○清水
委員 第二十二回の特別部会の
会議録、この
委員会にも参考人として来ていただきました映画監督の周防
委員がこのように述べておられるんですね。「私は基本的には全面
証拠開示があるべき姿と思っているんですけれども、この部会で一蹴されてしまい、非常に残念です。」部会において既に一蹴されている、相手にされていない。
さらに、こうおっしゃっているんですね。周防
委員は、「私が部会の中で以前にも言いましたが、再審
請求における
証拠開示は全面的に
開示すべきだと思っています。今すぐ救済されるべき人がいる、救済されなければいけない人がいるという現実を考えたときに、これはこの場で話し合う問題ではないと、
負担が大きすぎるとか、そういう問題ではなくて、本当に今すぐにでも再審
請求に関しては、
証拠開示ということについてきちんとここで話し合われるべきだと思っています。」こう述べておられるんですね。
周防
委員がここまで述べられるということは、特別部会で議論することさえ許さないような流れがあったからじゃありませんか。
私は、
上川大臣に最後に一問聞くんですけれども、ぜひ布川事件についてお知りおきいただきたいんですね。なぜ私が、私だけではなく、きょうの
質疑者の皆さんが再審
請求審における
証拠開示の
必要性についてるる述べるのか。
布川事件は、本人の
自白と、いわゆる被告とされた桜井さんを犯行現場付近で見たという目撃証言だけで起訴して、有罪判決が下された事件です。二十九年間服役させられました。
しかし、目撃したとされる六人のうち五人は、犯行が行われた日に桜井さんを見たかどうかわからないと証言していたのに、検察に、犯行のあった日に見たと無理やり言わされ、録取されたと述べておられます。ところが、わからないと証言していた調書が出てきて、これが虚偽の証言だったということが明らかにされました。
桜井さん自身の
自白についても、それを録音したテープに数カ所の改ざんがあった。テープを切ってつなげたり、あるいは上から録音をかぶせるという手法の跡が科学的に検証されております。もう一人の被告とされた杉山さんの録音テープについても、当初、
捜査当局が一本しかないと言い張っていたものが、もう一本見つかりました。
検察側の言い分が偽証と認定されて、再審無罪になったものなんです。
こうした再審
請求審における
証拠開示の重要性について、認めるということが大事だと思うんですね。
私は、この事件については聞きません、個別の案件になってはいけない。私はここをこだわりたいんですね。
検察のデータの改ざんがある、これは絶対にだめです。このことは
大臣自身も認められました。しかし、
被告人を、あるいは有罪とされて服役している方を無罪とすることができる、それを立証する
証拠が、意図的であれ無意識であれ、通常審であれ再審
請求審であれ、
公判で出てこなければ、その人の無罪を晴らすことができないんです。
法務大臣には大きな権限が与えられていて、死刑執行を行う強大な権限を持っています。人の命をあやめるという極刑、これを下す権限が
大臣に与えられております。同時に、無実の人を救う、その権限も
法務大臣に与えられていると私は考えております。
今も、無罪でありながら、冤罪を
主張しながら、多くの方が再審を求めておられる。新たな
証拠開示、みずからの冤罪を晴らすべく
証拠を出してほしいと願っておられる方がおられる。そういう方の声を聞いたときに、今回の
証拠開示の拡充で十分なんですか。やはり再審
請求審で
証拠の
開示が必要なんじゃないですか、人の命を救うために。このことについてお答えいただいて、私の質問を終わります。