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2015-09-09 第189回国会 参議院 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年九月九日(水曜日)    午後二時開会     ─────────────    委員異動  九月八日     辞任         補欠選任      長峯  誠君     山本 順三君      山下 雄平君     高野光二郎君      儀間 光男君     真山 勇一君      水野 賢一君     中西 健治君      山本 太郎君     主濱  了君  九月九日     辞任         補欠選任      島田 三郎君     石井 正弘君      宮本 周司君     愛知 治郎君      相原久美子君     白  眞勲君      那谷屋正義君     藤末 健三君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         鴻池 祥肇君     理 事                 石井 準一君                 佐藤 正久君                 塚田 一郎君                 馬場 成志君                 堀井  巌君                 北澤 俊美君                 福山 哲郎君                 荒木 清寛君                 清水 貴之君     委 員                 愛知 治郎君                 石井 正弘君                 石田 昌宏君                 猪口 邦子君                 北村 経夫君                 上月 良祐君                 高野光二郎君                 高橋 克法君                 豊田 俊郎君                 三木  亨君                 三宅 伸吾君                 森 まさこ君                 山本 一太君                 山本 順三君                 小川 勝也君                 小川 敏夫君                 大塚 耕平君                 大野 元裕君                 小西 洋之君                 白  眞勲君                 広田  一君                 藤末 健三君                 蓮   舫君                 谷合 正明君                 平木 大作君                 矢倉 克夫君                 真山 勇一君                 井上 哲士君                 仁比 聡平君                 山田 太郎君                 和田 政宗君                 中西 健治君                 福島みずほ君                 主濱  了君                 荒井 広幸君    委員以外の議員        発議者      小野 次郎君        発議者      柴田  巧君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君        防衛大臣        国務大臣     中谷  元君        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君    大臣政務官        防衛大臣政務官  石川 博崇君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  横畠 裕介君    事務局側        常任委員会専門        員        藤田 昌三君        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       前田  哲君        内閣官房内閣審        議官       山本 条太君        内閣官房内閣審        議官       槌道 明宏君        人事院事務総局        職員福祉局長   江畑 賢治君        人事院事務総局        人材局長     大下 政司君        総務省行政評価        局長       新井  豊君        外務大臣官房審        議官       岩井 文男君        外務省総合外交        政策局長     平松 賢司君        外務省中東アフ        リカ局長     上村  司君        防衛省防衛政策        局長       黒江 哲郎君        防衛省運用企画        局長       深山 延暁君        防衛省経理装備        局長       三村  亨君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資  するための自衛隊法等の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○国際平和共同対処事態に際して我が国実施す  る諸外国軍隊等に対する協力支援活動等に関  する法律案内閣提出衆議院送付) ○武力攻撃危機事態対処するための自衛隊法等  の一部を改正する法律案小野次郎発議) ○在外邦人警護等実施するための自衛隊法の  一部を改正する法律案小野次郎君外一名発議  ) ○合衆国軍隊に対する物品又は役務提供拡充  等のための自衛隊法の一部を改正する法律案(  小野次郎君外一名発議) ○国外犯処罰規定を整備するための自衛隊法の  一部を改正する法律案小野次郎君外一名発議  ) ○国際平和共同対処事態に際して我が国実施す  る人道復興支援活動等に関する法律案小野次  郎君外一名発議) ○国際連合平和維持活動等に対する協力に関する  法律の一部を改正する法律案小野次郎発議  ) ○周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保  するための措置に関する法律及び周辺事態に際  して実施する船舶検査活動に関する法律の一部  を改正する法律案小野次郎発議)     ─────────────
  2. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) ただいまから我が国及び国際社会平和安全法制に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨八日、長峯誠君、山本太郎君、儀間光男君、水野賢一君及び山下雄平君が委員辞任され、その補欠として山本順三君、主濱了君、真山勇一君、中西健治君及び高野光二郎君が選任されました。  また、本日、宮本周司君、島田三郎君、相原久美子君及び那谷屋正義君が委員辞任され、その補欠として愛知治郎君、石井正弘君、白眞勲君及び藤末健三君が選任されました。     ─────────────
  3. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昨八日に趣旨説明を聴取いたしました国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案外一案の審査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  5. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案国際平和共同対処事態に際して我が国実施する諸外国軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案武力攻撃危機事態対処するための自衛隊法等の一部を改正する法律案在外邦人警護等実施するための自衛隊法の一部を改正する法律案合衆国軍隊に対する物品又は役務提供拡充等のための自衛隊法の一部を改正する法律案国外犯処罰規定を整備するための自衛隊法の一部を改正する法律案国際平和共同対処事態に際して我が国実施する人道復興支援活動等に関する法律案国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案及び周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律及び周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律の一部を改正する法律案、以上九案を一括して議題といたします。  この際、中谷国務大臣から、去る八月十一日の委員会における大塚耕平君の質疑に対する答弁及び去る九月二日の委員会における白眞勲君の質疑に対する答弁に関し発言を求められておりますので、これを許します。中谷大臣
  6. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 八月十一日及び九月二日の委員会における私の答弁につきまして、その趣旨を御説明させていただきます。  八月十一日の委員会において、私から、劣化ウラン弾を運ぶとなりますと、相当自衛隊、危険でありますので、これは当然運ばないということで協議をしておりますのでと答弁をいたしました。この答弁は不正確であったため、撤回をさせていただき、我が国として劣化ウラン弾は当然輸送しないとの前提に立って米国との間で平和安全法制内容全体について協議をしてきていると修正をさせていただきたいと思います。  改めて、本件につきまして、おわびをさせていただきます。
  7. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 大野元裕

    ○大野元裕君 民主党・新緑風会の大野元裕でございます。  防衛大臣、再三再四再五の釈明、謝罪、お疲れさまでございます。  昨日の委員会におきましては、参考人質疑の前の理事会において、委員長公聴会立てについて場内協議とされました。場内協議では全く合意がされていないのに、突如委員会が休憩となり、与野党の合意もないのに理事会が再開され、公聴会の議決が行われました。その前日には、総理が丁寧な審議とおっしゃっておられました。しかし、質疑を行えば行うほど国民の疑義が高まるため、国民は無視してもよいとお考えになられたのであろうか、総理言葉は偽りにすぎない、それが明らかになりました。  昨日の余りに乱暴な委員会運営を踏まえて、官房長官にお伺いをいたしますが、政府・与党は、今後、採決を見据えて、国民無視説明すらしない、このような審議に徹するおつもりなのか、是非とも、まずはお伺いしたいと思います。
  9. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) まず、中央公聴会のセットでありますけど、国会における審議の進め方については国会でお決めになることでありますので、政府の立場でコメントすることは、ここは控えさせていただきたいと思います。  また、安倍総理を始めとし、政府としては、法案の意義、内容について本委員会において丁寧に真摯に説明を行うことに努めたいと思いますし、同時に、国会審議支障のない範囲で、国会以外の様々な機会を捉え、国民の皆さんに対して法案についてできるだけ分かりやすく説明をさせていただくことに努めていきたいというふうにも考えております。
  10. 大野元裕

    ○大野元裕君 国会大変支障が出るような形で、総理がこの委員会に出てこないというようなことは決してないようにしなければならないと思っておりますし、今、中央公聴会の話がございましたが、地方を大事にするとふだんおっしゃっていらっしゃるわけですから、地方公聴会についても是非とも御検討いただきたいと思っていますし、ここは、委員長官房長官から責任は政府ではなく委員会だ、委員長だという話でありますので、理事会におきましては前向きな検討をするというお話もあったようでございますので、地方公聴会については是非立てていただきたくお願いをさせていただきます。
  11. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 十分、理事会において協議を進めたいと思っております。
  12. 大野元裕

    ○大野元裕君 よろしくお願い申し上げます。  我々は、昨日の事態については大変遺憾だと思っておりますが、委員長が閉会後に委員長席で申し述べられました言葉を重く受け止め、よもや防衛大臣総理に引き続き、中立公正な委員会運営に努めてこられた委員長のお言葉を信じ、このとおり委員会出席し、質疑に臨んでいます。  そのことを申し上げ、今日は改めて、我が国の領域すら守らない、看板倒れの安全保障法制について議論をさせていただきたいと思っております。  存立危機の関係で、先般、防衛大臣に御質問をさせていただきました。総理は、米国第三国攻撃を受けている、そのような中で我が国弾道ミサイル防衛を行っているイージス艦攻撃される場合、自衛隊としてこのイージス艦を守る必要があるとおっしゃられました。しかし、弾道ミサイル防衛能力を持たないCEC艦と呼ばれる艦船が、この資料にもございますけれども、例えば横須賀には配備されています。これについては守るんですかと聞きましたら、大臣はこれらの弾道ミサイル対処をしない船舶についてもそのとおりだとおっしゃいました。  改めて確認ですが、なぜ弾道ミサイル対処を行わないCEC艦を守るのかについて教えてください。
  13. 中谷元

    国務大臣中谷元君) CEC艦といいますと、これは巡航ミサイルとか、また対艦航空攻撃等対処する共同交戦能力、これの機能を有する米軍イージス艦は、射撃指揮に使用可能な精度の高い探知追尾機能リアルタイムで共有することによって、経空脅威に対して部隊間で共同対処、交戦することが可能となっているということでございます。現在、弾道ミサイルに対して日米共同対処をしている場合に、横須賀に展開している米軍BMD能力搭載イージス艦等自衛隊協力して弾道ミサイル発射早期探知ミサイル迎撃に当たるということになります。  このCEC艦、この機能を有する米軍イージス艦についても、BMD能力を有する場合には発射された弾道ミサイル探知追尾迎撃を行うことが考えられるし、また、BMD能力を有しない場合にも、弾道ミサイル対処のための自艦防衛防護能力が相対的に低下しているその他の米軍の艦艇を航空機巡航ミサイルといった経空脅威から防護することが考えられるということで、このCEC機能を有する米軍イージス艦攻撃を受けて弾道ミサイルへの日米共同対処実効性を損なうような場合には、これを排除する必要があるということでございます。
  14. 大野元裕

    ○大野元裕君 恐らく聞いている方、分からないんだと思いますけれども、私が代わって説明をさせていただきますと、いわゆる弾道ミサイル、このミサイル対処をしている船は、相対的に自分たちの横、例えば低空から来るミサイル等対処する能力がこれは下がるので、そこで総理は、当時、これらのイージス艦は守らなければいけないと。ところが、実際には弾道ミサイルに対応しない船がある。しかし、これはデータお互いに共有し、いわゆるリンクされているわけですね、そこで共同一体となって対処している。さらには、これらの船は、CEC艦というのは上を見ている船を守る能力が強いから、これについても一緒に守らなければいけない、こういう大臣の御答弁だったと思います。  なお、CEC艦弾道ミサイル対処能力があるというのはIAMD艦というので、この多分三つとも守るということで、ちょっと確認ですが、三つとも我が方の自衛隊が守るということでよろしいでしょうか。
  15. 中谷元

    国務大臣中谷元君) その三つに加えまして、E2Dとか、いわゆるミサイル防衛のために必要なものにつきましては我が国として防護していくという必要があると考えます。  というのは、このミサイル防衛というのは日米共同で行っている部分がありまして、例えばSEWという早期警戒情報、これは、我が国として宇宙衛星、これは保持しておりませんので、全てこれ米軍から情報をもらっておりますが、それを受けるTPY2レーダー、またイージス艦などでそういったSEW情報を受けますが、そういった情報を受ける装備や、またそれを処理する施設、またそれを活用するイージス艦など、全ての部分においてこのミサイル防衛というのが相まっておりまして、この日米ガイドライン、これにおきましても、平時からの防衛協力防空及びミサイル防衛、そして日本に対する武力攻撃への対処行動、これに対しても作戦行動として弾道ミサイル攻撃対処するための作戦となっておりますので、こういった我が国ミサイル防衛に必要な米軍のものにつきましては防護する必要があるのではないかと考えております。
  16. 大野元裕

    ○大野元裕君 一つずつ先の質問にお答えいただきまして、ありがとうございます。  これも補足して説明をすると、E2Dという、こちらの青い方ので見ていただくと、この飛行機ですね、これがいわゆるデータでやはりリンクをされて、水平線の下の方にあるところまで上空にあるのでカバーができて、それぞれにデータリンクしている。今のお話だと、当初総理がおっしゃっていた防空というのは弾道ミサイル、これを実は超えて、それを行わないCEC艦やその両方の能力を持っているIAMD艦、そしてE2Dという飛行機までこれ守る必要があるというふうに拡大をしてまいりました。  なお、大臣、ちなみに自衛隊側リンクしているのはリンク16であって、CECではなく、ベースライン9・0はまだ搭載されていないと私は理解をしていますけれども、このベースライン9のシステム上で結ばれたものが、この白いあるいは青い線でお互いに結ばれているものでございます。  ところが、大臣、相まってという言葉を少し掘り下げていきたいんですけれども、この絵を見ていただくと、下の方にもE2Dがあります。これは空母の上にあるんですね。E2Dというのは、もちろん陸上からも発進ができますけれども、空母からも発進をすることができます。そうすると、大臣、相まってということは、空母も、E2D艦載機空母についてもこれは相まって行動をしているということでよろしいんでしょうか。
  17. 中谷元

    国務大臣中谷元君) そのミサイル防衛一体防衛に、中に入っているのかいないのかということでございまして、そういった編成とか対応等につきましては日米間で協議をしながら対応しているということでございます。
  18. 大野元裕

    ○大野元裕君 ということは、済みません、我々がミサイル防衛に入っているかどうかというのを判断をするんでしょうか、教えてください。
  19. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは日米共同対処をし得るということで、平素から、訓練はもとよりでありますが、警戒監視等におきましても、また個別具体的な状況におきましても、その都度日米間で協議をして実施をしているというふうに認識しております。
  20. 大野元裕

    ○大野元裕君 大臣よく御存じのとおり、空母というのは、一般論からいって、相手から攻撃されたときの火力空母そのもの火力というものは限定的であるので、例えば空母に艦載している、アメリカであればFA18のような戦闘機とか、こういったものが空母を守るための支援、もちろんそれだけではありませんけど、をいたします。  だとすると、これ、FA18のような空母艦載機も我々自衛隊は守ることになるんでしょうか。
  21. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 今日の御質問につきましてはミサイル防衛の場合ということでございまして、ミサイル脅威に対して日米間で共同警戒監視をし、平時は、また、そういった不測時におきましては日米共同対処をするというようなことで、日米協議をしながら対応しているということでございます。
  22. 大野元裕

    ○大野元裕君 済みません、私が聞いているのは、日米共同我が国防衛対処する、これはこれまでもずっとやってきたことでございます。今回の法案については、米側攻撃を受けていて、そして存立危機事態認定をされるような場合に、米側の、最初でいえばBMD艦ですね、イージス艦攻撃された場合にはという話でございました。それを私は、そこの、一体となって相まって行動しているというふうに大臣がおっしゃったので、FA18も我々は同様に守るのかということを聞いているわけでございます。
  23. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 特定の個別の航空機防護するという必要があるか否かという部分だけを取り出して、それだけで存立危機事態に該当するかという判断をするのではなくて、あくまでも個別具体的な状況に即して、様々な要素を考慮して総合的に判断する必要がございます。  なお、ガイドラインにおきまして、弾道ミサイル攻撃対処するための作戦といたしまして、自衛隊米軍日本に対する弾道ミサイル攻撃に対する、対処するための共同作戦実施するということで、この弾道ミサイル発射早期探知するためにリアルタイム情報交換、そして弾道ミサイル攻撃の兆候のある場合に、自衛隊米軍は、日本に向けられた弾道ミサイル攻撃に対して防衛して、弾道ミサイル防衛作戦に従事する部隊防護するための実効的な態勢を維持するとなっております。ここで弾道ミサイル防衛作戦に従事する部隊防護するとありまして、この部隊におきましては、それぞれの個別の状況に応じてつくられるということでございます。
  24. 大野元裕

    ○大野元裕君 済みません、個別の状況は、大臣前回の私の質問のときに、CEC艦はやると言って延々としゃべられたんです。個別の状況をおっしゃっているんです。しかも、政府が今出している例というのは、ホルムズとこのイージス艦と、前回日本人は必ずしも乗っている必要がないと大臣答弁された、その三例しかないんですよ。だからこのイージス艦について聞いているわけで、具体的例で出してこられたんですからね。  しかも、大臣CEC艦は答えているんです。今日、IAMD艦を答えました。空母も答えました。FA18は守るんですか、守らないんですか。
  25. 中谷元

    国務大臣中谷元君) F18ということでございますが、これも特定航空機についてのお問合せでございまして、様々な要素を考慮いたしますが、この状況においては、やはり事態拡大、そして抑止、早期収拾、このために活動しているわけでありますので、米軍航空機防護などの措置実施をするということです。  これはいろんな状況があると思います。平素状況であるのか、また非常に緊迫した状況であるのか、それぞれにミサイル防衛を行っていくための体制が取られるわけでございますが、その状況に応じて、日米協議をしながら、いかなる装備航空機、こういうものが該当するかどうかにつきましては、これは日米間で協議をして実施をするということでございます。(発言する者あり)
  26. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 大野君、質問を続けてください。(発言する者あり)  速記を止めてください。    〔速記中止
  27. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
  28. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 先ほどお答えもいたしましたが、ある状況が既に存立危機事態認定をされているとの前提に立つとすれば、F18を始めとするものは該当するということでございます。  この体制等につきましては、それぞれ状況に応じて日米間で対応するわけでございますので、米軍航空機活用等につきましては、事態拡大防止、また早期収拾のために活動をするわけでございますので、これは日米間で協議をするということになるわけでございます。(発言する者あり)
  29. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  30. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を起こして。
  31. 大野元裕

    ○大野元裕君 先ほどお話を申し上げたとおり、大臣、よく聞いてください。例えばアメリカ第三国攻撃を受けている。この間、横畠長官と私、議論したのを聞いていらっしゃいましたよね。存立危機事態認定された後はある意味何でもできるんですよ、必要ならば。そうではなくて、そういったときにイージス艦攻撃されたら我が方は守るというふうに総理はおっしゃったんですから、これと相まっている中の一つである空母艦載機で、この空母を守るF18は守れるんですかと聞いているので、したがって既に我が方が参加した後ではないんです。これはトリガーになるかということを聞いているわけですから、そこについては明確に。  そして、大臣、改めて申し上げますが、様々な要件がありますから云々と先ほどおっしゃいましたが、前回答弁では、そのような前提は抜きに、それぞれの艦艇の機能が相まって対処しているわけでございますので、単にBMD機能が付いている艦艇のみならずCEC艦も守れると思いますと言っているんですから、CEC艦言っているんだから、F18はなぜ言えないんですか。
  32. 中谷元

    国務大臣中谷元君) できないとは申し上げておりません。含まれ得ると考えます。  というのは、米国の武力行使が発生したという前提でございます。したがいまして、こういう場合には武力行使となり得るわけでございますので、存立危機事態認定されるという前提になるならば、このE2DにしてもF18にしても、それぞれ米国航空機防護などを実施するということが可能になるということでございます。
  33. 大野元裕

    ○大野元裕君 私、あと十分ぐらい、もう十分弱しか質問時間がないのでまとめてお伺いしますが、同じ理屈でいうと、例えば米軍イージス艦隊の部隊の司令艦、ブルーリッジというのが、この紙でいうと右下になります。あるいは、E2Dの継戦能力を維持するためのKC130、これは空中給油機です。さらには、T—AOEと書いてありますが、これらのイージス艦がずっとやはり活動するためには補給艦、船も要ります。これらは全て同様というふうに考えてよろしいでしょうか。
  34. 中谷元

    国務大臣中谷元君) ガイドラインにも明記されていますが、「自衛隊は、日本防衛するため、弾道ミサイル防衛作戦を主体的に実施する。」、「米軍は、自衛隊作戦支援し及び補完するための作戦実施する。」とありまして、こういった弾道ミサイル早期探知するためのリアルタイム情報交換から始まりまして、弾道ミサイル攻撃の兆候のある場合、また実際に自方に向けられた弾道ミサイル攻撃に対して防衛をし、また弾道ミサイル防衛作戦に従事する部隊防護するための実効的な態勢を維持するということでございますので、そういったことで対応するということでございます。
  35. 大野元裕

    ○大野元裕君 大臣、もう一度お伺いします。同じ理屈で、先ほどの補給艦あるいは空中給油機、さらには司令艦も入るんですね。攻撃の対象になった場合には守るんですね。それで、是非イエスかノーかでお答えください、今のお答えは分かりましたので、よく。
  36. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 米艦に対する攻撃というのは、存立危機武力攻撃、これに含まれると考えますので、この場合は、防護の対象となる艦艇はイージス艦のみに限られるものではございません。
  37. 大野元裕

    ○大野元裕君 皆さん、この絵、もう一回見ていただきたいんです。驚いちゃったんですけれども、私は。総理の言っていたのは、限定的な集団的自衛権の行使として我々が説明を受けていたのは、弾道ミサイル攻撃日本にある、そのようなおそれがあるから一緒に共同対処している、そのときに、弾道ミサイル対処能力を発揮するために上方にレーダーの能力を集中している、そのときには低空から来るミサイル航空機に対する攻撃能力が下がるから、このBMD艦若しくは、これIAMD艦も一応入れておきましょう、弾道ミサイル対処をやっている船を守るんだ、限定的だという説明をされていたんですよ。ところが、これ、全部なんです。全部なんです。  しかも、大臣、もう一度言いますが、このCEC艦BMD艦IAMD艦と司令艦、もう少し後ろの方の資料にありますが、横須賀配備のアメリカイージス艦と書いてありますが、これに空母と司令艦を加えると、横須賀に配備されている船丸ごと守ることになるんです。全部なんです。横須賀にある船全部守るというのが大臣の今おっしゃったお答えで、それ以上に、この理屈に従えば、先ほどの給油機とかその他のものも含まれる。それから、今はCEC能力の話ししましたが、リンク16まで広げれば、例えばAWACSから衛星から、様々なものが全部含まれる、こういうことになってきて、今までの限定的なというのが私には全く理解ができなくなってしまいました。  存立危機事態においては、限定的な集団的自衛権だとおっしゃっていました。その際には、相まって機能するということで際限なく自衛隊が守る対象が拡大をしてしまう。我が国に対する弾道ミサイル攻撃、ああ、そうですかというふうに思っていた国民もおられるかもしれません。しかし、まさかその国民は、横須賀丸ごと守る、米軍丸ごと守るなどとは考えていなかったんではないでしょうか。  要するに、この法案では、朝鮮半島有事などが仮にあったときに我が国の存立が脅かされる事態になれば、横須賀配備の米軍艦全部守る、我が国の領土、領海を守ることすらなしに、お子さんや子供をだしに使ってまでやろうとしていることは、外国での有事の際に米軍を丸ごと守ることであって、自衛隊米軍の下請にする、そういう法案じゃないですか。  これでは、これまでの説明、我々が具体的に聞いていたこと、偽りであって、際限なき集団的自衛権の行使になるのではないんでしょうか。BMD艦を御丁寧なことに上空に集中すれば、それ以外に対処できない、こんな例、最初から必要なかったじゃないですか。その説明はまさに不適切であると大臣はお認めになりますか。
  38. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 三要件でありますので、これは総合的に判断するということでありますが、この弾道ミサイル警戒に当たっている米国の艦船の防護の事例について言えば、我が国に対する武力攻撃の発生を待って対処するのでは、弾道ミサイルによる第一撃によって取り返しの付かない甚大な被害を被ることになるのは明らかな危険があると判断された段階で事態認定を行うものでございます。  ある状況存立危機事態認定をされているという前提に立ちましたら、御指摘のE2Dを始め関連のものも、この事態拡大の防止、また早期収拾のために活動している米国航空機などの防護措置実施することが可能になるわけでございまして、既に存立危機事態認定されているという前提に立つならば、米艦に対する攻撃存立危機武力攻撃に含まれると考えられます。また、この場合は、防護の対象となる艦艇はイージス艦のみに限られるわけではないということでございます。
  39. 大野元裕

