○阿部
委員 一言で言うと深読みだというふうに言っていらっしゃるんだと思うんですが、私は逆に、
医療というものの本質を見ていないからこんなことが出るんだろうと思うんですね。
例えばカテーテルの技術
一つ、心臓カテーテルあるいは脳梗塞のための早期のカテーテル介入、その技術が提供されれば、当然そこでその技術を受ける患者さんが発生してくるわけです。患者さんのためにイノベーションをどんどんしていかなきゃいけないし、それを、今までの何点何点で区切って、この辺は高度急性期、この辺はとやったらこうなるに決まっているんです。
医療の
考え方というもの、冒頭私がなぜわざわざ長々しくメイヨーのことを申し上げたかというと、よりよい
医療をどうやって革新していこうか、それをやると患者さんのニーズというのは逆に出てくるんですね、そういうものとみなすのか、今ある中で、何千点だからこの辺ねとやっていくのか、それは日本の
医療の将来にかかわる。私はとても損すると思うんです、こういう
考え方をすると。患者さんも助からない、
医療もイノベートしない。結局、日本は何で
世界と戦っていくんだろうと思ってしまいます。
本当にここは、その発想を、そういうふうに現状の分析をして、
医療資源をこのくらい使っているよ、そこから押し出していって間違ったのが実は第一次
医療計画なんです、必要病床数とかをつくっていって。でも、
医療というのは日進月歩。革新することが無駄遣いなのかいいことなのか、ここが
考えの分かれ目です。本当に、昔だったら、十年前にはなかったこと、二十年前にはなかったことが現実に可能だし、日常に可能になっていって、それが人の命を支えるためのいい改革なんだと私は思います。
厚労省にあっては、ぜひ、人の命を支え、その人のQOLをよくしていくということが第一ですから、間違っても、
医政局長、この分析はちょっといただけません。私の時間ではここまでで終わらせますが、
指摘をさせていただきます。
次の資料をおめくりいただきまして、いよいよ
地域医療連携推進
法人(仮称)の効果、
メリットとかいうのが出ていますが、私はこれは絵に描いた餅だと思います。資料五ですね。
ここには、
医師の再配置とか病床再編とか、
医師の融通をしたり病床を再編する、グループ内の、
法人内の融通ということなんですけれども、
大臣、先ほども申し上げたように、これは、例えば六十床の病院と百床の病院と、経営主体は違うわけですよ。
医師を一人融通しちゃったら、残った病院の収入は減るんですね。これは、お
医者さんがこの中にも何人もおられますからわかると思いますが、
医師一人、収入にして大体一億という計算を私たちはします。一人を出すということは、一億を減らす。
ここの中で、経営、雇用
関係は一体じゃないわけですよ。そうしたら、その出したお
医者さんの賃金はどうなるのか、年金はどうなるのか、将来
退職金はどうなるのか、全部かかわってきます。まず、そのお
医者さんの意に染まぬ移動をしたら、やめてしまいます。これで全て計画はオジャン。経営主体が一緒で、雇用
関係がある程度了解、納得されているものであれば、もちろんそれは可能かもしれません。
例えば、ここで、四十床の病院と百床の病院があって、百床の病院のケースワーカーさんに四十床の病院のケースワークをやれと言われても、その方は、ケースワーカーさんとしての給与をもらっている百床の方については責任があるし、雇用
関係があるし、労働契約もしているわけです。でも、それ以外はしていないわけです。そんなに人の簡単な融通とかは絶対できない。
だから、それゆえに私は、この
医療連携推進
法人というのは、経営一体もない、先ほど井坂さんたちが言っていた
株式会社との
関係も、何が
営利かということも不透明、何のためにこんなものをつくるのかが本当に見えない、わからない。それゆえに、先ほどの、見方によって二年で十五万床も減っちゃう病院削減の手段にされてはたまらないし、手段にしようと思っても残念ながらならないかもしれませんが、人の移動というのは極めて難しいものだと
大臣にはぜひ認識していただきたいんです。
これは病院を運営したことのある人ならみんな思っています。自分のところの
医師一人に本当に継続してやってもらうための努力。あなた、あしたからあっちへ行ってねと、せいぜい昔許されたのは大学医局でありました。本当にこういう人の移動はできない。できないことを
前提に物を立てたらおかしくなります。
大臣、何かありますか。