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吉良委員 ありがとうございます。
私自身も道州制についてはいろいろな思いを持っているので、それを本当は深掘りしたいんですけれ
ども、きょうはちょっと先に進ませていただいて、今
大臣がいみじくもおっしゃったように、道州制も
一つの手段だということで、今の
大臣のおっしゃられた前段も少し含めて、私が
考える
地方がもっともっと元気になる
一つの統治機構
改革とでもいいますか、
地方分権
改革、これはよく言われる二層制の
地方分権。
道州制の場合は、最終的には、基礎
自治体、道州があって、そして連邦に近い国家というものがあって、三層になると思うんですけれ
ども、二層制の方法の方が、より
地域に、先ほど冒頭に言った、自立心ができて、そしてかつ、それぞれの
地域が元気が出る、
活性化していく、こう信じて疑わないんです。
では、どういう
地域が基礎
自治体になるんだということなんですけれ
ども、これは
言葉では漠然としていますけれ
ども、地図帳を見ていけばある程度はっきりしてきます。生活圏と経済圏がある程度一致した
ところが実は基礎
自治体だというふうに思っています、私の言う。
委員の皆さんのお手元にもあるんですが、
日本地図、「旧国名地図」と書いてあります。これは奈良時代の国名です。
私が先ほど生活圏、経済圏が一体化した
ところと言いましたけれ
ども、この先、
一つの基礎
自治体としてあるべき姿というのは、その中核に、必ずまさに中核
都市があること、その
地域を牽引するだけの力のある中核
都市があって、その
周辺が生活圏と経済圏が一体となる
地域ということなんです。
例えば、私の大分の場合は、地理に案内でない方もいらっしゃるかもしれませんけれ
ども、福沢諭吉が生まれた、
石破大臣も先日訪問されておりますけれ
ども、中津というのはその地図でちょうど豊前と書いた丸印のある
ところあたりにあるんですけれ
ども、この中津は、経済圏、生活圏という意味では完全に福岡、というより北九州圏です。ということは、これは豊前圏なんですね。
そうやって
全国を見ていくと、例外がないわけではないんですが、おもしろいことに、奈良時代につくられた国というのは大体そういうふうになっているんです。
わかりやすい例でいきますと、静岡県を見てください。駿河の中核
都市は静岡ですよね、駿府。そして、遠江、この中核
都市は浜松なんです。ですから、静岡県が
一つの基礎
自治体を出すというのではなくて、昔で言う駿河、その中核
都市が静岡市であり、遠江は浜松が中核となる。
鳥取県も当てはまればいいなと思ったんですが、聞きますと、鳥取市も米子市も伯耆に当たる……(
石破国務大臣「鳥取市は因幡です」と呼ぶ)違うんですか。鳥取はやはり因幡ですか。ならばよかった。ちょっとレクのときに確認したら。そうであるならばまさにそのとおりなんですね。
ですから、今都道府県で一くくりにされている
ところも、それぞれやはり中核
都市があって、古い時代でいえば、
一つの国をなしていた。これを中心に二層制の基礎
自治体をつくる。そして、その基礎
自治体には、冒頭言いました、依存から自立というものを徹底的に、強制という
言葉はよくないので、
推進していくというふうに思っています。
ちょっともう時間がなくなったので、二回に分けさせていただきたいと思っていますが、きょうは、資料も含めて、そこを先にやらせていただくと、
地方が元気になる、先ほど元祖一村一品運動の大山の話をしましたけれ
ども、実は、大山の現農協長に
お話を聞いたら、大山農協は、当初は、自分たちの存在アピールも含めて、
東京というか
首都圏マーケットにも農産物、それから、六次
産業の最先端を行っていますので、農産加工品を出そうとしたけれ
ども、やはり一番現実的なのは福岡であったり熊本であったり大分、そこが一番いいマーケット。かつ、そこで商品を手にしてもらった
人たちに大山に来てもらうためのいろいろな仕組みづくりをしているんです。木の花ガルテンという
一つの販売店をつくったり。
最近は、この前、十八日の日経新聞に大きく取り上げられていたんですけれ
ども、桃源郷、いろいろな木々、花を植えた
東京ドーム五個分に相当する
地域、そこに
都市部の、中核
都市の
人たちを呼び込むということによって、今、大山町の農協は正会員が六百人いるんですけれ
ども、そのうちの二百人が、二百世帯が一千万円を超えている。
何が言いたいかといいますと、一見、農山村よ、頑張れと言ったときに、何となく、農山村に直接投資をしたり、そこに
支援をすることがその
地域のためであるかのように錯覚をしがちなんですけれ
ども、一番大事なのは、彼らに強くて大きなマーケットを提供することなんです。そういう意味で、さっき言った生活圏、経済圏が一体化する中核
都市をより強くすることが、その周りの農山村に、つくったものを販売するいい
機会を与えていくんです。
そういう意味で、もう
一つの資料、「北九州市と福岡市の戦後の
人口推移」というのを見ていただきたいと思います。
これは、赤いものが福岡市の
人口推移、そしてグレーの色が北九州市でありますけれ
ども、私なんかの小さいころは、北九州市が百万
都市、当時は、福岡は百万
都市でも何でもなかった。今、福岡市がもう百五十万を超える
大都市になっている。そして、北九州市というのは、ある意味では製造業の代表的な
都市、また、グローバル
企業、ローカル
企業というならば、グローバル
企業が中心にあって、その下請関連の会社が多く集まっている。福岡市というのは、ある意味では商業
都市ですよね。けれ
ども、福岡市がこれだけ
人口がふえている。これはもう私が申すまでもありませんけれ
ども、先進国になればなるほど、一方では
サービス産業は比率が高まり、個人消費の比率が高まる。
私がさっき、過疎対策なり
地方対策を語るときに本音を語らなければいけない、そのために事実をきちっと見なければいけないというふうに申し上げました。これはまさにこういうことなんですね。
栄えようとすれば、今の先進国であれば、ある程度の
人口密集、
人口集中がないと経済は
活性化しないことになっている。それをあえて分散するということは必ずしもいいことではない。ただし、それを
地方の農山村も含めた、農山村が元気になるように利用しなければいけない。そのためには、そういう
地域をマーケットとして捉えなければいけないというのが私自身の
考え方であります。
その意味でも、自立するときには、それを牽引する中核
都市が極めて重要になってくる。それを中心とした二層制の分権国家をつくっていくべきだろう、このように思っているわけですけれ
ども、今私がるる申し上げたことについての
石破大臣の感想、見解を含めてお聞かせいただければと思います。