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2014-02-06 第186回国会 参議院 本会議 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十六年二月六日(木曜日) 午後六時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第四号 ─────────────
平成
二十六年二月六日 午後六時 本
会議
───────────── 第一
平成
二十五年度
一般会計補正予算
(第1 号) 第二
平成
二十五年度
特別会計補正予算
(特第 1号) 第三
平成
二十五年度
政府関係機関補正予算
( 機第1号)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件
議事日程
のとおり ─────・─────
山崎正昭
1
○
議長
(
山崎正昭
君) これより
会議
を開きます。
日程
第一
平成
二十五年度
一般会計補正予算
(第1号)
日程
第二
平成
二十五年度
特別会計補正予算
(特第1号)
日程
第三
平成
二十五年度
政府関係機関補正予算
(機第1号) 以上三案を一括して
議題
といたします。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。
予算委員長山崎力
君。 ───────────── 〔
審査報告書
は
本号末尾
に掲載〕 ───────────── 〔
山崎力
君
登壇
、
拍手
〕
山崎力
2
○
山崎力
君 ただいま
議題
となりました
平成
二十五年度
補正予算
三案の
審査
の経過と結果を御
報告
申し上げます。
補正予算
三案は、去る一月二十四日に
国会
に提出され、三十日に
財務大臣
から
趣旨説明
を聴取し、
衆議院
から送付の後、二月五日及び本日の二日間、
安倍内閣総理大臣
及び
関係
各
大臣
に対し、
質疑
を行ってまいりました。
質疑
は、
デフレ
の
問題点
と
賃金上昇
の動向、
復興特別法人税
の
前倒し廃止
の
是非
、簡素な
給付措置実施
の
準備状況
、
総理
の
靖国神社参拝
の
考え方
、
特定秘密保護法
の
施行
に向けた
対応
、
集団的自衛権
に対する
考え方
、沖縄の米軍基地問題と
負担軽減
のための
取組
、
被災地復興
と
福島
第一
原発廃炉
に向けた
対応
、非
正規雇用
の
状況
と
雇用規制
の見直し、
東京オリンピック
・
パラリンピック
の
施設整備
の
在り方
、
エネルギー政策
と
原発
再稼働への
対応
、
住宅等
における
省エネ促進策
、
公共放送
の経営の
在り方
、
地方分権型社会
に向けた
取組
など、多岐にわたりました。
質疑
を終局し、
討論
に入りましたところ、
民主党
・
新緑風会
を代表して
那谷屋理事
が
反対
、
自由民主党
及び
公明党
を代表して
秋野理事
が
賛成
、みんなの党を代表して
中西理事
が
反対
、
新党改革
・無所属の会を代表して
浜田委員
が
賛成
、
日本共産党
を代表して
大門委員
が
反対
、
日本維新
の会を代表して
清水委員
が
反対
、
社会
民主党
・
護憲連合
を代表して
福島委員
が
反対
の旨、それぞれ
意見
を述べられました。
討論
を終局し、採決の結果、
平成
二十五年度
補正予算
三案は
賛成
多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと
決定
いたしました。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
) ─────────────
山崎正昭
3
○
議長
(
山崎正昭
君) 三案に対し、
討論
の通告がございます。順次発言を許します。
石上俊雄
君。 〔
石上俊雄
君
登壇
、
拍手
〕
石上俊雄
4
○
石上俊雄
君 私は、
民主党
・
新緑風会
の
石上俊雄
でございます。 会派を代表して、ただいま
議題
になりました
平成
二十五年度
補正予算
三案に対し、
反対
の
立場
