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2014-06-03 第186回国会 参議院 内閣委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十六年六月三日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月二十九日     辞任         補欠選任      宮本 周司君     佐藤ゆかり君  五月三十日     辞任         補欠選任      山下 雄平君     古川 俊治君      藤田 幸久君     大野 元裕君  六月二日     辞任         補欠選任      佐藤ゆかり君     高橋 克法君      古川 俊治君     三宅 伸吾君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         水岡 俊一君     理 事                 上月 良祐君                 松下 新平君                 芝  博一君                 山下 芳生君     委 員                 岡田  広君                 鴻池 祥肇君                 山東 昭子君                 高橋 克法君                 福岡 資麿君                 三宅 伸吾君                 山崎  力君                 山谷えり子君                 大野 元裕君                 神本美恵子君                 蓮   舫君                 秋野 公造君                 江口 克彦君                 浜田 和幸君                 山本 太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        藤田 昌三君    参考人        太陽ASG有限        責任監査法人総        括代表社員    梶川  融君        慶應義塾大学経        済学部教授    土居 丈朗君        東京法律事務所        弁護士      平井 哲史君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(  内閣提出衆議院送付) ○独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施  行に伴う関係法律整備に関する法律案内閣  提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、宮本周司君、藤田幸久君及び山下雄平君が委員辞任され、その補欠として高橋克法君、大野元裕君及び三宅伸吾君が選任されました。     ─────────────
  3. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案及び独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律整備に関する法律案の両案を一括して議題といたします。  本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。  本日御出席いただいております参考人方々を御紹介いたします。  太陽ASG有限責任監査法人総括代表社員梶川融君でございます。  慶應義塾大学経済学部教授土居丈朗君でございます。  東京法律事務所弁護士平井哲史君でございます。  この際、参考人方々に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。  参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、両案の審査参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  議事の進め方でございますが、梶川参考人土居参考人平井参考人の順にお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手していただき、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。  なお、参考人の御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず、梶川参考人お願いをいたします。梶川参考人
  4. 梶川融

    参考人梶川融君) 梶川でございます。  本日は、独立行政法人改革に関する意見を述べる機会を与えていただき、ありがとうございます。  私は、公認会計士として長らく営利企業監査に携わってきた立場でございます。独立行政法人との関わりとしましては、この制度ができる創設時に会計基準を設定するということで、それの議論参加させていただいて以来、各府省評価委員、また総務省の二次評価である政策評価独立行政法人委員などを長らく兼任させていただきました。また、独法改革議論には何度か参加をさせていただきまして、今回の議論にも参加をさせていただいたというそういう経緯で、そういった経験を踏まえて本日意見を述べさせていただければと思っております。  独立行政法人に関しましては、もう先生方御案内のように、国の企画立案機能実施機能を分離し、目標管理であったり企業会計的な手法を取り入れて、いかに実施部隊である独立行政法人が自主的に、また自律的に運営されることによって行政の効果的、効率的な実施を行うということで、行政執行パフォーマンス向上を目指すものとして創設されたものと認識しております。  独立行政法人以前の特殊法人がそれぞれ個別法に基づいて設置されていたのに対しまして、共通ルール、土台の下に独立行政法人通則法という中で律していこうということでこの制度ができたというものだと思いますが、制度の理念は極めて有意義であり、また、制度発足以来いろいろな御批判はあったとは思いますけれども、一定成果は得てきたものと私は認識しております。  しかしながら、制度発足以来十年以上がたちまして、当然運用幾つかの課題が生じてきたということが、これは何度かの改革議論の中で問題になってきた点だったと思います。  特に、制度発足以来数年後、移行独法として多くの特殊法人独立行政法人になってきたわけでございますけれども、この移行してきた法人というのはかなりいろいろな多様な業務を行っておられたというようなことがありまして、独立行政法人としての基本的なルールの下で全体を律していくということにやや難しさが出てきているということが長く続いてきたのではないかと思います。  やはり、業務特性特殊性がありますので、そういったことに応じた形でガバナンスの体制を考えていく、そういうような課題がしばらくの間、議論してこられたというふうに思っております。  また、独立行政法人に関しましては、その自主的な運営ということで、いわゆるPDCAサイクルというものが非常に重要だということでございますが、プランの方は主務大臣がお作りになるということなんですけれども、現行制度ではいわゆるその後のCですね、いわゆるチェック、ある意味では評価という部分について主務大臣の関与がないというようなことで、この辺が全体の一貫性がないのではないかと、責任が不明確であるというふうな点の御批判もあったと思っております。  また、制度運用の面かもしれませんけれども、かなり幾つかの制度的なもので多少硬直的な運用になっているというようなことで、本来、自主的、自律的な運営がなされるはずのものが、かなり制度が時間がたちますと、こういうことは多く行われると思うんですけれども、積立金等インセンティブに関してもかなり一律的な扱いになってきているのではないか等、また、法人ガバナンス問題等もございますので、こういった面で幾つかの御批判があって、今回、改革という議論になってきたと思います。  今回の改革を、私も議論参加させていただいた中で最も目的としたものは、この独立行政法人が本来の政策実施機能最大限に発揮できると、そういった形の改革になっていくということを目指したところでございまして、そのためには、業務特性を考慮して、この多様性に応じた形の類型化、これは長らく改革議論の中では出ていた話だと思いますけれども、今回、行政執行法人中期目標管理法人研究開発法人のような形で類型化を考えられたということだと思います。  また、先ほど申し上げた法人PDCAサイクル主務大臣の下で正しく働かせるということは、もうこれは基本で、これがございませんと、いわゆる自主的な運営という本来の目的がかなうものではございません。これに関しまして、先ほど申したように、一貫性実効性を持たすために、いわゆる主務大臣の下でPとCを一致させ、機能させるというような面を、今回、改革の中で盛り込まれたのではないかと思っております。また、それぞれの給与であったり積立金であったり等々、法人特性に応じて弾力的な運用をし、法人自身が活性化するインセンティブという問題も考えていくということが基本の姿勢に合った改革ではないかと。  そういった反面、逆に組織ガバナンスというものは非常にやっぱり強化をされなければいけないということでございまして、法人内の話でいえば監事機能強化、これが非常に今回うたわれているところでございまして、会計監査人も併せて調査権限などが法定化されていくと、また、役員の損害賠償と、こういったものがきちっと法定化されていくということ。また、法人の外からは、大臣是正改善命令等又は行政評価監視の対象になるというようなことで、法人の内外でガバナンス強化というものを目指されているというふうに認識しております。また、その法人の中において、これは、こういった公的法人でございますから、透明性向上という取組も、これは運用ベースのこともございますけれども、今後目指されていくというふうに認識しております。  それと、かなり大きな点としましては、いわゆる、こういう自主的な運用の中の第三者的な評価ということで、今回、第三者機関というものを設置され、委員内閣総理大臣任命に基づいて極めて客観的、第三者性の高い委員会で、これは特に中期目標という期間節目節目に、中期目標自身、また従来の中期目標期間での実績、そして今後の事務事業の見直しという、節目節目にかなり重点を置いて第三者評価を掛けていくということで、この辺がかなり、節目節目での評価という、重みを置いた評価という形になってきたと。通常のときにはいわゆるその法人が主体的に自身PDCAサイクルを回し、中期目標節目第三者評価を受け、国民信頼性を得ていくという形だと考えております。  これちょっと重複はするんでございますけれども、私が議論参加させていただいている中で、これは何回かの議論参加させていただいている中で、常にこの議論というのは共通課題、ほぼ、先ほど申し上げた監事機能強化とか、それから幾つかの類型化を考えなければいけない、割と共通課題が浮き上がってきます。  これについて、ちょっと理念的なんですけれども、私は、本日、なぜそういうテーマが出てくるんだろうかというようなことをちょっと考えさせていただいて、これはかねがね考えていた部分もございますので、その辺を私の意見としてお話をさせていただき、法案の背景として参考にしていただければと思った次第でございます。  これは、独立行政法人といういわゆる業務特性、これに由来するところが非常に大きいのではないかという部分でございます。当たり前のことを申し上げるわけでございますけれども、まず一つ目は、その成果に対する評価が非常に重要だということでございます。いわゆる成果指標というもの、法人運営されて成果指標というものが、これは本当に当たり前のことなんですけれども、非常にある意味では分かりにくい。  これは、民間営利と比べて、これからお話しするということになるんですけど、民間営利企業の場合にはまさに市場取引の結果、いわゆる成果というのはある意味では売上げという形で表現されますので、それが非常に単純な売上げ数値というふうな形でかなり、もちろん社会的責任等の考慮は必要ですけれども、やはりそういう形で非常に分かりやすく成果指標が出てくるということだと思います。  ところが、独法というのはいわゆるパブリックなサービス提供し、それを市場の価格で提供するわけではございません。これはまさにそういうことができない財を提供しているわけですから、そもそもその提供がどのぐらい成果として国民経済社会生活に寄与しているかということが、今申し上げたように、当たり前のことですけれども、売上げのような数値として表現しにくいところがございます。  さらに、売上げというかその成果がそういう形で表現しにくいわけですから、コストは仮に分かったとしても、その成果コストのバランスというものがどういう意味を持つかということが、これもまた非常に分かりづらい話になると。  そういう意味では、こういう成果指標が表現しにくいというところをどれだけ社会信頼性を持ってもらうかということで、やはりその法人自身でいえばPDCAサイクルがきちっと回っているということ。また、先ほど申した第三者的評価というもので、その成果指標について信頼性を持つ説明能力のある評価をしなければいけないと。このテーマは非常に難しいテーマではあるんですけれども、この独立行政法人制度の根幹を成すものだと思う。  この評価の形については、常々いろいろな形で仕組み議論されてこられましたが、今回重点化をし、いわゆる評価疲れという形にならないように重点的に評価をすると同時に、実際の運営に関しては法人の中のPDCAサイクル、私は、このCというのは一つ評価法人自身自己評価という部分で行われる評価という機能だと思います。それをオーバーライドしながら第三者機関として評価をまたしていくという形は、十分に実効性のある形になっていくのではないかというふうに思っている次第でございます。  この評価をするに当たって一番重要なものは、まずその目標というものをいかに明確に客観的に設定されるかという点だと思います。これは、私が評価委員等経験した経験上、非常にその辺は感じるところでございます。  時間もなくなってきてしまいますので、次に、監事機能という点について、二つ目。これも、独立行政法人の性格上非常に重要なテーマである。通常営利企業というのは取締役会の中で代表取締役が選ばれるというような形なんですが、独立行政法人というのは理事長監事大臣から選任されると。本来、普通の民間取締役会が持つ経営者に対する牽制機能というものが少し立て付け上失われていると。  そういう意味では、監事という機能が、経営トップに対する牽制機能としては非常に重要な役割を果たしていくという、この辺が、民間ガバナンス機能に対して、こういう公法人、今の法律上の任命選任権の中で非常に監事というものが、普通の取締役会民間取締役会の持つ牽制機能も併せ持っていただくと。そういう意味では、監事機能というのは、もちろん法令遵守等のコンプライアンス、そういった問題は当然のことですけれども、さらにもう少し広い範囲の中で、いわゆる法人が本来の公的目的ミッションを果たしているのか、それからまた効率的、効果的に運営されているのかと、こういったものを含めて監事というものが一定の役目、牽制を働かすということが極めて重要なものだと思っております。  また、類型化の問題も、これは、独立行政法人組織行動原理の中で非常に考えなければいけない問題でございまして、実際に民間企業と比べるとこれも非常に分かりやすいんですが、民間企業というのはアウトプットインプットの差額を最大にすると、利潤獲得動機で行われます。  しかし、独立行政法人の場合には、いわゆる原則的に、多くの法人の場合にはそのアウトプットというものが本来主務大臣から与えられた目標というものであって、この提供量、非常に評判がいいからといって提供量公的サービスで無限に増やすわけではございませんので、一定提供量であり、その分野というのは非常に明確に主務省から与えられている、それに対してでき得る限りコストをミニマライズするということが一つあると。  しかし、試験研究法人のように、実際にある研究が与えられて、それに対してコストを削減するというような形は実際は取り得るものではなくて、最大限の、これはむしろインプット一定であって成果最大国民に還元しようという行動をされるわけですから、少しその辺の行動原理に違いがあると思います。  そういった形で、これもいわゆる独立行政法人組織構造の中でこういった業務類型というものをきちっと整理していくということが今回非常に重要なテーマとして改革の道に進んでいったと思います。  あと、最後に強調させていただきたいのは、実際にこの法整備ができても、さっきの監事お話とか、それから目標の設定というのは運用上の問題でございまして、くれぐれもその監事さんの役割、これは私の思い入れに近いこともございますけれども、第三者機関との連携であったり、監事機能のスタッフを充実するとか、いろいろな形で監事機能というものが今後強化されていくということが、独立行政法人PDCAサイクルが非常に適正に運営され、監事の日常的な監視というのがないと多分組織の外からでのいわゆる評価委員会というのもきちっと働かないのではないかというふうに思いますので、是非、監事日常的監視第三者評価とが連携を取り、動いていくということを非常に期待するところでございます。  そういう意味では、監事人材というものがどのような方が適しているかというようなことも運用の問題としては政府でお考えいただき、私は、経営等の、監事というのは必ずしも、私は会計専門ですが、会計だとか法律だとかという世界もありますが、経営自身を御経験されたような人材民間からいわゆる監事として来ていただくというようなことは非常に重要な実効性の上がるテーマではないかと、これは期待を込めて最後お話をさせていただいたというところでございます。  以上、意見を述べさせていただきました。多少早口で申し訳ございません。
  5. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 梶川参考人、ありがとうございました。  次に、土居参考人お願いをいたします。土居参考人
  6. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) ただいま御指名をいただきました慶應義塾大学土居でございます。  今日は、このような形で独立行政法人改革に関する所見を述べさせていただく機会をいただきましてありがとうございます。お手元に水色の「独立行政法人通則法等に関する所見」と題しました冊子に沿いましてお話をさせていただきたいと存じます。  一ページおめくりいただきまして、私自身は今回の独立行政法人改革についてはその必要性を認めているところでありますけれども、私の専門財政学公共経済学ということで、学者立場からこれまで独立行政法人制度についていろいろと観察、研究をさせていただきました。  当然のことながら、独立行政法人という組織が国の機関一つとして行政機能をいかに効率よく発揮するかという点において、それから、できるだけ少ない予算で効果的な成果を上げられるようにという、そういう観点から独立行政法人制度を拝見してまいりました。  当然、独立行政法人制度が設立された原点というのが、この二ページに言われていることを列挙しております。イギリスのエージェンシー制度に倣ったという話でありますけれども、これは経済学理論プリンシパル・エージェント理論ないしはエージェンシー理論というふうに呼ばれるものがありまして、依頼人である国民、さらには国民代表たる国会ないし内閣がエージェントである独立行政法人に対してきちんとミッションを与え、より効果的にその仕事を担っていただくという、そういう関係をつくる上で、ある程度距離を置いて独立させた形で仕事をしてもらった方がよいのではないか。行政機関が本体で直営でやるというよりも、企画と実務を分けるということでやってはどうかという発想があったと思います。  それとともに、行政在り方事前統制型から事後評価型へと変化させていくべきではないかという話が、これは独立行政法人制度以外でもそうであったわけですけれども、かなり明確に我が国の行政在り方を変えるという方向に、この独立行政法人制度が創設される時期には議論としてはあったと思います。今も評価委員会運営費交付金という形で、その事後評価というところの機能をうまく発揮してもらうための枠組みを設けていると。評価委員会は当然のことながら事後評価をするところであり、運営費交付金事前統制を緩めるということで、事前にはその使途を厳しく定めるということにはしないということにしたということは御承知のとおりかと思います。  さらには、それ以前の特殊法人と違って、通則法を設けてそれで定めた原則を各独立行政法人には徹底していただくと。特殊法人のように、個別の法律でそれぞれの独自のルールを作るというようなやり方にはできるだけしないようにしようという試みがここに埋め込まれたということであります。  さらには、企業的経営手法をこの独立行政法人には取り入れて、業務財務運営についてはできる限り企業的な経営手法に倣いながら効果的にやっていただくという話もあったわけであります。その一つ会計での取組としては、発生主義独立行政法人会計基準には導入するということになったわけであります。  三ページにお移りいただきまして、さはさりながら、十年を超えてこの独立行政法人制度にもいろいろな問題点が生じてきたということは先生方も御承知のとおりであります。私として、ここの点は見逃せないというところのポイントを四点ほど強調させていただきたいと思います。  いわゆる移行独法と言われる、かつて特殊法人だったところが一応独法通則法の傘の下に入るということではあったわけですけれども、必ずしもその通則法原則にきちんと順応できるような組織になっていたかどうかというところが、法人によっては必ずしもそうでなかったりしたというところで、単なる特殊法人という仕組み独立行政法人というふうに掛け替えただけではないかという、そういうような法人幾つかはあったような気がいたします。  それから、通則法による一元的な運営は、これは先行独法の中でも必ずしも、通則法が全ての業務において一元的に原則を定めるということであったので、いろいろと部分的に、その業務運営においてもう少しきめ細かくそれぞれの業務に合ったルール共通で定めた方がよいのではないかというような話が出てまいったということであります。  それから、評価形骸化というところも気になるところでありまして、事後評価ということに向かっていくはずなんだけれども、PDCAサイクルが必ずしも確立していないというような部分があったり、さらには毎年のように評価を受けるということですので評価疲れというものが現場に起こったりということで、評価を受けるために優等生的な対応をしようとするけれども、それは必ずしも業務を効率的に営むという話とは少し違ったような視点が混じってしまっているというようなこともあったような気がいたします。  それとともに、先ほど梶川参考人からもお話がありましたけれども、やはりガバナンス構造は必ずしも当初の独法通則法からして私は十分に備わっていたものではなかったというふうに思っております。これは、私は財政学者なので、法学者の方と議論をする上で、学者の間での意見の違いといいましょうか、もう少し別の言い方をすると、行政法体系でこの独立行政法人仕組みを考えるというのが原則なんですけれども、先ほど御紹介したように、そもそも独法制度を発足する時点から企業的手法を取り入れるということを明確に打ち出していたわけですから、会社法といいましょうか、民事法体系とのそごがそもそもあると。  例えば、後で申し上げるように、損害賠償責任というものを個人に求めるということが許されるのかということは、行政法体系の下ではこれは別に個人に帰属するものではないというふうに見るわけですけれども、会社法の世界では決してそうではないということがあると。もちろん損害賠償責任が全てを表しているわけではありませんけれども、まず一つそこに着目すると、どこまで経営者である独法であれば理事長責任を帰属させるのかという観点は、ガバナンス構造を考える上では非常に重要なポイントになってくるんですけれども、行政法体系の下では個人に責任を負わせるというわけにはいかないという、そういう建前がありますから、そこで、当然のことながら、独法通則法は成立した当初はそういう行政法体系の中の独法通則法であったということ、それから、会社法も現代化して、後で御紹介するような意味で相当強い内部統制を法律上規定するとか、役員や会社法上の監査役、それから株主との間にガバナンスにまつわる緊張関係を法的にもサポートする形で構築するとかというものがその後の動きとして出てまいったものですから、果たして独法通則法も今のままでよいのかという、そういうような論点が出てきたんだろうというふうに思います。  四ページですけれども、やはり独法改革は、国民の目から見ても果たして独法国民のために仕事をしてくれているのかという観点からすると、誤解も含めて、必ずしも十分に独法国民のために働いているわけではないんじゃないかというふうに誤解も含めて見られているということがありますので、私は、独法通則法をきちんと実態に合わせて改めていくことを通じて襟を正すと、こういうようなことが必要なのではないかというふうに思います。そういう意味では、今回の法律案に盛り込まれているガバナンス強化とか、さらには行政改革に即する範囲での役職員の能力の発揮を促すという点については非常に重要なポイントが盛り込まれているという意味で、この関連法案の成立を今国会で是非私としてはお願いしたいということであります。  少し細部にわたりますけれども、五ページに、釈迦に説法ではありますが、株式会社のガバナンス構造を図式化しております。  これは、当然、会社法に基づいたもので、もちろん会社法は株式会社は全てこの形でなければならないと規定しているわけではありませんが、一つのタイプとして、取締役会があり、監査役が置かれ、それを株主総会で選任、解任するというような中で、もし取締役会の中で代表取締役が誤った判断を下したとして、その誤った判断を下したにもかかわらず、それを事実上黙認するような態度を取締役が取った場合にはその取締役も責任が問われるという形に会社法はなっていて、これを任務懈怠責任というようなことで規定されております。これはまた監査役も同様で、監査役が取締役の誤った行動を見過ごしてしまった場合には、これは意図せざる形であれば別ですが、本来見過ごせないということで指摘できた立場でありながら見過ごしてしまったという場合では、監査役にも当然同じような責任が問われるという、そういうような規定が会社法上にも明確にされているということであります。  そういう意味においては、プリンシパルたる株主の下にエージェントたる取締役ないしは監査役が、それぞれの緊張関係を持って内部統制及び会社の全体のガバナンスに法的な根拠を与えているというのが会社法であります。  六ページは、独立行政法人であります。  独立行政法人は、先ほど申し上げたように、行政法の体系の下にありますものですから、会社法のようにずばり誰に責任があるのかとか、見過ごしただけで直ちに処罰されるとか、そういうようなほど厳しく個人を罰するというわけにはまいりませんけれども、やはりある程度緊張関係がなければ、誤った行為をしたとしてもそれは責任が問われないということで緊張が緩んでしまうという懸念が私はあると思っております。  そういう意味では、今回の、こちらの独法では監事機能強化というのは一つ重要なポイントであろうと、さらには主務大臣の権限強化というのも、これはガバナンス強化する意味では必要なことだろうというふうに思います。  七ページにそのまとめをしております。  あともう一つは、これは法律には盛り込まれていないと承知しておりますが、閣議決定された独立行政法人等に関する基本的な方針には業務類型特性を踏まえたガバナンス整備というものが盛り込まれていて、金融業務を営む独立行政法人に対しては金融庁検査を行うということがこの基本的な方針の中には盛り込まれていて、もしこれが実施されるということになれば、これもガバナンス強化には資すると思います。  最後に、八ページでございます。役職員の規定に関して一言申し上げたいと思います。  役職員については、確かにその給与や役員報酬について柔軟化するということがこの法案には盛り込まれています。ただ、これは単純に柔軟化して好き放題、お手盛りで付けてよいというものではないというふうに私は理解、解釈しております。独立行政法人の説明責任強化が当然前提であり、なぜそのような給与水準にしたのか、なぜそれだけ高い報酬を出すということにしたのかということについては、当然のことながら独立行政法人がきちんと説明し、その根拠を透明化して説明することが求められると思います。それをすることによってより信賞必罰がしやすくなるということであるならば、私はこれ非常に重要な改正ではないかというふうに思っております。  それとともに、先ほど申し上げましたけれども、独立行政法人の役員には任務懈怠責任を問うということが法律上盛り込まれているということで、企業経営の手法を導入するという独法の原点に立ち返れば、会社法の一部に倣うような形で独法の役員にもそういう責任を問うということが法律上盛り込まれたということは非常に重要なことなのかなというふうに思っております。  私からは以上です。どうもありがとうございました。
  7. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 土居参考人、ありがとうございました。  次に、平井参考人お願いいたします。平井参考人
  8. 平井哲史

