○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。
急遽、解散・総
選挙が行われるのではないかという話が出ておりまして、
総務省も大急ぎでもしかしたら準備をしていらっしゃるのかもしれないと思います。六百億円を超える税金が投入をされる衆議院の解散・総
選挙に大義があるのかという点については、私は大いに疑問を感じておりますけれ
ども、しっかりと我々としてもその場合には受けて立ちたいというふうに、まず冒頭お話をさせていただきたいと思います。
さて、今日は久しぶりにNHKの
籾井会長にもお越しをいただいていますけれ
ども、今日は無戸籍の話を中心に伺ってまいりたいと思います。
まずは実態からなんですが、
皆様、無戸籍という問題を御存じでしょうか。この
日本において戸籍がない人がいると。ある方によると、一万人ぐらいいるのではないかというふうに言われています。
では、なぜ戸籍がない人が存在するのかというと、
一つは民法七百七十二条の三百日規定、離婚した後、三百日以内に生まれた子供は前の夫の子供とするという規定があります。
一つはこれによるもの、もう
一つはそれ以外と大きく言えば二つに分けられるかと思うんですが、この七百七十二条に関していえば、例えば夫からDVを受けて着のみ着のまま逃げ出して、離婚もできないまま、例えばほかの男性とその何年後かに恋に落ちて子供を授かって産んだとしても、離婚ができていなかったら戸籍上は前の夫の子供になってしまう。離婚
手続をするのにも、まあこれは女性は本当にお分かりいただけると思いますが、きっとそうやって暴力を振るうような元夫のところと話をするのは非常に怖いわけで、離婚すら成立していない場合もあるし、何とか離婚が成立していても、実際はずっと離れて暮らしていたけれ
ども、三百日以内に生まれてしまったら戸籍上は元夫の子供になるからという、そういう実態があるわけです。
この嫡出推定というのは、子供の福祉の
観点に立っても、父親が存在しない
状況をつくらないという意味からも、ある一定必要性はあるんだと思いますけれ
ども、この七百七十二条によって無戸籍になって、そのまま今もう成人してしまっている人も数多くいらっしゃいます。それ以外のケースというのは、例えばネグレクトとかいうこともあるでしょうし、やむにやまれぬ事情で子供を授かったということを
社会に、なかなか表に出せないというような、非常にこれもまた深刻なケースもあるわけです。
この無戸籍であるということでどういう不利益を被るのかというと、基本的には戸籍がないと
住民登録ができないわけです。だから、
住民票がないので
国民健康保険への加入もできないし、子供が学校へ行くにも就学通知は来ないし、当然参政権もないから
選挙にも参画をすることができないし、運転免許も取れないし、あるいは国家資格の取得もできないと。実際に私が会った成人した無戸籍の方なんかは、小学校にすらやっぱり行ったことがないと。お母様は何度か掛け合われたようですが、
住民登録がないことを理由に学校も行っていない、だから小学校も中学校も高校も行っていない、そういう方がこの
日本にやっぱりいるんだということなんですね。
我が国の根幹を成すものということで戸籍というのは非常に信頼性の高いものなんですけれ
ども、でも実は万能ではありません。先ほどの三百日規定もそうなんですけれ
ども、一応法律的には、婚姻後、二百日を経過した子供はその夫の子供となるんですけど、今も非常に多いですが、授かり婚とかは、子供ができてその後に入籍をした、実際は婚姻してから百日とかで子供が生まれていたりするケースもいっぱいあって、本当は嫡出子ですらないはずなんだけれ
ども、今の
日本の現状においてはそれはそぐわないので、二百日経過していなくても、婚姻関係にある夫の子供とこれはなるわけですね。片や厳格に運用されているところもあれば、片方ではそういう意味では非常に緩やかに運用されているということで、私には、どうしても民法とかいうものに、戸籍というものにかなりバグがあるんじゃないかなという感じがしています。
まず冒頭伺いたいんですが、こうした法律の隙間に無戸籍の方たちというのは落ちてしまっています。ようやく法務省も実態
調査に乗り出していただきました。最新の数字を教えていただきたいのと、そのうち一体成人の方が何人いらっしゃるのか、その理由についても分かる範囲でお答えいただければと思います。