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河野(正)
委員 本当に長く入院されている方においては、御両親がもう高齢になっていて、かつては同意者になっていたけれども、御
本人が認知症になられているとかあるいは
施設に入られている。きょうだいを捜しても、きょうだいも、お嫁に行った妹さんであったりするとなかなかそういったことを、精神障害者のお兄さんがいた、弟さんがいたから同意をしましょうということに対して非常に抵抗があるというのが現実だと思います。本当に、患者さんが入院できなくて、外来までは戻ってきたんだけれども、その後、病棟の方に戻れないというような状態というのもありますので、この市町村長同意というのは、しっかりと、ほかの
制度をつくってもいいんだと思います。
先ほど来、インフォームド・コンセント、患者さんの同意判断能力がないという方が精神科は残念ながらたくさんいらっしゃいますので、幾ら
説明しても、
説明して、うんと言っていても、本当に同意判断ができたのかどうかという問題もありますし、それとまた、家族を捜してと言われても、そういったふうに、もう疎遠になったきょうだいで、お嫁に行った妹さんが同意しますというようなことは、結構いろいろな家庭の事情もあって大変なことだと思いますので、やはりそういうところで患者さんが不
利益にならないようにだけはしていかなければならないと思っていますし、そういう
制度はしっかりとつくっていかなければいけないなというふうに思っております。
次に、医療人材について伺いたいと思います。
医療
法人の経営に携わっている方々にとって、医師や看護師など医療人材を
確保するということは、常に苦労の伴う大きな任務であるというふうに思っております。
これは看護師さんも同じでありますが、医師不足や偏在が叫ばれる中、国においても当然さまざまな
取り組みが進められてきたと思いますが、相変わらず、やはり医師、看護師の
確保というのは、各病院、苦労をされていることだと思います。
以前は、
理事長であるとか病院長が出身大学の医局などに頼んで招聘したりしていたんですが、近年では、いわゆる紹介
業者に頼む例というのがふえております。
今から四年前の二〇一一年に、日本病院会が、病院の人材
確保・養成に関するアンケート
調査というのを
実施しておられます。
この
調査によって、病院が、医師等の人材あっせんを受けるため、一年間に四百六十一億円もの経費をかけているということが明らかになりました。そのうち、人材あっせん
業者に支払った手数料が三百四十一億円、およそ四分の三を占めております。手数料の相場は医師の年収の二割、あるいは現実的には最近三割とも言われておりますので、一人紹介してもらえば三百万から四百万、五百万という経費がかかるというふうになります。
このように、高額の経費をかけているにもかかわらず、実はこのアンケートによると、あっせんを受けた人材の技術や技能に満足している、紹介されたお医者さんの技術に満足しているというのが七・九%、一割にも満たないというような
状況にあります。
病院がこうしたいわば間接的な経費に高額な
費用を割き、結果として病院自体の経営の安定が脅かされているという
状況は、看過できないのではないかなと考えております。
また、医療現場では、医師の急な事情により診察できなくなったり、かわりの医師の
確保に頭を悩ませるということもしばしばございます。このため、医師を専門とする紹介会社から医師を紹介してもらい、人材を
確保しているということも少なくありませんので、当直や日直など、こういった業務にそういった紹介所からあっせんしてもらったお医者さんを雇用しているというケースもたくさんあります。
我が国の伸び行く
社会保障費の中で、極めて限られた診療報酬であると思います。後で
大臣にも伺おうと思っていますけれども、厳しい経済
状況の中で、本当にやはり限られた収入を医療機関が得るわけですから、実際に医療現場で汗を流している人がそれを受け取るべきではないかなと。あるいは、患者さんに有益に還元できることを考えなきゃいけないなというふうに思っております。
この日本病院会の
調査は四年前のものでございますが、現在、改善していると認識されているのか。私は、決して改善はしておらず、看護師も含めて人材
確保は極めて厳しい
状況だと思いますし、東北とか、
地域的にも非常に深刻な
状況のところもあると思います。
厚生労働省として、問題認識や、これまでの
取り組み、課題などについて認識を伺いたいと思います。