    ○大野元裕君 済みません、これじゃ私は質問できません。  存立事態に認められているという状況ではないという話、さっき一回止まっているんですよ。大臣、真摯な答弁になっていないじゃないですか。駄目だ、これは。
  40. 中谷元

    国務大臣中谷元君) あくまでも米国に対する攻撃が発生したという御質問でございました。  その場合に、これ防護をするとなりますと、これは武力攻撃に該当する場合がございます。したがいまして、こういった場合におきましては、存立危機事態認定、これが必要になるわけでありまして、これに対処するものにつきましては、先ほどお話をさせていただいたとおり、事態拡大防止早期収拾のために活動している米国航空機防護などの措置実施することが可能になるということでございます。
  41. 大野元裕

    ○大野元裕君 話、全然変わっていますからね。弾道ミサイルを守っているこの船、横がすごく空いてしまっていると、こういう説得を僕たちは受けてきたのに、それが、補給艦が攻撃されたらと。これ、多分国民納得できないと思いますよ。  最後、もう時間もないので、これで大臣に、是非御納得のいただける答弁がいただければ終わりますけれども。  ということは、大臣是非認めていただきたいんですが、弾道ミサイル対処するのはイージス艦を例示したけれども、しかしそれは、直接弾道ミサイルから我が国を守る米軍を集団的自衛権を行使して守るための限られた事例ではもはやないということはお認めになりますね。
  42. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 分かりやすく事例として挙げたわけでございますが、我が国に対するミサイル攻撃対処するために、現在では対応できませんが、三要件に及ぶ存立危機事態に対応する場合におきましてはこういったものを防護するということが可能になるというふうに挙げている事例でございます。
  43. 大野元裕

    ○大野元裕君 新三要件が成立した後ではなくて、新三要件が成立するためのトリガー、立法要件として、それは必要な要件として説明された具体的例じゃないですか。それは限られた事例だとおっしゃっていたのに、もはやこれは限られた事例ではなく、際限なく広がってしまっているから私は聞いているんです。  弾道ミサイル対処に直接従事をしている米艦だけではなく、様々なものがこれもう広がるわけですから、それは限定された事例ではもはやないということだけはお認めになられますねというふうに聞きたいと思います。
  44. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 我が国に対するミサイル攻撃に対する明白な危険に対する最小限の事例といたしまして掲げたわけでございます。
  45. 大野元裕

    ○大野元裕君 先ほどから申し上げているとおり、それはもはや限られた要件、限られたケースではないということはお認めになりますね。
  46. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 先ほど答弁させていただきました、現体制におきましては、ミサイル防衛に対しまして米艦が我が国ミサイル防衛に当たっている艦艇に対して防護することはできないわけでございますが、存立危機事態などの新三要件に当てはまる場合においてはできるというような事例でございます。
  47. 大野元裕

    ○大野元裕君 済みません、もう一度言います。  ほかの事例もあるわけですから、これが限定された事例ではもはやなく、たくさんあるわけですよね、これはお認めいただけますねということを聞いているんです。
  48. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは何度も説明しておりますが、存立危機事態に対する認定というのは総合的にいろんな要素を考慮して判断をするということで、一部だけを取り出すことは現実でございませんが、あくまでも、我が国と密接な関係にある米国、これがミサイル防衛をしているわけでございますので、それに対して、現状においてはできない、そういうことを分かりやすく挙げた事例でございまして、こういった場合におきまして、三要件を達成した場合におきましてはそれの防護が可能であるということでございます。(発言する者あり)
  49. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  50. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を起こして。
  51. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは分かりやすい一事例でありまして、我が国ミサイル防衛というのは日米共同対処をしなければならないわけでございまして、こういった我が国ミサイルに対するまさに存立的な危機の場合におきまして、やはり米軍ミサイルシステムとして、システムとして全体としてこれを防護しなければ我が国ミサイル防護はできないわけでございますので、そういった場合に、これを排除する、存立危機武力攻撃に該当するような場合におきましてはこれを排除することができるということでございます。  つまり、単体のイージス艦とか航空機とか、そういう事例ではなくて、システムとして機能しないとミサイル防衛機能できませんので、そういったシステムとして守っていくことが必要であるということでございます。
  52. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 大野君、質問を続けてください。
  53. 大野元裕

    ○大野元裕君 済みません、イエスかノーでお答えください。  直接弾道ミサイル防衛を行っている艦艇だと我々は思い込んできましたが、それが唯一の限られた例ではなく、ほかにもたくさんあるということでよろしいですね。
  54. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 対応におきましては、いずれにしましても必要最小限の対応でございますが、事ミサイル防衛につきましては我が国独自で対応することはできないわけで、これは日米協力をする。そして、アメリカにおいてもCEC艦とかIAMD艦とか、新しいものができてきていますが、これはシステムなんですね、アメリカミサイル防衛のシステム。それをしっかり我が国としても守っていくという必要がございます。そういう意味でございます。(発言する者あり)
  55. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を止めて。    〔速記中止
  56. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を起こして。
  57. 大野元裕

    ○大野元裕君 もう一度丁寧に御説明をさせていただきます。  成立要件として、存立危機事態の、これまで我々が聞いていたのは、イージス艦に関しては弾道ミサイル防衛するイージス艦でした。それは、大臣がこれシステムの話されましたけれども、だとすると、直接弾道ミサイル対処している船以外についてもほかにも事例があるということで、それはお認めいただけますね。
  58. 中谷元

    国務大臣中谷元君) あくまでも必要最小限でございまして、我が国ミサイルからの防衛をする上において必要性があるかどうかということで、可能性はありますけれども、関係なければそれに該当をいたさないということでございます。  弾道ミサイルの例ということは分かりやすい例として挙げたものでありますが、新三要件を満たして、我が国が武力の行使を行えるような、このような場合は限られないと。  いずれにしても、際限なく広がるということはございません。我が国ミサイルからの防御に必要なものに対して防護をするということでございます。
  59. 大野元裕

    ○大野元裕君 済みません、もう一度明確に、分からないので、聞きます。  直接弾道ミサイル対処をしていないイージス艦以外についてもこれは広がった、ほかにもケースがあるということでいいですねと、もうこれだけなんです、聞いているのは。是非答えてください。
  60. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 我が国の明白な危険を排除するものに該当するかどうか、すなわち、新三要件の中でも必要最小限度というのがございます。我が国に対するミサイル攻撃等に対する明白な危険があるかどうかによりまして存立認定をするわけでございまして、それに必要なものに限られるということでございます。(発言する者あり)
  61. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  62. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
  63. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは、新三要件に該当しなければ防衛できません。その認定において、ミサイル防衛システムに入っていれば守られますし、入っていなければ守られないということでございます。
  64. 大野元裕

    ○大野元裕君 この程度の答弁が来るまでに、私、これだけ止まるというのは本当にびっくりしました。これ、もう実は参議院で審議が始まってから百回以上止まっているんですよ、これで。御存じですか、大臣。  そして、国民の皆さん、我々はミサイル防衛イージス艦というのは常に直接弾道ミサイル対処するのかと思っていたらば、丸ごと横須賀、丸ごと米軍、これを守るような際限なき安全保障法制だということで、これらを一つ一つ議論をするためにはまだまだ審議の時間が必要だということを申し上げ、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  65. 藤末健三

    ○藤末健三君 いや、中谷大臣、本当に余り失礼なことは申し上げたくないんですけれど、私、横で聞いていて、十分オーバーしているんですよ、時間が。百回以上の中断ということになっておりまして、是非私の質問には簡潔にお答えいただきたいということをお願いしたいと思います。  私、この安全保障法制につきまして、まずちょっと自分の所見を述べたいと思います。  我が国は、七十年間、平和をずっと維持してきました。この平和というのは非常に重要でございまして、七十年間、戦争で日本人、同胞の命を失わず、そして七十年間、戦争で他国の人の命を奪っていないという不殺生の平和を守ってきたわけでございます。  私は、このような平和の原点は何かと申しますと、七十年前の戦争で三百十万人の同胞の命を失い、そのうち数十万人は二発の原子爆弾で一瞬にして焼かれて命を失う、そして日本中が焼かれて焼け野原になってしまった、そのもう戦争をしたくないという日本人の願いが私はこの七十年間の平和をつくったと思っております。そして、その平和への原点の下に、対話と協力を通して、世界に貢献する努力を続け、相互信頼に基づく安全保障を進めてきた、このことは安倍総理も七十年談話でおっしゃっています。  私は、このように、戦後七十年のこの平和というものは憲法の上につくられたものと考えています。菅官房長官、そして岸田外務大臣中谷防衛大臣も、国会答弁におかれまして、この平和憲法の重要性、何度も答弁いただいています。  しかしながら、私は、今回の安保法案につきましては二つの意味で憲法違反ということを指摘させていただきたいと思っています。  一つは、憲法九条、戦争の放棄につきましては、集団的自衛権の行使を認めるという、長い間守ってきたこの平和憲法の理念を完全に逸脱していること。そしてもう一つは、憲法九十九条、憲法尊重擁護義務。この憲法尊重擁護義務を負っているのは、天皇又は摂政及び国務大臣国会議員、裁判官その他の公務員になります。国民は入ってございません。つまり、国家権力の権力側にいるという者が憲法尊重擁護義務を負っている。  しかしながら、今回、総理及び大臣の皆様は、閣議決定という国民の審判が全く関与できないプロセスでこの法案を決定し、そして、憲法の解釈を強引に変え、我が国が七十年間守ってきたこの憲法の理念を変えようとしている。私は、憲法尊重擁護義務に大きく違反していると思っております。  今日の審議におきましては、私は、この憲法の考えを踏みにじっている安保法制につきまして、特にPKO協力法案がどれだけ自衛官の方々を危険にさらすか、また国際平和支援法が自衛官のみならず国民を大きく危険にさらすことを指摘させていただきたいと思います。  まず初めに、私は、PKO協力法案の改正、これにおきまして、二〇〇四年のイラク・サマワと同じ状況で人道復興支援をできるようになるかどうか、それにつきまして中谷大臣にお聞きします。
  66. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 当時のイラクにおきましては、従来のPKO法に基づく自衛隊派遣の検討対象となるまず国連のPKO等の活動そのものが存在をせずに、同法に基づく派遣の前提を欠いておりました。五原則の中でも停戦の合意、これが達成されていなかったということでできなかったわけでございます。
  67. 藤末健三

    ○藤末健三君 全くお答えいただいていませんよ。  前回状況はどうかではなくて、新しい改正法案で二〇〇四年のイラク・サマワと同じ状況で人道復興支援ができますかと、今の新しい法案でできるかどうかをお聞きしていますよ。できるかどうかだけをお答えください。長い答弁要りません。
  68. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 今回の平和安全法制においては、国連の決議、国際機関、地域機関等の要請があり、従来の参加五原則との同様な原則に該当する場合は、国連が統括しない国際的な平和協力活動に参加できるとしておりまして、実施業務についても、人道復興支援実施可能といたしております。  今後、具体的な活動に参加する必要が生じた場合におきましては、参加五原則と同様な厳格な原則を満たすなど、必要な条件が整えばこれに参加することが可能であるということでございます。
  69. 藤末健三

    ○藤末健三君 よろしいですか。PKO協力法改正案で、今のですよ、案で、二〇〇四年のイラク・サマワと同じ状況で人道復興支援ができますかという単純な質問で、かつ、九月四日の水野賢一委員質問に対して大臣は、行けるかどうかを、結論聞いているんですよ、同じ質問ですよ、私と、条件には満たしていると一度おっしゃっているんですよ。そのことをもう一回お聞きしているんですが、いかがですか。同じ質問をしています、私は。
  70. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 水野先生の御質問に対しましては、当時のイラクの状況は、停戦合意が存在しなかったために参加五原則を満たしているとは言えないと答弁をいたしました。
  71. 藤末健三

    ○藤末健三君 そうしますと、今回の改正法でもPKO五原則は同じだということになっていますので、新しいPKO協力法改正案でも、二〇〇四年のイラク・サマワと同じ状況であれば、PKO五原則を満たさず、行けないということですね。イエスかノーかでお答えください。
  72. 中谷元

    国務大臣中谷元君) ノーです。停戦の合意がないということです。
  73. 藤末健三

    ○藤末健三君 要するに、行けないということですね。  じゃ、そうしますと、当時と同じように、イラク特別措置法のような法律を作って対応しなければいけないという理解でよろしいでしょうか。
  74. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 今回、法律を整備をいたしまして我が国が国際貢献をできるような状況を提案をしているわけでございまして、この活動につきましては、改正PKO法で、参加五原則と同様な厳格な原則の下で国際社会の様々な状況に対して必要な活動をするということでございまして、特措法で対応するということは想定をいたしておりません。
  75. 藤末健三

    ○藤末健三君 明確に質問にお答えいただきたいんですけれども。(資料提示)  今回、新しい改正法案全部成立したとしても、万が一、切れ目がないとおっしゃっているわけですよ、それで、二〇〇四年のイラクのサマワと同じ状況が起きたときには、新しく今改正案で、PKO協力法改正案では、PKO五原則を満たさない、したがって行けないということになったわけじゃないですか。じゃ、行っていただくためには特別措置法が要りますか、要らないですかということをお聞きしています。イエスかノーかでお答えください、これも。
  76. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 今回の改正の趣旨は、これまでの実績を生かして実施するわけでありまして、特に安全確保、この任務が必要な状況では、他国軍に安全確保を依存する形で自衛隊の派遣をすることは適当でないと。やはり、他国に安全を守ってもらうような状況では活動すべきではないということで今回の法律を作ったわけでございます。  その趣旨からいきますと、この五原則に合致する場合において活動することにいたしておりまして、現状におきましては特措法で対応するということは想定をしていないということでございます。
  77. 藤末健三

    ○藤末健三君 よろしいですか。きちんとお答えください。簡単な質問です。  今のPKO協力法改正案において、二〇〇四年のイラクのサマワと同じ状況が生じましたときに、この新しい改正案、対応できないとおっしゃっているわけじゃないですか。そうすると、対応するためには特別措置法が必要なんですか否かだけをお聞きしているんですよ。全くお答えしていません。だから、イエスかノーかしかないんですよ、お答えは。お願いします。
  78. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 同じ状況でしたらできないということは御説明をいたしました。  今回、PKO活動等を行う上においては、他国軍に守ってもらいながら活動するということではなくて、あくまでも五原則を確保して、そして安全確保、これを自分の国でやった上において活動するということでございますので、そういった前提で考えておりますので、特措法で対応するということは現在想定していないということでございます。(発言する者あり)
  79. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) では、速記止めてください。    〔速記中止
  80. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) では、速記起こしてください。
  81. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 政府といたしましては、改正PKO法以上のことは考えておりません。したがいまして、特措法で対応するということは想定をいたしておりません。
  82. 藤末健三

    ○藤末健三君 そうすると、二〇〇四年のイラク・サマワと同じ状況が生じたときに、人道復興支援を含めて我が国は対応しないということでよろしいんですか。イエスかノーかでお答えください。
  83. 中谷元

    国務大臣中谷元君) まず、全く同じことが起こった場合は、PKOも存在しておりませんし、停戦の合意もないということでございます。  これからPKO活動を、そういう人道復興支援につきましては改正PKO法で実施をするということで、それ以上のことは政府は現在考えていないということでございます。
  84. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 藤末君、質問を続けてください。
  85. 藤末健三

    ○藤末健三君 もう明確にお願いしたいんですけれど、私、イエスかノーかのことしか申し上げていませんので。  二〇〇四年と同じような状況が生じたときに特措法を作らないとおっしゃっているわけじゃないですか。そうすると、対応できなくなってしまうんですよね、だから、対応しないんですねと申し上げているんですよ。ですから、もう支援できなくなるんですよ。  大臣、ですから、しないんですか、どうですかということで、イエスかノーかだけお聞かせいただけますか。
  86. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 法律の範囲内で対応をしていくということでございます。
  87. 藤末健三

    ○藤末健三君 ですから、対応しない、支援しないということでよろしいんですね、答えは。法律がないということで。もう一回答えてください。  ですから、対応しないと。いいですか、シームレスですと、切れ目がないということをおっしゃっていたことが、切れ目ができちゃうんですよ。大臣、おっしゃってください。それ、お答えください。
  88. 中谷元

    国務大臣中谷元君) あくまでも法律の範囲内で対応していくということでございます。
  89. 藤末健三

    ○藤末健三君 だから、シームレスでないという理解でいいかどうかだけお聞かせください。切れ目がないということについて、お答えいただけますか。
  90. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 当時も、PKO本部もなければ停戦の合意もなくて、できなかったわけでございます。当時は特措法を作ったわけでございますが、今回の政府の考え方といたしましては、やはりPKO活動におきましても、自分の部隊の安全等は他国に依存をするのではなくて、あくまでも我が国が責任を持って実施できる範囲で行うべきであるということでPKO法を改正をいたしましたので、これからの我が国の対応といたしましては、この法律の範囲の以上のことは実施をしないということでございます。
  91. 藤末健三

    ○藤末健三君 そうしますと、今までイラクへの対応というのは非常に我が国評価されたわけじゃないですか、人道支援を行い。ですから、そういうことを行わないということになるわけですけど、それでもよろしいんですか、大臣。切れ目がないということをおっしゃっているにもかかわらず、二〇〇四年のイラクのような状況に対応しないということをおっしゃっているわけですが、いかがですか、その点。
  92. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 法律の範囲内で対応するということで、今回、国際平和支援法という新法をまた提案をいたしております。その範囲内で貢献もするかどうか判断をいたしますし、PKO活動に関しましては、これまでの経験を生かして、やはり自分の国の派遣する隊員の安全はしっかり担保された上で派遣すべきであるということで法律を提案をいたしておりますので、その範囲に合う中で対応していくということでございます。
  93. 藤末健三

    ○藤末健三君 もう何度も何度も質問させていただきますけれど、私がお聞きしているのは、本当にそのイラクの二〇〇四年の問題にもうこれから対応できなくなるわけじゃないですか、特措法も作りません、今の改正法案でも対応できませんとおっしゃっている、それでいいんですかということをお聞きしているので、イエスかノーかだけでお聞かせいただけますか。
  94. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 現在でも、PKOにつきましては我が国として実施を可能なところのみ対応しておりますし、あくまでも法律の要件に合う場所に限って実施をいたしておりますので、今後、PKOに関しましては改正PKO法、これの範囲内の活動にのみ実施をするという認識でございます。
  95. 藤末健三

    ○藤末健三君 いや、全く答えていません。  よろしいですか。大臣がおっしゃっていることは、まずシームレスじゃないということをおっしゃったわけじゃないですか。二〇〇四年のイラクのサマワの状況が、同じことが起きたときには対応できませんということをおっしゃった、まず一つ、これが。  そして、もう一つおっしゃったのは、その状況に特措法を作ってでも対応するかどうかとお聞きしたら、対応しないとおっしゃったんですよ。イラクにおける人道復興支援我が国は行ったわけですよ。それは非常に大きな評価を受けているはずです。  ただ、この新しいPKO協力法案、何が問題かと申しますと、大きく自衛隊の方々を危険にさらすものになると思います。例えばありますのは、イラクにおける例えば検問やパトロールを行う治安維持の任務、安全確保業務と法律ではなっておりますけれど、例えばこれ、ドイツがアフガニスタンに国際治安支援部隊を送ったときに、ドイツ軍は例えば自爆テロなどで五十五人命を失っているような状況、そしてまたアメリカにおいては、イラク戦争における死者数は三千五百二十九人と言われています。そのうち、実際に戦闘が行われました、大規模作戦期間中に亡くなった方は百九名。何とその九七%に当たる三千四百二十名のアメリカ兵の方々がイラクの駐留米軍撤退の治安維持活動中に命を失っている。ですから、治安維持活動は非常に危険なことを行う。  一方で、大臣がおっしゃっているのは、二〇〇四年にイラクで自衛隊の方々が行っていただいたような人道支援、非常に評価される、日本の平和憲法の下に行われるような、道路を造ったり病院を造ったり学校を造ったりする、そういうものを行わずに、逆に自衛隊の方々を、例えば検問とかパトロールとか、そういう治安業務に送り込むということでございますが、それは非常に大きな問題があることを指摘させていただきたいと思います。  次に私が質問させていただきたいポイントは何かと申しますと、後方支援であります。  この後方支援は国際平和支援法案に書かれているものでございまして、平和支援というふうに書かれてございますけれど、実際は他国の軍隊が戦争をしているところで後方支援を行う、私は国際戦争支援法と呼んでも差し支えない法律だと思っています。  そして、他国に後方で弾薬を提供する、この弾薬もどこまで範囲があるか限定されていない。そして、武器を運び、ここでポイントなのは、これからミサイルなどを積んで、魚雷なんかを積んで攻撃に向かう航空機に給油するということまでやる。恐らく攻撃される側から見れば、それは自衛隊の方々が武力攻撃に参加されると見えると思います。自衛官の方々の危険は大きく増すということになる。  また同時に、このことは、私は、日本国の国民の危険も大きく増すと思います。実際、日本が後方支援を行えば、国際的には武力行使をしている、戦闘の当事者と認識されます。そして、自衛隊の方々が攻撃を受けるのみならず、戦後七十年間一貫して築いてきました戦争をしない国日本というこの国際認識、ブランドを大きく破壊すると思います。そして、もう今まで議論が幾つもありましたけど、日本における様々なテロの危険性が高まり、また、世界で活動しているNGOの方々、日本人のNGOの方々も恐らく大きな障害を生むと思います。  このように、今回の安保法制は、日本を守るというよりも、私は、大きな危険を自衛官の方々、そして我々日本人に呼び込むものだと考えます。  そこで、御質問したいのは、昨日の参考人質疑で、大森政輔元内閣法制局長官は、他国軍への後方支援として政府が新たに認める発進準備中の航空機への給油について、他国の武力行使と一体に当たり違憲と指摘されました。大森元法制局長官は、一九九六年から九九年まで内閣法制局長官を務め、現行の周辺事態法の作成時に発進準備中の航空機への給油が盛り込まれなかった経緯を説明され、内閣法制局の参事官は、典型的な一体化事例で認められないと何度も言い続けたそうでございます。そして、当時、給油を強く要求したのは外務省であるとおっしゃっていました。同時に、憲法上認められないことにすると末永く判断が尾を引くので、表面上は米軍からのニーズがないということにしようというのが真相だったと述べられております。  このことにつきまして、大森参考人のこの発言につきまして、外務大臣と法制局長官に事実関係をお聞きしたいと思いますが、よろしくお願いします。
  96. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 我が国の後方支援、関連法案に基づいて行う後方支援ですが、まず、国際法上においても、これは国連憲章第二条四に照らしても、これは武力の行使には該当しない、このように整理をされます。また、憲法との関係においても、武力の行使との一体性の考え方に基づいて、これは憲法との関係においても憲法違反に当たらない、こういった整理をしております。  それに加えて、軍事的要請として現実の後方支援がどのように行われるのか、さらには、これはもう委員会の場で再三説明しておりますが、今のこの御議論いただいている法律に基づいて後方支援をどのように行うのか、こうしたことを考えますときに、御指摘のような点は当たらないと。  こうした、国際法においても、憲法においても、実態においても、これが武力行使として認定されることはあり得ないと申し上げております。
  97. 横畠裕介