    参考人平井哲史君) 初めまして。東京法律事務所弁護士平井と申します。  私は、ふだんは、弁護士の任意団体で自由法曹団というのがございまして、そちらの方で時々の国政問題に関し、一部ではございますけれども、様々意見を発表させていただく活動をしてきておるところでございます。  本日は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案に関して意見を述べる機会を与えていただきまして、ありがとうございます。  私の方の意見につきましては、お手元の配付資料で自由法曹団構造改革PTによる意見書がございますが、これに沿うものでございます。この内容を全部しゃべりますといただいた時間の中では話し切れませんので、要点を申し上げたいと思っております。  私の話は、この自由法曹団意見書とともに、あらかじめいただいております法律案関係資料というものの中の新旧条文対照表、こちらの方を使わせていただこうと思っております。  では、早速本題に入らせていただきたいと思いますけれども。  今般、閣議決定におきまして、独立行政法人通則法の改定に関する基本方針というものが出されておりました。その内容を読み上げますと、法人政策実施機能最大化を図るとともに、官民の役割分担の明確化、民間活力の活用などにより官の肥大化防止、スリム化を図ることというのがその一つとして入っていたわけであります。この下で、今般の独立行政法人通則法の改正におきまして、条文でいきますと三十五条一項、それから三十五条の七、一項のところであるわけですが、中期目標管理法人、それから国立研究開発法人に関しまして、目標期間終了時までに業務の継続又は組織の存続の必要性その他その業務及び組織の全般にわたる検討を行って、その結果に基づき、業務の廃止若しくは移管又は組織の廃止その他の所要の措置を講ずるものとするというふうにされておられます。従前の通則法でいきますと、このようなことは書かずに、所要の措置を講ずるものとするという簡単な書き方でございました。  目標期間終了に当たりまして組織の問題について検討をし、場合によっては組織の統廃合を含めて措置をとるということはあり得るところかとは思いますけれども、今般改正をしようとしている内容におきましては、所要の措置の中の一部としてではなく、そこから組織の廃止、それから業務の廃止若しくは移管、こういったものを取り出して前に出してきております。このことからするに、閣議決定でも独立行政法人を減らしていくんだということをうたっておられましたけれども、今般の通則法の改正というものは独立行政法人をまずは減らすというところに重点を置いた改正の内容となっているのではないのかなというふうに推測をいたします。  これ自体、独立行政法人の存在意義がなくなるというのであれば、それはそれというところではございますけれども、独立行政法人につきましては通則法二条で定義がございます。これを読みますと、国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一つの主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ効果的に行わせることというふうになっておりまして、民間の主体に委ねたのでは必ずしも十分実施されないおそれがあると、そういうものについて独立行政法人をつくってそこにやらせるんだというふうにうたっておるところでございまして、この通則法二条の考え方からすると、閣議決定におきまして民間開放というのを前提に据えて、それで独立行政法人を減らしていくということをお考えになるということは、ちょっと独立行政法人通則法が予定をしているこの制度そのものの出発点とやや矛盾をするのではないのかなというふうに私には受け止められます。  ただ、法文の中におきましてあらかじめ減らすというところまではうたっておりませんので、これはこの先の運用ということにはなってくるのかもしれませんけれども、しかし、通則法二条が掲げる独立行政法人制度の根幹、これに対して閣議決定のお考えというのは合わないのではないのかなということを一つ申し上げておきたいと思います。  次に、改正の中身についてなんですけれども、従前は、主務省に設けられました評価委員会評価、それを受けまして主務大臣が所要の措置を講ずるというふうになっておりました。これにつきまして、今般、直接大臣評価をすることというようになっております。そして、主務省内においての評価委員会による評価というものが外されるということになっております。この評価委員会につきましては、独立行政法人専門性等を考慮して、公正中立な評価を行うために設けられているものというふうに理解をしておりますけれども、そこを外して直接大臣による評価をするということが果たしてその独立行政法人それぞれの個別性、専門性といったものを考慮した判断になるのかどうなのか、ここのところは大丈夫なんだろうかなという気がいたします。  もう一つ、今般の改正におきまして、総務省に設けられております独立行政法人評価制度委員会、こちらによる評価のことが入れられております。従前も総務省委員会における評価というのがございましたけれども、今般の改正におきまして、この権限が強められているのではないかなと思われます。  一つは、目標の設定又は変更に関して主務大臣はこの総務省に設けられた評価制度委員会意見を聴くということになっておりますし、また、目標期間終了後の措置に関しましても、意見、勧告といったことができるほか、報告を求めることができるということになっております。  従前も、総務省に設けられました委員会の方におきまして、各独立行政法人についての評価、それから意見を述べるということはされておられたかと思いますけれども、今般の改正におきましては、主務大臣がとろうとする措置につきまして、勧告を述べるだけではなく、それについてどのような対応を取られたのかの報告を求めるというところまでやることになっております。しかも、この評価制度委員会は、主務大臣意見を述べ報告を求めるというところにとどまらず、改正後の三十五条の二として予定されている条文を拝見をしますと、内閣総理大臣に直接意見具申をすることができるようになっております。しかも、この総務省に設けられる評価制度委員会委員の選任というのは総理が行うということになっておりまして、その選任基準について特に明文の規定はございません。  これらの規定ぶりからしますと、主務省において独立行政法人評価をし、それについて評価に基づいた所要の措置を講じるということが一応維持はされておりますけれども、その横から総務省が、あるいは総務省の中に設けられました独立行政法人評価制度委員会、こちらの方が意見を述べ、自分たちの意見が入れられないとなれば、内閣総理大臣意見を述べて、内閣で意思統一を図るということをやって、主務省の上に立つということが起こりかねないなというふうに思っております。外部監査強化というところは必要な部分はあるのかなと思うんですけれども、ここまで強力な権限を果たして総務省評価制度委員会の方に与えてしまって、独立行政法人運用評価に関する主務省専門性というものが守られるのだろうかなというのがやはり一つ疑問なところとして感じております。  それから、閣議決定を拝見をしますと、独立行政法人の独立性に配慮されたんだろうというふうに推測をするのですけれども、目標の設定等につきまして、主務大臣は各独立行政法人との意思疎通を図るのだということが述べられておられましたけれども、この点を担保するような条文は特に通則法の中に設けられておりませんで、少し閣議決定の思いが条文に反映をされていないのかなというふうに考えられます。  そして、私の立場から最も懸念しているのが、独立行政法人を減らしていくということをやりますと、これは公共サービスとしての後退、そして雇用問題につながるという点でございます。  もちろん、必要のなくなった法人については適宜統合をしていくということはあり得るところだとは思います。しかし、まず減らすんだというところから出発をして、ここの部分がちょっと重なっているから統合をしてしまえということをやってしまった場合に、事務事業に関して減っていないにもかかわらず、それを担う部隊、法人、それからそこの職員が減っていくということになれば、おのずとマンパワーの点から行き届かないところが出てくるということは予想されます。  また、整理統合して職員が減っていくということは、同時に人材を失うということになってきます。その人材がベテラン職員のところから減っていくということになってしまえば、質の低下という問題も起こり得るだろうというふうに推測をいたします。  独立行政法人とはまた別の話にはなるんですけれども、国の機関業務民間委託をするということをやり、その民間委託の際に競争入札制度事務事業民間委託をするということをやった場合、毎年毎年応札業者が現れ、それで落札をする業者が変わっていくということになれば、これは事務事業が安定的に、継続的に公共サービス提供していくという点からやはり問題が起きてくるのではないかなということを思っております。  この点につきましては、裁判所における民事法務協会が受託をしておりました業務を随意契約から競争入札に変えまして今いろいろ問題が起きていることが報道をされておりますけれども、そういったことも考え合わせますと、やはり減らすというところから出発をするということをやってしまった場合に、公共サービスの安定的な供給という観点から問題が起こるのではないのかなということを考えております。  そして、条文に則して申し上げますと、一番問題だなというふうに思っておるんですけれども、これ独立行政法人が整理統合ということになり一部廃止ということになった場合、これは労働契約が別の法人に承継をされるということがなければ解雇ということになります。そうしますと、その解雇をされた方の勤労の権利の保障という観点で問題が生じてくることになります。よって、この点についての手当てが必要だろうというふうに思われるわけですけれども、通則法にはその点の手当てに関する条文はなく、五十条の方ですか、あっせんの禁止という形での規定があるぐらいでありました。これで果たして事務事業の継続性が守られるのだろうかという点が少し気になるところではございます。  これは行政組織でありますから、民間の企業とはまた違うのだというふうにお考えになる向きもあるかもしれませんけれども、独立行政法人の職員に関しましては、民間の会社の労働者と同じく労働契約法、労働基準法の適用がございます。解雇ということになれば当然、労働契約法十六条、所定の客観的に合理的な理由というものが必要となってくるわけでありますけれども、そういったところを考慮した職員の雇用に関する配慮する規定というものが果たしてあるのかという問題です。  これを海外に目を移しますと、会社分割あるいは会社における事業譲渡の例になってきますけれども、自由法曹団の意見書の中でも引用をしておりますが、EUにおける指令におきまして、事業譲渡の際には労働契約も当然引き継ぐということになっております。  日本においては、そのことを正面から定める法律というのは会社分割の際における労働契約承継法ぐらいしかありませんけれども、しかし、会社分割の例で見た場合に、独立行政法人事務事業を一部別の法人に移管するといった場合、会社分割の例に似るというふうに考えることができます。そうだとすれば、会社分割の際の労働契約承継法と同様に、職員の労働契約について当然に移管をするという措置を条文上明確に定めてもいいのではないかと思いますけれども、この点が欠けているというのはこの通則法の改正案においてはやはり大きな問題かなというふうに考えております。  また、衆議院での議事についても未定稿を拝見させていただきましたけれども、整理解雇に関する議論がされておられました。独立行政法人を廃止をするということになれば、法人自体がなくなるわけですから、当然職員は全員解雇という事態になります。これは、民間レベルで考えた場合には事業主の都合による解雇ということになりますから、整理解雇ということになってきます。  整理解雇につきましては、自由法曹団意見書の中にも紹介をしておきましたけれども、いわゆる整理解雇の四要件というのが判例法理上設けられておりまして、人員削減の必要性があり、解雇回避努力をし、そして被解雇対象者の選定基準について合理的な基準を設け、さらに解雇に至る手続について労働組合等に説明や協議をするということまでやった上で、初めて解雇が合理的なものというふうに認定をされます。  そういった手順を踏むような規定が設けられているかというと、設けられているわけではございません。ですので、この点、通則法改正についてやはり十分な雇用の継続に関する手当てというものをしていただいてしかるべきなんだろうというふうに思います。  なお、これは各独立行政法人に勤務する労働者の権利を全てそのまま認めよということでは必ずしもございません。廃止をして、そして事務事業を移管するのであれば、当然契約については一旦移すべきであるということでございます。その上で、効率性の観点から人員が過剰になってくるといった場合には、それは定年退職やあるいは自己都合退職によるいわゆる自然退職ですね、これによる減員分について補充しないという形で人員整理を図っていくということは当然あり得るところだろうと思いますし、場合によっては解雇ということもあり得るのかもしれません。  しかし、独立行政法人の廃止というのは、その法人の財務状態に照らして整理解雇が必要かどうかという判断から行われるものではなく、国の政策的な判断によって行うものでありますから、完全に事業主側の都合によるものです。ですので、こういった場合においては、まず一旦労働契約関係については保障をしまして、その上で更に整理等を図っていく必要があるといった場合には、その法人の判断におきまして行っていくべきであろうというふうに考えております。  ですので……
  9. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 平井参考人、時間ですのでおまとめください。
  10. 平井哲史

