運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
2014-10-23 第187回国会 参議院 厚生労働委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成二十六年十月二十三日(木曜日) 午前十時開会 ─────────────
委員
の
異動
十月二十一日
辞任
補欠選任
石田
昌宏
君
三原じゅん子
君 十月二十二日
辞任
補欠選任
高階恵美子
君
太田
房江
君
高野光二郎
君
酒井
庸行
君
三原じゅん子
君
井原
巧君 十月二十三日
辞任
補欠選任
太田
房江
君
高階恵美子
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
丸川
珠代
君 理 事
大沼みずほ
君 羽生田 俊君 福岡
資麿
君
津田弥太郎
君 長沢 広明君 委 員 赤石 清美君
井原
巧君
石井みどり
君
太田
房江
君 木村 義雄君
酒井
庸行
君 島村 大君
高階恵美子
君 滝沢 求君 足立 信也君 石橋
通宏
君
西村まさみ
君 白
眞勲
君 藤田 幸久君 山本 香苗君
薬師寺みちよ
君 山口 和之君 東 徹君 小池 晃君
福島みずほ
君
事務局側
常任委員会専門
員 小林 仁君
参考人
一般社団法人日
本
経済団体連合
会労働法制本部
統括主幹
鈴木
重也
君
日本労働組合総
連合会総合労働
局長
新谷
信幸
君
東京大学大学院
法学政治学研究
科教授
岩村
正彦
君 ───────────── 本日の
会議
に付した
案件
○
専門的知識等
を有する
有期雇用労働者等
に関す る
特別措置法案
(第百八十六回
国会内閣提出
、
衆議院送付
)(
継続案件
) ─────────────
丸川珠代
1
○
委員長
(
丸川珠代
君) ただいまから
厚生労働委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御
報告
をいたします。 昨日までに、
石田昌宏
君、
高野光二郎
君及び
高階恵美子
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
酒井庸行
君、
太田房江
君及び
井原巧
君が選任されました。 ─────────────
丸川珠代
2
○
委員長
(
丸川珠代
君)
専門的知識等
を有する
有期雇用労働者等
に関する
特別措置法案
を議題といたします。 本日は、
本案
の
審査
のため、三名の
参考人
から御
意見
を伺います。 御
出席
をいただいております
参考人
は、
一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹鈴木重也
君、
日本労働組合総
連合会総合労働局長新谷信幸
君及び
東京大学大学院法学政治学研究科教授岩村正彦
君でございます。 この際、
参考人
の
方々
に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ当
委員会
に御
出席
をいただきまして、誠にありがとうございます。
参考人
の
皆様
から忌憚のない御
意見
をお述べをいただきまして、
本案
の
審査
の
参考
にさせていただきたいと存じますので、よろしく
お願い
を申し上げます。 次に、議事の進め方でございますが、まず、
参考人
の
皆様
からお一人十五分以内で順次御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
からの
質疑
にお答えをいただきたいと存じます。 なお、
参考人
、
質疑者共
に発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず
鈴木参考人
に
お願い
をいたします。
鈴木参考人
。
鈴木重也
3
○
参考人
(
鈴木重也
君)
経団連労働法制本部
の
鈴木
と申します。
先生方
におかれましては、日頃より
我が国
の
雇用労働環境
の
改善
に向けて御尽力をいただいておりますことにつきまして、この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げたいと存じます。 本日は、
専門的知識等
を有する
有期雇用労働者等
に関する
特別措置法案
について、これを賛成する
立場
から
使用者側
の
考え方
を説明させていただきます。 御案内のとおり、二〇一三年四月一日に
改正労働契約法
が全面
施行
されました。とりわけ同法第十八条の
無期転換ルール
は、
企業
の
経営
、
人事労務管理
に大きな影響があるため、
経団連
では、これまで延べ約一千六百名の
企業担当者
に対し
説明会
、セミナーを開催し、法令の
周知徹底
を
お願い
しているところでございます。 また、本日、
配付資料
の中に
経団連
が毎年取りまとめております
経営労働政策委員会報告
の抜粋を入れさせていただきました。ここでも、
法律
の円滑な
施行
に向けて
改正法
の
留意点
を盛り込むなど、広く呼びかけを行っているところでございます。
労働政策研究
・
研修機構
の
調査
によりますと、
企業
の
対応方針
として、
フルタイム契約労働者
を何らかの形で
無期転換
にしていくとする
回答
が四二・二%と最も多くなっております。
対応方針
は未定、分からないとする
回答
も三八・六%ございますので、確とは申し上げられませんが、多くの
企業
は
無期転換
に積極的と言うことができるかと存じます。特に、
有期雇用労働者
から
勤務地
や
職務
、職種を限定した
無期雇用労働者
、いわゆる多様な
正社員
へ転換する
仕組み
を導入する
企業
が増えております。これは、
無期転換
後の
働き方
として、典型的な
正社員
のように転勤、配転があり、また一年
ごと
に徐々に難しい役割が与えられるとなると、結果として
無期社員
として
就労
がしにくくなる方がいらっしゃるかと存じます。多様な
正社員制度
はこうした
課題
の
改善策
として有益だというふうに考えております。政府におかれましてもその
普及拡大
に
推進
をされておりますが、
経団連
としても、積極的に多様な
正社員
の
メリット
などを説明するなど、
無期転換
の
推進
を支援しているところでございます。 さて、今回の
特別措置法案
は、
国家戦略特別区域法附則
第二条に基づき、
労働政策審議会
での
議論
を経まして、閣法として
提出
があったものでございます。
労働政策審議会
におきまして
使用者側
は、
労働契約法
の
改正趣旨
あるいは高
年齢者雇用安定法
の
改正趣旨
を逸脱しないことを大前提として、その
見直し
の
提案
をさせていただいたところでございます。本
法案
は、
高度専門労働者
と
定年
後
継続雇用者
を
対象
に、適切な
雇用管理
の
措置
とセットで
無期転換ルール
の
特例措置
を設けることにより、
我が国
の
産業競争力
の
強化
やグローバルな
経済活動拠点
の
形成促進
、加えて
雇用機会
の創出に大きく寄与することが期待されており、
労働者
、
使用者
の
双方
に
メリット
のある
法案
だというふうに思っております。 まず、
高度専門的知識等
を有する
有期雇用労働者
に対する
特例措置
についてでございますが、
世界規模
の
企業間競争
の激化と
少子高齢化
による
市場変化
への
対応
を背景といたしまして、魅力ある商品、サービスをいかに提供できるかが
企業間競争
の勝敗の分かれ目になっております。
各社
ではイノベーションを通じた
付加価値
の
創造
に真剣に取り組んでいるところでございますが、こうした
付加価値
の
創造
の
担い手
は
人材
であり、とりわけ高度な
専門的知識等
を有する
労働者
に負うところも大きいというふうに考えております。
企業競争力
の
向上
を通じて
処遇
の
改善
、
雇用機会
の
拡大
、ひいては
経済
の好循環につなげていくためにも、
高度専門労働者
がその持てる
能力
を十分発揮していただける
環境
を整備することが重要だというふうに考える次第でございます。 大
企業
一社で数名程度と少ないものの、現在でも、優秀な
人材
に働いていただくため、一千万円を超える
年収
で
有期契約
を結んでいるケースがございます。具体的に申し上げますと、
新規事業
を立ち上げる際の
研究者
、
技術者
、
大型資源プロジェクト
を受注した際の
専門家
、さらには
インフラ金融
に関わる
ファンドマネジャー
、PFIによる
事業
の
プロジェクトマネジャー
、
世界規模
の
大型イベント
の
プロジェクトマネジャー
など、
専門分野
は多岐にわたっております。また、
事業
の
グローバル化
に
対応
するため、特定の国・
地域
で
市場開拓
を行うため
当該国
・
地域
の
法律
や
ビジネス慣行
などの
知識
を持つ方を積極的に採用する
企業
は今後増えていくものと想像をしているところでございます。 一方で、
有期プロジェクト
の
実態
は必ずしも五年未満に限られるものではございません。高度な
専門的知識
を有し、比較的高い
年収
を得ている方は国内外からヘッドハントされる
対象
で、
交渉力
を持っているというふうに私
ども
は
理解
をしておるところでございます。こうした
方々
を
対象
に
無期転換ルール
の
特例
を設けることは、
企業
にとりまして五年を超える
プロジェクト
を立ち上げやすくなり
企業競争力
の
維持強化
に資するとともに、
高度専門労働者
にとりましては
有期プロジェクト
を通じた
能力発揮
や
キャリア形成
の場が広がることになりますので、
労使双方
に有益なものと考えるところでございます。 また、第
一種計画
におきます
能力
の
維持向上
を自主的に図る
機会
に関する
措置
その他につきましては、
専門的知識
、
技術
、
経験
を最大限発揮してもらったりブラッシュアップしてもらう必要から、重要な
仕組み
であるというふうに
理解
をしております。ただし、有効かつ適切な
措置内容
は、例えば
長期雇用
を前提に
キャリア
を
形成
をする
労働者
などとはおのずから異なる面もあるというふうに考えております。例えば、必要な機材の導入や
専門雑誌
などの購入、学会への
参加奨励
、弾力的な
労働
時間
制度
の
適用
など、
現状
行っている
施策内容
を
基本
に
各社
が選択できることが適切ではないかというふうに考えております。 続きまして、
定年
後の
継続雇用者
に対する
特例措置
について申し上げたいと存じます。
我が国
が
対応
を迫られている大きな
課題
といたしまして、
労働力人口
の減少への
対応
というものがございます。そのため、
女性労働者
に
活躍
をしてもらえるよう、
仕事
の
効率化
や
職場
の
意識改革
を通じ、短い時間でも働ける
環境
を整えていく、あるいは多様な
就業形態
の
選択肢
を増やしていくことが重要になってまいります。そうした
施策
と併せまして、六十歳以降の
高齢者
への
活躍支援
が不可欠な
政策
になろうかと思っております。 六十歳以上の
就業者数
は、二〇一三年平均で一千二百五十一万人、
就業者
全体の約二割を占めます。
高齢従業員
の
雇用機会
を
拡大
することは、
社会保障
の
担い手
を増やし、
社会保障制度
の安定にも寄与すると期待されております。
企業
といたしましても、
高齢従業員
が持つ
知識
、
経験
、
技術
を
職場
で十分発揮していただくとともに、次の世代への着実な
技術継承
を図るため、
高齢従業員
を重要な戦力と位置付け、積極的に活用を図っているところでございます。
労働契約法
第十八条の
無期転換ルール
は、全ての
有期労働者
を
対象
とするため、
定年
後の
継続雇用者
にも
適用
されます。もとより、
無期転換ルール
は、若者を
中心
に、不本意な形で非
正規労働
に従事されている場合、そうした
方々
を
対象
に、より安定的な
雇用機会
を提供することを
目的
として創設されたものであると
理解
をしております。 二〇一三年度の
総務省労働力調査
によりますと、六十五歳から六十九歳層の
雇用者
は百九十四万人いらっしゃいますが、このうち非
正規雇用者
は七割となっております。これは、
高齢者
の場合、
加齢
により
健康面
あるいは
業務遂行能力
などにおいて
個人差
が広がるということを踏まえ、
働き方
を確認しながら一年
ごと
に
契約
を更新することが
高齢者
の
就業実態
に合っているからということが言えるかと存じます。すなわち、
定年
後の
継続雇用者
に対しまして
無期転換ルール
の
特例措置
を設けるということは、
労働契約法
第十八条の
趣旨
を没却するものではないというふうに
理解
をしておるところでございます。
事業主
は、
企業現場
の
実態
を踏まえ、六十五歳以降も働いていただきたいという気持ちを持っておりますので、本
法案
により
高齢者
の
雇用機会
を広げるという意義は大変大きいというふうに考えております。 次に、第二種
計画
における配置、
職務
及び
職場環境
に関する配慮その他の
雇用管理
について申し上げます。
各社
における
定年
後の
継続雇用者
に対する
雇用管理
は、例えば
健康状態
などに応じて
仕事
の負荷を軽減すること、さらには
仕事内容
や評価に応じて適切な
処遇
を行うことなど、実に多様な取組が行われております。多くの
定年
後の
継続雇用者
の
就労
の場を提供するため、職域の
拡大
にも
各社
取り組んでいるところでございますので、こうした
企業
の実情を十分踏まえたものとするということが必要ではないかと考えております。 最後に、
認定
の手続について申し上げたいと思います。 本
法案
は、
国家戦略特別区域法附則
第二条を
契機
として
議論
が始まったところでございますが、
厚生労働大臣
の
基本指針
の策定、
行政機関
による
計画
の
認定
、さらには
認定
を取り消すことができるという一連の
行政機関
の関与がスキームに盛り込まれており、このことは
使用者側
として
十分理解
をしているところでございます。ただし、
民事
上の
ルール
である
労働契約
に対する
特例
を設けることから、例えば
認定
に係る
基本指針
や
審査
の
基準
は可能な限り明確にしていただくということを
お願い
したいというふうに思っているところでございます。
有期特別措置法案
は、
労働者
の多様な
働き方
の
選択肢
を用意することで、
雇用機会
の
拡大
と
企業競争力
の
強化
の
双方
を促進することができるものというふうに考えております。とりわけ、
高度専門職
の
能力発揮
を促すとともに、
高齢者
が働き続けられる
基盤整備
として大変重要なものと考えておりますので、
法案
の
早期成立
を
お願い
したいと存じます。 私からの
意見陳述
は以上でございます。 御清聴いただきまして、ありがとうございました。
丸川珠代
4
○
委員長
(
丸川珠代
君) ありがとうございました。 次に、
新谷参考人
に
お願い
いたします。
新谷参考人
。
新谷信幸
5
○
参考人
(
新谷信幸
君)
連合
で
労働法制
を担当しております
新谷
と申します。本日はお招きいただきましてありがとうございます。 私は、この
有期特措法
のベースになりました
労働契約法
の三か条の
改正
、二〇一二年に
成立
をいたしておりますけれ
ども
、この
法改正
の際の
労働政策審議会
の
委員
も
労働者側代表
として務めさせていただきました。また、この
有期特措法
の
審議
をいたしました部会の
委員
も務めさせていただきましたので、本日は、
資料
も
提出
をさせていただいておりますが、この
労政審
で我々
労働側
が
主張
をした点を
中心
に
意見
の開陳をさせていただきたいと思っております。 まず、この
有期
の
特措法
でございますけれ
ども
、私
ども労働側
といたしましては、
雇用
の安定を図る、かつ全ての
民事ルール
に
適用
される
労働契約法
がこういう形で例外、
特例扱い
が設けられるということに対しては反対という
立場
で
労働政策審議会
、
意見
を申し上げてきた
内容
でございます。 まず、めくっていただきまして、一ページのところでございます。 二〇一三年の四月にいわゆる
無期転換ルール
、
労働契約法
の十八条が
施行
されたわけでありますけれ
ども
、昨年の年末にこの
有期特措法
の
論議
が始まったわけでございますけれ
ども
、この時点では、本当に
施行
されてから間もない中でこういう
見直し
が行われるということに対して非常に遺憾であったということをまず申し上げたいと思っております。また、その
見直し
の
論議
の経過についても、私
ども
としては非常に
違和感
があったということを申し上げたいと思います。 その
一つ
が、この
見直し
の
契機
になりましたのが、
国家戦略特区
の
ワーキング
というところで
検討
が始められたわけでありまして、九月の二十日に
産業競争力会議
の
課題別会合
の中でこの
国家戦略特区ワーキング
からの
意見
というものが出されておりまして、それが、元々がこの十八条の
無期転換権
を
事前
に
放棄
をさせるという
提案
がなされたということが
契機
でございました。この
事前放棄
の問題は、元々、
国会
での
審議
の中で、公序良俗に反して無効であるという
立法趣旨
が説明されたものでありましたけれ
ども
、それを見直すという方向でまず出されたということが非常に
違和感
を持った点でございます。 また、この
国家戦略特区ワーキング
というのは一部の有識者から構成される
委員会
というふうにお聞きしておりますけれ
ども
、私
ども労働側
の
代表
が一人も入っていないという中でこういう重要な
見直し
が行われたということについても、ILOの三
者構成原則
に反するのではないかということから、非常に
違和感
を持ったわけでございます。 また、今回の
有期特措法
の
対象者
となっております
定年
後引き続き
雇用
される者ということにつきましても、元々、
国家戦略特別区域法
の
附則
の第二条の中には、
高度専門労働者
を
対象
にということで
法律
の授権があって
労政審
での
検討
が始まったわけでございますけれ
ども
、
使用者側委員
からの提起がございまして、この
定年
後引き続いて
雇用
される者についても
特例扱い
とするという
提案
がなされ、それがまとめられて
法案
につながってきたということについても、
国家戦略特別区域法
が要請していた
範囲
を逸脱しているということは、これ
主張
をさせていただいた
内容
でございます。 続きまして、二ページの方を御覧いただきたいと思います。
有期労働契約
に関する
基本
的な
考え方
ということでございます。 非常にいい
資料
を
お作り
になられておりますので、せっかくですから御覧いただければと思いますが、この
調査室
で
お作り
になられた
資料
の百十二ページに
有期契約労働者
の
現状
という
資料
がございます。これは元々
厚生労働省
が
お作り
になられた
資料
でございますけれ
ども
、役員を除く
雇用者
五千二百万人のうち非
正規労働者
が一千九百万人いると。実は、一千九百万人のうち約一千四百万人が
有期労働契約
で働いておられるという
現状
でございます。実は、この
有期労働契約
の
労働者
の数はなかなか把握できなかったわけでありますけれ
ども
、昨年の一月からこの数字が統計として表れてくるということでございます。 この
有期労働契約
でございますけれ
ども
、私
ども
としては、
雇用
の
原則
としては
期間
の定めのない直接
雇用
であるべきというふうに考えてございます。
有期労働契約
で働いておられる方の中には、
雇用
の不安定さであるとか
処遇
が低いといった様々な問題が指摘をされておりますし、また、いわゆる
契約期間
が満了したときに次の
契約
がなされるかどうか、いわゆる雇い
止め
の恐怖の中で、
年次有給休暇
であるとか産前産後の
休暇
、あるいは時間
外労働
の支払といった、
労働者
として当たり前の権利の行使がなかなかできないといった
課題
が指摘されていたわけでございます。 私
ども
としては、この
有期労働契約
については、
雇用
の
原則
に対する例外的なものとして、入口の規制を設けるであるとか、繰り返し
有期労働契約
を反復更新して濫用的な扱われ方がされると、こういったものを規制するべきであるということで
労働契約法
の
改正
に至ったということでございます。 次のページを御覧いただきたいと思います。 まず、
労働契約法
十八条の
無期転換ルール
についてでございます。 この
労働契約法
の十八条は、まさしく
労働契約
に関する
基本
的な
民事ルール
として定められた
法律
でございますので、その
規定
は
労働契約関係
にある全ての
労働者
にひとしく
適用
されるべきであるということがまず
原則
としてあるわけでございます。 この
無期転換ルール
は、
有期労働契約
の濫用的な
利用
を抑制し、
有期労働契約者
の
雇用
の安定を図るために二〇一三年四月から実施されたばかりでありまして、これは
施行
から五年を経過する二〇一八年の四月以降に
基本
的に
無期転換
が発生するということでございますので、いまだにいわゆる
見直し
を必要とする
立法
事実が存在していないのではないかということでございます。 また、現行の
労働基準法
の十四条の第一項によりまして、一定の
事業
の完了するまでの間に必要な
労働契約
の
期間
を設けられるわけでありまして、
特例
を設けずとも
契約期間
五年を超える
有期労働契約
の締結は可能でございまして、わざわざこういった短い
労働契約
の
期間
を設けるということは
雇用
の安定とは反するのではないかということを
主張
させていただきました。 また、この
無期転換ルール
に
特例
を設けるということの問題につきまして、
個別法
によって
特例
で穴を開けていくと、こういう
仕組み
、
枠組み自体
が
民事ルール
の在り方に照らして問題があると私
ども
は考えてございます。 続きまして、四ページでございます。 今回の
特別措置法
の中に設けられました第
一種計画
に定められる
高度専門労働者
でございます。この
高度専門労働者
につきましても、
特例措置
を講じる場合にあってもこれは慎重であるべきというふうに考えてございます。 この
特例措置
を講じるのであれば、元々
労働契約法
の十八条が
法目的
としておりました、濫用的な
利用
を抑制する、また
労働者
の
雇用
の安定を図るという
無期転換ルール
の本旨を損なわない
範囲
に限定されるべきであるというふうに考えてございます。そのために、
高度専門労働者
の
範囲
、
無期転換
の
申込権
が発生するまでの
期間
の長さ等々については、元々
国家戦略特区法
で定められておりました
産業競争力
の
強化
に直接貢献できると言えるような、真に高度な
専門能力
を有する
労働者
に限定するということが必要ではないかというふうに考えてございます。 また、この
要件
、特に
年収要件
等々については
法律
に
規定
をされてございませんので、この
要件
を設定するに当たっては厳格な歯
止め
を設けるべきであるということを考えているわけでございます。また、万一この
特例措置
が濫用的に
利用
されるということであれば、この
原則
であります
無期転換ルール
に復するということを明確に定めるべきであるということを考えてございます。 続きまして、五スライドでございます。 これは、もう
一つ
の
類型
、第二種
計画
の
類型
でございます、
定年
後引き続いて
雇用
される者についてでございます。これにつきましても、
特例措置
を講ずるということについては慎重であるべきであるというふうに考えてございます。 これは高
年齢者雇用安定法
の
適用
を受ける
労働者
ということでございますが、その高
年齢者雇用安定法
が定めております
対象者
、すなわち、
定年退職
後に引き続き同一の
事業主
の下で
有期労働契約
を反復更新している
労働者
ということに限定されるべきであるというふうに考えてございます。これにつきましても、濫用的な
利用
が行われた場合には、
原則
に復するということを明確に講じなければならないと思ってございます。 それと、
四つ目
のところでございますが、
有期労働契約者
を含めました
希望者全員
の六十五歳までの
雇用
が確実に確保されるための
対応
も取られるべきであるということでございます。 これにつきましては、ちょっと分かりにくい点もございますので、ちょうどいい
資料
を
お作り
になられておりますので、これも
資料
を御覧いただきたいと思います。済みません、二十八ページを御覧いただきたいと思います。 ここに今の
対象者
の
類型
が三
類型
書いてございますが、特にこのAの
類型
、六十歳の
定年
を迎えまして、六十五歳までの
無期転換
が生ずるまでの図示がございますけれ
ども
、今申し上げておりますのは、多くの
企業
では、
定年
六十後、一年
ごと
の
有期労働契約
で六十五歳まで
雇用
を継続するというパターンが非常に多いわけでございますけれ
ども
、問題は、その六十一歳、六十二歳、六十三歳といったところのいわゆる雇い
止め
の
基準
、
更新基準
が、今
法律
の中ではこれを必ず更新するということが
規定
をされてございません。 ですから、
無期転換権
が発生するまでの六十五歳までの
雇用
を必ずこれ継続させるということでないと、
使用者側
がこの
特措法
の中に設けるべきであるということについてはなかなか実現が難しいのではないかと考えておりまして、必ずこの六十五歳まで
雇用
が継続する、
更新基準
についてもこれは明確にしなければならないというふうに考えてございます。それが次のページに記載をしてございます①の部分でございます。 それと、二つ目のところでございます。 実は、この高
年齢者雇用安定法
はいわゆる
定年
がある
労働者
にのみ
適用
されますので、いわゆる六十歳時点で
定年
ではない方、すなわち
有期契約
を反復更新されて六十歳をお迎えになられた方には、この高
年齢者雇用安定法
の
適用
はございません。そういった意味では、
定年
扱いと同じような扱いをしている
有期労働契約者
につきましても、高齢法の
趣旨
を踏まえた
雇用
安定
措置
を明確にするべきであるということでございます。 三つ目につきましては、六十五歳までの
雇用
確保
措置
の
対象
外となるところ、これは②の
適用
にもならない
労働者
でございますけれ
ども
、
有期契約
で六十歳を迎える方についても
雇用
安定
措置
を講ずべきであるということを申し上げたいと思っております。 それと、七ページでございます。 これは、行政が関与するという形での
仕組み
についての見解でございます。今回、
事業主
が作成した
