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生方委員 私の基本的な考え方は、再
稼働には反対なんですけれども、これは見解を異にするのでしようがないんですが。
ドイツの場合は、
福島の
原発事故を受けて、もう
原発に頼るのはやめようという決定をいたしましたよね。メルケル首相は、その前は当然
原発推進論者だったんですけれども、すぱっと切りかえて、もちろん今現在は動いているんですけれども、何年後かにはきちんと全てを停止するという発表をした。
これはドイツ大使館が出している本なんですけれども、
大臣もごらんになったかどうかは知りませんけれども、これをこの間、
説明していただいたんです。
ドイツがどうして
原発に頼らなくしたのかといったら、
原発以外の再エネできちんとこれから国として生きていかなければいけないということをドイツが決意したと。それは、いろいろな新聞で言われているように、確かにFITを取り入れて、買い取り価格が高くなり過ぎて、まただんだん安くしているというような
状況もあるようでございますが、ドイツの場合は、再エネに取り組んで、再エネを新たにつくっていくことによってドイツの新しい
産業にしようという考え方があるんですよね。
大臣も御存じだと思いますけれども、
日本でオイルショックが起こったとき、私はオイルショックのことを、前、よく取材をして話を本に書いたことがあるんですけれども、あれも、
日本はあの当時、オイルはほとんど水と同じ値段だった。今だったらもう水も高くなりましたけれども、あの当時は水はただで我々は飲んでいたわけです。水と同じ値段だったのが、もう急に高騰して、これではもう
日本の
産業はやっていけないというときに
日本の
産業はどうしたのかといったら、当時の重厚長大型から加工組み立ての方にかえていくというシフトをし、それから省エネの
努力を大変したわけですね。
それで、第二次オイルショックが七九年に起こって、七九年以降、
日本は、製品そのものに、当時ICというふうに言ったかどうかわかりませんけれども、制御装置を取り入れることによって、当時のコマーシャルでいえば、使い勝手のいい洗濯機とか、使い勝手のいい掃除機とかというような形で、非常に製品のIC化を進めたことによって、
日本は八〇年代に少なくとも製品づくり、物づくりということに関しては
世界一になったわけなんですね。
だから、私も、今回は非常に不幸な
事態ではあったけれども、これを機に、地震もあるし、
津波もあるし、いろいろ台風も来るような国に
原発を四十基も置いておくのは、これはもうおかしい。我々は二〇四〇年代には
原発をゼロにしよう、
政府もなるべく
原発に頼らない国づくりをしていこうということはもう表明をなさっているわけですから、ただ単に今
原発を動かせば経済界は安い電力が使えるからいいんだというふうに言っちゃうと、革新が起こらないと思うんですね。だから、高い電力を使わなければいけないというのであれば、ではどうやって電力の消費を少なくするのかということをやはり考えていかなければいけない。
どうも経産省の場合は、再エネの場合、安定性がないとか信頼性がないとかというようなことを言っていて、だからベースロード電源にはやはり
原発が必要なんだということをおっしゃっているようですけれども、ドイツは、一〇〇%再エネでやっても、これは揚水を使うとか蓄電池を使うとか地熱を使うとか風力を使うとかという、いろいろな再エネをミックスすることによって、一〇〇%が再エネであってもきちんとできるような
措置をとっているというんですね。
大臣の立場は再
稼働を今しなきゃいけないという立場だというのは私は
理解しておりますけれども、こういう契機に
日本はオイルショックを乗り切って、八〇年代にはアメリカにももちろん勝って、ジャパン・アズ・ナンバーワンというふうに言われたような変革ができたわけで、そういうきっかけがあったのはオイルショックで、今回のことは非常に不幸なことではあるけれども、
日本の
エネルギーを抜本的に変える。
しかも、再エネというのは、御
承知のように、
地産地消で、一番近くで発電をするわけですね。
政府は地方創生というふうに言っているわけで、今までの電力会社というのは、
地域独占で、大きい電力会社が
原発を中心として百万キロワットというのをわっと流して、それを使うということから発想を転換して、
地域の地場
産業が
自分たちのところで電気をつくって、
自分たちのところでそれを消費しましょうと。もっとずっと進んでいけば、恐らく、うちは全部うちの屋根に太陽光をつけて、
自分のところで賄うというようなことにすれば、今のような電線も必要なくなってくるようなことになるし、そうすると、町自体も変わってくるし、地方創生にも非常に私は役立つと思うんですね。
だから、安易に今もう再
稼働しちゃって、どんどん再
稼働しちゃうと、すぐ忘れてしまって、まだ使える、それは電力会社にしてみれば、減価償却をまだしていないんだからもっと使えということになると思うんですけれども、それでは何にも、教訓を得て
日本の経済構造が変わる、あるいは
産業構造が変わるということにならないと思うんですね。
だから、ぜひその辺も
配慮しながらこれからの
政策を進めていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでございましょうか。