○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
初めて
施政方針演説に対して質問をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
どんな仕事をするに当たっても、重要なのは
基本理念であり、それを
実現するための目的、
目標の設定だと思っています。経営者でも、従業員でも、スポーツ選手でも、アーティストでも、医療従事者でも、弁護士でも、それを見失っては、どんなに収入が高くても、どんなに地位や名声を得られようとも、新しい価値を創造したり、ソーシャルイノベーティブな
成果を上げたりすることはできないと思います。特に
政治家にとっては何よりも大切にするべきものです。
私事で恐縮ですが、出馬を
決意したときに手帳に書き記した
基本理念は、子供が夢を持ち、大人が挑戦し、お年寄りが
活躍し、
企業が
成長し、
世界中から人々が集まる安全、安心な国を築くというものでした。これはもちろん、今でも変わっていません。
総理も
演説の中で、国
会議員になったときの熱い初心を大切にとおっしゃっていましたが、私も、本日は初心と
理念に沿った形で御質問をさせていただきたいと思います。
本日、最初に確認させていただきたいのが、
安倍総理の
基本理念です。
私が初めて「美しい国、
日本」を聞いたのは二〇〇六年頃だったと記憶していますが、
総理は、それ以降も変えずに
理念として掲げられています。是非、その
意味をもう一度、現状と照らし合わせてお聞かせ願えないでしょうか。
総理のウエブサイトを拝見しますと、「美しい国、
日本」の簡潔な説明文がトップページ、全てのスライド画像に記載されております。「
日本は美しい自然に恵まれた、長い歴史と伝統、独自の文化をもつ国です。
日本人であることを卑下するより、誇りに思い、未来を切り拓くために語り合おうではありませんか。」。
私が気になってしまったのは、「
日本人であることを卑下するより」という部分です。果たして
日本人は自分たちのことを卑下しているのでしょうか。私はそうは思いません。むしろ、
日本人の心の中には、
日本人はすばらしく、
日本は最高の国だという気持ちが従来からしっかりと根付いていると思います。
今の時代、ウエブサイトは大変重要です。
安倍総理のサイトは、各国
政府を始め、
世界中からアクセスがあると思います。
日本人であることを卑下するのはやめようというメッセージは、英訳されると、We should stop disparaging ourselvesとなります。これを国の最高
責任者の
総理大臣が言うと、まるで
日本国民全員が自分たちに誇りを持てない、自信を失った人種であり、それを払拭するために、これからは雄々しさを前面に出して他国と対峙していくぞと言っているようなイメージを与えてしまいます。
安倍総理は、今
世界で最も注目をされている首相の一人だと言っても過言ではありません。
総理就任から一年で多くの国を訪問され、直近でもダボス
会議と
インドに行かれています。私もダボス
会議に参加させていただいたことがありますが、今年は
日本に対する
期待感が今までと全く違ったと聞いております。しかし、欧米のメディアが多い記者会見で、わざわざ第一次
世界大戦の英独の話を出し、要らぬ誤解を招いてしまったのも事実です。通訳の間違いであったとしても、そのようなセンシティブな話をするのであれば、ミスがないように用意周到に挑まなければなりません。
安倍総理の注目度が高まれば高まるほど、細かい言動に注意が必要となるのです。是非今後お気を付けいただきたいと思います。
そういう
観点からのお願いですが、
安倍総理のウエブサイトの文面を何か違う、もっと
日本のすばらしさをアピールできるようなものに変えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
人としての
理念に、国として該当するのは憲法です。
安倍総理は、第一次内閣のときから変わらず、憲法
改正に積極的です。戦後七十年、私も、現在に沿わない部分は
改正したり、解釈を変えたりする必要はあると思っています。
御自身の
理念、「美しい国、
日本」を
実現するために、
安倍総理は、憲法各条項のうち、どの部分を最も変える、あるいは新設する必要があるとお考えですか。
改正手続を定めた九十六条以外で具体的な条文を一つ挙げてお答えください。
さて、冒頭に申し上げました私
個人の
理念と目的は、みんなの党が
結党来大切にしてきた
基本理念と合致するものです。それを
実現するためには、地域主権型道州制の導入により国家モデルの転換を図る必要があります。