から
討論
を行いますが、このことに先立って表明しておきたい点が一点ございます。 我々
民主党
は、
反対
のための
反対
、何でも
反対
、そのような単純な、時代遅れの
行動原理
は持ち合わせていないということです。
最先端医療
のように、複雑に入り組んだ病巣だけを切り取る一方で、健全な
部分
は大いに伸ばしていく、そうした
国民
にとって真の
意味
での
責任政党
の役割を今後も果たしていく決意であることをまず申し上げておきたいと思います。 さて、この
補正予算
ですが、評価できる
部分
が一部含まれているのは事実です。例えば、四月の
消費増税
に伴う
家計負担
の
軽減策
として、低
所得者層
に一人一万円ないし一万五千円を支給する
臨時福祉給付金
三千四百億円、
児童手当受給世帯
に
子供
一人当たり一万円を支給する
子育て世帯臨時特例給付金
一千五百億円、また、
住宅取得者
の
負担
を軽減するすまい
給付金
一千六百億円など合計六千五百億円は、
消費税
の
引上げ
に伴って適切に行われるべきだと考えます。
消費税
の
引上げ
は、
社会保障充実
のためとはいえ、その
負担増
が重過ぎる
方々
を支える仕組みは当然必要で、これら低
所得者層
への
影響緩和
や
駆け込み需要
と
反動減
の
緩和措置
は、我々
民主党オリジナル
の主張に沿った
内容
と評価させていただきます。 しかし、そもそもこの
消費増税
は、
民主党
が
政府
・
与党
だった時期に、
少子高齢化
が進展する中、
政治
的には極めて苦しいが、この国の
社会保障
をどうにか持続できるようにしなくてはとの我が身を捨てる思いで決断し、
国民
の
皆様
に相応の
負担
をお願いしたものであります。 それまでの
与党
・自民党は、この点、何をしてきたのか。ただただ逃げて逃げ抜いた、そして
ごまかし
て
ごまかし
て
ごまかし
抜いてきたのではないか。結果、積み上がってきたのが
世界
で類を見ない大借金の山であります。これが
日本政治最大
の失敗の
核心部分
であり、もうこんな
ごまかし
は二度と通用いたしません。しかしながら、性懲りもなく、今回の
補正予算案
も
ごまかし
のてんこ盛りとなっております。 それでは、
補正予算
の
問題点
三点について端的に指摘させていただきます。
最大
の問題は、
安倍総理
自ら、昨年の秋の
レビュー
で、無駄な
歳出
や低い
優先度
の施策に
税金
が使われているとの
批判
を絶対に招かないようにとハッパを掛けてカットしたはずの
平成
二十六年度本
予算案
の中の
無駄判定
三十四
事業
四千六百億円のうち、驚くことに、
金額ベース
で三千六百億円、実にその八割もの
内容
がこの
補正予算案
に盛り込まれているのです。 一度は自ら
国民
の前で、
税金
の無駄をずばっと切って御覧に入れようとばかりの大見えを切った一方、僅か一月もたたないうちに、切り捨てたはずの
予算
をしれっと潜り込ませている。だますならもう少しうまくだましていただきたい。私
たち
の目は節穴ではないんです。 例えば、
国土交通省
の
社会資本整備事業総合交付金
です。この
交付金
の当初の
要求額
は一兆五百五十八億円でしたが、
安倍内閣
は秋の
レビュー
で、このうち一千四百三十五億円を無駄だと判定し、削減しました。しかし、削減された一千四百三十五億円とほぼ同額の一千三百九億円は本
予算
とは別の
補正予算
に入っており、この二つを合計するとほぼ当初の
要求どおり
の
金額
になるではありませんか。これは出来の悪いミステリーですか。それとも、
脱法的行為
でも何でもやるぞとの強い
意思表明
なのでしょうか。
民主党
で調べた結果、このような事例は
経済産業省
、
厚生労働省
などでも見付かり、全体の
金額
では削減したはずの四千六百億円のうち八割に当たる三千六百億円はそのまま
補正予算
に付け替えられていたのです。要するに、
政治家
は
無駄遣い削減
を表面的にアピールし、官僚は
希望どおり
の
予算
を手中にする。何ともまあ
国民不在
の
予算案
であることか。こんな
子供
だましみたいな
手法
は、いや、
子供
に失礼な表現でしたが、とても認めることはできません。 そもそも
