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丸川珠代君
自由民主党の
丸川珠代でございます。
まず
冒頭、昨日は
東日本大震災の
発災から丸三年でございました。私も
追悼式参加をさせていただきましたけれども、やはり三年を経て、今なお
震災で家族を失われた
皆様方の
言葉というものは涙なしに聞くことができませんでした。改めて、
震災で命を失われた方々に衷心から哀悼の意を表しますとともに、今なお
仮設住宅や
避難先で不便な
生活、苦しい
生活を強いられている
皆様に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
そして、
総理がおっしゃったように、
政府・
与党一体となってこれからも引き続き
復興に全力を挙げて取り組んでいくということを私
自身もお誓いを申し上げたいと存じます。
さて、本日は、
NHK、
公共放送とそして
外交、
防衛についての
集中審議ということでございます。私は
総務委員会の
理事でもございますし、また
予算委員会のメンバーでもございますので、まず
冒頭、
NHK、
公共放送についてお
伺いをしたいと存じます。
今日は
籾井勝人NHK会長においでをいただいております。私、正直、
籾井勝人会長がこれまで答弁されるのを何度もお聞かせをいただいておりまして、恐らく衆参合わせて二十回近く
委員会で呼ばれているという状況だと思います。その
たびごとにほぼ謝罪をなさって、また
個人的見解、
就任会見での
個人的見解を取り消すという
発言をなさっておられるということでございます。それでもなお
国会でこのように御
自身の
発言の
真意をただされるということは、取りも直さず、今までの御
自分の
表現のやり方、
表現方法では御
自身の
真意が伝わらないのだということを
籾井会長もそろそろ自覚をされているのではないかというふうに私は思っております。
改めて
就任会見の
内容を私もじっくりと拝見をさせていただきました。確かに
籾井会長は、靖国神社の件について
質問がございましたときに、もう
コメントは差し控えたいということを二回おっしゃっております。従軍慰安婦問題について聞かれたときも、
コメントを控えては駄目ですかと言った上で、
コメントをしないというふうな態度を取られている。なおかつ、その上でも再び聞かれたときにも、深入りするのはやめたいと思いますとおっしゃっていると。その後、結果的に
記者の方と
議論になるわけでございますけれども、最終的に、
会長の職はさておき、さておきですよ、これだけは忘れないでくださいねと
念押しをした上で
個人的見解を述べておられるわけです。
一般社会の感覚では尋常ではないぐらいにしつこく
質問をされているということは間違いありません。御
自身で
記者に言わされたと言うのは、これは
本人が言うべきことではないと私は思いますけれども、しつこく
質問されたから答えなきゃいけないと思ったということをその
会見でも述べておられるわけでありまして、私は、この御
発言はある意味、
籾井会長の人の良い一面というものが表れているのかなというふうにも思うわけであります。
しかしながら、同時に、私はこの
会見をじっくりと読ませていただいて、
籾井会長はこの時点ではまだ、
放送とは一体どういうものなのかということ、そしてまた、
放送に携わる
人たちがどれほどの
思い入れ、熱意を持って
放送を作っているかということについての
理解がまだ十分ではなかったのだなということを改めて思うわけでございます。
例えば、
NHKが
NHKとしての
意見を言うことと
政府の
公式見解を伝えるということは違うことだということであるとか、あるいは、
現場レベルでの
編集権の自由というものはどういうものかと、これ、私の了解を得るんじゃなくて、
番組の
基準にのっとっているかどうかということ、
NHKが
自身で決めている
番組の
基準にのっとっているかどうかということを
判断基準にすべきだというようなことについての
理解が決して十分ではなかったと私は思います。
この点は度々
国会でも
質問されておられますので、もう十分に御
理解をされているのではないかと推察をいたします。しかし、その上で、私は
籾井会長に
是非御
理解をいただきたいことがございます。それは、先ほども申し上げました
放送に携わる
人たちがいかに
自分たちの
放送に
思い入れを持っているかということ、そして、その
現場現場で
放送の自由、
表現の自由を守るためにどれほどの
努力をしているかということについてでございます。
私
自身も
民間放送で十四年間勤めさせていただきまして、報道からスポーツ、またバラエティーまで
番組制作の
現場に携わらせていただきました。
放送に携わる
人間というのは、それこそ寝る暇も惜しんで、
自分が与えられたそのVTRの尺、また生
放送の時間の中で、かき集めてきた事実の中から
真実をどうにか見付け出してというか見通して、その
真実を限られた時間の中で伝えるためにどういう
編集をしようか、どういう
コメントを書こうかということに骨身を削っているわけでございます。
放送時間というのは、一日二十四時間、三百六十五日と限られているわけですね。もっと言うと、
民間放送というのは
番組単位でこれ
スポンサーに
広告料を支払っていただいているわけでありますので、もう持ち時間というのはきちんと決まっているんです。その中で、実は
放送するに当たってその何倍も何十倍も取材をして、
編集をして、時間を掛けて作っているものに対して物すごく
思い入れを持っているわけなんです。
どうやってそのたった数秒、数十秒、数分、こういうものの中で
真実を伝えながら政治的公平を実現するか、これは大変に知恵の要ることでもあります、
努力の要ることでもあります。こういう
思い入れを持って
放送をしている
人たちに対して、
籾井会長が
会見でおっしゃった
放送をよく見ていないとか、よく分からないとか、こういうことを言われると、とてもじゃないですけど頑張る気になれないと私は思います。
私は、
籾井会長には、確かに経営のプロだということはお認めを申し上げたいと思う、それはもうそのとおりだと思います。しかしながら、
放送については
自分はまだまだ十分に
理解をしていない、そのことについて謙虚さを
是非持っていただきたい、そうして謙虚な
気持ちになって、これから、
放送に携わる
人たちの
気持ちを
理解しよう、
放送というものを
理解しようという
気持ちを持ってこの職に当たっていただきたいと思うんです。
もう
反省は何度も聞かせていただきましたけれども、もう一度謙虚な
気持ちで御
自身の
発言、また行動というものに対して向き合っていただいた上で、
籾井会長がどのような
反省をされているのかということをお聞かせをいただきたいと思います。余計な言い訳、弁明というものは一切必要ございません。よろしくお願いします。