○
神山(洋)
委員 理屈としてはわかるわけですが、この後
お話しさせていただきますように、実は、この
火山対策協議会の中で
検討していくさまざまな
意味での
規制であり
避難計画の
作成、そしてそれの
実行ということに当たっては、もちろん
生命の安全を確保するということが第一であることは言うまでもありませんけれども、しかし、
事前の
計画の
作成、そしてそれを実際に
実行に移していく
段階には、どうしても
経済との絡みの話が各
地域ごとに出てこざるを得ないという局面があります。そこをも含めて我々としては全体の法的なスキームをつくっていくということが私は大事ではないかと思いますので、一応、
前提としてその話を伺わせていただきました。
やはり、今の話を伺っても、
経済へのいろいろな
意味での
影響、
配慮というものは、正直ちょっと薄いんじゃないかなというふうにも思っているわけです。
その話を少し御
理解を深めていただければということも含めて、私の
地元の実例を少し御紹介させていただきながら、これ以降の
議論をさせていただきたいんです。
お配りさせていただいた
資料の一枚目は、報道はいろいろあるんですが、十月四日に毎日新聞で報道されたもので、要は、
生命の安全を確保するという
オペレーションと、実際にはその
地域の
経済の大きな
担い手である
観光との相克がやはりいろいろなところにあらわれてくるよねということが幾つかコメントとして紹介をされているものです。全て読み上げることはしませんが、お目通しをいただければと思います。
ただ、やはりここにも書かれていますとおり、安全を第一にということで、
規制をできるだけ早目に、そして保守的に大きくしようとすればするほど、実際の現地の
経済に対してはマイナスのインパクトがあるということは御
想像いただけるかと思います。
では、今、具体的にどうなっているかというと、一枚お
めくりをいただいて、ちょっと真ん中辺に丸く、濃くなっている
部分が
立ち入り規制エリアということで、これは
半径約三百メートルぐらいの
部分ではありますけれども、
立ち入り規制エリアというのが今設定をされていて、この中には立ち入ってはいけませんということになっています。ちなみに、
レベルでいうと、1から5まである中でいうと
レベル2で、今
半径三百メートルでこういう
状態ということです。
もう一枚お
めくりをいただいて、これは今の
立ち入り規制エリアの中のさらに限定された
中心部の
航空写真で、
箱根の大
涌谷というところに行かれたことがある方は御
想像がつくかもしれませんが、この建物でいうと、一番は
ロープウエーの駅です。二番、三番、四番はお
土産屋さんです。五番が
公衆トイレということで、この三番と四番の間の遊歩道を通って、ここの
写真には写っていませんが、この奥の方に
温泉卵、
黒卵をぼこぼことゆでているような池があって、そこで卵を売っている売店があるようなところです。ちなみに、この
写真に写っているところは、今現在全部入れなくなっているという
状態です。
ゴールデンウイーク中、五月六日の朝六時だったと思いますが、
レベル1から
レベル2に上げますという発表が
気象庁からなされて、そのことによって
立ち入り規制区域が三百メートル設定されて、今あるこの
写真の
エリアも含めて、
ロープウエーの駅も含めて、入れなくなりましたという話になったわけです。
それ以降、お
土産物屋さんが、そもそもここに現金を置き
っ放しだとか、生ものも置き
っ放しだからとりに行かせてほしいんだけれども、それも入れないという話から始まり、
ロープウエーは、
運行中止とまではいきませんけれども、なかなかお客さんが乗ってくれないので、前年度比で売り上げ八割減なんという話も今伺っているところであるわけです。
前回の
質疑をさせていただいた際にも、
大臣とも最後に少し
議論をさせていただいたわけですが、こういうさまざまな
予兆現象があった中で、多くの
方々の安全を守るためには、できるだけそのことをきちっと捉えて、あらかじめそこに立ち入らないようにして、そして
生命の安全を確保するということは
政策的に私は正しいというふうに思っています。なので、今回の
オペレーションも、これでよかったんだと思っています。
ただ、公の権限によって
立ち入りの
規制をするわけです。その中で、平時行われている
経済活動は当然ながら制約をされて、そのことによって
経済的な
実害が生じるということは、これまで実は余り大きく取り上げられていませんでしたが、
観光地として有名なところであるがゆえにかもしれませんけれども、今回かなり大きくクローズアップをされております。
よくよくこれは後追いで調べてみますと、例えば蔵王であっても同じようなことは起きておりますし、これから各
火山ごとに
協議会を設けて、その中でいろいろな
意味での
立ち入り規制区域の
検討をしていくという中では、当然、今回の
事例はそれぞれの
エリアの中で例として考えられると思うんですね。そのときに、では、
経済活動が公の
規制によって封じられて
経済的な
実害が出るということは、一体これは誰の責任なんだ、誰の
負担とすべきなんだという大変難しい
議論が出てくると思うんです。
前回申し上げたとおり、私は、全部が全部、公が担保すべきだということを申し上げているつもりはありません。しかし、
予防措置をこれからどんどん強めていきましょうということを考えていったときに、やはりここに対して
一定の
配慮はあってもいいのかなというふうに私は思っているわけです。
ただ、その後段のことはこの後とさせていただいて、まずは
前提として、基本的なところを伺いたいわけです。
今申し上げたように、
噴火警戒レベルを2、3、4と上げていくことによって、物理的な
規制区域ができます。その中で、実際に
経済的な
実害が生じるという場合に、この
負担主体は一体誰なのだろうという基本的な視点について、
大臣、どうお考えか、まずはこの点を御答弁いただければと思います。