○藤野
委員 おっしゃったとおり、配慮はしていますね。しかし、私が質問したのは、廃炉という観点から、単なる配慮、配慮と廃炉、似ていますが、配慮じゃなくて交付金制度そのもののあり方を抜本的に見直すべきだという質問なんですね。
先ほど公平だみたいなことをおっしゃいましたけれども、原子力小
委員会の中間整理を見ますと、八一%のみなし制度を見直すのが公平だと確かに言っているんですが、要は、交付金制度というのは、
原発を初めとする発電装置を
設置し、あるいは円滑に運転するというための交付金制度。この交付金制度の制度趣旨からすれば、とまっているんだから減らすのが公平だ、こういう論立てなんですね。あくまで、
現時点の、あるいは
福島以前の、
原発を促進する交付金制度の制度趣旨が前提になっているというのは私はおかしいと思うんです。
事業者についてはこういう角度で検討されているわけだから、同じように財務上の影響を受ける自治体についても、その交付金制度についても、私は、廃炉という観点から抜本的に検討すべき時期だというふうに思います。
その上で、今必要なのは、そういう再稼働を応援することじゃなくて、先ほどもお話が出ましたけれども、やはり
福島の現実にしっかり応えていくことだと思います。
我が党の国
会議員団は、この立場から、八月九日、十日と
福島現地
調査を行いまして、楢葉町の松本幸英町長からもお話を聞いてまいりましたし、仮設住宅でもお話を聞いてまいりました。ぜひ
大臣に伝えてほしいという生の声がありましたので御
紹介したいんですが、繰り返し聞いたのは、
政府のやり方は逆じゃないか、こういう声なんですね。
例えば、楢葉町に住んで、今いわきに避難されている方はこうおっしゃっていました。息子は鎌倉に移住した、家族みんなばらばらだ、以前は周りに九軒の御近所さんがいたが、帰ると言っているのは私だけだ、これじゃ帰っても意味がない、
総理大臣さんは国道や電車ができたからもう帰れると言うけれども、帰れる
状況なら、偉い人に帰れるよと言われなくたってすぐ帰るんだ、飛んで帰る、でも帰れないんだ、こういう声がありました。
また別の方は、お母さんでしたけれども、楢葉の水源である木戸ダムというのがあるわけですが、木戸ダムの水は安全なんですか、上澄みをすくうから大丈夫と
政府は言うけれども、台風で攪拌されたら、底にたまっていると言われる放射能が拡散されるんじゃないか、この木戸ダムの水でミルクをつくって子供に飲ませられるのか、こういう声もありました。
大臣や議員の人たちは、自分の子供や孫たちを連れて楢葉で一緒に住んでほしい、一週間とかではだめだ、半年、一年、実際に住んでほしいという声もありました。自分は遠くにいて、帰れ帰れと言う、それは違うだろう、こういう
指摘もありました。
大臣、これは現地の声であります。しっかり受けとめていただきたいと思うんですね。これは、私が聞いた一部の声ではなくて、オール
福島といいますか、
福島全体の声でもあると思っております。
大臣のもとにも届いていると思うんですが、
福島県原子力損害
対策協議会、これは、県の医師会や中小企業団体を初めとする二百六団体、まさにオール
福島の団体が、与党の第五次提言に対して意見をまとめたものでありまして、まさに
福島の政財界を代表する声であります。
この中で
指摘されているのを二つほど
紹介したいんですが、
一つは、
福島県旅館ホテル生活衛生同業組合はこうおっしゃっています。賠償の問題です。「「二年分一括支払い」については、今後
原発処理作業等の事故による風評再発等も
懸念されることもあり、一括払いは安易に受け入れることはできない。」こういう
指摘でありました。
また、
福島県の中小企業団体中央会はこうおっしゃっています。「風評被害は噂によって生じるものであるため、その原因物質、」すなわち「
福島第一
原発の溶融核燃料や
汚染水が撤収されない限り収まらないと考える。従って風評被害に対する営業損害賠償は
福島第一
原発が更地になるまで続けるべきである。」これは、
大臣も恐らくお会いになったことがあると思うんですが、
福島県の中小企業団体中央会の意見であります。
大臣にお聞きしたいんですが、例えばこの中央会の、その原因物質、溶融核燃料などが撤収されない限り損害や被害というのは出続けるんだ、原因がなくならない限り損害は出続けると。
大臣、このとおりだと思われませんか。