    政府特別補佐人横畠裕介君) この問題につきましては、平成十一年……(発言する者あり)
  98. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 答弁してください。答弁続けてください。
  99. 横畠裕介

    政府特別補佐人横畠裕介君) この問題につきましては、平成十一年一月二十八日の衆議院予算委員会におきまして、当時の大森内閣法制局長官がお答えしておりますが、その……(発言する者あり)
  100. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 答弁を続けてください。
  101. 横畠裕介

    政府特別補佐人横畠裕介君) そのお答えの内容は……
  102. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 後で私から厳重注意します。答弁続けてください。
  103. 横畠裕介

    政府特別補佐人横畠裕介君) 当時議論があったということを前提でございますけれども、憲法上慎重な検討を要する問題であるということまでの共同認識を得て、それ以上の、絶対黒だというところまでの断定はしていないわけでございますが、私どもの立場では、今もやはり憲法上の適否について慎重な検討を要する問題であるという認識には変わりございませんと答弁しておりまして、私どもとしてはそのとおりであると認識しております。  その意味におきまして、周辺事態法におきまして除外を設けておりますのは、ニーズがなかったからということでありまして、憲法上の関係におきまして武力行使との一体化の関係から除いたわけではないというふうに整理してお答えしているところでございます。
  104. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記止めてください。    〔速記中止
  105. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) では、速記を起こしてください。  委員会継続します。
  106. 藤末健三

    ○藤末健三君 外務大臣も法制局長官も明確にお答えいただいていないと思うんですよ。  外務大臣に明確に、もう時間がないので明確にお願いしたいのは、この外務省が強く要求したという話が一つ。こういう説明になっているんですよ。外務省が給油を要求したけれど、内閣法制局はそれを止めたと。それプラス、止めたときに、憲法上止めたということになると問題があるので、表面上は米軍のニーズがないからにしたというのが真相ですよというのがあります。それが事実かどうかを、後でもう結構ですから教えていただきたい。  そしてもう一つ、もう一つございますのは、大森参考人は四原則を作った方でありますけれど、その方がなぜその給油、攻撃するものに対する、航空機に対する給油を止めることを別表に書いたかと。それもなぜかというと、憲法に違反すると、武力行使との一体化であると、憲法に違反するということの考えから別表に書いたということをおっしゃっています。  是非政府統一見解を理事会協議をしていただきたいと委員長にお願いしたいと思います。
  107. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 答弁じゃなしに。
  108. 藤末健三

    ○藤末健三君 はい、理事会でお願いします。
  109. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) それでは、ただいまの件につきましては、後の理事会協議をいたします。
  110. 藤末健三

    ○藤末健三君 委員長是非よろしくお願いします。  次に私が質問させていただきたいのは、この皆さんのお手元にもお配りしております防衛省の作成資料で、実際の運用を踏まえたイメージというのがございます。  これにつきまして、後方支援につきまして私が八月五日に中谷大臣に御質問しましたら、中谷大臣はこうお答えになりました。支援活動というものはそのような戦闘行為に当たるものではなくて、後方支援と言われるものは、支援活動それ自体は武力の行使に当たるものではないということで、そのような支援活動を行うものに対して武力行使を行うということは、国際法的には、いいですか、国際法的には違法な武力行使であって、正当化なされないということでございますとおっしゃっています。  ですから、このような図で後方支援を行っているものに対しては、国際法上、三要件とかではなく、国際法上正当化されませんとお答えになられていまして、私が何度お聞きしても、我が国がもし攻撃された場合であっても、我が国攻撃された場合であっても後方支援しているものには攻撃できないということをお答えになられています。  そこで、もう具体的にお聞きしたいのは、この図におきまして、今、この海自DDHと書かれているのが例えばB国の船だとする、そして実際にこのヘリコプターをA国とする、そしてこの潜水艦を我が国自衛隊の潜水艦として考えてください。今、ヘリコプターで攻撃しているのがA国だとします。そうすると、潜水艦は、日本が今攻撃されている。しかし、大臣、よろしいですか、逆ですよ、攻めているのと守っているのが。日本が今攻撃されている場合です。ここでは海自DDHと書いているB国の船を我が国自衛隊の潜水艦、攻撃を受けている自衛隊の潜水艦は攻撃できないかどうか、お答えください。国際法上です、それも国際法上ですよ。お願いします。
  111. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 個別具体的な状況において、現実に発生した事実に即して判断をするという必要がありますが、その上で申し上げれば、お尋ねが、我が国日本の潜水艦に対して武力攻撃を行っているのはA国の対潜ヘリ、これであり、B国の艦船は後方支援、これ給油を行っているのみでありまして、武力攻撃を構成していないということであれば、A国の対潜ヘリに対しては、我が国として国連憲章上、個別的自衛権に基づき武力の行使を行うことはできますが、B国の艦船に対してはできないと考えております。
  112. 藤末健三

    ○藤末健三君 よろしいですか。後方支援というのは給油だけじゃございませんよね。ヘリコプターに対して給油をして、かつ魚雷も提供できるはずですよね、魚雷は弾薬ですから。よろしいですか、その理解で。ミサイル提供できますと。  ですから、ここでは海自のDDHとなっていますが、B国の艦艇が我が国の潜水艦を攻撃するヘリコプターに給油を行い、魚雷も提供している。そして、我が国自衛隊の潜水艦がこの艦艇を攻撃できない。  よろしいですか、大臣。この艦艇が、今魚雷の射程から外にありますけれども、この内側に来たときどうします。日本自衛隊の潜水艦は、攻撃する対潜のヘリコプターには攻撃できる能力ないんですよ。そして、そのヘリコプターに給油をし、魚雷を提供している艦艇が、B国のですよ、B国の艦艇が魚雷の発射の射程に入ったときに攻撃できるかどうかというと、できないとおっしゃったわけじゃないですか。  もう一回確認します。できないんですか。
  113. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この潜水艦に対して武力攻撃を行っているのはA国の対潜ヘリでありまして、B国の艦船は後方支援の給油、これを行っているのみでありまして、武力攻撃を構成していないということであれば、B国の艦船に対しては武力行使ができないということでございます。
  114. 藤末健三

    ○藤末健三君 大臣、私はこの後方支援も大反対なんですよ。当然のことながら、自衛隊の方々が、弾薬を持って、そして武器を持って飛び立つ戦闘機に給油をする。そして、今までは非戦闘地域だったものが、現に戦闘が行われていなければ行けますよという話になっているじゃないですか。どれだけ自衛隊の方が危険になっているか。私は絶対に止めなきゃいけないと思っている。  そして、また新たな問題が出ました。この後方支援というのを大臣は正当化されるために、この図でいきますと、例えば、日本の潜水艦、それがA国のヘリコプターに攻撃されていたら、そのヘリコプターに別の国が給油をし魚雷を提供しても攻撃できない、魚雷の射程距離にあっても攻撃できないとおっしゃっている。それは、自衛隊の方々の生命を守るという意味では非常に大きな問題ではないですか。私は、今の答弁は、中谷大臣がこの後方支援という、我が国が行う後方支援というものを正当化するがために、我が国を守る自衛隊の方々の生命を危険にさらされている答弁をされたと思いますよ。  もう一回お聞きしますよ。よろしいですか。  この図で、A国というヘリコプターがある、そしてB国の艦艇が、魚雷と、給油をしていますと。そして、そのB国の船が我が国自衛隊の潜水艦の魚雷の射程に入ったときにそれを攻撃できないとおっしゃるのか、イエスかノーかでお答えください。もう一回確認させてください。
  115. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 我が国に対して武力攻撃を行っているというのはA国でありまして、B国の艦船は後方支援、これは給油を行っているのみでありまして、武力攻撃を構成していないということであれば、B国に対しては武力行使はできないと考えております。
  116. 藤末健三

    ○藤末健三君 外務大臣、よろしいですか、国際法上そのような解釈になっているんですか。確認させてください。
  117. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 委員の方からお示しいただいた例に従って申し上げますと、まず、基本的には今防衛大臣からお答えしたとおりです。  ただ、この例でいきますと、このA国の攻撃が国際法上合法な我が国に対する攻撃でなければ、これは成り立ちません。我が国は国際法に従って行動する、当たり前のことです。国際法に従って行動している我が国に対する武力攻撃が国際法上合法であるということは、これはほとんど考えられないことではない、限られていると思います。  ですから、このA国が国際法上合法な行為をしていたならば、このB国の後方支援、これは合法な行為であり、そしてこれは武力行使に当たりませんから、今防衛大臣がお答えした、このようになります。国際法上はそのように整理されると考えます。
  118. 藤末健三

    ○藤末健三君 じゃ、大臣に二つお聞きしますよ。  国際法上どの条約に規定されるか、まず教えてください。どの条約に規定されるか。まず、後方支援という概念が国際法上ないはずなんですよ。それはもう答弁されていますからね、過去に。国際法上、後方支援という概念はありませんということはおっしゃっている。それで後方支援というお言葉を使われているわけじゃないですか。  それともう一つあるのは、我が国攻撃されているときは、当然、向こう側が国際法上正しくないことをしているのは分かっているじゃないですか。先制攻撃されているわけじゃないですか、我々が攻められるんですから。  ですから、このA国、B国は国際法を犯しているわけですよ。その状況でB国がこの潜水艦の射程に入ったときに攻撃できるかどうか、国際法上どうなんですかとお聞きしているんですよ、外務大臣として。はぐらかさないでくださいね、大臣
  119. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 要するに、我が国の後方支援を正当化するためにそう言っているのではないか、こういった質問がありました。(発言する者あり)いやいや、御質問でありました。ちょっと聞いてください。  我が国の後方支援、これはあくまでも、これは国際法上合法な行為を支援するわけです。これをひっくり返したということをおっしゃいました。ですから、そうしますと、このA国の攻撃、これ我が国に対する攻撃が国際法上合法であるということになります。合法であるならば、このB国の支援、これは適法なものであり、先ほど防衛大臣がお答えした、そのとおりになります。  ただ、我が国行動に対して攻撃が行われる、これが国際法上合法であるということは、これは大変無理があるのではないか、こういったことを申し上げております。これは、国際法において、まずもって国連憲章第二条四において武力行使が禁止されている中にあって、正当化される理由は三つしかありません。ですから、これをこのままひっくり返すというのは無理があるということを申し上げております。
  120. 藤末健三

    ○藤末健三君 二人ともお答えになっていません。是非理事会の方に明確な政府としての見解を聞かせてくださいよ。本当にちょっとお願いしますよ。  当然、我々が攻撃されているときに、A国、B国が国際法を犯しているに決まっているじゃないですか、私たちが犯すわけじゃないですからね。そのときに、B国の艦艇が射程内に入ったときに我が国攻撃できるのですかと。できないとおっしゃっているわけじゃないですか、国際法上ですよ。防衛大臣はできないとおっしゃっている。じゃ、外務大臣はいかがですか、見解はということ、国際法上の。
  121. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) ですから、A国の攻撃が国際法上合法であればB国の行為は攻撃ができない、そのとおりであります。
  122. 藤末健三

    ○藤末健三君 だから、違法な攻撃を受けている、国際法上……(発言する者あり)
  123. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 藤末君、もう先生の質疑の時間が来ております。最後の質問をしてください。
  124. 藤末健三

    ○藤末健三君 よろしいですか、私、違法な攻撃を行われているわけじゃないですか、我々が。その場合にどうかということをお聞きしているんです。
  125. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 岸田大臣、答えますか。答弁しますか。
  126. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 先ほども申し上げました、国際法上はこの合法な行為を後方支援することについては武力行使として認定されません。よって、我が国攻撃はできません。これはそのとおりであります。ですから、我が国が後方支援する場合であっても、これはこの支援する行為が国際法上合法ではなければならない、これは当然のことだと考えています。
  127. 藤末健三

    ○藤末健三君 時間がなくなりましたので終わりますけれど、もうちょっと真摯にお答えいただけなければ、国民の皆さんは全く納得できませんよ。この状況自衛隊の方々が攻撃できないということで、皆さんびっくりされていると思います。  そして、大臣に申し上げますけど、国際法上、武力行使の一体化とか、よろしいですか、そういう後方支援という定義はないということを明確に過去におっしゃっていますので、説明がずれていることを申し上げまして、私は終わらさせていただきます。  ありがとうございました。
  128. 谷合正明

    ○谷合正明君 公明党の谷合です。  昨日、維新の皆様から国連PKO法、政府案に対する対案が出されたところでございまして、これで維新の皆様からは国際社会の平和と安全に関する法制全体が示されたというふうに認識をしております。改めて敬意を表したいと思います。    〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕  そこで、今日、政府にまず質問をする前に、確認的に、昨日提出されましたPKO法の改正維新案について二点ほど確認をしたいと思います。  昨日の趣旨説明の中で、特に駆け付け警護のところが出ていたんですけれども、いわゆる限定的な駆け付け警護というふうに維新の皆様は言われているんでしょうか、この点について、政府の駆け付け警護と維新案の駆け付け警護というのは何が違うのかということを示していただきたいと思いますし、またその違いを設けた理由というのは何なんでしょうか。
  129. 柴田巧

    委員以外の議員(柴田巧君) 政府案とのまず違いということでございますが、第一に、警護を要請する主体についての違いがございます。政府案におきましては警護の要請の主体を特に限定していないのに対しまして、我が党案におきましては事務総長又は派遣先国において事務総長の権限を行使する者からの緊急の要請に限定をしております。これは、日本以外の参加国の活動状況を含め、派遣先国における各種情報を取りまとめている国連の側においてまず我が国自衛隊が警護に向かうことの適否が判断されるべきであり、これに従って活動することが適当であるとの考えによります。  また、政府案と異なりまして、我が党案の駆け付け警護では、その行う保護が活動関係者が退避するためその他当該侵害又は危難から逃れるために必要な範囲に限られる旨を規定をしております。これは、対象者の生命、身体の保護に必要な範囲を超えてまで警護業務が行われることのないようにその範囲を明確に限定する趣旨で定めたものでございます。
  130. 谷合正明

    ○谷合正明君 それでは、私もこの委員会の中でこの駆け付け警護の問題を取り上げたんですけれども、そのときに、十九年前の旧ザイールにおいてのルワンダ難民の救援のときに本邦NGOからの要請があって、当時は駆け付け警護というのがなかったものですから、邦人を移送するという形で実質は救出をしたわけでありますけれども、ですから、国連の関係者以外、要するにNGOからの要請には応えられないということでよろしいんでしょうか。
  131. 柴田巧

    委員以外の議員(柴田巧君) 我が党案の考えでは、国連を基本的に通すという考え方でございます。
  132. 谷合正明

    ○谷合正明君 分かりました。  それと、もう一つ駆け付け警護のところで、昨日の趣旨説明の中では、自己保存型の武器使用に極めて近い条件下でのみ限定的に認めますということなんですが、政府案は、PKO五原則があるということで、国家あるいは国に準ずる組織が現れないということを大前提に、任務遂行型の武器使用ということをこの度認めるわけですけれども、この維新案の自己保存型の武器使用に極めて近い条件下でのみ限定的に認めるというのは、これはつまり任務遂行型の武器使用を認めているということでよろしいんでしょうか。
  133. 柴田巧

    委員以外の議員(柴田巧君) お答えをいたします。  我が党案におきましては、政府案と同様に、いわゆる、今おっしゃった任務遂行型の武器使用を認めております。  もっとも、この我が党案の駆け付け警護は、政府案とは異なって、先ほども申し上げましたが、活動関係者が退避するためその他当該侵害又は危難から逃れるために必要な範囲のものに限られていますので、そのため、これに伴う武器使用についても、あくまでもこの必要な範囲に限定されることとなります。  そういう意味で、先ほどおっしゃいましたように、我が党案における武器使用というものは、いわゆる自己保存型に近い条件の下でのみ限定的に認められるものであるということでございます。
  134. 谷合正明

    ○谷合正明君 この点につきましては、実際現地で活動する自衛隊の隊員の声、また現地で国際平和協力活動に従事する国連関係者のみならず民間のNGO団体の声もしっかりと聞きながら、両案どちらがふさわしいのかということを、後、また議論を尽くしていかなきゃいけないなと思っております。  今日はこの程度に質問をとどめさせていただいて、政府側に質問をいたします。  今日は、武器等防護船舶検査について、中谷防衛大臣を中心に質問をさせていただきたいと思います。  まず、九十五条の二ですけれども、我が国防衛に資する活動として三つの事例を政府は挙げております。共同訓練、情報収集・警戒監視活動、そして重要影響事態に際して行われる輸送、補給等の活動であります。  この委員会で既に共同訓練については具体的な中身というものが示されておりますから、まず私の方から、情報収集・警戒監視活動、重要影響事態に際して行われる輸送、補給等の活動がどのように我が国防衛に資するのか、具体的な中身を示して説明していただきたいと思います。
  135. 中谷元

    国務大臣中谷元君) まず、情報収集・警戒監視活動について申し上げれば、自衛隊は、弾道ミサイルの警戒を含めて我が国の平和と安全に対する脅威の兆候を早期に察知するために、我が国周辺において艦艇や航空機を用いて情報収集・警戒監視活動を行っておりまして、米軍とも連携してこの活動を行うということがございます。  そして、重要影響事態、すなわち我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態におきましては、我が国の平和と安全を確保するために、発生している事態拡大を抑制をしその収拾を図るため、自衛隊米軍等の部隊が連携して人員や物資の輸送、補給等の活動を行うということが考えられます。  このような活動に現に従事する米軍等の部隊に対して武力攻撃に至らない侵害が発生した場合において、万が一その対応に隙間があっては我が国脅威が及ぶことを防止できないおそれがあることから、新設する自衛隊法第九十五条の二は、我が国の平和と安全を確保する上で極めて重要なものであると考えております。
  136. 谷合正明

    ○谷合正明君 この委員会の中でのやり取りの中で、その二つの事例、今考えている具体的な例として示していただいたわけでありますけれども、実際に、それでは、この九十五条の二ですけれども、米軍等の部隊の武器等の警護、これは具体的にどのような判断基準でそれを決めていくのか。それから、具体的にどのような国の軍隊の部隊が警護の対象となるのか。さらに、実際の警護が行われるまでのプロセス、これがどういうふうに実施されていくのかということについて大臣説明していただきたいと思います。
  137. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは、防衛大臣米軍等から個別の要請を受け、その都度、様々な要素を考慮して主体的に判断をすることになります。  具体的に申し上げれば、警護を要請してきた米軍等の部隊自衛隊と現に連携して行う我が国防衛に資する活動の目的、内容、当該米軍等の部隊能力、武器等の種類、戦闘行為が行われるおそれを含む周囲の情勢等を踏まえて、自衛隊の任務遂行への影響も考慮した上で個別具体的に判断をいたします。  また、具体的にどのような国の軍隊の部隊が警護の対象になるかにつきましては、条文上は米軍以外は特定されておりませんが、この当該部隊自衛隊と連携して我が国防衛に資する活動に現に従事する部隊であること、自国の武器等の警護を自衛隊に依頼し、場合によっては自衛隊が武器を使用して防護を行うことになることという事柄の性質を踏まえれば、自衛隊と一定以上の相互運用能力、これを有し、部隊運用面を中心といたしまして情報共有をすることができる関係性を有するなど、防衛分野におきまして我が国と密接な協力関係にある国におのずと限られるということでございます。  このプロセスにつきましては、関係者が防衛大臣に警護を要請をしまして、防衛大臣は、その都度、内部部局、また幕僚監部から必要な補佐を受けつつ、実際に警護を行うか否かについて判断をすることになりまして、その際、警護を行う判断をした場合には、防衛大臣は所要の部隊、要員に対して警護を命ずるということになります。  そして、その後の方向性につきましては、要領、手続など、実際に制度を運用していく上で必要な事項につきましては、今後、法案が成立した後、更に検討してまいりたいと考えております。
  138. 谷合正明

    ○谷合正明君 今、判断要素、また具体的な対象国、そしてプロセスについて御説明があったところであります。  改めて、防衛大臣が実際に警護を行うということを判断するわけでありますけれども、では、総理ではなく防衛大臣がこの九十五条の二による警護を行うか否か、これを判断する、総理ではなくて防衛大臣であるというその理由を改めてお聞かせいただきたいと思います。
  139. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは、情報収集とか警戒監視活動、また共同訓練、これは主として平時において自衛隊防衛大臣の指揮監督の下に行う活動米軍等の部隊と連携して行うに際して認められるということでありまして、仮に武器の使用に至る場合でも、その性質は現行の自衛隊法九十五条によるものと同様に、極めて受動的かつ限定的な必要最小限のものであることからすれば、警護を行うか否かにつきましては常に内閣としての判断を要するものではないと考えられるわけでございます。  また、要請のあった米軍等の部隊自衛隊と連携して我が国防衛に資する活動を行う米軍等の部隊に該当するか否か、また自衛官が警護を行うことが必要か否かの判断につきましては、当該活動の目的、内容のほか、戦闘行為が行われるおそれを含む周囲の情勢等の様々な関連情報を踏まえて判断を行うことができる立場にある者により行われる必要があるということから、自衛隊の隊務を総括する防衛大臣が行うということにいたしました。
  140. 谷合正明

    ○谷合正明君 今、大きく二つ理由を挙げていただいたと思います。受動的かつ限定的な必要最小限度のものであることから常に内閣としての判断を要するものではないという話と、周囲の情勢等の様々な関連情報を踏まえて判断を行うことのできる立場にある者、これが防衛大臣なんだという話でございました。  ただ、与党協議の中でも、この点、九十五条の二の扱いについて議論になりました。私もその与党協議の中のメンバーとして加わって議論もさせていただきましたけれども、常に内閣としての判断を要するものでないということなんでありますけれども、時により慎重な判断というものを確保するという観点で、やはり内閣の関与、これを設けるべきじゃないかという話になったわけであります。  そこで、国家安全保障会議の審議という形で内閣の関与を設けるべきじゃないかということになったわけでありますけれども、この委員会の中でも、それでは、国家安全保障会議の審議を設けるにしてもその法的な根拠はどこにあるのかと、九十五条の二だけでは国家安全保障会議の審議なんというのは法文上ないんじゃないかという話が出ております。  今大臣にお伺いしたいのは、国家安全保障会議の審議に関して、その法律上の根拠はどこに求めることができるのかということと、特に重要影響事態における武器等防護に関しましてはそうした国家安全保障会議の審議を踏まえていくべきであると、これはさんざん我が党も主張させていただいておりますけれども、そうした安全保障会議の審議、流れというんでしょうか、在り方というんでしょうか、この点についての見解を伺いたいと思います。
  141. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 例えば、重要影響事態におきましては、国家安全保障会議設置法第二条第一項第六号に掲げる審議事項である重要影響事態への対処に関する重要事項として国家安全保障会議において審議するなど、必要に応じ内閣の適切な関与を確保した形で運用することを考えております。  具体的な手続につきましては、今後、法案が成立した後に更に検討を進めてまいりたいと考えております。
  142. 谷合正明

