更に拡大強化するものであり、容認できません。  以上が、三つの投資協定及び租税協定に反対する理由であります。  以上です。
  173. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、投資促進及び保護に関する日本国カザフスタン共和国との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  174. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、投資促進及び保護に関する日本国とウクライナとの間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  175. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、投資自由化促進及び保護に関する日本国ウルグアイ東方共和国との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  176. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税防止のための日本国政府カタール国政府との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  177. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、社会保障に関する日本国ルクセンブルク大公国との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  178. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、五件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  179. 片山さつき

    委員長片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十二分散会