計画
に対して
厚生労働大臣
が
認定
という形で関与する
仕組み
が設けられております。この点につきましては、二点指摘を申し上げたいと思っております。
労働者
が有する
民事
上の権利について行政庁が
認定
を行うというのは非常に異例な取組ではないかと思っておりまして、
我が国
の法体系の中では極めて異例であるということをまず指摘を申し上げたいと思っております。
認定
に関する
基準
につきまして
法律
上に明記せず、行政庁の裁量に委ねるということにつきましては、この
高齢者
の
対象者
が非常に多いということからいっても異例であるということを申し上げておきます。 それと、
無期転換ルール
、これは
民事ルール
でございますので、
特例
を講ずるということにつきましても、行政が関与する
仕組み
とすることについては慎重であるべきだというふうに思っておりますし、万一、行政庁が関与するこの
認定
という
仕組み
に対して、行政庁の判断によって私人の権利保障が損なわれる事態とならないように、適切な手当てが必要であると。また、その
認定
が適切じゃないとなった場合に
労働者
はそれをどのように争うことができるのか、いわゆる紛争解決のシステムについてもこれは十分な手当てが必要であるということでございます。 最後、八スライドでございます。 今回、
計画
の作成、申請ということが行われるわけでございますけれ
ども
、私
ども
としては、こういった
労働者
の権利を
特例扱い
にするということにつきましては、
使用者
が、
事業主
がその申請を出す、
計画
をするといった段階であらかじめ過半数
労働
組合の
意見
を聴取するということが労使のコミュニケーションからいっても必要ではないかということでございます。 また、この
法律
には入ってございませんが、私
ども
が非常に懸念いたしますのは、元々、
労働契約法
の十八条の五年の
無期転換ルール
、これの期限の到達直前での雇い
止め
、これに対する手当てが十分になされるべきだというふうに考えてございます。 以上、私からの
意見
の開陳とさせていただきます。 どうもありがとうございました。
丸川珠代
6
○
委員長
(
丸川珠代
君) ありがとうございました。 次に、
岩村
参考人
に
お願い
をいたします。
岩村
参考人
。
岩村正彦
7
○
参考人
(
岩村
正彦君) 私は、東京大学の大学院
法学政治学研究
科に所属しております
岩村
と申します。本日は、
意見
を述べる
機会
を与えていただきましてありがとうございます。 私は、今回の
特別措置法案
の制定を建議しました
労働政策審議会
労働
条件分科会の
有期
雇用
特別部会の部会長を務めさせていただきました。この
有期
雇用
特別部会は、昨年の臨時国会で成立しました
国家戦略特別区域法
の附則二条が、
高度専門職
で比較的
年収
の高い方などを
対象
としまして
労働契約
に基づく
無期転換
申込権
の発生までの
期間
の在り方であるとか、その際に
労働契約
が適切に行われるための必要な
措置
について
労働政策審議会
において早急に
検討
を行うこととされたことを踏まえて設置されました。こうした
措置
の
検討
が
労働者
代表、
使用者
代表そして公益代表から成る
労働政策審議会
に委ねられたということは、非常に適切なことだというふうに考えております。
有期
雇用
特別部会は、昨年の十二月二十五日に第一回を開催しまして、以後、今年の二月二十日までの短
期間
ではありましたが、集中的に合計六回の
審議
を行い、建議を取りまとめたところでございます。その上で、
特別措置法案
の要綱に関する
厚生労働大臣
の諮問に対しましておおむね妥当と考える旨の答申を行っております。 まず、今回、
特例
法案
の
対象
となっている
労働契約法
の
無期転換ルール
の
内容
と制定の経緯について簡単に述べさせていただきます。 社会
経済
の構造的な変化に伴いまして
有期雇用労働者
の数が増加してきた折に、二〇〇八年九月のリーマン・ショックの影響で雇い止めの問題が社会的に大きくクローズアップされました。この状況を受けまして、
厚生労働省
が学識
経験
者を参集しまして
有期労働契約
研究会というものを開催し、二〇一〇年の九月にその報告書がまとめられております。 これを踏まえて、
労働政策審議会
労働
条件分科会が
有期労働契約
に関する
議論
を行いまして、その結果として、二〇一一年の十二月には、
有期労働契約
の在り方についてと冠する報告を取りまとめ、
厚生労働大臣
に建議を行っております。大臣からは、二〇一二年二月に
労働契約法
の
改正
案要綱の諮問が
労働政策審議会
にございまして、同年三月にこの
審議
会でおおむね妥当と答申をしております。これを受けまして、
法律
案が同じ三月に国会に
提出
され、八月に成立したところでございます。 こうした経緯をたどって成立した
法律
でございますが、大きく三つの
内容
を含みます。
一つ
目は、
有期労働契約
の更新を
使用者側
が拒否する雇い止めについて、一定の場合に解雇権濫用法理を類推する判例を条文化するという雇い止め法理の法定化でございます。二つ目は、同一の
使用者
と
労働契約
を締結している
有期契約労働者
と無期
契約
労働者
との間で
労働
条件の違いがある場合にはその違いが不合理と認められるものであってはならないという、不合理な
労働
条件の禁止というものです。そして、最後の三つ目が、今回の
特別措置法案
に関係する
無期転換ルール
です。 この
無期転換ルール
は、同一の
使用者
との間で
有期労働契約
が通算で五年を超えて繰り返し更新されたときには、
労働者
の申込みにより、その
有期労働契約
を無期
労働契約
に転換するというものです。この
ルール
は、
労働契約
の濫用的
利用
というものを抑制し、雇い止めの不安のない無期
雇用
への転換を促進することによりまして
労働者
の
雇用
の安定を図るということを目的としております。なお、通算
契約期間
のカウントの
対象
になるのは、この
ルール
の
施行
日である昨年四月一日以降に開始した
有期労働契約
となります。この
無期転換ルール
は、雇い止め法理の法定化、不合理な
労働
条件の禁止とともに、
有期
雇用
の
労働者
に対して一定の保護を与えるものと言うことができます。 こうして採用され、
施行
されました
無期転換ルール
でございますが、現政権の下で設けられました
国家戦略特区ワーキング
グループで
無期転換ルール
の
特例
を設けるべきとの
議論
が出てまいりました。この
議論
を受けて、その後、政府部内で様々な
議論
と関係閣僚間の調整というものを経まして、昨年十月の日本
経済
再生本部の決定で、特区に限らない全国規模の規制改革ということで
無期転換ルール
の
特例
を
検討
することとなりました。 具体的には、新規開業直後の
企業
やグローバル
企業
を始めとする
企業
などの中で重要かつ時限的な
事業
に従事している
有期雇用労働者
であって、
高度専門的知識等
を有している者で比較的高収入を得ている者などを
対象
に、
無期転換
申込権
発生までの
期間
の在り方と、その間に
有期労働契約
が適切に行われるための必要な
措置
などにつきまして
労働政策審議会
で早急に
検討
を行い、その結果を踏まえて今年の通常国会に所要の
法案
を
提出
するということとされました。この
内容
が、初めに申し上げた
国家戦略特区法
の附則二条に盛り込まれたということになります。 こうした経緯を経まして、私が部会長を務めました
有期
雇用
特別部会におきまして、昨年十二月から今年の二月にかけまして、先ほど申し上げましたように、
無期転換ルール
の
特例
についての
議論
を行ったところでございます。 部会では、先ほどそれぞれのお
立場
から
意見
が述べられたところではありますけれ
ども
、やはり同じように、
労働者
代表の側からは、
労働契約法
の
民事
上の基本
ルール
については
労働契約
を締結する当事者についてひとしく
適用
されるべきであり、
特例
を設けることについては慎重であるべきといった
意見
とともに、
無期転換
申込権
発生前での
雇用
の雇い止めの抑制策の
検討
を行うべきといった
意見
を述べられました。他方で、
使用者側
代表の
意見
は、
高度専門職
だけでなく、
高齢者
についてもその
雇用
実態
などに即して
能力
の活用や
雇用機会
の
拡大
につながるよう
特例
を設けるべきであるといったものでございました。 先ほど申し上げました集中的な
議論
の結果としまして、特別部会では、
厚生労働大臣
に対する建議としまして、
有期労働契約
の
無期転換ルール
の
特例
等についてというものを取りまとめております。以下、その
内容
のポイントを六つお話しさせていただきたいと思います。 第一のポイントは、
特例
の枠組みというものであります。 建議では、
有期労働契約
の濫用的
利用
というものが行われて
雇用
の安定性が損なわれるといったおそれの少ない二つの
類型
の
労働者
について、その
能力
を十分に有効に発揮できるよう、それぞれの特性に応じた適切な
雇用管理
を実施するとともに、
無期転換
申込権
が発生するまでの
期間
の
特例
を設けるべきとしております。
対象
となる
一つ
目の
類型
は、一定の
期間
内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な
専門的知識
、
技術
又は
経験
を有する
有期契約労働者
、二つ目の
類型
は、
定年
後引き続いて
雇用
される
有期契約労働者
です。 第二のポイントは、
特例
の
対象
となる
労働者
の具体的
要件
であります。 高度な
専門的知識
などを有する
労働者
は、まず、
企業
内の
期間
限定の
プロジェクト
業務のうち、高度な
専門的知識等
を必要とするものなど、一定の
範囲
の業務に従事する者といたしました。さらに、
年収
や高度な
専門的知識
などの
要件
は、現行の
労働基準法
第十四条第一項に基づく告示が一定の国家資格などを有する者や一定
期間
の実務
経験
を有する
年収
一千七十五万円以上の
技術者
、システムエンジニア、デザイナーなどを定めていることを
参考
としまして、
法案
成立後に改めて
労働政策審議会
で
検討
の上、
厚生労働省
令などで定めることが適当というふうにしております。 もう
一つ
の、
定年
後引き続いて
雇用
される
労働者
は、
定年
後、同一の
事業主
やその
事業主
と一体となって高年齢者の
雇用機会
を確保する高年齢
雇用
安定法上の特殊関係
事業主
に引き続いて
雇用
される者としております。一方で、その他の
高齢者
につきましては、引き続き
無期転換ルール
によって
雇用
の安定が図られることが重要と述べております。 三番目のポイントは、
特例
の
対象
となる
事業主
の具体的な
要件
でございます。
特例
の
対象
事業主
は、
特例
の
対象
労働者
がその
能力
を有効に発揮するための適切な
雇用管理
を実施すべきであるとしております。例えば、高度
専門的知識
などを有する
労働者
は、
労働者
が自ら
能力
の
維持向上
を図る
機会
の付与を、また、
定年
後引き続いて
雇用
される
労働者
につきましては、高
年齢者雇用安定法
の
趣旨
を踏まえた高年齢者の配置、
職務
などに関する配慮をそれぞれ行うべきということになろうと思います。 そこで、
厚生労働大臣
は、
対象
労働者
に応じた適切な
雇用管理
の実施に関する基本的な指針を策定すべきこと、また、その指針に沿った
対応
が取られると
厚生労働大臣
が
認定
した
事業主
をこの
特例
の
対象
とすべきことを併せて建議では述べております。 ポイントの四番目は、
特例
の具体的
内容
でございます。
無期転換ルール
に基づく
無期転換
申込権
は、高度の
専門的知識
などを有する
労働者
に関しては、
プロジェクト
の完了までの
期間
は発生しないが、十年を超える場合は発生すべきこと、次に、
定年
後引き続いて
雇用
される
労働者
については、継続して
雇用
されている
期間
は通算
契約期間
には算入しないこととすべきとしております。 五番目のポイントは、
労働契約
が適切に行われるために必要な具体的
措置
です。
無期転換ルール
の
特例
の
適用
を明確にするために、
事業主
は、
労働契約
の締結、更新の際に、
特例
の
対象
となる
労働者
に対して
無期転換
申込権
発生までの
期間
を書面で明示すべきとしております。また、高度の
専門的知識
などを有する
有期契約労働者
に対しましては、モデル
労働
条件通知書の
見直し
と併せて、
特例
の
対象
となる業務の具体的な
範囲
も書面で明示する
仕組み
とするため必要な省令
改正
、つまり
労働基準法
施行
規則の
改正
を行うことが適当であるとしております。 最後に、六番目のポイントとなります。この六番目のポイントは、
無期転換ルール
の円滑な
施行
でございます。
無期転換ルール
の
施行
に際して、
無期転換
申込権
が発生する直前の雇い止めについての懸念があるということを踏まえまして、厚生
労働
行政において、好事例や
留意点
を紹介しながら効果的な周知を行うべきこと、また、
有期労働契約
に関する関係法令の遵守徹底を図るべきこと、さらに
事業主
を支援する助成金を効果的に活用すべきことを提示しております。
有期
雇用
特別部会は、その集中的な
審議
