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アントニオ猪木君 ちょっと話が違いますが、一九七六年、何回かもうお話ししましたが、モハメド・アリとの戦いのおかげで私の名前も世界に売れたんですが、その後、議員になって、議員
外交もいろいろな要人ともお会いする機会ができました。
そして、その二年後ですが、アフリカのウガンダという、当時、イディ・アミンという大統領が、昔アフリカのボクシングのチャンピオンで、その試合を猪木ともう一回やらせ
ようというプロモーターが出てきまして、レフェリーはアリがやるという話がかなり具体的に進みまして。
一つには、ウガンダのそのときの状況を言いますと、もう本当に国が破綻する寸前で、当時の放映料でいうと、本当に何十億、百億という、そういう単位の放映料が上がるみたいな部分で、イディ・アミンがやってもいいよという
ような話が来まして、私もそのときに本当に考えましたけれども、リングに上がる以上こちらも譲歩するわけにいかないし、相手が大統領だからって負けるわけにもいかないし、かといって相手をぶっ飛ばしたら、今言った
ような、本当に三十万とも四十万とも言われる人たちを虐殺したという、人食い大統領という異名も取っていましたが、この大統領とどうし
ようかなとちょっと考えたことがありますが、実際実現がしなくて良かったんですけれども。本当に、その
ようなアフリカに、特にアフリカというか、今回の
事件もアフリカあるいは
中東で起きておりますが。
もう一つは、この前、映画で、「ブラッド・ダイヤモンド」というんですかね、レオナルド・ディカプリオかな、非常に賞を取った映画ですけれども、紛争のためにダイヤをということで、紛争の資金のために彼らを、みんなの意思を無視して、ある
意味で労働力として、あるいはそれに従わなければ手首を切ってしまうという
ような非常に残酷なあれがありました。これもキンバリー条約というのがその後できましたけれども、本当にそういうダイヤは市場で絶対出回らないという多分条約だったと思いますが。その中でRUFというゲリラの組織が村々を、その映画の中で出てまいりますが、本当に、何でしょうかね、今この
事件で後藤さんあるいは湯川さんの命も大変、さっきも言ったとおりですが、世界全体として見てこの
ような悲しい
事件が山ほどあるわけですね。
私は日本人ですから、いろんな
事件が毎日起きます、今回の中国の船の話もそうだし、人命というのはどういうふうに捉えるかと。一人の命は、当然外国だからと、私の感覚でいえば、日本も外国の人たちも、特に私もブラジル移民をしたのでブラジルの
事件が起きると気になりますが、そういう
意味で世界規模でのやっぱり人命という感覚で捉えていかないと。
先ほど
議論の中にもありましたが、日本人は身勝手な自分たちのことばかりしか考えていないから、例えば
事件がある、飛行機事故があると、必ず日本人はその中にいたのかいないのかという
報道が真っ先に出されます。これは当然、日本の人たちにそれを
報道するのは義務だと思いますが、その辺がちょっと私の感覚として今回の
事件が、さっきも言った
ように、テレビの取上げ方というのがちょっと違和感を感じたんで先ほど質問をさせてもらいました。
ちょうど今回の
ISILのリーダーがバグダディという名前なんで、昔、イラクの湾岸危機のときに行ったときに、ある人からちょっと指示をもらいまして、向こうに行ったら、ジュネード・バグダディという八百年前の格闘家がいまして、非常にこの人は、相手方の事情を知ってしまったために、片八百長というか、自分が負けて、もらうべき賞金を全部与えたという八百年前の本当に美談なんですが、そういう話で、今回の、ジュネード・バグダディという、同じ名前なんで、非常に私には気になっていた名前です。
そこで、特にその
ようなアフリカ諸国の話、あるいは世界的に見て、日本から、あるいは特にその辺の、今後危険を、例えば、ないことが一番ですが、そういう
ようなことが、
可能性がある
ような国というのがもしあれば教えてください。