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篠原(孝)
委員 わかりました。
皆さん、もうはるか昔のことなのでお忘れかもしれませんけれども、
日本でも
発送電分離の声がわあっと沸き起こったことが、何回も波があったんでしょうけれども、二〇〇〇年代の初めにあったはずなんです。
どういうときかというと、
福島第一
原発で、GEの
技術者が、
蒸気乾燥器のところにひび割れがあったりしているというのを、
アメリカ人ですけれども、
ゼネラル・エレトリック社の社員が、言ってみれば内部告発したわけですね。
東電はそれを隠していたということで、
東電の
経営陣が、古い名前で、
平岩相談役、
荒木会長、
南社長とかいうのが総退陣した。それで、やはりこれはよくないから、
発送電分離していかなくちゃいけないんだというような
感じのことが盛んに行われたような気がするんです。
しかし、何かそれは尻すぼみになって、総退陣したのでいいかというふうになって、今もやっていますけれども、
エネルギー基本計画に、直していけばいいのに、
原発維持、
核燃料サイクルもそのまま
維持というふうになってしまって、
改革がとまってしまったんだろうと僕は思うんです、わかりませんけれどもね。それで、ほかの国のようにいかなかったんだろうと思うんです。
ちょっと
一つ、これは聞いていただくだけでいいんですが、
大臣に申し上げておきますと、
中国山地に、
中国電力管内に小
水力発電が物すごく多いというのは
御存じですか、知っていますか。(
宮沢国務大臣「広島県に」と呼ぶ)ええ。本当は小
水力発電は我が
長野県に、
中部電力にいっぱいなくちゃいけないんです。山はあるし、川はみんな滝みたいなものですからね。
発電というのは、
皆さん御存じのとおり、結局、
タービンを回しているわけですね、
原子力発電所でも
火力発電所でも。水蒸気にしてやっていらっしゃる、
原発や
火力発電は。だけれども、基本的には、水がおっこちてくる、それで
タービンを回す、それで
電力エネルギーに変えている。
だから、
日本なんというのは、雨が年間千七百ミリから八百ミリ降る、一日で降るところがあるわけです、それだけ。それで、川の流れが急勾配だと。明治のときにオランダの
学者が
日本に来たときに、
日本の川は川じゃなくて全部滝だと言ったそうですね。そのぐらい
急流なんです。
だから、これは私は
学者たちはぼけていると思うんです。
発電の
適地がどこにあるかなんて、全部
適地なんです。
長野の
急流なんというのは、
ダムをつくらなくたって、ちょっと小さくこっちに、横にして、
タービンを回してやったりしたら、そういうのができれば、もう
長野県は、県民が二百十万ぐらいいるんですが、それに必要な
電力をはるかにしのぐ
電力を小
水力で賄えると思うんです。
中国電力に何であったかというと、
大臣と私は同じ世代だから我々はわかりますけれども、三段跳びの
織田幹雄さん、金メダルをとった。それのお兄さん、
織田史郎さんという方が
中国電力の
相当重鎮になられたんです。この方が、要するに
電源開発促進三法ですね、それで
ダムをつくって、そして、不利益をこうむる、川底に沈む。それの代替にいろいろ何かしてやろうと。
そのときに、道路だ公会堂だ公民館だとそんなのがあったんですけれども、そんなことはするな、あんたらもみんな
電気を使うんだから、
送電ロスも少ないし、
発電所をつくればいいんだ、
中国電力はそのノウハウがあるから、一番それができるから、そうしたらいいというふうに言われたんです。これは本当に美しい話なので、後で調べて、経産省のちょっと頭のかたい
人たちにもみんなやっていただきたいんですけれどもね。
それで、たった一人の人の優しさというか
経営感覚というか、何といっても先を見る目がそうさせるんですけれども。そうすると、それに応じて、田舎の中
山間地域の農家の
皆さんも相談して、それにこしたことはないといって応じるわけです。ここから後が違ったんです。
