○下地
委員 イギリスのブレア首相が、二〇〇三年の七月に
アメリカ議会で演説しているんですよね。この演説の
内容は、イラクの
戦争について、大量の破壊兵器の結びつきを確信していたかと問われた場合、これだけは言える、少なくとも残虐な殺りくと苦難をもたらす脅威を排除することはできた、私は自信を持って歴史は許すだろうと言えると、正当性を議会で発言をして、その上で、イラクの大量破壊兵器に関する情報当局の情報については正しかったと確信しているというようなことを
アメリカの議会で言ったんです。
その一年後に、イラクの大量破壊兵器の情報について、イラクが持っているとの
判断と現実は違っていたと認めた上で、自分も他の人間と同じように間違いを犯す人間だと語り、イラクの大量破壊兵器の情報が誤りだったことを認めて、
判断の間違いを謝罪した。
その後、また一月に、ブレア首相が、英の与党の労働党が
国民の支持を回復したいなら、まずはブレア首相がイラクの
戦争の誤りを認めるべきだとの批判を公然と唱え始めて、ベン国際開発相とか、ヘイン北アイルランド担当相とか、クーパー住宅計画担当閣外相とか、パーネル社会保障担当閣外相とか、ブレア政権の方々が、この発言から始まったことについて、確信ができていないものをこういうふうに発言したことが、後になって内閣の中で非常に大きな問題を生じるというケースが出てきているわけです。
私が申し上げたいのは、
安保法制度は、この
委員会を見てもおわかりのように、自民党と公明党が多数ですから、これは大串先生がどんなに騒いでももう通りますよ。(発言する者あり)頑張るかどうかわかりませんけれども。だけれども、これは
可能性のある話、一〇〇%の話だから、私はこれは発言していいと思うんですよね。
きのうも国土交通
委員会で、岩国や中部国際空港のことについて水資源開発局長が話をしたのは、やはり設計変更が出てきた場合、埋め立ての場合には、県知事の承認をいただかないと工事は進められませんねというようなことをきのう
答弁しているんですよね。だから、設計変更というのは、みずからが設計変更してくれと言って承認されないのに、設計変更が承認されないのに工事を粛々と進めるということは厳しいんじゃないかというような
答弁をきのうはなされているんです。私はそのとおりだと思う。
今は、仲井真知事が印鑑を押したものを何で知事が認めないかということになると、岩礁破砕の取り消しを行ったり埋め立ての取り消しを行ったら、私は、
政府の方が強くて、法手続的にも行政手続的にも絶対に
沖縄県は有利にならない、弁護士じゃないですけれども、そう
思いますよ。だって、仲井真さんが押したんだから。自分の県知事が押したことをもう一回否定するというのは、なかなか難しいことだと思う。
しかし、新しい設計変更が出てきた場合には、翁長さんという知事がこれを押さないということになると、この時点で、継続性ではなくて、私は、工事もストップするし、設計変更をとれないうちに、粛々と進めるとかという言葉はもう絶対成り立たないというふうに思うんですよね。
しかも、これは受託事務ですから、これを
政府がとって代執行する。
沖縄県に与えている埋め立ての認可の許可を
政府が全部とって代執行しますよというようなことになると、設計変更が岩国でも八回出ていますから、一回
ごとに代執行していかなきゃいけないんですよね。そうなると、この問題はもう暗礁に流れて、なかなか今の
状況では、確実に一〇〇%できますというような
状況には僕はなっていないと思うんですよね。
だから、今、丁寧にやる以上は、今回の四月に訪米なされるときに、
アメリカ議会で、今の段階でもう五割とも言えない、まだどうなるかわからない、そういうような、やりたいという気持ちはおわかりになるけれども、やることが行政的にも
法律的にもなかなか難しい、それを発言して、このペーパーを書くという、今
大臣が、言った方がいいというお話でしたけれども、僕はいかがなものかと思うんですよね。
今は、粛々と、あの場所では約束せずに、
沖縄と向き合って、先ほど申し上げたようにキャラウェー発言を取って、その後、心を開けるようにして、翁長さんの
理解をもらえるようにする、そういう過程にエネルギーをかけるべきであって、
アメリカ議会でどんと発言して、もう向こうでやってきたから、もう国際約束したからやらざるを得ないんだよというようなやり方は、私はいかがなものかというふうに思っているんですよね。
だから、ここは、国内に向き合ってこの問題を解決する、
アメリカを向いてこの問題を解決しない、そういうふうな
政治の姿勢が私はいいのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。