○鷲尾
委員 葉梨副
大臣に御答弁いただいて、国際貢献ということであるならば、相手国のニーズにのっとって技能実習制度というのは運用されるべきであって、中途半端に
日本側のニーズでもって拡充するというのはおかしいんじゃないですかと私は申し上げているんです。
ぜひその点をお含みいただかないと、不良な
受け入れ機関というのは、
外国人だけが低賃金だなんて、これはあってはならない話ですよ。これはしっかり監督してもらわなきゃいけない。それが正しい
理解が足りないんだとするならば、今、葉梨副
大臣がおっしゃったように国際貢献なんだというのであれば、国際貢献という趣旨にのっとった形で
政府も運用してもらわなきゃいけないわけですよ。
それを拡充するというのは、国際貢献の趣旨として、例えば、具体的に、東南アジアの国のどこそこが、こういう技術にニーズがあるから
日本でも
受け入れてくださいよとなるのが普通なわけです。ところが、そうなっていないじゃないですか。
日本の産業の
状況に応じて、こういうのを場当たり的に拡充しようとしているんじゃないですか。そういう、
政府のある
意味散らばったような
議論が、逆に言うと、現場の監理監督に、首尾一貫した姿勢を阻害しているんじゃないかと思っているわけであります。
そこは、国際貢献とおっしゃるならば、それで初志貫徹といいましょうか、その考え方で貫徹をしていただいて、これからの拡充の
議論は、私もずっと見ておきますから、相手国のニーズに基づいて国際貢献すべきなんです。
日本側の産業界のニーズと
関係ないんですよ。そういう大前提を忘れちゃいかぬというふうに思います。
ちなみに、どうして私がこういうことを申し上げるかというと、私は新潟ですけれども、新潟のみならず、地方の農業分野は今、担い手不足が大変なんですよ。
これは、どことは言いませんが、レタスとかキャベツとか葉物の野菜なんというのは、とるとき大変なんです。一個一個カットしていくんです。昔は大学生のバイトを使ってやっていたと言うんですよ、農家のおやじさんが。今はそんな大学生のバイトはいないと言うんですよ。誰がやっているかというと、
外国人がやっているんですよ、そういうのを。
外国人が切って、やっているんですね。では、それは本当に相手国のニーズにのっとっているのかどうか。
その農家さんのコメントをもう一つ紹介しますけれども、自分がけがをしたらやめようかと思っていると言うんですよ。
日本人の後継者がいない。これは、農水省が
日本人の後継者育成のために頑張らなきゃいけないし、それは私も常々言っていることなんですけれども、現場で働いているのは
外国人。よく働くと言うんですよ。彼らがいなかったら経営できないと言うんですから。そういう現実もあるんですよ、実際。
これは、本当に国際貢献から成るものなのか、
日本の構造的問題を場当たり的に
外国人活用によって乗り切ろうとしているのかどうか。現実にのっとって制度というのは運用しなきゃいけないわけですから、そういう現実もあるんだということを、葉梨副
大臣、内閣府でいろいろ
議論があったということでありますので、
外国人技能実習制度だって過去そういう使われ方をしているんだと。では、そういう農家さんで働いている方、その
受け入れ機関としてふさわしいものかといったら、ふさわしいんですよ、別に違反しているわけじゃないんですから。
だから、優良な機関かどうかの問題じゃない。その人たちが正しい
理解をしているかどうかといったら、
理解していないかもしれないですよ。これは国際貢献だから雇っているんだというのじゃないんですよ。もうこの人たちがいなかったら経営できないかもしれない、そういうかつかつの思いでやっているという方々もいらっしゃいますよ。そういう人たちは、監理団体をいかに規制
強化しようとも、そういう趣旨を
理解するというよりは、現実を見て、何とかこの制度で助けてもらおうと思うに決まっていますから。理想は理想。現実もありますから、そこをわきまえてもらわなきゃいけないと私は思います。
きょうは
厚生労働省さんに来ていただいているので、一方で、経済
連携協定に基づく
外国人看護師、介護福祉士の
受け入れの枠組みがあるんです。これは逆に相手国のニーズがあるわけですよ。相手国のニーズがあるし、
連携を
強化するために
日本としては
受け入れると言っているんです。これは
外国人技能実習制度の、いわゆる技能実習二号の対象には入っていない。一号には入ると思うんですけれども、単純な労働じゃないから。
これはどうですか、
外国人技能実習制度を活用できるんですか、できないんですか。