の過程におきまして、労使それぞれの
意見
をきちんと伺いまして、さらにそれをしんしゃくした上で、以上を
内容
とする建議を
厚生労働大臣
に行ったところでございます。そして、その
内容
が反映されました今回の
特別措置法案
の要綱につきまして
厚生労働大臣
から諮問を受けて、
審議
の上、おおむね妥当と考える旨の答申を行ったという次第でございます。 したがいまして、私といたしましては、公労使の三者構成である
労働政策審議会
の
意見
というものが反映されました本
法案
は適切な
内容
のものであると考えているところでございます。したがいまして、本
委員会
における迅速な御
審議
を
お願い
したいと思います。 以上をもちまして、私の
意見
の陳述とさせていただきたいと思います。 御清聴ありがとうございました。
丸川珠代
8
○
委員長
(
丸川珠代
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
からの
意見
の聴取は終わりました。 ─────────────
丸川珠代
9
○
委員長
(
丸川珠代
君) この際、
委員
の
異動
について御
報告
をいたします。 本日、
太田房江
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
高階恵美子
君が選任されました。 ─────────────
丸川珠代
10
○
委員長
(
丸川珠代
君) これより
参考人
に対する
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言を願います。
大沼みずほ
11
○
大沼みずほ
君 自由民主党の
大沼みずほ
でございます。 本日は、お忙しい中、参議院までお越しいただき、貴重な御
意見
賜りましたことを心より感謝申し上げます。 私からは、この
特別措置法案
について、まずもって、安倍政権に替わりまして、日本のデフレ脱却を目指してグローバル社会の中でやはり産業力の
強化
、また
経済
力を
向上
させるために、今後、柔軟な
働き方
、グローバル社会に適応した
働き方
というものはどんなものであるかということを考えていく際に、本
法案
は非常にそういう意味でも
グローバル化
された社会の中で必要な
一つ
の
法案
であるというふうに考えております。 終身
雇用
が当たり前でなくなった今、私が学生時代からインターンのようなものが始まって、多くの学生が早くから
キャリア
に対して意識が高くなってきていると思いますし、私自身、四つの
職場
を
経験
して今ここの席に座っている状態でございます。 今回、この
法案
、とはいっても、いろいろな
特例措置
の中で、
高度専門労働者
の
範囲
、まあ
知識
であるとか収入の
要件
といったものについて多くの
議論
がなされたと承知しています。 そこで、
鈴木参考人
と
新谷参考人
にそれぞれお伺いいたします。 今回の特にこの
高度専門労働者
に関しまして、
知識
及び収入の
要件
というものに関しまして、
使用者側
また
労働者
側の
立場
からこの
範囲
についての取決めについてどのようにお考えか、まずお聞かせいただければと思います。
鈴木重也
12
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。 まず、先生の冒頭の御発言で、グローバルへの
対応
のためにも
措置
が必要ではないかということは御指摘のとおりだというふうに思っております。 御質問いただきました
高度専門的知識等
を有する
労働者
に対する業務
要件
あるいは
年収要件
についての中身についての御質問かと存じます。 まず、業務についてでございますけれ
ども
、先ほど申し上げたところと重複するところがございますけれ
ども
、
新規事業
立ち上げ時の
研究者
、
技術者
、それから大型支援
プロジェクト
を受注した際の
専門家
等々の
方々
、そして
グローバル化
対応
ということでは、これは会員
企業
のニーズも大変強うございますけれ
ども
、海外の特定の国・
地域
の知見を持つ
専門家
といった
方々
を想定をしているところでございます。
年収
水準につきましては、一千七十五万円を
参考
として
議論
するということとなっておりまして、私
ども
これをベースにしっかりと
議論
をさせていただきたいというふうに思っております。 私からは以上でございます。
新谷信幸
13
○
参考人
(
新谷信幸
君) 今先生のお話の中にありましたグローバル社会の中での
働き方
ということを目指すべきだということにつきましては異論はございませんが、安倍政権として今目指すとされております、世界トップレベルの
労働
環境
の実現ということが政府の方針で決められておりますけれ
ども
、私は、本当にグローバルな
基準
の中で
我が国
の
働き方
の
基準
が設けられるべき、本当にイコールフッティングという形で世界の
基準
が一体どこにあるのかということをよく見ていく必要があるというふうに思ってございます。 その上で、御質問のございました
高度専門労働者
の
要件
ということでございますけれ
ども
、私の先ほど開陳いたしました
資料
の四ページのところにも記載をさせていただきましたが、この
特例措置
を講じる
範囲
についてもやっぱり慎重であるべきだというふうに考えてございますし、元々の
労働契約法
十八条にございます
無期転換ルール
の本旨を損なうおそれのない
範囲
のものに限定するべきであるというふうに考えているところでございます。 かつ、この
要件
につきましては今後また
労政審
において具体的に策定するということでございますが、これは省令に委任するということでございます。私
ども
としては、今
参考
にとされる一千七十五万というのが例示で挙がっておりますけれ
ども
、こうした
要件
については
法律
できちっと明定をして歯
止め
を掛けていくべきではないかというふうに、これは
労政審
でも
主張
しておりましたし、その方向であるべきだというふうに考えてございます。 以上でございます。
大沼みずほ
14
○
大沼みずほ
君 ありがとうございます。 次に、
岩村
参考人
にお尋ねいたします。 諸外国におきましては、
有期
雇用
に対して、解雇補償金、金銭解決の
仕組み
というものが導入されております。日本は民法上解雇は
原則
自由でありますけれ
ども
、解雇権濫用法理は、不当解雇をその権利の濫用と捉え、解雇そのものを無効にする、つまり原職復帰を
使用者
に義務付けているものと
理解
しております。 やはり、雇い
止め
法理の法制化というものも非常に重要で、それがまさに二〇〇八年のリーマン・ショックの後に
議論
になって法制化への歩みになったと思いますけれ
ども
、やはり将来的には
有期
雇用
にも金銭的解決を導入し、将来的にも無期
雇用
と金銭解決の
仕組み
を統合化することも視野に入れるべきという
意見
もあると承知しております。 特に、高度専門
知識
を持つ
労働者
の
方々
がその
プロジェクト
が終わった後に更なる飛躍をしていくという意味においても、こうした金銭解決の
仕組み
を導入して、また、そのことをステップに自分自身も
キャリア
アップ更にしていくというようなことも将来的には考えていくべきではないかなというふうに私個人としては思っております。 つまり、雇い
止め
の法制化よりも自分自身のスキルアップをどういうふうにしていくのかと。国といたしましても、そこのスキルアップ、ジョブ型の
仕事
に対して積極的に様々な支援をしていくと。そして、それも、民間もそれができるような形にしていくというようなことに関してはどのようにお考えでしょうか。
岩村正彦
15
○
参考人
(
岩村
正彦
君) ありがとうございます。 雇い
止め
を法制化した大きな理由は、
有期労働契約
で
雇用
されている
労働者
というものがどうしても
交渉力
が弱く、したがって、
労働
条件の交渉の面においても、あるいは
労働
法の様々な法規が定めている権利行使という面においても非常に弱い
立場
に置かれ、しばしば権利が行使できない状態になるというようなことから、これを防止するという観点で設けられたものでございます。したがいまして、金銭解決というものについては、余り安易に持ち込むということは私としてはやや消極的に考えております。 ただ、最終的に紛争になったときにそれを金銭で解決するということは実務上行われているところであり、そのこと自体を否定する
趣旨
ではありませんが、
立法
化するということについては私個人としては慎重に
検討
すべきではないかというふうに考えているところでございます。
大沼みずほ
16
○
大沼みずほ
君 ありがとうございます。 最後に、もう時間もありませんので、
鈴木参考人
にお尋ねいたします。 昨日、政府は政労使
会議
の中で年功の
見直し
と賃金の両立をということで、特に子育て世代に力点を置いた賃金の在り方というものを提示しております。今後、日本において、やはり
少子高齢化
の中、また賃金体系というものに関して既にいろんな会社ではこういった取組もなされておりますけれ
ども
、子育て世代に力点を置いた賃金体系の在り方について最後に御
意見
賜ればと思います。
鈴木重也
17
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。 ただいま先生おっしゃられた、時代の変化に伴って、そのあるべき賃金
制度
の
見直し
ということが今話題になって、それを
各社
でも模索をしているということ、大変重要な御指摘だというふうに思っております。 私
ども
経団連
では、賃金に関しましては様々な職種、
就業形態
、属性などを持っている
方々
に対して公正で納得性の高いものにするということが重要ではないか、そのためにも、年功ですとか、あと勤続年数ということではなくて
仕事
、役割に応じた賃金ということを模索すべきではないかということを申し上げております。そのことが、ひいては
活躍
される女性の方にもプラスになるものだというふうに思っております。 私からは以上でございます。
大沼みずほ
18
○
大沼みずほ
君 これで質問を終わります。本日はどうもありがとうございました。
石橋通宏
19
○石橋
通宏
君 民主党・新緑風会の石橋
通宏
です。冒頭、会派を
代表
いたしまして、本日おいでをいただきました三人の
参考人
の
皆様
方に感謝を申し上げたいと思います。 〔
委員長
退席、理事福岡
資麿
君着席〕 その上で、
皆様
方にいろいろとお聞きしたいことがあるんですが、時間が十分と限られておりますので、
鈴木参考人
に質問が集中してしまうかもしれないことを冒頭お許しをいただきまして、進めさせていただきたいと思います。 まず
鈴木参考人
に、高度の専門職の
労働者
について幾つかお伺いをしたいと思います。
現状
でも、当然、五年以上の
プロジェクト
というのはあるはずです。
労働契約法
施行
後現在に至るまで、この五年以上の長期の
プロジェクト
について、
企業
というのはどのように具体的に
有期
、
対応
されているんでしょうか。若しくは、
経団連
として具体的にどのような指導をそれらの
企業
に対してされているのか、まずお聞かせください。
鈴木重也
20
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。
現状
認識ということでは、私
ども
ちょっと十分承知をしていないところがございます。 その五年を超える
プロジェクト
ということに関しましては、例えばでございますけれ
ども
、あるメーカーのところでは、新規の
プロジェクト
、それまでやっていなかった医薬品の分野に進出をするということで、自社の方にはいらっしゃらない薬事、医療の
専門家
に中途で来ていただくというようなこと。そのために、五年、
事業
が軌道に乗るかどうかということを
経営
者としては判断をするわけでございますけれ
ども
、その判断が必ずしも五年未満には限られないというようなことで、五年を超えた
有期
の
プロジェクト
を一年の更新の中でしていくということが行われているというふうに聞いております。
石橋通宏
21
○石橋
通宏
君 今、
鈴木参考人
から、まだ余りどのような
実態
があるか分からないという御発言があったので、まさにそこが、今回残念ながら
立法
事実がないのではないかという我々の懸念にもつながるところなんですけれ
ども
。 その上で、先ほど来、この特定の
高度専門職
の
労働者
については大変
交渉力
もありというようなお話もございました。
鈴木参考人
にお伺いしたいんですが、今、
現状
で大変
交渉力
のある、
年収
も非常に
要件
高い職種が十年後にどうなっているのか、我々はそこの予測が付くんでしょうか。十年後にも同様に高度であって、一千万円以上の高収入を保障されているような職種というのが一体どれだけあるのか、
経団連
の
立場
でどのようにお考えですか。
鈴木重也
22
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。 御指摘のとおり、時代の変化によって何が高度かというのは変わり得るところもあるというふうには
十分理解
をしておるところでございます。 〔理事福岡
資麿
君退席、
委員長
着席〕 しかしながら、とりわけ研究職、
技術
職、そういった
方々
というのは、その分野の先端性というところについては変わり得るかもしれませんけれ
ども
、
基本
