○田中茂君 四点合意の第三項なんですが、双方は、
尖閣諸島、東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると
認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避することで
意見の一致を見たとなっております。
今年は第一次世界大戦勃発から百周年を迎えます。それもあってか、
尖閣諸島をめぐる日中間の緊張状態が依然として継続する中で、アジアの地域各国はもとより世界中の国々が、日中両国のにらみ合いが偶発的に衝突する、そのエスカレートすることを強く懸念していたと私思っております。
そうした中で、四点合意の第三項において危機管理メカニズムの構築を明記し、さらにその推進を首脳会談で確認したことは、これに関しては大きな意義はあったと思っております。しかし、その一方で、合意文書の第三項は、その解釈につき議論の余地がある書きぶりがなされているのは、今日午前、午後と皆さんの
質問で言われているとおりであります。
植野中国課長は七日の記者ブリーフにおいて、第三項にある異なる見解とは、その前文である
尖閣諸島、東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについての異なる見解であって、領有権問題についてではない、
尖閣諸島に対する
日本の
立場に変わりはないと
説明されております。
十一日には
岸田外務大臣も、領土問題は一切存在しないという
認識は変わらないと。先ほど来、同じことをずっと繰り返されていると思います。しかし、異なる見解とは、中国が昨年十一月に
尖閣諸島を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定した問題などを挙げて、そうした課題において緊張状態があるとも述べられております。それに関しては理解できますが、中国側は同じようには理解していないと、私はそう思っております。
現に、在
日本中国大使館大使の程大使、ホームページによると、
岸田外務大臣の
発言に対して早速、
日本側の関連
発言に対して、厳重な関心と不満を表しますと、そのように述べておられます。
確かに、
我が国の
外務省が発表している合意文書は、素直に読み解けばそのような解釈になるのは理解しております。
外務省の発表の英文の表現なんですが、これは、「recognized that they had different views」であります。和文とほとんどこれは相違ありません。
しかし、中国
外交部が発表している合意文書の英文は、「acknowledged that different positions exist between them regarding the tensions」となっております。
日本側が使っているレコグナイズは単なる
認識を表していると思いますが、中国側が用いているアクノリッジは認めるという
意味であります。すなわち、中国側の英文表記では、中国側が主張している
立場の違いを認めたと読めるようになっております。これは単なるニュアンスの違いではありません。今後の文言解釈に関わる大きな不一致ではないかとも思いますが、いかがでございますか。