○柿沢
委員 大変残念なんですけれ
ども、私は、今の御
答弁がまさに一種のごまかしだと思います。
まさに、これから安保法制を整備して、積極的平和主義という考え方のもとで、
自衛隊の
海外における活動範囲というか、質的にも量的にも範囲が拡大をする、このことは誰もが認めざるを得ないことだと思うんですよ。そうすれば、リスクが高まるのは当たり前だと思うんです。そこについて、
安全確保をし、そして、現に
戦闘地域になった場合は即時に撤退するから、そうしたことはあたかもないかのような、あたかもないかのような御
答弁をされるというのは、私は誠実ではないと思います。
先ほど先回りして御
答弁をいただきましたけれ
ども、これは
中谷防衛大臣が御
答弁をされなくても、そういうことになるんだということは誰もが薄々と、
自衛隊員も含めて感じていることだと思うんです。
日本は、これまで一貫して、憲法九条の縛りのもと、国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄して、あくまで自国
防衛の範囲において必要とされる最小限の実力組織として
自衛隊を保持するという、専守
防衛と言われる国是を貫いてきた。その結果、
自衛隊は、一発の銃弾も撃たず、そして一人も殺傷しない、こういう
日本の平和主義に対する信頼を戦後七十年にわたって築き上げてきたわけです。
先ほど、イラクの陸上
自衛隊の人道復興
支援部隊の帰任式で、これは小泉総理が言った、イラクにおいて、一発の銃弾も発せず、一人も死者を出さず、これは
日本国民にもイラク国民にも長く記憶にとどまるだろう、こういう
言葉に象徴されているわけです。
アフガンで武装解除にかかわった伊勢崎賢治さんとか、あるいは実際に紛争地で人道
支援を行っている
我が国のNGOの皆さんとか、こういう皆さんは、まさに
日本がそういったソフトパワーを持っていることがいかに日
本人が
現地で活動をする上で身の安全の確保に役立っているか、こういうことを強調されておられるわけです。この信頼を、結果として
日本は失うことになるわけです。程度はどうあれ、そうなることになると私は思います。
それは、ある
意味では引きかえの問題だと思うんですね。他国の若者が血を流して確保し、維持されてきた
世界平和の一方的な受益者であってはならない、だから、
日本も、リスクが高くなっても今まで以上の協力や貢献に踏み込むんだ、こういう考え方でしょう。
だったら、そのリスクが高まるということを否定するのは、私から見ればごまかしです。
日本国民に、また、アメリカ初め国際社会や諸外国に、そして何よりも
自衛隊員に対して、私は不誠実だと思います。政治家がそれをやってはならない。残念ながら、そこに安倍総理は正面からお答えになっていないと思います。
中谷防衛大臣は、
自衛官の出身でもあり、また、
自衛隊の指揮官として、私は、内心その覚悟をお持ちだと思っています。その覚悟をぜひ私はお伺いしたい。これは議論の
最初の
最初だと思いますので、それを確認させていただきたいと思います。