安倍総理は、第一次政権において道州制担当大臣を初めて導入された方でもあり、現在もそれを復活されています。さきの衆院選の公約には、道州制
基本法の制定後五年以内に道州制の導入を目指すとありますが、その
基本法を今
国会で成立してほしいという声も多くの首長から上がっております。
安倍総理は、いつまでに
基本法を成立させたいとお考えか、そのためにどのようなアクションを取る御予定か、お聞かせください。
国民が真に
政治の主体となる前提として、それぞれの
投票価値が平等である必要があります。二〇一一年の最高裁
違憲判決を踏まえ、昨年の六月に衆議院小選挙区の区割り
改正法が成立しましたが、いまだ一票の
格差は二倍を超えています。このような
状況が
国民の権利を毀損しているのは明白ですが、立法者である国
会議員自身の利権に直結するため、
改革はなかなか進みません。これは
国民の代表として恥ずべき
状況だと思います。
みんなの党は、道州制のブロックにも連動できる一人一票・
全国集計の比例代表制を
提言し続けていますが、
安倍総理にも是非御
検討いただき、一日でも早く
格差是正を
実現していただきたいと考えますが、御
所見をお聞かせください。
国
会議員の利権ということで忘れてはならないのが定数削減問題です。政権交代が起こった二〇一二年十二月の衆院選、解散の前提として自公民で大幅な削減の約束をしたはずです。議論は全く進んでいません。これは、
国民に負担を課す
消費税増税に対して、自分たちも身を切る
意味合いがあったわけですが、本当に
実現したいと考えているのか、どの程度の削減をいつまでにとお考えか、お答えください。
さて、道州制が
実現された暁には、国の
役割は
外交、防衛、金融
政策、
社会保障などに限定されます。
国会の
役割は必然的に変容し、今以上に迅速な意思決定が望まれ、スリム化も求められるでしょう。その結果、現在の二院制を維持する
必要性は薄れるため、一院制に移行するべきだと思います。また、
国民の
意見をより反映するため、首相公選制を取り入れるべきだと考えます。このような道州制導入後の国家像について、
安倍総理はどのようなビジョンをお持ちか、お聞かせください。
国民の
意見を反映するという
意味において、今
国会で
実現するべきは
国民投票法の
改正です。これからの
日本を担う
若者の
意見をより国政に反映させるため、選挙権も十八歳以上とするべきです。また、みんなの党では、
原発の存続に
国民の意思を取り入れるため、
原発国民投票法案を提出していますが、
国民投票の対象を憲法
改正以外にも広げるべきだと思っています。
安倍総理の御
所見をお聞かせください。
安倍総理が最も意欲的だと思われるのが、集団的自衛権に関する解釈改憲です。これはまさに国家の根本に関わる問題で、徹底的な議論が必要です。この点で思い出されるのが、さきの
臨時国会で通過した特定秘密保護法。みんなの党は、
国民の不安を少しでも払拭できるよう、
与党と修正協議を行い、衆議院では賛成いたしました。しかし、
参議院では、余りにも拙速な
国会運営が行われ、審議時間も衆院の半分以下だったことから、採決を棄権しました。
現在、四月に見込まれている安保法制懇の
報告を受けて解釈変更の閣議決定がなされるのではないかと報じられていますが、内閣として確定した
結論を出す前に
国民的議論を含めた丁寧な審議が不可欠です。特定秘密保護法のときと同じ轍を踏むようなことがあってはならず、しっかりとした手続が必要です。この点に関する
安倍総理の御
所見をお聞かせください。
さて、言うまでもなく、国の未来は子供たちや
若者に懸かっています。
安倍総理の、使える英語を身に付けることや留学生の増加など、基本的な
方針には賛同いたします。そして、国際的な学力調査の結果が
上昇しているのも喜ばしいことです。しかし、心配もあります。
例えば、PISA二〇一二の数学的リテラシー。結果はOECD平均より高く、全体七位という好成績です。しかし、数学に対する興味、関心や楽しみなどのアンケート結果はOECD平均を下回っています。成績はいいけれども、受験のために仕方がなく勉強しているだけだということが表れています。
また、電通の調査によると、高校生がなりたい職業の一位は公務員、二位は大
企業の正社員となっています。もちろん、公務員も
日本のためにという誇り高い仕事ですし、大
企業の正社員はやりがいのある仕事です。しかし、高校生たちは本当に明確な夢や
目標を持ってこのような回答をしたのでしょうか。
これからの
教育行政は、高い基礎学力をベースに、子供たちが未来に夢を持ち、自分たちで道を切り開いていくための
教育にするべきではないでしょうか。つまり、起業家などによるグループ
ワークや、金融やプログラマーなどの高度専門職による授業など、自立し、イノベーションを起こす楽しみを伝える授業を徹底して増やしていくべきです。