    参考人平井哲史君) はい。  以上で私の意見を述べさせていただきました。  ありがとうございました。
  11. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 平井参考人、ありがとうございました。  以上で参考人方々からの意見の聴取は終了いたしました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  12. 上月良祐

    ○上月良祐君 ありがとうございます。自民党の上月良祐でございます。  それぞれ三人の先生方から大変勉強になるお話をたくさん聞かせていただきましたこと、誠にありがとうございます。  私からは、私、省庁改革にも関わっておりましたので、横の班で、島でちょうど独法関係をいろいろとやっておられました。それ以来少なからず関心を持って見ておりまして、今回の改革にもこういう形で関われたことを大変光栄に存じます。  先生方にまずお聞きしたいことがあります。梶川先生と土居先生にまずお聞きしたいんですが、今回、三類型に分けるということになっております。三類型に分けるのである程度の固まりはできたんですけれども、例えば、中期目標管理法人の中身を見ますと、病院があったり、博物館、美術館があったり、大学校という名の教育機関があったり、研究所もあったり、いろいろなものがたくさん入っておったりいたします。こういったものをどういうふうに、大変ばらばらなものがある独法というものをどういうふうに管理していくべきなのかということなんですが、特に、主管省庁とそれから統括する総務省関係、そして第三者委員会関係ですね、この関係において注意すべき点というんでしょうか、ありましたらば教えていただきたいと存じます。
  13. 梶川融

    参考人梶川融君) 今回、類型に分けられて一旦整理をされているんですが、今先生おっしゃられたように、特に中期目標管理法人などは非常に多様な業務が存在しておりますので、それに関する目標及びその評価というのは非常に、また更に業務類型ごとに少し整理をされる必要があるのではないかなという気はいたします。これは従来、総務省委員会でも文化振興型だったり施設管理型であったりという業務類型幾つかお分けになった形で議論を進めてきていたという知見もございますので、そういった内容の中で、第三者機関の方である程度の指針等をお作りになるということは可能なのではないかという気はいたしております。  総務省府省との御関係の御質問なんですが、私、行政執行のようなところというのは非常に、府省サイドで自身行政行為を補完するという、目標自身が非常に明確性があるもので、そういった形では、かなり府省サイドで、いわゆるPDCAサイクルの中できちっとした目標評価をしていけるということになるのではないかと思います。  中期目標管理法人に関しましては、もちろんある程度の知見の整理という意味では総務省のサポートというのは十分必要だと思うんですが、私は、トータルで、やはり今回のこの改革の中では、実際のPDCAサイクルを回す主役としては、各府省の、先ほど来申し上げた目標の設定、この明確性というものが非常に重要になるという共通的な認識を持っておりますので、この意識を持っていただいて、主務大臣の下で業務が回っていく、これで目標でありその実績評価という話が、主体的に行っていただかないと、なかなか、第三者機関等が幾ら事後的な評価をしても、実際に業務運営の効率性の向上にはつながらないのではないかというような気はいたします。  あと、研究開発法人に関しましては、これは非常に専門性の高い目標部分というのがおありになると思いますので、その内容に関しましては総合技術会議等との連携というのは非常に重要になってこられるような気がします。  中期目標管理法人、ちょっと戻りますと、これは、いわゆる政策体系全体の中の位置付けというのをはっきりされていかれるということが必須の要件になる気がいたしまして、そういう意味では、その部分総務省政策評価等との連携というのは、やはり国民に分かりやすいミッションというものを表現する上で非常に重要になるのではないかというふうに思っております。
  14. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 御質問ありがとうございます。  私がこの観点から一番重要だと思うのは、まず、総務省ないしは今回設けられます独立行政法人評価制度委員会がきちんと第三者的な立場を保つということと、それから、主務大臣及び実際に業務について密に情報交換、連携をしている担当部局と独法との関係をよりきちんと整理するというところが重要なポイントだと思っております。  独法の方にいろいろとヒアリングをいたしますと、主務省及び担当部局、所管課といいましょうか、がこういうことをやってもらいたい、ああいうことをやってもらいたいという話があり、これが中期目標などに盛り込まれるということではあるんだけれども、かなり日々のように密な連絡調整をやっておられたりすると。  そういたしますと、独立行政法人と言っていて、業務にある程度の独立性を与えると言っていたはずなんだけれども、ややもすると直営に近いような緊密さといいましょうか、距離のなさというか、そういう独法も中にはあったりすると。特に独法の出自が元々本省にあった部局を切り出したとかというような部局だと、なおさらその独法は担当部局との距離が独法通則法で想定しているよりかはちょっと近過ぎるというような、そういうところが今まであったように思います。  そういたしますと、近いがゆえに、いろいろ今回の改正法案の中にも盛り込まれている話でいえば、主務大臣評価をするということになるとお手盛りになるんじゃないかという懸念というのも出てくる。ここは、もちろん私はそうならないように今の改正法案でできると思ってはいるんですけれども、ここは運用にいかんせん委ねなければならない面がありまして、その運用に際してやはり私は注意が必要だなと思うのは、主務大臣評価するということになりますと、当然そのエージェントたる独法に対してもう少し距離を置いていただいて、やはり独法仕事ぶりについて若干是々非々で、よくやったと褒めてあげられるところは褒めると、だけれども、本当はもっとここまでやってほしかったのに独法はできなかったということであれば、できていないというふうに、めり張りの利いた評価主務大臣がする、ないしはその担当部局はそちら側、大臣側にいるということですね。  ややもすると、独法と一緒になって仕事をしているというような形で担当部局が独法と近い距離にあるというようなことになると、この主務大臣評価というものがややもするとお手盛りになってしまうという、そういう懸念がありますので、そこはしっかり主務大臣にそういう法律上の立て付けを理解していただいた上での制度運用というのをやっていただくと。  その上で、そうはいってもやっぱり身内みたいなようなものだから、主務大臣評価というのは甘くなるんじゃないかという心配が出てくるので、独法評価制度委員会ないしは総務大臣目標設定や評価の指針をきちんと客観的に示していただいて、その客観的な指針にそぐうような形で主務大臣評価をしているのか、できているのかということを牽制といいましょうか、規律付けを働かせていただくと、こういうようなところで総務大臣主務省主務大臣との間の緊張関係、こういうところで客観性を働かせてその指針を設けるということが非常に重要なポイントではないかというふうに思います。
  15. 上月良祐