補正予算
とは、
財政法
第二十九条の規定で、
予算作業
後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の
支出
のために編成するものです。緊要とは、
各種国語辞典
によると、非常に重要なこと、差し迫って必要なものとの
意味
になっております。
政府
の正式な
点検作業
で無駄と判定されたものが、どのように理屈を付けると無駄とは真逆の差し迫って必要なものに化けるのでしょうか。 また、
安倍内閣
は、今回の
補正予算
の
財源
は
税収
の上振れ分や前年度
剰余金
などで確保し、
新規国債
の増発は行っていないと
財政再建
に一定の配慮をしていると自負しておりますが、
先進国
の中で最も厳しい
我が国
の
財政状況
を考えると、当初の見込みより増加した
税収
は
国債発行
の減額や
国債償還
に充てるべきではないでしょうか。
景気
が悪くなれば
国債
を発行して
財政
を悪化させ、逆に
景気
が回復すれば
増収分
を
歳出
に回し
財政再建
を先送りしてしまうのでは、いつまでたっても
財政再建
は絶対に進みません。 二番目の
問題点
は、この
補正予算
の中に、我々
日本
人がこれまで大切にしてきた和の精神や心の
きずな
、また、お互いさまと他人を思いやる気持ちをないがしろにした何か堕落のにおいがする項目があることです。それは、
復興特別法人税
の
前倒し廃止
であります。
復興
のための
特別税
は、
日本国民
がみんなで
負担
を分かち合い、
東日本大震災
から
復興
を成し遂げようと、民主、自民、公明の三党で合意し、導入したものであります。しかし、自公両党は、このような経緯を無視するばかりか、国、
国民
全体で
被災地
の
復興
を支援するという
きずな
も断ち切り、
特別法人税
を
前倒し
して
廃止
するという
決定
を行いました。この
決定
は、
被災地
に寄り添うとしている従来の
安倍内閣
の言動と矛盾するのではありませんか。 大義なき、モラルに反するこの愚かなる
減税
に断固
反対
をいたします。
政府
は、この
負担軽減
は
労働者
の
賃金
、
雇用
の
改善
につながるとしていますが、その
道筋
は不透明であります。
民間企業
への
アンケート調査
の中には、
税率引下げ分
を
設備投資
など何かに充てることは特に考えていないという
企業
が全体の三割、
賃金
に充てるという
企業
は僅かに五%という厳しい見通しの
調査
も存在いたします。
雇用
に関しては、現在、
失業率
は
改善
してきていますが、
中身
をよく見ると、
正社員
の採用は必ずしも増えておらず、伸びているのは非
正規労働者
の
比率
のみであります。男性では初めて非
正規
の
方々
の
比率
が全体の二割を超えました。非
正規
の
方々
は
正社員
に比べて一般的に
所得
が低く、その
処遇改善
が、
デフレ脱却
を目指す
日本経済
にとっては、
正社員
の賃上げ同様に、今後の最
重要課題
の一つであります。
最後
の
問題点
として、
公共事業
について申し上げます。 今回の
補正予算
は、一兆三千億の
公共事業
が、
消費増税
後の
景気
の
落ち込み
を防ぐ名目で殊更に拡大しております。しかし、今日、問題は、
人件費
、
資材費
の高騰により入札不調となり、予定した
公共事業
が進まないという事態が
全国
で起こっているのです。
安倍内閣
の
公共事業
に依存した
景気対策
は、
国土強靱化
や
復興加速
など勇ましい掛け声とは裏腹に、実際には
公共事業費
をつり上げただけで、本当に必要な
被災地
での
公共事業
などが阻害されてしまっているのです。その現状に
補正予算
を更に
追加
しても、非効率的な
公共事業
の大盤振る舞いとなるばかりで、積極的な
意味
を見出すことは極めて困難であります。 以上のように、
消費増税
を控え、
補正予算
は必要ではあるものの、このような
補正予算
ではかえって
我が国
にマイナスであり、到底
賛成
できるものではありません。このことを強く指摘し、私からの
反対討論
といたします。 どうもありがとうございました。(
拍手
)
山崎正昭
5
○
議長
(
山崎正昭
