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木下委員 ありがとうございます。
国際的に我が
日本がこういった
スポーツイベントをどんどんとやっていって、ああ、
日本っていい国なんだなということを
世界に発信していくことにつながれば非常にうれしい話だと思っているんですね。
ただ、私は、きのうもちょっとお話しさせていただきましたが、長年ラグビーにかかわってまいりました。きょうはちょっとラグビーのことをお話ししたいんですけれども、今のお話をしていながらも、やはり
我が国日本のラグビーの人気が相当落ちてきている。今回、ワールドカップがされることによって、何とか盛り上げていこうというお話になるんだと思っているんですけれども、まだまだどうしても人気に陰りがあって、何とかしなきゃいけない、そういう状況にラグビー自体が陥っております。
もう少しお話ししますと、
オリンピック・
パラリンピックについては、皆さん御存じのとおり、東京がノミネートして決まったといったときにどういう過程だったか、私が理解しているかといいますと、東京が
オリンピックの受け皿として、こういうふうな施設を、
競技場はこんなものをつくりますとか、選手村はこういうふうにします、練習なんかはどういうところでやりますとか、そういうことをある程度、ある程度というのか相当しっかりと
計画して、それでノミネートしたという形になっています。
ただ、ラグビーのワールドカップについては、私が聞いている範囲では、そんな
準備がなされた状態で
日本でワールドカップを開催するということが決まったわけではないんですね。
というのは、この十月に、まずラグビーのワールドカップの
競技大会の場所、どこで決勝が行われるのか、決勝はある程度決まっていましたけれども、どこでどういう試合がされるのかということ、それから各チームの合宿地、練習地はどこであるのか、そういったことは全く何もない状態の中で、ラグビーのワールドカップを今度二〇一九年には
日本でやるということが決まっています。IRB、国際ラグビーボードに対して、聞いているところによると、相当のお金を積んだ状態で、
日本でやりたいというふうな話をして決定したということなんですね。
それからもう一つ、では、今度二〇一九年にラグビーのワールドカップがなされたときに、
日本の中で収益源になるのは何か。
主な収益源というのは、お客さんに
競技場に来てもらって、その入場料収入だけが
日本の、ラグビー協会等々の収入になる。例えばグッズであるとかテレビの放映権、
世界的な放映権というのはIRB側に全て帰属している、こういう状態なんです。
オリンピックも相当厳しいそういう制約がありますけれども、ラグビーも相当制約がある。
これは少し難しい
部分なんです。というのは、
日本だけで決められる話ではなくて、国際的なラグビーのボードと折衝を重ねていかなければならないところなんですけれども、どうしても、
日本から発信するというふうにいっても、お金がなかなか生まれないものに対しては誰も寄ってこないという
部分があるんじゃないかなと私は思っています。
先日、そのラグビー、IRBのCEO、ブレット・ゴスパーさんという方が来日されまして、その際に、議連の方に来られましたので、私、少し
意見というのか、させていただきまして、やはり国際的なテレビの放映権が高過ぎると。
ですから、今、
日本の
国内で、地上波でラグビーの試合というのはほとんど流されていない。二十年前、三十年前は、お正月になったらラグビーの放送が、NHKであるとかテレビ東京であるとかtvkであるとか、いろいろなところで放送されていました。あのときはすごい人気があったんですけれども、テレビの放映権料が高くなってしまったこと、それから、
国内の試合についても人気がなくなったことで、どんどんどんどん
競技人口も減ってきているという状態に陥っている。その中で、どうやってワールドカップを盛り上げていくかというのが一番大きな課題なんだろうというふうに思っております。
きょうは、ちょっと
大臣、御答弁いただくというよりも、ほとんど私の方からお話をさせていただいて、最後に御
見解をいただければいいと思っているんですけれども。
一つは、今出ましたIRB、国際ラグビーボードのCEO、ブレット・ゴスパーさんという方は、今、マッキャンエリクソンという
世界的な広告会社のヨーロッパのCEOをされています。その前はUSAの、アメリカの社長をされているという現役ばりばりの広告マン、そういう方がCEOになられているんですね。
きのうもちょっとお話しさせていただいたんですけれども、
オリンピック・
パラリンピックの場合は、
大臣、私の方からは、民間人も考えていただきたいというふうな話をしたんです。
そこと関連しまして、今のラグビーのワールドカップの会長、これは元キヤノンの会長の御手洗さんがやられておって、副会長に森喜朗先生がなられている。
事務総長は元総務省の
事務次官の方がやられているという形で、組織
委員会の中にも、いろいろ財界人の、だあっと名前が入ってはいます。でも、私が見る限りにおいて、ほとんど、その地位というのか、何か名誉職みたいな形になってしまっているんじゃないかなと。本当にばりばりにラグビーを何とか発信していくような、そういう人たちが実務に携わっていかなければならないんじゃないかなというふうに私は
感じている次第です。
お手元に、ちょっとこういった写真というのか、ポスターのカラー刷りを出させていただきました。資料です。これは二十六年前ですかね、一九八八年に全国の高校に配られた大きいA1のポスターです。