    ○谷合正明君 具体的な手続に関しては今後という話でございました。ただ、この根拠については今示していただいたということなんです。  それで、委員会審議の中でも、武器等防護につきましては、九十五条の二でありますけれども、様々な次のような批判あるいは懸念の声があるわけであります。それは例えばこういうことであります。武力攻撃と同様の攻撃に対しても同じように対応することが可能であるにもかかわらず要件が緩いものになっているんじゃないかと、集団的自衛権の抜け道ではないかという話、それから、武器等防護というのは結局相手から見れば集団的自衛権そのものじゃないかと、そういった批判、懸念の声があるわけであります。  しかし、平成十一年に九十五条に関して、九十五条に規定する武器の使用について見解を示していただいたわけでありますけれども、これがそのまま今回も当てはまっているわけでありますし、武器等防護はそもそも武力行使とは明確に異なっているわけでありまして、改めて大臣の方から、この武器等防護、九十五条の二というのは武力行使とは明確に異なる、集団的自衛権ではないということを大臣の口から説明していただきたいと思います。
  143. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 九十五条の二というのは、あくまでも米軍等の武器等に対する武力攻撃に至らない侵害に対応するためのものであります。他方、新三要件に該当して存立危機事態認定される場合におきましての武力行使は他国に対する武力攻撃を排除するためのものでありまして、両者は明確に異なるということであります。  具体的に申し上げれば、三点。まず、九十五の二におきましては、この対象となる部隊自衛隊と連携して我が国防衛に資する活動に現に従事しているということだけではなくて、当該活動から条文上、現に戦闘行為が行われているという現場で行われるものを除くと規定をしております。このように、条文上も、国又は国に準じる組織による戦闘行為に対して警護や武器を使用することがない、すなわち武力攻撃に対応するものではないということを明確にいたしております。  第二に、存立危機事態において、既に他国に対する武力攻撃が発生している場合にあるというのが存立危機事態でありますが、九十五の二におきましては、情報収集、警戒監視共同訓練など、平素、重要影響事態であっても、あくまでも武力紛争が発生をしていない状況においてのみ適用されるものであります。  第三に、存立危機事態における武力行使は、事態に応じて必要最小限度であれば一つ一つの武器使用の態様について要件が定められているものではありません。九十五の二におきましては、現行の九十五条と同様に、一つ一つの武器について武器等の退避によってその防護が不可能である場合など、他に手段のないやむを得ない場合でなければ武器を使用できないこと、防護の対象の武器等が破壊された場合や、相手方が襲撃を中止をし、又は逃走した場合に武器の使用ができなくなること、正当防衛又は緊急避難に当たる場合でなければ人に危害を与えてはならないことなどの厳格な要件が満たされていなければなりません。  以上のように、自衛隊法九十五の二は、条文上も、また適用される場面や武器使用においての要件も、集団的自衛権の行使とは明確に異なり、極めて受動的かつ限定的なものになっております。  そもそも存立危機事態は、新三要件に該当し、我が国にとって武力を行使するほか手段がないという極めて緊迫した事態でありまして、九十五条に基づく限られた武器使用権限で対応できる事態ではございません。  このように、九十五の二が、事実上、集団的自衛権の代わりであるというような御指摘は当たらないものと考えております。
  144. 谷合正明

    ○谷合正明君 大臣におかれましては、今後も九十五条の二については丁寧に、また簡潔に説明をしていただきたいというふうに思っております。  続いて、船舶検査について質問したいと思います。  衆議院、参議院通じて、船舶検査活動についてはなかなか質疑が出ておりませんでして、実はこれ、与党協議でもかなり議論になったところなんです。  この船舶検査活動ですけれども、まずそもそもですけれども、現行で船舶検査活動法というものがあるんですけれども、どのような背景、理由で、また必要性があってこれは制定されたのか、まずこの点について確認させていただきたいと思います。
  145. 石川博崇

    大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。  この船舶検査活動につきましても、与党協議で精力的に御議論いただいたところでございます。  まず、現行法における船舶検査活動とはでございますが、周辺事態に際して、貿易その他の経済活動に係る規制措置であって我が国が参加するものの厳格な実施確保する目的で、国連安保理決議又は旗国の同意の下で、船舶の積荷や目的地を検査、確認し、必要に応じ当該船舶の航路等の変更を要請する活動でございます。  具体的には、船舶の航行状況の監視、呼びかけ、船舶の名称、目的地等の照会、停船要請や船長等の承諾を得ての乗船検査、確認、要請に応じない場合の船長等に対する説得などの態様により行うこととしております。  また、現行法が策定されました背景といたしましては、一九九七年の日米ガイドラインにおきまして、周辺事態への対応の一つとして、国際の平和と安定の維持を目的とする経済制裁の実効性確保するための活動として国際連合安保理決議に基づく船舶の検査に際しての協力が盛り込まれたことを踏まえて、このガイドライン実効性確保するための措置の一環として整備されたものでございます。
  146. 谷合正明

    ○谷合正明君 現行の船舶検査活動法に基づいて我が国船舶検査をしたことは私の理解ではないんですけれども、国際社会においてはこの船舶検査活動というのがいろんな場面で実施されてきたかと思います。具体的にどのような活動が行われ、またどのような成果が上げられたのかについて、事例を紹介していただきたいと思います。
  147. 石川博崇

    大臣政務官(石川博崇君) これまでの船舶検査活動に関する国際社会の事例でございますが、例えば、一九九〇年代におきましては、イラクによるクウェート侵攻に伴いまして、医療、人道目的の物品を除いて全面的な輸出入を禁止する国連安保理決議が採択されました。その厳格な履行のために国連安保理決議第六六五号が採択され、これを受けまして、多国間の枠組みによる船舶検査のための活動実施されたところでございます。十年間で一万二千隻以上の船舶への乗船検査が行われまして、このうち七百隻以上の船舶の航路が変更されたと承知しております。  また、ほかの例といたしましては、二〇〇一年の米国同時多発テロ事件に際しまして、二〇〇一年九月以降、米国を始めとする有志国により、インド洋においてテロリストの移動や武器等の関連物資の輸送を抑止、阻止するため、乗船検査や発見した物品の押収等を行う海上阻止活動、いわゆるOEF—MIOが実施されたところでございます。  さらに、二〇一一年には、リビア内戦に伴い、武器や関連物資の輸出入等を禁じる国連安保理決議第一九七〇号が採択されたことを受けまして、NATOが船舶検査のための活動実施いたしました。この活動に際しては、約七か月間の間に約三百隻の船舶への乗船検査が行われ、十一隻の船舶のリビアへの入港又はリビアからの出港が阻止されたと承知しております。
  148. 谷合正明

    ○谷合正明君 ありがとうございます。特にアフガンのときは、海上阻止活動については、我が国は、補給支援活動、給水支援活動ということで後方支援をしたということであります。  それでは、この船舶検査活動ですけれども、国会承認について確認させていただきたいと思います。  今回、我が国の平和と安全を目的とするものと国際社会の平和と安全を目的とするもの、これを二つ分けて船舶検査活動を規定しているかと思いますけれども、いずれも国会承認が必要でありますが、重要影響事態に際して行われる船舶検査活動において、これはできるだけ事前の国会承認を求める努力を尽くす、この理解でよろしいかと、この点について大臣確認したいと思います。
  149. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 重要影響事態における船舶検査活動は、重要影響事態法に基づく他の対応措置と同じく対応措置実施前に国会の承認を得ることとし、例外的に、国会の承認の手続を用いては我が国の平和と安全の確保が十分図ることができないと判断されるような時間的余裕がない緊急時には、現行法と同様、事後の承認によることができることといたしております。  このような緊急の場合があり得ることは排除できないものの、あくまでも政府としては可能な限り国会の事前の承認を得るための努力を行うということは当然であると考えております。
  150. 谷合正明

    ○谷合正明君 この点につきましては、特に船舶検査活動、これまで余り議論になっておりませんけれども、国会承認については、できる限り事前の国会承認ということを我が党としてもしっかりと求めていきたいというふうに思っております。  さらに、非混交要件について質問をしたいと思います。  今回の法改正におきまして、非混交要件というものを維持するということになっております。これは、自衛隊による船舶検査活動外国による船舶検査活動に相当する活動と交わる、混交して行われることがないよう、かかる活動実施される区域と明確に区別して指定するという現行法の要件が維持されることになったわけでありますが、非混交要件、これを維持する意味について説明をしていただきたいと思います。
  151. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは、我が国船舶検査活動外国による船舶検査活動に相当する活動が混交して行われることがないように、かかる活動実施される区域と明確に区別をして指定しなければならないということでございます。  こうした非混交要件につきましては、我が国実施する船舶検査活動が他国による武力行使と一体化すると評価をされないように、また、船舶検査活動は一般に海域をあらかじめ定めて実施されるものでありまして、我が国は一つの活動海域に我が国のみで対応し得る能力を有していることも踏まえて設けられたものでございまして、今回の法改正によって、このような観点から、いわゆる非混交要件、これを維持することといたしたわけでございます。
  152. 谷合正明

    ○谷合正明君 憲法上の武力行使との一体化の回避と、もう一つは能力上の問題ということで非混交要件が維持されているということでございました。  最後に、質問ですけれども、船舶検査活動に際して船長の同意を得るのか、又は船長の同意なくしても強制的な措置船舶検査活動ができるのかといった議論が実は与党協議であったんですけれども、この度はそうした強制措置は盛り込まないということにしたわけでありますが、では逆に、強制措置実施しないということでオペレーションに参加している他国との連携に支障が生じるということはないのかどうか、この点について大臣確認したいと思います。
  153. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これはこれまでと同様でございまして、これまで諸外国によって行われた多国間の枠組みによる船舶検査のための活動においては、各国はそれぞれの国内法、そして能力の範囲内で参加をしているということでございます。  このような多国間の枠組みによって行われる活動への参加に際しては、一般に、自国が行い得るオペレーションにつきまして、他国の参加国と事前に調整を行い、我が国として実施する活動についてあらかじめ他国にも十分説明した上で参加することとなると考えております。このため、権限の差異によって他国との連携に支障が生じるということは想定をされておらず、また、船舶検査を実施している他国の船舶との情報交換、旗国に対する通報等によって全体として実効性確保されるものだというふうに考えております。
  154. 谷合正明

    ○谷合正明君 支障がないということと、全体として実効性確保されているという答弁をいただいたわけであります。  以上、私の方から、維新の皆様に対する質疑と、それから武器等防護船舶検査について質問させていただきました。  どうもありがとうございます。終わります。
  155. 真山勇一

    真山勇一君 維新の党、真山勇一です。  国会、本当に実質の審議がいよいよあと二週間ちょっと、本当に大詰めに迫ってきているわけですけれども。(発言する者あり)ああ、もちろんそういうのもあると思いますけれども、国民の皆さんにやっぱり分かりやすく説明をしてこなくちゃいけないというふうなことで、本当に本質の論議をしなければならない、本当にそういうときになってきているというふうに思います。  そういうときに、ちょっと残念なことに、昨日、公聴会、十五日にするということを混乱の中で決められてしまったということは、私は本当に非常に残念だというふうに思っています。そして、こうしたことから、場合によっては、この会期末迫ってきて与党の方は強行採決するんではないかというようなことを、そんな予感さえ感じさせてしまうんです。是非、そんなことがないように、最後の最後まできちっと審議をやっていただきたいということ等お願いと、それから、やはり先日のあの鴻池議長の参議院の在り方ということについてのお話は本当にそのとおりだと思いますので、その参議院の良識を守ってやっていっていただきたいということをお願いしたい、今の佐藤議長にもそれはお願いしたいというふうに思います。(発言する者あり)ああ、委員長にお願いいたします。  ここでですね……(発言する者あり)ああ、じゃ、一言、済みません。
  156. 佐藤正久

    ○理事(佐藤正久君) 鴻池委員長の御指示どおり、しっかりと合意形成に努めて、しっかり審議を進めてまいりたいと思います。
  157. 真山勇一

    真山勇一君 ありがとうございます。  是非、やはり自民党の、今回のこの委員会の最高責任者として、是非その辺を心してやっていただきたいというふうに思います。  やっぱり私が思うのは、まず確認を今日はさせていただきたいというふうに思うんですね。先日の委員会の中で中谷大臣は、私の質問に対して、法案の成立によって新たな自衛隊の兵力とか装備、この強化、増強、こういうのは必要ありませんとはっきりとおっしゃったんですけれども、その考え方は今も変わっていらっしゃいませんか。
  158. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 今回の法律の整備によりましても、自衛隊の任務というものは国民の命とそして平和な暮らしを守る、そして国際社会の平和と安全に貢献をするということで、自衛隊の任務は全く私は変わりがないと思っております。  この法整備の主眼というのは、このような任務を切れ目なく、より一層効果的に果たすことができるようにするということでございまして、この自衛隊装備、定員、予算につきましては、今回の法整備とは別途、一昨年末に防衛計画の大綱、中期防、これを閣議決定をいたしておりまして、これはもう厳しさを増す我が国周辺の安全保障環境等を踏まえまして自衛隊体制の充実強化を図っているということでございます。  したがいまして、この法律によって新たに大きな装備が必要になったり、また定員の大増強が必要になるということではなくて、今の、現行の計画に従って着実な防衛力の整備、これを行う中で任務を遂行しているというふうに考えております。
  159. 真山勇一

    真山勇一君 大臣の御答弁の中でやっぱり気に掛かるのは、自衛隊の任務は変わらないとおっしゃっているんですよ。私は変わると思っているんです。やっぱり今回の法制で、変わるどころじゃないです、大幅に変わると思いますよ。大きな変化があると思うんですよ。だから、心配事がたくさんあるんですよ。  それを伺っているのにもかかわらず、今日はいらっしゃらない安倍総理もそうなんですけれども、戦争になる国になるかと聞けば、心配はない、そんなことはない。戦争に巻き込まれることはあるのかと言うと、そんな心配はない。徴兵制やるんでしょうか、そんなことは考えられない、心配ない。もうとにかく、ないない尽くしの答え。これではやっぱり国民は、疑心暗鬼というか、持っている不安というのが解消されないんです。これをきちっと説明してくれることが、やっぱり分かりやすいこの法案審議につながっていくんじゃないかというふうに思っているんですね。    〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕  ですから、繰り返して言いますけれども、そういう答えが繰り返される限り、やはりその心配は拭えない。私は、自衛隊の任務が大幅拡大するのは、これはもう子供が見たって、今までこうやって新聞見て、国会の論戦聞いている中学生でも多分、ああ、これから日本自衛隊が遠く海外まで出ていくんだな、そうなれば自衛隊の人員もたくさん必要だし、装備ももしかしたら必要じゃないかなと子供でも分かることだと思うんですよ。(発言する者あり)そうなんですよ。  ですから、そういうことにきちっと答えていただかなくちゃいけないのに、足りる、任務変わらない。これ、やっぱり私は、どうしてもここは理解できない。  二〇一六年度の予算、先ほど大臣もちょっと触れられましたけれども、概算要求が締め切られました、八月で。一般会計、去年に引き続き百兆円超えて百二兆円、大台です。防衛予算はどうか。見てみると、五兆九百十一億円、これは過去最大なんですね。これだけの金額を今回、これは概算要求ですけれども、出しているということなんです。  もう一つ見ていただきたいのが、私がお配りしたこの資料です、棒グラフ。これは最近十年間の防衛関係費の金額、これは当初予算ベース、概算要求ベースでなくて、このブルーのところは当初予算ベース、そして、平成二十八年度、来年度についてはこれは概算要求ベースということに出ているんですが。  御覧になってお分かりのように、この十年間、平成十九年、自公政権のときから、そして二十二年、民主党政権が三年入って、そして平成二十五年、再び自公政権、二回目の安倍政権になるわけですが、見てください、今まで大体ずっと同じような金額が来ていて、にもかかわらず、平成二十五年、二十六年、二十七年度、そして来年度、ついに来年度は五兆円を、これは概算要求ベースですけれども、超えてしまったと。これだけやっぱり防衛費増えているんですよね。新しいことじゃなくて、これは過去のことを調べれば分かることなんですけれども。  こういうことから見て、やはり大臣の、これまでと変わらない、あるいは任務も変わらない、装備も特に必要ないという答えは、これを見るとやっぱりそういうことは考えられなくて、やはりこれだけ防衛関係費が伸びてきている。これ、逆に見ると、今審議している法案、こういうものに基づいて既に予想されている装備というのを、この予算、反映されてきているんじゃないかなという、そんな気さえするんです。  というのは、内容を見てみますと、来年度、平成二十八年度の概算要求の中には、オスプレイ十二機、哨戒ヘリ十七機、それからミサイル攻撃に備える対応型のイージス艦一隻。これを見ると、やはり今のやっているこの法案との何か整合性というか、非常に感じるんですけれども、もう織り込み済みの予算ということになっているような気もするんですけれども。  その辺はどういうふうな認識なのか、そして、もし織り込み済みとか反映していないというのならば、この増加の理由というのはどういうことなのか、説明していただきたいと思います。
  160. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは、防衛計画の大綱や中期防、これを作成するときに議論をいたしましたが、やはり我が国周辺の安全保障上の環境の変化に対応するために、まずは統合機動防衛力構想、こういうものを持ちまして対処能力を構築をさせる。また、島嶼防衛という日本の周辺の島嶼部における安全をしっかり確保するという面におきまして、この防衛大綱、中期防を考えて、今年は防衛力整備の三年目といたしまして計画的にこの防衛力の整備を行っているわけでございまして、中期防におきましては五年間で実質毎年平均〇・八%伸ばす計画になっていることから、これに基づいて四年連続で増加になる要求をしているものであります。  つまり、このような周辺の環境の変化にしっかり我が国の安全保障を守っていくということで考えられた予算であるということでございます。
  161. 真山勇一

    真山勇一君 まさにその環境の変化だと思うんです。そして、今おっしゃった防衛大綱というのも、その状況に応じてやっぱり変更できるわけですから、これ見ていると、今後、防衛関係費というのは、この今回の法案の成立で、やはり抑止力という名で、果てしなくという言い方はちょっと大げさになってしまうんですけれども、増えていくんじゃないかなという。今の日本の財政状況でいえば大変厳しい、防衛費だけに使えない、ほかにも使わなくちゃいけないものがたくさん今あります。社会保障の改革もあります。そういう中で、やはり伸びていくのが大変ちょっと心配な思いを持って私は今回見詰めているわけです。  やっぱり、こうしたお金の面からも見なければ、これは国民の生活、本当に命と生活を守るためにはお金の面からも予算を見ていかないといけないんではないかなと、そんな気がしております。  それから、あと防衛白書ですね。こちらを見ると、資料の中に国際平和協力活動という部分の資料を載せた部分があるんですね。これ見ると、本当に日本自衛隊は、この国際平和協力活動という名の下に世界各地へ、地球上本当にいろいろなところへ出かけているわけですね。それもかなり長期間にわたっていたり、そしてその派遣される自衛隊員の数も何十人という単位でなく、何百人、数百人、そういう単位ででも出ていく場所がある。  こうしたことを見ていますと、やはりこの今回の法案によって、更に自衛隊活動、これが広がってくる可能性があるんではないかというふうに思っているんです。この中に出ているだけでも、例えばインド洋、そしてソマリア沖・アデン湾、ジブチ、バーレーン、スーダン、こうしたところ、スーダンはまだ現在も駐留しているわけですけれども、こうしたことが出ているわけですね。  これ見ると、やっぱり装備自衛隊の人員、これだけやっていく、それから、これからまた更に増えるという予想があるわけですから、本当に今の状況で足りるのか、本当にこれをもう一回、中谷さん見ていただいて、中谷大臣、どう思われるか、お伺いしたいと思います。
  162. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 北澤元防衛大臣もおられますが、本当に自衛隊は非常に任務や業務増えているわけでありますが、しかし、限られた予算と人員の中で必死でやりくりをしながらやっているというのは現状でございますが、まずはやはり我が国防衛ということを第一に考えておりまして、特にいろんな事態において自衛隊に対応が求められる事態が増加をするとともに、長期化をいたしております。このような環境の変化で、防衛大綱や中期防に基づいて実効性の高い統合的な防衛力を効率的に整備をして、統合運用を基本とする柔軟かつ即応性の高い運用に努めて、関係機関との連携を深めるなど、総合的な防衛体制を構築をして、各種事態の抑止、対処のための体制を強化をいたしております。  御指摘のありました国際平和維持活動、これを実施しておりますが、あくまでも我が国防衛自衛隊の主たる任務でありまして、これに支障を生じない限度におきまして実施をいたしているわけでありまして、万が一、様々な事態が連続的に同時に発生するような場合におきましても、全体像を常に把握しながら最適な資源配分を行いまして全体として最適な対応を行っていくということでございまして、災害におきましてもすぐに対処できるような体制を取りつつ、日常の業務、訓練等を行っているということでございます。
  163. 真山勇一

    真山勇一君 大臣おっしゃったように、我が国防衛第一ということだったら本当にそれでいいと思うんですけれども、やっぱり、もう何度も申し上げているように、今回の法改正では、その我が国防衛第一から足を踏み出しているのが今回の改正ではないかというふうに思っているわけなんです。  ですから、自衛隊員が二十三万人、およそ二十三万人で増えていないようですけれども、やっぱり広がることによって、やりくりが付かなくなってくるということがあるんじゃないんでしょうか。  そのとき、例えばアメリカから要請があったと。でも、ああ、実はちょっと隊員回せない、あるいはそんなに長い間置いたら大変なことになるというようなことがあって、その派遣される自衛隊の皆さんが本当に勤務が厳しくなったり、任務が厳しくなったり、条件が現地へ行って厳しくなる、そんなことがこのままじゃ起きるんじゃないか、そんな心配も感じるんですけれども、いかがですか。
  164. 中谷元

    国務大臣中谷元君) まさに様々な事態に対応していかなければなりませんが、基本はやはり我が国防衛支障がないということでいろいろと基本的な訓練を積み重ねておりまして、各種起こる事態についてはその応用ということでございますので、あくまでも我が国防衛を主体に教育訓練、勤務、これをしっかり行うことによっていろんな事態に対応していくべきでございます。  全体像を常に把握をしながら最適な資源配分を行いまして、全体として最適な対応を行っていくように今後とも努力してまいりたいと思っております。
  165. 真山勇一

    真山勇一君 繰り返しますけれども、自国の防衛だったら私もいいと思うんですが、やはりこれからは逆に、今度の法案が成立してしまうと、やっぱりアメリカからいろんな要求が出てきたときどうするつもりかという、そういう心配があるんですよ。  現に、私、日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインというものですね。これ、ちょっと見てみたんですが、二〇一五年、今年の四月の一番新しいこの日米防衛協力ガイドラインというのが一つありまして、それから、その前だと思うんです、一九九七年九月のガイドラインというのがあるんですね。  これ、読み比べてみて感じたこと、それは、まず九七年、前のガイドラインによると、自衛隊はいろいろ作戦を主体的に実施して、米軍自衛隊の行う作戦支援、そして打撃力を伴うような作戦を含めて自衛隊能力を補完するための作戦実施する、こういうような表現で書いてあって、自衛隊がやる作戦に対してアメリカ軍は支援をするよ、援助をするよということをうたっているわけですね。あくまでも日本を助けるという、そのことが非常にこの九七年のガイドラインでは私は感じられるんですけれども、この新しい二〇一五年四月のものになると、ちょっとその辺の言い回しが変わってきている。切れ目のない、まず切れ目のない防衛力ということはうたってあるんですけれども、アメリカ軍は、自衛隊作戦支援して補完するための作戦、補完するための作戦、これは空域を守る、弾道ミサイル攻撃に備える、海域を防衛する、これにみんな自衛隊作戦支援し補完するための作戦というふうに変わってきているんですね。  つまり、日本の方がおやりになりなさいよ、そして私たちアメリカ軍はそれを助けますよ、後ろから助けますよということになっているんですね。ですから、前のガイドラインだと、あくまでも日本が従でアメリカが主というような状況なのが、新しいガイドラインになってくると、日本が主でアメリカが従。つまり、日本のやることを助けますよという、そういうような解釈に読めると思うんです。  それで、お伺いしたいのは、今年の四月に締結された日米ガイドライン、これで、領域横断的な作戦で、アメリカ軍は、打撃力の使用を伴う作戦実施することができる、アメリカ軍がそのような作戦実施する場合、自衛隊は必要に応じ支援を行うことができるというふうなことが書いてあります。つまり、自衛隊アメリカ軍と同じような攻撃的な作戦を行うことがこれはできるという意味でいいんでしょうか。今審議している法案との関わりでお答えいただきたいと思います。
  166. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) 新たなガイドラインの記述の細部につきましての御質問ですので、私からお答え申し上げます。  委員御指摘の部分につきましては、日本に対する武力攻撃が発生した場合の日米間の役割分担について触れた記述であるということでございます。その中で、領域横断的な作戦というところにありますのは、「米軍は、自衛隊支援し及び補完するため、打撃力の使用を伴う作戦実施することができる。」という、そういう記述がございます。ここで申しておりますのは、米軍自衛隊を補完するわけでございますので、自衛隊能力の及ばないそういう作戦を行うという、そういうことを意味しておる、そういう記述でございます。  他方、後段にございます、そういう作戦米軍実施する場合に自衛隊は必要に応じて支援を行うことができるとあるわけですが、これは、米国が行いますそういう打撃力を伴う作戦に対しまして自衛隊能力の及ぶ範囲内で米軍支援するという、そういう位置付けであるということでございます。  ですので、自衛隊米軍と同じような作戦をやるということではございません。といいますのは、打撃力を伴う作戦というのは元々自衛隊ができないので米軍が行うということをここに書いてある、そういうことでございます。ですので、ここに書いてあります自衛隊が行う支援という中身は、これは例えば、まさに補給でありますとか情報提供するという、そういう我々ができる範囲での支援であるという、そういうことでございます。  また、なお、一九九七年のガイドラインにおきましても、自衛隊米軍の役割といいますのは基本的に現行、今回のガイドラインと全く同じでございますので、申し添えたいと思います。
  167. 真山勇一