的には今後ともその専門性というのが担保されるというふうに思っております。 この前提は、あくまでも外形標準的に相当程度
年収
が高いというところのセットでこの問題を考えていくということが必要ではないか。そのため、先ほど申し上げましたけれ
ども
、今回
議論
の中では、
労働基準法
十四条の
対象
業務となっております
年収要件
一千七十五万円を
参考
に
議論
をするということでございますので、そのことと併せて
議論
をするということが適切ではないかというふうに考えておるところでございます。
石橋通宏
23
○石橋
通宏
君 我々も、これまでの歴史を振り返ると、十年たったら全然状況が変わってしまった業種、職種というのは多数あるわけです。そういう意味では、今回の例外
措置
によって、今は大変競争力、
交渉力
があるかもしれないけれ
ども
、しかし、十年の長きにわたって
無期転換ルール
、
申込権
という権利を剥奪される
方々
が出てきてしまうということについて大変懸念を持っているので、今お伺いをしたわけであります。 今、
鈴木参考人
もおっしゃられました今回の
法案
でも、国家戦略の
附則
の二条で、一般
労働者
、これ一般の同等の正規の
労働者
という比較だと思いますが、
年収
がはっきり明確に高いということを
要件
とすべしということが決まっているわけですが、そうしますと、一般の正規の
高度専門職
の
労働者
であれば、当然十年、五年以上十年という長きにわたれば、その間に昇進があり、昇格があり、昇給があり、それがまた様々な、退職後の年金なりそういったところにも直結をしてくる、それだけ大きな影響が生涯賃金ベースで出てくるわけです。 ところが、今回の例外
措置
によって、今現在その高度な
知識
なり、高収入を得られている方でも、十年近く
有期
として反復更新でされてしまうと。それによって、長期的に見れば、これらの
方々
には相当な不利益が結局生じてしまうのではないか。それを考えれば、この十年、じゃどうやって同等以上の待遇を保障するかといったときに、単純に
年収
だけを比較をして、いや、
年収
が高いからということでは駄目であって、むしろ総合的に、一般
労働者
であれば十年たてばどれぐらいの
年収
見込みを含めた待遇があるのかということも勘案した上での
年収
換算ということで保障されなければいけないと私は
理解
をいたしますが、
経団連
としてのお考えあればお聞かせください。
鈴木重也
24
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。 先生御指摘のとおり、将来的な
雇用
の問題も踏まえてこの問題は考えていくということが重要な視点だというのは私
ども
も
理解
をしているところでございます。 ただ、先ほどとちょっとスタンスが違ってしまうかもしれませんけれ
ども
、都度都度総合的に
労働者
の保護に資さない、言い換えますと、
労働契約法
十八条の
趣旨
を没却しないということをするためには、その
要件
の改廃ということも場合によっては考えられるところでございますが、これは安易に改廃を行うということの
趣旨
ではございませんでして、あくまでも
労働政策審議会
という労使の
代表
が入ったところでその都度都度必要な
見直し
というのを考えていくということがよろしいのではないかというふうに考えているところでございます。
石橋通宏
25
○石橋
通宏
君 ありがとうございます。 その点についても本当はお伺いしたいんですが、ちょっと時間がありませんので。
高度専門職
の最後に、今回、先ほど
岩村
参考人
のポイントにもございましたように、
契約
締結時に書面で
無期転換権
発生までの
期間
を明示すべしということがありました。これはつまり、
無期転換
、例えばそれが七年なのか九年なのか、それぞれにあると思いますが、その明示された
無期転換権
発生までのその前に雇い
止め
になるようなことはないと、それが
経団連
の思いであり、決意であるということでよろしいでしょうか。
鈴木重也
26
○
参考人
(
鈴木重也
君) 先生おっしゃるように、
労働契約
で明示された
期間
というものを
基本
に、例えば高度専門的な
知識
等を有する方については、その
プロジェクト
の
期間
ということが
基本
的には
雇用
の保障の
対象
になるというふうに方向性としては思っておるところでございます。 ただしということでお聞きいただければと思うんですが、どうしても
有期
事業
の場合には何らかの事情でその
プロジェクト
が終了するというようなケースがあるところでございます。そういう意味では、その都度都度、毎年毎年更新をしていくということの
仕組み
自体は担保するということが必要ではないかというふうに思っております。
石橋通宏
27
○石橋
通宏
君 ありがとうございます。 それでは、もう時間もないのですが、
高齢者
のところについても二問だけお伺いできればと思います。
一つ
は、
新谷参考人
からございました、もしこの例外
措置
を
定年
後の再
雇用
継続
労働者
について例外
規定
を設けるのであれば、まずはその六十五歳まで、高
年齢者雇用安定法
に基づく六十五歳までの
雇用
の確実な
施行
を担保すべしという御発言がありました。この点について、
経団連
として、確実に六十五歳までまず担保されるべき、それについて取り組むという決意でおられるのか、お聞かせください。
鈴木重也
28
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。 現行高齢法の六十五歳までの継続
雇用
をしっかり徹底するということはそのとおりだというふうに思っておりますし、私
ども
もセミナーですとか
説明会
等で会員
企業
に周知を図っていきたいというふうに思っております。 ただ、一点だけ補足させていただきたいと思いますけれ
ども
、
更新基準
というのは
対象者
基準
と異なりまして就業規則等により定めることができ、
厚生労働省
のQアンドAの中でも、「六十五歳までは、
原則
として
契約
が更新されること」とされた後に、括弧書きで「ただし、
能力
など年齢以外を理由として
契約
を更新しないことは認められます。」というふうにされておるところでございます。
高齢者
の場合、
加齢
により
健康面
、業務遂行面での
個人差
が大きいということもございますので、
企業
の中には、毎年毎年就業状況を確認しながら更新することが
実態
に合っているという声があるということでございますので、その点も十分御
理解
をいただきたいというふうに思っております。
石橋通宏
29
○石橋
通宏
君 時間が参りましたので終わりにいたします。ほかの二人の
参考人
の皆さん、済みません、質問できませんで。おわびを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
長沢広明
30
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。 本日は、
参考人
の
皆様
、大変お忙しい中、本院までお越しをいただき、大変貴重な御
意見
をいただいていることに感謝を申し上げたいと思います。 早速質問に入らせていただきます。まず、
岩村
参考人
にお伺いしたいと思います。 今回の
特措法
が、いわゆる
労働契約法
に定められている
無期転換ルール
についていわゆる
特例
を定めるということで、これはもう、
民事
上の
基本
ルール
と言える
労働契約法
に行政の関与の下に特定の
労働者
を
適用
除外とするということについては批判の声もあったというふうに聞いております。先ほど、
鈴木参考人
も
新谷参考人
もこの点についてそれぞれのお
立場
で触れられておりました。一方、
新谷参考人
からは極めて異例と、こういう御指摘もございましたけれ
ども
、これまでにも、
民事ルール
に行政が関与して一定の
特例
を認めるという例が決してなかったわけではないというふうに思っております。 そこで、今回の
法案
で、これは
岩村
参考人
に、座長というよりはいわゆる学識者のお
立場
としてお考えをお伺いしたいわけなんですが、今回の
法案
で、いわゆる
民事
上の
基本
ルール
である
労働契約法
について行政が関与することの必要性、またあわせて、この
特例
を実施するに当たって、関与する行政の側の、そちらに求められる役割というものはどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
岩村正彦
31
○
参考人
(
岩村
正彦
君) ありがとうございます。 おっしゃるとおり、今回の
特別措置法
では、二つの
類型
についての
特例
を認めるに当たって、行政が関与するという
仕組み
を取っております。 このような
仕組み
を取ったことの必要性ということを端的に申し上げますと、やはり、この
労働契約法
の
基本
ルール
から外れる
類型
を認める、それについて適切な
労働者
の地位の確保、先ほ
ども
申し上げましたけれ
ども
、
雇用
の安定であるとか、それから濫用の抑制といったような観点から、行政が介入することによってそこをしっかりと見ていくということにあるのだというふうに
理解
しております。その意味では、行政の役割というのは、私自身は非常に重要であるというふうに考えております。 というのは、こういった
仕組み
がありませんと個々の
労働者
が個々の
事業主
と個人で向かい合わなければいけないということになり、場合によっては必ずしも十分な、適切な
雇用管理
等が行われないという、そういうおそれがあると。そういう意味では、行政としても、この
特別措置法
で認められている例外的な二つの
類型
についてきちんとした
雇用管理
その他が行われているか、法の
目的
に合致した
雇用管理
等が行われているかということについてやはり見ていくということが、監視していく、監督していくということが求められるというふうに私は考えております。
長沢広明
32
○長沢広明君 ありがとうございます。 まさに適切な
雇用管理
という、
計画
をきちんと
認定
するというこの手続は非常に大事な部分であるというふうに思っております。 ちょっとこれに関係をして、
鈴木参考人
と
新谷参考人
にお伺いしたいと思います。 今申し上げたとおり、今回の
特例
を
利用
するに当たっては、
事業主
に作成が義務付けられている
雇用管理
に関する
計画
、これについて、その
認定
手続は
法案
が
成立
した後に省令で定められるということになっております。今回の
特例
で特に私
ども
も大変注目をしているのは、
定年
後引き続き
雇用
される
労働者
、つまり
高齢者
に係る
特例
の部分。この部分は、いわゆる大
企業
だけではなく、
高齢者
が勤めてきたところで
定年
を迎えてその後の
雇用
ということに関わりますので、中小
企業
が非常に大きく関わってくるわけなんです。中小
企業
が関わってくるという中で、いわゆる
雇用管理
に関する
計画
を出し、そして
認定
を受けるということになりますが、中小
企業
にとってはその
認定
手続については余り煩雑なものであっては良くないのではないかというふうに思っております。この点について、まず
鈴木参考人
に
使用者側
のお
立場
としての御
意見
を伺いたいというのが
一つ
。 それからもう
一つ
は、あわせて、
計画
を作成し申請する段階で、今回の
法案
では、
法律
上では、
労働者
側の
意見
を聴取するということは
法律
上の
要件
になっておりません。その上で、望ましい
対応
、いわゆる
計画
を作成し申請するという段階で
労働者
側の
意見
を聴取するという段取りはこの
法案
の
要件
にはなっていないんですが、望ましい
対応
について、
鈴木参考人
、
新谷参考人
、それぞれのお
立場
でどうお考えになるか、御
意見
を伺いたいと思います。
鈴木重也
33
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。 先生おっしゃられましたとおり、
認定
に関わる
雇用管理
の
措置
への
対応
、とりわけ人員等の体制が十分でないところも少なくない中小
企業
にとっても、自治
対応
で、リーズナブルと申しますか、現実的に
対応
が可能なものにするということは大変重要なことだというふうに思っております。全くそのとおりだというふうに思っております。 とりわけ、
高齢者
に対する
雇用管理
というのは様々でございます。例えば、私
ども
が承知をしている
範囲
でも、
健康状態
に応じて
仕事
の負荷を軽減をするでありますとか、あるいは体力が落ちたときに短時間や隔日勤務というような
制度
を入れる、あるいは
処遇
の面で比較的、
定年
後
継続雇用者
だから一律幾らというような
企業
もございますけれ
ども
、やはり意欲と
能力
を持って働いていただくために、その
仕事内容
等あるいは評価に応じて適切な
処遇
を行うというような様々な取組をされておるというふうに聞いております。また、新しい
仕事
を提供するというような場合には親切に丁寧に教育をする、上司からのアドバイスをするということも重要なことでありまして、
企業
で様々な形でやっているものをベースに、こういった
雇用管理
の
仕組み
について
議論
を深めていくということが重要ではないかというふうに思っております。 それから二点目の御質問でございますけれ
ども
、今回、
労働者
の方からの
意見
聴取ということについての法的な
措置