    ○上月良祐君 ありがとうございます。  時間がないので、あともう一つちょっとお聞かせください。  評価疲れといったような言葉もよく聞かれます。私は大学の経営協議会に充て職で入った時期が茨城でもありますが、評価のときになるとこんなに資料が出てきて、私も一生懸命見ましたけれども、とてもじゃない、消化し切れないような資料を、何というんでしょう、作る方もこれは大変だろうし、見る方はもっと大変で、見た上にそれを理解して評価するということというのは、もうこれはほとんど、一つでこうなんだから法人ごとにこんなになったらどうなるんだろうかというようなぐらい、ちょっと気になったところもあります。  私は、できるだけ効率化してやらなきゃいけない、しかし一方で、ガバナンスは利かせなきゃいけないというふうに思っています。どこをどういうふうに見るべきなのか、それがすごく重要なんだと思っているんです。内部でやるべきことは監事やあるいは役人の責任をきちんと明確化することで、内部でやるところと外部からちゃんとチェックしないといけないところ、特に主務大臣がチェックするといったって、主務大臣、全部見れないわけですよね。それを結局は役人の人がちゃんと見るということになるんだと思います。  そういう意味で、どこをどういうふうに見ることが効率的でかつ適切なガバナンスにつながるんだろうかということにつきまして、時間がないので短く梶川先生と土居先生にお聞きしたいと思います。
  16. 梶川融

    参考人梶川融君) まさに評価疲れという言葉で、極めて自主的な運用のある独立行政法人ですので、その評価は非常に重要だということで制度が始まったと思います。その評価自身は、主務省評価であったりメタ評価であったりということで、いろいろ錯綜したもので、まさに評価のための評価という要素が少しできてきてしまったということが、そういう言葉で代表される形につながったのではないかと思います。  そういった意味で、今回改革される上で何が重要かという部分でございますけれども、私は、先ほどの話と少し重複するんですけれども、実際の業務運営上のPDCAサイクルというものは法人が自らをサイクルを確立して回していくと。そういう中で、一つ評価というものが存在を、法人の中にもその評価が存在して、これはマネジメント上の評価というものだと思います。このマネジメント上の評価というものがきちっとできているかどうかということをやはり第三者機関として見ていくという形が最も両者、効率的な運営になるのではないか。  このマネジメント上の評価というのは、実際に独法というのは、目標の作り方は非常に、先ほど言ったとおり、難しいと同時にすごく重要なんですが、この目標が事後的に検証可能性のある形でできているかどうかという、先生のポイントがどこかという御質問にそのとおりお答えできているとは思わないんですが、実際には、組織がプランを立てた場合には当然アクションプランというものを立てられ、それが事後的にできているかできていないかということが検証できる形でどれだけ明確、客観的にまずPDCAサイクルに盛り込まれているかという、ここの部分というのが非常に重要になるのではないかと。そこの土台がしっかりしていれば、それに対してどのように実績があったかということを更にメタ評価的に検証するということはそれほど難しい話ではないような気がいたします。  ですから、そこが、どう見ても最初のプランニングが曖昧ですと、実績だけを、大量の資料で出てくるんですけれども、この実績の大量の資料がむしろプランニングとどういう関係にあったかというポイントを少し御整理していただくということが評価の効率性に非常につながっていけるのではないかというふうに感じております。
  17. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 短く申し上げます。  まず、今の評価がなぜ評価疲れになるかというと、行政の無謬性というものを大前提にして、形式的な要件さえ満たせば良い評価を与えるというそういう立て付けになってしまっているということから、そういう先ほど先生がおっしゃったような問題が出てきているんだと思います。  これを改めるにはというのは、もう本当にいろいろな専門的なアイデアはあるんですけれども、ここではありていなお話を申し上げると、省庁の庁舎に店舗とか職員食堂とかレストランを民間委託しているものがあって、職員の方が利用されるときに、あそこの店舗はとても親切で便利がいいとか、ここは何か余り高いけどおいしくないねとか、そういうことを評価しておられるわけですね。まさにああいう発想で、独法主務大臣ないしはその担当部局の方がそういう発想で評価するというようなことが何らかの形で盛り込めれば、評価疲れというようなことなく、めり張りの利いた評価ができるんじゃないかと思います。
  18. 上月良祐

    ○上月良祐君 終わります。
  19. 蓮舫

    ○蓮舫君 民主党の蓮舫です。  三人の参考人の皆様方、今日は大変お忙しい中、貴重な御意見を賜りました。非常に参考になりましたし、勉強になりました。改めて、まずお礼を申し上げます。  この独立行政法人制度、できてから十三年たって、この間、様々な組織あるいは制度在り方に対して苦言が呈せられてきたり、改革必要性というのが政府の中からも、あるいは在野からもいろいろ言われていました。私たちも政権時においては取り組んできて、今回、今の政権から出されてきた法案に対しては、我々の政権時に取り組もうとしたものを相当取り入れていただいたので、私自身は賛成しています。ただ、細部にわたって随分と考え方の違いがあるなというものもあるので、後ほど指摘をさせていただければと思います。  多種多様な業務形態の組織一つ制度でやはり管理していくというのは非常に難しいんですね。独立行政法人の自主性、自律性を重んじるということと、国民の税金が一年間でやはり三兆円近く運営費交付金で渡されていますから、行革の観点を同時に共存させるという難しさがやはりあるんだと思います。だからこそ、いつも改革のまなざしは私はこの組織に対しては向けなければいけないと思っています。  まず、梶川参考人にお伺いしたいんですが、我々もやはり今回の独法改革をするときに重んじたのは、独立行政法人そのもののガバナンス、まずは、主務大臣とか総務省の第三者委員会に指摘をされる前に組織の中で完結をしてガバナンスができていれば、それは問題はないわけなんですね。その部分で一番大きな役割を果たすのは、やはり監事機能強化、調査をする、あるいは役職員に不正行為があった場合、あるいは法律に反するのではないかというおそれのあるものをしっかりとここに報告をされるという仕組みが今回導入されました。これによって、現制度と新たな制度に変わるときの最も期待されるものは何か、教えていただけますか。
  20. 梶川融

    参考人梶川融君) 今回、今蓮舫先生おっしゃられたように、組織の中でのガバナンスがきちっと回っているということがもう評価等々、全ての前提になるという御意見は非常に私も同感でございます。  その中で、従来から言われてきていた監事機能強化をされるということで、今回、法定的には各種の調査権限強化等がはっきり明文化されました。また、役職員の損害賠償等の責任というのも明確になったということでございます。それからまた、不正事項に対する報告義務のようなものの定めもできてきたということで、こういったものをトータル、監事機能として、従来、ちょっと先ほど私申し上げたように、これ本当に独法組織の中の機関の構成としては、監事というのは理事長にまさに唯一牽制をする機能でございます。ですから、こういった、やはりもちろん行政機関でございますから、こういう不正等に関するコンプライアンス面での機能強化というのがまず一番初めに出てくるわけでございますけれども、こういうことが法定化されることによって監事自身の意識というものが非常に変わられてくるのではないかなと。  更に言えば、こういう明確な調査権限等をどのように行使するかということに関して、今後、運営面で非常に監事の皆様の中できちっとした更なる機能強化につながっていけるものだと思います。  私は、先ほど最後に申し上げたこの思いはすごく強くて、いわゆる法人ミッションを遵守しているか、そしてそれを効率的に動かしているか、上月先生の御質問のところでもあったんですけれども、まさにそういうプランをきちっと、そもそも中期目標をきちっと法人が、法人は計画を立てるわけですけれども、中期目標に合ったきちっとした事後検証性のある計画を立てておられて、それを実行しているかというようなことを監事は十分に見なければいけない私は責任があると思います。それ自身が、監事にそこまで求められるものだと思っておりますので、ただ、これは運用面で法定的な事項になじむものではないと思うんですけれども、そもそもの独立行政法人ミッションという意味では、非常に監事業務を行うベースになっていくというような気はしております。
  21. 蓮舫

    ○蓮舫君 ありがとうございました。  そういう意味では、監事、あるいはこの法律が通った上での新しい独立行政法人体系のときの理事長の、何というんでしょうか、力というのは随分大きくなってくると思うんですね。  今回、その法改正をすることによって、我々が想定していたときと一番大きく違うのは、理事長と、あるいは監事も含めて、やっぱり原則公募、透明性を高めて、それでしっかりと適任な方、国民の皆様方が納得できる方を任命してもらいたいというのが私たちの思いだったんですが、今回、政府案ではその原則が外れて、理事長においては、必要に応じ公募、候補者の推薦の求め、適任と認める者を任命と並列化されてしまったんですね。  我々の政権のときには、前の政権では、三割近くがいわゆる天下りによるものだったものを、公募を導入することによって天下りの方の割合を七%まで下げたんです。ただ、能力のある元国家公務員では公募でもしっかりと就任をされていますから、そちらの方がやはり私は堂々と再就職をすることができると思っているんですが、その部分について、公募を外したことについてと、もう一つは、我々は理事長監事任命原則内閣の承認を受けて、そして主務大臣任命をするとしたんですが、今の法律の立て付けだとこの内閣の承認が削除されました。主務大臣任命だけで足りるとした。  その主務大臣がどんなに立派な方でも、やはりどうしても行革の視点というのがずれた場合には、内閣の承認が入ることによって行政改革担当大臣あるいはほかの大臣のチェックが入る、そのことによってより透明性というのが高まると思っていたのですが、土居参考人に、この辺りについてどのようにお感じになるか教えていただけますか。
  22. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 御質問ありがとうございます。  確かに公募の方がよいだろうというふうには思います。ただ、例えばJICAの緒方理事長が御就任されたというようなかつての経緯もあったりいたしますものですから、必ずしも公募で全部いつでもできるかという、そういう臨時的な状態とか、ないしは必要性に迫られてどうしてもこの方には是非お願いしたいという場合のところをどういうふうに工夫するかというところは、それぞれ仕組みの中で考えていかなければならないかなというふうに思います。  それとともに、確かに内閣の中でその承認を受けるということと、ないしはそれがなくなって主務大臣が認めればよいということになるというところは、私は、どちらかというと、内閣の中で日々行革マインドがあるかどうかということがまず担保されないと、形式的に内閣だといっても、行革大臣がやり過ごしてしまうと承認したことになってしまって、逆にやけどするというか、あなたも承認したことになっているんですけれどもというふうに言われて物が言えなくなってしまうという逆のデメリットもあったりするので、そこは、私の言葉で言えば、もう日々内閣は行革マインドを忘れずにお願いしたいということに尽きるかなと思います。
  23. 蓮舫

    ○蓮舫君 御指摘ごもっともで、その内閣の行革への思い入れというのはやはり差が過去もあったと思うんですね。常に行革マインドがある内閣だったら安心なんですが。  そこで、私たちは独法通則法の改正案を出す。やはり基本的には条文に落とし込みますけれども、多くの部分はやはり運用に委ねざるを得ないところがあるんですね。その運用面をどんな内閣になっても独立行政法人が自主自律性を持ちながら行革マインドが持てるような、自分たちの中でガバナンスが完結するような独法改革基本の方針というのを閣議決定しました。これ現内閣も閣議決定して、その後法律が作られているんですが、随分と私たちが作ったものから削除されている項目がありました。  例えば、不要財産をため込むことが、今も、そしてこの法律が変わった後も、監事機能のチェックが働かない場合には実現してしまうんですね。我々が政権取ったときには一兆を超えるたまり金を持っていたところもありますし、五百億、八百億、当たり前に使う見込みがなくて抱え込んでいた法人もありましたから、これをシステムをしっかりと変えて、無駄なお金はちゃんと国庫に戻す。  それと、情報をしっかりと透明性を高めるために、天下り団体とかあるいは随意契約とか不透明なやり方がないように、例えば原子力村ですとかURが関連会社と持ちつ持たれつの関係を持っていたとか、昨今明らかになったのがJEED、それは厚労省ともうすっかり持ちつ持たれつで、透明性の非常に低い契約を一応競争入札という形でもたれ合っていたということが明らかになりましたが、やっぱりこういうことが二度と起きないような運用は私は担保するべきだと思うんですが、その件について、土居参考人のお考え、いかがでしょうか。
  24. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) まさに蓮舫先生おっしゃったとおりだと思います。それは制度的にできれば担保をした方がいいと思います。  ただ、何といいますか、今日ということでいうと、そのたまり金も吐き出させている、かつてに比べると随分良くなった面がある、これまでの貢献だと思いますが。逆に、その必要性がちょっと微妙に薄れているという、そういう雰囲気もあり、私としてはそういう必要性が薄れているからといって決して法的な担保を忘れてはいけないとは思うんですが、ただ、優先順位というのはいろいろその時々にあると思いますので、今後どういうふうに更なる法的担保があるかということは不断の見直しが必要なのかなと思います。  それともう一つ申し上げたいのは、競争入札ですけれども、御指摘のように、だんだん形式的には競争入札ができる、やりますということは担当の独法なり部局も言ってくれるようにはなったんですが、いかんせんライバルがいないとか、なかなか競争しても一者応札になってしまうとかということがあって、これは非常に悩ましい問題として、形式的に競争入札にするということまでで終わってしまうと御指摘のようなことが起こりますので、私としては、どういう形にすれば公正な価格が付けられるかという、その担保ないしは指針、それが新たな時代には求められると思います。
  25. 蓮舫

    ○蓮舫君 ありがとうございました。  梶川参考人にももう一点お伺いしたいんですけれども、どうしても行革の視点だと削るとか削減するという部分が着目されがちなんですけれども、そうじゃなくて、法人の経営努力が認められて、そのことによって使い勝手が良くなる運営費交付金在り方も私は必要だと思っているんです。やはり公益の追求という部分で、収入を無尽蔵に上げろとは言いませんけれども、経営努力で行革を行った、あるいは無駄な事務事業を見直して自分の収益が上がった法人に関しては、それは来年度の運営費交付金を削減するのではなくて新たな事業に充てることができると。これ、我々のときも、そして現政権もそういった内容の独法改革を行おうとしているんですが。  私たちは、他方で、経営努力が伴わないで収入が減になった場合には、その理由を法人がしっかりと考えて、無駄なあるいは時代のニーズに合わなくなった事務事業は見直しをしてくださいということをお願いしたんですが、この部分、私はやっぱりセットだと思っているんです。ただ、現政権ではそこは削除されているんですね。そこについて、梶川参考人、いかがお考えでしょうか。
  26. 梶川融