    真山勇一君 もう一つちょっと懸念を感じるところがあるので、それをお伺いしたいと思うんですけれども、今後、アメリカ軍が打撃力を使用して外国領土内で武力の行使を伴う作戦実施する場合、自衛隊がこれを支援するため外国領土内で支援作戦に参加することがあるんでしょうか、その辺りをちょっと確認したいと思います。
  168. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) 新ガイドラインにおきましては、我が国に対する武力攻撃が発生した場合における領域横断的な作戦の一つといたしまして、米軍自衛隊を、先ほど申し上げました、支援、補完するために打撃力の使用を伴う作戦実施すると。これに対して自衛隊は必要に応じてできる範囲で支援を行うわけですが、ここで言う支援は、先ほど申し上げましたように、自衛隊が行える範囲の支援でございます。  他方、いずれにいたしましても、自衛隊行動といいますものは当然憲法に従って行うということになります。これにつきましては、新しいガイドラインの中にも、まさに憲法及び法令に従うということは明記されておるわけでございますので、したがいまして、外国の領域内、領域に対しまして武力行使の目的を持って自衛隊部隊を派遣するということは、これは一般に許されないわけでございます。そこの部分につきましては、現在、現在といいますか、新しいガイドラインができたという状況の下でも全く変わらないということでございます。
  169. 真山勇一

    真山勇一君 ただ、やっぱり不安というのは、今回、違憲と言われる集団的自衛権ということまで今回の法制ではうたってきているということになると、アメリカから様々な要求が出た場合、それを本当に日本がそのままできるのか、あるいは断れるのか、その辺りというのは来ると思います。  やはり、日本の役割が、その軍事的な役割というのは非常に大きくなってきているということは、これは誰も感じるんじゃないかというふうに思うんです。大臣はちょっと首かしげておられましたが、やっぱり一般的な感覚でいったら多分そうだと思うんですよ、今回のことを見ていますと。やっぱりそういうことがあります。是非、そういう辺り、心配ないとか、そういうことはないということではなくて、やっぱり少なくても国民が不安に思っていること、あるいは普通はこうなんだろうなというごく普通の考え方、それに応えてもらえるような姿勢をやはり見せていただきたいというふうに思うんです。  ここでちょっと政府の方の質問を止めさせていただいて、私たち維新の党が出している法案について、これを、私の同僚議員になるんですが、伺いたいというふうに思うんです。  維新の党の今回の安保法制の法案というのは、政府法案よりも分かりやすくするということで細かく分けた。全部で七本。そして、それプラス領域警備法、これはまだ出ておりませんけれども、それを、領域警備法を除いた今七本が出ているわけですけれども、その中でお伺いしていきたいと思うんですけれども。  政府のその存立危機事態ということの一方で、維新の党が出しているこの法案というのは、やはり自国防衛ということを第一に、より限定的歯止めを掛けたものというふうに作られているというふうな仕組みになっているということなんですけれども、自衛隊の武力行使が可能となる、これはその自国防衛という場合のみというふうに考えてよろしいのかどうか、お伺いします。
  170. 小野次郎

    委員以外の議員(小野次郎君) お答えいたします。  これまでの、個別的自衛権と集団的自衛権とのいわゆる解釈の境界線が常に憲法適合性における合憲と違憲の境界線とは限らないという考え方については、我が党も共有しております。この点において、我が党は、自衛権の再定義を念頭に置きながら、目的、手段、効果のいずれを取っても徹頭徹尾自国防衛のために行う必要最小限度の武力の行使は憲法上容認されるという観点に立って我が党案を作っております。  今般の安保法制では、武力攻撃を受けた米艦を防護することが可能であるかが焦点となっております。この点、政府案は、我が国に戦禍が及ばなくても、すなわち我が国に対する武力攻撃が想定されなくても我が国存立危機に陥る場合があるとして米艦防護を行うことができることを規定しておりますから、憲法が許容する自衛の措置とはとても言えないものが含まれています。  これに対し、我が党案では、戦争の物理的被害たる戦火、戦の火が我が国に及ぶこととなる状況に限って武力の行使を認めることとしており、政府案のように、我が国に対する武力行使が想定されない場合にも武力の行使を認めるということはしておりません。すなわち、条約に基づき我が国周辺の地域において我が国防衛のために活動している外国軍隊に対する武力攻撃が既に発生したという具体的かつ外形的な事態を踏まえて、これにより我が国に対する武力攻撃が発生する明白な危険があると認められるに至ったときに限って武力の行使を認めることとしています。  これに当たるのは、例えば日本周辺の公海上で自衛隊とともに我が国防衛している米艦船が攻撃を受けたという場合において、第二撃が自衛隊の艦船や我が国領域の方に及ぶ明白な危険がある場合にはその第一撃の時点から我々も反撃、撃退の行動に出るというケースでありまして、我が党案は、先ほど申し上げたとおり、徹頭徹尾自国防衛の場合のみに特化しているところでございます。
  171. 真山勇一

    真山勇一君 委員長、時間押しまして大変申し訳ありませんでした。終わります。
  172. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  昨日の理事会で、我が党の仁比議員が示し、資料の確認と提出を求めた統合幕僚長の訪米時の会談記録について、防衛省において同一のものの存在は確認できなかったという報告がありました。同時に、この会談記録そのものは存在するということも認められました。  一方、新聞などでは、政府防衛省幹部のコメントとして、一字一句同じものは存在しないとか、共産党が示した資料には誤字が含まれていたなどの報道がされております。  そこで、防衛大臣にお聞きいたしますけれども、我が党が示した資料と防衛省に存在する会談記録のどこがどう違うのか、お示しいただきたいと思います。
  173. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 黒江局長
  174. 井上哲士

    ○井上哲士君 防衛大臣大臣局長は昨日聞いているんだから、理事会で。大臣だ。
  175. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) 昨日もお答え申し上げましたけれども……(発言する者あり)
  176. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 静かにしなさい。静かにしなさい。  指名は私がします。黒江局長
  177. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) 防衛省におきましてございます河野統幕長の昨年十二月におきます訪米の記録でございますが、この記録とお示しをいただきました資料とは同一のものではなかったということでございます。  他方、河野統幕長の訪米記録、これは米軍側との、米軍あるいは米国防省の高官との間の会談記録でございますので、これは元々会談の内容を公表しない前提お互いに話をしたというものの記録でございます。したがいまして、これにつきまして、どこがどういうふうに細部が違うのかということを一つ一つ細かに明らかにすることは、我々が公表を前提とせずに先方と行ってきた会談の内容を明らかにするということにつながりますので、これは公表できないというのが我々の考え方でございます。
  178. 井上哲士

    ○井上哲士君 現に我々は明らかにしたわけであります。  今、同一のものはないと言いながら、どこが違うかは明らかにできないと。ほぼ同内容があるということを事実上認めていらっしゃるわけですね。  問題は、この統幕長の発言であります。会談記録を見れば、幾つもの重大な発言をしているわけでありますから、資料がないから出せないとおっしゃるのであれば、これは本人に聞く以外にありません。この間、国会招致を求めて理事会協議もしていただいておりますけれども、改めて、このことが必要だということを強調しておきたいと思います。  その上で、この訪米記録は、安保法制について問われて、夏までの成立に言及をしております。先日、小池議員が明らかにした統幕資料は更に、この会談後に作られたものでありますが、踏み込んで、戦争法案の八月の成立、来年二月の施行を前提にして、十二月から第九次の南スーダンPKOを派遣し、二月からは新法制による新たな任務を付与するとしております。極めて重大な中身であります。  防衛大臣は、これについて、これまで順次派遣しており、引き続き既存のローテーションに基づいて部隊を派遣することとなった場合のスケジュールを機械的に示したものだと述べられました。私はそういう問題ではないと思うんですね。  この問題を今日はただしたいわけでありますが、まず、この国連PKOは発足当時から在り方が今日と内容が大きく変化をしておりますけれども、この概要はどういうことでしょうか、防衛大臣
  179. 中谷元

    国務大臣中谷元君) PKO活動、一九九〇年、冷戦後に活発になりまして、我が国もカンボジアからこれに参加をしたわけでございますが、やはり当初は冷戦後の、終結の関係で、紛争解決における国連の役割、こういったものでございましたが、国際社会が対応を迫られる紛争の多くが国家間の武力紛争から一国内における紛争へと変わった結果といたしまして、国連のPKOの任務も多様化をしてまいりました。すなわち、停戦、軍の撤退等の監視といった伝統的なPKOの任務に加えて、文民の保護を含めた多くの分野で活動が広く国連PKOの新たな任務として加わってまいりました。これは、紛争終了後、その当事国の国づくりの取組への支援、そしてそのための安全な環境の創出、これが重要な役割となってきているということでございます。
  180. 井上哲士

    ○井上哲士君 非常に大きな変化をしております。  先日の衆議院の参考人質疑で、PKOに詳しい伊勢崎賢治東京外大の大学院教授は、この国連PKOが変化した結果、停戦が破れ戦闘状態になってもPKOは撤退しません、住民の保護のために武力行使しますと述べ、停戦が破れたら活動停止そして撤退という我が国PKO五原則と乖離している、もう既に現実が、こういう指摘をされております。  その下で今回法改正があるわけでありますが、今日もイラクでの人道復興支援との関係について議論になりました。ちょっと整理をしてお聞きしたいんですが、イラクで行った人道復興支援について、この法案が成立すれば、特措法でなく改正法で派遣できるのかというこの間の問いに、当時のイラクは停戦合意がされている状況ではなく五原則を満たしていないという答弁が繰り返されております。明確な御答弁がないわけでありますが、一方、当時の自衛隊はサマーワは非戦闘地域だということで派遣をされたわけですね。  そこで、お聞きしますけれども、つまり、当時はイラク全土が停戦合意に至っていないという評価をしたわけでありますけれども、サマーワなど特定の地域を対象としたミッション、そこは停戦合意がその地域は認められると、そういうことでそういうミッションがつくられた場合はこの改正法を使った派遣が可能だと、こういうことでよろしいでしょうか。
  181. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 当時、イラクにおきましてはPKO活動自体がなかったということでもございますし、停戦の合意がなかったということで、こういったPKO活動の適用がなかったわけでございます。  一般論として申し上げれば、国連のPKOにおきまして、現在の南スーダンのように武力紛争が終了して……(発言する者あり)イラク、イラクにおきまして、今の視点で改めて当時のイラクの状況を再現して新たな基準に基づいて再評価を行うということは困難でございますけれども、この法案に当てはめをいたしまして、その活動が条件に合うかどうかということでございます。  こういった状況におきまして、まさに各国が連携して行っている当該の国際連携平和安全活動内容、その活動の地域につきまして、まず国際機関、また現地政府等において明確に定められていることをしっかり確認をする、そして、各国における当該活動が行われる地域に関して紛争当事者の停戦の合意及び受入れの同意がある、又は武力紛争が終了して紛争の当事者が存在しなくなったことなど、こういった状況に適用いたしまして自衛隊が参加するかどうかを判断するということでございます。
  182. 井上哲士

    ○井上哲士君 きちっとまともに答えてほしいんですが、当時のイラクは停戦合意がなかったと、だから五原則に外れていたと、これは明確に答えられているんですよ。今度は、特定の地域、つまり全土がそうではなくても特定の地域が停戦合意がされていると。当時はサマーワは非戦闘地域で行ったわけですから、そういう状況があれば今度の新法で派遣ができるんですねということを聞いているんですから、明確にお答えください。
  183. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 当時は国としての停戦がなかったということでございますが、今回は、一般論として、武力紛争が終了いたしまして紛争当事者が存在をしない状況における活動、また武力紛争の当事者が存在していることを前提とする活動の二つの国連のPKOが設立をされている例がございます。このような場合にあっても、我が国が参加する活動が行われる地域において、その活動が参加五原則を満たす限りにおいてこれに自衛隊が参加することは可能でございまして、現にこのような条件を満たす国連の南スーダン・ミッションに対しては自衛隊が派遣をされているということでございます。
  184. 井上哲士

    ○井上哲士君 明確に答えていただきたいんですが、当時のサマーワは非戦闘地域で行ったわけですから、ああいうようなところを限定すれば可能なんですね。明確に答えてください。
  185. 中谷元

    国務大臣中谷元君) サマーワ自体はPKOがなかったわけでございますが、今回は、PKOにおきまして活動する地域におきまして、紛争が終了して紛争当事者が存在しないような状況活動とか、また紛争の当事者が存在していることを前提とする活動とか、そういった活動がある場合におきまして、地域においてその活動の条件が満たされるかどうかということでございます。
  186. 井上哲士

    ○井上哲士君 結局、特定の地域であればできるということですから、もう一回明確に答えていただけますか、もう一回明確に。
  187. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 国連のPKOであれ、また非国連統括型の活動であれ、基本的にはその活動地域は、紛争当事者間の合意文書、またミッションの設立に関する文書等に記載される場合が多いということでございますので、この活動地域、これは客観的な根拠を踏まえて定められるものと考えられますので、これらの根拠を踏まえることなく活動主体が恣意的に決まるということではなくて、しっかりとした論拠、そして文書、またミッション、これの設立、これに基づいて、そこで参加をするということでございます。(発言する者あり)
  188. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  189. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
  190. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 国連など特定をされた地域において、条件に合うところであれば実施が可能ということでございます。
  191. 井上哲士

    ○井上哲士君 つまり、国全体でなくて特定の地域ならできると。ですから、今後、この非統括型のいろんな支援活動ができるようになって、そこを仕切るいろんな国連機関に行って、そういう特定地域のミッションをつくればどんどん行けるようになるわけですよ。ですから、サマーワでも非戦闘地域とはいえいろんな攻撃などがあったわけで、そこにこの安全確保業務を任務として派遣することは非常にこれまで以上に派遣部隊を危険にさらすことになるということを指摘をしなくちゃいけません。  もう一つ、南スーダンが今唯一派遣されているわけですが、この南スーダンの派遣に当たって、停戦合意の成立を含むこの参加五原則はどのように満たされていたんでしょうか。
  192. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 国連の南スーダン、UNMISSは、スーダン政府とスーダン人民解放運動・軍、これの間の武力紛争終結と、それに続く国連スーダン・ミッション、UNMISを、スーダン・ミッションですね、これを経て、南スーダン共和国が独立をしたということに伴いまして新たに設立された活動でありまして、武力紛争が発生していないという前提の下での活動でございます。  すなわち、このUNMISSは、現行のPKO法の三、一に規定する武力紛争が発生していない場合における国際連合の統括下に行われる活動に該当するという状況を踏まえて、これで南スーダン政府からの同意を得て参加をしたということでございます。
  193. 井上哲士

    ○井上哲士君 三条の一項と言われました。  当時、野党であった公明党の議員がこういう質問をしているんですね。紛争が発生していない、だから紛争当事者はいない、よって停戦合意もない、これは五原則型のPKOでは想定されていない事態であり、我が国がPKO部隊を派遣する事態ではない、憲法との整合性を担保する五原則を無視していいのかと政府をただしております。  そして、しかも重大なのは、そういう中で派遣をされましたけれども、そのときよりも極めて今、事態が悪化をしております。派遣二年後の二〇一三年十二月以降に大統領派と副大統領派の抗争を機に情勢は悪化しておりますが、この認識はいかがでしょうか、外務大臣
  194. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 南スーダンにおきましては、二〇一三年十二月十五日にジュバにおきまして大統領警護隊の衝突が起こり、そこから紛争に発展いたしました。その後、予断の許さない状況が続いてきましたが、今般、八月ですが、いわゆるIGAD、政府間開発機構、この調停によりまして合意文書の署名が行われました。  日本政府としましては、是非、こうした取組を通じまして国家建設が進んでいくこと、これを期待したいと考えております。
  195. 井上哲士

    ○井上哲士君 これまでも複数回、停戦合意をしておりますが、そのたびに戦闘が再開をされ、今回も合意後の二十八日にも戦闘があったという報道がされております。  四月に国連事務総長が報告をしておりますけれども、現地の情勢はますます懸念を呼ぶものになっていると。政府と反政府勢力は戦略的要衝で活発な戦闘を続けていると述べた上で、人道状況は引き続き悲惨である、二百万人以上の人々が長期化する危険な状態が原因で彼らの家から追い出されており、その数は増えていると述べております。  事実上、内戦状態とも言っていい状況だと思いますが、認識いかがでしょうか。
  196. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これまで南スーダンで発生した事例につきまして、まず、反政府勢力は系統立った組織性を有しているとは言えないということ、反政府勢力による支配が確立されるに至った領域がないということ、そして、南スーダン政府と反政府の勢力の双方とも、国際連合安全保障理事会を含む国際社会からの敵対行為の停止を求める動き、働きかけに応じて協議を行い、敵対行為の停止について双方が合意に達するなど、以前から事案の平和的解決を求める意思を有していると考えられていることなどを総合的に勘案いたしますと、UNMISSの活動地域において武力紛争が発生したと考えておらず、派遣の前提となる五原則、これは維持されていると考えております。
  197. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、認識が甘いと思いますね。  八月二十五日に国連安保理の専門家パネルから報告が出されておりますが、それによると、政府軍が、反政府軍に対する支援を根絶やしにする目的で村を焼き尽くし、深刻な残虐行為を行っているということが報告をされておりまして、政府軍兵士によって子供が殺害されたり、一部は少年兵として徴用され、女性はレイプされた後、家屋に閉じ込められ、焼き殺されたケースもあったと、こういうふうにされております。  深刻な人権じゅうりんが起こっておりますけれども、これでも治安上の問題であって武力紛争でないと、こうおっしゃるんでしょうか。
  198. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 事案の認識につきましては先ほどお話をしたとおりでございますが、現在、UNMISSの活動におきましては国連活動として継続をいたしておりまして、これまでに南スーダンで発生した事案につきましていろんな情報等を総合的に勘案いたしますと、UNMISSの活動地域において武力紛争が発生したとは考えておらず、派遣の前提となる五原則は維持されていると考えております。
  199. 井上哲士

    ○井上哲士君 二百万人を超える避難民が発生をして、深刻な人権じゅうりんが起きていても、これでも武力紛争ではないと、こうおっしゃるわけですね。私は驚きました。  それだけではないんですね。これ、政府軍の問題なんです。  八月二十一日の国連事務総長報告では、政府の治安部隊によるUNMISSに対する深刻な事態が報告されております。反政府軍じゃないんです、政府軍がやっているんですね。UNMISSと南スーダン政府は地位協定を結んでおりますが、四月十四日から八月十九の間に違反行為が百二件あったと。そして、そのうち五十九件はUNMISSの活動への制限だったと。中には、それ以外には、UNMISS要員に対する攻撃、不当な逮捕、拘束、UNMISS所有物の捜索及び押収、車両の押収、租税の支払、これを政府の治安部隊がやっている、このことを懸念する。百二件のうち九十二件は、スーダン政府の治安部隊がやっているというんですよ。  これでも、こういうUNMISSへの違法行為や国際人道法違反が繰り返し行われているにもかかわらず、合意が維持されていると、こうおっしゃるんですか。
  200. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 政府の認識といたしましては、南スーダンで発生した事案につきましては、我が方の大使館また国連からの情報等を総合的に勘案いたしますと、UNMISSの活動地域におきまして武力紛争が発生したとは考えていなくて、活動が継続されているということでございます。
  201. 井上哲士

    ○井上哲士君 驚くべき認識でありまして、国連の報告書自身も武力紛争と述べているんですよ。事務総長報告でも武力紛争という言葉を使っているんです。それを認めないと。  私は、こういう深刻な状況でも五原則が守られているというのであれば、どんなところでも出せるようになりますよ、どんな事態のところでも。極めて重大ですよ。  冒頭の伊勢崎さんは、インタビューの中で、南スーダンでは現実には交戦を覚悟しなければならない状態の真っただ中にいると、こう指摘をしているんです。しかも、こういう南スーダンで新しい任務で派遣をするということが、あの統幕文書では既存のローテーションとして行うということが書かれているわけですね。  途中でこれは法が施行されますと、この南スーダンの部隊は宿営地の共同防衛、それから駆け付け警護という新しい任務を与えられることになりますけれども、この新しい任務については、紛争当事者、領域国の同意が安定的に維持されると認める場合に限るとしておりますが、先ほど述べたような政府の治安部隊がUNMISSに対して様々な違法行為を行っている事態でも、これは安定的な合意が維持されていると、こう言えるんですか。
  202. 中谷元

    国務大臣中谷元君) UNMISSの状況につきましては、先ほど政府としての分析をしたことを申し述べました。あと、自衛隊等も活動しておりまして、この地域における状況等につきましては、常時、現場に派遣をされている要員から治安状況、安全状況、報告を受けておるわけでございますが、日本活動しているジュバを中心とした地域におきましては、こういった状況が非常に切迫した状況ではないというふうに聞いております。
  203. 井上哲士

    ○井上哲士君 国連の総長報告自身が、先ほど述べたような深刻な事態を明らかにしているわけですね。それをあくまでも認めようとせずにやるというやり方になりますと、本当に私は、深刻な事態になります。  こういう南スーダンの事態の中で、新しい任務、自衛隊がこの駆け付け警護であるとか、それから宿営地の共同防衛ということをやることは何をもたらすのかと。  日本国際ボランティアセンターのスーダン現地代表の今井氏はこう言っています。国連施設の警護は、無防備な住民をテロなどの武装勢力から守るというものではない、民族対立を背景に襲撃してくるのは武装した住民とか民兵なんだと、それに対して同じく武装した住民による反撃が加えられることもある、つまり境界線がないんです。  小野防衛大臣が当時答弁で、自分もあそこに行ったけれども、様々な状況がカオスのような状況になっていると。そういう混乱した状況ですよ、どちらがどちらの部隊か分からないと。そういうときに自衛隊が巻き込まれて発砲すれば、テロリスト掃射ではなくて市民に向けて発砲する危険を含むとこのスーダン現地の今井さんが言われておりますけれども、こういうことになるという認識はありますか。
  204. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 現地の情勢につきましては、先ほど、八月に合意文書が署名されたと申し上げました。八月十七日に合意文書の署名式が行われました。そして、八月二十六日にキール大統領自身も署名をいたしました。そして、八月二十九日の深夜に大統領令が発せられております。恒久的な衝突の停止、そして南スーダン全土において軍事作戦を停止する、こうした指示が出されている、こういった状況であります。  こうした状況我が国としましては引き続き注視をしていきたいと考えています。
  205. 井上哲士