そのときにどうしたかというと、ほかの
東京電力とか
中部電力もみんな、決して余ったときの
電力を買わなかったんです。こんな簡単なことを排除して、しなかったんです。まさに
独占体制だったんです。だけれども、
中国電力だけは、豊富に水が流れているとき、余っているときに、その
電力を買ってやったんです。だから採算が合ったんです。
だから、
中国山地にだけ。大した山はないですよ。大した山はなくて、いいところなんです、山がなくて平らで。
長野と比べたらずっと暮らしやすいところです。それにもかかわらず、
中国山地にだけ小
水力発電があるというのは、そういうことなんです。
織田史郎さんが気をきかせて、そして
中国電力の幹部がそれを受け入れたんです。だからなんです。それをもっともっと前からやっておけば、
電力自由化、こんな
発送電分離なんてしなくても、みんな幾らでもできるようになるということ、僕はそういうことを申し上げたいんです。そういうことをやっていなくて、かたくなに、俺
たちだけでやるから余計なことをするな、俺のところの
電気を買えと言っていた。だから今いっぱい
中国山地にあるんです。
では、陳情めいたことで言っておきますと、
前々からある、簡単な原理なんですね。水をとめてやるだけですから、故障しないんですよ。何十年ともつんです。これが
耐用年数が来て、修理してやる時期になっているんです。さあ、どうするか。
修理費云々で金がかかるわけです。これがFITに合わないんですね。もとからあるものだから
対象外になっているわけです。先行投資していた
人たち、考えていた
人たちを排除しているんです、まだ。前からやってきたんだから倍出してやってもいいような気がするんですけれどもね、私なんか。今まで貢献して、先駆的にやってきたわけですから。こういうことなんです。
だから、
日本的なところを
維持しながら
改革をしていった方がいいところがいっぱいあるんじゃないかとも僕は思うんですよ。
織田史郎さんは、もう今は全部買電するようになっていますけれども、それをはるか昔にやっておられた。そこには、重
宗雄三さんとか
有力政治家がいたんです。そういう
有力政治家になってください。
そういう
連携で、そして強引にそれをさせたんです。そういうことができたんですね。ちょっと気のきいた人、チームがあったりすると、そこのところは改善されていくんです。これが
全国ベースになるのに何十年かかったんでしょうか。
前々からやっていたら、今や
ドイツをしのぐ
再生可能エネルギーの
先進国に
水力発電でなっていた
可能性があるんです。それを、目を塞いでいたんです。だけれども、
中国電力だけはそれをやっていたということ、これを頭の中に入れておいてください。
次に、その延長線上で、だめな方です。
カリフォルニアの大
停電、それから
ニューヨークシティーの大
停電というのがある。映画もできていますよ。
ニューヨークの大
停電の後に、喜劇というかコメディーで、いっぱい子供ができたとかいうものですけれどもね。
それで、
発電会社と
送電会社を
分離して、そして、あちらの国はそういうところがちょっと
日本人よりも苦手ですから、
意思疎通がうまくいかなかったりして大
停電が起きてしまったと言われているんですね。
日本でも同じようなことが起こる
可能性があると思うんです。そこを
連携をとってやっていればいいんですけれども、何か
法律を見ますと、それはしようがないんですよ、やたら
兼職禁止。本当は、業界との癒着じゃないと思うので、僕は、そんなにぎちぎちやらなくたってよくて、むしろ
意思疎通が図られた方がいいような気がするんです。
だからといって、それでもってほかの
新規参入者に対して差別的なことをするとよくないんです。むしろそっちをやめさせればいいんであって、ぎちぎち
兼職禁止、
行為規制。そうすると、余り普段から口をきくな、交流するな、
意思疎通しないようにして、それで大
停電に結びつくようなことになってしまうんじゃないかと思うんですが、この点については何か
日本的なことで配慮されているんでしょうか。