というのはございませんでしたけれ
ども
、一般論といたしまして、
労働
条件については労務管理上、労使でよくよく話合いをして納得のいくものをつくっていくということが大変重要だというふうに思っております。そういった労務管理上、労使で話合いの場を持っていくということは大変重要だというふうに思っております。 私からは以上です。
新谷信幸
34
○
参考人
(
新谷信幸
君) この
特措法
によって
民事
上の
基本
ルール
であります
労働契約法
の
特例扱い
をするということでございますので、その扱いについては慎重であるべきであるというのは繰り返し申し上げてきた点でございます。
事業主
がこの
雇用
計画
を策定するという行為は、当該
事業
所に働く
労働者
にとって極めて重要な
計画
となるわけでございます。それが
事業
所で働く
労働者
に全く知らされずに、
労働者
の
意見
を聞くことなく
事業主
が
計画
を出すということはあってはならないと私
ども
は考えておりまして、十分な労使のコミュニケーションを取るということからも、この
雇用管理
計画
の作成、申請に当たっては、あらかじめ過半数
労働
組合等の
意見
を聴取するということを
法律
に義務付けるべきであるということは
労政審
の場においても私
ども
が
主張
した点でございますけれ
ども
、残念ながら
法律
には今回盛り込まれていないということでございます。 私
ども
としては、少なくとも
意見
聴取を行うべきだということは重ねて申し上げておきたいと思います。 以上です。
長沢広明
35
○長沢広明君 ありがとうございました。 終わります。
山口和之
36
○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。 すぐ質問に入らせていただきたいんですけれ
ども
、まずちょっとはっきりしていないので全員の方にお伺いしたいんですが、想定されている一千七十五万円あるいは国家資格等々が出てくるんですけれ
ども
、一千七十五万円かつ国家資格なのか、又はなのか、ちょっとはっきりしないんですけれ
ども
、
岩村
参考人
さんの
資料
からすると、一定の国家資格等を有する者や一定
期間
の実務
経験
を有する
年収
一千七十五万円以上の
技術者
、システムエンジニア、デザイナー等を
参考
に定めることが適当であると言われているんですけれ
ども
、これについて全員の御
意見
を伺いたいと思います。
鈴木重也
37
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。 私
ども
といたしましては、
年収
一千七十五万円を
参考
にした高い水準の
年収要件
かつ高度な
専門的知識
、
技術
、
経験
を有する方というふうな
要件
だというふうに
理解
をしています。 ただ、先生おっしゃられた国家資格ということについて、ちょっとテクニカルで恐縮でございますけれ
ども
、例えば先ほど申し上げました特定の国・
地域
における
法律
ですとか
ビジネス慣行
に熟知した方というのは、実は国家資格ということではなかなか拾い切れないというようなところがございますので、そこは現場
実態
に応じて
高度専門職
たる
方々
というのは幅広に広げていただきたいというふうに考えているところでございます。 以上です。
新谷信幸
38
○
参考人
(
新谷信幸
君) 私
ども
も、この
年収要件
というのは、全ての例示で挙がってございます国家資格、システムエンジニア、デザイナー等の例示が挙がっておりますけれ
ども
、全ての
要件
に共通する
ルール
として
年収要件
を定めるべきだというふうに考えてございます。この
年収要件
の例示の一千七十五万以上というのがございますけれ
ども
、これはやっぱり
労働
市場においてやはり
使用者
と対等な
交渉力
を有するという、代理変数的にこれは使われているものでございますので、これは全ての
要件
に共通する
ルール
として設けるべきだということは私
ども
も考えているところでございます。 以上です。
岩村正彦
39
○
参考人
(
岩村
正彦
君) 建議のところにおきましては、
労働基準法
の十四条第一項第一号の
規定
に基づく告示というもの、それが今御質問の中で触れられた具体的中身を持っているわけですけれ
ども
、その告示の中身というものを参照して改めて
労働政策審議会
で
議論
をするということでございます。 したがって、現時点においてどのようにその
年収
とあるいは国家資格を定めるかということについての明確な方針が決まっているわけでは必ずしもないというふうに
理解
しておりまして、今後これは
労働政策審議会
の方で
議論
させていただきたいというふうに考えております。
山口和之
40
○山口和之君 それでは、
岩村
参考人
にお伺いしたいんですけれ
ども
、その一千七十五万という
年収
水準というのは先生の考えの中では妥当性はどうなんでしょうか。
岩村正彦
41
○
参考人
(
岩村
正彦
君) あくまでも今これは告示の中で一千七十五万という金額が挙がっているということでございます。ただ、統計的には一千七十五万以上の
労働者
の方、
年収
を持っている
労働者
の数というのが非常に限られておりますし、また当然のことながら、一定の
交渉力
というものをお持ちであるということも十分考えられるわけで、
一つ
の指標になるだろうというふうには思ってはおります。
山口和之
42
○山口和之君
新谷参考人
にお伺いしたいんですけれ
ども
、この同じく一千七十五万についてはボーダーラインとして極めて重要なのか、またそれ以上を求めるのかということをお伺いしたい。
新谷信幸
43
○
参考人
(
新谷信幸
君) 先ほ
ども
申し上げましたけれ
ども
、
労働契約法
の十八条が目指した
雇用
の安定、濫用的な
有期契約
の防止ということからいえば、当該
労働者
が
使用者
に対して対等以上の、対等の
交渉力
を持っていないと駄目だと私は考えてございます。そのときに、測る目安としては
年収
が
一つ
のメルクマールになるというふうに考えてございますので、ここでは労基法の十四条の
基準
を例と挙げておりますけれ
ども
、私はやっぱり
交渉力
の強さということからいえば、より高い
年収
であるべきだというふうに考えているところでございます。 以上です。
山口和之
44
○山口和之君 それでは、もう一度、
鈴木参考人
にお伺いしたいんですけれ
ども
、この一千七十五万円のラインというのはしっかり守られて、もしこれで通れば守られていくものなのか、もっと低い
要件
でというのは希望されるのか、お伺いしたいんですけれ
ども
。
鈴木重也
45
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。 繰り返しとなりますが、
年収要件
に関しましては、あくまでも一千七十五万円を
参考
に
議論
するということになっておりますので、その労側の
意見
も十分踏まえながら
検討
させていただきたいと思います。 ただし、
使用者側
の
意見
ということでの御質問でしたので申し上げたいと思いますが、
議論
では、この
労働基準法
第十四条の告示に書かれている業務に係っているこの一千七十五万円、これを定めた根拠というものを改めて確認するという作業が必要だというふうに思っておりますし、また、
労働基準法
の十四条に係る告示業務では
年収
が課せられていない業務もございます。これに対して、先ほど申し上げましたように、
有期特措法
の
対象
業務、高度専門的な
知識
等を有する方の業務というのは、
年収
があまねく
対象
になるということもございますので、そういったことを総合的に勘案していきたいというふうに思っているところでございます。
山口和之
46
○山口和之君 国家資格等々、ここには出てくるんですけれ
ども
、なかなかイメージができないところがあるんですが、
鈴木参考人
の方にお伺いしたいんですが、国家資格等々と出てくるところでのイメージを教えていただければと思います。
鈴木重也
47
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。 もちろん、国家資格を有する方に対しての業務も認めていただきたいという気持ちはございますが、ただ、グローバル競争への
対応
ということで、先ほど来申し上げさせていただいておりますけれ
ども
、
新規事業
立ち上げの
研究者
、
技術者
、
大型資源プロジェクト
を受注した際の
専門家
、インフラ、金融に係る
ファンドマネジャー
、そして、繰り返しですが、海外の特定の国や
地域
の知見を持つ
専門家
といった
方々
が網羅されるような
対象
としていただきたいというふうに、このように思っておるところでございます。
山口和之
48
○山口和之君
鈴木参考人
にお伺いしたいんですが、ボリューム感で、その
高度専門労働者
というのはニーズとして今お話しされている
内容
があるんだと思いますけれ
ども
、どれぐらいあるものなんでしょうか。どれぐらいと言われてもちょっと難しいかもしれませんけれ
ども
、想定しているのはどれぐらいのボリューム感なんですか。
鈴木重也
49
○
参考人
(
鈴木重也
君) これは、先ほ
ども
申し上げましたように、大
企業
でも一千万円を超えるような
高度専門職
で
有期
の方というのは数名程度でございます。そういう意味では、それほどボリューム感としては多くない
現状
にあるというふうに認識をしておりますが、ただ、将来的にこうした
方々
が
企業
の成長を引っ張っていく、そういう存在ということになりますと、より
対象者
は増えるんではないかというふうに思っているところでございます。
山口和之
50
○山口和之君
新谷参考人
にお伺いしたいんですけれ
ども
、いただいた
資料
の四ページのところに、
高度専門労働者
の
範囲
、万が一
特例措置
を講じるのであればということであるんですけれ
ども
、真に高度な
専門能力
を有する
労働者
に限定することができるような
制度
設計ということなんですけれ
ども
、この辺具体的に、あるいは
期間
についても、もし御
意見
があればお聞きしたいんですが。
新谷信幸
51
○
参考人
(
新谷信幸
君) 元々この
特措法
の
検討
を始める
契機
となりました
国家戦略特別区域法
並びに
産業競争力会議
等々の
論議
では、
産業競争力
の
強化
に資する
人材
を
対象
にするということでございますので、まさしく
我が国
の競争力に直結するような
人材
といえば、本当に高度な
専門能力
を持った
方々
に限定されるべきではないかというふうに考えている次第でございます。 その測る目安が、やっぱり
労働
市場におけるその
労働
力の価値ということでいえば
年収
というものが具体的な数値として出てくるのではないか、だからそれはより高い水準であるべきではないかというのが私
ども
の
考え方
でございます。 それと、
期間
につきましても、これは極力短くする、今十年という数字になっておりますけれ
ども
、短く限定するべきであるということは私
ども
も
労政審
で
主張
してきた
内容
でございます。 以上でございます。
山口和之
52
○山口和之君 時間となりましたので、どうもありがとうございました。
東徹
53
○東徹君 維新の党の東徹でございます。 本日は、
参考人
としてわざわざこの参議院の方までお越しいただきまして、ありがとうございます。 私も、先ほどからほかの
委員
の先生そしてまた
参考人
のお話も聞いておりまして、
一つ
は、やはりこれからの産業の競争力をやっぱり高めていく、寄与していかないといけないというふうな中で、新規開業直後の
企業
及びグローバル
企業
等が優秀な
人材
をやっぱり確保していく、そういったことにおいて今回の
法改正
、非常に重要だというふうに思っております。 是非、
鈴木参考人
の方にお聞きしたいんですが、これまでそういったニーズの把握とか例えばアンケート
調査
とか、何かそういったことをしてきたことがあるのかどうか、もしあるんだったら、どの程度の
回答
があったのかとか、その辺のところについてまずお聞かせいただければというふうに思います。
鈴木重也
54
○
参考人
(
鈴木重也
君) 特に
調査
等はしておりません。
経団連
事務局が十五社程度の
企業
にヒアリングをさせていただきますと、ほぼほぼ数名程度のその一千万を超えるような
有期
の専門
労働者
の方がいらっしゃっていたという事実を把握したところでございます。
東徹
55
○東徹君 その辺がいつもちょっとなかなか本当にあるのかなと腑に落ちないところもちょっと若干あるんですけれ
ども
、よく今回の中で、これまでも時々例えばというふうな中でオリンピックの話とか出てきたこともあったかというふうに思っておるんですが、ただ、オリンピックももう間近になってきてはいるわけでして、五年を超えて一体どうなのかなというふうに思ったりもするわけなんです。 じゃ、この
法律
が
施行
されるのがこれ来年の四月一日というふうな今この
法律
になっておるわけですけれ
ども
、まず
一つ
は、四月一日の
施行
に向けてこれ周知が果たしてどうなのかなというふうに思っておるんですが、その点、
鈴木参考人
、最初に、冒頭にちょっとお話もありましたけれ
ども
、その点についてちょっと感想を、思いをちょっと詳しく述べていただければと思うんですが。
鈴木重也
56
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。