    ○井上哲士君 先ほど言いましたように、停戦はこの間も繰り返し破られてきたわけですね。こういう、本当に民兵や住民がどちらがどちらか分からないような状況で存在をしている中で、日本自衛隊がこういう紛争の中に武力をもって介入をすることになれば、結局常にどちらかの側に、時には両方から敵視をされることになるわけですよ。  だから、日本自身が紛争当事者になる、そういう危険があります。そうなれば、自衛隊員自身が危険にさらされます。住民を殺すことにもなる。それによって、日本に対する平和のイメージと信頼感も一瞬にして崩れますよ。日本に対する敵対感情を巻き起こして、日本の様々なNGOなどの人道復興支援の団体の活動も困難にすると。こういうことが様々な皆さんから指摘をされているわけで、私は、この法案が成立すれば現実のものになるこの南スーダンのPKOの拡大の危険というのは本当に深刻だと思います。  こういうことが、既に派遣をされてきているわけでありますが、一層の危険をもたらすこの法案は廃案にする以外にないということを改めて強調しまして、質問を終わります。
  206. 山田太郎

    ○山田太郎君 日本を元気にする会、山田太郎でございます。  我々、連日この法案に当たって、国会のまず関与ということで、入口、中口、出口論、繰り返しやっております。今日もその辺り、しっかりやっていきたいと思っています。  昨日の参考人のお話でも、国民の理解を得られずに自衛隊が出ていくとその代償は非常に大きいと、こういう話をされました。そういう意味では、まず入口論としては、例外なき事前承認というのが必要なんではないか、こんなところからもう一度話をしたいというふうに思っております。  法律の中では、この武力攻撃事態関連の法律の九条の四項で、要は、「特に緊急の必要があり事前に国会の承認を得るいとまがない場合」はということで、それ以外は全て原則として国会の事前承認が必要だということであります。  ただ、非常に気になりますのは、このいとまという言葉でありまして、さっぱり分からないんですね。ちょっと国語辞典で調べましたら、いとまとは、仕事のないとき、休むこと、職務を辞めること、別れて去ること、離縁、隙間、暇、喪に服して引きこもること、こういうことでありまして、まさか政府が、あるいは国会がこんな状況だというふうには思えませんが。要は、読み替えると暇がないときと、こういうふうにも言えるわけでありまして、実は、これは非常に、私は、この法律が通った場合には、まずここが今回危機的になると思っているんですね。  存立危機事態は、日本がやられているわけでもないのにかかわらず、他国がやられていて、それに対して加担してしまう可能性もある、戦争が起こってしまうかもしれない。政府判断によって戦争が起こってしまう、起こった後に事後承認というふうに言われたところで変えられないわけでありまして、これでいいのかなと。アメリカを始めとした他国は常に戦争をやっているという状態でありまして、それをもって政府だけで、国会が後から承認するということになれば、これはもう歯止めがないと言っても仕方がない状況なんではないか、こういうふうに思うわけであります。  そこで、何度も聞いているんですが、今日は明確に、時間もないので、お答えしていただきたいんですけれども、存立危機事態において、政府には勝手に判断されては困りますので、いとまがない場合というのはどれぐらいの期間をもっていうのか、この辺り、大臣、よろしくお願いします。
  207. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 防衛出動を命ずることについて総理大臣国会の承認の求めを行う旨を記載した上で閣議決定をすることになりますが、ただし、特に緊急の必要があり事前に国会の承認を得るいとまがない場合であると政府判断した場合には、対処基本方針には内閣総理大臣防衛出動を命じる旨を記載した上で閣議決定をすることになります。  すなわち、特に緊急の必要があり事前に国会の承認を得るいとまがない場合であるか否かについて政府として判断をするんですが、このいとまがどのくらいの期間をいうものかということにつきましては、現実に発生した事態の個別具体的な状況によるために、一概にお答えすることは困難でございます。  さらに、いとまがない旨が対処基本方針に記載されるのかということにつきましては、国会に承認を求める対処基本方針に記載される事態認定前提となった事実、事態対処するための武力の行使が必要であると認められる理由などの中で、政府として事前に国会の承認を得るいとまがない場合と判断した緊急性につきまして政府の認識が示されるということになると考えております。
  208. 山田太郎

    ○山田太郎君 何かこの話をしていると私の方が頭がおかしくなってきちゃうんですけれども。要は、そのいとまの基準、期間は具体的にどうなのかと。  要は、私は、国会で承認するには間に合わないというのが多分答えになるのかな、であれば、政府は、国会の承認が間に合わないというのを、具体的にどれぐらいの期間、一週間なのか、それを二週間と考えているのか、いやいや三日と考えているのか、一日だと考えているのか、その辺の見積りが必要だと思うんですね。そうでないと、勝手に、この法律によれば、政府がいとまを判断して、国会の事後承認ということで、国会の事前承認はなおざりになってしまうと。  そういうふうに思いますので、もう一度聞きたいと思いますが、これはあくまでも国会の承認に時間が掛かるから、その期間が取れない、その間対処しなきゃまずいのでやるということでいとまと考えているのか、まずその辺り、大臣、よろしくお願いします。
  209. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 基本的には事前の国会承認でありますが、事前の承認の前であっても、並行して自衛隊防衛出動を命じなければ国民の命と平和な暮らしを守ることができないようなケースがある場合には例外的に防衛出動を命じた後、直ちに国会承認を求めることになります。  この場合には、対処基本方針に事実、また理由、そして判断とした認識、これが示されることになるわけでありますが、この防衛出動を命じたことについて国会が承認するか否かの結論を出すまでにどのくらいの時間を要するかという点につきましては、まさにそのときの国会において御判断をされる事項であると認識をいたしておりまして、これについて政府として見積りを行うということは困難であると考えております。
  210. 山田太郎

    ○山田太郎君 そうすると、このいとまは、国会での対処ということは全く考えずに政府が勝手に判断をすると。国会というのはどうも審議には時間が掛かるし、内容によっては面倒くさいんではないか、こういうふうに野党からああでもない、こうでもないと言われて、いわゆる対応ができなくなってしまうかもしれない。こういうことをもって、このいとまというのを付けて、明確にここで答えられないんでしょうか。  答弁書を見るんじゃなくて、これは非常に重要なことだと思っております。この一線が歯止めとして外れてしまうと、もう何でもかんでも政府は、どんどん存立危機事態、先ほど民主党の大野議員の方からもありましたが、私もあの質疑を聞いていて、なるほど、どんどん広がっていくなと。それが、今度時間的にも、要は、議論されないと、どんどん事後承認、既に紛争状態になってしまった状態から国会承認でやめるなんていう判断は多分できなくなってしまうわけですから、ここはこの法律の最大の私は重要な論点だと思いますので、もう一度、大臣、誠実にお答えいただけないでしょうか。
  211. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 防衛出動につきましては、あくまでも事前に国会の承認を得るということが原則でございますが、やはり国民の命と平和な暮らしを守るというのは政府の責任でございまして、万やむを得ず、国会にお諮りをして承認を求めるというような状況が間に合わないような場合におきましては例外的に防衛出動を命じた後、直ちに国会に承認を求めるということになるわけでございます。  これは、もうあくまでも緊急の措置でございまして、その後、国会に御審議をいただいて承認をいただきますけれども、そこでそれが認められないという場合におきましては、当然のことながらその対応は中止をするということなのでございます。
  212. 山田太郎

    ○山田太郎君 万間に合わないということでは、これ以上話にならないと思うんですよね。ちょっとこれ以上進められないと思うんですけれども。  もう一度是非答えてほしいんですが、そうでなければ私はこれ以上、いや、いとまだとか、万間に合わないとか、緊急性だとか、そんなもので何の法律の歯止めもないということにこれはなってしまいますから、是非、私はこれ以上進められなくなりますから、誠実な答え、大臣、いただけないですか。
  213. 中谷元

    国務大臣中谷元君) いかなる場合が国会に事前承認を求める時間的な余裕がない場合に該当するか、これにつきましては、現実に発生した事態の個別具体的な状況によって一概には申し上げられませんが、例えば存立危機事態について見ますと、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が事前に十分に察知をされず突発的に発生をする、また、これにより間を置かずして我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある状況に至るということは否定できません。極めて短期間のうちにそのような事態に立ち入った場合には、国会承認の前であっても、並行して自衛隊防衛出動を命じて、まず何よりも国民の命と平和な暮らしを守ることが必要ではないかなというふうに考えております。
  214. 山田太郎

    ○山田太郎君 ここで平行線になっていても仕方がないので、委員長、このいとまに関して、是非委員会としてもきちっと答えてもらうように要求したいと思いますが、いかがですか。
  215. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 後の理事会協議をいたします。
  216. 山田太郎

    ○山田太郎君 今の件、是非政府の統一見解、お願いしたいと思います。  もう一つが、今度は逆のパターンもありまして、これ、いとまがない場合、緊急事態の場合、全然その期間が分からないんですが、逆に、昨日の参考人質疑でも実はやらせていただいたんですが、結構対処には時間が掛かるのではないかと、こういうふうにも思っております。  まず、いわゆる存立危機事態に関しては、相手国からの要請が必要だと。その要請をいわゆる在京の大使館又は外電で受け取ると、一応本物かどうかを確認し、外務大臣等々に上がり、横の関係各所に回し、そして内閣官房事態対処室がいわゆる事態対処基本書を起案して書き始めて、そしてNSCが、いわゆる関係四大臣、又はこの場合は九大臣と言っていますから九大臣が集められて、多分法制局のチェックを受けて、そして閣議決定をして国会が間に合わないということを判断するというプロセスになっているということなんですけれども。  ところで、こんなに時間が掛かって、よく安倍総理が言う、又は今日の質疑の中にもありましたが、隣の艦船がやられたということに関して我が国が存立が危機事態になったからといって、これだけのプロセスを取って実際に対処できるのかどうか。これは決して、武力攻撃事態であればもうそのまま対処するということで、要は事後承認ということもありだと思いますが、存立危機事態のような、アメリカが世界でどこかで戦争をやっていることのあおりを受けて、よく分からない形でもって認証して進んでしまって、でもこんなに時間が掛かって、本当にこんなプロセスで、はっきり隣の艦船、私は、今のプロセスを聞くと、まあ一日、どんなに短くても五、六時間は掛かるんではないかと。  対処事態基本書の中もいろんなことを書かなきゃいけないんですよ。認定とか、至った認定、それから事実、それから他に適当な手段がないことの検討、それから必要であると認められるその理由、そして全般的な方針、もういろんなことを書いて初めて対処基本方針書となり、しかもこれが大事なのは、その後、事後承認だったとしても国会で承認されなきゃいけないわけですよね。これ、でたらめ書けば承認されないわけでありますから、きちっとしたものを作らなければいけない。  そうなると、実際この存立危機事態というのはそもそも使えないプロセスの可能性があるんじゃないかなと、こういうふうにも思っているんですけれども、この辺り非常に重要、何のために我々は議論しているのか分からなくなってしまいますので、この辺りも是非教えていただけないでしょうか。
  217. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは、あらかじめそれに備えた準備などを行っておくということでございまして、まず、まさに緊急事態になりますと、情報の収集とか警戒監視体制も相当強化をされるわけでございます。そういった場合におきまして、事態認定などの所要の手続等の在り方等につきましては、あらかじめそういうことに対して準備をしておくようなことも必要でございますし、要は、適切な判断を限られた時間の中で的確に行うということで、情報判断を誤らない、また、対処基本方針に基づく各種の措置を迅速に行うための準備を行っていくということでございます。  これは、武力攻撃事態又は存立危機事態に至ったときは、政府は、事態対処改正法案に基づきまして迅速に対処基本方針を閣議決定するということはもとより、その判断に至った場合に備えた準備を行っていくということが当然でありまして、直面した事態に迅速に的確に対応するとともに、法律に基づいて国会による民主的な統制を確保しつつ、こういった事態対処するということでございます。
  218. 山田太郎

    ○山田太郎君 国会にはいとまがないと言っておいて、自分たちのプロセスはむちゃくちゃ長いと。何だか訳分からないんですけれども。  もう一つ、具体的なこれがどういうふうに対処されるのかというのは非常に気になるところでありまして、本日、いわゆるNSC、国家安全保障局長をお呼びしたんですが、政府の方から、出せないと、こういうふうに言われたようであります。国政調査権、憲法の六十二条の、要は、両議院は各々のいわゆる国政に関する調査を行って、証人又は記録の提出を要求することができるということで、私はこれ憲法違反じゃないかなと。  そもそも、例えば国会のこの決議に関しては政府がコントロールできる、政府は、大臣総理大臣はここに出てきても、いわゆる局長が出てこない。誰が一体このいわゆる国政の中で偉いんだというか、統制が利いているのか、私も国会議員やってやっと三年何ぼになりましたけど、さっぱり分からないというふうに思います。  是非、NSCの局長並びに次長でも構いません、お呼びしたいと思いますが、なぜ呼べなかったのか、この辺り、政府の方から明確な答弁を求めたいと思いますが、いかがですか。これは、政府の方からまずは出せないということを委員部の方からあったということを私は聞いていますので、まず政府に聞きたいと思いますが、いかがですか。
  219. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 国家安全保障局長は、次のような職責を有することから常時その職務に専従させる必要がありまして、政府としては、国会出席して答弁を行うことは差し控えさせていただきます。  まず、理由の第一は、安全保障局に関する政策の企画立案、総合調整に当たるこの保障局の業務を恒常的に処理をし、総理から求めがあればいつでも国家安全保障政策に係るブリーフィングを行う準備を整えておく必要がある、第二に、平素から米国の補佐官のように各国のNSCの責任者と緊密に意思疎通を行うことが期待されておりまして、総理の指示があれば直ちに海外対応を行わなければならない、第三に、緊急事態発生時におきまして、担当大臣等の会議の事務を迅速に処理する必要があるということで、緊急事態に対して直ちに対応できる体制を取ることが必要であるというようなことが理由でございます。
  220. 山田太郎

    ○山田太郎君 時間になってしまいました。  総理にはブリーフィングをする時間があっても、国会国民には全く説明する時間はないと。今度総理が出られたときに総理から指示をしていただいて、この法案は危険な状態でありますので、しっかり国民にブリーフィングしていただくために国会に来ていただきたいと思います。  本日はありがとうございました。
  221. 和田政宗

    ○和田政宗君 次世代の党の和田政宗でございます。  我が党、そして日本を元気にする会、新党改革は、今、安保法制の修正案を出しております。例外なき国会の事前承認ということであります。  今、山田太郎委員より、参考人の要求にお応えいただけないというようなことの指摘がありました。これは理事会協議事項だということは重々承知をしておりますけれども、やはりこれは重要な法案でありますので、そういった実際の様々な判断ですとか関与をする方々から国会が聞きたいというふうに求めているわけですから、これは是非対応をお願いしたいというふうに思っております。  まず、統合機動防衛力についてお聞きをしたいというふうに思うんですが、統合機動防衛力は我が国防衛力を高める新しい防衛力の概念なわけですけれども、今回の法改正にないところについてお聞きをしたいというふうに思います。このままで統合機動防衛力が発揮できるのかという点でございます。  自衛隊法二十二条に、内閣総理大臣は、第七十六条第一項、これは防衛出動、第七十八条第一項、第八十一条第二項、治安出動ですね、又は第八十一条の二第一項、警護出動です、の規定により自衛隊の出動を命じた場合には、特別の部隊を編成し、又は所要の部隊をその隷属する指揮官以外の指揮官の一部指揮下に置くことができるとありますが、防衛出動ではなく、これは部隊の編成という観点でありますから、防衛出動待機の時点から編成できるようにすべきではないでしょうか。そして、部隊の編成については、総理大臣ではなく防衛大臣を命令権者にすべきではないでしょうか。  部隊の編成というのは、これ実務的要素が強いものです。元々防衛庁のときに作られた規定をそのまま放置しているのではないかと考えられますが、いかがでしょうか。
  222. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 御指摘の規定は、防衛出動時における特別の部隊の編成等については、防衛出動等を命じる権限を有するのは内閣総理大臣であり、そのような場合については内閣総理大臣部隊の編成についても決め得るという考えにより得られたものであります。このため、防衛大臣の命令による防衛出動待機の場合については、防衛出動等の場合とは異なるものと考えているわけでございます。  いずれにいたしましても、防衛省としては、平素から有事に備えての万全の準備を整えておくことは当然の責務であり、武力攻撃事態等における部隊の編成についても遺漏なきよう期してまいりたいと思っております。
  223. 和田政宗

    ○和田政宗君 防衛力を高めていくという観点では、この部分はしっかり規定としても設けておかないと、これはもう政府が、まさにおっしゃっています統合機動防衛力、これをしっかりとやっていくという中では私はこれは不足の部分ではないかなと思いますので、引き続き検討をお願いしたいというふうに思います。  そして次に、世界の平和への貢献をしていくという観点から、国連平和維持活動について聞いていきたいと思います。あわせて、国際連携平和安全活動について聞いていきたいというふうに思います。私は、PKO参加五原則について、国連PKOの実態に合っていないのではないかという側面からお聞きをしたいというふうに思います。  これは、出すか出さないかというのは、本体業務については国会が事前承認をしていくわけでございますが、私は様々な今ニーズがあるというふうに思っております。武力行使に当たらないということであれば、日本が国連加盟国としてしっかりとそれに対処をしていくということは重要であるというふうに思っております。  国連PKO活動ですけれども、冷戦後の二十年で大きく様変わりをしていることは皆様御認識のとおりですけれども、PKO法が制定された当時と比較しても、活動のニーズも大きく変化しているというふうに考えております。すなわち、紛争終結後の固い停戦合意を監視するタイプの活動から、紛争は終結しつつも各地で抗争が続く中で、国家再建のための幅広い支援をする活動へと変貌しているわけでございます。多様化した今日の国連PKOにおいては、主要紛争当事者の同意により活動実施されるというケースが増えております。  ところが、今回の政府案ですけれども、従来のPKO活動の場合と同様、PKO参加五原則を満たさない限りは我が国が国際連携平和安全活動に参加することはできないというふうにしております。これでは、近年の国際社会における平和を維持するための多様な活動のニーズに十分に応えることができないのではないかと考えます。我が国実施可能な国際平和協力の幅を広げることができないのではないかと考えますが、政府の見解はいかがでしょうか。
  224. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 今回の法律の整備によりまして、国際社会の平和、そして安全の確保にこれまで以上に積極的に貢献することは可能になるという部分がございます。  このPKO参加五原則というのは、我が国が国連PKO等に参加するに当たって、憲法で禁じられた武力の行使をするとの評価を受けることがないことを担保する意味で策定をされたPKO法の重要な骨格でございまして、その上で、今次の法制が成立をいたしますと、国際的な平和協力活動の多様化、質的な変化を踏まえて、国連PKOや国連が統括しない枠組みにおける国際的な平和協力活動に十分かつ積極的に参加することが可能となるほか、法律に基づいて実施可能な業務についても拡充をいたしておりまして、これにより近年の国際社会における多様な活動のニーズ、これに十分応えることができるものであるというふうに考えております。
  225. 和田政宗

    ○和田政宗君 では、更にお聞きしていきたいというふうに思いますが、これ、武力の行使ができないというのは現行憲法上当たり前のことでありまして、ただ、平和維持活動の多様化に応じていかなくてはならないというふうに考えますれば、このPKO五原則というものは厳しいのではないか。私は、国際基準に合わせたものに変化させていく必要があるのではないかというふうに考えております。  今回の政府案では、国連平和維持活動にいわゆる安全確保業務と駆け付け警護が加えられることに呼応しまして、武器使用に関する第五原則が変更されておりますけれども、これは国連や国際平和への貢献であるわけですから、これにとどまらず、もっと国連PKOの実態に即した形にPKO参加五原則を変更すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  226. 中谷元

    国務大臣中谷元君) いわゆる安全確保業務、また駆け付け警護、これを行うことができるということにつきましては、今回の改正案におきましては、派遣先国及び紛争当事国の受入れ同意が我が国の業務が行われる期間を通じて安定的に維持をされると認められることを要件といたしております。  これは、PKOの参加五原則、これは先ほど述べましたけれども、憲法で禁じられた武力の行使をするという評価を受けることがないことを担保するこのPKO法の重要な骨格でございまして、御指摘のように、抜本的にこれを変えるということは検討していないわけでございまして、この範囲で活動していきたいということでございます。
  227. 和田政宗

    ○和田政宗君 それでは、さらに、他国ができることとの差異という関係からお聞きをしていきたいというふうに思いますけれども、今大臣答弁にもありました、今回の政府による国際平和協力法の改正では、紛争当事者の受入れ同意が安定的に維持されていることが確認されている場合には安全確保業務や駆け付け警護に伴う任務遂行型の武器使用を可能としております。任務遂行型の武器使用を認めることは、日本の国連PKO参加を国際標準に合わせていく上で必要不可欠であるというふうに考えております。  しかし、その前提として、受入れ同意の安定的な維持を要求するということは、危険を顧みずに国際平和のために汗をかいている他国軍隊もいる中で、受入れ同意の安定的な維持が保たれていなければ安全確保業務や駆け付け警護を実施しないという自衛隊の態度、これは他国から見たら自己中心的と評価されるのではないかという懸念もあります。その点はどういうふうに説明していくんでしょうか。
  228. 中谷元

    国務大臣中谷元君) いわゆる安全確保業務また駆け付け警護を実施する場合には、まず紛争当事国の停戦の合意、そして参加五原則が満たされているということ、かつ派遣先国及び紛争当事国の受入れの同意が業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められるということが要件となりまして、つまり、国又は国に準ずる組織が敵対する形で登場しないということが確保され、PKO改正により追加されるこれらの業務で自衛隊活動が憲法の枠内で行われるということを担保いたしております。  その上で、安全確保業務の実施に当たりましては、ミッションの要員等の安全確保を含む業務であり、途中で離脱をした場合には国連PKO等の活動全体に支障を招きかねないために、そのようなことがないように、当該の業務の実施判断する際に、当該業務が行われる期間を通じて受入れ同意が安定的に維持をされるということについて慎重に判断をすることといたしております。  各国とも自国の関係法令また政策に基づいてPKO等に参加するものと承知しておりまして、政府としても、参加五原則を堅持した上で、憲法の許容する範囲内で国際社会のニーズに最大限対応したいと考えているわけでございます。
  229. 和田政宗

    ○和田政宗君 国連PKOの実態については今日もずっと審議をされておりますけれども、改正PKO法と国連PKO活動の現状について更にお聞きをしていきたいというふうに思いますが。  昨年七月の閣議決定、政府は、当事国、当事者の受入れ同意があれば、紛争当事者以外の国家に準ずる組織が敵対するものとして登場することは基本的にないと考えられるとの認識を示しておりますけれども、しかし、このような認識というのは、私は現況の国際平和協力活動が直面している課題に即して言えば甘過ぎるのではないかというふうに思います。  現代の中東、北アフリカ、西アフリカにおける秩序の不安定化、これは広域に偏在する越境型、高度化の武装組織による破壊活動によってもたらされているわけでございます。こうした地域に展開される現代の国連のPKO活動には、越境型、高度化の過激組織のテロ活動や急速な治安の悪化などの事態の変化に対応することが求められているわけです。今回の政府案、ちょっと悪い言い方を、悪く言えば、時代遅れのこれ議論になっているのではないかなというふうに思っております。  先ほどイラク復興支援の例には対応しないというふうに答弁がありましたけれども、PKO法を改正することによりまして、結果として、PKOの派遣地域が限定をされたり、自衛隊員が適切に武器を使えずに危険な状況に見舞われたりすることは、本来の目的ではないはずだというふうに思っております。  本気で国際平和への貢献をするならば、より最近の国連PKOの実情に即したPKO協力の法的基盤を形成すべきではないかというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  230. 中谷元

    国務大臣中谷元君) まず、今回の法律の改正は、現行の憲法、これの枠内で改正をするものでありまして、PKOの参加五原則、これは、我が国が国連PKO等に参加するに当たって、憲法で禁じられた武力の行使、これをするとの評価を受けることがないことを担保する意味で策定されましたPKO法の重要な骨格でございます。  その上で、昨年七月の閣議決定におきまして、過去二十年以上にわたる我が国のPKO活動等の経験から、この参加五原則の枠組みの下で、受入れ同意をしている紛争当事者以外の国家に準ずる組織が敵対するものとして登場することは基本的にないと考えられることとしたことでございます。今回の改正に当たっては、これらの考え方、また近年の国連PKOの実情等も十分に踏まえつつ検討を行いました。  同時に、自衛隊員の安全の確保にも十分配慮をいたしまして、そのための関連規定も新たに設けまして、各国とも自国の関係法令、政策に基づいてPKO等に参加するものと承知をしておりまして、政府としても、参加五原則を堅持した上で、憲法の許容する範囲内におきまして今後も国際社会のニーズに対応したいと考えております。
  231. 和田政宗

    ○和田政宗君 これは、武器使用権限も含めて、やはりいざというときに自衛隊員の命が守れるということ等、やはり実態に即した形に私はすべきだというふうに思っておりまして、大臣がおっしゃられることはよく分かるんですけれども、それが果たして実態に即しているのかということはしっかり議論としても問うていきたいというふうに思います。  もう一点、これ通告ないんですが、これまでの答弁で出てきているのでお聞きしたいんですけれども、これ、イラクの復興支援のような事態に対して、私は特措法を作ってでもやるべきだというふうに思うんですが、政府は、これはもう今回のPKOのこの関連法案の改正によって、もうそういった考えは取らないということでしょうか。確認をしたいと思います。
  232. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 今後のこの活動等に当たりましては、今回、PKO法を改正をいたしまして、原則として、参加五原則と同様の厳格な原則の下に、国際社会の様々な状況に対して必要な活動を十分実施できるものと考えておりまして、特措法で対応するということは想定はしておりません。
  233. 和田政宗

    ○和田政宗君 であれば、必要に応じて立法府である参議院なりがしっかりと議員立法でやっていかなくてはならないというふうに考えております。  時間ですので、質問を終わります。
  234. 中西健治

    中西健治君 無所属の中西健治です。  今日は、政府が憲法解釈を変更する根拠として主張をする昭和四十七年政府見解作成当時の事実認識についてお尋ねしたいと思います。  政府は、昭和四十七年十月十四日に二つの政府見解を出しました。今、資料をお配りさせていただいていると思いますが、一つは、今般政府が当てはめ部分を変更したと主張して非常に有名になった政府の見解、「集団的自衛権と憲法との関係」、これは内閣法制局クレジットで出されているもの、これが資料一です。これはもう皆さん何度も何度も御覧になったものだと思います。もう一つが資料の二枚目ということでありますが、同じ日の参議院の決算委員会に提出された政府資料、「自衛行動の範囲について」というものであります。こちらの方は防衛庁のクレジットで出されていたということだと思います。  この二つの政府見解については、八月十九日の本委員会で取り上げて政府の統一見解を求めました。そして、政府の統一見解受け取りましたけれども、その内容が極めて不十分なので、結論だけが書かれている極めて不十分なものなので、再度質問したいというふうに考えております。  まず、防衛大臣の基本的認識を伺いたいと思います。  この二つの政府見解は、同じ議員の質問に答える形で同じ日の同じ委員会に提出されたものでありますから、当然、両方併せて読むべきものだという認識でよろしいでしょうか。
  235. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 四十七年見解では、基本的な論理を示して、これに当てはまる例外的な場合といたしまして、当時の認識として我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるという見解が述べられておりまして、その結論においては従来の自衛権発動の三要件と同じことを述べているものでございます。  一方、自衛行動の範囲につきましては、従来の自衛権発動の三要件、これを前提として、我が国に対して外部からの武力攻撃がある場合において我が国の武力の行使として行う自衛行動の地理的な範囲を説明したものでございまして、二つの資料が矛盾するものとは考えていないということでございます。
  236. 中西健治

    中西健治君 矛盾するものかどうかと聞いているのではなくて、相互に関連するものなので当然併せて読むべきだ、併せて読むことによって理解が深まるものである、そうしたものだという認識でよろしいでしょうか。
  237. 中谷元

    国務大臣中谷元君) そのとおりでございまして、当時の基本的な論理に基づいてこの防衛省の考えが示されたと理解しております。
  238. 中西健治

    中西健治君 では、確認ですけれども、安倍総理中谷大臣も、安全保障環境の変化としてグローバルなパワーバランスの変化ですとか北朝鮮の弾道ミサイル、核兵器の開発、こうしたものをそうした事情として説明をされていますけれども、この二枚目の資料、「自衛行動の範囲について」、私が赤い線を引かせていただいておりますけれども、赤い線の二行目、「そのときの国際情勢、武力攻撃の手段・態様」と、この国際情勢や武力攻撃の手段、態様というのは、総理中谷大臣がおっしゃる安全保障環境の変化といった事情に当てはまるということでよろしいでしょうか。
  239. 横畠裕介

    政府特別補佐人横畠裕介君) 四十七年の政府見解の結論は、まさに、我が憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは我が国に対する急迫不正の侵害に対処する場合に限られるということでありまして、従前の自衛権発動の三要件の第一要件と同じことを述べております。  まさにこれと関連するものとして御理解いただければと思いますけれども、御指摘の防衛庁の資料でございますが、これは、冒頭書かれておりますとおり、憲法第九条の下において許容される自衛権の発動については、政府は、従来からいわゆる自衛権発動の三要件、中略、に該当する場合に限られると解しているという前提を置きまして、その下での、二以下において、我が国の領土、領海、領空においてばかりでなく、周辺の公海、公空においても行うことができる、いわゆる海外派兵については一般的には許されないけれども、誘導弾の基地をたたくということは例外的に可能であるということで、自衛行動の地理的な範囲について述べているわけでございます。  お尋ねの点については、まさに憲法第九条が許容している自衛行動の地理的範囲についてどのような要素判断するかということについて述べたものであると理解しております。
  240. 中西健治

    中西健治君 全然聞いたことと違う答弁が来ております。  私が聞いたのは、この防衛庁が出している資料、ここで国際情勢や武力攻撃の手段、態様という言葉がありますけれども、これは、常日頃から中谷大臣総理説明している安全保障環境の変化、こうした事情を指しているんですかということを聞いているだけじゃないですか。  今全然違う答えをいただいていますけど、中谷大臣、お願いします。
  241. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 今日読ませていただきましたが、この憲法九条が許容している自衛行動の範囲について、その具体的適用が個別の場合にどのようであるか明確にされたいとの御趣旨と思われますが、現実の事態においては、広範にわたり、そのときの国際情勢、武力攻撃の手段、態様により千差万別であり、与えられた与件のみを仮定で論じることは適当でない。つまり、九条の地理的範囲がどの程度になるかということに関しては、国際情勢、また手段、態様により千差万別であるというふうに答えたものではないかと思います。
  242. 中西健治

    中西健治君 済みません、非常に基本的な質問をしていると思います。簡単な質問をしているんじゃないかと思います。国際情勢や武力攻撃の手段、態様という言葉防衛庁の資料では出されています。これはまさに安全保障環境の変化として中谷大臣総理説明するものを指しているということですよねと、それだけ聞いているんです。(発言する者あり)
  243. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  244. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) それじゃ、速記を起こしてください。
  245. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この四十七年の防衛省の文書におきましては、与件で判断をするのではなくて、そのときの状況の中で個別具体的に判断をしていくものであると述べたものでございます。  私とか総理が述べていることにつきましては、この環境の変化は当時と違うということで、そういった認識はそれは違うという意味で、基本的に違うのではないかと思っております。
  246. 中西健治

    中西健治君 ちょっと何が違うかよく分からないんですが、私、この質問に時間を使いたいと思って質問しているわけではないんです。  当然、これは国際情勢や武力攻撃の手段、態様に当たるであろうというふうに思っております。その中で、私、この政府見解、防衛庁の政府見解を見ると、そのときの国際情勢、武力攻撃の手段、態様等、今、実際大臣もおっしゃられたとおり、千差万別であり、限られた与件のみを仮設して論ずることは適当でない、こういうふうに言っているわけですよね。この一つ目の今までの四十七年の政府見解と併せて読むと、当時の政府認識というのは、安全保障環境の変化にかかわらず集団的自衛権の行使は憲法上許されないと解するのが正しいんじゃないですか、これ二つ併せて読むと。
  247. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 先日もお答えしましたが、当時の基本的論理の認識において防衛省が書かれているということで、そういう認識に基づいて書かれたものであるというふうに思います。
  248. 中西健治

    中西健治君 もう一度聞かせていただきますが、資料三も御覧になりながら聞いていただきたいと思いますけれども、政府は、四十七年当時は我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみ存立危機事態のようなことが起こるという事実認識に立っていたから、安全保障環境の事実認識が変われば四十七年の政府見解も変更し得るんだ、こういうふうに説明をしてきていると思いますが、もう一つの防衛庁クレジットの政府見解では、四十七年当時から、安全保障環境について、千差万別だ、限られた与件のみを仮設してはならない、こう言っているんじゃないんでしょうか。安全保障環境の変化ですとか政府の事実認識の変化で四十七年の政府見解を改めるというのは無理があるということじゃないでしょうか。(発言する者あり)
  249. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記止めてください。    〔速記中止
  250. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
  251. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この四十七年につきまして、この文書の当時の考え方におきましては、基本的論理、これを当時の時代を当てはめて考えていたわけでありまして、当時は個別的自衛権しか認めていなかったという状況でございます。  ここで書かれているのは地理的範囲というようなことで、この状況におきましてそれは千差万別であるというふうに書かれているものであると思っております。
  252. 中西健治

    中西健治君 地理的範囲と限定されている話じゃこれはないと思うんです。  この防衛庁の資料の五番を見ていただきたいと思います。この五番は、「憲法第九条が許容している自衛行動の範囲について、」という文言で始まって、そして最後の方は、「現段階において憲法論としては抽象的な原理・基準でやむを得ないものと考えられる。」。まさに憲法論を展開しているんじゃありませんか。地理的範囲の話ではなくて、憲法論の自衛権の範囲というものはどういうものなのか、こうしたことを言っている、そういう文書じゃありませんか。  四十七年政府見解、もう一つのものも含めて、その当時の自衛権というものはどういうものか、そうしたものを述べているのが資料一であり、資料二じゃないでしょうか。
  253. 中谷元

    国務大臣中谷元君) いや、私は、当時は個別的自衛権しか認められていないということで、じゃ、どこまで認められているのかということでこの地理的範囲ということでございまして、それは、ここに書かれているように、情勢等において千差万別である、九条の地理的範囲について述べたものであると。つまり、個別的自衛権しか認めていないという前提で書かれたものであると認識しております。
  254. 中西健治

    中西健治君 お尋ねしますけれども、その地理的範囲というのはどこに書かれていますか。私、今、五番は憲法論を展開していると、こういうふうに申し上げましたけれども、どこに書かれているんでしょう。
  255. 中谷元

    国務大臣中谷元君) どこまで行動できるのかということでございます。
  256. 中西健治

    中西健治君 もう一度質問しますが、どこにそれは書かれているんですか。これは、まさに憲法論が展開されているものじゃないでしょうか。
  257. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この一の最初の行の最後に、自衛権発動の三要件、我が国に対するということで、これはあくまでも四十七年の政府見解の三要件と、個別しか認めていないということでございます。  そして、この自衛行動の範囲ということにつきましては、どこまで行動できるのかという意味であると認識しております。(発言する者あり)
  258. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 中西君、質問を続けてください。(発言する者あり)質問を続けてください。
  259. 中西健治

    中西健治君 政府が主張するこの当時の事実認識、これがそれこそ限られた与件を仮設してしまっている、そういうことになりませんか。
  260. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この文書の中に、我が国の領土、領海、領空とか、周辺の公海、公空、また自衛の行動できる公海、公空の範囲、また他国の領土、領海、領空等ありますので、あくまでもこの三要件、つまり、個別的自衛権で認められたことでどこまで自衛の行動の範囲が認められるかということで、この範囲を述べたものであると私は認識をいたしております。
  261. 中西健治

    中西健治君 いや、済みません、私、次の質問をして、それに答えていただいていないんです。  前の質問に対して今答えようとされたということだと思いますが、政府がこれまで事実認識、四十七年の事実認識はこれのみだ、我が国攻撃されたときのみだと、そういう事実認識しか持っていなかったというふうにおっしゃられていますけれども、それは臆測にすぎないんじゃないですか。決め付けじゃないですか。何か証拠を示すことができていますか。
  262. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 先ほど答えさせていただきましたが、当時の基本的論理に基づいて当時の時代を当てはめていたということでこれが書かれたということでございます。
  263. 中西健治

    中西健治君 答弁が全く私の質問に対して正面から答えているものではないということを申し上げて、非常に残念だということを申し上げさせていただきます。  終わります。
  264. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  河野克俊統合幕僚長の米軍幹部への発言は、立法府の否定です。憲法と国民に対するクーデターです。大臣、罷免すべきではないですか。
  265. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この件につきましては、資料の確認がございまして、その存在の有無を調査いたしましたが、当該資料と同一のものの存在が確認できなかったということでございます。
  266. 福島みずほ

    福島みずほ君 ただし、夏までに法案を成立させるという部分は言っているんでしょう。
  267. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この点につきましては、資料そのものの存在が確認をできなかったということでございます。
  268. 福島みずほ

    福島みずほ君 問いに答えてください。夏までに法案を成立させると言っているんでしょう。
  269. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 会談ではなくて会見ですか。
  270. 福島みずほ

    福島みずほ君 いや、問いに答えてください。
  271. 中谷元

    国務大臣中谷元君) もう一度質問をお願いします。
  272. 福島みずほ

    福島みずほ君 時間がもったいない。  夏までに、夏までに法案を成立させるということは言っているんでしょう。
  273. 中谷元

    国務大臣中谷元君) それが提示された資料の、基づくことでございましたら、その資料を確認したところ、同一のものの存在というものは確認できなかったことでございます。
  274. 福島みずほ

    福島みずほ君 問いに答えていないですよ。そういう言葉があるんですか、ないんですか。  じゃ、お聞きします。確認したもの、大臣が。
  275. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 委員会に提示された資料にはございますが、それを確認をいたしまして、その存在は確認をできませんでした。
  276. 福島みずほ

    福島みずほ君 実際のやり取りを聞いているのに残念です。  持っている資料を出すように理事会で諮ってください。
  277. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 私からの質問ですが、何の資料を出せとおっしゃっているんですか。
  278. 福島みずほ

    福島みずほ君 その同一のものではないとおっしゃっているので、その資料を理事会に出してください。
  279. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) もう一度質問しますが、その資料の意味もよく分かりませんし、同一のものということも私は分かりません。それを理事会に諮ることがまだ理解できていません。しっかりと説明してください。
  280. 福島みずほ

    福島みずほ君 これは共産党が入手した資料と違うものであるということなんですが、じゃ、どういうやり取りをしたのか、その資料、防衛省が持っている資料を出してくださいということです。
  281. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) その件につきましては、ただいま理事会において協議を継続しているところなんです。
  282. 福島みずほ

    福島みずほ君 じゃ、それはよろしくお願いします。  民間人の協力についてお聞きをします。  発進準備中の戦闘機への給油や整備、弾薬提供、武器の運搬などを民間企業が行うことはありますか。大臣
  283. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 国際平和支援法十三条、これは、国際平和共同対処事態において、政府だけでは対応措置を十分に実施することができないと認めるときに、国から民間企業等に対して協力を依頼することができることを規定したものでございます。また、これによって、民間企業等に対して何ら協力を強制するものではございません。
  284. 福島みずほ

    福島みずほ君 質問に答えてください。発進準備中の戦闘機への給油や整備、弾薬提供、武器の運搬などを民間企業が、この十三条は何も例外規定を設けておりませんから定義上当てはまるということでよろしいですね。
  285. 中谷元

    国務大臣中谷元君) このような本条の趣旨を踏まえた上で、民間企業に対して政府協力を依頼する内容につきましては、法律上、特に制限があるものではありませんが、一般的には、発進準備中の航空機への給油、整備、また弾薬の輸送といった諸外国軍隊等に対する支援は、その性質上、自衛隊部隊が自ら実施することになると考えております。  いずれにしましても、民間企業に対して協力を依頼する場合には、具体的な支援ニーズに基づいて、当該企業の方針、意向を尊重しつつ、慎重に検討することとなりますし、この際、依頼された民間企業に対して何ら協力を強制するものではなくて、当該企業は通常の契約、これを締結する際と同様に、民間企業自らの判断協力依頼、これを拒否することもできるし、また協力を拒否したとしても強制措置がとられることはないということでございます。
  286. 福島みずほ

    福島みずほ君 事前のレクでは法文上は排除されていないというのを聞いておりますが、法文上は何も除外規定はありません。そうすれば、法文上は発進準備中の戦闘機への給油もできるんじゃないですか。
  287. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは、基本的に、発進準備中の航空機への給油、整備、弾薬輸送といった諸外国の軍隊に対する支援は、その性質上、自衛隊部隊が自ら実施することになると考えられます。  また、民間企業に協力を依頼する場合には、この企業の安全が十分に確保されていることが当然の前提でありまして、戦闘行為が発生したり、そのおそれがあるような危険な地域において、民間企業に行っていただくことはあり得ません。また、法律上、政府だけでは対応措置を十分に実施することができないと認めるとき、国以外の者に協力を依頼することができる旨定められているとおり、本来自衛隊が行うべき諸外国軍隊等への協力支援活動の言わば肩代わりとして、自衛隊がこれを実施できるものにかかわらず、あえて民間企業に行っていただくということはあり得ないと考えております。
  288. 福島みずほ

    福島みずほ君 重要なことは、条文上は物品役務提供について協力を依頼することができる。条文上は何の除外規定もありません。これ、国以外の者による協力ですから、地方公務員も入りますね。
  289. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 地方公共団体は入ります。
  290. 福島みずほ

    福島みずほ君 十三条は役務提供とあるだけで、何も、例外規定も、場所の限定も、それから仕事の例外もありません。事前のレクではこれは入るというふうに聞いております。政策上の話を大臣はされましたが、法文上は何も除外規定がないということが重要だと考えます。極めて危険なことを民間や地方公共団体の職員がやることがあり得るということが、法文上は除外されていないということが重要です。  次に、自衛官募集の住民票閲覧やダイレクトメールの数についてお聞きをいたします。  去年七月一日、総理大臣が集団的自衛権の行使を合憲とする閣議決定をした七月一日に、全国一斉、かなりダイレクトメールが高校三年生に送られました。手元に配付資料を出しておりますが、これは女の子、十八歳、高校三年生、「きっと見つかるきみの道」というので、もっと詳しいパンフレットが来ております。  これは防衛省の指示ですか。それから、どれぐらいダイレクトメールを去年七月一日に出したんでしょうか。
  291. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは、各県の地方協力本部、これが中心に自衛官募集に係る業務をしているということでございます。これは、この法律審議されるような時期からではなくて、私の認識によりますと、以前からこういった募集活動実施していたような気がいたします。
  292. 福島みずほ

    福島みずほ君 そもそも、住民票を自由に閲覧し、その情報をもらうのは自衛隊だけなんですよ。これは別に明文規定で、個人情報提供してもよいという明文条項があるわけではないのに、そういう情報を積極的にもらっているのはまず問題です。でも、今日の質問趣旨はどれぐらい出しているかということです。  じゃ、質問変えます。  平成二十六年度における自衛官募集のためのダイレクトメールの経費、郵便料、切手代は約二千万円ということでよろしいですか。
  293. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 自衛官募集のために防衛省が郵送したダイレクトメールに関わる経費の額は、平成二十六年度におきまして約二千万円でございます。
  294. 福島みずほ

    福島みずほ君 二千万円を八十二円で割ると二十四万三千九百二通、十八歳人口は二〇一四年度で約百十八万人ですから、全十八歳の二〇・七%、二〇%に対して送っている計算になります。  税金使ってやっているんですが、十八歳の、自衛隊だけですよね、住民票の情報を全部自由にもらって二割の人に送っている。この中には、例えば「きっと見つかるきみの道」で、「平和を、仕事にする。」というので送っております。これはまさに、二割の人に送っている。これはかなりの数で、経済的徴兵制というか、もし仕事がない、雇用がない、奨学金もらいたいと思うときは、これになっていくのではないでしょうか。  大体二割ぐらい送っているという認識でよろしいですか。
  295. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 自衛官の募集に関しまして必要となる個人の氏名とか情報等を基に用いられているものでございますが、情報を何名保有しているか、また自衛官の募集事務の遂行を集計する上においては集計をしていないということで、お尋ねにお答えするということは困難でございます。
  296. 福島みずほ

    福島みずほ君 個人情報を取っていることが問題ですが、大体二割の人に送っている。なぜ十割じゃなく、二割をどういうふうに選んでいるのか。あと、これには、パンフレットには、学位取得や学生手当支給の宣伝もありますし、奨学金を受けている学生の急増という実態を考えれば、本当に経済的徴兵制ともいうべき状況ができ上がっているというふうに思います。そもそもこういう形のダイレクトメールで送ることをやめるべきですし、これはやはり法律上の根拠がない違法なものだというふうに思っております。  こういうダイレクトメール、やめるべきではないですか。しかも、そもそも七月一日に、集団的自衛権の行使を合憲とした日に一斉に届いたんですよ。それ、ひどくないですか。
  297. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは毎年行っていることであると認識しております。  それから、法律の規定におきましては、自衛隊法九十七条一項及び自衛隊法施行令第百二十条の規定によりまして、防衛大臣が市町村長に対して提出、これを、個人の氏名、生年月日等の情報に関する資料の提出を求めることができると。また、防衛大学校、防衛医科大の学生、自衛隊高等工科学校の生徒の募集につきましては、住民基本台帳法第十一条第一項に規定するものといたしまして、住民基本台帳の一部の写しの閲覧請求ができるものと解しております。
  298. 福島みずほ

    福島みずほ君 徴兵制についての議論がこの委員会で行われておりますが、こんなに大量に住民票を自由に使ってダイレクトメールを送り付けている、高校三年生などに、これは自衛隊だけです。まさにこれは、もうダイレクトメールで高校三年生に送り付ける、私は、徴兵制というか、経済的徴兵制としてやり過ぎであるというふうに考えています。違法でやめるべきだということを強く申し上げます。  大臣大臣発進する戦闘機に関してクラスター爆弾や劣化ウラン弾が載らないように協議し、かつチェックをすると私の質問におっしゃいました。しかし、白眞勲さんの質問に対しては、核兵器や核爆弾が発進する戦闘機に載ることについては法文上除外されていないとおっしゃっています。これは法律論と政策論ですが、つまり、発進する戦闘機に核兵器、劣化ウラン弾、クラスター爆弾、核爆弾が搭載されるということは法文上除外されないということでよろしいですね。
  299. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 核兵器などの大量破壊兵器、これは累次お話をいたしておりますが、運ぶことはありません。また……(発言する者あり)それから、劣化ウランとかクラスター弾につきましては、運ぶことは想定していないということでございます。
  300. 福島みずほ