君)
北川イッセイ
君。 〔
北川イッセイ
君
登壇
、
拍手
〕
北川イッセイ
6
○
北川イッセイ
君
自由民主党
の
北川イッセイ
でございます。 私は、
自由民主党
、
公明党
を代表して、ただいま
議題
となりました
平成
二十五年度
補正予算案
に対し、
賛成
の
立場
で
討論
をいたします。 御存じのとおり、本
補正予算
は、
消費税
の
引上げ
が
景気
に与える
影響
をできるだけ軽くするとともに、持続的な
経済成長
につなげることを目的として策定、実行するものであります。
安倍政権
は、昨年十二月五日、好
循環実現
のための
経済対策
を閣議
決定
しましたが、
補正予算
はその
経済対策
を
財政面
で裏付けするものであります。
補正予算
による五兆五千億の
財政支出
により、十八兆六千億もの
事業
が展開されることになるのであります。
消費税
の
引上げ
は本年四月です。もう二か月後に迫っております。
増税
前の
駆け込み需要
や、その
反動
による
需要
の減少を抑えるためには、四月になってから
対策
を講じるのでは遅く、本
補正予算
は、
前倒し
をして二十六年度
予算
と一体的に十五か月
予算
として執行する必要があります。 この
補正予算
に対しては
反対意見
があるようです。例えば、
消費税
を上げておいて
補正予算
を組むくらいなら、そもそも
消費税
を上げなければよいという見解であります。しかし、それは余りにも視野が狭く、偏向した
批判
であります。
消費税
の
引上げ
は、
我が国
の
財政健全化
にとって不可欠な
措置
であります。
我が国
の
政治
が国の内外に対して
財政健全化
に本気で取り組んでいることを示せなければ、
我が国
は
世界
から、そして市場から信用を失ってしまいます。今の
我が国
には、決められない
政治
、問題を先送りする
政治
をいつまでも続ける余裕はないのであります。
増税
に
反対
する
意見
に耳を傾けつつも、
国民
に痛みをお願いし、
財政再建
の
必要性
を説得し、国の将来のために行動することが
政治家
としての責務であると考えます。
消費税
の
引上げ
を認める方の中にも、今回の
補正予算
に
反対
する声があります。
景気
を冷やさないためには、
補正予算
ではなく、
所得税
や
法人税
を下げればいいという
意見
を聞きます。 しかし、この
補正予算
は、
震災
からの
復興
、
防災対策
の
加速
、
競争力
の
強化
や
地域づくり
に使われます。
所得税
や
法人税
の
減税
は、確かに、
個人消費
を刺激し、特に
企業
の
収益改善
につながりますが、それだけでは、
震災
からの
復興
、
全国各地
で求められる
防災
・
減災対策
は進みません。また、
公共事業
に依存する
地域経済
や
農林水産業
には
お金
は回りません。 今、
我が国
の喫緊の
課題
や
社会
全体のバランスを考えたときに、単なる
減税
よりも、必要なところに必要なときに
お金
を回すことができる今回のような
大型補正予算
が求められているのであります。 本
補正予算
は、
財源
についても
最大
限の工夫がされています。二十五年度の
税収
の
増収分
や前年度の
決算剰余金
を活用しており、
国債
の
追加発行
は行いません。この
補正予算
によって、
景気
の
落ち込み
を回避し、
景気
の持続的な拡大を
実現
していくことで、二十六年度の
税収
の増加に貢献しようとするものであります。
補正予算
の
内容
を見ていきますと、まず
競争力強化
のため、
設備投資
の
促進
、
科学技術イノベーション
や
技術開発
の推進、
日本企業
の
海外進出
などに四千二百億円の
予算
が計上されています。 また、二〇二〇年に
東京パラリンピック
・
オリンピック
が開催されます。
パラリンピック
が
オリンピック競技
と同様に重要な
大会
であることを強く認識していただくために、私は、今あえて
オリンピック
と
パラリンピック
を入れ替えて申し上げました。それは、
パラリンピック
が将来の
高齢化社会
をにらんだ重要な
大会
であり、障害を持つ
人たち
がそのハンディをはねのけて懸命に頑張る
大会
であるからです。この両
大会
のために、
競技施設
の
整備
のみならず、交通・
物流ネットワーク
など
都市インフラ
の
整備
などには一千億円以上の
財政支出
が予定されています。 一方で、
東京
のみを重視する
予算
ではなく、
全国各地
の
景気回復
を目指す
予算
にもなっています。
地域づくり
、
町づくり
、
農林水産業
の活力の再構築、
中小企業
、
小規模事業
の革新のため八千億円以上が計上されています。 さらに、
安倍内閣
の
重要政策
である
女性
の
社会進出
を強力に推進する
内容
にもなっています。
女性
の活躍の
促進
、
子育て支援
、
少子化対策
、また若者の
就農支援
、
就農
は農業の農であります、を始めとした
雇用対策
など、手厚い
対策
が盛り込まれています。
復興
の遅れが言われていますが、その点での
対策
もしっかりと取られています。
東日本大震災
の
被災地
の復旧・
復興
に約二兆円、
国土強靱化
や
原子力防災対策
に一兆円強の
予算
が盛り込まれています。 そして、四月からの
消費税率引上げ
が低
所得者
に与える
影響
を緩和するため、二千四百万人に対して一万円を支給するなどの
臨時福祉給付金
や
子育て世帯
への
臨時特例給付金
などを計上しています。これだけで
消費税対策
は十分とは言えませんが、
財政事情
も考慮しつつ、必要不可欠な
措置
がとられたものと評価されます。
最後
になりますが、
民主党
を始め、その他
野党
の
方々
に申し上げます。
参議院
は変わった、
野党
も大人になったと、大多数の
国民
から信頼される
国会
を共に構築しようではありませんか。
国民
のために、良い
補正予算
には堂々と
賛成
してください。我々
与党
とともに、本
補正予算
を成立させ、
日本
を新たな
成長ステージ
に高めるのに貢献しようではありませんか。みんなで憲政の王道を歩み、
反対
のための
政治
ではなく、
国民
のための
政治
を胸を張って行いましょう。 良識の府である
参議院
の議員の
皆様
に、大局的な見地から
補正予算
に
賛成
していただくことを呼びかけ、同時に、一刻も早い成立と
施行
により
日本経済
が力強く拡大することを確信しまして、私の
賛成討論
を終わります。(
拍手
)
山崎正昭
7
○
議長
(
山崎正昭
君)
中西健治
君。 〔
中西健治
君
登壇
、
拍手
〕
中西健治
8
○
中西健治
君 みんなの党の
中西健治
です。 私は、みんなの党を代表して、
平成
二十五年度
補正予算
三案に対し、
反対
の
立場
から
討論
を行います。 みんなの党は、そもそも、
デフレ
からの
脱却
も達成できていない、また、
賃金上昇
もいまだ予断を許さない
現下
の
経済状況
を勘案すれば、とても四月からの
消費税増税
は実施する
状況
にないとの
立場
であります。 我々は、
増税
の前にやるべきことがある、すなわち、
増税
の前には
デフレ
との
戦い
、
社会保険
の徴収、
給付
の不公平との
戦い
、
政治家
、公務員自ら身を切る
戦い
をやらなければならないと訴え続けていますが、
安倍政権
の
取組
はいずれも不十分なものであります。 加えて、米国の
量的緩和
の縮小、
出口戦略
に端を発した
新興国
の
通貨安
、
世界同時株安
といった
現下
の
世界マーケット
の
状況
を見れば、
前回消費税
を三%から五%に引き上げた一九九七年当時の
消費税増税
と、その直後に起こった
アジア通貨危機
のダブルパンチによる
経済
への大打撃同様のショックを全くの
想定外
としておくわけにはいきません。
消費税増税法附則
第十八条では、
経済財政状況
の激変に柔軟に
対応
する
観点
から、ぎりぎりまで
増税施行
の停止を含めた
措置
を講ずることができるようになっているということを、
是非
、
安倍総理
には再度思い起こしていただきたいと思います。 それでも、どうしても
政府
が既に
決定
してしまったこととして
消費税増税
を四月から実施するということであれば、当然、
景気
の腰折れを防ぐための
経済対策
は必要ですが、その
手法
は、従来から行われてきた
財政出動
を柱に据えた
景気対策
ではなく、可
処分所得
を維持するための
所得税
や
法人税
の
減税措置
あるいは
追加
の
金融緩和
といった
金融政策
こそ中心とすべきであります。 抜本的な
成長戦略
のための
アベノミクス
第三の矢がなかなか
効果
的に放たれない中で、第
二の矢
の
財政出動
に頼るばかりでは真の
経済成長
にはつながりません。
安倍政権
は、第
二の矢
を一体何本放ち続けるというのでしょうか。 こうした基本的な
考え方
に関する認識の違いに加え、
財政出動主体
の本
補正予算
は、その
中身
においても問題があります。
財政法
上、
補正予算
は緊要なものに限定すべきであるにもかかわらず、初めから四月以降の
支出
を前提としている
不要不急
のもの、本来は当初
予算
で確保すべき、
経済効果
がすぐには出現しない長期間にわたる
プロジェクト資金
を基金として積んでいるもの、来年度当初
予算
で無駄として削減されながらも
補正予算
で復活しているもの、毎年二から三割
程度執行残
が発生している
公共事業
について
執行可能性
に疑問のあるものなどが多く含まれています。これではとても四月からの
景気
の
落ち込み
を下支えすることはできず、実質的に
効果
が出現するのは更に先、七月以降というものが大勢ではないかと思われます。 本
補正予算
は、好
循環実現
のための
経済対策
と言いつつ、実は、七月以降の
経済指標
を持ち上げ、七月から九月期のGDPを見せかけ上良くすることによって、年内に判断すると
総理
が明言している来年十月の更なる
消費税
の一〇%への
増税
に向けての
道筋
を付けるための
補正予算
なのではないでしょうか。
安倍政権
は、
増税
が悲願の財務省の描くシナリオにまんまと乗せられているのではないでしょうか。 本
補正予算案
は、また、
財政規律
の
観点
からも問題です。
安倍総理
は、繰り返し
経済成長
と
財政再建
の両立は特に重要と発言されており、我々もまさにそのとおりだと考えています。しかし、残念ながら、本
補正予算
において、
安倍総理
のそうした信念は具現化したものとして感じることができません。 例えば、
復興法人税
を
前倒し
で
廃止
するに当たっての
財源
であります。
復興特会
の
中身
を精査すれば、全体の
支出
の総枠を維持した上で、
復興所得税
や
復興法人税
の
税収増
、あるいは
復興予算流用
の
返還金
や前年度
剰余金
など、
復興特会
の中でその
財源
を賄うことができるにもかかわらず、
一般会計
から八千億円もの
予算
を
追加
で拠出することは、本来
法人
から徴収するはずだったものを、
復興所得税
や
復興住民税
で既に
負担
をしている
国民
から更に
追加
で
負担
を求めることを
意味
しており、
合理性
はありません。 また、今年度の
自然税収増
や
税外収入
は、本来であれば今年度の
決算剰余金
として、来年度に少なくともその二分の一以上は
国債償還
に充てられるはずのものでありますが、五・五兆円の
財源
があるからとして
歳出規模
を決め、その大半を使うことにしています。
経済成長
の果実を収穫したそばから口に入れてしまうのでは、
財政規律
に対する姿勢が甘いと言わざるを得ません。 みんなの党は、
衆議院
において、ただ
反対
というだけでなく、責任ある
野党
として、唯一、
政府案
を
改善
する組替え
動議
を
予算委員会
に提出しました。残念ながら
動議
は否決されましたが、
野党各党
の
討論
では、
趣旨
は理解する、傾聴すべきところがある、
趣旨
や
内容
に賛同するところが多くあるといった
意見
もいただきました。 みんなの党は、これからも
デフレ脱却
最
優先
、
民間主導
の真の
経済成長
の
実現
、
国民
の生命、財産、領土をとことん守るを旗印に、
政府案
に対して、
賛成
すべきものは
賛成
、
反対
のものは具体的な対案、
提言
を示しながら真摯に
国会審議
に臨んでいくことを申し上げ、
反対討論
とさせていただきます。(
拍手
)
山崎正昭
9
○
議長
(
山崎正昭
君)
辰已孝太郎
君。 〔
辰已孝太郎
君
登壇
、
拍手
〕
