○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。よろしくお願いいたします。
まず、私は、ちょっと消費者庁の方、来ていただいているので、健全な
電子書籍市場を形成していくというのがこの法案、
改正の
一つの
目的ですが、市場というのは、当然、財やサービスの供給者側が健全に機能しなきゃいけないし、それを買ったり利用したりする今度は消費者というか受給者側ですね、こちらにもしっかりと情報が伝わっていないと健全に機能していかないわけですね。ところが、今回の
法律案あるいは
審議の
内容を見ていても、
著作権者だとか
出版事業者だとかあるいはプラットフォーマーというんですかプロバイダーというんですか、こういう供給者の人たちの
権利関係とかこういうことをしっかりしようということばかりで、
電子書籍市場の受給者側ですよね、消費者側の
対策、あるいはもう既に混乱が起きている、これに対してどう対応していくかという視点が非常に少なかったというふうに思うんですね。
配付資料を見ていただきたいんですが、これ朝日
新聞の記事でありますが、見出し躍っていますけれども、「
電子書籍 消える蔵書」とか「企業撤退で読めなくなる例も」という、こんな記事が出ておりまして、私もこれ読んでびっくりしました。
そもそも、
紙媒体の
書籍というのは、これは物でありますから、買ったら所有権があるわけですね。ところが、
電子書籍というのは、これ物ではないので、所有権にはならないと、買っても。ですから、物ではなくデータ、情報なんだということだと思います。この前の参考人の方に言わせますと、こんなふうに言っていました。閲覧権を期間限定で買っているというふうに捉えるべきとか、あるいは、条件付レンタルと言った方が消費者には分かりやすいんじゃないかと、こう言っておりました。
そうであれば、やはり
電子書籍を買うときに、これはこういうものなんですよということをしっかり言っておかないと、多くの消費者はかなり勘違いすると思うんです。というのは、今、
書籍の値段と
電子書籍の値段はまだ余り変わりません。どんどん
電子書籍の方は値が下がって
販売されていますけれども。そうすると、当然、本屋さんで本を買うのと
電子書店で
電子書籍を買うのは同じようなものだと思っていますから、自分のものになったとみんな思うわけですね。ところが、プロバイダーあるいはプラットフォーマーというんですか、こういうところが、これから市場が大きくなってくると当然淘汰も始まるでしょう、そのサービスを、その事業をやめてしまうという
事業者も出れば、あるいは倒産してしまってどこかへ行っちゃったということにもなる。そうすると、サービスがそこで途切れるわけですね。そうなったら、あれっ、自分のものだと思っていた
電子書籍がもう使えなくなった、見られなくなった、こういうことが起きるわけですよ。
私もちょっと調べてみたんですけれども、これ一番大きなアマゾン・キンドルストア利用規約というのがあって、これ
ネットで引いてみると、細かい字で八十行ぐらい規約の
内容を書いてあるんですね。書いてあるんですが、この中に僅か一・五行だけ、キンドルコンテンツは、コンテンツプロバイダーからお客様にライセンスが
提供されるものであり、
販売されるものではありませんと、一行だけ僅かこう書いてあるんですね。これ、買う人はこんな規約みんな読まないし、読んだとしても、この一行半が、あなたのものにはなっていないんですよ、これデータを貸しているというふうに捉えてくださいねというふうに、分かった、じゃ、それで買おうといって買っている人はほとんどいないと思うんですね。
このままにしておくと、もう既に、プロバイダー、倒産したり事業を廃止したりするところが出てきて、トラブルも始まっているわけですね。そうすると、市場がどんどんどんどん大きくなる中で、やはりかなり消費者とのトラブルが出てくるということが予想をされるわけなんです。
そこで、消費者庁として、せっかく買ったのに
事業者が
配信から撤退してしまって読めなくなってしまうというような消費者に不利益を与える事態、これにどう今後対応していくとお考えか。それと、消費者にこうした
電子書籍の実態というのを知らせることの必要性についてどのように認識しているか、御
意見いただきたいと思います。