    参考人梶川融君) 経営努力を認め、そのインセンティブによって法人が自主的に活性化していくということに対して、その反面、経営努力の伴わない組織運営が行われたときに、当然、それは自らの事務事業として削減をしていくべきであろうと。今、蓮舫先生のおっしゃられる趣旨は非常に理解はできます。  ただ、これをどのように強制的な、法令化していくというようなことについて、私もちょっとにわかには自身、整理が付いていないところもございます。また、これはなぜかといいますと、もちろん、それ自身は非常に法人にとって問題ではあるんですけれども、独法というのはある意味ではパブリックなサービス一定のパブリックサービス提供するために存在をしているという国民目線から見た場合に、そのミッションというのはどうしても存在をしていると。それが、彼らの努力がないといってそのサービス量を減少させてしまうということについては、彼らにとってはそのペナルティーは意味があることではあるんですが、反対に国民的に見ると、その分というのは何か違う形で補わなければいけないこともあると思いますので、そこはその運用上どういうふうに回していくかということについて、これを一律法令化するようなことはちょっと難しいのかなというようなことは思います。御趣旨はすごくよく理解できます。
  27. 秋野公造

    ○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。今日は先生方、本当にありがとうございます。  まず、土居先生にお伺いをしたいと思います。  独立行政法人行政サービスの質を上げていくということが非常にこれ重要になってまいります。何でもかんでも効率化だけを求めていては良くないということでありますが、ちょっと、先生の会社法との比較、とても分かりやすかったので、その観点から、まず企業においてサービスの質を上げるという、そういった評価というのは取締役会又は監事などの役割がどのように果たしているのか、どういう工夫がなされているのかをまず教えていただきたいと思います。
  28. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 御質問ありがとうございます。  会社法に変わりまして、もちろん株式会社は多くは営利を追求するということなんですけれども、株主の意向で必ずしも大幅な利益を上げなくてもよいと、もっと社会的な貢献をせよということであるならば、その株主のミッションを受けて取締役なり経営者がそのミッションどおりの仕事をするということが許されるということになりました。そういたしますと、まさにこれは別に、国でも特殊会社というふうに言われる株式会社がございますが、一〇〇%国が保有し、将来的な株式の上場は前提としていないという、そういう株式会社もございます。  これは私が、二〇〇六年ですか、政策金融改革を行ったときに、まさに今の日本政策金融公庫などが株式会社化したと、でも国の一〇〇%保有であると、郵政民営化とは違う意味です。そういう意味で、国は株式会社にして、かつ株を持つけれども、別に利益を追求せよと言ってはいない。あくまでも有限責任出資であるということを明確にするということにもなり、かつ会社法ルールに基づいた内部統制システム、これは日本政策金融公庫もウエブサイト等で我々は会社法に基づく内部統制システムを入れていますと、こういうふうに言っておりますので、私はそれをヒントにしてこういうアイデアを申し上げた。  つまり、サービスの質を高めるということを株主たる、この場合は国ですね、政府がその経営者に対してミッションを与える。もちろん、独立行政法人は株式会社ではありません。ですが、同じような、何といいますか、出資者といいましょうか、これは出資している独立行政法人もありますので、出資者たる政府、そしてそれに雇われている経営者独法理事長との間で、サービスの質を向上せよという中期目標なりミッションを与えれば、同じような立て付けで緊張感を持って取り組んでいただけるものだというふうに思います。
  29. 秋野公造

    ○秋野公造君 恐らくサービスの質を上げないでいいという国民いないと思いますので、そういった意味では、全ての独立行政法人サービスを上げていくということが一つ評価になっていかなくてはならないと思いますが。  ここで梶川先生に伺いたいと思いますが、先生、先ほど評価委員会監事連携というお話をなさいました。この役割分担について先生のお考えがありますれば教えていただきたいのと、特に監事に求められる像といいましょうか、一般的な像と、そのサービスの質を上げるという観点からどういうことが求められるかということについてお伺いをしたいと思います。
  30. 梶川融

    参考人梶川融君) 評価委員会監事連携というお話でございますけれども、これは私、ちょっと重複することを申し上げるかもしれませんけれども、先ほどの意見陳述と。評価委員会が今回、第三者機関として、中期目標という期間のけじめにより重点的に評価を行っていく、中期目標でありその実績であり、それに対する評価と。やはり監事は、その中期目標に対して、その法人自身、年度なりその年度よりも更に短い期間にきちっとPDCAサイクルが回っているということを日常監視していくという機能がとてもあると思います。  そういった意味でいえば、その監事が日常監視をされる、一つの私はそれはマネジメント上の評価と思っておりますけれども、その部分と、その評価委員会が中期に重点的に評価をされるという形の中で、当然、ある日突然その評価結果というのは三年たったら出てくる話ではなくて、どんな状態でPDCAサイクルが回っているか、ここの補完を監事がかなりしていけるのではないかなと、それに対する適切な連携というものが極めて評価疲れにならないガバナンス向上という形をつくっていけるのではないかというふうに思っている次第でございます。  それから、監事サービスの一般的な像というのは、監事自身の像ということで、これも、もちろん幾つかの専門性のある方というのは非常に重要だと思うんですけれども、私が今言ったように、これ、監事という機能を少し通常の株式会社の監査役よりも広い形でイメージしているところもございまして、そういう意味では、本当に経営の経験がおありのような、経営者をしてきていられた方のような形で、そういう御経験の中で、組織全体がきちっとしたPDCAサイクルで回るということ、自身責任を持って運営されてきたような方というのは非常に、一つのですけれども、最適な人物ではないか、人物像としては感じるところがございます。  これ、いわゆる少し拡張的に、自身の個人的な意見でございますが、先ほど来申し上げているように、いわゆる取締役、普通の株式会社でいえば、取締役会というのはビジネスジャッジメントをして代表取締役がある範囲以上の不合理な意思決定をするということを防ぐという牽制機能が大きくあると思うんですけれども、独立行政法人の場合には理事長が理事を選ぶというような形で、もちろん良識的に相互協議をされているとは思うんですけれども、独法の方はむしろ監事がそういったかなり日常の合理性に近いことについて何らかの牽制的な機能を果たしていただくということをすごく期待する部分がございまして、そういう意味では、経営自身によく御理解のある、御経験のある方などが一番国民から見て負託されるに適した非常に社会的貢献度の高い役職ではないかというふうなことを思っております。
  31. 秋野公造

    ○秋野公造君 先生、確認ですが、経営をされてきて、PDCAを回すということが非常に重要なことを理解しましたが、それは同じ専門性をよく知っているということが必要であるとお考えになっていましょうか。それとも、PDCAを回すことが大事と。ちょっと極端な質問になって申し訳ありません。
  32. 梶川融

    参考人梶川融君) もちろん、提供するサービスについて一定の理解がなければ難しい部分はあると思います。これは特に定性的なサービス提供部分でございます。  しかし、私は、どちらかというふうに考えれば組織運営の知見が高い方ということで、サービス内容自身についての評価というのはいろいろな知見のある方で補完できるというふうには思いますので、それを組織内に補完する専門委員会のようなものをおつくりになられれば、十分に組織運営上の知見できちっとした運営が成立するのではないかというふうに思っております。  逆はなかなか難しくて、専門性が高過ぎるけれども組織運営について知見がないという方が私は難しいと思います。
  33. 秋野公造

    ○秋野公造君 よく理解をしました。  PDCAをしっかり回していくという観点で、ちょっと私が混乱している部分を三人の先生方に順番に教えていただければと思いますが、それは単年度管理の法人の存在であります。これは、立て付け上も効率を求めるというより業務をしっかり実施することが大事であると位置付けられ、なおかつ、単年度予算ですから事前統制がしっかり行われ、国が堂々と関与していくということも書き込まれ、そういった意味でPDCAをどう回していくのかと。  独立行政法人として残すことにどういう意味があるのか、若しくは国でしっかりやるべきなのか、様々な思いがあるわけでありますが、単年度管理の独立行政法人がPDCAを回してしっかり業務を質を最大化させるために必要なこと、お考えがありましたら、三人の先生に順番にお伺いをしたいと思います。
  34. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) お三方ですね。短めでお願いします。
  35. 梶川融

    参考人梶川融君) もちろん中期目標管理法人とは違いございますけれども、私は、単年度法人であっても、もちろんアクションプランというのがあって、それで最も効率的に業務を遂行するという役目は負っておりますので、その範囲において当然それぞれの役職員の果たす役割はあると考えております。
  36. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 私も、基本的には単年度になっても同じである、PDCAサイクルが回せると。特に、ミッションが明確であるということはかなり回しやすい。つまり、そもそも何をするべきなのかということがあり、かつ、評価もそのミッションの達成度で測れるということであればチェックができ、そのチェックの度合いによって、必ずしも、不十分な達成度であったならば違う方法をまた考えようと、こういうようなことは単年度でもできるようなものが今回は選ばれているのではないかというふうに思います。
  37. 平井哲史

    参考人平井哲史君) 私は前お二人の参考人ほど詳しくはないのですけれども、思いとしましては、単年度で国が関与をしてしっかり見ていくということであれば、先生おっしゃるように、どれほど独立行政法人という形で置いておく意味があるのかなという思いは同じでございます。  ただ、管理という面に関して言えば前お二人の参考人の方と同じでございまして、要は、単年度に掲げた目標がしっかりしていて、それに向かってミッションがこなしていけるかどうかということを見ていくということは単年度であっても複数年であっても変わりはないので、そこは運用の問題にはなりますけれども、やれることではないかとは思います。
  38. 秋野公造

    ○秋野公造君 最後に、土居先生の最後の資料に事後評価による信賞必罰という表記があります。簡単に御披露いただけますと有り難く思います。
  39. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 簡単に言ってしまうと、例えは余り良くないかもしれませんが、プロ野球の選手なり監督のようなものだと。つまり、高い給料で戦力だと思って雇ってきたんだけれども、何か余りホームランを打たないなということになると、申し訳ないけれども、少なくともその給料は出せないとか、何か別の仕事やってくれとか、そういういろいろな、もちろん雇用関係がある以上解雇できないということだと、それは平井参考人の方の話になるかと思いますけれども、少なくとも役員は当然しかるべき形でその職を全うしていただかなければいけないだろうと思います。
  40. 秋野公造

    ○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。
  41. 江口克彦

    ○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。  本日は、朝から三先生方、非常に有益なお話をいただきましてありがとうございました。  正直申し上げますと、三時間ぐらい質問をさせていただきたいと思うんですけど、十五分ということで決められていますので、お話の中から御質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず、梶川参考人にお尋ねをいたします。  監視機能強化が大事だということで、それには第三者機能強化あるいはまた職員の充実で可能と、そういうことができるんじゃないかというようなことのお話があったかと思いますけれども、本当にそれで可能かどうかということについてお尋ねをいたします。
  42. 梶川融

    参考人梶川融君) これは、独法自体の監視強化という御質問でございます。  私は、今まで十数年間評価委員等として見せていただいている中で、もちろんやはり今の現行法がそのままいいということではないんですけれども、やはりそれぞれの評価という形を取りながら独法はいい方向に向かってきたというふうには思っております。  そういう意味で、ここで制度の立て付けを少し変更されて、第三者機関について重点的な監視を行うと、評価を行うと。また、法人自身が、先ほど来から重複しますが、PDCAサイクルガバナンス強化していくという、こういう形によって一定成果が上がっていくものというふうに理解をし、期待もしているところでございます。
  43. 江口克彦

    ○江口克彦君 続いて、梶川参考人に今の件に関しまして確認でございますけれども、職員の充実ということを先ほどおっしゃられました。職員を充実することによってこの監視機能強化される。それは数の充実ですか、それとも質の充実ですか。
  44. 梶川融

    参考人梶川融君) 御質問の職員の充実というのは、私が申し上げた部分は、いわゆる監事に対してサポートする監事スタッフのような形で職員をある程度充実されてということのつもりで申し上げたんですけれども、それでお答えしてよろしいでしょうか。
  45. 江口克彦

    ○江口克彦君 数の充実ということで、これはちょっと、そういう方向で考えていくと、その職員の数というか、限りなく増えていく可能性もというか、そういうことも考えられますし、何か歯止めというようなことも必要ではないかなというか、これはまた先生いろいろと細かくおっしゃりたいとは思うんですけれども、時間もありませんので、済みません、分かりました、また後で個人的にいろいろと御指導いただきたいと思います。  土居参考人にちょっとお尋ねしたいと思います。  福祉を追求する独法なり、独法というよりも政治の様々な組織と、それから株式会社という営利を追求するという、本質的に、私は長い間経営者をやっていましたので、政治の世界に入って、参考にしなきゃいけないというところは多々あると思いますけれども、参考にならないところもあるということを私は実感として感じて、その辺の見極めが大事だろうという、もう何でも会社と比較すればいいというものではないということを今感じているわけであります。  株主総会というのは、これは客観性を担保するということ、これは企業においてはなれ合い的なところもありますから必ずしもとは言えませんけれども、しかし、一応客観性を担保するという形を取れるわけですね。だけれども、この独法においては主務大臣というところに株主と同列に、土居先生、並べておられますけれども、しかし、もしこの独法において株主に匹敵するんだったら国民なんですよね、というところが主務大臣になっている。  主務大臣ということになってくると、必ずしも国民代表するというか、そういう客観性の担保がされ得ないということになってくるんじゃないか。例えば、ガバナンス強化ということで、資料の七ページにプリンシパル、主務大臣の権限機能監事機能強化、内部統制の充実というふうに、これは、こうするとガバナンス強化されるというふうに書かれていますし、そういうふうに今御説明いただいたわけではありますけれども、これでガバナンス強化が可能かどうかというふうに私は思ったりするんですが、例えば主務大臣の権限強化といったって、結局は官僚任せになってしまうんじゃないかということですね。大臣がこれ直接やるわけではないということになるわけですから。  それからもう一つ監事といっても、これ主務大臣任命する、あるいはまたその周辺が任命するということになったら、大臣の好みの人たちが人選されていくというのは往々にして今でも行われているわけで、それが国会でも問題になっているわけですよね。  それからもう一つは、内部統制の充実ということも、これは私は組織というものの崩壊の四原則というのは持っているんですけれども、それはともかくとして、組織が崩壊するという、なかなか内部統制というのは難しいんですね。どうしてかというと、どうしても統制の強化強化といったってなれ合いになっていくというのが非常にあるわけですね。この内部統制の充実といっても、なれ合いになる可能性があるのをもってガバナンス強化するということが可能なのかどうか、先生のいつもの鋭いコメントでお話しいただきたいと思います。
  46. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 御質問ありがとうございます。  江口先生にはもう釈迦に説法なんですけれども、一つ会社法に倣いながらも独法には入れられない仕組みというのは、株主代表訴訟の点であります。  これがまさに御指摘あった点とも関係してくることでありまして、結局、独法はあくまでも国民側から見ると間接的に政府に統治してもらうという形を取らざるを得ない。株主と位置付けられるような国民が直接独法に物を言うというところは用意されていないということですので、民間企業でいうところの株主代表訴訟のようなものはこの独法の中にはそもそも仕組みとしてなかなか取り入れにくいということですので、疑似的に主務大臣をプリンシパルとして、それでもなお今の現行の通則法よりかはガバナンス強化されているということかと思います。  株式会社自身も、これまた釈迦に説法ですが、万能ではなくて、駄目になってしまう株式会社も実際は存在したりしますから、それでも会社法がなぜ参照できるかというと、あいにく現行の通則法はもっと緩いガバナンス構造になってしまっているので、それに比べればまだ意味を持つ形で牽制機能が働いている会社法の立て付けに爪のあかを煎じて飲むぐらいのようなことはできるんだろうというふうに思いましたものですから、私の資料の七ページにあるようなものは、そういうものをパーツとして入れたと。これで万全だというわけでは必ずしもなくて、きちんと運用面でそういうガバナンスが本当に強化されるような運営をしていただかなければならないということだと思います。
  47. 江口克彦

    ○江口克彦君 ありがとうございました。  私の期待どおりのお答えをいただいて大変満足いたしておりますけれども、ただ、時間があればまた別の機会に、主務大臣の権限強化、具体的にどういうふうに強化していったらいいのかというようなこと、それから監事機能強化、具体的にはどういうふうに強化していったらいいのか、それから内部統制の充実のその方法も、先生、日頃から言っておられますし、十分お持ちだと思いますけれど、また改めて別の機会にいろいろお話を聞かせていただけたらというふうに思います。  それから、平井先生、平井参考人の方に御質問させていただきたいんですけれども、いろいろと独法の通則について問題点、御指摘をいただきました。大変参考になりました。いろいろと私と違った御指摘等々もいただきましたけれども、それはそれなりに私も大変勉強になりました。それをきっかけにいろいろとその角度からも私も改めて勉強させていただきたいというふうに思っております。  一つ御質問させていただきたいのは、今百の独法があるということですね。それを今八十七でしたかね、減らそうというか、そういうようなことでということですけれども、それは私、最初に数ありきというか、そういうような考え方というのは余り好ましくないというふうに思うんですけれども。要するに、独法百あるうち、何が国民に役に立つのか、何が国民に役に立たないのかというものは、私は百もあればあると思うんですね。百は百とも認めるべきだと、百は百ともこれはもう絶対に必要なんだというふうによもや平井先生は思っておられないと思いますけれども、その八十七という数にとらわれずに、平井先生御自身でこの百の独法をずっと全部御覧になって、具体的に名前を挙げていただく必要はない、後でまた勉強させていただきたいと、お伺いしますけれども、どれぐらい、百の独法のうち不要だと思われる独法幾つぐらいあると思われますか。
  48. 平井哲史

    参考人平井哲史君) 御質問ありがとうございます。  先生おっしゃるように、百を八十七にするということが絶対ではないというふうに私も考えておるところでございます。  では、じゃその中には要らないものもあるのではないか、それはどこなのかというお話でございますけれども、大変申し訳ありません、この点に関しましては私は先生方よりも知見が少のうございまして、どの法人がどれほど国民の役に立っているかという専門的な見地からの検証というのができておりませんので、まさにそういったことをお考えになるのが評価委員会のところなのかなというふうには思っております。  一般論だけ申し上げてしまえば、時代の趨勢とともに必要なものとしてつくられる独立行政法人もあれば、もう役割を果たしたということで廃止になるところもあるだろうというふうには思います。  私が申し上げられるのはそこまででございまして、あと個別の法人について、この先、評価委員会評価を経て、それから主務大臣の措置が講じられることになると思いますけれども、その際の個別の法のところで私の方ではまた国の方から提起されている法案を拝見させていただき、その独法についての調査もして意見を述べさせていただくことがあろうかと思います。
  49. 江口克彦

    ○江口克彦君 先生がこの独法法人減らしていくと公共サービスが低下すると、あるいはまた職員が減ってそういった問題も出てくるというふうにおっしゃいましたので、それで、そういう減らすということについてある程度の考え方をお持ちかなと思って御質問したんですが、それはともかくとして、その独法を減らすというときに、幾つか今もおっしゃいましたけれども、そのときの基準について、また後ほどお聞きしたいというふうに思います。  五十分ということで、もうこれで終わらないといけないですかね。終わった方がいいですかね、委員長。──はい。  じゃ、終わります。ありがとうございました。
  50. 山下芳生

    山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  お三方ありがとうございます。  梶川参考人土居参考人は、いずれも独法改革に関する有識者懇談会あるいは行革推進会議の独法改革分科会委員あるいは委員長代理をされておられます。  そこで、まず梶川参考人に伺いますが、有識者懇談会の中間報告では、主務大臣による目標設定、業績評価期間終了時の点検に際して、科学的知見や国際的水準に即して適切な助言を行う仕組みが必要だとされております。法案では、各省の研究開発に関わる審議会を充てる、あるいは外部から点検する仕組みとして総務省の下に評価制度委員会を置くとしておりますが、いずれも学識経験者と規定されているだけで、いささか心もとないと感じざるを得ません。  そこで、梶川参考人は、この審議会や評価委員会委員に求められる資質、どのようなものが必要か、あるいは中立性についてどのようにお考えか、御意見伺いたいと思います。
  51. 梶川融

    参考人梶川融君) 今の報告書の科学的知見等は、特に研究開発法人を念頭にした文脈だと思います。そういう意味では、当然、提供するサービスというか科学的な研究開発の内容というのを理解をし、それが国際的な水準としてどうかという判断をされるわけですから、これはその分野の専門家というのがどうしても必要になられるのではないかと思っております。  ただ、もちろん、そういったある意味ではそれは先ほど私が申し上げた成果指標テーマなんでございますけれども、やはり私自身もそういう部分では知見のないまま研究をしている法人評価委員などをさせていただいたんですが、やはりそういう意味では、その成果と、逆にそれを生み出すためのコストと申しましょうか経済的な資源の投入、これを両者をバランスをして国民的に説明をしていくということは非常に重要なことだと思います。成果だけで説明をすれば、それは投入量が無尽蔵にあって成果が上がればいいというお話になります。  その辺は、やっぱり評価としてのバランスを私は失すると思いますので、そういう意味では、両方の見地で審議会で議論をされ、評価をされる委員会で審議をされるという、そういう意味では組織的な投入される経済的な資源等を御理解した上で、成果評価される委員の先生と両者でその投入資源が果たしてその成果に見合っていると国民が思えるかという観点の評価に資する専門家が集まられることが望ましいというふうに私は思います。
  52. 山下芳生

    山下芳生君 ありがとうございました。  土居参考人に伺います。  有識者懇談会の報告でも、各法人の職員が誇りを持って職務を遂行し、職員の自発性、創意工夫を通じて経済成長や国民生活の向上最大限貢献できるようにすることが望まれる、あるいは主務大臣は、目標案又はその変更案を作成する際に、法人と十分意思疎通を図るということが述べられております。  ところが、法案には具体的に今述べられたようなことが見えないということで懸念をしているわけですが、そこで、懇談会の報告でなぜそのようなことが指摘されたのか、御認識伺いたいと思います。
  53. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 私は、先ほど御説明させていただいた資料の中でも信賞必罰という言葉を用いましたけれども、これはいきなりダイレクトに独法制度の中にこの言葉を用いますと、かなりきつい言葉というふうに受け止められるんですが、やはり今まで評価があり、評価委員会でいろいろと議論があるわけですけれども、ややもすると、押しなべて高評価だけれども、特段大きく褒められているわけでもないと、それでいて国民からは、独法は何か余分な仕事をやっているんじゃないか、余分なお金をためているんじゃないかというふうに思われているような独法も中にはあった、誤解もひょっとしたらあるかもしれない、こういうことなので、より厳しいガバナンスを求めるという反面、それが認められたならばむしろもっとやりがいを持って働けるような、そういう組織に生まれ変わってほしいと、こういうふうな思いであります。  私自身も、その会合の中でそういう旨の発言をしておりまして、私個人の思い入れということであれば、なかなかこれは法律に書き込むというものではなくて、運用の結果としてそういう誇りを職員の方々も持っていただける、つまり一生懸命頑張れば褒められるということがあるんだということですね。それが今までは、曖昧な中に褒め過ぎるとお手盛りだというふうに言われてしまうということだから、余り褒め過ぎないようにしようというところでとどまっていたのかなと。その代わり、褒められるということは、反面うまくできなければ叱られるというのもありますよということのめり張りがあって初めて、褒められるということはお手盛りではないというふうに認められるものなのかなというふうに思いまして、そういうようなことを申し上げたというところであります。
  54. 山下芳生

    山下芳生君 ありがとうございました。  続いて、土居参考人に伺いますが、目標期間の終了時の見直しについてですが、現行では、先ほど平井参考人から指摘もあったとおり、全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、所要の措置を講ずるとしていたものが、今度、法案では、業務の廃止若しくは移管又は組織の廃止その他の措置としてありまして、まず改廃ありきではないかという懸念が職員、現場の方々の間に相当広がっていると聞いております。  私は、まず改廃ありきというようなことであってはならないと思うんですが、有識者会議、懇談会の中でもそういう議論がされていたのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  55. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 御質問ありがとうございます。  私は、廃止は、行政在り方として、必要である業務が時代遅れになってしまったというような場合には当然廃止というようなことはあるんだろうと思います。ただ、雇用問題とかそういうことがありますから、直ちに本当に廃止にできるかどうかというのはまたもう一段の検討が必要だと思いますが。  例えば、ちょっと話がそれますけれども、かつて、銀行はなかなか潰れないということだったのでどうも不良債権をたくさんこしらえて、結局は行政が救済してくれるだろうというふうに甘えた経営をしていた時期があるということに経済学の中でも議論があって、本来は廃止になってほしくないけれども、怠れば廃止だという起こってほしくない選択肢を明示しておかないと怠慢な行動を取ってしまうかもしれないと。いずれ救済されるんだから、別に厳しく業務を見直さなくてもやっていけるだろうというふうに思われては、さすがにそもそも規律付けを与えるという観点からするとよろしくないのではないかと。廃止を望んでいるわけではないけれども、廃止というオプションが全くないということになると規律が緩んでしまうかもしれないという、そういうような思いも私自身としてはあります。
  56. 山下芳生

    山下芳生君 ありがとうございました。  平井参考人に伺います。  法案では、統廃合によって大量の解雇、整理解雇を想定していると私にも思われます。その一方で、雇用の継承については何の担保もないということなんですが、職場がいつなくなるかもしれない、雇用がどうなるか分からないということが前提になると、そもそも優秀な人材が集まってこない、モチベーションも下がって一人一人最大限のパフォーマンスをすることはできないのではないかということが懸念されます。  実際に雇用問題が生じる以前に公共サービスの質の低下が起こりかねないと思うんですが、いかがでしょうか。
  57. 平井哲史

    参考人平井哲史君) 御質問ありがとうございます。  委員おっしゃる点は、一般的可能性として、これは独立行政法人に限らず、例えば株式会社などがこの先どうなっていくか分からないといったときには当然起きてくることでございます。  ただ、この独立行政法人において私重視する必要があると思っておりますのは、行政サービスを安定的にかつ継続的に国民提供する役割を担っている部署でございまして、ここが簡単に改廃ということになってしまったのでは、先ほど意見の中でも申し上げましたように、やはり行政サービスの停滞ということが起こりかねないというふうに思いますし、また、いつこれが起きるかも分からないというような状態に置かれたのでは、もうここの独立行政法人に居続けるのは難しい、より安定的なところに移ろうと思われる方も出てくるであろうというふうに推測をされます。  ただ、これは実際にその現場になってみないと、どれほどのインパクトのある事象が起きてくるのかというのは予測しかねるところがございますので、一般的な可能性としてしか申し上げられないんですけれども、委員御指摘の点は確かにあろうかと思います。  もう一つ委員御指摘の点以外にも、実は今回の通則法の中で職員の給与に関する規定がございます。この中で、国家公務員と比較をする、それから一般の会社などと比較をするというようなことが書かれているんですけれども、独立行政法人というのは、その運営に係る経費についてほぼ自主財源でやっているところと運営交付金に相当程度依拠しているところ、いろいろ千差万別ございまして、そこを十把一からげにして、国家公務員に準ずるようなことをするであるとか、あるいは民間の株式会社の水準に合わせるだとか、そういうことを考えて決めていくということをやるのは余り適切ではないのかなというふうに思うんですね。  そういうところに評価制度というものが入って、そして職員の給与等待遇に関しましても評価の結果増減が出てくる。しかも、その増減が個々の職員の評価によって大きな振幅が出てくるということになってくれば、これはやはりモチベーションの低下ということにもつながりかねないところがあるのかなというふうに思っておりますので、運用に当たっては十分に職員の士気を低めないように御努力いただきたいなというふうに思っております。
  58. 山下芳生

    山下芳生君 続いて、平井参考人に雇用問題について二点質問したいと思います。  一つは、今回、法案では、離職を余儀なくされる者について就職あっせん規制から外すという仕組みが盛り込まれようとしておりますが、それで労働者の雇用は保護されることになるのか、これが一点。もう一点は、政府は雇用の継承について個別独法に委ねる、主務大臣責任において対応するという説明をされていますが、それで果たして十分なのか。この二点について御意見を伺いたいと思います。
  59. 平井哲史

    参考人平井哲史君) まず最初に、離職を余儀なくされる場合の手当ての話でございますけれども、委員御指摘のように、離職を余儀なくされる場合についてどういう手当てをするかということがほとんどなくて、あっせんということは想定されておられるようでありますけれども、役職員のうち一部の人ですね、一部といっても相当程度ということになりましょうが、その方々についてはあっせんすらも禁止ということになっております。あっせんということでいくと、紹介をしますよというだけでありますから、雇用が承継される保障があるわけではございません。  過去の例で見ますと、国鉄分割・民営化の際に、新法人について、国鉄から離職された方々が新規採用ということでやられました。この枠組みでいきますと、雇用が承継されることが前提ではなく、新規採用と同列ですから、採用の自由というものが持ち出されます。この結果何が起こったかというのは委員先生方承知のとおりでございまして、組合員差別ということが行われました。これは最高裁まで行って不当労働行為だということで断罪され、損害賠償責任が発生するという事態になっています。こういうことはやはり避けるべきだろうなというふうに思っております。  同じことが社会保険庁の解体の際にも起こりました。今現在、裁判まで行っておりますけれども、新規採用という枠組みでやってしまいますと、採用の自由を盾に不当な行為が行われかねないということがございます。  国の都合で、政策的な都合で独立行政法人の改廃をして、業務につきましては別の法人に引き継いでいくということをやるのであれば、行政の継続性という観点からいけば、やはりその業務に係る職員については雇用も承継するというルールをきちんと明文で定める方が安定的だろうと思います。  同じ発想に立ちまして、労働契約承継法が作られていることを御指摘しておきたいと思います。  二点目でございますけれども、主務大臣の対応でいいのではないかというお考えもありましょう。ただ、これは恐らく、衆議院の段階におきまして個別法で改廃を決める際に検討をされるものだという御議論がございましたけれども、このことを指しておられるのかなというふうに思い意見を述べさせていただきますけれども、その個別法の改廃の際に決めるということでも構わないのかもしれません。しかし、一般的なルールとして、業務の改廃に伴いまして独立行政法人の一部あるいは全部を廃止をして、事業を別のところに持っていくという場合、事業そのものをやめるというのであれば、職員の雇用保障も難しいという面も出てくるかもしれませんけれども、移管という場合におきましては業務は続くわけですから、その職員の雇用承継についてもやはりきちんとルール化をしていくと。それは個別法ごとに決めていくというふうになりますと、あるケースにおきましては国鉄分割・民営化や社会保険庁の場合のようになり、あるケースにおきましては雇用承継がされるということになり、これは平等性を欠くということになってきますから、やはりここの点は通則法において定めておくべきなんだろうなというふうに考えております。
  60. 山下芳生

    山下芳生君 終わります。
  61. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 新党改革・無所属の会の浜田和幸です。  まず、土居参考人にお伺いしたいと思いますが、我が国の独立行政法人制度の原点、生みの親はイギリスのエージェンシー制度だということを先ほど御紹介ありました。その本家本元のイギリスにおける現在のエージェンシー制度、それが時代の変化、あるいは国民からの期待、いろいろ変遷を遂げていると思うんですね。そのプロセスの中で、我々日本が今直面している課題に対して参考になる点、もしあれば御紹介いただければと思います。
  62. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 御質問ありがとうございます。  イギリスは、これは国民性がそうさせているところがあるんですけれども、行政の試行錯誤を割とおおらかに受け入れるというところがあります。我が国は行政の無謬性といいましょうか、行政は間違ってはいけないというか、ないしは間違わないものだというものも含めて両方あると思うんですけれども、そうするとなかなか試行錯誤は難しいということがあります。  イギリスのエージェンシーは、まさにその改廃をかなり頻繁にやっておりまして、駄目ならば本省に戻すということも含めて戻す。日本の場合は本省に戻すとなると、また公務員の数が増えるのかとか、結局はあの改革は失敗だったじゃないかとか、こういうようなことが言われるので、一旦外に出すと戻しにくいということがある。ないしは、逆も逆で、うまくいけばもうほとんど民間組織と似たような形でそのままエージェンシーは行政の関与を減らしていくというようなこともあったりするというところは、私は今後の日本の行政在り方としてもう少しそういう試行錯誤の要素を取り入れてもいいのかなというふうに思います。
  63. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 ありがとうございます。  是非イギリスの例も参考にしながら、特にそういう独立行政法人在り方というのは、イギリスだけではなくて世界、日本を含めていろんな国々が、どこまで国が直接関与し、どこまでが中立的な、また全くプライベートに、その辺りの今様々な試行錯誤が展開されていると思うんですね。そういうふうに視野をもう少し広げて、世界、例えばアメリカですとかほかのヨーロッパの国ですとか東南アジアの国、そういうほかの国の事例でもって今我々が議論しているこの独立行政法人改革について参考になるような事例があれば併せて御紹介いただけますか。
  64. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 私は一番イギリスの例が参考になるかなと思っておりますので、今もう既に申し上げたということではありますが、政府の行政の範囲についてはもう少し国民意見についてコンセンサスを形成する必要があるのかなというのは思います。  つまり、頼りたいときには行政に頼り、行政に口出しされたくないところは民間に任せろと、こういうふうに割と欧米に比べると余り原則なく国民から要望が出てくるというのはかなりあるのかなという気がしていて、都合良く政府が出るべきだ出るべきでないということはもう少し整理が必要で、それは日本の中でコンセンサスが必要かと思います。
  65. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 では、次に三人の参考人方々に各々お伺いしたいんですけれども、共通の質問です。  それは、今回、百ある独法を八十七とかに減らしましょう、しかし同時に、国際的な競争力のある独法はもっともっと応援していきましょうということで、今話題になっておりますのは理研と産総研。これは、人材の面でも実績の面でも世界と十分戦うには評価すべきものが多々あるので、この二つの研究機関に関しては今ある仕組みとは更に別に支援していきましょうということが議論になっているんですね。  百の中からこの二つだけを取り出して、もっともっと応援しよう、そういうやり方。ほかの九十八の独法からすると、何で俺たちは評価されていないのかということにつながりかねないと思うんですけれども、この二つだけを取り出して国が全面的に応援する、そういう仕方についてどう思われるのか。  また、理研については、さきのSTAP細胞の問題で小保方さんの問題が大変大きく取り上げられて、そのガバナンス在り方自体、問題を露呈しましたよね。そういう観点でいきますと、果たして世界に日本が全面的に応援する二つの一つとして理研がふさわしいのかどうか。この小保方問題の決着の仕方、いまだに続いている話題ですけれども、このことについて、お三方、どういう具合に今受け止められているのか、お考えをお一人ずつお聞かせいただければと思います。
  66. 梶川融

    参考人梶川融君) 百あるうちから二つだけが取り上げられて、更なる資源投入で成長を図ってもらいたいということで、他の法人と比べてどうかという御質問だと思うんですが、先ほど来話題の、これ、それぞれの法人は非常に多岐にわたるミッションをお持ちでございますので、一概にここで他の法人と比べるということはなかなか難しさはあるかなというふうに思います。これは、政策的な位置付けが大前提におありになって、そういう意味では、研究法人の中でも非常に高度な国際競争力を、研究レベルをお持ちのところに成長戦略の中で資源投入されるということは、一定の政策の、所与の政策の観点からいえば十分に私は理解ができるということで、他を減らすという話と全く関連する話ではないように考えております。  その中で、ちょっと理研に関しましては非常に問題が起こっているではないかということで、この問題の決着についてどうかということでございますけれども、これは、先生御指摘のように、私も、やっぱり組織ガバナンスの問題という捉え方というのは確かに一つあると思います。一研究者が少し不適切なことを行っているからということもありますけれども、実際には組織として機能しているという部分でございますので、組織ガバナンス上どのように運営されていくかということは非常に今後注視したい部分ですし、先ほど来御質問の、組織ガバナンスをする御担当と専門性が高い経営者という、これが、どちらがより国民経済に資していくかという点は今後議論をされていく必要はあるかなという気はしております。
  67. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 御質問ありがとうございます。  結局、今回、国立研究開発法人という形に取りまとめられたわけですが、この議論の中でやはりどうしても乗り越えられなかったのは、省庁縦割りの壁であると思います。もちろん、この法律自体はそれとは無関係ではあるのですけれども、どうしても、所管省庁を超えた統合なり、共通した研究があるならば共同研究をするとかというところまではどうも今の段階では議論が至っていないと、それぞれの主務省庁がそれぞれの研究機関を単独で持っているということになっているので、どうしてもそれを前提とした制度の立て付けが二つの特定法人というような話にも出てしまったのかなと思っております。  確かに、特定法人にするということは総合科学技術会議が間に入るということが想定されておるわけで、これこそまさに省庁縦割りを排するというイメージなのかもしれないんですが、私も研究者の端くれで、文科系なので理科系の研究については若干第三者的に見ているという立場ですから申し上げるわけですけれども、総合科学技術会議が入るから縦割りが排せるとはとても言えないような状況に今はなっているので、もう少しそこは省庁の垣根を越えた研究開発を独法にやっていただくということまで将来は踏み込んでいただかないといけないと。それは今の法案でもやろうと思ったらできるはずなので、各省庁の取組に期待をしたいところであります。  最後に理研の話が出てまいりましたけれども、若干研究者仲間をやゆするような形で、自分自身天に唾をするところもあるんですが、あえて議事録に残る形で申し上げさせていただくと、国民から預かっている税金で研究をしているということは、これは研究者としては絶対忘れてはならないことだろうと思います。iPS細胞でノーベル賞を取られた山中先生は、この成果国民のものだというふうに非常に強くおっしゃっていたところは非常に象徴的だと思います。  それで、我々が研究しようとしているのに横やりを入れて研究プロジェクトを縮小しろと言うのかというふうにお怒りになられた方もいらっしゃるような研究所では、やっぱりいけないんじゃないかというふうに思います。
  68. 平井哲史

    参考人平井哲史君) 御質問ありがとうございます。  まず、一点目の百ある法人の中で二法人だけをある種特別扱いするようなことをやることについてどうなのかという御質問ですけれども、この点につきましては、梶川参考人もおっしゃいましたように、政策判断ということになってくるのかなというふうには思っております。  ただ、先生御指摘のように、独立行政法人として一つ通則法の下に置かれている法人の中で余りにも格差を設けるというやり方を取ることが果たして適当なのかどうなのかというふうになると、そこは私は疑問を感じるところです。  あくまで、各法人について評価を行い、その法人に対する評価の結果として、この法人については現段階では特別な手当てをしようというような判断をするということはあり得るところでありますけれども、その評価抜きに今の段階から二つの法人にはやってもらおうというふうにするのは、これはちょっと拙速なのかなという気がいたしております。  もっとも、私は、研究開発法人についてはきちっとした手当てはすべきだろうというふうに思っております。元々、日本の予算の中において、こういう研究開発部門に対する予算、それから学術部門に関する予算というのは非常に低いですから、これはやはり先進国と同程度のレベルに引き上げて対応すべきなんだろうなというふうに思っております。  二点目の理研のガバナンスの問題ですけれども、委員御指摘のように、あれはちょっとないだろうなというふうに思っております。だからこそ、この機会にきちんとガバナンスを立て直していただくということが求められているところなんだろうと思っているんですけれども。  一点だけ申し上げておきたいのは、私は、小保方論文の不正と言われている問題について、理研の方がちゃんと検証をして、再現できるかどうかの検証抜きに結論を決め、小保方さんの反論を封じてしまうというやり方やっていますけど、あれは研究開発法人としてはやるべきではない対応だろうなというふうに思っております。それで、ああいったことも含めまして、今般しっかりとガバナンスを見直していただけたらなというふうに思っております。  ただ、理研がなくなればいいというふうには思っておりませんので、そこは誤解ないようにお願いいたします。
  69. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 ありがとうございます。  是非、本来の法人が与えられているミッション、それをどういう形で実現するのか、国民の財産でもあるわけですから、そういった意味で、今、平井参考人がおっしゃったような理研の在り方、今回の問題の決着の付け方、これもとても世界が注目していると思うんですね。  それで、最後土居参考人にお伺いしたいんですけれども、いただいた資料の中で土居参考人が財務諸表のインチキなケースもいろいろとあるということを言及されていましたが、こっちの方です、それで、やっぱり企業会計手法を取り入れるにしても、様々な独法においてはその受け入れる土壌が千差万別だと思うんですよね。  それで、やっぱり日本からすると、様々な研究機関に国がお金を出し、その成果が世界に広がっていく中で日本の企業や日本のブランド力にプラスになるわけなんですね。そこの中で、いわゆる財務諸表の面で様々な不正が行われているというようなことが明らかになると、例えば今日の新聞を見ても、日本のベトナムに対するODA、そこに賄賂が介在していたということで、これは別に今回の独立法人ではないんですけれども、似たようなケースとして問題になる可能性があると思うんですね。それをどういう形で防ぐのかということについて、最後土居参考人のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  70. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) これも本当に一般論としてしか申し上げようがないんですけれども、やはりまずは研究者が不正な使用をしないということを研究開発独法でもやっていただくということに尽きることだと思います。  あと、何というんですか、使い切りというんですか、与えられた予算を与えられた期間の中で使い残さないようにするというような慣例というのが研究機関にはございますので、そういうようなところも少しは、使い残したから何かペナルティーがあるとか、ないしはその分今度もらえないとかというようなことがならないような配慮というのもあると、必要なときに必要なお金だけ支出するというような形に変えられるのかなというふうに思います。
  71. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 ありがとうございました。終わります。
  72. 山本太郎

    ○山本太郎君 参考人先生方、本日は本当にありがとうございます。  現職の国会議員が五名以上という政党要件には達しておりません。現職は私一人でございます。新党ひとりひとり代表山本太郎と申します。よろしくお願いします。ありがとうございます。  独立行政法人通則法改正案についての質疑ですが、本法案と同じく稲田大臣担当の国家公務員法等の改正案の参考人質疑のときにもお伺いしました、いわゆる天下りの問題です。  独法への天下りというのもあるでしょうし、独法からの天下りというのもあると聞いております。この独立行政法人の天下り問題、これは今もなお大きな問題なんでしょうか。この問題、どう捉えて、どう取り組むべきなのか、参考人先生方お一人お一人の御意見を伺えればと思います。
  73. 梶川融

    参考人梶川融君) この天下り問題というのは、何を天下りと呼ぶのかという観点もあると思います。一般的に、ある種公的な地位に基づいて何かメリットを先方に与えることを潜在的に期待される形で先方の地位を得ていくという意味で天下りというのは通常日常的には使われてきたのではないかと思うんですけれども、そういった意味では、今独法への天下りというのは、私は、そう多く、多いというか、余りそういう問題になるというふうにはそれほど感じてはいません。  基本的に、独法に経緯として移られた方がまだおられるとは思いますけれども、人材として必要であるというその選出のプロセスを経て独法で勤務されているというかつての官僚の方がおられるという部分はあるかもしれませんけれども、それをもって私は、いわゆる批判されるべき天下りと考えるかどうかということ。ただ、そのデュープロセスをきちっと、先ほど公募の問題がありましたけれども、常にウオッチをし続けていくということは非常に重要ですし、その前提となる競争性のある取引関係を保っていくということも非常に重要なテーマだと思いますので、それは人の世の常ですけれども、常にそういった監視機能は保っていくということがいい形を維持できていくというものだと思います。  独法からの天下りのお話は、私、事実としてそこがどの程度の事実関係があるかということについてはいまだ把握し切れていませんので、推測でしか物は言えない部分ではございますが、官僚の方が独法に移られているというよりは、さらに独法から取引先に行っておられる方というのが比較的いる可能性はあるような気はいたしますけれども、これはファクトに基づかない、こうした公式の場の発言でございますので、ちょっと非常に、あくまでも感想に近いことで、申し訳ございません。
  74. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 御質問ありがとうございます。  まさに今、梶川参考人がお触れになったところですけれども、民間に近いような組織行政側と民間側との間の人事のやり取りというようなことになりますと、だんだん厳しく取り締まるとか制限するとかということはなかなか微妙になってくると思います。特に、民間企業に再就職するということでこれを天下りと称する場合に、どこまで民間企業の判断の自由を認めるのかという、そういう問題にも差し障ってくることだろうと思います。  そういたしますと、これまで十何年来、いや、もっと長く更に遡れば、天下り問題というものはもう我が国で取り上げられ続けてはいるんですけれども、根本的な問題に手を染めないと改まらないというか、天下りという言葉がなくならないと。それは、やはり官民の人事交流をもっと積極的にやるということなんだろうというふうに思います。  つまり、公務員試験を受けて初めて合格した人が採用されるという仕組みが我が国はずっと徹底してきているので、例外的な中途採用を除けば、基本的には公務員試験を受けているということでもって公務員になれると。もちろん、公務員は公権力を行使するということなので、そういう縛りを設けないといけないという、片側でそういう制約がありながら、かといって、じゃ公務員の身分だった人が民間ないしは独立行政法人異動するということになった場合に、それを天下りと言ってしまうということに今まではなっているんですけれども、むしろ、もっと民間人を中央省庁でも中途採用するというようなことにできれば、その中途採用された民間人がまた民間に戻るというのはこれは天下りと言うのかというと、さすがにそれは天下りとは今の言葉の定義でも言わないだろうということになりますので、どうもこの世の中の働き方が、公的部門で働いている人はずっと公的部門に働き続け、最後におこぼれ頂戴式に民間でというようなことは、それは都合のいいところだけいいとこ取りしてけしからぬのじゃないかということで天下り批判というのがあると。じゃ、民間の人はそのおこぼれ頂戴みたいなようなことはできないのかということを考えると、別にそこは官民がもっと自由に人事交流をしていれば済むと。  ただ、官民の人事交流が自由にできたとしても、最後に残るのはやはり公正さ、フェアネスの問題だと思います。ですから、意思決定、価格決定、人事の採用に関する決定、これがいかに公正であるか、前職、前歴を問わずそれが優秀な人材であるかどうか、適任者であるかどうかとか、適正な価格であるかとか、そういうようなものの公正さをどういうふうに担保するかということが、これは併せてきちんと仕組みとして設けられて初めて天下りという問題は根本的になくなるだろうというふうに思います。
  75. 平井哲史

    参考人平井哲史君) 天下りそれから天上がりということについては、どういうことをもってそのように言うのかということと、それから、それらが全部否定されるべきものなのか、それともそれらの中のうち批判されるべきものは何か特定されるのかということがございますので、一概に天下りが悪いとか天上がりが悪いというふうには言えないのかなと私自身は考えているところでございます。  ただ、報道で見る限り、批判をさるべきものというのは、中央省庁の方から都合で人を外に出すと、ついてはおたくの法人で受け入れてくれないかという話があって、そこの理事長なり理事なりに入る、そして二年もたてば別の法人に渡り、そこで一旦退職報償金をもらい、別の法人に行ってまた数千万の退職報償金をもらうと、こういうのは批判さるべき天下りということになるのかなというふうに思っております。そして、私はこの手の天下りについてはきちんと規制がされるべきだろうというふうに考えております。現行法でそれが十分されているかどうかというのは、私も詳しく法律を読んでいないので機会があれば勉強したいなと思っておりますけれども、一つそういうことでございます。  それで、独立行政法人に対する天下りについてなんですけれども、独立行政法人とはいってもやはり国の監視の下に置かれておるわけでございまして、業務が政策目的にかなったようにやられているかどうか、それを見るために中央省庁から人を出向で送るというようなことはあるんだろうなというふうに思っております。それ自体は、送られた人がパイプ役となって中央省庁と独立行政法人との連絡を取り、業務が円滑に、かつ政策目的にかなったように遂行されるように図っていくということをやるのであれば天下りは否定すべきものでもないのだろうというふうには思っておりますが、ただ問題は、行った方の待遇が特別な待遇をされているのだとするなら、これはやはり問題が起きてくるだろうなというふうに思っておりますので、この点はガバナンスの問題として捉えて、評価委員会における評価において厳しくチェックされるところになるのかなというふうに思っております。  他方、独立行政法人の方から中央省庁の方への天上がりという問題でありますけれども、元々出向という形で行かれていた方が戻るのであれば、これは天上がりというふうには表現をしませんので、そうすると独立行政法人においてプロパーの職員の方が天上がりする場合がどうなのかという問題だろうと思いますが、私の知る限り、それはほとんどないかなというふうに思っておりますので、それほど問題視する必要もないのかなというふうには思っております。もしあった場合には是非教えていただきまして、私もその問題について一緒に勉強させていただきたいなというふうに思っているところでございます。  以上です。
  76. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございました。  独立行政法人日本原子力研究開発機構、JAEAの高速増殖炉「もんじゅ」なんですけれども、これ一億円をつぎ込みましたけれども、発電実績、生み出した利益、たったの六億円でしたと。結果として大変な税金の無駄遣いだったと私は思ってしまうんですけれども、先生方はどうお考えでしょうか。お一人お一人の御意見を聞かせていただけますか。
  77. 梶川融

    参考人梶川融君) この「もんじゅ」に対する評価というものは、私自身、これは全体、原子力政策の中で評価されるものと考えておりますので、今おっしゃられた事例において不効率があったかというように考えるものではございません。答えとしては、これで結構でございます。
  78. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) あいにく私は原子力に関して何の知見もございませんので、ちょっとここでお答えできるようなものを持ち合わせておりません。申し訳ございません。
  79. 平井哲史

    参考人平井哲史君) 私も原子力に関して専門的な知見を持ち合わせているわけではございません。ただ、経済的な観点からいけば赤字であることは間違いないわけでございまして、その限りにおいては不経済ということは言えるのかなというふうに思います。  ただ、独立行政法人というのは経済合理性だけでつくられているわけではございませんで、いろいろな政策目的に基づいてつくられているものですから、その政策目的に照らしてどうなのかというところから判断されるものだろうというふうに思っております。  ただし、私自身はもう今の時代は原子力ではなくスマートエネルギーだろうというふうに思っておりますので、その点からすると「もんじゅ」に投入することがこの先もいいのかどうなのか。むしろ、エネルギー政策の転換ということも言われておりますから、よりクリーンなエネルギーの方により多くの予算を充てていくという考え方もあるのかなというふうには思っております。
  80. 山本太郎

    ○山本太郎君 済みません、失礼いたしました。先ほど質問させていただいたときに、「もんじゅ」の予算、一兆円を一億円と焦って言ってしまいました。一兆円ですよね。一兆円もつぎ込んだんだけれども生み出した利益は六億円だったよ、こう考えると、何かすごく不経済な響きがあると思うんですけれども。済みません、専門でもないことを聞いてしまいまして。  でも、この独法について、こういうものというのはどうなんだろう、許されるものなのかな、淘汰されるべきなのかなというものら辺を先生方にお聞きしたかったんです。  そして、もう一つあるんですけれども、先日の委員会で、独立行政法人の日本学生支援機構がやっている奨学金の問題について質問をしたんですよ。もちろん、先生方は奨学金という存在をよく御存じだと思うんですけれども、利子の付くものと利子の付かないもの、利子の付くものはもうその利子の付かないものの倍以上の人たちが受けているんだよと。これ、すごく今学生たちが、もう首が回らない、借金とかで苦しい状況になっていまして、この返済金というのが延滞金というものが付くようになっているんですね。利息が払えなきゃ延滞金が付くよ、延滞金が滞っちゃえば差押えまでされるよという流れの中で、返済の仕方というのは延滞金、そして利息、そして元金の順に充当をされるというものなんですね。お分かりのとおり、これなかなか元金に届かないよな、借金膨らんじゃうよなというのは、よくよくお分かりいただけると思うんですけれども。  この平成二十四年の奨学金の利息収入だけで三百億円以上、これ銀行などの金融機関の懐に入るんですよね。若者が教育を受けるために借金を背負わなきゃいけない、しかも、まだ就職とかも決まっていないし、給料も幾らもらえるか分からないのに、大人たちと同じようなルールで借金を背負わされてしまうということにちょっと憤りを感じてしまうんですけれども、先生方にお伺いしたいのは、これ、ローン組ませるならば、返済方法はまず元本から返せるようにした方がいいんじゃないかなと思うんですね。  これ、もちろん先ほどのとおり、先生方専門お話ではないんですけれども、そこの点、どう思われますか。
  81. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) お三方ですか。
  82. 山本太郎

    ○山本太郎君 はい、よろしくお願いします。
  83. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) ちょっと時間があれですから、じゃ、短く、梶川参考人お願いします。
  84. 梶川融

    参考人梶川融君) これは貸付けの目的いかんを問わず、金融取引の場合、利息が最初に充当されるということは、経済取引としては論理的にそうならざるを得ないと思いますので、意図は、おっしゃられていることはあれですけれども、そうなると思います。
  85. 土居丈朗

    参考人土居丈朗君) 梶川参考人と全く同様ですけれども、経済取引の大前提として、そもそも独法であるか否かにかかわらず、まずは利息から返すというのが貸借契約ですので、その貸借契約に基づいて日本学生支援機構は履行しているんだろうと思います。
  86. 平井哲史

    参考人平井哲史君) 充当の順序につきましては、前お二人の参考人おっしゃったとおりでございます。  ただ、民法の規定は任意規定でございますので、特別に契約条項でそれとは違う充当の順序を定めるのであれば、それはそれで有効というふうになりますので、その点は学生支援機構がその独立行政法人としての役割を踏まえて、学生が社会に出てしっかりやっていけるように支援できるような契約をお考えいただきたいなというふうに思っております。  一点、補足というか蛇足になってしまうかもしれませんが、現在、司法修習生に対する給費制が廃止されて貸与制になっております。この下において、司法修習に上がってくる人たちというのは、貸与制を受けまして、実務に出る段階で平均して六百万円以上の借金をしょって出てきます。こういう状態でまともに業務ができるというふうに余り思えませんので、やはり奨学金というのは学生を、有為な人材社会に送り出すための制度でございますから、その点を是非御理解いただきまして、独立行政法人運営に当たっても御配慮いただきたいなというふうに思っております。  以上です。
  87. 山本太郎

    ○山本太郎君 終わらせていただきます。ありがとうございました。
  88. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人方々に一言御礼の御挨拶を申し上げます。  本日は、長時間にわたり御出席を賜り、貴重な御意見をお述べをいただきました。誠にありがとうございました。委員会代表いたしまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十九分散会