我が国の
教育の更なる
課題と今後の
教育行政の
方針についての御
所見をお聞かせください。
自国の歴史を知ることは、アイデンティティー確立のため、そして
世界に出るためにも必要です。私は、海外で過ごした青年期、同年代の
日本人が歴史認識を語れず、一方的に他国の同年代に論破されるのを見てきました。それが、今
世界各国に草の根的に広げられている
日本への誤解にもつながっているのだと思います。
私は、何も一方的な歴史観を
教育するべきだと言っているわけではありません。歴史認識は各人それぞれの自由な発想で養われるべきものだと思いますが、少なくともそのベースとなる知識がないと、その考えのスタートラインに立つこともできないのです。これでは
世界で一方的に歪曲した話が広げられても止めようがありません。私も
日本史の高校での必修化は前向きに
検討すべきだと考えます。
そして、それに当たっては、近現代史から履修するのがよいのではないかと思います。現代の
日本を取り巻く国際関係で、その直接的な基礎となっている出来事は、多くがこの二百年で起きたことです。先史時代から始めてしまうと、その重要な部分について必ずしも十分な時間が取れないおそれがあります。この点につき、
安倍総理の御
所見を伺います。
就業率を上げることが
日本の未来を明るいものにします。
政府の
雇用制度改革、人材力の
強化には基本的に賛同いたします。しかし、
政府案には、就職相談、職業訓練、職業紹介を一貫してバックアップするといった
観点がなく、就業率のアップは余り
期待できません。
解雇規制緩和のためにも、ハロー
ワークを
地方に移管し、地元のニーズに応じたきめ細やかな就職相談と職業紹介を可能にするべきです。また、これらと職業訓練を
地方自治体が一体として行い、
雇用、再就職に関する一貫したサービスを提供するべきだと思いますが、
安倍総理はどのようにお考えでしょうか。
安倍総理は、
女性の
活躍を強調しておいでです。
演説でも、二〇二〇年には、あらゆる
分野で指導的地位の三割以上が
女性となる社会を目指しますとおっしゃいました。現在、安倍内閣の閣僚は十九名ですが、そのうち
女性は二名しかおらず、約一割です。
女性閣僚は指導的地位の
女性の最たるものであり、国内外全体のイメージを変えていくことに寄与します。まず隗より始めよとおっしゃるのであれば、次の内閣改造では
女性閣僚の割合を三割以上にするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
施政方針演説を聞いて、
安倍総理は
少子高齢化をあらがえないものとして受け入れてしまっているように感じました。しかし、それでは美しい国はつくれません。子供が減れば国は弱体化してしまい、
経済も、
社会保障も、文化の発信力も下がってしまうのは明確です。私は、
少子高齢化の
対策で守りに入るのではなく、徹底的な多子化の
政策で攻めに転じるべきだと思います。
日本の出生率は一・三九で、百九十四か国中百七十九位と最も低い水準です。これを少なくとも
人口維持に必要とされる二・〇八にしなくてはなりません。
具体的には、フランスでの思い切った傾斜配分による児童手当や、スウェーデンで
実施されている手当支給額低下を防ぐスピードプレミアムなどの成功例を
日本でも参考にするべきです。また、保育園への株式会社参入や
男性育休
制度の
充実による
両立支援も徹底的に行うべきです。
安倍総理には、
少子高齢化対策ではなく多子化
政策を打ち出していただきたいと思いますが、具体的な
政策をお聞かせください。
二〇二〇年には三人に一人が六十五歳以上になると言われている
我が国において、シニア世代の
ライフスタイルをどう描くかが重要となります。私の父は、今年で八十一歳になりますが、大手の漁業会社を退職後、現在は築地にある小さな会社に勤め、若手を育成しながら年間何度も海外出張をこなしています。
仕事をし、社会で働くことがお年寄りにとって健康の秘訣にもなります。シニア世代には、それまでの人生で培った
経験を
企業活動やベンチャーの育成に存分に発揮していただきたいと思います。創業に関して言えば、既に
政策金融公庫がシルバー人材向けの創業融資を行っておりますが、資金供給という点では、直接金融を
促進するべきです。みんなの党では、シルバー人材向けの投資に優遇
措置を設けるシニア・セカンドチャンス
税制を創設すべきだと提案しています。
世界で最も
高齢化率が高くなってしまった
我が国の動向を
世界も注目していますが、
総理の言う元気で
経験豊富な
高齢者が社会で
活躍するチャンスをつくるために、具体的にどのような新しい
施策をお考えでしょうか。
安倍総理が目指す
経済の好
循環は、まさしくみんなの党が
提言してきたことです。そのスタートラインとなるのが言うまでもなく
企業活動の活性化と収益
拡大であり、それを促すのが規制
改革です。
安倍総理は、岩盤規制の打破という言葉をよく使われますが、
政権発足後の一年間を見ると、何度か
機会がありながらも十分に実行できていないとの印象を持たざるを得ません。例えば、国家戦略特区の目玉と言われた
雇用規制
改革や薬事法の
改正によるネット販売の全面解禁、これらは利害関係者の激しい抵抗により貫徹できませんでした。
結党以来、規制
改革を訴えてきた我が党からすれば、是非
安倍総理には、もう一歩も二歩も踏み込んでいただきたいと思っております。その踏み込みを邪魔するのは誰なのか、岩盤規制の岩盤はどこにあるのか、利権団体や官僚組織の中にあるのは言わずもがな、最も固い岩盤は自民党の中にあるのではないでしょうか。
過去、多くの自民党政権が規制
改革を訴えてきましたが、十分な
成果は得られませんでした。なぜ
安倍総理ならばそれができると思われているのでしょうか。過去の政権との違いを教えてください。また、
施政方針演説では岩盤規制という表現を避けられたようですが、それを打ち破る覚悟のほどを御自身のお言葉でお答えください。
経済を真に好
循環に乗せたいと思うのであれば、
企業の新陳代謝、つまりベンチャー
企業の
発展が必要不可欠です。さきの
国会は、
成長戦略実行
国会と位置付け、その柱として産業
競争力強化法を出されましたが、認定ベンチャーファンドへ出資する
企業への
税制措置や
企業実証特例
制度など、大
企業偏重の
政策であると感じざるを得ませんでした。今
国会の法案においても、ベンチャー
企業を
促進する
施策が余りにも少ないと思います。
安倍総理は、開業率を現在の五%弱から倍以上の一〇%以上にするという発表をされています。国家再興戦略の工程表を見ますと、具体的に期限を定めているものもありますが、開業率に関しては期限が明示されておりません。
総理は、一〇%の
目標の達成時期をいつまでとお考えなのか、また、どうやって達成しようとしているのか、本件についてはPDCAのCとAを使って御説明ください。
安倍総理は、
参議院選挙の選挙公約で法人税の大胆な引下げの実行を掲げ、ダボス
会議においては異次元の
税制措置を断行しますと述べられ、法人税減税についてかなり踏み込んだ発言をされました。それにもかかわらず、先日の
施政方針演説では
復興法人税の廃止に言及したのみです。
安倍総理は本気で法人税を下げたいと思っているのでしょうか。
日本を魅力的な立地にし、
世界から法人を呼び込むためにも、また、流出を防ぐためにも、法人税実効税率はほかの
アジア主要国と戦えるレベルに下げなければなりません。私には起業家、経営者の知人が多いですが、海外への移転を考えている人も、二〇%になれば間違いなく思いとどまります。
安倍総理は、国際相場に照らした競争的な税率は何%だと思われますか。また、
設備投資へ振り向かせるための異次元の
税制措置と言うならば、選択制の複雑な減税
措置より、みんなの党がかねてから
提言してきた自由償却
制度を導入するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
安全、安心といったとき、地震大国である
我が国でまず
課題として
検討しなければならないのが
首都直下型地震です。それこそ、
オリンピック一週間前に起きるという事態も想定しなくてはなりません。
私自身、
東日本大震災後には何度も
被災地に入りましたが、そこで痛感したのが緊急時を想定した法
整備の不備です。例えば、道路に放置車両があって緊急車両の通行が困難であっても、所有権の関係から簡単に撤去はできませんでした。
安倍政権下の
防災対策は、国土強靱化計画に沿った、どちらかというと物理的な
インフラ整備がメーンです。また、一つ一つの法律を作るのもよいかもしれませんが、全ての事態を想定するのは無理でしょう。みんなの党は、この問題を根底から考え、憲法に非常事態法制の明記をすることを
提言していますが、
安倍総理の御
所見をお聞かせください。
補正予算五・五兆円の内訳を見ると、一兆円以上が公共事業に充てられています。このアベノミクスの二本目の矢、何度も放たれておりますが、二本目の矢は一体何本あるのでしょうか。しかも、本来当てなくてはいけない的を通り抜けて遠くへ飛んでいってしまっています。つまり、年度内に執行不能な
予算が多く紛れ込んでいるのです。矢を後でこっそり拾い、保存しようとお考えだと思いますが、来期への繰越しは幾らぐらいになりそうなのか、お答えください。また、このような会計年度独立の
原則に反する行為は慎むべきだと思いますが、御
所見を伺います。
今年の四月から
消費税が八%になります。また、
安倍総理は、来年十月に予定されている一〇%への
引上げの可否について、年末に公表される七月から九月のGDPを判断材料としつつ、今年中に決断するとおっしゃっています。
みんなの党は、増税の前にやるべきことがあるという信念の下、
デフレの
脱却や消費の回復が
実現するまでは増税をするべきではないと
主張してきました。一〇%への
引上げの判断は、GDPの数値だけでなく、
消費税転嫁の
状況などもしっかりと踏まえなければなりません。転嫁
状況の調査、時期においては法令でも定められておらず、半年やそこらで正しく把握できるとは思えません。
総理は転嫁
状況の判断をいつ行うおつもりでしょうか。また、この場で、コアコアCPIが弱い状態であれば
消費税増税はしないと表明された方が
景気全体へのプラス
効果があると思いますが、いかがでしょうか。
膨張を続ける
社会保障費。ついに二十六年度
予算案で初めて三十兆円を超えてしまいました。いかにしてこの膨らみ続けるコストを抑制するのかが喫緊の
課題です。しかし、財政健全化に
責任を持つ財務省の
改革意識にはまだ危機感というものが感じられません。昨年、マイナンバー法が成立しました。これで税と
社会保障を一元管理する前提が整ったわけですから、歳入庁の設置に前向きになり、十兆円とも試算される各種社会保険料の徴収漏れを解消するために前進するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
公務員
制度改革について、
施政方針演説には一行しかありませんでした。
安倍総理、この七年で
改革についての情熱を失ってしまったのでしょうか。いま一度、国家公務員
制度改革について
安倍総理のお考えと
決意をお伺いしたいと思います。
安全、安心の前提となる
外交・防衛を考える上で、最も
国民が心配していることは中国と韓国との関係でしょう。その発端の一つが尖閣や竹島の問題です。特に竹島は、
我が国の領土でありながら韓国に実効支配されております。先送りを続ければますます既成事実化してしまいます。早急に
実効性のある手段を講ずべきです。
政府は、国際司法裁判所への単独提訴を
検討されていたはずですが、全く
進展がありません。今後、提訴されるのか否か、教えてください。
みんなの党の日米同盟基軸という立場は
安倍政権と同じです。しかし、地域住民の民意を無視するべきではありません。国家の専権事項であっても、住民の
意見とは十分に向き合う必要があります。
普天間基地の移設は、米国との関係も考慮した上で、解決を早く目指したいという考えもあるのでしょうが、米国フロリダでも、一旦閉鎖した空軍施設に約二百五十機のF18戦闘機を新たに受け入れるという計画が、住民投票の結果、白紙に戻ったという事例もあります。是非
政府には、名護市の住民と丁寧なお話をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
私も招致議連の一員でしたが、
パラリンピック・
オリンピックが
日本に決まったことは大変喜ばしいことです。しかし、それを獲得するための最後のプレゼンで、
安倍総理は、私から保証します、
状況はアンダーコントロールですと発言されました。もう既に発してしまった言葉なので、今更その
意味やアンダーコントロールの定義で議論をしても仕方がないと思いますが、少なくとも
世界に伝わったメッセージどおりの状態に
福島原発とその周辺地域をして、
パラリンピック・
オリンピックを迎えることが我々の責務だと思います。その
具体策については後ほど質問をさせていただきますが、まずはどのようなビジョンをお持ちか、お聞きしたいと思います。
総理は今回の
演説で、その舞台は
日本全体の祭典でありますとおっしゃいました。私もそのとおりだと思います。特に、
福島や東北の
復興につなげるために、現在計画されている札幌、宮城、埼玉、横浜スタジアムに加え、サッカーの予選は二〇一八年に返還される予定のJヴィレッジでも行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、現在の計画よりもほかの地域の割合も増やすべきだと思いますが、併せてお答えください。
パラリンピックという言葉が命名されたのは一九六四年の
東京オリンピックです。私は、二〇二〇年の
東京からもう一度新しい形を模索するべきだと思います。これも
安倍総理が
演説で話されたとおり、二〇二〇年の
パラリンピックを通じて、
日本を
障害者の皆さんにとって
世界で最も生き生きと生活できる国にしなければなりません。
それを具現化するために、私は、二〇二〇年の
東京から、