辰已孝太郎
10
○
辰已孝太郎
君
日本共産党
の
辰已孝太郎
です。 私は、
日本共産党
を代表して、二〇一三年度
補正予算
三案に
反対
の
討論
を行います。
反対
する
最大
の理由は、本
補正予算案
が、好
循環実現
のための
経済対策
といいながら、実際には更に
経済格差
を拡大し、
経済
の土台を冷え込ませるものになっているからであります。
アベノミクス
が開始されて一年余り、
円安誘導
により一部の大
企業
や大株主は巨額の利益を上げていますが、一方、
中小企業
や
国民
は、
所得
が増えないのに原材料や
生活物価
が値上がりし、暮らしはますます苦しくなっています。この十年来、
格差
と貧困の広がりが問題になってきましたが、
アベノミクス
はこの
格差
を更に広げてしまったのです。 にもかかわらず、本
補正予算案
は、さらに、大
企業向け
の
減税
や
大型開発
への
財政支出
を行う一方で、
消費税増税
、
社会保障改悪
などの
国民負担
を増大させるものになっています。これでは、好
循環
が生まれるどころか、
国民生活
を疲弊させ、
消費
を始め
国内景気
はますます落ち込んでしまうのは目に見えているではありませんか。 以下、具体的に指摘をいたします。 本
補正予算案
は、大
企業
が
負担
する
復興特別法人税
を一年
前倒し
で
廃止
し、
復興財源
八千億円を新たに補填するものとなっています。
被災地復興
のため、
総理
は、今を生きる世代が連帯し
負担
を分かち合うと言いました。そのため、大
企業
にも
復興特別法人税
として三年間で二・四兆円を
負担
してもらう、これが当初のスキームでした。しかし、実際は
法人税
の
実効税率
を五%引き下げた後に
復興特別法人税
を課しており、実質大
企業
の
負担
はなかったのです。にもかかわらず、
安倍政権
は
復興特別法人税
の一年
前倒し
での
廃止
を決めました。
日本経団連
は、
平成
二十六年度
税制改正
に関する
提言
において、
法人課税
の
改革
は避けて通ることができず、
実効税率
については、
復興特別法人税
の
課税期間
が終了する
平成
二十七年度以降の
検討課題
とされているが、遅きに失すると述べています。まさにこの
提言
に忠実に応じたのが本
補正予算案
ではありませんか。 大体、
法人税
を安くすれば
賃金
が上がる、このトリクルダウン理論は既に破綻をしています。
減税
分は、ため込まれた二百七十兆円もの内部留保に更に上積みされるだけではありませんか。 他方、
国民
はどうでしょうか。
復興
特別
所得税
は二十五年間、住民税は十年間の
増税
です。つまり、大
企業
には今後二十三年間で約二十兆円の恒久
減税
、同時期に
国民
や中小零細業者には八兆円の
増税
になります。一体誰のための
政治
かと言わなければなりません。 加えて、昨年の
社会保障
プログラム法成立を踏まえて、
社会保障
給付
減、
国民負担
増の実行が本格化いたします。既にこの間、子ども手当は減額され、ゼロ歳から十五歳までの年少扶養控除は
廃止
、年金・医療・介護保険料は引き上げ、年
金額
は減額、
国民負担
増は二兆円にも上ります。しかも、
安倍内閣
は、それら保険料を更に引き上げる検討をすると表明もしています。
政府
の
経済
見通しによれば、
消費税
三%増、そして
金融緩和
による物価上昇圧力が加わり、来年度名目三・二%の物価上昇となるとしています。
国民
の実質平均
賃金
と可
処分所得
が低下する中、
消費税
を
増税
すれば
景気
を更に冷え込ませることになるのは明らかです。
日本共産党
は、
消費税
に頼らずとも、大
企業
優遇税制を是正し、富裕層への応分の
負担
を求めることなどで、十二兆円から十五兆円の
財源
を確保できると試算をしています。私
たち
は、暮らしも
経済
も
財政
も破壊する
消費税増税
の中止を広く呼びかけるものであります。
世界
に名立たる大
企業
さえブラック
企業
化していることが
社会
問題になっています。ブラック
企業
が若者に長時間労働やパワハラなど、違法な労働を強いることができるのは、辞めても幾らでも代わりはいるからです。ところが、
政府
は、
労働者
派遣をどんな業務でも無期限に使えるようにして、不安定で低
賃金
の非
正規労働者
を更に増加させようとしております。
補正予算案
では、リストラを進める
企業
を応援する労働移動助成金を計上しています。
政府
は、非
正規雇用
を増やし、
格差
と貧困を広げたこれまでの労働政策を全く反省していないではありませんか。
総理
の言う
世界
で一番
企業
が活動しやすい
日本
は、
世界
で一番
労働者
が苦しめられる
日本
にほかなりません。
総理
は、
アベノミクス
で
雇用
が増えたとも言っています。しかし、その多くが非
正規雇用
であり、有効求人倍率で見ても、
正社員
に対しては〇・六三にすぎません。 低
賃金
の非
正規労働者
が増えるばかりでは
景気
も良くなりません。今こそ、労働法制の規制緩和ではなく、
労働者
を保護し、
正社員
を増やし、若者を始めとする誰もが安心して働ける方向にかじを切るべきではないでしょうか。 大規模開発も問題です。 本
補正予算案
は、
競争力強化
、
国土強靱化
と称して、三大都市圏環状道路や国際コンテナ戦略港湾、空港
整備
などに三千億円以上の
税金
を注ぎ込みます。 しかし、笹子トンネルの事故の教訓からも、今求められているのは、
国民
に巨額の
負担
を押し付ける新規の
大型開発
ではなく、老朽化したインフラの補修、安全
対策
に一層の力を注ぐことです。
原発
再稼働の姿勢も許せません。
東京
電力
福島
第一原子力発電所の事故以降、今でもふるさとに帰れず、なりわいを奪われ、家族が引き裂かれたままの
人たち
がいます。事故から三年。どの世論
調査
でも、
原発
をなくしてほしいという声が多数を占めています。
福島
原発
事故は、収束もしていないし、事故の全容さえ明らかではありません。
原発
事故に対する
東京
電力やその株主、金融機関の責任を明確にし、
原発
の再稼働、海外への輸出はやめる、この
政治
決断こそ、
福島
の
方々
の声に応えるものではないでしょうか。 軍事費の一千二百億円も、南スーダンPKOとソマリア沖派遣の経費計上など、自衛隊の海外派兵を
強化
するものであり、憲法上認めることができません。 TPP推進を前提にしているのも重大です。TPP交渉は、
国民
の目が届かない秘密交渉であり、国
会議
員でさえ真実を知らされないままです。
日本共産党
は、
日本
の農業や医療、ひいては
国民
経済
に壊滅的な打撃を与えるTPP交渉からの撤退を強く求めます。 以上述べたように、この
補正予算案
は、
国民
と
日本経済
を更なる悪
循環
に陥れるものであり、到底認められません。 本当に
経済
の好
循環
をつくり出すなら、庶民いじめの
消費税増税
を中止し、大もうけを上げている大
企業
や富裕層に資力に応じた税の
負担
を求め、非
正規雇用
ではなく
正社員
を増やし、
中小企業
支援とセットで最低
賃金
を引き上げるなど、
国民
の懐を温める
経済
政策に……
山崎正昭
11
○
議長
(
山崎正昭
君) 辰已君、時間が超過をいたしております。
辰已孝太郎
12
○
辰已孝太郎
君(続) 転換すること、この道しかない、このことを述べて、
反対討論
を終わります。(
拍手
)
山崎正昭
13
○
議長
(
山崎正昭
君) これにて
討論
は終局いたしました。 ─────────────
山崎正昭
14
○
議長
(
山崎正昭
君) これより三案を一括して採決いたします。 三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
山崎正昭
15
○
議長
(
山崎正昭
君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
山崎正昭
16
○
議長
(
山崎正昭
君) 投票の結果を
報告
いたします。 投票総数 二百三十一
賛成
百二十九
反対
百二 よって、三案は可決されました。(
拍手
) ───────────── 〔投票者氏名は
本号末尾
に掲載〕 ─────────────
山崎正昭
17
○
議長
(
山崎正昭
君) 本日はこれにて散会いたします。 午後六時四十七分散会