○前原
委員 アメリカがことしにも利上げをするのではないかというふうに言われています。そうすると、日米金利差がさらに拡大をして、そして、今若干もうそういう傾向にありますけれども、きょうで百二十一円ぐらいですか、一ドルが。そうすると、円安がさらに進んでいくということになると、輸入物価が上がる。しかも、原油価格が下げどまり始めていますから。そうすると、
総理が幾ら賃上げ賃上げというふうなことをおっしゃったとしても、輸入物価が上がっていったら、さっきのように、またどんどんどんどん、賃金上昇を名目にしたって、それ以上に物価上昇すると、
国民の生活は疲弊していくわけですよ。
そういう意味では、先ほどの御
答弁で、最後には実質賃金の上昇を図っていくということをコミットメントもされましたから、それを私はこれから見守らせてもらいます。それを本当にこれからやられるかどうかということをしっかりと見させてもらいたいと
思います。
日銀総裁、もうこれで結構でございます。
次に、
年金の話に移らせていただきたいと
思います。
まず、今、
年金生活者というのはどれぐらいおられるんだろうということなんですが、三千九百五十万人、約四千万人おられるんですね。総
人口の三一%です。うち、この数字は皆さん方にちょっと覚えていただきたいんですけれども、基礎
年金のみを受給されている方、つまりは、厚生
年金、今度被用者
年金が一元化されますから、厚生
年金とかほかの
保険、あるいはほかの収入、こういうものなく基礎
年金のみ受給されている方というのは千二十三万人、一千万人以上おられるんですね。
それで、
年金収入のみ、これは基礎
年金だけではなくて
年金収入のみで生活されている方が六二%、夫婦世帯が三八%であります。夫婦世帯だと、まだ
年金収入その他の収入よりも支出額の方が少ないんですけれども、単身世帯になると、男子が五%、女子が一一%なんですけれども、この
方々になると、
年金受給その他の収入よりも支出額の方が多くなっているんですね。しかも、男の方は、貯蓄額が三百万未満の方が四四%、うち貯蓄なしは一九%。女性の方は、三百万円未満の貯蓄が四三%、うち貯蓄なしが一七%。
こういうことでございまして、
高齢化に伴って
年金生活者はふえているし、そして、基礎
年金のみ、基礎
年金は、四十年間フルに払っても、今、月額六万四千円ぐらいですね。それ以下の
方々もおられる。なおかつ、この単身世帯のところを見ていただくと、
年金生活者の
方々は大変厳しい
状況というものが今生まれてきているわけであります。
多くの
国民の皆さん方は余り御存じないかもしれませんが、二〇〇四年、
平成十六年度、百年
安心年金プランというもの、百年
安心かどうかは別にして、そういうものをつくったわけでありますが、ことし、いよいよそれが、条件が整ってスタートするようになります。
時間がないので簡単に申し上げますと、
保険料収入、積立金、運用ですね、そして二分の一に
国庫負担を上げたもの、これに見合う形で
年金額を調整する、こういうことになるわけですね。そして、今まで特例の二・五%というものを、一%、一%、そして〇・五%ということで減らしていくと、いわゆる
保険料収入、積立金、
国庫負担、この額と見合った額だけ
年金を調整していくということになるわけでありますが、九のパネルなんですけれども、そうなると、どういうことになっていくか。
まず、この大きなグラフは、上の方です、労働力
人口がどんどんどんどん減っていきます。そして、六十五歳以上の方の
人口は、ふえていって減っていきます。そうすると、労働力
人口と六十五歳以上の
人口がちょうど重なるときだと、今現役
世代の
方々が払っていただいている
年金保険料で、いわゆるパラレルになってくるところまでいけば何とか賦課方式でいけることになるんですけれども、そこまでが問題なんですね。それを何とか先ほどの
仕組みの中でやっていこうということで、マクロ
経済スライドと言われるものがとられるということなんです。
それは何かというと、右上に小さな枠で囲ってありますけれども、物価上昇が起きて、そして、本来であれば
年金は物価上昇分上がらないと、先ほどの議論じゃありませんけれども、実質の
年金額は減額するわけですね。減っていくわけです。しかし、このマクロ
経済スライドということをこれからやっていきますので。
多くの
国民の皆さん方は余り御存じないかもしれませんが、
安倍さんがおっしゃるように、本当に物価がずっと上昇し続けると、マクロ
経済スライドの調整がきいて、名目の
年金額は上がるので余り意識されないかもしれませんけれども、いわゆる物価上昇よりも〇・九というマクロ
経済スライドがかかりますので、その分、
年金はどんどんどんどん目減りをする、こういうことになるわけですね。この理解でよろしいですか、
総理。