パラリンピックを先に開催する大会にするべきだと思っています。それによって意識が変わり、まずは障害を持つ
方々の目線で設備やオペレーション、そしてボランティアの流れを考えるようになり、町づくりも公共投資の
在り方も全てが変わってくると思います。既にIOCに提示してあるスケジュールはありますが、
安倍総理にリーダーシップを発揮して交渉していただければ
実現の可能性は十分にあると思います。是非ともお考えいただきたいのですが、いかがでしょうか。
都知事選でも大きな争点となっている
原発。現在、都の
方針だけではなく、国がどう考えるのかも焦点となっています。すなわち、昨年十二月に経産省が提出した
エネルギー基本計画案をどうするかの問題です。計画案は一月中に閣議決定するはずが、議論は止まっており、その後の動きがありません。あたかも都知事選で
原発が争点化することを避けるために先送りしているかのような印象を受けます。
自民党は、直近二回の選挙を見ても、TPP、再除染の問題、年金
制度の議論など、争点化すると自分たちには不利になってしまうものについては選挙後に先送りするという後出しじゃんけんのようなことを行ってきました。都知事選も同じ
方針で乗り切ろうというお考えではないですよね。これだけの議席を誇る政権
与党には、もっと正々堂々と
国民的議論になっている諸
課題と向き合ってほしいと思います。
安倍総理、都知事選の前に
政府としての
エネルギー基本計画をまとめると約束していただけないでしょうか。
安倍総理は、
パラリンピック・
オリンピックの決定後、直後に
福島に入られ、東電に対し第一
原発五号機、六号機の
廃炉要請を行いました。マスコミではサプライズのようにも報道されていましたが、訪問の直前には省令により会計基準を変更し、本来ならば
廃炉決定時に電力会社が関連費用や損失を一括処理しなくてはならなかったものを、
廃炉処分後も減価償却を可能にし、総括原価方式の名の下に
国民の電気料金に上乗せをするということを水面下で決めた後の
廃炉要請でした。これでは東電を守るために
国民と
国会を軽視していると言わざるを得ません。
みんなの党は、三・一一の後、東電の法的整理と発送電の所有権分離、そして新しい電力システムの導入を訴えてきました。残念ながら、さきの
国会では
政府案である
改正電事法が通り、我々の提案であった電力自由化
推進法は審議すらしていただけませんでした。しかし、次々と起こる人的ミスや組織の劣化を見るにつけ、もう一度この問題を根底から考え直すべきだと思っています。
今
国会で、みんなの党は、東電の破綻及び
原発の国有化に関する法案を提出し、汚染水の漏えいなどで不安が広がっている
原発の処理を国が完全に
責任を持つ形に変えたいと思っておりまして、
安倍総理に真摯に御
検討いただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
目標が明確になれば物すごい力を発揮するのが
日本人です。
ドイツでは二〇二二年までに
原発ゼロ、スウェーデンとデンマークでは二〇二〇年までの
再生可能
エネルギー比率をそれぞれ四九%と三五%、そしてEU全体では二〇%という
目標があります。是非
日本でも、二〇二〇年を照準にして
再生可能
エネルギーの比率を二〇%にするなど、明確な、全
国民で共有できるような
目標を設定していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。是非御
所見をお願いします。
安倍総理は、
演説の終わりにアフリカの話をされました。私は四十年前、約五年間、西アフリカで生活をしていたことがあります。今とは比べ物にならないほどの未開の地だったのですが、人々は明るく、物質的な豊かさはなくても、未来を信じて笑顔で生活をしていました。それが現在の力強い
成長の原動力になっているのでしょう。
日本がバブル崩壊後、
デフレに突入し、
経済が長期低迷をしてからは、
国民、特に
若者からは笑顔が少なくなったと感じていました。
安倍政権になり、みんなの党が
結党来
提言し続けてきた金融緩和や規制
改革が少しずつ現実化するようになり、学生や
若者たちと会っても久しぶりに笑顔が増えてきたように感じております。第一歩を踏み出した
改革をなお一層推し進めなければなりません。ここで後退するようなことがあれば、また
日本は生まれ変わるチャンスを失ってしまうことになります。
みんなの党は、民間主導の
成長国家を
実現するために、今まで以上に闘う
改革に取り組んでいくことをお誓いして、私の質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(
拍手)
〔
内閣総理大臣安倍晋三君
登壇、
拍手〕