先生方
に早期にこの
法案
を
成立
していただきますれば、その後、
労働政策審議会
の特別部会で詳細の
議論
が進められるところでございますので、そこも早く集中的に
議論
をしていただきまして、私
ども
もこういった
特例措置
を望んでいらっしゃる
企業
に直接
説明会
等も開きながら周知を徹底を図っていきたいというふうに思っておるところでございます。
東徹
57
○東徹君 非常に時間が短いというふうには思わないでしょうかね。
鈴木重也
58
○
参考人
(
鈴木重也
君) 私の
理解
としましては、これまでの六回の
労働政策審議会
の中でその公労使の方向性というのはある程度見えてきている中で詰めの作業をするということで、集中的な
議論
で
対応
できるのではないかというふうに考えておるところでございます。
東徹
59
○東徹君 続きまして、
新谷参考人
の方にお伺いをしたいと思います。 私、
定年
後も引き続いて
雇用
される者という方についても今回の
適用
、なるというふうなことで、これからの本当に少子高齢社会、やっぱり
高齢者
の
労働
力というのは非常に大事だと思いますし、また高い
経験
、
能力
を持った方というのはやっぱりたくさんおられると思いますので、できるだけそういった方が年齢に関係なく
仕事
ができる
環境
を整えていくということは非常に大事だというふうに思っておるんですが、ここについても、
新谷参考人
の方からは慎重であるべきということで先ほど三点お話があったというふうに思うんですが、やっぱりここは一歩前進しているんじゃないのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
新谷信幸
60
○
参考人
(
新谷信幸
君)
我が国
の高齢社会の
現状
からいえば、
能力
と意欲を持った方が生き生きと働き続けられる
環境
をつくるというのは重要な
政策
だと思っております。ただ、これは、申し上げておりますように、
民事
上の
基本
ルール
である
労働契約法
に特別な扱いをするという例外扱いを設ける
仕組み
でございますので、その例外の在り方については慎重であるべきというふうに申し上げているわけでございます。 先生がおっしゃったように、
定年
後も引き続き働き続ける
環境
をつくるということでございますけれ
ども
、私申し上げたように、この高齢法、いわゆる高
年齢者雇用安定法
という
法律
の
適用
になりますのはいわゆる無期
雇用
、
正社員
の方だけでございます。ですから、いわゆる
有期
雇用
の方で六十歳を迎えられる方は
定年
という扱いが元々ございませんし、そこから引き続き
雇用
するというのが
法律
的に実は担保されていないんですね。ですから、そういう
方々
が実は全
労働者
の三割ぐらいおられますので、実はこの
法律
は七割しか
適用
されていないわけでございます。ですから、申し上げたように、
正社員
じゃない方で六十歳を迎える方をどうやって六十五まで
雇用
をつなげていくのかというところの手当てが十分になされておりませんので、そこの手当てを同時にやっておかないといけないというふうに私
ども
は考えています。 それともう
一つ
は、高齢法の
適用
は六十歳で
適用
されるわけでありますけれ
ども
、その瞬間の切替えのところは高齢法で担保されておりますけれ
ども
、申し上げたように、六十一歳のとき、六十二歳のとき、六十三といったような
有期契約
を更新する際の、必ず更新しないといけないというところが
法律
的に何も決まっておりませんでして、これがいわゆる
更新基準
とかいうところでございまして、ここの手当てをやっぱりしておかないといけないということを先ほど
意見
として申し上げたところでございます。 以上でございます。
東徹
61
○東徹君 もう一点、
新谷参考人
の方にお聞きしたいと思うんですが、
事業主
が行う
計画
の作成、申請というところなんですけれ
ども
、ここは非常にこの
法律
が
施行
されるのであれば大事だというふうに考えておられるというふうに思うんですが、こういった
内容
、中身、どういったことをやっぱり重視すべきというふうにお考えなのか、この点についてお聞きしたいと思います。
新谷信幸
62
○
参考人
(
新谷信幸
君) この
計画
は二種類、第一種と第二種がございます。特に私が問題とするのはこの第二種の先生から御質問のあった
高齢者
の部分の
計画
がどうなるかというところで、非常に気にしてございます。それは、今申し上げましたように、高齢法で担保されていない
有期契約
を更新されていくときの
更新基準
が、その会社の
計画
の中にきちっと六十五まで
雇用
をつなぐということがやっぱり明確に書き込まれないと、元々これ、冒頭に申し上げたように、
国家戦略特区法
の授権を受けた
高度専門労働者
じゃないところで
使用者側
からの求めに応じて中に組み込まれた問題でありますから、必ず六十五まで、要するに
無期転換
するところまで必ず
雇用
を継続するんだということがあって初めて
検討
に値する
内容
でございますので、必ずこの
計画
の中には六十五までの
雇用
をきちっと確保するということが書き込まれるべきだというふうに考えてございます。 以上です。
東徹
63
○東徹君 ありがとうございます。 続きまして、
鈴木参考人
の方にお伺いしたいと思うんですが、今回、
法律
の中に教育訓練を受けるための有給
休暇
の付与ということも入っておるんですけれ
ども
、実際にそういう
能力
向上
の
機会
の付与ということを義務付けておるわけですが、これ、そもそも
高度専門職
で非常に
能力
の高い方、こういった部分というのは必要なのかどうか、ちょっと
参考
までにお聞かせいただければと思います。
鈴木重也
64
○
参考人
(
鈴木重也
君) 先生御指摘のとおり、高度
専門的知識
を有し、高い
年収
を持って働く方でございますので、
企業
側といたしましても、期待する役割をすぐに発揮をしていただくというところを期待するところでございます。そういう意味では御指摘の問題点というのはあろうかというふうに思っております。 しかしながら、高度
専門的知識
を有する方、その専門が先端性を有するようなことになれば、当然
知識
とか技能といったところのブラッシュアップをしていくというようなことも一方では必要だというふうに思っております。先ほ
ども
申し上げさせていただきましたけれ
ども
、
企業
では、学会参加への奨励というようなことでの配慮とか、
実態
に合った形での支援をしているところでございまして、そういった
雇用管理
をしっかりやっていくということは
一つ
重要な点ではないかというふうに考えております。
東徹
65
○東徹君 ありがとうございました。 これで終わらせていただきます。
小池晃
66
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
参考人
の皆さん、ありがとうございました。
新谷参考人
にお伺いしたいと思うんですが、この
無期転換権
の
ルール
というのは実際には発動していないわけですよね、一年半しかたっていないわけですから。私、政府に質問して、こういう実際に効果が現れる前に
法改正
というのはあったのかというふうに聞いたらば、これは、そういうものは今までありませんでしたと。同時に、
労働者
派遣法については、これは
施行
効果が及ぶ前の
制度
改正
が含まれていると。やっぱり、ちょっと最近のやり方はおかしいんじゃないかなと。実際に
国会
で
法改正
して、その効果が現れる前にまた変えてしまうと。 こういうノン
ルール
のやり方がはびこっていることについて、
連合
は派遣法も厳しく批判されていますけれ
ども
、そもそも最初に特区法で枠にはめる、あるいは
労働
代表
が参加しない場で大枠を決めるというやり方も含めて、こういう昨今の
労働
政策
立法
の在り方についてどのようにお考えか、まずお聞かせいただきたいと思います。
新谷信幸
67
○
参考人
(
新谷信幸
君) これは先ほど
国家戦略特区法
の
ワーキング
の
検討
の進め方の際にも申し上げましたけれ
ども
、元々、
労働
政策
、
労働
立法
においては、国際
労働
機関、ILOの中に三
者構成原則
という
考え方
がありまして、もうこれは御承知のとおりでございますけれ
ども
、これが国際標準、いわゆるグローバルスタンダードになっているわけでございます。そういった意味でいきますと、最近の政府の
労働
政策
に対する
政策
決定プロセスに
労働者
の
代表
が少なくとも入っていない中で大きな枠組みがどんどん決められてくるということに関しては、非常に
違和感
を持っておりますし、ILOの
原則
に反するのではないかということは常々私
ども
も
主張
しているところでございます。 そういった例は、この
有期特措法
もそうですし、
労働
時間の法制、今
労政審
でやっておりますけれ
ども
、あれも枠組みをはめられて細部を
検討
せよという指示が来たわけでございますけれ
ども
、本当に、そういった意味では、ILOの
原則
に従った三
者構成原則
を貫いていただきたいというふうに思ってございます。 さて、
立法
事実がないではないかという御質問もいただいたわけでございまして、まさしくこの
法律
は昨年の四月に
施行
されたばかりでありまして、この
無期転換ルール
は
基本
的には五年ということでございますので、二〇一八年まで
基本
的には発生しないと。これ特殊な例は多分あって、例えば三年
契約
を三年たったときにもう一回
契約
しますと、三年と一日で
無期転換権
が発生しますので、そういう特殊な例はありますけれ
ども
、
基本
的には五年待たないと
無期転換権
、具体的には発動されないということでありますので、そういった、どうして
法改正
が必要なのかという全く
立法
事実がないというふうに私
ども
も認識をしております。 以上です。
小池晃
68
○小池晃君
岩村
参考人
にお伺いしたいんですけれ
ども
、二〇一二年十二月のジュリストの座談会で、五年経て更新されてからということになりますのでまだかなり時間がありますと、それまで労使が向き合って新しい
有期労働契約
労働者
の
処遇
の在り方について再
検討
していく必要があるというふうに
参考人
はおっしゃっているんですけれ
ども
、まさかこの時点で例外
規定
を作るような
法案
が出るというふうにこの時点ではお考えになっていたでしょうか。
岩村正彦
69
○
参考人
(
岩村
正彦
君) 私としましては、閣議決定されて、こういうものを
議論
せよということで
労働政策審議会
の方に話があったということでありまして、それに基づいて
議論
をさせていただいたということだというふうに
理解
はしております。 あと、もう一点、ちょっと大変申し訳ないんですが、先ほどの山口議員の御質問を私余りうまく
理解
できておりませんで、
年収要件
というのは全ての
専門的知識
のある
労働者
に関わります。申し訳ございませんでした。
小池晃
70
○小池晃君
立法
事実という点でもう
一つ
、
立法
事実というか、その閣議決定の土台になったような
議論
の中で、これは
新谷参考人
にお伺いしたいんですが、日本
経済
再生本部は、
有期
雇用
の
特例
をつくる理由として、オリンピックなどの
プロジェクト
の場合は七年限定で更新する代わりに
無期転換権
を発生させることなく高い待遇を提示して優秀な
人材
を集めることは現行
制度
上はできないと言っているんですけど、これ労基法の十四条の一項で、一定の
事業
の完了に必要な
期間
はこれは
有期
雇用
契約
五年を超えて結べるわけで、そもそもこの日本
経済
再生本部なるところの認識は僕は事実誤認ではないかと思うんですが、この点いかがお考えですか。
新谷信幸
71
○
参考人
(
新谷信幸
君) その点は、
労政審
において私
ども労働側
代表
としても政府の見解をただしたところでございます。 先生御指摘のとおり、
労働契約法
の十四条によれば、一回の
労働契約
の
期間
が五年を超える
有期プロジェクト
、
有期
事業
について五年を超える
契約
が締結が可能ということになってございます。確かに御指摘の点は昨年の十月の十八日に出された
内容
でございますけれ
ども
、これは現行ではできないという認識は事実誤認ではないかなと、私
ども
はそういう
理解
をしているところでございます。
小池晃
72
○小池晃君 もう
立法
事実もない、事実誤認に基づく、そういう方向で出されてきて、それで閣議決定で、ちょっとこういうやり方は本当にいかがなものかというふうに思うんです。 今朝の朝日新聞には、
有期
雇用
契約
の
労働者
の同僚が退職したという四十五歳の女性の投書が出ていて、こういう五年の申込みと、しかし、皮肉にも法を骨抜きにするように五年未満の期限付で募集する
企業
が多くなっているという、そういう
実態
も出されているし、私は、やっぱりやるべきことは、五年後のことを、いまだに
立法
事実もないことをやるんじゃなくて、やっぱりこういう
有期雇用労働者
の権利をどうやって守っていくか、同一
労働
、同一賃金の問題も含めて。 それから、
新谷参考人
が言われたような
定年
後の問題も、六十五歳以降のことをやるより、まず六十五歳まできちっとやっぱり
雇用
を確保していくために何が必要なのかということこそ
議論
すべきであって、それを全部やらないで飛び越えたところばっかりやっても、私は、これは
