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吉良委員 基本的に、
個人的にも、属する
政党としても、
条約の
締結について
異議はありませんので、今私
自身が懸念することについて
種々確認をさせていただいた次第であります。
続いて、きょうは
頭出しとして、今後数回に分けて話をさせていただきたい、戦後七十年を迎えて、
さきの
大戦を検証するという
テーマに移らせていただきたいというふうに思っています。
今回、私
自身が
さきの
大戦を検証するということを取り上げたいと思う理由は、大きく
二つあります。
一つは、冒頭申し上げましたように、
安倍総理談話。この
安倍総理談話は、
日本国民はもちろんのこと、
近隣諸国、そして、
さきの
大戦において戦った
相手国、
世界からもきちっと評価をされる
内容にしてほしいという
思いがあります。その
観点から、
さきの
大戦というものが一体どういうものであったのかということについて検証していきたい、また、
岸田大臣初め
外務省と
議論をしていきたいというふうに思っています。
二点目は、私の父の
世代に当たるわけですけれども、きちっと物心がついて以降、
戦争というものを明確に意識したというか、体験に基づいて
戦争の悲惨さも
経験をし、
戦争から得られる
教訓というものをまさに体にしみ込ませている
世代が、今、残念ながら、この世から徐々に去っていこうとしております。そういう中で、
さきの
大戦について、数字的なことも含めて事実を知らない
人たち、
世代が大変多くなっています。
若い
世代の
右傾化ということが言われます。それも、
大戦についてきちっと数字的なことも含めて把握しているならともかく、
感情論で
近隣諸国を批判することで気勢を上げているというような傾向というものに対しては、私
自身大きな懸念を抱いております。
そういう
意味で、
大戦の事実
関係についてきちっと、この場の
議論を通して、
国民に対しても、再度認識をしてもらいたい、こういう
思いで、
さきの
大戦の検証ということについて取り上げさせていただこうというふうに思っています。
そういう
意味で、特に対
中関係改善を意識した話をさせていただきたいと思っています。
とかくこの対
中関係改善ということを話をしますと、ある種のレッテルを張られてしまうわけでありますけれども、それを避ける
意味で、きちっとした
議論をさせてもらう
意味で、私
自身の基本的な
立場ということについて、私の
演説の
機会ではありませんけれども、話をさせていただきたいというふうに思っています。
対
中改善が大事だというふうに申し上げておりますけれども、
日本外交の中で一番大事なことは、先ほど
岸田外務大臣が、2
プラス2、
日米首脳会談のところでまさにおっしゃられたように、
日米関係、そして
日米同盟だというふうに思っています。そして、その
日米同盟の
強化というものは、今
我が国にとって最も重要な
テーマだろうというふうにも思っています。
私
自身は、実は、この隣の隣にいる
長島昭久議員と一緒に、
民主党政権の時代に、当時の二二
防衛大綱ということについて、実務的につかさどるという
立場で
大綱をつくりました。
その際の我々の
問題意識というのは、もう釈迦に説法になりますけれども、今、この東アジアを
中心として、大きく
国際環境、特に
安全保障環境が
変化している、それはもう言うまでもなく中国の経済的、軍事的な台頭にあるということを明確に意識した上で、
我が国を取り巻く
環境の
変化、これに
対応していくにはどうすればいいのか。
その第一として、やはり
日米同盟の
強化であるということ、それから、
米国のみならず、
具体名を出してオーストラリアを初めとして友好国との
安全保障上の
関係強化をしていくということ、そして、当時の
防衛の
基本思想であった
基盤的防衛力、これから、今言った
安全保障環境の
変化を踏まえて
動的防衛力という概念を持ち出して、
一つには、陸自ももちろん大事なんですけれども、海、空というものをより充実させるということ、それから、
島嶼防衛等を踏まえて機動的な
防衛力を整備していくというようなことを、我々
自身うたったというふうに思っています。
大変手前みそながら、今、現
安倍政権で進めておられる、または
さきの
防衛大綱についても、大きな流れからいえば、我々がつくった
防衛大綱の延長にあるというふうに思っております。
これは、ある
意味では当然のことでありまして、
安全保障に関して、
与党、野党とか、
政党が違えど、今言った大きな
安全保障環境の
変化、それに対してどう対処していかなければいけないのか、普通に考えれば当たり前のことでありまして、これは
政党によって
変化があろうはずがないというふうに思っています。
大事なことは、
脅威となり得るのは、その
脅威となり得る
潜在国、
潜在集団が
意思と
能力を持つということであります。名指しはしませんけれども、
近隣諸国の中で、かつてとは違って十分な
能力を持つ国が存在している。だから、その国に対して
意思を持たせないということが最も大事だろうというふうに
思います。
そういう
意味で、先ほど、二二
大綱のときの基本的な考え方だというふうに申し上げましたように、一方では、
自主防衛力も踏まえて
日米同盟を
強化していく、そして一方では、きちっと、にこにこ笑いながらかたい
握手を求めていくということが求められているんだろうというふうに思っています。
そういう
観点からすると、今の
安倍総理の
対応というのは、一方では、
日米同盟の
強化ということは、我々が望む以上にかもしれませんけれども、必死に取り組んでおられますけれども、一方で、かたい
握手を求めていく、もちろん、先日も
日中首脳会談というのが行われましたけれども、まだまだ私はその誠意が足りないのではないかというふうに思っています。
そういう
意味で、来るべき
安倍総理談話については、先ほど言いましたように、
日本国民はもちろんのこと、
近隣諸国、
さきの
大戦で争った国からも評価してもらえる、そういう
談話を期待したいというふうに思っております。
そういう中で、この前の
日米首脳会談でも言われたことでありますけれども、
安倍総理が、
未来志向、過去は過去として反省はしているけれども、もう
未来志向でいこう、いつまでも過去にとらわれていないで先を見ていこうよ、こういう、気持ちはわからぬでもないんですけれども、なぜここまで、侵略またおわびということについて、ある
意味、拒否をしていくのかということについて、ちょっと理解ができないんですね。
今言いましたように、レッテルを張られるような
立場ではない私のような
立場の
人間からしても、
安倍総理の
対応については大きな疑問を持っています。
この点について、これまでも寺田
議員それから
緒方林太郎議員が何回も
質問をして、なかなか、閣僚の一人として答えには限界があるとは
思いますけれども、
岸田大臣が侵略またおわびということについてどう考えておられるのか、お聞きしたいと
思います。