ここは何かというと、改装前の花園ラグビー場。キャパシティーが、大体一万二千人ぐらいのキャパシティーだったと思います。この試合のとき、ちゃんとした正確な数字は出ていませんけれども、会場の中に入れたのは二万、二万人を超えていたというふうに言われています。ですから、キャパシティーを超えて、見ていただくとわかると思うんですけれども、このグラウンドの手前、タッチラインという白線のぎりぎりのところまで観客を入れております。その上、会場に入れなかった人は、表の玄関のところにわざわざテレビを引っ張っていって、そこで観戦をしたというふうに聞いております。
これ、実は、私が言うのもなんですけれども、この右側は私なんです。済みません。
なぜこういうふうな話をしたいかというと、これ、実は一九八八年一月一日です。高校ラグビーの決勝は、その当時、一月七日に行われていました。これはまだベスト十六。ベストエイトを決める三回戦の戦いだったんですね。なのにこんなに人が来ていた。当時、私の高校のラグビー部は、一番多いとき、八十人ほど部員がおりました。今は三人しかいないというふうに聞いています。そんな状態なんです。
なぜそうだったかというと、この試合に出たメンバー、それからあとは全国
大会に出場したときには、ラグビーマガジンというところにラグビーを始めたきっかけというのが出てくるんですね。何かといったら、八割方の人が何と答えたかというと、「スクール・ウォーズ」というドラマがありました、それを見てラグビーをしたいというふうに思った人が八割いたということなんです。
この赤い方のジャージを着ているところは、その「スクール・ウォーズ」の題材になった伏見工業、こちらが地元というのか、私が大阪で、彼らが京都だったということで、三回戦だったのにこれぐらい来た。ほかの試合も相当たくさんの観客が来ていたという状態です。それが、二十六年たった今は、テレビでもほとんど放送されないという状況になっている。
これはなぜかというと、普通にテレビで試合をするしないというのもそうなんですけれども、そういう「スクール・ウォーズ」とかそういうドラマとか、そういう影響は相当大きかったと思っているんです。
それで、先ほどのブレット・ゴスパーさん、CEOのお話に返るんですけれども、
日本もやはり、そういう実行
委員会もしくは組織
委員会と言われたところに、名誉職という人たちも、名誉職といいながらも、各省庁間の予算のやりとり、例えばラグビーの場合は、今、総務省管轄の宝くじ、それから
文科省管轄のサッカーくじ、ここから何とか予算を引っ張ってきて
競技場を
整備したいという話があるんですけれども、
競技場を
整備するのは何でかというと、キャパシティーを多くして入場者をたくさん入場してもらえるようにしないと、なかなか
日本のもうかるお金はない、だから
整備するんです、こういう
理由になっているんだと私は思っています。でも、それじゃだめなんじゃないかなと思うんです。
というのは、宝くじを買う人は誰かというと、
日本の
国民なんですね。だから、
日本の中でお金がぐるぐる回っているだけで、外からお金をもっと取れるように、当然のことながら海外からもたくさん人が来てもらわなきゃいけないので、そういうことも必要なのかもしれませんが、そういうことをしっかり考えられる人というのは、やはりそれなりの実践を積んだ人である必要があるんじゃないかなと私は思っています。
これは言葉だけで言っても意味はないと思っているので、きょうは御本人に名前を出しますよということをちょっと言っていないので非常に申しわけないんですけれども、各界を代表される方なのでお名前を具体的に挙げさせていただきますと、例えばローソンの今の社長、新浪社長から今社長になられた玉塚元一さん。この方は、そこに宮川先生がいらっしゃいますけれども、その大先輩になられる、慶応大学のラグビー部の先輩なんですけれども、ばりばりのラグビーマンだったんです。ただ、ラグビーには全然かかわっていなくて、今、ローソンの社長をやられています。こんな方がそういう組織
委員会に入るというようなこととか、まだまだいるんです。
例えば福沢克雄さん。この方は、皆さん多分御存じだと思います、あの「半沢直樹」というドラマをつくったTBSのディレクターの方で、あとは映画で「私は貝になりたい」というような、そういうドラマというか映画をつくられた方です。こういった方の頭というのが私は必要なんじゃないかなと。
もう一人お話しさせていただきますと、立花陽三氏。これは私の同級生なんですけれども、これも慶応のラグビー部、蹴球部というふうに言いますが、今、楽天の球団社長をされています。あのマー君がニューヨーク・ヤンキースに行くときに相当な契約交渉をされたと。
こういった方々は今、ラグビーにほとんど、趣味ではかかわられていると思うんですけれども、ラグビー協会で下からずっとやってきたような方、そういう人たちも必要かもしれないですが、外に出てしっかりとしたビジネスをやってきたような人がこういう組織
委員会に入ることというのは、私は非常に重要だというふうに
感じているんです。
ですから、まだこれからでも遅くないと私は思っているんです。名誉職と言われる人も必要かもしれませんけれども、民間人の中でも、本当に、いわば全権を委任してもいいぐらいの人たちはたくさんいるんです。そういう人たちがどんどん、当然、御本人たちは非常にお忙しい仕事をされていると思いますけれども、そういう人たちの登用についてもしっかりと考えていく、それを
政府からも後押しする、そういうことを考えていただきたいと思うんですけれども、
大臣、御
見解をいただけますでしょうか。