労働者
の権利が次々と奪われていくだけだというふうに思うんですが、
新谷参考人
、いかがお考えでしょうか。
新谷信幸
73
○
参考人
(
新谷信幸
君) 先生御指摘の点も、私
ども
労働政策審議会
で
主張
してきた点と重なる部分が非常に多くございます。そういった意味では、思いは同感でございます。 以上です。
小池晃
74
○小池晃君
岩村
参考人
には、是非、今日は学者、
研究者
としての御発言ということで
お願い
してはいるんですが、公益
委員
ということでも参加されています。是非、
労使双方
の、特にやっぱり
労働契約法
というのは
労働者
は弱い
立場
なんですから、やっぱり
労働者
の声をしっかり酌み取って、
労働
政策
立法
に力を尽くしていただきたいというふうに思うんですが、今後、これから
労政審
に委ねられている部分が多々あります。例えば、
労働
組合の関与、
計画
決定に当たってどうするか、あるいはその
対象
をどうするかということも
議論
がございます。きちっとやっぱり現場の
労働者
の
実態
、声に耳を傾けて進めていただくということを私は強く希望したいというふうに思いますが、御
意見
をお聞かせください。
岩村正彦
75
○
参考人
(
岩村
正彦
君) 私の
意見
の陳述でも申し上げましたように、
労働政策審議会
というのは、公益
委員
、それから
労働者
代表
、そして
使用者
代表
という三者で構成され、とりわけそこにおいて労使の御
意見
を伺いつつ様々な
法案
その他のものについて
審議
をさせていただいておりますので、今後も、労使の
委員
の御
意見
というものを酌み取りつつ
議論
をさせていただきたいというふうに考えております。
小池晃
76
○小池晃君 とりわけやっぱり
労働者
の声にしっかり耳を傾けていただくことが大事ではないかなというふうに思いますので、そういう役割を果たしていただきたいというふうに思います。 終わります。
福島みずほ
77
○
福島みずほ
君 社民党の
福島みずほ
です。 今日は本当にありがとうございます。 私は、この
法案
は、ホワイトカラーエグゼンプションのような
年収
が高いということで例外
規定
を設ける、あるいは派遣法と一緒で専門職、限られた業種、
年収
が高いといって
法律
を作り、今どんどん
拡大
をしている、例外が
原則
を食い破っていくということになるのではないかというふうに危惧を持っているんですが、まず
鈴木参考人
にお聞きをします。先ほど、
年収要件
が高ければ
交渉力
があるとおっしゃいましたが、なぜ
年収
が千万で
交渉力
があると言えるんでしょうか。
鈴木重也
78
○
参考人
(
鈴木重也
君) ありがとうございます。 先生御指摘のとおり、
年収
だけでこの
交渉力
というのを考えるべきではないというふうに思っております。総合的に勘案するということが必要でございます。
技術者
、
研究者
を
中心
に
有期
で高い
年収
を持っていらっしゃるという方は、新規の
プロジェクト
をベースに
キャリア
を
形成
をされていくというような方もいらっしゃるというふうに思っております。 そういう意味では、高度専門的な業務、
知識
を有するという方についての
対象
について、今後、先生の御
意見
も踏まえながら
検討
していきたいというふうに思っております。
福島みずほ
79
○
福島みずほ
君 先ほど、
鈴木参考人
は
特例措置
を望んでいる
企業
とおっしゃいましたが、どういう
企業
が望んでいるんですか。
鈴木重也
80
○
参考人
(
鈴木重也
君) これは、例えば海外の
市場開拓
をするということでは、例えばメーカーでありますとか商社といったようなところからの希望というのが出ておるところでございますし、
研究者
、
技術者
についてはメーカーからの御要望があるところでございます。
福島みずほ
81
○
福島みずほ
君 私も、この
法案
の
立法
理由、
立法趣旨
がどこにあるのか。一条の
目的
のところで、
専門的知識等
を有する
有期雇用労働者等
の
能力
の
維持向上
及び活用を図ることがその
専門的知識等
を有する
労働者
の有効な発揮になるというふうに書いてあるんですが、本当にそうなのか、この
法律
の
目的
は何なのか。 それほどまでに優秀でそれほどまでに
知識
があってそれほどまでにグローバルだったら、その人は勝手に辞めることも、あるいはどこかに行くことも、あるいは、何だってできますよね、そんな
交渉力
ある人。そんな限られた人は何だってできますよ、だって引く手あまたなんだから。ところが、ほとんどの
労働者
はそうではない。この
立法
理由が本当におかしいと思っているんですね。
新谷参考人
、いかがでしょうか。
新谷信幸
82
○
参考人
(
新谷信幸
君) 今先生御指摘の点は、私
ども
も、これもまた
労働政策審議会
で
立法
の理由が分からないということを申し上げました。これは、経緯でもございますように、元々が
国家戦略特区ワーキング
の中から
無期転換権
の
事前放棄
というものが出されて、それが政府の中で、十月十八日に方針が
高度専門職
については
特例扱い
をするというふうに変わってきた経緯からいえば、まさしく政府の方で決定をされてきた
内容
でございますし、労使でこれを
改正
してほしいということを望んだわけではございません。 それと、先生が冒頭におっしゃられました例外が
原則
を食い破っていく。私は、今回のこの
有期
の
特措法
はそれ自体が問題だと思っております。
基本
的な
民事ルール
をこういった特別法によって例外でぼんぼん穴を空けていくという、この
枠組み自体
が大きな問題を抱えているというふうに考えております。
労政審
の場においても
使用者側
から、今回はまあ
高齢者
でございますけれ
ども
、
労政審
の場で
使用者側
から
特例
で設けるべきだという
主張
をされたのが、オリンピックに向けて
企業
が
雇用
する
有期契約
のスポーツ選手についても
特例扱い
にするべきだという
主張
がなされてきたのもまた事実でございまして、こういう枠組みをつくれば、これもこれもということで歯
止め
が掛からないことになりかねないということでございまして、この点も十分御
論議
をいただければというふうに思っております。 以上です。
福島みずほ
83
○
福島みずほ
君 そのとおりだと思います。 先ほど
鈴木参考人
は
対象者
が増えていくというふうにおっしゃいましたが、どういう意味ですか。
鈴木重也
84
○
参考人
(
鈴木重也
君) 例えば、海外の市場進出する
企業
というのはこれから増えていくのではないか、それに伴って、専門的な
知識
を有する方に中途採用なりで来ていただくという方が増えるのではないかという
趣旨
で申し上げたところでございます。
福島みずほ
85
○
福島みずほ
君 これ、
プロジェクト
事業
というのは問題ではないか。これ、条文では「五年を超える一定の
期間
内」とありますので、十年以内とは言われていますが、これ二十年、三十年もあり得るわけですよね。ただ、私がもし
経営
者だとしたら、社内で
正社員
なんか雇わずに、
プロジェクト
事業
と銘打って八年とかやりますよ。というふうにやって、でも
プロジェクト
事業
そのものが危ないじゃないですか。 例えば、
新谷参考人
、いかがでしょうか。女性で七年の
プロジェクト
事業
に入った、育休取れるでしょうか、産休取れるでしょうかという問題も起きてくる。要するに、
プロジェクト
事業
が終わったら首ということがどんどん広がっていったらどうなるのか。
企業
側は、じゃ
プロジェクト
事業
、条文には五年以上しかありませんから、二十年の
プロジェクト
チームというのを社内に立ち上げてやる、皆さん二十年ですよ、もしかしたら八年ですよ、全員発令が終わったら首、しかし優秀な
人材
だけは
有期
雇用
で雇っていきますなんということも可能となってしまうんじゃないか。
プロジェクト
事業
期間
中は産休、育休取れない、こんなことになっちゃうんじゃないか。
新谷参考人
、いかがでしょうか。
新谷信幸
86
○
参考人
(
新谷信幸
君) 冒頭に申し上げましたように、私
ども
としては、
雇用
の
原則
は直接
雇用
の無期と限るべきであるという
原則
からいえば、
有期
雇用
については本当に例外とするべきであると。しかも、これは例外の例外をまたつくるということでございますので、その
範囲
については限定するべきであるということをまず冒頭に申し上げておきたいと思います。 それと、
有期
事業
についても、現行の労基法の十四条で非常に長期にわたる
契約
が可能になっておりますので、今枠組みが、それがあるのになぜ使わないのかということが非常に不思議でございます。あえて
有期
雇用
の中で反復更新させるという、
契約
の細切れを誘発するような例外をなぜつくるのかということを
労政審
の場で申し上げてきたところであります。
契約
が細切れになりますと、やはり先生御指摘のような
労働者
の権利の行使に対してやっぱりこれはマイナスにしかなりませんので、より安定した
雇用
をやっぱり実現するべきであるというふうに考えてございます。 以上です。
福島みずほ
87
○
福島みずほ
君 人は人生の中で働いて、その間に子供を産んだり育てたりというのは、これは必然的に起きると。
鈴木参考人
にお聞きします。こういう形で無期
雇用
の転換を認めない例えば八年
プロジェクト
、十年
プロジェクト
、二十年
プロジェクト
、三十年
プロジェクト
、女性が産休取ったり、男女とも育休取れる、こんなことはできるんでしょうか。あなたは八年で雇っているんだから、その間は働け、八年間は会社に奉仕せよ、そんなことにならないでしょうか。
鈴木重也
88
○
参考人
(
鈴木重也
君) そういったところも含めて、懸念を払拭する形で
制度
設計なり運用を考えていかなければいけないというのは御指摘のとおりだというふうに思っております。 まず、その
期間
についてでございますけれ
ども
、私
ども
は、
法案
にございますとおり、十年が適当というふうに考えておるところでございます。 また、育児・介護休業が取れなくなるんではないかということにつきましては、これ育児・介護休業法、
使用者
の義務でございますので、そういったことのないよう徹底することが重要ではないかというふうに思っております。
福島みずほ
89
○
福島みずほ
君 先ほど
新谷参考人
が、
事前
に無期
雇用
転換を
事前放棄
することが公序良俗に反するということで、この
委員会
でのことを教えていただいたんですが、そのとおりで、これ、うっかりすると、
国会
でもし
立法
が
成立
すれば、
国会
と政府によって
事前放棄
を組織的、構造的に行うことになっちゃうんじゃないか、これ公序良俗に反するんじゃないか。優秀で、もう私はこの会社から去りたいという人はそれでいいです。しかし、無期
雇用
の転換権をあらかじめ奪ってしまう、
国会
が、内閣が、これについていかがでしょうか。
新谷信幸
90
○
参考人
(
新谷信幸
君) その点は、
労働契約法
の十八条を創設した際の
労働政策審議会
でも問題視いたしまして、
交渉力
が労と使では格段の差がございますので、
使用者側
の強い圧力の中で
事前放棄
をさせられる懸念というのがあったわけでございます。その点は、
国会
での
法案
審議
の中で、政府の方から、そうした
事前放棄
については公序良俗に反して無効であるという
立法
に際しての見解が示されておりますので、そのとおりに従って法が運用されるべきであるというふうに思っております。 いずれにしましても、この
事前放棄
の点は
国家戦略特区ワーキング
で出された
内容
でありまして、ほかにも、実は解雇
ルール
の
契約
条項を裁判規範にするといったようなことも出されておりまして、本当にこの辺の
論議
はかなり乱暴ではないかというふうに私は考えております。 以上です。
福島みずほ
91
○
福島みずほ
君 ちょっと初歩的なことで済みませんが、条文の二条の三項の一号では「五年を超える一定の
期間
内」と書いてあるんですね。どうしてこれを、私はこの
法案
、問題だと思いますが、よく十年に限るとか言われていますが、先ほど
鈴木参考人
も十年が上限だとおっしゃいましたが、この
法律
でそういうふうに読めるんでしょうか。
鈴木重也
92
○
参考人
(
鈴木重也
君) 訂正をさせていただきたいと思います。 私
ども
使用者側
の思いとして、今回の
特例措置
、
高度専門的知識等
を有する
有期労働者
に対する
特例措置
の上限は十年だと考えているということで訂正をさせていただきたいと思います。
福島みずほ
93
○
福島みずほ
君 よく十年と言うけど、条文は五年以上なんですよね。そうすると、
プロジェクト
事業
というのがはびこっていくんじゃないでしょうか。あっ、
岩村
参考人
、何かおっしゃりたいんですか。いいですか。というふうに思っております。 じゃ、時間ですので終わります。どうも本当にありがとうございました。
丸川珠代
94
○
委員長
(
丸川珠代
君) 以上で
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。
参考人
の
方々
には、長時間にわたり貴重な御
意見
をお述べいただきまして、ありがとうございました。
委員会
を
代表
いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会をいたします。 午前十一時五十六分散会