    福島みずほ君 そんなこと聞いていないですよ。法文上除外されていないということですよ。白眞勲さんのに、除外されていない、法文上入ると言ったので、劣化ウラン弾、クラスター爆弾も、核兵器と核爆弾が入るのにクラスター爆弾と劣化ウラン弾が法文上除外されるなんということはないですから、法文上除外されませんねという質問です。発進する戦闘機が載っけているものです。
  301. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 法文上は除外されておりませんけれども、クラスター弾に対する条約がございますし、それを保有する予定もございませんし、また劣化ウランを搭載した戦闘機に対する給油も想定をしていないということで、そういうことは実施はしないということでございます。
  302. 福島みずほ

    福島みずほ君 でたらめですよ。だって、法文上は除外されていなくて、定義上除外されていないと答えているじゃないですか。じゃ、私に対してチェックするとか協議するというのはうそじゃないですか。劣化ウラン弾を運搬する協議をしていると言って、それがうそだったように、そんな協議は未来も起きないんですよ。うそばっかりつくなというふうに申し上げます。でたらめ言うなと。人によって答弁変えるのはやめてください。矛盾しているじゃないですか。法律上除外されていないんだったら、除外されていないと言ってくださいよ。やらない協議をやるといううそをつくのはやめてください。  でたらめな答弁で、こんな法案審議はできない、そのことを申し上げ、私の質問を終わります。
  303. 主濱了

    ○主濱了君 生活の主濱了であります。  早速質問に入ります。まず、第一番が武力行使新三要件の認定等についてお伺いしたいと思いますが、よろしいですか。  武力行使新三要件の第一に、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したことは、これは客観的事実であります。一方、我が国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険があること、これは主観的な判断部分であります。  いずれにしても、この武力行使新三要件に該当するか否かをいかなる時点で、どなたが、どのような基準で、どのような手続を経て認定をするのか、まずこれを伺いたいと思います。
  304. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 我が国が武力の行使を行い得るのは新三要件を満たした場合に限られますが、これは憲法上の明確かつ厳格な歯止めになっておりまして、今回、法の整備でこれを法律に過不足なく明確に書き込まれております。  この新三要件は国際的にも極めて厳しいものでございまして、その時々の内閣、これが恣意的に解釈できるようなものではないということ、そして存立危機事態に至ったときは、政府事態対処法の改正案の第九条に基づきまして、事態の経緯、事態存立危機事態であることの認定、その前提となった事実、また、他に手段がなく、事態対処するための武力の行使が必要であると認められる理由などを記載した対処基本方針を閣議決定して、これで国会に求めるということでございます。  したがいまして、誰が決めるかといいますと総理大臣でございますが、閣議決定をいたしますので、内閣としてこれを決めるということになることでございます。
  305. 主濱了

    ○主濱了君 今の答弁、結果として全く何も基準はないんだと、こういうふうなことになりますね。五つの基準は確かに決めておるのは分かっております。しかし、それを具体的に示せない、こういうふうな曖昧な基準であると私はまず思っております。  次の質問に進みますが、戦後レジームからの脱却、この意味を防衛大臣はどのように理解しておられますでしょう。
  306. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは安倍総理国会において答弁されておりますが、七年間の占領時代につくられた我が国の基本的な大きな仕組みについては、変えられないと諦めるのではなくて、二十一世紀となった今、時代の変化に伴い、そぐわなくなった部分については、自分たちの力で二十一世紀の現在にふさわしい新たな仕組みに変えていくことだと考えていますと答弁をいたしております。  我が国の平和国家としての歩みというのは変わることはありません。しかし、七十年前と現在とでは大きく世界が変化をしております。政府は、今まさに我々が直面している安全保障環境を踏まえて、万が一のために隙間のない備えをつくり、国民の命、平和な暮らしを守り抜いていく責任があるということで、平和安全法制はそのために必要不可欠であると認識しております。
  307. 主濱了

    ○主濱了君 戦後日本は、さきの大戦における多大な犠牲、そしてその反省に基づいて、今、平和憲法の下で、一つは国民主権、あるいは基本的人権、平和主義、これを原則として歩んでいるわけであります。戦後レジームからの脱却、今も戦後なんですよね。この平和憲法も戦後なんですよね。これからの脱却というのはまさに戦前への回帰ではないか、こういうふうに思わざるを得ないわけであります。  これを前提にしまして次の質問をしたいと思うんですが、端的に言いまして、武力行使新三要件は戦前の軍部の思考に近づいている、私はこのように思っているのであります。  実は、こういうもの、(資料提示)これが一九三八年、昭和十三年六月、「軍艦外務令解説」、海軍大臣官房と、こういうもの、先生も見たことありますか。大臣は御覧になったことあると思いますが、この一九三八年、昭和十三年発行の海軍大臣官房「軍艦外務令解説」、これには、山本五十六海軍次官が、海軍士官の実務に資し研究材料として適当なるものと認むと、昭和十三年六月に記しているものであります。  この「軍艦外務令解説」に、実は自衛権を行使し得る条件が記されているのであります。その自衛権を行使し得る条件というのの第一が、国家又はその国民に対し急迫せる危害あること、これが第一の要件であります。次は、危害を除去するに他に代わるべき手段なきこと。それから三つが、危害を除去するに必要な程度を超えざること。それから四つ目、危害は自己の挑発したるものにあらざること。五つ目が、危害が自衛行為を加えられるべきものの不法行為又は怠慢に基づくものなること。こういうふうにあるわけであります。  この「軍艦外務令解説」の自衛権を行使し得る条件の第一の条件、今申し上げました国家又はその国民に対し急迫せる危害あること。これと、安倍政権の武力行使新三要件の第一の主観的部分の、要するに、いかようにでも、いかようにでも解釈できる主観的な判断部分、それはこういうことですよね、先ほど申し上げました我が国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険があることということで、いかようにでも解釈できるわけですよ。  こういうことで、かなり近いというふうに思いますけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。
  308. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 我が国が武力の行使を行い得るというのは新三要件を満たす場合に限られますけれども、これは憲法上の明確な厳格な歯止めになっておりまして、今般の法整備においても過不足なく明確に書き込まれております。新三要件は、国際的に見ましてもほかの国に例のない極めて厳しい基準でありまして、その時々の内閣が恣意的に解釈できるようなものでは決してございません。  さらに、実際の武力の行使を行うために自衛隊防衛出動を命じるに際しましては、これまで同様、原則として事前の国会承認を求めるということが法律上明記をされておりまして、政府判断するのみならず、国会の御判断もいただき、民主主義国家として慎重の上にも慎重を期して判断をされるということになるわけでありまして、新三要件につきましてはいかようにでも解釈をできるといった御指摘につきましては、私は今は当たらないんではないかなというふうに思っております。
  309. 主濱了

    ○主濱了君 私はそうは思いません。  全く、この我が国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険があること、まあゼロはないんでしょうけれども、〇・一%から一〇〇%まであるうちのどこでも判断できるんですよ。〇・一%あったってこれは判断できるんですよ。こういうふうなものだというふうに思います。  先ほど申し上げましたこの「軍艦外務令解説」の中に、その後ろの方に例としてこういうふうなことが書いてあるんですよ。昭和六年、満州事変及び上海事変においては、帝国はその権益及び在留民保護のため、シナ国内において、ちょっと中間飛ばしますけれども、自衛行為を発動したり。こういうふうなことを言っている、こういうふうな記述があります。しかしながら、満州事変の発端となった柳条湖事件というのは、これは御存じだと思いますが、柳条湖事件は関東軍の一部が武力行使の口実をつくるために実行したと、こういうふうに言われております。これは高校生の教科書にもそう書いております。こういうふうなことなんですよ。  結局、こういうふうな主観的な判断というのは武力行使の歯止めには全くならないと私は思うわけですが、いかがでしょうか。
  310. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 当時と今とどこが違うかというと、やはりシビリアンコントロール、特に国会での統制ということで、今は国会の承認が掛かるわけでございますが、当時はこういった活動等につきまして、国会の統御もなければ、大政翼賛会などを通じてこういった民主主義、これが機能できなかったというような違いがあるわけでありますが、戦後はこういったシビリアンコントロール、また国会の統制などによってしっかりと実力組織を統制する仕組みの下に対応しているというふうに思います。
  311. 主濱了

    ○主濱了君 いずれにいたしましても、世界に誇るような厳しい判断基準がある、我が国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある、これが本当に世界に冠たる、間違いないはっきりした基準とは私は言えない、こういうふうに思っております。  これだけに時間を使うわけにはまいりませんので、次行きますけれども、安倍総理は、我が国の存立が脅かされる事態国民防衛するのは専守防衛だと、こういうふうにおっしゃっております、こういうふうに答弁をされているわけです。  具体には、客観的事実として、日本ではなく日本と密接な他国への武力攻撃、すなわちアメリカへの攻撃があること、かつ、主観的判断事項として我が国の、先ほど申し上げた要件でありますけれども、そういう場合は自衛隊が武力を行使できることになるわけであります。相手から攻撃を受けたときに初めて防衛力を使う、防衛力を行使するという専守防衛とは全く私は別物だというふうに思うわけですよ。実際に日本攻撃を受けていない段階で攻撃をする、こういうことで全く別物であるというふうに思っております。  総理の言う日本攻撃されなくても行う専守防衛と先制攻撃の違い、これを明確にお示しをいただきたいと思います。
  312. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 専守防衛とは、これまでも御説明をしているとおり、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢でございます。  この新三要件の下で許容されるのは、あくまでも自衛の措置としての武力の行使に限られておりまして、我が国又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の発生、これが前提であります。また、他国を防衛することそれ自体を目的とするものではなくて、あくまでも我が国防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容されるものでございます。  このような考え方の下において行われる今般の法整備におきましては、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢である専守防衛につきまして、これが我が国防衛の基本方針であるということにはいささかの変更がないという旨、御説明をいたしております。  また、新三要件に基づく限定的な集団的自衛権の行使を行う場合には、我が国に対する武力攻撃は発生しておりませんが、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃は発生しており、国際法上違法なものではなく、いわゆる先制攻撃でもないということでございます。
  313. 主濱了

    ○主濱了君 これはもう見解の相違ということで済まされる問題ではないというふうに、これは憲法問題ですからね。  私は、日本への武力攻撃がないわけですよね、そして日本と密接な関係にある他国への攻撃しかない、こういう段階で行う日本の武力行使はまさに集団的自衛権行使そのものであるんじゃないかと、そうだというふうに私は思います。違憲の可能性といいますか、違憲そのものではないだろうかと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
  314. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 昨年七月にあの閣議決定を行いましたが、今後、他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的、規模、態様等によっては我が国の存立を脅かすということも現実に起こり得るという認識から、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生して、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合にも自衛の措置として武力の行使が容認をされると判断したものでございまして、これに伴い、専守防衛でいう相手から武力攻撃を受けたときにはそのような場合も含むと解しておりますが、いずれにいたしましても、我が国又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の発生が前提でありまして、他国を防衛すること自体を目的とするものではなくて、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいう専守防衛の定義であると認識をいたしております。
  315. 主濱了

    ○主濱了君 私どもは、やはり基本に戻る必要があるというふうに思います。その基本というのは憲法ですよ、憲法。憲法九条です。憲法九条第一項については、戦争の放棄、あるいは国際紛争解決の手段としての武力の行使、これは永久に放棄をするというふうに書いてあるわけであります。ここに私どもは戻らなければいけないというふうに思っております。  今分かっているのは、要するに政府が言っているのは、砂川事件判決と昭和四十七年の政府見解、これが要するに合憲の根拠だと言っているわけですが、私どもはここを徹底して追及をさせていただきたいと、このように思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  316. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 荒井です。  今日は通告が非常に多くしておりますので、事務方の皆さんもメモを取っていただきたいんですが、質問の一、四、五、六、八、九、十二、十四、十五、二十七、二十八にさせていただきます。大体四十問ほど通告をさせていただいているわけなんですけれども、それは、やはり先生方が問題意識が同じで、与野党の先生方が質問をされて深掘りされたというようなときもございますので、そのような形になってしまいまして、お許しをいただきたいと思いますが。  今、主濱先生と私も基本的に認識一緒なんです、先ほども満州事変のお話がありましたけれども。  二十七年七月二十七日の産経新聞の「正論」、平和・安全保障研究所理事長の西原正さん、私も大変傾聴に値し敬服する人ですが、この西原理事長がこういうことを書いているんです。  自衛隊行動を原則的に法律で規定しておくのは必要であるが、どういう事態に、どこで何をする、あるいはしないを規制するのは、政策の選択肢を狭めることになり、日本の安全を弱めることになる。この辺りの戦略感覚が与野党共に不十分なのは残念である。結び、安全保障政策の議論には、国民の理解を深めるためにもできるだけ高い透明性が必要であるが、同時に政策の有効性を高めるためには一定の機密性も必要になる。国会議員が戦略感覚を持って法案審議していることを念じたいということでございます。  非常に傾聴に値する部分があるんですが、武力行使をする今度の法律でございます。憲法違反の疑義があるという声がある今度の法律です。まだまだ情報公開足りないんじゃないでしょうか。そこまで行っていないと言ってもいいです。国民を含めて、少なくとも国会が十分に審議するだけの情報をまだ政府側から出していただいていない。今日の議論の中でも、イージスの例なんですかというふうに言えば、一体となっているけれどもそれは様々な兵器、これがあると、こういうことになってくるわけですね。ところが、やっぱり普通はイージスだけと思いますよね。そういうふうなことがありますから、説明も含めてまだまだ情報が私は不十分であると。  我々も、手のうちを明かすということ、こういったことのマイナスも十分知っているつもりですが、しかし、本当にスタートする法律の段階でまだまだそんな状況になっていないというふうに考えておりますので、戦略感覚を持つ以前の段階の今議論をしているというふうに申し上げておきたいというふうに思います。  今日も、山田さん、和田さんからも関連でございましたけれども、聞いてまいります。NSC、いわゆる総理を補佐して認定をしていく、事態認定をしていくこのチームですね、その事務方の話でございます。  このNSC、国家安全保障会議において審議されることになりますが、事態認定に当たっての一般的な問題、一般的です、必要書類や判断の資料、総理外務大臣防衛大臣官房長官判断するそうした資料、こういったものは全て事務方である国家安全保障局、NSCが作成し用意するのでしょうか。一般論です。
  317. 槌道明宏

    政府参考人槌道明宏君) 事態認定を含みます対処基本方針につきましては、法律上、内閣総理大臣が案を作成した上で、国家安全保障会議の審議を経た上で閣議決定をするということになっておりますが、その事務的な作業につきましては事態対処法の主管官庁である内閣官房が関係省庁と調整しつつ実施するということになります。  国家安全保障会議での審議に必要な資料につきましては、それも含めまして国家安全保障局を含む関係省庁が調整しつつ作成をするということになりますので、必ずしも全ての資料を国家安全保障局が作成、用意するわけではございません。
  318. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 では、手続としては、谷内局長がおり、その下に高見澤次長がおります、これは防衛省。それから、兼原次長がおります、外務省。それらがずっとつながってまいりまして、総括・調整班、政策第一班、政策第二班、政策第三班、戦略企画班、情報班というふうになるんですが、これとは全く違うラインから情報等が入るということですか。
  319. 槌道明宏

    政府参考人槌道明宏君) お答えいたします。  国家安全保障会議開催に当たりまして資料取りまとめを行うのは、確かに、おっしゃいましたような国家安全保障会議の事務方でございますが、他方におきまして、その案件によりまして、例えば事態対処におきましての対処基本方針の作成は内閣官房の中でもいわゆる事態室が担当してございますので、そこや、あるいは当然外務省や防衛省からのそういった資料を取りまとめるということでございます。
  320. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今の場合は下請させるときなんですよ。そうじゃなくて、このNSCに情報等が全て集約されるのかということを言っているんです、事務方が。そこから入るのかと言っているわけですよ。
  321. 槌道明宏

    政府参考人槌道明宏君) 失礼いたしました。  国家安全保障会議の開催に当たりましての資料の取りまとめの責任は国家安全保障局にございますので、全ての情報はそこで集約されるということになると思います。
  322. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 これもやっとこうやって出てくるんですよ。私の聞き方が悪いのか、答え方が悪いのか。結局これは、聞きたいことをはぐらかすというのが、これが官僚の最も常套手段。聞かなければ言わない。聞かなければ言わないんですよ。うそだけ言わなけりゃそれでいい、こういう観点が大変問題になってくるんですね。  それでは、五番に飛ばさせていただきたいと思います。  今度は一般論ではありませんよ。NSCの第二条第三項、「特に緊急に対処する必要があると認めるときは、迅速かつ適切な対処が必要と認められる措置」とあるわけですね、場合には、「内閣総理大臣に建議することができる。」ということです。総理大臣に建議するわけです。そのような措置かどうかの判断のための資料も、改めて聞きますが、NSCが取りまとめるということでよろしいですね。
  323. 前田哲

    政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  先生御指摘のとおり、NSC設置法第二条三項で内閣総理大臣に建議ができることとなってございます。この場合におきましても、国家安全保障会議での審議に必要な資料につきましては、これは国家安全保障局を含む関係省庁が調整して作成することになりますが、先ほど槌道の方からお答えしましたように、全ての情報を事務方である国家安全保障局において取りまとめた上で会議に諮るということになろうと思います。
  324. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 では、お尋ねします。  この場合、防衛省と外務省が両脇を固めてしっかり日本を守ろうという、そういう気持ちで体制を取っていただいているんですが、私は今日は意地悪く言います。まあ最近ちょっと意地悪いと言われているんですが、野党からはいい人で、与党からは意地悪いと、こう言われているようでございますが。外務省と防衛省の、つまり提出するときの情報に食い違いがあった場合、外務省は例えば白、防衛省は灰色、こういった場合にはどのように調整するんですか。どっちを取るんですか。これは事務方でも結構です。
  325. 前田哲

    政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  国家安全保障会議の審議に当たって各省から提供される例えば情勢判断等々の資料の内容が異なる場合というお尋ねだと思います。この場合、国家安全保障会議において、これは事務方というよりは国家安全保障会議そのものにおきまして、政府として統一した見解をまとめるべく、閣僚から成る議員の皆さんの議論が行われることになるというふうに考えてございます。  国家安全保障局といたしましては、このような会議の議論に資するために複数の見解を紹介をするということも含めまして、適切な形で資料を取りまとめるべく政府部内で総合調整を行うと、このようになろうかと思います。
  326. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 ここから深入りはちょっとやめて、次に関連で行きます。深入りしたいところはまた残しておきます。  問いの八番です。  では、そうやって取りまとめた役人の皆さん、一般的に官僚が同一ポストにどれぐらい在任するんでしょうか、人事院にお尋ねします。
  327. 大下政司

    政府参考人(大下政司君) NSCの職員の在任期間についてのお尋ねでございますが、個別の人事につきましては適材適所の観点から任命権者が適切に御判断されるものと考えております。
  328. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 これはNSCじゃなくて、一般的にというふうに申し上げたんですが。  違う聞き方で問い九に用意していますね、違う聞き方で申しますね。今度はNSCについて言いますよ。認定に関わるこれらの官僚のメンバー、外務省と防衛省のメンバーが中心です。この方々が、その使命感や能力は高いものがあると私は思いますが、しかし、その責任は極めて重大ですね。特に、結果責任です。  仮に、今のように白と灰色といった場合、それは政治家に判断してもらうんだというような趣旨を言っておったんだと思いますが、しかし、その白は正しいか、灰色は正しいかと下問されるんじゃないですか、大臣の方からも。そうした場合に、私はある種、恣意的情報選択や誤った助言を行うということがあり得るのではないかと。あるいは、そういったことが資料の作成過程で入っていくんではないかと。  そうした場合、例えば、ここには今日は質問で書いてありませんから、ここまでにしますが、その間違った判断だと、例えば国会が、この認定政府は間違っていると言った場合、この認定政府が間違っていると事後承認でやった場合に、この事務方のメンバーの皆さんは、これも一般論でいいんですよ、官僚として一般的には責任は追及できるんでしょうか。  それから、行政評価担当をやっている総務省になりますか、これ、どのように責任は追及できるんでしょうか。今、私、NSCの場合で言いましたが、それに、先ほどと同じように一般論でないと答えられないというのであれば、一般論として官僚の責任はどのように追及できるか、人事院と行政評価担当にお尋ねします。
  329. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 人事院江畑職員福祉局長、続いて総務省新井豊行政評価局長、お願いをいたします。
  330. 江畑賢治

    政府参考人(江畑賢治君) 国家公務員の職務遂行につきましては、人事評価制度の下でその能力、業績に基づき適正に評価され、その結果が任用、給与等に適切に反映されることとされております。  また、国家公務員には、国家公務員法等において職務上の義務が課されておりますが、いずれにしても、その責任については任命権者が適切な判断、対応を行うものでございます。
  331. 新井豊

    政府参考人(新井豊君) 総務省行政評価局の行う調査は、行政運営自体の改善を促す役割を担っているものでございます。お尋ねのような個別の事案に係る責任追及とか、あるいは国家公務員の不正摘発、こういったものを目的とするものではございません。  一般論で申し上げれば、御指摘のような事務方の重大な誤りがあった場合には、まずは事実関係の解明も含め、担当行政機関における是正、必要な規律確保の取組が当該行政機関の長の責任においてなされるものと考えております。
  332. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 刑事的な話というのはあるんですが、政策の誤りか否かを含めて政策的責任というのは非常に難しいんです、官僚の場合は。部局が二年、三年で替わりますから。しかし、組織には重大な情報が蓄積されていくから、それを材料に政党や政治家と渡り合うわけですね。  ですから、官僚一人一人は悪い人でなくても、やっている結果について責任を問われないというのは、非常に私は、この問題を判断していくというNSCの判断において、政治家がするわけですが、極めて難しいと思います。しかも、文民統制の観点で九大臣ということですよね、九大臣閣僚。これも本当に私はきちんといくかなと。  全て、戦後の反省を見ますと、情報が正しくあったかどうか、それを開示したかどうか、全員が共有したかどうか、そして縦割りの中で勇気を持ってそれを判断できたかどうか。そういったことになると、私はちょっと心もとないなと思っているんです、今。特に、初めて今度進んでいくわけですから、極めて重要だというふうに思うんです。  ですから、昨日の参考人にもありましたけれども、明白な危険、そういったものについても非常に、先ほどの〇・一から一〇〇%というお話がありましたけれども、大変幅広いんです。それを政府だけで負えますか。官僚が出した情報を中心に判断できるだけの我々に蓄積がありますか。それ以外の政党を含めた情報が入るだけの力がありますか。  そういったことを考えると、行政国家、官僚主導と言われる、特に我が国は強い国です。国会が衆参、そして政党が、政治家が、全員が力を合わせて、事態発生のときにそれが正しいか正しくないか。これは、やっぱり専守防衛の国、憲法を尊重する日本としては、当然にアメリカも世界も分かってくれます。それで若干の被害があってもやむを得ないではありませんか。それ以上の、私は、守るべきものが守られてくる、これを申し上げたいんです。政治がプロセスをきちんと、文民統制をしていくことだと思います。  両大臣には是非総理のときに御見解をお聞かせいただきたいと思います。  終わります。
  333. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 本日の質疑はこの程度といたします。  これにて散会いたします。    午後六時三十分散会