○高井
委員 今回の監査の問題も、
監査委員というのは
経営委員の中から三名なんですよね。これもそういうふうに
放送法でつくっているからしようがないといえばしようがないんですけれども、恐らく、多分国民の
皆さんは、この
議論をずっと聞いていて、何で
経営委員会の中の三人が
監査委員でやっているんだと。その
経営委員会の事務局の
職員も、後ろにも控えていますけれども、みんな
NHKの
職員ですよ。
経営委員会事務局長といえば、その後
NHKの
理事になる出世ポストですよ。
そういった今の
体制、そして、
監査委員の事務局も恐らくそういう
体制をやると思いますけれども、それで本当にガバナンスが発揮できるのか。
私は、前からこの
委員会でも
質問していますけれども、
放送法のたてつけに問題があるんじゃないか、
経営委員会というものがもう形骸化しているようになってしまっているんじゃないかということを申し上げたいと思うんです。
この
委員会では申し上げましたが、改めてきょうは全国に
放送もされていますので申し上げますが、
会長を任命するのは
経営委員会、十二名の方です。その
経営委員会の
委員を任命するのは内閣総理
大臣です。しかし、ここにも疑義があると思います。
NHKと同じような組織でよく比較されるイギリスのBBC。BBCというのは、
経営委員を任命するのは最終的には女王です。ですが、その前に文化・メディア・スポーツ省というところが、しかも公募制で、有識者の第三者
委員会をつくって、公明なプロセスのもとに推薦をして、そして女王陛下が
最後は任命をする。
それに対して日本の
放送法では、全くそういう手続は定められておらず、総理
大臣が任命をする。私もかつて
総務省の
職員でした。昔は、
総務省の
職員が公平中立な
観点からしっかりと選んできた。しかし、いつのころからか、特に今回、安倍政権になって、
経営委員十二名のうち四名の方は安倍総理の大変親しい、元家庭教師であるとか、
考え方が似た方々がなっている。これは去年もさんざん
議論されていますが、繰り返しませんけれども、こういう問題が起こっている。
では、こういった
経営委員会が
会長をちゃんと選べるのかということで、さらに、では、今の
籾井会長をどうやって選んだか。一昨年の十二月十三日の三日前に、前の松本
会長を
経営委員会は
全会一致で決めているんですね。ところが、松本
会長は辞意を表明した。そして、その三日後ですよ。わずか三日後に
経営委員会が開かれ、そして、
経営委員長も初めて
籾井さんという名前を、封筒に入っていて、開いて、見たとおっしゃっています。ほかの
経営委員会委員も、初めて見たと。そして、経歴がいろいろ、本当に多分数行書いてあって、しかも、ほかにも数名の候補者がいた。その中で、
最初に
籾井さんの決をとったら、
全会一致で決まったと。
しかし、そこに疑義があるのは、その日の朝の読売新聞の朝刊で、
籾井氏
NHK会長有力という記事が一面トップに出ているわけです。こうしたことを
考え合わせると、やはり何か別なところで決まっていて、
経営委員会ではもう追認するしかない、ほかの候補の
審議をしたってしようがないよねと。
さらに言うと、その一週間後に
籾井会長をお呼びして、そして数分間の所信を聞いて決めているわけです。しかし、その数分間の所信の中で、数名の
委員、議事録にちゃんと出ています、言葉の選び方には留意していただきたい、失言があった場合は苦言を呈することになる、心配なのは誤解を招く
可能性がある、
委員の中からこんな発言もある中で、こういうわずか短時間の手続で
NHKの
会長というのが決まっているんだ。
このことは、ぜひ
皆さん、よく
考えていただいて、この
会長の任命方法に非常に私は疑義があると思いますが、いかがでしょうか、
経営委員長。